説明

液体吐出装置の製造方法及び液滴吐出装置

【課題】振動板の破損が少なく、接合性が良好な歩留まりの高い液滴吐出装置とその製造方法を提供する。
【解決手段】薄膜振動板102上にアクチュエータ106を有する流路基板200とノズルプレート114の接合工程において、圧力室と対向していない場所にアクチュエータ106と同程度の部材104を配置しておき、ヤング率が低い平面の加圧部材108を用いて流路基板200とノズルプレート114とに圧力を印加して接合を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の流路基板を接合して構成された液滴吐出装置の製造方法に関し、特に産業用途に好適な液滴吐出装置の製造法及び液滴吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
微少な液滴を噴射させる液滴吐出装置はプリンターなどの民生用のみならず、配線パターンの直描装置や液晶のカラーフィルタ製造などの産業用途への展開が行われつつある。液滴吐出装置は様々なタイプが実用化されているが、産業用途に於いてはインクに対する許容度の大きさから圧電素子を用いたタイプの開発が進んでいる。例えば特開平5-286131号公報に於いて、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧電薄膜を形成し、この圧電薄膜をリソグラフィ法により圧力発生室に対応する形状に分割して各圧力発生室毎に独立するようにアクチュエータを形成したものが提案されている。これによればアクチュエータを振動板に貼付ける作業が不要となって、リソグラフィー法という精密で、かつ簡便な手法でアクチュエータを薄膜振動板上に作り付けることができるばかりでなく、振動板及びアクチュエータの厚みを薄くできて高速駆動が可能になるという利点がある。前記公報では液滴吐出口についてはほとんど言及されていないが、高密度化などの観点からは振動板と圧電膜の積層方向に概略垂直な面から液滴吐出を行う、所謂サイドシュータータイプが好ましい。サイドシュータータイプの液滴吐出装置は一般的にはアクチュエータを備えた流路基板と、微細な吐出口を有するノズルプレートを接合して構成される。
【特許文献1】特開平5-286131号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
流路基板とノズルプレートとの接合手法としては接着剤を用いる手法や、Auなどを用いて固相で接合する方法があるが、いずれも流路基板とノズルプレートとを接触させた後に面内に均一に圧力を印加する必要がある。しかしながら、前記薄膜振動板上にアクチュエータを有する液滴吐出装置に於いては、薄膜振動板上のアクチュエータに印加された圧力が集中し、流路基板とノズルプレートとの接合工程に於いて薄膜振動板が破損しやすいという問題点がある。固相で接合する方法は、接着剤の流れ込みなどを考慮しなくても良い点や、耐液性などに於いて非常に優れた接合方法であるが、接合する面の粗さに左右され、確実に接合するためには基板全体に高い圧力を掛ける必要があるため、上記の問題が特に顕著であった。従って歩留まりが低下するために製造された液滴吐出装置も高価なものとなっていた。
【0004】
そこで、本発明は前記問題を解決し、薄膜振動板上にアクチュエータを有する流路基板とノズルプレートの接合工程における振動板の破損が少なく、接合性が良好な歩留まりの高い液滴吐出装置の製造方法及び液滴吐出装置を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記問題点を鑑みて為されたものであり、薄膜振動板上にアクチュエータを有する流路基板とノズルプレートの接合工程における振動板の破損が少なく、歩留まりの高い液滴吐出装置の製造方法を提供する。すなはち、本発明に於ける液滴吐出装置の製造方法は、一面が薄膜振動板で構成されている空洞と、該空洞上の薄膜振動板上に薄膜を積層して形成されたアクチュエータと、流路とを有する流路基板と、吐出孔を有するノズルプレートとを圧力を印加して一体化して形成する液体吐出装置の製造方法であり、該空洞上の薄膜振動板以外の領域に部材を有する流路基板を提供する工程と、該流路基板と該ノズルプレートとに圧力を印加する際に、該空洞上の薄膜振動板上に形成されたアクチュエータと空洞上の薄膜振動板上以外の領域に形成された部材とを概略平坦な面を有する部材を用いて圧力を印加し、該流路基板と該ノズルプレートとを接合する工程を有する事を特徴とする。
【0006】
また、本発明による液滴吐出装置の製造方法は、前記空洞上の薄膜振動板以外の領域に形成された部材の高さが空洞上の薄膜振動板上に形成されたアクチュエータと概略等しい事を特徴とする。
【0007】
また、本発明に於ける液滴吐出装置の製造方法は、前記空洞上の薄膜振動板上以外の領域に部材を形成する工程が、アクチュエータを作る工程と同一工程に於いて行われる事を特徴とする。
【0008】
また、本発明に於ける液滴吐出装置の製造方法は、前記流路基板と前記ノズルプレートとに圧力を印加する概略平坦な面を有する部材の、少なくとも前記流路基板に接する面のヤング率がアクチュエータ材料のヤング率よりも低い事を特徴とする。
【0009】
また、本発明に於ける液滴吐出装置の製造方法は、前記空洞上の薄膜振動板上以外の領域に形成された部材が、該空洞部から部材の高さ以上離れて形成されている事を特徴とする。
【0010】
また、本発明に於ける液滴吐出装置の製造方法は、前記流路基板と前記ノズルプレートが固相接合を用いて一体化されている事を特徴とする。
【0011】
また、本発明に於ける液滴吐出装置の製造方法は、前記流路基板と前記ノズルプレートがAuを介在した接合によって一体化されている事を特徴とする。
【0012】
また、本発明に於ける液滴吐出装置の製造方法は、前記流路基板と前記ノズルプレートとに圧力を印加する概略平坦な面を有する部材の圧力印加方向と概略垂直な面の熱伝導率が、液滴吐出装置の該部材と接する面の平均的熱伝導率よりも大きい事を特徴とする。
【0013】
また、本発明に於ける液滴吐出装置は、前記液滴吐出装置の製造方法によって製造されたことを特徴とする。
【0014】
本発明の液滴吐出装置の製造方法によれば、薄膜振動板と薄膜振動板上に形成されたアクチュエータを備えた流路基板とノズルプレートの接合時における薄膜振動板の破損を低減させ、薄膜振動板と薄膜振動板上にアクチュエータを備えた液滴吐出装置を歩留まり良く作製する事が出来る。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明によれば、薄膜振動板と薄膜振動板上に形成されたアクチュエータを備えた流路基板とノズルプレートの接合時における薄膜振動板の破損を低減させ、薄膜振動板と薄膜振動板上にアクチュエータを備えた液滴吐出装置を歩留まり良く作製する事が出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に本発明を図面に基づいて説明する。図1は本発明による液滴吐出装置の製造方法の概念を説明する図である。図1に於いて、200は流路基板であり、100は第一の基板、103は第一の基板100に設けられた圧力室となる空洞である。また、102は圧力室の一部を構成する薄膜振動板、104は薄膜振動板102上の空洞103と対向しない場所に設けられた部材、106は薄膜振動板102上の空洞103と対向する場所に設けられた部材である。110は流路基板200の薄膜振動板102と対向する面に設けられた固相接合用の膜、114は吐出口が形成されたノズルプレート、112はノズルプレート114の第一の基板100と接する面に設けられた固相接合用の膜である。116は流路基板200とノズルプレート114とを接合する際の台座であり、108は流路基板200とノズルプレート114とを接合する際の加圧部材である。流路基板200とノズルプレート114は例えば図1のように台座116の上に配設され、加圧部材108によって加圧力118を加えられ、接合が行われる。ここで、薄膜振動板102上の空洞103と対向しない場所に設けられた104は図2に示されるように、圧力室形成領域内の104aの部分のみならず、104bで示されるように圧力室形成領域外に広く形成されている事が望ましい。このように104a、104bが形成されている事により、概略平らな加圧部材108を通じて印加される加圧力118が106のみに集中する事無く104a、104bにも分散して印加される。従って106の下部の薄膜振動板102aに過大な圧力が加わって破壊される事が低減される。また、流路基板200とノズルプレート114の接触している箇所210及び212には、104a、104bを通じて十分な圧力が印加されるので、圧力不足による接合不良が低減できる。図3は流路基板200の製造工程を説明する図である。まず図3(A)に示すように第一の基板100上に薄膜振動板202、第一の導電膜204、圧電膜206、第二の導電膜208がこの順に積層された基体を準備する。本実施例に於いては、第一の基体100として厚さ200μmの単結晶シリコンの6インチ基板を用いた。また、薄膜振動板202として1μm厚さの二酸化シリコンと厚さ5μmの単結晶シリコンと厚さ0.3μmの熱酸化膜が第一の基体100側からこの順に積層されている積層構造を用いた。更に厚さ30nmのチタンと厚さ300nmの白金をこの順番に積層し、第一の導電層204とした。チタン及び白金の成膜方法としてはスパッタ法や真空蒸着法などの一般的な薄膜成膜方法を適用する事が出来る。また、第一の導電層としてはこの構成に限定されるものでは無いが、良好な導電性及び圧電体の焼成温度に耐えうる耐熱性を備えた物又は積層構造で有る事が好ましい。例えばITOなどの酸化物導電体や、イリジウムなどの貴金属又はタングステンなどの高耐熱金属などが好適に用いることが出来る。次に圧電体層206として厚さ3μmのチタン酸ジルコン酸鉛を形成した。チタン酸ジルコン酸鉛の形成方法としては、スパッタ法やゾルゲル法、ガスデポジション法などから好適なものを選択することが出来る。本実施例に於いてはスパッタ法を用いて成膜した後に、酸素雰囲気中で700℃で焼成を行い、圧電体層206を形成した。圧電体層としてはチタン酸ジルコン酸鉛に限定されることなく、好適な物を選択すればよい。次に第二の導電層208としてチタン30nm、白金300nmをこの順番に成膜した。第二の導電層208の材料や形成方法は第一の導電層204とほぼ同様であるが、圧電体の焼成温度に対する耐熱性が必要なくなる為に、使用できる材料範囲は広くなる。例えば、金や銅、アルミやその合金なども使用する事が出来る。その後、周知の技術であるフォトリソグラフィー技術を用いて第二の導電層208をパターニングして上部電極を形成し、続いて圧電体層206を同様にパターニングし、図3(B)に示すようにアクチュエータを作製した。ここで106で示されているのが圧力室となる空洞の上の薄膜振動板上に形成されたアクチュエータである。このアクチュエータを形成する工程と同一工程に於いて、圧力室と対向しない部分に部材104を同時に作製した。従って、本実施例に於いては圧力室と対向しない部分に設けられた部材104の積層方向の層構成は、圧力室と対向する部分に設けられたアクチュエータと同じである。圧力室と対向する部分にアクチュエータを形成した後に、適切な部材を配設する事も出来る。更に第一の基体100を、アクチュエータが形成された面と対向する面から異方性エッチングを行い、圧力発生室となる空洞103を形成する。異方性エッチングの手段としては高密度プラズマを用いるドライエッチングを好適に用いることが出来る。例えば、誘導結合性プラズマやヘリコン波プラズマ、電子サイクロトロン共鳴プラズマを用いたドライエッチングなどである。また、第一の基体100として適切な方位のシリコンを選択し、圧力発生室のパターンを適切に設定すればアルカリ性エッチャントを用いたウエットエッチングも用いる事が出来る。本実施例においては前述した薄膜振動板202の、第一の基体100側にある厚さ1μmの熱酸化膜をエッチングストップ層として用い、誘導結合性プラズマを用いたリアクティヴイオンエッチングを行って圧力発生室となる空洞103を形成した。エッチングストップ層を用いてエッチングを行い、圧力発生室となる空洞103を形成したことで、圧力発生室の深さ及び振動板の厚さを精度良く作製する事が出来た(図3(C))。第一の基体100のアクチュエータを形成した面と対向する面にTiを30nm、Auを100nm順次積層し、図3(D)に示すように接合層110を形成し、流路基板200とした。接合層110の形成手段としてはスパッタ法を用いたが、真空蒸着法なども好適に用いることが出来る。密着性が良く、Auの表面が平滑に形成できる手法が好ましい。また、各層の厚みもこの数値に限定される物ではなく、密着性と表面の平滑性が良好に保たれるように留意しながら適切な値を選択することが出来る。表面の平滑性が損なわれると接合に必要な圧力が増大し、歩留まりが悪くなるため、Au表面の算術平均粗さを3nm以下にする必要がある。本実施例に於いて形成した接合層のAu表面の算術平均粗さは0.5nm程度であり、接合には十分問題ないレベルであった。
【0017】
次に流路基板200とノズルプレート114を接合した。本実施例に於いてはノズルプレート114として厚さ200μmの単結晶シリコンの6インチ基板を用い、流路基板200と接合される面にTiを30nm、Auを100nm順次積層してノズルプレート側接合層112を形成した。ノズルプレート側の接合層112の表面粗さは流路基板200側の接合層110と同程度であった。図1に示すように、このノズルプレート114と流路基板200とを互いに位置合わせを行った状態で接合装置のステージ116に設置し、加圧部材108を介して接合するための力118を印加した。加圧部材108として本実施例ではカーボングラファイトシートを用い、接合温度300℃、接合圧力2MPaの条件に於いて接合を行った。図4、図5を用いて加圧部材108の効果を説明する。本来で有れば、均一に圧力を印加するためには加圧部材108の押圧部は平面であることが望ましい。しかしながら、成膜むらなどにより流路基板200側のアクチュエータ106および圧力室と対向しない場所に設置された部材104の高さが均一でなく、図4(A)の104d、106bのように高い所や、104c、106aのように低い所が出来る場合がある。図4(A)は高さむらができた場合の模式図であり、図4(B)は高さむらのある流路基板200を接合するときの模式図である。圧力発生室となる空洞103の上の薄膜振動板102の上に形成されたアクチュエータ部材106が図4(A)の106bで示すように他のアクチュエータ部材よりも高くなった場合、接合時に印加される力が薄膜振動板の空洞の上の領域102aに強く印加され、破損しやすくなる。また、図4(A)の104cに示されているように、圧力室と対向していない場所に形成されている部材が他より低くなっていると、本来接合されるべき箇所210aに十分な圧力が印加されないために接合不良が発生する。こういった、アクチュエータ部材の高さの不均一が生じている場合には、圧力印加部材108として、概略平坦な面を有し、かつヤング率がアクチュエータ部材よりも低いものを使う事が好ましい。図5を使って説明する。圧力印加部材108として概略平坦な面を有し、かつヤング率がアクチュエータ部材よりも低い部材を使って圧力を印加すると、図5(A)の300aに示すようにアクチュエータ部材の高い所に接する部分が変形し、アクチュエータ部材の低い部分にも十分圧力を印加できるようになる。従って圧力室と対向していない場所に設置された部材に低い部分があっても、圧力印加部材108が接して圧力を印加する事が出来るため、接合されるべき箇所210aにも十分な圧力が印加され、良好な接合を得る事が出来る。図5(B)は圧力印加部材108が部材の高低に応じて変形した事を表す模式図であり、300a、300bは部材の高い所に対応して変形した部分である。本実施例に於いては加圧部材108として厚さ2cmのSiCからなるステージに厚さ2mmのカーボングラファイトシートを貼り付けた物を使用した。この加圧部材108のアクチュエータ部材と接する面のヤング率は概略50GPaであり、アクチュエータ部材として使用したチタン酸ジルコン酸鉛のヤング率150GPaより十分低く、部材の高低差を吸収する事が出来た。また、本実施例では接合時に300℃の温度をかけて接合しているが、このように温度をかけて接合を行う場合には加圧部材108の加圧面の面内方向の熱伝導率が高い事が好ましい。これは温度の面内分布を低減するためである。本実施例で用いたカーボングラファイトシートは面内方向の熱伝導率が150w/m・kと高く、この点に於いても好ましいものであった。加圧部材108としてはカーボングラファイトシートに限定されることなく、好適な物を選ぶことが出来る。例えば、多孔質状に形成された金属なども好適である。また、温度をかける必要がなければシリコンゴムなどを使用することも出来る。熱伝導性を高めた樹脂なども好適に用いることが出来る。以上述べた手法を用いて流路基体200とノズルプレート114の接合を行った結果、6インチ基板の有効領域で最大0.15μmのアクチュエータ部材の高低差が生じていたが、全域に渡って良好な接合が得られ、接合工程に起因する振動板の破損も見られなかった。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明による液滴吐出装置の製造方法の概念図。
【図2】本発明による液滴吐出装置の全体的な断面図。
【図3】流路基板の製造工程の断面図。
【図4】アクチュエータ部材の高低差の悪影響を説明する図。
【図5】加圧部材の作用を説明する図。
【符号の説明】
【0019】
100 第一の基板
102 薄膜振動板
103 圧力室となる空洞
104 圧力室形成領域外に形成された部材
106 圧力室となる空洞上の薄膜振動板上のアクチュエータ
108 加圧部材
110 流路基板に配設された接合部材
112 ノズルプレートに配設された接合部材
114 ノズルプレート
116 接合装置ステージ
118 接合するための力
200 流路基板
202 薄膜振動板
204 第一の導電層
206 圧電体層
208 第二の導電層
210 圧力室形成領域内の流路基板とノズルプレートとの接合部
212 圧力室形成領域外の流路基板とノズルプレートとの接合部
300 圧力印加部材が変形した部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面が薄膜振動板で構成されている空洞と、該空洞上の薄膜振動板上に薄膜を積層して形成されたアクチュエータと、流路とを有する流路基板と、吐出孔を有するノズルプレートとを圧力を印加して一体化して形成する液体吐出装置の製造方法であり、該空洞上の薄膜振動板以外の領域に部材を有する流路基板を提供する工程と、該流路基板と該ノズルプレートとに圧力を印加する際に、該空洞上の薄膜振動板上に形成されたアクチュエータと空洞上の薄膜振動板上以外の領域に形成された部材とを、概略平坦な面を有する部材を用いて圧力を印加し、該流路基板と該ノズルプレートとを接合する工程を有する事を特徴とする液体吐出装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の液体吐出装置の製造方法に於いて、空洞上の薄膜振動板以外の領域に形成された部材の高さが空洞上の薄膜振動板上に形成されたアクチュエータと概略等しい事を特徴とする液体吐出装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の液体吐出装置の製造方法に於いて、空洞上の薄膜振動板上以外の領域に部材を形成する工程が、アクチュエータを作る工程と同一工程に於いて行われる事を特徴とする液体吐出装置の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の液体吐出装置の製造方法に於いて、薄膜振動板上以外に形成された部材が薄膜を積層して形成されたアクチュエータと積層方向に同じ構成である事を特徴とする液体吐出装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載の液体吐出装置の製造方法に於いて、前記流路基板と前記ノズルプレートとに圧力を印加する概略平坦な面を有する部材の、少なくとも前記流路基板に接する面のヤング率がアクチュエータ材料のヤング率よりも低い事を特徴とする液体吐出装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1に記載された液体吐出装置の製造方法に於いて、該空洞上の薄膜振動板上以外の領域に形成された部材が、該空洞部から部材の高さ以上離れて形成されている事を特徴とする液体吐出装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1に記載された液体吐出装置の製造方法に於いて、前記流路基板と前記ノズルプレートが固相接合を用いて一体化されている事を特徴とする液体吐出装置の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載された液体吐出装置の製造方法に於いて、前記流路基板と前記ノズルプレートが Au同士の接合によって一体化されている事を特徴とする液体吐出装置の製造方法。
【請求項9】
請求項5に記載された液滴吐出装置の製造方法に於いて、前記流路基板と前記ノズルプレートとに圧力を印加する概略平坦な面を有する部材の圧力印加方向と概略垂直な面の熱伝導率が、液滴吐出装置の該部材と接する面の平均的熱伝導率よりも大きい事を特徴とする液滴吐出装置の製造方法。
【請求項10】
請求項1乃至9に記載された液滴吐出装置の製造方法を用いて製造された事を特徴とする液滴吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−12329(P2009−12329A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−177411(P2007−177411)
【出願日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】