説明

流体を分配するための装置

混合室(134)と多孔部材(54)とを有するポンプヘッド(30)を含む、流体を分配するためのポンプ(14)を開示する。該ポンプヘッドはチューブ(50)と隔膜(34)とを含む。該ポンプは、該チューブを受け入れる空洞(101)を規定する本体(42)を有するキャップ(22)を含む。該キャップは該隔膜に接続されて該混合室と連通している空気室(106)を規定する。該ポンプは該チューブと空洞に受け入れられるバネシステム(46)を含む。該チューブ、空洞、およびバネシステムは、該混合室と連通する液体室(122)を規定する。該バネシステムは、液体が液体室(122)から該混合室まで促されるよう圧縮されるように位置付けされたバネ(62)を含み、該隔膜は、空気が該空気室から該混合室に引き込まれるよう圧縮されるように構成されている。該液体と空気は混ざり合って混合体となり、これは該多孔部材を通って推進されて生成物を形成する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は概して発泡液体を分配するためのポンプとディスペンサーに関する。より詳細には、本発明は、液状せっけんを泡として分配する直立ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
発泡せっけんは極めて一般的になっている。発泡せっけんは例えばトイレもしくは病院といった概ね商業用途における壁取り付け式ディスペンサーによって、または手持ち式もしくは直立式の台所用ディスペンサーによって、分配されている。この手持ち式のディスペンサーは、壁取り付け式ディスペンサーとは違って、必要とされる異なる領域に容易に移動され、その後容易に処分され得ることから一般的である。手持ち式のディスペンサーは、増加しつつある在宅看護および食品取扱所において使用され得、よって壁取り付け式ディスペンサーよりも広い範囲の旧来の手洗いの用途をカバーしている。
【0003】
手持ち式の泡せっけんディスペンサーは、せっけん容器から液体せっけんを受け取り、その液体せっけんを空気と混合し、そしてその液体および空気の混合物を泡として分配することにより、従来の液体分配ポンプとは異なるポンプを使用することによって作動する。このような泡ポンプは従って、通常多くの個別部品を含み、機械的におよび構造的に液体ポンプより複雑であり、かつ従来の液体ポンプに求められる段階よりも多くの組立段階を必要とする。部品と組立段階の数は、手持ち式のディスペンサー用の泡ポンプを製造するのに要する費用と時間を増加させる。
【発明の概要】
【0004】
本発明の特定の態様は、瓶に取り付けられ、瓶内で液体の泡を作り、その泡を分配するポンプを提供する。該ポンプは液体ポンプ本体を形成するポンプ本体を含み、これは、該液体ポンプ本体を通って瓶の内部と連通する入口通路まで延びるポンプ本体の空洞を規定する。該ポンプは該液体ポンプ本体に取り付けられた入口バルブを含み、該バルブは該ポンプ本体の空洞内の圧力より大きい瓶内の圧力に応じて開き、かつ該瓶の内部と該ポンプ本体の空洞との間の連通を阻止するために瓶内の圧力より大きい該ポンプ本体の空洞内の圧力に応じて閉じる。該ポンプはポンプヘッドの上方端にノズルセクションを含むポンプヘッドと該ノズルセクションから延びるヘッドチューブとを含み、該ノズルセクションは口を規定し、該ポンプヘッドは該口から該ヘッドチューブを通して延びるポンプヘッドの空洞を規定し、該ヘッドチューブの外面は該ポンプ本体の空洞内にしっかりと嵌合するような大きさおよび構成であり、それにより該ヘッドチューブは該ポンプ本体の空洞内で該空洞に沿って滑動するようになっている。該ポンプはポンプヘッドの空洞内に位置付けられる多孔部材を含む。該ポンプは少なくとも一部が該ポンプヘッドの空洞内に延びる大きさであるバネ支持体を含む。該バネ支持体は該ポンプヘッドの空洞内への、該バネ支持体周囲の液体の通過を阻止するために形成され、該ポンプヘッドの空洞およびポンプ本体の空洞と連通するバネ支持体通路を規定する。該ポンプは、該ポンプヘッドの空洞とポンプ本体の空洞との間の連通を可能にするために該ポンプ本体の空洞の圧力に応じて開き、かつ該ポンプ本体の空洞の圧力で開かない場合、該ポンプヘッドの空洞とポンプ本体の空洞との間の連通を阻止するために閉じる、出口バルブを含む。該ポンプは、入口通路から離れるように該ポンプヘッドチューブとバネ支持体とを促す、少なくとも一部が該ポンプ本体の空洞内に位置付けられたポンプバネを含む。該ポンプは、該ポンプ本体から離れた場所で該ポンプヘッドに固定され、該ポンプヘッド周囲に延び、かつ隔膜が該ポンプヘッドに固定された場所から該ポンプ本体まで延びる可撓性隔膜を含む。該隔膜、該ポンプ本体および該ポンプヘッドは空気室を規定し、該ポンプヘッドチューブの入口通路への運動は該隔膜を変形させ、よって空気室の体積を減少させる。該ポンプヘッドは、出口バルブシートおよび多孔部材の間に設置された空気室およびポンプヘッドの空洞と連通する1個または複数の空気通路を規定する。
【0005】
本発明の特定の態様は、発泡せっけんディスペンサーを提供する。該ディスペンサーは液体せっけんを保持する容器と該容器に接続されたポンプアセンブリとを含む。該ポンプアセンブリはポンプヘッド部、バネ部、およびキャップ部を含む。該ポンプヘッド部はチューブと隔膜とを含み、該キャップ部は該チューブを受け入れ、隔膜に接続されて空気室を規定するように構成される。バネ部は、該チューブおよびキャップ部内に受け入れられて液体を該容器からキャップ部を通って受け入れる液体室を規定する、バネと支持部材とを含む。該液体室および空気室は、多孔部材近くのポンプヘッド部の混合室と連通している。該ポンプヘッド部が押圧位置に移動させられた場合、該支持部材は、液体が液体室から混合室まで流れるよう該バネを圧縮するように構成され、かつ隔膜は空気が空気室から混合室まで流れるようにつぶれ、それにより空気と液体が混合室内で混じり合い、該空気と液体の混合体が多孔部材を通過してポンプヘッドから泡として分配される。
【0006】
本発明の特定の態様は、発泡せっけんディスペンサーを提供する。該ディスペンサーは液体を保持する容器と該容器に固定されるように構成されたポンプアセンブリとを含む。該ポンプアセンブリは、ポンプアセンブリが伸展位置から押圧位置に移動させられた場合に該ポンプアセンブリが液体を該容器から引き込んで該液体を泡として分配するように、伸展位置と押圧位置との間で移動するように構成される。該ディスペンサーは、該ポンプアセンブリが押圧位置にて維持されるよう、取り外し可能に該ポンプアセンブリに接続されるように構成された固定キャップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】押圧位置にある本発明の泡ポンプを有する手持ち式泡せっけんディスペンサーの、正面等角図を示す。
【図2】泡ポンプが伸展位置にある図1のディスペンサーの正面等角図を示す。
【図3】伸展位置にある図1の泡ポンプの正面等角図を示す。
【図4】図3の泡ポンプの分解図を示す。
【図5】図3の泡ポンプの断面側面図を示す。
【図6】押圧位置にある図3の泡ポンプの断面側面図を示す。
【図7】固定キャップを取り付けた図1のディスペンサーの正面等角図を示す。
【図8】図7のディスペンサーの背面等角図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、本発明の態様の以下の説明で示しかつ図で示した、構成部品の構成および配置の詳細に限定されないことが理解されるべきである。本発明は他の態様にて実施され得るし、説明および描写したのとは別に実行され得る。更に、本明細書にて使用された語法および専門用語は説明を目的としてものであり、限定するものとして考えるべきでないことが、理解されよう。「含む(including)」および「含む(comprising)」およびそれらの変化形の使用は、以下に載せた項目およびそれらの等価物ならびに追加項目およびそれらの等価物を包含することを意図している。
【0009】
発明の詳細な説明
図1は、本発明の1つの態様による手持ち式の泡せっけんディスペンサー10の正面等角図を示す。ディスペンサー10は容器18に取り付けられた泡ポンプ14を含む。容器18は、比較的剛性であるのが好ましい。容器18はその中に液体を保持し、ほんの一例として容器18は液体せっけんを保持する。
【0010】
泡ポンプ14は、図1でその押圧位置において示され、キャップ22、円盤形ストライカ26、およびストライカ26から上方へ延びるポンプヘッド30を含む。この態様においてキャップ22は、泡ポンプ14の本体としても容器18を閉じるものとしても機能する。泡ポンプ14は容器18に取り外し可能に接続される。キャップ22および容器18はそれぞれネジ山を含み、キャップ22がネジにより容器18に接続および取り外されるようになっている。ストライカ26は、泡ポンプ14が押圧位置にある場合に、キャップ22内に受け入れられ、かつ固定され得る。ポンプヘッド30は口38を有し、これを通って発泡せっけんが分配される。
【0011】
図2は泡ポンプ14が伸展位置にある図1のディスペンサー10の正面等角図を示す。ポンプ14が伸展位置にあるにあるとき、ストライカ26はキャップ22の上方にある。円錐隔膜34がストライカ26からキャップ22まで下向きに延びている。泡ポンプ14が押圧位置にあるとき、隔膜34はそれがキャップ22内に配置されるよう変形するように可撓性材料で作られる。泡ポンプ14が伸展位置にあるとき、隔膜34はキャップ22から上向きに延びている。好ましくは、またほんの一例として、隔膜34は、0.015インチ(0.381mm)と0.060インチ(1.524mm)との間の厚さである壁セクションを有している。隔膜34が作られる材料は、容器18内にある泡立ち液体の化学成分によって変わる。好ましくは、隔膜34は、例えばSantoprene(商標)のような射出成形熱可塑性エラストマーで作られ得る。しかし、隔膜34はほんの一例として、シリコン、ニトリルまたはフルオロシリコンのような別の熱可塑性および熱硬化性エラストマーで作られてもよい。
【0012】
図3は伸展位置における泡ポンプ14の正面等角図を示す。円筒液体ポンプ本体42はキャップ22から下向きに延びている。泡ポンプ14が容器18(図1)に取り付けられるとき、液体ポンプ本体42は容器18内に延びていく。浸漬管(図示せず)が液体ポンプ本体42に接続され、同本体から延びていてもよい。泡ポンプ14が容器18に取り付けられて容器18内に液体ポンプ本体42に向けて液体用の通路を提供するとき、該浸漬管は容器18内に湾曲し、反転し、および/またはさらに延びていてもよい。
【0013】
図4は、図3の泡ポンプ14の分解図を示す。泡ポンプ14はポンプヘッド30、バネシステム46およびキャップ22を含む。ポンプヘッド30はその最上方端に口38を形成するノズルセクション32を含む。ストライカ26はノズルセクション32の下に配置され、隔膜34はストライカ26から下向きに、そしてノズルセクション32から外向きに延びている。ポンプヘッド30は、ストライカ26から下向きに、隔膜34の内側およびそれを越えて延びる円筒ポンプヘッドチューブ50を含む。隔膜34はストライカ26からの最延伸部に、その周囲を囲んで延びる平らな縁36を含む。図4に示すように、2個のゲージ管54が口38に配置される。
【0014】
バネシステム46はバネ支持体58、戻しバネ62、出口ボール66および入口ボール70を含む。バネ支持体58、バネ62、ならびにボール66および70は、ほんの一例として、金属またはプラスチックから作られていてよい。バネ支持体58は下方限界付近でギャップ74、ギャップ74に隣接したシート78、およびギャップ74内に延びる可撓性タブ80を規定する。出口ボール66はギャップ74のシート78に位置付けられ、タブ80によってシート78上に促される。バネ支持体58はさらに、ギャップ74の上方にトップレッジ88、シート78に隣接してボトムレッジ86、およびボトムレッジ86から下に向かって延びてバネ支持体58の最下方セクションを形成する円筒端82を規定する。端82は、バネ62の一部内に受け入れられてバネ62の上端90がレッジ86に当接するように、構成される。入口ボール70はバネ62の下端94に当接する大きさである。
【0015】
図4および図5に示すように、キャップ22は概して円筒外壁104および円筒外壁104の上方端105と下方端107との間の位置で円筒外壁104から内に向かって延びる内部ベース98を有している。壁104は、内面102を有している。溝110は、上方端105の近くのある位置で、壁104の周囲にかつ内面102から壁104の中へ延びている。溝110は、隔膜34の縁36を受け入れるような大きさである。液体ポンプ本体42は、内部ベース98から下向きに延びている。ベース98は、液体ポンプ本体42によって規定され同本体の長さだけ延びる空洞101内に開く穴99を規定する。液体ポンプ本体42は空洞101の下部限界でシート118を規定する。シート118は空洞101内の入口ボール70を支持するような大きさである。液体ポンプ本体42の狭くなったセクション114はシート118から下向きに延びている。シート118およびセクション114は、液体が通って空洞101に入り得る通路116を規定する。
【0016】
図5に示すように、ポンプヘッドチューブ50は、チューブ50に沿って延び、口38と連通する内部空洞136を規定する。空洞136はバネ支持体58を受け入れるような大きさである。ポンプヘッドチューブ50は内部空洞136に沿って支持レッジ142を規定する。バネ支持体58を空洞136内に位置付けするためにバネ支持体58が空洞136に挿入されるとき、バネ支持体58のトップレッジ88は支持レッジ142と当接する。支持レッジ142と当接しているレッジ88は、少なくとも実質的に液体または空気がレッジ88およびレッジ142の間で空洞136に沿って通過するのを妨げる。バネ62の上方部はポンプヘッドチューブ50の空洞136に受け入れられ、バネ62の上端90がバネ支持体58の端82を受け入れる。バネ62はバネ支持体58のレッジ86と当接する。バネ62の下位部はポンプヘッドチューブ50から下向きに液体ポンプ本体42によって規定される空洞101内に延びる。バネ62の下端94は、液体ポンプ本体42のシート118に位置付けされた入口ボール70に係合する。バネ62はバネ支持体58およびポンプヘッド30を液体ポンプ本体42から上向きに促して、泡ポンプ14を伸展位置に促す。
【0017】
図5の組み立てられた泡ポンプ14に示すように、ポンプヘッドチューブ50は空洞101内にしっかりと嵌合し、かつ空洞101に沿って伸縮自在に動ける大きさである。ポンプヘッドチューブ50は、ポンプヘッドチューブ50と液体ポンプ本体42との間で密閉を維持するためにチューブ50の外周を囲んで延びる溝にシール126を含む。シート118からヘッドチューブ50の下方限界までの空洞101、およびヘッドチューブ50内の下方限界からボトムレッジ86までの空洞136は、液体せっけんを容器18(図1)から受け取る円筒液体室122を規定する。バネ62はバネ支持体58およびポンプヘッドチューブ50をシート118から上向きに離れるように促す。ポンプヘッドチューブ50の上向き運動は液体室122内の圧力を低下させ、出口ボール66をシート78に対して引き上げ、入口ボール70をシート118から引き上げる。入口ボール70は液体が容器18からセクション114を通って泡ポンプ14の液体室122内に流れるのを可能にする。
【0018】
バネ支持体58は、ギャップ74と連通し、ギャップ74から上向きに口38に向かって延びる第一の円筒液体通路130を規定する。第二の液体通路132は、シート78およびバネ支持体58の端82を通って延び、ギャップ74と液体室122に連通している。第一の液体通路130はバネ支持体58の上方限界に隣接するポンプヘッド30内の混合室134に通じている。混合室134は、液体通路130とポンプヘッド30の口38内の一連の2つのゲージ管54との間に位置付けされるバッフルまたは静的混合機能138を含む。ゲージ管54は、液体と空気が通過できるゲージまたはメッシュまたは他の任意の種類の多孔部材から作製されうる。ゲージ管54は、ほんの一例として繊維、プラスチック、または金属で作られ得る。ポンプヘッド30は口38内に1つまたは複数のゲージ管54を有してよい。
【0019】
バネ支持体58の、空洞136を通って支持レッジ142から上向きに混合室134まで延びる部分は、バネ支持体58とポンプヘッドチューブ50との間で通路144を規定する大きさおよび構成になっている。空気通路144はチューブ50の下部レッジ142から混合室134まで延びている。空気室106は内部ベース98、壁104、隔膜34、およびポンプヘッドチューブ50によって形成される。図5に示すように、隔膜34はストライカ26の下方で同ストライカに隣接してしっかりと、そして好ましくは弾性的にポンプヘッドチューブ50を取り囲んでいる。ポンプヘッドチューブ50は、空気が通路144からポンプヘッドチューブ50を取り囲む空気室106へ移動するのを可能にする2つの空気の入口140を含む。
【0020】
ポンプヘッドチューブ50は、1つより多くの空気の入口140を含んでよく、または、泡ポンプ14が直立手洗いせっけん容器と共に使用されるか、もしくは壁取り付け式せっけんディスペンサーと共に逆さ位置で使用されるかに応じて、異なる場所で入口140を有してよい。さらに、空気の入口140の位置は、空気室106から空気通路144内に通った後に空気室106に引き込まれる空気の量を減らすために変更可能であり得る。ベース98は、泡ポンプ14が容器18に取り付けられるとき空気室106から容器18(図1)内に延びる通気孔148を含む。通気孔148は、空気が空気室106から容器18に入るのを可能にして、液体が容器18から引き出されるにつれて容器18がつぶれないように容器18内の圧力を維持する。あるいは、容器18が押し出し容器であれば、ベース98は通気孔148を含まない。
【0021】
図6は、図3の泡ポンプ14の、押圧位置における断面側面図を示す。泡ポンプ14が押圧位置に移動するとき、ストライカ26はキャップ22内に押し下げられ、隔膜34は、ストライカ26とベース98との間でつぶれて空気室106内の空気を加圧する。隔膜34がつぶれると、隔膜34はベース98の通気孔148を覆い密閉する。さらに、泡ポンプ14が押圧位置に移動すると、ポンプヘッドチューブ50は下向きに液体ポンプ本体42内に矢印Aの向きで移動して、チューブ50は液体ポンプ本体42のシート118近くのレッジ152と係合し、液体室122の液体を加圧する。チューブ50が液体ポンプ本体42内で下向きに移動すると、チューブ50はバネ支持体58のトップレッジ88と係合し、バネ支持体58を矢印Aの向きで下向きに押して、バネ62が入口ボール70とバネ支持体58との間で圧縮されるようになる。泡ポンプ14が押圧位置から開放されると、バネ62は元に戻り、バネ支持体58を押して、よってチューブ50およびポンプヘッド30を上向きに矢印Bの向きで泡ポンプ14が伸展位置になるまで押す。泡ポンプ14が伸展位置に戻るにつれて、ストライカ26はキャップ22から上向きに移動し、隔膜34は図5に示すようにそのつぶれていない形状に戻る。
【0022】
泡ポンプ14は、ボール70が液体ポンプ本体42の内側のシート118内に受け入れられるまで、入口ボール70をベース98の穴99を通して液体ポンプ本体42の空洞101に位置付けすることにより組み立て可能である。次に、バネ62は同様に空洞101に挿入されて、バネ62の下端94は入口ボール70に係合する。隔膜34はポンプヘッドチューブ50上に位置付けされる。次に、出口ボール66はバネ支持体58のシート78上に位置付けされ、次にバネ支持体58がポンプヘッドチューブ50の空洞136内に挿入される。バネ支持体58を保持する、ポンプヘッドチューブ50は、次に、ベース98の穴99を通して液体ポンプ本体42の空洞101内に挿入されて、バネ62の上部がポンプヘッドチューブ50に受け入れられ、バネ62の上端90がバネ支持体58の端82を受け入れ、バネ支持体58のレッジ86と係合する。隔膜34の縁36は溝110に挿入されて、ポンプヘッド30はキャップ22に固定される。内部側壁102、ベース98、および隔膜34は、空気室106を規定する。
【0023】
図7は、円筒固定キャップ160が取り付けられたディスペンサー10の正面等角図を示す。キャップ160は泡ポンプ14のストライカ26およびキャップ22と嵌合して、泡ポンプ14を押圧位置に保つ。キャップ160は、キャップ160がポンプヘッド30に適合するのを可能にするスロット164を含む。泡ポンプ14を押圧位置にて固定することにより、キャップ160はディスペンサー10が運送中に偶発的に作動するのを阻止し、よって運送中にディスペンサー10からせっけんが漏れることを阻止する。キャップ160は可撓性のストランド172によって同キャップに接続された円筒プラグ168を含む。プラグ168はポンプヘッド30の口38を覆って、せっけんが口38から漏れるのを阻止し、汚染物質がディスペンサー10に入るのを阻止する。キャップ160はプラスチックまたはゴムといった可撓性材料で作られ得る。別の態様では、泡ポンプ14は、他の多くの特徴または方法、ほんの一例としてクリップ、止め具装置、またはねじぶたにより、押圧位置に固定可能である。
【0024】
図8は、図7のディスペンサー10の背面等角図を示す。キャップ160は、キャップ160上の切り取り線180によって規定されるはぎ取り式ストリップ176を含む。ストリップ176はタブ184を含む。使用者はタブ184を引いてストリップ176を切り取り線180に沿ってキャップ160から引きはがす。次に、使用者はディスペンサー10を使用するために、ノズルキャップ168をポンプヘッド30から取り外し、キャップ160の残りをキャップ22およびストライカ26から取り外す。
【0025】
作動中、泡ポンプ14が容器18と共に組み立てられている場合、泡ポンプ14はキャップ160を泡ポンプ14に取り付けることにより押圧位置で固定される。次に、ディスペンサー10が運送中に漏出を起こさないように、ディスペンサー10全体は押圧位置にて販売業者および消費者に向けて出荷される。図5および図6を参照すると、ディスペンサー10(図1)を受け取るとすぐに、消費者は、バネ62が元に戻って泡ポンプ14を伸展位置に移動できるようにキャップ160(図7)を取り除くことによって、せっけんを分配できる。チューブ50が上向きに矢印Bの向きで移動するにつれて、ポンプヘッドチューブ50と液体ポンプ本体42との間のシール126により液体室122に低圧が生じ、出口ボール66はシート78に在る。減圧により液体せっけんが矢印Bの向きで通路116から引き上げられ、この液体せっけんが入口ボール70を押してシート118から離し、ボール70とシート78との間を流れて液体室122内に入る。同様に、泡ポンプ14が伸展位置に移動するにつれて、隔膜34は伸展して空気を口38、混合室134、空気通路144、および空気の入口140を通して空気室106内に引き込む。
【0026】
次に、消費者は、泡ポンプ14が押圧位置に移動するように矢印Aの向きでポンプヘッド30を押し下げることにより発泡せっけんを分配する。ポンプヘッドチューブ50が液体ポンプ本体42内で矢印Aの向きで下向きに動くにつれて、液体室122の液体せっけんはバネ支持体58の端82の第二の液体通路132を通過し、出口ボール66を上向きに押してシート78から離し、それにより液体せっけんはギャップ74内に流れこみ、バネ支持体58の第一の液体通路130を通って上向きに進み、混合室134内に入る。タブ80は出口ボール66が押し上げられないようにして、第一の通路130をブロックする。同時に、空気が、つぶれる隔膜34によって空気室106から空気の入口140を通って空気通路144内に押され、空気は通路144を通って流れて混合室134内に入る。隔膜34がつぶれるにつれて、空気も押されて通気孔148を通って容器18(図1)内に入り、容器18から除去された液体の体積だけ置き代わり、このようにして容器18がつぶれるのを阻止する。
【0027】
液体せっけんと空気が共に混合室134に入る際、液体せっけんと空気は、液体せっけんと空気の経路に乱流を生成し、液体せっけんと空気を組み合わせ混合させて液体―空気混合体にする静的混合部品(static mixing feature)138に入る。次に、液体-空気混合体はゲージ管54を通りポンプヘッド30の口38から出て矢印Cの方向に流れる。加圧された液体-空気混合体がゲージ管54を強制的に通過させられる際に、ゲージ管54の多孔部材が液体-空気混合体を更に混合して泡となし、発泡せっけん混合体は口38から分配される。発泡せっけんが分配された後、消費者はポンプヘッド30を放し、バネ62は元に戻って泡ポンプ14を伸展位置に戻す。泡ポンプ14が伸展位置に戻るにつれて、液体せっけんは再び液体室122引き込まれ、空気は空気室106に引き込まれて、発泡せっけんを分配する工程が繰り返され得る。さらに、隔膜34が再膨張して、口38を通して空気が引き込まれて空気室106に入る際、口38に残った泡はどれもポンプヘッド30に引き戻される。このように、泡ポンプ14は、泡を分配した後、自浄式である。
【0028】
別の態様においては、泡ポンプ14は、発泡せっけんを分配するために壁取り付け式ディスペンサーで使用するように構成され得る。更に、泡ポンプ14は、壁取り付け式せっけんディスペンサー内で直立位置または逆さ位置で使用するように構成され得る。泡ポンプ14が逆さ位置にて使用されるとき、通気孔148は、空気が空気室106から容器18に入らないように、ブロックされる。
【0029】
別の態様においては、泡ポンプ14は、入口ボールおよび出口ボールの代わりにバルブを使用して、液体室122の内および外への液体の流れを阻止するおよび/または可能にすることが出来る。
【0030】
本発明の発泡せっけんディスペンサーの異なる態様は、従来の発泡せっけんディスペンサーシステムに優るいくつかの利点を提供する。該ポンプはわずか3個の副部品、即ち、キャップ、バネシステム、およびポンプヘッドから組み立てられる。該ポンプの組み立て中、作業者は単にバネシステムをキャップのチューブに配置し、次にポンプヘッドのチューブを該キャップ内に挿入し、隔膜を該キャップ内の適所にはめ込む。より少ない組み立て副部品を使用することにより、ポンプは、従来の泡立てポンプよりも、より安価であり、かつ製作および組み立てがより容易になる。更に、該泡立てポンプは運送中にポンプアセンブリを押圧位置にて固定するキャップを含むため、該泡立てポンプは運送中に偶発的に押し下げられたり、せっけんの漏れおよび/または分配が発生する恐れが無い。
【0031】
例として上方、下方、中間、横方向、水平、垂直、最上、後、背面、正面、および同類のもの等の種々の空間的な用語が該泡ポンプの部分を説明するのに使用され得るが、このような用語は単に図に示された方向に関して使用されていることが理解される。方向は、上部が下部となる、およびその逆となる、水平が垂直となる、および同類のものといったように、反転、回転、あるいは変更され得る。
【0032】
前述のものの変形および変更は、本発明の範囲内である。本明細書で開示され規定された発明は、上述のまたは本文および/または図から明白な2つまたはそれより多くの個々の特徴の全ての代替の組合せに及ぶことが理解される。これらの異なる組合せの全てが本発明の種々の代替の局面を構成する。本明細書において説明された態様は、本発明の実施に対して知られている最良の形態を説明し、他の当業者が本発明を利用するのを可能にする。特許請求の範囲は先行技術により許される限度までの代替の態様を含むように解釈され得る。
【0033】
本発明の種々の特徴が以下の特許請求の範囲で明らかにされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体ポンプ本体を通って、瓶の内部と連通している入口通路まで延びるポンプ本体の空洞を規定する液体ポンプ本体を形成する、ポンプ本体と、
前記ポンプ本体の空洞内の圧力よりも大きい瓶内圧力に応じて開き、かつ瓶の内部とポンプ本体の空洞との間の連通を阻止するために、瓶内圧力よりも大きいポンプ本体の空洞内の圧力に応じて閉じる、液体ポンプ本体に取り付けられた入口バルブと、
ポンプヘッドの上方端にノズルセクションを含むポンプヘッドおよび該ノズルセクションから延びるヘッドチューブであって、該ノズルセクションが口を規定し、該ポンプヘッドが該口から該ヘッドチューブを通して延びるポンプヘッドの空洞を規定し、かつ該ヘッドチューブの外面が該ポンプ本体の空洞内にしっかりと嵌合するような大きさおよび構成であり、それにより該ヘッドチューブが該ポンプ本体の空洞内で該空洞に沿って滑動する、ポンプヘッドおよびヘッドチューブと、
該ポンプヘッドの空洞内に位置付けられた多孔部材と、
前記ポンプヘッドの空洞内への、バネ支持体周囲の液体の通過を阻止するために形成され、かつ
該ポンプヘッドの空洞およびポンプ本体の空洞と連通するバネ支持体通路を規定する、
少なくとも一部が該ポンプヘッドの空洞内に延びる大きさであるバネ支持体と、
前記ポンプヘッドの空洞とポンプ本体の空洞との間の連通を可能にするために該ポンプ本体の空洞の圧力に応じて開き、かつ該ポンプ本体の空洞の圧力で開かない場合、該ポンプヘッドの空洞とポンプ本体の空洞との間の連通を阻止するために閉じる、前記バネ支持体に取り付けられた出口バルブと、
入口通路から離れるように該ポンプヘッドチューブとバネ支持体とを促す、少なくとも一部が該ポンプ本体の空洞内に位置付けられたポンプバネと、
前記ポンプ本体から離れた場所で前記ポンプヘッドに固定され、該ポンプヘッド周囲に延び、かつ該ポンプヘッドに隔膜が固定されている場所から該ポンプ本体まで延びる可撓性隔膜であって、該隔膜、該ポンプ本体、および該ポンプヘッドが空気室を規定し、該ポンプヘッドチューブの入口通路への運動が該隔膜を変形させ、それにより空気室の容積を減少させる、可撓性隔膜と
を含み、
前記ポンプヘッドが、前記出口バルブシートと前記多孔部材との間に配置される、空気室およびポンプヘッドの空洞と連通する1個または複数の空気通路を規定する、
瓶に取り付けられ、瓶内で液体の泡を作り、かつその泡を分配するポンプ。
【請求項2】
出口バルブがバネ支持体によって押さえられている、請求項1記載のポンプ。
【請求項3】
バネがバネ支持体に当接し、該バネ支持体がポンプヘッドチューブに当接し、それによって該バネが該バネ支持体を促して、該バネ支持体を介して該ポンプヘッドチューブを入口通路から離す、請求項1または2記載のポンプ。
【請求項4】
バネ支持体が、ポンプヘッドの空洞を通って、該バネ支持体が該ヘッドチューブ空洞内への該バネ支持体周囲の液体の通過を阻止する場所から、空気通路と多孔部材との間の場所まで延び、該ポンプヘッドの空洞内の該バネ支持体が該ポンプヘッドチューブから分離して、該ポンプヘッドチューブと該バネ支持体との間で空気通路を規定し、それにより液体が該バネ支持体通路を通過し、空気が該空気通路を通過して、該バネ支持体と該多孔部材との間の場所で混合する、請求項1、2、または3記載のポンプ。
【請求項5】
バネが入口バルブと当接して該入口バルブを閉じるよう促して、該ポンプ本体の空洞と瓶内部との間の連通を阻止する、請求項1〜4のいずれか一項記載のポンプ。
【請求項6】
ポンプヘッドが隔膜とポンプ本体との間に配置されるストライカを含み、該ストライカおよび該ポンプ本体が互いに解放可能に係合するよう構成され、それによって該ストライカおよび該ポンプ本体は互いに該ポンプヘッドを維持することにより、ポンプヘッドチューブが実質的に該ポンプ本体の空洞内にある、請求項1〜5のいずれか一項記載のポンプ。
【請求項7】
ストライカおよびポンプ本体が、該ストライカとキャップとが互いに係合する際に隔膜を取り囲むように構成されている、請求項6記載のポンプ。
【請求項8】
ポンプ本体が空気室および容器内部と連通する空気通路を規定し、ストライカと該ポンプ本体が互いに係合して実質的に該ポンプ本体の空洞内にポンプヘッドチューブを維持する際、該空気通路が該隔膜の下になるように配置される、請求項6または7記載のポンプ。
【請求項9】
液体せっけんを保持する容器と、
ポンプヘッド部、バネ部、およびキャップ部を含む、前記容器に接続されたポンプアセンブリと
を含み、
前記ポンプヘッド部が、チューブと隔膜とを含み、前記キャップ部が、前記チューブを受け入れかつ該隔膜に接続されて空気室を規定するように構成され、前記バネ部が、該チューブおよび該キャップ部内に受け入れられて、前記容器から前記キャップ部を通って液体を受け入れる液体室を規定する、バネと支持部材とを含み、前記液体室および空気室が、多孔部材近くの前記ポンプヘッド部内の混合室と連通し、前記ポンプヘッド部が押圧位置に移動させられた場合、前記支持部材は、液体が液体室から混合室まで流れるように前記バネを圧縮するように構成され、かつ前記隔膜は、空気が前記空気室から前記混合室まで流れるようにつぶれ、それにより空気と液体が該混合室内で混じり合い、該空気と液体の混合体が、前記多孔部材を通過して前記ポンプヘッドから泡として分配される、
発泡せっけんディスペンサー。
【請求項10】
液体が容器からポンプアセンブリ内に引き込まれる場合に、空気が空気室から容器内に流れるように、キャップ部が、該空気室と該容器との間に延びる通気孔を含む、請求項9記載のディスペンサー。
【請求項11】
ポンプヘッド部が、該ポンプヘッド部が十分に押圧されかつ隔膜がキャップ部内でつぶれた場合に該キャップ部内に受け入れられかつ該キャップ部内で前記隔膜を覆うように構成された円盤を含む、請求項9または10記載のディスペンサー。
【請求項12】
キャップ部が空気室と容器との間に延びる通気孔を含み、隔膜がつぶれた場合に、該隔膜が該通気孔を覆う、請求項9記載のディスペンサー。
【請求項13】
固定キャップを更に含み、該固定キャップが解放可能にポンプヘッド部と係合して該ポンプヘッド部を前記押圧位置に維持する、請求項9〜12のいずれか一項記載のディスペンサー。
【請求項14】
支持部材およびチューブが空気室から混合室まで延びる空気通路を規定し、該チューブが該空気室および該空気通路と連通する空気の入口を規定する、請求項9〜13のいずれか一項記載のディスペンサー。
【請求項15】
支持部材が液体室から混合室まで延びる液体通路を含む、請求項9〜14のいずれか一項記載のディスペンサー。
【請求項16】
バネ部が、前記支持部材内に取り付けられて液体室から液体通路への液体の通過をブロックおよび許可する出口バルブと、キャップ部内に取り付けられて容器から液体室内への液体の通過をブロックおよび許可する入口バルブとを含み、該バネが圧縮された場合に、液体が該液体室から該出口バルブを通って該液体通路内に流れ、該バネが元に戻った場合に、液体が容器から該入口バルブを通って該液体室内に流れる、請求項15記載のディスペンサー。
【請求項17】
液体を保持する容器と、
該容器に固定されるように構成されたポンプアセンブリと、
固定キャップと、
を含み、
前記ポンプアセンブリが、該ポンプアセンブリが伸展位置から押圧位置に移動させられた場合に該ポンプアセンブリが液体を容器から引き込んで該液体を泡として分配するよう、伸展位置と押圧位置との間で移動するように構成され、
前記固定キャップが、前記ポンプアセンブリが前記押圧位置に維持されるよう、該ポンプアセンブリに取り外し可能に接続されるように構成されている、
発泡せっけんディスペンサー。
【請求項18】
ポンプアセンブリがせっけんを分配する口を含み、前記固定キャップが、せっけんが該口から漏れるのを阻止しかつ汚染物質がディスペンサーに入るのを阻止するために該口を覆うプラグを含む、請求項17記載のディスペンサー。
【請求項19】
プラグが可撓性のストランドにより固定キャップに接続される、請求項18記載のディスペンサー。
【請求項20】
固定キャップが、該固定キャップがポンプアセンブリから取り外し可能であるよう、固定キャップから取り外されるように構成された取り外し可能なストリップを含む、請求項17〜19のいずれか一項記載のディスペンサー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−502744(P2011−502744A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531525(P2010−531525)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際出願番号】PCT/EP2008/064727
【国際公開番号】WO2009/056596
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(510121455)ピベッド リミテッド (2)
【Fターム(参考)】