説明

液体噴射装置のノズル上下振り回動の方向切り替えシステム

【課題】液体噴射装置において、噴射ノズルの上下振り回動を反転させる反転システムを提供すること。
【解決手段】液体供給筒の先端回転筒に対する噴射ノズル(回転軸芯)の相対回転差で液体供給筒の垂直軸線に対し振り回動を行わせる液体噴射装置において、前記供給筒60内を軸方向に垂下し、駆動機構の駆動力を受けて回転する回転軸50を回転軸芯51とそれを内包する回転軸筒52とからなる二重回転軸とし、液体供給筒の先端回転筒62を回転させる第1伝達手段20に対し、噴射ノズル70を回転させる第2伝達手段30の相対回転差(相対回転角度差)をプラスとマイナスに切り替え、第1及び第2伝達手段の伝達する相対回転差をプラスとして噴出ノズルの傾斜角度(振り)が上昇方向とし、相対回転差をマイナスとして下降方向に切り替えるノズル反転システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オイルタンクを垂下する液体供給筒先端をその軸周りに回転させながら先端に取り付けた噴射ノズルを上下に振り回動させる液体噴射装置に関し、液体供給筒に対する噴射ノズルの相対回転差をプラスとマイナスに切り替えて噴射ノズルの上下振り回動を上昇方向と下降方向に切り替える液体噴射装置のノズル上下振り回動方向の切り替えシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来よりオイルタンクの内部の洗浄に用いられる液体噴射装置としては数多くの提案がなされているが、噴射ノズルを上下方向に振り回動させながら、噴射ノズルを取り付けた回転筒部を回転させ、殆ど全方向に液体を噴射させることができるものが提供されている(特許文献1)。しかしながら、オイル供給筒の先端筒部を回転させながら、その先端の噴射ノズルを垂直軸線に対する傾斜を上下に振り回動させながら、その上下振り幅を設定し、しかもそれを検出して切り替える機構は複雑で、しかも、振り幅の位置を正確に読み出し、噴射筒部の振り回動の開始位置を変更するのは容易でなく、その構成に問題がある。そこで、本発明者らは、液体供給筒を垂下する回転軸を軸芯とそれを内包する軸筒とで構成する一方、駆動モータからの回転駆動を伝達する伝達手段を回転速度の異なる第1伝達手段と第2伝達手段とで構成し、第1伝達手段で軸筒を回転させる一方、第2伝達手段で軸芯を回転させ、前記回転軸筒と回転軸芯の相対回転差に基づいて噴射ノズル筒の垂直軸線に対する傾斜角度を変化させ、振り回動を行わせる一方、前記第1伝達手段の回転を受ける太陽歯車を備える第1遊星歯車機構と第2伝達手段の回転を受ける太陽歯車を備える第2遊星歯車機構とを共通の内歯車で連結してなるインジケータ機構で、第1及び第2伝達手段の回転差に基づいて上下振り回動する噴射ノズル筒の振り回動角度を表示させる液体噴射装置を提案した(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−285449号公報
【特許文献2】特願2010−245765
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この種噴射ノズルは液体供給筒の軸線と一直線をなす0度から液体供給筒の傾斜面と平行をなす135度の位置まで傾斜角度を変えるだけでなく、しかも往復動を行う、いわば上下に振り回動を行う機能を有する必要があるため、駆動モータの正転によって噴射ノズルを上昇させ、そして駆動モータを逆転させることにより噴射ノズルを下降させる必要があるが、駆動モータの正転逆転に伴う駆動機構の切り替えは時として機械寿命を低下させる。そこで、駆動モータの正転逆転をさせることなく、噴射ノズルの傾斜角度を上昇させ、反転して下降を行わせることが要望される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記液体供給筒の先端回転筒に対する噴射ノズル(回転軸芯)の相対回転差で液体供給筒の垂直軸線に対し振り回動を行わせる液体噴射装置においては、液体供給筒の先端回転筒を回転させる第1伝達手段に対し、噴射ノズルを回転させる第2伝達手段の相対回転差(相対回転角度差を含む)をプラスとマイナスに切り替えると、第1及び第2伝達手段の伝達する相対回転差に基づいて噴出ノズルの傾斜角度(振り)が上昇方向と下降方向とに切り替え可能であることに着目してなされたもので、オイルタンク内を垂下する液体供給筒の先端を回転させつつ噴射ノズルを上下に振り回動させて洗浄液を噴射して洗浄させる液体噴射装置において、駆動機構から回転数の異なる回転力を伝達する第1伝達手段20及び第2伝達手段30と、前記供給管内を軸方向に垂下し、回転軸芯51とそれを内包する回転軸筒52とからなり、前記駆動機構の駆動力を受けて回転する二重回転軸50とを備え、前記第1伝達手段20が回転軸筒52を回転させる一方、前記第2伝達手段30が回転軸芯51を回転させるように接続して、回転軸筒52と回転軸芯51の相対回転差で噴射ノズル筒70を垂直軸線に対する傾斜角度を変更可能とし、
前記第1伝達手段20に対する第2伝達手段30の相対回転差をプラス相対回転とする第1段階(A)と、前記第1伝達手段20に対する第2伝達手段30の相対回転差をマイナス相対回転とする第2段階(B)とを切り替え、
第1段階(A)では前記第1伝達手段20に対する第2伝達手段30の相対回転差をプラス相対回転とし、噴射ノズルを上昇方向に振り回動させる一方、第2段階(B)では前記第1伝達手段20に対する第2伝達手段30の相対回転差をマイナス相対回転とし、噴射ノズルを下降方向に振り回動させることを特徴とするシステムにある。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、二重回転軸50を用いて回転筒部を回転させながらその先端で別途噴射ノズル70を振り回動させるので、第1伝達手段に対する第2伝達手段の伝達する相対回転差をプラス相対回転とマイナス相対回転とで切り替えることで噴射ノズルの振り回動を上昇方向から下降方向に変更することができる。好ましくは、前記第1伝達手段の回転を受ける太陽歯車を備える第1遊星歯車機構81と第2伝達手段の回転を受ける太陽歯車を備える第2遊星歯車機構82とを共通の内歯車83で連結してなるインジケータ機構80を設け、前記第2遊星歯車機構82に第1及び第2伝達手段の相対回転差で振り回動する噴射ノズル筒70の振り回動角度を表示させることにより、噴射ノズルの振り角度をそのまま、一対の遊星歯車機構81、82を用いて外部インジケータ80に表示することができるので、前記インジケータ80が所望振り回動角度位置に設定可能なスイッチ機構を備え、第2遊星歯車機構82との接触によりクラッチ機構の第1段階と第2段階とを切り替え、噴射ノズルの垂直軸線に対するノズル振り方向を任意の角度(傾斜角度)で自動的に切り替え、反転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】液体噴射装置の全体図である。
【図2】安全装置を備える駆動機構を示す一部断面図である。
【図3】図2の安全装置の詳細を示す断面図である。
【図4】駆動機構から回転軸への回転伝達機構の全体を示す主要部断面図である。
【図5】回転軸筒に対する回転軸芯(ノズル回転)に与える回転数を2段階に切り換えるクラッチ機構の要部を示す断面図で、(A)は第1段目のノズルの角度上昇を行わせるプラスの相対回転差を与える連結と、(C)は第2段目のノズルの角度下降を行わせるマイナスの相対回転差を与える連結を示し、(B)はニュートラルの状態を示し、ノズル角度を液体供給筒の垂直軸線に対し平行な角度0とし、液体供給筒をタンクから取り出し、可能とする状態を示す。
【図6】インジケータ機構に回転軸筒と回転軸芯の双方の回転を伝達する機構を示す一部断面正面図である。
【図7】回転軸と回転筒及び回転筒の先端で振り回動する噴射ノズル筒との連結関係を示す断面図(A)、回転筒の先端で振り回動する噴射ノズル筒との連結関係を示す要部端面図(B)である。
【図8】噴射ノズルの垂直軸線に対する傾斜角度を示すインジケータ機構の組み立て分解斜視図である。
【図9】インジケータの機能と噴射ノズル筒の傾斜角度(振れ角度)の関係を示す説明図である。
【図10】噴射ノズル筒の振り回動角度を示す(実線0度、破線135度)説明図(A)とインジケータ機構の振れ角度を設定するインジケータ板とスイッチ機構との関係を示す平面図で、(B-1)は70度−110度間の振り回動、(B-2)は60度−130度間の振れ回動の角度設定の場合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、オイルタンクの洗浄装置として、本発明の液体噴射装置を用いたものを添付図面に示す実施例に基づいて説明する。
【0009】
本発明の液体噴射装置は概略すると、図1に示すように、駆動機構10と、第1伝達手段20と、第2伝達手段30と、クラッチ機構40と、二重回転軸50と、液体供給管60と、その先端に設けられる噴射ノズル筒70と、インジケータ機構80とからなる。また、駆動機構10と、第1伝達手段20と、第2伝達手段30と、クラッチ機構40と、回転軸50とは図2および図3に示す駆動伝達機構100を構成する。
【0010】
前記駆動機構10は図2に示すように、エアモータ1からなる駆動源Mからの駆動力をオリエンタルギアボックス2を介して駆動軸3に伝達し、駆動軸3の回転はシャーピン機構11を介して駆動ギア12,13に伝える。駆動機構10は第1の回転数を二重回転軸50の駆動軸筒に伝達する第1の伝達手段20と、第2の回転数を二重回転軸50の駆動軸芯に伝達する第2の伝達手段30と、第2の伝達手段30の回転数を駆動軸芯に伝達する手段を切り替えるクラッチ機構40を介して接続され、異なる回転数を二重回転軸50に伝達してノズルに振り回動を行わせるとともに、第2の伝達手段の回転数を第1の伝達手段に対する相対回転数をプラスとマイナスに切り替え、プラス相対回転によって振り角度を上昇方向に、マイナス相対回転によって振り角度を上昇から下降方向に切り替える。
【0011】
前記駆動伝達機構100の下面には、回転筒部62を固定筒61の先端で回転させる液体供給筒60が垂下するとともに、その内部を回転軸50が垂下する。前記該液体供給筒60の先端には回転軸50の回転をべベルギア機構で受けて上下に往復振り回動する噴射ノズル筒70が設けられる一方、上記駆動伝達機構100の上部には噴射ノズル筒70の振り回動角度を表示するインジケータ機構80が設けられる。
【0012】
詳しくは、上記駆動機構10は、エアモータ1からなる駆動源Mの回転をオリエンタルギアボックス2を介して駆動軸3に伝達するが、この駆動力をシャーピン機構11を介して連結された小駆動ギア12と大駆動ギア13とで伝達する。シャーピン機構11はシャーピン用ボス11aとシャーピン11bとからなり、ベアリング14を介して取り替えキャップ15上に設置され、破損時には容易に取り替え可能となっている。上記シャーピン機構11は前記駆動伝達機構に大きな荷重がかかると、破断し、小駆動ギア12と大駆動ギア13との連結を解くようになっており、オイルタンク内の液体供給筒60内に蓄積するスラッジの影響を受けて回転筒62の回転や噴射ノズル筒70の振り回動に異常が起こった時に過大荷重が駆動機構10にかかるのでこの駆動伝達を停止するようになった安全装置を形成している。
【0013】
次いで、本発明においては、回転軸の軸筒を回転させる第1の伝達手段20と、回転軸の軸芯を回転させる第2の伝達手段30と、第2の伝達手段の第1の伝達手段に対する相対回転数を切り替えるクラッチ軸を有するクラッチ機構40とからなり、第1及び第2の異なる回転数をそれぞれ二重回転軸50の回転軸筒51と回転軸芯52に伝達するとともに回転軸芯52の回転を二段階に切り替える駆動伝達機構100を備えている。詳しくは、クラッチ機構40は、上記駆動軸3の外周に軸着された小駆動ギア12と噛合する大駆動ギア13を軸着してなるクラッチ軸41を回転可能に設けるとともに、中間クラッチギア42を軸方向にスライド可能に設け、下方で上昇クラッチギア43と噛み合い、上方で下降クラッチギア44と噛み合うようになっている。他方、このクラッチ軸41の上昇クラッチギア43は第1段目の伝達歯車列の31、32の第1歯車31と噛み合い、第2歯車32を介して回転軸芯52を駆動する一方、下降クラッチギア44は第2段目の伝達歯車列33、34の第1歯車33と噛み合い、第2歯車34を介して回転軸芯52を駆動し、2段切り替え機構を構成する。なお、25は小ギア配列駆動を前記インジケータ機構80に伝達する中間ギアであり、伝導ギア26を介して回転軸芯52と接続している。したがって、上記クラッチ機構40は第1段目(A)では上記第2の伝達歯車列の第1段目31、32を介して駆動機構10を回転軸芯51に接続する一方、第2段目(B)では、上記第2の伝達歯車列の第2段目33、34を介して駆動機構10を回転軸芯51に接続するようになっている。
【0014】
そして、上下面にベベルギアを備える中間クラッチギア42は図5に示すように、シャフト41に対して上下に摺動可能なスプライン筒45に固定される一方、上昇および下降クラッチギア43,44はスプライン筒43に回転可能に取り付けられ、該スプライン筒43に固着されたエア付勢手段46で上方に付勢できるようになっており、上方付勢を解除するとこのスプライン筒は、下方付勢手段47で下方に付勢される。なお、上端には手動クラッチ切替ボルト48を備える。
【0015】
前記二重回転軸50は上部で軸受機構55で駆動機構100の下部に支持され、前記第1伝達手段と接続する回転軸芯51と、前記第2伝達手段と接続する回転軸筒52とからなる。該回転軸筒52は図6に示すように、オイルを供給する供給路を形成する放射状羽根53を備えて外部回転筒部62と接続する一方、上記回転筒部62の下端の傾斜状端面部62aには、噴射ノズル筒70の傾斜端部71が当接し、該傾斜端部71に周縁に一体的に形成された大べベルギア72と前記回転軸芯51の先端に回動可能に取り付けられた小べベルギア54とを噛み合わせ(図7)、この回転に伴って回転軸芯51の回転をギア比でn分の1に減速して噴射ノズル筒70に伝達し、傾斜端部71を回転面として振り回動するように構成されている。
【0016】
具体的には第1の伝達手段20では歯数n1(19)の中間ギア21と歯数N1(71)の伝導ギア22が組み合わされ、二重回転軸の回転軸筒52に接続し、回転筒52をN1/n1で回転させる。
【0017】
他方、第2の伝達手段30の第1段目(A)は歯数n2(18)の中間ギア31と大歯数n2(63)の伝導ギア32とを組み合わせ、第2段目(B)は歯数n2(17)の中間ギア33と大歯数n2(72)の伝導ギア34とを組み合わせ、前者は二重回転軸の回転軸筒52に回転軸筒51に対するプラスの相対回転を与え、後者は二重回転軸の回転軸筒52に回転軸筒51に対するマイナスの相対回転を与えるように構成されている。
【0018】
したがって、第1の伝達手段列20に接続する回転軸筒52がN1/n1(71/19)で回転する間に、噴射ノズル筒60に接続する回転軸芯51はN2/n2(63/18)で回転し、プラスの相対回転となるので、下記するべベルギア機構を介してn分の1に減速されて噴射ノズル筒60をN2/n2/nの振り回動速度で上昇方向に振り回動させる。他方、第2段目(B)では回転筒部に接続する回転軸筒52がN1/n1(71/19)の回転数で回転する間に、噴射ノズル筒に接続する回転軸芯51はN3/n3(72/18)の回転数で回転し、マイナス相対回転となるので、下記するべベルギア機構を介してn分の1に減速されて噴射ノズル筒60をN3/n3/nの振り回動速度で下降方向に振り回動させる。
【0019】
そのため、上昇振り回動は下降振り回動と同一でなくより早く上昇し、上昇時は一回転に対するやや振り幅が大きくなる一方、下降時は振り幅を小さくして下降し、タンク内を洗浄することになる。
【0020】
また、回転伝達機構100の上部には図8に示す、上記噴射ノズル筒70の振り回動角度を表示するインジケータ機構80を備える。該インジケータ機構80は一対の第1及び第2遊星歯車機構81、82からなり、基台87上に配置される一方、上面に噴射ノズル筒70の振り回動と同期して振り回動し、液体供給筒60の軸線に対する傾斜角度を表示するインジケータ表示板84を備える。
【0021】
詳しくは、遊星歯車機構81は前記回転軸芯51と連結して回転する第1の太陽歯車81aと、これを受けて回転する一対の第1の遊星歯車81b,81bとを有し、この遊星歯車を固定させて共通内歯車53に伝達する一方、他方の遊星歯車機構82が前記回転軸筒32と連結して第2の太陽歯車82aを回転させるとともに、該太陽歯車82aと前記共通内歯車83とで一対の第2の遊星歯車82b,82bを回転させる(図10)。第1と第2の遊星歯車のギア比を同一とし、遊星歯車と内歯歯車とのギア比を相対させ、第1の遊星歯車機構の遊星歯車を固定しておくと、第2の遊星歯車機構の遊星歯車82b,82bが回転軸芯と回転軸筒の回転差(歯数差)に基づいて振り回動する噴射ノズル筒の振り回動と同期することになり、噴射ノズル筒の振り回動角度を示すことになる(図9)。なお、クラッチ機構40で二段階に回転比を切り替えて噴射ノズル筒70の振り回動方向を切り替えるために、上記第1の伝達手段20の小ギア配列の回転を回転軸筒52の上方に伝達するため、第1の小ギア配列21及び22と同様のギア配列25と26が別途設けられている(図6参照)。
【0022】
前記インジケータ機構80のノズル70の振り回動と同期して回転する表示板84は半振り回動で0度から135度までの傾斜角度を変更するため、それにあった傾斜角度位置を示す目盛85が表示板周囲に刻まれている。図10に示すように、所望振り回動角度位置にスイッチ操作手段85a、85bを設ける。
一方、スイッチ機構90のエアスイッチ91a,91bを所定の位置に配置すると、(B-1)は70度−110度間、(B-2)は60度−130度間の振れ角度が設定されることになる。所望間隔でスイッチ操作手段85a、85bが接触し、いずれかのエアスイッチ91a,91bをONOFFさせ、伝達手段92a,92bを介してクラッチ機構40を第1段目(A)と第2段目(B)に、噴射ノズル振り回動上下に切り替える。
【0023】
このような構成を有する本発明の液体噴射装置は、回転伝達手段の回転を二重回転軸の一方を介して液体供給筒の先端回転筒部を軸周りに回転させるとともに、他方を介して噴射ノズル筒部を振り回動させる一方、両者の回転を一対の遊星歯車機構を介して受け、インジケータ機構に傾斜角を変えながら振り回動する噴射ノズル筒の垂直軸に対する傾斜角度を表示させることができるので、インジケータ機構の示す傾斜角度に基づいて噴射ノズル筒の振り回動の切り替え傾斜角度を容易に設定することができる。このように、回転軸筒に対する回転軸芯の相対回転速度をプラス又はマイナスに調整して噴射ノズルの振り回動速度及び振り回動切り替え角度を適宜に設定することができるので、オイルタンク内のスラッジの堆積状況等に応じて適宜に噴射態様を設定することができる。
【0024】
以上本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は前記した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限りどのようにでも実施することができる。例えば、実施例では第2伝達手段の回転速度を歯車伝達機構の切り替えにより行ったが自動変速機構を用いることにより相対回転差を自在に調整することも可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オイルタンク内を垂下する液体供給筒の先端を回転させつつ噴射ノズルを上下に振り回動させて洗浄液を噴射して洗浄させる液体噴射装置において、駆動機構から回転数の異なる回転力を伝達する第1伝達手段20及び第2伝達手段30と、前記供給管内を軸方向に垂下し、回転軸芯51とそれを内包する回転軸筒52とからなり、前記駆動機構の駆動力を受けて回転する二重回転軸50と、前記第1伝達手段20が回転軸筒52を回転させる一方、前記第2伝達手段30が回転軸芯31を回転させ、回転軸筒32と回転軸芯51の相対回転差で噴射ノズル筒70を垂直軸線に対する傾斜角度を変更可能とし、
前記第1伝達手段20に対する第2伝達手段30の相対回転差をプラス相対回転とする第1段階(A)と、前記第1伝達手段20に対する第2伝達手段30の相対回転差をマイナス相対回転とする第2段階(B)とを切り替え、
第1段階(A)では前記第1伝達手段20に対する第2伝達手段30の相対回転差をプラス相対回転とし、噴射ノズルを上昇方向に振り回動させる一方、第2段階(B)では前記第1伝達手段20に対する第2伝達手段30の相対回転差をマイナス相対回転とし、噴射ノズルを下降方向に振り回動させることを特徴とする液体噴射装置のノズル上下振り回動の方向切り替えシステム。
【請求項2】
前記第1伝達手段20に対する第2伝達手段30の相対回転差をプラス相対回転を、マイナス相対回転の2倍以上とし、噴射ノズルの垂直軸線に対する傾斜角度を増加させる速度を大とする一方、噴射ノズルの垂直軸線に対する傾斜角度を減少させる速度を小とする請求項1記載の振り回動の方向切り替えシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−110884(P2012−110884A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169538(P2011−169538)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(510291253)株式会社ジェビック (2)
【Fターム(参考)】