説明

消臭装置及び消臭装置付磁気分解装置

【課題】この発明は、有機物の磁気処理装置その他において発生する、排煙浄化又は排気浄化の消臭装置と、該消臭装置を設置した磁気分解装置を目的としたものである。
【解決手段】この発明は、有機物の磁気処理装置に使用液を変えて撒液出来る浄煙装置を付設することにより排煙浄化を達成した。また装置本体に熱交換器を付設することにより、排煙の熱を有効利用することを可能にして目的を達成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、排気の消臭、消煙装置及び強磁場を通過した磁化空気により有機物を磁気分解する装置に前記消臭装置を設置した消臭装置付磁気分解装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来消臭装置及び磁気分解装置については幾多の提案があり、消臭装置については実用化されているが磁気分解装置については、未だ実用化には到っていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2004−33966号公報
【特許文献2】実用新案公報第3122682号公報
【特許文献3】特開2008−190733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来知られている消臭、消煙装置においては、消臭すべき気体を上下流動蛇行する間に撒水して消臭、消煙することが一般に行われているが、消臭すべき気体の性質に適応した液を循環撒液して消臭する装置については未だ知られていない。
【0005】
また従来知られている磁気分解装置においては、磁気分解の効率化、処理物投入の合理化などについては、提案があるが、排気、排水(排液)の処理については、研究開発が少なく、撒水浄化装置が提案されている技術にも更なる諸問題点があった。前記従来の装置によれば、有機物ならば何れも分解処理できるけれども、処理すべき物の材質による特異性のある臭気の増減については対処されていない問題点があった。また排液については、有害物は基準値以下であったとしてもタール類は再分解に廻すことになっており、その具体的手段は未だ開発されず、使用者各自の対応に委されている状態であった。更に分解熱の有効利用についても有効な対応が少なかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、排気を複数に区分された消臭室で処理し、該消臭室における使用液体の性質を変えることにより、臭気の特性に合致した合理的処理の達成に成功した。
【0007】
また磁気分解装置に、熱交換器を付設することにより、分解熱を適宜取り出し、温湯を作ることにより排熱の有効利用に成功したのである。
【0008】
即ちこの発明は、消臭、消煙装置であって、消臭すべき気体を上下蛇行させ、その上部から撒水又は撒液(例えば石けん水)するものである。前記消臭装置は、平面方形の外槽の内側を区画板によって複数室とし、各室を仕切板により仕切って、前記気体、例えば排煙を蛇行させて循環撒液させるようにしたものである。従って、撒液は各室毎に別種の洗浄液(例えば水、石けん水、酢、苛性ソーダなど)を使用することができる。
【0009】
前記排煙は、複数の消臭室を通過する間に洗浄され、微粒子の固液分離はもとより、臭気も分離してほぼ無臭とすることができる。そこで浄煙を経た気体は、そのまま大気中へ放出する。一方、撒液の廃液は、中和すると共に固液分離して、液体は微生物処理(例えば好気性菌使用)した後、放水する。
【0010】
前記処理は、排煙について説明したが、他の臭気処理の場合にも同様に採用できる。例えば臭気発生場所の空気を捕集し、ポンプを利用して消臭装置に導けば、消臭その他の処理をすることができる。また排気は100℃以上の温度になるが、これを利用して温水を生成し、又は処理物を予備乾燥することもできる。
【0011】
またこの発明は、筒状本体の上部に設けた排気管を浄煙装置に連結し、浄煙装置に設けた複数の浄煙室の排煙路を直列に連結して排煙を流動させると共に、排煙の特性に応じた成分の水溶液を撒液させて、脱臭と固気分離をして、臭気の極めて少ない排気を排出するようにしたものである。
【0012】
前記各浄煙室には夫々、循環撒液装置を設け、独立して浄煙させ、前記排煙路の一部で固気と固液を分離し、生じた汚泥は前記処理物と共に、筒状本体内へ投入して再び分解処理した。
【0013】
前記各浄煙室は、複数の縦仕切り板により区分して排煙を上下蛇行して流動させると共に、各浄煙室の上部に撒液管を架設し、該撒液管から下方に向けて撒液する。また排液は沈澱室に入り、ついでフィルターを経てポンプ室に入り、ポンプにより循環流動させるように構成されている。また沈澱汚泥は、取り出して乾燥物(例えば紙屑)と混合し再分解する。従って撒液の汚染は可及的に改善されると共に、液の減少量は、自動的に補給される。この自動補給については浮子による液レベルの検出その他レベルセンサーによる制御など、従来使用されている技術を応用することができる。
【0014】
次に筒状本体の内側へ熱交換パイプを敷設した温水装置に、給水管と給湯管を付設し、給湯量の制御により、連続給湯、又は間欠給湯ができる。前記熱交換パイプは、筒状本体の内側に設置されている為に、分解熱の過度の吸熱を生じるおそれがなく、主として排煙の温度を低下させるので、処理物の分解効率に影響はない。実験によれば前記湯温の温度は、最高95℃まで可能であり。事業主体における有機物処理においては、事業主体が必要とする温水の一部又は全部を供給することができる。また温室経営における廃棄物処理においては、温室の必要熱量の一部を補給することができる。前記温水は、ポンプにより給水することにより、自由に制御することができる。
【0015】
また有機物処理を独立かつ集中させた場合(処理専業)には、前記温水を利用して室内暖房又はハウス暖房その他に使用することができるので、有機物の処理状況に応じ適宜の給湯装置として採用することができる。
【0016】
前記のように、有機物の発生場所(店、加工工場、食堂、病院、その他)における1日の発生量に対応する処理能力の処理装置を設置すれば、総じて自家完結型の廃棄物処理システムとして企画することができる。例えば、1日の処理量6m〜30mならば、1台の装置で処理することができる。例えば1日に発生する生ごみが30m生成される場合には、1日の処理能力30m〜40mの大型の処理装置1台又は1日の処理能力15m〜20mの中型の処理装置2台を設置すれば十分対応することができる。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、撒液による複数の独立した消臭室(以下、浄煙室という)の排煙通路を直列に構成し、該排煙通路を排煙が上下蛇行出来るようにしたので、排煙は比較的長い距離を撒液によって洗浄、脱臭される効果がある。また、各浄煙室は独立しているので、各浄煙室毎に成分の異なるの撒液を使用することができるから、高い効率で脱臭処理出来る効果がある。
【0018】
また筒状本体の上部内側に熱交換管を敷設し、該熱交換管の両端は、温水タンクに連結したので、給湯管の敷設により必要な場所へ必要量の温水を届けることができる効果がある。前記温水タンクの水を分解熱で加温(排煙の冷却)するので、加熱の為の熱エネルギーの付与は不要であるばかりでなく、排煙の温度を下降させる効果があり、分解の際生じる熱により、中心部は200℃〜300℃の温度となる。
【0019】
前記において、給湯及び有機物の磁気分解は適量の磁化空気(強磁場を通過した空気)の供給により自動的に生じるので、分解についての付与エネルギーは皆無である。
【0020】
この発明において、撒液のポンプ動力及び磁化空気(空気中の水滴又は固形物が磁化されている)の給送にファンを使用する場合の動力など僅少の電力を必要とするが、その他は一切無動力であるから、この発明の処理装置の稼働に必要な消費エネルギーが極めて少なくなる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明の装置の概念図
【図2】(a)同じく実施例の一部を省略した正面図(b)同じく一部を省略した平面図
【図3】(a)同じく一部を省略した側面図(b)同じく一部を省略した縦断拡大正面図
【図4】(a)同じく浄煙装置の一部を省略した横断拡大平面図(b)同じく一部縦断拡大正面図
【図5】同じく一部を省略した縦断拡大側面図
【図6】(a)同じく乾燥装置の一部を省略した縦断拡大図(b)同じく一部省略した縦断拡大図
【発明を実施するための形態】
【0022】
下部内側に多数(数個以上)の磁化空気の吹出口を有する筒状本体の上部に、開閉蓋を有する挿入筒を連結し、前記筒状本体の上部と挿入筒の上部との間は仕切蓋により分断されている。また筒状本体の上部に排気管の基部を連設し、該排気管の先端を浄煙装置の−側に連結してある。前記浄煙装置は三つの浄煙室を直列に接続してなり、各浄煙室は上部を天板で密閉させると共に、複数の仕切板が縦設され、前記仕切板の上下端と前記天板の下面及び底板の上面との間に排煙の通路を設け、排煙を上下蛇行させる。前記撒液によって排煙中の微粒子が分離(固気分離)し、撒液に混入して落下し、貯水室に溜まるが、ポンプ室との間のフィルターによって微粒子が濾別され、沈澱する。従って、排煙中の微粒子と臭気が分離され、無色無臭の排気となって外界へ放出される。
【0023】
また排熱を利用して処理物を乾燥させる場合には、筒状本体と浄煙装置の間に乾燥装置を介装する。
【0024】
また筒状本体の内側に敷設された熱交換管と、前記筒状本体内に生成された気体との間で熱交換され、前記排煙温度(例えば160℃)は低下(例えば110℃)した状態の排煙となり排出されるように、前記浄煙室で浄化される。前記において、筒状本体の内部で生じた粘調液(例えばタール類)は、底部に溜まるので、これに鋸屑又は紙屑を混入し、水分50%以下に水分調整して、再び筒状本体内に投入すれば、容易に分解処理される。
【0025】
前記により、生活排出物(例えば野菜屑、紙屑、食物残滓など)は分解して、ほぼ300分の1の炭化状となり、更に分解を促進させると、100分の1〜300分の1となっって、最大90000分の1になるので、残滓処理について考慮する必要がなくなる程残滓は少なくなる。
【実施例1】
【0026】
この発明の実施例(処理装置及び浄煙装置)を図1に基づいて説明すると、処理物を収容し、分解する筒状本体1の上部に、処理物の挿入筒2を連設し、前記筒状本体1の下部に、5000ガウス(0.5テスラ)以上の永久磁石よりなる磁場3を設け、該磁場3を経た磁化空気を、前記筒状本体1の下部内側へ吹き出させる。前記挿入筒2の上部内側には、開閉蓋4を取り付け、下部内側には、仕切蓋5を開閉自在に取り付けてある。前記挿入筒2は、前記開閉蓋4を開き仕切蓋5を閉じて、処理物を投入し、ついで開閉蓋4を閉じて仕切蓋5を開けば、前記挿入筒2内の処理物は、自重により筒状本体1内へ落下する。このようにすれば処理物の投入に際し、内部気体(排煙)が外部へ洩れるおそれはない。
【0027】
前記排煙は、排気管6を介して浄煙装置7内に入り、撒液管8から噴出する撒液により洗浄されて排煙から微粒子を分離し、脱臭して浄煙され煙突9から外界へ排出される。前記排煙の熱を利用して処理物を乾燥させる場合には、排気管6を乾燥装置90と連結し、乾燥装置90の排気管を浄煙装置に連結する。
【0028】
また筒状本体1の外側に温水タンク17を設置し、温水タンク17には熱交換器16を連結し、熱交換器16を筒状本体1の内側へ敷設する。
【0029】
前記熱交換器16の給水管21には、ポンプ25を介装し、温水タンク17の水を強制循環させて効率よく温水を生成する。前記熱交換器16は、150℃前後の温度で加熱されるので、伝熱面積を広くすることによって高温(例えば95℃)の温水を得ることができる。
【0030】
一方、分解時に生じたタール類は、ドレインタンク10に溜まる。このタール類は水分が90%以上あるので、鋸屑又は紙屑などに混入し、水分50%以下にして、前記処理物と共に再処理すれば分解処理することができる。
【0031】
前記ドレインタンク10に浄水タンク10aを連結し、ドレインタンク10の固形分を分離(例えばフィルター分離)し、この固形分には鋸屑などを混入して水分50%以下とし、前記処理物と共に再処理する。前記で分離した汚水は、微生物処理、その他従来公知の方法によって浄水した後放水する。
【実施例2】
【0032】
この発明の実施例を図2,3に基づいて説明すると、処理物を収容し分解する筒状本体1の内側上部の左右側壁1a、1bから底板11に向けて斜板12.12を設ける。この斜板12.12は、処理物15を投入した際に、前記処理物が前記筒状本体1の左右側壁から中央部へ集まるようにする為である。
【0033】
前記斜板12.12の裏側に磁化空気室13.13を設け、磁化空気室13.13には、吹出管14.14を付設し、図3のように斜板12.12へ固定する。
【0034】
前記筒状本体1の上部内左右側壁には、熱交換管16.16を敷設する。前記熱交換管16.16は、左右側壁へ上下蛇行して設け、必要な長さ(例えば10m)を確保する。前記筒状本体1の外側壁には、温水タンク17を固定し、前記熱交換管16.16の給水端を温水タンク17の上部に接続し、温水タンク17の下部に給湯管19を接続する。また温水タンク17の上部には給水管18(水道と連結)を接続する。図中2は処理物の挿入筒、3は磁場、4は開閉蓋、6は排気管、7は浄煙装置、20は踏台、21は灰出口、22は点検口である。
【0035】
前記実施例において、図3(b)に基づき説明すれば、筒状本体1内へ処理物15を収容し、筒状本体1の仕切蓋5を閉鎖すると共に、磁化空気を矢示23のように吸入すると、磁化空気は矢示24のように処理物内を上昇し、処理物と接触する。そこで処理物は、その下部から磁力、イオン化分子及び活性H,Oの働きによって分解し、HO,CO,CO、Nなどのように分子に生成するので、先ず炭化する。即ち炭素以外が先ず分解するので炭化灰となる。前記において底板11の中央部には、灰が溜まり中央部は200℃〜300℃となっているので、前記のように磁化空気が吸入されると、前記下部の加温により上昇気流を生じ、矢示23、24のように上昇して処理物15の中を通過する。前記のように、灰に残熱(250℃〜300℃)がない場合にはガスバーナー又は紙を燃やして灰を加熱し、上昇気流を作って磁化空気を吸入させる。このようにして加熱された磁化空気となると、処理物の分解が促進される。この場合に灰が赤熱して発生する赤外線の副射熱も処理物の分解に有効に作用するものと思われる。
【0036】
前記のように、磁化空気が処理物15の中を上昇すると共に、処理物15の下方は遠赤外線の輻射熱にさらされるので、処理が促進される。処理が進むと、必然的に処理物の容積が激減するので、処理物は自動下降し、最下部は黒灰となる。このような黒灰は炭化されているので、更に分解して無機質の白灰となり筒状本体1の最下部に溜まる。この白灰は著しく少量なので、暫くは取り出す必要がない。実験の結果によれば、一定量以上にならない。例えば1日の処理量4m〜6mの小型処理装置における灰量は30kg〜40kgが最大であって、前記処理を30日継続して分解処理しても灰の更なる増加は見られなかった。
【実施例3】
【0037】
この発明の浄煙装置の実施例を図4,5に基づいて説明する。浄煙装置7は、平面矩形の外槽30内を区画板31.32によって浄煙室A,B,Cに区分する。各浄煙室A,B、Cの上部には撒液管8a、8b、8cを夫々架設する。前記各浄煙室A,B,Cには、夫々複数の縦の仕切板29.33.34.35.36.37.38を設け、各浄煙室A,B,Cの天板39と底板40との間に通煙口41.42.43.44.45.46を設けて排煙を矢示68.69のように上下蛇行させるべく、通路を形成する。前記における縦の仕切板34.36.38は、底板40との間に流水用の通水口51.52.53が設けてある。また外槽30の側壁と前記浄煙室A,B,Cとの間に隔板54と各室毎の仕切板55.56を設けて各室毎の沈澱室57.58.59と、ポンプ室60.61.62とを設け、沈澱室57.58.59とポンプ室60.61.62との間に隔壁63とその上流にフィルター64を設け、沈澱室57.58.59からポンプ室60.61.62へ液体のみ流送できるようにしてある。また、ポンプ65a、65b、65cは各室毎に設置され、その吐出管66a、66b、66cは前記撒液管8a、8b、8cへ夫々連結してある。
【0038】
前記実施例において、排気管6から矢示67のように浄煙室A内に流入した排煙は、矢示68.69のように上下蛇行流動して区画板31の一側上部の煙口70から矢示71のように浄煙室Bに流入し、前記浄煙室Aと同様に、矢示72.73と上下流動し、区画板32の煙口74から矢示75のように浄煙室Cに流入し、浄煙室C内を矢示76.77のように上下蛇行流動し、排気管78から矢示79のように外界へ排出される。一方、撒液は図4(b)中、矢示80、81のように流動して沈澱槽30に入り、フィルター64を矢示83のように通過して固液分離して矢示82のようにポンプ室60に入る。また沈澱槽30に沈澱した汚泥84はドレイン管85から矢示86のように取り出す。このようにしてポンプ室60.61.62のポンプにより撒液管8a、8b、8cにより撒液され、排煙を洗浄する。撒液としては水の他に、苛性ソーダ水、石けん水、マイクロゲル、食塩水、酢などを用い、排煙中の成分によっては、PH調整の為の酸又はアルカリ水を用いることもできる。
【0039】
前記において、実験によれば毎分千数百リットルの排煙に、毎分百数拾リットル撒液(例えば浄煙室A,Cは水、Bは苛性ソーダ水)したところ、最終排煙に臭気は殆どなかった。但し、前記処理物は医療用廃棄物(おむつ、ガーゼ、ゴム手袋、その他)の処理において試験したものである。
【実施例4】
【0040】
この発明の乾燥装置90の実施例を図6に基づいて説明すると、乾燥室91内へ断面六角形の網筒92を軸95により架設する。前記乾燥室91の一側下部(上流側)へ排気管6を連結し、他側上部へ浄煙装置7との連結管93を設ける。前記乾燥室91の一側の上部へ処理物装入用のホッパー94を連設し、他側下部へ処理物取り出し用のシェート96を連設し、乾燥装置90を構成した。前記網筒92の軸95は、減速器(図示してない)と連動させてある(動力は省略した)。
【0041】
前記実施例において、網筒92内へ処理物を装入するには、シャッター97を開き、シャッター98を閉じてホッパー94へ矢示99のように処理物を投入する。処理物は自重によって矢示100,101のように網筒92内へ装入される。前記網筒92は、軸95により乾燥室91へ架設されているが、前記乾燥室91を水平受け台102に対し、10度傾斜させてあるので、網筒92も傾斜している。従って網筒92を回転(例えば1分間に20〜30回転)すれば、処理物は容易に矢示101の方向へ移動する。また排煙は排気管6から矢示103のように乾燥室9内へ入り、矢示104,105のように回転網筒92内を通過して処理物を乾燥し矢示106のように浄煙装置7へ送られる。
【0042】
前記において、当初排煙の温度が160℃であっても、乾燥中に温度が低下する(例えば120℃)。また乾燥によって水蒸気が蒸発し気体が増大する。
【0043】
前記処理物の乾燥は、例えば水分80%の処理物の水分を、30〜40%まで乾燥すれば、爾後の分解処理時間を著しく短縮させることができる。例えば水分80%の処理物の分解は、通常処理物1mの分解に6時間かかる所、処理物1mの分解に3時間〜4時間で目的を達成することができた。前記実施例は、一例であって、他の構造の乾燥装置を採用しても排熱利用に関し、同様の効果が期待できる。
【符号の説明】
【0044】
1 筒状本体
2 挿入筒
3 磁場
4 開閉蓋
5 仕切板
6 排気管
7 浄煙装置
8 撒液管
9 煙突
10 ドレインタンク
11 底板
12 斜板
13 磁化空気室
14 吹出管
15 処理物
16 熱交換管
17 温水タンク
18 給水管
19 給湯管
20 踏台
21 灰出口
22 点検口
30 外槽
31 区画板
32 区画板
33 仕切板
34 仕切板
35 仕切板
36 仕切板
37 仕切板
38 仕切板
39 天板
40 底板
60 ポンプ室
61 ポンプ室
62 ポンプ室
64 フィルター
65a ポンプ
65b ポンプ
65c ポンプ
91 乾燥実
92 網筒
94 ホッパー
96 シュート
97 シャッター
98 シャッター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板を被冠し、処理気体の吸入管と排出管とを備えた密閉外槽内を区画板により区分して複数の消臭室を並列設置し、各消臭室には、排気通路を直列に設けると共に、各消臭室毎に独立して撒液するように、撒水管、ポンプ及び集液室及びポンプ室を組み合わせてなる循環撒液装置を設置したことを特徴とする消臭装置。
【請求項2】
天板を被冠し、処理気体の吸入管と排出管とを備えた密閉外槽内を区画板により区分して複数の消臭室を並列設置し、各消臭室には、排気通路を直列に設けると共に、各消臭室毎に独立して撒液するように、前記消臭室の一側に集液室を連設し、該集液室には、フィルターを介してポンプ室を連設したことを特徴とする消臭装置。
【請求項3】
筒状本体の内側に下部より磁化空気を流入し、処理物を分解する分解室と、処理物の収容室とを順次設け、前記筒状本体の上部に処理物の投入口及びその開閉蓋を設けると共に、排気管を連設した分解処理装置において、前記排気管を請求項1記載の消臭装置に連結したことを特徴とする浄煙装置付有機物の分解処理装置。
【請求項4】
筒状本体の内側に下部より磁化空気を流入し、処理物を分解する分解室と、処理物の収容室とを順次設け、前記筒状本体の上部に処理物の投入口及びその開閉蓋を設けると共に、排気管を連設した分解処理装置において、前記排気管を請求項1記載の消臭装置に連結し、前記筒状本体の内側壁に熱交換管を敷設し、該熱交換管の両端は給水管と給湯管を有する温水器に連結したことを特徴とする浄煙装置付有機物の分解処理装置。
【請求項5】
筒状本体の内側に下部より磁化空気を流入し、処理物を分解する分解室と、処理物の収容室とを順次設け、前記筒状本体の上部に処理物の投入口及びその開閉蓋を設けると共に、排気管を連設した分解処理装置において、前記排気管を請求項2記載の消臭装置に連結したことを特徴とする浄煙装置付有機物の分解処理装置。
【請求項6】
請求項3記載の分解処理装置において、排気管を乾燥装置に連結し、該乾燥装置の連結管を浄煙装置に連結したことを特徴とする浄煙装置付有機物の分解処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−5405(P2011−5405A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−150512(P2009−150512)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(599013441)株式会社エスプラン (1)
【Fターム(参考)】