説明

流体圧回路

【課題】メインコントロール弁を直接パイロット操作できるとともに、圧力センサを用いることなく連動操作状態を正確に把握できる流体圧回路を提供する。
【解決手段】メインコントロール弁23の複数の可動弁体54St1,54Sw,54St2,54Bm1は、ポンプ67a,67bから吐出した流体を方向制御して複数のアクチュエータに供給する。弁装置21a,21bは、複数の可動弁体54St1,54Sw,54St2,54Bm1を弁装置21a,21bの操作体の操作量に応じたパイロット圧によりパイロット操作するとともに操作量に応じた電気信号を出力する。コントローラ25は、弁装置21a,21bから出力した電気信号より連動操作状態を判断して連動操作状態に応じた制御信号を出力する。電磁比例弁116,117,118は、コントローラ25からの制御信号に応じたパイロット制御圧を出力して可動弁体54St1,54Sw,54St2,54Bm1を連動操作状態に応じて変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人力操作される弁装置を用いた流体圧回路に関する。
【背景技術】
【0002】
図4に示されるように、建設機械としての油圧ショベルは、走行モータを備えた下部走行体11に、旋回部12の旋回モータにより旋回可能の上部旋回体13が設けられ、この上部旋回体13にフロント作業機のブーム14が、ブームシリンダ15により上下方向に回動自在に軸支され、このブーム14の先端にスティック16が、スティックシリンダ17により内外方向に回動自在に軸支され、このスティック16の先端にバケット18が、バケットシリンダ19により開閉方向に回動自在に軸支されている。
【0003】
このような油圧ショベルにおいて、走行モータ、旋回モータ、ブームシリンダ15、スティックシリンダ17、バケットシリンダ19などのアクチュエータの動作を制御するのは、パイロット操作式のメインコントロール弁の可動弁体である走行用ステム、旋回用ステム、ブーム用ステム、スティック用ステム、バケット用ステムであるが、これらの各ステムは、レバー操作式またはペダル操作式の油圧パイロットコントロール弁(以下、パイロットコントロール弁を「リモコン弁」という)によりパイロット操作することが一般的である。
【0004】
その場合、ブーム上げ+旋回などの連動操作状態を検出するには、油圧リモコン弁から発生するパイロット2次圧側の回路中に圧力スイッチや、圧力センサを装着して、これらにより操作レバーの操作量を間接的に検出したり、メインコントロール弁に油圧論理回路を組込み、連動操作状態に合致した場合は、圧力を発生するようにして、連動操作状態に適応するように油圧回路の切替をしている。
【0005】
また、レバー操作量に応じた電気信号を出力する電気式操作レバーを装着した機械においては、電気信号から連動操作状態を検出するのは簡便であるが、この信号を演算処理してメインコントロール弁を駆動する演算回路がコントローラ内に必要となる(例えば、特許文献1、2参照)。
【特許文献1】実開平3−086426号マイクロフィルム
【特許文献1】特開平3−230209号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、従来の油圧リモコン弁を用いる場合は、連動操作状態を検出して油圧回路を切替えるための圧力スイッチ、圧力センサ、油圧論理回路などを用いる必要があり、また、電気式操作レバーを装着した機械においては、連動操作状態の検出信号を演算処理した制御信号によりメインコントロール弁を制御するコントローラが必要となり、システムが複雑化し、トラブル原因を探求するトラブルシュートも困難になるという問題がある。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、弁装置によりメインコントロール弁を直接パイロット操作できるとともに、圧力スイッチや圧力センサを用いることなく連動操作状態を正確に把握できる流体圧回路を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載された発明は、ポンプから吐出された流体を方向制御して複数のアクチュエータに供給するメインコントロール弁の複数の可動弁体と、複数の可動弁体を操作体の操作量に応じたパイロット圧によりパイロット操作するとともに操作体の操作量に応じた電気信号を出力する弁装置と、弁装置から出力された電気信号より連動操作状態を判断して連動操作状態に応じた制御信号を出力するコントローラと、コントローラからの制御信号に応じたパイロット制御圧を可動弁体に出力して可動弁体を連動操作状態に応じて変化させる電磁比例弁とを具備し、上記弁装置は、任意の方向へ回動自在に設けられた操作体と、操作体の回動角度に応じて流体圧回路のパイロット操作式のメインコントロール弁にパイロット圧を出力するパイロットコントロール弁と、操作体の回動角度を電気的に検出して流体圧回路制御用のコントローラに対し回動角度に応じた電気信号を出力する操作量検出装置とを具備し、パイロットコントロール弁は、一方向に回動される操作体により押圧移動されメインコントロール弁の一の可動弁体にパイロット圧を出力する一のスプールと、一方向と交差する他方向に回動される操作体により押圧移動されメインコントロール弁の他の可動弁体にパイロット圧を出力する他のスプールとを有し、操作量検出装置は、一方向の回動角度に応じた信号を出力する一の角度センサと、他方向の回動角度に応じた信号を出力する他の角度センサと、これらの角度センサに操作体の回動角度を伝達するために操作体を介し交差して回動自在に設けられた2つのスライドリングとを具備し、コントローラは、一の角度センサおよび他の角度センサで検出された角度信号を読取り、演算処理して、複数のアクチュエータの連動操作状態を判断し、流体圧回路を連動操作状態に応じて制御する機能を備えた流体圧回路である。
【0009】
請求項2に記載された発明は、請求項1記載の流体圧回路において、コントローラおよび電磁比例弁が、共通のポンプから流体の供給を受ける特定の可動弁体および別の可動弁体のうち特定の可動弁体に作用するパイロット圧を制御して特定の可動弁体を別の可動弁体用の操作量に応じて中立位置の方向に戻し制御するものである。
【0010】
請求項3に記載された発明は、請求項1または2記載の流体圧回路において、一の可動弁体に供給される流体の流量を他の可動弁体に供給される流体の流量に対し他の可動弁体用の操作量に応じて絞ることで一の可動弁体より他の可動弁体に供給される流量を優先させる優先弁を備え、コントローラおよび電磁比例弁は、この優先弁を制御するものである。
【0011】
請求項4に記載された発明は、請求項1乃至3のいずれか記載の流体圧回路において、ポンプが、可変容量形ポンプであり、弁装置の操作量に応じてコントローラから出力された制御信号により可変容量形ポンプの容量を制御するレギュレータを具備したものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、パイロットコントロール弁から出力されたパイロット圧により、メインコントロール弁を操作体の操作量に応じて直接パイロット操作できるとともに、操作体の操作量を操作量検出装置により直接検出して流体圧回路制御用のコントローラに対し操作量に応じた電気信号を出力するので、従来の圧力スイッチや圧力センサなどの連動操作状態を検出するための圧力検出手段を流体圧回路中に設置することなく、操作量検出装置から出力された電気信号により、コントローラは連動操作状態を正確に把握できる。すなわち、1本の操作体を一方向と他方向の中間の方向に回動して、一のスプールおよび他のスプールを簡単に連動操作できるとともに、これらの各スプールの操作量を一の角度センサおよび他の角度センサによりそれぞれ簡単に検出して連動操作状態を正確に把握できる。このとき、2つのスライドリングが同時に回動され、2つの角度センサに、操作体動作の2方向成分が伝えられ、これらの角度センサにより2方向の操作体回動角度が同時に検出され、コントローラは、これらの角度センサから、2つの可動弁体に出力されたパイロット2次圧と対応する角度信号を得ることができる。この弁装置から出力されたパイロット圧によりメインコントロール弁の可動弁体を操作体の操作量に応じて直接パイロット操作するので、コントローラ内の計算時間に起因する遅れを防止できるとともに、操作体の操作量に応じて弁装置から出力された電気信号により、コントローラは、連動操作状態を判断して、連動操作状態に応じた制御信号を電磁比例弁に出力し、電磁比例弁から制御信号に応じたパイロット制御圧を可動弁体に出力して、可動弁体を連動操作状態に応じて変化させるので、複数のアクチュエータの連動操作状態を判断し、流体圧回路を連動操作状態に応じて制御できるとともに、コントローラなどの電子制御系統に異常が発生した場合、連動操作性が損なわれることはあっても、弁装置によりメインコントロール弁の可動弁体をパイロット操作する基本機能は損なわれることがない。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、特定の可動弁体に作用するパイロット圧を制御して特定の可動弁体を別の可動弁体用の操作量に応じて中立位置の方向に戻し制御することにより、特定の可動弁体を経て対応するアクチュエータに供給される流体の流量を抑制するので、共通のポンプから別の可動弁体を経て対応するアクチュエータに供給される流体の流量を確保できる。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、優先弁により、一の可動弁体に供給される流体の流量を他の可動弁体用の操作量に応じて絞るので、一の可動弁体を経て対応するアクチュエータに供給される流量に対して、他の可動弁体を経て対応するアクチュエータに、より多くの流量を供給できる。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、弁装置の操作量に応じてコントローラから出力された制御信号によりレギュレータを作動させて、ポンプ流量を制御するので、ネガティブコントロール用リリーフ弁などのポンプ流量を制御するための従来の機器が不要となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る流体圧回路に用いられる弁装置を図1および図2に示された一実施の形態を参照しながら、本発明に係る流体圧回路としての油圧回路を図3および図4に示された一実施の形態を参照しながら説明する。
【0017】
図1および図2は、電気式操作レバー(電気ジョイスティック)と、油圧パイロットコントロール弁とを合成した構造を有する弁装置としてのハイブリッドリモコン弁21を示す。
【0018】
図1に示されるように、このハイブリッドリモコン弁21は、手動操作により任意の方向へ移動可能の操作体22と、この操作体22の操作量に応じて油圧回路のパイロット操作式のメインコントロール弁23にパイロット圧を出力するパイロットコントロール弁としての油圧リモコン弁24と、操作体22の操作量を電気的に検出して油圧回路制御用のコントローラ25に対し操作量に応じた電気信号を出力する操作量検出装置26とを具備している。
【0019】
操作体22は、油圧リモコン弁24の上部中央に螺着されたねじ27の頭部に、ユニバーサルジョイントまたはボールジョイントなどの自在継手28により、360°の任意の方向へ回動自在に設けられている。
【0020】
自在継手28がユニバーサルジョイントである場合は、図1前後方向の回動支軸31を中心に、一方向としての左右方向に回動されるとともに、図1左右方向の回動支軸32を中心に、一方向と交差する他方向としての前後方向に回動されるジョイント部材33を有する。
【0021】
このジョイント部材33のねじ部34に、ロッド押圧部材としての円板35が螺合され、さらに調整ナット36の下部が螺合され、この調整ナット36の上部およびその上側に設けられたロックナット37にレバー38の下部が螺入され、ロックナット37により固定されている。レバー38の上部には、ハンドル39が一体的に設けられている。
【0022】
このように、自在継手28により任意の方向に回動可能に設けられたレバー38および前記操作量検出装置26は、ハンドル39の下部に設けられた溝部41と、油圧リモコン弁24の上部に設けられた溝部42とに嵌着された蛇腹状カバー43により覆われている。
【0023】
また、油圧リモコン弁24は、弁本体44の上部に、図1前後方向の回動支軸31を中心に左右方向に回動される操作体22により円板35を介し押下げられる左右1対のプッシュロッド45が液密に摺動自在に嵌着され、これらのプッシュロッド45の下側にそれぞれ介在ロッド46を介して設けられた左右1対の一のスプール47が、弁本体44の下部に摺動自在に嵌合されている。
【0024】
同様に、図1左右方向の回動支軸32を中心に前後方向に回動される操作体22により円板35を介し押下げられる前後1対のプッシュロッド(図示せず)が、弁本体44の上部に液密に摺動自在に嵌着され、これらのプッシュロッドの下側にそれぞれ介在ロッドを介して設けられた前後1対の他のスプール(すなわち図2上下1対のスプール48)が、弁本体44の下部に摺動自在に嵌合されている。
【0025】
各プッシュロッド45は、弁本体44内に設けられた大径側のスプリング51により、シート52を介して上方へ付勢されている。また、各スプール47,48は、上記スプリング51の内径側に設けられたスプリング53により、下方へ付勢されているが、戻り圧により上方へ移動可能となっている。
【0026】
左右1対のスプール47は、メインコントロール弁23の一の可動弁体としての一のステム54の一端面または他端面に対してパイロット圧をそれぞれ出力し、図1に現われない1対のスプール48は、メインコントロール弁23の他の可動弁体としての他のステム(図示せず)の一端面または他端面に対してパイロット圧をそれぞれ出力するものである。
【0027】
弁本体44内には、パイロットポンプ55に連通されたパイロット1次圧供給側の1次側通路56と、タンク57に連通されたブッシング58内のリターン通路59およびこれに連なるリターン室61と、スプール47の位置により通路62を経て1次側通路56に連通可能または通路63を経てリターン室61に連通可能のパイロット2次圧供給側の2次側通路64とが設けられている。
【0028】
したがって、スプール47が下方へ移動すると、1次側通路56と2次側通路64とが連通し、スプール47が上方へ移動すると、2次側通路64とリターン室61とが連通する。
【0029】
弁本体44の下面にはプレート65が液密に取付けられ、このプレート65には、2つの2次側通路64に連通されたポート66と、1次側通路56に連通されたポート(図示せず)と、リターン通路59に連通されたポート(図示せず)とが、それぞれ設けられている。
【0030】
2つの2次側通路64のポート66は、ポンプとしての可変容量形ポンプ67からアクチュエータ68に供給される作動油を方向制御および絞り制御するメインコントロール弁23のステム54の一端部および他端部に、それぞれのパイロットライン69で連通されている。
【0031】
操作量検出装置26は、油圧リモコン弁24の弁本体44の上部に設置されている。すなわち、図2においては、下側部に示された場所にセンサ取付部71が設けられ、このセンサ取付部71に、図1前後方向の回動支軸31を中心とする左右方向のレバー回動で一方向の操作量としての回動角度に応じた電気信号を出力するポテンショメータなどの一の操作量センサとしての一の角度センサ72が、そのセンサ本体部より突設された1対の取付板73にて、1対のねじ74により固定されている。
【0032】
同様に、図2左側部に示された場所にセンサ取付部75が設けられ、このセンサ取付部75に、図1左右方向の回動支軸32を中心とする前後方向のレバー回動で他方向の操作量としての回動角度に応じた電気信号を出力するポテンショメータなどの他の操作量センサとしての他の角度センサ76が、そのセンサ本体部より突設された1対の取付板77にて、1対のねじ78により固定されている。
【0033】
さらに、弁本体44の上面にて、操作体22のレバー38を介して、これらの角度センサ72,76とは反対側の場所には、軸受部81,82がそれぞれ設けられ、各角度センサ72,76とこれらに対向する各軸受部81,82との間には、レバー38の回動角度を各角度センサ72,76に伝達するための操作体角度伝達部材としての2つのスライドリング83,84が交差して設けられている。
【0034】
これらのスライドリング83,84は、操作体22の調整ナット36に嵌着されたカラー85(図1)の一側部および他側部と摺動自在に接触する1対の平行状部86と、これらの平行状部86の両端部間を接続する軸支板部87とにより、無端状に形成されている。
【0035】
これらのスライドリング83,84の両端の軸支板部87は下方へ折曲形成されており、これらの軸支板部87には、各回動支軸31,32の延長上に配置された角度センサ72,76の軸88(図1)と嵌合する軸嵌着部89と、各回動支軸31,32の延長上に配置された軸受部81,82と嵌合する軸90(図1)とが、それぞれ一体に設けられている。各角度センサ72,76の軸88と各スライドリング83,84の軸嵌着部89は、嵌合した後、ねじ91により一体化する。
【0036】
図1に示されるように、弁本体44の上部にはカバー取付部92が嵌着され、このカバー取付部92にセンサカバー93が取付けられ、このセンサカバー93により各角度センサ72,76が覆われて保護されている。
【0037】
また、弁本体44の下部には配線カバー94が嵌着され、この配線カバー94に嵌着されたブッシング95を経て、角度センサ72,76に接続された電気信号取出用の電線96が、外部に引出されている。ハンドル39に設けられたスイッチ(図示せず)に接続された電線97は、蛇腹状カバー43および配線カバー94を経て外部に引出されている。
【0038】
次に、図1および図2に示されたハイブリッドリモコン弁21の作用効果を説明する。
【0039】
図1において、操作体22を例えば右側に回動すると、円板35が右側に傾き、右側のプッシュロッド45を押下げる。このプッシュロッド45が下がると、右側のシート52は内外のスプリング51,53を圧縮しながら下降する。
【0040】
内側のスプリング53の圧縮力により右側のスプール47が押下げられて下側の通路62が開き、パイロットポンプ55から1次側通路56内に供給されたパイロット1次圧油は、この通路62でスプール47の変位量に応じて圧力制御されてパイロット2次圧油として右側の2次側通路64に流れ、さらに右側のポート66からパイロットライン69を経て、メインコントロール弁23のステム54の左側に作用する。
【0041】
ステム54は、このパイロット2次圧に応じてストロークし、可変容量形ポンプ67からアクチュエータ68の一側に供給されアクチュエータ68の他側からタンク57に戻される作動油の方向および流量を制御し、アクチュエータ68を所定の速度で作動させる。
【0042】
すなわち、レバー回動角度に応じて、内側のスプリング53の力が増減し、1次側通路56から通路62を経て2次側通路64に供給されたパイロット2次圧が高低変化し、メインコントロール弁23のステム54のストロークが制御され、可変容量形ポンプ67からアクチュエータ68に供給される作動油量が制御され、アクチュエータ68の作動速度が決定される。
【0043】
一方、ステム54の右側から押出されたパイロット戻り油は、パイロットライン69を経てポート66より左側の2次側通路64に戻され、このとき、左側のプッシュロッド45は円板35から開放されているので、左側のスプール47は、そのスプール両端に作用する圧力の差により、内側のスプリング53に抗して上方へ移動し、上側の通路63を開口する。したがって、左側の2次側通路64に戻されたパイロット戻り油は、この通路63を経てリターン室61に戻され、さらにリターン通路59を経てタンク57に戻される。
【0044】
同時に、この操作体22を図1右側に回動したときのレバー動作は、図2上下方向に設けられたスライドリング83により図2下側に位置するポテンショメータなどの角度センサ72の軸に伝えられ、この角度センサ72によりレバー回動角度が電気的に検出され、コントローラ25は、この角度センサ72から角度信号を得ることができる。
【0045】
このようなレバー操作は、図1前後方向の回動支軸31を中心に操作体22を左右方向のみに回動操作する単一スプール動作例であるが、操作体22を図2斜め上方または斜め下方へ倒すと、図2左右方向に配置されたスプール47とともに上下方向に配置されたスプール48も同時に移動され、左右方向に配置されたスプール47からのパイロット2次圧により前記ステム54をパイロット操作すると同時に、上下方向に配置されたスプール48からのパイロット2次圧により別のステムもパイロット操作して、1本の操作体22により前記アクチュエータ68と別のアクチュエータとを連動操作することが可能となる。
【0046】
このとき、図2上下方向および左右方向に設けられた2つのスライドリング83,84が同時に回動され、図2下側に位置する角度センサ72の軸と左側に位置する角度センサ76の軸とに、レバー動作の2方向成分が伝えられ、これらの角度センサ72,76により2方向のレバー回動角度が同時に検出され、コントローラ25は、これらの角度センサ72,76から、2つのステム54に出力されたパイロット2次圧と対応する角度信号を得ることができる。
【0047】
さらに、コントローラ25は、単一のハイブリッドリモコン弁21に装着された2つの角度センサ72,76から、2つのステムに出力されたパイロット2次圧と対応する角度信号を得るだけでなく、複数のハイブリッドリモコン弁21に装着された複数の角度センサ72,76から、複数のステムに出力されたパイロット2次圧と対応する角度信号を得ることもできる。
【0048】
コントローラ25は、複数の角度センサ72,76で検出された角度信号を読取り、演算処理して、複数のアクチュエータの連動操作状態を判断し、油圧回路を連動操作状態に応じて制御する。
【0049】
このように、油圧リモコン弁24から出力されたパイロット2次圧により、ソレノイド式でないため頑健で故障し難いメインコントロール弁23のステム54を操作体22の操作量に応じて直接パイロット操作できるとともに、操作体22の操作量を操作量検出装置26により直接検出して流体圧回路制御用のコントローラ25に対し操作量に応じた電気信号を出力するので、従来の圧力スイッチや圧力センサなどの連動操作状態を検出するための圧力検出手段を流体圧回路中に設置することなく、操作量検出装置26から出力された電気信号により、コントローラ25は連動操作状態を正確に把握できる。
【0050】
また、1本の操作体22を図1前後方向の回動支軸31および左右方向の回動支軸32を中心に同時に回動すると、図2左右のスプール47および上下のスプール48を簡単に連動操作できるとともに、これらの各スプール47,48の操作量を図2下側の角度センサ72および左側の角度センサ76によりそれぞれ検出して連動操作状態を正確に把握できる。
【0051】
以上のように、
1.レバー操作式の油圧リモコン弁24に、レバー操作角度を直接検出する操作量検出装置26の角度センサ72,76を装着して、ハイブリッドリモコン弁21を構成する。
【0052】
2.パイロット操作式のメインコントロール弁23は、油圧リモコン弁24から発生するパイロット2次圧で駆動する。
【0053】
3.連動操作状態は、角度センサ72,76で検出された角度信号をコントローラ25で読取り、判断する。
【0054】
4.コントローラ25は、角度センサ72,76で得られた角度信号を演算処理して油圧回路に制御信号を出力し、次に説明するように油圧回路を連動操作状態に応じて制御する。
【0055】
5.角度センサ72,76は、レバー操作式の油圧リモコン弁24だけでなく、ペダル操作式の油圧リモコン弁に装着しても良い。
【0056】
次に、図3は、図1および図2に示されたハイブリッドリモコン弁21と同様のハイブリッドリモコン弁21a,21bを油圧ショベルの油圧回路に適用した応用例を示す。図4は、対応するアクチュエータを示す。
【0057】
図3に示されるように、油圧源となる1対の可変容量形ポンプ67a,67bの吐出口に接続された吐出ライン101,102はパイロット操作式のメインコントロール弁23に接続されている。
【0058】
このメインコントロール弁23は、各可変容量形ポンプ67a,67bから吐出された流体としての作動油を方向制御および絞り制御して複数のアクチュエータ(図4に示された左右の走行モータ、旋回モータ、ブームシリンダ15、スティックシリンダ17、バケットシリンダ19など)に供給する複数の可動弁体としてのステム54TrL,54TrR,54Sw,54Bm1,54Bm2,54St1,54St2,54Bk,54Auを備えている。
【0059】
すなわち、右側の可変容量形ポンプ67aから吐出ライン101、走行直進弁103およびパラレル通路104を経て作動油の供給を受けるステムとして、右走行用ステム54TrR、バケット用ステム54Bk、アタッチメント用ステム54Au、特定の可動弁体としてのスティック用第2ステム54St2および別の可動弁体としてのブーム用第1ステム54Bm1が設けられている。
【0060】
また、左側の可変容量形ポンプ67bから吐出ライン102、走行直進弁103またはパラレル通路105を経て作動油の供給を受けるステムとして、左走行用ステム54TrL、一の可動弁体としてのスティック用第1ステム54St1、他の可動弁体としての旋回用ステム54Sw、ブーム用第2ステム54Bm2が設けられている。
【0061】
スティック用第1ステム54St1と旋回用ステム54Swとの間には、パイロット操作式流量制御弁である優先弁106が、逆止弁107とともに設けられている。
【0062】
この優先弁106は、パラレル通路105からスティック用第1ステム54St1の作動油供給口に供給される作動油の流量を、旋回・スティック連動操作状態に応じて絞ることで、スティック用第1ステム54St1より旋回用ステム54Swに供給される作動油の流量を優先させ、スティック動作より旋回動作を優先させるものである。
【0063】
また、スティック用第1ステム54St1の作動油供給口には、スティック用第2ステム54St2を経たタンデム通路108も接続されている。
【0064】
各可変容量形ポンプ67a,67bの吐出ライン101,102は、各ステムが中立位置にあるときはセンタバイパス通路109,110を経てタンク57に連通されている。
【0065】
さらに、例えば図3右側に示されたハイブリッドリモコン弁21aは、一方のスプール47により制御されたパイロット圧を供給するパイロットライン69aBmが、ブーム用第1ステム54Bm1およびブーム用第2ステム54Bm2の端面に連通され、他方のスプール48により制御されたパイロット圧を供給するパイロットライン69aBkが、バケット用ステム54Bkの端面に連通されている。
【0066】
同様に、図3左側に示されたハイブリッドリモコン弁21bは、一方のスプール47により制御されたパイロット圧を供給するパイロットライン69bSwが、旋回用ステム54Swの端面に連通され、他方のスプール48により制御されたパイロット圧を供給するパイロットライン69bStが、スティック用第1ステム54St1およびスティック用第2ステム54St2の端面に連通されている。
【0067】
各パイロットライン69aBm、69aBk、69bSw、69bStは、図面上は、各ステムの片側のみに対し配設されているが、反対側に対しても配設されていることは言うまでもない。
【0068】
そして、右側のハイブリッドリモコン弁21aは、ブーム用第1ステム54Bm1、ブーム用第2ステム54Bm2、バケット用ステム54Bkを1本の操作体22の操作量に応じたパイロット2次圧により同時に連動操作するとともに、左側のハイブリッドリモコン弁21bは、スティック用第1ステム54St1、スティック用第2ステム54St2、旋回用ステム54Swを1本の操作体22の操作量に応じたパイロット2次圧により同時に連動操作する。
【0069】
これらの各ハイブリッドリモコン弁21a,21bにそれぞれ装着された2つの角度センサ72,76(図2)は、前記電気信号取出用の電線96によりコントローラ25の入力部にそれぞれ接続されている。そして、それぞれの角度センサ72,76は、操作体22の操作方向および操作量に応じた2方向の電気信号を同時に出力する。
【0070】
コントローラ25は、各ハイブリッドリモコン弁21a,21bの2つの角度センサ72,76(図2)から出力された電気信号を演算処理し、連動操作状態を判断して、その連動操作状態に応じた制御信号を、制御信号出力ライン111,112,113,114,115により電気的に接続された電油変換手段やポンプ制御手段に出力する。
【0071】
前記電油変換手段としては、例えば、スティック用第2ステム54St2、優先弁106、ブーム用第2ステム54Bm2のパイロット圧作用部に対して電磁比例弁116,117,118が接続され、これらの電磁比例弁116,117,118は、コントローラ25からの制御信号に応じたパイロット制御圧を上記スティック用第2ステム54St2、優先弁106、ブーム用第2ステム54Bm2に出力して、これらのステムなどを連動操作状態に応じて変化させる。
【0072】
また、前記ポンプ制御手段としては、可変容量形ポンプ67a,67bにおける斜板などの容量可変手段に対してレギュレータ119,120が設けられ、これらのレギュレータ119,120は、ハイブリッドリモコン弁21a,21bの操作量に応じてコントローラ25から出力された制御信号により可変容量形ポンプ67a,67bの容量を可変制御する。
【0073】
次に、この図3に示された回路の作用効果を説明する。
【0074】
一方のハイブリッドリモコン弁21aによりブーム用第1ステム54Bm1およびブーム用第2ステム54Bm2をパイロット操作すると同時に、他方のハイブリッドリモコン弁21bによりスティック用第1ステム54St1およびスティック用第2ステム54St2をパイロット操作する連動操作状態では、この連動操作状態を角度センサ72,76(図2)により検出したコントローラ25が、ハイブリッドリモコン弁21aのブーム側レバー操作量に応じた制御信号により、電磁比例弁116を通じて、特定の可動弁体としてのスティック用第2ステム54St2に作用するパイロット圧を増大制御して、このスティック用第2ステム54St2を中立位置の方向に戻し制御する。
【0075】
すなわち、ハイブリッドリモコン弁21bのみをスティック側にレバー操作する単独操作の場合は、スティック用第1ステム54St1およびスティック用第2ステム54St2をハイブリッドリモコン弁21bからのパイロット2次圧で駆動するが、その後、2つのハイブリッドリモコン弁21a,21bを同時にレバー操作して、ブームシリンダ15とスティックシリンダ17とを連動するブーム・スティック連動操作状態に入ると、ブーム操作量の比重が大きくなるに応じて、コントローラ25が電磁比例弁116を通じてスティック用第2ステム54St2を中立位置の方に向けて押し戻すように制御する。
【0076】
これにより、スティック用第2ステム54St2を経て対応するスティックシリンダ17に供給される作動油流量を抑制でき、その分、このスティック用第2ステム54St2と共通の可変容量形ポンプ67aから別の可動弁体としてのブーム用第1ステム54Bm1を経て対応するブームシリンダ15に供給される必要な作動油流量を確保できるとともに、スティック用第2ステム54St2とブーム用第1ステム54Bm1の間の圧力干渉を回避でき、ブームシリンダ15に必要な圧力を供給できる。
【0077】
また、ハイブリッドリモコン弁21bによりスティックシリンダ17と旋回モータとを連動操作する場合は、ハイブリッドリモコン弁21bの旋回側レバー操作量に応じて、コントローラ25が電磁比例弁117を通じて優先弁106を制御し、電磁比例弁117からのパイロット圧により優先弁106を流量絞り方向にパイロット操作することで、パラレル通路105から優先弁106を経て一の可動弁体としてのスティック用第1ステム54St1に供給される流量が少なくなり、その分、共通のパラレル通路105から他の可動弁体としての旋回用ステム54Swに対して、より多くの流量を供給できる。
【0078】
すなわち、スティック16と上部旋回体13の連動操作状態では、優先弁106がコントローラ25および電磁比例弁117により制御され、ハイブリッドリモコン弁21bの旋回側レバー操作量に応じて、パラレル通路105から優先弁106を経てスティック用第1ステム54St1に供給される流量に対し、パラレル通路105から旋回用ステム54Swに供給される流量の割合が大きくなるように可変制御されるとともに、パラレル通路105から優先弁106を経てスティック用第1ステム54St1に供給される流量に対して、スティック用第2ステム54St2からタンデム通路108を経てスティック用第1ステム54St1に供給される流量の割合が大きくなるように可変制御される。
【0079】
また、ハイブリッドリモコン弁21a,21bのレバー操作量に応じた角度センサ72,76(図2)からの角度信号に応じて、コントローラ25は、制御ライン114,115を経てレギュレータ119,120に制御信号を出力し、レギュレータ119,120を作動させて、可変容量形ポンプ67a,67bから吐出されるポンプ流量を制御するので、従来のネガティブコントロール用リリーフ弁、いわゆるネガコンリリーフ弁などのポンプ流量を制御するための油圧機器が不要となる。
【0080】
このように、ハイブリッドリモコン弁21a,21bから出力されたパイロット2次圧によりメインコントロール弁23の各ステムを、操作体22の操作量すなわちレバー回動角度に応じて直接パイロット操作するので、コントローラ25内の計算時間に起因する遅れを防止できるとともに、操作体22の操作量に応じてハイブリッドリモコン弁21a,21bの角度センサ72,76(図2)から出力された電気信号により、コントローラ25は、連動操作状態を判断して、連動操作状態に応じた制御信号を電磁比例弁116,117,118に出力し、これらの電磁比例116,117,118から制御信号に応じたパイロット制御圧を各ステム54St2,54Bm2、優先弁106に出力して、これらの可動弁体を連動操作状態に応じて変化させるので、コントローラ25などの電子制御系統に異常が発生した場合、連動操作性が損なわれることはあっても、ハイブリッドリモコン弁21a,21bのレバー操作量に応じたパイロット2次圧より各メインコントロール弁23の各ステムをパイロット操作する基本機能は損なわれることがない。
【0081】
以上のように、ハイブリッドリモコン弁21は、レバー操作式またはペダル操作式の油圧リモコン弁24に角度センサ72,76(図2)を取付けたので、以下の特徴を持つ。
【0082】
メインコントロール弁23は、ソレノイド式でなく、油圧リモコン弁24のパイロット2次圧により駆動制御する、実績のある頑健なものを用いることができる。
【0083】
連動操作状態は、操作体22と連動する角度センサ72,76で検出するので、油圧回路中に圧力スイッチや、圧力センサを装着する必要がなく、メインコントロール弁23に油圧論理回路を組込む必要もない。
【0084】
言い換えると、圧力スイッチや圧力センサなどを装着することなく、油圧ショベルなどの連動操作状態を正確に把握することができる。
【0085】
すなわち、油圧を介さずに角度センサ72,76によりハイブリッドリモコン弁21の連動操作状態が判るので、パイロット1次圧や、作動油温度に影響されることなく、連動操作状態を正確に把握できる。
【0086】
メインコントロール弁23は、油圧リモコン弁24からのパイロット2次圧で直接駆動されるので、電気式操作レバーのように、レバー操作信号を演算用コントローラで演算処理した信号を電油変換して、メインコントロール弁23の各ステムを間接的に駆動する場合より、演算用コントローラ内の計算時間に起因する遅れが発生しない。
【0087】
操作レバーまたは操作ペダルと連動する角度センサ72,76の角度信号を利用しているので、オペレータが操作してから時間的にもっとも速い信号が得られる。
【0088】
操作レバーまたは操作ペダルの角度信号は、主として、油圧回路を条件に応じて変化させるために用いるので、最悪の場合に電子制御系統に異常が発生しても、メインコントロール弁23の各ステムをパイロット操作する基本機能は損なわれない。
【0089】
なお、図3および図4に示された実施の形態では、油圧ショベルで用いられるハイブリッドリモコン弁21a,21bと、このハイブリッドリモコン弁21a,21bを用いた油圧回路とを例示したが、本発明は、他の作業機械に用いられるハイブリッドリモコン弁と、このハイブリッドリモコン弁を用いた流体圧回路にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明に係る流体圧回路に用いられる弁装置の一実施の形態を示す垂直方向断面図である。
【図2】同上弁装置の水平方向断面図である。
【図3】本発明に係る流体圧回路の一実施の形態を示す回路図である。
【図4】同上流体圧回路が適用された油圧ショベルの正面図である。
【符号の説明】
【0091】
15,17,19 アクチュエータ(ブームシリンダ、スティックシリンダ、バケットシリンダ)
21 弁装置としてのハイブリッドリモコン弁
22 操作体
23 メインコントロール弁
24 パイロットコントロール弁としての油圧リモコン弁
25 コントローラ
26 操作量検出装置
47 一のスプール
48 他のスプール
54 可動弁体としてのステム
54St2 特定の可動弁体としてのスティック用第2ステム
54Bm1 別の可動弁体としてのブーム用第1ステム
54St1 一の可動弁体としてのスティック用第1ステム
54Sw 他の可動弁体としての旋回用ステム
67 ポンプとしての可変容量形ポンプ
72 一の角度センサ
76 他の角度センサ
83,84 スライドリング
106 優先弁
116,117,118 電磁比例弁
119,120 レギュレータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプから吐出された流体を方向制御して複数のアクチュエータに供給するメインコントロール弁の複数の可動弁体と、
複数の可動弁体を操作体の操作量に応じたパイロット圧によりパイロット操作するとともに操作体の操作量に応じた電気信号を出力する弁装置と、
弁装置から出力された電気信号より連動操作状態を判断して連動操作状態に応じた制御信号を出力するコントローラと、
コントローラからの制御信号に応じたパイロット制御圧を可動弁体に出力して可動弁体を連動操作状態に応じて変化させる電磁比例弁とを具備し、
上記弁装置は、
任意の方向へ回動自在に設けられた操作体と、
操作体の回動角度に応じて流体圧回路のパイロット操作式のメインコントロール弁にパイロット圧を出力するパイロットコントロール弁と、
操作体の回動角度を電気的に検出して流体圧回路制御用のコントローラに対し回動角度に応じた電気信号を出力する操作量検出装置とを具備し、
パイロットコントロール弁は、
一方向に回動される操作体により押圧移動されメインコントロール弁の一の可動弁体にパイロット圧を出力する一のスプールと、
一方向と交差する他方向に回動される操作体により押圧移動されメインコントロール弁の他の可動弁体にパイロット圧を出力する他のスプールとを有し、
操作量検出装置は、
一方向の回動角度に応じた信号を出力する一の角度センサと、
他方向の回動角度に応じた信号を出力する他の角度センサと、
これらの角度センサに操作体の回動角度を伝達するために操作体を介し交差して回動自在に設けられた2つのスライドリングとを具備し、
コントローラは、
一の角度センサおよび他の角度センサで検出された角度信号を読取り、演算処理して、複数のアクチュエータの連動操作状態を判断し、流体圧回路を連動操作状態に応じて制御する機能を備えた
ことを特徴とする流体圧回路。
【請求項2】
コントローラおよび電磁比例弁は、共通のポンプから流体の供給を受ける特定の可動弁体および別の可動弁体のうち特定の可動弁体に作用するパイロット圧を制御して特定の可動弁体を別の可動弁体用の操作量に応じて中立位置の方向に戻し制御する
ことを特徴とする請求項1記載の流体圧回路。
【請求項3】
一の可動弁体に供給される流体の流量を他の可動弁体に供給される流体の流量に対し他の可動弁体用の操作量に応じて絞ることで一の可動弁体より他の可動弁体に供給される流量を優先させる優先弁を備え、
コントローラおよび電磁比例弁は、この優先弁を制御する
ことを特徴とする請求項1または2記載の流体圧回路。
【請求項4】
ポンプは、可変容量形ポンプであり、
弁装置の操作量に応じてコントローラから出力された制御信号により可変容量形ポンプの容量を制御するレギュレータ
を具備したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の流体圧回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−79772(P2009−79772A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−299784(P2008−299784)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【分割の表示】特願2002−46499(P2002−46499)の分割
【原出願日】平成14年2月22日(2002.2.22)
【出願人】(000190297)キャタピラージャパン株式会社 (1,189)
【Fターム(参考)】