説明

液圧ブレーキシステムおよび液圧ブレーキ制御方法

【課題】2系統の前後配管において、液圧系統および電気系統の少なくとも一方に異常が発生しても制動距離が延びるのを抑制する。
【解決手段】液圧系統および電気系統の両正常時、第1および第2電磁開閉弁14,15
が開き、第3および第4電磁開閉弁18,19が閉じて前後配管となる。ブレーキ液が、
左右前輪ブレーキシリンダ8,9に対して第1系統で、また左右後輪ブレーキシリンダ1
0,11に対して第2系統で供給・排出される。液圧系統または電気系統の異常時、開閉
弁14,15が閉じ、開閉弁18,19が開いて、X配管となる。ブレーキ液が、左前輪ブレーキシリンダ8と右後輪ブレーキシリンダ11に対して第1系統で、また右前輪ブレーキシリンダ9と左後輪ブレーキシリンダ10に対して第2系統で供給・排出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液圧を利用しかつ2系統の前後配管を採用した液圧ブレーキシステムの技術分野および液圧ブレーキ制御方法の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両のブレーキシステムにおいては、液圧を利用しかつ第1および第2系統のブレーキ配管を採用するとともに回生ブレーキと協調して液圧ブレーキを作動させる液圧ブレーキシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に記載の液圧ブレーキシステムでは、ブレーキペダルの踏み込みによるブレーキ操作時に、ブレーキ操作状態に応じて車両に付与する目標制動力が、液圧ブレーキによる液圧制動力と回生ブレーキによる回生制動力とによって得ている。その場合、液圧ブレーキシステムの2系統のブレーキ配管に配設された液圧制御ユニット(Hydraulic Control Unit;H/U)により、ブレーキ液圧が制御されるようになっている。
【0004】
ところで、特許文献1に記載の液圧ブレーキシステムでは、ブレーキシステムの正常状態での通常時ブレーキ時には、第1および第2系統のブレーキ配管は前後配管に設定される。この前後配管では、第1系統のブレーキ液圧で左右前輪ブレーキシリンダが作動されるとともに、第2系統のブレーキ液圧で左右後輪ブレーキシリンダが作動される。この前後配管によれば、ブレーキ作動時に左右の車輪に均等にブレーキ力が作用するので、車両にヨーが発生しなく、車両を安定した姿勢で停止させることができる。
【0005】
一方、2系統のブレーキ配管をX配管に設定した液圧ブレーキシステムも提案されている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2に記載の液圧ブレーキシステムも、回生ブレーキと協調して液圧ブレーキを作動させる液圧ブレーキシステムである。X配管では、第1系統のブレーキ液圧で左前輪ブレーキシリンダと右後輪ブレーキシリンダとが作動されるとともに、第2系統のブレーキ液圧で右前輪ブレーキシリンダと左後輪ブレーキシリンダとが作動される。このX配管では、ブレーキ作動時に車両にヨーが若干発生する可能性が考えられるが、実質的には2系統の差圧が小さいので、ヨーの発生はほとんど問題ない。したがって、X配管によっても車両を安定した姿勢で停止させることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−161181号公報。
【特許文献2】特開2011−57140号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、前述のように車両を安定した姿勢で停止させるために、車両の液圧ブレーキシステムに特許文献1に記載の液圧ブレーキシステムのように前後配管を採用した場合、次のような問題が考えられる。すなわち、液圧ブレーキシステムの電気系統に異常が発生して1つの系統のブレーキシリンダにブレーキ液圧が供給されず、このブレーキシリンダが対応する車輪にブレーキをかけられなくなる可能性が考えられる。このように1系統のブレーキシリンダが車輪にブレーキをかけられなくなると、車両全体のブレーキ力が小さくなり、制動距離が延びてしまう。
【0008】
また、2系統の液圧ブレーキシステムにおける一方の液圧系統に異常が発生して1系統のブレーキシリンダにブレーキ液圧が供給されず、1系統のブレーキシリンダに対応する車輪にブレーキをかけられなくなる可能性が考えられる。このように1系統のブレーキシリンダが車輪にブレーキをかけられなくなると、電気系統の異常発生の場合と同様に車両全体のブレーキ力が小さくなり、制動距離が延びてしまう。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、2系統の前後配管において、液圧系統および電気系統の少なくとも一方に異常が発生しても制動距離が延びるのを抑制することができる液圧ブレーキシステムおよび液圧ブレーキ制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述の課題を解決するために、本発明の液圧ブレーキシステムは、左右前輪に対してそれぞれブレーキ力を発生する左右前輪ブレーキシリンダと、左右後輪に対してそれぞれブレーキ力を発生する左右後輪ブレーキシリンダと、液圧系統の正常時および電気系統の正常時に、第1および第2系統のブレーキ配管を、前記第1系統のブレーキ配管によりブレーキ液を前記左右前輪ブレーキシリンダに対して供給・排出するとともに前記第2系統のブレーキ配管によりブレーキ液を前記左右後輪ブレーキシリンダに対して供給・排出する前後配管に設定し、かつ前記第1および第2系統のいずれか一方の液圧系統の異常時および電気系統の異常時の少なくとも一方において、前記第1および第2系統のブレーキ配管を、前記第1系統のブレーキ配管により前記左右前輪ブレーキシリンダの左右いずれか一方および前記左右後輪ブレーキシリンダの左右いずれか他方に対してブレーキ液を供給・排出するとともに前記第2系統のブレーキ配管により前記左右前輪ブレーキシリンダの左右いずれか他方および前記左右後輪ブレーキシリンダの左右いずれか一方に対してブレーキ液を供給・排出するX配管に設定する配管切換ユニットと、前記配管切換ユニットを制御して、前記第1および第2系統のブレーキ配管を前記前後配管または前記X配管に設定する制御部とを少なくとも備えることを特徴としている。
【0011】
また、本発明の液圧ブレーキシステムは、前記配管切換ユニットが、前記電気系統の異常を検出して電気系統異常検出信号を前記制御部に出力する電気系統異常検出信号出力部、前記左右前輪ブレーキシリンダのいずれか一方のブレーキ液圧を検出して第1ブレーキ液圧検出信号を前記制御部に出力する第1圧力センサ、および前記左右後輪ブレーキシリンダのいずれか一方のブレーキ液圧を検出して第2ブレーキ液圧検出信号を前記制御部に出力する第2圧力センサを有し、前記制御部が、前記電気系統異常検出信号、前記第1ブレーキ液圧検出信号、および前記第2ブレーキ液圧検出信号に基づいて前記配管切換ユニットを制御することを特徴としている。
【0012】
更に、本発明の液圧ブレーキシステムは、前記配管切換ユニットが、常閉の第1電磁制御弁、常閉の第2電磁制御弁、常開の第3電磁制御弁、および常開の第4電磁制御弁を有し、前記第1系統のブレーキ配管が、前記左前輪ブレーキシリンダに対して前記ブレーキ液を供給・排出する左前輪ブレーキシリンダ用分岐ブレーキ配管と、前記右前輪ブレーキシリンダに対して前記ブレーキ液を供給・排出する右前輪ブレーキシリンダ用分岐ブレーキ配管とに分岐され、前記第2系統のブレーキ配管が、前記左後輪ブレーキシリンダに対して前記ブレーキ液を供給・排出する左後輪ブレーキシリンダ用分岐ブレーキ配管と、前記右後輪ブレーキシリンダに対して前記ブレーキ液を供給・排出する右後輪ブレーキシリンダ用分岐ブレーキ配管とに分岐され、前記右前輪ブレーキシリンダ用分岐ブレーキ配管に、前記第1電磁開閉弁が配設され、前記右後輪ブレーキシリンダ用分岐ブレーキ配管に、前記第2電磁開閉弁が配設され、前記第1電磁開閉弁の前記右前輪ブレーキシリンダ側と反対側の前記右前輪ブレーキシリンダ用分岐ブレーキ配管または前記第1系統のブレーキ配管と前記第2電磁開閉弁の前記右後輪ブレーキシリンダ側の前記右後輪ブレーキシリ
ンダ用分岐ブレーキ配管とを接続する第1接続ブレーキ配管が配設され、前記第2電磁開閉弁の前記右後輪ブレーキシリンダ側と反対側の前記右後輪ブレーキシリンダ用分岐ブレーキ配管または前記第2系統のブレーキ配管と前記第1電磁開閉弁の前記右前輪ブレーキシリンダ側の前記右前輪ブレーキシリンダ用分岐ブレーキ配管とを接続する第2接続ブレーキ配管が配設され、前記第1接続ブレーキ配管に、前記第3電磁開閉弁が配設され、前記第2接続ブレーキ配管に、前記第4電磁開閉弁が配設され、前記制御部が、前記液圧系統の正常時および前記電気系統の正常時に前記第1および第2電磁開閉弁を開くとともに前記第3および第4電磁開閉弁を閉じ、かつ前記第1および第2系統のいずれか一方の液圧系統の異常時および前記電気系統の異常時の少なくとも一方において、前記第1および第2電磁開閉弁を閉じるとともに前記第3および第4電磁開閉弁を開くことを特徴としている。
【0013】
一方、本発明の液圧ブレーキ制御方法は、液圧系統の正常時および電気系統の正常時に、左右前輪ブレーキシリンダに対して第1系統のブレーキ配管によりブレーキ液を供給・排出制御するとともに左右後輪ブレーキシリンダに対して第2系統のブレーキ配管によりブレーキ液を供給・排出制御し、前記第1および第2系統のいずれか一方の液圧系統の異常時および前記電気系統の異常時の少なくとも一方において、前記左右前輪ブレーキシリンダの左右いずれか一方に対して前記第1系統のブレーキ配管によりブレーキ液を供給・排出制御するとともに前記左右後輪ブレーキシリンダの左右いずれか他方に対して前記第1系統のブレーキ配管によりブレーキ液を供給・排出制御し、かつ前記左右前輪ブレーキシリンダの左右いずれか他方に対して前記第2系統のブレーキ配管によりブレーキ液を供給・排出制御するとともに前記左右後輪ブレーキシリンダの左右いずれか一方に対して前記第2系統のブレーキ配管によりブレーキ液を供給・排出制御することを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
このように構成された本発明の液圧ブレーキシステムおよび液圧ブレーキ制御方法によれば、液圧ブレーキシステムの液圧系統および電気系統のいずれにも異常が発生していないときは、第1および第2系統のブレーキ配管が前後配管に設定される。これにより、ブレーキ作動時に車両にヨーが発生するのを防止することが可能となる。したがって、通常ブレーキ作動時に車両を安定した姿勢で停止させることができる。
【0015】
また、液圧ブレーキシステムの電気系統に異常が発生したときは、第1および第2系統のブレーキ配管が前後配管からX配管に切り換えられる。これにより、電気系統の異常発生で1系統のブレーキシリンダにブレーキ液圧が供給されなくなってもブレーキ力の低下を抑制することができ、電気系統の異常発生時にも十分な減速度を得ることが可能となる。更に、液圧ブレーキシステムの2系統の一方の液圧系統に異常が発生したときも、第1および第2系統のブレーキ配管が前後配管からX配管に切り換えられる。これにより、1系統のブレーキシリンダにブレーキ液圧が供給されなくなってもブレーキ力の低下を抑制することができ、電気系統の異常発生時にも十分な減速度を得ることが可能となる。
【0016】
特に、一般的な車両においては車両のフロント側にエンジン等の重量物が配設される場合が多いが、このような車両において前後配管での左右前輪に対するブレーキの系統に異常が発生した場合に、十分な減速度をより効果的に得ることができる。このようにして、2系統の前後配管において、液圧系統および電気系統の少なくとも一方に異常が発生しても制動距離が延びるのを抑制することができる。
【0017】
また、簡単な構成の第1ないし第4電磁開閉弁を、2系統のブレーキ配管に単に組み込むだけであるので、配管切換ユニットをコンパクトにすることができるとともに外部ブレーキ配管の手間が不要となり、配管切換ユニットの車両への搭載制限を低減することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る液圧ブレーキシステムの実施の形態の一例で電気系統への非通電時を模式的に示す図である。
【図2】本発明に係る液圧ブレーキシステムの配管方法を説明する図である。
【図3】図1に示す例の液圧ブレーキシステムの電気系統への通電時を模式的に示す図である。
【図4】図1に示す例の液圧ブレーキシステムにおける配管切換制御のためのブロック図である。
【図5】配管切換制御を実施するためのフローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を用いて、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は本発明に係る液圧ブレーキシステムの実施の形態の一例で電気系統への非通電時を模式的に示す図、図2は本発明に係る液圧ブレーキシステムの配管方法を説明する図である。
【0020】
図1に示すように、この例の液圧ブレーキシステム1は、基本的には従来公知の一般的な2系統の液圧ブレーキシステムと同じである。すなわち、液圧ブレーキシステム1は、ブレーキペダル2、倍力装置3、タンデムマスタシリンダ4、リザーバタンク5、第1および第2系統のブレーキ配管6,7、左前輪ブレーキシリンダ8、右前輪ブレーキシリン
ダ9、左後輪ブレーキシリンダ10、および右後輪ブレーキシリンダ11を備えている。
【0021】
タンデムマスタシリンダ4は従来公知のタンデムマスタシリンダである。このタンデムマスタシリンダ4のシリンダ本体のシリンダ孔に、プライマリピストン4aおよびセカンダリピストン4bが摺動可能に配設されている。プライマリピストン4aおよびセカンダリピストン4bによりプライマリ液圧室4cが画成されているとともに、セカンダリピストン4bによりセカンダリ液圧室4dが画成されている。
【0022】
セカンダリ液圧室4dは第1系統のブレーキ配管6に接続される。このブレーキ配管6は、途中で分岐された第1および第2分岐ブレーキ配管6a,6bを介してそれぞれ左前
輪FLおよび右前輪FRの左、右前輪ブレーキシリンダ8,9に接続される。また、プラ
イマリ液圧室4cは第2系統のブレーキ配管7に接続される。このブレーキ配管7は、途中で分岐された第3および第4分岐ブレーキ配管7a,7bを介してそれぞれ左後輪RL
および右後輪RRの左、右後輪ブレーキシリンダ10,11に接続される。
【0023】
この例の液圧ブレーキシステム1は、第1ないし第4分岐ブレーキ配管6a,6b,7a,7bに配設された液圧制御ユニット(H/U)12を備えている。このH/U12はブ
レーキ液圧を電気的に制御するための電気系統を有しており、例えばアンチロックブレーキ制御やトラクションコントロール等を行うための従来公知のH/Uである。H/U12は、それ自体の作用は本発明の液圧ブレーキシステムに直接関係しなく、ここではその詳細な説明は省略する。そして、H/U12のタンデムマスタシリンダ4側の第1ないし第4分岐ブレーキ配管6a,6b,7a,7bとH/U12のブレーキシリンダ8,9,10,11側の第1ないし第4分岐ブレーキ配管6a,6b,7a,7bとは常時連通している。
【0024】
また、この例の液圧ブレーキシステム1は、第2および第4分岐ブレーキ配管6b,7
bとにわたって配管切換ユニット13が配設されている。この配管切換ユニット13は、第1電磁開閉弁14、第2電磁開閉弁15、第1配管切換用ブレーキ配管16、第2配管切換用ブレーキ配管17、第3電磁開閉弁18、および第4電磁開閉弁19を有する。
【0025】
第1電磁開閉弁14は第2分岐ブレーキ配管6bに配設されるとともに非通電時に閉じる常閉(ノーマルクローズ)の電磁開閉弁である。また、第2電磁開閉弁15は第4分岐ブレーキ配管7bに配設されるとともに非通電時に閉じる常閉の電磁開閉弁である。第1配管切換用ブレーキ配管16は、第1電磁開閉弁14のマスタシリンダ4側の第2分岐ブレーキ配管6bと第2電磁開閉弁15の右後輪ブレーキシリンダ11側の第4分岐ブレーキ配管7bとを接続する。なお、第1配管切換用ブレーキ配管16は第2分岐ブレーキ配管6bに代えて、分岐前の第1系統のブレーキ配管6に接続することもできる。第2配管切換用ブレーキ配管17は、第2電磁開閉弁15のマスタシリンダ4側の第4分岐ブレーキ配管7bと第1電磁開閉弁14の右前輪ブレーキシリンダ9側の第2分岐ブレーキ配管6bとを接続する。なお、第2配管切換用ブレーキ配管17は第4分岐ブレーキ配管7bに代えて、分岐前の第2系統のブレーキ配管7に接続することもできる。
【0026】
第3電磁開閉弁18は第1配管切換用ブレーキ配管16に配設されるとともに非通電時に開く常開(ノーマルオープン)の電磁開閉弁である。また、第4電磁開閉弁19は第2配管切換用ブレーキ配管17に配設されるとともに非通電時に開く常開の電磁開閉弁である。
【0027】
この例の液圧ブレーキ制御方法では、第1および第2系統のブレーキ配管6,7の配管
が次のように設定される。すなわち、図2に示すようにイグニッションスイッチがオフであるときは、配管がX配管となるように設定される。また、イグニッションスイッチがオンで液圧系統および電気系統がともに正常であるときは、配管が前後配管となるように設定される。更に、イグニッションスイッチがオン、電気系統が正常、かつ液圧系統が異常であるときは、配管がX配管となるように設定される。更に、イグニッションスイッチがオン、液圧系統が正常、かつ電気系統が異常であるときも、配管がX配管となるように設定される。更に、イグニッションスイッチがオンで液圧系統および電気系統がともに異常であるときも、配管がX配管となるように設定される。
【0028】
そして、X配管では、第1ないし第4電磁開閉弁14,15,18,19は通電されない
。したがって、図1に示すように第1および第2電磁開閉弁14,15が閉じるとともに
、第3および第4電磁開閉弁18,19が開く。これにより、セカンダリ液圧室4dと左
前輪ブレーキシリンダ8とが図1に実線で示すブレーキ配管6,6aにより接続されると
ともに、セカンダリ液圧室4dと右後輪ブレーキシリンダ11とが図1に実線で示すブレーキ配管6,6b,16,7bにより接続される。また、プライマリ液圧室4cと左後輪ブ
レーキシリンダ10とが図1に点線で示すブレーキ配管7,7aにより接続されるととも
に、プライマリ液圧室4cと右前輪ブレーキシリンダ9とが図1に点線で示すブレーキ配管7,7b,17,6bにより接続される。
【0029】
一方、前後配管では、第1ないし第4電磁開閉弁14,15,18,19はいずれも通電
される。したがって、図3に示すように第1および第2電磁開閉弁14,15が切り換え
られて開くとともに、第3および第4電磁開閉弁18,19が切り換えられて閉じる。こ
れにより、セカンダリ液圧室4dと左前輪ブレーキシリンダ8とが図1に実線で示すブレーキ配管6,6aにより接続されるとともに、セカンダリ液圧室4dと右前輪ブレーキシ
リンダ9とが図1に実線で示すブレーキ配管6,6bにより接続される。また、プライマ
リ液圧室4cと左後輪ブレーキシリンダ10とが図1に点線で示すブレーキ配管7,7a
により接続されるとともに、プライマリ液圧室4cと右後輪ブレーキシリンダ11とが図1に点線で示すブレーキ配管7,7bにより接続される。図4に示すように第1ないし第
4電磁開閉弁14,15,18,19はいずれも電子制御装置(ECU)20に接続されて
いる。
【0030】
更に、図1、図3、および図4に示すように配管切換ユニット13は、電気系統異常検出信号出力部21、第1および第2圧力センサ22,23、およびストロークセンサ24
を有する。電気系統異常検出信号出力部21は液圧ブレーキシステム1の電気系統を診断する自己診断回路を有する。この電気系統異常検出信号出力部21はECU20に接続されている。そして、電気系統異常検出信号出力部21の自己診断回路が液圧ブレーキシステム1の電気系統の異常を検出すると、電気系統異常検出信号をECU20に出力する。この自己診断回路には、例えば従来の液圧ブレーキシステムの電気系統を診断する自己診断回路を用いることができる。また、第1圧力センサ22は第1系統のブレーキ液圧(具体的には、右前輪ブレーキシリンダ9のブレーキ液圧)を検出してそのブレーキ液圧検出信号をECU20に出力する。更に、第2圧力センサ23は第2系統のブレーキ液圧(具体的には、右後輪ブレーキシリンダ11のブレーキ液圧)を検出してそのブレーキ液圧検出信号をECU20に出力する。更に、ストロークセンサ24は、ブレーキペダル2の踏み込みストロークを検出してECU20に出力する。
【0031】
更に、ECU20にはイグニッションスイッチ25が接続されており、このイグニッションスイッチ25はスイッチオン・オフ信号をECU20に出力する。そして、ECU20は、電気系統異常検出信号出力部21からの電気系統異常検出信号、第1および第1圧力センサ22,23からの各ブレーキ液圧検出信号、およびストロークセンサ24からの
ストローク検出信号、およびイグニッションスイッチ25からのスイッチオン・オフ信号に基づいて第1ないし第4電磁開閉弁14,15,18,19の開閉を制御することで、液
圧ブレーキシステム1における配管の切換を制御する。
【0032】
次に、この例の液圧ブレーキシステム1および液圧ブレーキ制御方法における配管切換制御について説明する。図5は、配管切換制御を行うためのフローを示す図である。
図5に示すように、ステップS1においてイグニッションスイッチ27のオフ状態では、ECU20は第1ないし第4電磁開閉弁14,15,18,19に通電しない。これによ
り、第1および第2電磁開閉弁14,15が閉じるとともに、第3および第4電磁開閉弁
18,19が開く。したがって、液圧ブレーキシステム1の配管は図1に示すX配管に設
定される。次に、ステップS2においてイグニッションスイッチ27がオンされたか否かが判断される。イグニッションスイッチ27がオンされない、つまりイグニッションスイッチ27がオフであると判断されると、配管切換制御が終了する。このとき、液圧ブレーキシステム1の配管はX配管に保持される。
【0033】
ステップS2でイグニッションスイッチ27がオンされたと判断されると、ステップS3において液圧ブレーキシステム1の電気系統に異常があるか否かが判断される。電気系統に異常がないと判断されると、ステップS4においてECU20は液圧ブレーキシステム1の電気系統が正常であると判断して、図3に示すように第1および第2電磁開閉弁14,15を開くとともに、第3および第4電磁開閉弁18,19を閉じる。これにより、配管は前後配管に設定される。
【0034】
次に、ステップS5においてブレーキペダル2が踏み込まれたか否かが判断される。ブレーキペダル2が踏み込まれないと判断されると、ステップS5の処理が繰り返される。また、ブレーキペダル2が踏み込まれたと判断されると、ステップS6において液圧系統に異常があるか否かが判断される。すなわち、ブレーキペダル2が踏み込まれたとき、第1および第2系統のブレーキ液圧がそれぞれ第1および第2圧力センサ22,23からの
ブレーキ液圧検出信号により、ブレーキペダル2の踏み込みストロークに応じた液圧に上昇したことが検出されて液圧系統に異常がないと判断されると、ステップS7において前後配管による通常ブレーキ作動が行われる。
【0035】
すなわち、液圧系統および電気系統がともに正常であると、ブレーキペダル2の踏み込
みで、従来周知のタンデムマスタシリンダと同様に、タンデムマスタシリンダ4のプライマリ液圧室4cおよびセカンダリ液圧室4dにブレーキ液圧が発生する。セカンダリ液圧室4dに発生したブレーキ液圧は第1系統のブレーキ配管6および第1分岐ブレーキ配管6aにより左前輪ブレーキシリンダ8に供給されるとともに、第1系統のブレーキ配管6および第2分岐ブレーキ配管6bにより第1電磁開閉弁14を通して右後輪ブレーキシリンダ9に供給される。そして、左右前輪ブレーキシリンダ8,9は、それぞれ左右前輪F
L,FRにブレーキをかける。同様に、プライマリ液圧室4cに発生したブレーキ液圧は
、第2系統のブレーキ配管7および第3分岐ブレーキ配管7aにより左後輪ブレーキシリンダ10に供給されるとともに、第2系統のブレーキ配管7および第4分岐ブレーキ配管7bにより第2電磁開閉弁15を通して右後輪ブレーキシリンダ11に供給される。そして、左右後輪ブレーキシリンダ10,11は、それぞれ左右前輪RL,RRにブレーキをかける。
【0036】
ブレーキペダル2が解放されると、従来のタンデムマスタシリンダと同様にタンデムマスタシリンダ4が非作動になる。したがって、左右前輪ブレーキシリンダ8,9に供給さ
れたブレーキ液はタンデムマスタシリンダ4のセカンダリ液圧室4dの方へ排出されるとともに、左右後輪ブレーキシリンダ10,11に供給されたブレーキ液はタンデムマスタ
シリンダ4のプライマリ液圧室4cの方へ排出される。
【0037】
こうして、この例の液圧ブレーキシステム1では、液圧系統および電気系統が正常であるときの通常ブレーキ時には前後配管によりブレーキ作動が行われ、第1系統のブレーキ配管6により供給されるブレーキ液で左右前輪FL,FRにブレーキがかけられるととも
に、第2系統のブレーキ配管7により供給されるブレーキ液で左右後輪RL,RRにブレ
ーキがかけられる。
【0038】
ステップS6でブレーキペダル2が踏み込まれても、第1および第2系統のいずれか一方の液圧系統のブレーキ液圧がブレーキペダル2の踏み込みストロークに応じた液圧に上昇しないことが検出されてこの液圧系統に異常があると判断されると、ステップS8においてECU20は第1および第2電磁開閉弁14,15を閉じるとともに、第3および第
4電磁開閉弁18,19を開く。したがって、液圧ブレーキシステム1の配管は図1に示
すX配管に設定される。そして、ステップS9においてX配管による通常ブレーキ作動が、前述の前後配管による通常ブレーキ作動と同様にして行われる。その場合、異常が発生している液圧系統が第1系統であるとする。このときには、第1系統の正常な位置(第1電磁開閉弁14よりタンデムマスタシリンダ4側の位置)の液圧で左前輪ブレーキシリンダ8と右後輪ブレーキシリンダ11により、それぞれ左前輪FLおよび右後輪RRにブレーキがかけられる。異常が発生している液圧系統が第2系統である場合も同様である。
【0039】
こうして、この例の液圧ブレーキシステム1では、電気系統が正常でかつ液圧系統が異常であるときの通常ブレーキ時にはX配管により、左右いずれか一方の前輪と左右いずれか他方の後輪にブレーキがかけられる。
【0040】
更に、ステップS3で液圧ブレーキシステム1の電気系統に異常があると判断されると、ステップS10においてブレーキペダル2が踏み込まれたか否かが判断される。ブレーキペダル2が踏み込まれないと判断されると、ステップS10の処理が繰り返される。このとき、液圧ブレーキシステム1はX配管に保持される。また、ブレーキペダル2が踏み込まれたと判断されると、ステップS9に移行してX配管による通常ブレーキ作動が行われる。このとき、液圧系統に異常がないと第1系統の液圧で左前輪FLと右後輪RRにブレーキがかけられるとともに、第2系統の液圧で右前輪FLと左後輪RLにブレーキがかけられる。また、第1および第2系統のいずれか一方の液圧系統に異常があると、前述のステップS6での液圧系統異常ありの場合のX配管による通常ブレーキ作動と同様の通常
ブレーキ作動で各車輪のいずれかの車輪にブレーキがかけられる。
【0041】
こうして、この例の液圧ブレーキシステム1では、液圧系統が正常でかつ電気系統が異常であるときの通常ブレーキ時にはX配管により、左右の前後輪のいずれにもブレーキがかけられる。また、液圧系統の一方および電気系統がいずれも異常であるときの通常ブレーキ時にはX配管により、左右いずれか一方の前輪と左右いずれか他方の後輪にブレーキがかけられる。
【0042】
この例の液圧ブレーキシステム1および液圧ブレーキ制御方法によれば、液圧ブレーキシステム1の液圧系統および電気系統のいずれにも異常が発生していないときは、イグニッションスイッチ25のオン時に第1および第2系統のブレーキ配管が前後配管に設定される。これにより、ブレーキ作動時に車両にヨーが発生するのを防止することが可能となる。したがって、通常ブレーキ時に車両を安定した姿勢で停止させることができる。
【0043】
また、液圧ブレーキシステム1の電気系統に異常が発生したときは、第1および第2系統のブレーキ配管が前後配管からX配管に切り換えられる。これにより、電気系統の異常発生で1系統のブレーキシリンダにブレーキ液圧が供給されなくなってもブレーキ力の低下を抑制することができ、電気系統の異常発生時にも十分な減速度を得ることが可能となる。更に、液圧ブレーキシステム1の2系統の一方の液圧系統に異常が発生したときも、第1および第2系統のブレーキ配管が前後配管からX配管に切り換えられる。これにより、1系統のブレーキシリンダにブレーキ液圧が供給されなくなってもブレーキ力の低下を抑制することができ、電気系統の異常発生時にも十分な減速度を得ることが可能となる。
【0044】
特に、一般的な車両においては車両のフロント側にエンジン等の重量物が配設される場合が多いが、このような車両において前後配管での左右前輪に対するブレーキの系統に異常が発生した場合には、特に十分な減速度をより効果的に得ることができる。このようにして、2系統の前後配管において、液圧系統および電気系統の少なくとも一方に異常が発生しても制動距離が延びるのを抑制することができる。
【0045】
また、簡単な構成の第1ないし第4電磁開閉弁14,15,18,19を、2系統のブレ
ーキ配管に単に組み込むだけであるので、配管切換ユニット13をコンパクトにすることができるとともに外部ブレーキ配管の手間が不要となり、配管切換ユニット13の車両への搭載制限を低減することができる。
【0046】
なお、本発明は、前述の例に限定されることはない。例えば、前述の例ではH/U12を、アンチロックブレーキ制御やトラクションコントロール等のブレーキ液圧制御のためのH/Uとしているが、本発明は、回生協調液圧ブレーキ制御のためのH/Uや自動ブレーキの液圧制御のためのH/Uとすることもできる。要は、本発明は特許請求の範囲に記載された事項の範囲内で、種々の設計変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の液圧ブレーキシステムおよび液圧ブレーキ制御方法は、液圧を利用しかつ2系統の前後配管を採用した液圧ブレーキシステムおよび液圧ブレーキ制御方法に好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0048】
1…液圧ブレーキシステム、2…ブレーキペダル、4…タンデムマスタシリンダ、6…第1系統のブレーキ配管、7…第2系統のブレーキ配管、8…左前輪ブレーキシリンダ、9…右前輪ブレーキシリンダ、10…左後輪ブレーキシリンダ、11…右後輪ブレーキシリンダ、12…液圧制御ユニット(H/U)、13…配管切換ユニット、14…第1電磁開
閉弁、15…第2電磁開閉弁、16…第1配管切換用ブレーキ配管、17…第2配管切換用ブレーキ配管、18…第3電磁開閉弁、19…第4電磁開閉弁、20…電子制御装置(ECU)、21…電気系統異常検出信号出力部、22…第1圧力センサ、23…第2圧力センサ、24…ストロークセンサ、25…イグニッションスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右前輪に対してそれぞれブレーキ力を発生する左右前輪ブレーキシリンダと、
左右後輪に対してそれぞれブレーキ力を発生する左右後輪ブレーキシリンダと、
液圧系統の正常時および電気系統の正常時に、第1および第2系統のブレーキ配管を、前記第1系統のブレーキ配管によりブレーキ液を前記左右前輪ブレーキシリンダに対して供給・排出するとともに前記第2系統のブレーキ配管によりブレーキ液を前記左右後輪ブレーキシリンダに対して供給・排出する前後配管に設定し、かつ前記第1および第2系統のいずれか一方の液圧系統の異常時および電気系統の異常時の少なくとも一方において、前記第1および第2系統のブレーキ配管を、前記第1系統のブレーキ配管により前記左右前輪ブレーキシリンダの左右いずれか一方および前記左右後輪ブレーキシリンダの左右いずれか他方に対してブレーキ液を供給・排出するとともに前記第2系統のブレーキ配管により前記左右前輪ブレーキシリンダの左右いずれか他方および前記左右後輪ブレーキシリンダの左右いずれか一方に対してブレーキ液を供給・排出するX配管に設定する配管切換ユニットと、
前記配管切換ユニットを制御して、前記第1および第2系統のブレーキ配管を前記前後配管または前記X配管に設定する制御部と、
を少なくとも備えることを特徴とする液圧ブレーキシステム。
【請求項2】
前記配管切換ユニットは、前記電気系統の異常を検出して電気系統異常検出信号を前記制御部に出力する電気系統異常検出信号出力部、前記左右前輪ブレーキシリンダのいずれか一方のブレーキ液圧を検出して第1ブレーキ液圧検出信号を前記制御部に出力する第1圧力センサ、および前記左右後輪ブレーキシリンダのいずれか一方のブレーキ液圧を検出して第2ブレーキ液圧検出信号を前記制御部に出力する第2圧力センサを有し、
前記制御部は、前記電気系統異常検出信号、前記第1ブレーキ液圧検出信号、および前記第2ブレーキ液圧検出信号に基づいて前記配管切換ユニットを制御することを特徴とする請求項1に記載の液圧ブレーキシステム。
【請求項3】
前記配管切換ユニットは、常閉の第1電磁制御弁、常閉の第2電磁制御弁、常開の第3電磁制御弁、および常開の第4電磁制御弁を有し、
前記第1系統のブレーキ配管は、前記左前輪ブレーキシリンダに対して前記ブレーキ液を供給・排出する左前輪ブレーキシリンダ用分岐ブレーキ配管と、前記右前輪ブレーキシリンダに対して前記ブレーキ液を供給・排出する右前輪ブレーキシリンダ用分岐ブレーキ配管とに分岐され、
前記第2系統のブレーキ配管は、前記左後輪ブレーキシリンダに対して前記ブレーキ液を供給・排出する左後輪ブレーキシリンダ用分岐ブレーキ配管と、前記右後輪ブレーキシリンダに対して前記ブレーキ液を供給・排出する右後輪ブレーキシリンダ用分岐ブレーキ配管とに分岐され、
前記右前輪ブレーキシリンダ用分岐ブレーキ配管に、前記第1電磁開閉弁が配設され、
前記右後輪ブレーキシリンダ用分岐ブレーキ配管に、前記第2電磁開閉弁が配設され、
前記第1電磁開閉弁の前記右前輪ブレーキシリンダ側と反対側の前記右前輪ブレーキシリンダ用分岐ブレーキ配管または前記第1系統のブレーキ配管と前記第2電磁開閉弁の前記右後輪ブレーキシリンダ側の前記右後輪ブレーキシリンダ用分岐ブレーキ配管とを接続する第1接続ブレーキ配管が配設され、
前記第2電磁開閉弁の前記右後輪ブレーキシリンダ側と反対側の前記右後輪ブレーキシリンダ用分岐ブレーキ配管または前記第2系統のブレーキ配管と前記第1電磁開閉弁の前記右前輪ブレーキシリンダ側の前記右前輪ブレーキシリンダ用分岐ブレーキ配管とを接続する第2接続ブレーキ配管が配設され、
前記第1接続ブレーキ配管に、前記第3電磁開閉弁が配設され、
前記第2接続ブレーキ配管に、前記第4電磁開閉弁が配設され、
前記制御部は、前記液圧系統の正常時および前記電気系統の正常時に前記第1および第2電磁開閉弁を開くとともに前記第3および第4電磁開閉弁を閉じ、かつ前記第1および第2系統のいずれか一方の液圧系統の異常時および前記電気系統の異常時の少なくとも一方において、前記第1および第2電磁開閉弁を閉じるとともに前記第3および第4電磁開閉弁を開くことを特徴とする請求項2に記載の液圧ブレーキシステム。
【請求項4】
液圧系統の正常時および電気系統の正常時に、左右前輪ブレーキシリンダに対して第1系統のブレーキ配管によりブレーキ液を供給・排出制御するとともに左右後輪ブレーキシリンダに対して第2系統のブレーキ配管によりブレーキ液を供給・排出制御し、前記第1および第2系統のいずれか一方の液圧系統の異常時および前記電気系統の異常時の少なくとも一方において、前記左右前輪ブレーキシリンダの左右いずれか一方に対して前記第1系統のブレーキ配管によりブレーキ液を供給・排出制御するとともに前記左右後輪ブレーキシリンダの左右いずれか他方に対して前記第1系統のブレーキ配管によりブレーキ液を供給・排出制御し、かつ前記左右前輪ブレーキシリンダの左右いずれか他方に対して前記第2系統のブレーキ配管によりブレーキ液を供給・排出制御するとともに前記左右後輪ブレーキシリンダの左右いずれか一方に対して前記第2系統のブレーキ配管によりブレーキ液を供給・排出制御することを特徴とする液圧ブレーキ制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−254651(P2012−254651A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127317(P2011−127317)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(000003333)ボッシュ株式会社 (510)
【Fターム(参考)】