説明

液体吐出ヘッドおよび該ヘッドを用いた記録装置

【課題】エネルギー効率が良く、安定した吐出が可能で、高精細化に対応可能な液体吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】発熱体素子104を流路の内壁面より浮かせた状態で支持し、基板に形成した貫通孔106を介して発熱体と外部回路を接続するための配線111を形成する。流路内に電極棒および電極等を配置しないので液体の流れを妨げず、常に安定した吐出が可能である。また、複数化した場合に発熱体素子104を高密度で配置することができるので、高精細化に対応することが可能であり、さらには作製コストを低くすることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流路内の液体を加熱して発泡させ発生気泡を利用して液体を吐出する液体吐出ヘッド、及び該吐出ヘッドを用いた記録装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から液体吐出装置は、微細加工、実験分析、画像形成等の様々な分野で応用されているが、ここではインクジェットによる記録方法を例にとって説明する。
【0003】
インク滴を吐出し、これを被記録媒体上に付着させて画像形成を行なうインクジェット記録方法は、高速記録が可能であり、また記録品位も高く、低騒音であるという利点を有している。さらに、この方法はカラー画像記録が容易であって、普通紙等にも記録でき、さらに装置を小型化し易いといった多くの優れた利点を有している。
【0004】
このようなインクジェット記録方法を用いる記録装置には、一般にインクを飛翔インク滴として吐出させるための吐出口と、この吐出口に連通するインク路と、このインク路の一部に設けられ、インク路内のインクに吐出のための吐出エネルギーを与えるエネルギー発生手段とを有する記録ヘッドが備えられる。例えば、特公昭61−59911号、特公昭61−59912号、特公昭61−59913号、特公昭61−59914号の各公報には、エネルギー発生手段として電気熱変換体を用い、電気パルス印加によってこれが発生する熱エネルギーをインクに作用させてインクを吐出させる方法が開示されている。
【0005】
上記各公報に開示されている記録方法は、熱エネルギーの作用を受けたインクに気泡が発生し、この気泡の急激な膨張に基づく作用力によって、記録ヘッド部先端の吐出口よりインクを吐出し、この吐出インク滴が被記録媒体に付着して画像形成を行なうものである。この方法によれば記録ヘッドにおける吐出口を高密度に配設することができるので、高解像度、高品質の画像を高速で記録することができ、この方法を用いた記録装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリなどにおける情報出力手段として用いることができる。
【0006】
このインクジェット記録方式においては、上述のように電気熱変換体すなわち液体を加熱するための発熱体素子が必要であり、従来は薄膜抵抗体を流路内の壁面に設置し、該薄膜抵抗体の2辺に電気パルスを印加するための配線を接続したものが、発熱体素子として用いられていた。
【0007】
図4に、従来技術のインクジェット液体吐出ヘッドで用いられている配線パターンの一例を示す。
【0008】
図4では、基板401上に薄膜抵抗体である発熱体素子402及び薄膜配線パターン403を設置することにより、集積度を向上させている。さらに特開平7−314678では、共通配線の1部を貫通孔を介して上部に取り出すことにより、集積度を向上させる方法が開示されている。いずれの場合も、流路内の壁面に壁面パターンの全部もしくは一部を形成することにより、集積度の向上が図られている。
【0009】
しかしながら、上記したように発熱体素子を流路の壁面に設置した場合は、該発熱体素子で発生した熱エネルギーが、かなりの割合で壁面に散逸してしまう場合があった。これにより、熱エネルギーを発泡のエネルギーに変換する効率が低下し、消費電力が大きくなってしまう場合があった。この問題点を解決するために、特開昭55−57477ならびに特開昭62−94347号公報には、発熱体素子を部分的に流路内の空間に空中に浮かせた状態で設置し、これにより発熱体素子からプリントヘッド本体乃至は基板に熱が散逸されることを極力防止し、発熱体で発生した熱エネルギーを効率良く発泡のエネルギーに変換することにより、消費電力を低減させる装置が開示されている。
【特許文献1】特公昭61−59911号公報
【特許文献2】特公昭61−59912号公報
【特許文献3】特公昭61−59913号公報
【特許文献4】特公昭61−59914号公報
【特許文献5】特開平7−314678号公報
【特許文献6】特開昭55−57477号公報
【特許文献7】特開昭62−94347号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、発熱体素子を流路内の空間に浮かせて設置した上記従来技術では、流路内の壁面に発熱体素子の両端と電気的に接続した薄膜配線パターンを形成することが技術的に困難であり、以下に説明する問題点があった。
【0011】
図5に示した特開昭55−57477では、流路内501に電極棒502および電極503を配置することにより、抵抗体(発熱体素子)504の両端と外部回路の電気的接続を行っている。しかしながら、流路501内に存在する電極棒502および電極503が流路501内の液体の流れを妨げる可能性があり、安定した液滴の吐出を得られない場合がある。このことは印刷品位の低下につながる。
【0012】
また図6に示した特開平62−94347では、基板601に形成した凹所であるインク室602にヒーター要素(発熱体素子)603を両持ち梁状に形成し、インク室602の外にリード部(配線)604を形成した構成となっている。この場合、ヒーター要素を複数配置し集積化しようとすると、隣り合ったヘッド間の距離は配線の幅の分だけ長くなってしまい、集積密度が低下してしまう。このことは、印刷品位の低下や作製コストの増大につながる。また、配線幅を細くすることにより、ある程度集積度を向上させることは可能であるが、配線の抵抗値が増大するので配線幅を細くして集積密度を向上させることには限界がある。
【0013】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものである。本発明の課題は、発熱体で発生した熱エネルギーを効率良く気泡のエネルギーに変換し、さらに流路内の液体の流れを妨げることなく安定した吐出が可能で、集積化したときのノズル密度が高く高精細化に対応可能な液体吐出ヘッドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は上記課題を解決するため、流路内の液体を加熱して発泡させ、発生気泡を利用して液体を吐出する液体吐出ヘッド、および記録装置を以下のように構成したことを特徴とするものである。
【0015】
本発明の液体吐出ヘッドは、液滴吐出口と、該液滴吐出口に連通して配置された液体を満たすための流路と、前記流路の内壁面より浮かせた状態で基板に支持して前記流路内に配置した発熱体素子と、前記発熱体素子を外部回路に電気的に接続するための配線を備え、前記液体を加熱して発泡させ、発生気泡を利用して液体を吐出するヘッドにおいて、前記配線の少なくとも一部が前記基板に形成された貫通孔内に形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッドである。
【0016】
本発明の液体吐出ヘッドは、さらに前記貫通孔が前記流路と交差しないことを特徴とする液体吐出ヘッドである。
【0017】
また、本発明の液体吐出ヘッドは、さらに前記基板が第1基板及び第2基板よりなり、該第1基板が前記発熱体素子及び発熱体素子を浮かせた状態で支持するための第1の溝を有し、前記第2基板が第2の溝を有し、第1の溝および第2の溝により流路が形成されることを特徴とする液体吐出ヘッドである。
【0018】
また、本発明の液体吐出ヘッドは、さらに前記貫通孔が前記第1基板に形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッドである。
【0019】
また、本発明の液体吐出ヘッドは、さらに前記貫通孔に形成された前記配線と電気的に接続された取り出し配線が第1基板の前記第1の溝が形成された面と反対の面に形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッドである。
【0020】
また、本発明の液体吐出ヘッドは、さらに前記貫通孔が前記第2基板に形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッドである。
【0021】
また、本発明の液体吐出ヘッドは、さらに前記貫通孔に形成された前記配線と電気的に接続された取り出し配線が、前記第2基板の前記第2の溝が形成された面と反対の面に形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッドである。
【0022】
また、本発明の液体吐出ヘッドは、さらに前記貫通孔が前記第1基板及び前記第2基板に形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッドである。
【0023】
また、本発明の液体吐出ヘッドは、さらに前記貫通孔に形成された前記配線と電気的に接続された取り出し配線が前記第1基板の前記第1の溝が形成された面と反対の面及び前記第2基板の前記第2の溝が形成された面と反対の面に形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッドである。
【0024】
また、本発明の液体吐出ヘッドは、さらに前記発熱体素子が前記第1の溝上に、両持ち梁状に形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッドである。
【0025】
また、本発明の液体吐出ヘッドは、さらに複数の前記発熱体素子を有することを特徴とする液体吐出ヘッドである。
【0026】
また、本発明の液体吐出ヘッドは、さらに複数の前記発熱体素子が千鳥状に配置されていることを特徴とする液体吐出ヘッドである。
【0027】
本発明の記録装置は、前記液体吐出ヘッドを有する記録装置である。
【0028】
また、本発明の記録装置は、複数の前記液体吐出ヘッドを備え、発熱体素子に電気信号を供給する手段を備えたことを特徴とする記録装置である。
【発明の効果】
【0029】
以上説明したように、本発明の液体吐出ヘッドでは、発熱体素子を流路内壁から浮かせた状態で支持することで、発熱体で発生した熱が基板に散逸するのを防ぎ熱エネルギーの利用効率を向上させることが可能となり、さらに流路内に電極棒および電極等を配置しないので液体の流れを妨げず、常に安定した吐出が可能である。また、複数化した場合に発熱体素子を高密度で配置することができるので、高精細化に対応することが可能であり、さらには作製コストを低くすることとが可能となる。
【0030】
以上のことから、高解像度、高速印字が可能で、従来と比較して消費電力が低い記録装置を提供することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明の液体吐出ヘッドは、発熱体素子を流路内の壁面より浮かせた状態で支持するので、ヘッド本体や基板への熱の散逸を防止することができ、発熱体で発生した熱エネルギーを効率良く発泡エネルギーに変換することができる。また、配線が基板に形成された貫通孔内に形成されているので、流路内の壁面に薄膜配線を形成する必要がなく、作製が容易となる。また、配線が貫通孔内に形成されているので、発熱体素子の集積密度を向上させることが可能となり、高精細記録に対応することが可能になる。また、半導体製造工程を用いて作製する場合の同一基板面積からの取り個数を増やすことができ、製造コストを低く抑えることが可能となる。
【0032】
また、本発明の液体吐出ヘッドでは、前記貫通孔が前記流路と交差しないので、流路内に電極棒等を設置すること無く、配線と発熱体素子を電気的に接続することが可能である。これにより、流路内の液体の流れが円滑となり、液滴の吐出特性を安定させることが可能となる。
【0033】
また本発明の液体吐出ヘッドでは、基板表面に取り出し配線を形成されているので、基板面積を有効に利用することができ発熱体素子を高密度に配置することが可能となる。さらに、液体吐出ヘッドと外部回路との接続が容易となる。
【0034】
また発熱体素子の支持形態に特に制限は無いが、両持ち梁形状にしたときに発熱体素子を効率良く配置することができ、発熱体を高密度で配置する上で好ましい。また両持ち梁以外の形態で支持した場合でも、貫通孔を介して配線を形成することにより集積密度を向上させることができる。
【0035】
また発熱体素子を複数配置する場合は、千鳥状に配置することにより、液体吐出口の集積密度を向上させることができ、高精細記録に対応することが可能となる。また、これにより、半導体作製工程を用いて作製する場合の、同一基板面積からの取り個数を増やすことができ、製造コストを低く抑えることができる。
【0036】
また、本発明の記録装置は、複数の液体吐出ヘッドを備えることにより高速な記録が可能となる。また、各発熱体素子に膜沸騰を生じさせる電気信号を供給する手段を備えることにより安定した記録が可能となる。
【0037】
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。なお、以下の実施例中の基板、天板、流路、発熱体、液体吐出口等の寸法や形状や材質、駆動条件等は一例であり、設計事項として任意に変形できるものである。
【0038】
(第1実施例)
本実施例では、図1に示したインクジェットヘッドを設計作製した各部の寸法は図1に示した通りである。B−B’断面図では、破線にて貫通孔104および配線111の位置を示した。本実施例の液体吐出ヘッドは、単結晶シリコン基板よりなる第1基板101に流路102の下半分となる第1の溝103をエッチングにより形成し、不純物を導入して導電性を持たせたpoly−Siの両面にSiよりなる保護層(不図示)を形成した平板形状の発熱体素子104を第1の溝103に対して両持ち梁形状となるように配置し、さらに流路102の上半分となる第2の溝105および貫通孔106を形成した単結晶シリコン基板よりなる第2基板107を、第1基板101に貼合わせて液体供給口108および先細形状の液体吐出口109を形成し、発熱体素子104と外部回路110を電気的に接続するためのAuよりなる配線111を貫通孔106を通して第2基板の上面に取り出したものである。第2基板の上面には上部配線(不図示)およびワイヤーボンディング用パッド(不図示)が形成されており、ワイヤーボンディング等によって外部回路110と発熱体素子を電気的に接続することが可能となっている。
【0039】
この吐出ヘッドを用いて、C.I.フードブラック23.0重量%,ジエチレングリコール15.0重量%,N−メチル−2−ピロリドン5.0重量%,イオン交換水77.0重量%よりなる各配合成分を容器中で撹拌し、均一に混合溶解させた後、孔径0.45μmのポリフッ化エチレン系繊維製フィルタで濾過して得た粘度2.0cps(20℃)のインクを流路に供給し、発熱体素子を加熱するための外部回路を接続し、インクの吐出を試みた。
【0040】
吐出ヘッドの発熱体の加熱条件を、電圧9.0V,パルス幅2.5μsec,周波数3kHzの矩形パルスよりなる電気信号とし、吐出口よりインクを吐出させた。この状況をパルス光源と顕微鏡を用い観察した。すなわち、発熱体を加熱するための駆動パルスに同期し、かつ所定の遅延時間をおいてパルス光を発光させながら、発泡および消泡の状況、吐出したインクを観察したところ、安定した吐出特性を得ることができた。
【0041】
本実施例のインクジェットヘッドでは、貫通孔106と流路102が交差しないので、流路102内に電極棒および電極等を配置する必要がない。このため、流路内の液体の流れを妨げることがなく、安定した液滴の吐出を得ることができる。
【0042】
(第2実施例)
実施例1の液体吐出ヘッドを図2のように5個配置した液体吐出ヘッドを作製した。本実施例では、図2に示したように貫通孔201を介して各発熱体素子202と電気的に接続した配線203を第2基板204上面に取り出し、第2基板204上面に配線203と電気的に接続した上部配線205および個別電極206および共通電極207を形成した。各液体吐出口208を間隔140μmで配置することができた。図2に示した第2基板上面の上部配線および電極は一例であり、必要に応じて設計を変更することができる。
【0043】
本実施例では、貫通孔201の大きさは35μm×5μmであり、これが配線203の断面積となる。
【0044】
例えば、駆動電流が200mAの場合、配線203に流れる電流の密度は、約1.1×10A/cmである。
【0045】
一方、従来技術を用いて本実施例と同様の集積密度を得るためには、第1基板209の発熱体素子202と同一平面上に線幅5μmの配線を形成する必要がある。この場合、配線メタルの膜厚を0.5μmとすると、200mAの電流で駆動したときの電流密度は、8.0×10A/cmに達する。例えば、Alで該配線を形成した場合、このような電流密度が印加されると該Al配線が溶断する可能性があり、信頼性や耐久性の面で問題があり、配線幅を太くする必要がある。本実施例では、貫通孔201内を配線材料で埋め込むことにより配線203を形成したことにより、発熱体素子を高密度で配置することが可能となった。また、基板上面に電極を形成したため、ワイヤーボンディング等を用いた外部回路との接続が容易になった。
【0046】
(第3実施例)
本実施例では、図3に示した液体吐出ヘッドを作製した。図3は、図1におけるB−B’断面図に対応した断面を示す図である。本実施例の液体吐出ヘッドでは、となりあった発熱体素子301を千鳥状に配置してある。また、各発熱体素子301の両端と接続した配線のうちの配線302は貫通孔303を介して第1基板304下面に取り出してあり、配線305は貫通孔306を介して第2基板307上面に取り出してある。第1基板304下面は全面にAu膜を蒸着して共通電極308としてあり、第2基板307上面には、各発熱体素子301に駆動電圧を印加するための個別電極(不図示)および上部配線309が形成されている。本実施例では、液体吐出口310を間隔110μmで配置することができた。
【0047】
本実施例では、発熱体素子301を干鳥状に配置したことにより、実施例2と比較して高密度に発熱体素子301を配置することが可能となり、液体吐出口310を高密度に配置することが可能となった。また、基板上下両面に個別電極もしくは共通電極を形成することにより、基板面積を有効に活用することが可能となった。
【0048】
(第4実施例)
第2実施例の液体吐出ヘッドを装備し、発熱体駆動用電気回路を複数備え、該吐出ヘッドと被記録媒体とを所望の間隔で対向させるための支持体と、入力された情報に応じて、該吐出ヘッドと被記録ヘッドとの相対位置を変化させるための機構を有する記録装置を作製した。本実施例の記録装置は、高解像度・高速印字が可能で、従来と比較して消費電力が低く、耐久性が高いものであった。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1実施例の液体吐出ヘッドを示す図。
【図2】本発明の第2実施例の液体吐出ヘッドを示す図。
【図3】本発明の第3実施例の液体吐出ヘッドを示す図。
【図4】従来技術の液体吐出ベッドで用いられている配線パターンを示す図。
【図5】従来技術の液体吐出ヘッドを示す図。
【図6】従来技術の液体吐出ヘッドを示す図。
【符号の説明】
【0050】
101 第1基板
102 流路
103 第1の溝
104 発熱体素子
105 第2の溝
106 貫通孔
107 第2基板
108 液体供給口
109 液体吐出口
110 外部回路
111 配線
201 貫通孔
202 発熱体素子
203 配線
204 第2基板
205 上部配線
206 個別電極
207 共通電極
208 液体吐出口
209 第1基板
301 発熱体素子
302 配線
303 貫通孔
304 第1基板
305 配線
306 貫通孔
307 第2基板
308 共通電極
309 上部配線
401 基板
402 発熱体(薄膜抵抗体)
403 薄膜配線
501 流路
502 電極棒
503 電極
504 発熱体素子
601 基板
602 インク室(凹所)
603 ヒーター要素(発熱体素子)
604 リード部(配線)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴吐出口と、該液滴吐出口に連通して配置された液体を満たすための流路と、前記流路の内壁面より浮かせた状態で基板に支持して前記流路内に配置した発熱体素子と、前記発熱体素子を外部回路に電気的に接続するための配線を備え、前記液体を加熱して発泡させ、発生気泡を利用して液体を吐出するヘッドにおいて、前記配線の少なくとも一部が前記基板に形成された貫通孔内に形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
【請求項2】
前記貫通孔が前記流路と交差しないことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項3】
前記基板が第1基板及び第2基板よりなり、該第1基板が前記発熱体素子及び発熱体素子を浮かせた状態で支持するための第1の溝を有し、前記第2基板が第2の溝を有し、第1の溝および第2の溝により流路が形成されることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項4】
前記貫通孔が前記第1基板に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項5】
前記貫通孔に形成された前記配線と電気的に接続された取り出し配線が、前記第1基板の前記第1の溝が形成された面と反対の面に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項6】
前記貫通孔が前記第2基板に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項7】
前記貫通孔に形成された前記配線と電気的に接続された取り出し配線が、前記第2基板の前記第2の溝が形成された面と反対の面に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項8】
前記貫通孔が前記第1基板及び前記第2基板に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項9】
前記貫通孔に形成された前記配線と電気的に接続された取り出し配線が、前記第1基板の前記第1の溝が形成された面と反対の面及び前記第2基板の前記第2の溝が形成された面と反対の面に形成されていることを特徴とする請求項8に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項10】
前記発熱体素子が前記第1の溝上に、両持ち梁状に形成されていることを特徴とする請求項3から9のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項11】
複数の前記発熱体素子を有することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項12】
複数の前記発熱体素子が千鳥状に配置されていることを特徴とする請求項11に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドを有する記録装置。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドを複数備え、発熱体素子に電気信号を供給する手段を備えたことを特徴とする記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−188912(P2008−188912A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−26894(P2007−26894)
【出願日】平成19年2月6日(2007.2.6)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】