説明

液晶表示装置、データ駆動IC、及び液晶表示パネル駆動方法

【課題】複数の副画素で1画素が構成される液晶表示パネルを駆動するデータ駆動ICへのデータ転送量を低減する。
【解決手段】データ駆動IC8は、外部から受け取った映像データに対して、第1ガンマカーブによるガンマ補正を行うことによって第1ガンマ補正後データを生成し、第2ガンマカーブによるガンマ補正を行うことによって第2ガンマ補正後データを生成するガンマ補正回路部22〜25と、第1水平期間においては第1ガンマ補正後データに応答してデータ線Diを駆動し、第1水平期間に続く第2水平期間においては、第2ガンマ補正後データに応答してデータ線Diを駆動するように構成された駆動回路部27A、27B、28〜33とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関し、特に、複数の副画素で1画素が構成される液晶表示パネルの駆動技術に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置における重要な性能の一つは視野角であり、視野角を向上させるための技術が様々に検討されている。視野角を向上させる公知の手法の一つは、1画素を複数の副画素(サブピクセル)に分割し、その副画素を異なる駆動電圧で駆動することである。典型的には、1画素に2つの副画素が設けられる。同一の画素に属する副画素を異なる駆動電圧で駆動すると、液晶分子の向きが副画素毎に異なることになる。これにより、斜めから画像を見たときのガンマカーブの歪みを補償し、最小にすることができる。このような手法は文献Sang Soo Kim, “The World’s Largest (82−in.) TFT−LCD,” SID 05 DIGEST, 2005, pp. 1842−1847に開示されている。
【0003】
上記文献には、1画素が2つの副画素で構成された液晶表示パネルの構成として、ダブルゲートライン構造が開示されている。図1は、ダブルゲートライン構造を採用する液晶表示パネルの構成を示す概念図である。ダブルゲートライン構造を採用する液晶表示パネルでは、1画素が2つの副画素で構成されると共に1行の画素に沿って2本のゲート線が配置される。一方のゲート線は、一方の副画素に接続され、他方のゲート線は、他方の副画素に接続される。一つの画素の2つの副画素は、同一のデータ線に接続される。
【0004】
より具体的には、1つのドット101は、水平方向に並べられた3つの画素:R画素102、G画素103、B画素104で構成される。R画素102が2つのR副画素102A、102Bで構成され、G画素103が2つのG副画素103A、103Bで構成され、更に、B画素104が、2つのB副画素104A、104Bで構成される。R画素102、G画素103、B画素104の行のそれぞれに対して2本のゲート線Gj(A)、Gj(B)が設けられる。加えて、R画素102の各列に対してデータ線Riが設けられ、G画素103の各列に対してデータ線Giが設けられ、B画素104の各列に対してデータ線Biが設けられる。同一のR画素102に属する2つのR副画素102A、102Bは、同一のデータ線Rjに接続され、同一のG画素103に属する2つのG副画素103A、103Bは、同一のデータ線Gjに接続され、同一のB画素104に属する2つのB副画素104A、104Bは、同一のデータ線Bjに接続される。
【0005】
図2に示されているように、各副画素は、TFT(thin film transistor)と、対向電極VCOMと画素電極との間に形成される液晶容量と、対向電極VCOMと保持電極との間に形成される保持容量とで構成される。例えば、R副画素102Aは、TFT105Aと、液晶容量106Aと、保持容量107Aで構成され、R副画素102Bは、TFT105Bと、液晶容量106Bと、保持容量107Bとで構成される。他の副画素も同様の構成を有している。
【0006】
或る水平期間においてゲート線Gn(A)が選択されると、ゲート線Gn(A)に接続されたR副画素102A、G副画素103A、B副画素104Aが、それぞれ、データ線Ri、Gi、Biから供給される駆動電圧によって駆動される。続く水平期間においてゲート線Gn(B)が選択されると、ゲート線Gn(B)に接続されたR副画素102B、G副画素103B、B副画素104Bが、それぞれ、データ線Ri、Gi、Biから供給される駆動電圧によって駆動される。
【0007】
図1、図2の構成の液晶表示パネルにおいては、同一の映像データの値に対して、2つの副画素が異なる駆動電圧で駆動される。言い換えれば、2つの副画素が異なるガンマカーブに従って駆動される。従って、2つの副画素を駆動するための駆動電圧の生成においては、異なるガンマカーブに従ったガンマ補正を行う必要がある。異なるガンマカーブによるガンマ補正を行うために、図1、図2の構成の液晶表示パネルを使用する液晶表示装置では、一般的な液晶表示装置とは異なる駆動方法が採用される。
【0008】
特開2007−226242号公報は、図1、図2に示された構成の液晶表示パネルを駆動する技術を開示している。図3は、この公報に開示された液晶表示装置200の構成を示すブロック図である。液晶表示装置200は、図1、図2に示された構成の液晶表示パネル210と、第1保持部220と、第2保持部230と、タイミング制御部250と、スイッチング部260と、第1ゲート駆動部270と、第2ゲート駆動部280と、データ駆動部290とを備えている。液晶表示装置がタイミングコントローラIC(integrated circuit)と、ゲート駆動ICと、データ駆動ICとから構成されるアーキテクチャは、液晶表示装置の一般的なアーキテクチャの一つであるから、タイミング制御部250がタイミングコントローラICに対応する構成要素であり、第1ゲート駆動部270及び第2ゲート駆動部280がゲート駆動ICに対応する構成要素であり、データ駆動部290がデータ駆動ICに対応する構成要素であると考えることが妥当である。第1保持部220は、”ハイピクセル”(即ち、R副画素102A、G副画素103A、B副画素104A)に対するガンマカーブに対応するLUTを保持し、第2保持部230は、”ローピクセル”(即ち、R副画素102B、G副画素103B、B副画素104B)に対するガンマカーブに対応するLUTを保持している。第1保持部220及び第2保持部230のそれぞれには、赤(R)、緑(G)、青(B)に対して別のLUTが用意されている。
【0009】
この液晶表示装置200は、概略的には、下記のように動作する:タイミング制御部250は、画像信号R、G、Bから一組の画像データR’、G’、B’を生成し、生成した画像データR’、G’、B’をデータ駆動部290に供給する。その一方で、スイッチング部260は、第1保持部220に保持されているハイピクセルガンマカーブに対応するデータと、第2保持部230に保持されているローピクセルガンマカーブに対応するデータとを、交互にデータ駆動部290に出力する。データ駆動部290は、スイッチング部260から受け取ったデータを用いて、画像データR’、G’、B’を補正し、補正された画像データR’、G’、B’をデータ電圧に変換する。ハイピクセルガンマカーブに対応するデータを用いた補正で得られたデータ電圧は、奇数番目のゲート線がアクティブにされている期間に出力され、ローピクセルガンマカーブに対応するデータを用いた補正で得られたデータ電圧は、偶数番目のゲート線がアクティブにされている期間に出力される。
【0010】
【非特許文献1】Sang Soo Kim, “The World’s Largest (82−in.) TFT−LCD,” SID 05 DIGEST, 2005, pp. 1842−1847
【特許文献1】特開2007−226242号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
図3の液晶表示装置200の一つの問題点は、データ駆動部290(データ駆動IC)へのデータ送信量が増大してしまうことである。図3の液晶表示装置200では、画像データR’、G’、B’に加え、ハイピクセルガンマカーブに対応するデータと、第2保持部230に保持されているローピクセルガンマカーブに対応するデータとが、交互にデータ駆動部290に送信される。これは、データ駆動部290へのデータ送信量を増大させる。これに対処するためには、データ転送速度を増大させるか、データ駆動部290に接続される信号線の数を増大させなくてはならない。データ転送速度を増大させることは、データ誤りの発生率を高くするため好ましくない。特に近年ではタイミングコントローラICとデータ駆動IC間の伝送路の距離は、パネルの大型化が進んでいるため、ますます長くなってきている。このため、タイミングコントローラICとデータ駆動IC間は高い周波数での伝送が難しくなってきている。一方、データ駆動部290に接続される信号線の数の増大は、伝送路のループ面積が大きくなるため伝送路から発生されるEMIノイズが大きくなり好ましくない。特にデータ駆動部290が複数のデータ駆動ICで構成されている場合に、ハイピクセルガンマカーブに対応するデータと第2保持部230に保持されているハイピクセルガンマカーブに対応するデータを送る信号線を各複数のデータ駆動ICに接続することは、伝送路から発生されるEMIノイズを増大させる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、本発明は、以下に述べられる手段を採用する。その手段を構成する技術的事項の記述には、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]の記載との対応関係を明らかにするために、[発明を実施するための最良の形態]で使用される番号・符号が付記されている。但し、付記された番号・符号は、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲を限定的に解釈するために用いてはならない。
【0013】
本発明の液晶表示装置は、液晶表示パネル(2)と、前記液晶表示パネル(2)を駆動するデータ駆動IC(8)とを具備する。前記液晶表示パネル(2)は、第1ゲート線(G(2n−1))と、第2ゲート線(G(2n))と、データ線(Di)と、前記データ線(Di)と前記第1ゲート線(G(2n−1))とに接続された第1副画素(12A)と、前記データ線(Di)と前記第2ゲート線(G(2n))とに接続された第2副画素(12B)とを含む画素(11)とを備えている。前記データ駆動IC(8)は、外部から受け取った映像データ(9)に対して、第1ガンマカーブに従ってガンマ補正を行うことによって第1ガンマ補正後データを生成し、且つ、前記映像データに対して第2ガンマカーブに従ってガンマ補正を行うことによって第2ガンマ補正後データを生成するガンマ補正回路部(22〜25)(44、45A、45B)と、第1水平期間においては第1ガンマ補正後データに応答して前記データ線(Di)を駆動し、前記第1水平期間に続く第2水平期間においては、前記第2ガンマ補正後データに応答して前記データ線(Di)を駆動するように構成された駆動回路部(27A、27B、28〜33)(47〜51)とを備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数の副画素で1画素が構成される液晶表示パネルを駆動するデータ駆動ICへのデータ転送量を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(第1の実施形態)
図4は、本発明の第1の実施形態の液晶表示装置1の構成を示すブロック図である。液晶表示装置1は、液晶表示パネル2と、基板3に設けられたタイミングコントローラIC4と、基板5に設けられたゲート駆動IC6と、基板7に設けられたデータ駆動IC8とを備えている。
【0016】
液晶表示パネル2は、複数のゲート線G1、G2・・・と、複数のデータ線D1、D2、D3、D4・・・と、これらが交差する位置に設けられた画素11とを備えている。本実施例の液晶表示パネル2では、1画素11が2つの副画素:メイン画素12A及びサブ画素12Bで構成され、且つ、画素11の各行に対して、2本のゲート線が設けられた構成を有している。ゲート線G1、G2は、最上段の行の画素11に沿って設けられ、ゲート線G3、G4は、2番目の行の画素11に沿って設けられている。メイン画素12Aは、奇数番目のゲート線G(2n−1)に接続され、サブ画素12Bは、偶数番目のゲート線G(2n)に接続される。同一の画素11に属するメイン画素12Aとサブ画素12Bは、同一のデータ線に接続される。例えば、左端の列の画素11に属するメイン画素12Aとサブ画素12Bは、データ線D1に共通に接続され、左から2番目の列の画素11に属するメイン画素12Aとサブ画素12Bは、データ線D2に共通に接続される。本実施形態において、或る一のゲート線に対応して設けられた1行の画素11は、1水平ラインの画素11と呼ばれることがある。
【0017】
メイン画素12Aは、画素電極13Aと、TFT14Aとを備えており、同様に、サブ画素12Bは、画素電極13Bと、TFT14Bとを備えている。メイン画素12Aに設けられたTFT14Aのゲートは、奇数番目のゲート線G(2n−1)に接続され、サブ画素12Bに設けられたTFT14Bのゲートは、偶数番目のゲート線G(2n)に接続される。更に、TFT14Aは、画素電極13Aとデータ線Diの間に接続され、TFT14Bは、画素電極13Bとデータ線Diとの間に接続される。同一の画素11のメイン画素12A、サブ画素12Bに設けられたTFT14AとTFT14Bは、同一のデータ線Diに共通に接続されることに留意されたい。なお、図4には、液晶表示パネル2の一部の構成のみが図示されているが、液晶表示パネル2の全体が同様に構成されていることは、当業者には理解されよう。
【0018】
タイミングコントローラIC4は、データ駆動IC8に映像データ9をシリアル送信する。本実施形態では、映像データ9は、各画素の階調値を10ビットで表す10ビットデータである。加えて、タイミングコントローラIC4は、タイミング制御信号(図示されない)をデータ駆動IC8及びゲート駆動IC6に供給して、データ駆動IC8及びゲート駆動IC6のタイミング制御を行う機能も有している。
【0019】
ゲート駆動IC6は、液晶表示パネル2のゲート線Giを順次に駆動する。
【0020】
データ駆動IC8のソース出力Siにはデータ線Diが接続されており、データ駆動IC8は、映像データ9に応答して液晶表示パネル2のデータ線Diを駆動する。本実施形態のデータ駆動IC8は、同一の画素11に含まれるメイン画素12Aとサブ画素12Bとに対して異なるガンマカーブに従ったガンマ補正を行うように構成されている。即ち、データ駆動IC8は、ある画素に対応する映像データ9に対して第1のガンマカーブ(以下、ガンマカーブ「A」という。)に従ったガンマ補正を行うことによって生成したガンマ補正後データに応じてメイン画素12Aを駆動し、第2のガンマカーブ(以下、ガンマカーブ「B」という。)に従ったガンマ補正を行うことによって生成したガンマ補正後データに応じてサブ画素12Bを駆動する。
【0021】
図5は、データ駆動IC8の構成を示す概略図である。図5には、各データ駆動IC8が720本のソース出力S1−S720を有するとして、即ち、各データ駆動IC8が各水平期間に720個の画素11を駆動するとしてデータ駆動IC8の構成が示されている。データ駆動IC8は、シリアルパラレル変換回路21と、ガンマ演算回路22と、パラメータ保持部23と、1ビットのカウンタ24と、デコーダ25と、スイッチ26と、12ビットのラッチ回路27A、27B、28と、スイッチ回路29と、12ビットのラッチ回路30と、レベルシフタ31と、12ビットのデコーダ32と、アンプ回路33とを備えている。ラッチ回路27A、27B、28、スイッチ回路29、ラッチ回路30、レベルシフタ31、デコーダ32、及びアンプ回路33は、データ駆動IC8のソース出力と同じ数だけ設けられている。図5の構成では、データ駆動IC8に、720本のソース出力S1〜S720が設けられているので、ラッチ回路27A、27B、28、スイッチ回路29、ラッチ回路30、レベルシフタ31、デコーダ32、及びアンプ回路33は、それぞれ、720個設けられる。
【0022】
シリアルパラレル変換回路21は、シリアル送信された映像データ9に対してシリアル−パラレル変換を行い、シリアル−パラレル変換された映像データ9をガンマ演算回路22に供給する。
【0023】
ガンマ演算回路22と、パラメータ保持部23と、1ビットカウンタ24と、デコーダ25とは、映像データ9に対してガンマ補正を行ってガンマ補正後データ10を生成するガンマ補正回路部を構成している。本実施形態では、映像データ9が10ビットデータであるのに対し、ガンマ補正後データ10は、12ビットデータである。
【0024】
詳細には、パラメータ保持部23には、ガンマカーブ「A」によるガンマ補正(即ち、メイン画素12Aに対するガンマ補正)を近似演算によって行うための演算パラメータと、ガンマカーブ「B」によるガンマ演算(即ち、サブ画素12Bに対するガンマ補正)を近似演算によって行うための演算パラメータとが格納される。ここで、演算パラメータとは、いずれも、映像データ9の各階調値に対応するガンマ補正後データ10の階調値を近似演算によって求めるための近似式を決定するために使用される情報である。例えば、近似式に含まれる未定係数の情報が、演算パラメータとしてパラメータ保持部23に格納される。ガンマカーブ「A」による近似演算を行うための演算パラメータは、パラメータ保持部23の最上位ビットが”1”であるアドレスに記憶され、ガンマカーブ「B」による近似演算を行うための演算パラメータは、最上位ビットが”0”であるアドレスに記憶される。
【0025】
カウンタ24は、1ビットのカウンタ値を保持しており、そのカウンタ値により、ガンマカーブ「A」「B」のいずれの演算パラメータに対してアクセスを行うかを指定する。詳細には、カウンタ24のカウンタ値は、パラメータ保持部23のアクセスされるべきアドレスの最上位ビットとしてデコーダ25に供給され、これにより、ガンマカーブ「A」「B」のいずれの演算パラメータに対してアクセスを行うかが指定される。スタート信号が活性化されると、カウンタ24は、1画素分の映像データ9が受信される周波数の2倍の周波数でカウンタ値を”0”と”1”との間で反転させる。そのカウンタ値がアドレスの最上位ビットとしてデコーダ25に供給される。ストップ信号が活性化されると、カウンタ24は、その動作を停止してリセットされる。カウンタ24のカウンタ値は、スイッチ26にも供給される。
【0026】
デコーダ25は、カウンタ24から受け取ったカウンタ値をアドレスの最上位ビットとし、ガンマ演算回路22から受け取った映像データ9を下位ビットとして指定されるパラメータ保持部23のアドレスを選択する。
【0027】
ガンマ演算回路22は、パラメータ保持部23のデコーダ25によって選択されたアドレスから演算パラメータを取り出し、取り出した演算パラメータを用いて映像データ9に対して近似的なガンマ補正演算を行うことによってガンマ補正後データ10を生成する。生成されたガンマ補正後データ10は、ラッチ回路26に出力される。後述されるように、ガンマ演算回路22からは、メイン画素12Aに対応するガンマカーブ「A」で補正されたガンマ補正後データ10と、サブ画素12Bに対応するガンマカーブ「B」で補正されたガンマ補正後データ10とが交互に出力される。
【0028】
スイッチ26は、カウンタ24から出力されるカウンタ値に応答してガンマ演算回路22の出力を、ラッチ回路27A又はラッチ回路27Bに接続する。スイッチ26の機能により、ガンマカーブ「A」で補正されたガンマ補正後データ10はラッチ回路27Aに送られ、ガンマカーブ「B」で補正されたガンマ補正後データ10はラッチ回路27Bに送られる。
【0029】
ラッチ回路27A、27B、28、スイッチ回路29、ラッチ回路30、レベルシフタ31、デコーダ32、及びアンプ回路33は、ガンマ補正後データ10に応答してソース出力S1〜S720に接続されたデータ線D1〜D720を駆動する駆動回路部として機能する。
【0030】
より詳細に説明すると、ラッチ回路27Aは、ガンマカーブ「A」によりガンマ補正されたガンマ補正後データ10をガンマ演算回路22から受け取って保存する。ラッチ回路27Aは、左端のラッチ回路27Aから順次にガンマ補正後データ10を受け取るように構成されている。一方、ラッチ回路27Bは、ガンマカーブ「B」によりガンマ補正されたガンマ補正後データ10をガンマ演算回路22から受け取って保存する。ラッチ回路27Bも、左端のラッチ回路27Bから順次にガンマ補正後データ10を受け取るように構成されている。ラッチ回路28は、その入力が対応するラッチ回路27Bの出力に接続されており、ガンマカーブ「B」によりガンマ補正されたガンマ補正後データ10をラッチ回路27Bから受け取って保存する。スイッチ回路29は、ラッチ回路27A又はラッチ回路28を選択的にラッチ回路30に接続する。ラッチ回路30は、ストローブ信号STBに応答して、ラッチ回路27A又はラッチ回路28からガンマ補正後データ10を受け取って保存する。ラッチ回路30は、ラッチしたガンマ補正後データ10を、レベルシフタ31を介してデコーダ32に送る。デコーダ32は、ラッチ回路30から受け取ったガンマ補正後データ10に対してD/A変換を行い、ガンマ補正後データ10の階調値に対応するアナログ電圧信号を生成する。アンプ回路33は、デコーダ32から受け取ったアナログ電圧信号の電圧レベルに対応する電圧レベル(基本的には、アナログ電圧信号の電圧レベルと同じ電圧レベル)を有する駆動電圧をソース出力S1〜S720から出力して、データ線D1〜D720を駆動する。
【0031】
図6A、図6Bは、本実施形態の液晶表示装置1の動作を示すタイミングチャートである。ここで、図6A、図6Bは、破線において接合された一つのタイミングチャートを構成していることに留意されたい。以下においては、1水平ラインの画素11にそれぞれに対応する映像データ9をD(ORG1)〜D(ORG720)と記載する。また、映像データD(ORGk)に対してメイン画素12Aに対応するガンマカーブ「A」でガンマ補正を行うことによって得られるガンマ補正後データ10をD(GAk)と記載し、映像データD(ORGk)に対してサブ画素12Bに対応するガンマカーブ「B」でガンマ補正されたガンマ補正後データ10をD(GBk)と記載する。
【0032】
本実施形態の液晶表示装置1では、1水平ラインの画素11に対応する720個の映像データD(ORG1)〜D(ORG720)が2水平期間毎にデータ駆動IC8に転送される。即ち、奇数番目の水平期間では、D(ORG1)〜D(ORG360)がデータ駆動IC8に転送され、偶数番目の水平期間では、D(ORG361)〜D(ORG720)がデータ駆動IC8に転送される。データ駆動IC8は、第(2n−1)、第(2n)水平期間でデータ駆動IC8に転送された映像データD(ORG1)〜D(ORG720)に応答して、第(2n+1)水平期間においてゲート線G(2n+1)に接続されたメイン画素12Aを駆動し、第(2n+2)水平期間においてゲート線G(2n+2)に接続されたサブ画素12Bを駆動する。以下では、ゲート線G(2n+1)に接続されたメイン画素12A及びゲート線G(2n+2)に接続されたサブ画素12Bの駆動に関連した動作を説明する。他のメイン画素12A、サブ画素12Bも同様の手順によって駆動されることは、当業者には理解されよう。
【0033】
第(2n−1)水平期間:
第(2n−1)水平期間では、ゲート線G(2n+1)に接続されたメイン画素12A及びゲート線G(2n+2)に接続されたサブ画素12Bに対応する映像データD(ORG1)〜D(ORG360)がデータ駆動IC8に転送される。これらの映像データDの転送に先立ち、スタート信号が活性化され、これにより、カウンタ24の動作が許可される。続いて最初の映像データD(ORG1)が転送されると、カウンタ24の出力が”1”に設定され、アドレスの最上位ビットが”1”に設定される。これにより、パラメータ保持部23では、ガンマカーブ「A」の演算パラメータがアクセス可能になる。更にデコーダ25は、映像データD(ORG1)を受け取り、映像データD(ORG1)の階調値に対応するアドレスを選択する。ガンマ演算回路22は、選択されたアドレスからガンマカーブ「A」の演算パラメータを取り出し、取り出したガンマカーブ「A」の演算パラメータとD(ORG1)を用いて近似演算を行い、D(ORG1)に対応するガンマ補正後データD(GA1)を出力する。
【0034】
スイッチ26は、カウンタ24の出力が”1”に設定されたことに応答してガンマ演算回路22の出力をラッチ回路27Aに接続する。更に、ソース出力S1に対応するラッチ回路27Aがトリガされ、ガンマ補正後データD(GA1)がソース出力S1に対応するラッチ回路27Aに格納される。
【0035】
続いて、カウンタ24の出力が”0”に設定され、アドレスの最上位ビットが”0”に設定される。これにより、パラメータ保持部23では、ガンマカーブ「B」の演算パラメータがアクセス可能になる。デコーダ25は、映像データD(ORG1)の階調値に対応するアドレスを選択し、ガンマ演算回路22は、選択されたアドレスから演算パラメータを取り出し、取り出したガンマカーブ「B」の演算パラメータとD(ORG1)を用いて近似演算を行い、D(ORG1)に対応するガンマ補正後データD(GB1)を出力する。
【0036】
スイッチ26は、カウンタ24の出力が”0”に設定されたことに応答してガンマ演算回路22の出力をラッチ回路27Bに接続する。更に、ソース出力S1に対応するラッチ回路27Bがトリガされ、ガンマ補正後データD(GB1)がソース出力S1に対応するラッチ回路27Bに格納される。
【0037】
映像データD(ORG2)〜D(ORG360)についても、同様の手順でガンマ補正が行われる。これにより、ソース出力S1〜S360に対応するラッチ回路27Aにガンマカーブ「A」により補正されたガンマ補正後データD(GA1)〜D(GA360)が格納され、ソース出力S1〜S360に対応するラッチ回路27Bにガンマカーブ「B」により補正されたガンマ補正後データD(GB1)〜D(GB360)が格納される。映像データD(ORG360)のデータ駆動IC8への転送が完了すると、ストップ信号が活性化され、カウンタ24がリセットされる。
【0038】
第(2n)水平期間:
第(2n)水平期間では、ゲート線G(2n+1)に接続されたメイン画素12A及びゲート線G(2n+2)に接続されたサブ画素12Bに対応する映像データD(ORG361)〜D(ORG720)がデータ駆動IC8に転送される。これらの映像データDの転送に先立ち、スタート信号が活性化され、これにより、カウンタ24の動作が許可される。続いて最初の映像データD(ORG361)が転送されると、カウンタ24の出力が”1”に設定され、アドレスの最上位ビットが”1”に設定される。これにより、パラメータ保持部23では、ガンマカーブ「A」の演算パラメータがアクセス可能になる。更にデコーダ25は、映像データD(ORG361)を受け取り、映像データD(ORG361)の階調値に対応するアドレスを選択する。ガンマ演算回路22は、選択されたアドレスからガンマカーブ「A」の演算パラメータを取り出し、取り出したガンマカーブ「A」の演算パラメータとD(ORG361)を用いて近似演算を行い、D(ORG361)に対応するガンマ補正後データD(GA361)を出力する。
【0039】
スイッチ26は、カウンタ24の出力が”1”に設定されたことに応答してガンマ演算回路22の出力をラッチ回路27Aに接続する。更に、ソース出力S361に対応するラッチ回路27Aがトリガされ、ガンマ補正後データD(GA361)がソース出力S361に対応するラッチ回路27Aに格納される。
【0040】
続いて、カウンタ24の出力が”0”に設定され、アドレスの最上位ビットが”0”に設定される。これにより、パラメータ保持部23では、ガンマカーブ「B」の演算パラメータがアクセス可能になる。デコーダ25は、映像データD(ORG361)の階調値に対応するアドレスを選択し、ガンマ演算回路22は、選択されたアドレスから演算パラメータを取り出し、取り出したガンマカーブ「B」の演算パラメータとD(ORG361)を用いて近似演算を行い、D(ORG361)に対応するガンマ補正後データD(GB361)を出力する。
【0041】
スイッチ26は、カウンタ24の出力が”0”に設定されたことに応答してガンマ演算回路22の出力をラッチ回路27Bに接続する。更に、ソース出力S361に対応するラッチ回路27Bがトリガされ、ガンマ補正後データD(GB361)がソース出力S361に対応するラッチ回路27Bに格納される。
【0042】
映像データD(ORG362)〜D(ORG720)についても、同様の手順でガンマ補正が行われる。これにより、ソース出力S361〜S720に対応するラッチ回路27Aにガンマカーブ「A」により補正されたガンマ補正後データD(GA361)〜D(GA720)が格納され、ソース出力S361〜S720に対応するラッチ回路27Bにガンマカーブ「B」により補正されたガンマ補正後データD(GB361)〜D(GB720)が格納される。映像データD(ORG720)のデータ駆動IC8への転送が完了すると、ストップ信号が活性化され、カウンタ24がリセットされる。
【0043】
第(2n+1)水平期間:
第(2n+1)水平期間のブランキング期間にストローブ信号STBがハイレベルにプルアップされると、スイッチ回路29は、ラッチ回路27Aをラッチ回路30に接続する。ラッチ回路30は、ストローブ信号STBのプルアップに応答して、ラッチ回路27Aに格納されているガンマ補正後データD(GA1)〜D(GA720)をラッチする。これにより、ガンマ補正後データD(GA1)〜D(GA720)がラッチ回路27Aからラッチ回路30に転送される。ガンマ補正後データD(GA1)〜D(GA720)のラッチ回路27Aからラッチ回路30への転送に並行して、ラッチ回路27Bに格納されているガンマ補正後データD(GB1)〜D(GB720)が、ラッチ回路28に転送される。
【0044】
第(2n+1)水平期間では、ラッチ回路30に転送されたD(GA1)〜D(GA720)に応じてソース出力S1〜S720が駆動されると共に、ゲート線G(2n+1)がプルアップされる。この結果、ガンマカーブ「A」によるガンマ補正によって生成されたガンマ補正後データD(GA1)〜D(GA720)に応じてゲート線G(2n+1)に接続されたメイン画素12Aが駆動される。
【0045】
第(2n+2)水平期間:
第(2n+2)水平期間のブランキング期間にストローブ信号STBがハイレベルにプルアップされると、スイッチ回路29は、ラッチ回路28をラッチ回路30に接続する。ラッチ回路30は、ストローブ信号STBのプルアップに応答して、ラッチ回路28に格納されているガンマ補正後データD(GB1)〜D(GB720)をラッチする。これにより、ガンマ補正後データD(GB1)〜D(GB720)がラッチ回路28からラッチ回路30に転送される。
【0046】
第(2n+2)水平期間では、ラッチ回路30に転送されたD(GB1)〜D(GB720)に応じてソース出力S1〜S720が駆動されると共に、ゲート線G(2n+2)がプルアップされる。この結果、ガンマカーブ「B」によるガンマ補正によって生成されたガンマ補正後データD(GB1)〜D(GB720)に応じてゲート線G(2n+2)に接続されたサブ画素12Bが駆動される。
【0047】
以上の手順により、ガンマカーブ「A」によるガンマ補正によって生成されたガンマ補正後データD(GA1)〜D(GA720)に応じてメイン画素12Aが駆動され、ガンマカーブ「B」によるガンマ補正によって生成されたガンマ補正後データD(GB1)〜D(GB720)に応じてサブ画素12Bが駆動される。
【0048】
本実施形態の液晶表示装置1の利点は、データ駆動IC8においてガンマ補正が行われる構成を採用していることにより、データ駆動IC8へのデータ転送量を低減できることにある。図3の液晶表示装置200では、画像データR’、G’、B’に加え、ハイピクセルガンマカーブに対応するデータと、第2保持部230に保持されているローピクセルガンマカーブに対応するデータとが、交互にデータ駆動部290に送信される。これは、データ駆動部290へのデータ送信量を増大させる。一方、本実施形態の液晶表示装置1では、ガンマカーブ「A」、「B」のデータを格納するパラメータ保持部23がデータ駆動IC8に設けられるため、ガンマ補正を行うたびにガンマカーブに対応するデータを外部からデータ駆動IC8に転送する必要がない。このように、本実施形態の液晶表示装置1では、データ駆動IC8へのデータ転送量を低減させることができる。
【0049】
なお、上記の本実施形態では、発明の理解を容易にするために、各画素11が表示する色については言及されていない。しかしながら、実際の液晶表示パネルでは、画素11には、赤を表示する画素(R画素)、緑を表示する画素(G画素)と、青を表示する画素(B画素)とがある。この場合、ガンマ補正において使用されるガンマカーブは、画素が表示すべき色に応じて異なるように設定されることが好ましい。このような変更は、パラメータ保持部23に、下記の6つの演算パラメータ:
(1)R画素のメイン画素のガンマカーブの演算パラメータ
(2)R画素のサブ画素のガンマカーブの演算パラメータ
(3)G画素のメイン画素のガンマカーブの演算パラメータ
(4)G画素のサブ画素のガンマカーブの演算パラメータ
(5)B画素のメイン画素のガンマカーブの演算パラメータ
(6)B画素のサブ画素のガンマカーブの演算パラメータ
を用意すると共に、パラメータ保持部23に対して画素11の色に応じたアドレッシングを行うことによって容易に実現できる。
【0050】
また、上記の本実施形態ではパラメータ保持部23には近似的なガンマ補正演算を行うための演算パラメータを格納するとしているが、ガンマカーブのLUT(Look Up Table)が格納されていてもよい。その場合、ガンマ演算回路22はガンマカーブのLUTから映像データに対応するガンマ補正後の階調値を取り出して、直接出力するような動作をする。
【0051】
(第2の実施形態)
図7は、本発明の第2の実施形態の液晶表示装置1のデータ駆動IC8の構成を示すブロック図である。第2の実施形態のデータ駆動IC8の構成は、第1の実施形態と類似している。相違点は、パラメータ保持部23の代わりに、ガンマカーブ「A」による近似演算を行うための演算パラメータを保持するパラメータ保持部23Aとガンマカーブ「B」による近似演算を行うための演算パラメータを保持するパラメータ保持部23Bとが用意され、デコーダ25の代わりにセレクタ34が設けられることである。本実施形態では、カウンタ24の出力は、セレクタ34の動作を切り替える切り替え制御信号としてセレクタ34に供給される。セレクタ34は、カウンタ24の出力に応じてパラメータ保持部23A、23Bの一方を選択してガンマ演算回路22に接続する。ガンマ演算回路22は、選択されたパラメータ保持部の映像データ9に対応するアドレスから演算パラメータを取り出し、取り出した演算パラメータと映像データ9を用いて近似演算を行い、ガンマ補正後データ10としてラッチ回路27A、又はラッチ回路27Bに出力する。
【0052】
図8A、図8Bは、第2の実施形態の液晶表示装置1の動作を示すタイミングチャートである。ここで図8A、図8Bは、破線において接合された一つのタイミングチャートを構成していることに留意されたい。第2の実施形態の液晶表示装置1の動作は、本質的には第1の実施形態と同じである。
【0053】
第(2n−1)水平期間:
第(2n−1)水平期間では、ゲート線G(2n+1)に接続されたメイン画素12A及びゲート線G(2n+2)に接続されたサブ画素12Bに対応する映像データD(ORG1)〜D(ORG360)がデータ駆動IC8に転送される。最初の映像データD(ORG1)が転送されると、カウンタ24の出力が”1”に設定され、切り替え制御信号が”1”に設定される。これにより、セレクタ34によってパラメータ保持部23Aが選択され、ガンマカーブ「A」による近似演算を行うための演算パラメータを保持するパラメータ保持部23Aがアクセス可能になる。ガンマ演算回路22は、映像データD(ORG1)の階調値に対応するパラメータ保持部23Aのアドレスからガンマカーブ「A」の演算パラメータを取り出し、ガンマカーブ「A」の演算パラメータとD(ORG1)を用いて近似演算を行い、D(ORG1)に対応するガンマ補正後データD(GA1)を出力する。出力されたガンマ補正後データD(GA1)は、ソース出力S1に対応するラッチ回路27Aに格納される。
【0054】
続いて、カウンタ24の出力が”0”に設定され、切り替え制御信号が”0”に設定される。に設定される。これにより、セレクタ34によってパラメータ保持部23Bが選択され、ガンマカーブ「B」による近似演算を行うための演算パラメータを保持するパラメータ保持部23Bがアクセス可能になる。ガンマ演算回路22は、映像データD(ORG1)の階調値に対応するパラメータ保持部23Bのアドレスから演算パラメータを取り出し、ガンマカーブ「B」の演算パラメータと映像データD(ORG1)を用いて近似演算を行い、D(ORG1)に対応するガンマ補正後データD(GB1)を出力する。出力されたガンマ補正後データD(GB1)は、ガンマ補正後データD(GB1)としてガンマ演算回路22から出力され、ソース出力S1に対応するラッチ回路27Bに格納される。
【0055】
映像データD(ORG2)〜D(ORG360)についても、同様の手順でガンマ補正が行われる。これにより、ソース出力S1〜S360に対応するラッチ回路27Aにガンマカーブ「A」により補正されたガンマ補正後データD(GA1)〜D(GA360)が格納され、ソース出力S1〜S360に対応するラッチ回路27Bにガンマカーブ「B」により補正されたガンマ補正後データD(GB1)〜D(GB360)が格納される。映像データD(ORG360)のデータ駆動IC8への転送が完了すると、ストップ信号が活性化され、カウンタ24がリセットされる。
【0056】
第(2n)水平期間:
第(2n)水平期間では、ゲート線G(2n+1)に接続されたメイン画素12A及びゲート線G(2n+2)に接続されたサブ画素12Bに対応する映像データD(ORG361)〜D(ORG720)がデータ駆動IC8に転送される。映像データD(ORG361)〜D(ORG720)についても、D(ORG1)〜D(ORG360)と同様の手順でガンマ補正が行われる。これにより、ソース出力S361〜S720に対応するラッチ回路27Aにガンマカーブ「A」により補正されたガンマ補正後データD(GA361)〜D(GA720)が格納され、ソース出力S361〜S720に対応するラッチ回路27Bにガンマカーブ「B」により補正されたガンマ補正後データD(GB361)〜D(GB720)が格納される。
【0057】
第(2n+1)水平期間:
第(2n+1)水平期間のブランキング期間にストローブ信号STBがハイレベルにプルアップされると、スイッチ回路29は、ラッチ回路27Aをラッチ回路30に接続する。ラッチ回路30は、ストローブ信号STBのプルアップに応答して、ラッチ回路27Aに格納されているガンマ補正後データD(GA1)〜D(GA720)をラッチする。これにより、ガンマ補正後データD(GA1)〜D(GA720)がラッチ回路27Aからラッチ回路30に転送される。ガンマ補正後データD(GA1)〜D(GA720)のラッチ回路27Aからラッチ回路30への転送に並行して、ラッチ回路27Bに格納されているガンマ補正後データD(GB1)〜D(GB720)が、ラッチ回路28に転送される。
【0058】
第(2n+1)水平期間では、ラッチ回路30に転送されたD(GA1)〜D(GA720)に応じてソース出力S1〜S720が駆動されると共に、ゲート線G(2n+1)がプルアップされる。この結果、ガンマカーブ「A」によるガンマ補正によって生成されたガンマ補正後データD(GA1)〜D(GA360)に応じてゲート線G(2n+1)に接続されたメイン画素12Aが駆動される。
【0059】
第(2n+2)水平期間:
第(2n+2)水平期間のブランキング期間にストローブ信号STBがハイレベルにプルアップされると、スイッチ回路29は、ラッチ回路28をラッチ回路30に接続する。ラッチ回路30は、ストローブ信号STBのプルアップに応答して、ラッチ回路28に格納されているガンマ補正後データD(GB1)〜D(GB720)をラッチする。これにより、ガンマ補正後データD(GB1)〜D(GB720)がラッチ回路28からラッチ回路30に転送される。
【0060】
第(2n+2)水平期間では、ラッチ回路30に転送されたD(GB1)〜D(GB720)に応じてソース出力S1〜S720が駆動されると共に、ゲート線G(2n+2)がプルアップされる。この結果、ガンマカーブ「B」によるガンマ補正によって生成されたガンマ補正後データD(GB1)〜D(GB360)に応じてゲート線G(2n+2)に接続されたサブ画素12Bが駆動される。
【0061】
以上の手順により、ガンマカーブ「A」によるガンマ補正によって生成されたガンマ補正後データD(GA1)〜D(GA720)に応じてメイン画素12Aが駆動され、ガンマカーブ「B」によるガンマ補正によって生成されたガンマ補正後データD(GB1)〜D(GB720)に応じてサブ画素12Bが駆動される。
【0062】
第2の実施形態の液晶表示装置も、第1の実施形態の液晶表示装置と同様に、データ駆動IC8へのデータ転送量を低減することができる。
【0063】
また、上記の本実施形態ではパラメータ保持部23A、23Bには近似的なガンマ補正演算を行うための演算パラメータを格納するとしているが、ガンマカーブのLUT(Look Up Table)が格納されていてもよい。その場合、ガンマ演算回路22はガンマカーブのLUTから映像データに対応するガンマ補正後の階調値を取り出して、直接出力するような動作をする。
【0064】
(第3の実施形態)
図9は、本発明の第3の実施形態の液晶表示装置1のデータ駆動IC8の構成を示すブロック図である。第3の実施形態では、データ駆動IC8に2つのガンマ演算回路:ガンマ演算回路22A、22Bが設けられる。ガンマ演算回路22Aには、ガンマカーブ「A」による近似演算を行うための演算パラメータが保持されており、ガンマ演算回路22Aは、映像データ9とガンマカーブ「A」の演算パラメータを用いて近似演算を行うことにより、映像データ9に対してガンマカーブ「A」によるガンマ補正を行ってガンマ補正後データ10Aを生成する。一方、ガンマ演算回路22Bには、ガンマカーブ「B」による近似演算を行うための演算パラメータが保持されており、ガンマ演算回路22Bは、映像データ9とガンマカーブ「B」の演算パラメータを用いて近似演算を行うことにより、映像データ9に対してガンマカーブ「B」によるガンマ補正を行ってガンマ補正後データ10Bを生成する。
【0065】
ガンマ演算回路22Aの出力は、ラッチ回路27Aに接続されており、ガンマ演算回路22Bの出力は、ラッチ回路27Bに接続されている。ガンマ演算回路22Aによって生成されたガンマ補正後データ10Aは、ラッチ回路27Aに格納され、ガンマ演算回路22Bによって生成されたガンマ補正後データ10Bは、ラッチ回路27Bに格納される。本実施形態では、ガンマ演算回路22Aとラッチ回路27Aとを接続する配線と、ガンマ演算回路22Bとラッチ回路27Bとを接続する配線とが別々に設けられていることに留意されたい。上述のように、ラッチ回路27Bの出力はラッチ回路28に接続されており、スイッチ回路29は、ラッチ回路27A又はラッチ回路28を選択的にラッチ回路30に接続する。ガンマ補正後データ10Aは、ラッチ回路27Aからラッチ回路30に転送され、ガンマ補正後データ10Bは、ラッチ回路28を介してラッチ回路27Bからラッチ回路30に転送される。ラッチ回路30に格納されたガンマ補正後データ10A、10Bは、デコーダ32に転送される。これにより、ソース出力S1〜S720からは、ガンマ補正後データ10A又はガンマ補正後データ10Bに対応する駆動電圧が出力される。
【0066】
図10A、図10Bは、第3の実施形態の液晶表示装置1の動作を示すタイミングチャートである。ここで、図10A、図10Bは、破線において接合された一つのタイミングチャートを構成していることに留意されたい。以下では、ゲート線G(2n+1)に接続されたメイン画素12A及びゲート線G(2n+2)に接続されたサブ画素12Bの駆動に関連した動作を説明する。
【0067】
第(2n−1)水平期間:
第(2n−1)水平期間では、ゲート線G(2n+1)に接続されたメイン画素12A及びゲート線G(2n+2)に接続されたサブ画素12Bに対応する映像データD(ORG1)〜D(ORG360)がデータ駆動IC8に転送される。最初の映像データD(ORG1)が転送されると、ガンマ演算回路22Aによって映像データD(ORG1)に対してガンマカーブ「A」によるガンマ補正が行われてガンマ補正後データD(GA1)が生成され、ガンマ演算回路22Bによって映像データD(ORG1)に対してガンマカーブ「B」によるガンマ補正が行われてガンマ補正後データD(GB1)が生成される。ガンマ演算回路22Aから出力されたガンマ補正後データD(GA1)は、ソース線S1に対応するラッチ回路27Aに格納され、ガンマ演算回路22Bから出力されたガンマ補正後データD(GB1)は、ソース線S1に対応するラッチ回路27Bに格納される。
【0068】
映像データD(ORG2)〜D(ORG360)についても、同様の手順でガンマ補正が行われる。これにより、ソース出力S1〜S360に対応するラッチ回路27Aにガンマカーブ「A」により補正されたガンマ補正後データD(GA1)〜D(GA360)が格納され、ソース出力S1〜S360に対応するラッチ回路27Bにガンマカーブ「B」により補正されたガンマ補正後データD(GB1)〜D(GB360)が格納される。
【0069】
第(2n)水平期間:
第(2n)水平期間では、ゲート線G(2n+1)に接続されたメイン画素12A及びゲート線G(2n+2)に接続されたサブ画素12Bに対応する映像データD(ORG361)〜D(ORG720)がデータ駆動IC8に転送される。映像データD(ORG361)〜D(ORG720)についても、D(ORG1)〜D(ORG360)と同様の手順でガンマ補正が行われる。これにより、ソース出力S361〜S720に対応するラッチ回路27Aにガンマカーブ「A」により補正されたガンマ補正後データD(GA361)〜D(GA720)が格納され、ソース出力S361〜S720に対応するラッチ回路27Bにガンマカーブ「B」により補正されたガンマ補正後データD(GB361)〜D(GB720)が格納される。
【0070】
第(2n+1)水平期間:
第(2n+1)水平期間のブランキング期間にストローブ信号STBがハイレベルにプルアップされると、スイッチ回路29は、ラッチ回路27Aをラッチ回路30に接続する。ラッチ回路30は、ストローブ信号STBのプルアップに応答して、ラッチ回路27Aに格納されているガンマ補正後データD(GA1)〜D(GA720)をラッチする。これにより、ガンマ補正後データD(GA1)〜D(GA720)がラッチ回路27Aからラッチ回路30に転送される。
【0071】
ガンマ補正後データD(GA1)〜D(GA720)がラッチ回路30に転送されると、転送されたD(GA1)〜D(GA720)に応じてソース出力S1〜S720が駆動されると共に、ゲート線G(2n+1)がプルアップされる。この結果、ガンマカーブ「A」によるガンマ補正によって生成されたガンマ補正後データD(GA1)〜D(GA720)に応じてゲート線G(2n+1)に接続されたメイン画素12Aが駆動される。
【0072】
第(2n+1)水平期間では、更に、ガンマ補正後データD(GA1)〜D(GA720)のラッチ回路27Aからラッチ回路30への転送に並行して、ラッチ回路27Bに格納されているガンマ補正後データD(GB1)〜D(GB720)が、ラッチ回路28に転送される。
【0073】
第(2n+2)水平期間:
第(2n+2)水平期間のブランキング期間にストローブ信号STBがハイレベルにプルアップされると、スイッチ回路29は、ラッチ回路28をラッチ回路30に接続する。ラッチ回路30は、ストローブ信号STBのプルアップに応答して、ラッチ回路28に格納されているガンマ補正後データD(GB1)〜D(GB720)をラッチする。これにより、ガンマ補正後データD(GB1)〜D(GB720)がラッチ回路28からラッチ回路30に転送される。
【0074】
第(2n+2)水平期間では、ラッチ回路30に転送されたD(GB1)〜D(GB720)に応じてソース出力S1〜S720が駆動されると共に、ゲート線G(2n+2)がプルアップされる。この結果、ガンマカーブ「B」によるガンマ補正によって生成されたガンマ補正後データD(GB1)〜D(GB760)に応じてゲート線G(2n+2)に接続されたサブ画素12Bが駆動される。
【0075】
以上の手順により、ガンマカーブ「A」によるガンマ補正によって生成されたガンマ補正後データD(GA1)〜D(GA720)に応じてメイン画素12Aが駆動され、ガンマカーブ「B」によるガンマ補正によって生成されたガンマ補正後データD(GB1)〜D(GB720)に応じてサブ画素12Bが駆動される。
【0076】
第3の実施形態の液晶表示装置も、第1及び第2の実施形態の液晶表示装置と同様に、データ駆動IC8へのデータ転送量を低減することができる。加えて、第3の実施形態の液晶表示装置は、第1及び第2の実施形態の液晶表示装置と比較して、ガンマ演算回路の動作速度が遅いことが許容されるという利点がある。ただし、第1及び第2の実施形態の液晶表示装置は、第3の実施形態の液晶表示装置に対してハードウェア規模が小さいという利点があることにも留意されたい。
【0077】
なお、上記の第3の実施形態では、ガンマ演算回路22A、22Bに近似的なガンマ補正演算を行うための演算パラメータを格納するとしているが、ガンマカーブのLUT(Look Up Table)が格納されていてもよい。その場合、ガンマ演算回路22A、22BはガンマカーブのLUTから映像データに対応するガンマ補正後の階調値を取り出して、直接出力するような動作をする。
【0078】
(第4の実施形態)
図11は、本発明の第4の実施形態の液晶表示装置1のデータ駆動IC8の構成を示すブロック図である。第4の実施形態では、第1乃至第3の実施形態とは異なる構成のデータ駆動IC8が使用される。以下では、第4の実施形態におけるデータ駆動IC8の構成を図11を参照しながら説明する。図11では、各データ駆動IC8が720本のソース出力S1−S720を有するとして、即ち、各データ駆動IC8が各水平期間に720個の画素11を駆動するとしてデータ駆動IC8の構成が示されている。
【0079】
データ駆動IC8は、シリアルパラレル変換回路41と、10ビットのラッチ回路42、43と、ガンマ演算回路44と、パラメータ保持部45A、45Bと、セレクタ46と、12ビットのラッチ回路47、48と、レベルシフタ49と、12ビットのデコーダ50と、アンプ回路51とを備えている。ラッチ回路42、43、47、48、レベルシフタ49、デコーダ50、及びアンプ回路51は、データ駆動IC8のソース出力と同じ数だけ設けられている。図11の構成では、データ駆動IC8に、720本のソース出力S1〜S720が設けられているので、ラッチ回路42、43、47、48、レベルシフタ49、デコーダ50、及びアンプ回路51は、それぞれ、720個設けられる。
【0080】
シリアルパラレル変換回路41は、シリアル送信された映像データ9に対してシリアル−パラレル変換を行い、シリアル−パラレル変換された映像データ9を順次にラッチ回路42に送信する。
【0081】
ラッチ回路42、43は、10ビットの映像データ9を順次に受けとって一時的に格納し、受け取った映像データ9を、受け取った順にガンマ演算回路44に順次に転送する一時格納回路部として機能する。詳細には、ラッチ回路42は、シリアルパラレル変換回路41から順次に送信される映像データ9を、左端のラッチ回路42から順次に受け取るように構成されている。一方、ラッチ回路43は、ラッチ回路42に格納された映像データ9を同時にラッチ回路42からラッチする。ラッチ回路43は、ラッチした映像データ9を左端のラッチ回路43から順次にガンマ演算回路44に送る。以下では、ラッチ回路43からガンマ演算回路44に送られる10ビットの映像データを、データ駆動ICに送られる映像データ9と区別して映像データ9aと記載する。
【0082】
ガンマ演算回路44と、パラメータ保持部45A、45Bと、セレクタ46は、映像データ9aに対してガンマ補正を行ってガンマ補正後データ10を生成するガンマ補正回路部を構成している。本実施形態では、映像データ9aが10ビットデータであるのに対し、ガンマ補正後データ10は、12ビットデータである。
【0083】
パラメータ保持部45Aは、ガンマカーブ「A」による近似演算を行うための演算パラメータを保持しており、パラメータ保持部45Bは、ガンマカーブ「B」による近似演算を行うための演算パラメータを保持している。セレクタ34は、パラメータ保持部45A、45Bの一方を選択してガンマ演算回路44に接続する。ガンマ演算回路44は、選択されたパラメータ保持部から演算パラメータを取り出し、取り出した演算パラメータと映像データ9aを用いて近似演算を行い、ガンマ補正後データ10としてラッチ回路47に出力する。
【0084】
ラッチ回路47、48、レベルシフタ49、デコーダ50、及びアンプ回路51は、ガンマ補正後データ10に応答してソース出力S1〜S720に接続されたデータ線D1〜D720を駆動する駆動回路部として機能する。
【0085】
より詳細に説明すると、ラッチ回路47は、ガンマ補正後データ10をガンマ演算回路44から受け取って保存する。ラッチ回路47は、左端のラッチ回路47から順次にガンマ補正後データ10を受け取るように構成されている。ラッチ回路48は、ストローブ信号STBに応答して、ラッチ回路47からガンマ補正後データ10を受け取って保存する。ラッチ回路48は、ラッチしたガンマ補正後データ10を、レベルシフタ49を介してデコーダ50に送る。デコーダ50は、ラッチ回路48から受け取ったガンマ補正後データ10に対してD/A変換を行い、ガンマ補正後データ10の階調値に対応するアナログ電圧信号を生成する。アンプ回路51は、デコーダ50から受け取ったアナログ電圧信号の電圧レベルに対応する電圧レベル(基本的には、アナログ電圧信号の電圧レベルと同じ電圧レベル)を有する駆動電圧をソース出力S1〜S720から出力して、データ線D1〜D720を駆動する。
【0086】
図12A、図12Bは、第4の実施形態の液晶表示装置1の動作を示すタイミングチャートである。ここで、図12A、図12Bは、破線において接合された一つのタイミングチャートを構成していることに留意されたい。以下では、ゲート線G(2n+1)に接続されたメイン画素12A及びゲート線G(2n+2)に接続されたサブ画素12Bの駆動に関連した動作を説明する。
【0087】
第(2n−2)水平期間:
第(2n−2)水平期間では、ゲート線G(2n+1)に接続されたメイン画素12A及びゲート線G(2n+2)に接続されたサブ画素12Bに対応する映像データD(ORG1)〜D(ORG360)がデータ駆動IC8に転送される。転送された映像データD(ORG1)〜D(ORG360)は、ソース出力S1〜S360に対応するラッチ回路42に順次に転送されて格納される。
【0088】
第(2n−1)水平期間:
第(2n−1)水平期間では、ゲート線G(2n+1)に接続されたメイン画素12A及びゲート線G(2n+2)に接続されたサブ画素12Bに対応する映像データD(ORG361)〜D(ORG720)がデータ駆動IC8に転送される。転送された映像データD(ORG361)〜D(ORG720)は、ソース出力S361〜S720に対応するラッチ回路42に順次に転送されて格納される。
【0089】
第(2n)水平期間:
第(2n)水平期間では、ラッチ回路42に格納された映像データD(ORG1)〜D(ORG720)が、ラッチ回路43に転送される。ラッチ回路43は、映像データD(ORG1)〜D(ORG720)を順次にガンマ演算回路44に転送する。
【0090】
ガンマ演算回路44は、ラッチ回路43から映像データD(ORG1)を受け取ると、受け取った映像データD(ORG1)に対してガンマ補正を行う。第(2n)水平期間では、セレクタ34によってパラメータ保持部45Aが選択され、ガンマカーブ「A」の演算パラメータを保持するパラメータ保持部45Aがアクセス可能になる。ガンマ演算回路44は、パラメータ保持部45Aからガンマカーブ「A」の演算パラメータを取り出し、取り出した演算パラメータとラッチ回路43から受け取った映像データD(ORG1)を用いて近似演算を行い、D(ORG1)に対応するガンマ補正後データD(GA1)を出力する。出力されたガンマ補正後データD(GA1)は、ソース出力S1に対応するラッチ回路47に格納される。
【0091】
映像データD(ORG2)〜D(ORG720)についても、同様の手順でガンマ補正が行われる。これにより、ソース出力S1〜S720に対応するラッチ回路47にガンマカーブ「A」により補正されたガンマ補正後データD(GA1)〜D(GA720)が格納される。
【0092】
第(2n+1)水平期間:
第(2n+1)水平期間のブランキング期間にストローブ信号STBがハイレベルにプルアップされると、ラッチ回路48は、ラッチ回路47に格納されているガンマ補正後データD(GA1)〜D(GA720)をラッチする。これにより、ガンマ補正後データD(GA1)〜D(GA720)がラッチ回路47からラッチ回路48に転送される。
【0093】
ガンマ補正後データD(GA1)〜D(GA720)がラッチ回路48に転送されると、転送されたD(GA1)〜D(GA720)に応じてソース出力S1〜S720が駆動されると共に、ゲート線G(2n+1)がプルアップされる。この結果、ガンマカーブ「A」によるガンマ補正によって生成されたガンマ補正後データD(GA1)〜D(GA720)に応じてゲート線G(2n+1)に接続されたメイン画素12Aが駆動される。
【0094】
ガンマ補正後データD(GA1)〜D(GA720)のラッチ回路48への転送に並行して、ガンマ演算回路44は、映像データD(ORG1)〜D(ORG720)に対してガンマカーブ「B」によるガンマ補正を行う。詳細には、第(2n+1)水平期間では、セレクタ34によってパラメータ保持部45Bが選択され、ガンマカーブ「B」の演算パラメータを保持するパラメータ保持部45Bがアクセス可能になる。ガンマ演算回路44は、パラメータ保持部45Bからガンマカーブ「B」の演算パラメータを取り出し、取り出した演算パラメータとラッチ回路43から受け取った映像データD(ORG1)を用いて近似演算を行い、D(ORG1)に対応するガンマ補正後データD(GB1)を出力する。出力されたガンマ補正後データD(GB1)は、ソース出力S1に対応するラッチ回路47に格納される。
【0095】
映像データD(ORG2)〜D(ORG720)についても、同様の手順でガンマ補正が行われる。これにより、ソース出力S1〜S720に対応するラッチ回路47にガンマカーブ「B」により補正されたガンマ補正後データD(GB1)〜D(GB720)が格納される。
【0096】
第(2n+2)水平期間:
第(2n+2)水平期間のブランキング期間にストローブ信号STBがハイレベルにプルアップされると、ラッチ回路48は、ラッチ回路47に格納されているガンマ補正後データD(GB1)〜D(GB720)をラッチする。これにより、ガンマ補正後データD(GB1)〜D(GB720)がラッチ回路47からラッチ回路48に転送される。
【0097】
ガンマ補正後データD(GB1)〜D(GB720)がラッチ回路48に転送されると、転送されたD(GB1)〜D(GB720)に応じてソース出力S1〜S720が駆動されると共に、ゲート線G(2n+2)がプルアップされる。この結果、ガンマカーブ「B」によるガンマ補正によって生成されたガンマ補正後データD(GB1)〜D(GB720)に応じてゲート線G(2n+2)に接続されたサブ画素12Bが駆動される。
【0098】
以上の手順により、ガンマカーブ「A」によるガンマ補正によって生成されたガンマ補正後データD(GA1)〜D(GA720)に応じてメイン画素12Aが駆動され、ガンマカーブ「B」によるガンマ補正によって生成されたガンマ補正後データD(GB1)〜D(GB720)に応じてサブ画素12Bが駆動される。
【0099】
第4の実施形態の液晶表示装置も、第1乃至第3の実施形態の液晶表示装置と同様に、データ駆動IC8へのデータ転送量を低減できる。
【0100】
なお、上記の第4の実施形態では第1及び第2の実施形態と同様に、パラメータ保持部45A、45Bには近似的なガンマ補正演算を行うための演算パラメータを格納するとしたが、ガンマカーブのLUT(Look Up Table)が格納されていてもよい。その場合、ガンマ演算回路22はガンマカーブのLUTから映像データに対応するガンマ補正後の階調値を取り出して、直接出力するような動作をする。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】図1は、1画素が2つの副画素で構成された液晶表示パネルの構成を示す概念図である。
【図2】図2は、1画素が2つの副画素で構成された液晶表示パネルの構成を示す回路図である。
【図3】図3は、従来の液晶表示装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施形態の液晶表示装置の構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、第1の実施形態におけるデータ駆動ICの構成を示すブロック図である。
【図6A】図6Aは、第1の実施形態におけるデータ駆動ICの動作を示すタイミングチャートである。
【図6B】図6Bは、第1の実施形態におけるデータ駆動ICの動作を示すタイミングチャートである。
【図7】図7は、第2の実施形態におけるデータ駆動ICの構成を示すブロック図である。
【図8A】図8Aは、第2の実施形態におけるデータ駆動ICの動作を示すタイミングチャートである。
【図8B】図8Bは、第2の実施形態におけるデータ駆動ICの動作を示すタイミングチャートである。
【図9】図9は、第3の実施形態におけるデータ駆動ICの構成を示すブロック図である。
【図10A】図10Aは、第3の実施形態におけるデータ駆動ICの動作を示すタイミングチャートである。
【図10B】図10Bは、第3の実施形態におけるデータ駆動ICの動作を示すタイミングチャートである。
【図11】図11は、第4の実施形態におけるデータ駆動ICの構成を示すブロック図である。
【図12A】図12Aは、第4の実施形態におけるデータ駆動ICの動作を示すタイミングチャートである。
【図12B】図12Bは、第4の実施形態におけるデータ駆動ICの動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0102】
1:液晶表示装置
2:液晶表示パネル
3:基板
4:タイミングコントローラIC
5:基板
6:ゲート駆動IC
7:基板
8:データ駆動IC
9、9a、D(ORG1):映像データ
10、D(GA1)、D(GB1):ガンマ補正後データ
11:画素
12A:メイン画素
12B:サブ画素
13A、13B:画素電極
14A、14B:TFT
21:シリアルパラレル変換回路
22、22A、22B:ガンマ演算回路
23、23A、23B:パラメータ保持部
24:カウンタ
25:デコーダ
26:スイッチ
27A、27B、28、30:ラッチ回路
29:スイッチ回路
31:レベルシフタ
32:デコーダ
33:アンプ回路
34:セレクタ
41:シリアルパラレル変換回路
42、43:ラッチ回路
44:ガンマ演算回路
45A、45B:パラメータ保持部
46:セレクタ
47、48:ラッチ回路
49:レベルシフタ
50:デコーダ
51:アンプ回路
200:液晶表示装置
101:ドット
102:R画素
102A、102B:R副画素
103:G画素
103A、103B:G副画素
104:B画素
104A、104B:B副画素
105A、105B:TFT
106A、106B:液晶容量
107A、107B:保持容量
210:液晶表示パネル
220:第1保持部
230:第2保持部
250:タイミング制御部
260:スイッチング部
270:第1ゲート駆動部
280:第2ゲート駆動部
290:データ駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルを駆動するデータ駆動IC
とを具備し、
前記液晶表示パネルは、
第1ゲート線と、
第2ゲート線と、
データ線と、
前記データ線と前記第1ゲート線とに接続された第1副画素と、前記データ線と前記第2ゲート線とに接続された第2副画素とを含む画素
とを備え、
前記データ駆動ICは、
外部から受け取った映像データに対して、前記第1ガンマカーブによるガンマ補正を行うことによって第1ガンマ補正後データを生成し、前記映像データに対して前記第2ガンマカーブによるガンマ補正を行うことによって第2ガンマ補正後データを生成するガンマ補正回路部と、
第1水平期間においては第1ガンマ補正後データに応答して前記データ線を駆動し、前記第1水平期間に続く第2水平期間においては、前記第2ガンマ補正後データに応答して前記データ線を駆動するように構成された駆動回路部
とを備える
液晶表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液晶表示装置であって、
前記ガンマ補正回路部は、前記第1ガンマカーブのデータと前記第2ガンマカーブのデータとを保持する保持部を備え、且つ、前記第1ガンマカーブのデータを用いて前記第1ガンマ補正後データを生成し、前記第2ガンマカーブのデータを用いて前記第2ガンマ補正後データを生成するように構成されている
液晶表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の液晶表示装置であって、
前記第1ガンマカーブのデータは、前記第1ガンマカーブによる前記映像データと前記第1ガンマ補正後データとの関係を示す、第1演算パラメータを含み、
前記第2ガンマカーブのデータは、前記第2ガンマカーブによる前記映像データと前記第2ガンマ補正後データとの関係を示す、第2演算パラメータを含み、
前記ガンマ補正回路部は、更に、
前記映像データの受信に同期して動作するカウンタと、
前記カウンタから出力されるカウンタ値と前記映像データと決定される前記パラメータ保持部のアドレスを選択するデコーダと、
前記第1ガンマ補正後データ及び前記第2ガンマ補正後データを生成するガンマ演算回路とを備え、
前記カウンタ値が第1値の場合、前記第1演算パラメータが記憶されている前記パラメータ保持部のアドレスが選択され、選択された前記第1演算パラメータを用いて前記ガンマ演算回路が近似的なガンマ補正演算を行うことによって前記第1ガンマ補正後データが生成され、
前記カウンタ値が第2値の場合、前記第2ガンマカーブの演算パラメータが記憶されている前記パラメータ保持部のアドレスが選択され、選択された前記第2演算パラメータを用いて前記ガンマ演算回路が近似的なガンマ補正演算を行うことによって前記第2ガンマ補正後データが生成される
液晶表示装置。
【請求項4】
請求項2に記載の液晶表示装置であって、
前記第1ガンマカーブのデータは、前記第1ガンマカーブによる前記映像データと前記第1ガンマ補正後データとの対応関係を示す第1LUTを含み、
前記第2ガンマカーブのデータは、前記第2ガンマカーブによる前記映像データと前記第2ガンマ補正後データとの対応関係を示す第2LUTを含み、
前記ガンマ補正回路部は、更に、
前記映像データの受信に同期して動作するカウンタと、
前記カウンタから出力されるカウンタ値と前記映像データとで決定される前記パラメータ保持部のアドレスを選択するデコーダ
とを備え、
前記カウンタ値が第1値の場合、前記第1LUTが記憶されている前記保持部のアドレスが選択され、前記第1ガンマカーブのLUTから読み出された階調値が、前記第1ガンマ補正後データとして前記ガンマ補正回路部から出力され、
前記カウンタ値が第2値の場合、前記第2LUTが記憶されている前記保持部のアドレスが選択され、前記第2ガンマカーブのLUTから読み出された階調値が、前記第2ガンマ補正後データとして前記ガンマ補正回路部から出力される
液晶表示装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の液晶表示装置であって、
前記データ駆動ICは、更に、前記映像データを外部から受け取り、受け取った前記映像データを前記ガンマ補正回路部に転送するための一時格納回路部を備えており、
前記第1水平期間の前の第3水平期間において、前記映像データが前記一時格納回路部から前記ガンマ補正回路部に転送されると共に、前記第1ガンマ補正後データが転送された前記映像データから生成され、
前記第1水平期間においては、前記映像データが前記一時格納回路部から前記ガンマ補正回路部に再度に転送されると共に、前記第2ガンマ補正後データが転送された前記映像データから生成される
液晶表示装置。
【請求項6】
第1ゲート線と、第2ゲート線と、データ線と、前記データ線と前記第1ゲート線とに接続された第1副画素と、前記データ線と前記第2ゲート線とに接続された第2副画素とを含む画素とを備える液晶表示パネルを駆動するためのデータ駆動ICであって、
外部から受け取った映像データに対して、前記第1ガンマカーブによるガンマ補正を行うことによって第1ガンマ補正後データを生成し、前記映像データに対して前記第2ガンマカーブによるガンマ補正を行うことによって第2ガンマ補正後データを生成するガンマ補正回路部と、
第1水平期間においては第1ガンマ補正後データに応答して前記データ線を駆動し、前記第1水平期間に続く第2水平期間においては、前記第2ガンマ補正後データに応答して前記データ線を駆動するように構成された駆動回路部
とを具備する
データ駆動IC。
【請求項7】
請求項6に記載のデータ駆動ICであって、
前記ガンマ補正回路部は、前記第1ガンマカーブのデータと前記第2ガンマカーブのデータとを保持する保持部を備え、且つ、前記第1ガンマカーブのデータを用いて前記第1ガンマ補正後データを生成し、前記第2ガンマカーブのデータを用いて前記第2ガンマ補正後データを生成するように構成されている
データ駆動IC。
【請求項8】
請求項7に記載のデータ駆動ICであって、
前記第1ガンマカーブのデータは、前記第1ガンマカーブによる前記映像データと前記第1ガンマ補正後データとの関係を示す、第1演算パラメータを含み、
前記第2ガンマカーブのデータは、前記第2ガンマカーブによる前記映像データと前記第2ガンマ補正後データとの関係を示す、第2演算パラメータを含み、
前記ガンマ補正回路部は、更に、
前記映像データの受信に同期して動作するカウンタと、
前記カウンタから出力されるカウンタ値と前記映像データと決定される前記パラメータ保持部のアドレスを選択するデコーダと、
前記第1ガンマ補正後データ及び前記第2ガンマ補正後データを生成するガンマ演算回路とを備え、
前記カウンタ値が第1値の場合、前記第1演算パラメータが記憶されている前記パラメータ保持部のアドレスが選択され、選択された前記第1演算パラメータを用いて前記ガンマ演算回路が近似的なガンマ補正演算を行うことによって前記第1ガンマ補正後データが生成され、
前記カウンタ値が第2値の場合、前記第2ガンマカーブの演算パラメータが記憶されている前記パラメータ保持部のアドレスが選択され、選択された前記第2演算パラメータを用いて前記ガンマ演算回路が近似的なガンマ補正演算を行うことによって前記第2ガンマ補正後データが生成される
データ駆動IC。
【請求項9】
請求項7に記載のデータ駆動ICであって、
前記第1ガンマカーブのデータは、前記第1ガンマカーブによる前記映像データと前記第1ガンマ補正後データとの対応関係を示す第1LUTを含み、
前記第2ガンマカーブのデータは、前記第第2ガンマカーブによる前記映像データと前記第2ガンマ補正後データとの対応関係を示す第2LUTを含み、
前記ガンマ補正回路部は、更に、
前記映像データの受信に同期して動作するカウンタと、
前記カウンタから出力されるカウンタ値と前記映像データとで決定される前記パラメータ保持部のアドレスを選択するデコーダ
とを備え、
前記カウンタ値が第1値の場合、前記第1LUTが記憶されている前記保持部のアドレスが選択され、前記第1ガンマカーブのLUTから読み出された階調値が、前記第1ガンマ補正後データとして前記ガンマ補正回路部から出力され、
前記カウンタ値が第2値の場合、前記第2LUTが記憶されている前記保持部のアドレスが選択され、前記第2ガンマカーブのLUTから読み出された階調値が、前記第2ガンマ補正後データとして前記ガンマ補正回路部から出力される
データ駆動IC。
【請求項10】
請求項6又は7に記載のデータ駆動ICであって、
前記映像データを外部から受け取り、受け取った前記映像データを前記ガンマ補
正回路部に転送するための一時格納回路部を備えており、
前記第1水平期間の前の第3水平期間において、前記映像データが前記一時格納
回路部から前記ガンマ補正回路部に転送されると共に、前記第1ガンマ補正後デー
タが転送された前記映像データから生成され、
前記第1水平期間においては、前記映像データが前記一時格納回路部から前記ガ
ンマ補正回路部に再度に転送されると共に、前記第2ガンマ補正後データが転送さ
れた前記映像データから生成される
データ駆動IC。
【請求項11】
第1ゲート線と、第2ゲート線と、データ線と、前記データ線と前記第1ゲート線とに接続された第1副画素と、前記データ線と前記第2ゲート線とに接続された第2副画素とを含む画素とを備える液晶表示パネルを駆動するための液晶表示パネル駆動方法であって、
データ駆動ICに映像データを外部から供給するステップと、
前記データ駆動ICにおいて前記映像データに対して第1ガンマカーブによるガンマ補正を行うことによって第1ガンマ補正後データを生成するステップと、
前記データ駆動ICにおいて前記映像データに対して第2ガンマカーブによるガンマ補正を行うことによって第2ガンマ補正後データを生成するステップと、
第1水平期間において、第1ガンマ補正後データに応答して前記データ線を駆動するステップと、
前記第1水平期間に続く第2水平期間において、前記第2ガンマ補正後データに応答して前記データ線を駆動するステップ
とを備える
液晶表示パネル駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【公開番号】特開2009−145601(P2009−145601A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−322525(P2007−322525)
【出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】