説明

治療薬としての2,3,4−置換シクロペンタノン

式:


[式中、Y、A、B、JおよびEはさらに説明される]
で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩もしくはプロドラッグを開示する。それに関連する方法、組成物および医薬も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療的活性剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、プロスタグランジンまたはプロスタミド受容体アゴニストである化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術の記載
手術後およびレーザー線維柱帯切除術後の眼球高圧エピソード、緑内障などの数多くの多様な眼球高圧状態の治療において、および手術前補助として、眼球降圧薬が有用である。
緑内障は、眼内圧の上昇を特徴とする眼の疾患である。その病因に基づいて、緑内障は、原発性または続発性に分類されている。たとえば、成人原発性緑内障(先天性緑内障)は、開放隅角または急性もしくは慢性閉塞隅角緑内障のいずれかである。続発性緑内障は、ブドウ膜炎、眼内腫瘍または膨張性白内障などの先行眼疾患に起因する。
【0003】
原発性緑内障の根本原因は、まだわかっていない。眼圧の上昇は、水性体液流出の閉塞によるものである。慢性開放緑内障では、前房およびその解剖学的構造は正常にみえるが、水性体液の排液は妨害される。急性または慢性閉塞緑内障では、前房は浅く、濾過隅角は狭く、虹彩はシュレム管の入り口において線維柱帯網を妨げる。瞳孔の拡散が、隅角に対して虹彩の根部を押し、瞳孔ブロックを作り出し、したがって、急性発作を引き起こす。狭い前房隅角を有する眼は、様々な程度の重篤度の急性閉塞隅角緑内障発作を起こしやすい傾向がある。
【0004】
続発性緑内障は、後房から前房へ、次いで、シュレム管への水性体液の流れの妨害によって引き起こされる。前部の炎症性疾患は、膨隆虹彩における完全な虹彩後癒着を引き起こすことによって房水の排出を妨げ、浸出液で排水溝をふさぐ。他の一般的な原因は、眼内腫瘍、膨張性白内障、網膜中心静脈閉塞症、眼の外傷、手術処置および眼内出血である。
すべてのタイプを一緒に考慮すれば、緑内障は、40歳以上の人間の約2%に発生し、長期にわたって漸近的に進行した後、急速な視力低下に至る。手術が必要でない場合、局所投与用のβ-アドレナリン受容体アンタゴニストが、伝統的に緑内障を治療するための選択薬である。
【0005】
特定のエイコサノイドおよびその誘導体が、緑内障管理に用いるために現在市販されている。エイコサノイドおよび誘導体は、プロスタグランジンおよびその誘導体などの非常に多くの生物学的に重要な化合物を包含する。プロスタグランジンは、以下の構造式:

を有するプロスタン酸の誘導体として記載することができる。
プロスタン酸骨格の脂環式環上の構造および置換基により、種々のタイプのプロスタグランジンが知られている。さらなる分類は、プロスタグランジンの一般的タイプの後に下付数字で示された側鎖中の不飽和結合の数[たとえば、プロスタグランジンE(PGE)、プロスタグランジンE(PGE)]およびαまたはβで示された脂環式環上の置換基の立体配置[たとえば、プロスタグランジンF2α(PGF2β)]に基づく。
【0006】
米国特許No. 4,131,738および米国特許No. 4,147,877は、特定の6-ヒドロキシ、11-ジヒドロおよび11-ヒドロキシメチルプロスタグランジンE誘導体を開示している。
英国特許1601994は、特定の11-ジヒドロおよび11-アルキルプロスタグランジンE誘導体を開示している。
プロスタグランジンEP4選択的アゴニストは、多くの医薬用途をもつと考えられている。たとえば、米国特許No. 6,552,067 B2は、“哺乳動物における低骨量、特に骨粗鬆症、脆弱、骨粗鬆症性骨折、骨欠損、小児突発性骨減少、歯槽骨減少、下顎骨減少、骨折、骨切り術、歯周炎に関連する骨減少または補綴性内殖を示す状態の治療方法”の処置のためのプロスタグランジンEP4選択的アゴニストの使用を教示する。
【0007】
米国特許No. 6,586,468 B1は、プロスタグランジンEP4選択的アゴニストは、“免疫疾患(自己免疫疾患(筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症、シェーグレン症候群、関節炎、関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなど)、移植後移植片拒絶など)、喘息、異常骨形成、神経細胞死、肺障害、肝障害、急性肝炎、腎炎、腎不全、高血圧、心筋虚血、全身性炎症症候群、やけど(ambustion)による痛み、敗血症、血球貪食症候群、マクロファージ活性化症候群、スティル病、川崎病、やけど(burn)、全身性肉芽種、潰瘍性大腸炎、クローン病、透析時の高サイトカイン血症、多臓器障害、ショックなどの予防および/または治療に有用である。それらは、睡眠障害および血小板凝固とも関連があり、したがって、これらの疾患に有用であると考えられる。”ことを教示する。
【0008】
炎症性腸疾患(IBD)は、大腸または小腸における炎症を特徴とする疾患の一群であり、下痢、痛みおよび体重減少などの症状が現れる。非ステロイド性抗炎症剤は、IBDを発病する危険をともなうことが明らかにされており、近年、Kabashimaおよび同僚らは、“EP4は、粘膜構造を維持し、先天性の免疫を抑制し、CD4+ T細胞の増殖および活性化をダウンレギュレートするように作用することを開示している。これらの発見は、NSAIDによるIBDのメカニズムを解明するのみならず、IBDの予防および治療におけるEP4選択的アゴニストの治療可能性を示している。”(Kabashimaら、The Journal of Clinical Investigation、April 2002、Vol. 9、883-893)。
【発明の簡単な記載】
【0009】
本発明は、式:

[式中、破線は、結合の存在または不在を表す;
Yは、カルボン酸、スルホン酸もしくはホスホン酸官能基;または0〜12個の炭素原子を含むそのアミドもしくはエステルである;またはYは、0〜12個の炭素原子を含むそのヒドロキシメチルもしくはエーテルである;またはYは、テトラゾリル官能基である;
Aは、-(CH2)qG(CH2)rG(CH2)s-(ここで、GはSまたはOであり、rは少なくとも2であり、q+r+s=4である)である;
Bは、水素、CN、CO2H、C1-6ヒドロカルビルまたは-(CH2)mX(CH2)pH(ここで、mは少なくとも1であり、mとpの和は1〜5である)である;
XはSまたはOである;
JはH、CH3またはCF3である;および
Eは2〜13個の原子からなる共有結合鎖を含む部分である]
で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩もしくはプロドラッグを開示する。それに関連する方法、組成物および医薬も開示する。
【発明の詳細な記載】
【0010】
本明細書に開示の化合物の構造的表現において、破線は、結合の存在または不在を表す。

言い換えれば、上記構造式は、下記の構造式の1つで示されるどのような化合物をも表す。

【0011】
本発明の範囲を制限することを決して意図するものではないが、下記構造式で示される立体化学を有する化合物が特に有用である。

【0012】
さらに、上記構造式中の結合の1つで示された立体化学を有する化合物、すなわち、下記構造式を有する化合物も有用である。

本明細書に開示するあらゆる構造式と同様に、上記構造式で示される化合物の医薬的に許容しうる塩またはプロドラッグもまた企図される。
【0013】
当業者であれば、破線で示すくさびと塗りつぶしで示すくさびの構造的特徴にともなう立体化学の意味を理解する。たとえば、有機化学の入門テキスト(Francis A. Carey、Organic Chemistry、New York: McGraw-Hill Book Company 1987、p. 63)は、「くさびは紙面から見ている人に向かってくる結合を示し、破線で示される破線くさびは見ている人から遠のく結合を表す」と述べている。
【0014】
Yは、カルボン酸、スルホン酸もしくはホスホン酸官能基;または0〜12個の炭素原子を含むそのアミドもしくはエステルである;またはYは、0〜12個の炭素原子を含むそのヒドロキシメチルもしくはエーテルである;またはYは、テトラゾリル官能基である。したがって、本発明の範囲を制限することを決して意図するものではないが、特定の化合物において、Yは、カルボン酸、スルホン酸もしくはホスホン酸官能基であり、すなわち、下記構造式の1つである。



医薬的に許容しうるどのような形体のこれらの酸のどのような塩もまた存在することができる。
【0015】
さらに、0〜12個の炭素原子を含む上記有機酸の1つのアミドまたはエステルもまた企図される。エステルにおいては、たとえば、CO2R2などのカルボン酸エステルのように、ヒドロカルビル部分が、酸の水素原子と置き換わる。アミドにおいては、アミン基が酸のOHと置き換わる。アミンは、正確にCまたはHへの3個の結合を有する中央窒素をもつ部分である。アミドの例として、CON(R2)2、CON(OR2)R2、CON(CH2CH2OH)2、and CONH(CH2CH2OH)が挙げられる。スルホン酸R2-SO3Hのアミドであるとも見なされるという事実にもかかわらず、CONHSO2R2などの部分もまたカルボン酸のアミドである。
【0016】
本発明の範囲を制限することを決して意図するものではないが、Yは、0〜12個の炭素原子を含むヒドロキシメチルまたはそのエーテルであってもよい。したがって、下記構造式を有する化合物があり得る。

さらに、これらの化合物のエーテルもまたあり得る。エーテルは、たとえば、YがCH2OCH3、CH2OCH2CH3などであるような、ヒドロキシルの水素が炭素で置換される官能基として定義される。
【0017】
最後に、本発明の範囲を制限することを決して意図するものではないが、Yは、テトラゾリル官能基、すなわち、下記構造式の1つで示される化合物であってもよい。

R2が水素である場合、テトラゾリル官能基は、水性または生物媒体中で急速に相互変換することができ、したがって互いに等価である2つの互変異性体を有する。これらの互変異性体を以下に示す。

【0018】
さらに、R2がC1-C6アルキル、フェニルまたはビフェニルであるならば、下記のものなどのテトラゾリル官能基の他の異性体も可能であり、これらはすべて、用語「テトラゾリル」の範囲に含まれると見なされる。

【0019】
本発明の範囲を制限することを決して意図するものではないが、1つの実施態様において、Yは、CO2(R2)、CON(R2)2、CON(OR2)R2、CON(CH2CH2OH)2、CONH(CH2CH2OH)、CH2OH、P(O)(OH)2、CONHSO2R2、SO2N(R2)2、SO2NHR2およびテトラゾリル-R2から選ばれる(ここで、R2は独立して、H、C1-C6アルキル、フェニルまたはビフェニルである)。
【0020】
Aは、-(CH2)qG(CH2)rG(CH2)s-(ここで、GはSまたはOであり、rは少なくとも2であり、q+r+s=4)である。したがって、制限を意図するものではないが、1つの実施態様において、Aが下記の基などの1つになるように、GはSである。

【0021】
別の実施態様において、Aが下記の基などの1つになるように、GはOである。

【0022】
もう1つの実施態様において、Aが下記の基などの1つになるように、GはOとSの両方である。

【0023】
Bは水素、CN、CO2H、C1-6ヒドロカルビルまたは-(CH2)mX(CH2)pH(ここで、mは少なくとも1であり、mとpの和は1〜5である)である。したがって、下記構造式で示される化合物ならびにその医薬的に許容しうる塩またはプロドラッグが企図される。



【0024】
あるいは、BはC1-6ヒドロカルビルである。ヒドロカルビルは、メチル、エチルなどのC1-6アルキル;エテニルなどのC2-6アルケニル;C2-6アルキニル;フェニルといったような炭素および水素のみを有する部分である。アルキルは、二重結合または三重結合を有さないヒドロカルビルであり、n-ブチルなどの直鎖;シクロブチルなどの環式;t-ブチルなどの分枝鎖;またはそのいずれかの組み合わせであってよい。アルケニルは、1つまたはそれ以上のC=C結合を有するが、三重結合は含まないヒドロカルビルであると広く理解すべきであり、直鎖、分枝鎖、環式またはその組み合わせであってよい。制限を意図するものではないが、典型例は、エテニル、プロテニル、ブタジエニル;シクロペンテニルなどである。アルキニルは、エチニル、プロピニル、ブタジニルなどの1つまたはそれ以上のC≡C結合を有するヒドロカルビルであると広く理解すべきである。上記のいずれかの組み合わせもあり得る。
【0025】
1つの実施態様において、Bは1〜4個の炭素原子を有するヒドロカルビルである。もう1つの実施態様において、Bは1〜3個の炭素原子を有するヒドロカルビルである。他の実施態様において、Bは1〜2個の炭素原子を有するアルキルである。他の実施態様において、Bは2〜3個の炭素原子を有するアルキレンである。
あるいは、Bは-(CH2)mX(CH2)pH(ここで、mは少なくとも1であり、mとpの和は1〜5であり、XはSまたはOであり;すなわち、1〜5個のメチレン(CH2)基およびSまたはO原子が存在する)である。したがって、Bは-CH2OCH3、-CH2CH2OCH3などの1〜5個の炭素原子を有するエーテル部分;またはヒドロキシメチル(-CH2OH)、ヒドロキシエチルなどの1〜5個の炭素原子を有するヒドロキシアルキルであってよい。イオウ含有(すなわち、XがSである)類縁体もあり得る。1つの実施態様において、mとpの和は1〜3である。もう1つの実施態様において、BはC1-3ヒドロキシアルキルである。
【0026】
JはH、CH3またはCF3である。言い換えれば、本発明の範囲を制限することを決して意図するものではないが、下記構造式で表される化合物があり得る。

本明細書に開示するあらゆる構造式と同様に、上記構造式で示される化合物の医薬的に許容しうる塩またはプロドラッグもまた企図される。
【0027】
Eは、2〜13個の原子の共有結合鎖を含む部分である。言い換えれば、Eの最も離れた原子は、分子の残りの部分に連結した2〜13個の原子からなる鎖の部分である。最も離れた原子は、最も直接的な様式で決定される、分子の残りの部分に対する最長の共有結合鎖の部分である原子である。共有結合鎖は、一連の共有結合によって連結した原子の直線的鎖である。したがって、もしEがメチルならば、下記番号で示されるように、2個の原子、すなわち、炭素と水素からなる共有結合鎖を有する。

同様に、n-ヘキシル部分は7個の原子からなる鎖を有する。

Eは鎖の部分ではない原子を含んでもよいが、ただし、最も直接的な様式で決定される、これらの原子のうち最も離れたものは、13個以上の原子の鎖を完成しない。最も直接的な様式は、最少の数の連続的に結合した原子を含む2つの原子を連結する様式である。
【0028】
したがって、下記の基は、下記の番号付けで示される7個の原子からなる鎖を含む。環の回りの原子が11個の原子を含むので、下記の番号付けで示される様式が、最も離れた原子に至る最も近い経路である。

制限を意図するものではないが、Eのために特定の部分が特に企図される。1つの実施態様において、EはC2-5 アルキル部分である。もう1つの実施態様において、Eはn-ブチルである。
【0029】
もう1つの実施態様において、EはRまたはCH2-Rである(ここで、Rは0〜4個の置換基を有する芳香族または複素環式芳香族部分である)。したがって、本発明の範囲を制限することを決して意図するものではないが、Rは非置換ベンゼンまたはモノ、ジ、トリもしくはテトラ置換フェニルであってもよい。置換基は、それぞれ6個までの非水素原子を含んでもよい。言い換えれば、置換基はC、N、S、O、P、F、Cl、Br、Iなどの水素でない6個までの原子を含み、状況によって必要とされる幾つかの数の水素原子を含む。したがって、本発明の範囲を制限することを決して意図するものではないが、置換基として、直鎖、分枝鎖、環式またはその組み合わせであるC6までのアルキル、アルキレニル、アルキニルなどのヒドロカルビル;メトキシ、エトキシなどのC5までのヒドロカルビルオキシ;C5までのアシル;C4までのアシルオキシ;CO2Hおよび塩;SO3Hおよび塩;PO(OH)2および塩;C3までのスルホニル;C3までのホスホニル;NO2;CN;フルオロ、クロロおよびブロモなどのハロゲン;CF3などのフルオロカルビル;5個までの炭素原子を有するアミン;などが挙げられる。塩の対イオンは置換基の部分の数に入らない。たとえば、Na+は数に入らないので、CO2-Na+は3個の非水素原子を有するとみなされる。1つ以上の置換基が存在するならば、それらは同一であるか、またはいずれかの組み合わせで存在する。
【0030】
あるいは、Rはピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラダジニル、チエニル、フリル、ピロリル、チアゾリル、イミダゾリルなどの非置換複素環式芳香族であってもよい。または、Rはモノ、ジ、トリもしくはテトラ置換複素環式芳香族環であってもよい。しかし、特定の環は、4個までの置換基を有することができない。この場合、これらの環は、環が許す数の置換基を有することができる。
あるいは、Rは二環式芳香族または複素環式芳香族環系であってもよい。言い換えれば、Rは、芳香族環を有する二環式環系である。本発明の範囲を制限することを決して意図するものではないが、たとえば、テトラヒドロベンゾフリルまたはテトラヒドロナフチルにおいて、2つの環のうち1つだけが芳香族である必要がある。あるいは、系中の両方の環が芳香族であってもよい。
【0031】
二環式芳香族系として、ナフチル、テトラヒドロナフチルなどが挙げられる。二環式複素環式芳香族環系もまた企図される。このような環系の例として、1つのヘテロ原子を含む環系および1つ以上のヘテロ原子を含む環系が挙げられるが、これらに限定されるものではない。1つのヘテロ原子を含む環系として、ベンゾチエニルおよびイソベンゾチエニルなどのイオウ原子を有する環系;ベンゾフリルおよびイソベンゾフリルなどの酸素原子を有する環系;およびキノリニル、イソキノリニル、インドリル、イソベンゾフリル、イソインドリル、ベンゾピリジルなどの窒素原子を有する環系が挙げられる。1つ以上のヘテロ原子を有する環系として、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾピリミジル、ベンゾピラジニルなどの部分が挙げられる。
【0032】
制限を意図するものではないが、特定の実施態様において、EはCH2-R(ここで、Rはメチル、エチル、フルオロ、ブロモ、クロロ、トリフルオロメチル、メトキシおよびNO2から選ばれる2個までの置換基を有してもよい二環式芳香族または複素環式芳香族環系である)である。他の実施態様において、Eはフェニル、ベンジル、フェノキシまたはフェニルチオである。他の実施態様において、Rはナフチルまたはベンゾチエニル、すなわち、Eはナフチル、ベンゾチエニル、CH2-ナフチルまたはCH2-ベンゾチエニルである。他の実施態様において、Eはナフチル、4個までの置換基(ここで、置換基は6個までの非水素原子を含む)を有してもよいベンゾチエニル、CH2-ナフチルまたはCH2-ベンゾチエニルである。他の実施態様において、Eはメチル、エチル、フルオロ、ブロモ、クロロ、トリフルオロメチル、メトキシおよびNO2から選ばれる2個までの置換基を有してもよいナフチル、ベンゾチエニル、CH2-ナフチルまたはCH2-ベンゾチエニルである。
【0033】
制限を意図するものではないが、特定の化合物において、EはR1またはZ-R1(ここで、R1は6個までの非水素原子を有する0〜4個の置換基を有する二環式芳香族または複素環式芳香族環系であり、ZはO、SまたはCH2である)である。したがって、EはR1、CH2R1、OR1もしくはSR1またはその置換誘導体であってもよい。特定の実施態様において、R1は6個までの非水素原子を有する0〜4個の置換基を有するナフチル、ベンゾチエニルまたは置換ナフチルまたはベンゾチエニルであり、ZはO、SまたはCH2である。他の化合物において、R1はメチル、エチル、フルオロ、ブロモ、クロロ、トリフルオロメチル、メトキシおよびNO2から選ばれる2個までの置換基を有するナフチル、ベンゾチエニルまたは置換ナフチルもしくはベンゾチエニルである。
【0034】
他の化合物として、下記構造式を特徴とする化合物またはその医薬的に許容しうる塩もしくはプロドラッグが挙げられる。

【0035】
他の化合物として、下記構造式を特徴とする化合物またはその医薬的に許容しうる塩もしくはプロドラッグが挙げられる。

【0036】
下記化合物またはその医薬的に許容しうる塩もしくはプロドラッグが、特に有用である。

【0037】
本明細書において、以下の化合物が特に企図される:
{3-[(1R,2R)-2-((E)-3-ヒドロキシ-3-メチル-5-ナフタレン-2-イル-ペント-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[(1R,2R)-2-((E)-5-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ペント-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[(1R,2R)-2-((E)-5-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ペント-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[(1R,2R)-2-((E)-5-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ペント-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸メチルエステル;
{3-[(1R,2R)-2-((E)-5-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ペント-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸メチルエステル;
{3-[(1R,2S,3R)-2-((E)-5-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ペント-1-エニル)-3-ヒドロキシメチル-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸メチルエステル;
{3-[(1R,2S,3R)-2-((E)-5-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ペント-1-エニル)-3-ヒドロキシメチル-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸メチルエステル;
{3-[(1R,2S,3R)-2-((E)-5-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ペント-1-エニル)-3-ヒドロキシメチル-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[(1R,2S,3R)-2-((E)-5-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ペント-1-エニル)-3-ヒドロキシメチル-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[(1R,2R)-2-((E)-3-ヒドロキシ-3-メチル-5-ナフタレン-2-イル-ペント-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[(1R,2R)-2-((E)-3-ヒドロキシ-5-ナフタレン-2-イル-ペント-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸メチルエステル;
{3-[(1R,2R)-2-((E)-3-ヒドロキシ-5-ナフタレン-2-イル-ペント-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸メチルエステル;
{3-[(1R,2R)-2-((E)-3-ヒドロキシ-5-ナフタレン-2-イル-ペント-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[(1R,2R)-2-((E)-3-ヒドロキシ-5-ナフタレン-2-イル-ペント-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[(1R,2S,3R)-3-ヒドロキシメチル-2-((E)-3-ヒドロキシ-5-ナフタレン-2-イル-ペント-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸メチルエステル;
{3-[(1R,2S,3R)-3-ヒドロキシメチル-2-((E)-3-ヒドロキシ-5-ナフタレン-2-イル-ペント-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸メチルエステル;
{3-[(1R,2S,3R)-3-ヒドロキシメチル-2-((E)-3-ヒドロキシ-5-ナフタレン-2-イル-ペント-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[(1R,2S,3R)-3-ヒドロキシメチル-2-((E)-3-ヒドロキシ-5-ナフタレン-2-イル-ペント-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[(1R,2S,3R)-3-ヒドロキシメチル-2-((E)-3-ヒドロキシ-4-フェニル-ブト-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸メチルエステル;
{3-[(1R,2S,3R)-3-ヒドロキシメチル-2-((E)-3-ヒドロキシ-4-フェニル-ブト-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸メチルエステル;
{3-[(1R,2S,3R)-3-ヒドロキシメチル-2-((E)-3-ヒドロキシ-4-フェニル-ブト-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[(1R,2R)-2-((E)-3-ヒドロキシ-4-フェニル-ブト-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸メチルエステル;
{3-[(1R,2R)-2-((E)-3-ヒドロキシ-4-フェニル-ブト-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸メチルエステル;
{3-[(1R,2R)-2-((E)-3-ヒドロキシ-4-フェニル-ブト-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[(1R,2R)-2-((E)-3-ヒドロキシ-4-フェニル-ブト-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[(1R,2R)-2-((E)-3-ヒドロキシ-3-メチル-5-ナフタレン-2-イル-ペント-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸メチルエステル;
{3-[(1R,2S,3R)-3-ヒドロキシメチル-2-((E)-3-ヒドロキシ-4-フェニル-ブト-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[3-ヒドロキシメチル-2-(3-ヒドロキシ-4-フェニル-ブト-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸イソプロピルエステル;
3-[(1R,2R)-2-((E)-(S)-3-ヒドロキシ-オクト-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[(1R,2R)-2-((E)-3-ヒドロキシ-4-ナフタレン-2-イル-ブト-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[(1R,2R)-2-((E)-3-ヒドロキシ-4-ナフタレン-2-イル-ブト-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸メチルエステル;
{3-[2-(4-ベンゾ[b]チオフェン-3-イル-3-ヒドロキシ-ブト-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[2-(4-ベンゾ[b]チオフェン-3-イル-3-ヒドロキシ-ブト-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;および
(3-{(1R,3R)-2-[(E)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-ヒドロキシ-ペント-1-エニル]-3-メチル-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル}-プロピルスルファニル)-酢酸メチルエステル。
【0038】
本明細書に開示する化合物は、哺乳動物の緑内障または高眼圧の予防または治療に、または緑内障または高眼圧の治療用医薬の製造に有用である。それらは、先に記載されたような、プロスタグランジンEP4アゴニストによる治療に適していることが当業界で明らかにされている疾患の治療にも有用である。
【0039】
「医薬的に許容しうる塩」は、親化合物の活性を保持し、親化合物と比べて投与される患者にいずれかの付加的な有害で不運な作用を分け与えないいずれかの塩である。医薬的に許容しうる塩はまた、酸または塩に変換される酸、他の塩またはプロドラッグの投与の結果としてインビボで形成してもよいいずれかの塩も意味する。
酸性官能基の医薬的に許容しうる塩は、有機または無機塩基から誘導される。このような塩には、一価または多価イオンが含まれる。特に興味深いものは、無機イオンのリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムである。有機塩は、アミン、特に、モノ、ジおよびトリアルキルアミンまたはエタノールアミンなどのアンモニウム塩と作成される。塩はまた、カフェイン、トロメタミンおよび類似の分子と形成されてもよい。塩酸または幾つかの他の医薬的に許容しうる酸は、アミンまたはピリジン環などの塩基性基を含む化合物との塩を形成することができる。
【0040】
「プロドラッグ」は、投与後に治療上有効な化合物に変換される化合物であり、該用語は、当業界で一般に理解されるように、広範な意味で解釈されるべきである。本発明の範囲を制限することを意図するものではないが、変換は、エステル基またはその他の生物学的に不安定な基の加水分解によっておこることができる。必ずしもではないが、一般に、プロドラッグは不活性であるか、またはそれに変換される治療上有効な化合物よりも活性が低い。本明細書に開示の化合物のエステルプロドラッグが、特に企図される。エステルは、C1のカルボン酸(すなわち、天然のプロスタグランジンの末端カルボン酸)から誘導されてもよく、またはエステルは、フェニル環上などの分子の他の部分上におけるカルボン酸官能基から誘導されてもよい。制限を意図するものではないが、エステルは、アルキルエステル、アリールエステルまたはヘテロアリールエステルであってもよい。用語アルキルは、当業者によって通常理解される意味を有し、直鎖、分枝鎖または環式アルキル部分を意味する。エステルのアルキル部分が1〜6個の炭素原子を有するC1-6アルキルエステルが特に有用であり、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル、t-ブチル、ペンチル異性体、ヘキシル異性体、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよび1-6個の炭素原子を有するその組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
当業者は、投与または医薬を製造するために、本明細書に開示する化合物を、それ自体は当業界で公知の医薬的に許容しうる賦形剤と混合することができることを容易に理解するであろう。特に、全身投与される薬物は、経口または非経口投与または吸入に適した散剤、丸剤、錠剤などとして、あるいは液剤、乳剤、懸濁剤、エアロゾル、シロップ剤またはエリキシル剤として調製することができる。
【0042】
固体投与剤形または医薬のために、非毒性固体担体として、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、ポリアルキレングリコール、タルカム、セルロース、グルコース、スクロースおよび炭酸マグネシウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。固体投与剤形は、コーティングなしであってもよく、あるいは胃腸管内での崩壊および吸収を遅延化させ、そのことによって長期にわたる持続性作用を提供するために周知技術によってコーティングしてもよい。たとえば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延化物質を用いることができる。米国特許No.4,256,108;4,166,452;および4,265,874に記載の技術によってコーティングして、制御放出のための浸透圧医薬錠剤を形成することもできる。液体医薬投与剤形は、たとえば、水、食塩水、水性デキストロース、グリセロール、エタノールなどの担体中に、1つまたはそれ以上の現在有用な化合物の溶液または懸濁液と任意の医薬補助剤を含み、液剤または懸濁剤を形成する。必要に応じて、投与される医薬組成物は、少量の湿潤剤、乳化剤、pH緩衝剤などの非毒性補助剤を含んでもよい。このような補助剤の典型例は、酢酸ナトリウム、モノラウリン酸ソルビタン、トリエタノールアミン、酢酸ナトリウム、オレイン酸トリエタノールアミンなどである。このような剤形を調製する実際の方法は公知であるか、または当業者には明らかである;たとえば、Remington's Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Company、Easton、Pa.、16th Edition、1980を参照。いずれにせよ、投与される製剤の組成物は、所望の治療効果を提供するのに有効な量で1つまたはそれ以上の有効化合物を含む。
【0043】
通常、非経口投与は、皮下、筋肉内または静脈内注射のいずれかを特徴とする。注射剤は、溶液または懸濁液、注射前の溶液または懸濁液に適した固体、または乳剤のいずれかの常套の形態で製造することができる。適当な賦形剤は、たとえば、水、食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなどである。さらに、必要に応じて、投与される注射可能な医薬組成物は、少量の湿潤剤、乳化剤、pH緩衝剤などの非毒性補助剤を含んでもよい。
現在有用な化合物または投与される化合物の量は、もちろん、治療効果または所望の効果、治療される特定の哺乳動物、哺乳動物の身体状態の重篤度および性質、投与様式、用いる化合物の強度および薬力学ならびに処方医の判断に応じて変化する。
【0044】
眼科的に許容しうる液体は、眼に局所投与しうるように製剤される。製剤考慮事項(たとえば、薬物安定性など)が、最大快適性を低くする場合もあるが、快適性は、可能な限り最大化されるべきである。快適性を最大化することができない場合、液体は、局所的眼科用途にとって患者が耐えられるように製剤されるべきである。さらに、眼科的に許容しうる液体は、単回使用のためにパッケージングされるか、または複数回使用にわたって汚染を防止するための保存剤を含むべきである。
眼科適用のためには、主要ビヒクルとして生理食塩水溶液を用いて溶液または医薬を調製することが多い。点眼液は、好ましくは、適当な緩衝系を用いて快適なpHに維持されるべきである。製剤は、従来の医薬的に許容しうる保存剤、安定化剤および界面活性剤を含んでもよい。
【0045】
本発明の医薬組成物に用いうる保存剤として、ベンザルコニウムクロリド、クロロブタノール、チメロサール、酢酸フェニル水銀および硝酸フェニル水銀が挙げられるが、これらに限定されるものではない。有用な界面活性剤は、たとえば、Tween 80などである。同様に、種々の有用なビヒクルを本発明の眼科製剤に用いることができる。これらのビヒクルとして、ポリビニルアルコール、ポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポロキサマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよび精製水が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0046】
張性調節剤を必要または都合に応じて加えてもよい。そのような剤として、特に塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの塩、マンニトールおよびグリセリンまたはいずれかの他の適当な眼科的に許容しうる張性調節剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
得られる製剤が眼科的に許容しうるものである限りは、pHを調節するための種々の緩衝剤および手段を用いることができる。したがって、緩衝剤として、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液およびホウ酸緩衝液が挙げられる。必要に応じて、酸または塩基を用いて、これらの製剤のpHを調節してもよい。
【0047】
同様に、本発明に用いるための眼科的に許容しうる抗酸化剤として、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、ブチル化ヒドロキシアニソールおよびブチルばヒドロキシトルエンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
眼科製剤に含まれてもよい他の賦形剤成分は、キレート剤である。他のキレート剤を代わりに、または併せて用いてもよいが、有用なキレート剤は、エデト酸二ナトリウムである。
【0048】
通常、成分は以下の量で用いる:

【0049】
局所使用には、本明細書に開示する化合物を含むクリーム剤、軟膏、ゲル剤、液剤または懸濁剤などを用いる。局所製剤は、通常、医薬的担体、コソルベント、乳化剤、浸透促進剤、保存システムおよび軟化剤を含む。
哺乳動物患者への本明細書に記載の化合物の投与によって炎症性大腸疾患の治療を行うことができる。炎症性大腸疾患は、潰瘍性大腸炎およびクローン病(これらに限定されるものではない)などの大腸の炎症を特徴とする種々の疾患をいう。経口投与、座剤または非経口投与もしくはその他の適当な方法によって治療を行うことができる。
【0050】
本発明の範囲を制限することを決して意図するものではないが、当業界で公知の多くの方法のいずれかによって、経口投与剤形を介した結腸への本明細書に開示する化合物のデリバリーを行うことができる。たとえば、ChourasiaおよびJain(J Pharm Pharmaceut Sci 6(1): 33-66、2003)およびShareefら(AAPS PharmSci 2003;5(2) Article 17)による概説には、多くの有用な方法が記載されている。本発明の範囲を制限することを決して意図するものではないが、これらの方法として、1)アゾまたは炭水化物ベースプロドラッグなどのプロドラッグの投与;2)結腸へのデリバリー用に設計されたポリマーによる薬物のコーティングまたはポリマーへの薬物のカプセル封入もしくは含浸;3)薬物の持続性放出デリバリー;4)生体接着システムの使用などが挙げられる。
【0051】
理論に結びつけることを決して意図するものではないが、腸管微生物叢が、アゾ結合を還元的に切断し、2つの窒素原子をアミン官能基として脱離させると考えられる。本発明の範囲を制限することを決して意図するものではないが、アゾプロドラッグのアプローチは、過敏性腸疾患の治療のためのヒト治験において5-アミノサリチル酸をデリバリーするために用いられている。下部消化管の細菌も、グリコシド、グルクロニド、シクロデキストリン、デキストランおよび他の炭水化物を消化しうる酵素を有することも考えられる;ならびにこれらの炭水化物から形成されたエステルプロドラッグが親活性薬物を結腸に選択的にデリバリーすることが明らかにされている。たとえば、デキサメタゾン、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾンおよびフルドロコルチゾンのプロドラッグを用いるラットおよびモルモットにおけるインビボおよびインビトロ実験は、グリコシド複合体が、ヒト結腸へのステロイドのデリバリーに有用であることを示唆する。他のインビボ実験は、ステロイドまたは非ステロイド抗炎症薬のグルクロニド、シクロデキストリンおよびデキストランプロドラッグが、下部消化管へのこれらの薬物のデリバリーに有用であることを示唆している。サリチル酸およびグルタミン酸のアミドが、ウサギおよびイヌの結腸へのサリチル酸のデリバリーに有用であることが明らかにされている。
【0052】
アミラーゼ、アラビノガラクタン、キトサン、硫酸コンドロイトン、デキストラン、グアーガム、ペクチン、キシリンなどの炭水化物ポリマーまたはアゾ基含有ポリマーは、薬物化合物をコーティングするのに用いることができ、あるいは薬物を、該ポリマーに含浸またはカプセル封入することができる。経口投与後、ポリマーは、上部消化管内で安定性を維持するが、下部消化管の腸管微生物叢によって消化されて治療用薬物を放出することが考えられる。
【0053】
結腸が上部消化管よりも高いpHを有するので、pH感受性ポリマーもまた用いることができる。このようなポリマーは市販されている。たとえば、ローム・ファーマシューティカルズ(デルムスタット、ドイツ)は、ポリマー中の遊離カルボキシレート基の数に基づき異なるpH範囲にわたって種々の溶解度を有するpH依存性メタクリレートベースポリマーおよびコポリマーを商品名Eudragit(登録商標)で市販している。潰瘍性結腸炎およびクローン病を治療するためのサルサラジンをデリバリーするために、幾つかのEudragit(登録商標)の投与剤形が、現在用いられている。持続性放出システム、生体接着システムおよび他のデリバリーシステムも研究されている。
【0054】
生物学的活性
以下の手順にしたがって、本明細書に開示する化合物の活性を試験した。結果を第1表に示す。
放射性リガンド結合
EP1、EP2、EP4およびFP受容体を安定発現している細胞
ヒトまたはネコFP受容体またはEP1、EP2またはEP4受容体を安定発現しているHEK-293細胞をTME緩衝液で洗浄し、フラスコの底からかき集め、ブリンクマンPT 10/35ポリトロンを用いて30秒間ホモジナイズする。最終体積40 mlにするためにTME緩衝液を遠心管に加えた(TMEの組成は、100 mM TRIS塩基、20 mM MgCl2、2M EDTAである;10N HClを加えてpH7.4にする)。
【0055】
ベックマンTi-60ローターを用い、細胞ホモジネートを4℃にて19000 r.p.m.で20分間遠心分離した。得られるペレットをTME緩衝液に再懸濁して、バイオラドアッセイによる最終タンパク質濃度1 mg/mlを得る。[3H-]17-フェニルPGF2α(5 nM)に対する放射性リガンド結合競合アッセイを100μl体積にて60分間行った。形質膜画分を加えることによって結合反応を開始した。ブランデル細胞ハーベスターを用いて、4 mlの氷冷TRIS-HCl緩衝液を加え、グラスファイバーGF/Bフィルターを通して迅速に濾過することによって反応を終結させた。フィルターを氷冷緩衝液で3回洗浄し、一夜オーブン乾燥した。10μMの非標識17-フェニル PGF2αにより非特異的結合を決定した。
[3H-]PGE2(5 nM;特異的活性180 Ci mmol)をEP受容体のための放射性リガンドとして用いた。少なくとも3つの別の実験において、EP1、EP2、EP3、EP4を用いる結合試験を繰り返して2回行った。200μlのアッセイ体積を用いた。細胞ハーベスター(ブランデル)にて、インキュベーションを25℃にて60分間行い、4 mlの氷冷50 mM TRIS-HClを加え、次いで、追加の4 mlの洗液を3回加えてワットマンGF/Bフィルターを通して迅速に濾過することによってインキュベーションを終結させた。10-5Mの非標識PGE2により非特異的結合を決定した。
【0056】
FLIPR(商標)試験のための方法
(a)細胞培養
組換えヒトプロスタグランジン受容体の1つのタイプまたはサブタイプを安定発現している細胞HEK-293(EBNA)(発現されたプロスタグランジン受容体:hDP/Gqs5;hEP1;hEP2/Gqs5;hEP3A/Gqi5;hEP4/Gqs5;hFP;hIP;hTP)を、10% ウシ胎児血清、2 mM l-グルタミン、選択マーカーとして250 μg/ml ジェネテシン(G418)および200 μg/ml ハイグロマイシンB、ならびに100 ユニット/ml ペニシリンG、100 μg/ml ストレプトマイシンおよび0.25 μg/ml アムホテリシンBを含む高グルコースDMEM培地中、100 mmの培養皿にて培養した。
【0057】
(b)FLIPR(商標)におけるカルシウムシグナル試験
細胞を5x104細胞/ウエルの密度でバイオコート(登録商標)ポリ-D-リシンコーティングブラックウオール、透明底96ウエルプレート(ベクトン-ディキンソン)に播種し、37℃にて一夜インキュベーターに取り付けた。次いで、デンリー・セルウォッシュ・プレート・ウォッシャー(ラブシステムズ)を用いて、細胞をHBSS-HEPES緩衝液(重炭酸塩およびフェノールレッドを含まないハンクス平衡塩溶液、20 mM HEPES、pH 7.4)で2回洗浄した。カルシウム感受性色素Fluo-4 AMを用いて最終濃度2 μMにて暗中で45分間色素ローディングした後、HBSS-HEPES緩衝液でプレートを4回洗浄し、各ウエルにおいて100 μlにして過剰の色素を除去した。プレートを37℃にて2,3分間再平衡化した。
【0058】
細胞を488 nmのアルゴンレーザーで興奮させ、510-570 nm帯域幅の放出フィルター(FLIPR(商標)、モレキュラー・デバイス、サニーヴェール、CA)で放出を測定した。50 μlずつ各ウエルに薬物溶液を加えて、所望の最終濃度を得る。各ウエルについて蛍光強度におけるピークの増大を記録した。各プレートにおいて、4つのウエルをそれぞれネガティブ(HBSS-HEPES緩衝液)およびポジティブコントロール(標準アゴニスト:BW245C(hDP);PGE2(hEP1;hEP2/Gqs5;hEP3A/Gqi5;hEP4/Gqs5);PGF2α(hFP);カルバサイクリン(hIP);U-46619(hTP)、受容体に応じて)とした。次いで、各薬物含有ウエルにおけるピーク蛍光変化をコントロールに対して表現した。
ハイスループット(HTS)または濃度-応答(CoRe)形式で化合物を試験した。HTS形式では、プレート当たり44個の化合物を10-5 Mの濃度で2回繰り返して調査した。濃度−応答曲線を作成するために、プレート当たり4つの化合物を10-5〜10-11 Mの濃度範囲で2回繰り返して試験した。繰り返しの値を平均した。HTSまたはCoRe形式それぞれにおいて、異なる継代からの細胞を用いて、各化合物を少なくとも3つの別のプレートにおいて試験して、n≧3を得た。
【0059】
第1表
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【0060】
インビボ試験
眼内圧(IOP)
イヌにおける眼内圧試験は、意識のあるビーグル犬(雌雄)(10-15 kg)で行うニューマトノメトリーを含んだ。試験中、動物は意識のある状態にし、優しく手で固定した。一方の眼に25 μLの薬物を一滴、他方の眼に25 μLのビヒクル(0.1% ポリソルベート80:10 mM TRIS)をコントロールとして局所投与した。トノメトリー中の角膜麻酔のためにプロパラカイン(0.1%)を用いた。5日間の試験中の毎日、薬物投与の直前およびその後2、4および6時間後に眼内圧を測定した。最初のIOP測定後すぐに薬物を投与した。カニクイザルにおいて類似の手順を行い、単回投与の2、4、6および24時間後に測定した。
【0061】
瞳孔直径
オプチスティック(基準のための標準幅(mm)の半円基準を含むmm定規)を用いて、イヌの瞳孔直径を測定した。イヌを優しく手で固定し、標準的室内照明下で半円を瞳孔に一致させることによって瞳孔直径を測定した。非常に濃い瞳孔をもつイヌでは、特殊なペンライトを用いたが、瞳孔の収縮を回避するために非常に短時間のみ使用した。IOPと充血の測定と同時に瞳孔直径を測定した。
【0062】
眼表面充血
眼表面充血を視覚的に評価し、臨床において代表的に用いられるシステムにしたがって評点をつけた。

【0063】
眼内圧測定と同時に眼表面充血を評価した。非処置のイヌの眼がピンク/赤の色調を有することに留意すべきである。したがって、痕跡または軽度でさえも、必ずしも正常範囲からはずれるとはいえない。



(2-ナフチル)
【0064】
上記構造式および下記第2表で示される化合物で試験を行なった。結果を第3表に示す。
第2表


第3表

【0065】
合成手順
(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-メタノール(2)
200 mLのTHF中の3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(1)10.0 g(47.0 mmol)の氷冷溶液に、47 mLのLiAlH4(47 mmol、1 M/THF)を加える。3時間後、反応物にMeOH(約40 mL)を加えて反応を停止する。揮発物を蒸発し、残渣を50 mLの1 M HClで処理する。10分間撹拌した後、混合物をCH2Cl2(3 x 150 mL)で抽出する。合わせたCH2Cl2溶液を乾燥(硫酸マグネシウム)し、濾過し、蒸発する。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(10−20% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、4.32 g(21.6 mmol、46 %)のアルコール(2)を得る。
【0066】
3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルバルデヒド(3)
40 mLのCH2Cl2中のアルコール2(4.32 g、21.6 mmol)の溶液を、4Aモレキュラーシーブス、NMO(3.81 g、32.5 mmol)およびTPAP(381 mg、1.08 mmol)で処理する。反応物を10分間撹拌し、次いで、蒸発乾固する。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(2% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、3.52 g(18.3 mmol、84%)のアルデヒド(3)を得る。
【0067】
(E)-3-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-アクリル酸メチルエステル(4)
50 mLのトルエン中の3.52 g(18.3 mmol)の3の溶液を、(トリフェニルホスホラニリデン)酢酸メチル(7.48 g、21.9 mmol)で処理する。4時間後、飽和NaHCO3溶液(50 mL)を加え、混合物を酢酸エチル(2 x 75 mL)で抽出する。合わせた酢酸エチル溶液を食塩水(50 mL)で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、濾過し、蒸発する。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(5% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、3.60 g(14.6 mmol、80%)のエノエート(4)を得る。
【0068】
3-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-プロピオン酸メチルエステル(5)
50 mLのTHF中の3.60 g(14.6 mmol)の4の溶液をウィルキンソン触媒(3.35 g、3.62 mmol)で処理する。混合物を1気圧のH2下で18時撹拌し、次いで、セライトで濾過する。溶媒を蒸発し、残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(0−2% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、3.63 g(14.3 mmol、99%)の飽和エステル(5)を得る。
【0069】
3-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オール(6)
60 mLのエーテル中の3.63 g(14.3 mmol)の5の氷冷溶液を、LiBH4(621 mg、28.5 mmol)およびメタノール(2 mL)で処理する。30分後、30 mLの0.5 M NaOH溶液を加える。混合物を酢酸エチル(2 x 25 mL)で抽出し、合わせた酢酸エチル溶液を食塩水(50 mL)で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)し、濾過し、蒸発する。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(5−20% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、2.57 g(11.3 mmol、79%)のアルコール(6)を得る。
【0070】
3-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-プロピオンアルデヒド(7)
ジクロロメタン(20 mL)中の塩化オキサリル(1.73 g、13.6 mmol)の-78℃溶液を、DMSO(20 mL)で処理する。5分後、ジクロロメタン(20 mL)中のアルコール6(2.57g、11.3 mmol)の溶液を加える。さらに15分後、トリエチルアミン(7.1 mL、50.6 mmol)を加える。反応物を-78℃にて5分間撹拌し、次いで、室温に温める。30分後、100 mLの水を加え、混合物をジクロロメタン(3 x 60 mL)で抽出する。合わせたジクロロメタン溶液を乾燥(硫酸ナトリウム)し、濾過し、蒸発する。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(10% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、2.11 g(9.4 mmol、83%)のアルデヒド(7)を得る。
【0071】
5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-ペント-1-イン-3-オール(8)
15 mLのTHF中のアルデヒド7(2.11 g、9.4 mmol)の溶液を、エチニルマグネシウムブロミド(28.2 mL、14.1 mmol、0.5 M THF)の溶液に0℃にて加える。1.5時間後、飽和NH4Cl溶液(75mL)を加え、混合物を酢酸エチル(3 x 50 mL)で抽出する。合わせた酢酸エチル溶液を食塩水(50 mL)で洗浄し、次いで、乾燥(硫酸ナトリウム)し、濾過し、蒸発する。フラッシュクロマトグラフィー(5−20% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、2.20 g(8.78 mmol、93%)のアルコール(8)を得る。
【0072】
tert-ブチル-{1-[2-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-エチル]-プロプ-2-イニルオキシ}-ジメチル-シラン(9)
ジクロロメタン(15 mL)中のアルコール8(2.20 g、8.78 mmol)の溶液を、DMAP(215 mg、1.8 mmol)、TBSCl(1.59 g、10.5 mmol)およびトリエチルアミン(1.8 mL、13.2 mmol)で処理する。反応物を24時間撹拌し、次いで、飽和重炭酸ナトリウム溶液(50 mL)を加える。混合物をジクロロメタン(2 x 50 mL)で抽出し、合わせたジクロロメタン溶液を乾燥(硫酸ナトリウム)し、濾過し、蒸発する。フラッシュクロマトグラフィー(4% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、3.06 g(6.4 mmol、73%)の保護アルコール(9)を得る。
【0073】
(3-{(1R,3R)-3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-2-[(E)-3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-ペント-1-エニル]-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル}-プロピルスルファニル)-酢酸メチルエステル(11)
Cp2ZrHCl(103 mg、0.40 mmol)を、1 mLのTHF中のアルキン9(120 mg、0.33 mmol)の溶液に加える。1時間後、固体は溶解し、得られる黄色溶液を-78℃に冷却する。MeLi(0.52 mL、0.73 mmol、1.4 M/エーテル)を加え、反応物を15分間撹拌し、次いで、2-チエニルCuCNLi(1.46 mL、0.37 mmol、0.25 M/THF)を加え、反応混合物をさらに30分間撹拌する。この時点で、5 mLのTHF中の米国特許No.6,043,275(明らかに全体として参照することにより本発明に援用される)にしたがって調製したエノン10(109 mg、0.28 mmol)の溶液をカニューレにて滴下し、0.2 mLのTHFで濯ぐ。反応物を2時間撹拌し、次いで、10% 濃NH4OH(aq)/飽和NH4Cl(aq)(20 mL)を加えて反応を停止する。混合物を15分間撹拌し、次いで、酢酸エチル(3 x 20 mL)で抽出する。合わせた酢酸エチル溶液を乾燥(硫酸ナトリウム)し、濾過し、蒸発する。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(10% 酢酸エチル/ヘキサン−15%)により精製して、標記ケトン(83 mg、0.11 mmol、39%)を得る。
【0074】
(3-{(1R,4R)-2-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-5-[(E)-3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-ペント-1-エニル]-4-ヒドロキシ-シクロペント-2-エニルスルファニル}-プロピルスルファニル)-酢酸メチルエステル(12)
Et3N(0.86 mL、6.2 mmol)およびTBSOTf(0.69 mL、3.5 mmol)をケトン11(569 mg、0.75 mmol)のジクロロメタン(20 mL)溶液に加える。1時間後、65 mLの飽和NaHCO3溶液を加え、得られる混合物をジクロロメタン(20 mL)で抽出する。ジクロロメタン溶液をH2O(50 mL)で洗浄し、次いで、乾燥(硫酸ナトリウム)し、濾過し、蒸発する。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(8% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、12(576 mg、0.66 mmol、88%)を暗色油状物で得る。
【0075】
(3-{(R)-2-[(E)-3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-ペント-1-エニル]-5-オキソ-シクロペント-3-エニルスルファニル}-プロピルスルファニル)-酢酸メチルエステル(13)
ジクロロメタン(20 mL)中のエノールシラン12(576 mg、0.66 mmol)の溶液に、アンバーリスト15樹脂(255 mg)を加える。混合物を2時間撹拌し、次いで、濾過し、蒸発する。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(10% 酢酸エチル/ヘキサン−15%)により精製して、標記化合物(131 mg、0.21 mmol、28%)を得る。
【0076】
(3-{(1R,3R)-2-[(E)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-ヒドロキシ-ペント-1-エニル]-3-メチル-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル}-プロピルスルファニル)-酢酸メチルエステル(14)
THF(0.5 mL)中のCuCN(45 mg、0.50 mmol)の-78℃混合物に、MeLi(0.57 mL、0.80 mmol、1.4 M/エーテル)を加える。混合物を-78℃にて5分間撹拌し、次いで、室温に温める。室温にて10分後、混合物を冷却して-78℃に戻す。この時点で、0.5 mLのTHF中のエノン13(76 mg、0.12 mmol)の溶液を、カニューレにて滴下し、0.25 mLのTHFで濯ぐ。反応物を30分間撹拌し、次いで、10 mLの飽和NH4Cl溶液を加えて反応を停止する。得られる混合物を室温にて10分間撹拌し、次いで、酢酸エチル(3 x 15 mL)で抽出する。合わせた酢酸エチル溶液を乾燥(硫酸マグネシウム)し、濾過し、蒸発する。
【0077】
粗ケトンを3.3 mLのCH3CNに溶解し、HF-ピリジン(0.54 mL)を加える。反応物を4時間撹拌した時点で、30 mLの飽和NaHCO3を加える。混合物をジクロロメタン(3 x 20 mL)で抽出し、合わせたジクロロメタン溶液を乾燥(硫酸マグネシウム)し、濾過し、蒸発する。プレパラティブ薄層シリカゲルクロマトグラフィー(35% 酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、各10 mg(0.020 mmol、25%)の化合物14の2つのC15ジアステレオマーを得る。
【0078】
【化1】

THF(100 ml)中の101(2.0 g、11.2 mmole)の溶液に、水素化リチウムアルミニウム(22.4 mmole、22.4 ml)を0℃にて加える。5分後、混合物を室温に温め、2時間撹拌する。次いで、混合物を0℃に冷却し、ガスの発生がなくなるまでMeOH(1ml)をゆっくりと加え、次いで、1N HClを加える。室温にて30分間撹拌した後、混合物を減圧濃縮し、1N HClで希釈し、EtOAc(x3)で抽出する。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧濃縮し、16時間吸引乾燥して、1.8 gの粗102を得る。
【0079】
【化2】

DCM(150 ml)中の塩化オキサリル(11.2ml、22.4mmol)の溶液に、ジメチルスルホキシド(3.2 ml、44.8mmol)を-78℃にて滴下する。30分間撹拌した後、DCM(50ml)中の粗2(1.8 g)の溶液を加え、-78℃にて1時間撹拌する。得られる混合物に、トリエチルアミン(12.4 ml、89.6 mmole)を加え、混合物を室温まで温める。1時間後、混合物に飽和水性NaHCO3を注ぎ入れ、DCM(x3)で抽出する。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(100% DCM)により精製して、1.8 gの純粋な103を得る。
【0080】
【化3】

トルエン(200ml)中の3(2.1 g、12.9 mmole)の溶液に、(トリフェニルホスホラニリデン)酢酸メチル(8.5g、25.3 mmole)を加える。室温にて2日後、混合物を減圧濃縮し、粗物質を吸引フィルター中のシリカゲルのパックに通し、溶媒(8/1:ヘキサン/EtOAc)で洗浄する。合わせた有機層を減圧濃縮し、3.0 gの104を得る。
【0081】
【化4】

EtOH(100ml)中の104(3.0 g、0.013 mole)の溶液に、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(1.2 g、1.3 mmole)を加える。混合物にH2をチャージし、室温にて16時間撹拌する。次いで、混合物を減圧濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(9/1:ヘキサン/EtOAc)により精製して、3.0 gの105を得る。
【0082】
【化5】

エーテル(100 ml)中の105(3.0 g、0.013 mole)の溶液に、水素化ホウ素リチウム(0.57 g、0.026 mole)を0℃にて加え、次いで、MeOH(0.83 g、0.026 mole)を加える。次いで、混合物を室温まで温め、3時間撹拌する。TLCにより出発物質がないことが示された後、混合物を0℃に冷却し、NaOH水溶液を滴下する。1時間撹拌した後、混合物を食塩水と合わせ、EtOAc(x3)で抽出する。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(100 % DCM)により精製して、2.5 gの106を得る。
【0083】
【化6】

DCM(150 ml)中の塩化オキサリル(13 ml、26 mmole)の溶液に、ジメチルスルホキシド(3.7 ml、52 mmole)を-78℃にて滴下する。5分後、DCM(40ml)中の106(2.5 g、13 mmole)の溶液を加え、-78℃にて1時間撹拌する。トリエチルアミン(10.5 g、110 mmole)を加えた後、混合物を1時間にわたって室温まで温め、飽和NaHCO3を注ぎ入れ、DCM(x3)で抽出する。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(100 % DCM)により精製して、2.6 gの107を得る。
【0084】
【化7】

THF(100 ml)中の7(1.3 g、6.8 mmole)の溶液に、エチニルマグネシウムブロミド(54.7 ml、27.2 mmole)を0℃にて加える。混合物を16時間にわたって室温まで温め、飽和水性NH4Clを加えて反応を停止し、減圧濃縮する。粗物質をNH4Clで希釈し、EtOAc(x3)で抽出する。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧濃縮して、粗108を得る。
【0085】
【化8】

DCM(20 ml)中の粗108とトリエチルアミン(4.1 g、40.8 mmole)の混合物に、tert-ブチルジメチルトリフルオロメタンスルホネート(5.4 g、20.4 mmole)を0℃にて加える。室温にて1時間後、NaHCO3を加え、溶媒を減圧除去する。フラッシュカラムクロマトグラフィー(100 % ヘキサン− 2/1:ヘキサン/DCM)により、2.2 gの109を得る。
【0086】
【化9】

DCM(100 ml)中の109(2.2 g、6.8 mmole)の溶液に、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムクロリド水素化物(2.1 g、8.2 mmole)を加える。20分後、N-ヨードスクシンイミド(1.8g、8.2 mole)を加え、さらに30分間撹拌する。次いで、混合物を減圧濃縮し(〜10 mLの溶媒)、フラッシュカラムクロマトグラフィー(100 % ヘキサン)に通す。濃縮生成物をヘキサンで希釈し、重亜硫酸ナトリウム(x2)および食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(100 % ヘキサン)により精製して、1.5 gの110を得る。
【0087】
【化10】

エーテル(2 ml)中の110(370 mg、0.81 mmole)の溶液に、tert-ブチルリチウム(1.62 mmole、0.95 ml)を-78℃にて加える。30分後、混合物に2-チエニルシアノ銅塩リチウム(0.94 mmole、3.76 ml)を加え、30分間撹拌した時点で、エーテル(1 ml)中の10(310 mg、0.78 mmole)の溶液を混合物に加える。-78℃にて1時間撹拌した後、混合物に飽和水性NH4Clを加えて反応を停止し、EtOAc(x3)で抽出する。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(9/1:ヘキサン/EtOAc)により精製して、250 mgの112を得る。
【0088】
【化11】

MeCN(3 ml)中の112(250 mg、0.34 mmole)の溶液に、HF-ピリジン(340 μl)を加える。室温にて2時間後、混合物にNaHCO3を加えて反応を停止し、EtOAc(x3)で抽出する。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧濃縮し、プレパラティブTLC(ワットマンPK6Fシリカゲル60オングストローム、1000μm、2% MeOH/DCM)により精製する。
【0089】
【化12】

DCM(3 ml)中の113a(44 mg、0.089 mmole)およびトリエチルアミン(71 mg、0.71 mmole)の混合物に、tert-ブチルジメチルトリフルオロメタンスルホネート(94 mg、0.35 mmole)を0℃にて加える。室温にて30分撹拌した後、混合物にNaHCO3を加えて反応を停止し、DCM(x3)で抽出する。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(5%EtOAc/ヘキサン)により精製して、33 mgの114aを得る。
【0090】
【化13】

DCM(3 ml)中の114a(33 mg、0.039 mmole)の溶液に、アンバーリストを加える。室温にて3時間撹拌した後、混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(9/1:ヘキサン/EtOAc− 4/1:ヘキサン/EtOAc)に通し、9.0 mgの115aを得る。
【0091】
【化14】

トルエン(5 ml)中のストライカー試薬(45 mg、0.023 mmole)の溶液に、トルエン(1 ml)中の115a(9.0 mg、0.015 mmole)の溶液を-40℃にて加える。-40℃にて2時間撹拌した後、混合物にNH4OH/NH4Cl(1/1)を加えて反応を停止し、青い溶液になるまで30分間撹拌する。混合物をEtOAc(x1)+DCM(x2)で抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(9/1:ヘキサン/EtOAc−4/1:ヘキサン/EtOAc)により精製して、7.5 mgの116aを得る。
【0092】
【化15】

MeCN(2 ml)中の116a(7.5 mg、0.013 mmole)の溶液に、HF-ピリジン(13 μl)を加える。室温にて2時間後、混合物にNAHCO3を加えて反応を停止し、EtOAc(x3)で抽出する。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(4/1:ヘキサン/EtOAc−2/3:ヘキサン/EtOAc)により精製して、3.8 mgの117aを得る。
【0093】
【化16】

リン酸緩衝液/MeCN(1.5 ml/0.2 ml)中の117a(3.0 mg、0.0062 mmole)の溶液に、ウサギ肝臓エステラーゼ(3.0 mg、300 μmole)を加える。室温にて16時間後、混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2/1:EtOAc/ヘキサン−100 %EtOAc)に通し、1.6 mgの118aを得る。
【0094】
【化17】

トルエン(200ml)中の119(2.1 g、12.8 mmole)の溶液に、(トリフェニルホスホラニリデン)酢酸メチル(8.5g、25.6 mmole)を加える。室温にて16時間後、混合物を減圧濃縮し、粗物質を吸引フィルター中のシリカゲルのパックに通し、溶媒(8/1:ヘキサン/EtOAc)で洗浄する。合わせた有機層を減圧濃縮し、2.7 gの120を得る。
【0095】
【化18】

EtOH(100ml)中の120(2.7 g、0.012 mole)の溶液に、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(1.1 g、1.2 mmole)を加える。混合物にH2をチャージし、室温にて3日間撹拌する。次いで、混合物を減圧濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(9/1:ヘキサン/EtOAc)により精製して、2.7 gの121を得る。
【0096】
【化19】

エーテル(200 ml)中の121(2.7 g、0.012 mole)の溶液に、水素化ホウ素リチウム(0.77 g、0.035 mole)を0℃にて加え、次いで、MeOH(1.1 g、0.035 mole)を加える。次いで、混合物を室温まで温め、2時間撹拌する。TLCにより出発物質がないことが示された後、混合物を0℃に冷却し、NaOH水溶液を滴下する。1時間撹拌した後、混合物を食塩水と合わせ、EtOAc(x3)で抽出する。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(100 % DCM−1/1:DCM/EtOAc)により精製して、2.3 gの122を得る。
【0097】
【化20】

DCM(150 ml)中の塩化オキサリル(12 ml、24 mmole)の溶液に、ジメチルスルホキシド(3.5 ml、49 mmole)を-78℃にて滴下する。5分後、DCM(40ml)中の122(2.3 g、12 mmole)の溶液を加え、-78℃にて1時間撹拌する。トリエチルアミン(9.9 g、98 mmole)を加えた後、混合物を1時間にわたって室温まで温め、飽和NaHCO3を注ぎ入れ、DCM(x3)で抽出する。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(100 % ヘキサン−8/1:ヘキサン/EtOAc)により精製して、2.1 gの123を得る。
【0098】
【化21】

THF(100 ml)中の123(2.1 g、11 mmole)の溶液に、メチルマグネシウムブロミド(31.7 ml、44.4 mmole)を0℃にて加える。混合物を16時間にわたって室温まで温め、飽和水性NH4Clを加えて反応を停止し、減圧濃縮する。粗物質をNH4Clで希釈し、EtOAc(x3)で抽出する。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(4/1:ヘキサン/EtOAc)により精製して、1.9 gの124を得る。
【0099】
【化22】

DCM(50 ml)中の124(760 mg、3.7 mmole)、N-酸化モルホリン(1.1 g、9 mmole)および4オングストロームシーブ(760 mg)の混合物に、テトラプロピルアンモニウム過ルテニウム塩(130 mg、0.37 mmole)を加える。1時間後、混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(100 % DCM)により精製して、710 mgの125を得る。
【0100】
【化23】

THF(50 ml)中の125(710 mg、3.5 mmole)の溶液に、エチニルマグネシウムブロミド(28 ml、14 mmole)を0℃にて加える。混合物を16時間にわたって室温まで温め、飽和水性NH4Clを加えて反応を停止し、減圧濃縮する。粗物質をNH4Clで希釈し、EtOAc(x3)で抽出する。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(1/1:DCM/ヘキサン)により精製して、720 mgの126を得る。
【0101】
【化24】

DCM(20 ml)中の126(720 mg、3.1 mmole)およびトリエチルアミン(2.4g、24 mmole)の混合物に、tert-ブチルジメチルトリフルオロメタンスルホネート(3.3 g、12 mmole)を0℃にて加える。室温にて1時間後、NaHCO3を加え、DCM(x3)で抽出する。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(100 % ヘキサン−2/1:ヘキサン/DCM)により精製して、1.0 gの127を得る。
【0102】
【化25】

DCM(40 ml)中の127(1.0 g、2.9 mmole)の溶液に、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムクロリド水素化物( 1.1g、4.4 mmole)を加える。20分後、N-ヨードスクシンイミド(980mg、4.4 mole)を加え、さらに1時間撹拌する。次いで、混合物を減圧濃縮し(〜5 mLの溶媒)、フラッシュカラムクロマトグラフィー(100 % ヘキサン)に通す。濃縮生成物をヘキサンで希釈し、重亜硫酸ナトリウム(x2)および食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(100 % ヘキサン)により精製して、1.1 gの128を得る。
【0103】
【化26】

エーテル(2 ml)中の128(510 mg、1.1 mmole)の溶液に、tert-ブチルリチウム(1.3 ml、2.2 mmole)を-78℃にて加える。30分後、混合物に2-チエニルシアノ銅塩リチウム(1.3 mmole、5.2 mmole)を加え、30分間撹拌した時点で、エーテル(1 ml)中の10(310 mg、0.78 mmole)の溶液を混合物に加える。-78℃にて1時間撹拌した後、混合物に飽和水性NH4Clを加えて反応を停止し、EtOAc(x3)で抽出する。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(9/1:ヘキサン/EtOAc)により精製して、342 mgの129を得る。
【0104】
【化27】

MeCN(3 ml)中129(340 mg、0.47 mmole)のの溶液に、HF-ピリジン(470 μl)を加える。室温にて2時間後、混合物にNaHCO3を加えて反応を停止し、EtOAc(x3)で抽出する。合わせた有機層を飽和水性CuSO4、食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(1/1:ヘキサン/EtOAc)により精製して、90 mgの130を得る。
【0105】
【化28】

DCM(5 ml)中の130(90 mg、0.18 mmole)およびトリエチルアミン(145 mg、1.4 mmole)の混合物に、tert-ブチルジメチルトリフルオロメタンスルホネート(190 mg、0.72 mmole)を0℃にて加える。室温にて30分撹拌した後、混合物にNaHCO3を加えて反応を停止し、DCM(x3)で抽出する。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(3%MeOH/DCM)により精製して、60 mgの131を得る。
【0106】
【化29】

DCM(3 ml)中の131(60 mg、0.071 mmole)の溶液に、アンバーリストを加える。室温にて3時間撹拌した後、混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(9/1:ヘキサン/EtOAc−4/1:ヘキサン/EtOAc)に通し、23 mgの132を得る。
【0107】
【化30】

トルエン(10 ml)中のストライカー試薬(114 mg、0.058 mmole)の溶液に、トルエン(2 ml)中の132(23 mg、0.039 mmole)の溶液を-40℃にて加える。-40℃にて2時間撹拌した後、混合物にNH4OH/NH4Cl(1/1)を加えて反応を停止し、青い溶液になるまで30分間撹拌する。混合物をEtOAc(x1)+DCM(x2)で抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(9/1:ヘキサン/EtOAc−4/1:ヘキサン/EtOAc)により精製して、14 mgの133を得る。
【0108】
【化31】

リン酸緩衝液/MeCN(2.7 ml/0.3 ml)中の133(5.7 mg、0.012 mmole)の溶液に、ウサギ肝臓エステラーゼ(5.7 mg、570 μmole)を加える。室温にて16時間後、混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(2/1:EtOAc/ヘキサン−100 %EtOAc)に通し、1.0 mgの134aおよび2.5 mgの134bを得る。
【0109】
【化32】

THF(200 ml)中の123(3.3 g、17.7 mmole)の溶液に、エチニルマグネシウムブロミド(54.7 ml、27.2 mmole)を0℃にて加える。混合物を16時間にわたって室温まで温め、飽和水性NH4Clを加えて反応を停止し、減圧濃縮する。粗物質をNH4Clで希釈し、EtOAc(x3)で抽出する。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(4/1:ヘキサン/EtOAc)により精製して、2.67 gの135を得る。
【0110】
【化33】

DCM(100 ml)中の135(1.3 g、5.9 mmole)およびトリエチルアミン(2.4 g、23.6 mmole)の混合物に、tert-ブチルジメチルトリフルオロメタンスルホネート(3.1 g、11.8 mmole)を0℃にて加える。室温にて1時間後、NaHCO3を加え、溶媒を減圧除去する。フラッシュカラムクロマトグラフィー(2/1:ヘキサン/DCM)により、1.87 gの136を得る。
【0111】
【化34】

DCM(100 ml)中の136(1.9 g、5.7 mmole)の溶液に、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムクロリド水素化物(2.2 g、8.6mmole)を加える。20分後、N-ヨードスクシンイミド(1.9g、8.6 mole)を加え、さらに30分間撹拌する。次いで、混合物を減圧濃縮し(〜10 mLの溶媒)、フラッシュカラムクロマトグラフィー(100 % ヘキサン)に通す。濃縮生成物をヘキサンで希釈し、重亜硫酸ナトリウム(x2)および食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(100 % ヘキサン−1 % DCM/ヘキサン)により精製して、1.7 gの137を得る。
【0112】
【化35】

エーテル(2 ml)中の137(595 mg、1.4 mmole)の溶液に、tert-ブチルリチウム(1.7 ml、2.8 mmole)を-78℃にて加える。30分後、混合物に2-チエニルシアノ銅塩リチウム(6.7 ml、1.7 mmole)を加え、30分間撹拌した時点で、エーテル(1 ml)中の138(300 mg、0.74 mmole)の溶液を混合物に加える。-78℃にて1時間撹拌した後、混合物に飽和水性NH4Clを加えて反応を停止し、EtOAc(x3)で抽出する。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(9/1:ヘキサン/EtOAc)により精製して、230 mgの139を得る。
【0113】
【化36】

MeCN(5 ml)中の139(230 mg、0.315 mmole)の溶液に、HF-ピリジン(315 μl)を加える。室温にて2時間後、混合物にNaHCO3を加えて反応を停止し、EtOAc(x3)で抽出する。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、減圧濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(3/1:EtOAc/ヘキサン−100 %EtOAc)により精製して、57 mgの140aおよび50 mgの140bを得る。
【0114】
【化37】

リン酸緩衝液/MeCN(1.5 ml/0.5 ml)中の140a(35 mg、0.069 mmole)の溶液に、ウサギ肝臓エステラーゼ(1.2 mg、120 μmole)を加える。室温にて16時間後、混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(5% MeOH/EtOAc)に通し、15 mgの141aを得る。
【0115】
これまでの記述は、本発明を実施するために用いることができる特定の方法および組成物を詳述し、企図される最良の形態を表す。しかし、所望の薬理学的特性を有するさらなる化合物を同様の方法で製造しうること、および開示された化合物が別の出発化合物から異なる化学反応を介しても得られることは当業者には明白である。同様に、異なる医薬組成物を製造し、使用して実質的に同じ結果を得ることができる。したがって、これまでの記述はテキストに載ると思われるかもしれないが、本発明の範囲を制限すると解釈されるべきではない;むしろ、本発明の範囲は、請求の範囲の合法的構造によってのみ規定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1A】本明細書に開示する化合物の製造方法を示す。
【図1B】本明細書に開示する化合物の製造方法を示す。
【図2A】本明細書に開示する化合物の製造方法を示す。
【図2B】本明細書に開示する化合物の製造方法を示す。
【図3A】本明細書に開示する化合物の製造方法を示す。
【図3B】本明細書に開示する化合物の製造方法を示す。
【図4A】本明細書に開示する化合物の製造方法を示す。
【図4B】本明細書に開示する化合物の製造方法を示す。
【図5A】本明細書に開示する化合物の製造方法を示す。
【図5B】本明細書に開示する化合物の製造方法を示す。
【図6】本明細書に開示する化合物の製造方法を示す。
【図7A】本明細書に開示する化合物の製造方法を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:

[式中、破線は、結合の存在または不在を表す;
Yは、カルボン酸、スルホン酸もしくはホスホン酸官能基;または0〜12個の炭素原子を含むそのアミドもしくはエステルである;またはYは、0〜12個の炭素原子を含むそのヒドロキシメチルもしくはエーテルである;またはYは、テトラゾリル官能基である;
Aは、-(CH2)qG(CH2)rG(CH2)s-(ここで、GはSまたはOであり、rは少なくとも2であり、q+r+s=4である)である;
Bは、水素、CN、CO2H、C1-6ヒドロカルビルまたは-(CH2)mX(CH2)pH(ここで、mは少なくとも1であり、mとpの和は1〜5である)である;
XはSまたはOである;
JはH、CH3またはCF3である;および
Eは2〜13個の原子からなる共有結合鎖を含む部分である]
で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩もしくはプロドラッグ。
【請求項2】
BがHである請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
BがCH2OHである請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Eが2〜5個の炭素を含むアルキルである請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
式:

で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩もしくはプロドラッグ。
【請求項6】
Eがn-ブチルである請求項4に記載の化合物。
【請求項7】
EがRまたはCH2-R(ここで、Rはそれぞれ6個までの非水素原子を有する0〜4個の置換基を有する芳香族または複素環式芳香族部分である)である請求項5に記載の化合物。
【請求項8】
EがCH2-R(ここで、Rはメチル、エチル、フルオロ、ブロモ、クロロ、トリフルオロメチル、メトキシおよびNO2から選ばれる2個までの置換基を有してもよい二環式芳香族または複素環式芳香族環系である)である請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
Rがナフチルまたはベンゾチエニルである請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
Eがフェニル、ベンジル、フェノキシまたはフェニルチオである請求項5に記載の化合物。
【請求項11】
Aが-S(CH2)3SCH2-である請求項2に記載の化合物。
【請求項12】
式:

で示される請求項5に記載の化合物またはその医薬的に許容しうる塩もしくはプロドラッグ。
【請求項13】
JがHである請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
JがHである請求項2に記載の化合物。
【請求項15】
EがR1またはZ-R1(ここで、R1は6個までの非水素原子を有する0〜4個の置換基を有する二環式芳香族または複素環式芳香族環系であり、ZはO、SまたはCH2である)である請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
EがZ-R1である請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
EがCH2-R1である請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
Yが、CO2(R2)、CON(R2)2、CON(OR2)R2、CON(CH2CH2OH)2、CONH(CH2CH2OH)、CH2OH、P(O)(OH)2、CONHSO2R2、SO2N(R2)2、SO2NHR2およびテトラゾリル-R2(ここで、R2は独立して、H、C1-C6アルキル、フェニルまたはビフェニルである)から選ばれる請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
{3-[(1R,2R)-2-((E)-3-ヒドロキシ-3-メチル-5-ナフタレン-2-イル-ペント-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[(1R,2R)-2-((E)-5-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ペント-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[(1R,2R)-2-((E)-5-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ペント-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[(1R,2R)-2-((E)-5-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ペント-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸メチルエステル;
{3-[(1R,2R)-2-((E)-5-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ペント-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸メチルエステル;
{3-[(1R,2S,3R)-2-((E)-5-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ペント-1-エニル)-3-ヒドロキシメチル-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸メチルエステル;
{3-[(1R,2S,3R)-2-((E)-5-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ペント-1-エニル)-3-ヒドロキシメチル-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸メチルエステル;
{3-[(1R,2S,3R)-2-((E)-5-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ペント-1-エニル)-3-ヒドロキシメチル-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[(1R,2S,3R)-2-((E)-5-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ペント-1-エニル)-3-ヒドロキシメチル-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[(1R,2R)-2-((E)-3-ヒドロキシ-3-メチル-5-ナフタレン-2-イル-ペント-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[(1R,2R)-2-((E)-3-ヒドロキシ-5-ナフタレン-2-イル-ペント-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸メチルエステル;
{3-[(1R,2R)-2-((E)-3-ヒドロキシ-5-ナフタレン-2-イル-ペント-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸メチルエステル;
{3-[(1R,2R)-2-((E)-3-ヒドロキシ-5-ナフタレン-2-イル-ペント-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[(1R,2R)-2-((E)-3-ヒドロキシ-5-ナフタレン-2-イル-ペント-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[(1R,2S,3R)-3-ヒドロキシメチル-2-((E)-3-ヒドロキシ-5-ナフタレン-2-イル-ペント-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸メチルエステル;
{3-[(1R,2S,3R)-3-ヒドロキシメチル-2-((E)-3-ヒドロキシ-5-ナフタレン-2-イル-ペント-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸メチルエステル;
{3-[(1R,2S,3R)-3-ヒドロキシメチル-2-((E)-3-ヒドロキシ-5-ナフタレン-2-イル-ペント-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[(1R,2S,3R)-3-ヒドロキシメチル-2-((E)-3-ヒドロキシ-5-ナフタレン-2-イル-ペント-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[(1R,2S,3R)-3-ヒドロキシメチル-2-((E)-3-ヒドロキシ-4-フェニル-ブト-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸メチルエステル;
{3-[(1R,2S,3R)-3-ヒドロキシメチル-2-((E)-3-ヒドロキシ-4-フェニル-ブト-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸メチルエステル;
{3-[(1R,2S,3R)-3-ヒドロキシメチル-2-((E)-3-ヒドロキシ-4-フェニル-ブト-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[(1R,2R)-2-((E)-3-ヒドロキシ-4-フェニル-ブト-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸メチルエステル;
{3-[(1R,2R)-2-((E)-3-ヒドロキシ-4-フェニル-ブト-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸メチルエステル;
{3-[(1R,2R)-2-((E)-3-ヒドロキシ-4-フェニル-ブト-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[(1R,2R)-2-((E)-3-ヒドロキシ-4-フェニル-ブト-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[(1R,2R)-2-((E)-3-ヒドロキシ-3-メチル-5-ナフタレン-2-イル-ペント-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸メチルエステル;
{3-[(1R,2S,3R)-3-ヒドロキシメチル-2-((E)-3-ヒドロキシ-4-フェニル-ブト-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[3-ヒドロキシメチル-2-(3-ヒドロキシ-4-フェニル-ブト-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸イソプロピルエステル;
3-[(1R,2R)-2-((E)-(S)-3-ヒドロキシ-オクト-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[(1R,2R)-2-((E)-3-ヒドロキシ-4-ナフタレン-2-イル-ブト-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[(1R,2R)-2-((E)-3-ヒドロキシ-4-ナフタレン-2-イル-ブト-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸メチルエステル;
{3-[2-(4-ベンゾ[b]チオフェン-3-イル-3-ヒドロキシ-ブト-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;
{3-[2-(4-ベンゾ[b]チオフェン-3-イル-3-ヒドロキシ-ブト-1-エニル)-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸;および
(3-{(1R,3R)-2-[(E)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-ヒドロキシ-ペント-1-エニル]-3-メチル-5-オキソ-シクロペンチルスルファニル}-プロピルスルファニル)-酢酸メチルエステル;
から選ばれる請求項18に記載の化合物またはその医薬的に許容しうる塩もしくはプロドラッグ。
【請求項20】
式:

[式中、破線は、結合の存在または不在を表す;
Yは、カルボン酸、スルホン酸もしくはホスホン酸官能基;または0〜12個の炭素原子を含むそのアミドもしくはエステルである;またはYは、0〜12個の炭素原子を含むそのヒドロキシメチルもしくはエーテルである;またはYは、テトラゾリル官能基である;
Aは、-(CH2)qG(CH2)rG(CH2)s-(ここで、GはSまたはOであり、rは少なくとも2であり、q+r+s=4である)である;
Bは、水素、CN、CO2H、C1-6ヒドロカルビルまたは-(CH2)mX(CH2)pH(ここで、mは少なくとも1であり、mとpの和は1〜5である)である;
XはSまたはOである;
JはH、CH3またはCF3である;および
Eは2〜13個の原子からなる共有結合鎖を含む部分である]
で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩もしくはプロドラッグを含む、医薬的に許容しうる液剤。
【請求項21】
式:

[式中、破線は、結合の存在または不在を表す;
Yは、カルボン酸、スルホン酸もしくはホスホン酸官能基;または0〜12個の炭素原子を含むそのアミドもしくはエステルである;またはYは、0〜12個の炭素原子を含むそのヒドロキシメチルもしくはエーテルである;またはYは、テトラゾリル官能基である;
Aは、-(CH2)qG(CH2)rG(CH2)s-(ここで、GはSまたはOであり、rは少なくとも2であり、q+r+s=4である)である;
Bは、水素、CN、CO2H、C1-6ヒドロカルビルまたは-(CH2)mX(CH2)pH(ここで、mは少なくとも1であり、mとpの和は1〜5である)である;
XはSまたはOである;
JはH、CH3またはCF3である;および
Eは2〜13個の原子からなる共有結合鎖を含む部分である]
で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩もしくはプロドラッグを哺乳動物に投与することを含む、緑内障または高眼圧の治療方法。
【請求項22】
点眼剤中の、式:

[式中、破線は、結合の存在または不在を表す;
Yは、カルボン酸、スルホン酸もしくはホスホン酸官能基;または0〜12個の炭素原子を含むそのアミドもしくはエステルである;またはYは、0〜12個の炭素原子を含むそのヒドロキシメチルもしくはエーテルである;またはYは、テトラゾリル官能基である;
Aは、-(CH2)qG(CH2)rG(CH2)s-(ここで、GはSまたはOであり、rは少なくとも2であり、q+r+s=4である)である;
Bは、水素、CN、CO2H、C1-6ヒドロカルビルまたは-(CH2)mX(CH2)pH(ここで、mは少なくとも1であり、mとpの和は1〜5である)である;
XはSまたはOである;
JはH、CH3またはCF3である;および
Eは2〜13個の原子からなる共有結合鎖を含む部分である]
で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩もしくはプロドラッグを分配するのに適合した容器を含む医薬製品。
【請求項23】
BがCH3である請求項1に記載の化合物。
【請求項24】
JがHである請求項1に記載の化合物。
【請求項25】
Eがナフチルである請求項13に記載の化合物。
【請求項26】
式:

で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩もしくはプロドラッグである請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
Rがナフチルまたはベンゾチエニルである請求項7に記載の化合物。
【請求項28】
式:

[式中、破線は、結合の存在または不在を表す;
Yは、カルボン酸、スルホン酸もしくはホスホン酸官能基;または0〜12個の炭素原子を含むそのアミドもしくはエステルである;またはYは、0〜12個の炭素原子を含むそのヒドロキシメチルもしくはエーテルである;またはYは、テトラゾリル官能基である;
Aは、-(CH2)qG(CH2)rG(CH2)s-(ここで、GはSまたはOであり、rは少なくとも2であり、q+r+s=4である)である;
Bは、水素、CN、CO2H、C1-6ヒドロカルビルまたは-(CH2)mX(CH2)pH(ここで、mは少なくとも1であり、mとpの和は1〜5である)である;
XはSまたはOである;
JはH、CH3またはCF3である;および
Eは2〜13個の原子からなる共有結合鎖を含む部分である]
で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩もしくはプロドラッグを、炎症性腸疾患を患う哺乳動物に投与することを含む、該疾患の治療方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【公表番号】特表2008−520737(P2008−520737A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543434(P2007−543434)
【出願日】平成17年11月21日(2005.11.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/042428
【国際公開番号】WO2006/058063
【国際公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(390040637)アラーガン インコーポレイテッド (117)
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
【Fターム(参考)】