説明

洗浄乾燥システム

【課題】簡素な構成にて短時間で容器を乾燥させることができ、また乾燥時に消費する電力を抑制することができる洗浄乾燥システムを提供する。
【解決手段】基台73に載置された容器100の側面の内、回転進行方向及び遠心方向の側面が遠心力によって支持部75に当接する構成とした。そのため基台73から脱落することなく容器100が回転し、容器100の乾燥が行われる。本発明に係る洗浄乾燥システムは遠心力によって容器100を乾燥させるので、温風を使用する場合に比べて消費電力を大きく削減することができる。また必要に応じて係止部56により複数の容器100、100を基台73に搬送して支持部75、75にて支持し、複数の容器100、100を一括して乾燥させるので、容器100を効率の良く乾燥させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器の洗浄及び乾燥を行う洗浄乾燥システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、自動車、電気製品などの機器は複数の部品を組み立てることによって製造されている。機器の組み立てに使用される部品は、組み立て作業者による部品の取り違えを避けるために、組立工程または機能別に予め複数の容器に分けて収容してある。
【0003】
容器に収容した部品を全て使用した後に、該容器には部品が再度収容される。しかし機器を組み立てている過程で、容器には油及び塵埃などの汚れが付着していることが多く、容器に部品を再度収容した場合に、前記汚れが部品に付着するおそれがある。そのため部品を再度収容する前に容器を洗浄して乾燥させる必要がある。特許文献1には、洗浄した容器を回転させて圧縮空気を容器に均等に吹き付けて脱水し、温風によって乾燥させる洗浄乾燥装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−324177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の洗浄乾燥装置は乾燥に温風を使用しており、乾燥時に消費する電力が多い。また容器を回転させる回転軸を容器の中央部分に貫通するように取付けており、該回転軸と容器とが滑らないように容器を回転軸に確実に固定する必要がある。そのため容器の回転軸への取付けには長時間を要する。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、簡素な構成にて短時間で容器を乾燥させることができ、また乾燥時に消費する電力を削減することができる洗浄乾燥システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る洗浄乾燥システムは、搬入された物体を洗浄する洗浄装置と、該洗浄装置から搬出された物体を遠心力によって乾燥させる乾燥装置とを備える洗浄乾燥システムであって、前記洗浄装置から搬出された物体を前記乾燥装置へ搬送する搬送部を備え、前記乾燥装置は、回転軸に連結されており、該回転軸の周囲に配置された回転部と、該回転部にて、回転進行方向及び前記回転軸を中心とした遠心方向に設けてあり、前記搬送部から搬送された一又は複数の物体を支持するための支持部とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明においては、回転部に載置された物体、例えば矩形箱形の容器の側面の内、回転進行方向及び遠心方向の側面が支持部に当接し、回転部から脱落することなく容器が回転する。また必要に応じて搬送部から複数の容器を搬送して支持部にて支持し、複数の容器を一括して乾燥させる。
【0009】
本発明に係る洗浄乾燥システムは、前記洗浄装置から搬出された物体が落下する落下部を備え、前記搬送部は、前記落下部にて落下した物体を前記回転部へ搬送するようにしてあることを特徴とする。
【0010】
本発明においては、洗浄装置にて洗浄した物体、例えば容器は前記回転部へ搬送される前に落下部にて落下し、落下の衝撃で容器の水切りが行われる。
【0011】
本発明に係る洗浄乾燥システムは、前記搬送部は、前記落下部から落下した物体を移動させる移動部と、該移動部を案内する案内部と、前記移動部に設けてあり、前記物体を係止する係止部とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明においては、搬送部に案内部を使用し、回転部が回転する場合に移動部を案内部の案内によって回転部から離反させる。また回転部に容器を搬送する場合に、移動部を回転部に近接させる。
【0013】
本発明に係る洗浄乾燥システムは、前記洗浄装置から搬出された物体を検出する手段と、該手段にて前記物体が検出された場合に、前記洗浄装置の作動を停止させる手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明においては、洗浄装置から容器が搬出された時に、洗浄装置の作動を停止し、洗浄装置と回転部との間に容器が貯留することを防ぐ。
【0015】
本発明に係る洗浄乾燥システムは、前記落下部にて落下した物体を検出する手段と、該手段にて前記物体が検出された場合に、前記搬送部を駆動させる手段と、前記回転部に搬送された物体を検出する検出手段と、該検出手段にて前記物体が検出された場合に、前記回転軸を駆動させる手段と、前記検出手段にて前記物体が検出された場合に、前記洗浄装置の作動を再開させる手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
本発明においては、落下部にて落下した容器が回転部に載置された時に、前記洗浄装置の作動を再開させて、洗浄装置と回転部との間における容器の貯留の防止と容器の効率的な乾燥との調和を図る。
【0017】
本発明に係る洗浄乾燥システムは、前記回転部における前記支持部と反対側に接離する接離部と、該接離部に駆動部を介して連結されており、前記駆動部の駆動によって前記支持部に支持された物体に接近し、該物体を掛止する掛止部と、前記回転部が回転しており、前記接離部が前記回転部に接近している場合に、前記掛止部が前記回転部から離反するように前記駆動部を制御する手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
本発明においては、回転部が回転しており、搬出部が回転部に接近している場合に、掛止部を回転部から離反させて、掛止部が回転部の回転を妨げることを防止する。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る洗浄乾燥システムにあっては、回転部に載置された物体、例えば矩形箱形の容器の側面の内、回転進行方向及び遠心方向の側面が支持部に当接して、回転部から脱落することなく容器が回転し、容器の乾燥が行われるので、容器を固定するための複雑な構成を必要とせず、簡素な構成にて短時間で容器を乾燥させることができる。また遠心力によって容器を乾燥させるので、温風を使用する場合に比べて消費電力を大きく削減することができる。また必要に応じて搬送部から複数の容器を搬送して支持部にて支持し、複数の容器を一括して乾燥させるので、効率の良い容器の乾燥を実現することができる。
【0020】
また、洗浄装置にて洗浄した物体、例えば容器は前記回転部へ搬送される前に落下部にて落下し、落下の衝撃で容器の水切りが行われるので、洗浄によって付着した洗浄水の大半を落下時の衝撃で容器から確実に取り除き、回転部にて容器を確実に乾燥させることができる。
【0021】
また、搬送部に案内部を使用し、回転部が回転する場合に移動部を案内部の案内によって回転部から離反させる。また回転部に容器を搬送する場合に、移動部を回転部に近接させる。そのため回転部の回転を妨げることを防止することができ、また移動部と回転部との隙間を小さくして、移動部と回転部との間に容器が嵌り込むことを回避することができる。
【0022】
また、洗浄装置から容器が搬出された時に、洗浄装置の作動を停止し、洗浄装置と回転部との間に容器が貯留することを防止するので、容器の破損を回避し、また貯留した容器によって洗浄乾燥システムに不具合が発生すること防止することができる。
【0023】
また、落下部にて落下した容器が回転部に載置された時に、前記洗浄装置の作動を再開させて、洗浄装置と回転部との間における容器の貯留の防止と容器の効率的な乾燥との調和を図ることができる。
【0024】
また、回転部が回転している場合に、掛止部が回転部から離反した状態で搬出部が回転部に接近しているので、掛止部が回転部の回転を妨げない状態で搬出部を回転部の近傍に待機させて、回転部の回転が終了した場合に回転部に載置された容器を迅速に搬出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施の形態に係る洗浄乾燥システムを略示する側面図である。
【図2】洗浄装置を略示する側面断面図である。
【図3】水切部を略示する側面図である。
【図4】図3に記載したIV方向から見た水切部を略示する正面図である。
【図5】遠心乾燥装置を略示する平面図である。
【図6】第1スライダ付近の構成を略示する側面図である。
【図7】第2スライダ付近の構成を略示する側面図である。
【図8】掛止部付近の構成を略示する正面図である。
【図9】遠心制御部及び洗浄制御部の構成を示すブロック図である。
【図10】洗浄制御部による容器の洗浄処理を示すフローチャートである。
【図11】遠心制御部による乾燥処理を説明するフローチャートである。
【図12】運転スイッチがオフになった場合における割込処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下本発明を実施の形態に係る洗浄乾燥システムを示す図面に基づいて詳述する。図1は実施の形態に係る洗浄乾燥システムを略示する側面図である。
【0027】
本発明に係る洗浄乾燥システムは、容器100を洗浄する洗浄装置1と、該洗浄装置1にて洗浄した容器100の水切りを行う水切部(落下部)30と、該水切部30にて水切りを行った容器100を遠心力によって乾燥させる遠心乾燥装置(乾燥装置)50とを備える。遠心乾燥装置50にはコンベア4が隣接しており、遠心乾燥装置50からコンベア4へ乾燥した容器100が排出される。
【0028】
図2は洗浄装置1を略示する側面断面図である。なお図2においては後述する洗浄ポンプ22及びすすぎポンプ23の記載を省略している。洗浄装置1は矩形の筐体10を備えている。該筐体10の一側上部に搬入口10aが開設してあり、筐体10の他側上部に搬出口10bが開設してある。筐体10の中央部には、搬入口10aから搬出口10bに亘って配設してあり、容器100を搬送するチェーン11と、該チェーン11を駆動させる一組のスプロケット12、12とが設けてある。チェーン11には筐体10を掛止するための外向きに突出した複数の突出部11a、11a、・・・、11aが並設してある。また容器100に洗浄水を吹き付ける複数の洗浄ノズル13、13、・・・、13が搬入口10a側のチェーン11を囲繞するように配してあり、容器100に水を吹き付ける複数のすすぎノズル14、14、・・・、14が搬出口10b側のチェーン11を囲繞するように配してある。
【0029】
筐体10上部の搬入口10a側及び搬出口10b側に支持部15、15がそれぞれ設けてある。該支持部15には枢軸16を介して揺動杆17の一端部が連結してある。各揺動杆17の他端部には、搬入口10aから搬出口10bに亘って配設してあり、容器100の上部に当接して容器100を案内する上面ガイド20が枢軸18を介して連結してある。搬入口10aから搬入された容器100の上面は上面ガイド20に当接する。このとき揺動杆17は枢軸16を支点にして揺動し、上面ガイド20は容器100の上下寸法に応じた位置に移動し、容器100は上面ガイド20とチェーン11との間で挟持される。なおチェーン11の突出部11aは容器100の縁部分に掛止するので、チェーン11と容器100とが滑っても、突出部11aによって容器100は搬出口10bへと送られる。筐体10の側面には搬入口10aから搬出口10bに亘って側面ガイド21が設けてあり、該側面ガイド21によって容器100は搬出口10bへ案内される。側面ガイド21は上面ガイド20と略平行に配置されている。
【0030】
図1に示すように、筐体10の下部には、搬入口10aから搬出口10bへ向けて、洗浄ポンプ22、すすぎポンプ23及び搬送モータ24が順に並設してある。洗浄ポンプ22はパイプを介して洗浄ノズル13に連結してあり、すすぎポンプ23はパイプを介してすすぎノズル14に連結してある。搬送モータ24は搬出口10b側に配置されたスプロケット12に連結してあり、搬送モータ24の駆動によってチェーン11が駆動するようにしてある。
【0031】
搬出口10bから搬出された容器100は水切部30に送出される。図3は水切部30を略示する側面図である。
水切部30は直方体状の基枠31を備えており、該基枠31の頂部に搬出口10bから搬出された容器100を検出する搬出検出センサ32が設けてある。該搬出検出センサ32は前記搬出口10bの近傍に位置する。搬出検出センサ32は発光部及び受光部を備えている。発光部及び受光部は左右に対向するように各別に配してあり、発光部及び受光部の間に容器100が搬出されるようにしてある。
【0032】
基枠31の頂部において、搬出検出センサ32よりも遠心乾燥装置50側に、搬出口10bから搬出された容器100を載置するテーブル33が設けてある。該テーブル33は前記搬出口10bの下縁部よりも若干下側に位置する。該テーブル33には、洗浄装置1から遠心乾燥装置50へ向けて延出した二つの溝33a、33a(図4参照)が並設してある。テーブル33の下側には、前記溝33aに沿うロッドレスシリンダ34が配設してある。
【0033】
ロッドレスシリンダ34とテーブル33との間には送出スライダ35が配してあり、該送出スライダ35はロッドレスシリンダ34に連結してある。ロッドレスシリンダ34には図示しないコンプレッサが接続してあり、該コンプレッサから供給される圧縮空気によって送出スライダ35が往復動する。送出スライダ35から容器100を掛止する二つの爪部35a、35aが上方へ突出しており、該爪部35a、35aは前記溝33a、33aからそれぞれ延出している。爪部35aの基部はスライダに枢着してあり、該基部には図示しない弾性部材が設けてある。該弾性部材は爪部35aを洗浄装置1側へ付勢している。
【0034】
開放された一面が下側に位置するように矩形箱形の容器100を洗浄装置1へ搬入した場合に、洗浄装置1からテーブル33へ搬出された容器100の縁部分は爪部35aに当接し、爪部35aは遠心乾燥装置50側へ傾倒する。そして容器100の縁部分が爪部35aを通過した場合に、爪部35aは弾性部材の付勢力によって起立復帰し、容器100の内側に位置する。このとき図3に記載した白抜矢符によって示すように、送出スライダ35を遠心乾燥装置50側へ移動させることによって、容器100の内側面に爪部35aが係止し、容器100がテーブル33に載置される。なお送出スライダ35は初期状態において洗浄装置1側に位置している。
【0035】
図4は、図3に記載したIV方向から見た水切部30を略示する正面図である。
図4に示すように、前記基枠31の中央部に、上下に伸びるエアシリンダ36が配設してある。該エアシリンダ36の上端部からロッド37が延出している。エアシリンダ36は前記ロッドレスシリンダ34の隣に位置しており、該エアシリンダ36を挟んでロッドレスシリンダ34と反対側に、ロッドレスシリンダ34の軸方向に沿う中心軸38が配してある。該中心軸38には、ロッドレスシリンダ34と反対側のテーブル33の縁部分と前記ロッド37の延出端部とを連結する連結部39が枢着してある。
【0036】
前記基枠31には、上下方向及びロッドレスシリンダ34の軸方向に伸びるガイド壁40がロッドレスシリンダ34と反対側に、連結部39と対向するように設けてある。該ガイド壁40の下部からガイド壁40に直角な底面部41がロッドレスシリンダ34側へ延出している。該底面部41の上方に、底面部41に落下した容器100を検出する落下検出センサ42が設けてある。該落下検出センサ42は発光部及び受光部を備え、該発光部及び受光部は互いに対向するように底面部41及び基枠31にそれぞれ設けてある。
【0037】
エアシリンダ36からロッド37が延出した場合に、連結部39は中心軸38を支点にして、図4に記載した矢印によって示すように、反時計方向に回動し、ガイド壁40側が下になるようにテーブル33が傾斜する。このためテーブル33に容器100が載置してある場合には、容器100はテーブル33上を滑落してガイド壁40に当接し、底面部41へ落下する。このとき容器100に付着した水は落下の衝撃で容器100からその大半が離反し、容器100の水切が行われる。
【0038】
前記水切部30にて水切が行われた容器100は、遠心乾燥装置50へ搬出される。図5は遠心乾燥装置50を略示する平面図、図6は第1スライダ付近の構成を略示する側面図、図7は第2スライダ付近の構成を略示する側面図、図8は掛止部付近の構成を略示する正面図である。
【0039】
前記底面部41の下側に、前記ロッドレスシリンダ34の軸方向に平行な二本のシリンダチューブ51、51が、水切部30側から遠心乾燥装置50側へ延出している。各シリンダチューブ51、51の水切部30側は互いに連結されている。シリンダチューブ51の延出端部は連結部52の一側に接続してあり、該連結部52の他側からシリンダチューブ51に平行なエアシリンダ53が延出している。該エアシリンダ53には図示しないコンプレッサが連結してある。シリンダチューブ51、51とエアシリンダ53とは連結部52を介して接続されており、エアシリンダ53からシリンダチューブ51、51に圧縮空気が供給される。
【0040】
シリンダチューブ51、51の一方に、図示しないシリンダヨークを介して第1スライダ(移動部)54が設けてあり、該第1スライダ54には軸方向がシリンダチューブ51と同じエアモータ55が設けてある。該エアモータ55の回転軸には係止部56が連結してある。該係止部56はコの字形の枠部分と、該枠部分の端部から直角に延出した連結部分とを備えており、該連結部分がエアモータ55の回転軸に連結している。係止部56はエアモータ55の回転軸に直交する平面内に位置しており、前記底面部41の下側で係止部56の連結部分が起立している場合に、コの字形の枠部分の内側に前記底面部41が位置するようにしてある。エアモータ55には図示しないコンプレッサが連結してある。
【0041】
コンプレッサから供給される圧縮空気によって、前記第1スライダ54はシリンダチューブ51に沿って往復動する。第1スライダ54は初期状態において水切部30側に位置する。またコンプレッサから供給される圧縮空気によって前記エアモータ55が回転し、前記係止部56が起立するかまたは横倒しになる。
【0042】
エアシリンダ53から適長離隔した位置に、エアシリンダ53に平行な二本のシリンダチューブ(案内部)57、57が遠心乾燥装置50側から水切部30側へ延出している。各シリンダチューブ57、57の遠心乾燥装置50側は互いに連結してある。シリンダチューブ57の延出端部は連結部58の一側に接続してあり、該連結部58の他側からシリンダチューブ57に平行なエアシリンダ59が延出している。該エアシリンダ59には図示しないコンプレッサが連結してある。シリンダチューブ57、57とエアシリンダ59とは連結部58を介して接続されており、エアシリンダ59からシリンダチューブ57、57に圧縮空気が供給される。
【0043】
二本のシリンダチューブ57、57の上側には容器100を載置する床部60が設けてある。該床部60には、発光部及び受光部からなる排出検出センサ61が設けてあり、該発光部及び受光部が互いに対向するように床部60の左右に各別に設けてある。床部60に排出された容器は発光部及び受光部の間を通過する。
【0044】
シリンダチューブ57、57の一方に、図示しないシリンダヨークを介して第2スライダ(搬出部)62が設けてあり、該第2スライダ62には軸方向がシリンダチューブ57と同じエアモータ(駆動部)63が設けてある。該エアモータ63の回転軸には掛止部64が連結してある。該掛止部64はコの字形の枠部分と、該枠部分の端部から直角に延出した連結部分とを備えており、該連結部分がエアモータ63の回転軸に連結している。掛止部64はエアモータ63の回転軸に直交する平面内に位置しており、前記床部60の下側で掛止部64の連結部分が起立している場合に、コの字形の枠部分の内側に前記床部60が位置するようにしてある。エアモータ63には図示しないコンプレッサが連結してある。
【0045】
コンプレッサから供給される圧縮空気によって、前記第2スライダ62はシリンダチューブ57に沿って往復動する。第2スライダ62は初期状態において連結部58近傍に位置する。またコンプレッサから供給される圧縮空気によって前記エアモータ63が回転し、前記掛止部64は起立するかまたは横倒しになる。掛止部64は初期状態において横倒しになっている。
【0046】
前記連結部52、58同士の間に上下に伸びる回転軸70が設けてある。該回転軸70は、図1に示すように、軸受71、71を介して遠心乾燥装置50の機枠に固定してあり、回転軸70には遠心モータ72が連結してある。回転軸70には、回転軸70に直交する平面と略同一平面上に位置する矩形板状の基台(回転部)73が周設してある。該基台73は連結部52、58を挟んで両側に延出しており、前記底面部41及び床部60と略同じ高さに位置している。基台73と底面部41及び床部60との間には僅かな隙間が設けてある。
【0047】
図5に示すように、基台73の四隅の内、連結部58よりも底面部41側に位置し、エアシリンダ59に接近した隅部分と、連結部52よりも床部60側に位置し、エアシリンダ53に接近した隅部分とに切欠73aがそれぞれ設けてある。エアシリンダ53に接近した前記切欠73aの上下には、底面部41から基台73に投入された容器100を検出する投入検出センサ(検出手段)74が設けてある。投入検出センサ74は発光部及び受光部を備え、該発光部及び受光部が切欠73aを挟んで上下に各別に配してある(図1参照)。なお基台73は回転軸70に連結してあり、回転軸70と共に回転する。
【0048】
前記基台73上に容器100を支持する二つの支持部75、75が設けてある。支持部75は、前記エアシリンダ53(又はエアシリンダ59)に接近しており、エアシリンダ53(又はエアシリンダ59)に平行な基台73の一縁部に設けられた第1側面支持枠部75aと、該一縁部に直角であって、床部60側(又は底面部41側)に位置する基台73の他縁部に設けた第2側面支持枠部75bとを備える。第1側面支持枠部75aと基台73との間には隙間が設けてあり、前記係止部56及び掛止部64が基台73の上側を移動できるようにしてある。図5に示すように、底面部41(又は床部60)に対向する第1側面支持枠部75aの端部は外向きに湾曲している。
【0049】
前記底面部41に容器100が落下した場合に、前記係止部56を起立させ、図5及び図6に記載した白抜矢符によって示すように、第1スライダ54を連結部52へ向けて移動させる。図6に示すように、係止部56は容器100の外側面を係止するので、容器100は基台73へ向けて搬送される。容器100は第1側面支持枠部75aの湾曲した部分に当接し、第1側面支持枠部75aに案内されて、第2側面支持枠部75bに当接し、基台73に載置される。なお二つの容器100を乾燥装置50にて乾燥させる場合には、一の容器100を基台73に載置させた後に、回転軸70を半回転させて、容器100を載置していない支持部75を底面部41に近接させる。そして水切部30から他の容器100を落下させて、第1スライダ54によって他の容器100を搬送し、前述したように支持部75にて支持し、基台73に載置させる。
【0050】
回転軸70が所定数回転し、容器100が遠心力によって乾燥され、基台73が停止する。このとき容器100は前記連結部58上に位置する。第2スライダ62は、掛止部64が横倒しになった状態で基台73の下側に位置する。図8に示すように、掛止部64はエアモータ63の回転によって起立し、基台73の外側から基台73に接近して、掛止部64のコの字形の枠部分の内側に基台73及び基台73に載置された容器100の内側面が位置する。そして図5及び図7に記載した白抜矢符によって示すように、第2スライダ62を床部60へ向けて移動させることによって掛止部64は容器100の内側面を掛止し、容器100は床部60に搬出され、前記コンベア4(図1参照)へ排出される。なお二つの容器100を基台73に載置させている場合には、一の容器100を排出した後に、回転軸70を半回転させて、他の容器100を更に排出する。
【0051】
前述した各モータ及びスライダ等は遠心制御部80及び洗浄制御部90によってその駆動が制御されている。図9は遠心制御部80及び洗浄制御部90の構成を示すブロック図である。
【0052】
遠心制御部80は、内部バスにより相互に接続されたCPU(Central Processing Unit)81、ROM(Read Only Memory)82及びRAM(Random Access Memory)83を備えている。CPU81はROM82に記憶された制御プログラムをRAM83に読み込み、該制御プログラムに従って、前述したモータ及びスライダなどの動作を制御する。CPU81にはタイマが内蔵されている。遠心制御部80は遠心モータ72に係る遠心モータ駆動回路86を更に備えている。
【0053】
遠心制御部80は、出力I/F(Interface)85を介して送出スライダ35に係る送出スライダ駆動回路201へ駆動信号を出力し、テーブル33に係るテーブル駆動回路202へ駆動信号を出力する。また遠心制御部80は、出力I/F85を介して第1スライダ54に係る第1スライダ駆動回路203、第2スライダ62に係る第2スライダ駆動回路204、係止部56に係る係止部駆動回路205及び掛止部64に係る掛止部駆動回路206へ駆動信号を出力する。また遠心制御部80は、出力I/F85を介して搬送モータ24の駆動を制御するための制御信号を洗浄制御部90へ出力する。
【0054】
前記搬出検出センサ32、落下検出センサ42、投入検出センサ74及び排出検出センサ61の各出力信号は、入力I/F84を介して遠心制御部80に入力されている。遠心乾燥装置50には洗浄乾燥システムの運転及び停止を入力するための運転スイッチ200が設けてあり、該運転スイッチ200の出力信号が入力I/F84を介して遠心制御部80に入力されている。
【0055】
前述したように、搬送モータ24の駆動を制御するための制御信号が遠心制御部80から洗浄制御部90へ入力されている。洗浄制御部90は内部バスにより相互に接続されたCPU91、ROM92及びRAM93を備えている。CPU91はROM92に記憶された制御プログラムをRAM93に読み込み、該制御プログラムに従って搬送モータ24の動作を制御する。洗浄制御部90は搬送モータ24に係る搬送モータ駆動回路95を更に備えている。搬送モータ24の駆動を制御するための制御信号は入力I/F94を介して洗浄制御部90に入力されている。
【0056】
洗浄装置1は容器100を搬送しつつ洗浄する。図10は洗浄制御部90による容器100の洗浄処理を示すフローチャートである。なお図示しない電源スイッチが洗浄乾燥システムに設けてあり、該電源スイッチはオンになっており、前記スライダなどが初期位置に配置されているとする。また容器100は一面が開放された矩形箱形をなし、開放された一面を下側にしてチェーン11に載置されるものとする。
【0057】
洗浄制御部90は、遠心制御部80を介して運転スイッチ200からオン信号が入力されているか否か判定し(ステップS1)、オン信号が入力されるまで待機する(ステップS1:NO)。運転スイッチ200からオン信号が入力された場合に(ステップS1:YES)、洗浄制御部90は、駆動信号を搬送モータ駆動回路95へ出力する(ステップS2)。このとき搬送モータ24が駆動し、スプロケット12及びチェーン11が回動して洗浄装置1内を容器100が移動し、洗浄ノズル13及びすすぎノズル14から洗浄水及び水が噴射され、容器100の洗浄及びすすぎが行われる。
【0058】
次に洗浄制御部90は、搬出検出センサ32の出力信号を遠心制御部80を介して取り込み、洗浄装置1から容器100が搬出されたか否か判定する(ステップS3)。洗浄装置1から容器100が搬出されていないと判定された場合に(ステップS3:NO)、洗浄制御部90はステップS2へ処理を戻す。洗浄装置1から容器100が搬出されたと判定された場合に(ステップS3:YES)、洗浄制御部90は停止信号を搬送モータ駆動回路95へ出力する(ステップS4)。このとき搬送モータ24は停止し、洗浄ノズル13及びすすぎノズル14からの噴射が停止する。次に洗浄制御部90は、投入検出センサ74からの出力信号を遠心制御部80を介して取り込み、容器100が基台73に載置されたか否かを判断し(ステップS5)、容器100が基台73に載置されたと判定されるまで待機する(ステップS5:NO)。容器100が基台73に載置されたと判定された場合に(ステップS5:YES)、洗浄制御部90はステップS2へ処理を戻す。
【0059】
遠心乾燥装置50は洗浄装置1にて洗浄された容器100を遠心力によって乾燥させる。図11は遠心制御部80による乾燥処理を説明するフローチャートである。
遠心制御部80は、搬出検出センサ32の出力信号を取り込み、洗浄装置1から容器100が搬出されたか否か判定し(ステップS11)、洗浄装置1から容器100が搬出されたと判定されるまで待機する(ステップS11:NO)。洗浄装置1から容器100が搬出されたと判定された場合に(ステップS11:YES)、遠心制御部80は、送出スライダ駆動回路201に駆動信号を出力する(ステップS12)。このとき送出スライダ駆動回路201からの出力信号に基づいてコンプレッサからロッドレスシリンダ34に圧縮空気が供給され、送出スライダ35は洗浄装置1側から遠心乾燥装置50側へ移動し、容器100の内側面が爪部35aによって係止され、容器100はテーブル33に載置される。なおリミットスイッチなどの位置検出器によって、送出スライダ駆動回路201には停止信号が入力され、送出スライダ35は所定位置で停止する。
【0060】
次に遠心制御部80は、テーブル駆動回路202へ駆動信号を出力する(ステップS13)。このときテーブル駆動回路202からの出力信号に基づいてコンプレッサからエアシリンダ36に圧縮空気が供給され、エアシリンダ36からロッド37が延出して、ガイド壁側が下になるようにテーブル33が傾斜し、容器100はテーブル33上を滑落する。滑落した容器100は底面部41へ落下し、開放された容器100の一面はガイド壁と反対側を向く。また遠心制御部80は送出スライダ駆動回路201に復帰信号を出力し、送出スライダ35を初期位置へ戻す。
【0061】
そして遠心制御部80は、落下検出センサ42から出力信号を取り込み、底面部41に容器100が落下したか否か判定し(ステップS14)、底面部41に容器100が落下したと判定されるまで待機する(ステップS14:NO)。底面部41に容器100が落下したと判定された場合に(ステップS14:YES)、遠心制御部80は係止部駆動回路205に起立信号を出力する(ステップS15)。このとき係止部駆動回路205からの出力信号に基づいてエアモータ55が一方向に回転し、係止部56が起立する。次に遠心制御部80は、第1スライダ駆動回路203に搬送信号を出力する(ステップS16)。このとき第1スライダ駆動回路203からの出力信号に基づいてコンプレッサからシリンダチューブ51へ圧縮空気が供給され、底面部41に落下した容器100の外側面を係止部56によって係止した状態で第1スライダ54は基台73へ向けて移動する。このため容器100は基台73へ搬送される。
【0062】
次に遠心制御部80は、投入検出センサ74からの出力信号を取り込み、容器100が基台73に載置されたか否か判定し(ステップS17)、容器100が基台73に載置されたと判定されるまで待機する(ステップS17:NO)。容器100が基台73に載置されたと判定された場合に(ステップS17:YES)、遠心制御部80は第1スライダ駆動回路203に復帰信号を出力する(ステップS18)。このとき第1スライダ駆動回路203からの出力信号に基づいてコンプレッサからシリンダチューブ51へ圧縮空気が供給され、第1スライダ54は基台73側から水切部30側へ移動する。
【0063】
なお二つの容器100を乾燥装置50にて乾燥させる場合には、遠心制御部80は、ステップS18の処理を実行した後に、RAM83に予め設定してあり、容器100の数を示す変数(初期値0とする)をインクリメントする。そして前記変数が2を示すか否かを判定し、1を示している場合に、遠心モータ駆動回路86に半回転信号を出力する。このとき回転軸70は一方向に半回転する。そして遠心制御部80は、搬送モータ駆動回路95に駆動信号を出力する。このとき容器100が水切部30にて落下する。次に遠心制御部80は、前述したステップS14〜S18と同様な処理を実行し、前記変数をインクリメントする。そして遠心制御部80は、前記変数が2を示すか否かを判定し、2を示している場合に、後述するステップS19へ処理を進める。
【0064】
次に遠心制御部80は、駆動信号を遠心モータ駆動回路86へ出力する(ステップS19)。このとき遠心モータ駆動回路86からの出力信号に基づいて遠心モータ72は一方向に回転し、基台73に載置された容器100に遠心力が与えられる。該遠心力によって容器100に付着した水が取り除かれる。容器100には回転軸70から離反する方向及び回転進行方向への力が作用するが、第1側面支持枠部75a及び第2側面支持枠部75bによって、基台73に載置された容器100の、回転軸70から離反した側面及び回転が進行する側の側面が支持されるので、容器100が基台73から落下することはない。次に遠心制御部80は、CPU81に内蔵したタイマを参照して、遠心モータ駆動回路86に駆動信号を出力した時点から所定時間が経過したか否かを判定し(ステップS20)、所定時間が経過するまで待機する(ステップS20:NO)。
【0065】
所定時間が経過した場合に(ステップS20:YES)、遠心制御部80は停止信号を遠心モータ駆動回路86へ出力する(ステップS21)。そして遠心制御部80は掛止部駆動回路206に起立信号を出力する(ステップS22)。このとき掛止部駆動回路206からの出力信号に基づいてエアモータ63は一方向に回転し、掛止部64が起立して、掛止部64におけるコの字形の枠部分の内側に基台73及び基台73に載置された容器100の側面が位置する(図8参照)。次に遠心制御部80は排出信号を第2スライダ駆動回路204に出力する(ステップS23)。このとき第2スライダ駆動回路204からの出力信号に基づいてコンプレッサからシリンダチューブ57へ圧縮空気が供給され、基台73に載置された容器100の内側面を掛止部64によって掛止した状態で第2スライダ62は床部60へ向けて移動する。このため容器100は基台73から排出されて床部60へ搬送される。なお床部60へ搬送された容器100はコンベア4へ送られる。
【0066】
次に遠心制御部80は、排出検出センサ61の出力信号を取り込み、基台73から容器100が排出されたか否か判定し(ステップS24)、基台73から容器100が排出されたと判定されるまで待機する(ステップS24:NO)。基台73から容器100が排出されたと判定された場合に(ステップS24:YES)、遠心制御部80は掛止部駆動回路206に横転信号を出力し(ステップS25)、復帰信号を第2スライダ駆動回路204に出力する(ステップS26)。このとき掛止部駆動回路206からの出力信号に基づいて掛止部64は横倒しになり、第2スライダ駆動回路204からの出力信号に基づいて第2スライダ62は初期位置、すなわち基台73の下側に移動する。そして遠心制御部80はステップS11へ処理を戻す。
【0067】
なお二つの容器100を乾燥装置50にて乾燥させる場合には、遠心制御部80はステップS26の処理を終了した後に、容器100の数を示す前記変数をデクリメントし、前記変数が0を示すか否かを判定し、1を示している場合に、遠心モータ駆動回路86に半回転信号を出力する。このとき回転軸70は一方向に半回転する。そして遠心制御部80は、ステップS22〜ステップS26と同様な処理を実行し、前記変数をデクリメントする。次に遠心制御部80は、前記変数が0を示すか否かを判定し、0を示している場合に、ステップS11へ処理を戻す。
【0068】
遠心制御部80は運転スイッチ200がオフになった場合に洗浄処理を終了させる。図12は運転スイッチ200がオフになった場合における割込処理を説明するフローチャートである。なお割込処理は運転スイッチ200がオンになった後に随時行われる。
遠心制御部80は運転スイッチ200からの出力信号を取り込んで、運転スイッチ200がオフになったか否かを判定し(ステップS31)、運転スイッチ200がオフになるまで待機する(ステップS31:NO)。運転スイッチ200がオフになった場合に(ステップS31:YES)、遠心制御部80は搬送モータ24を停止させることを示す制御信号を洗浄制御部90へ出力する(ステップS32)。このとき前記制御信号に基づいて洗浄制御部90は搬送モータ駆動回路95へ停止信号を出力すると共に洗浄ノズル13及びすすぎノズル14からの洗浄水及び水の噴射を停止させて洗浄処理を終了させる。なお洗浄処理の終了によって容器100の搬出が停止するので、乾燥処理も終了する。
【0069】
実施の形態に係る洗浄乾燥システムにあっては、基台73に載置された容器100の側面の内、回転進行方向及び遠心方向の側面が遠心力によって支持部75に当接し、基台73から脱落することなく容器100が回転し、容器100の乾燥が行われるので、容器100を固定するための複雑な構成を必要とせず、簡素な構成にて短時間で容器100を乾燥させることができる。また遠心力によって容器100を乾燥させるので、温風を使用する場合に比べて消費電力を大きく削減することができる。また必要に応じて係止部56により複数の容器100、100を基台73に搬送して支持部75、75にて支持し、複数の容器100、100を一括して乾燥させるので、効率の良い容器100の乾燥を実現することができる。
【0070】
また、洗浄装置1にて洗浄した容器100を基台73へ搬送される前に水切部30にて落下させて、落下の衝撃で容器100の水切りを行うので、洗浄によって付着した洗浄水の大半を落下時の衝撃で容器100から確実に取り除き、基台73にて容器100を確実に乾燥させることができる。
【0071】
底面部41から基台73までの容器100の搬送にコンベアを使用した場合には、コンベアと基台73との間に、基台73を回転させるための隙間を設ける必要がある。そのため該隙間に容器100が嵌り込むおそれがある。実施の形態に係る洗浄乾燥システムのように、シリンダチューブ51に案内される第1スライダ54を使用することによって、基台73が回転する場合に第1スライダ54をシリンダチューブ51に沿って基台73から離反させ、また基台73に容器100を搬送する場合に第1スライダ54を基台73に近接させるので、基台73の回転を妨げることを防止することができる。またシリンダチューブ51は基台73の下方に配置してあるので、第1スライダ54を基台73に近接させて、両者間の隙間を小さくできる。そのため第1スライダ54と基台73との間に容器100が嵌り込むことを回避することができる。またエアシリンダ53及びシリンダチューブ51を使用することで、水が付着することによる漏電が発生することがない。
【0072】
また第2スライダ62と床部60との隙間及び第2スライダ62と基台73との隙間も、前述した第1スライダ54の場合と同様に小さくすることができるので、該隙間に容器100が嵌り込むことを回避することができる。またエアシリンダ59及びシリンダチューブ57を使用することで、水が付着することによる漏電が発生することがない。
【0073】
また洗浄装置1から容器100が搬出された時に、洗浄装置1の作動を停止して容器100の搬送を停止し、洗浄装置1と基台73との間に容器100が貯留されることを防止するので、容器100の破損を回避し、また貯留した容器100によって洗浄乾燥システムに不具合が発生すること防止することができる。
【0074】
また落下部30にて落下した容器100が基台73に載置された時に、前記洗浄装置1の作動を再開し、容器100の搬送を再開するので、洗浄装置1と基台73との間における容器100の貯留の防止と容器100の効率的な乾燥との調和を図ることができる。
【0075】
また基台73の回転中に、掛止部64を横倒しにした状態で基台73の下側に第2スライダ62を待機させているので、基台73の回転が終了した場合に掛止部64を起立させて容器100を迅速に搬出させることができ、洗浄乾燥システムのランニングコストを削減することができる。
【0076】
なお掛止部64及び係止部56はコの字状の枠部に限定されるものではなく、真空吸着を利用した構成でも良い。また係止部56は容器100の内側面を係止しても良く、掛止部64は容器100の外側面を掛止しても良い。また実施の形態に係る洗浄乾燥システムは、遠心制御部80にて乾燥処理を実行し、洗浄制御部90にて洗浄処理を実行しているが、制御部を別途設け、該制御部からの指令に基づいて洗浄制御部90及び遠心制御部80が洗浄処理及び乾燥処理を制御する構成であっても良い。
【0077】
また実施の形態に係る洗浄乾燥システムは、各センサの出力信号を遠心制御部80に入力しているが、各センサの出力信号を洗浄制御部90に入力し、洗浄制御部90を介して各センサの出力信号を遠心制御部80に入力する構成であっても良い。また容器100は矩形の箱に限らず、円形の箱その他の物体であっても良い。また水切部30は容器100が自然落下する構成であっても良く、その場合、洗浄装置1と水切部30とが容器100の搬送方向において直角になるように配置し、落下した容器を落下検出センサにて検出した時に、洗浄装置1の作動を停止させる構成にすれば良い。
【0078】
また実施の形態に係る洗浄乾燥システムは、支持部75を二つ備えているが、三つ以上備える構成であってもよい。例えば回転軸70を中心にして120度ずつ偏倚した位置に三つの支持部を配置しても良い。この場合、回転軸70を1/3回転させる度、容器100を乾燥装置50へ搬入するか又は乾燥装置50から排出することができる。また90度ずつ偏倚した位置に四つの支持部を配置しても良く、この場合、回転軸70を1/4回転させる度、容器100を乾燥装置50へ搬入するか又は乾燥装置50から排出することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 洗浄装置
30 水切部(落下部)
32 搬出検出センサ
33 テーブル
36 エアシリンダ
40 ガイド壁
41 底面部
42 落下検出センサ
50 遠心乾燥装置(乾燥装置)
54 第1スライダ(移動部)
55 エアモータ
56 係止部
57 シリンダチューブ(案内部)
61 排出検出センサ
62 第2スライダ(搬出部)
63 エアモータ(駆動部)
64 掛止部
70 回転軸
72 遠心モータ
73 基台(回転部)
74 投入検出センサ(検出手段)
75 支持部
75a 第1側面支持枠部
75b 第2側面支持枠部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬入された物体を洗浄する洗浄装置と、該洗浄装置から搬出された物体を遠心力によって乾燥させる乾燥装置とを備える洗浄乾燥システムであって、
前記洗浄装置から搬出された物体を前記乾燥装置へ搬送する搬送部を備え、
前記乾燥装置は、
回転軸に連結されており、該回転軸の周囲に配置された回転部と、
該回転部にて、回転進行方向及び前記回転軸を中心とした遠心方向に設けてあり、前記搬送部から搬送された一又は複数の物体を支持するための支持部と
を備えることを特徴とする洗浄乾燥システム。
【請求項2】
前記洗浄装置から搬出された物体が落下する落下部を備え、
前記搬送部は、前記落下部にて落下した物体を前記回転部へ搬送するようにしてあること
を特徴とする請求項1に記載の洗浄乾燥システム。
【請求項3】
前記搬送部は、
前記落下部から落下した物体を移動させる移動部と、
該移動部を案内する案内部と、
前記移動部に設けてあり、前記物体を係止する係止部と
を備えることを特徴とする請求項2に記載の洗浄乾燥システム。
【請求項4】
前記洗浄装置から搬出された物体を検出する手段と、
該手段にて前記物体が検出された場合に、前記洗浄装置の作動を停止させる手段と
を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の洗浄乾燥システム。
【請求項5】
前記落下部にて落下した物体を検出する手段と、
該手段にて前記物体が検出された場合に、前記搬送部を駆動させる手段と、
前記回転部に搬送された物体を検出する検出手段と、
該検出手段にて前記物体が検出された場合に、前記回転軸を駆動させる手段と、
前記検出手段にて前記物体が検出された場合に、前記洗浄装置の作動を再開させる手段と
を備えることを特徴とする請求項4に記載の洗浄乾燥システム。
【請求項6】
前記回転部における前記支持部と反対側に接離する接離部と、
該接離部に駆動部を介して連結されており、前記駆動部の駆動によって前記支持部に支持された物体に接近し、該物体を掛止する掛止部と、
前記回転部が回転しており、前記接離部が前記回転部に接近している場合に、前記掛止部が前記回転部から離反するように前記駆動部を制御する手段と
を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の洗浄乾燥システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2011−11141(P2011−11141A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−157261(P2009−157261)
【出願日】平成21年7月1日(2009.7.1)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成21年6月9日から平成21年6月12日に、社団法人日本食品機械工業会主催の「FOOMA JAPAN 2009 国際食品工業展」にて発表
【出願人】(000250007)有光工業株式会社 (30)
【Fターム(参考)】