説明

治療用ピラゾロナフチリジン誘導体

本発明は、式(I)の新規の化学系列、ならびにGABAA受容体のベンゾジアゼピン部位への結合およびGABAAのα5サブタイプの負の調節のためのその使用方法、および障害に関連するGABAA受容体関連障害の治療のための医薬品の製造における式(I)の化合物の使用を提供する。本発明は、動物において1つまたは複数のGABAAサブタイプを調節する方法であって、式(I)の化合物の有効量を該動物に投与することを含む方法をさらに提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、米国特許法119条(e)に基づいて、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、2007年6月8日に出願した米国仮出願第60/943,000号の有益性を主張するものである。
【0002】
本発明は、認知を向上させるための治療の用途のGABAAα5の調節因子としてのピラゾロナフチリジンの新規の誘導体の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
阻害性神経伝達物質γ-アミノ酪酸(GABA)は、2つの異なるクラスの受容体、すなわちGABAAおよびGABABに対するリガンドとして機能する。GABAAクラスは、リガンド開口型イオンチャネルであるのに対して、GABABは、カノニカル7回膜貫通型Gタンパク質共役受容体である。GABAA受容体は、α、β、γおよびδを含むいくつかのサブユニットで構成される。GABAA受容体の個々のサブユニットのクローニングにより、これまで、6つのαサブユニット、3つのβサブユニット、3つのγサブユニットおよび1つのδサブユニットの存在が確認されている。受容体の全体構造は、最低限のサブユニット必要条件が少なくとも1つのαサブユニット、1つのβサブユニットおよび1つのγサブユニットである五量体である。
【0004】
サブユニットの前記多様性により、GABAA受容体を含むサブユニットの10000を超える組合せが見込まれるが、すべてが自然に存在するわけではない。生物的関連性を有し、(ラットの脳に比較的豊富に存在する)ことが確認された具体的な組合せとしては、αlβ2γ2(43%)、α2β2/3γ2(18%)、α3βγ2/3(17%)、α2βγ1(8%)、α5β3γ2/3 (4%)、α6βγ2(2%)、α6βδ(2%)およびα4βδ(3%)が挙げられる(その全体が参照により本明細書に組み込まれているBarnard, E.A.ら、(1998) Pharmacol. Rev. 50:291〜313頁)。
【0005】
ベンゾジアゼピン、ステロイド、バルビツール酸塩、エタノールおよび痙攣薬(例えばピクロトキシン)に対する部位を含む受容体の活性を調節するいくつかの異なる小分子結合部位がGABAA受容体上に存在する。GABA結合部位はα/β界面に位置する。α/γ界面に位置するベンゾジアゼピン結合部位(BZ部位)に結合する化合物の特定に多大な薬学的研究が投じられてきた。GABAの結合は、薬物のBZ部位への結合によって著しく調節され、それによりいくつかの異なる薬理的応答が生じ得る。GABAA機能のアゴニストであるジアゼパムおよびゾルピデムなどの薬物は、抗不安薬として歴史的成功を示した(その全体が参照により本明細書に組み込まれているMuller, W.E. (1988) Drugs of Today 24:649〜663頁)。これらの薬物の鎮静および催眠効果は、主としてα1含有受容体との相互作用によるものであることが最近の研究によって示されたため、抗不安活性を維持しながらも鎮静的副作用を低減するために、α1βγ2よりα2β2γ2およびα3βγ2に対して優先的な活性を有する薬物を見出すことに多大な労力が注がれた(その全体が参照により本明細書に組み込まれているRudolph, U. F.ら、(1999) Nature 401 :796〜800頁;その全体が参照により本明細書に組み込まれているLow, K.F.ら、(2000) Science 290:131〜134頁;その全体が参照により本明細書に組み込まれているMcKernan, R.M.ら、(2000) Nat. Neurosci. 3:587〜592頁)。
【0006】
α5サブユニットは、記憶および空間的ナビゲーションにおいて役割を果たす脳の一部である海馬に多く見られる。その結果、α5含有GABA受容体機能と認知の関連を突き止めることに多大な研究が注がれた。いくつかの研究所の結果は、α5βγ2/3 GABAA受容体の選択的逆アゴニズムが、いくつかの動物モデルにおいて記憶機能の顕著な向上を示し得ることを示した。特許文献および科学文献の両方において逆アゴニストの例が増加している(その全体が参照により本明細書に組み込まれているYokoyama, N.ら、(1982) J Med. Chem. 25:337〜339頁;その全体が参照により本明細書に組み込まれているTakada, S.ら、(1988) J Med. Chem. 31:1738〜1745頁;その全体が参照により本明細書に組み込まれているAtack, J.R.ら、(2006) European Journal of Pharmacology 548:77〜82頁)。認知改善薬の好ましいプロファイルは、α5において負の調節を示すが、α1、α2またはα3の調節がより小さく、痙攣または鎮静などの副作用を最小限に抑えるものである。α5選択的GABAA負調節因子は、まだ市場に導入されておらず、限られた数しかヒトで臨床試験で調査されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国仮出願第60/943,000号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Barnard, E.A.ら、(1998) Pharmacol. Rev. 50:291〜313頁
【非特許文献2】Muller, W.E. (1988) Drugs of Today 24:649〜663頁
【非特許文献3】Rudolph, U. F.ら、(1999) Nature 401 :796〜800頁
【非特許文献4】Low, K.F.ら、(2000) Science 290:131〜134頁
【非特許文献5】McKernan, R.M.ら、(2000) Nat. Neurosci. 3:587〜592頁
【非特許文献6】Yokoyama, N.ら、(1982) J Med. Chem. 25:337〜339頁
【非特許文献7】Takada, S.ら、(1988) J Med. Chem. 31:1738〜1745頁
【非特許文献8】Atack, J.R.ら、(2006) European Journal of Pharmacology 548:77〜82頁
【非特許文献9】Damm, H.W.ら、(1978) Res. Comm. Chem. Pathol. Pharmacol、22:597〜560頁
【非特許文献10】Speth, R.C.ら、(1979) Life Sci. 24: 351〜357頁
【非特許文献11】Park-Chung, M.A.ら、(1999) Brain Res. 830: 72〜87頁
【非特許文献12】Lippa Aら、(2005) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 102(20):7380〜7385頁
【非特許文献13】Bourtchouladze, R.ら、(2003) Proc. Natl Acad. Sci USA 100:10518〜10522頁
【非特許文献14】Deibert, E.ら、(1999) Neurology 52:1413〜1417頁
【非特許文献15】Mitchell, J. B.およびLaiacona, J. (1998) Behav. Brain Res. 97: 107〜113頁
【非特許文献16】Teng, E.ら、(2000) J. Neuroscience 20: 3853〜3863頁
【非特許文献17】Mumby, D.G. (2001) Behavioural Brain Research 127: 159〜181頁
【非特許文献18】Pittenger, Cら、(2002) Neuron 34: 447〜462頁
【非特許文献19】Ennaceur, A.およびAggleton, J.P. (1997) Behav. Brain Res. 88: 181〜193頁
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
GABAA受容体のベンゾジアゼピン部位に結合することが示され、GABAAのα5サブタイプを負調節する新しい化学系列の組成物および使用を本明細書に記載する。式Iの一般構造を以下に示す。
【0010】
【化1】

【0011】
式Iの化合物は、それらの化学構造のすべての可能な互変異性体およびそれらの混合物を包含する。
【0012】
発明の実施形態、態様および変形
以下の構造において、式が2つの互変異性構造の混合物として示されるときは、「R」の定義が、左の構造と右の構造で異なり得ることが認識される。例えば、式(I)の化合物において、左の構造では「R」の定義が不在であるが、右の構造では「R」の定義が水素であり得る。互変異性構造で表される化合物は、すべての可能な互変異性体形およびそれらの混合物で存在することができる。また、化合物は、両方の導出互変異性体形で存在する必要がない。いずれかの導出構造で表すことができる化合物は、平衡であるか、平衡でないかにかかわらず本開示内に含まれる。
【0013】
式によっては2つの互変異性体形が導出されることが認識される。簡単にするために、示された式に対して右の互変異性体形のみが導出されているいくつかの場合(請求項を含む)において、これは、他の互変異性体形を除外するものではない。ある式に対して1つの互変異性体形のみが導出されている場合において、他の互変異性体形も考えられる。
【0014】
本発明の一実施形態は、式(I)の化合物を提供する。
【0015】
【化2】

【0016】
(式中、
Rは、不在、水素または酸化物であり;
Z1、Z2、Z3およびZ4は、それぞれ独立に、NまたはC(R1)であり、
Z1、Z2、Z3およびZ4の少なくとも1つはNであり、Z1、Z2、Z3およびZ4の少なくとも2つはC(R1)であり;
各R1は、独立に、水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、B1、-CONRaRb、-NRaRb、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、アミノ(C1〜C6)アルキル、5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルキル、および5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルコキシからなる群から選択され;少なくとも1つのR1は、B1であり;
B1
【0017】
【化3】

【0018】
であり;
R2は、水素、ヒドロキシ、ハロ、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルキル、および5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルコキシからなる群から選択され;
各RaおよびRbは、独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、(C1〜C6)アルキルアリール、-S(O)z(C1〜C6)アルキル、-S(O)zアリール、-C(O)(C1〜C6)アルキル、-C(O)NRg(C1〜C6)アルキル、-C(O)NRgアリール、-C(O)O(C1〜C6)アルキル、アリールOC(O)-またはアリールC(O)-であり、あるいはRaおよびRbは、それらが結合された窒素と一緒になって、1つまたは複数のRdで場合により置換された複素環基を形成し;複素環基は、O(酸素)、S(硫黄)およびNRcから選択される1つまたは複数の基を場合により含み;
各Rcは、独立に、水素、(C2〜C6)アルケニル、(C2〜C6)アルキニル、-C(O)O(C1〜C6)アルキル、-C(O)Oアリール、(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキル、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、アリールO(C1〜C6)アルキル、-C(O)NRg(C1〜C6)アルキル、-C(O)NRgアリール、-S(O)z(C1〜C6)アルキル、-S(O)zアリール、-C(O)(C1〜C6)アルキル、アリールC(O)-、5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルキル、または5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルコキシであり;
各Rdは、独立に、水素、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、-C(O)NRaRb、-NRaRb、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、アリール、アリール(C1〜C6)アルキル、5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルキル、または5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルコキシであり;
各ReおよびRfは、独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、(C1〜C6)アルキルアリール、アリール(C1〜C6)アルキル、-C(O)(C1〜C6)アルキル、-S(O)z(C1〜C6)アルキル、-S(O)zNRg(C1〜C6)アルキル、-S(O)zアリール、-C(O)NRg(C1〜C6)アルキル、-C(O)(C1〜C6)アルキル、アリールC(O)-、アリールOC(O)-または-C(O)O(C1〜C6)アルキルから選択され;
Rgは、水素、アリール、ヘテロアリール、複素環、または5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルキルであり;
Arは、1つまたは複数のMで場合により置換されたアリール、あるいは1つまたは複数のMで場合により置換されたヘテロアリールであり;
各Qは、独立に、水素、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、-C(O)NRaRb、-NRaRb、5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルキル、5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルコキシ、1つまたは複数のRdで場合により置換された(C1〜C6)アルキル、1つまたは複数のRdで場合により置換されたヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、1つまたは複数のRdで場合により置換されたアリール、あるいは1つまたは複数のRdで場合により置換されたアリール(C1〜C6)アルキルであり;
各Mは、独立に、水素、ハロ、CF3、CF2H、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、(C1〜C6)アルキル、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルコキシ、-NRaRb、アリール、ヘテロアリールまたは複素環であり;
各Xは、独立に、NL、酸素、C(Q)2またはS(O)zであり;
各Lは、独立に、水素、(C2〜C6)アルケニル、(C2〜C6)アルキニル、-C(O)O(C1〜C6)アルキル、-C(O)Oアリール、(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキル、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、アリールO(C1〜C6)アルキル、-CONRcRf、-S(O)z(C1〜C6)アルキル、-S(O)zアリール、-C(O)(C1〜C6)アルキル、アリールC(O)-、-C(O)NRg(C1〜C6)アルキル、5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルキル、または5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルコキシであり;
pは、0、1、2および3から選択される整数であり;
zは、0、1および2から選択される整数であり;
nは、0、1および2から選択される整数である。)。
【0019】
いくつかの実施形態において、Arは、
【0020】
【化4】

【0021】
であり得る
(式中、Yは、CMまたはNである。)。
【0022】
一実施形態において、該化合物は式Iaを有し、またはその互変異性体、またはそれらの医薬として許容し得る塩である
【0023】
【化5】

【0024】
(式中、Yは、CMまたはNである。)。一実施形態において、Xは、NLであり得る。別の実施形態において、Xは酵素であり得る。
【0025】
別の実施形態において、該化合物は式Ibを有し、およびその互変異性体、またはそれらの医薬として許容し得る塩である
【0026】
【化6】

【0027】
(式中、Yは、CMまたはNである。)。一実施形態において、XはNLであり得る。別の実施形態において、Xは酵素であり得る。
【0028】
別の実施形態において、該化合物は式(Ih)を有し、またはその互変異性体、またはそれらの医薬として許容し得る塩である
【0029】
【化7】

【0030】
(式中、Yは、CMまたはNである。)。
【0031】
別の実施形態において、該化合物は式(Ii)を有する。
【0032】
【化8】

【0033】
別の実施形態において、該化合物は式(Ij)を有し、またはその互変異性体、またはそれらの医薬として許容し得る塩である
【0034】
【化9】

【0035】
(式中、Yは、CMまたはNである。)。
【0036】
別の実施形態において、該化合物は式(Ik)を有し、またはその互変異性体、またはそれらの医薬として許容し得る塩である
【0037】
【化10】

【0038】
(式中、Yは、CMまたはNである。)。
【0039】
別の実施形態において、該化合物は式(Il)を有し、またはその互変異性体、またはそれらの医薬として許容し得る塩である
【0040】
【化11】

【0041】
(式中、Yは、CMまたはNである。)。
【0042】
別の実施形態において、該化合物は式(Im)を有し、またはその互変異性体、またはそれらの医薬として許容し得る塩である
【0043】
【化12】

【0044】
(式中、Yは、CMまたはNである。)。
【0045】
別の実施形態において、該化合物は式(In)を有し、またはその互変異性体、またはそれらの医薬として許容し得る塩である
【0046】
【化13】

【0047】
(式中、Yは、CMまたはNである。)。
【0048】
別の実施形態において、該化合物は式(Io)を有し、またはその互変異性体、またはそれらの医薬として許容し得る塩である
【0049】
【化14】

【0050】
(式中、Yは、CMまたはNである。)。
【0051】
別の実施形態において、該化合物は式(Ip)を有し、またはその互変異性体、またはそれらの医薬として許容し得る塩である
【0052】
【化15】

【0053】
(式中、Yは、CMまたはNである。)。
【0054】
別の実施形態において、該化合物は式(Iq)を有し、またはその互変異性体、またはそれらの医薬として許容し得る塩である
【0055】
【化16】

【0056】
(式中、Yは、CMまたはNである。)。
【0057】
別の実施形態において、該化合物は式(Ir)を有し、およびその互変異性体、またはそれらの医薬として許容し得る塩である
【0058】
【化17】

【0059】
(式中、Yは、CMまたはNである。)。
【0060】
別の実施形態において、該化合物は式(Is)を有し、またはその互変異性体、またはそれらの医薬として許容し得る塩である
【0061】
【化18】

【0062】
(式中、Yは、CMまたはNである。)。
【0063】
別の実施形態において、該化合物は式(It)を有し、またはその互変異性体、またはそれらの医薬として許容し得る塩である
【0064】
【化19】

【0065】
(式中、Yは、CMまたはNである。)。
【0066】
別の実施形態において、該化合物は式(Iu)を有し、またはその互変異性体、またはそれらの医薬として許容し得る塩である
【0067】
【化20】

【0068】
(式中、Yは、CMまたはNである。)。
【0069】
別の実施形態において、該化合物は式(Iv)を有し、またはその互変異性体、またはそれらの医薬として許容し得る塩である
【0070】
【化21】

【0071】
(式中、Yは、CMまたはNである。)。
【0072】
別の実施形態において、該化合物は式(Iw)を有し、およびその互変異性体、またはそれらの医薬として許容し得る塩である
【0073】
【化22】

【0074】
(式中、Yは、CMまたはNである。)。
【0075】
別の実施形態において、該化合物は、
【0076】
【化23A】

【0077】
【化23B】

【0078】
【化23C】

【0079】
【化23D】

【0080】
、またはその互変異性体、またはそれらの医薬として許容し得る塩からなる群から選択される。
【0081】
本実施形態は、動物において1つまたは複数のGABAAサブタイプを調節する方法であって、式(I)の化合物、またはその互変異性体、またはそれらの医薬として許容し得る塩の有効量を該動物に投与することを含む方法を提供する。
【0082】
【化24】

【0083】
(式中、
Rは、不在、水素または酸化物であり;
Z1、Z2、Z3およびZ4は、それぞれ独立に、NまたはC(R1)であり、
Z1、Z2、Z3およびZ4の少なくとも1つはNであり、Z1、Z2、Z3およびZ4の少なくとも2つはC(R1)であり;
各R1は、独立に、水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、B1-CONRaRb、-NRaRb、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、アミノ(C1〜C6)アルキル、5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルキル、および5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルコキシからなる群から選択され;少なくとも1つのR1は、B1であり;
B1
【0084】
【化25】

【0085】
であり;
R2は、水素、ヒドロキシ、ハロ、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルキル、および5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルコキシからなる群から選択され;
各RaおよびRbは、独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、(C1〜C6)アルキルアリール、-S(O)z(C1〜C6)アルキル、-S(O)zアリール、-C(O)(C1〜C6)アルキル、-C(O)NRg(C1〜C6)アルキル、-C(O)NRgアリール、-C(O)O(C1〜C6)アルキル、アリールOC(O)-またはアリールC(O)-であり、あるいはRaおよびRbは、それらが結合された窒素と一緒になって、1つまたは複数のRdで場合により置換された複素環基を形成し;複素環基は、O(酸素)、S(硫黄)およびNRcから選択される1つまたは複数の基を場合により含み;
各Rcは、独立に、水素、(C2〜C6)アルケニル、(C2〜C6)アルキニル、-C(O)O(C1〜C6)アルキル、-C(O)Oアリール、(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキル、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、アリールO(C1〜C6)アルキル、-C(O)NRg(C1〜C6)アルキル、-C(O)NRgアリール、-S(O)z(C1〜C6)アルキル、-S(O)zアリール、-C(O)(C1〜C6)アルキル、アリールC(O)-、5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルキル、または5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルコキシであり;
各Rdは、独立に、水素、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、-C(O)NRaRb、-NRaRb、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、アリール、アリール(C1〜C6)アルキル、5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルキル、または5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルコキシであり;
各ReおよびRfは、独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、(C1〜C6)アルキルアリール、アリール(C1〜C6)アルキル、-C(O)(C1〜C6)アルキル、-S(O)z(C1〜C6)アルキル、-S(O)zNRg(C1〜C6)アルキル、-S(O)zアリール、-C(O)NRg(C1〜C6)アルキル、-C(O)(C1〜C6)アルキル、アリールC(O)-、アリールOC(O)-または-C(O)O(C1〜C6)アルキルから選択され;
Rgは、水素、アリール、ヘテロアリール、複素環、または5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルキルであり;
Arは、1つまたは複数のMで場合により置換されたアリール、あるいは1つまたは複数のMで場合により置換されたヘテロアリールであり;
各Qは、独立に、水素、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、-C(O)NRaRb、-NRaRb、5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルキル、5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルコキシ、1つまたは複数のRdで場合により置換された(C1〜C6)アルキル、1つまたは複数のRdで場合により置換されたヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、1つまたは複数のRdで場合により置換されたアリール、あるいは1つまたは複数のRdで場合により置換されたアリール(C1〜C6)アルキルであり;
各Mは、独立に、水素、ハロ、CF3、CF2H、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、(C1〜C6)アルキル、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルコキシ、-NRaRb、アリール、ヘテロアリールまたは複素環であり;
各Xは、独立に、NL、酸素、C(Q)2またはS(O)zであり;
各Lは、独立に、水素、(C2〜C6)アルケニル、(C2〜C6)アルキニル、-C(O)O(C1〜C6)アルキル、-C(O)Oアリール、(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキル、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、アリールO(C1〜C6)アルキル、-CONRcRf、-S(O)z(C1〜C6)アルキル、-S(O)zアリール、-C(O)(C1〜C6)アルキル、アリールC(O)-、-C(O)NRg(C1〜C6)アルキル、5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルキル、または5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルコキシであり;
pは、0、1、2および3から選択される整数であり;
zは、0、1および2から選択される整数であり;
nは、0、1および2から選択される整数である。)。
【0086】
該方法の一実施形態において、調節は負であり得る。別の実施形態において、調節は正であり得る。
【0087】
該方法の一実施形態において、GABAAサブタイプはGABAAα5である。該方法の一実施形態において、調節は負であり得る。別の実施形態において、調節は正であり得る。
【0088】
本明細書に開示されているいくつかの実施形態は、動物において認知機能障害の治療方法であって、認知機能障害を治療する条件下で、本発明の化合物、またはその医薬として許容し得る塩の有効量を該動物に投与することを含む方法に関する。一実施形態において、該動物は、高齢の動物である。別の実施形態において、認知機能障害は、アルツハイマー病、認知症または別の神経変性疾患である。
【0089】
本明細書に開示されているいくつかの実施形態は、動物において神経障害の治療方法であって、神経障害を治療する条件下で、本発明の化合物、またはその医薬として許容し得る塩の有効量を該動物に投与することを含む方法に関する。
【0090】
本明細書に開示されているいくつかの実施形態は、動物において1つまたは複数のGABAAサブタイプの調節に有用な医薬品の製造のための本発明の化合物またはそれらの医薬として許容し得る塩の使用に関する。該方法の一実施形態において、調節は負であり得る。別の実施形態において、調節は正であり得る。該方法の一実施形態において、GABAAサブタイプは、GABAAα5である。該方法の一実施形態において、調節は負であり得る。別の実施形態において、調節は正であり得る。
【0091】
本明細書に開示されているいくつかの実施形態は、動物において認知機能障害の治療に有用な医薬品の製造のための本発明の化合物、またはその医薬として許容し得る塩の使用に関する。一実施形態において、該動物は、健康な動物である。別の実施形態において、該動物は、高齢の動物である。別の実施形態において、認知機能障害は、アルツハイマー病、認知症または別の神経変性疾患である。
【0092】
本明細書に開示されているいくつかの実施形態は、動物において精神障害の治療に有用な医薬品の製造のための本発明の化合物、またはその医薬として許容し得る塩の使用に関する。一実施形態において、精神障害は、不安障害、睡眠障害、鬱病または統合失調症である。
【0093】
本明細書に開示されているいくつかの実施形態は、動物においてα5以外のGABAAα5サブユニットの調節によって改善される障害の治療に有用な医薬品の製造のための式(I)の化合物、またはその医薬として許容し得る塩の使用に関する。一実施形態において、調節は正であり得る。別の実施形態において、調節は負であり得る。
【0094】
本明細書に開示されている実施形態は、動物において認知機能を向上させる方法であって、記憶を向上させる条件下で、式(I)の化合物またはその医薬として許容し得る塩の有効量を該動物に投与することを含む方法に関する。一実施形態において、該動物は健康である。一実施形態において、記憶は長期記憶である。一実施形態において、記憶は短期記憶である。
【0095】
本明細書に開示されているいくつかの実施形態は、動物においてGABAAα5サブタイプを負調節する、動物において認知機能を向上させるための医薬品の製造のための式(I)の化合物またはその医薬として許容し得る塩の使用に関する。一実施形態において、動物は、健康である。一実施形態において、記憶は、長期記憶である。一実施形態において、記憶は、短期記憶である。
【発明を実施するための形態】
【0096】
定義
本明細書に使用されているように、共通の有機系略語は、以下のように定義される。
Ac アセチル
aq. 水性
Bu n-ブチル
cat. 触媒
CDI 1,1'-カルボニルジイミダゾール
℃ 摂氏温度
Dowtherm(登録商標) ジフェニルエーテルとビフェニルの共融混合物
DBN 1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノン-5-エン
DBU 1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン
DIEA ジイソプロピルエチルアミノ
DMA ジメチルアセトアミド
DMF N,N'-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
Et エチル
g グラム
h 時間
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
iPrまたはisopr イソプロピル
LCMS 液体クロマトグラフィー-質量分光測定
Me メチル
MeOH メタノール
mL ミリリットル
Pd/C 活性炭素上パラジウム
ppt 沈殿
rt 室温
TEA トリエチルアミン
Tert, t 第三の
μL マイクロリットル
【0097】
本明細書に使用されているように、「アルキル」という用語は、脂肪族炭化水素基を指す。アルキル成分は、それがアルケンまたはアルキン成分を含まないことを意味する「飽和アルキル」基であってよい。「アルケン」成分は、少なくとも2個の炭素原子および少なくとも1つの炭素-炭素二重結合からなる基を指し、「アルキン」成分は、少なくとも2個の炭素原子および少なくとも1つの炭素-炭素三重結合からなる基を指す。アルキル成分は、分枝鎖、直鎖または環式であってよい。分枝鎖アルキル基の例としては、イソプロピル、sec-ブチルおよびt-ブチル等が挙げられるが、それらに限定されない。直鎖アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびヘプチル等が挙げられるが、それらに限定されない。環式アルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチル等が挙げられるが、それらに限定されない。
【0098】
本明細書に使用されている「アルコキシ」という用語は、--O--結合を介して親分子に共有結合された直鎖または分枝鎖アルキルラジカルを指す。アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、n-ブトキシ、sec-ブトキシおよびt-ブトキシ等が挙げられるが、それらに限定されない。
【0099】
本明細書に使用されている「アルケニル」という用語は、1-プロペニル、2-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ブテニルおよび2-ブテニル等を含むが、それらに限定されない、炭素二重結合を含む2から20個の炭素原子の一価の直鎖または分枝鎖ラジカルを指す。
【0100】
本明細書に使用されている「アルキニル」という用語は、1-プロピニル、1-ブチニルおよび2ブチニル等を含むが、それらに限定されない、炭素三重結合を含む2から20個の炭素原子の一価の直鎖または分枝鎖ラジカルを指す。
【0101】
本明細書に使用されている「アリール」という用語は、単環または多縮合環にかかわらず、単素環式芳香族環を指す。さらに、「アリール」という用語は、少なくとも2つのアリール環、または少なくとも1つのアリールと、少なくとも1つの環が芳香族である約9から10個の環原子を有するオルト縮合二環式炭素環式ラジカルとが少なくとも1つの化学結合を共有する縮合環系を含む。「アリール」環の例としては、場合により置換されたフェニル、ビフェニル、ナフタルエニル、フェナントレニル、アントラセニル、テトラリニル、フルオレニル、インデニルおよびインダニルが挙げられるが、それらに限定されない。
【0102】
本明細書に使用されている「複素環」または「複素環基」という用語は、環系骨格に少なくとも1個のヘテロ原子を含む場合により置換された単環式、二環式または三環式環系を指す。ヘテロ原子は、独立に、酸素、硫黄および窒素から選択される。「複素環」という用語は、多縮合環系を含む。さらに、「複素環」という用語は、環系における少なくとも1つの環が芳香族でないことを条件として、任意の飽和度を有することができる縮合環系を含む。単環式、二環式または三環式環系は、置換されていても無置換であってもよく、任意の利用可能な原子価、好ましくは任意の利用可能な炭素または窒素を介して他の基に結合され得る。好適な単環式環系は、4、5、6、7または8員である。6員の単環式環は、3個までのヘテロ原子を含み、各ヘテロ原子は、個々に、酸素、硫黄および窒素から選択され、環が5員である場合は、好ましくは、1個または2個のヘテロ原子を有し、各ヘテロ原子は、個々に、酸素、硫黄および窒素から選択される。好適な二環式環系は、8から12員であり、スピロ環を含む。任意の置換基の例は、オキソ(=O)を含むが、それに限定されない。
【0103】
本明細書に使用されている「ヘテロアリール」という用語は、単環または多縮合環にかかわらず、芳香族複素環式基を指す。縮合環系において、1つまたは複数のヘテロ原子が環の1つのみに存在し得る。ヘテロアリール基の例としては、ベンゾチアジル、ベンゾキサジル、キナゾリニル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、ピリジル、ピロリル、オキサゾリル、インドリルおよびチエニル等が挙げられるが、それらに限定されない。「複素環」という用語は、非芳香族環系に縮合されたヘテロアリールを包含する。
【0104】
本明細書に使用されている「ヘテロ原子」という用語は、例えば、酸素、硫黄および窒素を指す。
【0105】
本明細書に使用されている「アミノ」という用語は、水素、アルキル、アリールまたはそれらの組合せで置換された窒素ラジカルを指す。アミノ基の例としては、-NHメチル、-NH2、-NHメチル2、-Nフェニルメチル、-NHフェニルおよび-Nエチルメチル等が挙げられるが、それらに限定されない。
【0106】
本明細書に使用されている「アリールアルキル」という用語は、アルキルラジカルに付加された1つまたは複数のアリール基を指す。アリールアルキル基の例としては、ベンジル、フェネチル、フェンプロピルおよびフェンブチル等が挙げられるが、それらに限定されない。
【0107】
本明細書に使用されている「ヘテロアリールアルキル」という用語は、アルキルラジカルに付加された1つまたは複数のヘテロアリール基を指す。ヘテロアリールアルキルの例としては、ピリジルメチル、フラニルメチルおよびチオフェネイルエチル等が挙げられるが、それらに限定されない。
【0108】
本明細書に使用されている「アリールオキシ」という用語は、--O--結合を介して親分子に共有結合されたアリールラジカルを指す。
【0109】
本明細書に使用されている「アルキルチオ」という用語は、--S--結合を介して親分子に共有結合された直鎖または分枝鎖アルキルラジカルを指す。アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、n-ブトキシ、sec-ブトキシおよびt-ブトキシ等が挙げられるが、それらに限定されない。
【0110】
本明細書に使用されている「カルボニル」という用語は、C=O(すなわち炭素と酸素の二重結合)を指す。
【0111】
本明細書に使用されている「オキソ」という用語は、=O(すなわち酸素との二重結合)を指す。例えば、「オキソ」で置換されたシクロヘキサンは、シクロヘキサノンである。
【0112】
本明細書に使用されている「アルカノイル」という用語は、「アルキル」基で置換された「カルボニル」を指し、「アルカノイル」基は、「カルボニル」基の炭素を介して親分子に共有結合されている。アルケノイル基の例としては、メタノイル、エタノイルおよびプロパノイル等が挙げられるが、それらに限定されない。メタノイルは、一般には、アセチルとして知られる。
【0113】
本明細書に使用されているように、ラジカルは、ラジカルを含む種を別の種に共有結合させることができるように単一の不対電子を有する種を指す。したがって、この文脈において、ラジカルは、必ずしも遊離ラジカルでない。むしろ、ラジカルは、より大きい分子の特定の部分を指す。「ラジカル」という用語を「基」という用語と区別なく使用することができる。
【0114】
本明細書に使用されているように、置換された基は、1つまたは複数の水素原子が、別の原子または基と交換された無置換の親構造から誘導される。
【0115】
記載の化合物に非対称炭素原子が存在し得る。ジアステレオ異性体および鏡像異性体ならびにそれらの混合物を含むすべての異性体が、記載の化合物の範囲に含まれることを意図する。特定の場合において、化合物は、互変異性体形で存在することができる。すべての互変異性体形が、範囲内に含まれることを意図する。同様に、化合物がアルケニルまたはアルケニレン基を含む場合は、該化合物のシスまたはトランス異性体形の可能性がある。シス異性体およびトランス異性体の両方、ならびにシス異性体とトランス異性体の混合物が考えられる。したがって、本明細書における化合物の言及は、文脈が明らかにそうでないことを示す場合を除いて、前記異性体形のすべてを含む。
【0116】
多形体、溶媒和物、水和物、配座異性体、塩およびプロドラッグ誘導体を含む様々な形が実施形態に含まれる。多形体は、同じ化学式を有するが、構造が異なる組成物である。溶媒和物は、溶媒和(溶媒分子と、溶質の分子またはイオンとの組合せ)によって形成された組成物である。水和物は、水の取込みによって形成された化合物である。配座異性体は、立体配置的異性体である構築体である。立体配置的異性は、構造式が同じであるが、回転結合の回りの原子の立体配置(配座)が異なる分子の現象である。化合物の塩は、当業者に知られている方法によって調製され得る。例えば、化合物の塩は、適切な塩基または酸と、化学量論的に当量の化合物とを反応させることによって調製され得る。
【0117】
本明細書に使用されている「動物」という用語は、鳥類、爬虫類および哺乳類(例えば、家畜化された哺乳類およびヒト)を含む。
【0118】
「個体」、「宿主」、「対象」および「患者」という用語は、本明細書において区別なく使用され、マウス、サル、ヒト、哺乳類の家畜、哺乳類の競技動物および哺乳類の愛玩動物を含むが、それらに限定されない哺乳類を指す。
【0119】
具体的な実施形態
本発明の具体的な実施形態において、式(I)の化合物は、式Ia〜Iwのいずれかの化合物である。
【0120】
【化26】

【0121】
ラジカル、置換基および範囲について以下に列記される具体的な値は、例示のみを目的とし、それらは、他の規定値、またはラジカルおよび置換基についての規定範囲内の他の値を除外しない。
【0122】
Arの具体的な値は、フェニル、4-メトキシフェニルまたは2-ピリジルであり得る。
【0123】
記号B1は、基:
【0124】
【化27】

【0125】
を指すものであり、B1基は、結合が結合された環の位置に置いて環炭素原子(すなわちC)に結合されている。炭素原子は、環構造のZ1、Z2、Z3またはZ4位にあってよい。
【0126】
B1の具体的な値は、ピペラジン、ピロリジン、モルホリン、ピペリジンおよびペルヒドロ-1,4-ジアゼピンであり得る。
【0127】
Xの具体的な値は、炭素、酸素または窒素であり得る。
【0128】
nの具体的な値は、0、1または2であり得る。
【0129】
Qの具体的な値は、水素、(C1〜C6)アルキルおよびヒドロキシ(C1〜C6)アルキルであり得る。
【0130】
これらの化合物を合成するための一般的な方法を以下に詳述する。
【0131】
調製方法
式(I)の化合物を調製するための方法、具体的には6および14が、本発明のさらなる実施形態として提供され、他に指定する場合を除いて一般的なラジカルの意味が以上に示されている通りである以下の手順によって例示される。
【0132】
タイプ6の化合物を得るためのスキーム1およびタイプ14の化合物を得るためのスキーム2において以下に例示される一般的な合成手法を用いて、一般式(I)の化合物を調製することができる。
【0133】
【化28】

【0134】
一般的な反応スキーム1は、アリール2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,5]ピラゾロナフチリジンの合成のための代表的な合成方法を示す。式1の3-アミノ-ピリジンを加熱下でジエチル2-(エトキシメチレン)マロネートと反応させて、付加-除去型反応において、式2のエナミンを得ることができる。式2の化合物の熱環化により、式3aのヒドロキシル-アザキノリンを得る。工程(b)で使用できる溶媒としては、ジフェニルエーテル、Downtherm(登録商標)および類似の高沸点安定溶媒が挙げられるが、それらに限定されない。ハロゲン化溶媒中塩素化剤および場合により触媒DMFを使用して、式3aのヒドロキシル-アザキノリンを式4aのクロロ-アザキノリンに変換することができる。工程(c)で使用できる塩素化剤としては、塩化オキサリル、P(O)Cl3、PCl5、塩化チオニル、ホスゲントリホスゲンおよび類似の塩素化剤が挙げられるが、それらに限定されない。工程(c)で使用できる溶媒としては、クロロベンゼン、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルムおよび類似の溶媒が挙げられるが、それらに限定されない。式4aのクロロ-アザキノリンをアリールまたはヘテロアリールヒドラジンと反応させて、式5a〜cの三環式オキソ-ピラゾールを形成することができる。工程(d)で使用できる有機塩基としては、トリエチルアミン(TEA)、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノン-5-エン(DBN)およびN-メチルピペリジン等が挙げられるが、それらに限定されない。工程(d)で使用できる溶媒としては、o-キシレン、キシレン、クロロベンゼンおよびトルエン等が挙げられるが、それらに限定されない。式5a〜cの化合物のフルオロを加熱下にて環式アミンで置換して、式6a〜tの化合物を得る。工程(e)を、溶媒を用いて、またはニートで実施することができる。
【0135】
【化29】

【0136】
一般的な反応スキーム2は、アリール2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,6]ピラゾロナフチリジンの合成のための代表的な合成方法を示す。ハロゲン化溶媒中塩素化剤および場合により触媒DMFを使用して、式11のヒドロキシル-アザキノリンを式12のクロロ-アザキノリンに変換することができる。工程(a)で使用できる塩素化剤としては、塩化オキサリル、P(O)Cl3、PCl5、塩化チオニル、ホスゲントリホスゲンおよび類似の塩素化剤が挙げられるが、それらに限定されない。工程(a)で使用できる溶媒としては、クロロベンゼン、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルムおよび類似の溶媒が挙げられるが、それらに限定されない。式12のクロロ-アザキノリンをアリールまたはヘテロアリールヒドラジンと反応させて、式13の三環式オキソ-ピラゾールを形成することができる。工程(b)で使用できる有機塩基としては、トリエチルアミン(TEA)、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノン-5-エン(DBN)およびN-メチルピペリジン等が挙げられるが、それらに限定されない。工程(b)で使用できる溶媒としては、o-キシレン、キシレン、クロロベンゼンおよびトルエン等が挙げられるが、それらに限定されない。式13の化合物のクロロを加熱下において環式アミンで置換して、式14の化合物を得る。工程(c)を、溶媒を用いて、またはニートで実施することができる。
【0137】
ピラゾロナフチリジンの合成の方法
【実施例1】
【0138】
【化30】

【0139】
2-フェニル-8-(ピペラジン-1-イル)-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,5]ナフチリジン-3-オン(6a)
工程1
【0140】
【化31】

【0141】
エチル-6-フルオロ-4-ヒドロキシ-[1,5]ナフチリジン-3-カルボキシレート(3a)。等モル量の5-アミノ-2-フルオロピリジンとマロン酸ジエチル2-(エトキシメチレン)を混合し、120℃で3時間還流させた。エタノールを真空中で除去して、2-(4-フルオロ-3-ピリジル)-アミノメチレン-マロン酸ジエチルエステルを定量的収率で得た。得られた固体を還流Dowtherm A(登録商標)に添加し、その温度に1時間維持した。該混合物を80℃まで冷却し、リグロインに添加した。形成された固体を濾過によって回収し、ヘキサンで洗浄して、30〜80%の収率で製造物を得た。1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm): 1.26 (3H, t, J = 7.14 Hz)、4.17 (2H, q, J = 7.14 Hz)、7.54 (1H, dd, J = 9.07, 3.02 Hz)、8.24 (1H, dd, J = 8.79, 7.14 Hz)、8.58 (1H, s)。m/z 237.3 (MH+)。
【0142】
工程2
【0143】
【化32】

【0144】
エチル-4-クロロ-6-フルオロ-[1,5]ナフチリジン-3-カルボキシレート(4a)。クロロホルム中3aの懸濁液に対して、4当量の塩化オキサリルを添加した後、0.1当量のジメチルホルムアミドを添加した。溶液を3時間還流させ、4℃にて5Mの水酸化ナトリウム溶液で失活させた。クロロホルム層を回収し、100mLの水および食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。アセトンを使用した再結晶によって製造物を得た。1H-NMR (CDCl3) δ(ppm): 1.47 (3H, t, J = 7.14 Hz)、4.53 (2H, q, J = 7.14 Hz)、7.45 (1H, dd, J = 8.79, 3.02 Hz)、8.54 (1H, dd, J= 9.06, 7.41)、9.21 (1H, s)。m/z 255.7 (MH+)。
【0145】
工程3
【0146】
【化33】

【0147】
8-フルオロ-2-フェニル-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,5]ナフチリジン-3-オン(5a)。バイアル瓶に4a、フェニルヒドラジンおよびトリエチルアミンを加えた。バイアル瓶を密閉し、12時間にわたって135℃に加熱した、製造物を濾過によって回収し、メタノールで洗浄して収率85%とした。1H-NMR (DMSO-d6) δ(ppm): 7.18 (1H, dd, J = 7.41, 7.14 Hz)、7.50 (3H, m)、8.26 (3H, m)、8.81 (1H, s)。m/z 281.3 (MH+)。
【0148】
工程4
【0149】
【化34】

【0150】
2-フェニル-8-(ピペラジン-1-イル)-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,5]ナフチリジン-3-オン(6a)。化合物5aを過剰のピペラジンとともに175℃で24時間撹拌した。沈殿を濾過によって回収し、酢酸エチルで洗浄し、カラムクロマトグラフィーを用いて精製して、表題の化合物を収率84%で得た。1H-NMR (DMSO-d6) δ(ppm): 2.88 (4H, brm)、3.64 (4H, brm)、7.11 (2H, tt, J = 7.42, 1.10 Hz)、7.23 (1H, d, J = 9.34 Hz)、7.41 (2H, m)、7.84 (1H, d, J = 9.06 Hz)、8.22 (2H, m)、8.51 (1H, s)。m/z 347.4 (MH+)。
【実施例2】
【0151】
【化35】

【0152】
8-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-フェニル-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,5]ナフチリジン-3-オン(6b)。ピペラジンの代わりに1-メチルピペラジンを使用して、6aについて記載された手順に従って表題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6) δ(ppm): 2.52 (3H, s)、2.84 (4H, brm)、3.62 (4H, brm)、7.11 (1H, t, J = 7.22 Hz)、7.20 (1H, d, J = 9.28 Hz)、7.40 (2H, dd, J = 8.30, 7.57 Hz)、7.80 (1H, d, J = 9.28 Hz)、8.21 (2H, d, J = 7.57 Hz)、8.50 (1H, s)。m/z 361.4 (MH+)。
【実施例3】
【0153】
【化36】

【0154】
8-モルホリン-4-イル-2-フェニル-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,5]ナフチリジン-3-オン(6c)。ピペラジンの代わりにモルホリンを使用して、6aについて記載された手順に従って表題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm): 3.01 (4H, brm)、3.78 (4H, brm)、7.12 (1H, dt, J=7.56, 7.33Hz)、7.23 (1H, d, J=9.28Hz)、7.45 (2H, dd, J=8.54, 7.32Hz)、7.88 (1H, d, J=9.53Hz)、8.21 (2H, dd, J=8.55, 1.22Hz)、8.57 (1H, s)。m/z 348.4 (MH+)。
【実施例4】
【0155】
【化37】

【0156】
8-(4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-2-フェニル-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,5]ナフチリジン-3-オン(6d)。ピペラジンの代わりに4-ヒドロキシピペリジンを使用して、6aについて記載された手順に従って表題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm): 1.39 (2H, brm)、1.83 (2H, brm)、3.15 (1H, d, J=5.22Hz)、3.71 (1H, m)、4.19 (2H, m)、4.74 (1H, d, J=4.40Hz)、7.16 (1H, tt, J=7.40, 1.10Hz)、7.21 (1H, d, J=9.34Hz)、7.42 (2H, m)、7.78 (1H, d, J=9.34Hz)、8.21 (2H, ddd, J=7.69, 1.92, 1.10Hz)、8.52 (1H, s)。m/z 362.4 (MH+)。
【実施例5】
【0157】
【化38】

【0158】
8-(3-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-フェニル-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,5]ナフチリジン-3-オン(6e)。ピペラジンの代わりに3-メチルピペラジンを使用して、6aについて記載された手順に従って表題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm): 1.00 (3H, s)、2.78 (4H, brm)、3.05 (1H, m)、4.30 (2H, m)、7.07 (2H, m)、7.39 (2H, dd, J=8.24, 7.97Hz)、7.75 (1H, d, J=9.34Hz)、8.27 (2H, dd, J=7.42, 1.10Hz)、8.37 (1H, s)。m/z 361.4 (MH+)。
【実施例6】
【0159】
【化39】

【0160】
8-(3-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-2-フェニル-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,5]ナフチリジン-3-オン(6f)。ピペラジンの代わりに3-ヒドロキシピペリジンを使用して、6aについて記載された手順に従って表題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm): 1.40 (2H, m)、1.75 (1H, m)、1.80 (1H, m)、2.92 (1H, dd, J=12.64, 8.79Hz)、3.51 (1H, m)、4.10 (1H, m)、4.33 (1H, dd, J=12.63, 3.84Hz)、4.91 (1H, d, J=4.40Hz)、7.15 (1H, tt, J=7.42, 1.09Hz)、7.20 (1H, d, J=9.34Hz)、7.42 (2H, dd, J=8.52, 7.42Hz)、7.80 (1H, d, J=9.34Hz)、8.21 (2H, dd, J=8.79, 1.38Hz)、8.53 (1H, s)。m/z 361.4 (MH+)。
【実施例7】
【0161】
【化40】

【0162】
8-[4-(4-フルオロ-フェニル)-ピペラジン-1-イル]-2-フェニル-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,5]ナフチリジン-3-オン(6g)。ピペラジンの代わりに1-(4-フルオロフェニル)-ピペラジンを使用して、6aについて記載された手順に従って表題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm): 3.22 (4H, brm)、3.83 (4H, brm)、7.07 (5H, m)、7.32 (1H, d, J=9.34Hz)、7.43 (2H, dd, J=8.24, 7.69Hz)、7.85 (1H, d, J=9.34Hz)、8.19 (2H, dd, J=8.24, 0.82Hz)、8.57 (1H, s)。m/z 441.5 (MH+)。
【実施例8】
【0163】
【化41】

【0164】
8-[1,4]-ジアゼパン-1-イル-2-フェニル-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,5]ナフチリジン-3-オン(6h)。ピペラジンの代わりにペルヒドロ-[1,4]-ジアゼピンを使用して、6aについて記載された手順に従って表題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm): 1.82 (2H, m)、2.65 (2H, m)、2.90 (2H, m)、3.88 (4H, m)、6.89 (1H, d, J=9.07Hz)、7.05 (1H, t, J=7.41Hz)、7.35 (2H, dd, J=8.52, 7.41Hz)、7.74 (1H, d, J=9.07Hz)、8.25 (2H, m)、8.29 (1H, s)。m/z 361.4 (MH+)。
【実施例9】
【0165】
【化42】

【0166】
8-(3-ヒドロキシメチル-ピペリジン-1-イル) -2-フェニル-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,5]ナフチリジン-3-オン(6i)。ピペラジンの代わりに3-ヒドロキシメチルピペリジンを使用して、6aについて記載された手順に従って表題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm): 1.75 (4H, brm)、2.87 (1H, dd, J=12.91, 9.89Hz)、3.05 (1H, m)、3.13 (1H, d, J=5.22Hz)、3.54 (2H, brm)、3.88 (2H, brd, J=2.91Hz)、7.14 (1H, dt, J=7.42, 1.10Hz)、7.19 (1H, d, J=9.34Hz)、7.42 (2H, ddd, J=7.41, 2.20, 1.92Hz)、7.79 (1H, d, J=9.34Hz)、8.21 (2H, ddd, J=7.69, 1.92, 1.10Hz)、8.52 (1H, s)。m/z 361.4 (MH+)。
【実施例10】
【0167】
【化43】

【0168】
8-(3-オキソ-ピペラジン-1-イル) -2-フェニル-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,5]ナフチリジン-3-オン(6j)。ピペラジンの代わりに2-オキソピペラジンを使用して、6aについて記載された手順に従って表題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm): 3.08 (2H, m)、3.90 (2H, dd, J=5.67, 4.94)、4.19 (2H, s)、7.15 (1H, dd, J=7.42, 1.09Hz)、7.20 (1H, d, J=9.34Hz)、7.40 (2H, dd, J=8.51, 7.42Hz)、7.85 (1H, d, J=9.06Hz)、8.16 (1H, br)、8.22 (1H, dd, J=7.70, 1.09Hz)、8.57 (1H, s)。m/z 361.4 (MH+)。
【実施例11】
【0169】
【化44】

【0170】
2-フェニル-8-ピロリジン-1-イル-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,5]ナフチリジン-3-オン(6k)。ピペラジンの代わりにピロリジンを使用して、6aについて記載された手順に従って表題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm): 1.99 (4H, br)、3.49 (4H, br)、6.77 (1H, d, J=9.06Hz)、7.05 (1H, tt, J=7.41, 0.89Hz)、7.37 (2H, m)、7.77 (1H, d, J=9.07Hz)、8.28 (2H, dd, J=7.70, 1.09Hz)、8.34 (1H, s)。m/z 332.4 (MH+)。
【実施例12】
【0171】
【化45】

【0172】
2-フェニル-8-(4-フェニル-ピペラジン-1-イル)-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,5]ナフチリジン-3-オン(6l)。ピペラジンの代わりに1-フェニルピペラジンを使用して、6aについて記載された手順に従って表題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm): 2.80 (4H, br)、3.11 (1H, m)、3.80 (1H, dd, J=11.44, 2.75Hz)、4.39 (1H, J=11.53Hz)、4.41 (1H, J=11.53Hz)、7.14 (1H, tt, J=7.42, 1.09Hz)、7.36 (6H, m)、7.52 (2H, m)、7.83 (1H, d, J=9.34Hz)、8.16 (2H, m)、8.54 (1H, s)。m/z 423.5 (MH+)。
【実施例13】
【0173】
【化46】

【0174】
8-(2,6-ジメチル-モルホリン-4-イル)-2-フェニル-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,5]ナフチリジン-3-オン(6m)。ピペラジンの代わりに2,6-ジメチルモルホリンを使用して、6aについて記載された手順に従って表題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm): 1.19 (6H, d, J=7.05Hz)、2.36 (2H, t, J=12.09, 10.98Hz)、3.75 (4H, brm)、7.16 (1H, tt, J=7.42, 1.09Hz)、7.43 (4H, m)、7.56 (2H, d, J=9.06Hz)、8.23 (2H, dt, J=8.79, 1.37Hz)、8.56 (1H, s)。m/z 376.5 (MH+)。
【実施例14】
【0175】
【化47】

【0176】
8-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-ピリジン-2-イル-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,5]ナフチリジン-3-オン(6n)
工程1
【0177】
【化48】

【0178】
8-フルオロ-2-ピリジン-2-イル-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,5]ナフチリジン-3-オン(5b)。フェニルヒドラジンの代わりにピリジル-2-ヒドラジンを使用して、5aについての合成のための工程3に記載された手順に従って表題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm): 7.25 (1H, ddd, J=7.14, 4.67, 1.10Hz)、7.50 (1H, dd, J=8.79, 3.03Hz)、): 7.90 (1H, ddd, J=9.34, 7.42, 1.93Hz)、8.14 (1H, brd, J=8.24Hz)、8.28 (1H, ddd, J=9.06, 7.42, 7.14Hz)、8.50 (1H, m)、8.84 (1H, s)。m/z 282.3 (MH+)。
【0179】
工程2
【0180】
【化49】

【0181】
8-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-ピリジン-2-イル-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,5]ナフチリジン-3-オン(6n)。それぞれ5aおよびピペラジンの代わりに5bおよび1-メチルピペラジンを使用して、6aについて記載された手順に従って表題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm): 2.55 (4H, br)、2.77 (3H, brs)、3.80 (4H, br)、7.20 (1H, m)、7.27 (6H, d, J=9.24Hz)、7.87 (2H, m)、8.20 (1H, d, J=8.24Hz)、8.48 (1H, m)、8.60 (1H, s)。m/z 362.4 (MH+)。
【実施例15】
【0182】
【化50】

【0183】
8-モルホリン-4-イル-2-ピリジン-2-イル-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,5]ナフチリジン-3-オン(6o)。それぞれ5aおよびピペラジンの代わりに5bおよびモルホリンを使用して、6aについて記載された手順に従って表題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm): 3.63 (4H, br)、3.72 (4H, br)、7.19 (2H, m)、7.82 (2H, m)、8.22 (1H, d, J=8.24Hz)、8.48 (1H, dd, J=2.20, 1.10Hz)、8.56 (1H, s)。m/z 349.4 (MH+)。
【実施例16】
【0184】
【化51】

【0185】
8-(4-メチル-[1,4]ジアゼパン-1-イル)-2-ピリジン-2-イル-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,5]ナフチリジン-3-オン(6p)。それぞれ5aおよびピペラジンの代わりに5bおよび4-メチル-[1,4]-ジアゼパンを使用して、6aについて記載された手順に従って表題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm): 2.04 (2H, m)、2.35 (3H, s)、2.60 (2H, m)、2.76 (2H, m)、3.76 (2H, d, J=6.32Hz)、3.98 (2H, t, J=4.67Hz)、6.96 (1H, d, J=9.36Hz)、7.25 (1H, ddd, J=7.14, 4.55, 0.82Hz)、7.82 (1H, d, J=9.34Hz)、7.92 (1H, m)、8.30 (1H, dt, J=8.24, 0.82Hz)、8.49 (1H, m)、8.52 (1H, s)。m/z 376.4 (MH+)。
【実施例17】
【0186】
【化52】

【0187】
8-(3-メチル-ピペラジン-1-イル)-2-ピリジン-2-イル-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,5]ナフチリジン-3-オン(6q)。それぞれ5aおよびピペラジンの代わりに5bおよび2-メチルピペラジンを使用して、6aについて記載された手順に従って表題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm): 1.07 (3H, d, J=6.87Hz)、2.78 (3H, m)、3.00 (2H, m)、4.31 (2H, m)、7.14 (2H, m)、7.83 (2H, m)、8.22 (1H, dt, J=7.96, 7.64Hz)、8.49 (2H, m)。m/z 362.4 (MH+)。
【実施例18】
【0188】
【化53】

【0189】
8-(4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-イル)-2-フェニル-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,5]ナフチリジン-3-オン(6r)。それぞれピペラジンの代わりに5aおよび4-ヒドロキシピペリジンを使用して、6aについて記載された手順に従って表題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm): 2.25 (1H, m)、2.70 (1H, m)、2.89 (2H, m)、3.15 (2H, m)、3.75 (2H, m)、4.74 (1H, m)、7.24 (2H, m)、7.79 (1H, d, J=9.24Hz)、7.88 (1H, m)、8.23 (1H, d, J=8.24Hz)、8.49 (1H, dd, J=4.67, 1.10Hz)、8.53 (1H, s)。m/z 362.4 (MH+)。
【実施例19】
【0190】
【化54】

【0191】
8-ピペラジン-1-イル-2-ピリジン-2-イル-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,5]ナフチリジン-3-オン(6s)。5aの代わりに5bを使用して、6aについて記載された手順に従って表題の化合物を調製した。1H-NMR (CDCl3) δ (ppm): 2.97 (4H, br)、3.72 (4H, br)、6.82 (1H, d, J=9.34Hz)、7.42 (4H, m)、7.75 (1H, m)、8.17 (2H, d, J=7.97Hz)、8.52 (1H, s)。m/z 348.4 (MH+)。
【実施例20】
【0192】
【化55】

【0193】
2-(4-メトキシ-フェニル)-8-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,5]ナフチリジン-3-オン(6t)
工程1
【0194】
【化56】

【0195】
8-フルオロ-2-(4-メトキシ-フェニル)-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,5]ナフチリジン-3-オン(5c)。フェニルヒドラジンの代わりに4-メトキシフェニルヒドラジンを使用して、5aのための合成について工程3に記載された手順に従って表題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm): 7.25 (1H, ddd, J=7.14, 4.67, 1.10Hz)、7.50 (1H, dd, J=8.79, 3.03Hz)、): 7.90 (1H, ddd, J=9.34, 7.42, 1.93Hz)、8.14 (1H, brd, J=8.24Hz)、8.28 (1H, ddd, J=9.06, 7.42, 7.14Hz)、8.50 (1H, m)、8.84 (1H, s)。m/z 282.3 (MH+)。
【0196】
工程2
【0197】
【化57】

【0198】
2-(4-メトキシ-フェニル)-8-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,5]ナフチリジン-3-オン(6t)。それぞれ5aおよびピペラジンの代わりに5cおよび1-メチルピペラジンを使用して、6aについて記載された手順に従って表題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm): 2.22 (3H, s)、2.56 (4H, m)、3.64 (4H, m)、6.98 (2H, d, J=9.07Hz)、7.15 (1H, d, J=9.34Hz)、7.78 (6H, d, J=9.34Hz)、8.10 (2H, d, J=9.07Hz)、8.45 (1H, s)。m/z 391.4 (MH+)。
【実施例21】
【0199】
【化58】

【0200】
2-フェニル-7-(ピペラジン-1-イル)-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,6]ナフチリジン-3-オン(14)
工程1
【0201】
【化59】

【0202】
エチル-4,7-ジクロロ-[1,6]ナフチリジン-3-カルボキシレート(12)。7-クロロ-4-ヒドロキシ-[1,6]ナフチリジン-3-カルボン酸エチルエステル(11)を使用して、4aについて記載された手順に従って表題の化合物を調製した。1H-NMR (CDCl3) δ (ppm): 1.47 (3H, t, J=7.14Hz)、4.53 (2H, q, J=7.14Hz)、8.02 (1H, s)、9.37 (1H, s)、9.62 (1H, s)。m/z 272.2 (MH+)。
【0203】
工程2
【0204】
【化60】

【0205】
7-クロロ-2-フェニル-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,6]ナフチリジン-3-オン(13)。4aの代わりに12を使用して、5aのための合成について工程3に記載された手順に従って表題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm): 7.18 (1H, dd, J=7.14, 6.59Hz)、7.46 (2H, dd, J=8.24, 7.70Hz)、7.60 (1H, s)、8.14 (2H, d, J=7.51Hz)、8.81 (1H, s)、9.21 (1H, s)。m/z 297.7 (MH+)。
【0206】
工程3
【0207】
【化61】

【0208】
2-フェニル-7-(ピペラジン-1-イル)-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,6]ナフチリジン-3-オン(14)。5aの代わりに13を使用して、6aのための合成について工程4に記載された手順に従って表題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm): 2.80 (4H, brm)、3.46 (4H, brm)、6.68 (1H, s)、7.06 (1H, dd, J=7.42, 7.14Hz)、7.36 (2H, dd, J=8.52, 7.41Hz)、8.20 (2H, dd, J=8.79, 1.10Hz)、8.47 (1H, s)、8.94 (1H, s)。m/z 347.4 (MH+)。
【実施例22】
【0209】
【化62】

【0210】
2-フェニル-6-(ピペラジン-1-イル)-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,7]ナフチリジン-3-オン(17)
工程1
【0211】
【化63】

【0212】
エチル-4,8-ジクロロ-[1,7]ナフチリジン-3-カルボキシレート(15)。8-クロロ-4-ヒドロキシ-[1,7]ナフチリジン-3-カルボン酸エチルエステル(11)を使用して、4aについて記載された手順に従って表題の化合物を調製した。1H-NMR (CDCl3) δ (ppm): 1.47 (3H, t, J=7.14Hz)、4.53 (2H, q, J=7.14Hz)、8.13 (1H, d, J=5.8Hz)、8.55 (1H, d, J=5.8Hz)、9.35 (1H, s)。m/z 271.0 (MH+)。
【0213】
工程2
【0214】
【化64】

【0215】
6-クロロ-2-フェニル-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,7]ナフチリジン-3-オン(16)。4aの代わりに15を使用して、5aのための合成について工程3に記載された手順に従って表題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm): 7.16 (1H, m)、7.44 (2H, dd, J=8.6, 7.6Hz)、8.09 (1H, d, J=5.3Hz)、8.14 (2H, dd, J=8.5, 1.1Hz)、8.37 (1H, d, J=5.2Hz)、8.51 (1H, s)。m/z 297.7 (MH+)。
【0216】
工程3
【0217】
【化65】

【0218】
2-フェニル-6-(ピペラジン-1-イル)-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,7]ナフチリジン-3-オン(17)。5aの代わりに16を使用して、6aのための合成について工程4に記載された手順に従って表題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm): 3.2 (4H, brm)、3.48 (4H, brm)、7.13 (1H, m)、7.46 (2H, m)、7.78 (1H, d, J=5.2Hz)、8.18 (2H, d, J=7.7Hz)、8.30 (1H, d, J=5.2Hz)、8.50 (1H, s)。m/z 347.4 (MH+)。
【実施例23】
【0219】
【化66】

【0220】
6-(モルホリン-4-イル)-2-フェニル-2,5-ジヒドロ-ピラゾロ[4,3-c][1,7]ナフチリジン-3-オン(18)。16およびモルホリンを使用して、6aのための合成について工程4に記載された手順に従って表題の化合物を調製した。1H-NMR (DMSO-d6) δ (ppm): 3.17 (4H, brm)、3.87 (4H, brm)、7.15 (1H, m)、7.43 (2H, m)、7.76 (1H, d, J=5.5Hz)、8.17 (2H, d, J=8.8Hz)、8.33 (1H, d, J=5.2Hz)、8.44 (1H, s)。m/z 348.1 (MH+)。
【0221】
生物学的実施例
GABAAのベンゾジアゼピン部位に対するリガンドとして作用する本明細書に開示された化合物の能力を、以下のアッセイを用いて、当該技術分野で良く知られている薬理学的モデルを使用して測定することができる。例示的な化合物のIC50値は、3濃度投与量応答曲線においてnM未満から10μMの範囲である。
【0222】
ベンゾジアゼピン結合アッセイ
体重175±25gの雄のウィスター系ラットの脳全体(小脳を除く)を使用して、pH7.4のNa-Kリン酸緩衝液中GABAA中枢ベンゾジアゼピン受容体を調製した。5mgのアリコットを1nM(3H)-フルニトラゼパムとともに25℃で60分間インキュベートした。実験を30μMのGABAの存在下または不在下で実施した。非特異的結合を10μMのジアゼパムの存在下で推定した。膜を濾過・洗浄し、次いでフィルタを計数して、特異的に結合した(3H)-フルニトラゼパムを測定した。試験化合物を必要な濃度に応じて二重に試験した(その全体が本明細書に組み込まれているDamm, H.W.ら、(1978) Res. Comm. Chem. Pathol. Pharmacol、22:597〜560頁;その全体が本明細書に組み込まれているSpeth, R.C.ら、(1979) Life Sci. 24: 351〜357頁)。
【0223】
活性の例
Aは、>1mMのIC50を示す。
Bは、<1mMのIC50を示す。
Cは、<1nMのIC50を示す。
【0224】
【表1A】

【0225】
【表1B】

【0226】
【表1C】

【0227】
表1に開示されているすべての化合物は、中性として描かれているものと想定する。指定されていない場合は、中性の化合物を提供するために水素原子が窒素原子上に存在すると想定する。表1の化合物は、さらなる異性体形で存在することができ、例えば、化合物は、描かれた構造の互変異性体として存在することができる。表1に開示されている化合物は、描かれた構造のすべての可能な互変異性体を包含する。化合物は、化合物を包含する環境に応じて異なる互変異性体形またはその混合物で存在できること、すなわち化合物の異なる互変異性体形の間に平衡が存在し、前記形の間の平衡が、外部要因に影響され得ることを当業者なら理解するであろう。
【0228】
GABAA機能の調節を、以下に詳述するように、電気生理アッセイで測定される電流の変化によって測定する。
【0229】
電気生理アッセイ
RNAの調製
特定のGABAA受容体サブユニットをコードするcNDAインサートを含む凍結乾燥プラスミドペレットからmRNAを調製した。α2、α3およびγ3サブユニットをコードするcDNAをpブルースクリプト、SK-にサブクローニングした。α1およびα5サブユニットをコードするcDNAをprCにサブクローニングし、β2サブユニットをコードするcDNAをpcDNA1にサブクローニングした。γ2sサブユニットをコードするcDNA構築体が、pGH19発現構築体に存在する。形質転換されたDH5a細菌細胞を終夜培養して、プラスミドcDNAのマキシプレプ単離に十分な量を増殖させた。cDNAインサート(それぞれα1、2、β2およびγ3に対してはXbaIまたはα3、5およびγ2に対してはNotI)の遠端で開裂する適切な制限酵素による消化によって、得られたプラスミドcDNAを線形化した。消化に続いて、プラスミドcDNAをプロテイナーゼKで処理し、フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコールで抽出した後、エタノール沈殿させた。cDNAの質をアガロース-ゲル電気泳動(1.5%アガロースゲル)によって評価した。サンプルは使用するまで-20℃で保管した。T7RNAポリメラーゼでインビトロ転写を行った。次いで、mRNAは使用するまで-80℃で保管した。メッセージマシンキット(Ambion、テキサス州Austin)を使用して、インビトロ転写の前に、適切な制限酵素でプラスミドを線形化した。
【0230】
ツメガエル卵母細胞におけるGABAA受容体発現。
ツメガエル卵母細胞におけるGABAA受容体発現:45分間の0.15%トリカイン麻酔の後、濾胞卵母細胞を含む卵巣部を側方腹部切開によりカエルから取り出した。卵母細胞を、カルシウム不溶液(NaCl 96mM、MgCl2 1mM、KCl 2mM、Hepes 50mM、ピルビン酸塩2.5mM、ゲンタマイシン100μg/mL、ペニシリン-ストレプトマイシン50 U/mL、pH7.4)にそのまま入れた。室温において0.2%コラゲナーゼ(II型、Sigma Chemical Co., ミズーリ州St. Louis)中で1.5〜2時間インキュベーションした後、個々のDumont段階VおよびVI卵母細胞をインキュベータに移し、18〜20℃でバルト溶液(NaCl 84mM、NaHCO3 2.4mM、MgSO4 0.82mM、KCl 1mM、Ca(NO3)2 0.33mM、CaCl2 0.41mM、トリス/HCl 7.5mM、ピルビン酸塩2.5mM、ゲンタマイシン50μg/mL、ペニシリン-ストレプトマイシン、100単位/mL、pH7.4)中に維持し、注射1〜5日後の実験に使用した。卵母細胞に、電子微量注入器(Drummond、ペンシルバニア州Broomall)を使用して、0.3〜0.5ng各サブユニットRNAを1:1:2で含む50nLのRNA溶液を注入した。注入された卵母細胞を、18〜20℃におけるバルト溶液中での1〜5日間のインキュベーション後に実験のために使用した。
【0231】
電気生理学:
Warner二電極電圧固定増幅器(Warner Instruments, Inc.、カリフォルニア州Foster City)を使用して、GABAA受容体を発現する卵母細胞からのイオン電流の測定を行った(その全体が本明細書に組み込まれているPark-Chung, M.A.ら、(1999) Brain Res. 830: 72〜87頁)。プログラム化ピペットプーラー(Sutter Instrument Co., カリフォルニア州)を用いて、微小電極をホウケイ酸ガラスから作製した。微小電極抵抗は、3MのKClを充填した場合に1〜3Ωであった。卵母細胞記録チャンバにリンゲル溶液を連続的に灌流させた。データ取得時に卵母細胞を-70mVの保持電位に固定した。膜電流を10Hzでフィルターを通し、100Hzでサンプリングした。化合物を重力駆動式の外部灌流システムによって適用した。記録チャンバの使用容量は、30mLであり、灌流速度は、約50mL/秒であった。10〜20秒にわたって化合物を適用した後、90秒間洗浄を行った。データ取得および外部灌流を特注のソフトウェアによって制御した。すべての実験を室温(22〜24℃)で実施した。式:IGABA = Emax/(l+(EC50/c)nH)を用いて、非線形回帰によって、各卵母細胞の投与量応答データをHill方程式に適合させた。Emaxは最大応答であり、EC50は最大応答の50%を生成する濃度であり、nHはHill係数であり、cはアゴニストの濃度である。GABA濃度-応答曲線適合に基づいて、サブユニットの組合せ毎にGABAに対するEC10を求め、この濃度を後の調節因子濃度-応答試験に使用した。最大電流測定値を正規化し、最大制御電流測定値の分率として表した。GABAのEC10濃度に対する制御電流応答を2〜4回の調節因子の適用後毎に再測定した。調節率(%)を式:変化率(%)=(I'/I-1)×100(式中、Iは、GABAのEC10における制御応答であり、I'は、調節因子の存在下での応答である(その全体が本明細書に組み込まれているLippa Aら、(2005) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 102(20):7380〜7385頁)。
【0232】
10μMのスクリーニング濃度において、いくつかの化合物は正の調節を示し、いくつかの化合物は負の調節を示した。
【0233】
物体認知アッセイ
動物の挙動に対する影響、具体的には認知機能の改善(短期/作業記憶および長期記憶の両方を含むが、それらに限定されない)を、いくつかの確定されたプロトコルを使用して測定することができる。1つの方法、すなわち新奇物体認知を以下に記載する。
【0234】
物体認知アッセイ
物体認知は、負の補強(フットショック)に起因しない、齧歯類についての動物行動学的に重要な作業である。この作業は、熟知した物体よりそれらの環境における新奇の物体を探検する齧歯類の自然の好奇心に依存する。明らかに、「熟知された」物体であるためには、動物が、以前それに接触し、その体験を記憶していることが必要である。したがって、より良好な記憶力を有する動物は、熟知した物体より新奇の物体に接触し、探検することになる。試験中、動物にトレーニング物体、および第2の新奇の物体を提示する。トレーニング物体の記憶により、動物はそれを熟知し、次いで熟知した物体より新しい新奇物体を探検するのに多くの時間を費やす(その全体が本明細書に組み込まれているBourtchouladze, R.ら、(2003) Proc. Natl Acad. ScL USA 100:10518〜10522頁)。ヒトにおける最近の神経画像処理の研究は、物体認知における記憶が前前頭皮質(PFC)に依存することを実証した(その全体が本明細書に組み込まれているDeibert, E.ら、(1999) Neurology 52:1413〜1417頁)。これらの所見と一致して、PFC病変を有するラットは、熟知した物体と新奇物体とを区別することが必要とされるときに低い作業記憶を示す(その全体が本明細書に組み込まれているMitchell, J. B.およびLaiacona, J. (1998) Behav. Brain Res. 97: 107〜113頁)。サルおよび齧歯類に関する他の研究は、海馬が新奇物体認知に重要であることを示唆している(その全体が本明細書に組み込まれているTeng, E.ら、(2000) J. Neuroscience 20: 3853〜3863頁;その全体が本明細書に組み込まれているMumby, D.G. (2001) Behavioural Brain Research 127: 159〜181頁)。したがって、物体認知は、海馬および皮質の機能に対応づけられる認知作業に対する薬物-化合物効果を評価するための優れた挙動モデルを提供する。
【0235】
記憶保持の強さは、たいていの場合、トレーニングの量(明示的または暗示的トライアルの繰返し)に依存する。この「記憶取得曲線」は、温度、湿度、雰囲気ノイズ、照明レベル、トレーニング場の大きさ、物体の大きさおよび寸法、トレーニング場の物理的感触および色ならびに動物のストレスレベル、動機状態またはトレーニング前の経験を含むが、それらに限定されない多くの実験的および物理変動要素に影響され得る。NORに対する記憶改善化合物を評価するために、実験者は、トレーニング時間をパラメータ化して、(i)漸近的な(高)度の記憶保持を達成するのに必要な時間(トレーニングの量)および(ii)記憶保持が準最大になるより少ない時間を定めなければならない。記憶改善化合物は、準最大のトレーニングでより高い記憶保持をもたらすことになる(しかし、漸近的(「最大」)トレーニングによる測定可能な効果をもたらすことはできない)。典型的には、準最大と漸近的記憶との差は、適切な統計的指数を生成するのに十分大きくなければならない。例を以下に示す。
【0236】
トレーニングを開始する前に、動物を操作し、トレーニング場に順応させた。それぞれの種に対して適切な大きさのトレーニング場を使用した(例えば、マウスに対してはL=48cm;W=38cmおよびH=20cmのプレキシグラスボックス;ラットに対してはL=70cm;W=60cmおよびH=35cmのプレキシグラスボックス)。トレーニングの前日に、個々の動物を、薄暗い部屋に配置されたトレーニング装置に入れ、15分間にわたって環境に順応させた(その全体が本明細書に組み込まれているPittenger, Cら、(2002) Neuron 34: 447〜462頁;その全体が本明細書に組み込まれているBourtchouladze, R.ら、(2003) Proc. Natl Acad. Sci. USA 100: 10518〜10522頁も参照)。順応化の24時間後にトレーニングを開始した。2つの同一物体(例えば、小円錐形物体)を含むトレーニングボックスに動物を戻し、これらの物体を探検させた。それらの物体をボックスの中央部に入れ、物体の空間位置(左右側面)を主題間で釣り合わせた。動物を15分間トレーニングした。記憶保持に対する試験を行うために、トレーニングの24時間後に動物を10分間観察した。一方がトレーニング中に使用されて「熟知」され、他方が新奇(例えば、小ピラミッド物体)である2つの物体を齧歯類に提示した。各実験の主題の後に、識別目標の臭いが異ならないように、装置および物体を90%エタノールで十分に洗浄し、乾燥させ、数分間にわたって換気した。
【0237】
オーバーヘッドビデオカメラシステムを介して実験をビデオ録画した。次いで、ブラインドされた観察者によってタイプを再吟味させ、挙動パラメータ、すなわち各物体の探検時間;物体の全探検時間;物体への接近回数;物体に対する最初の接近の時間(潜在時間)を求めた。識別指数-記憶スコア-を先述のように求めた(その全体が本明細書に組み込まれているEnnaceur, A.およびAggleton, J.P. (1997) Behav. Brain Res. 88: 181〜193頁;その全体が本明細書に組み込まれているBourtchouladze, R.ら、(2003) Proc. Natl. Acad Sci. USA 100: 10518〜10522頁)。ソフトウェアパッケージ(Statview 5.0.1;SAS Institute, Inc.)を使用して、スチューデントの不対t検定によってこのデータを解析した。本文および図におけるすべての値は、平均値±SEMで表される。
【0238】
NORについて、1時間の記憶保持は、作業記憶(ラジアルアーム迷路、サンプルに対する適合遅延等)、執行機能(作業切換え等)および注意過程(始動等)などの認知機能に寄与する漸減的短期記憶(通常、転写非依存性)の測度を示す。24時間の記憶保持は、STMが記憶統合の分子的および細胞的過程を介して変換される長期記憶の測度を示す。LTMは、参照記憶などの継続的認知機能に寄与する。
【0239】
その広義の発明の概念から逸脱することなく上述の実施形態に変更を加えることが可能であることを当業者なら理解するであろう。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されず、添付の請求項に規定されている本発明の主旨および範囲内の修正を包含することを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、またはその互変異性体、またはそれらの医薬として許容し得る塩:
【化1】

(式中、
Rは、水素または酸化物であり;
Z1、Z2、Z3およびZ4は、それぞれ独立に、NまたはC(R1)であり、Z1、Z2、Z3またはZ4の少なくとも1つはNであり、Z1、Z2、Z3またはZ4の少なくとも2つはC(R1)であり;
各R1は、独立に、水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、B1、-CONRaRb、-NRaRb、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、アミノ(C1〜C6)アルキル、5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルキル、および5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルコキシからなる群から選択され;少なくとも1つのR1は、B1であり;
B1は、
【化2】

であり;
R2は、水素、ヒドロキシ、ハロ、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルキル、および5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルコキシからなる群から選択され;
各RaおよびRbは、独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、(C1〜C6)アルキルアリール、-S(O)z(C1〜C6)アルキル、-S(O)zアリール、-C(O)(C1〜C6)アルキル、-C(O)NRg(C1〜C6)アルキル、-C(O)NRgアリール、-C(O)O(C1〜C6)アルキル、アリールOC(O)-またはアリールC(O)-であり、あるいはRaおよびRbは、それらが結合された窒素と一緒になって、1つまたは複数のRdで場合により置換された複素環基を形成し;複素環基は、O(酸素)、S(硫黄)およびNRcから選択される1つまたは複数の基を場合により含み;
各Rcは、独立に、水素、(C2〜C6)アルケニル、(C2〜C6)アルキニル、-C(O)O(C1〜C6)アルキル、-C(O)Oアリール、(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキル、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、アリールO(C1〜C6)アルキル、-C(O)NRg(C1〜C6)アルキル、-C(O)NRgアリール、-S(O)z(C1〜C6)アルキル、-S(O)zアリール、-C(O)(C1〜C6)アルキル、アリールC(O)-、5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルキル、または5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルコキシであり;
各Rdは、独立に、水素、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、-C(O)NRaRb、-NRaRb、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、アリール、アリール(C1〜C6)アルキル、5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルキル、または5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルコキシであり;
各ReおよびRfは、独立に、水素、(C1〜C6)アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、(C1〜C6)アルキルアリール、アリール(C1〜C6)アルキル、-C(O)(C1〜C6)アルキル、-S(O)z(C1〜C6)アルキル、-S(O)zNRg(C1〜C6)アルキル、-S(O)zアリール、-C(O)NRg(C1〜C6)アルキル、-C(O)(C1〜C6)アルキル、アリールC(O)-、アリールOC(O)-または-C(O)O(C1〜C6)アルキルから選択され;
Rgは、水素、アリール、ヘテロアリール、複素環、または5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルキルであり;
Arは、1つまたは複数のMで場合により置換されたアリール、あるいは1つまたは複数のMで場合により置換されたヘテロアリールであり;
各Qは、独立に、水素、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、-C(O)NRaRb、-NRaRb、5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルキル、5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルコキシ、1つまたは複数のRdで場合により置換された(C1〜C6)アルキル、1つまたは複数のRdで場合により置換されたヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、1つまたは複数のRdで場合により置換されたアリール、あるいは1つまたは複数のRdで場合により置換されたアリール(C1〜C6)アルキルであり;
各Mは、独立に、水素、ハロ、CF3、CF2H、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、(C1〜C6)アルキル、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルコキシ、-NRaRb、アリール、ヘテロアリールまたは複素環であり;
各Xは、独立に、NL、酸素、C(Q)2またはS(O)zであり;
各Lは、独立に、水素、(C2〜C6)アルケニル、(C2〜C6)アルキニル、-C(O)O(C1〜C6)アルキル、-C(O)Oアリール、(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキル、ヒドロキシ(C1〜C6)アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、アリールO(C1〜C6)アルキル、-CONRcRf、-S(O)z(C1〜C6)アルキル、-S(O)zアリール、-C(O)(C1〜C6)アルキル、アリールC(O)-、-C(O)NRg(C1〜C6)アルキル、5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルキル、または5つまでのフルオロで場合により置換された(C1〜C6)アルコキシであり;
pは、0、1、2および3から選択される整数であり;
zは、0、1および2から選択される整数であり;
nは、0、1および2から選択される整数である)。
【請求項2】
式Ia:
【化3】

(式中、Yは、CMまたはNである)を有する請求項1に記載の化合物、またはその互変異性体、またはそれらの医薬として許容し得る塩。
【請求項3】
式Ib:
【化4】

(式中、Yは、CMまたはNである)を有する請求項1に記載の化合物、またはその互変異性体、またはそれらの医薬として許容し得る塩。
【請求項4】
少なくとも1つのXはNLである請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
少なくとも1つのXはNLである請求項3に記載の化合物。
【請求項6】
YはCMまたはNであり、少なくとも1つのB1
【化5】

である請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
Z1はNである請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
Z2はNである請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
式Ih:
【化6】

(式中、Yは、CMまたはNである)を有する請求項2に記載の化合物、またはその互変異性体、またはそれらの医薬として許容し得る塩。
【請求項10】
少なくとも1つのXはNLである請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
少なくとも1つのXは酸素である請求項7に記載の化合物。
【請求項12】
式Ik:
【化7】

(式中、Yは、CMまたはNである)を有する請求項2に記載の化合物、またはその互変異性体、またはそれらの医薬として許容し得る塩。
【請求項13】
少なくとも1つのXはNLである請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
少なくとも1つのXは酸素である請求項12に記載の化合物。
【請求項15】
式In:
【化8】

(式中、Yは、CMまたはNである)を有する請求項3に記載の化合物、またはその互変異性体、またはそれらの医薬として許容し得る塩。
【請求項16】
少なくとも1つのXはNLである請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
少なくとも1つのXは酸素である請求項15に記載の化合物。
【請求項18】
式Iq:
【化9】

(式中、Yは、CMまたはNである)を有する請求項1に記載の化合物、またはその互変異性体、またはそれらの医薬として許容し得る塩。
【請求項19】
Z1はNであり;
Z2はC(R1)である
請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
Z2はNであり;
Z1はC(R1)である
請求項18に記載の化合物。
【請求項21】
少なくとも1つのXはNLである請求項19に記載の化合物。
【請求項22】
少なくとも1つのXはNLである請求項20に記載の化合物。
【請求項23】
少なくとも1つのXは酸素である請求項19に記載の化合物。
【請求項24】
少なくとも1つのXは酸素である請求項20に記載の化合物。
【請求項25】
【化10A】

【化10B】

【化10C】

【化10D】

からなる群から選択される請求項1に記載の化合物、またはその互変異性体、またはそれらの医薬として許容し得る塩。
【請求項26】
a)請求項1から25のいずれか一項の化合物と、
b)医薬として許容し得る担体と
を含む医薬組成物。
【請求項27】
動物において1つまたは複数のGABAAサブタイプを調節する方法であって、請求項1に記載の化合物または請求項26に記載の医薬組成物の有効量を該動物に投与するステップを含む方法。
【請求項28】
前記調節は負である請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記調節は正である請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記GABAAサブタイプはGABAAα5である請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記調節は負である請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記調節は正である請求項30に記載の方法。
【請求項33】
動物において認知機能障害を治療する方法であって、認知機能障害を治療する条件下で請求項1に記載の化合物または請求項26に記載の医薬組成物の有効量を該動物に投与するステップを含む方法。
【請求項34】
前記動物において1つまたは複数のGABAAサブタイプは負調節されている請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記GABAAサブタイプは、GABAAα5である請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記動物は哺乳類である請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記動物は高齢の動物である請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記認知機能障害は、アルツハイマー病、認知症または別の神経変性疾患である請求項33に記載の方法。
【請求項39】
動物において精神障害を治療する方法であって、精神障害を治療する条件下で請求項1に記載の化合物または請求項26に記載の医薬組成物の有効量を該動物に投与するステップを含む方法。
【請求項40】
前記精神障害は、不安障害、睡眠障害、鬱病または統合失調症である請求項39に記載の方法。
【請求項41】
動物において認知機能を向上させる方法であって、記憶を向上させる条件下で請求項1に記載の化合物の有効量を該動物に投与するステップを含む方法。
【請求項42】
前記動物は、健康である請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記記憶は、長期記憶である請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記記憶は、短期記憶である請求項41に記載の方法。
【請求項45】
動物において1つまたは複数のGABAAサブタイプを調節するための医薬品の製造のための請求項1に記載の化合物または請求項26に記載の医薬組成物の使用。
【請求項46】
前記GABAAサブタイプは、GABAAα5である請求項45に記載の使用。
【請求項47】
前記調節は負である請求項45に記載の使用。
【請求項48】
前記調節は正である請求項45に記載の使用。
【請求項49】
前記化合物は、GABAAα5サブタイプを負調節する請求項46に記載の使用。
【請求項50】
動物において認知機能障害を治療するための医薬品の製造のための請求項1に記載の化合物または請求項26に記載の医薬組成物の使用。
【請求項51】
動物において精神障害を治療するための医薬品の製造のための請求項1に記載の化合物または請求項26に記載の医薬組成物の使用。
【請求項52】
前記精神障害は、不安障害、睡眠障害、鬱病または統合失調症である請求項51に記載の使用。
【請求項53】
動物においてα5以外のGABAAαサブユニットの調節によって改善される障害を治療するための医薬品の製造のための請求項1に記載の化合物または請求項26に記載の医薬組成物の使用。
【請求項54】
前記調節は正である請求項53に記載の使用。
【請求項55】
前記調節は負である請求項53に記載の使用。
【請求項56】
記憶を向上させる条件下で動物において認知機能を向上させるための医薬品の製造のための請求項1に記載の化合物または請求項26に記載の医薬組成物の使用。
【請求項57】
前記動物は、健康である請求項56に記載の使用。
【請求項58】
前記記憶は、長期記憶である請求項56に記載の使用。
【請求項59】
前記記憶は、短期記憶である請求項56に記載の使用。
【請求項60】
動物において認知機能を向上させるための医薬品の製造のための請求項1に記載の化合物または請求項26に記載の医薬組成物の使用であって、該動物においてGABAAα5サブタイプは、負調節されている使用。

【公表番号】特表2010−529145(P2010−529145A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511393(P2010−511393)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【国際出願番号】PCT/US2008/066211
【国際公開番号】WO2008/154447
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(509337089)ヘリコン・セラピューティクス・インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】