説明

液晶表示装置

【課題】 EMIを減少させた信号伝送方式を採用した液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】 液晶表示パネル51の周縁にソースドライバIC55A〜55Dを搭載した複数個のTCP53A〜53Dを配設し、隣接するTCPを前記液晶表示パネル51に形成された接続配線62A〜62Dで接続し、外部回路基板54から前記液晶表示パネル51及び前記液晶ドライバIC55A〜55Dの駆動に必要な画像データ信号を含む各種信号及び電圧を前記複数個のTCPの端部の1つ53Aに供給し、このTCP53Aから隣接するTCP53B〜53Dに前記各種信号及び電圧を順次供給するようにした液晶表示装置10において、
前記ソースドライバIC55A〜55Dは、入力された画像データ信号のうち、処理した画像データ信号を除いた他の画像データ信号を隣接する次のソースドライバICに出力するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関し、特にゲートドライバICないしソースドライバICからなる液晶ドライバICを搭載した複数個のTCP(Tape Carrier Package)を直列接続して液晶表示パネルの周縁に装着した液晶表示装置において、液晶表示パネルの近傍に配置されている外部回路基板から複数個のTCPに搭載されている液晶ドライバ用ICへの配線数を減らし、容易に組立ができるようになすと共に電磁妨害雑音(Electro-Magnetic Interference. 以下、「EMI」という。)を減少させた液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、一般に、液晶表示パネルとこの液晶表示パネルを駆動する制御回路とは、液晶ドライバ用ICを搭載した複数個のTCPによって接続されている。これらのTCPは、それぞれ複数個のソース駆動用TCP及びゲート駆動用TCPからなり、これらのTCPが外部回路基板に接続され、この外部回路基板から各TCPへ画像データ信号、電源電圧等が供給され、各TCPに載置されているゲートドライバICないしソースドライバICからなる液晶ドライバ用ICにより液晶表示パネルを駆動するようになっている(下記特許文献1及び2参照)。
【0003】
このようなTCP方式の液晶表示装置の動作原理を図3及び図4に示す。図3(a)はTCP方式の液晶表示装置の概略図であり、図3(b)は図3(a)に搭載されるソース駆動用TCP(又はゲート駆動用TCP)の概略図であり、図4は各ソース駆動用TCPにおける各データの流れを説明するタイミングチャートである。
【0004】
図3において、TCP方式の液晶表示装置50は、TFT(Thin Film Transistor)を装着したアクティブマトリクス型の液晶表示パネル51の周縁に液晶表示パネル51のゲート信号線又はソース信号線に信号を供給するための複数のゲート駆動用TCP52及びソース駆動用TCP53と、各TCP52、53に画像データ信号、クロック信号、IC駆動用電源電圧、対向電極駆動用電源電圧等の液晶表示パネル駆動信号を供給するための外部回路基板54と、を備えている。
【0005】
ゲート駆動用TCP52又はソース駆動用TCP53は、図3(b)に示すように、フレキシブル基板56上に例えばソースドライバIC55と、このソースドライバIC55に液晶表示パネルの各種駆動信号を供給するための信号供給配線57と、ソースドライバIC55から出力された信号を液晶表示パネル51へ供給するための信号出力配線58とを備えている。
【0006】
前記各TCP52、53の信号供給配線57は、例えば図4に示すように、液晶表示パネル51の近傍にある外部回路基板54上の端子と電気的に接続されており、外部回路基板54上に設けられた画像データ処理用IC59及び図示しない電源回路等から液晶表示パネル駆動用信号をソースドライバIC55等に導入している。なお、画像データ処理用IC59には、別途図示しないPC等の画像信号発生装置からの画像信号が入力されるようになっている。
【0007】
このTCP方式の液晶表示装置50の動作原理を、ソース駆動用TCP53の場合を例に取り、図4を用いて説明する。図4に示されている液晶表示装置50は、例えば4個のソース駆動用TCP53A〜53Dを備えており、このソース駆動用TCP53A〜53DのそれぞれにはソースドライバIC55A〜55Dが載置されている。なお、液晶表示装置50には、ゲート駆動用TCP52も複数個接続されているが、図4においてはそのうちの1個のみ記載してある。
【0008】
PC等の画像信号発生装置からの画像信号は、画像データ処理用IC59により処理され、クロック信号に同期して一走査期間内に所定の一連の画像データ信号a〜dが、それぞれ信号供給配線57A〜57Dを介して各ソース駆動用TCP53A〜53Dに載置されているソースドライバIC55A〜55Dに同時に供給されている。なお、この画像データ信号a〜dは、本来はそれぞれソースドライバIC55A〜55Dが接続されている液晶表示パネル51のソース信号線の本数に対応する数のパルス列からなるものであるが、図4においては説明を容易にするために、画像データ信号a〜dを含む単一のパルスとして表示してある。
【0009】
一方、各ソースドライバIC55A〜55Dのそれぞれには個別に所定のタイミングに合わせてスタートパルスが供給されており、例えば、ソースドライバIC55Aに画像データ信号が入力されるときに画像データ信号aに合わせてソースドライバIC55Aにスタートパルスが供給され、ソースドライバIC55Aが画像データ信号aを処理して液晶表示パネル51のそれぞれの画素に接続されている所定のソース信号線に個別に出力するようになっている。以上は、ソース駆動用TCP53A〜53Dについての説明であるが、ゲート駆動用TCP52についても同様の処理が行われて液晶表示パネル51において所定の画像表示が行われるようになっている。
【0010】
ところが、このようなTCP52、53A〜53Dを設けた液晶表示装置50は、画像データ信号及び電源電圧等は、外部回路基板54からそれぞれのTCPに個別に供給されるので、外部回路基板54上に多数の配線が必要となる。このため、外部回路基板54、TCP52、53A〜53D及び液晶表示パネル51の製造工程が複雑化し、コストアップ及び信頼性の低下等を生じるという問題点を有している。
【0011】
そこで、近年は、このようなTCPに対して配線数を減らすために、一つのTCPへ入力した信号等を順次隣接するTCPへ伝送して行く、いわゆる信号伝送方式を採用した液晶表示装置が開発された(下記特許文献2参照。)。
【0012】
そこで、以下において本発明の理解のために、下記特許文献2に開示されている信号伝送方式を採用した液晶表示装置60を図5を用いて説明する。なお、図5は、下記特許文献2に開示されている液晶表示装置の概略的な平面図であり、図4に記載の液晶表示装置50と同一の構成部分には同一の参照符号を付与して説明することとする。
【0013】
この液晶表示装置60は、アクティブマトリクス型の液晶表示パネル51と、この液晶表示パネル51の周縁部近傍に配置された外部回路基板54と、この外部回路基板54に接続され、液晶表示パネル51の一方の周縁部に配置された複数個、例えば4個のソース駆動用TCP53A〜53Dを備えている。
【0014】
そして、それぞれのソース駆動用TCP53A〜53D上には、それぞれソースドライバICと、このソースドライバICに信号を入力するための信号入力配線と、ソースドライバICからの出力信号を液晶表示パネルに出力するための第1の信号出力線と、ソースドライバICからの出力信号を隣接するTCPへ送るための第2の信号出力線と、ソースドライバICを駆動するための電源配線等が配設(図示省略)されており、これらの複数のソース駆動用TCP53B〜53Dの信号入力線は、それぞれ接続配線62B〜62Dにより前段のソース駆動用TCPの第2の信号出力線と接続されて互いに直列接続されており、最初のソース駆動用TCP53Aは接続配線62A及びフレキシブル配線基板61を介して外部回路基板54に接続されている。外部回路基板54は、画像データ処理用IC59及び電源回路(図示せず)等で構成されており、図示しないPC等の画像信号生成装置から送信されてきた画像信号が画像データ処理用IC59で処理され、その出力が各種信号等の供給配線57、フレキシブル配線基板61、接続配線62Aを介して最初のソース駆動用TCP53AのソースドライバIC55Aに供給されるようになっている。
【0015】
また、液晶表示パネル51の他の周縁には、同様に複数個(図5では1個のみを図示)のゲート駆動用TCP53に個別に載置されたゲート駆動用TCPが設けられ、これらも直列接続され、最初のゲート駆動用TCP52A上のゲートドライバICが、ソースドライバICの場合と同様に、図示しない別の信号等の供給配線に接続されている。
【0016】
この液晶表示装置60においては、外部回路基板54の画像データ処理用IC59から各ソースドライバIC55A〜55Dへ供給されるクロック信号、画像データ信号、タイミングパルス等は、全て前記図4に示した液晶表示装置50のものと同様である。すなわち、画像データ信号は、ソースドライバIC55A〜55Dの画像データ信号用入力端子がそれぞれ電気的には並列に接続され、ソースドライバIC55A〜55Dに同時に供給されるようになっており、また、タイミングパルスはそれぞれのソース駆動IC55A〜55Dに個別に供給されるようになっている。したがって、画像データ信号は図4に示した液晶表示装置50の場合と同様に処理されて、液晶表示パネル51に所定の画像が表示されるようになっている。
【0017】
このように、液晶表示装置60においては外部回路基板54とTCPとの間を結ぶ配線数を大きく減らすことができるため、外部回路基板54、TCP52、53A〜53D及び液晶表示パネル51の製造工程が簡略化され、製造コストの低減を図ることが可能となる。
【特許文献1】特開昭62−238684号公報(1頁右下欄1〜13行、図2)
【特許文献2】特開2001−056481号公報(特許請求の範囲、段落[0002]〜[0013]、[0043]〜[0047]、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、この液晶表示装置60においては、使用時にかなりのEMIが発生することが見出された。本願の発明者等はこのEMI発生の原因を種々調査したところ、ソースドライバIC55A〜55Dのそれぞれの画像データ信号用入力端子は、電気的に並列に接続して画像データ信号を同時に供給するため、液晶表示パネル51の縁に沿って一方の端部の接続配線62aから他方の端部のソース駆動55Dに至るまでの範囲に亘って伸びている長い画像データ信号配線が存在しており、この長い画像データ信号配線にソースドライバIC55A〜55Dへ同時に並列に供給される画像データ信号が流れているため、これがEMI発生の原因となっていることを見出した。この液晶表示装置60においては、液晶表示パネル51の縁には多数の配線が設けられており、しかもこの縁の大きさを大きくすることは液晶表示パネル51の画像表示に関与しない無駄な面積を増やすことにつながるために採用できないので、別途シールドライン等を設けるといったようなEMI改善のための周知の手段を採用することは容易ではない。
【0019】
本発明はこのような従来技術が抱える問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、一つのTCPへ入力した信号等を順次隣接するTCPへ伝送して行く、いわゆる信号伝送方式を採用した液晶表示装置において、画像データ信号配線に流れる画像データ信号自体を電気的に処理することによりEMI発生を劇的に減少させた液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記本発明の目的は以下の構成により達成することができる。すなわち、本願の請求項1に記載の液晶表示装置の発明は、液晶表示パネルの周縁にゲートドライバICないしソースドライバICからなる液晶ドライバICを搭載した複数個のTCPを配設し、隣接するTCPを前記液晶表示パネルに形成された接続配線で接続し、外部回路基板から前記液晶表示パネル及び前記液晶ドライバICの駆動に必要な画像データ信号を含む各種信号及び電圧を前記複数個のTCPの端部の1つに供給し、このTCPから隣接するTCPに前記各種信号及び電圧を順次供給するようにした液晶表示装置において、前記ソースドライバICは、入力された画像データ信号のうち、処理した画像データ信号を除いた他の画像データ信号を隣接する次のソースドライバICに出力するようにしたことを特徴とする。
【0021】
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の液晶表示装置において、前記ソースドライバICは画像データ出力制御回路を備え、前記画像データ出力制御回路は、前記ソースドライバICに入力されたスタートパルスに対応する画像データ信号を除いた他の画像データ信号を隣接する次のソースドライバICに出力するようにしたことを特徴とする。
【0022】
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の液晶表示装置において、前記画像データ出力制御回路は、前記ソースドライバICにスタートパルスが入力されている間は画像データ信号を通過させず、前記ソースドライバICにスタートパルスが入力されていない間は前記画像データ信号を通過させる回路からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、上述の構成を備えることにより以下のような優れた効果を奏する。すなわち、請求項1に記載の発明によれば、所定のソースドライバICで処理された画像データ信号は他のソースドライバICでは不要の信号であるため、ソースドライバICから出力される画像データ信号はソースドライバICを通るごとに減少していくので、液晶表示パネルの縁に沿って一方の端部のTCPから他方の端部のTCPまで伸びている長い画像データ信号用配線が存在していても、この画像データ信号に起因するEMIの発生が劇的に減少する。
【0024】
また、請求項2に記載の発明によれば、前記ソースドライバICは、入力されたスタートパルスに対応した画像データ信号を処理して液晶表示パネルに出力するようになっているから、このスタートパルスに対応する画像データ信号を除いた他の画像データ信号を隣接する次のソースドライバICに出力することにより容易に必要な画像データ信号を隣接するソースドライバIC
また、請求項3に記載の発明によれば、簡単なスイッチ回路により必要な画像データ信号のみを選択して出力することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係る液晶表示装置の実施の形態について添付の図面を参照して詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための液晶表示装置の一例を示すものであって、本発明をこの液晶表示装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適用し得るものである。なお、以下の説明において、図5に示した従来例の液晶表示装置60と同一の構成要素には同一の参照符号を付して説明することとする。
【実施例】
【0026】
図1は本発明の実施例の液晶表示装置10の各ソース駆動用TCPにおける各データの流れを説明するタイミングチャートある。この液晶表示装置10は、図5に示した従来例の液晶表示装置60と大部分が共通の構成を有しており、異なるところは、
(1)各ソース駆動用TCP上のソースドライバICの画像データ信号用入力端子は、互いに並列接続されておらず、前段のソースドライバICで処理された後の画像データ信号が隣接するソースドライバICの画像データ信号用入力端子に送られるようにされている点、及び、
(2)各ソースドライバICは、入力された画像データ信号に対して従来例と同様の信号処理を行って液晶表示パネルのそれぞれの画素に接続されている所定のソース信号線に個別に出力するとともに、入力された画像データ信号のうち処理しなかった画像データ信号のみを隣接するソースドライバICに送出するようになしている点、
にある。
【0027】
すなわち、外部回路基板54の画像データ処理用IC59から得られた一走査期間中の一連の画像データ信号a〜dは、信号供給配線57、フレキシブル配線基板61及び接続配線62Aを経て最初のTCP53A上に設けられたソースドライバIC55Aに入力される。そして、ソースドライバIC55Aは、これに入力されるスタートパルスに応じて画像データ信号aを処理し、液晶表示パネル51のそれぞれの画素に接続されている所定のソース信号線に画像データ信号を出力するとともに、この画像データ信号aは他のソースドライバICでは不要の信号であるため、このソースドライバIC55Aで処理されなかった残りの画像信号b〜dを隣接するソースドライバIC55Bに送出する。
【0028】
ソースドライバIC55Bにおいては、これに入力されるスタートパルスに応じて同様に画像データ信号bを処理し、液晶表示パネル51のソース信号線に画像データ信号を出力するとともに、この画像データ信号bも他のソースドライバICでは不要であるため、このソースドライバIC55Bで処理されなかった残りの画像信号c及びdを隣接するソースドライバIC55Cに送出し、そして、ソースドライバIC55C及び55Dにおいても順次同様の処理を行うようになっている。
【0029】
このような構成とすることにより、接続配線62Aには画像データ信号a〜dが流れているが、接続配線62Bには画像データ信号b〜dが、接続配線62Cには画像データ信号c及びdが、更に、接続配線62Dには画像データ信号dが流れている状態となる。したがって、図5に示した従来の信号伝送方式を採用した液晶表示装置60の接続配線62A〜62Dには全て画像データ信号a〜dが流れているが、本実施例の接続配線62A〜62Dに流れている画像データ信号は順次減少していくため、接続配線62A〜62Dから生じるEMIは劇的に減少する。
【0030】
ここで、本実施例で使用するソースドライバICの具体例を図2を用いて説明する。なお、図2は、本発明で使用するソースドライバICの内部回路構成を説明するためのブロック図である。このソースドライバICは、従来のソースドライバICと同様に、シフトレジスタ63、データラッチ64、データレジスタ65、ラッチ66、レベルシフタ67、階調電圧発生回路68、D/Aコンバータ69、出力回路70を備えているほか、独自の構成として、入力された画像データから所定の画像データを選択的に次段に出力する画像データ出力制御回路71を備えている。
【0031】
シフトレジスタ63は、クロック信号に同期してシフト動作を行い、所定のスタートパルス入力に基いて画像データをサンプリングするビットを選択し、データラッチ64は入力された画像データを一時的に格納してデータレジスタ65に送出する。データレジスタ65は、シフトレジスタ63からの指示により、データラッチ64から時分割して入力される画像データのうち、所定の画像データをサンプリングしてラッチ66に送出する。ラッチ65においてはストローブ入力に応じてデータレジスタ65のデータを一括してラッチし、レベルシフタ67に送出する。レベルシフタ67は、ラッチ65においてラッチしたデータをアナログ回路部電源レベルにシフトしてD/Aコンバータ66に送出する。階調電圧発生回路68は、外部より入力された基準電圧を内部ラダー抵抗により抵抗分割し、γ補正された電圧を発生し、D/Aコンバータ68に送出する。D/Aコンバータ68は、階調電圧発生回路68からのγ補正された電圧に基いてレベルシフタ67から入力されたデジタル画像信号をアナログ信号に変換し、出力回路70に送出する。出力回路70は、OPアンプと出力バッファで構成されたボルテージフォロワであり、液晶駆動用出力端子にアナログ信号を出力する。
【0032】
一方、画像データ出力制御回路71は、シフトレジスタ63により指示されたタイミングで、データラッチ64にラッチされた画像データのうち、データレジスタ65に格納されなかった画像データ信号を隣接するソースドライバICへ出力するようになっている。この場合、前記画像データ出力制御回路71は、前記ソースドライバICにスタートパルスが入力されている間は画像データ信号を通過させず、前記ソースドライバICにスタートパルスが入力されていない間は前記画像データ信号を通過させるスイッチ回路のような簡単な回路から構成することができる。
【0033】
したがって、本実施例で使用するソースドライバICは、入力された画像データ信号のうち、処理した画像データ信号を除いた他の画像データ信号を隣接する次のソースドライバICに送出するようになっているから、多段に直列接続されているソースドライバICには順次データ量が減少した画像データ信号が送出されるため、たとえ画像データ信号配線が長くなっても画像データ信号の入力端部から離れるに従って順次画像データ信号量が減少するため、EMIの発生が劇的に少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の液晶表示装置における各ソース駆動用TCP上のソースドライバICにおける各データの流れを説明するタイミングチャートである。
【図2】本発明で使用するソースドライバICの内部回路構成を説明するためのブロック図である。
【図3】図3(a)はTCP方式の液晶表示装置の概略図であり、図3(b)は図3(a)に搭載されるソース駆動用TCP(又はゲート駆動用TCP)の概略図である。
【図4】図3の液晶表示装置の各ソース駆動用TCP上のソースドライバICにおける各データの流れを説明するタイミングチャートである。
【図5】信号伝送方式を採用した従来の液晶表示装置の概略図である。
【符号の説明】
【0035】
50、60 液晶表示装置
51 液晶表示パネル
52 ゲート駆動用TCP
53、53A〜53D ソース駆動用TCP
54 外部回路基板
55、55A〜55D ソースドライバIC
56 フレキシブル配線基板
57、57A〜57D 信号供給配線
58 信号出力配線
59 画像データ処理用IC
61 フレキシブル配線基板
62A〜62D 接続配線
63 シフトレジスタ
64 データラッチ
65 データレジスタ
68 D/Aコンバータ
70 出力回路
71 画像データ出力制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶表示パネルの周縁にゲートドライバICないしソースドライバICからなる液晶ドライバICを搭載した複数個のテープキャリアパッケージ(以下、「TCP」という。)を配設し、隣接するTCPを前記液晶表示パネルに形成された接続配線で接続し、外部回路基板から前記液晶表示パネル及び前記液晶ドライバICの駆動に必要な画像データ信号を含む各種信号及び電圧を前記複数個のTCPの端部の1つに供給し、このTCPから隣接するTCPに前記各種信号及び電圧を順次供給するようにした液晶表示装置において、
前記ソースドライバICは、入力された画像データ信号のうち、処理した画像データ信号を除いた他の画像データ信号を隣接する次のソースドライバICに出力するようにしたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記ソースドライバICは画像データ出力制御回路を備え、前記画像データ出力制御回路は、前記ソースドライバICに入力されたスタートパルスに対応する画像データ信号を除いた他の画像データ信号を隣接する次のソースドライバICに出力するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記画像データ出力制御回路は、前記ソースドライバICにスタートパルスが入力されている間は画像データ信号を通過させず、前記ソースドライバICにスタートパルスが入力されていない間は前記画像データ信号を通過させる回路からなることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−23589(P2006−23589A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−202296(P2004−202296)
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】