液晶シャッタ、液晶シャッタの駆動方法及び画像表示システム
【課題】 消費電力の低減が可能であり、しかも動作安定性の確保が可能な液晶シャッタ、液晶シャッタの駆動方法及び液晶シャッタを備えた画像表示システムを提供する。
【解決手段】 液晶シャッタは、左目に入射される光の透過率を制御可能なOCBモードの第1液晶パネルと、右目に入射される光の透過率を制御可能なOCBモードの第2液晶パネルと、駆動部と、を備えている。駆動部は、パルス状の正規電圧を用いた正規駆動と、正規電圧より周波数が小さい特性及び正規電圧より相対的に電圧レベルが浅い特性の少なくとも一方の上記特性を持ったパルス状の保持電圧を第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、前記液晶分子がベンド配向を採った状態を保持する保持駆動と、を切替えて行う。
【解決手段】 液晶シャッタは、左目に入射される光の透過率を制御可能なOCBモードの第1液晶パネルと、右目に入射される光の透過率を制御可能なOCBモードの第2液晶パネルと、駆動部と、を備えている。駆動部は、パルス状の正規電圧を用いた正規駆動と、正規電圧より周波数が小さい特性及び正規電圧より相対的に電圧レベルが浅い特性の少なくとも一方の上記特性を持ったパルス状の保持電圧を第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、前記液晶分子がベンド配向を採った状態を保持する保持駆動と、を切替えて行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液晶シャッタ、液晶シャッタの駆動方法及び画像表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、立体画像を表示するための技術が種々提案されている。上記技術として、例えばアクティブシャッタ方式の液晶シャッタと、時分割方式の液晶表示装置等の表示装置とを用いた立体画像表示技術が知られている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
【0003】
液晶表示装置は、左目用の画像と右目用の画像とを交互に表示する。液晶シャッタは、液晶表示装置の画像表示に連動し、左目用の液晶パネル及び右目用の液晶パネルを透過状態(オン)及び非透過状態(オフ)に切替える。
【0004】
液晶表示装置が左目用の画像を表示している間、液晶表示装置から出射される光は、左目用の液晶パネルは透過し、右目用の液晶パネルは遮蔽する。同様に、液晶表示装置が右目用の画像を表示している間、液晶表示装置から出射される光は、左目用の液晶パネルは遮蔽し、右目用の液晶パネルは透過する。
【0005】
これにより、液晶シャッタを装着したユーザは、左目用の画像と、右目用の画像とを左右の目で交互にみることとなり、液晶表示装置に表示される平面画像を立体画像のようにみることができる。この際、液晶シャッタは、液晶表示装置から送信される同期信号を基に液晶表示装置が表示する画像に同期を取って正規駆動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−191399号公報
【特許文献2】特開2000−275575号公報
【特許文献3】特開2007−110683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、液晶シャッタが受信する同期信号が何らかの障害によって途絶えた場合、液晶シャッタユーザの視線が液晶表示装置以外に移動すると他光源及び液晶シャッタ間に干渉作用が生じ、液晶シャッタユーザは不快である。また、正規駆動では120Hz相当の高周波駆動を行うことから消費電力が大きいため、正規駆動は、立体画像を鑑賞する以外では無用である。
【0008】
また、液晶シャッタには、高速な応答速度が要求されることからOCB(Optically Compensated Bend)液晶を用いることが望ましい。しかし、OCB液晶を使用する場合、通常、初期配向状態がスプレイ配向をとるため、所定の電圧を印加してベンド配向状態に初期転移させた後に動作させる必要がある。また、OCB液晶は、一定期間、所定の電圧が印加されないとベンド配向からスプレイ配向に逆転移する性質がある。このため、短時間の同期信号断絶時や液晶シャッタ不使用時に電源がオフされると、初期配向状態であるスプレイ配向状態に逆転移してしまい、その使用にあたっては再びスプレイ配向からベンド配向に転移させる必要が生じ、その動作上、安定性に欠ける恐れがある。
【0009】
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、消費電力の低減が可能であり、しかも動作安定性の確保が可能な液晶シャッタ、液晶シャッタの駆動方法及び液晶シャッタを備えた画像表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の態様に係る液晶シャッタは、
一対の電極基板及び前記電極基板間に挟持された液晶層を有し、左目の視界を覆い、左目に入射される光の透過率を制御可能なOCBモードの第1液晶パネルと、
一対の電極基板及び前記電極基板間に挟持された液晶層を有し、右目の視界を覆い、右目に入射される光の透過率を制御可能なOCBモードの第2液晶パネルと、
パルス状の正規電圧を前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルを液晶分子がベンド配向を採った状態で透過状態及び非透過状態に交互に切替える正規駆動と、前記正規電圧より周波数が小さい特性及び前記正規電圧より相対的に電圧レベルが浅い特性の少なくとも一方の上記特性を持ったパルス状の保持電圧を前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、前記液晶分子がベンド配向を採った状態を保持する保持駆動と、を切替えて行う駆動部と、を備えていることを特徴としている。
【0011】
また、本発明の他の態様に係る液晶シャッタの駆動方法は、
一対の電極基板及び前記電極基板間に挟持された液晶層を有し、左目の視界を覆い、左目に入射される光の透過率を制御可能なOCBモードの第1液晶パネルと、一対の電極基板及び前記電極基板間に挟持された液晶層を有し、右目の視界を覆い、右目に入射される光の透過率を制御可能なOCBモードの第2液晶パネルと、を備えた液晶シャッタの駆動方法において、
パルス状の正規電圧を前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルを液晶分子がベンド配向を採った状態で透過状態及び非透過状態に交互に切替える正規駆動を行い、
前記正規電圧より周波数が小さい特性及び前記正規電圧より相対的に電圧レベルが浅い特性の少なくとも一方の上記特性を持ったパルス状の保持電圧を前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、前記液晶分子がベンド配向を採った状態を保持する保持駆動を前記正規駆動と切替えて行うことを特徴としている。
【0012】
また、本発明の他の態様に係る画像表示システムは、
一対の電極基板及び前記電極基板間に挟持された液晶層を有し、左目の視界を覆い、左目に入射される光の透過率を制御可能なOCBモードの第1液晶パネルと、一対の電極基板及び前記電極基板間に挟持された液晶層を有し、右目の視界を覆い、右目に入射される光の透過率を制御可能なOCBモードの第2液晶パネルと、パルス状の正規電圧を前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルを液晶分子がベンド配向を採った状態で透過状態及び非透過状態に交互に切替える正規駆動と、前記正規電圧より周波数が小さい特性及び前記正規電圧より相対的に電圧レベルが浅い特性の少なくとも一方の上記特性を持ったパルス状の保持電圧を前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、前記液晶分子がベンド配向を採った状態を保持する保持駆動と、を切替えて行う駆動部と、を備えている液晶シャッタと、
画像を表示し、画像情報に合った同期信号を前記液晶シャッタに送信する表示装置と、を備え、
前記駆動部は、前記同期信号を受信した場合前記同期信号を基に前記表示装置が表示する画像に同期を取って前記正規駆動を行うことを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、消費電力の低減が可能であり、しかも動作安定性の確保が可能な液晶シャッタ、液晶シャッタの駆動方法及び液晶シャッタを備えた画像表示システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像表示システムを示す概略構成図である。
【図2】図1に示した液晶シャッタを示す概略構成図である。
【図3】図1及び図2に示した第1液晶パネルを示す断面図である。
【図4】上記第1液晶パネルの断面図であり、第1液晶パネルが透過状態となる場合の液晶分子の配向状態を示す図である。
【図5】上記第1液晶パネルの断面図であり、第1液晶パネルが非透過状態となる場合の液晶分子の配向状態を示す図である。
【図6】図1に示した液晶表示装置を概略的に示す断面図である。
【図7】図6に示したアレイ基板の一部を示す概略構成図である。
【図8】上記画像表示システムの液晶表示装置の画像表示と、第1液晶パネルのON/OFFと、第2液晶パネルのON/OFFと、第1液晶パネルに印加される駆動電圧と、第2液晶パネルに印加される駆動電圧と、を示すタイミングチャートである。
【図9】上記画像表示システムの実施例1の第1液晶パネルに印加される駆動電圧を示すタイミングチャートである。
【図10】上記画像表示システムの実施例2の第1液晶パネルに印加される駆動電圧を示すタイミングチャートである。
【図11】上記画像表示システムの実施例3の第1液晶パネルに印加される駆動電圧を示すタイミングチャートである。
【図12】上記画像表示システムの実施例4の第1液晶パネルに印加される駆動電圧を示すタイミングチャートである。
【図13】上記液晶表示装置の一部を概略的に示す構成図である。
【図14】上記液晶シャッタの受信器を概略的に示す構成図である。
【図15】上記受信器の各部の信号波形を示すタイミングチャートであり、(1)位相同期信号a、(2)パルス信号b、(3)スイッチ制御パルス信号c、(4)信号d、(5)信号e、(6)信号f、(7)信号g、(8)第2液晶パネル駆動信号h、(9)第1液晶パネル駆動信号i、(10)第1液晶パネル及び第2液晶パネルの開閉シーケンス、(11)液晶表示装置に表示される映像のシーケンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態に係る液晶シャッタを備えた画像表示システム及び液晶シャッタの駆動方法について詳細に説明する。始めに、画像表示システムの構成を説明する。
図1に示すように、画像表示システムは、アクティブシャッタ方式の液晶シャッタ1と、表示装置としての液晶表示装置2と、を備えている。
【0016】
図1乃至図3に示すように、液晶シャッタ1は、第1液晶パネル3Lと、第2液晶パネル3Rと、メガネフレーム4と、駆動部5と、電源部6と、受信器7と、筐体8とを備えている。この実施の形態において、液晶シャッタ1は、メガネ装着型の液晶シャッタである。
【0017】
第1液晶パネル3Lは、一対の電極基板10、20と、電極基板間に挟持された液晶層30と、を有している。
電極基板10は、透明な絶縁基板としてのガラス基板11と、このガラス基板11上に形成された第1電極12と、ガラス基板11及び第1電極12上に形成された配向膜13とを有している。絶縁基板としてはガラス基板の他に、プラスチック基板や樹脂フィルムなども適用することができる。電極基板10上には、光学補償フィルム14及び偏光板15が配置されている。光学補償フィルム14及び偏光板15は、ガラス基板11に対して第1電極12の反対側に位置し、ガラス基板11の外面上に順に配置されている。
【0018】
電極基板20は、透明な絶縁基板としてのガラス基板21と、このガラス基板21上に形成された第2電極22と、ガラス基板21及び第2電極22上に形成された配向膜23とを有している。同様に、絶縁基板としてはガラス基板の他に、プラスチック基板や樹脂フィルムなども適用することができる。電極基板20上には、光学補償フィルム24及び偏光板25が配置されている。光学補償フィルム24及び偏光板25は、ガラス基板21に対して第2電極22の反対側に位置し、ガラス基板21の外面上に順に配置されている。
【0019】
第1電極12及び第2電極22は、透明な導電材料として、例えばITO(インジウム・ティン・オキサイド)で形成されている。配向膜13及び配向膜23は、同一方向に配向処理(ラビング)が施されている。偏光板15及び偏光板25は、配向方向に対して略45°で交差するようにクロスニコル配置されている。
【0020】
電極基板10及び電極基板20は、複数のスペーサとしての複数の球状スペーサ31により、所定の隙間を保持して対向配置され、両基板の周縁部に配置されたシール材32により互いに接合されている。球状スペーサ31に代えて柱状スペーサを一方の基板上に一体的に形成することもできる。液晶層30は、電極基板10、電極基板20及びシール材32で囲まれた領域に充填されたネマティック液晶で形成されている。
【0021】
上記のように、第1液晶パネル3Lは、πセルに光学補償フィルム14、24を組合せたOCB(optically compensated bend)モードの液晶パネルである。ここで、第1液晶パネル3Lは、電圧を印加しない状態で光透過状態となるノーマリーホワイト型である。第1液晶パネル3Lは、左目の視界を覆い、左目に入射される光の透過率を制御可能である。
【0022】
第1電極12に電圧Vdが印加され、第2電極22に電圧Vcomが印加されることにより、液晶層30に駆動電圧が印加される。図4及び図5に示すように、液晶層30に例えば20V程度の閾値電圧以上の駆動電圧が印加されることにより、液晶分子30mがスプレイ(splay)配向からベンド(bend)配向に転移する(初期転移)。そして、液晶層30に所望の駆動電圧が印加されることにより、液晶分子30mのベンド配向を維持しつつ第1液晶パネル3Lを透過状態及び非透過状態に切替えることができる。第1液晶パネル3Lは、ベンド配向とフロー効果により高速応答性に優れている。
【0023】
図1乃至図3に示すように、第2液晶パネル3Rは、上記第1液晶パネル3Lと同様に形成されている。第2液晶パネル3Rは、一対の電極基板10、20及びこれら電極基板間に挟持された液晶層30を有し、右目の視界を覆い、右目に入射される光の透過率を制御可能なOCBモードの液晶パネルである。ここで、第2液晶パネル3Rは、電圧を印加しない状態で光透過状態となるノーマリーホワイト型である。
【0024】
なお、第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rにおいて、図示しないが、これらの形状やこれらに形成される端子の位置は互いに異なっていてもよく、これにより、例えば、第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rが左目用及び右目用の何れであるのか識別することができる。
図1に示すように、第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rは、メガネフレーム4に取付けられている。
【0025】
図2に示すように、駆動部5は、フレキシブル配線基板(FPC)等を介して第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rそれぞれの第1電極12及び第2電極22に電気的に接続されている。駆動部5は、第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rそれぞれに電圧Vd及び電圧Vcomを印加し、第1液晶パネル3L(液晶層30)及び第2液晶パネル3R(液晶層30)にパルス状の正規電圧を印加する正規駆動と、第1液晶パネル3L(液晶層30)及び第2液晶パネル3R(液晶層30)にパルス状の保持電圧を印加し正規駆動より消費電力を低減でき液晶分子がベンド配向を採った状態を保持する保持駆動と、を切替えて行うことができる。
【0026】
駆動部5は、正規駆動を行うことにより、それぞれ第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rを液晶分子30mがベンド配向を採った状態で透過状態及び非透過状態に交互に切替えることができる。
【0027】
電源部6及び受信器7は、駆動部5に接続されている。電源部6は、駆動部5に電力を供給するものである。受信器7は、有線又は無線通信によりデータ(同期信号)を受信するものである。駆動部5は、受信器7で受信したデータに基づいて、第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rに駆動電圧を印加するものである。筐体8は、駆動部5、電源部6及び受信器7を収容し、メガネフレーム4に取付けられている。
上記のように液晶シャッタ1が形成されている。
【0028】
図1及び図6に示すように、液晶表示装置2は、液晶表示パネル50、バックライトユニット90、及び制御部100を備えている。液晶表示パネル50は、アレイ基板60と、アレイ基板60に対向配置された対向基板70と、アレイ基板60及び対向基板70間に挟持された液晶層80とを備えている。
【0029】
図6及び図7に示すように、アレイ基板60は、透明な絶縁基板として矩形状のガラス基板61を備えている。ガラス基板61上には、複数の信号線62と、複数の走査線63とが形成されている。信号線62及び走査線63は、互いに直交して形成されている。また、ガラス基板61上には、走査線63に平行な複数の補助容量線64が形成されている。この実施の形態において、隣合う2本の信号線62及び隣合う2本の走査線63で囲まれた各領域には画素PXが形成されている。これらの画素PXは、ガラス基板61上にマトリクス状に配置されている。
【0030】
次に、画素PXを1つ取り出して詳述する。
画素PXは、信号線62及び走査線63の交差部近傍に形成されたスイッチング素子としてのTFT(薄膜トランジスタ)65と、TFT65に接続された画素電極66と、画素電極66に接続された補助容量素子67と、を有している。補助容量線64は、補助容量素子67の一方の電極を形成している。
【0031】
図示しないが、ガラス基板61上に、赤色、緑色及び青色の複数の着色層を有したカラーフィルタが形成されている。なお、上記画素電極66はITO等の透明な導電材料でカラーフィルタ上に形成されている。また、カラーフィルタ上には、スペーサとして、例えば複数の柱状スペーサ68が形成されている。上記のように、ガラス基板61上にアレイパターン60Pが形成されている。ガラス基板61及びアレイパターン60P上に配向膜69が形成されている。
【0032】
対向基板70は、透明な絶縁基板として矩形状のガラス基板71を備えている。ガラス基板71上に、対向電極72及び配向膜73が順に形成されている。なお、配向膜69及び配向膜73には同一方向に配向処理(ラビング)が施されている。このように、対向基板70が形成されている。
【0033】
アレイ基板60及び対向基板70間の隙間は、複数の柱状スペーサ68により保持されている。アレイ基板60及び対向基板70は、表示領域の外周に沿って配置されたシール材81により接合されている。液晶層80は、アレイ基板60、対向基板70及びシール材81で囲まれた領域に充填されたネマティック液晶で形成されている。
【0034】
アレイ基板60の外面上に、光学補償フィルム51及び偏光板52が順に形成されている。対向基板70の外面上に、光学補償フィルム53及び偏光板54が順に形成されている。偏光板52及び偏光板54は、配向方向に対して略45°で交差するようにクロスニコル配置されている。上記のように、液晶表示パネル50は、OCBモードの液晶パネルである。ここで、液晶表示パネル50は、電圧を印加しない状態で光透過状態となるノーマリーホワイト型である。
【0035】
図6に示すように、バックライトユニット90は、アレイ基板60の外面側に設けられている。バックライトユニット90は、偏光板52と対向した導光板を含む導光体92と、導光体92の一側縁に対向配置された、例えば冷陰極線管からなる光源93及び反射板94を有している。
【0036】
次に、上記画像表示システムの液晶シャッタ1及び液晶シャッタ1の駆動方法について説明する。液晶シャッタ1及び液晶シャッタ1の駆動方法は、画像表示システムを用いて立体画像を表示している際、液晶表示装置2から液晶シャッタ1に送信される同期信号が何らかの障害によって途絶えた場合を想定し、この場合、駆動部5が正規駆動から保持駆動に切替えて行うものである。
【0037】
まず、画像表示システムを用いて立体画像を表示する場合に行う上記液晶シャッタ1及び液晶表示装置2の動作、特に、駆動部5による正規駆動について説明する。
図6及び図8に示すように、制御部100は、120Hzのフレーム周波数で左目用の画像と右目用の画像とを交互に表示するよう、液晶表示パネル50の駆動を制御する。ここで、1フレーム(1F)とは、全ての画素PXを順次走査し再び同一の画素PXを走査するまでの時間である。
【0038】
上記のことから、液晶表示装置2は、実質60Hzの周波数で解像度の低下なく立体画像の表示を可能にしている。
【0039】
駆動部5は、パルス状の正規電圧を第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rに印加し、それぞれ第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rを液晶分子30mがベンド配向を採った状態で透過状態及び非透過状態に交互に切替える正規駆動を行う。
【0040】
詳しくは、図1、図2及び図8に示すように、任意の1フレームの期間、駆動部5は、液晶表示装置2による右目用の画像表示に同期を取って第1液晶パネル3Lを非透過状態(OFF)に切替えている間、第2液晶パネル3Rを透過状態(ON)に切替える。このフレームの期間、第1液晶パネル3Lの透過率はほぼ0%である。
【0041】
続く、1フレームの期間、駆動部5は、液晶表示装置2による左目用の画像表示に同期を取って第1液晶パネル3Lを透過状態(ON)に切替えている間、第2液晶パネル3Rを非透過状態(OFF)に切替える。第1液晶パネル3Lを透過状態(ON)に切替えると、第1液晶パネル3Lは高速応答性を示し、第1液晶パネル3Lの透過率が0%から上昇する。このため、このフレームの期間、第1液晶パネル3Lは透過状態となる。
【0042】
その後も、液晶表示装置2の画像表示に同期を取って第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rを交互に透過状態に切替える。駆動部5は、それぞれ第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rを透過状態(ON)に切替える際、前回、透過状態(ON)に切替えてから60分の1秒後に切替えている。これにより、液晶シャッタ1を装着したユーザは、左目用の画像と、右目用の画像とを左右の目で交互にみることができ、ユーザに立体画像を表示することができる。
【0043】
次に、画像表示システムを用いて立体画像を表示している際、液晶表示装置2から液晶シャッタ1に送信される同期信号が何らかの障害によって途絶えた場合などに行う上記液晶シャッタ1の動作、特に、駆動部5による保持駆動について説明する。以下、実施例1乃至4の液晶シャッタ1の駆動部5の保持駆動について説明する。
【0044】
実施例1乃至4の液晶シャッタ1の保持駆動は、正規駆動より消費電力を低減でき液晶分子30mがベンド配向を採った状態を保持する保持駆動の例である。保持駆動は、正規電圧より周波数が小さい特性及び正規電圧より相対的に電圧レベルが浅い特性の少なくとも一方の特性を持ったパルス状の保持電圧を第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rに印加することにより行われる。
ここで、上記保持電圧が上記正規電圧より相対的に電圧レベルが浅いとは、上記保持電圧の絶対値が上記正規電圧の絶対値より相対的に小さい、と言い換えることができる。
【0045】
(実施例1)
まず、実施例1の液晶シャッタ1及び液晶シャッタ1の保持駆動(駆動方法)について説明する。実施例1の液晶シャッタ1及び液晶シャッタ1の保持駆動は、正規電圧より周波数が小さく設定された保持電圧をそれぞれ第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rに印加する保持駆動を極性反転駆動法を用いて行い、それぞれ第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rを、常時、透過状態に保持するように構成されている。
【0046】
詳しくは、図2、図3及び図9に示すように、正規駆動から保持駆動に切替わった保持駆動期間において、第1液晶パネル3Lに印加する保持電圧の周波数は、120Hzより小さく設定されている。
【0047】
保持駆動期間、駆動部5は、第1液晶パネル3L(第1電極12)に印加する電圧Vdの極性を反転させる極性反転駆動を行う。
駆動部5は、第1液晶パネル3Lの第1電極12に、電圧VSL及び電圧VSHを等間隔で交互に印加できるパルス状の電圧Vdを印加し、第2電極22に0Vの電圧Vcomを印加する。なお、第2電極22は、常時、接地電位に設定される。
【0048】
電圧VSL及び電圧VSHは、液晶分子30mがベンド配向からスプレイ配向に逆転移する臨界電圧(閾値電圧)VTL、VTH以上に深く設定されている。言い換えると、電圧VSL及び電圧VSHの絶対値は、臨界電圧VTL、VTHの絶対値以上である。
【0049】
保持電圧は、正規電圧より相対的に電圧レベルが浅く設定されている。ここでは、電圧VSLは、−4Vであり、−10Vの電圧VBLより浅く設定されている。電圧VSHは、+4Vであり、+10Vの電圧VBHより浅く設定されている。
【0050】
保持電圧は、保持駆動期間の透過率が正規駆動期間の透過率と同等となるよう調整されている。ここでは、第1液晶パネル3Lは、電圧Vdの電圧レベルが、0V時に30%の透過率を示し、±10V(電圧VBL、VBH)時に0%の透過率を示し、±4V時に15%の透過率を示す。駆動部5は、上記した電圧設定により、黒表示(黒挿入)無しにベンド配向を維持させつつ第1液晶パネル3Lを保持駆動するため、消費電力の増大なく第1液晶パネル3Lを、常時、透過状態に保持することができる。
【0051】
なお、保持駆動期間、駆動部5は、第2液晶パネル3Rを、第1液晶パネル3Lと同様に保持駆動する。
駆動部5は、液晶表示装置2からの同期信号が途絶えても、内部のクロック信号に基づいた自走駆動により、保持駆動を行うことができるものである。
【0052】
保持駆動期間中、液晶表示装置2からの同期信号が液晶シャッタ1で受信可能な状態に復帰した場合など、ベンド配向が維持されているため、駆動部5は、保持駆動から即座に正規駆動に切替えることが可能であり、これにより動作安定性の確保も可能となる。
【0053】
また、特定の時間、例えば1分経過しても、液晶表示装置2からの同期信号が液晶シャッタ1で受信可能な状態に復帰しない場合など、駆動部5は、一層の低消費電力化を達成するために、第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rの駆動を停止するように構成することもできる。
【0054】
上記した実施形態では、第2電極22には常に0Vの電圧Vcomを印加する構成としたが、第1電極12に印加される電圧と逆位相で交番する電圧を印加することもできる。この場合、各電極に印加される電圧の振幅が小さくできるという利点がある。また、この場合、一方の電極に印加される電圧を制御しても良いし、または両方の電極12,22に印加される電圧を制御してもかまわない。この点は、以下の実施例においても同様である。
【0055】
(実施例2)
次に、実施例2の液晶シャッタ1及び液晶シャッタ1の保持駆動(駆動方法)について説明する。実施例2の液晶シャッタ1及び液晶シャッタ1の保持駆動は、保持駆動期間に、非透過状態となる期間の正規電圧(電圧VBL、VBH)の電圧レベルを臨界電圧VTL、VTHより浅くならないように徐々に浅くし、透過状態となる期間の正規電圧(0V)の電圧レベルを臨界電圧VTL、VTH以上に深くなるように徐々に深くし、臨界電圧VTL、VTHより浅くならない範囲内の電圧レベルに調整された保持電圧を、それぞれ第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rに印加する以外、上記実施例1の液晶シャッタ1及び液晶シャッタ1の駆動方法と同様に構成されている。
【0056】
これにより、保持駆動期間の第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rの透過率を、正規駆動期間の透過率から徐々に下げることができる。また、保持駆動期間の第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rを透過状態に保持することができる。
【0057】
なお、実施例2において、非透過状態となる期間の正規電圧(電圧VBL、VBH)より電圧レベルが浅く設定され、かつ保持駆動期間の透過率が正規駆動期間の透過率と同等となるよう調整された保持電圧(電圧VSL、VSH)は、臨界電圧VTL、VTHより浅く設定されている。
【0058】
詳しくは、図2、図3及び図10に示すように、正規駆動から保持駆動に切替わった保持駆動期間において、第1液晶パネル3Lに印加する保持電圧の周波数は、最初は120Hzであるが、一定期間後には120Hzより小さく設定されている。
【0059】
保持駆動期間、駆動部5は、第1液晶パネル3L(第1電極12)に印加する電圧Vdの電圧レベルを臨界電圧VTLより浅くならないように電圧VBLから徐々に浅くする。また、電圧Vdの電圧レベルを臨界電圧VTHより浅くならないように電圧VBHから徐々に浅くする。さらに、電圧Vdの電圧レベルを臨界電圧VTL、VTH以上に深くなるように徐々に深くする。なお、第2電極22は、常時、接地電位に設定される。
【0060】
保持電圧は、正規電圧より相対的に電圧レベルが浅く設定されている。ここでは、臨界電圧VTLは−5Vであり、臨界電圧VTHは+5Vである。
【0061】
保持電圧は、保持駆動期間の透過率が正規駆動期間の透過率から徐々に低下するように調整されている。ここでは、第1液晶パネル3Lは、電圧Vdの電圧レベルが、0V時に30%の透過率を示し、±10V(電圧VBL、VBH)時に0%の透過率を示し、±5V時に15%未満の透過率を示す。駆動部5は、保持駆動に切替えてから一定期間後にはに第1液晶パネル3Lを黒表示(黒挿入)無し保持駆動するため、消費電力の増大なく第1液晶パネル3Lを、常時、透過状態に保持することができる。
なお、保持駆動期間、駆動部5は、第2液晶パネル3Rを、第1液晶パネル3Lと同様に保持駆動する。
【0062】
(実施例3)
次に、実施例3の液晶シャッタ1及び液晶シャッタ1の保持駆動(駆動方法)について説明する。実施例3の液晶シャッタ1及び液晶シャッタ1の保持駆動は、正規電圧と同等の周波数に設定された保持電圧を、それぞれ第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rに印加する以外、上記実施例1の液晶シャッタ1及び液晶シャッタ1の駆動方法と同様に構成されている。これにより、保持駆動期間の第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rを、常時、透過状態に保持することができる。
【0063】
詳しくは、図2、図3及び図11に示すように、正規駆動から保持駆動に切替わった保持駆動期間において、第1液晶パネル3Lに印加する保持電圧の周波数は、120Hzに設定されている。
【0064】
保持駆動期間、駆動部5は、第1液晶パネル3L(第1電極12)に印加する電圧Vdの極性を反転させる極性反転駆動を行う。
駆動部5は、第1液晶パネル3Lの第1電極12に、電圧VSL及び電圧VSHを等間隔で交互に印加できるパルス状の電圧Vdを印加する。なお、第2電極22は、常時、接地電位に設定される。
【0065】
電圧VSL及び電圧VSHは、液晶分子30mがベンド配向からスプレイ配向に逆転移する臨界電圧(閾値電圧)VTL、VTH以上に深く設定されている。
保持電圧は、正規電圧より相対的に電圧レベルが浅く設定されている。ここでは、電圧VSLは、−4Vであり、−10Vの電圧VBLより浅く設定されている。電圧VSHは、+4Vであり、+10Vの電圧VBHより浅く設定されている。
【0066】
保持電圧は、保持駆動期間の透過率が正規駆動期間の透過率と同等となるよう調整されている。ここでは、第1液晶パネル3Lは、電圧Vdの電圧レベルが、0V時に30%の透過率を示し、±10V(電圧VBL、VBH)時に0%の透過率を示し、±4V時に15%の透過率を示す。駆動部5は、黒表示(黒挿入)無しに第1液晶パネル3Lを保持駆動するため、消費電力の増大なく第1液晶パネル3Lを、常時、透過状態に保持することができる。
なお、保持駆動期間、駆動部5は、第2液晶パネル3Rを、第1液晶パネル3Lと同様に保持駆動する。
【0067】
(実施例4)
次に、実施例4の液晶シャッタ1及び液晶シャッタ1の保持駆動(駆動方法)について説明する。実施例4の液晶シャッタ1及び液晶シャッタ1の保持駆動は、保持駆動期間の透過率が正規駆動期間の透過率と同等となるよう調整された保持電圧(電圧VSL、VSH)の電圧レベルが深く、消費電力を十分低減できない場合、保持電圧(電圧VSL、VSH)の電圧レベルを臨界電圧VTL、VTHより浅くならないように徐々に浅くし、臨界電圧VTL、VTHより浅くならない範囲内の電圧レベルに調整された保持電圧(電圧VWL、VWH)を、それぞれ第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rに印加する以外、上記実施例3の液晶シャッタ1及び液晶シャッタ1の駆動方法と同様に構成されている。
【0068】
これにより、保持駆動期間の第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rの透過率を、正規駆動期間の透過率から徐々に上げることができる。また、保持駆動期間の第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rを、透過状態に保持することができる。
【0069】
詳しくは、図2、図3及び図12に示すように、正規駆動から保持駆動に切替わった保持駆動期間において、第1液晶パネル3Lに印加する保持電圧の周波数は、120Hzに設定されている。
【0070】
保持駆動期間、駆動部5は、第1液晶パネル3L(第1電極12)に印加する電圧Vdの電圧レベルを臨界電圧VTLより浅くならないように電圧VSLから電圧VWLに徐々に浅くする。また、電圧Vdの電圧レベルを臨界電圧VTHより浅くならないように電圧VSHから電圧VWHに徐々に浅くする。なお、第2電極22は、常時、接地電位に設定される。
【0071】
保持電圧は、正規電圧より相対的に電圧レベルが浅く設定されている。電圧VWL及び電圧VWHは、液晶分子30mがベンド配向からスプレイ配向に逆転移する臨界電圧(閾値電圧)VTL、VTH以上に深く設定されている。
【0072】
保持電圧は、保持駆動期間の透過率が正規駆動期間の透過率から徐々に向上するように調整されている。ここでは、第1液晶パネル3Lは、電圧Vdの電圧レベルが、0V時に30%の透過率を示し、±10V(電圧VBL、VBH)時に0%の透過率を示し、電圧VSL、VSH時に15%の透過率を示し、電圧VWL、VWH時に15%を超え30%未満の透過率を示す。駆動部5は、保持駆動に切替えてから黒表示(黒挿入)無しに第1液晶パネル3Lを保持駆動するため、第1液晶パネル3Lを、消費電力の増大なく、常時、透過状態に保持することができる。
なお、保持駆動期間、駆動部5は、第2液晶パネル3Rを、第1液晶パネル3Lと同様に保持駆動する。
【0073】
次に、上記実施の形態の画像表示システムの液晶シャッタ1及び液晶表示装置2の関係をさらに説明する。以下、透過状態(ON)の期間及び非透過状態(OFF)の期間毎に電圧Vdの極性を、フリッカを低減するために少なくとも1回反転させる極性反転駆動を行う液晶シャッタ1を例に説明する。液晶表示装置2は、映像(動画像)及び静止画像を表示可能であるが、ここでは、液晶表示装置2が映像を表示する場合について説明する。
【0074】
図1に示すように、液晶表示装置2は、映像を表示し、現在表示されている映像が左目用映像及び右目用映像のどちらであるかを示す識別情報を同時に出力する。図1及び図2に示すように、液晶シャッタ1の受信器7は、液晶表示装置2から出力される識別情報を受信し、この情報を駆動部5に伝送する。これにより、駆動部5は、第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rの開閉動作を、液晶表示装置2の左目用の映像表示及び右目用の映像表示に同期させることができる。
【0075】
図13には、液晶表示装置2の構成を示している。
図13に示すように、液晶表示装置2の入力端子110には、左目用の映像信号及び右目用の映像信号が入力される。これらの信号は、放送信号から取得した信号、及び記録媒体から再生された信号の何れであってもよい。入力端子110には、平面映像表示用の映像信号も入力されるが、以下、立体映像表示用の映像信号(左目用の映像信号及び右目用の映像信号)が入力される場合について説明する。
【0076】
入力端子110に入力された映像信号は映像信号処理回路111及び同期信号処理回路113に伝送される。同期信号処理回路113は、映像信号から水平同期信号H及び垂直同期信号Vを分離して出力する。
【0077】
水平同期信号H及び垂直同期信号Vは、映像信号処理回路111に入力され、信号処理のためのタイミングパルスとして利用される。また、水平同期信号H及び垂直同期信号Vは、液晶表示装置2の表示部112に入力され、水平走査、垂直走査のためのタイミングパルスとして利用される。液晶表示装置2は、映像信号処理回路111から出力される左目用映像信号L及び右目用映像信号Rを交互に表示する。
【0078】
ここで、右目用映像信号Rの一部には、例えば、垂直ブランキング期間の直後であって、通常は表示領域には現れない水平期間にR識別信号RIDが挿入されている。R識別信号RIDは、映像信号処理回路111にて抽出される。このR識別信号RIDは、同期信号送信回路114に入力される。また、同期信号送信回路114には、上記垂直同期信号Vも入力される。
【0079】
同期信号送信回路114は、垂直同期信号V及びR識別信号RIDを用いて、第2液晶パネル同期信号RG_SYNCを生成し、受信器7に向けて送信する。この実施例では、第2液晶パネル同期信号RG_SYNCを送信しているが、第1液晶パネル同期信号であってもよく、また両方を送信しても良い。
【0080】
図14には、液晶シャッタ1の受信器7を示している。また、図15には、受信器7の各部の信号波形を示している。
図14及び図15に示すように、受信回路211は、第2液晶パネル同期信号RG_SYNCを復調する。第2液晶パネル同期信号RG_SYNCは、電圧制御発振器212に位相同期信号aとして入力される。電圧制御発振器212は、位相ロックループ及び分周器を含むものであり、第2液晶パネル同期信号RG_SYNCに位相同期したパルス信号bを生成し、出力する。パルス信号bは、1フレーム期間毎に、ローレベルからハイレベルに切替えられる。パルス信号bは、増幅器213に入力され基準電位を中心にして正、負対称のパルスに整形され、スイッチ215に入力される。また、パルス信号bは1/2分周器214に入力され、1/2分周器214はスイッチ制御パルス信号cとして出力する。
【0081】
スイッチ制御パルスcが正のとき、スイッチ215を端子Aに接続し、スイッチ制御パルスcが負のとき、スイッチ215を端子Bに接続する。端子Aは、増幅器216及び増幅器219に接続され、端子Bは増幅器217及び増幅器218に接続されている。増幅器216は端子Aからの信号dを増幅し、増幅器217は端子Bからの信号eを増幅する。増幅器216及び増幅器217で増幅された信号は、合成され、出力端子221に第2液晶パネル駆動信号h(電圧Vd)として出力される。ここで、増幅器216の増幅率は増幅器217の増幅率より小さく設定されている。
【0082】
一方、増幅器219は端子Aからの信号g(=d)を増幅し、増幅器218は端子Bからの信号f(=e)を増幅する。増幅器219及び増幅器218で増幅された信号は、合成され、出力端子222に第1液晶パネル駆動信号i(電圧Vd)として出力される。ここで、増幅器218の増幅率は増幅器219の増幅率より小さく設定されている。
【0083】
上記第2液晶パネル駆動信号h及び第1液晶パネル駆動信号iにより、第2液晶パネル3R及び第1液晶パネル3Lがそれぞれ駆動される。なお、図15のjには、第1液晶パネル3L(左目用)及び第2液晶パネル3R(右目用)の開閉シーケンスを示し、kには、液晶表示装置に表示される左目用の映像及び右目用の映像のシーケンスを示している。
【0084】
以上のように構成された液晶シャッタ1を備えた画像表示システム及び液晶シャッタ1の駆動方法によれば、画像表示システムは、メガネ装着型の液晶シャッタ1と、左目用の画像(映像)と右目用の画像(映像)とを交互に表示する液晶表示装置2とを備えている。液晶シャッタ1は、左目用のOCBモードの第1液晶パネル3Lと、右目用のOCBモードの第2液晶パネル3Rと、駆動部5とを備えている。
【0085】
駆動部5は、パルス状の正規電圧を第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rに印加し、それぞれ第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rを液晶分子30mがベンド配向を採った状態で透過状態(ON)及び非透過状態(OFF)に交互に切替える正規駆動を行うことができる。
【0086】
液晶表示装置2は120Hzの周波数で左目用の画像(映像)と右目用の画像(映像)とを交互に表示し、第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rは120Hzの周波数で透過状態(ON)及び非透過状態(OFF)に交互に切替えられるため、実質60Hzの周波数で画像を表示した場合と同等の鮮明な立体画像を、液晶シャッタ1を装着したユーザに表示することができる。
【0087】
駆動部5は、正規電圧より周波数が小さい特性及び正規電圧より相対的に電圧レベルが浅い特性の少なくとも一方の上記特性を持ったパルス状の保持電圧を第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rに印加し、液晶分子30mがベンド配向を採った状態を保持する保持駆動を、正規駆動から切替えて行うことができる。
【0088】
実施例1及び2では、保持電圧は、正規電圧より周波数が小さい特性を持っている。実施例1乃至4では、保持電圧は、正規電圧より相対的に電圧レベルが浅い特性を持っている。このため、実施例1乃至4の液晶シャッタ1(駆動部5)は、正規駆動より消費電力を低減でき液晶分子30mがベンド配向を採った状態を保持する保持駆動を行うことができる。
【0089】
実施例1及び3では、保持電圧は保持駆動期間の透過率が正規駆動期間の透過率と同等となるよう調整されているため、駆動部5は、液晶シャッタ1を装着したユーザに違和感を与えること無しに、正規駆動から保持駆動に切替えることができる。
【0090】
実施例2では、保持電圧は保持駆動期間の透過率が正規駆動期間の透過率から徐々に低下するよう調整されている。実施例4では、保持電圧は保持駆動期間の透過率が正規駆動期間の透過率から徐々に向上するよう調整されている。液晶シャッタ1を装着したユーザの視界が急に明るくなったり、暗くなったりしないため、駆動部5は、液晶シャッタ1を装着したユーザに与える違和感を抑えて、正規駆動から保持駆動に切替えることができる。
【0091】
上記したことから、消費電力の低減が可能であり、しかも動作安定性の確保が可能な液晶シャッタ1、液晶シャッタ1の駆動方法及び液晶シャッタ1を備えた画像表示システムを得ることができる。
【0092】
なお、この発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化可能である。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0093】
例えば、保持電圧の周波数は、好ましくは10Hz乃至0.01Hzの範囲内であり、これにより、正規駆動より消費電力を低減でき液晶分子がベンド配向を採った状態を保持する保持駆動を行うことができる。
【0094】
正規駆動期間において、それぞれ第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rを、透過状態及び記非透過状態に交互に切替える際の駆動電源のスルーレートを低くし、すなわち、電圧Vdの立ち上がり及び立下りを悪くしてもよい。詳しくは、駆動電源のスルーレートを、液晶の応答速度(第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3RのON/OFFのどちらか高速な方)より高速に充電を完了するような値以上のうち、十分低く設定すればよい。これにより、ピーク電流が下がるため、低消費電力化を図ることができる。
【0095】
但し、スルーレートを低くすると、透過状態から非透過状態への切替えが遅延することになる。この場合、スルーレートを低く設定した分、デューティ(Duty)を小さく設定し、第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rの透過率を切替えるタイミング(この例では、透過状態から非透過状態に切替えるタイミング)を早く設定すればよい。
【0096】
上記液晶シャッタ1及び液晶シャッタ1の駆動方法は、ユーザが液晶シャッタ1を取外した場合、駆動部5が正規駆動から保持駆動に切替えるよう構成されていてもよい。この場合、第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rの透過率を考慮すること無しに保持駆動を行うことができる。なお、ユーザが液晶シャッタ1を取外したかどうかは、メガネフレーム4にセンサを設ける等すれば容易に検知することができる。
【0097】
保持駆動期間中、ユーザが液晶シャッタ1を再装着した場合など、駆動部5は、保持駆動から正規駆動に切替えてもよい。また、特定の時間ユーザが液晶シャッタ1を再装着しない場合など、駆動部5は、第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rの駆動を停止してもよい。
【0098】
上記電圧Vd及び電圧Vcomの電圧値は上記の例に限定されるものではなく、種々変形可能であり、第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rの設計に合うよう調整されていればよい。
【0099】
上記実施の形態において、液晶表示装置2は120Hzの周波数で左目用の画像(映像)と右目用の画像(映像)とを交互に表示し、第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rは120Hzの周波数で透過状態(ON)及び非透過状態(OFF)に交互に切替えられるが、これらの周波数は120Hzに限定されるものではなく、種々変形可能である。
【0100】
第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rは、ノーマリーホワイト型であるが、これに限定されるものではなく、設計を調整することにより、電圧を印加しない状態で光遮断状態となるノーマリーブラック型であってもよい。
【0101】
駆動部5は、筐体8に収容されているが、これに限定されるものではなく種々変形可能であり、例えば、一部又は全てが第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rに設けられていてもよい。
【0102】
液晶シャッタ1は、メガネ装着型の液晶シャッタに限定されるものではなく、種々変形可能であり、この場合、メガネフレーム4以外の部材に取付けられていればよい。
【0103】
液晶表示装置2は、左目用の画像及び右目用の画像を表示する際、2つの照明部91及び95を用いたが、これに限定されるものではなく、種々変形可能であり、公知技術等、他の手段で代用することも可能である。
【0104】
上記表示装置は、液晶表示装置2に限定されるものではなく、種々変形可能であり、CRT(cathode-ray tube)表示装置等の表示装置であってもよい。
【符号の説明】
【0105】
1…液晶シャッタ、2…液晶表示装置、3L…第1液晶パネル、3R…第2液晶パネル、4…メガネフレーム、5…駆動部、7…受信器、10,20…電極基板、14,24…光学補償フィルム、15,25…偏光板、30…液晶層、30m…液晶分子、50…液晶表示パネル、90…バックライトユニット、100…制御部、PX…画素、Vd,Vcom…電圧、VTL,VTH…臨界電圧。
【技術分野】
【0001】
この発明は、液晶シャッタ、液晶シャッタの駆動方法及び画像表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、立体画像を表示するための技術が種々提案されている。上記技術として、例えばアクティブシャッタ方式の液晶シャッタと、時分割方式の液晶表示装置等の表示装置とを用いた立体画像表示技術が知られている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
【0003】
液晶表示装置は、左目用の画像と右目用の画像とを交互に表示する。液晶シャッタは、液晶表示装置の画像表示に連動し、左目用の液晶パネル及び右目用の液晶パネルを透過状態(オン)及び非透過状態(オフ)に切替える。
【0004】
液晶表示装置が左目用の画像を表示している間、液晶表示装置から出射される光は、左目用の液晶パネルは透過し、右目用の液晶パネルは遮蔽する。同様に、液晶表示装置が右目用の画像を表示している間、液晶表示装置から出射される光は、左目用の液晶パネルは遮蔽し、右目用の液晶パネルは透過する。
【0005】
これにより、液晶シャッタを装着したユーザは、左目用の画像と、右目用の画像とを左右の目で交互にみることとなり、液晶表示装置に表示される平面画像を立体画像のようにみることができる。この際、液晶シャッタは、液晶表示装置から送信される同期信号を基に液晶表示装置が表示する画像に同期を取って正規駆動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−191399号公報
【特許文献2】特開2000−275575号公報
【特許文献3】特開2007−110683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、液晶シャッタが受信する同期信号が何らかの障害によって途絶えた場合、液晶シャッタユーザの視線が液晶表示装置以外に移動すると他光源及び液晶シャッタ間に干渉作用が生じ、液晶シャッタユーザは不快である。また、正規駆動では120Hz相当の高周波駆動を行うことから消費電力が大きいため、正規駆動は、立体画像を鑑賞する以外では無用である。
【0008】
また、液晶シャッタには、高速な応答速度が要求されることからOCB(Optically Compensated Bend)液晶を用いることが望ましい。しかし、OCB液晶を使用する場合、通常、初期配向状態がスプレイ配向をとるため、所定の電圧を印加してベンド配向状態に初期転移させた後に動作させる必要がある。また、OCB液晶は、一定期間、所定の電圧が印加されないとベンド配向からスプレイ配向に逆転移する性質がある。このため、短時間の同期信号断絶時や液晶シャッタ不使用時に電源がオフされると、初期配向状態であるスプレイ配向状態に逆転移してしまい、その使用にあたっては再びスプレイ配向からベンド配向に転移させる必要が生じ、その動作上、安定性に欠ける恐れがある。
【0009】
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、消費電力の低減が可能であり、しかも動作安定性の確保が可能な液晶シャッタ、液晶シャッタの駆動方法及び液晶シャッタを備えた画像表示システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の態様に係る液晶シャッタは、
一対の電極基板及び前記電極基板間に挟持された液晶層を有し、左目の視界を覆い、左目に入射される光の透過率を制御可能なOCBモードの第1液晶パネルと、
一対の電極基板及び前記電極基板間に挟持された液晶層を有し、右目の視界を覆い、右目に入射される光の透過率を制御可能なOCBモードの第2液晶パネルと、
パルス状の正規電圧を前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルを液晶分子がベンド配向を採った状態で透過状態及び非透過状態に交互に切替える正規駆動と、前記正規電圧より周波数が小さい特性及び前記正規電圧より相対的に電圧レベルが浅い特性の少なくとも一方の上記特性を持ったパルス状の保持電圧を前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、前記液晶分子がベンド配向を採った状態を保持する保持駆動と、を切替えて行う駆動部と、を備えていることを特徴としている。
【0011】
また、本発明の他の態様に係る液晶シャッタの駆動方法は、
一対の電極基板及び前記電極基板間に挟持された液晶層を有し、左目の視界を覆い、左目に入射される光の透過率を制御可能なOCBモードの第1液晶パネルと、一対の電極基板及び前記電極基板間に挟持された液晶層を有し、右目の視界を覆い、右目に入射される光の透過率を制御可能なOCBモードの第2液晶パネルと、を備えた液晶シャッタの駆動方法において、
パルス状の正規電圧を前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルを液晶分子がベンド配向を採った状態で透過状態及び非透過状態に交互に切替える正規駆動を行い、
前記正規電圧より周波数が小さい特性及び前記正規電圧より相対的に電圧レベルが浅い特性の少なくとも一方の上記特性を持ったパルス状の保持電圧を前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、前記液晶分子がベンド配向を採った状態を保持する保持駆動を前記正規駆動と切替えて行うことを特徴としている。
【0012】
また、本発明の他の態様に係る画像表示システムは、
一対の電極基板及び前記電極基板間に挟持された液晶層を有し、左目の視界を覆い、左目に入射される光の透過率を制御可能なOCBモードの第1液晶パネルと、一対の電極基板及び前記電極基板間に挟持された液晶層を有し、右目の視界を覆い、右目に入射される光の透過率を制御可能なOCBモードの第2液晶パネルと、パルス状の正規電圧を前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルを液晶分子がベンド配向を採った状態で透過状態及び非透過状態に交互に切替える正規駆動と、前記正規電圧より周波数が小さい特性及び前記正規電圧より相対的に電圧レベルが浅い特性の少なくとも一方の上記特性を持ったパルス状の保持電圧を前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、前記液晶分子がベンド配向を採った状態を保持する保持駆動と、を切替えて行う駆動部と、を備えている液晶シャッタと、
画像を表示し、画像情報に合った同期信号を前記液晶シャッタに送信する表示装置と、を備え、
前記駆動部は、前記同期信号を受信した場合前記同期信号を基に前記表示装置が表示する画像に同期を取って前記正規駆動を行うことを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、消費電力の低減が可能であり、しかも動作安定性の確保が可能な液晶シャッタ、液晶シャッタの駆動方法及び液晶シャッタを備えた画像表示システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像表示システムを示す概略構成図である。
【図2】図1に示した液晶シャッタを示す概略構成図である。
【図3】図1及び図2に示した第1液晶パネルを示す断面図である。
【図4】上記第1液晶パネルの断面図であり、第1液晶パネルが透過状態となる場合の液晶分子の配向状態を示す図である。
【図5】上記第1液晶パネルの断面図であり、第1液晶パネルが非透過状態となる場合の液晶分子の配向状態を示す図である。
【図6】図1に示した液晶表示装置を概略的に示す断面図である。
【図7】図6に示したアレイ基板の一部を示す概略構成図である。
【図8】上記画像表示システムの液晶表示装置の画像表示と、第1液晶パネルのON/OFFと、第2液晶パネルのON/OFFと、第1液晶パネルに印加される駆動電圧と、第2液晶パネルに印加される駆動電圧と、を示すタイミングチャートである。
【図9】上記画像表示システムの実施例1の第1液晶パネルに印加される駆動電圧を示すタイミングチャートである。
【図10】上記画像表示システムの実施例2の第1液晶パネルに印加される駆動電圧を示すタイミングチャートである。
【図11】上記画像表示システムの実施例3の第1液晶パネルに印加される駆動電圧を示すタイミングチャートである。
【図12】上記画像表示システムの実施例4の第1液晶パネルに印加される駆動電圧を示すタイミングチャートである。
【図13】上記液晶表示装置の一部を概略的に示す構成図である。
【図14】上記液晶シャッタの受信器を概略的に示す構成図である。
【図15】上記受信器の各部の信号波形を示すタイミングチャートであり、(1)位相同期信号a、(2)パルス信号b、(3)スイッチ制御パルス信号c、(4)信号d、(5)信号e、(6)信号f、(7)信号g、(8)第2液晶パネル駆動信号h、(9)第1液晶パネル駆動信号i、(10)第1液晶パネル及び第2液晶パネルの開閉シーケンス、(11)液晶表示装置に表示される映像のシーケンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態に係る液晶シャッタを備えた画像表示システム及び液晶シャッタの駆動方法について詳細に説明する。始めに、画像表示システムの構成を説明する。
図1に示すように、画像表示システムは、アクティブシャッタ方式の液晶シャッタ1と、表示装置としての液晶表示装置2と、を備えている。
【0016】
図1乃至図3に示すように、液晶シャッタ1は、第1液晶パネル3Lと、第2液晶パネル3Rと、メガネフレーム4と、駆動部5と、電源部6と、受信器7と、筐体8とを備えている。この実施の形態において、液晶シャッタ1は、メガネ装着型の液晶シャッタである。
【0017】
第1液晶パネル3Lは、一対の電極基板10、20と、電極基板間に挟持された液晶層30と、を有している。
電極基板10は、透明な絶縁基板としてのガラス基板11と、このガラス基板11上に形成された第1電極12と、ガラス基板11及び第1電極12上に形成された配向膜13とを有している。絶縁基板としてはガラス基板の他に、プラスチック基板や樹脂フィルムなども適用することができる。電極基板10上には、光学補償フィルム14及び偏光板15が配置されている。光学補償フィルム14及び偏光板15は、ガラス基板11に対して第1電極12の反対側に位置し、ガラス基板11の外面上に順に配置されている。
【0018】
電極基板20は、透明な絶縁基板としてのガラス基板21と、このガラス基板21上に形成された第2電極22と、ガラス基板21及び第2電極22上に形成された配向膜23とを有している。同様に、絶縁基板としてはガラス基板の他に、プラスチック基板や樹脂フィルムなども適用することができる。電極基板20上には、光学補償フィルム24及び偏光板25が配置されている。光学補償フィルム24及び偏光板25は、ガラス基板21に対して第2電極22の反対側に位置し、ガラス基板21の外面上に順に配置されている。
【0019】
第1電極12及び第2電極22は、透明な導電材料として、例えばITO(インジウム・ティン・オキサイド)で形成されている。配向膜13及び配向膜23は、同一方向に配向処理(ラビング)が施されている。偏光板15及び偏光板25は、配向方向に対して略45°で交差するようにクロスニコル配置されている。
【0020】
電極基板10及び電極基板20は、複数のスペーサとしての複数の球状スペーサ31により、所定の隙間を保持して対向配置され、両基板の周縁部に配置されたシール材32により互いに接合されている。球状スペーサ31に代えて柱状スペーサを一方の基板上に一体的に形成することもできる。液晶層30は、電極基板10、電極基板20及びシール材32で囲まれた領域に充填されたネマティック液晶で形成されている。
【0021】
上記のように、第1液晶パネル3Lは、πセルに光学補償フィルム14、24を組合せたOCB(optically compensated bend)モードの液晶パネルである。ここで、第1液晶パネル3Lは、電圧を印加しない状態で光透過状態となるノーマリーホワイト型である。第1液晶パネル3Lは、左目の視界を覆い、左目に入射される光の透過率を制御可能である。
【0022】
第1電極12に電圧Vdが印加され、第2電極22に電圧Vcomが印加されることにより、液晶層30に駆動電圧が印加される。図4及び図5に示すように、液晶層30に例えば20V程度の閾値電圧以上の駆動電圧が印加されることにより、液晶分子30mがスプレイ(splay)配向からベンド(bend)配向に転移する(初期転移)。そして、液晶層30に所望の駆動電圧が印加されることにより、液晶分子30mのベンド配向を維持しつつ第1液晶パネル3Lを透過状態及び非透過状態に切替えることができる。第1液晶パネル3Lは、ベンド配向とフロー効果により高速応答性に優れている。
【0023】
図1乃至図3に示すように、第2液晶パネル3Rは、上記第1液晶パネル3Lと同様に形成されている。第2液晶パネル3Rは、一対の電極基板10、20及びこれら電極基板間に挟持された液晶層30を有し、右目の視界を覆い、右目に入射される光の透過率を制御可能なOCBモードの液晶パネルである。ここで、第2液晶パネル3Rは、電圧を印加しない状態で光透過状態となるノーマリーホワイト型である。
【0024】
なお、第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rにおいて、図示しないが、これらの形状やこれらに形成される端子の位置は互いに異なっていてもよく、これにより、例えば、第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rが左目用及び右目用の何れであるのか識別することができる。
図1に示すように、第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rは、メガネフレーム4に取付けられている。
【0025】
図2に示すように、駆動部5は、フレキシブル配線基板(FPC)等を介して第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rそれぞれの第1電極12及び第2電極22に電気的に接続されている。駆動部5は、第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rそれぞれに電圧Vd及び電圧Vcomを印加し、第1液晶パネル3L(液晶層30)及び第2液晶パネル3R(液晶層30)にパルス状の正規電圧を印加する正規駆動と、第1液晶パネル3L(液晶層30)及び第2液晶パネル3R(液晶層30)にパルス状の保持電圧を印加し正規駆動より消費電力を低減でき液晶分子がベンド配向を採った状態を保持する保持駆動と、を切替えて行うことができる。
【0026】
駆動部5は、正規駆動を行うことにより、それぞれ第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rを液晶分子30mがベンド配向を採った状態で透過状態及び非透過状態に交互に切替えることができる。
【0027】
電源部6及び受信器7は、駆動部5に接続されている。電源部6は、駆動部5に電力を供給するものである。受信器7は、有線又は無線通信によりデータ(同期信号)を受信するものである。駆動部5は、受信器7で受信したデータに基づいて、第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rに駆動電圧を印加するものである。筐体8は、駆動部5、電源部6及び受信器7を収容し、メガネフレーム4に取付けられている。
上記のように液晶シャッタ1が形成されている。
【0028】
図1及び図6に示すように、液晶表示装置2は、液晶表示パネル50、バックライトユニット90、及び制御部100を備えている。液晶表示パネル50は、アレイ基板60と、アレイ基板60に対向配置された対向基板70と、アレイ基板60及び対向基板70間に挟持された液晶層80とを備えている。
【0029】
図6及び図7に示すように、アレイ基板60は、透明な絶縁基板として矩形状のガラス基板61を備えている。ガラス基板61上には、複数の信号線62と、複数の走査線63とが形成されている。信号線62及び走査線63は、互いに直交して形成されている。また、ガラス基板61上には、走査線63に平行な複数の補助容量線64が形成されている。この実施の形態において、隣合う2本の信号線62及び隣合う2本の走査線63で囲まれた各領域には画素PXが形成されている。これらの画素PXは、ガラス基板61上にマトリクス状に配置されている。
【0030】
次に、画素PXを1つ取り出して詳述する。
画素PXは、信号線62及び走査線63の交差部近傍に形成されたスイッチング素子としてのTFT(薄膜トランジスタ)65と、TFT65に接続された画素電極66と、画素電極66に接続された補助容量素子67と、を有している。補助容量線64は、補助容量素子67の一方の電極を形成している。
【0031】
図示しないが、ガラス基板61上に、赤色、緑色及び青色の複数の着色層を有したカラーフィルタが形成されている。なお、上記画素電極66はITO等の透明な導電材料でカラーフィルタ上に形成されている。また、カラーフィルタ上には、スペーサとして、例えば複数の柱状スペーサ68が形成されている。上記のように、ガラス基板61上にアレイパターン60Pが形成されている。ガラス基板61及びアレイパターン60P上に配向膜69が形成されている。
【0032】
対向基板70は、透明な絶縁基板として矩形状のガラス基板71を備えている。ガラス基板71上に、対向電極72及び配向膜73が順に形成されている。なお、配向膜69及び配向膜73には同一方向に配向処理(ラビング)が施されている。このように、対向基板70が形成されている。
【0033】
アレイ基板60及び対向基板70間の隙間は、複数の柱状スペーサ68により保持されている。アレイ基板60及び対向基板70は、表示領域の外周に沿って配置されたシール材81により接合されている。液晶層80は、アレイ基板60、対向基板70及びシール材81で囲まれた領域に充填されたネマティック液晶で形成されている。
【0034】
アレイ基板60の外面上に、光学補償フィルム51及び偏光板52が順に形成されている。対向基板70の外面上に、光学補償フィルム53及び偏光板54が順に形成されている。偏光板52及び偏光板54は、配向方向に対して略45°で交差するようにクロスニコル配置されている。上記のように、液晶表示パネル50は、OCBモードの液晶パネルである。ここで、液晶表示パネル50は、電圧を印加しない状態で光透過状態となるノーマリーホワイト型である。
【0035】
図6に示すように、バックライトユニット90は、アレイ基板60の外面側に設けられている。バックライトユニット90は、偏光板52と対向した導光板を含む導光体92と、導光体92の一側縁に対向配置された、例えば冷陰極線管からなる光源93及び反射板94を有している。
【0036】
次に、上記画像表示システムの液晶シャッタ1及び液晶シャッタ1の駆動方法について説明する。液晶シャッタ1及び液晶シャッタ1の駆動方法は、画像表示システムを用いて立体画像を表示している際、液晶表示装置2から液晶シャッタ1に送信される同期信号が何らかの障害によって途絶えた場合を想定し、この場合、駆動部5が正規駆動から保持駆動に切替えて行うものである。
【0037】
まず、画像表示システムを用いて立体画像を表示する場合に行う上記液晶シャッタ1及び液晶表示装置2の動作、特に、駆動部5による正規駆動について説明する。
図6及び図8に示すように、制御部100は、120Hzのフレーム周波数で左目用の画像と右目用の画像とを交互に表示するよう、液晶表示パネル50の駆動を制御する。ここで、1フレーム(1F)とは、全ての画素PXを順次走査し再び同一の画素PXを走査するまでの時間である。
【0038】
上記のことから、液晶表示装置2は、実質60Hzの周波数で解像度の低下なく立体画像の表示を可能にしている。
【0039】
駆動部5は、パルス状の正規電圧を第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rに印加し、それぞれ第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rを液晶分子30mがベンド配向を採った状態で透過状態及び非透過状態に交互に切替える正規駆動を行う。
【0040】
詳しくは、図1、図2及び図8に示すように、任意の1フレームの期間、駆動部5は、液晶表示装置2による右目用の画像表示に同期を取って第1液晶パネル3Lを非透過状態(OFF)に切替えている間、第2液晶パネル3Rを透過状態(ON)に切替える。このフレームの期間、第1液晶パネル3Lの透過率はほぼ0%である。
【0041】
続く、1フレームの期間、駆動部5は、液晶表示装置2による左目用の画像表示に同期を取って第1液晶パネル3Lを透過状態(ON)に切替えている間、第2液晶パネル3Rを非透過状態(OFF)に切替える。第1液晶パネル3Lを透過状態(ON)に切替えると、第1液晶パネル3Lは高速応答性を示し、第1液晶パネル3Lの透過率が0%から上昇する。このため、このフレームの期間、第1液晶パネル3Lは透過状態となる。
【0042】
その後も、液晶表示装置2の画像表示に同期を取って第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rを交互に透過状態に切替える。駆動部5は、それぞれ第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rを透過状態(ON)に切替える際、前回、透過状態(ON)に切替えてから60分の1秒後に切替えている。これにより、液晶シャッタ1を装着したユーザは、左目用の画像と、右目用の画像とを左右の目で交互にみることができ、ユーザに立体画像を表示することができる。
【0043】
次に、画像表示システムを用いて立体画像を表示している際、液晶表示装置2から液晶シャッタ1に送信される同期信号が何らかの障害によって途絶えた場合などに行う上記液晶シャッタ1の動作、特に、駆動部5による保持駆動について説明する。以下、実施例1乃至4の液晶シャッタ1の駆動部5の保持駆動について説明する。
【0044】
実施例1乃至4の液晶シャッタ1の保持駆動は、正規駆動より消費電力を低減でき液晶分子30mがベンド配向を採った状態を保持する保持駆動の例である。保持駆動は、正規電圧より周波数が小さい特性及び正規電圧より相対的に電圧レベルが浅い特性の少なくとも一方の特性を持ったパルス状の保持電圧を第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rに印加することにより行われる。
ここで、上記保持電圧が上記正規電圧より相対的に電圧レベルが浅いとは、上記保持電圧の絶対値が上記正規電圧の絶対値より相対的に小さい、と言い換えることができる。
【0045】
(実施例1)
まず、実施例1の液晶シャッタ1及び液晶シャッタ1の保持駆動(駆動方法)について説明する。実施例1の液晶シャッタ1及び液晶シャッタ1の保持駆動は、正規電圧より周波数が小さく設定された保持電圧をそれぞれ第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rに印加する保持駆動を極性反転駆動法を用いて行い、それぞれ第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rを、常時、透過状態に保持するように構成されている。
【0046】
詳しくは、図2、図3及び図9に示すように、正規駆動から保持駆動に切替わった保持駆動期間において、第1液晶パネル3Lに印加する保持電圧の周波数は、120Hzより小さく設定されている。
【0047】
保持駆動期間、駆動部5は、第1液晶パネル3L(第1電極12)に印加する電圧Vdの極性を反転させる極性反転駆動を行う。
駆動部5は、第1液晶パネル3Lの第1電極12に、電圧VSL及び電圧VSHを等間隔で交互に印加できるパルス状の電圧Vdを印加し、第2電極22に0Vの電圧Vcomを印加する。なお、第2電極22は、常時、接地電位に設定される。
【0048】
電圧VSL及び電圧VSHは、液晶分子30mがベンド配向からスプレイ配向に逆転移する臨界電圧(閾値電圧)VTL、VTH以上に深く設定されている。言い換えると、電圧VSL及び電圧VSHの絶対値は、臨界電圧VTL、VTHの絶対値以上である。
【0049】
保持電圧は、正規電圧より相対的に電圧レベルが浅く設定されている。ここでは、電圧VSLは、−4Vであり、−10Vの電圧VBLより浅く設定されている。電圧VSHは、+4Vであり、+10Vの電圧VBHより浅く設定されている。
【0050】
保持電圧は、保持駆動期間の透過率が正規駆動期間の透過率と同等となるよう調整されている。ここでは、第1液晶パネル3Lは、電圧Vdの電圧レベルが、0V時に30%の透過率を示し、±10V(電圧VBL、VBH)時に0%の透過率を示し、±4V時に15%の透過率を示す。駆動部5は、上記した電圧設定により、黒表示(黒挿入)無しにベンド配向を維持させつつ第1液晶パネル3Lを保持駆動するため、消費電力の増大なく第1液晶パネル3Lを、常時、透過状態に保持することができる。
【0051】
なお、保持駆動期間、駆動部5は、第2液晶パネル3Rを、第1液晶パネル3Lと同様に保持駆動する。
駆動部5は、液晶表示装置2からの同期信号が途絶えても、内部のクロック信号に基づいた自走駆動により、保持駆動を行うことができるものである。
【0052】
保持駆動期間中、液晶表示装置2からの同期信号が液晶シャッタ1で受信可能な状態に復帰した場合など、ベンド配向が維持されているため、駆動部5は、保持駆動から即座に正規駆動に切替えることが可能であり、これにより動作安定性の確保も可能となる。
【0053】
また、特定の時間、例えば1分経過しても、液晶表示装置2からの同期信号が液晶シャッタ1で受信可能な状態に復帰しない場合など、駆動部5は、一層の低消費電力化を達成するために、第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rの駆動を停止するように構成することもできる。
【0054】
上記した実施形態では、第2電極22には常に0Vの電圧Vcomを印加する構成としたが、第1電極12に印加される電圧と逆位相で交番する電圧を印加することもできる。この場合、各電極に印加される電圧の振幅が小さくできるという利点がある。また、この場合、一方の電極に印加される電圧を制御しても良いし、または両方の電極12,22に印加される電圧を制御してもかまわない。この点は、以下の実施例においても同様である。
【0055】
(実施例2)
次に、実施例2の液晶シャッタ1及び液晶シャッタ1の保持駆動(駆動方法)について説明する。実施例2の液晶シャッタ1及び液晶シャッタ1の保持駆動は、保持駆動期間に、非透過状態となる期間の正規電圧(電圧VBL、VBH)の電圧レベルを臨界電圧VTL、VTHより浅くならないように徐々に浅くし、透過状態となる期間の正規電圧(0V)の電圧レベルを臨界電圧VTL、VTH以上に深くなるように徐々に深くし、臨界電圧VTL、VTHより浅くならない範囲内の電圧レベルに調整された保持電圧を、それぞれ第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rに印加する以外、上記実施例1の液晶シャッタ1及び液晶シャッタ1の駆動方法と同様に構成されている。
【0056】
これにより、保持駆動期間の第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rの透過率を、正規駆動期間の透過率から徐々に下げることができる。また、保持駆動期間の第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rを透過状態に保持することができる。
【0057】
なお、実施例2において、非透過状態となる期間の正規電圧(電圧VBL、VBH)より電圧レベルが浅く設定され、かつ保持駆動期間の透過率が正規駆動期間の透過率と同等となるよう調整された保持電圧(電圧VSL、VSH)は、臨界電圧VTL、VTHより浅く設定されている。
【0058】
詳しくは、図2、図3及び図10に示すように、正規駆動から保持駆動に切替わった保持駆動期間において、第1液晶パネル3Lに印加する保持電圧の周波数は、最初は120Hzであるが、一定期間後には120Hzより小さく設定されている。
【0059】
保持駆動期間、駆動部5は、第1液晶パネル3L(第1電極12)に印加する電圧Vdの電圧レベルを臨界電圧VTLより浅くならないように電圧VBLから徐々に浅くする。また、電圧Vdの電圧レベルを臨界電圧VTHより浅くならないように電圧VBHから徐々に浅くする。さらに、電圧Vdの電圧レベルを臨界電圧VTL、VTH以上に深くなるように徐々に深くする。なお、第2電極22は、常時、接地電位に設定される。
【0060】
保持電圧は、正規電圧より相対的に電圧レベルが浅く設定されている。ここでは、臨界電圧VTLは−5Vであり、臨界電圧VTHは+5Vである。
【0061】
保持電圧は、保持駆動期間の透過率が正規駆動期間の透過率から徐々に低下するように調整されている。ここでは、第1液晶パネル3Lは、電圧Vdの電圧レベルが、0V時に30%の透過率を示し、±10V(電圧VBL、VBH)時に0%の透過率を示し、±5V時に15%未満の透過率を示す。駆動部5は、保持駆動に切替えてから一定期間後にはに第1液晶パネル3Lを黒表示(黒挿入)無し保持駆動するため、消費電力の増大なく第1液晶パネル3Lを、常時、透過状態に保持することができる。
なお、保持駆動期間、駆動部5は、第2液晶パネル3Rを、第1液晶パネル3Lと同様に保持駆動する。
【0062】
(実施例3)
次に、実施例3の液晶シャッタ1及び液晶シャッタ1の保持駆動(駆動方法)について説明する。実施例3の液晶シャッタ1及び液晶シャッタ1の保持駆動は、正規電圧と同等の周波数に設定された保持電圧を、それぞれ第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rに印加する以外、上記実施例1の液晶シャッタ1及び液晶シャッタ1の駆動方法と同様に構成されている。これにより、保持駆動期間の第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rを、常時、透過状態に保持することができる。
【0063】
詳しくは、図2、図3及び図11に示すように、正規駆動から保持駆動に切替わった保持駆動期間において、第1液晶パネル3Lに印加する保持電圧の周波数は、120Hzに設定されている。
【0064】
保持駆動期間、駆動部5は、第1液晶パネル3L(第1電極12)に印加する電圧Vdの極性を反転させる極性反転駆動を行う。
駆動部5は、第1液晶パネル3Lの第1電極12に、電圧VSL及び電圧VSHを等間隔で交互に印加できるパルス状の電圧Vdを印加する。なお、第2電極22は、常時、接地電位に設定される。
【0065】
電圧VSL及び電圧VSHは、液晶分子30mがベンド配向からスプレイ配向に逆転移する臨界電圧(閾値電圧)VTL、VTH以上に深く設定されている。
保持電圧は、正規電圧より相対的に電圧レベルが浅く設定されている。ここでは、電圧VSLは、−4Vであり、−10Vの電圧VBLより浅く設定されている。電圧VSHは、+4Vであり、+10Vの電圧VBHより浅く設定されている。
【0066】
保持電圧は、保持駆動期間の透過率が正規駆動期間の透過率と同等となるよう調整されている。ここでは、第1液晶パネル3Lは、電圧Vdの電圧レベルが、0V時に30%の透過率を示し、±10V(電圧VBL、VBH)時に0%の透過率を示し、±4V時に15%の透過率を示す。駆動部5は、黒表示(黒挿入)無しに第1液晶パネル3Lを保持駆動するため、消費電力の増大なく第1液晶パネル3Lを、常時、透過状態に保持することができる。
なお、保持駆動期間、駆動部5は、第2液晶パネル3Rを、第1液晶パネル3Lと同様に保持駆動する。
【0067】
(実施例4)
次に、実施例4の液晶シャッタ1及び液晶シャッタ1の保持駆動(駆動方法)について説明する。実施例4の液晶シャッタ1及び液晶シャッタ1の保持駆動は、保持駆動期間の透過率が正規駆動期間の透過率と同等となるよう調整された保持電圧(電圧VSL、VSH)の電圧レベルが深く、消費電力を十分低減できない場合、保持電圧(電圧VSL、VSH)の電圧レベルを臨界電圧VTL、VTHより浅くならないように徐々に浅くし、臨界電圧VTL、VTHより浅くならない範囲内の電圧レベルに調整された保持電圧(電圧VWL、VWH)を、それぞれ第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rに印加する以外、上記実施例3の液晶シャッタ1及び液晶シャッタ1の駆動方法と同様に構成されている。
【0068】
これにより、保持駆動期間の第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rの透過率を、正規駆動期間の透過率から徐々に上げることができる。また、保持駆動期間の第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rを、透過状態に保持することができる。
【0069】
詳しくは、図2、図3及び図12に示すように、正規駆動から保持駆動に切替わった保持駆動期間において、第1液晶パネル3Lに印加する保持電圧の周波数は、120Hzに設定されている。
【0070】
保持駆動期間、駆動部5は、第1液晶パネル3L(第1電極12)に印加する電圧Vdの電圧レベルを臨界電圧VTLより浅くならないように電圧VSLから電圧VWLに徐々に浅くする。また、電圧Vdの電圧レベルを臨界電圧VTHより浅くならないように電圧VSHから電圧VWHに徐々に浅くする。なお、第2電極22は、常時、接地電位に設定される。
【0071】
保持電圧は、正規電圧より相対的に電圧レベルが浅く設定されている。電圧VWL及び電圧VWHは、液晶分子30mがベンド配向からスプレイ配向に逆転移する臨界電圧(閾値電圧)VTL、VTH以上に深く設定されている。
【0072】
保持電圧は、保持駆動期間の透過率が正規駆動期間の透過率から徐々に向上するように調整されている。ここでは、第1液晶パネル3Lは、電圧Vdの電圧レベルが、0V時に30%の透過率を示し、±10V(電圧VBL、VBH)時に0%の透過率を示し、電圧VSL、VSH時に15%の透過率を示し、電圧VWL、VWH時に15%を超え30%未満の透過率を示す。駆動部5は、保持駆動に切替えてから黒表示(黒挿入)無しに第1液晶パネル3Lを保持駆動するため、第1液晶パネル3Lを、消費電力の増大なく、常時、透過状態に保持することができる。
なお、保持駆動期間、駆動部5は、第2液晶パネル3Rを、第1液晶パネル3Lと同様に保持駆動する。
【0073】
次に、上記実施の形態の画像表示システムの液晶シャッタ1及び液晶表示装置2の関係をさらに説明する。以下、透過状態(ON)の期間及び非透過状態(OFF)の期間毎に電圧Vdの極性を、フリッカを低減するために少なくとも1回反転させる極性反転駆動を行う液晶シャッタ1を例に説明する。液晶表示装置2は、映像(動画像)及び静止画像を表示可能であるが、ここでは、液晶表示装置2が映像を表示する場合について説明する。
【0074】
図1に示すように、液晶表示装置2は、映像を表示し、現在表示されている映像が左目用映像及び右目用映像のどちらであるかを示す識別情報を同時に出力する。図1及び図2に示すように、液晶シャッタ1の受信器7は、液晶表示装置2から出力される識別情報を受信し、この情報を駆動部5に伝送する。これにより、駆動部5は、第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rの開閉動作を、液晶表示装置2の左目用の映像表示及び右目用の映像表示に同期させることができる。
【0075】
図13には、液晶表示装置2の構成を示している。
図13に示すように、液晶表示装置2の入力端子110には、左目用の映像信号及び右目用の映像信号が入力される。これらの信号は、放送信号から取得した信号、及び記録媒体から再生された信号の何れであってもよい。入力端子110には、平面映像表示用の映像信号も入力されるが、以下、立体映像表示用の映像信号(左目用の映像信号及び右目用の映像信号)が入力される場合について説明する。
【0076】
入力端子110に入力された映像信号は映像信号処理回路111及び同期信号処理回路113に伝送される。同期信号処理回路113は、映像信号から水平同期信号H及び垂直同期信号Vを分離して出力する。
【0077】
水平同期信号H及び垂直同期信号Vは、映像信号処理回路111に入力され、信号処理のためのタイミングパルスとして利用される。また、水平同期信号H及び垂直同期信号Vは、液晶表示装置2の表示部112に入力され、水平走査、垂直走査のためのタイミングパルスとして利用される。液晶表示装置2は、映像信号処理回路111から出力される左目用映像信号L及び右目用映像信号Rを交互に表示する。
【0078】
ここで、右目用映像信号Rの一部には、例えば、垂直ブランキング期間の直後であって、通常は表示領域には現れない水平期間にR識別信号RIDが挿入されている。R識別信号RIDは、映像信号処理回路111にて抽出される。このR識別信号RIDは、同期信号送信回路114に入力される。また、同期信号送信回路114には、上記垂直同期信号Vも入力される。
【0079】
同期信号送信回路114は、垂直同期信号V及びR識別信号RIDを用いて、第2液晶パネル同期信号RG_SYNCを生成し、受信器7に向けて送信する。この実施例では、第2液晶パネル同期信号RG_SYNCを送信しているが、第1液晶パネル同期信号であってもよく、また両方を送信しても良い。
【0080】
図14には、液晶シャッタ1の受信器7を示している。また、図15には、受信器7の各部の信号波形を示している。
図14及び図15に示すように、受信回路211は、第2液晶パネル同期信号RG_SYNCを復調する。第2液晶パネル同期信号RG_SYNCは、電圧制御発振器212に位相同期信号aとして入力される。電圧制御発振器212は、位相ロックループ及び分周器を含むものであり、第2液晶パネル同期信号RG_SYNCに位相同期したパルス信号bを生成し、出力する。パルス信号bは、1フレーム期間毎に、ローレベルからハイレベルに切替えられる。パルス信号bは、増幅器213に入力され基準電位を中心にして正、負対称のパルスに整形され、スイッチ215に入力される。また、パルス信号bは1/2分周器214に入力され、1/2分周器214はスイッチ制御パルス信号cとして出力する。
【0081】
スイッチ制御パルスcが正のとき、スイッチ215を端子Aに接続し、スイッチ制御パルスcが負のとき、スイッチ215を端子Bに接続する。端子Aは、増幅器216及び増幅器219に接続され、端子Bは増幅器217及び増幅器218に接続されている。増幅器216は端子Aからの信号dを増幅し、増幅器217は端子Bからの信号eを増幅する。増幅器216及び増幅器217で増幅された信号は、合成され、出力端子221に第2液晶パネル駆動信号h(電圧Vd)として出力される。ここで、増幅器216の増幅率は増幅器217の増幅率より小さく設定されている。
【0082】
一方、増幅器219は端子Aからの信号g(=d)を増幅し、増幅器218は端子Bからの信号f(=e)を増幅する。増幅器219及び増幅器218で増幅された信号は、合成され、出力端子222に第1液晶パネル駆動信号i(電圧Vd)として出力される。ここで、増幅器218の増幅率は増幅器219の増幅率より小さく設定されている。
【0083】
上記第2液晶パネル駆動信号h及び第1液晶パネル駆動信号iにより、第2液晶パネル3R及び第1液晶パネル3Lがそれぞれ駆動される。なお、図15のjには、第1液晶パネル3L(左目用)及び第2液晶パネル3R(右目用)の開閉シーケンスを示し、kには、液晶表示装置に表示される左目用の映像及び右目用の映像のシーケンスを示している。
【0084】
以上のように構成された液晶シャッタ1を備えた画像表示システム及び液晶シャッタ1の駆動方法によれば、画像表示システムは、メガネ装着型の液晶シャッタ1と、左目用の画像(映像)と右目用の画像(映像)とを交互に表示する液晶表示装置2とを備えている。液晶シャッタ1は、左目用のOCBモードの第1液晶パネル3Lと、右目用のOCBモードの第2液晶パネル3Rと、駆動部5とを備えている。
【0085】
駆動部5は、パルス状の正規電圧を第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rに印加し、それぞれ第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rを液晶分子30mがベンド配向を採った状態で透過状態(ON)及び非透過状態(OFF)に交互に切替える正規駆動を行うことができる。
【0086】
液晶表示装置2は120Hzの周波数で左目用の画像(映像)と右目用の画像(映像)とを交互に表示し、第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rは120Hzの周波数で透過状態(ON)及び非透過状態(OFF)に交互に切替えられるため、実質60Hzの周波数で画像を表示した場合と同等の鮮明な立体画像を、液晶シャッタ1を装着したユーザに表示することができる。
【0087】
駆動部5は、正規電圧より周波数が小さい特性及び正規電圧より相対的に電圧レベルが浅い特性の少なくとも一方の上記特性を持ったパルス状の保持電圧を第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rに印加し、液晶分子30mがベンド配向を採った状態を保持する保持駆動を、正規駆動から切替えて行うことができる。
【0088】
実施例1及び2では、保持電圧は、正規電圧より周波数が小さい特性を持っている。実施例1乃至4では、保持電圧は、正規電圧より相対的に電圧レベルが浅い特性を持っている。このため、実施例1乃至4の液晶シャッタ1(駆動部5)は、正規駆動より消費電力を低減でき液晶分子30mがベンド配向を採った状態を保持する保持駆動を行うことができる。
【0089】
実施例1及び3では、保持電圧は保持駆動期間の透過率が正規駆動期間の透過率と同等となるよう調整されているため、駆動部5は、液晶シャッタ1を装着したユーザに違和感を与えること無しに、正規駆動から保持駆動に切替えることができる。
【0090】
実施例2では、保持電圧は保持駆動期間の透過率が正規駆動期間の透過率から徐々に低下するよう調整されている。実施例4では、保持電圧は保持駆動期間の透過率が正規駆動期間の透過率から徐々に向上するよう調整されている。液晶シャッタ1を装着したユーザの視界が急に明るくなったり、暗くなったりしないため、駆動部5は、液晶シャッタ1を装着したユーザに与える違和感を抑えて、正規駆動から保持駆動に切替えることができる。
【0091】
上記したことから、消費電力の低減が可能であり、しかも動作安定性の確保が可能な液晶シャッタ1、液晶シャッタ1の駆動方法及び液晶シャッタ1を備えた画像表示システムを得ることができる。
【0092】
なお、この発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化可能である。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0093】
例えば、保持電圧の周波数は、好ましくは10Hz乃至0.01Hzの範囲内であり、これにより、正規駆動より消費電力を低減でき液晶分子がベンド配向を採った状態を保持する保持駆動を行うことができる。
【0094】
正規駆動期間において、それぞれ第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rを、透過状態及び記非透過状態に交互に切替える際の駆動電源のスルーレートを低くし、すなわち、電圧Vdの立ち上がり及び立下りを悪くしてもよい。詳しくは、駆動電源のスルーレートを、液晶の応答速度(第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3RのON/OFFのどちらか高速な方)より高速に充電を完了するような値以上のうち、十分低く設定すればよい。これにより、ピーク電流が下がるため、低消費電力化を図ることができる。
【0095】
但し、スルーレートを低くすると、透過状態から非透過状態への切替えが遅延することになる。この場合、スルーレートを低く設定した分、デューティ(Duty)を小さく設定し、第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rの透過率を切替えるタイミング(この例では、透過状態から非透過状態に切替えるタイミング)を早く設定すればよい。
【0096】
上記液晶シャッタ1及び液晶シャッタ1の駆動方法は、ユーザが液晶シャッタ1を取外した場合、駆動部5が正規駆動から保持駆動に切替えるよう構成されていてもよい。この場合、第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rの透過率を考慮すること無しに保持駆動を行うことができる。なお、ユーザが液晶シャッタ1を取外したかどうかは、メガネフレーム4にセンサを設ける等すれば容易に検知することができる。
【0097】
保持駆動期間中、ユーザが液晶シャッタ1を再装着した場合など、駆動部5は、保持駆動から正規駆動に切替えてもよい。また、特定の時間ユーザが液晶シャッタ1を再装着しない場合など、駆動部5は、第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rの駆動を停止してもよい。
【0098】
上記電圧Vd及び電圧Vcomの電圧値は上記の例に限定されるものではなく、種々変形可能であり、第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rの設計に合うよう調整されていればよい。
【0099】
上記実施の形態において、液晶表示装置2は120Hzの周波数で左目用の画像(映像)と右目用の画像(映像)とを交互に表示し、第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rは120Hzの周波数で透過状態(ON)及び非透過状態(OFF)に交互に切替えられるが、これらの周波数は120Hzに限定されるものではなく、種々変形可能である。
【0100】
第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rは、ノーマリーホワイト型であるが、これに限定されるものではなく、設計を調整することにより、電圧を印加しない状態で光遮断状態となるノーマリーブラック型であってもよい。
【0101】
駆動部5は、筐体8に収容されているが、これに限定されるものではなく種々変形可能であり、例えば、一部又は全てが第1液晶パネル3L及び第2液晶パネル3Rに設けられていてもよい。
【0102】
液晶シャッタ1は、メガネ装着型の液晶シャッタに限定されるものではなく、種々変形可能であり、この場合、メガネフレーム4以外の部材に取付けられていればよい。
【0103】
液晶表示装置2は、左目用の画像及び右目用の画像を表示する際、2つの照明部91及び95を用いたが、これに限定されるものではなく、種々変形可能であり、公知技術等、他の手段で代用することも可能である。
【0104】
上記表示装置は、液晶表示装置2に限定されるものではなく、種々変形可能であり、CRT(cathode-ray tube)表示装置等の表示装置であってもよい。
【符号の説明】
【0105】
1…液晶シャッタ、2…液晶表示装置、3L…第1液晶パネル、3R…第2液晶パネル、4…メガネフレーム、5…駆動部、7…受信器、10,20…電極基板、14,24…光学補償フィルム、15,25…偏光板、30…液晶層、30m…液晶分子、50…液晶表示パネル、90…バックライトユニット、100…制御部、PX…画素、Vd,Vcom…電圧、VTL,VTH…臨界電圧。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の電極基板及び前記電極基板間に挟持された液晶層を有し、左目の視界を覆い、左目に入射される光の透過率を制御可能なOCBモードの第1液晶パネルと、
一対の電極基板及び前記電極基板間に挟持された液晶層を有し、右目の視界を覆い、右目に入射される光の透過率を制御可能なOCBモードの第2液晶パネルと、
パルス状の正規電圧を前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルを液晶分子がベンド配向を採った状態で透過状態及び非透過状態に交互に切替える正規駆動と、前記正規電圧より周波数が小さい特性及び前記正規電圧より相対的に電圧レベルが浅い特性の少なくとも一方の上記特性を持ったパルス状の保持電圧を前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、前記液晶分子がベンド配向を採った状態を保持する保持駆動と、を切替えて行う駆動部と、を備えていることを特徴とする液晶シャッタ。
【請求項2】
前記駆動部は、前記保持駆動を行い、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルを透過状態に保持することを特徴とする請求項1に記載の液晶シャッタ。
【請求項3】
前記駆動部は、保持駆動期間の透過率が正規駆動期間の透過率と同等となるよう調整された前記保持電圧を、前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加することを特徴とする請求項2に記載の液晶シャッタ。
【請求項4】
前記駆動部は、前記保持駆動を行う際、10Hz乃至0.01Hzの周波数の前記保持電圧を前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加することを特徴とする請求項1に記載の液晶シャッタ。
【請求項5】
前記駆動部は、前記保持駆動を極性反転駆動法を用いて行い、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルを、常時、透過状態に保持することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の液晶シャッタ。
【請求項6】
前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルは、それぞれノーマリーホワイト型であり、
前記駆動部は、前記保持駆動を行う際、前記正規電圧より相対的に電圧レベルが浅く設定されている前記保持電圧を前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の液晶シャッタ。
【請求項7】
前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルは、それぞれノーマリーホワイト型であり、
前記駆動部は、前記非透過状態となる期間の前記正規電圧より電圧レベルが浅く設定され、かつ保持駆動期間の透過率が正規駆動期間の透過率と同等となるよう調整された前記保持電圧が、
前記液晶分子がベンド配向からスプレイ配向に逆転移する臨界電圧以上に深く設定されている場合に、前記調整された保持電圧を、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、
前記臨界電圧より浅く設定されている場合に、前記保持駆動期間に、前記非透過状態となる期間の前記正規電圧の電圧レベルを徐々に浅くし、前記透過状態となる期間の前記正規電圧の電圧レベルを徐々に深くし、最終的に前記臨界電圧より浅くならない範囲内の電圧レベルに調整された前記保持電圧を、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルの透過率を前記正規駆動期間の透過率から徐々に下げることを特徴とする請求項1に記載の液晶シャッタ。
【請求項8】
前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルは、それぞれノーマリーホワイト型であり、
前記駆動部は、
前記保持駆動を極性反転駆動法を用いて行い、
前記非透過状態となる期間の前記正規電圧より電圧レベルが浅く設定され、かつ保持駆動期間の透過率が正規駆動期間の透過率と同等となるよう調整され、かつ前記液晶分子がベンド配向からスプレイ配向に逆転移する臨界電圧以上に深く設定された前記保持電圧を、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、
前記保持駆動期間に、前記保持電圧の電圧レベルを徐々に浅くし、最終的に前記臨界電圧より浅くならない範囲内の電圧レベルに調整された前記保持電圧を、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルの透過率を前記正規駆動期間の透過率から徐々に上げることを特徴とする請求項1に記載の液晶シャッタ。
【請求項9】
メガネフレームをさらに備え、
前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルは、前記メガネフレームに取付けられていることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の液晶シャッタ。
【請求項10】
一対の電極基板及び前記電極基板間に挟持された液晶層を有し、左目の視界を覆い、左目に入射される光の透過率を制御可能なOCBモードの第1液晶パネルと、一対の電極基板及び前記電極基板間に挟持された液晶層を有し、右目の視界を覆い、右目に入射される光の透過率を制御可能なOCBモードの第2液晶パネルと、を備えた液晶シャッタの駆動方法において、
パルス状の正規電圧を前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルを液晶分子がベンド配向を採った状態で透過状態及び非透過状態に交互に切替える正規駆動を行い、
前記正規電圧より周波数が小さい特性及び前記正規電圧より相対的に電圧レベルが浅い特性の少なくとも一方の上記特性を持ったパルス状の保持電圧を前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、前記液晶分子がベンド配向を採った状態を保持する保持駆動を前記正規駆動と切替えて行うことを特徴とする液晶シャッタの駆動方法。
【請求項11】
前記保持駆動を行い、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルを透過状態に保持することを特徴とする請求項10に記載の液晶シャッタの駆動方法。
【請求項12】
保持駆動期間の透過率が正規駆動期間の透過率と同等となるよう調整された前記保持電圧を、前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加することを特徴とする請求項11に記載の液晶シャッタの駆動方法。
【請求項13】
前記保持駆動を行う際、10Hz乃至0.01Hzの周波数の前記保持電圧を前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加することを特徴とする請求項10に記載の液晶シャッタの駆動方法。
【請求項14】
前記保持駆動を行う際、極性反転駆動法を用い、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルを、常時、透過状態に保持することを特徴とする請求項10乃至12の何れか1項に記載の液晶シャッタの駆動方法。
【請求項15】
前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルはそれぞれノーマリーホワイト型である前記液晶シャッタの駆動方法において、
前記保持駆動を行う際、前記正規電圧より相対的に電圧レベルが浅く設定されている前記保持電圧を前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加することを特徴とする請求項10乃至12の何れか1項に記載の液晶シャッタの駆動方法。
【請求項16】
前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルはそれぞれノーマリーホワイト型である前記液晶シャッタの駆動方法において、
前記非透過状態となる期間の前記正規電圧より電圧レベルが浅く設定され、かつ保持駆動期間の透過率が正規駆動期間の透過率と同等となるよう調整された前記保持電圧が、
前記液晶分子がベンド配向からスプレイ配向に逆転移する臨界電圧以上に深く設定されている場合に、前記調整された保持電圧を、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、
前記臨界電圧より浅く設定されている場合に、前記保持駆動期間に、前記非透過状態となる期間の前記正規電圧の電圧レベルを徐々に浅くし、前記透過状態となる期間の前記正規電圧の電圧レベルを徐々に深くし、最終的に前記臨界電圧より浅くならない範囲内の電圧レベルに調整された前記保持電圧を、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルの透過率を前記正規駆動期間の透過率から徐々に下げることを特徴とする請求項10に記載の液晶シャッタの駆動方法。
【請求項17】
前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルはそれぞれノーマリーホワイト型である前記液晶シャッタの駆動方法において、
前記保持駆動を行う際、極性反転駆動法を用い、
前記非透過状態となる期間の前記正規電圧より電圧レベルが浅く設定され、かつ保持駆動期間の透過率が正規駆動期間の透過率と同等となるよう調整され、かつ前記液晶分子がベンド配向からスプレイ配向に逆転移する臨界電圧以上に深く設定された前記保持電圧を、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、
前記保持駆動期間に、前記保持電圧の電圧レベルを徐々に浅くし、最終的に前記臨界電圧より浅くならない範囲内の電圧レベルに調整された前記保持電圧を、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルの透過率を前記正規駆動期間の透過率から徐々に上げることを特徴とする請求項10に記載の液晶シャッタの駆動方法。
【請求項18】
一対の電極基板及び前記電極基板間に挟持された液晶層を有し、左目の視界を覆い、左目に入射される光の透過率を制御可能なOCBモードの第1液晶パネルと、一対の電極基板及び前記電極基板間に挟持された液晶層を有し、右目の視界を覆い、右目に入射される光の透過率を制御可能なOCBモードの第2液晶パネルと、パルス状の正規電圧を前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルを液晶分子がベンド配向を採った状態で透過状態及び非透過状態に交互に切替える正規駆動と、前記正規電圧より周波数が小さい特性及び前記正規電圧より相対的に電圧レベルが浅い特性の少なくとも一方の上記特性を持ったパルス状の保持電圧を前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、前記液晶分子がベンド配向を採った状態を保持する保持駆動と、を切替えて行う駆動部と、を備えている液晶シャッタと、
画像を表示し、画像情報に合った同期信号を前記液晶シャッタに送信する表示装置と、を備え、
前記駆動部は、前記同期信号を受信した場合前記同期信号を基に前記表示装置が表示する画像に同期を取って前記正規駆動を行うことを特徴とする画像表示システム。
【請求項1】
一対の電極基板及び前記電極基板間に挟持された液晶層を有し、左目の視界を覆い、左目に入射される光の透過率を制御可能なOCBモードの第1液晶パネルと、
一対の電極基板及び前記電極基板間に挟持された液晶層を有し、右目の視界を覆い、右目に入射される光の透過率を制御可能なOCBモードの第2液晶パネルと、
パルス状の正規電圧を前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルを液晶分子がベンド配向を採った状態で透過状態及び非透過状態に交互に切替える正規駆動と、前記正規電圧より周波数が小さい特性及び前記正規電圧より相対的に電圧レベルが浅い特性の少なくとも一方の上記特性を持ったパルス状の保持電圧を前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、前記液晶分子がベンド配向を採った状態を保持する保持駆動と、を切替えて行う駆動部と、を備えていることを特徴とする液晶シャッタ。
【請求項2】
前記駆動部は、前記保持駆動を行い、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルを透過状態に保持することを特徴とする請求項1に記載の液晶シャッタ。
【請求項3】
前記駆動部は、保持駆動期間の透過率が正規駆動期間の透過率と同等となるよう調整された前記保持電圧を、前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加することを特徴とする請求項2に記載の液晶シャッタ。
【請求項4】
前記駆動部は、前記保持駆動を行う際、10Hz乃至0.01Hzの周波数の前記保持電圧を前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加することを特徴とする請求項1に記載の液晶シャッタ。
【請求項5】
前記駆動部は、前記保持駆動を極性反転駆動法を用いて行い、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルを、常時、透過状態に保持することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の液晶シャッタ。
【請求項6】
前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルは、それぞれノーマリーホワイト型であり、
前記駆動部は、前記保持駆動を行う際、前記正規電圧より相対的に電圧レベルが浅く設定されている前記保持電圧を前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の液晶シャッタ。
【請求項7】
前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルは、それぞれノーマリーホワイト型であり、
前記駆動部は、前記非透過状態となる期間の前記正規電圧より電圧レベルが浅く設定され、かつ保持駆動期間の透過率が正規駆動期間の透過率と同等となるよう調整された前記保持電圧が、
前記液晶分子がベンド配向からスプレイ配向に逆転移する臨界電圧以上に深く設定されている場合に、前記調整された保持電圧を、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、
前記臨界電圧より浅く設定されている場合に、前記保持駆動期間に、前記非透過状態となる期間の前記正規電圧の電圧レベルを徐々に浅くし、前記透過状態となる期間の前記正規電圧の電圧レベルを徐々に深くし、最終的に前記臨界電圧より浅くならない範囲内の電圧レベルに調整された前記保持電圧を、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルの透過率を前記正規駆動期間の透過率から徐々に下げることを特徴とする請求項1に記載の液晶シャッタ。
【請求項8】
前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルは、それぞれノーマリーホワイト型であり、
前記駆動部は、
前記保持駆動を極性反転駆動法を用いて行い、
前記非透過状態となる期間の前記正規電圧より電圧レベルが浅く設定され、かつ保持駆動期間の透過率が正規駆動期間の透過率と同等となるよう調整され、かつ前記液晶分子がベンド配向からスプレイ配向に逆転移する臨界電圧以上に深く設定された前記保持電圧を、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、
前記保持駆動期間に、前記保持電圧の電圧レベルを徐々に浅くし、最終的に前記臨界電圧より浅くならない範囲内の電圧レベルに調整された前記保持電圧を、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルの透過率を前記正規駆動期間の透過率から徐々に上げることを特徴とする請求項1に記載の液晶シャッタ。
【請求項9】
メガネフレームをさらに備え、
前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルは、前記メガネフレームに取付けられていることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の液晶シャッタ。
【請求項10】
一対の電極基板及び前記電極基板間に挟持された液晶層を有し、左目の視界を覆い、左目に入射される光の透過率を制御可能なOCBモードの第1液晶パネルと、一対の電極基板及び前記電極基板間に挟持された液晶層を有し、右目の視界を覆い、右目に入射される光の透過率を制御可能なOCBモードの第2液晶パネルと、を備えた液晶シャッタの駆動方法において、
パルス状の正規電圧を前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルを液晶分子がベンド配向を採った状態で透過状態及び非透過状態に交互に切替える正規駆動を行い、
前記正規電圧より周波数が小さい特性及び前記正規電圧より相対的に電圧レベルが浅い特性の少なくとも一方の上記特性を持ったパルス状の保持電圧を前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、前記液晶分子がベンド配向を採った状態を保持する保持駆動を前記正規駆動と切替えて行うことを特徴とする液晶シャッタの駆動方法。
【請求項11】
前記保持駆動を行い、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルを透過状態に保持することを特徴とする請求項10に記載の液晶シャッタの駆動方法。
【請求項12】
保持駆動期間の透過率が正規駆動期間の透過率と同等となるよう調整された前記保持電圧を、前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加することを特徴とする請求項11に記載の液晶シャッタの駆動方法。
【請求項13】
前記保持駆動を行う際、10Hz乃至0.01Hzの周波数の前記保持電圧を前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加することを特徴とする請求項10に記載の液晶シャッタの駆動方法。
【請求項14】
前記保持駆動を行う際、極性反転駆動法を用い、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルを、常時、透過状態に保持することを特徴とする請求項10乃至12の何れか1項に記載の液晶シャッタの駆動方法。
【請求項15】
前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルはそれぞれノーマリーホワイト型である前記液晶シャッタの駆動方法において、
前記保持駆動を行う際、前記正規電圧より相対的に電圧レベルが浅く設定されている前記保持電圧を前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加することを特徴とする請求項10乃至12の何れか1項に記載の液晶シャッタの駆動方法。
【請求項16】
前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルはそれぞれノーマリーホワイト型である前記液晶シャッタの駆動方法において、
前記非透過状態となる期間の前記正規電圧より電圧レベルが浅く設定され、かつ保持駆動期間の透過率が正規駆動期間の透過率と同等となるよう調整された前記保持電圧が、
前記液晶分子がベンド配向からスプレイ配向に逆転移する臨界電圧以上に深く設定されている場合に、前記調整された保持電圧を、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、
前記臨界電圧より浅く設定されている場合に、前記保持駆動期間に、前記非透過状態となる期間の前記正規電圧の電圧レベルを徐々に浅くし、前記透過状態となる期間の前記正規電圧の電圧レベルを徐々に深くし、最終的に前記臨界電圧より浅くならない範囲内の電圧レベルに調整された前記保持電圧を、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルの透過率を前記正規駆動期間の透過率から徐々に下げることを特徴とする請求項10に記載の液晶シャッタの駆動方法。
【請求項17】
前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルはそれぞれノーマリーホワイト型である前記液晶シャッタの駆動方法において、
前記保持駆動を行う際、極性反転駆動法を用い、
前記非透過状態となる期間の前記正規電圧より電圧レベルが浅く設定され、かつ保持駆動期間の透過率が正規駆動期間の透過率と同等となるよう調整され、かつ前記液晶分子がベンド配向からスプレイ配向に逆転移する臨界電圧以上に深く設定された前記保持電圧を、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、
前記保持駆動期間に、前記保持電圧の電圧レベルを徐々に浅くし、最終的に前記臨界電圧より浅くならない範囲内の電圧レベルに調整された前記保持電圧を、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルの透過率を前記正規駆動期間の透過率から徐々に上げることを特徴とする請求項10に記載の液晶シャッタの駆動方法。
【請求項18】
一対の電極基板及び前記電極基板間に挟持された液晶層を有し、左目の視界を覆い、左目に入射される光の透過率を制御可能なOCBモードの第1液晶パネルと、一対の電極基板及び前記電極基板間に挟持された液晶層を有し、右目の視界を覆い、右目に入射される光の透過率を制御可能なOCBモードの第2液晶パネルと、パルス状の正規電圧を前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、それぞれ前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルを液晶分子がベンド配向を採った状態で透過状態及び非透過状態に交互に切替える正規駆動と、前記正規電圧より周波数が小さい特性及び前記正規電圧より相対的に電圧レベルが浅い特性の少なくとも一方の上記特性を持ったパルス状の保持電圧を前記第1液晶パネル及び第2液晶パネルに印加し、前記液晶分子がベンド配向を採った状態を保持する保持駆動と、を切替えて行う駆動部と、を備えている液晶シャッタと、
画像を表示し、画像情報に合った同期信号を前記液晶シャッタに送信する表示装置と、を備え、
前記駆動部は、前記同期信号を受信した場合前記同期信号を基に前記表示装置が表示する画像に同期を取って前記正規駆動を行うことを特徴とする画像表示システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−215400(P2011−215400A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−84063(P2010−84063)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(302020207)東芝モバイルディスプレイ株式会社 (2,170)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(302020207)東芝モバイルディスプレイ株式会社 (2,170)
【Fターム(参考)】
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