説明

液晶表示装置

【課題】液晶表示装置において各画素の上下の基板にそれぞれ画素電極を設けると、上下の画素電極それぞれに画像信号を印加するための構成に起因して、開口率の低下や製造コストの増加を生じる。
【解決手段】第1の基板8は信号配線18、第1の画素電極26a、及びそれらを導通させるTFT20を有する。第2の基板10は第2の画素電極26bを有する。基板8,10の間には液晶層12が設けられる。第1の画素電極26a及び第2の画素電極26bは液晶層12に面して配置される。両画素電極26a,26bが相互に対向する部分に導電性ビーズ40を配し、両画素電極を当該導電性ビーズ40で電気的に接続する。第2の画素電極26bは信号配線18からTFT20及び第1の画素電極26aを介して画像信号を印加される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、CRT(Cathode Ray Tube)やPDP(Plasma Display Panel)などに代表される自発光型の表示装置と異なって、非発光型の表示装置であり、光源からの光の透過光量または外光の反射光量あるいはその両方を調節することで映像や画像を表示する。
【0003】
また、液晶表示装置は、薄型、軽量、低消費電力といった特徴を有し、近年、液晶テレビ、パーソナルコンピュータ用のディスプレイ、携帯電話端末などの携帯型電子機器の表示部などに広く用いられている。
【0004】
液晶表示装置は、液晶表示パネルと、当該液晶表示パネルを駆動させる駆動回路とを有する。液晶表示パネルは、一対の基板の間に液晶材料が封入された表示パネルであり、多数の画素の集合で構成される表示領域を有する。各画素は、画素電極及び共通電極を備え、画素電極と共通電極との電位差によって液晶層(液晶分子)の配向を変化させることで、透過光量または反射光量あるいはその両方を変化させる。
【0005】
画素電極及び共通電極の配置の仕方は、画素電極と共通電極とを異なる基板に配置する構成と、同じ基板に配置する構成とに大別される。画素電極と共通電極とを同じ基板に配置した液晶表示パネルは、一般に、IPS(In Plane Switching)方式と呼ばれており、液晶分子を基板に平行な面内で回転させることで、透過光量又は反射光量、或いはその両方を調節する。IPS方式の液晶表示パネルは液晶層の配向方向が水平に近いので、視野角変化による液晶層のリタデーション変化が小さい。そのため、IPS方式を採用した液晶表示装置は広視野角を達成できる。一方、VA(Vertical Alignment)方式などは画素電極と共通電極とを異なる基板に配置する構成を採用する。
【0006】
これらIPS方式やVA方式に対して、近年、電界印加により光学等方性から光学異方性に変化する物質を用いる液晶表示方式が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。当該液晶表示方式においては、青色相を有する液晶材料やキュービック対称性を有する液晶材料などが用いられ(例えば、非特許文献1を参照)、IPS方式と同様に、くし歯状の電極部分を有したくし形電極により基板に平行な電界を印加する。これらの液晶表示装置では、数マイクロ〜数百マイクロ秒の応答特性が得られ、従来のネマティック相を用いたIPS方式などよりもはるかに高速な動作が可能となり、動画表示の表示品質が大幅に向上することが期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3504159号公報
【特許文献2】特開2006−003840号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Yoshiaki Hisakado etc. “ Large Electro-optic Kerr Effect in Polymer-StabilizedLiquid-Crystalline Blue Phases”, Advanced Materials,Vol.17,No.1,96(2005)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
例えば液晶材料に青色相液晶を用い、くし形電極からなる画素電極と共通電極とを同じ基板に配置して駆動する液晶表示装置では、それら電極を透明電極材で形成しても当該電極部分では光は透過しない。その一つの原因は、画素電極と共通電極とを同じ基板に配置した場合、電極上では通常、電界強度が弱く光学異方性が付与されないことにある。また、電極上では基板面に平行な電界成分が少なく、基板面に垂直な電界成分が多いことも原因の一つである。
【0010】
ここで、電極を液晶層を挟持する一対の基板の片方だけでなく、双方に配置する構成とすれば、電極上においても基板面に平行な成分を有する電界を発生させることが可能である。上記問題は当該構成により解決可能である。さらにこの構成において、画像信号に応じた電圧が印加される画素電極を一対の基板の一方だけに配置し、他方基板の電極の電位は固定する構成よりも、他方基板の電極の電位を任意に調節可能とする構成や、他方基板にも画素電極を設ける構成の方が、液晶に好適な電界を印加して透過率の向上を図ることが可能である。
【0011】
しかし、一対の基板の双方に画素電極等を配置する構成は、双方の基板に画素毎に薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)を設けたり、各画素への信号配線を設置する必要が生じ、開口率が低下したり、製造コストが増大するといった問題があった。
【0012】
本発明は上記の問題点を解決するものであり、その目的は、青色相液晶に代表される電圧印加により光学異方性を生じる液晶を用いた液晶表示装置において、透過率の向上や駆動電圧の低減を図りつつ、開口率を向上させ、また製造コストの低減を図ることにある。
【0013】
本発明の上述の目的、並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面によって明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る液晶表示装置は、画像信号を印加される信号配線、及び複数の画素それぞれに配されるスイッチ素子を形成された第1の基板と、前記第1の基板に間隔を置いて対向配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板とに挟持された液晶層と、前記第1の基板の前記液晶層に接する面に前記画素毎に設けられ、前記信号配線に前記スイッチ素子を介して接続され、前記液晶層を駆動する駆動電界を生じる第1の画素電極と、前記第2の基板の前記液晶層に接する面に前記画素毎に設けられ、前記駆動電界を生ずる第2の画素電極と、前記第1及び第2の画素電極相互の対向位置における前記間隔に配置され当該両画素電極間を電気的に接続し、前記第2の画素電極に前記画像信号に応じた電圧を印加する相互接続部と、を有する。当該液晶表示装置において、前記液晶層は、前記駆動電界を印加しないときには光学的等方性を示し、前記駆動電界の印加に伴い光学的異方性を発現する物質とすることができる。
【0015】
他の本発明に係る液晶表示装置は、さらにそれぞれ基準電圧を印加され前記画素電極との間に前記駆動電界を生じる電極であり、前記第1の基板の前記液晶層に接する面に設けられた第1の共通電極及び前記第2の基板の前記液晶層に接する面に設けられた第2の共通電極と、前記第1及び第2の共通電極相互の対向位置における前記間隔に配置され当該両共通電極間を電気的に接続する相互接続部と、を有する。
【0016】
別の本発明に係る液晶表示装置は、前記第1及び第2の基板を含む液晶パネルの背面へ光を照射する光源を有するものにおいて、前記液晶パネルが、前記光源からの照射光が前記相互接続部の近傍を透過することを阻止する遮光部を有するものである。
【0017】
上記本発明に係る液晶表示装置において、前記相互接続部は、略球状の導電体を有する構成とすることができる。前記相互接続部は、柱状の導電体であってもよいし、表面に導電体を膜状に形成された柱状の部材であってもよい。また、前記相互接続部は、前記基板の前記間隔を当該基板の面内にて均一に保つ機能を兼ねることができる。
【0018】
本発明に係る液晶表示装置において、前記第1及び第2の画素電極間の前記相互接続部は、前記画像信号を前記第1の画素電極に印加したときに、前記第1の画素電極と前記第2の画素電極との間に電位差を生じる構成としてもよい。
【0019】
前記略球状の導電体を有する相互接続部は、さらに前記略球状の導電体と前記第1又は第2の画素電極との間に、前記略球状の導電体を停留させる導電性の支持体を有してもよい。前記支持体は、前記略球状の導電体に接する面が当該導電体よりも曲率が小さい凹面である構造や、前記略球状の導電体に対して粘着性を有する部材とすることができる。
【0020】
前記第1の画素電極及び前記第2の画素電極の少なくとも一方は、くし形の平面形状とすることができる。また、前記第1の共通電極及び前記第2の共通電極の少なくとも一方は、くし形の平面形状とすることができる。前記第1の画素電極、前記第2の画素電極、前記第1の共通電極及び前記第2の共通電極が、くし形の平面形状を有する本発明に係る液晶表示装置の好適な態様は、当該各電極のくし歯部分は互いに略平行であって、かつ前記基板の法線方向から見て互いに重ならないように配置されているものである。
【0021】
上記本発明に係る液晶表示装置において、前記液晶層は、青色相を発現する液晶材料とすることができる。
【0022】
また、前記第1及び第2の基板はそれぞれ、前記液晶層に面する側とは反対側の面に、互いに偏光方向をずらして配置された偏光板を有する構成とすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の液晶表示装置によれば、透過率を向上させながら開口率も向上する。また、本発明の液晶表示装置によれば、製造コストも低下させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態である液晶表示装置の模式的な断面図である。
【図2】画素表示領域に配列された画素の等価回路を示す図である。
【図3】第1の実施形態に係る液晶表示装置の一画素における第1の基板の模式的な平面図である。
【図4】第1の実施形態に係る液晶表示装置の一画素における第2の基板の模式的な平面図である。
【図5】第1の実施形態に係る液晶表示装置の液晶セルの図3,図4の直線A−Aに沿った模式的な断面図である。
【図6】第1の実施形態に係る液晶表示装置の液晶セルの図3,図4の直線B−Bに沿った模式的な断面図である。
【図7】くし形電極を用いた従来の一般的な液晶表示装置の一画素における第1の基板の模式的な平面図である。
【図8】くし形電極を用いた従来の一般的な液晶表示装置の一画素における第2の基板の模式的な平面図である。
【図9】従来の液晶表示装置の液晶セルの図7,図8の直線C−Cに沿った模式的な断面図である。
【図10】従来の液晶表示装置の液晶セルの図7,図8の直線D−Dに沿った模式的な断面図である。
【図11】本発明の実施形態の液晶表示装置、及び従来の液晶表示装置の電圧―透過率特性を示すグラフである。
【図12】第2の実施形態に係る液晶表示装置の図3,図4の直線B−Bに沿った模式的な断面図である。
【図13】第3の実施形態に係る液晶表示装置の図3,図4の直線B−Bに沿った模式的な断面図である。
【図14】第4の実施形態に係る液晶表示装置の一例の図3,図4の直線B−Bに沿った模式的な断面図である。
【図15】第4の実施形態に係る液晶表示装置の別の例の図3,図4の直線B−Bに沿った模式的な断面図である。
【図16】第5の実施形態に係る液晶表示装置の一画素における第1の基板の模式的な平面図である。
【図17】第5の実施形態に係る液晶表示装置の一画素における第2の基板の模式的な平面図である。
【図18】第6の実施形態に係る液晶表示装置の図3,図4の直線B−Bに沿った模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明及び図面において、同一の機能を有するものは、同一の符号を付し、重複する説明を避ける。各実施形態に係る液晶表示装置は、例えば携帯電話の表示部やテレビの表示部などに使用することができる。
【0026】
[第1の実施形態]
図1は本実施形態である液晶表示装置2の模式的な断面図である。液晶表示装置2は、液晶パネル4とバックライトユニット6とを備える。液晶パネル4は、一対の基板8,10、液晶層12、及び偏光板14a,14bを有する。一対の基板8,10は間隔を有して互いに平行に対向配置され、それらの間に液晶層12を挟持する。この基板8,10と液晶層12との積層体を以下、液晶セルと呼ぶ。
【0027】
偏光板14a,14bは液晶セルの外側面に配置される。すなわち、偏光板14a,14bはそれぞれ基板8,10の液晶層12に面する側とは反対側の面に積層される。ノーマリクローズとするために、偏光板14a,14bの偏光方向は基本的に互いに直交している。偏光板14a,14bは、ヨウ素を吸着させ延伸したポリビニルアルコール(Poly-Vinyl Alcohol、以下PVAと呼ぶ)層とそれを保護する保護フィルムとによって構成される。
【0028】
液晶パネル4において、基板10、偏光板14bの側が表示面側であり、基板8、偏光板14aの側が背面側である。バックライトユニット6は、液晶パネル4の背面に配置され、当該背面へ光を照射する。バックライトユニット6は、光源の他、導光板、拡散板等によって構成される。
【0029】
光源は液晶セルを裏面から照射することができるものであれば良く、光源の種類や構造は様々なものを採用することができる。例えば光源として、冷陰極管(Cold Cathode Fluorescent Lamp:CCFL)や発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)、有機EL(Electro-Luminescence)などを使用することができる。
【0030】
なお、バックライトユニット6は液晶セルを透過モードで使用する際にのみ必要であり、反射モードで使用する際には必要ない。
【0031】
第1の基板8及び第2の基板10は、光を透過させるために透明であり、例えば、ガラスや高分子フィルムからなる。高分子フィルムは特にプラスチックやポリエーテルサルホン(以下、PESと呼ぶ)が種々の特性において好適である。しかし、プラスチックやPESは空気を通過させてしまうので、基板表面にガスバリアを形成することが望ましい。ガスバリアは窒化シリコンの膜によって形成できる。
【0032】
第1の基板8および第2の基板10には配線など様々な部材が付加されているが図1においては図示を省略している。基板8,10の構造についてはさらに後述する。
【0033】
液晶層12は、電界無印加時にはほぼ光学等方性を有し、電界印加に伴い光学異方性を発現する媒質からなる。そのような媒質として、例えば、青色相液晶材料や、キュービック対称性を有する媒質が挙げられる。
【0034】
青色相液晶材料は、カイラル剤を含むネマティック液晶組成物にモノマーを含有させ、当該液晶の青色相においてモノマーを重合させることにより青色相の温度領域を拡大した材料である。ネマティック液晶には、一般に液晶ディスプレイに用いられている、極性基を置換した環構造と長鎖構造とを有する有機化合物が用いられる。またカイラル剤には、分子内に不斉炭素を有する有機化合物が用いられる。また代表的な重合性モノマーとしてはアクリル系モノマーなどが挙げられ、光重合の場合には、アセトフェノン誘導体などの重合開始剤が併用される。
【0035】
液晶表示装置2の画素表示領域には複数の画素がマトリクス状に配列される。図2は画素表示領域に配列された画素の等価回路を示す図である。画素表示領域には、画面の水平方向に延びる複数の走査配線16と、画像の垂直方向に延びる複数の信号配線18とが配置される。走査配線16及び信号配線18は低抵抗な導電性材料で形成することが望ましく、例えばクロム、タンタル−モリブデン、タンタル、アルミニウム、銅などが望ましい。
【0036】
画素領域は走査配線16と信号配線18とに囲まれている領域である。各画素領域に対応して少なくとも一つのTFT20が設けられる。当該TFT20は、互いにほぼ直交する走査配線16と信号配線18との交差部に設けられる。TFT20のゲート電極は走査配線16に接続され、ドレイン電極は信号配線18に接続され、ソース電極はコンタクトホール22に接続される。図2には図示されていないが、コンタクトホール22は各画素の画素電極に接続されている。また、画素に保持された画像信号がリークすることを防止するために、TFT20のソース電極には、画素電極と並列に蓄積容量24を配置しても良い。TFT20は逆スタガ構造であり、そのチャネル部には半導体層を有している。
【0037】
走査配線16にはTFT20のオン/オフを制御する信号が印加され、信号配線18には液晶層12を制御するための電圧信号が印加される。TFT20は、走査配線16の信号に応じて信号配線18と画素電極との断続を制御するスイッチ素子として機能し、TFT20がオンすると信号配線18から画像信号に応じた電圧信号が画素電極に印加される。
【0038】
図3は液晶表示装置2の一画素における第1の基板8の模式的な平面図である。また、図4は液晶表示装置2の一画素における第2の基板10の模式的な平面図である。図5及び図6は液晶表示装置2の液晶セルのA−A間およびB−B間の模式的な断面図である。
【0039】
第1の基板8の一画素領域には、第1の画素電極26a、第1の共通電極28a、TFT20、コンタクトホール22、走査配線16、信号配線18、第1の絶縁膜30a、第2の絶縁膜30bが配置されている。
【0040】
走査配線16は第1の基板8の液晶層12側の面に形成され、その上に第1の絶縁膜30aを積層した後、信号配線18が形成される。さらにその上に第2の絶縁膜30bを積層した後、第1の画素電極26a、第1の共通電極28aが形成される。
【0041】
第1の絶縁膜30a及び第2の絶縁膜30bは各配線の接触を防ぐために設けられており、電気的に絶縁できれば材料は特に問わない。例えば、窒化シリコン膜などが用いられる。
【0042】
コンタクトホール22は第1の画素電極26aと信号配線18との重複領域内の絶縁膜30a,30bに形成され、当該コンタクトホール22を介して第1の画素電極26aはTFT20の半導体層32にソース電極としてコンタクトする。
【0043】
一方、第2の基板10の一画素領域には、第2の画素電極26b、第2の共通電極28b、遮光層34、カラーフィルタ36、平坦化層38などが配置されている。
【0044】
第2の基板10の液晶層12側の面にはカラーフィルタ36、平坦化層38が順次積層され、その表面に第2の画素電極26b、第2の共通電極28bが形成される。遮光層34は例えば、第2の基板10の外側面に形成することができる。
【0045】
カラーフィルタ36として、画素毎に赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかの光を透過させる着色膜が配置される。各着色膜の配列は、表示画面におけるR画素、G画素及びB画素の配列に対応しており、当該配列の種類として例えば、ストライプ配列やデルタ配列などがある。
【0046】
平坦化層38はカラーフィルタ作製時に発生する凹凸を平坦化するために設けられている。例えば、平坦化層38にはアクリル樹脂などが用いられる。
【0047】
遮光層34は隣接画素からの光漏れなどを遮断して解像度の向上や混色防止を図るために、画素の境界に沿って配置される。遮光層34は金属や樹脂などの不透明材料を用いて形成でき、クロム、タンタルーモリブデン、タンタル、アルミニウム、銅などで形成することが望ましい。なお、図4では遮光層34は縦方向に延びる画素境界にのみ配置しているが、例えば、縦方向に異なる色が並ぶ画素配列方式などでは、横方向に延びる画素境界にも配置してもよい。
【0048】
第1の基板8と第2の基板10との間は液晶層12で満たされている。各画素電極26a,26b及び各共通電極28a,28bは液晶層12に接している。
【0049】
各画素電極26a,26b及び各共通電極28a,28bは液晶層12に電界を印加するために配置される。画素電極及び共通電極は低抵抗な導電性材料であれば透明、不透明は特に問わない。例えば、インジウム錫酸化物(ITO)や酸化亜鉛(ZnO)、クロム、タンタル−モリブデン、タンタル、アルミニウム、銅などが用いられる。
【0050】
例えば、第1の画素電極26aはくし形に形成され、画素内に例えば縦方向に延在し横方向に複数配列されるくし歯部分と、横方向に延在し前記くし歯部分を相互につなぐ橋渡し部分を有する。第2の画素電極26bも複数のくし歯部分を有する一般的なくし形とすることもできるが、本実施形態では、くし形電極の特殊な場合としてくし歯部分が1本だけである例を示している。
【0051】
また、図3に示す例では、第1の共通電極28aは画素境界に沿って複数の画素にわたり横方向に延在する部分と、当該部分から縦方向に延在するくし歯部分とを有するくし形に形成される。図4に示す例では、第2の共通電極28bは縦方向に延びる複数の線状電極に形成される。なお、図4に示す範囲内では、第2の共通電極28bは縦方向に延在されるくし歯部分だけを有し、橋渡し部分を有さない形状を示しているが、このような形状もここではくし形の一つの特殊な形態と捉えている。また、図4に示す第2の共通電極28bの形状においても、抵抗を低下させるために例えば、表示部以外の場所で横方向、すなわち走査配線と同様の方向に延びる部分を設けて図4に示す複数のくし歯部分を橋渡しすることも可能である。
【0052】
上述の各画素電極及び各共通電極のくし歯部分は互いに略平行であって、かつ基板8,10の法線方向から見て互いに重ならないように配置されている。このように配置することで、上下基板の画素電極、共通電極間に斜め方向の電界を発生させることができる。これにより、電極上においても基板面に平行な成分を有する電界が発生し、透過率の向上を図ることができる。
【0053】
なお、図3、図4に示した、画素電極及び共通電極の縦方向に延在したくし歯部分を画素内で屈曲させてマルチドメインを構成し、視野角の改善を図ることもできる。
【0054】
本液晶表示装置2では、両基板8,10の間には、画素毎に第1の画素電極26aと第2の画素電極26bとを電気的に接続させる相互接続部として、導電性ビーズ40が配置される。第2の画素電極26bは上述した第1の画素電極26aのくし形の橋渡し部分に重複する部分を設けられる。導電性ビーズ40は当該重複部分に配置することができる。
【0055】
導電性ビーズ40は上述のように、画素毎に上下の画素電極間のコンタクトを取る機能を有するが、同時に第1の基板8と第2の基板10の間の液晶層12のギャップを保つ機能を担うことができる。
【0056】
導電性ビーズ40は例えば、ガラスビーズや樹脂ビーズを基体としその表面に銀や金などをメッキすることで作ることができる。導電性ビーズ40は導電性があればよく、金属の粒子でもかまわない。また、材料も、低抵抗な材料であればよく、例えばアルミニウム、金、銀などが用いられる。
【0057】
従来技術では、上下の基板それぞれに画素電極を設ける場合は、それぞれの基板にTFT、走査配線及び信号配線を配置する必要があった。これに対し、本発明によれば、上述した実施形態のように画素毎に導電性ビーズ40を用いることで、第2の基板10側の画素電極26bを第1の基板8側の画素電極26aに電気的に接触させることができ、第2の基板10にTFT、走査配線及び信号配線を設ける必要がなく、液晶表示装置の作製が容易になり、製造コストの低減が図れる。また、第2の基板10にTFT、走査配線及び信号配線を設けないことにより、開口率の向上が図れる。
【0058】
従来のネマティック液晶を用いた液晶パネルでは配向膜が必須である。配向膜は多くの場合、ポリイミドなど絶縁性材料で形成される。そのため、上述の導電性ビーズで上下の画素電極のコンタクトをとる本発明を適用する際には、導電性ビーズの接触位置の配向膜を除去する。一方、本実施形態の青色相液晶を用いた液晶パネルは配向膜を必要としないので、導電性ビーズを配置する際に配向膜の除去が不要であり、本発明をより容易に適用可能である。
【0059】
なお、図面では導電性ビーズ40は一画素内に1カ所のみ配置しているが、配置不良などによる欠陥を防止するために一画素内の複数箇所に配置してもよい。
【0060】
ここで、本実施形態と比較するために、くし形電極を用いた従来の画素の構成について説明する。図7、図8はそれぞれくし形電極を用いた従来の一般的な液晶表示装置の一画素における第1、第2の基板の模式的な平面図である。図9、図10は当該従来の液晶表示装置の液晶セルのC−C間及びD−D間の模式的な断面図である。この構成では、第1の基板8に画素電極26a、共通電極28aが形成されるだけで、第2の基板10には画素電極、共通電極は形成されない。この場合、導電性ビーズは不要であり、また第2の基板10側にTFT等の構成も不要であるが、第1の基板8側の画素電極26a、共通電極28aの部分での透過率の低下という上述した問題が生じる。図11は、本実施形態の液晶表示装置2、及び上記従来の液晶表示装置それぞれの電圧―透過率特性を示すグラフである。図11は、本実施形態の電極構造にて得られる透過率(曲線T1)は従来技術の透過率(曲線T2)に比べ1.5倍以上高くなっていることを示している。本発明によれば、透過率、開口率が従来よりも向上する結果、同じ輝度を得るのに必要な液晶駆動電圧が低下する。
【0061】
本実施形態にて示した画素電極、共通電極の形状は一例である。本発明は、各電極の形状にかかわらず、第1の基板に第1の画素電極を配置し、第2の基板に第2の画素電極を配置し、第1の画素電極と第2の画素電極とを同電位に制御する際に有効にである。
【0062】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態が上記第1の実施形態と基本的に異なる点は、第1の画素電極26aと第2の画素電極26bとを電気的に接続する相互接続部が、第1の実施形態における略球状の導電性ビーズ40に代えて、柱状スペーサである点である。その他の点は基本的には第1の実施形態と共通であるので、以下、専ら相違点を説明する。
【0063】
第2の実施形態の液晶表示装置2の一画素における第1及び第2の基板の平面構造は図3、図4に示されるものと同様である。図12は、図3、図4の直線B−Bに沿った本実施形態の液晶表示装置2の模式的な断面図である。図12に示すように、本実施形態の液晶表示装置2は、第1の画素電極26aと第2の画素電極26bとの間に柱状スペーサ42を有する。柱状スペーサ42の表面には導電層44が形成される。
【0064】
柱状スペーサ42は、第1の基板8と第2の基板10との間の液晶層12のギャップを保つ機能を有する。柱状スペーサ42は液晶層12のギャップを保つことができれば形状や材質は問わない。例えば、レジスト材料やアクリル樹脂などが用いられる。
【0065】
また、柱状スペーサ42は、当該導電層44を介して、第1の画素電極26aと第2の画素電極26bとを電気的に接続する機能を有する。導電層44は低抵抗な導電性材料であれば、透明、不透明は特に問わない。例えば、インジウム錫酸化物(ITO)や酸化亜鉛(ZnO)、クロム、タンタル−モリブデン、タンタル、アルミニウム、銅などが用いられる。
【0066】
本実施形態も第1の実施形態で述べた透過率及び開口率の向上、製造コスト及び駆動電圧の低減という本発明の効果を奏する。
【0067】
なお、柱状スペーサ42自体を金属など導電性物質で構成しても同様の効果を得ることができる。
【0068】
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態が上記第1の実施形態と基本的に異なる点は、遮光部46を有する点である。その他の点は基本的には第1の実施形態と共通であるので、以下、専ら相違点を説明する。
【0069】
図13は、図3、図4の直線B−Bに沿った第3の実施形態の液晶表示装置2の模式的な断面図である。遮光部46は導電性ビーズ40によって発生する配向乱れによって無駄な光が漏れ出すことを防ぐために設けられている。配向乱れは、導電性ビーズや柱状スペーサの表面での液晶配向により青色相の等方性が失われることによって発生する。また、第1の画素電極26aおよび第2の画素電極26bによって発生する電界以外に、導電性ビーズ40等の相互接続部によっても電界が発生し、相互接続部近傍では電界が複雑な影響を受けることも配向乱れの原因となる。
【0070】
遮光部46は、バックライトユニット6からの照射光が相互接続部である導電性ビーズ40の近傍を透過することを阻止するように形成される。遮光部46は光を遮光できれば形状、材質は問わない。例えば、金属や樹脂などの不透明材料を用いることができ、クロム、タンタル−モリブデン、タンタル、アルミニウム、銅などが使用できる。
【0071】
遮光部46は図13では第1の絶縁膜30aと第2の絶縁膜30bとの間に配置されているが、導電性ビーズ40によって発生する光漏れを遮断することができれば良く、例えば第1の基板8の表面または、第1の画素電極26a、または第2の基板10側に遮光部46を配置したとしても同様な効果を得ることができる。
【0072】
本実施形態によれば、青色相を用い、第1の基板8及び第2の基板10に画素電極26a,26bをそれぞれ有し、かつ第1の画素電極26aと第2の画素電極26bとを導通させる導電性ビーズ40等を画素毎に配置した液晶表示装置2において、第1の実施形態で述べた透過率及び開口率の向上、製造コスト及び駆動電圧の低減という効果を得ることができる。さらに、遮光部46を設けることで、コントラスト比の低下を防ぐことが可能となる。
【0073】
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態が上記第1の実施形態と基本的に異なる点は、第1の画素電極26aと第2の画素電極26bとを電気的に接続する相互接続部が、導電性ビーズ40と第1又は第2の画素電極26a,26bとの間に、導電性ビーズ40を基板面内の所定位置に停留させる導電性の支持体を有する点にある。その他の点は基本的には第1の実施形態と共通であるので、以下、専ら相違点を説明する。
【0074】
導電性ビーズ40の設置は、例えば、インクジェットプリンタの原理を応用した定点配置などによって達成できるが、配置後に移動してしまう可能性がある。そこで、導電性ビーズ40を固定するための支持体を設ける。
【0075】
図14は図3、図4の直線B−Bに沿った第4の実施形態の液晶表示装置2の一例の模式的な断面図である。図14に示す構成では、液晶表示装置2は、支持体として台座部48を有する。台座部48は導電性ビーズを接触させたい画素電極外の場所へ導電性ビーズ40が移動しないようにするために配置される。また、台座部48の形状は当該目的を達成できるように定められ、例えば、図14に示す例では、台座部48は導電性ビーズ40に接する面が略球状の導電性ビーズ40よりも曲率が小さい凹面を有する。台座部48の材料は低抵抗な導電性材料であればよく、透明、不透明は特に問わない。例えば、インジウム錫酸化物(ITO)や酸化亜鉛(ZnO)、クロム、タンタル−モリブデン、タンタル、アルミニウム、銅をエッチングなどで加工することによって形成される。
【0076】
図14に示す構成では台座部48は第1の画素電極26aの上に配置される。この構成は、第1の基板8側を下にした状態で、導電性ビーズ40を設置する製造方法で特に有効である。逆に、第2の基板10を下にした状態で導電性ビーズ40を設置する場合には、第2の画素電極26b側に台座部48を配置することが好適である。さらに、台座部48を第1の画素電極26a側と第2の画素電極26b側との両方に設けてもよい。
【0077】
図15は図3、図4の直線B−Bに沿った第4の実施形態の液晶表示装置2の他の例の模式的な断面図である。図15に示す構成では、液晶表示装置2は、支持体として粘着部50を有する。粘着部50も台座部48と同様、導電性ビーズを接触させたい画素電極外の場所へ導電性ビーズ40が移動しないようにするために配置される。粘着部50は、導電性の粘着剤であれば形状、材質は問わない。例えば、銅箔粘着テープやアルミ箔粘着テープや粘着剤自体に導電性を持たせた材料などを用いることができる。
【0078】
図15に示す構成では粘着部50は第1の画素電極26aの上に配置される。この構成は、第1の基板8側を下にした状態で、導電性ビーズ40を設置する製造方法で特に有効である。逆に、第2の基板10を下にした状態で導電性ビーズ40を設置する場合には、第2の画素電極26b側に粘着部50を配置することが好適である。さらに、粘着部50を第1の画素電極26a側と第2の画素電極26b側との両方に設けてもよい。
【0079】
本実施形態によれば、青色相を用い、第1の基板8及び第2の基板10に画素電極26a,26bをそれぞれ有し、かつ第1の画素電極26aと第2の画素電極26bとを導通させる導電性ビーズ40を画素毎に配置した液晶表示装置2において、第1の実施形態で述べた透過率及び開口率の向上、製造コスト及び駆動電圧の低減という効果を得ることができる。さらに、台座部48や粘着部50のような支持体を設けることで、導電性ビーズ40をインクジェット技術を応用した定点配置ではなく、基板上にランダムにばらまいて各画素毎に配置することも可能となる。これにより、導電性ビーズ40を設置する工程の簡素化が図られ、液晶パネルの作製を容易にすることができる。
【0080】
[第5の実施形態]
本発明の第5の実施形態が上記第1の実施形態と基本的に異なる点は、画素電極だけでなく共通電極に対しても相互接続部を配している点にある。その他の点は基本的には第1の実施形態と共通であるので、以下、専ら相違点を説明する。
【0081】
図16は本実施形態の液晶表示装置の一画素における第1の基板8の模式的な平面図である。また、図17は本実施形態の液晶表示装置の一画素における第2の基板10の模式的な平面図である。本実施形態は、2つの導電性ビーズ40を基板間に配置する。一つの導電性ビーズは第1の実施形態と同様、第1の画素電極26a及び第2の画素電極26bの間に配置される。もう一つの導電性ビーズ40は第1の共通電極28a及び第2の共通電極28bの間に配置され、両共通電極を電気的に相互接続する。この共通電極間の導電性ビーズ40は、第1の共通電極28a及び第2の共通電極28b相互が対向している位置に配置される。
【0082】
第1の実施形態では各画素内の第2の共通電極28bは全ての画素間で相互に接続され、各画素にて共通の電位に設定される。これに対して、本実施形態における各画素内の第2の共通電極28bは、当該画素内の第1の共通電極28aに接続され、当該第1の共通電極28aを介して電位を設定される。よって、各画素の第2の共通電極28bは第2の基板10上にて必ずしも相互に接続されている必要はなく、例えば、各画素毎に分離した電極形状とすることができる。
【0083】
具体的には、第1の実施形態と同様では第2の共通電極28bは図4に示すように縦方向に並ぶ複数の画素に跨って延在する線状電極であり、さらに横方向に並ぶ複数の当該線上電極は表示部以外の箇所等で相互接続され得る。これに対して、本実施形態の第2の共通電極28bは図17に示すように画素毎に分離した電極形状を有する。
【0084】
一方、液晶パネルの裏面側に位置する第1の基板8の画素境界には走査配線16や信号配線18が配置されており、このような画素境界にさらに第1の共通電極28aを画素間で相互接続する配線を設けても液晶パネルの開口率等に与える影響は少ない。そこで例えば図3や図16に示すように、画素境界に沿った横方向の配線で、第1の共通電極28aを表示部内で行単位で相互接続することが可能である。また、第1の共通電極28aを図4の第2の共通電極28bのように列方向に延在する線状電極として、各列の第1の共通電極28aが相互に接続される構成も可能である。よって、比較的容易に、第1の共通電極28aは行単位、列単位で異なる電位に設定する構成とすることができる。
【0085】
本実施形態では、この第1の共通電極28aに導電性ビーズ40を介して第2の共通電極28bを接続することで、第2の共通電極28bも行単位、列単位で電位を設定することが可能となる。これにより、行毎、列毎といった表示部の一部領域毎にコモン電位を反転させる駆動方式を適用できるようになる。コモン反転方式を採用することで、液晶駆動回路の電圧振幅を半減することが可能となる。
【0086】
なお、第1の共通電極28aと第2の共通電極28bとの導電性ビーズ40による接続は必ずしも全ての画素で行わなくても良い。例えば、列毎にコモン電位を反転させる場合は、各列の画素の第2の共通電極28bは縦方向に全てつなぎ、一列のある場所のみで第1の共通電極28aと第2の共通電極28bとを導通させれば良い。また、コモン反転のためだけならば、第1の共通電極28aと第2の共通電極28bと間のみを導電性ビーズで接続させ、第1の画素電極26aと第2の画素電極26bとは導電性ビーズ40で接続せず別個に電圧を供給しても良い。
【0087】
本実施形態では、相互接続部として導電性ビーズ40を画素電極間及び共通電極間に配置する例を示したが、画素電極間、共通電極間をそれぞれ電気的に接続する相互接続部の機能を果たせるものであれば、導電性ビーズ40のような略球状の形状でなくてもよい。
【0088】
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様、透過率及び開口率の向上、製造コスト及び駆動電圧の低減という効果を得ることができる。さらに、画素内に2つの相互接続部を設けて第1の基板8と第2の基板10との間で画素電極相互、及び共通電極相互を接続することにより、第2の基板10の作製をさらに容易にすることが可能となる。また、コモン反転駆動を可能とすることにより一層の駆動電圧の低減が実現できる。
【0089】
[第6の実施形態]
本発明の第6の実施形態が上記第1の実施形態と基本的に異なる点は、信号配線18からTFT20を介して第1の画素電極26aに画像信号を印加したときに、相互接続部が第1の画素電極26aと第2の画素電極26bとの間に電位差を生じる点にある。その他の点は基本的には第1の実施形態と共通であるので、以下、専ら相違点を説明する。
【0090】
図18は図3、図4の直線B−Bの位置での第6の実施形態の液晶表示装置2の模式的な断面図である。図18に示す構成では、第1の画素電極26aと第2の画素電極26bとの間の相互接続部として分圧部52が配置される。
【0091】
第1の実施形態では、各画素にて第1の画素電極26aと第2の画素電極26bとを画像信号に応じた共通の電位に設定するために、相互接続部である導電性ビーズ40は低抵抗な金属などを用いて形成される。これに対し、本実施形態では、分圧部52は第1の画素電極26aと第2の画素電極26bとの間に電位差を与える。この結果、液晶層12に発生させる電界のバリエーションを増やすことができ、透過率向上や視野角改善を達成することができる。
【0092】
分圧部52の材料には抵抗材料や誘電体材料を用いることできる。例えば、樹脂や有機物質などを用いることができるが同様の目的を達成できればこれに限ったものではない。また、第1の画素電極26aと第2の画素電極26bとの電位差は、分圧部52の抵抗値や容量値で決定されるため、用途に応じて最適な値を選択することができる。
【0093】
例えば、分圧部52を高抵抗とすれば、当該分圧部52と第2の画素電極26bとはCR回路を構成し、第1の画素電極26aの電位変化に比べて第2の画素電極26bの電位をCR回路の時定数に応じて緩やかに変化させる。その結果、各行のTFT20が順次、オンして画像信号を画素に書き込む際に、TFT20のオン期間の終了時に、第1の画素電極26aと第2の画素電極26bとの間に電位差を生じさせることができる。
【0094】
本実施形態の構成とすることで、第1の画素電極26a、第2の画素電極26b、及び共通電極28a,28bの電位を相互に異ならせることができる。これら3種類の電位を使い分けることにより、一層透過率を高めるように駆動条件を調整することが可能となる。
【0095】
以上、第1から第6の実施形態を示して本発明を具体的に説明したが、本発明は、これら実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能であることはもちろんである。
【0096】
例えば、上記実施形態では、透過型の液晶表示パネルを例に説明しているが、本発明はこれに限らず、半透過型、反射型の液晶表示パネルにも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明に係る液晶表示装置は、例えば、アクティブマトリクス型の液晶ディスプレイに用いることができ、また、テレビ、カーナビゲーションシステム、PCモニタ、ノートPC、携帯電話、DSC、PDA等に利用することができる。
【符号の説明】
【0098】
2 液晶表示装置、4 液晶パネル、6 バックライトユニット、8 第1の基板、10 第2の基板、12 液晶層、14a,14b 偏光板、16 走査配線、18 信号配線、20 TFT、22 コンタクトホール、24 蓄積容量、26a 第1の画素電極、26b 第2の画素電極、28a 第1の共通電極、28b 第2の共通電極、30a 第1の絶縁膜、30b 第2の絶縁膜、32 半導体層、34 遮光層、36 カラーフィルタ、38 平坦化層、40 導電性ビーズ、42 柱状スペーサ、44 導電層、46 遮光部、48 台座部、50 粘着部、52 分圧部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像信号を印加される信号配線、及び複数の画素それぞれに配されるスイッチ素子を形成された第1の基板と、
前記第1の基板に間隔を置いて対向配置された第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板とに挟持された液晶層と、
前記第1の基板の前記液晶層に接する面に前記画素毎に設けられ、前記信号配線に前記スイッチ素子を介して接続され、前記液晶層を駆動する駆動電界を生じる第1の画素電極と、
前記第2の基板の前記液晶層に接する面に前記画素毎に設けられ、前記駆動電界を生ずる第2の画素電極と、
前記第1及び第2の画素電極相互の対向位置における前記間隔に配置され当該両画素電極間を電気的に接続し、前記第2の画素電極に前記画像信号に応じた電圧を印加する相互接続部と、
を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液晶表示装置において、
前記液晶層は、前記駆動電界を印加しないときには光学的等方性を示し、前記駆動電界の印加に伴い光学的異方性を発現すること、を特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の液晶表示装置において、
それぞれ基準電圧を印加され前記画素電極との間に前記駆動電界を生じる電極であり、前記第1の基板の前記液晶層に接する面に設けられた第1の共通電極及び前記第2の基板の前記液晶層に接する面に設けられた第2の共通電極と、
前記第1及び第2の共通電極相互の対向位置における前記間隔に配置され当該両共通電極間を電気的に接続する相互接続部と、
を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の液晶表示装置において、
前記第1及び第2の基板を含む液晶パネルの背面へ光を照射する光源を有し、
前記液晶パネルは、前記光源からの照射光が前記相互接続部の近傍を透過することを阻止する遮光部を有すること、
を特徴とする液晶表示装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の液晶表示装置において、
前記相互接続部は、略球状の導電体を有すること、を特徴とする液晶表示装置。
【請求項6】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の液晶表示装置において、
前記相互接続部は、柱状の導電体であること、を特徴とする液晶表示装置。
【請求項7】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の液晶表示装置において、
前記相互接続部は、表面に導電体を膜状に形成された柱状の部材であること、を特徴とする液晶表示装置。
【請求項8】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の液晶表示装置において、
前記相互接続部は、前記基板の前記間隔を当該基板の面内にて均一に保つこと、を特徴とする液晶表示装置。
【請求項9】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の液晶表示装置において、
前記第1及び第2の画素電極間の前記相互接続部は、前記画像信号を前記第1の画素電極に印加したときに、前記第1の画素電極と前記第2の画素電極との間に電位差を生じること、を特徴とする液晶表示装置。
【請求項10】
請求項5に記載の液晶表示装置において、
前記相互接続部は、さらに前記略球状の導電体と前記第1又は第2の画素電極との間に、前記略球状の導電体を停留させる導電性の支持体を有すること、を特徴とする液晶表示装置。
【請求項11】
請求項10に記載の液晶表示装置において、
前記支持体は、前記略球状の導電体に接する面が当該導電体よりも曲率が小さい凹面であること、を特徴とする液晶表示装置。
【請求項12】
請求項10に記載の液晶表示装置において、
前記支持体は、前記略球状の導電体に対して粘着性を有すること、を特徴とする液晶表示装置。
【請求項13】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の液晶表示装置において、
前記第1の画素電極及び前記第2の画素電極の少なくとも一方は、くし形の平面形状を有すること、を特徴とする液晶表示装置。
【請求項14】
請求項3に記載の液晶表示装置において、
前記第1の共通電極及び前記第2の共通電極の少なくとも一方は、くし形の平面形状を有すること、を特徴とする液晶表示装置。
【請求項15】
請求項3に記載の液晶表示装置において、
前記第1の画素電極、前記第2の画素電極、前記第1の共通電極及び前記第2の共通電極は、くし形の平面形状を有し、
当該各電極のくし歯部分は互いに略平行であって、かつ前記基板の法線方向から見て互いに重ならないように配置されていること、
を特徴とする液晶表示装置。
【請求項16】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の液晶表示装置において、
前記液晶層は、青色相を発現する液晶材料からなること、を特徴とする液晶表示装置。
【請求項17】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の液晶表示装置において、
前記第1及び第2の基板はそれぞれ、前記液晶層に面する側とは反対側の面に、互いに偏光方向をずらして配置された偏光板を有すること、を特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−164426(P2011−164426A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−28188(P2010−28188)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】