説明

液体処理組成物

本発明により洗濯または硬質表面洗浄用組成物の用途に好適な真珠光沢液体処理組成物が提供される。その組成物は真珠光沢剤を含み、前記真珠光沢剤は50μm未満のD0.99体積粒径を有し、前記組成物の0.02重量%〜2.0重量%で存在する、または真珠光沢剤が懸濁している媒質の屈折率と真珠光沢剤の屈折率との相違が0.02より大きい、または前記組成物は5NTUより大きく3000NTU未満の濁度を有し、また前記組成物は21℃および20秒−1で0.001Pa.s〜1Pa.s(1〜1500cp)の粘度を有する。
さらに予備結晶化された有機真珠光沢剤を分散したプレミックスを含む液体組成物が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は真珠光沢剤を含む液体処理組成物、好ましくは水性組成物の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
液体処理組成物の調製において、これらの技術的可能性および美観の向上が常に目標となる。本発明は、特に液体組成物において伝統的な透明または不透明な美観の改善を目標とすることに関する。組成物の美観を介して組成物の技術的可能性を伝えることもまた本発明の目的である。本発明は、組成物が真珠光沢を発現するように光を伝播できる光学的改質剤を含む液体組成物に関する。
【0003】
真珠光沢は液体組成物中に真珠光沢剤の組み入れおよび懸濁によって達成できる。真珠光沢剤には、雲母、オキシ塩化ビスマスおよび二酸化チタンのような無機天然物質、並びに魚鱗、高級脂肪酸の金属塩、グリコール脂肪酸エステル、および脂肪酸アルカノールアミドのような有機化合物、が挙げられる。真珠光沢剤は粉末、好適な懸濁剤中にその剤を懸濁した液、またはその剤が結晶である場合はその場で形成できる懸濁液として得られる。
【0004】
真珠光沢剤は粒子であり、時間の経過と共に懸濁液または液体組成物から分離する傾向がある。この問題を解決する1つの解法は単純に組成物の粘度を高めることである。しかし、液体の洗濯洗剤組成物または硬質表面洗浄組成物は、必然的に比較的低粘度を有し、それらが注げるように高い剪断時には特に低粘度である。典型的には、洗濯組成物は、20s−1および21℃で1.5Pa.s(1500センチポアズ)未満の粘度を有する。そのような製品は一般的に低剪断においても低粘度を有し、結果としてどの粒子も液体組成物から分離する傾向があり、貯蔵中に浮遊したり沈降したりする。どの場合でも、これは望ましくなく、製品の一部はパール状であり一部は透明均質であるという不均一な製品外観を与える。
【0005】
液体洗濯洗浄剤および硬質表面洗浄用途における、粒子、特に真珠光沢剤の利用に伴う別の問題は、処理表面における真珠光沢剤の沈着の可能性である。織布、特に暗色の織布上で、そのような沈着物または残留物は肉眼で視認できる。その上、本質的に、それらは光できらめき易いので、目立ちやすい。食器類または床のような硬質表面の上では、沈着物は消費者に表面が汚れているという認識を与えるために好ましくない。食器類に関しては、消費者が食器類上に真珠光沢剤の出現を衛生上の問題として考えるかもしれないさらなる問題がある。
【0006】
真珠光沢剤である、脂肪酸グリコールエステルを含む、洗剤組成物および真珠光沢分散物は、以下の技術例に開示されている;米国特許第4,717,501号(花王に);同第5,017,305号(ヘンケルに);同第6,210,659号(ヘンケルに);同第6,835,700号(コグニス(Cognis)に)。真珠光沢剤を含有する液体洗剤組成物は米国特許第6,9656,017号(プロクター&ギャンブルに)に開示される。真珠光沢剤含有の繊細な衣服洗濯液体洗剤は欧州特許EP520551 B1(ユニリバーに)に開示される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
技術進歩にかかわらず、液体洗濯洗剤および硬質表面の洗浄処理用組成物において、安定して懸濁した真珠光沢剤と、処理表面上の沈着物または残留物の出現の回避との両方に関する難問が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明により、真珠光沢剤を含有する洗濯または硬質表面用洗浄組成物の用途に好適な液体処理組成物が提供され、前記真珠光沢剤は50マイクロメートル未満のD0.99体積粒子径を有し、組成物の0.02重量%〜2.0重量%の濃度で存在する。
【0009】
同様に、本発明により、真珠光沢剤を含有する洗濯または硬質表面用洗浄組成物の用途に好適な真珠光沢液体処理組成物が提供され、前記真珠光沢剤は50マイクロメートル未満のD0.99体積粒子を有し、真珠光沢剤が懸濁されている媒質と真珠光沢剤との屈折率の差ΔNは0.02を超える。
【0010】
同様に、本発明により、真珠光沢剤を含有する洗濯または硬質表面用洗浄組成物の用途に好適な真珠光沢液体処理組成物が提供され、前記真珠光沢剤は50マイクロメートル未満のD0.99体積粒子を有し、前記組成物は、5NTUを超え、3000NTU未満の濁度を有する。
【0011】
同様に、本発明により、真珠光沢剤を含有する洗濯または硬質表面用洗浄組成物の用途に好適な真珠光沢液体処理組成物が提供され、前記真珠光沢剤は50マイクロメートル未満のD0.99体積粒子を有し、その組成物は、20s−1および20℃で1〜1500mPa.sの粘度を有する。
【0012】
本発明の別の態様によると、処理組成物は洗濯または硬質表面洗浄組成物として使用するのに適した真珠光沢液体処理組成物であって、
(a)前記組成物の、約0.5重量%〜約20重量%の予備結晶化された有機真珠光沢分散プレミックスであって、
(i)下式:
【化1】

を有し、式中、Rは直鎖または分岐鎖のC12〜C22アルキル鎖であり、
Rは直鎖または分岐鎖のC2〜C4アルキレン基であり、
Pは、H、C1〜C4アルキル、または−CORから選択され、RはC4〜C22アルキルであり、および
nは1〜3である、真珠光沢剤と、
(ii)直鎖または分岐鎖のC12〜C14アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、およびこれらの混合物から成る群から選択される界面活性剤と、
(iii)水と、緩衝剤、pH調節剤、粘度調節剤、イオン強度調節剤、脂肪族アルコール、両性界面活性剤、およびこれらの混合物から選択される補助剤と、を含む、予備結晶化された有機真珠光沢分散プレミックスと、
(b)キャリアと、
(c)所望により、洗濯補助剤と、
を含み、前記洗剤組成物が、20秒−1および21℃で約1mPa.s〜約1000mPa.sの粘度を有する、真珠光沢液体組成物である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の液体組成物は、洗濯および硬質表面洗浄処理組成物の用途に好適である。用語、洗濯処理組成物は、洗浄および柔軟加工またはコンディショニング組成物を包含する、洗濯処理に使用されるすべての液体組成物を意味する。用語、硬質表面処理組成物は、台所または浴室の表面のような硬質表面、並びに手洗いまたは自動機械による皿洗い作業における皿および調理陶器等の処理に使用される全ての液体組成物を含むことを意味する。
【0014】
本発明の組成物は液体であるが、容器中に包装されてもよく、またはカプセル化されて、および/または投与量単位で包装されてよい。後者について以下により詳細に記述する。液体組成物は水性または非水性であってよい。組成物が水性の場合、それらは2%〜90%水、より好ましくは20%〜80%水、最も好ましくは25%〜65%水を含むことができる。非水性組成物は12%未満の水、好ましくは10%未満の水、最も好ましくは9.5%未満の水を含んでよい。水溶性フィルムの中に液体組成物を包装した投与量単位化製品で使用される組成物は、非水性と記述されることが多い。この用途ための本発明による組成物は、2%〜15%の水、より好ましくは2%〜10%の水、最も好ましくは4%〜9%の水を含む。
【0015】
本発明の組成物は好ましくは、20s−1および21℃において、1〜1500mPa.s(1〜1500センチポアズ)、より好ましくは100〜1000mPa.s(100〜1000センチポアズ)、最も好ましくは200〜500mPa.s(200〜500センチポアズ)の粘度を有する。粘度は従来法で測定できる。しかし、本発明による粘度は、ティー・エイ・インスツルメンツ社(TA instruments)のレオメータAR550で40mm直径のスチールプレート・スチール・スピンドルおよび隙間寸法500μmを用いて測定される。20s−1における高剪断粘度および0.05−1における低剪断粘度は、21℃で3分における対数剪断速度掃引0.1−1〜25−1にて得られる。ここに述べる好適のレオロジーは内部に洗剤成分を構成して存在するものまたは外添のレオロジー変性剤を用いるもので得られる。より好適な洗濯洗剤液体組成物は、約0.1Pa.s〜1.5Pa.s(100〜1500センチポアズ)の高剪断速度粘度を有し、より好ましくは0.1Pa.s〜1Pa.s(100〜1000cps)である。投与量単位の洗濯洗剤液体組成物は、0.4Pa.s〜1Pa.s(400〜1000cps)の高剪断速度粘度を有する。洗濯柔軟加工組成物は0.01Pa.s〜1Pa.s(10〜1000cps)の高剪断速度粘度を有し、より好ましくは0.01Pa.s〜0.8Pa.s(10〜800cps)、最も好ましくは0.01Pa.s〜0.5Pa.s(10〜500cps)である。手洗いの皿洗い用組成物は0.3Pa.s〜4Pa.s(300〜4000cps)の高剪断速度粘度を有し、好ましくは0.3Pa.s〜1Pa.s(300〜1000cps)である。
【0016】
真珠光沢剤が添加される組成物は好ましくは透明または半透明であるが、不透明であってもよい。その組成物(真珠光沢剤の添加前で)は、ネフェロメトリック(nephelometric)型の濁度計で測定された絶対濁度5〜3000NTUを有するのが好ましい。本発明による濁度は、オーストラリアのマックヴァン(McVan)インスツルメンツ社製アナライトNEP160でNEP260プローブを用いて測定される。本発明の一実施形態において、2800NTUを超える濁度の組成物であっても、真珠光沢材料の適量を用いて真珠光沢化できることが分かっている。しかし、本出願者らは、組成物の濁度が増加すると組成物を通過する光の透過性は減少することを見出している。この光透過性の減少は真珠光沢粒子が光をより少なく透過する結果になり、さらに真珠光沢効果の減少をもたらす。従って本出願者らはより高い濃度の真珠光沢剤の添加により、この効果はある程度改善できることを見出している。しかし閾値が3000NTUの濁度で到達すると、それ以上真珠光沢剤をさらに添加しても真珠光沢効果のレベルを改善しない。
【0017】
別の実施形態では、本発明は液体洗濯洗剤を包含し、それは、被覆雲母または被覆されていない雲母、オキシ塩化ビスマスまたはその類似物のような真珠光沢剤を、高濃度の(組成物の1重量%〜7重量%のような)布地ケア有益剤、例えば置換または非置換のシリコーン類と組み合わせて含む。布地ケア剤はエマルション形態化前に組成物に組み入れられる。好適なシリコーン類はダウコーニング、ワッカー、信越、等の供給元から購入可能である。そのような組成物は所望により、比較的高い粘度を有することができ、20s−1および21℃で少なくとも500〜4000であり、0.1s−1および21℃で3000〜20000である。そのような組成物では、好適な外添の構造化剤は、組成物の約0.05%〜約1%の範囲の濃度のトリヒドロキシステアリンである。その他のあらゆる好適な外添構造化剤が使用でき、または界面活性剤−構造化処方が用いられる。ナルコ社のアクリルアミド/MAPTACのような付着助剤が、組成物の好ましくは約0.1重量%〜0.5重量%の濃度でそのような処方に用いられる。
【0018】
本発明の液体は、その液体を脱ミネラル水に1%の濃度で溶解して測定した場合、好ましくは3〜10のpHを有し、より好ましくは5〜9、さらに好ましくは6〜9、最も好ましくは7.1〜8.5である。
【0019】
真珠光沢剤
本発明による真珠光沢剤は結晶またはガラス状固体、透明または半透明化合物であり、光を反射することができ、反射光は真珠光沢効果を生成する。典型的には、真珠光沢剤はそれらが組み入れられる組成物中に不溶性の結晶粒子である。好ましくは、真珠光沢剤は薄い板状または球状の形状を有する。本発明によると、球状物は一般的な球形と解釈される。粒径は、その球形の最大直径で測定される。板状粒子は、粒子の2つの寸法(長さと幅)が3番目の寸法(奥行きまたは厚さ)の少なくとも5倍であるようなものである。立方体、針、またはその他の結晶形状のような別の結晶形状は真珠光沢効果を示さない。雲母のような多くの真珠光沢剤は単斜晶結晶体を有する天然鉱物である。形状はその剤の安定性に影響するように考えられる。球状、さらに好ましくは板状剤が最もうまく安定化させる。
【0020】
真珠光沢剤は文献で知られているが、一般的使用はシャンプー、コンディショナ、または身体清浄への適用である。それらは組成物に対して真珠層の外観を付与する材料として記述されている。真珠光沢の機構は、R.L.クロンビー(Crombie)により、国際化粧品科学会誌(International Journal of Cosmetic Science)19巻、205〜214頁に記載される。理論に束縛されるものではないが、真珠光沢は下図に示すように光の正反射によって生成されると考えられる。光は、組成物中でパールの板状晶または球が互いに異なった高さで本質的に互いに平行状態にあるように、それらからに反射され、深みおよび艶の感覚を生み出す。一部の光は真珠光沢剤から反射され、残りはその剤を通過する。真珠光沢剤を通過する光は直接的に通過するかまたは屈折される。反射、屈折された光は異なった色、明るさおよび艶を生じる。
【0021】
(図1)

出願者らは、懸濁状態および視認できる残渣存在の削減の再検討中に、真珠光沢剤は、50μm未満のD0.99(時にはD99と呼ばれる)体積粒子径を有していることを見出している。真珠光沢剤は、より好ましくは40μm未満のD0.99を有し、最も好ましくは30μm未満である。最も好ましくはその粒子は、1μmより大きい体積粒子径を有する。最も好ましくは真珠光沢剤は0.1μm〜50μmの粒子径分布を有し、より好ましくは0.5μm〜25μmであり、最も好ましくは1μm〜20μmである。D0.99は粒子径分布に関連する粒子径の尺度であり、この場合50μm未満D0.99は、粒子の99%は50μm未満の体積粒子径を有することを意味する。体積粒子径および粒子径は、マルバーン(Malvern)インスツルメンツ社から入手可能なハイドロ(Hydro)2000G装置を用いて測定される。粒子径はその剤の安定化に役割を果たす。粒子径および粒子径分布が小さいほど、より懸濁され易い。しかし、真珠光沢剤の粒子径を減少させるにつれて、その剤の効能が減少される。
【0022】
理論に束縛されるものではないが、出願者らは真珠光沢剤とそれが懸濁されている液体媒質との界面における光の透過はフレネル式による物理法則によって決定されると考える。真珠光沢剤によって反射される光の比率は、真珠光沢剤と液体媒質との間の屈折率差につれて増加する。残りの光はエネルギー保存によって屈折され、別の真珠光沢剤の表面にぶつかるまで媒質の中を伝播する。それをふまえて、真珠光沢剤を含有する組成物が目視可能な真珠光沢を付与するためには、屈折される光の量に応じて十分な光が反射されるように、屈折率の差が十分大きくなければならない、と考えられている。
【0023】
より少ない水でより多くの有機溶媒を含有する液体組成物は、典型的にはより多くの水性組成物と比較してより高い屈折率を有する。従って本出願者らは、高い屈折率を有するそのような組成物において、十分に高くない屈折率を有する真珠光沢剤は、たとえ組成物中に高濃度で導入されていても(典型的には3%を超える)、十分に目視可能な真珠光沢を付与しないことを見出している。従って、処方中に顔料の濃度を適度な低レベルに保持するために、高屈折率を有する真珠光沢顔料を使用することが好ましい。それ故、真珠光沢剤は、1.41を超える屈折率を有するように選択されるのが好ましく、より好ましくは1.8を超え、さらに好ましくは2.0を超える。真珠光沢剤と、真珠光沢剤が後で添加される組成物または媒質との間の屈折率差は、好ましくは少なくとも0.02である。真珠光沢剤と組成物との間の屈折率差は、好ましくは少なくとも0.2であり、より好ましくは少なくとも0.6である。本出願者らは、真珠光沢効果を産出する効果において、より高い屈折率の剤ほど、剤はより効果的であるということを見出している。しかし、この効果は同様に剤と組成物の屈折率の差に依存する。その差が大きいほど、感知する効果はより大きい。
【0024】
本発明の液体組成物は、好ましくは、組成物の100%活性な真珠光沢剤を0.01重量〜2.0重量%含む。より好ましくは、液体組成物は、組成物の100%活性な真珠光沢剤の組成物を0,01重量%〜0.5重量%を含み、より好ましくはより0.01重量%〜0.35重量%、さらに好ましくは0.01重量%〜0.2重量%である。本出願者らは組成物中に上記の粒子径および濃度にもかかわらず、液体組成物に対して良好な、消費者に好まれる真珠光沢を提供することが可能であることを見出している。
【0025】
真珠光沢剤は有機であっても無機であってもよい。
【0026】
有機真珠光沢剤
好適な真珠光沢剤には、下式を有するアルキレングリコールのモノエステルおよび/またはジエステルが挙げられる。
【化2】

式中、Rは直鎖または分岐鎖のC12〜C22アルキル基である。
【0027】
Rは直鎖または分岐鎖のC2〜C4アルキレン基である。
【0028】
Pは、H、C1〜C4アルキル、または−CORから選択され、RはC4〜C22アルキル、好ましくはC12〜C22アルキルであり、および
n=1〜3である。
【0029】
本発明の一実施形態では、長鎖脂肪酸エステルは上記の一般構造を有し、式中、R1は直鎖又は分枝鎖C16〜C22アルキル基であり、Rは−CH−CH−であり、およびPはH、または−CORから選択され、ここでRはC4〜C22アルキルで好ましくはC12〜C22アルキルである。
【0030】
典型例は、炭素原子6〜22、好ましくは12〜18を含有する脂肪酸、例えば、カプロン酸、カプリル酸、2−エチルへキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、スレアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペテロセリン酸、リノール酸、リノレイン酸、アラキン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸、エルカ酸、およびこれらの混合物等と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、またはテトラエチレングリコールとの、モノエステル類および/またはジエステル類である。
【0031】
一実施形態では、エチレングリコールモノステアレート(EGMS)および/またはエチレングリコールジステアレート(EGDS)および/またはポリエチレングリコールモノステアレート(PGMS)および/またはポリエチレングリコールジステアレート(PGDS)が組成物中に使用される真珠光沢剤である。これらの材料には幾つかの市販供給源がある。例えば、PEG6000MS(登録商標)はステパン(Stepan)から入手可能であり、エムピラン(Empilan)EGDS/A(登録商標)はアルブライト・アンド・ウイルソン(Albright & Wilson)から入手可能である。
【0032】
別の実施形態では、真珠光沢剤は、エチレングリコールジエステル/エチレングリコールモノエステルを約1:2〜約2:1の重量比を有する混合物から成る。別の実施形態では、EGDS/EGMSを約60:40〜約50:50の重量比を有する混合物から成る真珠光沢剤は水懸濁液中で特に安定であると見出されている。
【0033】
共晶化剤
任意選択で、共晶化剤が有機真珠光沢剤の結晶化を促進するために使用され、その結果真珠光沢粒子は結果として得られる生成物で生成される。好適な共晶化剤には、これらに限定されないが、約12〜約22、好ましくは約16〜約22、さらに好ましくは約18〜20の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖の、必要に応じて水酸基置換された、アルキル基を有する脂肪酸および/または脂肪族アルコールが挙げられ、例えば、パルミチン酸、リノール酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、ベヘニル酸、セテアリルアルコール、ヒドロキシステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、リノリルアルコール、リノレニルアルコール、およびこれらの混合物などである。
【0034】
共晶化剤が有機真珠光沢剤よりも高い融点を有するものが選択される場合、これらの共晶化剤と上記有機真珠光沢剤との溶融混合物では、典型的には、最初に共晶化剤が固化し、均等に分布した粒子を形成し、この粒子は後続の真珠光沢剤結晶化の核として機能することが見出されている。有機真珠光沢剤と共晶化剤との間の適正な比率を用いて、得られる結晶の大きさを制御でき、結果として得られる生成物の真珠光沢発現を増強できる。あまりに多くの共晶化剤が使用されると、結果として得られる生成物は魅力ある真珠光沢発現の損失を示し、より一層不透明に成る。
【0035】
共晶化剤が存在する一実施形態では、その組成物は1〜5重量%のC12〜C20の脂肪酸、C12〜C20の脂肪族アルコール、またはこれらの混合物を含む。
【0036】
別の実施形態では、有機真珠光沢剤と共晶化剤との間の重量比は約3:1〜約10:1、または約5:1〜20:1の範囲にある。
【0037】
有機真珠光沢剤が含有される組成物を生成するのに広く採用されている方法の1つには、室温で固形の有機真珠光沢剤を使用する方法がある。これらの材料をこれらの融点より高く加熱し、調製組成物に添加し、冷却すると、結果として得られる組成物には真珠光沢艶が発現する。しかし、この方法は、生産バッチの全体を真珠光沢材料の融点に対応する温度まで加熱しなければならず、生成物の均一な真珠光沢は均質な融解混合物を作製し、十分制御された冷却および撹拌条件を適用することによってのみ達成できるというような欠点を有する可能性がある。
【0038】
組成物中に有機真珠光沢剤を組み入れる別の、より好適な方法は、予備結晶化された有機真珠光沢分散物を使用することである。この方法は「コールドパール」として当業者に公知である。この代替方法では、長鎖の脂肪酸エステルは融解され、キャリア混合物と組み合わされ、キャリア中で最適の粒子寸法に再結晶される。キャリア混合物は、典型的に界面活性剤を含み、好ましくは2〜50%界面活性剤、並びに残部に水および任意選択の補助剤を含む。規定された寸法の真珠光沢結晶は、界面活性剤キャリア混合物、混合および冷却条件の適正な選択によって得ることができる。コールドパールの製造方法は、米国特許第4,620,976号、同第4,654,163号(両方ともヘキスト社に譲渡)、およびPCT国際公開特許WO2004/028676(ハンツマン・インターナショナル社(Huntsman International)に譲渡)に記述される。多数のコールドパールが購入可能である。それらには、商品名ステパン(Stepan)、パール−2、およびステパンパール4(イリノイ州ノースフィールドのステパン(Stepan)社で製造)、マックパール(Mackpearl)202、マックパール15−DS、マックパールDR−104、マックパールDR−106(イリノイ州シカゴのマッキンタイア(McIntyre)グループで製造)、ユーパーラン(Euperlan)PK900ベンズ(Benz)−W、およびユーパーランPK3000AM(コグニス(Cognis)社で製造)が挙げられる。
【0039】
有機真珠光沢剤を組み込む、本発明の典型的実施形態は、組成物の、0.1重量%〜5重量%の有機真珠光沢剤、0.5重量%〜10重量%の分散性界面活性剤、および任意で、水および必要に応じて1種以上の有機溶剤を含む溶媒系中の共晶化剤の有効量、加えて、5重量%〜40重量%の洗浄力のある界面活性剤、および少なくとも0.01重量%、好ましくは少なくとも1重量%の1種以上の洗濯補助剤材料、例えば、香料、布地柔軟剤、酵素、漂白剤、漂白活性化剤、カップリング剤、またはこれらの組み合わせ等を含む組成物である。
【0040】
共晶化剤の「有効量」とは、所与の設定された加工パラメータの下で所望の真珠光沢剤の結晶径および径分布を生成するに十分な量である。幾つかの実施形態では、共晶化剤の量は100重量部の有機真珠光沢剤当り5〜30部の範囲にある。
【0041】
コールドパール用の好適な分散性界面活性剤には、アルキルサルフェート類、アルキルエーテルサルフェート類、およびこれらの混合物が挙げられ、ここで前記アルキル基は直鎖または分岐鎖のC12〜C14アルキル基である。典型的な、これらに限定されないが、ラウリル硫酸ナトリウムおよびラウリル硫酸アンモニウムが挙げられる。
【0042】
本発明の一実施形態では、組成物は、20重量%〜65重量%の水、5重量%〜25重量%のアルキル硫酸ナトリウムまたはアルキルエーテル硫酸ナトリウムの分散性界面活性剤、および0.5重量%〜15重量%のエチレングリコールモノステアレートとエチレングリコールジステアレートとの重量比1:2〜2:1のもの、を含む。
【0043】
本発明の別の実施形態では、組成物は、20重量%〜65重量%の水、5重量%〜30重量%のアルキル硫酸ナトリウムまたはアルキルエーテル硫酸ナトリウムの分散性界面活性剤、5重量%〜30重量%の長鎖脂肪酸エステル、および1重量%〜5重量%のC12〜C22の脂肪族アルコールまたは脂肪酸を含み、ここで、長鎖脂肪酸エステルと脂肪族アルコールおよび/または脂肪酸との重量比は約5:1〜約20:1、または約3:1〜約10:1の範囲にある。
【0044】
本発明の別の実施形態では、組成物は、少なくとも約0.01重量%、好ましくは約0.01重量%〜5重量%の真珠光沢剤組成物、有効量の共晶化剤、並びに洗浄性界面活性剤;陰イオン性染料の固着剤;水および有機溶媒を含む溶媒系;の中の1つ以上を含む。この組成物はその他の洗濯および布地ケア用の補助剤をさらに含むことができる。
【0045】
有機真珠光沢剤を組み込む製造方法
コールドパ−ルは2〜50%の界面活性剤、残りが水およびその他の補助剤から成るキャリアを、有機真珠光沢剤および共晶化剤の融点を超える温度、典型的には約60〜90℃、好ましくは約75〜85℃で加熱して製造される。有機真珠光沢剤および共晶化剤は混合物に添加され、約10分から3時間混合される。所望により、温度は80〜90℃に昇温される。高剪断ミル装置を真珠光沢剤の所望の分散物の液滴直径を作り出すために使用してよい。
【0046】
混合物は冷却速度約0.5〜5℃/分で冷却される。あるいは、冷却は2段法で実施され、それは混合物を熱交換器に1回通過する急冷工程と混合物を約0.5〜5℃/分で徐冷する工程とから成る。長鎖脂肪酸エステルのような真珠光沢剤の結晶化は、温度が約50℃になると開始され、結晶化は混合物粘度の顕著な増加で証明される。混合物は約30℃まで冷却され、撹拌が停止される。
【0047】
得られたコールドパール予備結晶化有機真珠光沢剤の分散物は、続いて液体組成物中に撹拌しながら外部からの加熱なしに組み込むことができる。得られた製造物は魅力的な真珠光沢外観を有し、それは典型的な保存条件で数ヶ月間安定する。換言すれば、得られた製造物は真珠光沢外観を維持し、コールドパールは組成物マトリックスからの分離または層形成を数ヶ月間示さない。
【0048】
無機真珠光沢剤
無機真珠光沢剤には、雲母、金属酸化物被覆雲母、シリカ被覆雲母、オキシ塩化ビスマス被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、ミリスチン酸ミリスチル、ガラス、金属酸化物被覆ガラス、グアニン、光輝顔料(ポリエステルまたは金属の)、およびこれらの混合物から成る群から選択されるものが挙げられる。
【0049】
好適な雲母には白雲母またはフッ素化水酸化アルミニウムカリウム(potassium aluminum hydroxide fluoride)が挙げられる。板状晶の雲母は好ましくは金属酸化物の薄層で被覆される。好適な金属酸化物は、ルチル、二酸化チタン、酸化第二鉄、酸化錫、アルミナおよびこれらの混合物から成る群から選択される。結晶真珠光沢層は金属酸化物被覆雲母を約732℃で焼成して形成される。加熱により樹脂中に不溶性の不活性顔料が生成され、そのものは安定した色相を有し、その後の加工の熱応力に耐える。
【0050】
これらの真珠光沢剤の色相は金属酸化物層表面の上部と底部からの鏡面反射角で反射される光線間の干渉によって発生される。前記剤は、鏡面反射角ではない角度に見る角度を移すと色の強度がなくなり、真珠光沢外観が与えられる。
【0051】
より好ましくは、無機真珠光沢剤は、雲母およびオキシ塩化ビスマス並びにこれらの混合物から成る群から選択される。最も好ましい無機真珠光沢剤は雲母である。購入可能な好適な無機真珠光沢剤はメルク社から、商品名イリオジン(Iriodin)、ビロン(Biron)、シローナ(Xirona)、ティミロン(Timiron)、コロロナ(Colorona)、ディクロナ(Dichrona)、カンジュリン(Candurin)およびロナスタ(Ronastar)で入手可能である。その他の購入可能な無機真珠光沢剤は、BASF社(エンゲルハード(Engelhard)社、マール(Mearl)社)からの、商品名ビジュ(Biju)、バイ・ライト(Bi-Lite)、クロマ・ライト(Chroma-Lite)、パール・グロー(Pearl-Glo)、マールライト(Mearlite)およびエッカート(Eckart)、があり、同様に商品名(プレステージ・ソフト・シルバー(Prestige Soft Silver)およびプレステージ・シルク・シルバー(Prestige Silk Silver Star)がある。
【0052】
例えば、エチレングリコールモノおよびジステアレートのような有機真珠光沢剤は、組成物が動いている間のみ真珠光沢を与える。従って、組成物が注がれている時にのみ、組成物は真珠光沢を示す。無機真珠光沢剤は、動的および静的の両方で真珠光沢を与えるのでより好適である。動的真珠光沢とは、組成物が動いている間に真珠光沢効果を示すことを意味する。静的真珠光沢は、組成物が動いていない時に真珠光沢を示すことを意味する。
【0053】
無機真珠光沢剤は、粉末として、または適切な懸濁剤中の粉末のスラリーとして入手可能である。好適な懸濁剤にはエチルヘキシルヒドキシステアレート、硬化ひまし油が挙げられる。粉末または粉末のスラリーは、組成物に追加の加工工程を全く必要としないで添加できる。
【0054】
任意の組成物成分
本発明の液体組成物は以下に示す任意成分の列記から選択されるその他の成分を含んでよい。以下の本明細書の以下において特に指示しない限り、特定の洗浄用補助剤の「有効な量」は、洗浄剤組成物の、好ましくは0.01重量%からであり、より好ましくは0.1重量%からであり、さらにより好ましくは1重量%〜20重量%であり、より好ましくは15重量%までであり、さらにより好ましくは10重量%までであり、さらにより好ましくは7重量%までであり、最も好ましくは5重量%までである。
【0055】
界面活性剤または洗浄界面活性剤
本発明の組成物は、約1重量%〜約80重量%の界面活性剤を含んでよい。好ましくは、このような組成物は、約5重量%〜50重量%の界面活性剤を含む。本発明の界面活性剤は2つの様式で使用されてよい。第1に、上記のように、それらはコールドパールの有機または無機真珠光沢剤に対する分散剤として使用できる。第2に、それらは汚れ懸濁の目的で洗浄性界面活性剤として使用できる。
【0056】
使用される洗浄性界面活性剤は、陰イオン性、非イオン性、双極性、両性、若しくは陽イオン性の種類のものにすることができ、または、これらの種類の界面活性剤の相容性の混合物を含むことができる。より好ましくは、界面活性剤は陰イオン性、非イオン性、陽イオン性の界面活性剤およびこれらの混合物から成る群から選択される。好ましくは組成物はベタイン界面活性剤を実質的に含まない。本明細書で有用な洗浄性界面活性剤は、米国特許第3,664,961号(1972年5月23日発行、ノリス(Norris))、同第3,919,678号(1975年12月30日発行、ラフリン(Laughlin)ら)、同第4,222,905号(1980年9月16日発行、コックレル(Cockrell))、および同第4,239,659号(1980年12月16日発行、マーフィー(Murphy))に記載されている。陰イオン性および非イオン性の界面活性剤が好ましい。
【0057】
有用な陰イオン性界面活性剤は、それら自体が、幾つか異なる種類の界面活性剤になることができる。例えば、高級脂肪酸類の水溶性塩類、すなわち「石鹸類」は、本明細書の組成物において有用な陰イオン性界面活性剤である。これには、約8〜約24の炭素原子、および好ましくは約12〜約18の炭素原子を含有する高級脂肪酸のナトリウム、カリウム、アンモニウム、およびアルキルアンモニウム塩のようなアルカリ金属石鹸、が挙げられる。石鹸類は、脂肪類および油類の直接鹸化によって、または遊離脂肪酸類の中和によって製造することができる。特に有用であるのは、ココヤシ油および獣脂から誘導される脂肪酸類の混合物のナトリウム塩およびカリウム塩、すなわち、ナトリウムまたはカリウム獣脂およびココヤシ石鹸である。
【0058】
本明細書に用いるのに好適な、石鹸以外のさらなる陰イオン性界面活性剤には、その分子構造内に約10〜約20個の炭素原子を含有するアルキル基とスルホン酸または硫酸エステル基とを有する有機イオウ反応生成物の、水溶性塩類、好ましくはアルカリ金属およびアンモニウム塩が含まれる。(用語「アルキル」には、アシル基のアルキル部分が含まれる。)この群の合成界面活性剤の例は、a)アルキル硫酸の、ナトリウム、カリウム、およびアンモニウムの塩であって、特に牛脂またはやし油のグリセリドの還元によって製造されるもののような高級アルコール(C〜C18炭素原子)の硫酸化によって得られるもの;b)ポリエトキシ化アルキル硫酸の、ナトリウム、カリウム、およびアンモニウムの塩であって、特にアルキル基が10〜22個の、好ましくは12〜18個の炭素原子を含み、ポリエトキシレート連鎖が1〜15個の、好ましくは1〜6個のエトキシレート部分を含有するもの;およびc)アルキルベンゼンスルホン酸のナトリウム、およびカリウム塩であって、そのアルキル基は約9〜約15個の炭素原子を直鎖または分岐鎖の配置で含有するもの、例えば、米国特許第2,220,099号、および同第2,477,383号に記載される種類のもの。特に有益なものは直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩であり、アルキル基中の平均炭素原子数が約11〜13個であり、C11〜C13LASと略記される。
【0059】
好ましい非イオン性界面活性剤は、R(OCOHの式で表されるものであり、式中、RはC10〜C16のアルキル基またはC〜C12のアルキルフェニル基であり、nは3〜約80である。特に好ましいのは、アルコール1モル当り約5〜約20モルのエチレンオキシドを有するC12〜C15アルコールの縮合生成物であり、例えば、アルコール1モル当り約6.5モルのエチレンオキシドで縮合したC12〜C13アルコールが挙げられる。
【0060】
布地ケア有益剤
本明細書の組成物の好適な実施形態によると、布地ケア有益剤が含まれる。本明細書で用いる場合、「布地ケア有益剤」は、その材料が適切な量で衣服/布地の上にあるときに、布地ケアに効果を与えるあらゆる材料を指し、例えば、布地柔軟化、着色保護、毛玉/毛羽削減、磨耗防止、皺防止、などの効果を衣服および布地、特に綿および綿が多い衣服並びに布地に対して与える。布地ケア有益剤の非限定的な例として、陽イオン性界面活性剤類、シリコーン類、ポリオレフィンワックス類、ラテックス類、油性糖誘導体類、陽イオン性多糖類、ポリウレタン類、脂肪酸類、およびこれらの混合物が挙げられる。組成物中に存在する場合の布地ケア有益剤は、組成物の、少なくとも30重量%までの濃度が好適であり、より典型的には約1重量%〜約20重量%であり、特定の実施形態では好ましくは約2重量%〜約10重量%である。
【0061】
本発明の目的のため、シリコーン誘導体は、布地ケア効果を与えることができ、エマルション、ラテックス、分散物、懸濁剤等として液体処理組成物中に組み込むことができる、あらゆるシリコーン材料である。洗濯製品にはこれらは好適な界面活性剤と共に組み入れるのが最も一般的である。また、洗濯製品が、通常、乳化剤、分散剤、懸濁剤などと同様に作用して水不溶性シリコーン誘導体の乳化、分散、および/または懸濁を助けることのできる多種多様な界面活性剤を含有するので、洗濯製品に直接乳化または分散させることのできる純シリコーン類も、本発明の対象である。これらのシリコーン誘導体類は、布地上に付着することによって、布地に、皺防止、色の保護、毛玉/毛羽立ちの低減、磨耗防止、布地の柔軟化などを含む1以上の布地ケア利益を提供することができる。本発明に有用なシリコーンの例は、「シリコーン−応用分野および技術動向」オノヨシアキ、日本の信越シリコーン社、およびM.D.バーシオウム(Berthiaume)による化粧品およびパーソナルケアのポリマー科学の原理と技術(1999)に記述される。
【0062】
好適なシリコーン類には、ポリ(ジ)アルキルシロキサン、特にポリジメチルシロキサン類および環状シリコーン類のようなシリコーン流体が挙げられる。ポリ(ジ)アルキルシロキサン類は以下の化学構造を有する分岐、部分架橋または直鎖のものであってよい。
【化3】

式中、各々のRは、H、1〜20の炭素原子を有する直鎖、分岐鎖および環状のアルキル基、2〜20の炭素原子を有する直鎖、分岐鎖、および環状のアルケニル基、7〜20の炭素原子を有するアルキルアリールおよびアリールアルケニル基、1〜20の炭素原子を有するアルコキシ基、ヒドロキシ基およびこれらの組み合わせから独立して選択され、wは3〜10からおよびkは2〜10,000から選択される。
【0063】
本発明のポリジメチルシロキサン誘導体類には、有機官能化シリコーン類が挙げられるが、それらに限定されない。
【0064】
官能化シリコーンの一実施形態はABn型のシリコーンであり、それらは米国特許第6,903,061B2号、同第6,833,344号、およびPCT国際公開特許WO 02/018528に開示される。これらのシリコーンの購入可能例はワロ(Waro)およびシルソフト(Silsoft)843、であり、両方ともコネティカット州ウイルトンのGEシリコーン社で発売される。
【0065】
別の実施形態官能化シリコーンは一般式(I)を有するシリコーン群である。
【化4】

式中、
(a)各々のR”はRおよび−X−Qから独立して選択され、ここで、
(i)Rは、C〜Cのアルキルまたはアリール基、水素、C〜Cアルコキシまたはこれらの組み合わせから選択される基であり、
(b)Xはアルキレン基−(CH−、または
−CH−CH(OH)−CH−、から選択される連結基であり、式中、
(i)pは2〜6であり、
(c)Qは−(O−CHR−CH−Zであり、式中、qは平均して約2〜約20であり、さらに、式中、
(i)Rは、H、C〜Cアルキルから選択される基であり、および
(ii)Zは、−OR、−OC(O)R、−CO−R−COOH、−SO、−PO(OH)、から選択される基であり、式中、
【化5】

は、H、C〜C26アルキルまたは置換アルキル、C〜C26アリールまたは置換アリール、C〜C26アルキルアルールまたは置換アルキルアリール、から選択される基であり、一部の実施形態ではRはH,メチル、エチル、プロピル、またはベンジル基から選択される基であり、
は−CH−、または−CHCH−、から選択される基であり、
はH、C〜Cアルキル、
−(CH−NH、および−X(−O−CHR−CH−Zから独立して選択される基であり、
(d)kは平均して約1〜約25,000、または約3〜約12,000であり、および
(e)mは平均して約4〜約50,000、または約10〜約20,000である。
【0066】
本発明に包含される官能化シリコーンの例は、シリコーンポリエーテル、アルキルシリコーン、フェニルシリコーン、アミノシリコーン、シリコーン樹脂、シリコーンメルカプタン、陽イオン性シリコーン等である。
【0067】
例えば、アミノ、アルコキシ、アルキル、フェニル、ポリエーテル、アクリレート、シリコンハイドライド、メルカプトプロピル、カルボン酸、四級化窒素のような官能基の1種以上の異なったタイプを有する、官能基シリコーンまたはコポリマー。購入可能なシリコーンの非限定的な例には、GEシリコーンズから購入可能なSM2125、シルウエット(Silwet)7622、およびダウコーニングから購入可能なDC8822、PP−5495、およびDC−5562が挙げられる。その他の例には、オハイオ州アクロンの信越シリコーンから入手可能なKF−888、KF−889、オハイオ州クリーブランドのノベオン(Noveon)社から入手可能なウルトラシル(Ultrasil)(登録商標)SW−12、ウルトラシル(Ultrasil)(登録商標)DW−18、ウルトラシル(Ultrasil)(登録商標)DW−AV、ウルトラシル(Ultrasil)(登録商標)Q−プラス、ウルトラシル(Ultrasil)(登録商標)Ca−1、ウルトラシル(Ultrasil)(登録商標)CA−2、ウルトラシル(Ultrasil)(登録商標)SA−1およびウルトラシル(Ultrasil)(登録商標)PE−100が挙げられる。追加の非限定的例には、サマーヴィルのフェニックス(Phoenix)化学社から入手可能なペコシル(Pecosil)(登録商標)CA−20、ペコシル(Pecosil)(登録商標)SM−40、ペコシル(Pecosil)(登録商標)PAN−150が挙げられる。
【0068】
シリコーンエマルションに関して、粒径は約1nm〜100ミクロンの範囲にあることができ、好ましくは約10nm〜約10ミクロンであり、それにはミクロエマルション(150nm以下)、標準エマルション(約200nm〜約500nm)、およびマクロエマルション(約1ミクロン〜約20ミクロン)が含まれる。
【0069】
本発明の使用に好適な油性糖誘導体はPCT国際公開特許WO 98/16538に教示される。本発明に関連して、頭文字CPEまたはRSEはそれぞれ、環状ポリオール誘導体または還元糖誘導体を表し、それらは環状ポリオール、または還元糖がエステル化および/またはエーテル化されていて、その中の少なくとも2つ以上のエステル基またはエーテル基が独立してC8〜C22のアルキル鎖またはアルケニル鎖に結合されているもの、の中の35%〜100%の水酸基から得られる。典型的にはCPEおよびRSEは3つ以上のエステルまたはエーテル基若しくはこれらの混合物を有する。CPEおよびRSEの2つ以上のエステルまたはエーテル基がC8〜C22のアルキル鎖またはアルケニル鎖に独立して結合されている場合が好適である。C8〜C22のアルキル鎖またはアルケニル鎖は直鎖または分岐鎖であってよい。一実施形態では、水酸基の40%〜100%がエステル化またはエーテル化される。別の実施形態では水酸基の50%〜100%がエステル化またはエーテル化される。
【0070】
本発明に関連した場合、用語、環状ポリオールは糖の全ての形態を網羅する。単糖類および二糖類からのCPEおよびRSEが特に好適である。単糖類の例には、キシロース、アラビノース、ガラクトース、フルクトース、およびグルコースが挙げられる。還元糖の例はソルビタンである。二糖類の例はショ糖、ラクトース、マルトースおよびセロビオースが挙げられる。ショ糖が特に好適である。
【0071】
CPEまたはRSEは4つ以上のエステル基またはエーテル基を有する場合が好適である。環状CPEが二糖類である場合、二糖類は3つ以上のエステル基またはエーテル基を有することが好ましい。4つ以上のエステル基を有するショ糖エステルが特に好適である。これらはオハイオ州シンシナチのプロクター・アンド・ギャンブル社から商品名オレアン(Olean)で購入可能である。環状ポリオールが還元糖である場合、CPEの環が1つのエーテル基を有し、好ましくはC1の位置に有する場合が有利である。残りの水酸基はアルキル基でエステル化される。
【0072】
布地ケア利益を提供するすべての分散性ポリオレフィン類を、本発明による水不溶性布地ケア有益剤として使用することができる。当該ポリオレフィン類は、ワックス類、エマルション類、分散液、または懸濁液の形態にすることができる。非限定例を以下に記載する。
【0073】
好ましくは、当該ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれらの混合物である。ポリオレフィンは、カルボキシル、アルキルアミド、スルホン酸またはアミド基のような様々な官能基を含有するように、少なくとも部分的に変性されていてもよい。より好ましくは、本発明で使用されるポリオレフィンは、少なくとも部分的にカルボキシル変性されており、換言すれば、酸化されている。特に、酸化またはカルボキシル変性ポリエチレンは、本発明の組成物に好ましい。
【0074】
配合を容易にするために、分散性ポリオレフィンは、好ましくは、乳化剤を用いて分散されたポリオレフィンの懸濁液またはエマルションとして導入される。ポリオレフィン懸濁液またはエマルションは、好ましくは約1重量%〜約60重量%、より好ましくは約10重量%〜約55重量%、最も好ましくは約20〜約50重量%のポリオレフィンを含む。ポリオレフィンは、好ましくは、約20〜170℃、より好ましくは約50〜140℃のワックス滴点(ASTM D3954−94、15.04巻−−−「ワックス類の滴点に関する標準試験方法(Standard Test Method for Dropping Point of Waxes)」参照、この方法を本明細書に参考として組み込む)を有する。好適なポリエチレンワックス類は、これだけに限定するものではないが、ハネウェル(Honeywell)(A−Cポリエチレン)、クラリアント(Clariant)(ベルストロール(Velustrol)エマルション)、およびBASF(ルーワックス(LUWAX))を含めた供給元から市販されている。
【0075】
エマルションが使用される時には、乳化剤は、陰イオン性、陽イオン性、若しくは非イオン性の界面活性剤、またはこれらの混合物を含め、どの好適な乳化剤であってもよい。ほとんどどの好適な界面活性剤も、本発明の乳化剤として使用してよい。分散性ポリオレフィンは、乳化剤または懸濁剤を用いて1:100〜約1:2の比で分散される。好ましくは、この比の範囲は、約1:50〜1:5である。
【0076】
ポリマーラテックスは、通常、1以上のモノマー、1以上の乳化剤、反応開始剤、および当業者にはよく知られている他の構成成分を含むエマルション重合プロセスによって製造される。布地ケア利益を提供するすべてのポリマーラテックス類を、本発明の水不溶性布地ケア有益剤として使用することができる。好適なポリマーラテックス類の非限定例には、PCT国際公開特許WO02/018451(ロディア化学(Rhodia Chimie)の名で公開)に開示のものが含まれる。追加の非限定的な例には、例えば以下のような、ポリマーラテックスを製造するのに使用されるモノマー類が挙げられる:
1)100%または純粋なブチルアクリレート。
2)少なくとも20%のブチルアクリレート(モノマー重量比)を有するブチルアクリレートとブタジエン混合物。
3)ブチルアクリレートおよび20%未満(モノマー重量比)のブタジエン以外のその他のモノマー。
4)C6以上のアルキルカーボン鎖を有するアルキルアクリレート。
5)C6以上のアルキルカーボン鎖を有するアルキルアクリレートと50%未満(モノマー重量比)のその他のモノマー。
6)1)〜5)のモノマー系に第3のモノマー(モノマー重量比で20%未満)が添加されたもの。
【0077】
本発明において好適な布地ケア有益剤である高分子ラテックス類には、ガラス転移温度が約−120℃〜約120℃、好ましくは約−80℃〜約60℃のものが含まれる。適した乳化剤類には、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性および両性の界面活性剤類が包含される。好適な反応開始剤には、高分子ラテックス類のエマルション重合に適したすべての反応開始剤が含まれる。ポリマーラテックス類の粒径は、約1nm〜約10μmにすることができ、好ましくは約10nm〜約1μmである。
【0078】
陽イオン性界面活性剤は本発明に有用なケア活性物質の別の部類である。下式を有する陽イオン性界面活性剤の例が、
【化6】

米国公開特許US2005/0164905に開示されている。式中、RおよびRは、C〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、ベンジル、および−−(C2nO)H、からなる群から個々に選択され、xは2〜5の値を有し、nは1〜4の値を有し、Xは陰イオンである。
【0079】
およびRは、それぞれC〜C22アルキルまたは(2)RがC〜C22アルキルであり、およびRが、C〜C10アルキル、C〜C10ヒドキシアルキル、ベンジル、−−(C2nO)Hであり、ここでxは2〜5の値を有し、nは1〜4の値を有するもの、から成る群から選択される。
【0080】
別の好適な布地ケア有益剤は脂肪酸である。布地に付着した場合、脂肪酸または脂肪酸の石鹸は洗濯布地に布地ケアを(柔軟性、形状保持)与えるであろう。有用な脂肪酸(または石鹸=脂肪酸のナトリウム、カリウム、アンモニウム、およびアルキルアンモニウム塩のようなアルカリ金属石鹸)は約8〜約24の炭素原子、より好ましくは約12〜約18の炭素原子を含有する高級脂肪酸である。石鹸類は、脂肪類および油類の直接鹸化によって、または遊離脂肪酸類の中和によって製造することができる。特に有用であるのは、ココヤシ油および獣脂から誘導される脂肪酸類の混合物のナトリウム塩およびカリウム塩、すなわち、ナトリウムまたはカリウム獣脂およびココヤシ石鹸である。脂肪酸は天然物または合成物由来であることができ、直鎖または分岐鎖を有する飽和物および不飽和物の両方であってよい。
【0081】
洗浄用酵素
本明細書で用いる好適な洗浄用酵素には、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼおよびエンドグルカナーゼを含むカルボヒドラーゼ、並びにこれらの混合物が挙げられる。酵素類は、その技術分野で教示される濃度、例えば、ノボ(Novo)およびジェネンコア(Genencor)のような供給元によって推奨される濃度で使用することができる。組成物中の典型的な濃度は約0.0001%〜約5%である。酵素がある場合、それらは特定の実施形態では、非常に低濃度、例えば0.0001%またはそれ以下で使用でき、あるいは本発明に従った高濃度、例えば約0.1%およびそれ以上の濃度の、より強力型洗浄剤処方に使用できる。「非生物学的」洗剤類を好む消費者もいるため、本発明は酵素含有実施形態と、酵素を含まない実施形態の両方を包含する。
【0082】
付着補助剤
本明細書で使用する場合、「付着補助剤」は、洗濯中に布地ケア有益剤の布地への付着を顕著に高める、あらゆる陽イオン性ポリマーまたは陽イオン性ポリマーの組み合わせを指す。
【0083】
有効な付着補助剤は、好ましくはファンデルヴァールス力のような物理的力または水素結合および/またはイオン結合のような非共有性の化学結合によって、水不溶性の布地ケア有益剤と強力に結合する能力を有する。それは、好ましくは、天然の織物繊維、特に綿繊維に対して非常に強い親和力を有する。
【0084】
付着補助剤は水溶性であり、水不溶性の布地ケア有益剤の粒子表面を被覆するか、または数個の粒子を結束させることができるように柔軟な分子構造を有する必要がある。従って、分子の柔軟性を欠く傾向があるあるため、付着補助剤は架橋されないことが好ましく、網目構造を有さないことが好ましい。
【0085】
布地ケア有益剤を布地上に推進させるためには、付着補助剤の正味電荷は布地と布地ケア有益剤との間の反発に打ち勝つために好ましくは正であり、これは大抵の布地が水性の環境中で僅かに負電荷を有する織物繊維を含むからである。水中でわずかに負の電荷を示す繊維の例には、これだけに限定するものではないが、綿、レーヨン、絹、羊毛などが含まれる。
【0086】
好ましくは、付着補助剤は陽イオン性または両性ポリマーである。本発明の両性ポリマー類は、やはり陽イオン性の正味電荷を有し、すなわち、これらのポリマー上にある陽イオン性電荷の合計が、陰イオン性電荷の合計を上回る。ポリマーの陽イオン性電荷密度は約0.05ミリ当量/g〜約6ミリ当量/gの範囲にある。電荷密度は反復単位当りの正味の電荷数を反復単位の分子量で除算して計算される。一実施形態では、電荷密度は約0.1ミリ当量/g〜約3ミリ当量/gに変わる。正電荷は、ポリマーの主鎖またはポリマーの側鎖上に存在することができる。
【0087】
付着増強剤の非限定的例は、陽イオン性多糖類、キトサンおよびその誘導体、並びに陽イオン性合成ポリマーである。
【0088】
a.陽イオン性多糖類
陽イオン性多糖類には、それらに限定されないが、陽イオン性セルロース誘導体、陽イオン性グアーガム誘導体、キトサンおよび誘導体、並びに陽イオン性デンプンが挙げられる。陽イオン性多糖類は約50,000〜約2,000,000の分子量を有し、それは好ましくは約100,000〜約1,000,000である。最も好ましくは、陽イオン性セルロースは約200,000〜約800,000の分子量を有し、陽イオン性グアーは約500,000〜1500,000の分子量を有する。
【0089】
好適な陽イオン性多糖類の一群は陽イオン性セルロース誘導体であり、好ましくは陽イオン性セルロースエーテル類である。これらの陽イオン性物質は、以下の一般構造式Iに従う、置換型の無水グルコース反復単位を有する。
【化7】

式中、R、R、Rは各々独立して、H、CH、C8〜24アルキル(直鎖または分岐鎖)、
【化8】

またはこれらの混合物であり、ここでnは約1〜10である。RxはH、CH、C8〜24アルキル(直鎖または分岐鎖)、
【化9】

またはこれらの混合物である。Zは水溶性陰イオン、好ましくは塩素イオンおよび/または臭素イオンである。RはH、CH、CHCH、またはこれらの混合物である。RはCH、CHCH、フェニル基、C8〜24アルキル基(直鎖または分岐鎖)またはこれらの混合物である。さらに
およびRは互いに独立してCH、CHCH、フェニル、またはこれらの混合物である。
【0090】
はH、
【化10】

またはこれらの混合物であり、式中、Pは例えば
【化11】

のような陽イオン性モノマーのラジカル重合によって形成された付加ポリマーの反復単位であり、式中、Z’は水溶性陰イオン、好ましくは塩素イオンまたは臭素イオンまたはこれらの混合物であり、qは約1〜10である。
【0091】
ポリマーの無水グルコース環上のアルキル置換の範囲は、ポリマー物質のグルコース単位1個当り約0.01%〜5%、より好ましくはグルコース単位1個当り約0.05%〜2%である。
【0092】
構造式Iの陽イオン性セルロースエーテル類には、同様に、市販のものが包含され、市販物質を従来式に化学修飾することによって調製できる物質がさらに包含される。化学構造式Iタイプの購入可能なセルロース誘導体には、JR30M、JR400、JR125、LR400、およびLK400ポリマーが挙げられ、これらの全てはニュージャージー州エッジウオータのアマコール(Amerchol)社から販売され、さらにナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社、またはニュージャージー州ブリッジウオータから入手可能であるセルクエァト(Celquat)H200およびセルクエァト(Celquat)L−200が挙げられる。
【0093】
本発明に有用な陽イオン性デンプンは、D.B.ソラレク(Solarek)による「加工デンプン、特性および用途(Modified Starches, Properties and Uses)」(CRCプレス発行、1986年)に記載されている。陽イオン性デンプンは、ナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社(National Starch and Chemical Company)からカトー(Cato)の商品名で市販されている。
【0094】
本発明に好適な陽イオン性グアーは、
【化12】

であり、式中、Gはグラクトマンナン(glactaomanan)主鎖であり、RはCH、CHCH、フェニル基、C8〜24アルキル基(直鎖または分岐鎖)、またはこれらの混合物であり、RおよびRは、それぞれ、独立して、CH、CHCH、フェニル、またはこれらの混合物であり、Zは適切な陰イオンである。好適なグアー誘導体はグアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドである。陽イオン性グアーガムの例は、ニュージャージー州クランベリ(Cranburry)のローディア(Rhodia)社から入手可能なジャガー(Jaguar)C13、およびジャガーエクセル(Jaguar Excel)である。
【0095】
b.合成陽イオン性ポリマー
一般に陽イオン性ポリマーおよびその製造方法は、文献において知られている。例えば、陽イオン性ポリマーの詳細な説明は、「高分子科学−化学雑誌(Journal of Macromolecular Science-Chemistry)」A4巻6号、1327〜1417頁、1970年10月発行、のM.フレッド・フーバー(M. Fred Hoover)による記事に見ることができる。フーバー(Hoover)の記事で開示された全内容は、参照として本明細書に組み込まれる。その他の好適な陽イオン性ポリマー類は、紙の製造で歩留まり向上剤として使用されるものである。これらのポリマーは、ジェームズ・ケーシー(James Casey)編集の「パルプおよび紙、化学および化学技術第3巻(Pulp and Paper, Chemistry and Chemical Technology Volume III)」(1981年)に記載されている。これらのポリマーの分子量は2,000〜5,000,000の範囲内である。
【0096】
本発明の合成陽イオン性ポリマーは、フーバー(Hoover)の論説、ケーシー(Casey)の書籍、本開示、および本明細書の実施例に照らして読めばより良く理解されるであろう。合成ポリマーには、それらに限定されないが、一般的化学構造式:
【化13】

の合成付加重合体が挙げられ、式中、R、R、およびZは本明細書において以下に定義される。好ましくは線状ポリマーユニットは、直線的に重合するモノマーから形成される。線状重合モノマーは、本明細書において、標準的な重合条件下で線状ポリマー鎖を生じるモノマー、あるいは線状に重合を拡大するモノマーとして定義される。本発明の直線的に重合するモノマーは下式:
【化14】

を有するが、当業者は、多くの有用な線状モノマーユニットは、とりわけビニルアミンユニット、ビニルアルコールユニットは直線的に重合するモノマーによらないで、間接的に導入されることを認識している。例えば、主鎖に一旦組み込まれた酢酸ビニルモノマーは、加水分解されてビニルアルコール単位を形成する。本発明の目的のために、線状ポリマー単位は直接的に(すなわち、線状重合単位を介して)組み込まれても、または間接的に(すなわち、上記のビニルアルコールの場合は前駆体を介して)組み込まれてもよい。
【0097】
各Rは、独立して、水素、C〜Cアルキル基、置換または非置換フェニル基、置換または非置換ベンジル基、炭素環式、複素環式、およびこれらの混合物である。Rは、好ましくは、水素、C〜Cアルキル基、フェニル基、およびこれらの混合物であり、より好ましくは水素およびメチル基である。
【0098】
各Rは、独立して、水素、ハロゲン、C〜Cアルキル基、C〜Cアルコキシ基、置換または非置換フェニル基、置換または非置換ベンジル基、炭素環式、複素環式、およびこれらの混合物である。好ましいRは、水素、C〜Cアルキル基、およびこれらの混合物である。
【0099】
各々のZは、独立してH;ヒドロキシ;ハロゲン;−(CHR、式中、RはH、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトリロ、−OR、−O(CHN(R、−O(CH(R、−C(O)O(CHN(R、−C(O)O(CH(R、−OCO(CHN(R、−OCO(CH(R、−C(O)NH−(CHN(R、−C(O)NH(CH(R、−(CHN(R、−(CH(R、四級アンモニウムイオンを含む非芳香族性の窒素複素環、N−オキシド部分を含む非芳香族性の窒素複素環、1つ以上のまたは窒素原子が四級化されている窒素含有芳香族複素環、少なくとも1つの窒素がN−オキシドである窒素含有芳香族複素環;−NHCHO(ホルムアミド)、またはこれらの混合物;ここで各々のRは独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、およびこれらの混合物;Xは水溶性陰イオンであり;添え字nは1〜6であり;炭素環式、複素環式、またはこれらの混合物;−(CHCOR’式中R’は−OR、−O(CHN(R、−O(CH(R、−NR(CHN(R、−NR(CH(R、−(CHN(R、−(CH(R、またはこれらの混合物、式中、R、X、およびnは上記で規定したのと同じである。好ましいZは、−O(CH(Rであり、式中添え字nは2〜4である。添え字mは0〜6であり、好ましくは0〜2、より好ましくは0である。
【0100】
複素環式Z単位を含む付加重合モノマーの非限定的な例としては、1−ビニル−2−ピロリジノン、1−ビニルイミダゾール、2−ビニル−1,3−ジオキソラン、4−ビニル−1−シクロヘキセン1,2−エポキシド、および2−ビニルピリジンが挙げられる。
【0101】
本発明のポリマー類およびコポリマー類は、陽イオン電荷を有するZ単位を含む、または陽イオン電荷をその場で形成する単位を生じるZ単位を含む。本発明のコポリマー類が、例えば、Z、Z、...Z単位の1を超えるZ単位を含む場合、コポリマー類を含むモノマーの少なくとも約1%は陽イオン単位を含む。陽イオン電荷をその場で形成するように作成可能なZ単位の非限定的な例としては、−NHCHO単位、ホルムアミドが挙げられる。配合者は、一部が次工程で加水分解されてビニルアミン等価物を形成するホルムアミド単位を含むポリマーまたはコポリマーを調製できる。
【0102】
環状重合モノマーから誘導される環式ユニット
本発明のポリマー類またはコポリマー類は、環状重合モノマーから誘導された1以上の環状ポリマー単位を含有してもよい。環状重合モノマー類は、本明細書において、標準的な重合条件下で環状ポリマー残基を生じ、並びに線状に重合を拡大するのに役立つモノマーとして定義される。本発明の好適な環状重合モノマー類は式:
【化15】

を有し、式中、各々のRは独立して、重合を成長することができ、加えて隣接するRユニットと共に環状の残基を形成するユニットを含むオレフィンであり;RはC〜C12の直鎖または分岐鎖アルキル、ベンジル、置換ベンジル、およびこれらの混合物であり;Xは水溶性陰イオンである。
【0103】
単位の非限定的な例としては、アリルおよびアルキル置換アリル単位が挙げられる。形成される環状残基は、四級窒素原子を含む6員環であることが好ましい。
【0104】
は、好ましくはC〜Cアルキルであり、好ましくはメチルである。
【0105】
環状重合モノマーの例は、式:
【化16】

を有するジメチルジアリルアンモニウムであり、このものは結果として式:
【化17】

を有するポリマーまたはコポリマーをもたらし、式中、添え字Zは好ましくは約10〜約50,000である。
【0106】
およびこれらの混合物
本発明による好適なポリマーの非限定的な例には、以下を含むコポリマー類が挙げられる:
a)陽イオン性モノマーであって、N,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリレート、N,N−ジアルキルアミノアクリルアミド、N,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド、これらの四級化誘導体、ビニルアミンおよびその誘導体、アリルアミンおよびその誘導体、ビニルイミダゾール、四級化ビニルイミダゾールおよびジアリルジアルキルアンモニウムクロリド、から成る群から選択される。
【0107】
b)第2モノマーであって、アクリルアミド(AM)、N,N−ジアルキルアクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、C1〜C12アルキルアクリレート、C1〜C12ヒドロキシアルキルアクリレート、C1〜C12ヒドロキシエーテルアルキルアクリレート、C1〜C12アルキルメタクリレート、C1〜C12ヒドロキシアルキルメタクリレート、ビニルアセテート、ビニルアルコール、ビニルホルムアミド、ビニルアセトアミド、ビニルアルキルエーテル、ビニルブチレート、およびこれらの誘導体並びに混合物、から成る群から選択される。
【0108】
好適な陽イオン性モノマーには、N、N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAM)、[2−(メタクリロイルアミノ)エチル]トリ−メチルアンモニウムクロリド(QDMAM)、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMAPA)、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPMA)、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)、四級化ビニルイミダゾール、およびジアリルジメチルアンモニウムクロリドおよびこれらの誘導体が挙げられる。
【0109】
好適な第2のモノマーには、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、C1〜C4アルキルアクリレート、C1〜C4ヒドロキシアルキルアクリレート、ビニルホルムアミド、ビニルアセテート、およびビニルアルコールが挙げられる。最も好適な非イオン性モノマーは、アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、ヒドロキシプロピルアクリレートおよびその誘導体、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリルアミドプロピルメタンスルホン酸(AMPS)およびこれらの塩がある。
【0110】
ポリマーは任意で架橋されていてよい。架橋モノマーには、エチレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、ブタジエンが挙げられるが、それらに限定されない。最も好適なポリマーは、ポリ(アクリルアミド−コ−ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(アクリルアミド−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(アクリルアミド−コ−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(アクリルアミド−コ−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート−コ−ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルアクリレート−コ−ジメチルアモノエチルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルアクリレート−コ−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)である。
【0111】
付着ポリマーが処方可能であり、組成物中で安定であるためには、ポリマーに組み入れられるモノマーがコポリマーを形成することが重要であり、大きく異なった反応性比を有するがモノマーが使用される場合には特に正しい。市販のコポリマーと異なって、本明細書の付着ポリマーは、モノマーの10重量%未満の遊離モノマー含量を有し、好ましくは5重量%未満である。付着ポリマーを含有し、遊離モノマー含量が低い反応生成物を製造するのに好適な合成条件は以下に記述される。
【0112】
付着支援ポリマーはランダム型、ブロック型、グラフト型で可能である。それらは線状または分岐状であることができる。付着支援ポリマーは約1〜約60モル%、好ましくは約1〜約40モル%の陽イオン性モノマー反復単位および約98〜約40モル%、約60〜約95モル%の非イオン性モノマー反復単位を有する。
【0113】
付着支援ポリマーは、乾燥ポリマー中、約0.1〜5.0ミリ当量/g(meq/g)、好ましくは約0.1〜3meq/gの電荷密度を有する。これはポリマー自体の電荷密度を指し、原料モノマーのものとは異なることが多い。例えば、モノマー仕込み比が70:30のアクリルアミドとジアリルジメチルアンモニウムクロリドのコポリマーに対して、仕込みモノマーの電荷密度は約3.05meq/gである。しかし、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドの50%だけが重合した場合、ポリマーの電荷密度は約1.6meq/gだけである。ポリマー電荷密度は、透析膜によるポリマーの透析またはNMRによって測定される。アミンモノマーを用いたポリマーでは、電荷密度はキャリアのpHに依存する。これらのポリマーでは、電荷密度はpH7で測定される。
【0114】
RI(示差屈折率)検出器を用いたサイズ排除クロマトグラフィによってポリエチレンオキシド標準に対して測定した場合で、ポリマーの重量平均分子量は一般的に10,000〜5,000,000であり、好ましくは100,000〜2,000,000、さらに好ましくは200,000〜1,500,000である。移動相は、0.4モルMEA、0.1モルNaNO、3%酢酸の20%メタノール溶液であり、ウオーターズ・リニア・ウルトラヒドロゲル(Waters Linear Ultrahdyrogel)カラムを2本直列接続して用いる。カラムと検出器は40℃保持した。流量設定は0.5mL/分である。
【0115】
その他の好適な助剤にはポリエチレンイミンおよびその誘導体が挙げられる。これらはドイツ国ルートヴィヒシャーフェン(Ludwigschaefen)のBASF社から商品名ルパゾール(Lupasol)exとして市販されている。その他の好適な助剤には、ポリアルキレンポリアミンとポリカルボン酸との縮合生成物である、ポリアミドアミン−エピクロロヒドリン(PAE)樹脂が挙げられる。最も一般的なPAE樹脂は、エピクロロヒドリンと後続反応される、ジエチレントリアミンとアジピン酸の縮合生成物である。これらはハーキュレス社(Hercules Inc.)(デラウェア州ウィルミントン(Wilmington))から商品名キメン(Kymene)として、またはBASF社(BASF AG)から商品名ルレジン(Luresin)として入手可能である。これらのポリマー類は、L.L.チャン(Chan)編集の「湿潤強度向上樹脂およびその用途(Wet Strength resins and their applications)」(タッピ・プレス(TAPPI Press)、1994年)に記載されている。
【0116】
レオロジー変性剤
本発明の好適な実施形態では、組成物はレオロジー変性剤を含む。レオロジー変性剤は、非高分子結晶性のヒドロキシ官能性材料、高分子レオロジー変性剤から成る群から選択され、組成物の水性液体マトリックスに減粘特性を付与する。このようなレオロジー変性剤は好ましくは、水性液体組成物に対して、21℃、20秒−1において、0.001Pa.s〜1.5Pa.s(1〜1500cps)の高せん断粘度を付与し、および低せん断(21℃、0.05秒−1での)において5Pa.s(5000cps)を超える粘度を付与する。本発明による粘度はTAインスツルメンツのAR550で直径40mmの板状スチールスピンドルを用いてギャップ寸法で500μmで測定される。20秒−1での高せん断粘度および0.5−1での低せん断粘度は、21℃で3分間の0.1−1〜25−1の対数せん断速度掃引で得られる。結晶性、ヒドロキシ官能性材料はレオロジー変性剤であり、それはその場でのマトリックス中の結晶化により組成物のマトリックスの全体にわたって糸状構造系を形成する。高分子レオロジー変性剤は好ましくはポリアクリレート、高分子ゴム、その他の非ゴム多糖類、およびこれらの高分子材料の組み合わせから選択される。
【0117】
そのようなレオロジー変性剤を本明細書の組成物に添加する総合的な目的は、製品の濃さ、製品の注入力、製品の光学的特性、および/または粒子の懸濁性能の観点から、適切に機能的であり、審美的に満足できる液体組成物に到達することである。こうしてレオロジー変性剤は一般的に液体製品の適切なレオロジー特性を確立するのに役立ち、不適格な光学的特性または望ましくない相分離などのような望ましくないあらゆる属性を付与すること無しに役立つ。一般的にレオロジー変性剤は本明細書の組成物の、0.01重量%〜1重量%含まれ、好ましくは0.05重量%〜0.75重量%、より好ましくは0.1重量%〜0.5重量%である。
【0118】
本明細書の組成物のレオロジー変性剤成分は、「外部型」または「内部型」レオロジー変性剤として特徴つけられる。好ましくは本発明のレオロジー変性剤は外部型レオロジー変性剤である。本発明の目的のための「外部型」レオロジー変性剤は、液体マトリックスのレオロジー変更をもたらすことを主要機能として有する材料である。従って、一般的には外部型レオロジー変性剤は、その中でおよびそれ自体で、顕著な布地洗浄効果または布地ケア効果を全くもたらさない、または顕著な成分可溶化効果を全くもたらさない。外部型レオロジー変性剤は、従って、同様にマトリックスレオロジーを変更できるが幾つかの追加の主要目的を液体製品に組み込まれる「内部型」レオロジー変性剤とは明確に異なる。従って、例えば、好適な内部型レオロジー変性剤は、液体洗剤のレオロジー特性を変更する役割を果たすことができ、主に洗浄成分として機能するために製品中に添加されている陰イオン界面活性剤である。
【0119】
本発明の組成物の外部型レオロジー変性剤は特定のレオロジー特性を有する組成物のための水性液体マトリックスを提供するために使用される。これらの特性のうち主要なものは、マトリックスが「減粘」でなければならないということである。減粘流体は、剪断力が流体に加わると低減する粘度を有するものである。従って、液体洗剤製品の静止時、すなわち保存の間または輸送の間に、組成物の液体マトリックスは、相対的に高い粘度を有するべきである。しかし、容器から組成物を注ぐまたは絞り出すような行為において、剪断力が組成物に加わると、マトリックスの粘度は、流体製品の分配が容易かつ直ちに達成されるほどまで低減するべきである。
【0120】
本明細書の組成物の静止時の粘度は、理想的には幾つかの目的を達成するのに十分なほど高い。これらの目的の主なものは、静止時の組成物が本明細書の発明の別の必須成分である真珠光沢を適切に懸濁するに十分に粘性であるということである。相対的に高い静止時の粘度の第2の効果は、薄くて弱い水っぽいものではなく、濃くて強い効果的な製品の外観を組成物に与える審美的なものである。最後に、液体マトリックスの必須のレオロジー特性は、組成物中に懸濁される審美剤の可視度を不都合なほどに損なうことが無い、すなわち懸濁され不明確化された審美剤分が評価できない度合いまでマトリックスを不透明にすることがない外部的レオロジー変性剤を介して提供されるべきである。
【0121】
水または他の水性液体と組み合わされると減粘流体を形成する物質は、一般に当該技術分野において既知である。そのような物質は、以上で記載されたレオロジー特性を有する水性液体マトリックスを形成するために使用できるものであれば、本明細書の組成物における使用のために選択できる。
【0122】
本発明の組成物に特に有用である1種の構造剤は、その場でマトリックス中に結晶化されると、液体マトリックスの全体にわたって糸状構造系を形成することができる非高分子(従来のアルコキシル化を除く)結晶性ヒドロキシ官能物質を含む。そのような物質は、一般に、結晶性ヒドロキシル含有脂肪酸、脂肪酸エステルまたは脂肪ろうとして特徴付けできる。そのような物質は、以下の式を有するものから一般に選択される:
I)
【化18】

式中、
【化19】

は、RまたはHであり;
は、RまたはHであり;
は、独立して、少なくとも1つのヒドロキシル基を含むC10〜C22アルキルまたはアルケニルである;
II)
【化20】

式中、
【化21】

は、上記i)と同義であり;
Mは、Na、K、Mg++若しくはAl3+、またはHである、および
III)Z−(CH(OH))a−Z’
ここでaは2〜4であり、好ましくは2であり、ZおよびZ’は疎水性基であり、特にC〜C20アルキルまたはシクロアルキル、C〜C24アルカリールまたはアラルキル、C〜C20アリールまたはこれらの混合物である。任意に、Zはエーテルまたはエステルと同様に、1個以上の非極性酸素原子を含有することができる。
【0123】
式Iの種類の物質が好ましい。これらは、以下の式でより具体的に定義される:
【化22】

式中、
(x+a)は11〜17であり、
(y+b)は11〜17であり、および
(z+c)は11〜17である。
【0124】
好ましくは、この式においてx=y=z=10および/またはa=b=c=5である。
【0125】
具体的な、好適な結晶性、ヒドロキシル含有レオロジー変性剤はひまし油およびその誘導体を含む。特に好ましいものは、硬化ひまし油および水素添加キャスター蝋などの硬化ひまし油誘導体である。購入可能なひまし油ベースの結晶性、ヒドロキシル含有レオロジー変性剤には、レオックス(Rheox)(現エレメンチス(Elementis))社からのチキシン(THIXCIN)(登録商標)が挙げられる。
【0126】
結晶性、ヒドロキシル含有レオロジー変性剤として使用に適切な代わりの購入可能な材料は上記の式IIIのものである。このタイプのレオロジー変性剤の例はR、RおよびS、Sの型の1,4−ジ−O−ベンジル−D−トレイトール、並びに光学活性または不活性な任意の混合物である。
【0127】
上記のように説明された、これら結晶性、ヒドロキシル含有のレオロジー変性剤の全ては、本明細書の組成物の水性液体マトリックスの中で、またはそのような水性液体マトリックスを形成すために使用されるプレミックスの中で、その場で結晶化される場合、糸状の構造化系を形成することによって機能すると考えられる。そのような結晶化は、これらの材料の水性混合物レオロジー変性剤の融点より高い温度に加熱し、続いてその混合物を室温まで液撹拌を維持しながら冷却することによって引き起こされる。
【0128】
特定の条件下では、結晶性、ヒドロキシル含有レオロジー変性剤は、冷却に際し、水性液体マトリックス内に糸状構造化系を形成する。この糸状系は、繊維性または絡まった糸状の網状組織を含むことができる。「ロゼッタ」形態の非繊維性粒子も形成される可能性がある。この網状組織の粒子は、1.5:1〜200:1、より好ましくは10:1〜200:1の縦横比を有することができる。そのような繊維および非繊維性粒子は、1ミクロン〜100ミクロン、より好ましくは5ミクロン〜15ミクロンの範囲の小さい寸法を有することができる。
【0129】
これらの結晶性、ヒドロキシル含有材料は、減粘レオロジーを有する本明細書の洗剤組成物の形成に特に好適なレオロジー変性剤である。これらは、組成物が望ましくないほど不透明性になりビーズの可視度が制限されることがないほどの低い濃度で、この目的に有効に使用できる。これらの物質およびこれらが形成する網状組織は、また、本明細書の組成物を液−液または固−液(当然ながらビーズおよび構造系粒子を除いて)相分離に対して安定化するのに役立つ。従って、これらの使用は、配合者が、そうでなければ望ましくない相分離を最小限にするためにより高い濃度で使用しなければならなくなる可能性がある、比較的高価な非水性溶媒または相安定剤の使用を少なくすることを可能にする。これらの好適な、結晶性ヒドロキシル基含有レオロジー変性剤、およびこれらの水性減粘マトリックスへの組み込みは米国特許第6,080,708号およびPCT国際公開特許WO02/46027にさらに詳細に記述される。
【0130】
前記した、非高分子、結晶性、ヒドロキシル基含有レオロジー変性剤以外の、その他のタイプのレオロジー変性剤は、本明細書の液体洗剤組成物に利用できる。また、水性液体マトリックスに減粘特性を提供する高分子物質が使用されてもよい。
【0131】
好適な高分子レオロジー変性剤には、ポリアクリレート、多糖類または多糖類誘導体のタイプのものが挙げられる。レオロジー変性剤に典型的用いられる多糖類誘導体は高分子ゴム材料が含まれる。そのようなゴム類には、ペクチン、アルギネート、アラビノガラクタン(アラビアゴム)、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガムおよびグアーガムが挙げられる。
【0132】
本明細書で高分子レオロジー変性剤が使用される場合、このタイプの好適な材料はジェランガムである。ジェランガムは、シュードモナセロディア(Pseudomonaselodea)ATCC31461の発酵によって調製されるヘテロ多糖である。ジェランガムは、商標ケルコゲル(KELCOGEL)でCPケルコ(Kelco)U.S.社により市販されている。ジェランガムを調製する方法は、米国特許第4,326,052号、同第4,326,053号、同第4,377,636号および同第4,385,123号に記載されている。
【0133】
さらに代替的で好適なレオロジー変性剤は、溶媒とポリカルボン酸ポリマーの組み合わせである。より具体的には、溶媒は好ましくはアルキレングリコールである。より好適には溶媒はジプロピルグリコールである。好ましくはポリカルボン酸ポリマーはポリアクリレート、ポリメタクリレートまたはこれらの混合物である。溶媒は好ましくは、組成物の0.5%〜15%の濃度で存在し、より好ましくは2%〜9%である。ポリカルボン酸ポリマーは好ましくは、組成物の、0.1%〜10%の濃度で存在し、より好ましくは2%〜5%である。溶媒成分は好ましくはジプロピレングリコールおよび1,2−プロパンジオールの混合物を含む。ジプロピレングリコールと1,2−プロパンジオールとの比は好ましくは3:1〜1:3であり、より好ましくは1:1である。ポリアクリレートは好ましくは、不飽和モノ−またはジ−カルボン酸と(メタ)アクリル酸の1C〜30Cアルキルエステルのコポリマーである。その他の好適な実施形態では、レオロジー変性剤は不飽和モノ−またはジ−カルボン酸と(メタ)アクリル酸の1C〜30Cのアルキルエステルのポリアクリレートである。そのようなコポリマーはノベオン(Noveon)社から商品名アクア(Aqua)30で入手可能である。
【0134】
本明細書の水性液体洗剤組成物には、その他のレオロジー変性剤材料が選択されたレオロジー特性を有する組成物を製造するという条件で、当然のことながら前記に具体的に記した材料以外のその他いかなるレオロジー変性剤も使用できる。得られる組成物の液体マトリックスが前記した特定の注入粘度(pour viscosity)、一定の応力粘度(stress viscosity)および粘度比値を有する限りで、様々なレオロジー変性剤の組み合わせおよび変性剤のタイプもまた利用できる。
【0135】
ビルダー
本発明の組成物は任意でビルダーを含んでもよい。好適なビルダーを以下に説明する。
【0136】
好適なポリカルボキシレートボリダーには環状化合物、特に米国特許第3,923,679号、同第3,835,163号、同第4,158,635号、同第4,120,874号および同第4,102,903号に記載されるものなどの脂環式化合物が挙げられる。
【0137】
その他の有用な洗剤性ビルダーには、エーテルヒドロキシポリカルボキシレート、無水マレイン酸のエチレンまたはビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸、およびカルボキシメチルオキシコハク酸、エチレンジアミン四酢酸およびニトリロ三酢酸のようなポリ酢酸の各種アルカリ金属塩、アンモニウム塩および置換型アンモニウム塩、並びにメリト酸、コハク酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、およびこれらの可溶性塩のようなポリカルボキシレートが挙げられる。
【0138】
シトレートビルダー、例えば、クエン酸およびその可溶性の塩(特にナトリウム塩)は、その再生可能な資源からの可用性およびその生分解性のために、強力液体洗剤配合物にとって特に重要なポリカルボキシレートビルダーである。オキシジスクシネートはまたかかる組成物および組み合わせにおいて特に有用である。
【0139】
また、米国特許第4,566,984号(ブッシュ(Bush,1986年1月28日発行)に開示の3,3−ジカルボキシ−4−オキサ−1,6−ヘキサンジオエート(hexanedioate)および関連化合物も、本発明の液体組成物に好適である。有用なコハク酸ビルダーとしては、C5〜C20のアルキルおよびアルケニルコハク酸並びにその塩が挙げられる。この種類の特に好ましい化合物は、ドデセニルコハク酸(dodecenylsuccinic acid)である。スクシネートビルダーの具体例には、ラウリルスクシネート、ミリスチルスクシネート、パーミチルスクシネート、2−ドデセニルスクシネート(好ましい)、2−ペンタデセニルスクシネート等が挙げられる。ラウリルサクシネートがこのグループの中の好適なビルダーであり、それらは1986年11月5日に発行のEP−A−0 200 263に記載される。
【0140】
窒素を含有し、りん光体のないアミノカルボキシレートの具体的な例としては、エチレンジアミン二コハク酸およびその塩(エチレンジアミンジスクシネート、EDDS)、エチレンジアミン四酢酸およびその塩(エチレンジアミンテトラアセテート、EDTA)、並びにジエチレントリアミン五酢酸およびその塩(ジエチレントリアミンペンタアセテート、DTPA)が挙げられる。
【0141】
他の好適なポリカルボキシレートが、米国特許第4,144,226号(クラッチフィールド(Crutchfield)ら、1979年3月13日発行)および米国特許第3,308,067号(ディール(Diehl)、1967年3月7日発行)に開示されている。米国特許第3,723,322号(ディール(Diehl))も参照のこと。こうした物質には、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、フマル酸、アコニット酸、シトラコン酸、およびメチレンマロン酸のような脂肪族カルボン酸の、ホモ−およびコポリマーの水溶性塩が挙げられる。
【0142】
漂白剤系
本明細書での使用に適した漂白剤系は1種以上の漂白剤を含有する。適した漂白剤の非限定的な例は、触媒金属錯体、活性過酸素源、漂白活性化剤、漂白ブースター、光漂白剤、漂白性酵素、フリーラジカル開始剤、および次亜ハロゲン酸漂白剤から成る群から選択される。
【0143】
適した活性過酸素源には、予め形成された過酸、漂白活性化剤と組み合わせた過酸化水素源、またはこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。適した予め形成された過酸類としては、ペルカルボン酸類および塩類、過炭酸類および塩類、ペルイミド酸類および塩類、ペルオキシ一硫酸類並びに塩類およびこれらの混合物から成る群から選択される化合物が挙げられるがこれらに限定されない。適した過酸化水素供給源としては、過ホウ酸塩化合物、過炭酸塩化合物、過リン酸塩化合物およびこれらの混合物から成る群から選択される化合物が挙げられるがこれらに限定されない。活性過酸素供給源の適したタイプおよび濃度は米国特許第5,576,282号、同第6,306,812号および同第6,326,348号に見出される。
【0144】
香料
香料が好ましくは、本発明の洗剤組成物に組み込まれる。香料成分はプレミックスされ、本発明の洗剤組成物に添加する前に調和する香料を形成する。本明細書で用いる場合、「香料」は個別の香料成分並びに調和香料(perfume accord)を網羅する。本発明のより好適な組成物は香料マイクロカプセルを含む。香料マイクロカプセルは、尿素とホルムアルデヒド、メラミンとホルムアルデヒド、フェノールとホルムアルデヒド、ゼラチン、ポリウレタン、ポリアミド、セルロースエーテル、セルロースエステル、ポリメタクリレートおよびこれらの混合物から成る群から選択された材料で作製されたカプセル内に封入した香料粗原料を含む。封入技法は、ベニタ(Benita)およびサイモン(Simon)編集の「マイクルカプセル化:方法および産業利用」(マルセルデッカー(Marcel Dekker)社、1996年)に見出される。
【0145】
洗剤組成物における調和香料(perfume accord)の濃度は、洗剤組成物の、典型的には約0.0001重量%〜約2重量%またはそれ以上、例えば10重量%までであり、好ましくは約0.0002重量%〜約0.8重量%、より好ましくは約0.003重量%〜約0.6重量%、最も好ましくは約0.005重量%〜約0.5重量%である。
【0146】
調和香料(perfume accord)における香料成分の濃度は、調和香料中、典型的には約0.0001重量%(より好適には0.01重量%)〜約99重量%、好ましくは0.01重量%〜約50重量%、さらに好ましくは約0.2重量%〜約30重量%、なおさら好ましくは約1重量%〜約20重量%、最も好ましくは約2重量%〜約10重量%である。代表的香料成分および調和香料は米国特許第5,445,747号、同第5,500,138号、同第5,531,910号、同第6,491,840号、同第6,903,061号に開示される。
【0147】
溶媒系
本発明の組成物における溶媒系は水だけ、または有機溶媒と水の混合物を含有する溶媒系であることができる。好適な有機溶媒には1,2−プロパンジオール、エタノール、グリセロール、ジプロピレンジグリコール、メチルプロパンジオール、およびこれらの混合物が挙げられる。その他の低級アルコール類、モノエタノールアミンおよびトリエタノールアミンのようなC〜Cアルカノールアミン類も使用できる。溶媒系は、例えば本発明の無水固形物実施形態の実施例のように、無くてもよいが、より典型的には約0.1%〜98%の範囲にある濃度で存在でき、好ましくは少なくとも約10%〜約95%、より通常的には約25%〜約75%で存在する。
【0148】
布地質感染料および色相染料
染料は従来、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、分散性染料、直接性染料、バット染料、硫黄染料、溶媒染料などとして規定される。本発明の目的には、直接染料、酸性染料、および反応性染料が好適であり、直接染料が最も好適である。直接染料は水溶性染料のグループであり、恐らく選択的吸着による電解質を含有する水溶液から繊維によって直接的に引き取られる。カラーインデックスシステムでは、直接染料は様々な平面的で、高度に共役した分子構造のものを指し、1つ以上の陰イオン性スルホネートを含有する。酸性染料は水溶性陰イオン性染料のグループであり、酸性溶液から適用される。反応性染料は天然繊維または合成繊維の分子の特定部分と共有結合を形成することが可能な反応性基を含有する染料のグループである。化学的構造の観点から、本明細書に有用で適切な布地質感染料は、アゾ化合物、スチルベン、オキサジンおよびフタロシアニンであってよい。
【0149】
本明細書に用いられる好適な布地質感染料は、カラーインデックス中に直接バイオレット染料、直接ブルー染料、酸性バイオレット染料および酸性ブルー染料として列記されるものを含む。
【0150】
好適な一実施形態では、布地質感染料は、以下の式を有するDV99染料としても知られるアゾ直接バイオレット99である:
【化23】

【0151】
色相染料は洗濯洗剤組成物中に洗剤を包含する溶液中で洗浄される布地に着色効果を与えるのに十分な量が含まれる。一実施形態では、組成物は色相染料を約0.0001重量%〜約0.05重量%、より具体的には約0.001重量%〜約0.01重量%を含む。
【0152】
代表的色相染料としては、表2に説明するようなトリアリールメタンブルーおよびバイオレット塩基性染料、表3に説明されるようなメチンブルーおよびバイオレット塩基性染料、表4に説明されるようなアントラキノン染料、アントラキノン染料塩基性ブルー35および塩基性ブルー80、アゾ染料塩基性ブルー16、塩基性ブルー65、塩基性ブルー66、塩基性ブルー67、塩基性ブルー71、塩基性ブルー159、塩基性バイオレット19、塩基性バイオレット35、塩基性バイオレット38、塩基性バイオレット48、オキサジン染料塩基性ブルー3、塩基性ブルー75、塩基性ブルー95、塩基性ブルー122、塩基性ブルー124、塩基性ブルー141、ナイルブルーAおよびキサンテン染料塩基性バイオレット10、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0153】
カプセル化組成物
本発明の組成物は水溶性フィルムの中にカプセル化されてよい。水溶性フィルムは、ポリビニルアルコールまたはその他の好適な変形物、カルボキシメチルセルロース、セルロース誘導体、デンプン、加工デンプン、ショ糖、PEG、ワックス、またはこれらの組み合わせから製造されてよい。
【0154】
別の実施形態では、水溶性物は例えば、ビニルアルコールのコポリマーおよびカルボン酸のような他の補助物を含んでもよい。米国特許第7,022,656 B2号(モノソル社)にはそのようなフィルム組成物およびこれらの利点が記述される。これらのコポリマーの一効果は、洗剤との良好な適合性の結果による袋包装(パウチ化)洗剤の貯蔵寿命改善である。そのようなフィルムの別の利点はこれらの冷水(10℃未満)への良好な溶解性である。フィルム材料中にあるそのコポリマーの濃度はフィルム中、少なくとも60重量%である。ポリマーはあらゆる重量平均分子量を有することができ、好ましくは1000ダルトン〜1,000,000ダルトン、より好ましくは10,000ダルトン〜300,000ダルトン、より好ましくは15,000〜200,000ダルトン、最も好ましくは20,000〜150,000ダルトンである。好ましくは、前記フィルム内に存在するコポリマーは、材料の溶解を改善させるために60%〜98%、より好ましくは80%〜95%が加水分解されている。極めて好ましい実施例では、前記コポリマーは0.1モル%〜30モル%、好ましくは1モル%〜6モル%の前記カルボン酸を含む。
【0155】
本発明の水溶性フィルムは、追加のコモノマーをさらに含んでよい。好適な追加のコモノマーとしては、スルホネート類およびエトキシレートが挙げられる。好ましいスルホン酸の一例は、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸(AMPS)である。本発明の関連する用途に好適な水溶性フィルムは商品名M8630(商標)で米国インディアナ州モノソル社から購入可能である。本明細書の水溶性フィルムは、ポリマーまたはポリマー材料以外の成分も含んでよい。例えば、可塑剤、例えばグリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ソルビトールおよびこれらの混合物、追加の水、崩壊助剤、充填剤、消泡剤、乳化/分散剤、並びに/またはブロッキング防止剤を加えることが有益であり得る。パウチまたは水溶性フィルム自体が、洗浄水に供給されるべき洗剤添加物、例えば、有機高分子の汚れ放出剤、分散剤、移染防止剤などを含むことが有用であり得る。所望によりパウチのフィルム表面に微細粉末を散布して、摩擦係数を減少させてもよい。アルミノケイ酸ナトリウム、シリカ、タルクおよびアミロースは、好適な微細粉末の例である。
【0156】
本発明のカプセル化パウチはあらゆる従来の技法を使用して製造できる。より好適には、パウチは水平形態充填のサーモフォーミング技法を使用して製造される。
【0157】
その他の補助剤
その他好適な洗浄補助剤の、非限定的な例には、トリメトキシ安息香酸またはこれらの塩(TMBA)のようなアルコキシル化安息香酸またはこれらの塩;酵素安定化系;アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、窒素非含有ホスホネート、およびリンおよびカルボン酸塩非含有キレート剤を含むキレート剤;ゼオライトのような無機ビルダーを含む無機ビルダーおよびポリアクリレート、アクリレート/マレエートコポリマーなどのような水溶性有機ビルダー、および陰イオン染料固着剤、陰イオン性界面活性剤の錯化剤、およびこれらの混合剤を含むスカベンジング剤;過酸化水素およびカタラーゼを含む発泡性系;光学的光沢剤または蛍光剤;汚れ放出ポリマー;分散剤;泡抑制剤;染料;着色剤;硫酸ナトリウムのような増量剤塩;トルエンスルホネート、キュメンスルホネート、およびナフタレンスルホネートのようなヒドロトロープ;光活性化剤;加水分解性界面活性剤;防腐剤;酸化防止剤;収縮防止剤;防皺剤;殺菌剤;殺真菌剤;色スペックル;着色ビーズ、球状物または押出し品;日焼け止め剤;フッ素化化合物;粘土;発光剤または化学発光剤;耐腐食および/または器具保護剤;アルカリ性供給源または他のpH調節剤;可溶化剤;加工助剤;顔料;フリーラジカルスカベンジャー、およびこれらの混合物が挙げられる。好適な物質には、米国特許第5,705,464号、第5,710,115号、第5,698,504号、第5,695,679号、第5,686,014号および第5,646,101号に記載のものが挙げられる。補助剤の混合物−上記成分の混合物はいかなる割合でも製造できる。
【0158】
組成物の調製
本明細書の組成物は一般的に配合成分を共に混合し真珠光沢剤を添加することにより調製できる。しかしレオロジー変性剤を使用する場合、最終的に組成物の構成に使用される水の一部の中にレオロジー変性剤分散が分散されるプレミックスを最初に形成することが好適である。このプレミックスは、構造化された液体を構成するように形成される。
【0159】
次に、プレミックスが攪拌されている間、これに構造化されたプレミックスが、水および使用されるべきあらゆる任意の洗剤組成物補助剤と共に、界面活性剤および必須の洗剤補助剤材料が添加されることができる。プレミックスへのこれらの物質の都合のよいいかなる添加順序、またはさらに言えばこれらの組成物成分の同時添加も、実施することができる。組成物成分の残部を有した構造化されたプレミックスを組み合わせて得られたものは水性液体マトリックスを形成し、それに真珠光沢剤が添加される。
【0160】
結晶性ヒドロキシル含有構造剤が利用される特に好ましい実施形態において、構造剤を活性化するために以下の工程が使用できる:
1)プレミックスは、好ましくはプレミックスの約0.1重量%〜約5重量%の量の結晶性ヒドロキシル安定剤と、プレミックスの少なくとも20重量%を構成する水と、組成物に使用される1つ以上の界面活性剤と、および所望により洗剤組成物に含まれるあらゆる塩類を組み合わせることにより形成される。
2)工程1)で形成されるプレミックスが、結晶性ヒドロキシル含有構造剤の融点を超えて加熱される。
3)工程2)で形成される加熱されたプレミックスが、混合物を攪拌しながら、糸状構造系がこの混合物内に形成されるように周囲温度に冷却される。
4)洗剤組成物成分の残部が残量の水と共に任意の順番で別個に混合され、それにより別個の混合物が形成される。
5)工程3の構造化されたプレミックスおよび工程4の別個の混合物が、次に攪拌下で合わされて、構造化された水性液体マトリックスを形成し、それに目で識別されるビーズが組み込まれる。
【実施例】
【0161】
以下の比限定的な実施例は本発明を例証する。別途明記しない場合、百分率は重量によるものである。
【0162】
実施例1〜5は有機真珠光沢剤のコールドパールのプレミックスの調製を例証する。
【0163】
(実施例1)
コールドパールのプレミックスを調製するために、900gのSLSを内径120mmの全体積約1200mLのジャケット付き容器に添加する。その容器には長さ各38mmの4枚羽根が45度ピッチで二重に装備される。SLSを77℃に加熱し、その時点で100gのグリコールエステル−A3(EGDS:EGMS75:25)を添加する。そのプレミックスを77℃で約2時間、攪拌速度300RPMで保持する。混合物を87℃に加熱し300RPMを維持しながら30分間保持する。次いで300RPMを維持しながらプレミックスを22℃に到達するまで4℃/分の速度で冷却する。所望温度にプレミックスが到達したら攪拌を停止する。
【0164】
(実施例2)
コールドパールプレミックスを調製するために、900gのALSと100gのグリコールエステル−A(EGDS:EGMS75:25)を実施例1の記載の方法で混合する。
【0165】
(実施例3)
コールドパールプレミックスを調製するために、900gのSLSと100gのグリコールエステル−A(EGDS:EGMS60:40)を、攪拌速度を200RPMにし、冷却速度を2℃/分とする以外は実施例1に記載の方法と同様な方法で混合する。
【0166】
(実施例4):
コールドパールプレミックスを調製するために、900gのSLSと100gのグリコールエステル−Bを実施例1に記載の方法により混合する。
【0167】
(実施例5)
コールドパールプレミックスを調製するために、890gのSLSを内径120mmの全体積約1200mLのジャケット付き容器に添加する。その容器には長さ各38mmの4枚羽根が45度ピッチで二重に装備される。SLSを77℃に加熱し、その時点で100gのグリコールエステル−C(90:10)と10gのC12〜C14脂肪酸を添加する。そのプレミックスを77℃で約2時間、250RPMの攪拌速度で保持する。プレミックスを87℃に加熱し250RPMに維持しながら30分間保持する。次いで250RPMに維持しながらプレミックスが22℃に到達するまで2℃/分の速度で冷却する。プレミックスが所望の温度に到達したら攪拌を停止する。
【0168】
1:SLSはテネシー州サウスピッバーグのコロニアル(Colonial)化学社から入手可能なラウリル硫酸ナトリウムであり、29%の活性ラウリル硫酸ナトリウムを含有する。
2:ALSはイリノイ州ノースフィールドのステパン(Stepan)社から入手可能なラウリル硫酸アンモニウムであり、30%ラウリル硫酸アンモニウムを含有する。
3:グリコールエステル−A
a.バージニア州ホープウエルのデグッサ(Degussa)社から入手可能なエチレングリコールジステアレート(EGDS)は、98%のエチレングリコールジステラレートと2%のエチレングリコールモノステアレートを含有する。
b.イリノイ州ノースフィールドのステパン(Stepane)社から入手可能なエチレングリコールモノステアレート(EGMS)は、40%エチレングリコールジステアレートと60%のエチレングリコールモノステアレートを含有する。
成分をa:b=60:40の比で混合し、EGDS:EGMSの最終比が75:25のグリコールエステル−Aを得る。
4:グリコールエステル−B
c.バージニア州ホープウエルのデグッサ(Degussa)社から供給されるエチレングリコールジステアレート(EGDS)は、98%のエチレングリコールジステアレートと2%のエチレングリコールモノステアレートを含有する。
5:グリコールエステル−C
d.バージニア州ホープウエルのデグッサ(Degussa)社から供給されるエチレングリコールジステアレート(EGDS)は、98%のエチレングリコールジステアレートと2%のエチレングリコールモノステアレートを含有し、および
e.イリノイ州ノースフィールドのステパン(Stepane)社から供給されるエチレングリコールモノステアレート(EGMS)は、40%エチレングリコールジステアレートと60%のエチレングリコールモノステアレートを含有する。
成分をd:e=87:13の比で混合し、EGDS:EGMSの最終比が90:10のグリコールエステル−Cを得る。
【0169】
コールドパールを含有する洗剤組成物の調製と観察
実施例1〜5のコールドパール組成物を液体洗濯洗剤と攪拌下外部加熱せずに混合する。得られた洗剤組成物は、調製時に魅力的な真珠光沢外観を有する。これらの洗剤粗背物を45℃で2週間貯蔵し、その後これらの洗剤組成物の安定性を目視検査する。脂肪酸エステルまたはコールドパールが洗剤組成物の上部に浮遊する場合、その洗剤組成物は不安定とみなされ、反対に安定な洗剤組成物は全体的に均一な真珠光沢艶を示す。
【0170】
【表1】

補助剤は香料、酵素、布地柔軟剤、泡抑制剤、光沢剤、酵素安定剤、およびその他所望により配合成分を含む。
【0171】
#濃度はコールドパールにおける活性(EGDS+EGMS)濃度に基づく。
【表2】

【0172】
ステパンパール(Stepan Pearl)1−2(登録商標)およびステパンパール4(登録商標)、これらのすべてはイリノイ州ノースフィールドのステパン(Stepan)社から入手可能である;マックパール(Mackpearl)202(登録商標)、マックパール15−DS(登録商標)、マックパールDR−104(登録商標)、マックパールDR−106(登録商標)、これらの全てはイリノイ州シカゴのマッキンタイア(McIntyre)グループから入手可能である。
【0173】
テゴパール(TegoPearl)S−33(登録商標)テゴパールB48(登録商標)、これらの全てはバージニア州ホープウエルのゴールドシュミット(Goldschmidt)から入手可能である;およびオイパーラン(Euperlan)PK−900ベンズ−W(登録商標)はオハイオ州シンシナチのコグニス(Cognis)社から入手可能である。
【0174】
実施例11〜19は好適な濃縮化液体洗剤組成物の例である。
【0175】
本発明による組成物は全ての配合成分を混合し、最後に硬化ひまし油のようなレオロジー変性剤を添加して製造する。製造工程の中でレオロジー変性剤を初期に添加すると、構造または網目構造が破壊され、結果として構造化された組成物が得られず、粒子を懸濁できない。
【表3】

【表4】

10〜C18アルキルエトキシサルフェート
〜C15直鎖アルキルベンゼンサルフェート
12〜C13エトキシル化(EO)アルコール
イリノイ州シカゴのアクゾ(Akzo)ケミカル社より供給される
ノースカロライナ州ノボザイム(Novozymes)より供給される
ノースカロライナ州ハイポイントのチバ(Ciba)スペシャリティケミカルズ社より供給される
米国特許第4,597,898号に記述のように
米国特許第5,565,145号に記述のように
BASF社から入手可能な商品名ルーテンシト(LUTENSIT)(登録商標)およびPCT国際公開特許WO01/05874に記載のようなもの
10 ミシガン州ミッドランドのダウコーニング(Dow Corning Corporation)社より供給される
11 オハイオ州アクロンの信越シリコーン社より供給される
12 イリノイ州ナパービルのナルコ(Nalco)ケミカル社より供給される
13 ケンタッキー州ルイビルのエクハード(Ekhard)アメリカ社より供給される
14 バージニア州ホープウエルのデグッサ(Degussa)社より供給される
15 フランスのローディア(Rhodia)ケミカルより供給される
16 ウィスコンシン州グリーンベイのアルドリッチ(Aldrich)ケミカルズ社より供給される
17 ニュージャージー州エッジウオータのダウ(Dow)ケミカル社より供給される
18 シェルケミカル社より供給される
液体洗濯洗剤の更なる例は以下に記述される。実施例20、21、23、および24は本発明の代表である。実施例22、25、および26は比較例である。
【表5】

【表6】

【0176】
ろ過試験法:
・1%洗浄溶液を洗濯洗剤を1Lの市水(2.5mモル/L硬度)を含むビーカ(120mmφ、150mm高さ)に、40℃で磁性攪拌器(磁気バー60mm長さ、8mmφ、速度250RPM)で攪拌しながら添加することによって作製する。洗浄溶液を40℃で一定速度(250RPM)で20分間混合する。
【0177】
1.攪拌終了後すぐに、1L洗浄溶液を真空下でビューナー(Buhner)ロート上の円形黒色布地の上にゆっくり注液する。黒色布地は、45237オハイオ州シンシナチ−ラインホールドロード(Reinhold Rd)7616−カトリーナ・R・ジマー(Catrina R Jimmar)のエンペリカル・マニュファクチャリング社(EmpericalManufacturing Co, Inc)からの黒色C70円板(90mmφ)である。
【0178】
2.黒色布地を乾燥した後、パール顔料残留物を評価する。
【0179】
ろ過試験:成功基準
ろ過試験のサンプルを目視で以下の基準に従って評価する。残渣は裸眼で目視できる粒子である。
【0180】
グレード1:目視できる残留物がない
グレード2:ストレス試験で許容でき、布地表面の5%未満が残留物で被覆
グレード3:ストレス試験で許容できない、≧5%の布地表面が残留物で被覆
グレード1および2は許容でき、グレード3は不合格であり許容できない
【表7】

【0181】
(実施例29):
【表8】

【0182】
真珠光沢の等級化方法
10人の専門家パネルに本実施例の試験サンプルと様々な等級化された真珠光沢効果を有するサンプルと比較することを依頼した。グレード0の真珠光沢は真珠光沢の目視できる徴候が示されない組成物である。グレード0の真珠光沢は実施例33.1で製造されたものである。最高に可能パール効果、グレード10は実施例33.7で製造されたものである。報告されたグレード数字は10人のパネリストの平均スコアである。
【0183】
(実施例30):
【表9】

【0184】
(実施例31):
【表10】

【0185】
(実施例32):
【表11】

【0186】
(実施例33):
【表12】

【0187】
(実施例34):
【表13】

【0188】
(実施例35):
【表14】

【0189】
(図2)

【0190】
(図3)

【表15】

ディクエスト(登録商標)2010:ヒドロキシエチリデン1,1ジホスホン酸Na塩(ソルーシア社(Solutia)から)
エッカート社ピグメントからのプレステージ・シルク・シルバー・スター(粒子径範囲:5〜25μm、平均粒子径:10μm、D0.99 29.70μm)
メルク社からのビロンシルバー CO、ひまし油中70%オキシ塩化ビスマスの分散物。
補助剤には香料、酵素、布地柔軟剤、泡抑制剤、光沢剤、酵素安定剤、およびその他所望の成分が挙げられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯または硬質表面洗浄組成物として使用するのに適した真珠光沢液体処理組成物であって、真珠光沢剤を含み、前記真珠光沢剤が、50μm未満のD0.99体積粒径を有し、100%活性物質として測定されたときに、前記組成物中に前記組成物の0.01重量%〜2.0重量%の濃度で存在する、真珠光沢液体処理組成物。
【請求項2】
前記組成物が、20秒−1および21℃で、0.001Pa.s〜1.5Pa.s(1〜1500センチポアズ)の粘度を有する、請求項1に記載の真珠光沢液体処理組成物。
【請求項3】
前記真珠光沢剤が懸濁される媒質と前記真珠光沢剤との屈折率の差(ΔN)が、0.02を超える、請求項1に記載の真珠光沢液体処理組成物。
【請求項4】
前記組成物が、5NTUを超え、3000NTU未満の濁度を有する、請求項1に記載の真珠光沢液体処理組成物。
【請求項5】
洗濯または硬質表面洗浄組成物として使用するのに適した真珠光沢液体処理組成物であって、真珠光沢剤を含み、前記真珠光沢剤が50μm未満のD0.99体積粒径を有し、前記真珠光沢剤が懸濁される媒質と前記真珠光沢剤との屈折率の差(ΔN)が0.02を超える、真珠光沢液体処理組成物。
【請求項6】
前記組成物が、20秒−1および21℃で、0.001Pa.s〜1.5Pa.s(1〜1500センチポアズ)の粘度を有する、請求項5に記載の真珠光沢液体処理組成物。
【請求項7】
前記組成物が、5NTUを超え、3000NTU未満の濁度を有する、請求項5に記載の真珠光沢液体処理組成物。
【請求項8】
洗濯または硬質表面洗浄組成物として使用するのに適した真珠光沢液体処理組成物であって、真珠光沢剤を含み、前記真珠光沢剤が50μm未満のD0.99体積粒径を有し、前記組成物が5NTUを超え、3000NTU未満の濁度を有する、真珠光沢液体処理組成物。
【請求項9】
前記組成物が、20秒−1および21℃で、0.001Pa.s〜1.5Pa.s(1〜1500センチポアズ)の粘度を有する、請求項8に記載の真珠光沢液体処理組成物。
【請求項10】
洗濯または硬質表面洗浄組成物として使用するのに適した真珠光沢液体処理組成物であって、真珠光沢剤を含み、前記真珠光沢剤が50μm未満のD0.99体積粒径を有し、組成物が20秒−1および21℃で、0.001Pa.s〜1.5Pa.s(1〜1500センチポアズ)の粘度を有する、真珠光沢液体処理組成物。
【請求項11】
前記組成物が、5NTUを超え、3000NTU未満の濁度を有する、請求項10に記載の真珠光沢液体処理組成物。
【請求項12】
前記真珠光沢剤が、有機真珠光沢剤または無機真珠光沢剤から成る群から選択される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の真珠光沢液体処理組成物。
【請求項13】
前記真珠光沢剤が、下式:
【化1】

を有する群から選択される有機真珠光沢剤であり、
式中、Rは直鎖または分岐鎖のC12〜C22アルキル鎖であり、
Rは直鎖または分岐鎖のC2〜C4アルキレン基であり、
PはH、C1〜C4アルキルまたは−CORから選択され、RはC4〜C22アルキルであり、および
n=1〜3である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の真珠光沢液体処理組成物。
【請求項14】
前記真珠光沢剤が、雲母、金属酸化物被覆雲母、オキシ塩化ビスマス被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、ガラス、金属酸化物被覆ガラス、およびこれらの混合物から成る群から選択される無機真珠光沢剤である、請求項1〜12に記載の真珠光沢液体処理組成物。
【請求項15】
前記無機真珠光沢剤が、雲母、酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、およびこれらの混合物から選択される、請求項14に記載の真珠光沢液体処理組成物。
【請求項16】
陰イオン性、非イオン性、陽イオン性、双極性、両性界面活性剤およびこれらの混合物から成る群から選択される界面活性剤をさらに含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の真珠光沢液体処理組成物。
【請求項17】
前記界面活性剤が、陰イオン性、非イオン性、陽イオン性界面活性剤およびこれらの混合物から成る群から選択され、かつベタイン界面活性剤を実質的に含まない、請求項16に記載の真珠光沢液体処理組成物。
【請求項18】
前記界面活性剤が、直鎖または分岐鎖のC12〜C20アルキルサルフェート、アルキルアルコキシ、好ましくはエトキシまたはプロポキシ、サルフェートまたはこれらの混合物である、請求項16および17のいずれかに記載の真珠光沢液体処理組成物。
【請求項19】
非高分子結晶性、ヒドロキシ官能性材料、20秒−1および21℃で0.001Pa.s〜1.5Pa.s(1〜1500cps)の高剪断粘度および5Pa.s(5000cps)を超える低剪断粘度(0.05秒−1および21℃で)である剪断減粘特性を前記組成物に付与する高分子レオロジー変性剤から選択される粘度変性剤をさらに含む、請求項1〜18のいずれか1項に記載の真珠光沢液体処理組成物。
【請求項20】
前記粘度変性剤はポリアクリレート、ポリマーゴム、その他の非ゴム性多糖類、およびこれらの高分子材料の組み合わせから成る群から選択される、請求項19に記載の真珠光沢液体処理組成物。
【請求項21】
陽イオン性界面活性剤、シリコーン、ポリオレフィンワックス、ラテックス、油性糖誘導体、陽イオン性多糖類、ポリウレタンおよびこれらの混合物から成る群から選択される洗濯ケア有益剤をさらに含む、請求項1〜20のいずれか1項に記載の真珠光沢液体処理組成物。
【請求項22】
前記組成物が、水溶性フィルムに包装される、請求項1〜21のいずれか1項に記載の真珠光沢液体処理組成物。
【請求項23】
前記真珠光沢剤が、100%活性物質として測定されたときに、前記組成物の0.01重量%〜0.5重量%、より好ましくは0.01重量%〜0.2重量%の濃度で存在する、請求項1〜22のいずれか1項に記載の真珠光沢液体処理組成物。
【請求項24】
前記真珠光沢剤のD0.99体積粒径が40μm未満であり、より好ましくは30μm未満である、請求項1〜23のいずれか1項に記載の真珠光沢液体処理組成物。
【請求項25】
洗濯または硬質表面洗浄組成物として使用するのに適した真珠光沢液体処理組成物であって、
(a)前記組成物の約0.5重量%〜約20重量%の予備結晶化された有機真珠光沢分散プレミックスであって、
(i)下式:
【化2】

を有し、式中、Rは直鎖または分岐鎖のC12〜C22アルキル鎖であり、
Rは直鎖または分岐鎖のC2〜C4アルキレン基であり、
PはH、C1〜C4アルキルまたは−CORから選択され、RはC4〜C22アルキルであり、および
n=1〜3である、真珠光沢剤と、
(ii)直鎖または分岐鎖のC12〜C14アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、およびこれらの混合物から成る群から選択される界面活性剤と、
(iii)水と、緩衝剤、pH調節剤、粘度調節剤、イオン強度調節剤、脂肪族アルコール、追加的な界面活性剤、およびこれらの混合物から成る群から選択される補助剤と、
を含む、予備結晶化された有機真珠光沢分散プレミックスと、
(b)キャリアと、
(c)所望により、洗濯補助剤と、
を含み、前記処理組成物が約1mPa.s〜約1000mPa.sの粘度を有する、真珠光沢液体組成物。
【請求項26】
前記真珠光沢剤が、約1:2〜約2:1の重量比を有するモノおよびジ脂肪酸エチレングリコールエステルを含む、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
前記真珠光沢剤が、1つ以上のC12〜C22脂肪族アシル部分を有する、請求項25または26に記載の組成物。
【請求項28】
前記真珠光沢剤が、1つ以上のC16〜C22脂肪族アシル部分を有する、請求項25〜27に記載の組成物。
【請求項29】
前記真珠光沢剤が、エチレングリコールモノおよびジステアレートである、請求項25〜28に記載の組成物。
【請求項30】
(i)C16〜C22アルキル、アルケニル、アルキルアリールまたはアルコキシ部分を有する脂肪酸と、
(ii)C16〜C22アルキル、アルケニル、アルキルアリールまたはアルコキシ部分を有する脂肪族アルコールと、
(iii)これらの混合物と、
から成る群から選択される共晶化剤をさらに含む、請求項25〜29に記載の組成物。
【請求項31】
前記真珠光沢剤と前記共晶化剤との重量比が約3:1〜約10:1の範囲にある、請求項25〜30に記載の組成物。
【請求項32】
前記洗濯補助剤が、C11〜C18アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、C10〜C20分岐鎖およびランダムアルキルサルフェート(AS)、C10〜C18アルキルエトキシサルフェート(AES)(式中xは1〜30である)、中鎖分岐アルキルサルフェート、中鎖分岐アルキルアルコキシサルフェート、1〜5のエトキシ単位を有するC10〜C18アルキルアルコキシカルボン酸塩、変性アルキルベンゼンスルホネート(MLAS)、C12〜C20メチルエステルスルホネート(MES)、C10〜C18α−オレフィンスルホネート(AOS)、C〜C20スルホサクシネート、およびこれらの混合物から成る群から選択される陰イオン性界面活性剤を含む、請求項25〜31に記載の組成物。
【請求項33】
前記洗濯補助剤が、C〜C18アルキルエトキシレート、C〜C12アルキルフェノールアルコキシレート、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーとのC12〜C18アルコールおよびC〜C12アルキルフェノールの縮合物、C14〜C22中鎖分岐アルコール、C14〜C22中鎖分岐アルキルアルコキシレート、アルキルポリグリコキシド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、エーテルキャップしたポリ(オキシアルキレート化)アルコール、脂肪酸(C12〜18)ソルビタンエステルおよびこれらの混合物から成る群から選択される非イオン性界面活性剤を含む、請求項25〜32に記載の組成物。
【請求項34】
前記洗濯補助剤が、四級アンモニウム化合物類およびこれらの混合物から選択される布地柔軟剤を含む、請求項25〜33に記載の組成物。
【請求項35】
前記洗濯補助剤が、
安定剤、窒素を含まない非イオン性界面活性剤、窒素含有洗浄性界面活性剤、カップリング剤、香料、洗浄性酵素、漂白系、光沢剤、キレート剤、溶剤系、泡立ち剤系、およびこれらの混合物から成る群から洗濯される、請求項25〜34に記載の組成物。
【請求項36】
前記組成物が、約1〜約800mPa*sの粘度を有する、請求項25〜35に記載の真珠光沢組成物。
【請求項37】
前記真珠光沢剤が、前記組成物の約0.2重量%〜約20重量%含まれる、請求項25〜36に記載の組成物。
【請求項38】
前記界面活性剤が、前記組成物の約5重量%〜約30重量%含まれる、請求項25〜37に記載の組成物。
【請求項39】
前記共晶化剤が、前記組成物の約1重量%〜約5重量%含まれる、請求項25〜38に記載の組成物。
【請求項40】
前記洗濯補助材料が、前記組成物の約0.0001重量%〜約20重量%含まれる、請求項25〜39に記載の組成物。
【請求項41】
前記洗濯補助剤が、安定剤、非イオン性界面活性剤、窒素含有界面活性剤、漂白剤、酵素、香料、光沢剤、布地柔軟剤、およびこれらの混合物から成る群から選択される、請求項25〜40に記載の組成物。
【請求項42】
前記真珠光沢効果が、前記脂肪酸エチレングリコールエステルと前記共晶化剤の結晶によって提供され、前記結晶が前記界面活性剤を含む前記キャリアに分散される、請求項25〜41に記載の組成物。
【請求項43】
a)有機真珠光沢剤、界面活性剤、水、および所望により共晶化剤を約60℃〜約90℃で混合し、続いて得られた混合物を約0.5〜5℃/分の冷却速度で室温まで冷却して真珠光沢分散物を形成する工程と、
b)a)からの前記真珠光沢分散物を1つ以上の洗濯補助剤と混合する工程と
を含む、請求項25〜42のいずれか1項に記載の真珠光沢洗剤組成物の製造方法。
【請求項44】
処理を必要とする基材を処理する方法であって、基材が処理されるように、前記基材を請求項1〜42のいずれか1項に記載の真珠光沢液体処理組成物と接触させる工程を含む、方法。

【公表番号】特表2009−530482(P2009−530482A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501531(P2009−501531)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【国際出願番号】PCT/US2007/006985
【国際公開番号】WO2007/111899
【国際公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】