説明

泡状洗浄剤の製造方法及び洗浄方法

【課題】本発明は、界面活性剤の含有量が少なくても、洗浄性及び使用感触に優れる泡状洗浄剤を生成することが可能な泡状洗浄剤用組成物及び該泡状洗浄剤用組成物を用いる洗浄方法を提供することを目的とする。
【解決手段】空気を混合して泡を発生させて10秒後の泡状洗浄剤の30℃における泡粘度及び30秒後の泡状洗浄剤の平均泡径が、それぞれ40mPa・秒以上100mPa・秒以下及び10μm以上100μm以下となるように泡を発生させて用いられる泡状洗浄剤用組成物は、水及び界面活性剤を含み、界面活性剤の含有量が0.4質量%以上12質量%以下であり、30℃における粘度が5mPa・秒以上1500mPa・秒以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、泡状洗浄剤用組成物及び洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、毛髪、肌等を洗浄する洗浄剤としては、固体洗浄剤、液体洗浄剤等が知られているが、簡便に泡を発生させることができるため、泡沫洗浄剤が用いられている。
【0003】
特許文献1には、アニオン界面活性剤、脂肪酸アルキロールアミドおよびポリアルキレンテレフタレートを含有してなる泡沫洗浄剤用組成物が開示されている。また、ポンプフォーマー、スクイズフォーマー等のノンエアゾール型の泡吐出容器に泡沫洗浄剤用組成物を充填した泡沫洗浄剤が開示されている。
【0004】
しかしながら、泡沫洗浄剤用組成物中の界面活性剤の含有量が多いため、洗浄による界面活性剤の排出量が多くなるという問題がある。一方、泡沫洗浄剤用組成物中の界面活性剤の含有量を少なくすると、洗浄性及び使用感触が低下するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−161906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の従来技術が有する問題に鑑み、界面活性剤の含有量が少なくても、洗浄性及び使用感触に優れる泡状洗浄剤を生成することが可能な泡状洗浄剤用組成物及び該泡状洗浄剤用組成物を用いる洗浄方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、空気を混合して泡を発生させて10秒後の泡状洗浄剤の30℃における泡粘度及び30秒後の泡状洗浄剤の平均泡径が、それぞれ40mPa・秒以上100mPa・秒以下及び10μm以上100μm以下となるように泡を発生させて用いられる泡状洗浄剤用組成物であって、水及び界面活性剤を含み、前記界面活性剤の含有量が0.4質量%以上12質量%以下であり、30℃における粘度が5mPa・秒以上1500mPa・秒以下であることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の泡状洗浄剤用組成物において、前記泡を発生させて40秒後の30℃における泡状洗浄剤の泡粘度及び60秒後の泡状洗浄剤の平均泡径が、それぞれ35mPa・秒以上及び150μm以下となることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の泡状洗浄剤用組成物において、前記界面活性剤は、両性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤を含むことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の泡状洗浄剤用組成物において、前記界面活性剤は、両性界面活性剤であり、カチオン性ポリマーをさらに含むことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の泡状洗浄剤用組成物において、前記カチオン性ポリマーは、カチオン化セルロースであることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の泡状洗浄剤用組成物において、前記カチオン性ポリマーの含有量が0.1質量%以上1質量%以下であることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1又は2に記載の泡状洗浄剤用組成物において、前記界面活性剤は、両性界面活性剤であり、アニオン性ポリマーをさらに含むことを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の泡状洗浄剤用組成物において、前記アニオン性ポリマーは、キサンタンガムであることを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項7又は8に記載の泡状洗浄剤用組成物において、前記アニオン性ポリマーの含有量が0.01質量%以上0.5質量%以下であることを特徴とする。
【0016】
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の泡状洗浄剤用組成物において、モータにより回転するスクリューを有する泡発生装置を用いて、前記泡を発生させることを特徴とする。
【0017】
請求項11に記載の発明は、洗浄方法において、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の泡状洗浄剤用組成物に前記泡を発生させて泡状洗浄剤を生成する工程と、該泡状洗浄剤を用いて洗浄する工程を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、界面活性剤の含有量が少なくても、洗浄性及び使用感触に優れる泡状洗浄剤を生成することが可能な泡状洗浄剤用組成物及び該泡状洗浄剤用組成物を用いる洗浄方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】スクリューを有する泡発生装置の一例を示す断面図である。
【図2】泡を発生させて10〜40秒後の泡状洗浄剤の粘度を示す図である。
【図3】泡を発生させて30秒後及び60秒後の泡状洗浄剤の平均泡径を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明を実施するための形態を図面と共に説明する。
【0021】
本発明の泡状洗浄剤用組成物は、空気を混合して泡を発生させて10秒後の泡状洗浄剤の30℃における泡粘度及び30秒後の泡状洗浄剤の平均泡径が、それぞれ40〜100mPa・秒及び10〜100μm、好ましくは、50〜70mPa・秒及び10〜80μmとなるように泡を発生させて用いられ、水及び界面活性剤を含む。このとき、泡状洗浄剤用組成物中の界面活性剤の含有量は、0.4〜12質量%であり、5〜10質量%が好ましい。また、泡状洗浄剤用組成物の30℃における粘度は、5〜1500mPa・秒であり、300mPa・秒以下が好ましい。
【0022】
泡を発生させて10秒後の30℃における泡粘度が100mPa・秒を超える場合又は泡を発生させて30秒後の平均泡径が10μm未満である場合は、それぞれ練り状又は液状の形態となり、泡状の形態を維持できない。このため、きめが細かく、クリーミーな泡状洗浄剤が得られず、洗浄性及び使用感触が低下する。一方、泡を発生させて10秒後の泡状洗浄剤の30℃における泡粘度が40mPa・秒未満である場合又は泡を発生させて30秒後の泡状洗浄剤の平均泡径が100μmを超える場合は、きめが細かく、クリーミーな状態を持続させにくくなる。
【0023】
泡状洗浄剤用組成物中の界面活性剤の含有量が0.4質量%未満であると、きめが細かく、クリーミーな泡状洗浄剤が得られず、洗浄性及び使用感触が低下し、12質量%を超えると、洗浄による界面活性剤の排出量が多くなる。
【0024】
泡状洗浄剤用組成物の30℃における粘度が5mPa・秒未満である場合又は1500mPa・秒を超える場合は、きめが細かく、クリーミーな泡状洗浄剤が得られず、洗浄性及び使用感触が低下する。
【0025】
本発明の泡状洗浄剤用組成物は、空気を混合して泡を発生させて40秒後の泡状洗浄剤の30℃における泡粘度及び60秒後の泡状洗浄剤の平均泡径は、それぞれ35mPa・秒以上及び150μm以下であることが好ましく、40Pa・秒以上及び130μm以下がさらに好ましい。
【0026】
泡を発生させて40秒後の泡状洗浄剤の30℃における泡粘度が35mPa・秒未満である場合又は泡を発生させて60秒後の泡状洗浄剤の平均泡径が150μmを超える場合は、きめが細かく、クリーミーな状態を持続させにくくなることがある。
【0027】
なお、泡状洗浄剤用組成物の粘度及び泡状洗浄剤の泡粘度は、それぞれB型粘度計及び音叉型振動式粘度計SV−10(A&D社製)を用いて、測定することができる。
【0028】
また、泡状洗浄剤の平均泡径は、泡状洗浄剤をスライドグラスに載せ、カバーガラスで挟んだ後、デジタルマイクロスコープVHX−200(キーエンス社製)を用いて、得られた画像から算出することができる。
【0029】
界面活性剤としては、特に限定されないが、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメリルアンモニウム、ジココイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート等のカチオン性界面活性剤;AMTタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤;ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等の両性界面活性剤が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、洗浄性の観点からは、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤を併用することが好ましい。
【0030】
本発明の泡状洗浄剤用組成物は、界面活性剤として、両性界面活性剤を用いる場合、カチオン性ポリマー又はアニオン性ポリマーをさらに含むことが好ましい。
【0031】
カチオン性ポリマーとしては、特に限定されないが、カチオン化セルロース、カチオン化ローカストビーンガム、カチオン化デンプン、プロピルトリモニウムクロリドアクリルアミド/ジメチルアクリルアミドコポリマー等が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、泡状洗浄剤の使用感触が優れることから、カチオン化セルロース及び/又はプロピルトリモニウムクロリドアクリルアミド/ジメチルアクリルアミドコポリマーが好ましい。
【0032】
泡状洗浄剤用組成物中のカチオン性ポリマーの含有量は、通常、0.1〜1質量%であり、0.3〜0.5質量%が好ましい。カチオン性ポリマーの含有量が0.1質量%未満であると、泡状洗浄剤の使用感触が低下することがあり、1質量%を超えると、洗浄により毛髪が固くなることがある。
【0033】
アニオン性ポリマーとしては、特に限定されないが、カラギーナン、キサンタンガム等が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、泡状洗浄剤の使用感触が優れることから、キサンタンガムが好ましい。
【0034】
泡状洗浄剤用組成物中のアニオン性ポリマーの含有量は、通常、0.01〜0.5質量%であり、0.05〜0.1質量%が好ましい。アニオン性ポリマーの含有量が0.01質量%未満であると、泡状洗浄剤の使用感触が低下することがあり、0.5質量%を超えると、洗浄により髪が固くなることがある。
【0035】
本発明の泡状洗浄剤用組成物は、保湿剤、香料、防腐剤、pH安定剤、毛髪補修成分等をさらに含んでもよい。
【0036】
なお、泡状洗浄剤は、毛髪、肌等を洗浄する際に用いることができ、例えば、シャンプー、ボディシャンプー、洗顔料等として、用いることができる。中でも、シャンプーとして用いると、効果的である。
【0037】
泡状洗浄剤用組成物に空気を混合して泡を発生させる方法としては、泡を発生させて10秒後の泡状洗浄剤の30℃における泡粘度及び30秒後の泡状洗浄剤の平均泡径が、それぞれ40〜100mPa及び10〜100μmとなるように泡を発生させることが可能であれば、特に限定されないが、スクリューを有する泡発生装置を用いることが好ましい。
【0038】
図1に、スクリューを有する泡発生装置の一例を示す。泡発生装置1は、本体部2の正面側に手挿入部3が形成されている。また、本体部2の上部には操作部4が設けられており、泡発生装置1の使用者は、操作部4を操作すると、後述するように、泡状洗浄剤A'が吐出口16から吐出される。さらに、本体部2の天板には蓋体6が設けられており、蓋体6は、泡状洗浄剤用組成物Aを本体部2内の原液タンク5に装填する際に開蓋される。
【0039】
泡発生装置1の内部には、タンク5、モータ7、泡発生室8、スクリュー9及び開閉バルブ10が設けられている。
【0040】
操作部4には、2本のシャフト12及び17が設けられている。シャフト12は、後述する開閉バルブ10の一部を構成するもので、本体部2に上下方向(Z1−Z2方向)に移動可能に取り付けられている。
【0041】
タンク5は、内部に泡状洗浄剤用組成物Aが充填されている。タンク5内の泡状洗浄剤用組成物Aの量が少なくなった時は、本体部2に設けられた蓋体6を開蓋し、タンク5に泡状洗浄剤用組成物Aを充填する。このように、泡発生装置1は、泡状洗浄剤用組成物Aを補給することができる。
【0042】
モータ7は、スイッチ15のON/OFF操作により、駆動及び駆動停止が行われる構成とされている。スイッチ15は、操作部4に配設されたシャフト17と接続されており、操作部4の押圧操作(Z1方向への操作)により、ON/OFF動作を行う。
【0043】
モータ7の回転軸は、泡発生室8の内部に突出している。モータ7の回転軸は、泡発生室8の壁部を貫通して泡発生室8の内部に突出するが、貫通部分は、シールがされて液密な構成とされている。また、モータ7の回転軸で、泡発生室8内に突出した部分には、スクリュー9が配設されている。このため、スクリュー9は、モータ7により回転する。
【0044】
泡発生室8は、タンク5と連通しており、タンク5と泡発生室8の連通部18には、開閉バルブ10が設けられている。開閉バルブ10の弁体13は、タンク5と泡発生室8の連通部18を開閉弁可能な構成とされている。そして、弁体13が開弁することにより、タンク5から泡状洗浄剤用組成物Aが泡発生室8内に流入する。また、弁体13が閉弁することにより、タンク5から泡発生室8内への泡状洗浄剤用組成物Aの流入が停止される。
【0045】
弁体13は、シャフト12の下端部に配設されている。また、シャフト12にはコイルスプリング11が配設されており、コイルスプリング11は、弁体13が連通部18を閉弁する方向(Z2方向)に常にシャフト12を付勢している。
【0046】
さらに、泡発生室8のX2方向の端部の上部には、吸入口14が設けられている。スクリュー9が回転する際、エア吸入口14から泡発生室8内には空気が流入する。
【0047】
泡発生装置1において、操作部4が押圧操作されると、スイッチ15がシャフト17を介して、ONとされ、モータ7が起動する。また、モータ7が起動することにより、泡発生室8内において、スクリュー9が回転を開始する。
【0048】
また、操作部4が押圧操作されることにより、シャフト12は、コイルスプリング11のばね力に抗してZ1方向に移動し、弁体13は開弁される。これにより、タンク5内の泡状洗浄剤用組成物Aは、連通部18を介して、泡発生室8内に流入する。
【0049】
スクリュー9は、泡発生室8内に流入した泡状洗浄剤用組成物Aと、空気を混合攪拌することにより泡状洗浄剤用組成物Aに泡を発生させると共に、X1方向に送り出す。泡発生室8のX1方向の端部には、手挿入部3内に開口する吐出口16が形成されており、吐出口16から泡状洗浄剤A'が吐出される。
【0050】
一方、使用者が操作部4の押圧操作を解除すると、コイルスプリング11の弾性復元力により、シャフト12は、Z2方向に移動して連通部18を弁体13により閉弁する。これにより、タンク5から泡発生室8への泡状洗浄剤用組成物Aの流入が停止される。また、シャフト12がZ2方向に移動するのに伴い、操作部4もZ2方向に移動し、シャフト17もZ2方向に移動する。これにより、スイッチ15はOFFとなり、モータ7が停止する。また、スイッチ15の停止により、スクリュー9の回転も停止され、泡状洗浄剤A'の吐出も停止される。
【0051】
泡状洗浄剤A'を用いて、毛髪、肌等を洗浄する方法としては、特に限定されず、公知の洗浄剤を用いて、毛髪、肌等を洗浄する方法を用いることができる。なお、毛髪、肌等を洗浄する際に用いる泡状洗浄剤A'としては、洗浄性及び使用感触を考慮すると、空気を混合して泡を発生させた直後の泡状洗浄剤A'が好ましいが、きめが細かく、クリーミーな泡状洗浄剤A'であれば、特に限定されない。例えば、空気を混合して泡を発生させて30秒後の泡状洗浄剤A'を用いることができる。
【実施例】
【0052】
[実施例1]
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液 3.6質量%
2−アルキル‐N−カルボキシメチル−N−
ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン 3.6質量%
AMTタウリンナトリウム 2.5質量%
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム 0.6質量%
カチオン化セルロース 0.3質量%
プロピルトリモニウムクロリドアクリルアミド
/ジメチルアクリルアミドコポリマー 0.5質量%
キサンタンガム 0.05質量%
ジココイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート 0.3質量%
ソルビット液 3.0質量%
安息香酸ナトリウム 0.3質量%
無水クエン酸水溶液 適量
精製水 残余
上記成分を常法により混合し、泡状洗浄剤用組成物Aを調製した。泡状洗浄剤用組成物Aの粘度を、B型粘度計を用いて、30℃で測定したところ、45mPa・秒であった。
【0053】
図1のスクリューを有する泡発生装置と同様の構成のラザーメイト(奥野電器産業社製)を用いて、泡状洗浄剤用組成物Aに泡を発生させ、泡状洗浄剤A'を生成した。
【0054】
図2に、泡を発生させて10、20、30及び40秒後の泡状洗浄剤A'の泡粘度の測定結果を示す。なお、泡状洗浄剤A'の泡粘度は、音叉型振動式粘度計SV−10(A&D社製)を用いて、30℃で7回測定した平均値である。
【0055】
図3に、泡を発生させて30秒後及び60秒後の泡状洗浄剤A'の平均泡径を示す。なお、泡状洗浄剤A'の平均泡径は、泡状洗浄剤A'をスライドグラスに載せ、カバーガラスで挟んだ後、デジタルマイクロスコープVHX−200(キーエンス社製)を用いて、得られた画像から算出した。
【0056】
次に、泡を発生させた直後の泡状洗浄剤A'を用いて、毛髪を洗浄したところ、きめが細かく、クリーミーな状態が持続され、泡状洗浄剤A'の洗浄性及び使用感触が優れることがわかった。
【0057】
以上のことから、泡を発生させて10秒後の泡粘度及び30秒後の平均泡径が、それぞれ40〜100mPa・秒及び10〜100μmである泡状洗浄剤A'は、界面活性剤の含有量が少なくても、洗浄性及び使用感触に優れることがわかる。
【0058】
[比較例1]
ラザーメイト(奥野電器産業社製)の代わりに、2枚メッシュが採用されているタイプの市販のポンプフォーマー容器(吉野工業社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、泡状洗浄剤用組成物Aに泡を発生させて、10、20、30及び40秒後の泡状洗浄剤A'の泡粘度を測定した。
【0059】
図2に、泡を発生させて10、20、30及び40秒後の泡状洗浄剤A'の泡粘度の測定結果を示す。
【0060】
図3に、泡を発生させて30秒後及び60秒後の泡状洗浄剤A'の平均泡径を示す。
【0061】
次に、泡を発生させた直後の泡状洗浄剤A'を用いて、毛髪を洗浄したところ、泡が消滅しやすく、きめが細かく、クリーミーな状態が持続されず、泡状洗浄剤A'の洗浄性及び使用感触が低いことがわかった。
【0062】
[比較例2]
ラザーメイト(奥野電器産業社製)の代わりに、アワウォッシュ洗顔用セットEH2611P(Panasonic社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、泡状洗浄剤用組成物Aに泡を発生させて、10、20、30及び40秒後の泡状洗浄剤A'の泡粘度を測定した。
【0063】
図2に、泡を発生させて10、20、30及び40秒後の泡状洗浄剤A'の泡粘度の測定結果を示す。
【0064】
図3に、泡を発生させて30秒後及び60秒後の泡状洗浄剤A'の平均泡径を示す。
【0065】
次に、泡を発生させた直後の泡状洗浄剤A'を用いて、毛髪を洗浄したところ、泡が消滅しやすく、きめが細かく、クリーミーな状態が持続されず、泡状洗浄剤A'の洗浄性及び使用感触が低いことがわかった。
【0066】
以上のことから、泡状洗浄剤用組成物Aは、界面活性剤の含有量が少ないため、ポンプフォーマー容器(吉野工業社製)やアワウォッシュ洗顔用セットEH2611P(Panasonic社製)を用いて、泡状洗浄剤用組成物Aに泡を発生させても、洗浄性及び使用感触が低い泡状洗浄剤A'が生成することがわかる。これに対して、泡状洗浄剤用組成物Aに、泡を発生させて10秒後の泡状洗浄剤A'の泡粘度及び30秒後の泡状洗浄剤A'の平均泡径が、それぞれ40〜100mPa・秒及び10〜100μmとなるように泡を発生させると、洗浄性及び使用感触に優れる泡状洗浄剤A'が得られることがわかる。
【0067】
泡状洗浄剤用組成物Aの他の例を以下に示す。
【0068】
[泡状洗浄剤(ヘアシャンプー)用組成物]
界面活性剤としての、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン4.0質量%及び塩化ステアリルトリメチルアンモニウム0.2質量%、プロピレングリコール、カチオン化セルロース、キサンタンガム、安息香酸ナトリウム、クエン酸、フェノキシエタノール、色素、香料、精製水を常法により混合し、30℃における粘度が5〜1500Pa・秒となるように、泡状洗浄剤(ヘアシャンプー)用組成物を調製する。
【0069】
[泡状洗浄剤(ヘアシャンプー)用組成物]
界面活性剤としての、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム0.5質量%、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム0.5質量%及びヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液8.0質量%、カチオン化グアガム、ステアロキシヒドロキシプロピルアミン、ソルビット液、L−アルギニン、ヒドロキシエチル尿素、色剤、香料、精製水を常法により混合し、泡状洗浄剤(ヘアシャンプー)用組成物を調製する。
【0070】
[泡状洗浄剤(ヘアシャンプー)用組成物]
界面活性剤としての、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム6.0質量%、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン2.0質量%及びヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液1.0質量%、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム、グリセリン、カチオン化ローカストビーンガム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、色剤、香料、精製水を常法により混合し、泡状洗浄剤(ヘアシャンプー)用組成物を調製する。
【0071】
[泡状洗浄剤(ヘアシャンプー)用組成物]
界面活性剤としての、ラウリン酸タウリンナトリウム2.0質量%、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム3.0質量%、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン1.0質量%及びヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液2.0質量%、プロピルトリモニウムクロリドアクリルアミド/ジメチルアクリルアミドコポリマー(精製水混合物)、ソルビット液、コハク酸、ツバキオイル、色剤、香料、精製水を常法により混合し、泡状洗浄剤(ヘアシャンプー)用組成物を調製する。
【0072】
[泡状洗浄剤(ボディシャンプー)用組成物]
界面活性剤としての、ラウリン酸トリエタノールアミン6.0質量%及びラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン2.0質量%、グリセリン、ジプロピレングリコール、カミモラエキス、エデト酸三ナトリウム、防腐剤、色剤、香料、精製水を常法により混合し、泡状洗浄剤(ボディシャンプー)用組成物を調製する。
【0073】
[泡状洗浄剤(洗顔フォーム)用組成物]
界面活性剤としての、ステアリン酸0.05質量%、ラウリン酸2.0質量%、ミリスチン酸3.0質量%、水酸化カリウム1.8質量%、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアマイド0.3質量%及びヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液2.0質量%、グリセリン、ポリエチレングリコール1500、ソルビット液、メリッサエキス、エデト酸三ナトリウム、香料、精製水を常法により混合し、泡状洗浄剤(洗顔フォーム)用組成物を調製する。
【0074】
[泡状洗浄剤(洗顔フォーム)用組成物]
界面活性剤としての、N−メチルタウリンナトリウム2.0質量%及びラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン1.0質量%、グリセリン、ジプリピレングリコール、1,3−ブチレングルコール、ポリエチレングリコール1500、ソルビット液、ラウリン酸、ミリスチン酸、イザヨイバラエキス、グリチルリチン酸ジカリウム、エデト酸三ナトリウム、香料、精製水を常法により混合し、泡状洗浄剤(洗顔フォーム)用組成物を調製する。
【0075】
[泡状洗浄剤(ハンドソープ)用組成物]
界面活性剤としての、ラウリン酸3.0質量%、ミリスチン酸1.0質量%、トリエタノールアミン2.5質量%、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム1.0質量%、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアマイド0.5質量%及びヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液2.0質量%、プロピレングリコール、塩化ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、香料、精製水を常法により混合し、泡状洗浄剤(ハンドソープ)用組成物を調製する。
【0076】
[泡状洗浄剤(ハンドソープ)用組成物]
界面活性剤としての、テトラデセンスルホン酸ナトリウム液6.0質量%、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、リンゴ酸、ユーカリ油、安息香酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム液、エデト酸三ナトリウム、精製水を常法により混合し、泡状洗浄剤(ハンドソープ)用組成物を調製する。
【符号の説明】
【0077】
1 泡発生装置
2 本体部
3 手挿入部
4 操作部
5 タンク
6 蓋体
7 モータ
8 泡発生室
9 スクリュー
10 開閉バルブ
11 コイルスプリング
12 シャフト
13 弁体
14 吸入口
15 スイッチ
16 吐出口
A 泡状洗浄剤用組成物
A' 泡状洗浄剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を混合して泡を発生させて10秒後の泡状洗浄剤の30℃における泡粘度及び30秒後の泡状洗浄剤の平均泡径が、それぞれ40mPa・秒以上100mPa・秒以下及び10μm以上100μm以下となるように泡を発生させて用いられる泡状洗浄剤用組成物であって、
水及び界面活性剤を含み、
前記界面活性剤の含有量が0.4質量%以上12質量%以下であり、
30℃における粘度が5mPa・秒以上1500mPa・秒以下であることを特徴とする泡状洗浄剤用組成物。
【請求項2】
前記泡を発生させて40秒後の泡状洗浄剤の30℃における泡粘度及び60秒後の泡状洗浄剤の平均泡径が、それぞれ35mPa・秒以上及び150μm以下となることを特徴とする請求項1に記載の泡状洗浄剤用組成物。
【請求項3】
前記界面活性剤は、両性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の泡状洗浄剤用組成物。
【請求項4】
前記界面活性剤は、両性界面活性剤であり、
カチオン性ポリマーをさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の泡状洗浄剤用組成物。
【請求項5】
前記カチオン性ポリマーは、カチオン化セルロースであることを特徴とする請求項4に記載の泡状洗浄剤用組成物。
【請求項6】
前記カチオン性ポリマーの含有量が0.1質量%以上1質量%以下であることを特徴とする請求項4又は5に記載の泡状洗浄剤用組成物。
【請求項7】
前記界面活性剤は、両性界面活性剤であり、
アニオン性ポリマーをさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の泡状洗浄剤用組成物。
【請求項8】
前記アニオン性ポリマーは、キサンタンガムであることを特徴とする請求項7に記載の泡状洗浄剤用組成物。
【請求項9】
前記アニオン性ポリマーの含有量が0.01質量%以上0.5質量%以下であることを特徴とする請求項7又は8に記載の泡状洗浄剤用組成物。
【請求項10】
モータにより回転するスクリューを有する泡発生装置を用いて、前記泡を発生させることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の泡状洗浄剤用組成物。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の泡状洗浄剤用組成物に前記泡を発生させて泡状洗浄剤を生成する工程と、
該泡状洗浄剤を用いて洗浄する工程を有することを特徴とする洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−122011(P2011−122011A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−278766(P2009−278766)
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【出願人】(000001959)株式会社 資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】