説明

油溶性有機UV吸収剤の濃縮水性製品形態

本発明は、ヒトおよび動物の毛および皮膚を紫外線の損傷作用から防御するために、平均粒径1000 nm未満の濃縮された水性ポリマー分散液を使用することに関するものであって、この濃縮された水性ポリマー分散液は、p-アミノ安息香酸誘導体;サリチル酸誘導体;ベンゾフェノン誘導体;ジフェニルアクリレート誘導体;ベンゾフラン誘導体;1つもしくは複数の有機ケイ素基を有する高分子UV吸収剤;ケイヒ酸誘導体;カンファー誘導体;s-トリアジン誘導体;トリアニリノ-s-トリアジン誘導体;アントラニル酸メンチル;およびベンゾトリアゾール誘導体からなる一群から選択される油溶性有機UV吸収剤(b)の存在下で、少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマーの異相系ラジカル重合によって調製されるポリマー担体(a)を含んでなり、このポリマー担体(a)に対する油溶性有機UV吸収剤(b)の重量比は、担体100部に対してUV吸収剤が50部より多い。濃縮された水性ポリマー分散液は、予想外に高い日焼け止め効果、および皮膚の好感触を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油溶性有機UV吸収剤を含有する、粒径1000 nm未満の濃縮された水性ポリマー分散液に関するものであって、これは、前記UV吸収剤の存在下でエチレン性不飽和モノマーの異相系ラジカル重合により調製され、ポリマー担体に対するUV吸収剤の重量比は、ポリマー担体100部に対してUV吸収剤が50部より多い。
【0002】
本発明のもう一つの態様は、上記のようなUV吸収剤を含有する水性分散液を調製するための方法である。この方法にしたがって調製された水性分散液は、化粧品用途、好ましくは日焼け止め剤に有用な成分である。
【背景技術】
【0003】
水相における美容上UVを防御をするための、登録されたUVフィルターは、ほんの少ししかない。残念ながらこうしたUV吸収剤の使用は、非常に限定される。たとえば、よく知られたUV吸収剤であるフェニルベンズイミダゾールスルホン酸(PBSA)は、pH 7.2より高い、ごく狭いpH範囲でしか使用することができない。したがって、皮膚の中性pHを特色とする製剤は、こうしたUVフィルターを利用しにくい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
同時に、油相および水相中のUVフィルターのバランスのとれた組み合わせは、油相もしくは水相だけにUVフィルターを含有する製剤と比較して、特に高い防御効果を示す。しかしながら、こうした製剤はほとんど耐水性を示さない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
今回、UV吸収剤の存在下、エチレン性不飽和モノマーの異相系ラジカル重合によって調製され、UV吸収剤とポリマー担体の重量比が、ポリマー担体100部に対してUV吸収剤が50部より多い、粒径1000 nm未満の濃縮された水性ポリマー分散液が予想外に高い日焼け止め効果、および皮膚の好感触を示すことが明らかになった。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明のある態様は、ヒトや動物の毛および皮膚を紫外線の損傷作用から防御するために、平均粒径1000 nm未満の濃縮された水性ポリマー分散液を使用することであるが、この濃縮された水性ポリマー分散液は、
p-アミノ安息香酸誘導体;サリチル酸誘導体;ベンゾフェノン誘導体;ジフェニルアクリレート誘導体;ベンゾフラン誘導体;1つもしくは複数の有機ケイ素基を有する高分子UV吸収剤;ケイヒ酸誘導体;カンファー誘導体;s-トリアジン誘導体;トリアニリノ-s-トリアジン誘導体;アントラニル酸メンチル;およびベンゾトリアゾール誘導体からなる一群から選択される油溶性有機UV吸収剤(b)の存在下で、少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマーの異相系ラジカル重合によって調製されるポリマー担体(a)を含んでなるものであって、このポリマー担体(a)に対する油溶性有機UV吸収剤(b)の重量比は、担体100部に対してUV吸収剤が50部より多い。
【0007】
油溶性有機UV吸収剤を有するポリマー担体の分散液中の濃度は、好ましくは、20%〜60% b.w.である。
【0008】
必要に応じて、非イオン性、陽イオン性もしくは陰イオン性界面活性剤、好ましくは非イオン性もしくは陽イオン性界面活性剤を添加することができる。
【0009】
2種以上のエチレン性不飽和モノマーを使用することが好ましい。2種、もしくは3種以上のモノマーを用いて重合を行う場合、少なくとも1種のモノマーは、ある程度の架橋度を与えるために、2つの不飽和官能基を有することができる。たとえば、二官能性モノマーの量は、モノマー混合物の総重量に基づいて0.5から20重量%までさまざまとすることができる。
【0010】
油溶性有機UV吸収剤のポリマー担体に対する重量比が80:100以上、より好ましくは100:100より大きく、もっとも好ましくは120:100より大きい、濃縮された水性ポリマー混合物の使用が好ましい。
【0011】
本発明の具体的な実施形態において、ポリマー担体に対する油溶性有機UV吸収剤の重量比は、ポリマー担体100部に対してUV吸収剤が500部の割合から、ポリマー担体100部に対してUV吸収剤が100部の割合までである。
【0012】
好ましくは、平均粒径は500 nm未満であるが、より好ましくは250 nm未満である。
【0013】
液滴(油/水エマルション)ならびに粒子(ポリマー分散液)のサイズは、動的光散乱(DLS)技術(光子相関分光法(PCS)または準弾性光散乱(QELS)としても知られている)を用いて測定することができる。このような測定のために、たとえば、一定の散乱角度90°を用いたNICOMP粒径分布測定器(NICOMP Model 380, Particle Sizing System, Santa Barbara, CA, USA)を使用することができる。この測定は平均粒径DINT(重み付き強度)をもたらす。
【0014】
濃縮された水性ポリマー分散液の全固体含有量は、水性分散液の総重量に基づいて、たとえば20%より多く、一例として30%より多く、好ましくは40%より多い。特に好ましい実施形態では、全固体含有量は、水性分散液の総重量を基準として50%より多い。
【0015】
本発明において成分(b)として使用される油溶性有機UV吸収剤は、さまざまな種類のよく知られた有機UVフィルターから選択される。こうした防護物質は、たとえばGB-A-2,286,774に記載されているが、その他にもCosmetics & Toiletries(107巻)50ページ以下参照(1992)から公知である。
【0016】
下記の化合物は、p-アミノ安息香酸誘導体の例である;
4-アミノ安息香酸(PABA);

【化1】

のエチルジヒドロキシプロピル-PABA;

【化2】

であって、式中m、nおよびxは同じ意味を有し、それぞれ最大25であるPEG-25-PABA;

【化3】

のオクチルジメチルPABA;および

【化4】

のグリシルアミノ安息香酸。
【0017】
下記の化合物はサリチル酸誘導体の例である:

【化5】

のサリチル酸ホモメンチル;

【化6】

のサリチル酸トリエタノールアミン;

【化7】

のp-ジメチルアミノ安息香酸アミル;

【化8】

のサリチル酸オクチル;および

【化9】

のサリチル酸4-イソプロピルベンジル。
【0018】
下記の化合物は、ベンゾフェノン誘導体の例である:
ベンゾフェノン-3-(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)、ベンゾフェノン-4-(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸)、およびベンゾフェノン-8-(2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)。
【0019】
下記の化合物は、ジフェニルアクリレート誘導体の例である:
オクトクリレン(2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3'-ジフェニルアクリレート)およびオクトクリレン(エチル-2-シアノ-3,3'-ジフェニルアクリレート)。
【0020】
下記の化合物は、ベンゾフラン誘導体の例である:
3-(ベンゾフラニル)-2-シアノアクリレート、2-(2-ベンゾフラニル)-5-tert-ブチルベンゾオキサゾール、および2-(p-アミノフェニル)ベンゾフラン、ならびに特に、

【化10】

または

【化11】

の化合物。
【0021】
下記の化合物は、1つもしくは複数の有機ケイ素基を有する高分子UV吸収剤の例である:
ベンジリデンマロネート誘導体、特に

【化12】

の化合物であって、式中R24は水素もしくはメトキシであり、rはおよそ7である;

【化13】

または

【化14】

の化合物。
【0022】
下記の化合物はケイヒ酸エステルの例である:
メトキシケイヒ酸オクチル(4-メトキシケイヒ酸2-エチルヘキシルエステル)、メトキシケイヒ酸ジエタノールアミン(4-メトキシケイヒ酸のジエタノールアミン塩)、p-メトキシケイヒ酸イソアミル(4-エトキシケイヒ酸2-イソアミルエステル)、2,5-ジイソプロピルメチルケイヒ酸エステル、およびケイヒ酸アミド誘導体。
【0023】
下記の化合物はカンファー誘導体の例である:
4-メチルベンジリデンカンファー[3-(4'-メチル)ベンジリデン-ボルナン-2-オン]、3-ベンジリデンカンファー(3-ベンジリデン-ボルナン-2-オン)、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー{N-[2(および4)-(2-オキシボルン-3-イリデン-メチル)ベンジル]アクリルアミドポリマー}、トリモニウム-ベンジリデンカンファー硫酸エステル[3-(4'-トリメチルアンモニウム)-ベンジリデン-ボルナン-2-オンメチル硫酸エステル]、テレフタリデンジカンファースルホン酸{3,3'-(1,4-フェニレンジメチン)-ビス(7,7-ジメチル-2-オキソ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-メタンスルホン酸)}もしくはその塩、ならびにベンジリデンカンファースルホン酸[3-(4'-スルホ)ベンジリデンボルナン-2-オン]もしくはその塩。
【0024】
下記の化合物は、トリアニリノ-s-トリアジン誘導体の例である:
オクチル トリアジン-[2,4,6-トリアニリノ-(p-カルボ-2'-エチル-1'-オキシ)-1,3,5-トリアジン]、ならびにUS-A-5 332 568、US-A-5 252 323、WO 93/17002およびWO 97/03642およびEP-A-0 517 104に記載のトリアニリノ-s-トリアジン誘導体。
【0025】
下記の化合物はs-トリアジン化合物の例である:
2-(4’-メトキシフェニル)-4,6-ビス(2’-ヒドロキシ-4’-n-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン;2,4-ビス{[4-(3-(2-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン;2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-[4-(2-メトキシエチルカルボキシル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン;2,4-ビス{[4-トリス(トリメチルシロキシシリルプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5 トリアジン;2,4-ビス{[4-(2"メチルプロペニルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン;2,4-ビス{[4-(1',1',1',3',5',5',5'-ヘプタメチルトリシリル-2"-メチルプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン;2,4-ビス{[4-(3-(2-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-[4-エチルカルボキシル)-フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン;または2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(1-メチルピロール-2-イル)-1,3,5-トリアジン。
【0026】
下記の化合物はベンゾトリアゾールの例である:
2-(2-ヒドロキシ-5-メチル-フェニル)ベンゾトリアゾール、およびベンゾトリアゾリルドデシルp-クレゾール。
【0027】
本発明の好ましい実施形態において、下記のUV吸収剤が使用される:
(b1) 式(1)
【化15】

のメトキシケイヒ酸エチルヘキシル;
(b2) 式(2)
【化16】

のビス-エチルヘキシルオキシフェノール メトキシフェニル トリアジン;
(b3) 式(3)
【化17】

のベンゾトリアゾリルドデシルp-クレゾール;
(b4) 式(4)
【化18】

のブチルメトキシジベンゾイルメタン;
(b5) 式(5)
【化19】

の2-シアン-3,3-ジフェニルアクリル酸 (2-エチルヘキシルエステル);
(b6) 式(6)
【化20】

のトリス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(b7) 式(7)
【化21】

のベンゾフェノン-3;
(b8) 式(8)
【化22】

のベンゾフェノン-4;
(b9) 式(9)
【化23】

のポリシリコーン-15;
(b10) 式(10)
【化24】

のジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(b11) 式(11)
【化25】

のジエチルヘキシルブタミドトリアゾン;
(b12) 式(12)
【化26】

のドロメトリゾールトリシロキサン;
(b13) 式(13)
【化27】

のエチルヘキシルジメチルPABA;
(b14) 式(14)
【化28】

のサリチル酸エチルヘキシル;
(b15) 式(15)
【化29】

のエチルヘキシルトリアゾン;
(b16) 式(16)
【化30】

のホモサレート;
(b17) 式(17)
【化31】

のp-メトキシケイヒ酸イソアミル;
(b18) 式(18)
【化32】

の4-メチルベンジリデンカンファー;または
(b1)から(b18)の混合物。
【0028】
式(2)のUV吸収剤(b2)を使用することが好ましい。
【0029】
本発明の好ましい実施形態において、UV吸収剤の混合物が使用される。
【0030】
好ましくは下記のUV吸収剤混合物が使用される:
- 式(1)、(2)および(3)のUV吸収剤(b1)、(b2)および(b3)の混合物;
- 式(4)および(5)のUV吸収剤(b4)および(b5)の混合物;
- 式(1)および(2)のUV吸収剤(b1)および(b2)の混合物;
- 式(2)および(6)のUV吸収剤(b2)および(b6)の混合物;
- 式(2)および(3)のUV吸収剤(b2)および(b3)の混合物;
- 式(2)、(3)および(6)のUV吸収剤(b2)、(b3)および(b6)の混合物。
【0031】
好ましい実施形態において、油溶性有機UV吸収剤(b)の水溶性は、室温、大気圧下にて1重量%未満であるが、好ましくは0.1重量%未満、もっとも好ましくは0.01重量%未満である。
【0032】
水中での溶解性とモノマー液滴中での溶解性との間の適正なバランスは、重合結果に強く影響する。したがって、油溶性有機UV吸収剤の極性はまた、log pによって表される。
【0033】
分散係数log p(オクタノール/水)は、たとえば、化合物の環境影響を評価する上で、広く使用されるパラメーターである。その計算は、W. M. Meylan, P. H. HowardによりJ. Pharmaceutical Sciences 84, (1995), 83-92に記載されている。
【0034】
本発明については、油溶性有機UV吸収剤は、好ましくはlog p = 2を越えるlog p値を有する。
【0035】
たとえば、エチレン性不飽和モノマーは、スチレン、置換スチレン、共役ジエン、アクロレイン、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、無水マレイン酸、(アルキル)アクリル酸無水物、(アルキル)アクリル酸塩、(アルキル)アクリル酸エステル、(アルキル)アクリロニトリル、(アルキル)アクリルアミド、ハロゲン化ビニル、またはハロゲン化ビニリデンからなる一群から選択される。
【0036】
たとえば、エチレン性不飽和モノマーは、式(19) CH2=C(Ra)-(C=Z)-Rbの化合物であって、式中
Z は、OまたはSである;
Ra は、水素;またはC1-C4アルキルである;
Rb は、NH2;O-(Me+);グリシジル;非置換C1-C18アルコキシ;少なくとも1つのNおよび/またはO原子が鎖間に挿入されたC2-C100アルコキシ、もしくはヒドロキシ置換C1-C18アルコキシ;非置換C1-C18アルキルアミノ;ジ(C1-C18アルキル)アミノ;ヒドロキシ置換C1-C18アルキルアミノもしくはヒドロキシ置換ジ(C1-C18アルキル)アミノ;-O-CH2-CH2-N(CH3)2;または-O-CH2-CH2-N+H(CH3)2 An-である;
An- は、一価の有機酸もしくは無機酸の陰イオンである;ならびに
Me は、一価金属原子もしくはアンモニウムイオンである。
【0037】
具体的なエチレン性不飽和モノマーの例には、スチレン、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ベンジル、ビニルトルエン、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸tert-ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ヘキシル、またはアクリル酸ヒドロキシエチルがある。
【0038】
特に好ましいモノマー混合物は、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸シクロヘキシル、ビニルトルエン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチルの混合物である。
【0039】
An-が誘導される酸の例には、C1-C12カルボン酸;CF3SO3HもしくはCH3SO3Hなどの有機スルホン酸;HCl、HBrもしくはHIなどの無機酸;HClO4 などのオキソ酸;またはHPF6もしくはHBF4などの錯酸がある。
【0040】
少なくとも1つのO原子が鎖間に挿入されたC2-C100アルコキシであるRaの例は、式
【化33】

で表され、式中
Rc は、C1-C25アルキル、フェニル、またはC1-C18アルキルで置換されたフェニルである、ならびに
Rd は、水素またはメチルであり、vは1から50までの数字である。
【0041】
これらのモノマーは、たとえば、非イオン性界面活性剤から、対応するアルコキシ化されたアルコールまたはフェノールのアクリレート化により誘導される。繰り返し単位は、酸化エチレン、酸化プロピレン、もしくは両者の混合物から誘導することができる。
【0042】
適当なアクリレートもしくはメタクリレートモノマーの他の例が、下記に与えられる。
【化34】

または
【化35】

であって、式中
An- およびRa は上記で定義された意味を有する;ならびに
Re は、メチル、またはベンジルである。
【0043】
An-は、好ましくはCl-、Br-または -O3S-CH3である。
【0044】
他のアクリレートモノマーとしては、
【化36】

【化37】

【化38】

【化39】

【化40】

【化41】

または
【化42】

があるが、式中
Raは式(19)として定義される。
【0045】
アクリレート以外の適当なモノマーの例としては、
【化43】

【化44】

【化45】

【化46】

または
【化47】

がある。
【0046】
好ましくは、
Ra は、水素;またはメチルである;
Rb はNH2;グリシジル;非置換もしくはヒドロキシ置換C1-C4アルコキシ;非置換C1-C4アルキルアミノ;ジ(C1-C4アルキル)アミノ;ヒドロキシ置換C1-C4アルキルアミノ;またはヒドロキシ置換ジ(C1-C4アルキル)アミノである;ならびに
Z は酸素である。
【0047】
アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルは、典型的にはC1-C18アルキルエステルである。
【0048】
エチレン性不飽和モノマーが、C1-C18アクリレート、C1-C18メタクリレート、アクリル酸、(メタ)アクリル酸、スチレン、ビニルトルエン、ヒドロキシ官能性アクリレートもしくは(メタ)アクリレート、アルコキシ化されたアルコールから誘導されたアクリレートもしくは(メタ)アクリレート、および多官能性アクリレートもしくは(メタ)アクリレート、またはそれらの混合物からなる一群から選択される、濃縮された水性ポリマー分散液が好ましい。
【0049】
特に有用なメタクリレートは、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸シクロヘキシルである。
【0050】
具体的な実施形態において、濃縮された水性ポリマー分散液は、上記のうち少なくとも2種のモノマー、および二官能性もしくは多官能性である少なくとも1種のモノマーの混合物から調製され、その結果、架橋ポリマーが得られる。二官能性もしくは多官能性モノマーの量は、たとえば、モノマーの合計重量に基づいて0.5から20重量%までである。
【0051】
二官能性もしくは多官能性モノマーの典型的な例としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパン-エトキシレート(1EO/OH)-トリアクリレート、グリセリン-プロポキシレート(1PO/OH)トリアクリレート、ペンタエリトリトール-プロポキシレート-トリアクリレート、ペンタエリトリトール-トリアクリレート(PETIA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、またはペンタエリトリトールテトラアクリレート(PETA)がある。
【0052】
モノマーもしくはモノマー混合物の水溶性は低いことが好ましく、5重量%未満、より好ましくは0.5重量%未満、もっとも好ましくは0.1重量%未満である。
【0053】
平均粒径1000 nm未満の濃縮された水性ポリマー分散液は、たとえばWO 2005/23878に記載の、それ自体周知である方法によって調製され、その方法は、少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマーを、油溶性有機UV吸収剤の存在下で、異相系ラジカル重合により重合させるステップを含んでなる;この場合、エチレン性不飽和モノマーから形成されるポリマー担体に対する油溶性有機UV吸収剤の重量比は、ポリマー担体100部に対してUV吸収剤が50部より多い。
【0054】
濃縮された水性ポリマー分散液を調製するための方法は、
(i) 少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー(a)中に、油溶性有機UV吸収剤(b)を溶解、乳化もしくは分散させるステップ;
(ii) 少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー(a)中に溶解、乳化もしくは分散させた前記UV吸収剤(b)の、通常のo/wエマルションを調製するステップ;
(iii) この通常のエマルションを、有機相の液滴の平均粒径が1000 nm未満であるミニエマルションとなるまでホモジナイズするステップ;
(iv) 重合開始剤の添加によって、このミニエマルションを重合させるステップ;
を含んでなるが、ここで、エチレン性不飽和モノマーから形成されるポリマー担体(a)に対する油溶性有機UV吸収剤(b)の重量比は、ポリマー担体100部に対してUV吸収剤が50部より多い。
【0055】
ステップ(ii)において、非イオン性、陽イオン性、または陰イオン性界面活性剤が追加として存在することが好ましい。
【0056】
一般に、陰イオン性および非イオン性界面活性剤が好ましい。
【0057】
状況に応じて、他の水混和性溶媒が、水分含有量を基準として、通常10重量%未満存在していてもよい。本発明に有用な、典型的な共溶媒は、脂肪族アルコール、グリコール、エーテル、グリコールエーテル、ピロリジン、N-アルキルピロリジノン、N-アルキルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アミド、カルボン酸およびその塩、エステル、有機硫化物、スルホキシド、スルホン、アルコール誘導体、ヒドロキシエーテル誘導体(たとえば、ブチルカルビトールまたはセロソルブ)、アミノアルコール、ケトンなど、ならびにこれらの誘導体、およびこれらの混合物からなる一群から選択することができる。具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ジオキサン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセロール、ジプロピレングリコール、テトラヒドロフラン、および他の水溶性もしくは水混和性物質、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0058】
水、水アルコール混合物、水とエチレングリコールもしくはプロピレングリコールの混合物、水アセトン、水テトラヒドロフラン、または水ジメチルホルムアミド混合物が好ましい。
【0059】
添加することができる適当な界面活性剤もしくは界面活性化合物は、当技術分野で周知である。通常使用される量は、1つもしくは複数のモノマーを基準として、0.01重量%から10重量%までの範囲である。
【0060】
本発明に有用な典型的な界面活性剤は、非イオン性、陽イオン性、または陰イオン性のものである。
【0061】
陰イオン性界面活性剤の例は、C12-C18アルキルスルホン酸のアルカリ塩およびアンモニウム塩、コハク酸のジアルキルエステル、またはエトキシ化アルカノールのコハク酸半エステルである。
【0062】
これらの化合物は、たとえば、US 4 269 749から知られているが、主として、商標名Dowfax(商標)2A1 (Dow Chemical Company)に属すような商品情報から周知である。
【0063】
非イオン性界面活性剤は、たとえば、エトキシ化度が3から50まででありC4-C9のアルキル基を有するエトキシ化フェノール(モノ、ジ、トリ)、エトキシ化長鎖アルコール、またはポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシドブロック共重合体などの、脂肪族もしくはアリール脂肪族化合物である。
【0064】
さらに、ポリビニルアルコール、デンプン、セルロース誘導体もしくはビニルピロリドン含有コポリマーなどの保護コロイドを添加して、ステップ(ii)により通常の水中油エマルションを形成してもよい。その他の例は、Houben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie, Band XIV/1, Makromolekulare Stoffe, G. Thieme Verlag Stuttgart 1961, 411-420において与えられる。
【0065】
ホモジナイズステップii)およびiii)は、通常、機械的撹拌(回転子/固定子分散機)を施した後、たとえば、超音波機器(J. Dispersion Sci. Technology 2002, 23(1-3), 333-349)または高圧ホモジナイザー(APV Gaulin homogenizer; Microfluidizer)のような強力な分散装置を使用することによって実行される。こうした乳化/均質化は、連続して、またはバッチ式で、行うことができる。この目的のための装置は当技術分野で周知である。これはたとえば、US 5,108,654に記載されている。
【0066】
重合ステップiv)は、フリーラジカル重合開始剤を添加することによって実施することができる。
【0067】
好ましくは、フリーラジカル重合開始剤は、モノマーもしくはモノマー混合物を基準として、0.01重量%から20重量%までの量で存在するが、より好ましくは0.1重量%から10重量%まで、もっとも好ましくは0.2重量%から5重量%までである。
【0068】
重合開始剤の反応混合物への添加は、バッチ式でも連続式でもよい。
【0069】
好ましくはフリーラジカル重合開始剤は、ビスアゾ化合物、過酸化物、またはヒドロペルオキシドである。
【0070】
具体的な好ましいラジカル源は、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチル-ブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、1,1’-アゾビス(1-シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’-アゾビス(イソブチルアミド)二水和物、2-フェニルアゾ-2,4-ジメチル-4-メトキシバレロニトリル、2,2’-アゾビスイソ酪酸ジメチル、2-(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタン)、2,2’-アゾビス(2-メチルプロパン)、2,2’-アゾビス(N,N’-ジメチレンイソブチルアミジン)、遊離塩基もしくは塩酸塩、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)、遊離塩基もしくは塩酸塩、2,2’-アゾビス{2-メチル-N-[1,1-ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド}もしくは2,2’-アゾビス{2-メチル-N-[1,1-ビス(ヒドロキシメチル)-2-ヒドロキシエチル]プロピオンアミド};アセチルシクロヘキサンスルホニルペルオキシド、ペルオキシ二炭酸ジイソプロピル、ペルオキシネオデカン酸t-アミル、ペルオキシネオデカン酸t-ブチル、ペルオキシピバル酸t-ブチル、ペルオキシピバル酸t-アミル、ビス(2,4-ジクロロベンゾイル)ペルオキシド、ジイソノナノイルペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、ジオクタノイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、ビス(2-メチルベンゾイル)ペルオキシド、ジコハク酸ペルオキシド、ジアセチルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ペルオキシ2-エチルヘキサン酸t-ブチル、ビス(4-クロロベンゾイル)ペルオキシド、ペルオキシイソ酪酸t-ブチル、ペルオキシマレイン酸t-ブチル、1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、過炭酸t-ブチルイソプロピル、ペルオキシイソノナン酸t-ブチル、2.5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、過酢酸t-ブチル、過安息香酸t-アミル、過安息香酸t-ブチル、2,2-ビス(t-ブチルペルオキシ)ブタン、2,2-ビス(t-ブチルペルオキシ)プロパン、過酸化ジクミル、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン、3-t-ブチルペルオキシ 3-フェニルフタリド、ジ-t-アミルペルオキシド、α,α’-ビス(t-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、3,5-ビス(t-ブチルペルオキシ)3,5-ジメチル1,2-ジオキソラン、ジ-t-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)へキシン、3,3,6,6,9,9-ヘキサメチル1,2,4,5-テトラオキサシクロノナン、p-メンタン ヒドロペルオキシド、ピナンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンモノ-α-ヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、またはt-ブチルヒドロペルオキシドである。
【0071】
Fe化合物またはCo化合物を、ペルオキソ塩または重亜硫酸もしくはヒドロ亜硫酸の塩と組み合わせて使用することも可能である。これらの組み合わせは酸化還元系として知られている。
【0072】
重合の温度は、使用する開始剤によって決まる。通常、重合温度は5℃から95℃までの範囲であるが、好ましくは30℃から90℃までである。圧力をかける場合には、温度は120℃まで上昇しうるが、常圧での重合が通常のプロセスである。
【0073】
あるいはまた、重合は、光開始剤、および電磁放射線、特に化学線によって開始されることもある。
【0074】
本発明のプロセスで使用するのに適した光開始剤は、基本的に、電磁波で照射されたときに1つもしくは複数のラジカルを形成する、任意の化合物および混合物である。これらには、複数の開始剤からなる開始剤系、ならびに相互に独立して機能する、もしくは相乗的に機能する系が含まれる。共開始剤、たとえば、アミン、チオール、ホウ酸塩、エノラート、ホスフィン、カルボン酸塩およびイミダゾールに加えて、増感剤、たとえば、アクリジン、キサンテン、チアジン、クマリン、チオキサントン、トリアジンおよび色素を使用することも可能である。こうした化合物および開始剤系に関する記述は、たとえば、Crivello J.V., Dietliker K.K., (1999): Chemistry & Technology of UV & EB Formulation for Coatings, Inks & Paints、およびBradley G. (編) Vol. 3: Photoinitiators for Free Radical and Cationic Polymerisation 第2版、John Wiley & Son Ltdに見出すことができる。本発明の方法(工程b)に適した光開始剤は、不飽和基を有する開始剤でも、そのような基を有さない開始剤でもよい。
【0075】
こうした化合物および誘導体は、たとえば、下記の化合物群から誘導される:ベンゾイン、ベンジルケタール、アセトフェノン、ヒドロキシアルキルフェノン、アミノアルキルフェノン、アシルホスフィンオキサイド、アシルホスフィンスルフィド、アシルオキシイミノケトン、ミヒラー(Michler)ケトンなどのアルキルアミノ置換ケトン、ペルオキシ化合物、ジニトリル化合物、ハロゲン化アセトフェノン、フェニルグリオキシル酸、二量体フェニルグリオキサル酸、ベンゾフェノン、オキシムおよびオキシムエステル、チオキサントン、クマリン、フェロセン、チタノセン、オニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ジアゾニウム塩、ホウ酸塩、トリアジン、ビスイミダゾール、ポリシランおよび色素。上記化合物群に属する化合物を相互に組み合わせて使用すること、ならびに、対応する共開始剤系および/または増感剤と組み合わせて使用することも可能である。
【0076】
重合が終了した後、揮発性成分、主として水を、粒子を凝集させることなく、除去することができる。したがって、ポリマー粒子は必要に応じて容易に再分散させることができる。
【0077】
揮発性成分の蒸発は、たとえば噴霧乾燥のような標準的方法を用いて行うことができる。
【0078】
本発明の濃縮された水性ポリマー分散液は、UVフィルターとして、すなわち、紫外線感受性の有機物質、中でもヒトおよび動物の皮膚および毛を紫外線の有害作用から守るために特に適している。
【0079】
したがって、上記分散液は、化粧品、医薬品、および動物用医薬品中の日焼け止め剤として好適である。
【0080】
したがって、本発明のもう一つの態様は化粧品組成物であって、これは
(a) 請求項1に記載の濃縮された水性ポリマー分散液;および
(b) 化粧品として許容される担体
を含んでなる。
【0081】
本発明の化粧品製剤または医薬組成物は、表2に記載の1つもしくは複数の他のUVフィルターを追加して含有することができる。
【表1】





【0082】
本発明の化粧品組成物は、好ましくは、ヒトの毛もしくは皮膚を、紫外線の有害な影響から防ぐために使用される。
【0083】
化粧品組成物は好ましくは、水性環境/媒体/製剤中で;
- 紫外線防御指数(SPF)を改善するために;
- UVフィルターの量を増やすために;
- 耐水性を向上させるために、
使用することができる。
【0084】
化粧品もしくは医薬品製剤は、たとえば、クリーム、ジェル、ローション、アルコールおよび水/アルコール溶液、エマルション、ワックス/脂肪組成物、スティック製剤、粉末または軟膏とすることができる。上記UVフィルターに加えて、化粧品もしくは医薬品製剤は、下記の補助剤を含有することができる。
【0085】
水および油を含有するエマルション(たとえば、W/O、O/W、O/W/OおよびW/O/Wエマルションまたはマイクロエマルション)として製剤が含有するのは、たとえば、組成物の総重量を基準として0.1から30重量%まで、好ましくは0.1から15重量%まで、特に0.5から10重量%までの本発明の水性ポリマー分散液、組成物の総重量を基準として1から60重量%まで、特に5から50重量%まで、そして好ましくは10から35重量%までの少なくとも1つの油成分、組成物の総重量を基準として0から30重量%まで、特に1から30重量%まで、そして好ましくは4から20重量%までの少なくとも1つの乳化剤、組成物の総重量に基づいて10から90重量%まで、特に30から90重量%までの水、ならびに0から88.9重量%まで、特に1から50重量%までの、化粧品として許容されるその他の補助剤である。
【0086】
本発明の化粧品もしくは医薬品組成物/製剤はまた、1つもしくは複数の追加の化合物、たとえば、脂肪アルコール、脂肪酸エステル、天然もしくは合成トリグリセリド(グリセリルエステルおよび誘導体を含む)、真珠光沢のあるワックス、炭化水素油、シリコーンもしくはシロキサン(有機置換ポリシロキサン)、フッ素化もしくはペルフルオロ化された油、乳化剤、補助剤および添加物、過脂肪化剤、界面活性剤、濃度調節剤/増粘剤およびレオロジー調整剤、ポリマー、生体活性成分、脱臭活性成分、フケ取り剤、酸化防止剤、ハイドロトロピー剤、防腐剤、細菌抑制剤、香油、顔料、高分子ビーズまたは中空球を、SPF増強剤として含有することができる。
【0087】
化粧品もしくは医薬品製剤
化粧品もしくは医薬品の製剤は、さまざまな化粧品に含まれる。たとえば、特に下記の製品は考慮に入れられる:スキンケア製品、浴剤、美容パーソナルケア用品、フットケア用品、日焼け止め剤、日焼け剤、脱色剤、虫除け剤、脱臭剤、制汗剤、しみやニキビ痕などのある皮膚を洗浄してケアする製品、化学的方法による脱毛剤、シェービング剤、芳香剤、美容ヘアトリートメント剤。
【0088】
提示形態
記載された最終的な製剤は、さまざまな提示形態で存在しうるが、たとえば、
- W/O、O/W、O/W/O、W/O/WもしくはPITエマルション、およびあらゆる種類のマイクロエマルションとして液体製剤の形で、
- ジェルの形で、
- オイル、クリーム、ミルクもしくはローションの形で、
- パウダー、マニキュア用エナメル、タブレットもしくはメーキャップ化粧品の形で、
- スティックの形で、
- スプレー(噴射用ガスを伴うスプレー、またはポンプ式スプレー)もしくはエアロゾルの形で、
- フォーム(泡)の形で、または
- ペーストの形で
存在しうる。
【0089】
皮膚用の化粧品製剤として特に重要なのは、光保護製剤、例えば、サンミルク、ローション、クリーム、オイル、サンブロックもしくはトロピカル、プレタンニング製剤、またはアフターサン製剤、スキンタンニング製剤、例えば、セルフタンニングクリームである。特に興味を惹くのは、光保護クリーム、光保護ローション、光保護ミルク、及びスプレーの形をとる光保護製剤である。
【0090】
毛髪用の化粧品製剤として特に重要なのは、上記のヘアトリートメント用製剤、特にシャンプーの形をとる洗髪剤、ヘアコンディショナー、ヘアケア製品、たとえばプレトリートメント剤、ヘアトニック、スタイリングクリーム、スタイリングジェル、ポマード、ヘアリンス、トリートメントパック、集中ヘアトリートメント、ヘアストレートニング製品、液体ヘアセット剤、ヘアフォームおよびヘアスプレーである。特に興味を惹くのは、シャンプーの形をとる洗髪剤である。
【0091】
こうした製剤中の他の代表的な成分は、防腐剤、殺菌剤および静菌剤、香料、色素、顔料、増粘剤、保湿剤、湿潤剤、脂、油、ワックス、または化粧品およびパーソナルケア製品の他の典型的な成分、たとえばアルコール、ポリアルコール、ポリマー、電解質、有機溶媒、ケイ素誘導体、皮膚軟化剤、乳化剤もしくは乳化界面活性剤、界面活性剤、分散剤、酸化防止剤、抗刺激剤および抗炎症剤などである。
【0092】
本発明の化粧品製剤は、日光の有害な影響からヒトの皮膚を非常によく保護する点で、優れている。
【実施例】
【0093】
以下の実施例は、本発明を例証するものである。
【0094】
A. 調製実施例
日焼け止め製品中の下記の油溶性UV吸収剤の有効性について調べる。
【表2】


【0095】
実施例A1
安定な油/水エマルションを調製するために、
化合物(101) 65部
化合物(102) 10部および
化合物(103) 25部
からなる混合物(UV-Mix 1)を20 gメタクリル酸メチル(MMA)、1.6 gメタクリル酸ステアリル(SMA)および0.06 gブタンジオールジアクリレート(BDDA)中に溶解する。油相を、56.5 g脱イオン水中に1.6 gドデシル硫酸ナトリウムを入れて撹拌した溶液に、滴下して加える。30分撹拌して超音波により加工した後、速度論的に安定したエマルションが得られ、平均液滴直径は250 nm未満である。このエマルションを55℃に加熱した後、その反応混合物にレドックス開始剤(3 g脱イオン水に溶解した0.06 gアスコルビン酸;0.5 g脱イオン水で希釈した0.25 ml H2O2 (35%))を添加する。
【0096】
反応混合物をメカニカルスターラーで絶えず撹拌して、3時間55℃に維持した後、室温(RT)に冷却して、20μmフィルターを通して濾過する。
【0097】
その結果得られた粒径DINTは141 nmである。
【0098】
化合物(101)(102)および(103)の油溶性UV吸収剤混合物の活性含量は、エマルション総重量を基準として20重量%である。
【0099】
実施例A2
安定な油/水エマルションを調製するために、
化合物(101) 65部
化合物(102) 10部および
化合物(103) 25部
からなる混合物(UV-Mix 1)を16 gメタクリル酸メチル(MMA)、1.6 gメタクリル酸ステアリル(SMA)および0.05 gブタンジオールジアクリレート(BDDA)中に溶解する。油相を、56.5 g脱イオン水中に1.6 gドデシル硫酸ナトリウムを入れて撹拌した溶液に、滴下して加える。30分撹拌して超音波により加工した後、速度論的に安定したエマルションが得られ、平均液滴直径は250 nm未満である。このエマルションを55℃に加熱した後、その反応混合物にレドックス開始剤(3 g脱イオン水に溶解した0.08 gアスコルビン酸;0.5 g脱イオン水で希釈した0.32 ml H2O2 (35%))を添加する。
【0100】
反応混合物をメカニカルスターラーで絶えず撹拌して、3時間55℃に維持した後、RTに冷却して、20μmフィルターを通して濾過する。その結果得られた粒径DINTは182 nmである。
【0101】
化合物(101)(102)および(103)の油溶性UV吸収剤混合物の活性含量は、エマルション総重量を基準として24重量%である。
【0102】
実施例A3
安定な油/水エマルションを調製するために、
化合物(101) 65部
化合物(102) 10部および
化合物(103) 25部
からなる混合物(UV-Mix 1)を20 gアクリル酸エチル(EA)、1.6 gメタクリル酸ステアリル(SMA)および0.06 gブタンジオールジアクリレート(BDDA)中に溶解する。
【0103】
油相を、56.5 g脱イオン水中に1.6 gドデシル硫酸ナトリウムを入れて撹拌した溶液に、滴下して加える。
【0104】
30分撹拌して超音波により加工した後、速度論的に安定したエマルションが得られ、平均液滴直径は250 nm未満である。このエマルションを55℃に加熱した後、その反応混合物にレドックス開始剤(3 g脱イオン水に溶解した0.06 gアスコルビン酸;0.5 g脱イオン水で希釈した0.25 ml H2O2 (35%))を添加する。
【0105】
反応混合物をメカニカルスターラーで絶えず撹拌して、3時間55℃に維持した後、RTに冷却して、20μmフィルターを通して濾過する。その結果得られた粒径DINTは156 nmである。
【0106】
化合物(101)(102)および(103)の油溶性UV吸収剤混合物の活性含量は、エマルション総重量を基準として20重量%である。
【0107】
実施例A4
安定な油/水エマルションを調製するために、
化合物(101) 65部
化合物(102) 10部および
化合物(103) 25部
からなる混合物(UV-Mix 1)を16 gアクリル酸エチル(EA)、1.6 gメタクリル酸ステアリル(SMA)および0.05 gブタンジオールジアクリレート(BDDA)中に溶解する。油相を、56.5 g脱イオン水中に1.6 gドデシル硫酸ナトリウムを入れて撹拌した溶液に、滴下して加える。30分撹拌して超音波により加工した後、速度論的に安定したエマルションが得られ、平均液滴直径は250 nm未満である。このエマルションを55℃に加熱した後、その反応混合物にレドックス開始剤(3 g脱イオン水に溶解した0.08 gアスコルビン酸;0.5 g脱イオン水で希釈した0.32 ml H2O2 (35%))を添加する。反応混合物をメカニカルスターラーで絶えず撹拌して、3時間55℃に維持した後、RTに冷却して、20μmフィルターを通して濾過する。
【0108】
その結果得られた粒径DINTは199 nmである。
【0109】
化合物(101)(102)および(103)の油溶性UV吸収剤混合物の活性含量は、エマルション総重量を基準として24重量%である。
【0110】
実施例A5
安定な油/水エマルションを調製するために、
化合物(101) 65部
化合物(102) 10部および
化合物(103) 25部
からなる混合物(UV-Mix 1)を40 gメタクリル酸メチル(MMA)、4.8 gメタクリル酸ステアリル(SMA)および0.12 gブタンジオールジアクリレート(BDDA)中に溶解する。油相を、115 g脱イオン水中に10.3 g Disponil(登録商標)FES 32 IS (31重量%活性成分、Cognis Deutschland GmbH&Co.KG)を入れて撹拌した溶液に、滴下して加える。30分撹拌して超音波により加工した後、速度論的に安定したエマルションが得られ、平均液滴直径は250 nm未満である。
【0111】
このエマルションを55℃に加熱した後、その反応混合物にレドックス開始剤(3 g脱イオン水に溶解した0.2 gアスコルビン酸;2.0 g脱イオン水で希釈した0.81 ml H2O2 (35%))を添加する。反応混合物をメカニカルスターラーで絶えず撹拌して、3時間55℃に維持した後、RTに冷却して、20μmフィルターを通して濾過する。その結果得られた粒径DINTは170 nmである。
【0112】
化合物(101)(102)および(103)の油溶性UV吸収剤混合物の活性含量は、エマルション総重量を基準として20重量%である。
【0113】
実施例A6
以下の試料は、11 % メタクリル酸ヒドロキシエチル、15 % ビニルトルオール、15 % メタクリル酸シクロヘキシル、28 % メタクリル酸メチル、および31 % メタクリル酸イソブチルを含有するモノマー混合物(Mix I)を用いて調製した。
【0114】
安定な油/水エマルションを調製するために、
化合物(101) 65部
化合物(102) 10部および
化合物(103) 25部
からなる混合物(UV-Mix 1)を40 g Mix I、3.2 gメタクリル酸ステアリル(SMA)および0.12 gブタンジオールジアクリレート(BDDA)中に溶解する。油相を、110 g脱イオン水中に10.3 g Disponil(登録商標)FES 32 IS (31重量%活性成分、Cognis Deutschland GmbH&Co.KG)を入れて撹拌した溶液に、滴下して加える。30分撹拌して超音波により加工した後、速度論的に安定したエマルションが得られ、平均液滴直径は250 nm未満である。このエマルションを55℃に加熱した後、その反応混合物に、レドックス開始剤(5 g脱イオン水に溶解した0.2 gアスコルビン酸;5.0 g脱イオン水で希釈した0.81 ml H2O2 (35%))を添加する。反応混合物をメカニカルスターラーで絶えず撹拌して、3時間55℃に維持した後、RTに冷却して、20μmフィルターを通して濾過する。その結果得られた粒径DINTは198 nmである。化合物(101)(102)および(103)の油溶性UV吸収剤混合物の最終的な活性含量は、エマルション総重量を基準として20重量%である。
【0115】
実施例A7
安定な油/水エマルションを調製するために、
化合物(101) 65部
化合物(102) 10部および
化合物(103) 25部
からなる混合物(UV-Mix 1)を40 g Mix Iおよび3.2 gメタクリル酸ステアリル(SMA)中に溶解する。油相を、110 g脱イオン水中に10.3 g Disponil(登録商標)FES 32 IS (31重量%活性成分、Cognis Deutschland GmbH&Co.KG)を入れて撹拌した溶液に、滴下して加える。30分撹拌して超音波により加工した後、速度論的に安定したエマルションが得られ、平均液滴直径は250 nm未満である。このエマルションを55℃に加熱した後、その反応混合物に、レドックス開始剤(5 g脱イオン水に溶解した0.2 gアスコルビン酸;5.0 g脱イオン水で希釈した0.81 ml H2O2 (35%))を添加する。反応混合物をメカニカルスターラーで絶えず撹拌して、55℃に3時間維持した後、RTに冷却して、20μmフィルターを通して濾過する。その結果得られた粒径DINTは198 nmである。
【0116】
化合物(101)(102)および(103)の油溶性UV吸収剤混合物の最終的な活性含量は、エマルション総重量を基準として20重量%である。
【0117】
実施例A8
安定な油/水エマルションを調製するために、
化合物(101) 65部
化合物(102) 10部および
化合物(103) 25部
からなる混合物(UV-Mix 1)を40 g Mix I、3.2 gメタクリル酸ステアリル(SMA)および0.06 gドデシルメルカプタン(DDM)中に溶解する。油相を、110 g脱イオン水中に10.3 g Disponil(登録商標)FES 32 IS (31重量%活性成分、Cognis Deutschland GmbH&Co.KG)を入れて撹拌した溶液に、滴下して加える。30分撹拌して超音波により加工した後、速度論的に安定したエマルションが得られ、平均液滴直径は250 nm未満である。このエマルションを55℃に加熱した後、その反応混合物に、レドックス開始剤(5 g脱イオン水に溶解した0.2 gアスコルビン酸;5.0 g脱イオン水で希釈した0.81 ml H2O2 (35%))を添加する。
【0118】
反応混合物をメカニカルスターラーで絶えず撹拌して、3時間55℃に維持した後、RTに冷却して、20μmフィルターを通して濾過する。その結果得られた粒径DINTは198 nmである。
【0119】
化合物(101)(102)および(103)の油溶性UV吸収剤混合物の最終的な活性含量は、エマルション総重量を基準として20重量%である。
【0120】
実施例A1からA8と同様に、下記の油溶性UVフィルター、または油溶性UVフィルター混合物が、上記のような安定したエマルションを調製するために使用される:
【表3】

【0121】
実施例A1〜A104と同様に、上記油溶性UVフィルター[化合物(101)〜(106)]ならびにそれらの混合物[(UV-Mix 1)〜(UV-Mix10)]を、下記の調製実施例に記載の安定したエマルションを調製するために使用することができる。
【0122】
実施例A97〜A112
安定な油/水エマルションを調製するために、[化合物(101)〜(106)]から選択される油溶性UVフィルター、または[(UV-Mix 1)〜(UV-Mix10)]から選択される油溶性UVフィルター混合物を34.2 gメタクリル酸メチル(MMA)、3.04 gメタクリル酸ステアリル(SMA)、0.76 gアクリル酸メチル(MAA)および0.11 gブタンジオールジアクリレート(BDDA)中に溶解する。油相を、110 g脱イオン水中に10.3 g Disponil(登録商標)FES 32 IS (31重量%活性成分、Cognis Deutschland GmbH&Co.KG)を入れて撹拌した溶液に、滴下して加える。30分撹拌して超音波により加工した後、速度論的に安定したエマルションが得られ、平均液滴直径は250 nm未満である。このエマルションを55℃に加熱した後、その反応混合物にレドックス開始剤(5 g脱イオン水に溶解した0.2 gアスコルビン酸;5.0 g脱イオン水で希釈した0.81 ml H2O2 (35%))を添加する。
【0123】
反応混合物をメカニカルスターラーで絶えず撹拌して、3時間55℃に維持した後、RTに冷却して、20μmフィルターを通して濾過する。
【0124】
その結果得られた粒径DINTは198 nmである。
【0125】
この油溶性UV吸収剤の最終的な活性含量は、エマルション総重量を基準として20重量%である。
【0126】
実施例A113〜A128
安定な油/水エマルションを調製するために、[化合物(101)〜(106)]から選択される油溶性UVフィルター、または[(UV-Mix 1)〜(UV-Mix10)]から選択される油溶性UVフィルター混合物を、76 gメタクリル酸メチル(MMA)および0.11 gブタンジオールジアクリレート(BDDA)中に溶解する。油相を、110 g脱イオン水中に10.3 g Disponil(登録商標)FES 32 IS (31重量%活性成分、Cognis Deutschland GmbH&Co.KG)を入れて撹拌した溶液に、滴下して加える。30分撹拌して超音波により加工した後、速度論的に安定したエマルションが得られ、平均液滴直径は250 nm未満である。このエマルションを55℃に加熱した後、その反応混合物にレドックス開始剤(5 g脱イオン水に溶解した0.2 gアスコルビン酸;5.0 g脱イオン水で希釈した0.81 ml H2O2 (35%))を添加する。
【0127】
反応混合物をメカニカルスターラーで絶えず撹拌して、3時間55℃に維持した後、RTに冷却して、20μmフィルターを通して濾過する。
【0128】
その結果得られた粒径DINTは198 nmである。
【0129】
この油溶性UV吸収剤の最終的な活性含量は、エマルション総重量を基準として20重量%である。
【0130】
実施例A129〜A144
安定な油/水エマルションを調製するために、[化合物(101)〜(106)]から選択される油溶性UVフィルター、または[(UV-Mix 1)〜(UV-Mix10)]から選択される油溶性UVフィルター混合物を76 gメタクリル酸メチル(MMA)および1.14 gブタンジオールジアクリレート(BDDA)中に溶解する。油相を、110 g脱イオン水中に10.3 g Disponil(登録商標)FES 32 IS (31重量%活性成分、Cognis Deutschland GmbH&Co.KG)を入れて撹拌した溶液に、滴下して加える。30分撹拌して超音波により加工した後、速度論的に安定したエマルションが得られ、平均液滴直径は250 nm未満である。このエマルションを55℃に加熱した後、その反応混合物にレドックス開始剤(5 g脱イオン水に溶解した0.2 gアスコルビン酸;5.0 g脱イオン水で希釈した0.81 ml H2O2 (35%))を添加する。
【0131】
反応混合物をメカニカルスターラーで絶えず撹拌して、3時間55℃に維持した後、RTに冷却して、20μmフィルターを通して濾過する。
【0132】
その結果得られた粒径DINTは198 nmである。
【0133】
この油溶性UV吸収剤の最終的な活性含量は、エマルション総重量を基準として20重量%である。
【0134】
実施例A145〜A160
安定な油/水エマルションを調製するために、[化合物(101)〜(106)]から選択される油溶性UVフィルター、または[(UV-Mix 1)〜(UV-Mix10)]から選択される油溶性UVフィルター混合物を76 gメタクリル酸メチル(MMA)および1.14 gトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)中に溶解する。油相を、110 g脱イオン水中に10.3 g Disponil(登録商標)FES 32 IS (31重量%活性成分、Cognis Deutschland GmbH&Co.KG)を入れて撹拌した溶液に、滴下して加える。30分撹拌して超音波により加工した後、速度論的に安定したエマルションが得られ、平均液滴直径は250 nm未満である。このエマルションを55℃に加熱した後、その反応混合物にレドックス開始剤(5 g脱イオン水に溶解した0.2 gアスコルビン酸;5.0 g脱イオン水で希釈した0.81 ml H2O2 (35%))を添加する。
【0135】
反応混合物をメカニカルスターラーで絶えず撹拌して、3時間55℃に維持した後、RTに冷却して、20μmフィルターを通して濾過する。
【0136】
その結果得られた粒径DINTは198 nmである。
【0137】
この油溶性UV吸収剤の最終的な活性含量は、エマルション総重量を基準として20重量%である。
【0138】
B. 適用実施例
UVを吸収するPMMA重合反応生成物を、撹拌しながら化粧品製剤の水相中に取り込む。
【0139】
基本製剤1
SPF8 (5% OCR; 0,9% BMDBM, 0,8% Tinosorb S)
【表4】

【表5】

【0140】
基本製剤1からの添加は、30-40℃にて撹拌しながら基本製剤1に組み入れられる。
【0141】
サンドブラストPMMAプレート(Helioscience, Marseille, Franceにより納品)上にサンプルを1.4 mg/cm2の濃度で塗布し、Atlas社製CPS+ Irradiatorにより照射して、Optometrics社製SPF 290 analyzerで検査する。検査手順はDIN 67502にしたがって実施される。in vitro SPFの計算は、M. Wloka et al., Proceedings of the 8th International Conference, The Royal Society, London, Paper12にしたがって行う。
【表6】

【0142】
基本製剤2
O/W陰イオン性SPF10 (5% OCR; 2.5% BMDBM, 1.7% Tinosorb S)
【表7】

【表8】

【0143】
B4、B5およびB6の成分はそれぞれ、50-60℃にて撹拌しながら基本製剤2に組み入れられる。
【0144】
サンドブラストPMMAプレート(Helioscience, Marseille, Franceにより納品)上にサンプルを1.4 mg/cm2の濃度で塗布し、Atlas社製CPS+ Irradiatorにより照射して、Optometrics社製SPF 290 analyzerで検査する。検査手順はDIN 67502にしたがって実施される。in vitro SPFの計算は、M. Wloka et al., Proceedings of the 8th International Conference, The Royal Society, London, Paper12にしたがって行う。
【表9】

【0145】
基本製剤3
O/W陰イオン性SPF25 (10% OCR; 2.6% BMDBM, 2.5% Tinosorb S, 1.6% TiO2)
【表10】

【表11】

【0146】
B7、B8およびB9の成分はそれぞれ、50-60℃にて撹拌しながら基本製剤3に組み入れられる。
【0147】
サンドブラストPMMAプレート(Helioscience, Marseille, Franceにより納品)上にサンプルを1.4 mg/cm2の濃度で塗布し、Atlas社製CPS+ Irradiatorにより照射して、Optometrics社製SPF 290 analyzerで検査する。検査手順はDIN 67502にしたがって実施される。in vitro SPFの計算は、M. Wloka et al., Proceedings of the 8th International Conference, The Royal Society, London, Paper12にしたがって行う。
【表12】

【0148】
基質としてVITRO-SKIN(商標)N-19 を使用し、IMS社のin vitro高耐水性試験(Very Water Resistant Test)プロトコールにしたがって、in vitroのSPF高耐水性(VWR)評価を実施した。
【表13】

【0149】
基本製剤4
W/O SPF10 (5% OCR; 2.5% BMDBM, 1.7% Tinosorb S)
【表14】

【表15】

【0150】
B10、B11およびB12の成分はそれぞれ、50-60℃にて撹拌しながら基本製剤4に組み入れられる。
【0151】
サンプルを、サンドブラストPMMAプレート(Helioscience, Marseille, Franceにより納品)上に1.4 mg/cm2の濃度で塗布し、Atlas社製CPS+ Irradiatorにより照射して、Optometrics社製SPF 290 analyzerで検査する。検査手順はDIN 67502にしたがって実施される。in vitro SPFの計算は、M. Wloka et al., Proceedings of the 8th International Conference, The Royal Society, London, Paper12にしたがって行う。
【表16】

【0152】
基本製剤5
W/O SPF25 (10% OCR; 2.6% BMDBM, 2.5% Tinosorb S, 1.6% TiO2)
【表17】

【表18】

【0153】
B13、B14およびB15の成分はそれぞれ、50-60℃にて撹拌しながら基本製剤5に組み入れられる。
【0154】
サンプルを、サンドブラストPMMAプレート(Helioscience, Marseille, Franceにより納品)上に1.4 mg/cm2の濃度で塗布し、Atlas社製CPS+ Irradiatorにより照射して、Optometrics社製SPF 290 analyzerで検査する。検査手順はDIN 67502にしたがって実施される。in vitro SPFの計算は、M. Wloka et al., Proceedings of the 8th International Conference, The Royal Society, London, Paper12にしたがって行う。
【表19】

【0155】
サンプルは、International Sun Protection Factor (SPF) Test Method, COLIPA, May 2006 (スクリーニング)およびColipa Recommendation No. 11 - SPF Classification / upper limit(SPF分類/上限)、COLIPA, June 2002にしたがって、in vivoでテストした。
【表20】

【0156】
基本製剤6
O/W 非イオン性 SPF10 (5% OCR; 2.5% BMDBM, 1.7% Tinosorb S)
【表21】

【表22】

【0157】
B16、B17およびB18の成分はそれぞれ、50-60℃にて撹拌しながら基本製剤6に組み入れられる。
【0158】
サンドブラストPMMAプレート(Helioscience, Marseille, Franceにより納品)上にサンプルを1.4 mg/cm2の濃度で塗布し、Atlas社製CPS+ Irradiatorにより照射して、Optometrics社製SPF 290 analyzerで検査する。検査手順はDIN 67502にしたがって実施される。in vitro SPFの計算は、M. Wloka et al., Proceedings of the 8th International Conference, The Royal Society, London, Paper12にしたがって行う。
【表23】

【0159】
基本製剤7
O/W 非イオン性 SPF25 (10% OCR; 2.6% BMDBM, 2.5% Tinosorb S, 1.6% TiO2)
【表24】

【表25】

【0160】
B19、B20およびB21の成分はそれぞれ、50-60℃にて撹拌しながら基本製剤7に組み入れられる。
【0161】
サンドブラストPMMAプレート(Helioscience, Marseille, Franceにより納品)上にサンプルを1.4 mg/cm2の濃度で塗布し、Atlas社製CPS+ Irradiatorにより照射して、Optometrics社製SPF 290 analyzerで検査する。検査手順はDIN 67502にしたがって実施される。in vitro SPFの計算は、M. Wloka et al., Proceedings of the 8th International Conference, The Royal Society, London, Paper12にしたがって行う。
【表26】

【0162】
基本製剤8
O/W ジェルSPF10 (5% OCR; 2.5% BMDBM, 1.7% Tinosorb S)
【表27】


【表28】

【0163】
B22、B23およびB24の成分はそれぞれ、50-60℃にて撹拌しながら基本製剤8に組み入れられる。
【0164】
サンドブラストPMMAプレート(Helioscience, Marseille, Franceにより納品)上にサンプルを1.4 mg/cm2の濃度で塗布し、Atlas社製CPS+ Irradiatorにより照射して、Optometrics社製SPF 290 analyzerで検査する。検査手順はDIN 67502にしたがって実施される。in vitro SPFの計算は、M. Wloka et al., Proceedings of the 8th International Conference, The Royal Society, London, Paper12にしたがって行う。
【表29】

【0165】
基本製剤9: 水/シリコン
【表30】

【表31】

【0166】
B25およびB26の成分はそれぞれ、50-60℃にて撹拌しながら基本製剤9に組み入れられる。
【0167】
サンドブラストPMMAプレート(Helioscience, Marseille, Franceにより納品)上にサンプルを1.4 mg/cm2の濃度で塗布し、Atlas社製CPS+ Irradiatorにより照射して、Optometrics社製SPF 290 analyzerで検査する。検査手順はDIN 67502にしたがって実施される。in vitro SPFの計算は、M. Wloka et al., Proceedings of the 8th International Conference, The Royal Society, London, Paper12にしたがって行う。
【表32】

【0168】
基本製剤10: O/W 陰イオン性 (10% OCR; 2.6% BMDBM, 0.5% Tinosorb S. 1.6% TiO2)
【表33】

【表34】

【0169】
B27およびB28の成分はそれぞれ、50-60℃にて撹拌しながら基本製剤10に組み入れられる。
【0170】
サンドブラストPMMAプレート(Helioscience, Marseille, Franceにより納品)上にサンプルを1.4 mg/cm2の濃度で塗布し、Atlas社製CPS+ Irradiatorにより照射して、Optometrics社製SPF 290 analyzerで検査する。検査手順はDIN 67502にしたがって実施される。in vitro SPFの計算は、M. Wloka et al., Proceedings of the 8th International Conference, The Royal Society, London, Paper12にしたがって行う。
【表35】

【0171】
基本製剤11: W/O (10% OCR; 2.6% BMDBM, 0.5% Tinosorb S, 1.6% TiO2)
【表36】

【表37】

【0172】
B29およびB30の成分はそれぞれ、50-60℃にて撹拌しながら基本製剤11に組み入れられる。
【0173】
サンドブラストPMMAプレート(Helioscience, Marseille, Franceにより納品)上にサンプルを1.4 mg/cm2の濃度で塗布し、Atlas社製CPS+ Irradiatorにより照射して、Optometrics社製SPF 290 analyzerで検査する。検査手順はDIN 67502にしたがって実施される。in vitro SPFの計算は、M. Wloka et al., Proceedings of the 8th International Conference, The Royal Society, London, Paper12にしたがって行う。
【表38】

【0174】
基本製剤12
【表39】


【0175】
基本製剤13
【表40】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
p-アミノ安息香酸誘導体;サリチル酸誘導体;ベンゾフェノン誘導体;ジフェニルアクリレート誘導体;ベンゾフラン誘導体;1もしくは複数の有機ケイ素基を有する高分子UV吸収剤;ケイヒ酸誘導体;カンファー誘導体;s-トリアジン誘導体;トリアニリノ-s-トリアジン誘導体;アントラニル酸メンチル;およびベンゾトリアゾール誘導体の一群から選択される油溶性有機UV吸収剤(b)の存在下のおける、少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマーの異相系ラジカル重合によって調製されるポリマー担体(a)を含む、紫外線の損傷作用からヒトおよび動物の毛および皮膚を保護するための、平均粒径が1000 nm未満の濃縮水性ポリマー分散液の使用であって、
油溶性有機UV吸収剤(b)のポリマー担体(a)に対する重量比が、担体100部に対してUV吸収剤が50部より多い、前記分散液の使用。
【請求項2】
濃縮水性ポリマー分散液の平均粒径が500 nm未満である、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
油溶性有機UV吸収剤を有するポリマー担体の分散液中の濃度が、20%〜60% b.w.である、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
非イオン性、陽イオン性もしくは陰イオン性の界面活性剤を更に含んでなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
油溶性UV吸収剤(b)のポリマー担体(a)に対する重量比が、担体100部に対してUV吸収剤が80部以上である、1〜4のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
油溶性有機UV吸収剤(b)が、
(b1) 式(1)
【化1】

のメトキシケイヒ酸エチルヘキシル;
(b2) 式(2)
【化2】

のビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(b3) 式(3)
【化3】

のベンゾトリアゾリルドデシルp-クレゾール;
(b4) 式(4)
【化4】

のブチルメトキシジベンゾイルメタン;
(b5) 式(5)
【化5】

の2-シアン-3,3-ジフェニルアクリル酸 (2-エチルヘキシルエステル);
(b6) 式(6)
【化6】

のトリス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(b7) 式(7)
【化7】

のベンゾフェノン-3;
(b8) 式(8)
【化8】

のベンゾフェノン-4;
(b9) 式(9)
【化9】

のポリシリコーン-15;
(b10) 式(10)
【化10】

のジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル;
(b11) 式(11)
【化11】

のジエチルヘキシルブタミドトリアゾン;
(b12) 式(12)
【化12】

のドロメトリゾールトリシロキサン;
(b13) 式(13)
【化13】

のエチルヘキシルジメチルPABA;
(b14) 式(14)
【化14】

のサリチル酸エチルヘキシル;
(b15) 式(15)
【化15】

のエチルヘキシルトリアゾン;
(b16) 式(16)
【化16】

のホモサレート;
(b17) 式(17)
【化17】

のp-メトキシケイヒ酸イソアミル;
(b18) 式(18)
【化18】

の4-メチルベンジリデンカンファー;または
(b1)から(b18)の混合物、
からなる一群から選択される、1〜5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
UV吸収剤(b2)が使用される、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
式(1)、(2)および(3)のUV吸収剤(b1)、(b2)および(b3)の混合物が使用される、請求項6に記載の使用。
【請求項9】
式(4)および(5)のUV吸収剤(b4)および(b5)の混合物が使用される、請求項6に記載の使用。
【請求項10】
式(1)および(2)のUV吸収剤(b1)および(b2)の混合物が使用される、請求項6に記載の使用。
【請求項11】
式(2)および(6)のUV吸収剤(b2)および(b6)の混合物が使用される、請求項6に記載の使用。
【請求項12】
式(2)および(3)のUV吸収剤(b2)および(b3)の混合物が使用される、請求項6に記載の使用。
【請求項13】
式(2)、(3)および(6)のUV吸収剤(b2)、(b3)および(b6)の混合物が使用される、請求項6に記載の使用。
【請求項14】
有機UV吸収剤(b)の水溶性が室温、大気圧下にて1重量%未満である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の使用。
【請求項15】
エチレン性不飽和モノマーが、C1-C18アクリレート、C1-C18メタクリレート、アクリル酸、(メタ)アクリル酸、スチレン、ビニルトルエン、ヒドロキシ官能性アクリレートもしくは(メタ)アクリレート、アルコキシ化アルコールから誘導されたアクリレートもしくは(メタ)アクリレート、および多官能性アクリレートもしくは(メタ)アクリレート、またはそれらの混合物からなる一群から選択される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の使用。
【請求項16】
(i) 少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー(a)中に、油溶性有機UV吸収剤(b)を溶解、乳化もしくは分散させること;
(ii) 少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー(a)中に溶解、乳化もしくは分散した前記UV吸収剤(b)の、通常のo/wエマルションを調製すること;
(iii) 前記通常のエマルションを、有機相の液滴の平均粒径が1000 nm未満であるミニエマルションにホモジナイズすること;
(iv) 重合開始剤の添加によって、ミニエマルションを重合させること;
を含む、請求項1に記載の濃縮水性ポリマー分散液の調製方法であって、油溶性有機UV吸収剤(b)の、エチレン性不飽和モノマーから形成されるポリマー担体(a)に対する重量比が、ポリマー担体100部に対してUV吸収剤が50部より多い、前記方法。
【請求項17】
(a) 請求項1に記載の水性ポリマー分散液;および
(b) 化粧品として許容される担体、
を含んでなる化粧品組成物。
【請求項18】
水性環境/媒体/製剤中での、請求項17に記載の化粧品組成物の使用。
【請求項19】
紫外線防御指数(SPF)を改善するための、請求項17に記載の化粧品組成物の使用。
【請求項20】
UVフィルターの量を増やすための、請求項17に記載の化粧品組成物の使用。
【請求項21】
耐水性を向上させるための、請求項17に記載の化粧品組成物の使用。

【公表番号】特表2010−532812(P2010−532812A)
【公表日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515466(P2010−515466)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【国際出願番号】PCT/EP2008/058356
【国際公開番号】WO2009/007264
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】