説明

注出口栓、包装容器及び包装容器の製造法

【課題】内容物の注ぎ出しをスムーズにし、安心して注げる注出口栓、その注出口栓を持つ包装容器及びその包装容器の製造法を提供する。
【解決手段】注出口栓は、液体用紙容器の注出孔に設けられた注出筒及び、注出筒5と一体化して注出孔外周辺の容器壁と接合する基部を有するスパウト10と、スパウトと一体化してスパウトを封止するように内蔵された破断可能な第1プルタブ9とからなる注出口栓であって、注出孔から離設された空気孔19を封止するように覆う破断可能な第2プルタブ18を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料などを充填する容器用の注出口栓、包装容器及び包装容器の製造法器に関する。
【背景技術】
【0002】
ジュースや牛乳などの液体食品などを充填したいくつかの容器においては、前もって折り目線が付されたウェブ状包装積層材料をチューブ状に成形し、チューブの縦線方向に縦シールし、チューブ状包装材料内に食品を充填し、所定間隔毎に横断方向の横シールにより密封し、横シール帯域中間で切断して枕状予備成形体を得、折り目線に沿って折り畳むことにより最終形状の包装容器を得る。
【0003】
包装容器は、種々の注出口栓を有する。破断可能なように封止された液体用紙容器の注出孔に設けられるスパウトと、スパウトを覆うキャップと、スパウトに内蔵された開封手段、例えば、開封刃及びプルリングなどとからなる注出口栓及びその液体用包装容器である。(特許文献1及び2参照)
【0004】
【特許文献1】実開昭63-86021号公報
【特許文献2】特開平08-183555号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
破断可能なように封止された容器注出孔に設けられるスパウトと、スパウトを覆うキャップと、スパウトに内蔵された開封刃やプルリングなど開封手段とからなる注出口栓及びその液体用紙包装容器は、PETボトルやビンなどに比べ、1〜2リットル大型容器の場合、注ぎ性が低く、息継ぎが多く、溢れやすいといった不都合がある。これは、紙容器ではPETボトルに対し内容物の量、液面が見えないことから、容器をどの程度傾けて注げば良いのか判然とせず、消費者に不安を抱かせるからです。
【0006】
本発明は、上記の必要性、切望に応えるものであり、大型の液体用紙包装容器であっても、内容物の注ぎ出しをスムーズにし、コップに安心して注げる注出口栓、その注出口栓を持つ包装容器及びその包装容器の製造法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決する本発明の注出口栓は、液体用紙容器の注出孔に設けられた注出筒及び、注出筒と一体化して注出孔外周辺の容器壁と接合する基部を有するスパウトと、スパウトと一体化してスパウトを封止するように内蔵された破断可能な第1プルタブとからなる注出口栓であって、
注出孔から離設された空気孔を封止するように覆う破断可能な第2プルタブを有する
ことを特徴とする。
【0008】
この発明の液体用包装容器は、折り目線を有するウェブ状紙包装材料がチューブ状に成形され、包装材料の両縁部が重ねられてオーバーラップが形成され、オーバーラップで縦線方向に縦シールされて縦シール帯域が形成され、チューブ状包装材料内に内容物が充填され、所定間隔毎に包装材料が横断方向に押圧され、横シールにより密封されて横シール帯域が形成され、横シール帯域中間で切断されて枕状予備成形体が得られ、折り目線に沿って折り畳むことにより形成される液体用包装容器であって、
容器の注出孔に設けられた注出筒及び、注出筒と一体化して注出孔外周辺の容器壁と接合する基部を有するスパウトと、スパウトと一体化してスパウトを封止するように内蔵された破断可能な第1プルタブとからなる注出口栓を有し、
注出孔から離設された空気孔を封止するように覆う破断可能な第2プルタブを有する
ことを特徴とする。
【0009】
この発明の包装容器の製造法は、所定の折り目線を有するウェブ状紙包装材料が準備し、
ウェブ状紙包装材料を所定間隔ごとに穿孔して注出孔と注出孔から離設された空気孔とを形成し、
容器内側に対応する注出孔及び空気孔の内側を覆うように、所定のキャビティを有した第1金型を配設し、容器外側に対応する注出孔及び空気孔の外側を覆うように、所定のキャビティを有する第2金型を配設し、
キャビティ・ゲートから溶融樹脂をキャビティに射出して、注出筒と一体化して注出孔外周辺の容器壁と接合する基部を有するスパウトと、スパウトと一体化してスパウトを封止するように内蔵された破断可能な第1プルタブ、注出孔から離設された空気孔を封止するように覆う破断可能な第2プルタブを成形し、
ウェブ状積層包装材料をチューブ状に成形し、包装材料の両縁部を重ねてオーバーラップを形成し、
オーバーラップで縦線方向に縦シールして縦シール帯域を形成し、
チューブ状包装材料内に内容物を充填し、
所定間隔毎に包装材料を横断方向に押圧し、横シールにより密封されて横シール帯域を形成し、
横シール帯域で切断して枕状予備成形体を得、
折り目線に沿って折り畳んで包装容器を得、
スパウトを覆うようにキャップを配設して、包装容器を製造する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上の本発明によれば、以下の有利な効果が得られる。
本発明の注出口栓では、液体用紙容器の注出孔に設けられた注出筒及び、注出筒と一体化して注出孔外周辺の容器壁と接合する基部を有するスパウトと、スパウトと一体化してスパウトを封止するように内蔵された破断可能な第1プルタブとからなる注出口栓である。
第1プルタブは、破断容易であるので、引っ張ることにより破断され、スパウト内部の封止を解除して開放する。容器を傾けることによって、内容液は開口から流れ出る。注出筒及びスパウトに案内され、よどみ無く内容液が流れる。
【0011】
容器から内容液が流れ出ることによって、流出量に相当する空気が容器内部に代わって吸い込まれない限り、内部の空間の陰圧になり、内容液が開口から流れ出にくくなる。この発明の特徴において、注出孔から離設された空気孔を封止する第2プルタブを有し、この第2プルタブが破断容易であるので、引っ張ることにより破断され、空気孔の封止を解除して開放する。その結果、空気孔から、流出量に相当する空気が流入して内部の空間の陰圧が解消される。
【0012】
この発明の液体用包装容器は、折り目線を有するウェブ状紙包装材料がチューブ状に成形され、包装材料の両縁部が重ねられてオーバーラップが形成され、オーバーラップで縦線方向に縦シールされて縦シール帯域が形成され、チューブ状包装材料内に内容物が充填され、所定間隔毎に包装材料が横断方向に押圧され、横シールにより密封されて横シール帯域が形成され、横シール帯域中間で切断されて枕状予備成形体が得られ、折り目線に沿って折り畳むことにより形成される液体用包装容器である。
紙容器であるので、カーボンフットプリントが低く、環境に優しい製品である。すなわち、「人間活動が(温室効果ガスの排出によって)地球環境を踏みつけた足跡」という、一般的に製品が販売されるまでの温室効果ガス排出量によりあらわされる量であり、上記の紙容器が低く、環境に優しい。
【0013】
上記紙容器の注出口栓は、注出孔に設けられた注出筒、スパウト、第1プルタブとからなる。
第1プルタブは、破断容易であるので、容易に開放して、容器を傾けることによって、内容液が開口から流れ、注出筒及びスパウトに案内され、よどみ無く内容液が流れる。
この特徴において、空気孔を封止する第2プルタブが破断容易であるので、引っ張ることにより破断され、空気孔から流出量相当の空気が流入して内部の陰圧を解消させる。
【0014】
この発明の包装容器の製造法は、所定の折り目線を有するウェブ状紙包装材料が準備し、ウェブ状紙包装材料を所定間隔ごとに穿孔して注出孔と注出孔から離設された空気孔とを形成する。
この穿孔は、搬送されるウェブ状紙包装材料の所定箇所に、注出孔と空気孔とを同時に又は連続して、通常、実施される。注出孔と空気孔とには、開口された状態で注出筒、スパウト、第1プルタブを成型されてもよく、また、注出孔と空気孔と覆うように、片面若しくは両面に溶融ラミネート樹脂を積層してもよく、また、注出孔と空気孔と覆うように、片面若しくは両面に熱可塑性樹脂層パッチフィルムを積層してもよい。
【0015】
次の工程では、容器内側に対応する注出孔及び空気孔の内側を覆うように、所定のキャビティを有した第1金型を配設し、容器外側に対応する注出孔及び空気孔の外側を覆うように、所定のキャビティを有する第2金型を配設する。
上記のキャビティは、注出筒、スパウト(基部)、第1プルタブ及び、第2プルタブに相当する。
この成型は、インジェクション成型法によって、通常、行われる。すなわち、キャビティ・ゲートから溶融樹脂をキャビティに射出する。溶融樹脂はゲートからキャビティー内部に隙間なく充填される。
インジェクション成型法によって、注出筒と、基部を有するスパウトと、第1プルタブと、第2プルタブとが成型される。
【0016】
次いで、注出筒とスパウトと第1プルタブと第2プルタブが間断的に接合したウェブ状包装材料を、チューブ状に成形し、包装材料の両縁部を重ねてオーバーラップを形成し、オーバーラップで縦線方向に縦シールして縦シール帯域を形成する。
チューブ状包装材料内に内容物を充填し、容器毎にこの包装材料を横断方向に押圧し、横シールにより密封されて横シール帯域を形成する。
横シール帯域で切断して枕状予備成形体を得、折り目線に沿って折り畳んで最終形状の包装容器を得る。
最後に、スパウトを覆うようにキャップを配設して包装容器を製造する。
【0017】
この発明の注出口栓及び液体用包装容器の製造法では、注出口栓などの構成要素(注出筒及びスパウト、第1プルタブ)、空気穴の第2プルタブが一体的に成型されている。これら要素を直接にウェブ状積層包装材料の注出孔や空気孔に射出成形(インジェクション成型)法により成形でき、注出口栓及び液体用包装容器は、低いコストで製造することができる。
【0018】
本発明は注出口栓及び液体用包装容器は、容器内容物を外部から保護し、低コストで製造されることができる。また、開封時に開封手段が設計通りにスパウトから離脱し、飲用時に容器内部に残留若しくは落下することがない高い信頼性を有する。
【0019】
この発明による液体用紙包装容器では、PETボトルの様に内容物の量や液面が見えないが、容易に空気孔を開口することができ、大型の液体用紙包装容器であっても、内容物の注ぎ出しをスムーズにし、コップに安心して注げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、この発明による注出口栓の一実施例のスパウト部分の製造を示す断面図である。
図2は、この発明に使用される折り目線を有するウェブ状紙包装材料の部分平面図である。
図3は、この発明による包装容器の一実施例を示す斜視図である。
図4は、この発明による包装容器を製造する包装充填装置例の概略斜視図である。
図5は、注出口栓の参考例の射出成形工程を示す断面図である。
図6は、この発明による包装容器の第2の実施例を示す斜視図である。
図7は、この発明による包装容器の第3の実施例を示す斜視図である。
図8は、この発明による注出口栓のスパウト部分の外観斜視図である。
【0021】
図4に示される包装充填装置によって、包装容器を製造する。この装置例では、ウェブ状(帯状)の包装積層紙材料1は、リールの状態で包装充填装置に収容される。包装積層材料1は、紙基材、及び紙基材の両面にポリエチレン樹脂が積層された可撓性の積層体から成り、紙基材とフィルムとの間にアルミニウム箔などのバリア層が形成され、包装容器14の表面に相当する部分にあらかじめ外装用の印刷が施される。
図2に、この例の折り目線1aが付されたウェブ状紙包装材料1の部分(容器1個分の長さL)を示す。
材料1の両端が重ねられ、筒状にされ、1個分(長さL)で横シール/切断され、折り目線1aに沿って折り畳まれる。
図2に示すように、ウェブ状紙包装材料1(容器1個分の長さL)に、注出孔42及び空気孔43(第3実施例では43a、第2実施例では43b)が穿孔される箇所が設定される。
【0022】
繰り出された包装積層材料1は、搬送手段としての送り装置によって連続的に搬送され、ベンディングローラ、ダンパローラ等を経てウェブ状包装積層材料1は、パンチング装置40によって所定間隔ごとに穿孔され注出孔42及び空気孔43が形成される。
引き続き、注出口栓のスパウト部分形成用インジェクション成形装置41によって注出孔の注出口栓のスパウト部分及び第2プルタブが形成されてる。
【0023】
インジェクション成形装置41による射出成形を、実施例のスパウト部分の製造を示す図1と、注出口栓の参考例の射出成形工程を示す図5とを参照して説明する。
【0024】
図1に、スパウト部分(第2プルタブを含む)形成用インジェクション成形装置例を示す。
このスパウト部分形成用インジェクション成形装置によって注出口栓のスパウト10と第2プルタブ18が形成される。
この装置では、容器内側に対応する注出孔内側を覆うように、第1金型15を配設し、容器外側に対応する注出孔外側を覆うように、所定のキャビティを有する第2金型16を配設する。キャビティ・ゲート17から溶融樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンなど)をキャビティに射出して注出口栓の注出筒5及びスパウト10、第2プルタブ18を成形する。
【0025】
参考例の注出口栓の図5を参照して、この発明による実施例の射出成形工程を説明する。
ウェブ状積層包装材料1を矢印の方向に搬送し、ウェブ状積層包装材料1をパンチング装置(図示せず)で所定間隔ごとに穿孔して注出孔42を形成する。
【0026】
容器内側に対応する注出孔42内側を覆うように、所定のキャビティを有し、内壁にガスバリアフィルム13を載置した第1金型15を配設し、容器外側に対応する注出孔42外側を覆うように、所定のキャビティを有する第2金型16を配設する。
キャビティ・ゲート17から溶融樹脂をキャビティに射出して注出口栓の注出筒5及びスパウト10を成形する。
【0027】
続いて、図4に示すように、ストリップ貼着装置3に送られ、ストリップ貼着装置によって包装積層材料1の一方の縁部に沿ってストリップが貼着される。
帯状包装積層材料1の縁部にストリップを接合する際、帯状包装積層材料とストリップとを挟んで、一方側に、プレッシャローラを配設して圧し、他方に、プレッシャローラによる圧力を受け、それに対向し、押さえ支持するようにカウンタローラを配設する。
【0028】
包装積層材料が搬送されるに伴って、プレッシャローラ及びカウンタローラが包装積層材料及びストリップを挟んだ状態で押圧されて回転させ、縦シール部の合せ面がシールされ接着される。
【0029】
包装積層材料1は、殺菌槽4に送られ、殺菌槽4において過酸化水素等の殺菌液によって殺菌される。包装積層材料1は、エアナイフに送られ、エアナイフによって乾燥させられた後、無菌室(図示せず)に送られる。そして、包装積層材料1は、成形リング7によって徐々に変形させられてチューブ状(筒状)の形状にされる。包装積層材料1は、縦シール装置20によって縦方向にシールされ、充填パイプ(図示せず)を介して供給された流動性食品が包装積層材料1内に充填される。
【0030】
チューブ状に成形された包装積層材料の両縁部同士を、縦シール装置20によってストリップと共に押し当てて縦シールする際、帯状包装積層材料の一の縁部と他方の縁部とを挟んで、一方側に、プレッシャローラを回転自在に配設して圧し、他方に、プレッシャローラによる圧力を受け、それに対向し、押さえ支持するようにカウンタローラを回転自在に配設し、縦シール部の合せ面がシールされ接着される。
【0031】
チューブ状包装積層材料は、ローラによって案内され、横シール装置(図示せず)に送られ、挟まれて横方向にシールされ、横シールされた包装積層材料は、ナイフなどで切断されて枕状予備成形体21が形成される。
枕状予備成形体21は、最終成形装置(図示せず)によって最終の形状に成形され、流動性食品を収容する包装容器14が完成する。
図3に、注出孔に注出口栓及びキャップ2、第2プルタブ18が、包装容器14の頂壁3に設けられた包装容器例の外観斜視図を示す。
【0032】
図4に示す包装充填装置例では、最終成形装置の製造ライン下流側にキャップ装着装置を備える。
図7に示すように、包装容器14の頂壁3の注出筒5及びスパウト10の上方から、キャップ装着装置によってキャップ2が装着される。
図3、6、7に包装容器14の種々の実施例を示す。
【0033】
図1に示すように、容器内側に対応する注出孔42及び空気孔19内側を覆うように、薄いキャビティを有した第1金型15を配設し、容器外側に対応する注出孔42及び空気孔19外側を覆うように、所定のキャビティを有する第2金型16を配設する。
包装材料1に形成された孔42、19を挟んで、注出筒5のキャビティ、容器壁と接合する基部6のキャビティ、スパウトを封止する第1プルタブ9のキャビティ、第2プルタブ18のキャビティが形成される。第1及び第2プルタブ9、18の外周に弱め線が形成され、破断可能なプルタブとからなる。
【0034】
図1に示すように、キャビティ・ゲート17から溶融樹脂をキャビティに射出する。溶融樹脂が射出されてキャビティ内を流動し、溶融樹脂はゲートからキャビティー内部に隙間なく充填される。
【0035】
図8に、この実施例による注出口栓のスパウト部分の外観を示す。
注出口栓例は、容器の注出孔に設けられ、外周に凸ねじ山を有する注出筒5及び、注出筒5と一体化して注出孔外周辺の容器壁と接合する基部6を有する円筒状のスパウト10と、スパウト10内部底面に形成されたプルタブ基部8と、プルタブ基部8に連結し開封時に使用されるプルリング(プルタブ)9とからなる。
【0036】
図6及び7に包装容器14の別の実施例を示す。
図6に示す包装容器14の実施例では、空気孔の位置を、図2に示す包装材料での隣接する容器の底部分43aに設ける。この例では、隣の容器の底部パネルに空気孔を設けることとなる。
この例では、容器に高濃度栄養食品などを充填し、カテーテルを介して経口、経鼻へ供給することが可能になる。この場合、注ぎ口の第1プルタブ9を開封し、注ぎ口にカテーテルのアダプターをネジで取り付け、容器を上下さかさまになるよう、専用のホルダーに収め、スタンドに吊下げた後、底部の第2プルタブ18を引き開けて通気孔を開けて使用する。通気孔を開けた後、第2プルタブ18を容器14に残し、通気孔19を再度覆うようにして、流量を調整することもできる。
【0037】
図7に示す包装容器14の実施例では、空気孔の位置を、図2に示す包装材料での異なる器壁パネル部分43bに設ける。用途、容器の種類などに応じて、適宜、空気孔の位置を変形設計することができる。
【0038】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0039】
この発明は、ジュース、牛乳などの飲料を包装充填する注出口栓付き液体用包装容器の製造に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明による注出口栓の一実施例のスパウト部分の製造を示す断面図である。
【図2】この発明に使用される折り目線を有するウェブ状紙包装材料の部分平面図である。
【図3】この発明による包装容器の一実施例を示す斜視図である。
【図4】この発明による包装容器を製造する包装充填装置例の概略斜視図である。
【図5】注出口栓の参考例の射出成形工程を示す断面図である。
【図6】この発明による包装容器の第2の実施例を示す斜視図である。
【図7】この発明による包装容器の第3の実施例を示す斜視図である。
【図8】この発明による注出口栓のスパウト部分の外観斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
5 ・・ 注出筒
9 ・・ 第1プルタブ
10 ・・ スパウト
18 ・・ 第2プルタブ
19 ・・ 空気孔
42 ・・ 注出孔
17 ・・ ゲート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体用紙容器の注出孔に設けられた注出筒及び、該注出筒と一体化して該注出孔外周辺の容器壁と接合する基部を有するスパウトと、該スパウトと一体化して該スパウトを封止するように内蔵された破断可能な第1プルタブとからなる注出口栓であって、
該注出孔から離設された空気孔を封止するように覆う破断可能な第2プルタブを有する
ことを特徴とする注出口栓。
【請求項2】
折り目線を有するウェブ状紙包装材料がチューブ状に成形され、該包装材料の両縁部が重ねられてオーバーラップが形成され、該オーバーラップで縦線方向に縦シールされて縦シール帯域が形成され、該チューブ状包装材料内に内容物が充填され、所定間隔毎に該包装材料が横断方向に押圧され、横シールにより密封されて横シール帯域が形成され、横シール帯域中間で切断されて枕状予備成形体が得られ、該折り目線に沿って折り畳むことにより形成される液体用包装容器であって、
該容器の注出孔に設けられた注出筒及び、該注出筒と一体化して該注出孔外周辺の容器壁と接合する基部を有するスパウトと、該スパウトと一体化して該スパウトを封止するように内蔵された破断可能な第1プルタブとからなる注出口栓を有し、
該注出孔から離設された空気孔を封止するように覆う破断可能な第2プルタブを有する
ことを特徴とする包装容器。
【請求項3】
所定の折り目線を有するウェブ状紙包装材料が準備し、
該ウェブ状包装材料を所定間隔ごとに穿孔して注出孔と該注出孔から離設された空気孔とを形成し、
容器内側に対応する該注出孔及び該空気孔の内側を覆うように、所定のキャビティを有した第1金型を配設し、容器外側に対応する該注出孔及び該空気孔の外側を覆うように、所定のキャビティを有する第2金型を配設し、
キャビティ・ゲートから溶融樹脂を該キャビティに射出して、該注出筒と一体化して該注出孔外周辺の容器壁と接合する基部を有するスパウトと、該スパウトと一体化して該スパウトを封止するように内蔵された破断可能な第1プルタブ、該注出孔から離設された空気孔を封止するように覆う破断可能な第2プルタブを成形し、
該ウェブ状包装材料をチューブ状に成形し、該包装材料の両縁部を重ねてオーバーラップを形成し、
該オーバーラップで縦線方向に縦シールして縦シール帯域を形成し、
該チューブ状包装材料内に内容物を充填し、
所定間隔毎に該包装材料を横断方向に押圧し、横シールにより密封されて横シール帯域を形成し、
横シール帯域で切断して枕状予備成形体を得、
該折り目線に沿って折り畳んで包装容器を得、
該スパウトを覆うようにキャップを配設して、包装容器を製造する
ことを特徴とする包装容器の製造法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−137901(P2010−137901A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−317764(P2008−317764)
【出願日】平成20年12月14日(2008.12.14)
【出願人】(000229232)日本テトラパック株式会社 (259)
【Fターム(参考)】