説明

治療剤

【課題】 キサントアンゲロール、4−ヒドロキシデリシンは、HMG−CoAレダクターゼ阻害作用、炎症性サイトカイン産生抑制作用、アディポネクチン産生増強作用等の機能が知られている。本発明の課題は、これら以外の種々の疾病に、とりわけ顕著な効果でもって有効である、茶の花部の抽出物を有効成分として用いる治療剤の提供にある。
【解決手段】 キサントアンゲロールおよび/または4−ヒドロキシデリシンを有効成分とする高尿酸血症の予防または改善剤、抗骨粗鬆症剤、抗鬱・抗ストレス剤、皮膚外用剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キサントアンゲロールおよび/または4−ヒドロキシデリシンを有効成分とする各種疾病に有用な治療剤に関する。
【背景技術】
【0002】
キサントアンゲロール、4−ヒドロキシデリシンは、HMG−CoAレダクターゼ阻害作用(特許文献1)、炎症性サイトカイン産生抑制作用(特許文献2)、アディポネクチン産生増強作用(特許文献3)等の機能が知られている。
しかしながら、キサントアンゲロールおよび/または4−ヒドロキシデリシンが、下記で説明する本発明で適用される種々の疾病に、顕著な効果でもって有効であるとの見地はない。
【特許文献1】国際公開WO2005/074906号パンフレット
【特許文献2】特開2008−106011号公報
【特許文献3】特開2007−262050号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、下記で説明する本発明で適用される種々の疾病に、とりわけ顕著な効果でもって有効である各種治療剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の発明は、キサントアンゲロールおよび/または4−ヒドロキシデリシンを有効成分とする高尿酸血症の予防または改善剤である。
請求項2に記載の発明は、キサントアンゲロールおよび/または4−ヒドロキシデリシンを有効成分とする抗骨粗鬆症剤である。
請求項3に記載の発明は、キサントアンゲロールおよび/または4−ヒドロキシデリシンを有効成分とする抗鬱・抗ストレス剤である。
請求項4に記載の発明は、キサントアンゲロールおよび/または4−ヒドロキシデリシンを有効成分とする皮膚外用剤である。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、下記で説明する本発明で適用される種々の疾病に、とりわけ顕著な効果でもって有効である各種治療剤が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
【0007】
本発明で用いられるキサントアンゲロールおよび/または4−ヒドロキシデリシンは、商業的に入手可能であり、また、公知の方法にしたがって合成することもできる。これとは別に、キサントアンゲロールおよび/または4−ヒドロキシデリシンは、セリ科植物のアシタバから抽出し、各種クロマトグラフィー等により分画し、精製することにより得ることもできる。なお、当該方法は公知であり、例えば上記特許文献1〜3に開示されている。
【0008】
キサントアンゲロールおよび/または4−ヒドロキシデリシンの投与量は、患者の年令、体重、適応症状などによって異なるが、例えば、成人1日1〜数回、1回量約1mg〜10g、好ましくは10mg〜1g程度投与するのがよい。
【0009】
また、キサントアンゲロールおよび/または4−ヒドロキシデリシンを皮膚外用剤として用いる場合は、皮膚外溶剤中、0.0001〜10質量%の割合で含まれるのが好ましい。
【0010】
本発明の治療剤は、錠剤、ピル、カプセル、顆粒、粉末、散剤、液剤等の固形または溶液の形態(以下、製剤ともいう)に公知の方法により適宜調製することができる。即ち、本発明に有用な固形製剤または液状製剤は、従来充分に確立された公知の製剤製法を用いることにより製造される。添加剤としては、例えば賦形剤、pH調整剤、清涼化剤、懸濁化剤、希釈剤、消泡剤、粘稠剤、溶解補助剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、抗酸化剤、コーティング剤、着色剤、矯味矯臭剤、界面活性剤、可塑剤または香料などが挙げられる。
【0011】
また本発明の治療剤は、各種健康食品および機能性食品として摂取可能である。これらの例としては、各種のものをあげることができるが、健康食品および機能性食品の製造に関しては、通常用いられる、食品素材、食品添加物に加え、賦形剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、分散剤、保存剤、湿潤化剤、溶解補助剤、防腐剤、安定化材、カプセル基剤等の補助剤を用いた飲食品製剤形態で利用することができる。該補助剤の具体的な例示をすれば、乳糖、果糖、ブドウ糖、でん粉、ゼラチン、炭酸マグネシウム、合成ケイ酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、炭酸カルシウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、またはその塩、アラビアガム、ポリエチレングルコール、シロップ、ワセリン、グリセリン、エタノール、プロピレングリコール、クエン酸、塩化ナトリウム、亜硫酸ソーダ、リン酸ナトリウム、プルラン、カラギーナン、デキストリン、還元パラチノース、ソルビトール、キシリトール、ステビア、合成甘味料、クエン酸、アスコルビン酸、酸味料、重曹、ショ糖エステル、植物硬化油脂、塩化カリウム、サフラワー油、ミツロウ、大豆レシチン、香料等が配合できる。このような健康食品、機能性食品の製造に関しては、医薬品製剤の参考書、例えば「日本薬局方解説書(製剤総則)」(廣川書店)等を参考にすることができる。
【0012】
上記以外にも本発明の治療剤は飲食品として摂取することができる。具体的には、納豆、厚揚げ、豆腐、こんにゃく、団子、漬物、佃煮、コロッケ、サンドイッチ、ピザ、ハンバーガー、餃子、シューマイ、サラダ等の各種総菜や、各種粉末(ビーフ、ポーク、チキン等畜産物、海老、帆立、蜆、昆布等水産物、野菜・果実類、植物、酵母、藻類等)や、プリン、クッキー、クラッカー、パン、ケーキ、チョコレート、ポテトチップス、ビスケット、ドーナツ、ゼリーなどの洋菓子、煎餅、羊羹、大福、おはぎ、その他の饅頭、カステラなどの和菓子、冷菓(飴等)、チューインガム等のパン・菓子類や、うどん、そば、きしめん等の麺類や、かまぼこ、ハム、魚肉ソーセージ等の魚肉練り製品や、ハム、ソーセージ、ハンバーグ、コーンビーフ等の畜肉製品や、塩、胡椒、みそ、しょう油、ソース、ドレッシング、マヨネーズ、ケチャップ、甘味料、辛味料等の調味類や、明石焼き、たこ焼き、もんじゃ焼き、お好み焼き、焼きそば、焼きうどん等の鉄板焼き食品や、チーズ、ハードタイプのヨーグルト等の乳製品や、油脂類・香料類(バニラ、柑橘類、かつお等)を粉末固形化したものや、粉末飲食品(インスタントコーヒー、インスタント紅茶、インスタントミルク、インスタントスープ、味噌汁等)等の各種食品が挙げることができるが、これらに特に制限されない。
【0013】
さらに本発明においては、例えば、ローヤルゼリー、プロポリス、ビタミン類(A、C、D、E、K、葉酸、パントテン酸、ビオチン、これらの誘導体等)、ミネラル(鉄、マグネシウム、カルシウム、亜鉛等)、セレン、レシチン、カロテノイド(リコピン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、ルテイン等)、サポニン(ギムネマ酸、大豆サポニン、人参サポニン等)、脂肪酸、タンパク質(コラーゲン、エラスチン等)、オリゴ糖(イソマルトオリゴ糖、環状オリゴ糖等)、リン脂質及びその誘導体(フォスファチジルコリン、スフィンゴミエリン、セラミド等)、含硫化合物(アリイン、セパエン、タウリン、グルタチオン、メチルスルホニルメタン等)、糖アルコール、リグナン類(セサミン等)、これらを含有する動植物抽出物、根菜類(ウコン、ショウガ等)、などを併用することもできる。
【0014】
また、キサントアンゲロールおよび/または4−ヒドロキシデリシンを皮膚外用剤として用いる場合は、皮膚外用剤として通常使用される公知の材料、例えば色素、香料、防腐剤、界面活性剤、顔料、抗酸化剤、保湿剤、紫外線吸収剤などを適宜配合することができる。
本発明の皮膚外用剤は、クリーム、乳液、化粧水、パック等、公知の形態で使用され得る。
【実施例】
【0015】
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明の治療剤は、高尿酸血症の予防または改善剤、抗骨粗鬆症剤、抗鬱・抗ストレス剤としてきわめて有用である。また本発明の皮膚外用剤は、美白剤、シワ形成抑制剤、にきび治療剤としてきわめて有用である。以下、上記各種薬効について実施例でもって説明する。
【0016】
実施例1(高尿酸血症の改善効果)
実験方法
供試動物はWistar系ラット雌(8週令、体重約180g)を1群6匹で用いた。
試験飼料に0.75%の濃度でアデニンを加えてラットに給与し、腎臓からの尿中への尿酸排泄阻害を起こさせて高尿酸血症のモデル動物とした。
対照群は、上記の0.75%アデニン飼料のみ、薬剤投与群は、0.75%アデニンと上記キサントアンゲロール含有飼料とした。飼料は自由摂取としたが、薬剤投与群の試験飼料中の上記キサントアンゲロールの濃度を、摂取量が1mg/kg体重となるように調整した。試験開始日及び24日目に血中の尿酸値を測定した。
その結果、対照群の試験開始日の血中尿酸濃度は、0.57mg/mlであり、24日目が2.33mg/mlであったのに対し、薬剤投与群の24日目の血中尿酸濃度は0.78mg/mlであった。
この結果から明らかなように、対照群では血中尿酸濃度が大幅に増加するのに対し、薬剤投与群ではいずれもその濃度は増加しなかった。したがって、キサントアンゲロールは、高尿酸血症の予防または改善剤として有用であることが示された。なお、上記のキサントアンゲロールに替えて、4−ヒドロキシデリシンを用いて上記と同じ実験を行なったところ、薬剤投与群の24日目の血中尿酸濃度は0.75mg/mlであった。さらに、キサントアンゲロールと4−ヒドロキシデリシンを1:1のモル比で併用して上記実験を繰り返したところ、薬剤投与群の24日目の血中尿酸濃度は0.66mg/mlであった。
【0017】
実施例2(抗骨粗鬆症効果)
骨粗鬆症改善効果試験
SD系ラット(22週齢)メスの卵巣を外科的に取り除き、骨粗鬆症のモデルラットを作成した。卵巣摘出ラットを7匹ずつ6群に分け、35日間の試験期間中、1日置きに(計17回)、キサントアンゲロールの摂取量が1mg/kgとなるように、生理食塩水溶解した液体を2ml経口投与した。飼料はオリエンタル酵母株式会社のマウス・ラット・ハムスター用固形飼料CRF−1を用い、給餌および給水方法は自由摂取とした。試験期間中、各群間で、餌の摂取量に差は認められなかった。試験開始後35日目にラットの体重を測定した後、大腿骨を取り出した。大腿骨は、接着組織および筋肉を取り除いて分析に使用した。大腿骨の体積を測定した後、エタノールで3回洗浄し、次にアセトンで3回洗浄したのち、一晩乾燥し、その後、重量を測定して大腿骨の乾燥重量を求めた。体積および乾燥重量から、骨密度(乾燥重量g/体積mm3 )を測定した。なお対照実験として、前記キサントアンゲロールを含まない生理食塩水をラットに投与したこと以外は、上記実験を繰り返した例(比較例)も併せて、その結果を表1に示す。
【0018】
【表1】

【0019】
実施例2と比較例とを対比したところ、実施例2はp<0.05の危険率で有意差が認められた。なお、上記のキサントアンゲロールに替えて、4−ヒドロキシデリシンを用いて上記と同じ実験を行なったところ、ほぼ同様の結果を得た。
【0020】
実施例3(抗鬱・抗ストレス効果)
キサントアンゲロールの抗鬱・抗ストレス効果を調べた。
マウス強制水泳試験による精神安定作用の評価
本発明の治療剤の評価は、1977年にPorsoltにより開発されたマウス強制水泳試験を採用した。本試験は鬱病の動物モデル実験として最も多用される方法のひとつである。本試験では、マウスをある限られたスペースの中で強制的に泳がせて「無動状態」を惹起させる。この無動状態は、ストレスを負荷された動物が水からの逃避を放棄した一種の「絶望状態」を反映するものと考えられ、ヒトにおける鬱状態、ストレス状態と関連づけられている。事実、抗鬱薬は特異的にこの状況下における無動状態の持続時間を短縮させることがわかっており、この短縮作用は臨床力価との間に有意な相関を有することが認められている。
【0021】
本試験方法は次のとおりである。
25℃の水を深さ15cmまで入れたプラスチック円筒中でマウスを強制水泳させる。5分間の強制水泳後、30℃の乾燥機中で15分間乾燥し、ホームケージに戻す。翌日マウスに試験試料を腹腔内投与して、その1時間後に再び5分間の強制水泳を課し、現れた無動状態の持続時間をストップウォッチを用いて測定する。マウスが水に浮かんで静止している状態を無動状態と判定する。無動状態持続時間については有意差検定を行い、統計学的に有意差を検定する。実験には雄のddYマウスを使用し、1群6匹とする。なお、試験は全て午後1時から午後6時の間に行う。また、ポジティブコントロールとして抗鬱薬であるイミプラミンを用いた試験も行う。
【0022】
その結果、キサントアンゲロールを30mg/kg投与したマウスの無動状態持続時間は、173.5±3.9秒であった。コントロール(生理食塩水のみ)は220.0±2.2秒であった。ポジティブコントロール(30mg/kg投与)のマウスの無動状態持続時間は、176.5±4.0秒であった。本実施例およびポジティブコントロールの無動状態持続時間は、危険率1%で有意差を有する。なお、キサントアンゲロールを2〜3倍量使用しても、同様の結果を得た。また、上記のキサントアンゲロールに替えて、4−ヒドロキシデリシンを用いて上記と同じ実験を行なったところ、ほぼ同様の結果を得た。
【0023】
実施例4(メラニン抑制効果)
メラニンを生成する細胞として、マウス由来の培養B16メラノーマ細胞を用いてウシ胎児血清を終濃度10%になるように添加したイーグルMEM培地で培養し、該細胞を3×103cell/mlの濃度で6ウェルプレートの各ウェルに6ml播種し、5日間COインキュベーター内で培養後、キサントアンゲロールを添加した培地に交換し、さらに3日間同条件で培養する。細胞を洗浄後、細胞をスクレーパー処理により剥がし、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)により可溶化して475nm、260nmの吸光度を測定し、S475、S260とする。メラニン抑制率は被検試料を添加しない培地で培養した細胞の475nm、260nmにおける吸光度をC475、C260として式1により計算した。ポジティブコントロールとしてコウジ酸(Kojic acid)を用いた。
【0024】
【数1】

【0025】
その結果、ポジティブコントロール(培地中にコウジ酸3mM添加)のメラニン抑制率は約56%であり、キサントアンゲロールを添加した被験試料(培地中にキサントアンゲロールを500μg/ml添加)のメラニン抑制率は約55%であった。なお、上記のキサントアンゲロールに替えて、4−ヒドロキシデリシンを用いて上記と同じ実験を行なったところ、ほぼ同様の結果を得た。
【0026】
実施例5(シワ形成抑制効果)
5匹ずつ2群のヘアレスマウスの背部に、UVB(長波長紫外線)を10週間照射してシワ形成モデルを作製した。その後、このシワ形成モデルの1群にはキサントアンゲロールを0.5質量%の割合で10%エタノール水溶液に溶解した液体を(実施例)、もう1群には10%エタノール水溶液のみを(比較例)、シワが形成された背部に1日1回、週に5日の割合で4週間塗布し続けた。4週間の塗布期間終了後、各モデルの背部からレプリカを採取し、得られたレプリカのそれぞれについて、次の基準に従ってシワスコアを付した。
(シワスコア基準)
0:方向性のある構造は認められない。
1:繊維状の細い構造が方向性をもって認められる。
2:方向性をもった繊維状の細い構造とともに太い棒状の構造が認められる。
3:方向性をもった太い棒状の構造が認められる。
【0027】
上記シワスコアを用いた評価は、レプリカ上の方向性をもった線状の構造をシワとして定義して評価したものである。したがって、上記シワスコア基準に従えば、スコアが高いほどシワ形成が進んだ皮膚状態と評価される。上記で得られたシワスコアについて各群の平均値を算出したところ、実施例は0、比較例は1.0であった。両群のシワスコアについて、Mann−Whitney検定により有意差検定を行ったところ、実施例のシワスコアは、比較例のシワスコアに比べ、危険率0.05以下で有意に小さかった。なお、上記のキサントアンゲロールに替えて、4−ヒドロキシデリシンを用いて上記と同じ実験を行なったところ、ほぼ同様の結果を得た。
【0028】
実施例6
キサントアンゲロールを含有する下記組成のクリームを常法により調製した。
キサントアンゲロール 10重量部
グリセロールソルビタン脂肪酸エステル 60重量部
微結晶性ワックス 10重量部
オリーブオイル 30重量部
流動パラフィン 180重量部
ステアリン酸マグネシウム 10重量部
プロピレングリコール 37重量部
硫酸マグネシウム 7重量部
精製水 655重量部
【0029】
実施例7
上記実施例6のクリームについて、シワ形成抑制効果をしらべた。即ち、シワに悩むパネラーを用いて、1日朝・晩2回、毎日1カ月間、上記実施例6のクリームを顔面右側に塗布し、左側に対する右側のシワの改善を、++:非常に改善、+:明らかに改善、±:僅かに改善、−:改善せずの基準で評価した。その結果、パネラー全員とも、非常に改善、の評価であった。なお、上記のキサントアンゲロールに替えて、4−ヒドロキシデリシンを用いて上記と同じ実験を行なったところ、ほぼ同様の結果を得た。
【0030】
実施例8(にきび治療効果)
乳 液:
以下に示す組成及び下記製法で乳液を調製し、にきび予防および改善効果を調べた。
【0031】
【表2】

【0032】
( 製 法 )
A. 成分(1)〜(6)を加熱混合し、70℃に保つ。
B. 成分(9)と(11)の一部を加熱混合し、70℃に保つ。
C. BにAを加えて混合し、均一に乳化する。
D. Cを冷却後(11)の残部に溶かした(7)、(8)、(12)および(10)に溶かした(13)を加え、均一に混合して乳液を得た。
【0033】
(試験方法)
被験乳液1品につき22歳から40歳の女性15名をパネルとし、毎日、朝と夜の2回、洗顔後に被験乳液の適量を顔面に塗布した。12週間塗布を行い、塗布によるにきび改善効果の有効性を、以下の3ランクで判断し、下記評価基準によって評価した。
【0034】
(有効性ランク )
有効 : にきびが出来にくくなった。にきびが目立たなくなった。
やや有効: にきびがやや出来にくくなった。にきびがあまり目立たなくなった。
無 効: 使用前と変化なし。
【0035】
その結果、パネラー全員が「有効」と評価した。
なお、上記のキサントアンゲロールに替えて、4−ヒドロキシデリシンを用いて上記と同じ実験を行なったところ、ほぼ同様の結果を得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キサントアンゲロールおよび/または4−ヒドロキシデリシンを有効成分とする高尿酸血症の予防または改善剤。
【請求項2】
キサントアンゲロールおよび/または4−ヒドロキシデリシンを有効成分とする抗骨粗鬆症剤。
【請求項3】
キサントアンゲロールおよび/または4−ヒドロキシデリシンを有効成分とする抗鬱・抗ストレス剤。
【請求項4】
キサントアンゲロールおよび/または4−ヒドロキシデリシンを有効成分とする皮膚外用剤。

【公開番号】特開2010−90042(P2010−90042A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−259575(P2008−259575)
【出願日】平成20年10月6日(2008.10.6)
【出願人】(707000691)辻堂化学株式会社 (104)
【Fターム(参考)】