説明

活性成分として、アセチルサリチル酸と一緒にプロトンポンプ阻害剤を含む経口医薬剤形

本発明は、アセチルサリチル酸の使用に関連した消化管の合併症を予防及び/又は減少させるために使用する経口製剤に関する。本発明の製剤は、アセチルサリチル酸と混合してプロトンポンプ阻害剤を含む多剤混合経口剤形を含んでいる。さらに本発明は、その製造方法及び医療でのその使用に関する。本発明はまた、血栓閉塞性血管事象、例えば心筋梗塞若しくは脳卒中を予防し、そしてアセチルサリチル酸の使用に関連した消化管の合併症を予防及び/又は減少する薬剤として使用するための、エソメプラゾール若しくはそのアルカリ塩又はこれらのうちのいずれか1つの水和物形態及びアセチルサリチル酸を含む特定の混合物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アセチルサリチル酸治療に関連した消化管の合併症を予防及び/又は減少させるために使用する経口製剤に関する。本発明の製剤は、アセチルサリチル酸(本明細書では以下ASAともいう)又はその誘導体と混合して、プロトンポンプ阻害剤(本明細書では以下PPI(すなわちプロトンポンプ阻害剤)ともいう)を含む多剤混合経口剤形を含んでいる。さらに本発明は、その製造方法及び医療でのその使用に関する。
【0002】
本発明はまた、高齢者人口において増大しているリスクである血栓閉塞性血管事象、例えば心筋梗塞若しくは脳卒中を予防し、そしてさらにアセチルサリチル酸(ASA)処置に関連した消化管の合併症を予防及び/又は減少する薬剤として使用するための、エソメプラゾール(esomeprazole)若しくはそのアルカリ塩又はこれらのうちのいずれか1つの水和物形態を含む別々の物理ユニット及びASA又はその誘導体を含む1つ又はそれ以上の他の別々の物理ユニットの群を含む、エソメプラゾール若しくはそのアルカリ塩又はこれらのうちのいずれか1つの水和物形態及びアセチルサリチル酸を経口の多剤混合薬剤形で含む特定の混合物に関する。
【背景技術】
【0003】
アセチルサリチル酸(ASA)は、世界中で最も一般に処方され、そして使用される薬物のうちの1つである。血栓閉塞性血管事象、例えば心筋梗塞又は脳卒中の予防にASAを使用することは、「Collaborative overwiev of randomised trials of antiplatelet therapy Prevention of death, myocardial infarction, and stroke by prolonged antiplatelet therapy in various categories of patients.」[British Medical Journal 1994、308、81−106頁、Antiplatelets triallists collaboration]に記載されている。治療的有用性にもかかわらず、その使用は、消化管の副作用、主に上部消化管の副作用、例えば胃潰瘍及び消化不良症状のリスクが増大することによってしばしば限定される。潰瘍合併症、例えば胃又は十二指腸からの出血を発現する相対リスクは、研究されたすべてのASAの用量により増大される。消化性潰瘍は、常に消化性潰瘍出血に先行する。75mgと低い日用量でさえも、このリスクを倍増させる(Weilら、BMJ 1995:310;827−830)。イギリスの疫学データは、薬の副作用が原因での入院の18%は、ASAによって引き起こされることを示している(Pirmohamedら、BMJ 2004:329;15−19)。従って、ASAによって引き起こされる消化管の副作用を回避する治療が必要とされるのである。
【0004】
連続処置が必要な患者のASAに関連した上部消化管の副作用、例えば潰瘍及び消化不良症状を治癒及び予防する問題に対する最も有望な解決策は、ASAでの処置と、ASAに関連した消化管の副作用の治癒及び/又は予防として承認される抗潰瘍薬、例えばプロスタグランジンアナログ、H2−受容体アンタゴニスト又はプロトンポンプ阻害剤とを組み合わせることである。
【0005】
SimonらによるArzneimittel−Forschung、1995、第45巻、第6号、701−3頁の「Schutzwirkung von Omeprazol gegenueber niedrig dosierter Acetylsalicylsaeure」は、ASAで治療されている患者にオメプラゾールを同時に投与すると、ASAによって誘発される胃十二指腸病変が減少することが見出されたと報告している。
【0006】
MuellerらによるArzneimittel−Forschung、1997、第47巻、第6号、758−60頁の「Untersuchungen zur Schutzwirkung von Lanzoprazol auf die menschlische Magenschleimhaut gegenueber niedrig dosierter Acetylsalicylsaeure」において、ASAで治療されている患者にランソプラゾール又はラニチジンのいずれかを同時に投与すると、ASAによって引き起こされる粘膜の損傷が減少することが見出されたと報告された。
【0007】
ASAに関連した上部消化管の副作用及び合併症を発現する認められたリスクファクターは、例えば高齢、以前の消化性潰瘍及び/又は出血、高用量のASA、他の抗血栓薬、抗凝固薬又は非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)との同時治療である。これは、例えば出血又は穿孔のような合併症に不都合に耐えている脆弱かつ高齢の患者が、ASA処置と一緒に予防処置も受けるべきであることを意味している。
【0008】
このことは、例えばA.LanasによるDigestive and Liver Disease、2004、36、655−7頁において提唱されている。
【0009】
低用量のASAは、血栓閉塞性血管事象、例えば心筋梗塞又は脳卒中の予防に主に使用されており、このリスクは、高齢者人口において増大している。処置に対するコンプライアンスは、高齢及び脆弱な患者において特に重要であり、このような患者は、ASA処置に対して致命的な合併症、例えば出血又は穿孔を発現するリスクが最も高いのである。コンプライアンスの重要性は、ASA処置に関連した消化性潰瘍が、しばしば発症するまで無症候性であるという知見によってさらに支持されている。
【0010】
ASA及びプロトンポンプ阻害剤を含む提唱された治療において、異なる活性物質は、「Clopidogrel versus Aspirin and Esomprazole to prevent recurrent bleeding」、New England Journal of Medicine、2005、352、238−44頁に示されるように、しばしば別々に投与される。患者のコンプライアンスが、良好な治療効果を受ける点での主な要因であることは周知である。従って、患者に2つ又はそれ以上もの異なる錠剤/カプセルを投与することは、最も望ましい効果を得るのに好都合でも十分でもないのである。
【0011】
US 2005/0227949 A1において、NSAIDとヒスタミンH2−受容体アンタゴニストとを組み合わせることは、ウイルス感染及び細菌感染に対する有効な処置であることが示されている。特に好ましいH2−ヒスタミン受容体アンタゴニストとしては、オメプラゾール及びエソメプラゾールが挙げられる。この化合物を含むキットが、とりわけ特許請求されている。多剤混合ユニットの剤形は開示されていない。
【0012】
WO 97/25064は、酸感受性プロトンポンプ阻害剤及び1つ又はそれ以上のNSAIDを多剤混合製剤形態で含み、プロトンポンプ阻害剤が腸溶コーティング層で保護される経口医薬剤形を記載している。この多剤混合製剤形態は、腸溶コーティング成層錠剤、カプセル又はマルチプルユニット(multiple unit)の錠剤化剤形の形態にある。マルチプルユニットの剤形が最も好ましい。
【0013】
いくつかのプロトンポンプ阻害剤は、酸反応媒体及び中性媒体中で分解しやすい。安定性の特性に関して、活性物質のうちの1つが酸感受性プロトンポンプ阻害剤であるとき、腸溶コーティング層によって酸性胃液との接触から保護されなければならないことは明らかである。従来技術に記載される異なる腸溶コーティング成層プロトンポンプ阻害剤の製剤が存在している。例えば、オメプラゾールを含むものであるUS−A 4,786,505(AB Haessle)を参照のこと。
【0014】
US 2002/0155153 A1は、1つの選択肢として、1を超える薬学的に活性な化合物で満たされたカプセルであり得る多剤混合ユニット剤形を開示している。この活性化合物は、好ましくは、1つ又はそれ以上のNSAIDと組み合わせた酸感受性プロトンポンプ阻害剤であり、ここで少なくともこのプロトンポンプ阻害剤は、腸溶コーティング層で保護されている。
【0015】
US 2003/0069255 A1、現在の米国特許第6,926,907号は、胃内のpHを能動的に上昇させる因子と、協調様式で放出されるように特別に配合されたNSAIDと組み合わせた単一の協調的なユニット量生成物を開示している。図は、NSAIDが腸溶コーティング内部に位置し、一方胃内pHを能動的に上昇させる因子が、腸溶コーティングの外部/上に位置することを示している。
【0016】
US 6,554,556 B1は、NSAIDの持続放出錠剤、及びプロトンポンプ阻害剤と腸溶コーティングとの間に別々の層を加えずに調製された腸溶コーティングしたプロトンポンプ阻害剤とを含む固体の経口剤形に関する発明を示している。
【0017】
US 2002/0051814 A1、現在の米国特許第7,029,701 B2号は、同じコアに含まれるオメプラゾール及びアスピリン、並びにこのコアの周囲にさらに数種類のコーティングを有する製剤形態に関する。
【0018】
FR 2845917は、テナトプラゾール及びNSAID又はCOX−2阻害剤を含む薬学的混合物に関する。
【0019】
別の特許出願US 2004/0121004 A1は、NSAID、プロトンポンプ阻害剤及び緩衝液の多剤混合ユニット剤形を示している。この剤形は、腸溶コーティングされないものである。
【0020】
腸溶コーティングされない多剤混合ユニット剤形を開示するさらなる特許出願は、US 2005/0147675 A1である。この参考文献は、ASA及びエソメプラゾールを含む速溶性錠剤を開示している。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、アセチルサリチル酸と一緒にプロトンポンプ阻害剤、及び場合により薬学的に受容可能な賦形剤を含む経口医薬剤形であって、この剤形が、プロトンポンプ阻害剤を含む別々の物理ユニット及びアセチルサリチル酸又はその誘導体を含む1つ又はそれ以上の他の別々の物理ユニットの群を含む経口の多剤混合薬剤形の形態であることを特徴とするものに関する。
【0022】
本発明において、この剤形は、カプセル製剤形態、マルチプルユニットの錠剤製剤形態又はサシェ製剤形態であり、これは、薬剤投与計画を単純化し、そして患者のコンプライアンスを改善することになり、そしてまた長期保存の間にも活性物質に対する良好な安定性を与えるものである。
【0023】
本発明の剤形は、特に、高齢者人口において増大しているリスクである血栓閉塞性血管事象、例えば心筋梗塞若しくは脳卒中を予防し、そしてさらにアセチルサリチル酸(ASA)処置に関連した消化管の合併症を予防及び/又は減少させるために使用するのに好適である。
【0024】
発明の実施態様
本発明の第一の実施態様は、活性成分として、アセチルサリチル酸(ASA)又はその誘導体と一緒に酸感受性プロトンポンプ阻害剤(PPI)、及び場合により薬学的に受容可能な賦形剤を含む経口医薬剤形であって、この剤形が、酸感受性プロトンポンプ阻害剤を含む別々の物理ユニット及びアセチルサリチル酸又はその誘導体を含む1つ又はそれ以上の他の別々の物理ユニットの群を含む経口の多剤混合薬剤形の形態であることを特徴とするものであり、そして少なくともこのプロトンポンプ阻害剤が、腸溶コーティング層によって保護されるものである経口医薬剤形に関する。
【0025】
本発明の第二の実施態様において、この経口医薬剤形は、アセチルサリチル酸と一緒に酸感受性プロトンポンプ阻害剤、及び場合により薬学的に受容可能な賦形剤を含むものであって、この剤形が、酸感受性プロトンポンプ阻害剤を含む別々の物理ユニット及びアセチルサリチル酸又はその誘導体を含む1つ又はそれ以上の他の別々の物理ユニットの群を含む経口の多剤混合薬剤形の形態であることを特徴とするものであり、そしてプロトンポンプ阻害剤が、腸溶コーティング層によって保護され、そしてアセチルサリチル酸又はその誘導体が、腸溶コーティングされていないものである。
【0026】
本発明の第三の実施態様において、この経口医薬剤形は、アセチルサリチル酸又はその誘導体と一緒に酸感受性プロトンポンプ阻害剤、及び場合により薬学的に受容可能な賦形剤を含むものであって、この剤形が、酸感受性プロトンポンプ阻害剤を含む別々の物理ユニット及びアセチルサリチル酸又はその誘導体を含む1つ又はそれ以上の他の別々の物理ユニットの群を含む経口の多剤混合薬剤形の形態であることを特徴とするものであり、そしてプロトンポンプ阻害剤が、腸溶コーティング層によって保護され、そしてアセチルサリチル酸又はその誘導体が、腸溶コーティングされてなく、そしてさらに即効型放出形態で存在するものである。
【0027】
本発明の第四の実施態様は、アセチルサリチル酸又はその誘導体と一緒に酸感受性プロトンポンプ阻害剤、及び場合により薬学的に受容可能な賦形剤を含む経口医薬剤形であって、この剤形が、酸感受性プロトンポンプ阻害剤を含む別々の物理ユニット及びアセチルサリチル酸又はその誘導体を含む1つ又はそれ以上の他の別々の物理ユニットの群を含む経口の多剤混合薬剤形の形態であることを特徴とするものであり、そしてプロトンポンプ阻害剤を含むユニットが、腸溶コーティング層によって保護され、そしてアセチルサリチル酸又はその誘導体を含むユニットが、錠剤に圧縮され、そしてさらに腸溶コーティングされていないものである経口医薬剤形に関する。
【0028】
本発明の第五の実施態様は、アセチルサリチル酸又はその誘導体と一緒に酸感受性プロトンポンプ阻害剤、及び場合により薬学的に受容可能な賦形剤を含む経口医薬剤形であって、この剤形が、酸感受性プロトンポンプ阻害剤を含む別々の物理ユニット及びアセチルサリチル酸又はその誘導体を含む1つ又はそれ以上の他の別々の物理ユニットの群を含む経口の多剤混合薬剤形の形態であることを特徴とするものであり、そしてプロトンポンプ阻害剤を含むユニットが、腸溶コーティング層によって保護され、そしてアセチルサリチル酸又はその誘導体を含むユニットが、プラグに穏やかに圧縮され、そしてさらに腸溶コーティングされていないものである経口医薬剤形に関する。ASAを穏やかに圧縮することは、その安定性及び溶解速度にとって有益である。
【0029】
本発明の一つの特別な実施態様において、穏やかに圧縮されたASAのプラグは、2000年1月1日から公認の米国薬局方24において錠剤と判定された脆砕性を有するものであり、2%〜50%(w/w)、好ましくは2%〜30%(w/w)及びより好ましくは2〜10%(w/w)の範囲である。
【0030】
本発明の別の特別な実施態様において、穏やかに圧縮されたASAのプラグは、2000年1月1日から公認の米国薬局方24において錠剤と判定された脆砕性を有するものであり、4%〜50%(w/w)、好ましくは4%〜30%(w/w)及びより好ましくは4〜10%(w/w)の範囲である。
【0031】
本発明のさらなる特別な実施態様において、穏やかに圧縮されたASAのプラグは、2000年1月1日から公認の米国薬局方24において錠剤と判定された脆砕性を有するものであり、6%〜50%(w/w)、好ましくは6%〜30%(w/w)及びより好ましくは6〜10%(w/w)の範囲である。
【0032】
使用される用語;
コーティングの出発物質として使用される場合の物理ユニットはまた、「コア」又は「コア物質」ともいわれる。
【0033】
本発明で使用される用語「剤形」(dosage form)は、カプセル剤、錠剤、「マルチプルユニットの錠剤」(22頁を参照のこと)又はサシェ剤に限定される。
【0034】
従って、本発明の用語「多剤混合薬剤形」(fixed combination dosage form)は、PPI及びASAそれぞれの別々の剤形を含むブリスター包装装置、例えば一緒に包装された酸感受性プロトンポンプ阻害剤を含む一つのカプセル又は錠剤、及びアセチルサリチル酸を含む別のカプセル又は錠剤を除くものである。このことは、本発明の剤形をブリスター包装のカートリッジに充填することを企図することを排除するものではない。
【0035】
本明細書で使用される用語「ユニット」は、「ペレット」、「顆粒」、「ビーズ」、「穏やかに圧縮されたプラグ」及び「錠剤」を含むことが意図される。
【0036】
用語「錠剤」は、標準的なすべての圧縮錠剤を意味しており、これはまた、2000年1月1日から公認の米国薬局方24において錠剤と判定され、そして必要とされる1%(w/w)未満である脆砕性に関する必要条件を満たすものである。
【0037】
用語「穏やかに圧縮されたプラグ」は、2000年1月1日から公認の米国薬局方24の錠剤の脆砕性の必要条件を満たすに十分圧縮されていない例えば錠剤のようなユニット形態に圧縮されている物質を考慮に入れている。この穏やかに圧縮されたプラグは、2000年1月1日から公認の米国薬局方24に従って錠剤と判定された脆砕性を有しており、2%(w/w)以上である。特別な実施態様において、この脆砕性は、2%(w/w)又はそれ以上であり得る範囲である。
【0038】
本明細書で使用される用語「消化管の合併症」は、胃又は十二指腸の潰瘍、この潰瘍に対する合併症、例えば出血、穿孔及び/又は閉塞、並びに消化不良症状、例えば上腹部の痛み及び/又は不快感を含むことが意図される。
【0039】
本明細書で使用される用語「予防」はまた、「消化管の合併症」の抑制も含む。本明細書で使用される用語「減少」は、「消化管の合併症」のリスクを減少させることも含むことが意図される。
【0040】
本明細書で使用される用語「ASA」は、アセチルサリチル酸の略語である。
【0041】
本明細書で使用される用語「PPI」は、プロトンポンプ阻害剤の略語であり、従ってエソメプラゾール若しくはそのアルカリ塩又はこれらのうちのいずれか1つの水和物形態、及びオメプラゾール若しくはそのアルカリ塩又はこれらのうちのいずれか1つの水和物形態を包含するものである。
【0042】
本明細書で使用される表現「低用量のアセチルサリチル酸」又は「低用量ASA」は、一実施態様において、10mg〜500mgの範囲のASA用量として定義されるものである。別の実施態様において、これは、25mg〜450mgの範囲のASA用量として定義されるものである。さらなる実施態様において、これは、60mg〜350mgの範囲のASA用量として定義されるものである。
【0043】
活性成分;
本発明に好適な酸感受性プロトンポンプ阻害剤は、H++−ATPアーゼ阻害剤であり、これは次から選択されるものである:
【化1】

【0044】
【化2】

【0045】
本発明の剤形に使用される酸感受性プロトンポンプ阻害剤は、その中性形態又は薬学的に受容可能な塩、例えばそのMg2+塩、Ca2+塩、Na+塩、K+塩、Li+塩若しくはTBA(tert−ブチルアンモニウム)塩のうちのいずれか1つから選択されるアルカリ塩の形態で使用され得る。さらに、与えられる化学式又は名称は、このような異性体及び鏡像異性体が存在する場合にはそのすべての立体異性体及び光学異性体並びにラセミ化合物、並びに異なる比率の別々の鏡像異性体の混合物、並びにその薬学的に受容可能な塩及びその溶媒和物、例えば水和物を包含するべきである。上記で列挙される化合物はまた、その互変異性形態で使用され得る。上記で列挙される化合物の生物学的機能を有するこの列挙される化合物の誘導体、例えばプロドラッグがまた、本発明に含まれる。
【0046】
プロトンポンプ阻害剤は、例えば、EP−A1−0005129、EP−A1−174 726、EP−A1−166 287、GB 2 163 747並びにWO90/06925、WO91/19711、WO91/19712、WO95/01977、WO98/54171及びWO94/27988に開示されている。
【0047】
アセチルサリチル酸(ASA)は、その遊離酸形態、その誘導体又は本発明の範囲を限定しないすべての他の可能な形態(例えばアセチルサリチル酸アミド若しくはアセチルサリチル酸複合体)から選択され得るものである。
【0048】
本発明のさらなる特別な実施態様において、アセチルサリチル酸は、その遊離酸形態で存在する。本発明の別のさらなる特別な実施態様において、アセチルサリチル酸は、アセチルサリチル酸アミド若しくはアセチルサリチル酸複合体、例えばシクロデキストリン複合体として存在する。
【0049】
ASAの異なる実施態様のいずれかは、本発明の経口医薬剤形の上記の実施態様のいずれかと組み合わせられ得る。
【0050】
本発明の一実施態様に従って、酸感受性PPIは、オメプラゾール若しくはそのアルカリ塩であるか、又は酸感受性PPIは、エソメプラゾール、そのアルカリ塩若しくはそれらのうちのいずれか1つの水和物形態である。
【0051】
本発明の別の実施態様に従って、酸感受性PPIは、オメプラゾール又はそのアルカリ塩である。
【0052】
本発明のなお別の実施態様に従って、酸感受性PPIは、エソメプラゾール、そのアルカリ塩又はそれらのうちのいずれか1つの水和物形態である。
【0053】
本発明のさらなる実施態様に従って、酸感受性PPIは、ランソプラゾール若しくはその薬学的に受容可能な塩又はそれらのどちらか1つの単一の鏡像異性体である。
【0054】
本発明の別の実施態様において、酸感受性PPIは、パントプラゾール若しくはその薬学的に受容可能な塩又はそれらのどちらか1つの単一の鏡像異性体である。
【0055】
本発明のなお別の実施態様において、酸感受性PPIは、ラベプラゾール(rabeprazole)若しくはその薬学的に受容可能な塩又はそれらのどちらか1つの単一の鏡像異性体である。
【0056】
本発明のさらなる実施態様において、酸感受性PPIは、イラプラゾール(ilaprazole)若しくはその薬学的に受容可能な塩又はそれらのどちらか1つの単一の鏡像異性体である。
【0057】
本発明のなおさらなる実施態様において、酸感受性PPIは、テナトプラゾール若しくはその薬学的に受容可能な塩又はそれらのどちらか1つの単一の鏡像異性体である。
【0058】
酸感受性PPIの異なる実施態様のいずれかは、本発明の経口医薬剤形の上記の実施態様のいずれかの上記のASAの実施態様のいずれかと組み合わせられ得る。
【0059】
経口医薬剤形の上記の実施態様のいずれかに包含されると特に予想される活性成分の混合物は、エソメプラゾール、そのアルカリ塩又はそれらのうちのいずれか1つの水和物形態であり、そしてアセチルサリチル酸は、その遊離酸形態で存在している。
【0060】
経口医薬剤形の上記の実施態様のいずれかに包含されると特に予想される別の活性成分の混合物は、オメプラゾール、そのアルカリ塩又はそれらのうちのいずれか1つの水和物形態であり、そしてアセチルサリチル酸は、その遊離酸形態で存在している。
【0061】
コア物質
個々の腸溶コーティング層状ユニットのコア物質は、異なる原理に従って構成され得る。場合によりアルカリ性物質と混合されるプロトンポンプ阻害剤で層状化されるシードが、さらなるプロセシングについてのコア物質として使用され得る。
【0062】
プロトンポンプ阻害剤と共に層状化されるシードは、異なる酸化物、セルロース、有機ポリマー及び他の物質を単独又は混合して含む水不溶性のシードであり得る。このシードはまた、異なる無機塩、糖、ノンパレイユ及び他の物質を単独又は混合して含む水溶性のシードであり得る。さらにこのシードは、プロトンポンプ阻害剤を、結晶、凝集物、圧縮体などの形態で含み得る。シードの大きさは、本発明に必須ではないが、およそ0.1mm〜2mmまで異なり得る。本発明の好ましい実施態様において、シードの平均直径は、0.1mm〜1.0mmまでである。プロトンポンプ阻害剤と共に層状化されるシードは、粉末又は溶液/懸濁液のいずれかの積層によって生成される。顆粒化又は溶射積層機器が使用され得る。
【0063】
シードが層状化される前に、プロトンポンプ阻害剤は、さらなる構成成分と混合され得る。このような構成成分は、単独又は混合された結合剤、界面活性剤、増量剤、崩壊剤、アルカリ性添加物及び/又は他の薬学的に受容可能な成分であり得る。結合剤は、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン(PVP)のようなポリマー、若しくは糖、デンプン又は粘着性を有する他の薬学的に受容可能な物質である。好適な界面活性剤は、薬学的に受容可能な非イオン性又はイオン性の界面活性剤群において見出されるものであり、例えばラウリル硫酸ナトリウムである。
【0064】
あるいは、場合によりアルカリ性物質及びさらに好適な成分と混合されるプロトンポンプ阻害剤が、コア物質に配合され得る。慣用のプロセス装置を利用した押出し/球形化、球状化又は圧縮により、このコア物質を製造することができる。配合されたコア物質の大きさは、本発明の一実施態様において、直径およそ0.1mm〜4mmであり、そして本発明の別の実施態様において、直径0.1mm〜2mmである。この製造されたコア物質はさらに、プロトンポンプ阻害剤を含むさらなる成分で層状化され得るものであり、そして/又はさらなるプロセシングについて使用され得る。
【0065】
プロトンポンプ阻害剤は、好適な取扱い及びプロセシング性を得るため、そして最終製剤中でプロトンポンプ阻害剤の好適な濃度を得るために薬学的成分と混合される。増量剤、結合剤、潤滑剤、崩壊剤、界面活性剤及び他の薬学的に受容可能な添加剤のような薬学的成分が使用され得る。
【0066】
さらに、プロトンポンプ阻害剤はまた、アルカリ性の薬学的に受容可能な物質と混合され得る。このような物質は、リン酸、炭酸、クエン酸又は他の適当な弱い無機酸又は有機酸のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩及びアルミニウム塩のような物質;水酸化アルミニウム/炭酸水素ナトリウムの共沈物;通常制酸剤に使用される物質、例えば水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウム;酸化マグネシウム又は複合物質、例えばAl23・6MgO・CO2・12H2O、(Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O)、MgO・Al23・2SiO2・nH2O又は類似の化合物;有機pH緩衝物質、例えばトリヒドロキシメチルアミノメタン、塩基性アミノ酸及びそれらの塩又は他の類似の薬学的に受容可能なpH緩衝物質の中から選択され得るがこれらに限定されない。
【0067】
あるいは、上述のコア物質は、噴霧乾燥技術又は噴霧凝固技術を用いることによって調製され得る。
【0068】
腸溶コーティング層
個々のユニットの形態のコア物質上に腸溶コーティング層を加える前に、このユニットは、場合によりアルカリ性化合物、例えばpH緩衝化合物を含む薬学的賦形剤を含む1つ又はそれ以上の分離層で場合により覆われ得る。この/これらの分離層は、コア物質と、腸溶コーティング層である外層とを分離する。プロトンポンプ阻害剤のコア物質を保護するこの/これらの分離層は、水溶性であるか又は水中で迅速に崩壊するべきである。
【0069】
分離層は、コーティングプロセスのための水及び/又は有機溶媒を用いて、好適な機器、例えばコーティングパン、コーティンググラニュレーター又は流動床装置におけるコーティング又は成層手順によってコア物質に加えられ得る。別法として、分離層は、粉末コーティング技術を用いることによってコア物質に加えられ得る。分離層のための物質は、糖、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、腸溶コーティングポリマーの水溶性塩及び他の物質のうちのいずれか1つから選択される薬学的に受容可能な化合物であり、単独又は混合して使用される。添加剤、例えば可塑剤、着色剤、顔料、増量剤、粘着防止剤及び帯電防止剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、二酸化チタン、タルク)並びに他の添加剤がまた、この分離層に包含され得る。
【0070】
任意の分離層がコア物質に加えられると、様々な厚さを構成することができる。分離層の最大の厚さは、通常はプロセシング条件によってのみ限定される。分離層は、拡散隔壁として役立ち得るものであり、そしてまた、pH緩衝ゾーンとして作用し得るものである。分離層のこのpH緩衝性質は、通常制酸製剤形態において使用される化合物群、例えば酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム若しくは炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸アルミニウム若しくはケイ酸アルミニウム又は水酸化カルシウム、炭酸カルシウム若しくはケイ酸カルシウム;複合アルミニウム/マグネシウム化合物、例えばAl23・6MgO・CO2・12H2O、(Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O)、MgO・Al23・2SiO2・nH2O、水酸化アルミニウム/炭酸水素ナトリウム共沈物若しくは類似の化合物;又は他の薬学的に受容可能なpH緩衝化合物、例えばリン酸、炭酸、クエン酸又は他の適当な弱い無機酸若しくは有機酸のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩及びアルミニウム塩;又は塩基性アミノ酸及びその塩を含む適当な有機塩基から選択される物質をこの層に導入することによってさらに強化され得る。層の厚さを増大し、それによって拡散隔壁を強化するために、タルク又は他の化合物がまた添加され得る。任意に加えられる分離層は、本発明に必須ではない。しかしこの分離層は、活性物質の化学安定性及び/又は特許請求される経口の多剤混合剤形(fixed dosage form)の物理的性質を改善し得るものである。
【0071】
あるいはこの分離層は、コア物質上に加えられる腸溶コーティングポリマー層とコア物質内のアルカリ反応性化合物との間の反応によってその場で形成され得る。従って、形成される分離層は、腸溶コーティング層ポリマーとアルカリ反応性化合物との間で形成される水溶性塩を含んでおり、これはこの位置で塩を形成するものである。
【0072】
1つ又はそれ以上の腸溶コーティング層は、適当なコーティング技術を用いて、コア物質上又は分離層で覆われたコア物質上に加えられる。この腸溶コーティング層の物質は、水若しくは好適な有機溶媒又は適用できる場合に水及び溶媒の適当な混合物のいずれかに分散又は溶解され得るものであり、例えば一定の割合の水及びエタノールは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートの溶解に使用され得る。腸溶コーティング層ポリマーとして、次に挙げるものの1つ又はそれ以上を別々又は混合して使用することができ、これは例えば、メタクリル酸コポリマー、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、ポリビニルアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメリテート、カルボキシメチルエチルセルロース、シェラック又は他の適当な腸溶コーティングポリマーの溶液又は分散液である。
【0073】
腸溶コーティング層は、所望の機械的性質、例えば腸溶コーティング層の柔軟性及び硬度を得るために、薬学的に受容可能な可塑剤を含むことができる。このような可塑剤は、例えば、トリアセチン、クエン酸エステル、フタル酸エステル、セバシン酸ジブチル、セチルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリソルベート又は他の可塑剤から選択されるものである。
【0074】
可塑剤の量は、腸溶コーティング層の機械的性質、すなわち柔軟性及び硬度が所望の必要条件を満たすように、選択される腸溶コーティング層ポリマー、選択される可塑剤及びこのポリマーの施用量に関して、各腸溶コーティング層の配合が最適化される。可塑剤の量は、通常腸溶コーティング層ポリマーの10質量%を超える量、又は15〜50%、あるいは20〜50%である。添加剤、例えば分散剤、着色剤、顔料ポリマー、例えばポリ(エチルアクリレート(ethylacrylat)、メチルメタクリレート(methylmethacrylat))、粘着防止剤及び消泡剤がまた、腸溶コーティング層に包含され得る。皮膜の厚さを増大するため、そして酸性胃液が酸感受性物質へ拡散することを減少するために、他の化合物が添加され得る。酸感受性物質であるプロトンポンプ阻害剤を保護するために、そして本発明に従った剤形の受容可能な耐酸性を得るために、腸溶コーティング層は、少なくともおよそ10μm又は20μm以上の厚さを構成している。加えられる腸溶コーティングの最大の厚さは、通常はプロセシング条件及び所望の溶解プロフィールによってのみ限定される。本発明の一実施態様において、腸溶コーティング層の厚さは、15〜45ミクロンの範囲である。本発明の好ましい実施態様において、腸溶コーティング層の厚さは、20〜35ミクロンの範囲である。
【0075】
オーバーコーティング層
プロトンポンプ阻害剤又はASAのいずれかを含み、そして腸溶コーティング層で覆われるユニットはさらに、1つ又はそれ以上のオーバーコーティング層で覆われ得る。オーバーコーティング層は、水溶性であるか又は水中で迅速に崩壊するべきである。コーティング又は成層プロセスのための水及び/又は有機溶媒を用いて、適当な装置、例えばコーティングパン、コーティンググラニュレーター又は流動床装置におけるコーティング又は成層手順によって、オーバーコーティング層が腸溶コーティング層状ユニットに加えられ得る。オーバーコーティング層のための物質は、糖、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び他の物質のうちのいずれか1つから選択される薬学的に受容可能な化合物の中から選択されるものであり、単独又は混合して使用される。添加剤、例えば可塑剤、着色剤、顔料、増量剤、粘着防止剤及び帯電防止剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、二酸化チタン及びタルク)並びに他の添加剤がまた、このオーバーコーティング層に包含され得る。このオーバーコーティング層はさらに、腸溶コーティング層状ユニットが凝集する可能性を妨げ得る。加えられるオーバーコーティング層の最大の厚さは、通常はプロセシング条件及び所望の溶解プロフィールによってのみ限定される。
【0076】
本発明の一実施態様において、プロトンポンプ阻害剤は、二層、すなわち腸溶コーティング層及び腸溶コーティングとプロトンポンプ阻害剤とを分離するサブコーティング層によって保護されるものである。
【0077】
腸溶コーティング化ユニット又はオーバーコーティングされる腸溶コーティング化ユニットをカプセルに充填するために、滑沢剤又は滑剤(glidant)を混合することが時には有利である。このような滑沢剤又は滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ナトリウムステアリルフマレート、グリセリルベヘネート、タルク(talk)及びヒュームドシリカが挙げられるが、これによって他の言及されない薬学的に受容可能な滑沢剤又は滑剤を使用する可能性は排除されないものとする。
【0078】
本発明の一実施態様において、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
【0079】
本発明の別の実施態様において、滑沢剤は、ナトリウムステアリルフマレートである。
【0080】
本発明のさらなる実施態様において、滑沢剤は、グリセリルベヘネートである。
【0081】
アセチルサリチル酸(ASA)の異なる形態
ASAは、次の形態で存在し得る:
・ASAの粉末(ASA−物質それ自体);
・ASAの凝集物;
・ASAの球状凝集物;
・ポリマー中のASAの固体分散液又は溶液;
これらの固体分散液又は溶液は、分散剤/溶解剤を融解し、そしてASAを添加するか、又は分散剤/溶解剤及びASAを共通の溶媒に溶解させて、溶媒が蒸発した後に得られ得るものである。
【0082】
・ASAのシクロデキストリン複合体(粉末として);
これらの複合体は、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン又はそれらの誘導体、例えばβ−ヒドロキシプロピルシクロデキストリンを含み得る。複合体化したシクロデキストリンは、放出速度に影響を及ぼすように、例えば持続放出を与えるか(β−ヒドロキシプロピルシクロデキストリン)又は即効型放出を与えるように(β−シクロデキストリン)選択され得る。
【0083】
・薬学的賦形剤と一緒に顆粒化されたASAのシクロデキストリン複合体;
これらの複合体は、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン又はそれらの誘導体、例えばβ−ヒドロキシプロピルシクロデキストリンを含み得る。複合体化したシクロデキストリンは、放出速度に影響を及ぼすように、例えば持続放出を与えるか(β−ヒドロキシプロピルシクロデキストリン)又は即効型放出を与えるように(β−シクロデキストリン)選択され得る。
【0084】
・薬学的賦形剤と一緒にASAを含む即効型放出ユニット;
・薬学的賦形剤と一緒にASAを含む持続放出ユニット。これらのユニットは、親水性ゲルマトリックス成分、疎水性マトリックス成分又は拡散膜の層状ペレット/顆粒成分に従って構成され得る;
・薬学的賦形剤と一緒にASAを含む腸放出ユニット(腸溶コーティングされる顆粒又はペレット);
・薬学的賦形剤と一緒にASAを含むpH依存性の遅延放出ユニット((腸溶コーティングされない)顆粒又はペレット);
・発泡性の薬学的賦形剤と一緒にASAを含む即効型放出ユニット;
・ASAを含み上記の腸溶コーティング層のような腸溶コーティング層で層状化されるユニット;
・ASAを含む小型錠剤;
・ASAを含むコーティング化小型錠剤
・2000年1月1日から公認の米国薬局方第24版において錠剤の脆砕性に必要とされる条件を満たさない脆砕性(必要条件:1%未満)を有する例えば錠剤のようなユニット形態に圧縮されている物質とみなされる穏やかに圧縮されたASAのプラグ。前述の説明を参照のこと。
【0085】
特許請求される多剤混合剤形の調製方法
本発明はまた、酸感受性プロトンポンプ阻害剤及びアセチルサリチル酸を含む経口の多剤混合薬剤形の製造方法であって、このプロトンポンプ阻害剤が、腸溶コーティング層状ユニットの形態で調製されるものであり、そしてこのユニットが、アセチルサリチル酸と混合され、そしてこの混合物が、場合により薬学的に受容可能な賦形剤と混合され、次いで得られる混合物がカプセル又はサシェに充填されることを特徴とするものに関する。アセチルサリチル酸は、上記で開示される形態のいずれでもあり得る。
【0086】
本発明の一実施態様は、酸感受性プロトンポンプ阻害剤及びアセチルサリチル酸を含む経口の多剤混合薬剤形の製造方法であって、このプロトンポンプ阻害剤が、腸溶コーティング層状ユニットの形態で調製されるものであり、そしてこのユニットが、場合により薬学的に受容可能な賦形剤と混合されるアセチルサリチル酸を含む1つ又はそれ以上の他の別々の物理ユニットと一緒にカプセル又はサシェに充填されることを特徴とするものに関する。
【0087】
本発明の範囲を決して限定するべきではないが、本発明の多剤混合剤形の製造方法に対する一例は、PPI及びASAを乾燥混合し、次いでこれらの活性化合物をカプセル又はサシェに充填することである。プロトンポンプ阻害剤は、腸溶コーティング層状ユニットの形態にあり、そしてアセチルサリチル酸は、それ自体で使用され得るか、又は放出調節性の配合ユニットの形態、例えば腸溶コーティング層状ユニット、若しくは例えば持続放出コーティング層でコーティングすることによって持続放出を達成するように配合されるユニットの形態のいずれかであり得るユニット形態にある。
【0088】
本発明の範囲を決して限定するべきではないが、製造方法の別の例は、湿塊性の(wet massed)顆粒化である。アセチルサリチル酸は、賦形剤と乾燥混合されるものであり、ここで1つ又はそれ以上の賦形剤は、場合により崩壊剤である。アセチルサリチル酸の顆粒化に適当な賦形剤は、デンプングリコール酸エステルナトリウム(sodium starch glycolate)、トウモロコシデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶性セルロース、マンニトール、ラクトース及び無水コロイド状二酸化ケイ素(Aerosil(登録商標))のうちのいずれか1つから選択され得るものである。
【0089】
この混合物は、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ヒドロキシプロピルセルロースのうちのいずれか1つから選択される結合剤、及び場合により1つ又はそれ以上の湿潤剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム、及び溶媒、例えば精製水若しくは適当なアルコール又はそれらの混合物を含む顆粒化液体と湿塊化される。本発明の一実施態様において、この湿塊は、3質量%未満の乾燥減量まで乾燥される。本発明の別の実施態様において、この湿塊は、2質量%未満の乾燥減量まで乾燥される。
【0090】
乾燥後、この湿塊は、顆粒に適当な大きさ、例えば4mm未満、あるいは1mm未満に粉砕される。
【0091】
次いで乾燥顆粒がプロトンポンプ阻害剤と混合され、このPPIは、腸溶コーティング層状ユニットの形態にあり、次いでカプセル若しくはサシェに充填されるか、又は場合により適当な薬学的賦形剤と一緒に「マルチプルユニットの錠剤」に圧縮される。
【0092】
ASAの別の製造方法において、ASA及び任意の薬学的賦形剤の顆粒は、穏やかに圧縮されたプラグ(上記に従った定義)に圧縮され、そして腸溶コーティング層状ユニットの形態のPPIと一緒にカプセルに充填される。
【0093】
このプラグは、カプセルの下部(すなわち本体部)又はカプセルの上部(すなわちキャップ)に位置し得るものである。どちらの位置においても、プラグは、カプセルの内壁に固く結合しており、カプセル内でPPIを含むユニットが自由に動くことを制限している。これは、カプセル内の摩擦を減少させるのに好都合である。
【0094】
PPIを含むユニットは、プラグの下又はプラグの上(どちらの位置においてもカプセルの内部)に位置し得るものである。
【0095】
従って、本発明の一実施態様において、ASAを含むプラグは、カプセルの内壁に固く結合してカプセルの本体部に位置しており、そしてPPIを含むユニットは、カプセル内部のプラグの上部に位置している。
【0096】
本発明のさらなる実施態様において、ASAを含むプラグは、カプセルの内壁に固く結合してカプセルの本体部に位置しており、そしてPPIを含むユニットは、カプセル内部のプラグの下に位置している。
【0097】
本発明のなおさらなる実施態様において、ASAを含むプラグは、カプセルキャップの内壁に固く結合してカプセルのキャップ部(すなわち上部)に位置しており、そしてPPIを含むユニットは、カプセル本体内部のプラグの下に位置している。
【0098】
アセチルサリチル酸はまた、長時間放出を得るために、顆粒化の間にゲル化剤、例えば親水性ポリマーと混合され得る。適当なゲル化親水性ポリマーは、50mPas(cps)以上の粘性を有するヒドロキシプロピルメチルセルロース、50000uを超える分子量を有するポリオキシエチレン(ポリエチレングリコール)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含まないヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びキサンタン(xantan)又はそれらの混合物のうちのいずれか1つから選択され得るものである。
【0099】
得られるユニットはまた、適当な緩衝物質を含み得るものである。
【0100】
カプセル又はサシェ物質
カプセル又はサシェは、すべての水溶性又は胃液可溶性のポリマー物質、例えばゼラチン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースを含んでいる。しかしこのリストは、包括的だと解釈されるべきではない。カプセル又はサシェは、成形によって製造され得る。
【0101】
特許請求される発明の使用
本発明の剤形は、アセチルサリチル酸によって、例えばアセチルサリチル酸を用いた連続処置において引き起こされる消化管の合併症の予防及び/又は減少に特に有利である。
【0102】
本発明の一実施態様に従って、この特許請求される剤形は、5〜300mgの範囲のプロトンポンプ阻害剤量、及び10〜500mgの範囲のアセチルサリチル酸量を有するものである。
【0103】
なお別の実施態様に従って、プロトンポンプ阻害剤量は、10〜200mg、又は10〜100mg又は10〜80mgの範囲にあるものである。本発明の別の実施態様において、プロトンポンプ量はおよそ5mg、10mg、20mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg及び100mgから選択されるものである。本発明のなお別の実施態様に従って、プロトンポンプ阻害剤量は、20mg、40mg及び80mgから選択されるものである。
【0104】
本発明のさらなる実施態様において、アセチルサリチル酸量は、25〜450mg、50〜400mg、60〜350mg又は75〜325mgの範囲にある。本発明の別の実施態様において、アセチルサリチル酸量は、およそ75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、105mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg、150mg、155mg、160mg、165mg、170mg、175mg、180mg、185mg、190mg、195mg、200mg、205mg、210mg、215mg、220mg、225mg、230mg、235mg、240mg、245mg、250mg、255mg、260mg、265mg、270mg、275mg、280mg、285mg、290mg、295mg、300mg、305mg、310mg、315mg、320mg及び325mg、例えば81mg、101mg、124mg、126mg、181mg、204mg、301mg、311mg及び321mgから選択されるものである。
【0105】
本発明の別の実施態様において、経口の多剤混合薬剤形は、エソメプラゾール20mg及びアセチルサリチル酸325mgを含むものである。
【0106】
本発明の第二の他の実施態様において、経口の多剤混合薬剤形は、エソメプラゾール20mg及びアセチルサリチル酸75mgを含むものである。
【0107】
本発明の第三の他の実施態様において、経口の多剤混合薬剤形は、エソメプラゾール40mg及びアセチルサリチル酸325mgを含むものである。
【0108】
本発明の第四の他の実施態様において、経口の多剤混合薬剤形は、エソメプラゾール40mg及びアセチルサリチル酸75mgを含むものである。
【0109】
本発明の第五の他の実施態様において、経口の多剤混合薬剤形は、エソメプラゾール20mg及びアセチルサリチル酸81mgを含むものである。
【0110】
本発明の第六の他の実施態様において、経口の多剤混合薬剤形は、エソメプラゾール40mg及びアセチルサリチル酸81mgを含むものである。
【0111】
本発明はまた、哺乳動物又は人の血栓閉塞性血管事象、例えば心筋梗塞若しくは脳卒中の予防方法並びにアセチルサリチル酸処置に関連した消化管の合併症、例えば低用量のASA処置に関連した食道炎の減少及び/又は予防方法であって、その処置を必要とする哺乳動物又は人に、治療有効用量の特許請求される経口の多剤混合薬剤形を投与することによる方法に関する。本発明のさらなる実施態様に従って、この合併症は、上部消化管の合併症、胃の消化性潰瘍又は十二指腸の消化性潰瘍である。上部消化管の合併症としては、出血、穿孔及び幽門狭窄症が挙げられる。
【0112】
本発明のなお別の実施態様に従って、人は、60歳以上の患者である。
【0113】
本発明の別の実施態様に従って、特許請求される方法は、アセチルサリチル酸及びプロトンポンプ阻害剤を含むカプセル又はサシェを投与することを含むものである。この投与は、一日一回又は一日二回のいずれかである。
【0114】
本発明はまた、血栓閉塞性血管事象、例えば心筋梗塞若しくは脳卒中を予防し、そしてアセチルサリチル酸処置に関連した消化管の合併症を予防及び/又は減少させる薬剤の製造のために、プロトンポンプ阻害剤及びアセチルサリチル酸を含む剤形を使用することに関する。本発明のさらなる実施態様に従って、合併症は、上記のように上部消化管の合併症であるか、又は胃の消化性潰瘍若しくは十二指腸の消化性潰瘍である。
【0115】
本発明はまた、エソメプラゾール若しくはそのアルカリ塩又はこれらのうちのいずれか1つの水和物形態及びアセチルサリチル酸を含む経口の薬学的な多剤混合薬剤形であって、血栓閉塞性血管事象、例えば心筋梗塞若しくは脳卒中の予防、並びにアセチルサリチル酸処置に関連した消化管の合併症の予防及び/又は減少のためのものである剤形に関する。すべての経口剤形、例えばカプセル、サシェ、錠剤又はマルチプルユニットの錠剤(これらの発泡性形態を含む)が、この薬学的混合物の投与に使用され得る。しかしこのリストは、包括的だと解釈されるべきではない。
【0116】
本発明の別の実施態様は、エソメプラゾール若しくはそのアルカリ塩又はこれらのうちのいずれか1つの水和物形態及びアセチルサリチル酸を含む経口の多剤混合薬剤形であって、この剤形が、酸感受性プロトンポンプ阻害剤を含む別々の物理ユニット及びアセチルサリチル酸又はその誘導体を含む1つ又はそれ以上の他の別々の物理ユニットの群を含むものであり、そして少なくともこのプロトンポンプ阻害剤が、腸溶コーティング層によって保護されるものであり、血栓閉塞性血管事象、例えば心筋梗塞若しくは脳卒中の予防、並びにアセチルサリチル酸処置に関連した消化管の合併症の予防及び/又は減少のためのものである剤形に関する。
【0117】
本発明のさらなる別の実施態様において、アセチルサリチル酸を含むユニット(上記の段落で言及されるASAを含むユニット)は、圧縮されており、そして血栓閉塞性血管事象、例えば心筋梗塞若しくは脳卒中の予防、並びにアセチルサリチル酸処置に関連した消化管の合併症の予防及び/又は減少のために使用されるものである。
【0118】
本発明のなおさらなる別の実施態様において、アセチルサリチル酸を含むユニット(上記の最後から二番目の段落で言及されるASAを含むユニット)は、プラグに穏やかに圧縮されており、そして血栓閉塞性血管事象、例えば心筋梗塞若しくは脳卒中の予防、並びにアセチルサリチル酸処置に関連した消化管の合併症の予防及び/又は減少のために使用されるものである。
【0119】
本発明の一実施態様において、特許請求される薬学的混合物は、5〜300mgの範囲のエソメプラゾール若しくはそのアルカリ塩又はこれらのうちのいずれか1つの水和物形態量、及び10〜500mgのアセチルサリチル酸量を有するものである。
【0120】
本発明のさらなる実施態様に従って、エソメプラゾール若しくはそのアルカリ塩又はこれらのうちのいずれか1つの水和物形態量は、10〜80mgの範囲にある。なお別の実施態様に従って、エソメプラゾール若しくはそのアルカリ塩又はこれらのうちのいずれか1つの水和物形態量は、20mg、40mg又は80mgから選択されるものである。
【0121】
本発明のさらなる実施態様において、アセチルサリチル酸量は、25〜450mg、50〜400mg、60〜350mg又は75〜325mgの範囲にある。本発明の別の実施態様において、アセチルサリチル酸量は、およそ75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、105mg、110mg、115mg、120mg、125mg、130mg、135mg、140mg、145mg、150mg、155mg、160mg、165mg、170mg、175mg、180mg、185mg、190mg、195mg、200mg、205mg、210mg、215mg、220mg、225mg、230mg、235mg、240mg、245mg、250mg、255mg、260mg、265mg、270mg、275mg、280mg、285mg、290mg、295mg、300mg、305mg、310mg、315mg、320mg及び325mg、例えば81mg、101mg、124mg、126mg、181mg、204mg、301mg、311mg及び321mgから選択されるものである。
【0122】
本発明のさらなる実施態様は、哺乳動物又は人の血栓閉塞性血管事象、例えば心筋梗塞若しくは脳卒中の予防方法並びにアセチルサリチル酸処置に関連した消化管の合併症の予防及び/又は減少方法であって、その処置を必要とする哺乳動物又は人に、特許請求される薬学的混合物を投与することによる方法に関する。
【実施例】
【0123】
実施例
本発明は、次の実施例によってより詳細に記載されており、この実施例は、本発明の範囲を決して限定するべきではない。
【0124】
実施例1
胃十二指腸潰瘍を発現するリスクが中程度から高い状態を有する男性又は女性のヘリコバクターピロリに陰性の60歳以上の患者を、この無作為化二重盲検多施設プラセボ対照試験に含めた。患者を、エソメプラゾール20mg(エソメプラゾールマグネシウム、すなわちAstraZeneca ABが所有するNexium(登録商標)として投与)又はプラセボのいずれかを、一日一回26週間受けるように無作為化した。第一の結果因子は、26週間の期間にわたる内視鏡検査での胃及び/又は十二指腸の潰瘍の存在であった。全員75〜325mg/日の間で変化する用量のASAを受ける合計991人の患者(男性57.1%、平均年齢69.3歳、平均アセチルサリチル酸(ASA)用量124.0mg/日)を、包括解析集団に含めた。26週間で胃又は十二指腸のいずれかの潰瘍を有さない患者の累積比率は、プラセボを受けた患者で93.8%であるのに比較して、エソメプラゾールを受けた患者で98.2%であった(生命表は、p=0.0007と推定される)。胃潰瘍の発生率は、プラセボを受けた患者よりもエソメプラゾールを受けた患者の方が低く(1.2%対3.8%)、これは、十二指腸潰瘍の発生率でも同様であった(エソメプラゾール及びプラセボについてそれぞれ0.4%及び1.6%)。プラセボ群において27人の患者(5.4%)が潰瘍を発現したことと比較して、エソメプラゾール群において、6カ月までに8人の患者(1.6%)が潰瘍を発現した。これは、プラセボではなくエソメプラゾールを受けると、潰瘍の発現が70%相対的に減少することに相当する。プラセボで処置された患者の81.7%が食道病変を有さなかったことと比較して、エソメプラゾールで処置された合計95.6%の患者が、26週間で食道病変を示さなかった(p<0.0001)。6カ月で食道病変を有さなかった患者の比率は、ベースラインで病変を有さない患者及びロサンゼルスA級病変を有する患者に関して、プラセボよりもエソメプラゾールを用いたときに高かった。研究者が評価した上部消化管症状の消散は、すべての症状について、プラセボよりもエソメプラゾールを用いたときに高かった。エソメプラゾールは安全であり、そして耐容性は良好であった。
【0125】
実施例2
エソメプラゾール20mg及びASA顆粒325mgを含むカプセル
原理:エソメプラゾール20mgに相当するエソメプラゾールMg三水和物を含む腸溶コーティングしたペレットを製造し、そしてステアリン酸マグネシウムと混合した。この混合物及びASA顆粒を、硬ゼラチンカプセルに充填した。
【0126】
腸溶コーティングしたエソメプラゾールペレットの製造
コア物質
糖の球状シード 直径およそ0.25mm〜0.35mm 300g

活性層(用懸濁液)
エソメプラゾールMg三水和物 445g
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 67g
ポリソルベート80 9g
精製水 2100g

サブコーティング層(用懸濁液)
ヒドロキシプロピルセルロース 90g
タルク 340g
ステアリン酸マグネシウム 22g
精製水 3100g

腸溶コーティング層(用分散液)
メタクリル酸コポリマータイプC、30%分散液 1270g
クエン酸トリエチル 38g
モノグリセリド及びジグリセリド 19g
ポリソルベート80 2g
精製水 500g
【0127】
エソメプラゾールMg三水和物を、溶解した結合剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び界面活性剤、ポリソルベート80を含む水溶液に懸濁した。この懸濁液を、ボトムスプレー(bottom spray)(Wurster)技術を用いた流動床コーティング装置において、糖の球状シード上に噴霧した。
【0128】
調製されたコア物質を、懸濁したタルク及びステアリン酸マグネシウムを含むヒドロキシプロピルセルロース溶液を噴霧することによって、流動床装置においてサブコーティング層で覆った。
【0129】
腸溶コーティング層を、上記で得られたサブコーティングしたペレット上に流動床装置において水分散液として噴霧した。
【0130】
腸溶コーティングしたエソメプラゾールペレット及びステアリン酸マグネシウムの混合物
上記に従って腸溶コーティングしたペレットを、次で与えられる重量比率でステアリン酸マグネシウムと混合した。
エソメプラゾールの胃耐性ペレット 100
ステアリン酸マグネシウム 0.2
カプセル充填
カプセル当たり
(上記に従った)腸溶コーティングしたエソメプラゾールペレット及びステアリン酸マグネシウムの混合物 86.2mg
ASA顆粒* 325mg
硬ゼラチンカプセルサイズ0 1ピース
* Rhodine(登録商標)3118 ASA顆粒、Ba 0407231、Rhodia France製。顆粒の大部分は、1000ミクロンの開口部を有する篩を通過し、そして125ミクロンの開口部を有する篩上に保持される。
【0131】
上記に従ったカプセルを、乾燥剤とともにプラスチック(高密度ポリエチレン、またHDPEともいわれる)ボトル中に置き、そして安定性を検査した。得られる結果は、次の表に示され得る;
【表1】

【0132】
実施例3
エソメプラゾール20mg及びASA粉末325mgを含むカプセル
原理:エソメプラゾール20mgに相当するエソメプラゾールMg三水和物を含む腸溶コーティングしたペレットを製造し、そして実施例2に従ってステアリン酸マグネシウムと混合した。この混合物及びASA粉末を、硬ゼラチンカプセルに充填した。
カプセル充填
カプセル当たり
(上記の実施例2に従った)腸溶コーティングしたエソメプラゾールペレット及びステアリン酸マグネシウムの混合物 86.2mg
ASA粉末 325mg
硬ゼラチンカプセルサイズ0 1ピース
【0133】
上記に従ったカプセルを、乾燥剤とともにプラスチック(高密度ポリエチレン、またHDPEともいわれる)ボトル中に置き、そして安定性を検査した。得られる結果は、次の表に示され得る;
【表2】

【0134】
実施例4
エソメプラゾール20mg及びASA(錠剤に包含)75mgを含むカプセル
原理:エソメプラゾール20mgに相当するエソメプラゾールMg三水和物を含む腸溶コーティングしたペレットを製造し、そして実施例2に従ってステアリン酸マグネシウムと混合した。この混合物及びASA錠剤を、硬ゼラチンカプセルに充填した。
カプセル充填
カプセル当たり
(上記の実施例2に従った)腸溶コーティングしたエソメプラゾールペレット及びステアリン酸マグネシウムの混合物 86.2mg
ASA 75mgを含むASA錠剤* およそ97mg
硬ゼラチンカプセルサイズ1 1ピース
* Trombyl(登録商標)、Ba B 811A、Pfizer製。平らなハート型(hart−shaped)のコーティングされていない錠剤、直径およそ6〜7mmの大きさ、重量97mg(10個の錠剤の平均として)。
【0135】
上記に従ったカプセルを、乾燥剤とともにプラスチック(高密度ポリエチレン、またHDPEともいわれる)ボトル中に置き、そして安定性を検査した。得られる結果は、次の表に示され得る;
【表3】

【0136】
実施例5
エソメプラゾール20mg及びASA(腸溶コーティングしたペレットに包含)100mgを含むカプセル
原理:エソメプラゾール20mgに相当するエソメプラゾールMg三水和物を含む腸溶コーティングしたペレットを製造し、そして実施例2に従ってステアリン酸マグネシウムと混合した。この混合物及びASA腸溶コーティングしたペレットを、硬ゼラチンカプセルに充填した。
カプセル充填
カプセル当たり
(上記の実施例2に従った)腸溶コーティングしたエソメプラゾールペレット及びステアリン酸マグネシウムの混合物 86.2mg
ASA 100mgを含むASA腸溶コーティングしたペレット*
117.9mg
硬ゼラチンカプセルサイズ1 1ピース
* カプセルの内容物「Astrix(登録商標)」、ba 298140、Faulding&Co Ltd,Australia製。
【0137】
上記に従ったカプセルを、乾燥剤とともにプラスチック(高密度ポリエチレン、またHDPEともいわれる)ボトル中に置き、そして安定性を検査した。得られる結果は、次の表に示され得る;
【表4】

【0138】
実施例6
エソメプラゾール20mg及びASA顆粒75mgを含むカプセル
原理:エソメプラゾール20mgに相当するエソメプラゾールMg三水和物を含む腸溶コーティングしたペレットを製造し、そして実施例2に従ってステアリン酸マグネシウムと混合した。この混合物及び穏やかに圧縮されたASAのプラグを、硬ゼラチンカプセルに充填した。
【0139】
腸溶コーティングしたエソメプラゾールペレットの製造
実施例2に従って行った。
【0140】
腸溶コーティングしたエソメプラゾールペレット及びステアリン酸マグネシウムの混合物
上記に従って腸溶コーティングしたペレットを、次で与えられる重量比率でステアリン酸マグネシウムと混合した。
エソメプラゾールの胃耐性ペレット 100
ステアリン酸マグネシウム 0.2
カプセル充填
カプセル当たり
(上記に従った)腸溶コーティングしたエソメプラゾールペレット及びステアリン酸マグネシウムの混合物 86.2mg
プラグに圧縮されたASA顆粒* 75mg
硬ゼラチンカプセルサイズ2 1ピース
* Rhodine(登録商標)3118 ASA顆粒、Ba FRH 0528131、Rhodia France製。顆粒の大部分は、1000ミクロンの開口部を有する篩を通過し、そして125ミクロンの開口部を有する篩上に保持される。このプラグは、カプセルの内壁に固く結合してカプセルの下部すなわち本体部に位置した。
【0141】
上記に従ったカプセルを、PVC/Aclar(登録商標)*/PVCの三層皮膜及びアルミニウム箔の裏地を有するブリスターカートリッジに包装した。
*=Aclar(登録商標)皮膜は、Honeywell International Inc.により現在製造されるポリクロロトリフルオロエチレン皮膜であった。)
【0142】
このようなカプセルをまた、乾燥剤とともにプラスチック(高密度ポリエチレン、またHDPEともいわれる)ボトル中に置き、そして安定性を検査した。得られる結果は、次の表に示され得る;
【表5】

【0143】
実施例7
エソメプラゾール20mg及びASA100mgを含む錠剤
原理:エソメプラゾール20mgに相当するエソメプラゾールMg三水和物を含む腸溶コーティングしたペレットを調製し、そしてヒドロキシプロピルメチルセルロース層でオーバーコーティングし、次いでASA顆粒及び錠剤賦形剤とを混合し、そしてマルチプルユニットの錠剤に圧縮した。
【0144】
腸溶コーティングしたエソメプラゾールペレットの製造
コア物質
糖の球状シード 直径およそ0.25mm〜0.35mm 300g

活性層(用懸濁液)
エソメプラゾールMg三水和物 445g
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 67g
ポリソルベート80 9g
精製水 2100g

サブコーティング層(用懸濁液)
ヒドロキシプロピルセルロース 90g
タルク 340g
ステアリン酸マグネシウム 22g
精製水 3100g

腸溶コーティング層(用分散液)
メタクリル酸コポリマータイプC、30%分散液 1270g
クエン酸トリエチル 114g
モノグリセリド及びジグリセリド 19g
ポリソルベート80 2g
精製水 500g
【0145】
エソメプラゾールMg三水和物を、溶解した結合剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び界面活性剤、ポリソルベート80を含む水溶液に懸濁した。この懸濁液を、ボトムスプレー(Wurster)技術を用いた流動床コーティング装置において、糖の球状シード上に噴霧した。
【0146】
調製されたコア物質を、懸濁したタルク及びステアリン酸マグネシウムを含むヒドロキシプロピルセルロース溶液を噴霧することによって、流動床装置においてサブコーティング層で覆った。
【0147】
腸溶コーティング層を、上記で得られたサブコーティングしたペレット上に流動床装置において水分散液として噴霧した。
【0148】
オーバーコーティング層(用溶液)
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 5〜6cps(mPas) 90g
精製水 2400g
【0149】
実施例2から調製された腸溶コーティングしたペレットを、上記に従ったヒドロキシプロピルメチルセルロース溶液をこのペレット上に噴霧し、そして噴霧が完了したら乾燥させることによって、流動床装置においてオーバーコーティング層で覆った。
【0150】
このオーバーコーティングされた腸溶コーティングしたエソメプラゾールペレットを、錠剤化に使用した;
成分 1000錠剤当たり
オーバーコーティングされた腸溶コーティングしたエソメプラゾールペレット
103g
ASA顆粒* 100g
微結晶性セルロース(Avicel PH 102) 100g
ナトリウムステアリルフマレート(Pruv(登録商標)) 2.9g
合計 305.9g
* 例えば実施例2のようなRhodia製顆粒。
【0151】
上記の成分を、実験室用ミキサー、タイプKenwoodで3〜4分間混合し、次いで平均錠剤重量が1錠剤当たり306mgに調整された9mmの円形両凸パンチを用いた好適な錠剤機(例えば限定されないがKorsch Pharmapress 106)において、錠剤に圧縮した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性成分として、アセチルサリチル酸(ASA)又はその誘導体と一緒に酸感受性プロトンポンプ阻害剤(PPI)、及び場合により薬学的に受容可能な賦形剤を含む経口医薬剤形であって、この剤形が、酸感受性プロトンポンプ阻害剤を含む別々の物理ユニット及びアセチルサリチル酸又はその誘導体を含む1つ又はそれ以上の他の別々の物理ユニットの群を含む経口の多剤混合薬剤形の形態であることを特徴とするものであり、そして少なくともこのプロトンポンプ阻害剤が、腸溶コーティング層によって保護されるものである経口医薬剤形。
【請求項2】
プロトンポンプ阻害剤が、腸溶コーティング層によって保護されており、そしてアセチルサリチル酸又はその誘導体が、腸溶コーティングされていない、請求項1に記載の剤形。
【請求項3】
アセチルサリチル酸又はその誘導体が、さらに即効型放出形態で存在する、請求項2に記載の剤形。
【請求項4】
プロトンポンプ阻害剤を含むユニットが、腸溶コーティング層によって保護されており、そしてアセチルサリチル酸又はその誘導体を含むユニットが、錠剤に圧縮されている、請求項3に記載の剤形。
【請求項5】
アセチルサリチル酸又はその誘導体を含むユニットが、プラグに穏やかに圧縮される、請求項4に記載の剤形。
【請求項6】
ASAのプラグが、2%〜50%(W/W)の範囲の脆砕性を有する、請求項5に記載の剤形。
【請求項7】
剤形が、カプセル形態又はサシェ形態である、請求項1〜6のいずれかに記載の剤形。
【請求項8】
剤形が、マルチプルユニットの錠剤形態である、請求項1〜3のいずれかに記載の剤形。
【請求項9】
プロトンポンプ阻害剤が、腸溶コーティング層、及び腸溶コーティングとプロトンポンプ阻害剤とを分離するサブコーティング層の二層によって保護されるものである、請求項1〜8のいずれかに記載の剤形。
【請求項10】
プロトンポンプ阻害剤が、オメプラゾール又はそのアルカリ塩である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の剤形。
【請求項11】
プロトンポンプ阻害剤が、エソメプラゾール若しくはそのアルカリ塩又はこれらのうちのいずれか1つの水和物形態である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の剤形。
【請求項12】
プロトンポンプ阻害剤が、ランソプラゾール若しくはその薬学的に受容可能な塩又はこれらのうちのいずれか1つの単一の鏡像異性体である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の剤形。
【請求項13】
プロトンポンプ阻害剤が、パントプラゾール若しくはその薬学的に受容可能な塩又はこれらのうちのいずれか1つの単一の鏡像異性体である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の剤形。
【請求項14】
プロトンポンプ阻害剤が、ラベプラゾール若しくはその薬学的に受容可能な塩又はこれらのうちのいずれか1つの単一の鏡像異性体である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の剤形。
【請求項15】
プロトンポンプ阻害剤が、イラプラゾール若しくはその薬学的に受容可能な塩又はこれらのうちのいずれか1つの単一の鏡像異性体である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の剤形。
【請求項16】
プロトンポンプ阻害剤が、テナトプラゾール若しくはその薬学的に受容可能な塩又はこれらのうちのいずれか1つの単一の鏡像異性体である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の剤形。
【請求項17】
プロトンポンプ阻害剤の量が、5mg〜300mgの範囲であり、そしてアセチルサリチル酸の量が、10mg〜500mgの範囲である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の剤形。
【請求項18】
プロトンポンプ阻害剤の量が、10mg〜200mgの範囲である、請求項1〜17のいずれか1項に記載の剤形。
【請求項19】
プロトンポンプ阻害剤の量が、5mg、10mg、20mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg及び100mgから選択される、請求項1〜18のいずれか1項に記載の剤形。
【請求項20】
アセチルサリチル酸の量が、25mg〜450mgの範囲である、請求項1〜19のいずれか1項に記載の剤形。
【請求項21】
アセチルサリチル酸の量が、50〜400の範囲である、請求項1〜20のいずれか1項に記載の剤形。
【請求項22】
アセチルサリチル酸の量が、60〜350mgの範囲である、請求項1〜21のいずれか1項に記載の剤形。
【請求項23】
アセチルサリチル酸の量が、75mg〜325mgの範囲である、請求項1〜22のいずれか1項に記載の剤形。
【請求項24】
プロトンポンプ阻害剤が、腸溶コーティング層状ユニットの形態で調製され、そしてこのユニットが、場合により薬学的に受容可能な賦形剤と混合されるアセチルサリチル酸を含む1つ又はそれ以上の他の別々の物理ユニットと一緒になってカプセル又はサシェに充填されることを特徴とする、酸感受性プロトンポンプ阻害剤及びアセチルサリチル酸を含む経口の多剤混合薬剤形の製造方法。
【請求項25】
哺乳動物又は人の血栓閉塞性血管事象、例えば心筋梗塞若しくは脳卒中の予防方法並びにアセチルサリチル酸処置に関連した消化管の合併症の減少及び/又は予防方法であって、その処置を必要とする宿主に、治療有効用量の請求項1〜23のいずれか1項に記載の多剤混合剤形を投与することによる方法。
【請求項26】
アセチルサリチル酸及びプロトンポンプ阻害剤を含むカプセル又はサシェを投与することを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
カプセル又はサシェが、一日一回投与される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
カプセル又はサシェが、一日二回投与される、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
血栓閉塞性血管事象、例えば心筋梗塞若しくは脳卒中を予防し、そしてアセチルサリチル酸処置に関連した消化管の合併症を予防及び/又は減少させる薬剤の製造のための、請求項1〜23のいずれか1項に記載の剤形の使用。
【請求項30】
エソメプラゾール若しくはそのアルカリ塩又はこれらのうちのいずれか1つの水和物形態及びアセチルサリチル酸を含む経口医薬の多剤混合薬剤形であって、この剤形が、酸感受性プロトンポンプ阻害剤を含む別々の物理ユニット及びアセチルサリチル酸又はその誘導体を含む1つ又はそれ以上の他の別々の物理ユニットの群を含み、そして少なくともこのプロトンポンプ阻害剤が、腸溶コーティング層によって保護され、この剤形が、血栓閉塞性血管事象、例えば心筋梗塞若しくは脳卒中の予防、並びにアセチルサリチル酸処置に関連した消化管の合併症の予防及び/又は減少のためのものである、経口医薬の多剤混合薬剤形。
【請求項31】
アセチルサリチル酸又はその誘導体を含むユニットが圧縮されており、血栓閉塞性血管事象、例えば心筋梗塞若しくは脳卒中の予防、並びにアセチルサリチル酸処置に関連した消化管の合併症の予防及び/又は減少のためのものである、請求項30に記載の剤形。
【請求項32】
エソメプラゾール若しくはそのアルカリ塩又はこれらのうちのいずれか1つの水和物形態の量が、5mg〜300mgの範囲であり、そしてアセチルサリチル酸の量が、10mg〜500mgの範囲である、請求項30又は31に記載の剤形。
【請求項33】
エソメプラゾール20mg及びアセチルサリチル酸325mgを含む、請求項30〜32のいずれか1項に記載の剤形。
【請求項34】
エソメプラゾール20mg及びアセチルサリチル酸75mgを含む、請求項30〜32のいずれか1項に記載の剤形。
【請求項35】
エソメプラゾール40mg及びアセチルサリチル酸325mgを含む、請求項30〜32のいずれか1項に記載の剤形。
【請求項36】
エソメプラゾール40mg及びアセチルサリチル酸75mgを含む、請求項30〜32のいずれか1項に記載の剤形。
【請求項37】
エソメプラゾール20mg及びアセチルサリチル酸81mgを含む、請求項30〜32のいずれか1項に記載の剤形。
【請求項38】
エソメプラゾール40mg及びアセチルサリチル酸81mgを含む、請求項30〜32のいずれか1項に記載の剤形。
【請求項39】
哺乳動物又は人へ投与する薬剤を製造するための請求項30〜38のいずれか1項に記載の剤形の使用であって、該薬剤が、血栓閉塞性血管事象、例えば心筋梗塞若しくは脳卒中の予防、並びにアセチルサリチル酸処置に関連した消化管の合併症の予防及び/又は減少のためのものである上記の使用。
【請求項40】
哺乳動物又は人の血栓閉塞性血管事象、例えば心筋梗塞若しくは脳卒中の予防方法並びにアセチルサリチル酸処置に関連した消化管の合併症の予防及び/又は減少方法であって、その処置を必要とする哺乳動物又は人に、治療有効用量の請求項30〜38のいずれか1項に記載の混合物を投与することによる方法。

【公表番号】特表2009−517466(P2009−517466A)
【公表日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−543231(P2008−543231)
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【国際出願番号】PCT/SE2006/001349
【国際公開番号】WO2007/064274
【国際公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】