説明

流量を制御する装置

流量を制御する装置が開示される。本明細書で開示される流量制御装置の例は、第1の端部で弁座、および第2の端部で排気座と動作可能に接続される供給プラグを有する信号段継電器を備える信号段と、シールが、流圧フィードバック力を排気座へ加えるためのフィードバック面積を提供するように、供給プラグと動作可能に連結されるシールと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して流量制御デバイスに関し、より具体的には、流量を制御する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
産業処理場は、制御デバイスを多岐の用途において使用する。例えば、貯蔵タンク内の流体のレベルを制御するため、レベルコントローラが、最終制御機構(例えば、弁アセンブリおよび作動装置アセンブリ)を管理するために使用され得る。多くの処理場は、圧縮空気などの圧縮ガスを、制御デバイス等を操作するための動力源として使用する。特定の炭化水素生成機関では、圧縮空気は、概して、制御デバイスを操作するためにすぐに入手できるわけではない。これらの制御デバイスを操作するための供給ガスとして、天然ガスがしばしば使用される。しかしながら、多くの制御デバイスは大気に天然ガスを抽気する可能性があり、これは天然ガスの価格ならびにかかる排気ガス等に関する環境管理および環境規制のために、費用がかかる。したがって、制御デバイスにより大気への天然ガスの抽気を最小限に抑えるか、または排除することは重要な課題である。
【0003】
炭化水素生成業で使用される典型的なレベルコントローラは、天然ガスを用いて操作される一段式の低抽気圧縮空気装置であることが一般的に理解されている。運転中の天然ガスの消費を最小限に抑えるため、レベルコントローラ等が、抽気ガスの量を減少させる不感帯を含むように設計される。しかしながら、かかる設計は、概して、低い運転感度または増幅率を有し、結果的に、容器の全長が大きくなるか、大きすぎるセンサーになる。
【0004】
高出力感度で所望の応答特性を生成するため、二段空気圧式制御デバイスを作りだすことによって一段式装置等の利得を向上させることも一般的である。第1の段は、しばしば信号段と呼ばれ、機械的圧力入力信号または流圧入力信号を圧力出力に変換する。信号段は、所望の処理制御利用への応答特性および制御特性を提供する低い体積流量率および低圧出力を有する。第2の段は、しばしば増幅段と呼ばれ、最終制御機構を動作するために必要な高い出力流量および/または高圧力を提供すると同時に、所望の応答特性を得るため、高い空気圧容量を提供し、信号段の出力に応答する。多くのこれらの装置は、運転中、入力信号に比例する制御作動を提供せず、および/または、天然ガス等の供給ガスの多大な損失を受けることがない。
【0005】
図1および図2は、既知の直接作動を説明し、二段空気圧制御デバイス1は、増幅段継電器10を有する反対作動増幅段Bと連結する(下記でより詳細に説明)信号段弁110を備える反対作動信号段Aを含む。運転において、流体タンク内でディスプレーサと接続する連関等の(図示せず)機械装置からの入力信号(動きや移動などの)は、増幅段継電器10への空気圧制御信号を開始するため信号段弁110の弁軸先端135に印加される。しかしながら、当業者は、入力信号は圧力信号および他の直接的機械力を含む、任意の数の既知の入力から得られる可能性があることを理解するであろう。
【0006】
増幅段Bの増幅段継電器10は、米国特許第4,974,625号に開示される4モード空気圧継電器であり、当該特許は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。より所望の詳細については、米国特許第4,974,625号を参照されたい。この継電器は使用者に選択可能な直接作動または反対作動運転モードおよび比例作動またはスナップ作動動作モードを提供する。例えば、直接モードは、入力信号の増加とともに出力信号が増加することを意味する、というように、当業者は、直接動作または反対動作モードは入力信号に対する出力信号の関係について言及するということを理解するであろう。対して、例えば、比例作動は出力信号における変化は、入力信号の変化に対して直線状であることを意味し、スナップ作動は出力信号における変化は、入力信号の変化に対して双安定で非直線状であることを意味する、というように、比例作動またはスナップ作動モードは、出力信号の応答について言及する。
【0007】
米国特許第4,974,625号に開示される空気圧継電器は、4モード式を提供するが、図1および図2で説明される二段空気圧制御デバイスは、不都合にも、直接作動および反対/スナップ作動モードの、2つの運転のみ利用し得る。これは、二段空気圧制御デバイス1が、増幅段継電器10と信号段弁110との間に微小のフィードバック力または比例力を提供することによる。すなわち、信号段弁110の弁軸先端135で、印加された入力される力を補う増幅段継電器10の信号振動板90からの出力圧力をフィードバックするための特定の機械はない。
【0008】
概して、制御デバイス1の増幅段継電器10は、増幅段継電器10内に形成される各チャンバと通じる入力および出力ポートの一連を含む。使用者が選択可能なスイッチを通して様々な入力ポートと出力ポートの間の流体連結を選択的に制御することにより、単一増幅段継電器10は、様々な制御要素につなぎ合わさるため、前記に説明された多重運転モードを提供し得る。
【0009】
図2に関して、増幅段継電器10内に運転モードを適応するため、入力ポート11は、チャンバ15および出力ポート12と通じている。圧力出力17は、チャンバ16に通じており、入力ポート13はチャンバ18に通じ、出力ポート14はチャンバ20に通じ、圧力出力17は、弁アセンブリおよび作動装置アセンブリのような最終制御機構へ接続され得る(図示せず)。
【0010】
図1は、様々な運転モードを選択するために使用される制御デバイス1の増幅段Bのポートスイッチの切欠図である。第1および第2の、概して三角形状のポートスイッチ70および72は、ピン71および73により、それぞれ、増幅段継電器10上に枢動可能に装着される。ポートスイッチ70および72は、蛇行流路74および76を、それぞれ露呈するために区分され、運転の代替モードを提供するため、圧力注入口78および圧力排出口17からの空気圧で増幅段継電器10の様々な入力および出力ポートと連結する。図1に説明されるように、第1のポートスイッチ70では、入力ポート13は、圧力注入口78と通じ、入力ポート11は、大気へ放出されるように位置される。第2のポートスイッチ72では、出力ポート14を放出することが示される。このスイッチ構成は、増幅段継電器10を反対/スナップ作動モードの状態にし、反対作動信号段弁110と結合した場合、直接/スナップ作動空気圧制御デバイス1を提供する、ということは米国特許第4,974,625号から理解されるであろう。
【0011】
すなわち、図2について、チャンバ88における圧力の減少は、ケージアセンブリ59の左方向への移動をもたらし、圧力出力17での出力圧力の増加を提供する。このように、増加する入力信号が信号段弁110の軸先端135を移動させた場合の運転で、信号段弁110の反対作動モードは、直接作動空気圧制御デバイス1を提供するための、通路82における出力圧力の減少および、結果として、チャンバ88における圧力の減少をもたらす。制御デバイス1の代替スイッチ構成は、入力ポート11と圧力注入口ポート78を連結し、入力ポート13は、ポート14と出力ポート12を連結するために構成される第2のポートスイッチ72とともに大気へ放出される。この代替構成は、増幅段継電器10を直接/スナップ作動モードの状態にし、故に、空気圧制御デバイス1は、反対/スナップ作動モードで動作する。説明された制御デバイス1の実施形態においてフィードバック機構が存在しないため、増幅段継電器10への残りの可能なスイッチ構成は継電器を作動不可能とする。
【0012】
図2に示されるように、信号段弁110は単一プラグ130、第1の弁座120および第2の弁座122を含む。第1の状態で、第1のプラグ端部132は第1の弁座120と係合せず、第2のプラグ端部134は、第2の弁座122と係合する。第2の状態で、第1のプラグ端部132は、第1の弁座120と係合し、第2のプラグ端部134は、第2の弁座122と係合しない。第2の状態で、プラグ端部132および134のどちらもそれぞれ弁座120および122のどちらにも係合しない。
【0013】
運転において、連関は弁軸先端135に増幅段継電器10に向かって、または右方向へ移動させる力を印加し得る(図1および図2に関する)。弁軸先端135の右方向への移動は、中間の状態で、第1のプラグ端部132および第2のプラグ端部134が、同時にそれぞれの第1および第2の弁座120および122から離れる結果となる、信号段弁110の軸130の移動を引き起こす。この別離の間、供給ポート85からの天然ガス等の供給ガスは第2の弁座122を通して弁軸先端135を過ぎて大気へ放出されるか、抽気される。この供給ガスの大気への放出は、しばしば遷移抽気と呼ばれ、天然ガス等の供給ガスの大気への多大な損失を引き起こす。軸130の右方向への移動が続く場合、軸130は、最終的に第1のプラグ端部132を第1の弁座120に係合し、遷移抽気が止まり、信号段弁110の直通のフィードバック通路114および増幅段継電器10のチャンバ88内の流圧は大気圧下である。
【0014】
チャンバ88内の供給ガス圧から大気圧への変化は、チャンバ16で、振動板ケージアセンブリ59が図2における左方向に向かってバネ48により移動される結果となる。ケージアセンブリ59は、弁座30および弁プラグ40を含む。弁座30および弁プラグ40の左方向への移動は、弁プラグ38を弁座42に係合させ、出力ポート12への供給ガスの送出を終了させることを引き起こす。弁座30は、次に、振動板ケージアセンブリ59が左へ移動するにつれて弁プラグ40から離され、そのためチャンバ16での流圧は、チャンバ16および18からの流圧を放出するため、T形開口を通してチャンバ18に流れる。
【0015】
増幅段継電器10をともなう信号段弁110の使用は、連関からの入力信号に感度を提供すると同時に、二段空気圧制御デバイス1の運転中、天然ガスの相当量の遷移抽気をも提供する。遷移抽気を減少させ、二段空気圧制御デバイス1の多くの増幅率を維持するための1つの方法は、二つの増幅段継電器10を、直列運転のために、互いに連結させることであることも理解されるであろう。しかしながら、タンデム装置を生成するために二つの増幅段継電器10を互いに連結させることは、費用の増加につながり、比較的大きめの二段空気圧制御デバイス1をもたらす結果となる。
【0016】
加えて、特定の設計がフィードバック力を上記装置に提供するが、あまり望ましくない設計である可能性がある。1つの方法は、軸130と弁体112との間の振動板を、信号段弁110内に提供することである。しかしながら、振動板は、その内径および外径で、固定されるかまたは保持されなければならないため、連関およびディスプレーサ内の望ましくない変化を後に必要とする大きめの信号段をもたらす結果となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許第4,974,625号明細書
【発明の概要】
【0018】
本明細書で説明される流量制御装置の実施例は、第1の端部で弁座と、第2の端部で排気座と動作可能に接続される供給プラグを有する信号段継電器を備える信号段と、シールが流圧フィードバック力を排気座へ印加するためのフィードバック面積を提供するように、供給プラグと動作可能に連結されるシールと、を含む。
【0019】
しかし他の実施例において、本明細書で説明される二段流量制御装置は、比例出力を有する信号段を含み、信号段は弁座に隣接する第1の端部および排気座に隣接する第2の端部を有する供給プラグを含む信号段継電器と、信号段を制御デバイスに連結するように適合される信号段入力ポストと、前記供給プラグにわたる座荷重を、弁座または排気座のいずれかの方に付勢するための手段と、を備える信号段を含む。増幅段は、信号通路を通して前記信号段と動作可能に接続される増幅段継電器を備え、増幅段は、信号段入力ポストで、入力信号に関する増幅段の比例作動出力またはスナップ作動出力および直接作動出力または反対作動出力のいずれかを提供するために、弁座および排気座を通る座荷重の推移が、弁座から供給プラグの第1の端部へ、もしくは排気座から供給プラグの第2の端部へのいずれかの所定の係合を提供するように、増幅された流体供給出力を提供するため、継電器部材を移動するように適合される流体供給応答部材を有する。
【0020】
しかし他の実施例において、本明細書で説明される流量制御装置は、比例出力を有する信号段を含む。信号段は、供給ポートを含む信号段継電器と、弁座に隣接する第1の端部および排気座に隣接する第2の端部を有する供給プラグと、信号段を制御デバイスに連結するように適合される信号段入力ポストと、供給プラグにわたる座荷重を、弁座または排気座のいずれかの方に付勢するための手段と、を含む。増幅段継電器を備える増幅段は、信号通路を通して信号段と動作可能に接続される。前記増幅段継電器は、前記信号段の前記供給プラグにわたる前記座荷重における推移が、前記信号段において、遷移抽気を実質的に排除するために前記信号段の前記弁座を開く前に、前記信号段の前記排気座を閉じるように、増幅された流体供給出力を提供するために継電器部材を移動するため適合される流体供給応答部材を有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図2の二段空気圧制御デバイスの増幅段のポートスイッチの切欠図である。
【図2】二段式として周知の直接作動空気圧制御デバイスの切欠図である。
【図3】二段式の実施例である、直接作動空気圧制御デバイスの静止運転時点における切欠図である。
【図4】安定圧力調整器をともなう二段空気圧制御デバイスの実施例の切欠図である。
【図5】信号段の実施例の切欠図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
概して、本明細書で説明される装置および方法の実施例は流量処理の様々な形式において流量を制御するために利用され得る。流量制御装置の実施例は、流量の制御を向上するため、小型で、比例出力をともなう低抽気信号段を有する二段流体制御デバイスを含む。加えて、本明細書で説明される実施例は、産業用処理産業への生産フローの制御に関連するが、本明細書で説明される実施例はさらに、概して、異なる目的への様々な処理制御運転に、適用できる。
【0023】
図3は、信号段継電器300を有する信号段と、増幅段継電器210をさらに備える増幅段と、を備える直接作動二段空気圧制御デバイス200の実施例の切欠図である。直接作動信号段継電器300は、信号段Cを提供し、直接作動増幅段継電器210は二段空気圧制御デバイス200の実施例の増幅段Dを提供する。増幅段Dの増幅段継電器210は、図1に図示されるポートスイッチ70および72を含む、米国特許第4,974,625号に開示される、4モード空気圧継電器弁と、図2に開示される増幅段継電器10と類似している。図2の増幅段継電器10における構成材と同一、または類似する図3の増幅段継電器210における構成材は、200により増加される同一の参照符号を有する。
【0024】
下記に詳細に説明されるように、信号段継電器300は、絞り作動または比例動作を提供することによって、図1および図2に図示される、上記に説明される二段継電器の運転を向上し、その結果、信号段弁110に関する遷移抽気を実質的に減少させながら、増幅段継電器210において4モードの使用を可能にすることができる、ということが当業者に理解されるであろう。運転の絞りまたは比例/直接モードは、制御デバイス200の運転の実施例として下記に説明される。より所望の詳細または説明は米国特許第4,974,625号に言及され、そこで図3の増幅器210と類似の4モード空気圧継電器弁の3モードの運転が説明される。
【0025】
図3に関して、信号段Cの信号段継電器300は、直通フィードバック通路314と、横ポート316と、注入口318と、第1の弁座320と、第2の弁座322を有する、継電器体312を含む。第2の弁座322は、直通フィードバック通路314の内面317に対して係合するか密閉するシールまたはOリング326を有する、排気座325上に位置づけられる。下記により詳細に説明されるように、Oリング326は、信号段継電器300のフィードバック通路314内の流圧が、制御デバイス200において絞り動作または比例動作を提供するため、フィードバック力を生成するように動作し得る位置上に有効面積を提供する。
【0026】
絞りモードまたは比例モードにおける静止点で、弁プラグ330、240および238は、「閉弁」位置である、ということが理解されるであろう。すなわち、閉弁位置とは、弁が弁座に「実質的に接触している」ことを意味する。しかしながら、弁座面等において、例えば、利用可能な一定限度の座荷重での閉弁位置における、金属間の弁座配置等の弁座配置は、少量の流体を漏洩すると知られていることが当業者に理解されるだろう(すなわち、バブルタイトではない)。座でのこの漏洩は、運転における空気圧制御デバイスの絞り作動を提供するため、流圧を生み出す。すなわち、弁が実質的に、弁座に対して接離して移動する、スナップ作動運転と異なり、絞りモードまたは比例モードは、一部において、継電器構成材を通る圧力バランスを修正するため、相当する座荷重における推移によって画定される。座荷重の推移は、静止運転の間、供給入力およびセンサーフィードバックに比例して、信号段Cおよび増幅段Dを通る圧力バランスを推移するため座漏洩の修正を提供する。十分な硬度を有する他の構造材は、運転中に類似の漏洩流を生み出すであろうことも理解されるであろう。
【0027】
図3に示されるように、排気座325は入力ポスト327を有し、端部キャップ329により直通フィードバック通路314内に保持される。供給弁プラグ330は、直通フィードバック通路314に位置づけられ、第1の弁座320に隣接する(例えば、直接隣接する)第1のプラグ端部332および第2の弁座322に隣接する(例えば、直接隣接する)第2プラグ端部334を含む。排気座325は、バネ340を受け入れるショルダ336を含む。バネ340もまた排気座325の端部キャップ329への係合を促し、第2のプラグ端部334から離れるためショルダ313と係合する。第2のバネ344は、第1のプラグ端部332の第1の弁座320への係合を促すため、弁体ショルダ315および第1のプラグ端部332と係合する。
【0028】
信号段継電器300は、増幅段継電器210における端部カバー236の開口280内に位置される。端部カバー236は、信号段継電器300の横ポート316を、端部カバー236と中間部品239との間に位置づけられる信号振動板290により部分的に画定される、信号チャンバ288に流動的に連結する、信号通路282を含む。端部カバー236はまた信号段継電器300の注入口318へ供給ガスを提供する供給ポート285を含む。
【0029】
静止運転モードにおいて、第1のプラグ端部332は、第1の弁座320と接触し、第2のプラグ端部334は、第2の弁座322と接触する。供給ガスは、供給ポート285および注入口318を通じて信号段継電器300に提供される。第1のプラグ332は十分な座荷重で第1の弁座320に位置されるため、供給ガスは第1の弁座320を通過することを実質的に制止され、第2のプラグ端部334の座荷重は、排気座325の第2の弁座322に位置され、供給ガスは実質的に排気座325から排気されることを制止されている。しかしながら、上記に説明されたように、静止動作点での、絞りモードまたは比例モードにおいて、漏洩流のみ存在した状態で、第1および第2の弁プラグ端部332および334の双方は、弁座320および322のそれぞれに係合した場合、実質的に流量を制止する。微量の漏洩は、比例的な、増幅段CおよびDを通る推移圧力バランスを、供給流体に比例して、それぞれの座荷重を修正するため生成し、フィードバック力は流体タンク(図示せず)内のディスプレーサに連結される連関を通じて連結される。入力信号は、圧力信号および直接機械力を含む、任意の数の既知の入力から派生され得る。
【0030】
例えば、供給プラグ330は、図3について、第1の弁座320と接して、最も左の位置に示される。レベル制御利用のような、運転において、流体タンク内の流体によりディスプレーサへ浮力が印加され、入力連関または機械連関は、排気座325の入力ポスト327へ入力される力を提供する。入力される力または信号は、第1の弁座320を通る漏洩流を増加させる。この行動はまた第2の弁座322の座荷重に第2のプラグ端部334と密閉して係合することおよびフィードバック通路314を通じる大気への漏洩流の減少をもたらし、また、次に供給ガスの一定限度量が、フィードバック通路314に入ることを可能にするため第1のプラグ端部332に、第1の弁座320からの漏洩流の増加をもたらす。
【0031】
続いて、供給ポート285からの供給ガスは、信号振動板290に作用するため、注入口318を通じて、第1の弁座320を通過し、フィードバック通路314を通じて横ポート316へと、信号通路282、信号チャンバ288を通過する。供給ガスの圧力は信号振動板290および振動板ケージアセンブリ259により供給される力を増加させ、その結果それらの間の漏洩流を減少させるため、弁プラグ240からの弁座230上の座荷重を増加する。この圧力はまた、制御デバイス200から比例出力を提供するため、連関上で負のフィードバック力を印加するためにOリング326の内面317にも作用する。すなわち、信号通路282およびOリング326の有効シール面積(例えば、内面317により画定されるOリングの断面積)内の圧力の生産に等しい力は連関力に反して印加される。
【0032】
連関が、入力ポスト327へ入力信号を印加するのに伴って、第1のプラグ端部332と第1の弁座320との間の座力は、縮小または減少され、信号チャンバ288への供給ガス圧は増加する。増幅段Dの増幅段継電器200は比例/直接運転のために設置されるポートスイッチ(図示せず)を有する。このように、供給ガスは出力ポート211およびチャンバ215に印加される。チャンバ216および出力ポート217は、最終制御デバイスに連結される。供給ガスは、弁座242を通る漏洩流が、チャンバ216および出力ポート217における圧力の増加を制止するため実質的に弁プラグ238によって減少される限り、チャンバ215内に収容される。圧力が信号チャンバ288で増加する時、信号振動板290および振動板ケージアセンブリ259により発生される力は、弁座230を通る座荷重を増加する。座荷重が、プラグアセンブリ237の弁座230および弁プラグ240を通って増加するのに伴って、弁座242およびプラグ238を通る座荷重は減少する。弁座242およびプラグ238を通る座荷重の減少は、チャンバ215から、および、続いてチャンバ216へ流れる漏洩流を増加する。流れおよび圧力の増加は、圧力排出口217を通じ最終制御デバイス内へ伝わる。
【0033】
運転を続けると、第1のプラグ端部332および第1の弁座320の座荷重が減少するにつれて、フィードバック通路における供給ガス314は、連関により入力ポスト327へ印加される入力信号を補うため排気座325へ作用し、供給ガス圧の比例量を信号チャンバ288へ提供する。平衡状態で、増幅段継電器210の弁座230は、平衡な状態である座荷重で、弁プラグ240に接触し、弁座242は弁プラグ238に接触する。そのため、圧力排出口217および最終制御デバイスでの出力圧力は、入力ポスト327に比例する。
【0034】
入力ポスト327での出力圧力が減少した場合、振動板ケージアセンブリ259により提供される力は減少し、弁プラグ238と弁座242との間の座荷重は増加し、弁座230と弁プラグ240との間の座荷重は減少する。この状態で、弁座230と弁プラグ240との間の漏洩流は、チャンバ216における供給ガスが、T形開口232を通過しチャンバ218へ流れ、入力ポート213を通じて放出できるようにし、それは大気へさらされる。入力ポスト327での入力信号の変化は、入力信号に正比例している排出口217の圧力下での出力圧力での増幅段継電器210への新しい平衡状態をもたらす。
【0035】
運転中、入力ポスト327の入力される力が減少すると、第2の弁座322の座荷重は減少し、供給プラグ330はわずかに荷重される。すなわち、供給プラグ330の第1の端部332および第1の弁座320での座荷重は、第1の弁座320を通り抜ける供給ガスの漏洩流を減少させるために増加する。排気座325の第2の弁座322および供給プラグ330の第2のプラグ端部334での座荷重は減少する。座荷重の減少は、信号チャンバ288と、信号通路282と、横ポート316と、フィードバック通路314とにおける供給ガスが第2の弁座322を通じて大気へ放出されることを可能にする。
【0036】
信号段継電器300は、二段空気圧制御デバイス200の実施例が高増幅率と、低抽気と、数々の利点をもたらす運転の4モードを有することを可能にする。例えば、バネ340は、シールまたはOリング326により生成される摩擦力を克服するため、または、入力ポスト327の入力連関への接触を維持し続けるために利用され、その結果、運転の不感帯が連関の運転中に発生しないことを確かにする。言い換えると、入力ポスト327は、バネ340のバイアス力が実質的に、入力連関の動作と排気座325の動作との間の不感帯を実質的に排除するため、入力連関と入力ポスト327との間の接触を維持するように、入力連関と接触する。高増幅率であり、二段空気圧制御デバイス200の実施例により提供される運転の4モードは、高増幅率を提供する二連続で整列する増幅段継電器210またはフィードバック力を提供する排気座325と弁体312との間の振動板のいずれかを使用する必要性を排除する。供給ガス圧フィードバック力を排気座325へ提供するためのシールまたはOリング326(例えば、振動板の使用とは対照的に)の使用は、信号段継電器300が小口径、つまり、小さく、小型である小口径を有することを可能にする。これはまた、小さめのディスプレーサと流体容器内の軽めの流体を使用可能である二段空気圧制御デバイス200をもたらし、その結果、流体容器にかかる費用を最小限に抑える。
【0037】
二段空気圧制御デバイス200の実施例は、増幅段継電器210のバネ244および248、ならびに信号段継電器300のバネ344および340を利用して、それぞれ弁座242、230、ならびに320および322を通りぬけるか、それらにわたる、供給ガスの流れの制御を補助する。結果として、二段空気圧制御デバイス200の実施例は、重力の影響を相殺することなく、水平、垂直、傾斜、を含む、任意の配向で機能し得る。
【0038】
Oリング326の有効面積により提供されるフィードバック面積が、信号段継電器300のフィードバック通路314の内径およびシールまたはOリング326の外径を変更することによっても調整され得るということも当業者に理解されるはずである。すなわち、信号段継電器筐体312およびシールまたはOリング326は、異なる連関力を提供するかまたは及ぼし得る、水、コンデンセート、または界面等の異なる種類の供給に適応するために、所定のフィードバック面積を提供する交換式の単一段モジュールとして、迅速に変更されるかまたは交換され得る。例えば、相対的に大きなフィードバック面積(例えば、0.1080in2)は、水等の大きな浮力を提供する利用(すなわち、略1.0の比重を有する流体に相当する)に好ましい。わずかに小さめのフィードバック面積(例えば、0.0625in2)は、油等の穏やかな浮力を提供する利用(すなわち、略0.8の比重を有する流体に相当する)に適応し、また極小のフィードバック面積(例えば、0.036in2)は、小さな浮力で油水界面の利用(すなわち、略0.1の異なる比重を有する流体に相当する)に適応することが好ましい。具体的には、この特性は、レバーおよびディスプレーサがこれらの異なる利用において修正または交換される必要がないため、使用者にレベル制御利用における向上した設置および較正計画を提供するということが当業者に認識されるだろう。
【0039】
図3に描かれる二段空気圧制御デバイス200の実施例は、標準運転の間、高増幅率(すなわち反応性の向上)および極低抽気の消費を提供し得る。しかしながら、いくつかの利用において、このような高増幅率または高反応性は、制御において、不安定な状態に導き得る機械的振動への感受性を生成し得る。この不安定な状態の原因は、概して、空気圧コントローラデバイスの信号段による、コントローラ連関上のフィードバック力の急速な利用である。図4の空気圧制御デバイス401の実施例は、このような感受性を1)信号段継電器への圧力を独立して制御する、および2)信号段継電器のフィードバック面積を減少させる、ことにより実質的に減少させ得る。
【0040】
図4は、安定圧力調整器500および510を含む信号段Eおよび増幅段Fを有する二段空気圧制御デバイス401の実施例の切欠図である。安定圧力調整器500および510は独立して、供給空気を信号供給圧力注入口485および増幅供給圧力注入口411を通じて、信号段継電器410および増幅段継電器420へ提供する。当該の安定圧力調整器500および510は、信号段Eおよび増幅段F内に統合され得るか、または、当該の調整器は、信号および増幅段EとFの外部にあり得るということが理解されるであろう。代替として、安定圧力調整器500は、安定圧力調整器510の下流に位置され得るということが理解されるであろう。装置の実施例の信号段継電器410および増幅段継電器420は、安定圧力調整器500および510が、装置の安定性を強化するため、また、全体の空気圧制御デバイスの性能を向上するため、独立して、圧力供給を各段、信号段Eおよび増幅段Fに提供することを除いて、概して上記に説明され、図3に描かれる二段空気圧制御デバイス200の実施例として、機能する。例えば、信号段圧力調整器500は、8psigに設定され得るのに対して、増幅段圧力調整器510は、35psigに設定され得る。概して、信号段Eは、増幅段Fより低い圧力に設定される。すなわち、信号段圧力は、増幅段Fを動作するため、最小の動作点に設定され得る。より低い信号段圧力は、空気圧制御デバイスの安定性と性能を次の方法で向上する。1)より低い信号段供給圧力が、信号段継電器410により生じ得るフィードバック力を直接的に減少させる(例えば力=圧力×面積)、および、2)より低い圧力が、信号段継電器410により消費されるガスを直接的に減少させる。
【0041】
加えて、図5は、空気圧制御デバイスの性能をさらに向上する信号段610を図示する。すなわち、図4の空気圧制御デバイスの実施例のより低い信号段圧力と組み合わせて、当信号段610の実施例は、センサー上のフィードバック力をさらに減少させるため、減少されたフィードバック面積を有する。信号段継電器610の実施例は、フィードバック通路614に関して小さめの内径を有する継電器体612および/または上記に説明され図3に描かれる空気圧制御デバイス200の実施例の継電器体312を含む。相当するフィードバック通路614はまた、シールまたはOリング626での密閉係合を提供するための直径を減少される。上記に説明されるように、フィードバック通路614での流体圧力は、制御デバイスから比例出力を提供するため、連関上で負のフィードバック力を印加するために、内面617およびシールまたはOリング626に作用する。結果として、減少されたフィードバック面積は、減少されたフィードバック力を、空気圧制御デバイスに連結されるセンサーに提供する。
【0042】
低圧力信号段と減少されたフィードバック面積の信号段の組み合わせは、高増幅率をともなってフィードバックセンサーの装置安定性を向上し得る。所定の方法で、フィードバック面積を制御することと、増幅段圧力から独立した信号段圧力を構成することで、空気圧制御デバイスは、幅広い置換式レベルコントローラが安定するように適合され得る。
【0043】
要約すると、本明細書で開示される装置の実施例は、供給ポートが開く前に継電器の排気ポートを確実に閉じる二段空気圧継電器を形成する制御デバイスの遷移抽気を実質的に排除することを理解されたい。加えて、信号段継電器のシールまたはOリングは、全体のシステム性能を向上する増加した増幅率を提供すると同時に、絞り方式または比例方式において、大きな負のフィードバック面積を信号段継電器上のレバー力に対抗するか補うために提供する。
【0044】
本明細書でいくつかの装置の実施例が説明されてきたが、この特許権の対象範囲はそれらに限定されない。反対に、この特許権は文字通りまたは均等論のいずれかで、添付の特許請求の範囲内に適正に収まる、すべての方法、装置、および製造物の発明に及ぶ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部で弁座、および第2の端部で排気座と動作可能に関連付けられる供給プラグを有する信号段継電器を備える、信号段と、
シールが流圧フィードバック力を前記排気座へ加えるためのフィードバック面積を提供するように、前記供給プラグと動作可能に連結されるシールと、
を備える、流量制御装置。
【請求項2】
前記供給プラグにわたる座荷重を、前記弁座または前記排気座のいずれかの方に付勢するための手段をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
バネが、前記シールにより生じる摩擦力を克服するために前記供給プラグと動作可能に連結される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記排気座は、入力連関と接触するための入力ポストを含み、前記バネのバイアス力が、入力連関の動作と排気座の動作との間の不感帯を実質的に減少させるために、入力連関と入力ポストとの間の接触を維持するようにする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記流圧フィードバック力は、信号段出力圧力と比例する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
信号段継電器筐体をさらに備え、前記信号段継電器筐体および前記シールが、所定の連関力で動作するように適合される所定のフィードバック面積を提供する信号段モジュールを画定するようにする、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記信号段が絞りモードを提供する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記絞りモードにおける静止点で、前記供給プラグの第1の端部は、実質的に前記弁座と接触し、前記供給プラグの第2の端部は、実質的に前記排気座と接触する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
比例出力を有する信号段であって、前記信号段は弁座に隣接する第1の端部および排気座に隣接する第2の端部を有する供給プラグを含む信号段継電器と、前記信号段を制御デバイスに連結するように適合される信号段入力ポストと、前記供給プラグにわたる座荷重を、前記弁座または前記排気座のいずれかの方に付勢するための手段と、を備える、信号段と、
信号通路を通して前記信号段と動作可能に接続される増幅段継電器を備える増幅段であって、前記増幅段は、前記信号段入力ポストで、入力信号に関する前記増幅段の比例作動出力またはスナップ作動出力および直接作動出力または反対作動出力のいずれかを提供するために、前記弁座および前記排気座にわたる前記座荷重の推移が、前記弁座から前記供給プラグの前記第1の端部へ、または前記排気座から前記供給プラグの前記第2の端部へのいずれかの所定の係合を提供するように、増幅された流体供給出力を提供するため、継電器部材を移動するように適合される流体供給応答部材を有する、増幅段と、
を備える、二段流量制御装置。
【請求項10】
前記座荷重の推移は、前記信号段入力ポストでのセンサー信号に比例して、前記信号段および前記増幅段にわたる圧力平衡を調整するため、前記信号段の静止運転の間、弁座漏洩または排気座漏洩のいずれかにおいて調整を提供する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記信号通路での流圧は、前記増幅段の前記比例出力を提供するように、負のフィードバック力を印加するために、信号段Oリングの内面に作用する、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記信号段Oリングの前記内面により画定される前記信号通路および有効シール面積内の圧力の結果に等しい力が、信号段入力ポスト上で入力される力に反して印加される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
第1の安定圧力調整器は、前記信号段へ流体供給を提供し、第2の安定圧力調整器は前記増幅段へ流体供給を提供する、請求項9に記載の装置。
【請求項14】
前記信号段は絞りモードを提供する、請求項9に記載の装置。
【請求項15】
前記絞りモードにおける静止点で、前記供給プラグの前記第1の端部は、実質的に前記弁座と接触し、前記供給プラグの前記第2の端部は、実質的に前記排気座と接触する、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
比例出力を有する信号段であって、供給ポートを含む信号段継電器と、弁座に隣接する第1の端部および排気座に隣接する第2の端部を有する供給プラグと、前記信号段を制御デバイスに連結するように適合される信号段入力ポストと、前記供給プラグにわたる座荷重を、前記弁座または前記排気座のいずれかの方に付勢するための手段と、を備える、信号段と、
信号通路を通して前記信号段と動作可能に接続される増幅段継電器を備える増幅段であって、前記増幅段継電器は、増幅された流体供給出力を提供するために継電器部材を移動するように適合される流体供給応答部材を有し、前記信号段の前記供給プラグにわたる前記座荷重における推移が、前記信号段における遷移抽気を実質的に排除するために、前記信号段の前記弁座を開く前に、前記信号段の前記排気座を閉じる、増幅段と、
を備える、二段流量制御装置。
【請求項17】
前記絞りモードにおける静止点で、前記供給プラグの前記第1の端部は、実質的に前記弁座と接触し、前記供給プラグの前記第2の端部は、実質的に前記排気座と接触する、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
シールが、前記シールが少なくとも部分的に、前記排気座に対して流圧フィードバック力を産出するフィードバック面積を画定するように、前記供給プラグと動作可能に連結される、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
バネが、前記シールにより生成される摩擦力を克服するために前記供給プラグに動作可能に連結される、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記流圧フィードバック力は、前記信号段出力圧力と比例する、請求項18に記載の装置。
【請求項21】
前記排気座は、前記バネのバイアス力が、入力連関の動作と排気座の動作との間の不感帯を、実質的に排除するため、前記入力連関と前記入力ポストの間の接触を維持するように、入力連関に接触するための入力ポストを含む、請求項19に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−511127(P2012−511127A)
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539703(P2011−539703)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際出願番号】PCT/US2009/066605
【国際公開番号】WO2010/065754
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(591055436)フィッシャー コントロールズ インターナショナル リミテッド ライアビリティー カンパニー (183)
【Fターム(参考)】