説明

洗浄装置

【課題】水量不足にならず、かつ無駄な水をなくすことを目的とする。
【解決手段】洗浄装置は、給水手段による給水時に、第1の水位計の測定結果に基づいて第1の洗浄水タンク内の水位が所定水位より低いと認識した場合に、第2の水位計に基づいて第2の洗浄水タンクが満杯になったと認識しても、第1の洗浄水タンクの水位が所定水位より高くなる所定水量をさらに給水手段に給水させる制御手段を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、プリント基板は、エッチング処理等の化学処理によってパターン配線を形成し、このパターン配線によって複数の電子部品を相互接続することによって所望の電子回路を基板上に構成するものである。このようなプリント基板は、複数の製造工程を経て製造されるが、製造工程の1つに、穴あけ加工及びメッキ処理からなるスルーホール形成工程を経た基板の表面を専用の基板洗浄装置によって洗浄する洗浄工程がある。下記特許文献1には、このようなプリント基板の製造工程に供される基板洗浄装置の一例が開示されている。
【0003】
上記の基板洗浄装置では、洗浄工程として予備洗浄工程、主洗浄工程、仕上げ洗浄工程が順番に行われ、洗浄水を節約するために、仕上げ洗浄水が貯留された仕上げ洗浄用のタンクからオーバフローした仕上げ洗浄水や、仕上げ洗浄工程において使用された仕上げ洗浄水が次回以降の予備洗浄工程及び主洗浄工程で使用される。主洗浄工程において使用された主洗浄水は、次回以降の主洗浄工程または予備洗浄工程で再び使用され、予備洗浄工程において使用された予備洗浄水は排水される。そのため、一連の洗浄工程が完了すると、予備洗浄水用のタンクの洗浄水が排水量分減るので、新たな洗浄水が仕上げ洗浄用のタンクに給水され、仕上げ洗浄用のタンクからオーバフローした洗浄水が予備洗浄水用のタンクに供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第09/096483号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の基板洗浄装置では、排水量と給水量のバランスを調整し、予備洗浄で排水した水量より少し多い量を給水することで、プリント基板の洗浄後に必ず各タンクが満水の状態となるようにするため、排水量と給水量の差分は無駄に捨てられるという問題があった。また、節水を意識しすぎて排水量と給水量との調節をギリギリにしてしまうと、電源電圧変動や個々の装置のばらつき、また給水圧力変化などにより、排水量が給水量を上回った場合に少しずつ予備洗浄水タンクの水量が減っていき、最後には水量不足で洗浄できない状態になってしまう。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、水量不足にならず、かつ無駄な水をなくすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明では、洗浄装置に係る第1の解決手段として、洗浄槽と、前記洗浄槽の内部に向かって第1の洗浄水を噴射する第1の洗浄水噴射手段と、前記第1の洗浄水噴射手段により噴射された第1の洗浄水を前記洗浄槽から排水する排水手段と、前記洗浄槽の内部に向かって第2の洗浄水を噴射する第2の洗浄水噴射手段と、前記第1の洗浄水を貯留する第1の洗浄水タンクと、前記第2の洗浄水を貯留する第2の洗浄水タンクと、前記第2の洗浄水タンクに給水する給水手段と、前記給水手段の給水により前記第2の洗浄水タンクからオーバフローした前記第2の洗浄水と、前記第2の洗浄水噴射手段により噴射された第2の洗浄水とを回収し、当該第2の洗浄水を第1の洗浄水タンクに給水する回収手段と、前記第1の洗浄水タンクから前記第1の洗浄水を前記第1の洗浄水噴射手段に供給する第1の洗浄水供給手段と、前記第2の洗浄水タンクから前記第2の洗浄水を前記第2の洗浄水噴射手段に供給する第2の洗浄水供給手段と、前記第1の洗浄水タンクの水位を測定する第1の水位計と、前記第2の洗浄水タンクの水位を測定する第2の水位計と、前記給水手段による給水時に、前記第1の水位計の測定結果に基づいて前記第1の洗浄水タンク内の水位が所定水位より低いと認識した場合に、前記第2の水位計に基づいて第2の洗浄水タンクが満杯になったと認識しても、前記第1の洗浄水タンクの水位が前記所定水位より高くなる所定水量をさらに前記給水手段に給水させる制御手段とを具備するという手段を採用する。
【0008】
本発明では、洗浄装置に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記第1の洗浄水は、予備洗浄水であり、前記第2の洗浄水は、仕上げ洗浄水であり、第1の洗浄水タンクは、前記予備洗浄水とともに主洗浄水を貯留し、前記洗浄槽の内部に向かって前記主洗浄水を噴射する主洗浄水噴射手段と、前記第1の洗浄水タンクから前記主洗浄水を前記主洗浄水噴射手段に供給する主洗浄水供給手段とを具備するという手段を採用する。
【0009】
本発明では、洗浄装置に係る第3の解決手段として、上記第1または第2の解決手段において、前記洗浄槽は、第1の洗浄槽と、第2の洗浄槽とから構成されており、前記第1の洗浄水噴射手段は、前記第1の洗浄槽の内部に向かって前記第1の洗浄水を噴射し、前記第2の洗浄水噴射手段は、第2の洗浄槽の内部に向かって前記第2の洗浄水を噴射するという手段を採用する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、制御手段は、給水手段による給水時に、第1の水位計の測定結果に基づいて第1の洗浄水タンク内の水位が所定水位より低いと認識した場合に、第2の水位計に基づいて第2の洗浄水タンクが満杯になったと認識しても、第1の洗浄水タンクの水位が所定水位より高くなる所定水量をさらに前記給水手段に給水させる。従来のものでは、排水量よりも少し多い量を給水することにより第1の洗浄水タンクの水位を所定水位にしていたが、本発明では、第1の水位計の測定結果に基づいて第1の洗浄水タンクに供給するべき水量がわかるので、過不足のない水量を供給して、第1の洗浄水タンクの水位を所定水位より高くすることができる。このため、水量不足にならず、かつ無駄な水をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る洗浄装置Aの機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る洗浄装置Aの動作を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係る洗浄装置Aは、例えば、プリント基板の製造工程において、前工程である穴あけ加工及びメッキ処理からなるスルーホール形成工程から搬入された基板に洗浄処理を施す装置である。洗浄装置Aは、図1に示すように、第1の洗浄槽1、第2の洗浄槽2、予備洗浄水噴射ノズル3(第1の洗浄水噴射手段)、排水部4(排水手段)、第1の主洗浄水噴射ノズル5、第1の洗浄水回収部6(回収手段)、予備洗浄水/第1の主洗浄水タンク7(第1の洗浄水タンク)、予備洗浄水/第1の主洗浄水供給ポンプ8(第1の洗浄水供給手段)、第2の主洗浄水噴射ノズル9、第2の洗浄水回収部10(回収手段)、第2の主洗浄水タンク11、第2の主洗浄水ポンプ12、仕上げ洗浄水噴射ノズル13(第2の洗浄水噴射手段)、仕上げ洗浄水タンク14(第2の洗浄水タンク)、仕上げ洗浄水供給ポンプ15(第2の洗浄水供給手段)、給水部16(給水手段)、第1の水位計17、第2の水位計18及び制御部19(制御手段)から構成されている。なお、図1の太線矢印は洗浄水の流れを示し、点線矢印は、電気信号の流れを示している。
【0013】
第1の洗浄槽1及び第2の洗浄槽2は、プリント基板の製造工程において、前工程から搬送装置(図示省略)によって搬送されるメッキ処理後の基板を洗浄するために使用される槽であり、上方から搬入された基板を略垂直姿勢で収容する。第1の洗浄槽1は製造工程の上流側に位置し、第2の洗浄槽2は製造工程の下流側に位置する。
【0014】
予備洗浄水噴射ノズル3は、第1の洗浄槽1内に設けられ、第1の洗浄槽1内に収容された基板に両面から予備洗浄水を噴射する。
排水部4は、一端が第1の洗浄槽1の底に開口する配管であり、予備洗浄水噴射ノズル3により噴射された予備洗浄水を第1の洗浄槽1から外部に排水する。
第1の主洗浄水噴射ノズル5は、第1の洗浄槽1内に設けられ、第1の洗浄槽1内に収容された基板に両面から第1の主洗浄水を噴射する。
【0015】
第1の洗浄水回収部6は、第1の主洗浄水噴射ノズル5から噴射された第1の主洗浄水を回収する配管を有し、回収した第1の主洗浄水を予備洗浄水/第1の主洗浄水タンク7に供給する。さらに、第1の洗浄水回収部6は、第2の主洗浄水タンク11からオーバーフローした第2の主洗浄水を回収するオーバーフロー配管も有し、回収した第2の主洗浄水を予備洗浄水/第1の主洗浄水タンク7に供給する。
【0016】
予備洗浄水/第1の主洗浄水タンク7は、上記第1の洗浄水回収部6によって第1の洗浄槽1から回収された第1の主洗浄水と、第2の主洗浄水タンク11からオーバーフローした第2の主洗浄水とを貯留する容器である。なお、この予備洗浄水/第1の主洗浄水タンク7には、オーバーフローした洗浄水を外部に排水する排水管が設けられている。
【0017】
予備洗浄水/第1の主洗浄水供給ポンプ8は、予備洗浄水/第1の主洗浄水タンク7に貯留された洗浄水を汲み上げて予備洗浄水として予備洗浄水噴射ノズル3に供給するとともに、予備洗浄水/第1の主洗浄水タンク7に貯留された洗浄水を汲み上げて第1の主洗浄水として第1の主洗浄水噴射ノズル5に供給する。
【0018】
第2の主洗浄水噴射ノズル9は、第2の洗浄槽2内に設けられ、第2の洗浄槽2内に収容された基板に両面から第2の主洗浄水を噴射する。
第2の洗浄水回収部10は、第2の主洗浄水噴射ノズル9から噴射された第2の主洗浄水と仕上げ洗浄水噴射ノズル13とから噴射された仕上げ洗浄水とを回収する配管を有し、回収した第2の主洗浄水及び仕上げ洗浄水を第2の主洗浄水タンク11に供給する。さらに、第2の洗浄水回収部10は、仕上げ洗浄水タンク14からオーバーフローした仕上げ洗浄水を回収するオーバーフロー配管も有し、回収した仕上げ洗浄水を第2の主洗浄水タンク11に供給する。
【0019】
第2の主洗浄水タンク11は、第2の洗浄水回収部10によって第2の洗浄槽2から回収された第2の主洗浄水及び仕上げ洗浄水、また仕上げ洗浄水タンク14からオーバーフローした仕上げ洗浄水を貯留する容器である。
第2の主洗浄水ポンプ12は、第2の主洗浄水タンク11に貯留された洗浄水を汲み上げて第2の主洗浄水として第2の主洗浄水噴射ノズル9に供給する。
【0020】
仕上げ洗浄水噴射ノズル13、第1の洗浄槽1内に設けられ、第1の洗浄槽1内に収容された基板に両面から仕上げ洗浄水を噴射する。
仕上げ洗浄水タンク14は、給水部16から給水された仕上げ洗浄水を貯留する容器である。
仕上げ洗浄水供給ポンプ15は、仕上げ洗浄水タンク14に貯留された洗浄水を汲み上げて仕上げ洗浄水として仕上げ洗浄水噴射ノズル13に供給する。
【0021】
給水部16は、制御部19の制御の下、給水弁を開いて仕上げ洗浄水タンク14に給水を行う。
第1の水位計17は、予備洗浄水/第1の主洗浄水タンク7の水位を測定し、予備洗浄水/第1の主洗浄水タンク7の水位が所定水位より高い場合には「ON」を制御部19に通知し、所定水位より低い場合には「OFF」を制御部19に通知する。
第2の水位計18は、仕上げ洗浄水タンク14の水位を測定し、仕上げ洗浄水タンク14の水位が満杯の水位になると「ON」を制御部19に通知し、満杯の水位より低くなると「OFF」を制御部19に通知する。
【0022】
制御部19は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)から構成されており、上記ROMに記憶された制御プログラム、第1の水位計17及び第2の水位計18から入力される通知に基づいて洗浄装置Aの全体動作を制御する。なお、ROMに記憶されている制御プログラムには給水調節プログラムが含まれており、制御部19はこの給水調節プログラムに基づいて給水部16の給水量を調節する。
【0023】
次に、上記構成の洗浄装置Aの動作について図2を参照して説明する。
プリント基板は、専用の基板搬送装置によって所定の工程順に順次搬送されることによって製造される。洗浄装置Aをプリント基板の製造装置の1つとして含む製造設備では、例えばハンガー式の基板搬送装置によって垂直状態かつ上端が支持される状態でスルーホール形成工程後の基板が洗浄装置Aに搬送される。
【0024】
洗浄装置Aでは、基板が第1の洗浄槽1内に搬入され、リフトが下降されると、制御部19は、後述の予備洗浄工程の前に、第1の水位計17の通知(ON/OFF)を確認する。このタイミングで予備洗浄水/第1の主洗浄水タンク7の水位を確認するのは、後述の一連の工程の中で最も水位が安定しているからである。第1の水位計17の確認後、予備洗浄水/第1の主洗浄水供給ポンプ8によって予備洗浄水/第1の主洗浄水タンク7から供給された予備洗浄水を基板に予備洗浄水噴射ノズル3が噴射する予備洗浄工程が、図2に示すタイミングで実行される。
【0025】
予備洗浄工程が完了すると、予備洗浄水/第1の主洗浄水供給ポンプ8によって予備洗浄水/第1の主洗浄水タンク7から供給された第1の洗浄水を基板に第1の主洗浄水噴射ノズル5が噴射する第1の主洗浄工程と、第2の主洗浄水ポンプ12によって第2の主洗浄水タンク11から供給された第2の洗浄水を基板に第2の主洗浄水噴射ノズル9が噴射する第2の主洗浄工程とが、図2に示すタイミングで実行される。そして、第1の主洗浄工程及び第2の主洗浄工程が完了すると、仕上げ洗浄水供給ポンプ15によって仕上げ洗浄水タンク14から供給された仕上げ洗浄水を仕上げ洗浄水噴射ノズル13が基板に噴射する仕上げ洗浄工程が、図2に示すタイミングで実行される。
【0026】
そして、一連の上記洗浄工程(予備洗浄工程、第1の主洗浄工程、第2の主洗浄工程及び仕上げ洗浄工程)が完了すると、制御部19は、給水部16に新たな洗浄水を仕上げ洗浄水タンク14に向けて給水させる。この際、制御部19は、第2の水位計18からの通知を確認し、第2の水位計18の通知が「OFF」から「ON」に切り替わる、すなわち仕上げ洗浄水タンク14が満杯になるまで給水部16に仕上げ洗浄水タンク14に向けて給水させる。
【0027】
さらに、この際、制御部19は、予備洗浄工程の前に確認した第1の水位計17の通知が「ON」の場合、すなわち予備洗浄水/第1の主洗浄水タンク7の水位が所定水位より高い場合には、上述したように第2の水位計18の通知が「OFF」から「ON」に切り替わるまで給水部16に仕上げ洗浄水タンク14に給水させる。
【0028】
また、制御部19は、予備洗浄工程の前に確認した第1の水位計17の通知が「OFF」の場合、すなわち予備洗浄水/第1の主洗浄水タンク7の水位が所定水位より低い場合には、図2に示すように、第2の水位計18の通知が「ON」に切り替わる、すなわち第2の仕上げ洗浄水タンク14が満杯になっても、図2に示すように、所定水量をさらに給水部16に仕上げ洗浄水タンク14に向けて給水させる。上記所定水量とは、予備洗浄水/第1の主洗浄水タンク7が満杯、すなわち予備洗浄水/第1の主洗浄水タンク7の水位が所定水位より高くなる水量である。なお、図2に示す斜線部は、所定水量を供給する時間を示している。
【0029】
そして、上記所定水量の洗浄水は、仕上げ洗浄水タンク14からオーバーフローして、第2の洗浄水回収部10により第2の主洗浄水タンク11に供給される。さらに、この時点で第2の主洗浄水タンク11も満杯であるので、所定水量の洗浄水は、第2の主洗浄水タンク11からオーバーフローして、第1の洗浄水回収部6により予備洗浄水/第1の主洗浄水タンク7に供給される。予備洗浄水/第1の主洗浄水タンク7は、所定水量の洗浄水が供給されると、満杯になる。これにより、再び一連の上記洗浄工程が実行される前に、予備洗浄水/第1の主洗浄水タンク7、第2の主洗浄水タンク及び仕上げ洗浄水タンクは、十分な量の洗浄水が貯留された状態になる。
【0030】
このように、予備洗浄水/第1の主洗浄水タンク7の水位が所定水位より低くなるのは、予備洗浄工程において必ず予備洗浄が排水されるからである。排水により、予備洗浄水/第1の主洗浄水タンク7の洗浄水が減少するが、1回の排水では、予備洗浄水/第1の主洗浄水タンク7の水位が所定水位より低くなることはなく、複数回の排水、すなわち一連の洗浄工程が複数回実行されると、予備洗浄水/第1の主洗浄水タンク7の水位が所定水位より低くなる。このため、洗浄装置Aでは、第1の水位計から「OFF」が制御部19に通知され、制御部19は、第2の仕上げ洗浄水タンク14が満杯になっても、所定水量をさらに給水部16に仕上げ洗浄水タンク14に向けて給水させる。
【0031】
以上のように、本実施形態に係る洗浄装置Aでは、制御部19が、給水部16による給水時に、第1の水位計17の測定結果に基づいて予備洗浄水/第1の主洗浄水タンク7内の水位が所定水位より低いと認識した場合に、第2の水位計に基づいて仕上げ洗浄水タンク14が満杯になったと認識しても、仕上げ洗浄水タンク14の水位が所定水位より高くなる所定水量を給水部16に給水させる。従来のものでは、排水量よりも少し多い量を給水することにより予備洗浄水/第1の主洗浄水タンクの水位を所定水位にしていが、洗浄装置Aでは、第1の水位計17の測定結果に基づいて予備洗浄水/第1の主洗浄水タンク7に供給するべき水量がわかるので、過不足のない水量を供給して、予備洗浄水/第1の主洗浄水タンクの水位を所定水位より高くすることができる。このため、水量不足にならず、かつ無駄な水をなくすことができる。
【0032】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、例えば以下のような変形が考えられる。
(1)上記実施形態では、第1の洗浄槽1と第2の洗浄槽2とからなる2槽式に構成したが、本発明はこれに限定されない。1槽式に構成し、1つの洗浄槽で予備洗浄、主洗浄及び仕上洗浄を行うようにしても良い。
【0033】
(2)上記実施形態は、スルーホール形成工程後の洗浄工程に使用する洗浄装置に本発明を適用したものであるが、本発明はこれに限定されない。スルーホール形成工程後の洗浄工程だけでなく、基板に付着している切り粉や埃等を洗浄するための一般的な洗浄装置に本発明を適用するようにしてもよい。また、プリント基板以外の洗浄対象物を洗浄する洗浄装置にも本発明を適用するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0034】
A…洗浄装置、1…第1の洗浄槽、2…第2の洗浄槽、3…予備洗浄水噴射ノズル、4…排水部、5…第1の主洗浄水噴射ノズル、6…第1の洗浄水回収部、7…予備洗浄水/第1の主洗浄水タンク、8…予備洗浄水/第1の主洗浄水供給ポンプ、9…第2の主洗浄水噴射ノズル、10…第2の洗浄水回収部、11…第2の主洗浄水タンク、12…第2の主洗浄水ポンプ、13…仕上げ洗浄水噴射ノズル、14…仕上げ洗浄水タンク、15…仕上げ洗浄水供給ポンプ、16…給水部、17…第1の水位計、18…第2の水位計、19…制御部




【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄槽と、
前記洗浄槽の内部に向かって第1の洗浄水を噴射する第1の洗浄水噴射手段と、
前記第1の洗浄水噴射手段により噴射された第1の洗浄水を前記洗浄槽から排水する排水手段と、
前記洗浄槽の内部に向かって第2の洗浄水を噴射する第2の洗浄水噴射手段と、
前記第1の洗浄水を貯留する第1の洗浄水タンクと、
前記第2の洗浄水を貯留する第2の洗浄水タンクと、
前記第2の洗浄水タンクに給水する給水手段と、
前記給水手段の給水により前記第2の洗浄水タンクからオーバフローした前記第2の洗浄水と、前記第2の洗浄水噴射手段により噴射された第2の洗浄水とを回収し、当該第2の洗浄水を第1の洗浄水タンクに給水する回収手段と、
前記第1の洗浄水タンクから前記第1の洗浄水を前記第1の洗浄水噴射手段に供給する第1の洗浄水供給手段と、
前記第2の洗浄水タンクから前記第2の洗浄水を前記第2の洗浄水噴射手段に供給する第2の洗浄水供給手段と、
前記第1の洗浄水タンクの水位を測定する第1の水位計と、
前記第2の洗浄水タンクの水位を測定する第2の水位計と、
前記給水手段による給水時に、前記第1の水位計の測定結果に基づいて前記第1の洗浄水タンク内の水位が所定水位より低いと認識した場合に、前記第2の水位計に基づいて第2の洗浄水タンクが満杯になったと認識しても、前記第1の洗浄水タンクの水位が前記所定水位より高くなる所定水量をさらに前記給水手段に給水させる制御手段とを具備することを特徴とする洗浄装置。
【請求項2】
前記第1の洗浄水は、予備洗浄水であり、
前記第2の洗浄水は、仕上げ洗浄水であり、
第1の洗浄水タンクは、前記予備洗浄水とともに主洗浄水を貯留し、
前記洗浄槽の内部に向かって前記主洗浄水を噴射する主洗浄水噴射手段と、
前記第1の洗浄水タンクから前記主洗浄水を前記主洗浄水噴射手段に供給する主洗浄水供給手段とを具備することを特徴とする洗浄装置。
【請求項3】
前記洗浄槽は、第1の洗浄槽と、第2の洗浄槽とから構成されており、
前記第1の洗浄水噴射手段は、前記第1の洗浄槽の内部に向かって前記第1の洗浄水を噴射し、
前記第2の洗浄水噴射手段は、第2の洗浄槽の内部に向かって前記第2の洗浄水を噴射することを特徴とする請求項1または2に記載の洗浄装置。




【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−230097(P2011−230097A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−105370(P2010−105370)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(000232357)横河電子機器株式会社 (109)
【Fターム(参考)】