説明

液晶表示装置

【課題】 OCB液晶表示装置の黒表示時の青味を解消する。
【解決手段】 対向電極Ecomを配置した対向基板130および各色用画素電極Dpixを配置したアレイ基板120間に、ベンド配列される液晶層140を挟持し、前記基板の一方に赤、緑、青のフィルタ層CF(R)、CF(G)、CF(B)を備える液晶表示セル110において、各色用画素電極dpixR、dpixG、dpixBと対向電極Ecomとのそれぞれの間隙距離dB,dG,dRを異ならせ、 dB<dR,dB<dGであり、かつ │dB−dR│≦0.4μm │dB−dG│≦0.4μmにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液晶表示装置に係り、広視野角と高速応答の実現が可能なOCB(Optically Compensated Birefringence)技術を用いた液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、軽量、薄型、低消費電力の特徴を生かして、各種用途に適用されている。
【0003】
現在、市場で広く利用されているツイステッド・ネマチック(TN)型液晶表示装置は、光学的に正の屈折率異方性を有する液晶材料が、基板間に略90°捩れ配列されて構成され、その捩れ配列の制御により入射光の旋光性を調節している。このTN型液晶表示装置は、比較的、容易に製造できるものの、その視野角は狭く、また応答速度が遅いため、特にTV画像等の動画表示には不向きであった。
【0004】
一方、視野角及び応答速度を改善するものとしてOCB型液晶表示装置が注目されている。OCB型液晶表示装置は、基板間にベンド配列が可能な液晶材料が封入されてなるもので、TN型液晶表示装置に比して応答速度は一桁改善され、更に液晶材料の配列状態から光学的に自己補償されるため視野角が広いと言う利点がある。そして、このようなOCB型液晶表示装置を用いて画像表示を行う場合、複屈折性を制御し偏光板との組合せによって、例えば高電圧印加状態で光を遮断(黒表示)し、低電圧印加状態で光を透過(白表示)させることが考えられる。この場合、例えば一軸性の位相差板を組み合せることで、黒表示時の液晶層の位相差を補償し、透過率を十分に低減させることが知られている。
【0005】
しかしながら、黒表示状態では、液晶分子は高電圧印加により電界方向に沿って配列(基板に対して法線方向に配列)するが、基板近傍の液晶分子は配向膜との相互作用で法線方向に配列されず、光は所定方向に位相差の影響を受ける。このため、基板法線方向(表示画面の正面方向)から観察した場合、黒表示時の透過率を十分に低減させることができず、コントラストの低下を招く。そこで正面方向、さらに斜め方向からの観察に対しても十分に黒表示、あるいは階調特性を補償する手法として、例えば特許文献1に開示されるように、ハイブリッド配列した光学負の位相差板を組み合せることも知られている。また、特許文献2には一般的なTN型液晶装置で各色画素の輝度を向上させるために各色領域の液晶層の厚みを変える記載がある。
【特許文献1】特開平10−197862号公報
【特許文献2】特開2003−5204号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、カラー液晶表示装置は自然光や演色性の高いバックライト等の入射光を反射または透過させて各色フィルタ層を通して表示するものであり、全光波長領域にわたる光を各フィルタ層の波長通過帯域で選択している。
【0007】
TN型液晶表示装置では表示に旋光性を用いるため、基板間で光が内部反射しても表示に与える影響はほとんどない。しかし、OCB液晶表示装置にあっては、内部反射の回数によって液晶層を通過する入射光が受けるリタデーションと位相差板のリタデーションとがずれ、これにより色味のバランスが崩れるという問題が生じる。更に、内部反射する反射光も波長分散を持つため、色味のバランスの崩れはより一層大きくなってしまう。とくに短波長である青色光は波長分散の影響が大きく、黒表示時に画像が青味を帯びるおそれがある。特許文献2では、このOCB液晶表示装置の青味現象を低減することができない。
【0008】
この発明は、高い応答速度と共に、色味のバランスに優れた液晶表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、液晶表示セルを通過する分光成分に応じて液晶層の厚さすなわち実質的に液晶層を挟持する電極間の間隙距離を規定する。これによりとくに青フィルタ層から漏れる不要な光を他の色で補償することにより、色バランスを調節する。
【0010】
ここに分光スペクトルの赤、緑、青色光は各色フィルタ層を透過する波長範囲であり、例えば赤色光は580nm以上、緑色光は510−580nm、青色光は400−550nmである。
【0011】
本発明によれば、赤、緑、青用の各画素電極をマトリクス状に配列したアレイ基板と、
前記アレイ基板の前記が素電極に対向して対向電極を配置した対向基板と、
前記アレイ基板および前記対向基板間に挟持されベンド配列される液晶層と、
前記基板の一方に設けられて赤、緑、青各フィルタ層からなり、前記赤色フィルタ層は前記赤用画素電極に対応して配置され、前記緑色フィルタ層は前記緑用画素電極に対応して配置され、前記青色フィルタ層は前記青用画素電極に対応して配置されたフィルタとを具備し、
前記青用画素電極と前記対向電極間の間隙距離が前記赤用画素電極と前記対向電極間の間隙距離および前記緑用画素電極と前記対向電極間の間隙距離と異なるものであり、前記青用画素電極と前記対向電極間の間隙距離をdB、前記赤用画素電極と前記対向電極間の間隙距離をdR、前記緑用画素電極と前記対向電極間の間隙距離をdGとすると、
dB<dR,dB<dGであり、かつ
│dB−dR│≦0.4μm
│dB−dG│≦0.4μm
でる液晶表示装置を得るものである。
【0012】
さらに、前記青用画素電極と前記対向電極間の間隙距離をdB、前記赤用画素電極と前記対向電極間の間隙距離をdR、前記緑用画素電極と前記対向電極間の間隙距離をdGとすると、
dB<dR,dB<dGであることが好ましい。
【0013】
さらに、dR=dGであってもよい。
【0014】
上記を実現する一態様として、少なくとも前記青色フィルタ層の膜厚が前記赤、緑色フィルタ層の膜厚よりも大きくする構成を提供する。
【0015】
前記フィルタが前記アレイ基板に配置されていることが好ましい。
【0016】
また、前記フィルタが前記対向基板に配置されていることが好ましい。
【0017】
本発明によれば、さらに、赤、緑、青用の各画素電極を表示画面にマトリクス状に配列したアレイ基板と;
前記アレイ基板の前記画素電極に対向して対向電極を配置した対向基板と;
前記画素電極および前記対向電極上にそれぞれ形成され、前記表示画面の上下方向に液晶配向面を有する配向膜と;
前記アレイ基板および前記対向基板間に挟持され前記表示画面の上下方向に配向されてベンド配列される液晶層と;
前記基板の一方に設けられ赤、緑、青各フィルタ層からなり、前記赤色フィルタ層は前記赤用画素電極に対応して配置され、前記緑色フィルタ層は前記緑用画素電極に対応して配置され、前記青色フィルタ層は前記青用画素電極に対応して配置されたフィルタ;とからなる液晶表示装置であって、この液晶表示装置は、前記青用画素電極と前記対向電極間の間隙距離が前記赤用画素電極と前記対向電極間の間隙距離および前記緑用画素電極と前記対向電極間の間隙距離と異ならしめ、
前記液晶表示装置の少なくとも一方に配置された位相差板と、
前記液晶表示装置および前記位相差板を挟んで配置され前記表示画面上下方向にほぼ45°で交差し、互いにクロスニコルに配置された一対の偏光板とを具備し、さらに、前記表示画面正面方向と左右60°方向の各色光の輝度比を赤色光でLRR、緑色光でLRG、青色光でLRBとすると、
LRB/(LRR+LRG+LRB)<0.45
とする手段とを具備する液晶表示装置を得るものである。
【0018】
本発明に係るOCBモード表示は、液晶表示セルと位相差板を組合わせ、これらのリタデーション値の合算を可変して、透過する光の位相を制御するものであり、液晶表示セルのリタデーション値をReとすると、
Re=(no−ne)d=Δn・d
で表される。
【0019】
ここにnoは液晶層の常光屈折率、neは異常光屈折率、dは液晶層の厚みである。正の誘電異方性をもつp型液晶を使用するOCB液晶層は正のリタデーション値をもち、これと組合わせる位相差板は負のリタデーション値をもつ。
【0020】
図21のように、液晶表示セル11、位相差板20、クロスニコルに配置した一対の偏光板22で液晶表示パネルを構成した場合の光透過率(T)が下記で表される。
【0021】
(T)∝sin2(Ret(V、λ)/λ)
Retは液晶層と位相差板のリタデーション値の合算値、Vは液晶層印加電圧、λは光波長である。
【0022】
図16はOCBモード表示で使用される液晶層と位相差板(フィルム)の波長λに対するリタデーション値の一例を示したもので、光波長550nmで規格化している。一般的に液晶層の特性Aと位相差板の特性Bとは材質が異なるために一致せず分散率が異なっている。短波長側で大きくなる波長分散傾向は同じであるが特性は大きく異なる。
【0023】
図17は均一厚の液晶層のセルからなる液晶表示装置において黒表示時の赤、緑、青各色輝度を表示画面正面方向のそれぞれの各色の輝度で規格化し、正面方向から左右方向に傾いた視野角(deg)における輝度比を表している。左右方向とくに右60°において、青輝度比が赤、緑輝度比に対してかい離していることがわかる。
【0024】
図19はu’v’色度図において、A点は白表示時の正面、B点は黒表示時正面、C点は黒表示時の右60°を示しており、右60°の視野角で黒表示正面から大きく青側にずれていることを示している。
【0025】
したがって図のように、右60°においても正面方向と同等の色度を確保するには、右60°のC点をB点近傍に移動させる必要がある。言い換えると、図18に示すように右60°で最大輝度比となる青輝度比に赤、緑の輝度比を近づけることによって図19のB点近傍の色度を確保することができることになる。
【0026】
本発明は、表示画面正面方向から左右60°方向の各色光の輝度比を赤色光でLRR、緑色光でLRG、青色光でLRBで表すと、
LRB/(LRR+LRG+LRB)<0.45
になるように輝度比を選択することによって、色バランスのよい斜め視野の表示画像を得ている。
【0027】
このために本発明は、各色に対応する画素の液晶層の厚さ、いいかえると各色画素電極と対向電極間の間隙距離を異ならしめて画像の青味を抑制し色バランスを良好にしたものである。
【発明の効果】
【0028】
本発明はOCBモード液晶表示における、斜方向視野とくに表示画面左右方向において目に付く黒表示時の表示画像の青味を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の一実施形態の液晶表示装置について、図面を参照して説明する。
【0030】
(実施形態1)
図1は、本実施形態のOCBモード方式による液晶表示装置の概略構成図である。
【0031】
この液晶表示装置1は、表示画面がアスペクト比16:9、対角22型であって、光透過型のアクティブマトリクスタイプの液晶表示パネル100と、複数本の管状光源310(図11参照)が並置配列されて構成され液晶表示パネル背面に配置されるバックライト300と、液晶表示パネル100内に内蔵され走査線Yjに走査信号Vgを供給する走査線駆動回路Ydr1,Ydr2(図4参照)と、信号線Xi(図4参照)に信号電圧Vsigを供給するTCP(Tape Carrier Package)から構成される信号線駆動回路500と、対向電極Ecom(図2参照)に対向電極電圧Vcomを供給する対向電極駆動回路700と、走査線駆動回路Ydr1,Ydr2、信号線駆動回路500及び対向電極駆動回路700を制御すると制御回路900とを備え、液晶表示パネル100がバックライト300と額縁状のベゼル1000とに挟持されて構成されている。
【0032】
液晶表示パネル100は、図3に示すように、液晶表示セル110と、前面ハイブリッド位相差板200a、前面2軸位相差板210a、前面偏光板220a、後面ハイブリッド位相差板200b、後面2軸位相差板210b、後面偏光板220bから構成されている。尚、前面ハイブリッド位相差板200a、前面2軸位相差板210a及び前面偏光板220aは一体的に構成され、同様に後面ハイブリッド位相差板200b、後面2軸位相差板210b及び後面偏光板220bも一体的に構成され、液晶表示セル110の主表面にそれぞれ貼り付けられている。
【0033】
<液晶表示セルの構成>
図2に示すように、液晶表示セル110は、表示用画素電極Dpixをもつアレイ基板120、このアレイ基板の表示用画素電極Dpixに対向電極Ecomを対向させて配置された対向基板130、及びアレイ基板120と対向基板130との間にそれぞれの電極Dpix、Ecom上に被着された配向膜151、153、これらの配向膜を介して挟持された液晶層140とから構成されている。
【0034】
対向基板130の主面に遮光膜BMと赤色フィルタ層CF(R)、緑色フィルタ層CF(G)、青色フィルタ層CF(B)が規則的に配列されている。表示用画素電極Dpixは赤用画素電極dpixR、緑用が素電極dpixG、青用が素電極dpixBを各副画素とするトリオで1画素を形成する電極で、アレイ基板上に設けられる。
【0035】
各フィルタ層の膜厚は青、緑、赤用の順序で小さくなっている。このため、各色画素電極と対向電極間の間隙の距離は各色ごとに異なり、赤用画素電極dpixRと対向電極Ecom間の間隙距離をdR、緑用画素電極dpixGと対向電極Ecom間の間隙距離をdG、青用画素電極dpixBと対向電極Ecom間の間隙距離をdBとしたときに、
dB<dG<dR
になっている。これにより液晶層140の層厚は青用画素電極位置で小さく、緑、赤用画素電極位置で順に大きくなる。液晶層厚は実際には上記した電極間間隙距離よりも配向膜の厚み分だけ小さい。
【0036】
上記において、dB:4.8μm、dG:5.0μm、dR:5.1μmとし、液晶層は誘電異方性が正のネマチック液晶を用い、リタデーション値を80nmとしている。
【0037】
図17で説明したように表示画面の斜め方向の画像は、左右60°視野角でほぼ最大となる青色輝度比LRBをもち、このような視野角では色バランスがくずれて、とくに黒表示時に青味を帯びた表示が目に付く。
【0038】
間隙距離dBに比べてdG,dRを大きくするのは、図19のB点に示すように、斜め方向観察時の色バランスを正面方向のそれB点に近づけるためで、図18に示すように60°視野角付近の赤色輝度比LRRおよび緑色輝度比LRG、を青色輝度比LRBに近づける。
【0039】
輝度比が上がる結果、表示画像の色バランスのずれが防止され斜め方向からでも見易い画像が得られる。輝度比LRR、LRGの上昇で黒表示レベルが上がりいわゆる”黒浮き”が大きくなるが、或る程度の範囲内ならば視認上問題にならない。
【0040】
<アレイ基板の構成>
アレイ基板120について、図2乃至図10を参照して説明する。
【0041】
アレイ基板120は、透明なガラス基板GLS1上に、複数本のアルミニウム(Al)から構成される信号線Xiと複数本のモリブデン・タングステン合金(MoW)から構成される走査線Yjとが酸化シリコン(SiO2)膜からなる層間絶縁膜INS2を介してマトリクス状に配置されている。また、走査線Yjと並行して走査線Yjと同一工程で作成される補助容量線Cjが配置されている。
【0042】
信号線Xiと走査線Yjとの交点近傍には、多結晶シリコン(p−Si)膜を活性層としたトップゲート構造の薄膜トランジスタTFT上にパッシベーション膜INS3を介して透明電極としてITO(Indium Tin Oxide)からなる表示用画素電極Dpixが配置されている。より詳しくは、このTFTは、オフリーク電流を低減するためにダブルゲート構造に構成され、P型のソース・ドレイン領域p−Si(s),p−Si(d)、チャネル領域p−Si(c1),p−Si(c2)、チャネル領域p−Si(c1),p−Si(c2)間に配置される接続領域p−Si(i)をp−Si膜中に含み、ドレイン領域p−Si(d)はコンタクトホールCH1を介して信号線Xiに接続され、ソース領域p−Si(s)はコンタクトホールCH2を介してAlからなるソース配線EXTによって引き回され、コンタクトホールCH3を介して表示用画素電極Dpixに接続されている。
【0043】
p−Si膜上には、TEOSからなるゲート絶縁膜INS1が配置され、この上に走査線Yjから延在した第1ゲート電極G1が配置され、また走査線Yjの一部が第2のゲート電極G2として配線されている。そして、第1ゲート電極G1が第1チャネル領域p−Si(c1)に対応し、第2ゲート電極G2が第2チャネル領域p−Si(c2)に対応している。
【0044】
また、このTFTのソース領域p−Si(s)はソース領域延在部p−Si(se)(図6)を含み、補助容量線Cjから伸び補助容量線Cjと同一工程で作成されるMoWからなる第1補助容量電極EC1上に層間絶縁膜INS2を介して配置される第2補助容量電極EC2にコンタクトホールCH4を介して電気的に接続している。この第2補助容量電極EC2は信号線Xiと同一工程で作成されるAlから構成されている。更に、この第2補助容量電極EC2上にパッシベーション膜INS3を介して表示用画素電極Dpixと同一工程で作成される相転移用画素電極Tpixが配置され、この相転移用画素電極TpixはコンタクトホールCH5を介して第2補助容量電極EC2と電気的に接続している。
【0045】
このような構成により、第1補助容量電極EC1と第2補助容量電極EC2との間で保持容量Cs(図4)が形成され、この保持容量Cs上に相転移用画素電極Tpixが配置されるため、開口率を損なうことなく効果的に大きな保持容量Csを確保することが可能となる。
【0046】
更に、この実施形態では、表示用画素電極Dpixと相転移用画素電極Tpixとは走査線Yjを跨いで配置され、TFTのソース領域p−Si(s)から独立したソース領域延在部p−Si(se)により接続されるため、仮に保持容量Csに短絡等があったとしても、ソース領域延在部p−Si(se)をレーザ照射等の手段で電気的に切り離すことで、容易に救済することができる。
【0047】
また、補助容量線Cj上で隣接する次水平ラインの表示用画素電極Dpixと相転移用画素電極Tpixとは、対向する端辺が互いに噛合う櫛歯状に構成されている。これは、表示用画素電極Dpixと相転移用画素電極Tpixとの間に捩れた横方向電界を印加する事により均一にベンドの核形成をすることが可能となり、初期のスプレイ配列状態から均一にベンド配列状態に導くことが可能とするものである。この櫛歯ピッチは、例えば50μmよりも小さくすることにより低電圧で均一な配列に導くことを可能にする。
【0048】
ところで、図4に示すように、走査線Yjの両端は、それぞれガラス基板GLS1上に一体的に構成された走査線駆動回路Ydr1,Ydr2に電気的に接続されている。そして、走査線駆動回路Ydr1,Ydr2には、それぞれ垂直走査クロック信号YCK、垂直スタート信号YSTが入力される。補助容量線Cjは、それぞれ両端で接続配線Ccsに接続され、接続配線Ccsを介して補助容量電圧Vcsが入力される。信号線Xiは、選択スイッチSELを介して信号入力線xk(k=i/2)に接続されている。
【0049】
詳しくは、信号線Xiは奇数信号線Xi(i=1,3,5,・・・)と偶数信号線Xi(i=2,4,6,・・・)とに区分され、隣接する一対の奇数信号線Xi,Xi+2が選択スイッチSEL1,SEL3を介して同一の信号入力線xkに接続され、隣接する一対の偶数信号線Xi+1,Xi+3が選択スイッチSEL2,SEL4を介して同一の信号入力線xk+1に接続されている。そして、奇数信号線対の一方に接続される選択スイッチSEL1と偶数信号線対の一方に接続される選択スイッチSEL4とが第1選択信号Vsel1で選択され、奇数信号線対の他方に接続される選択スイッチSEL3と偶数信号線対の他方に接続される選択スイッチSEL2とが第2選択信号Vsel2で選択されるよう配線されている。
【0050】
例えば、図8(a)に示すように、一水平走査期間(1H)の前半で信号線X1に対応する表示画素電極Dpixに対向電極電圧Vcomに対して正極性(+)の信号電圧Vsig1が、信号線X4に対応する表示画素電極Dpixに対向電極電圧Vcomに対して負極性(−)の信号電圧Vsig4が書き込まれる。そして、一水平走査期間(1H)の後半で信号線X2に対応する表示画素電極Dpixに対向電極電圧Vcomに対して負極性(−)の信号電圧Vsig2が、信号線X3に対応する表示画素電極Dpixに対向電極電圧Vcomに対して正極性(+)の信号電圧Vsig3が書き込まれる。また、図8(b)に示すように、次フレームの一水平走査期間(1H)の前半で信号線X1に対応する表示画素電極Dpixに対向電極電圧Vcomに対して負極性(−)の信号電圧Vsig1が、信号線X4に対応する表示画素電極Dpixに対向電極電圧Vcomに対して正極性(+)の信号電圧Vsig4が書き込まれる。そして、一水平走査期間(1H)の後半で信号線X2に対応する表示画素電極Dpixに対向電極電圧Vcomに対して正極性(+)の信号電圧Vsig2が、信号線X3に対応する表示画素電極Dpixに対向電極電圧Vcomに対して負極性(−)の信号電圧Vsig3が書き込まれる。
【0051】
このようにして、フレーム反転駆動及びドット反転駆動が行われ、これにより不所望な直流電圧の印加の防止と共に、フリッカの発生が効果的に防止される。更に、信号線駆動回路500と液晶表示パネル100との接続数は、信号線Xiの本数iに対してi/2に軽減されるため、接続工程が大幅に軽減されると共に、接続個所数が少ない事により製造歩留りの改善、耐衝撃性の向上等が達成される。また、高精細化に伴う接続ピッチ限界を広げることができ、例えば80μm以下の高精彩化も達成できる。
【0052】
ところで、上記実施形態では、一水平走査期間(1H)内に、ある信号入力線xkから入力される信号電圧Vsigを一つ置きの2本の信号線Xi,Xi+2にシリアルに振り分けるものとしたが、3本の信号線、あるいは4本の信号線に振り分けることも可能であり、このようにすることで接続数を更に低減することができる。しかしながら、この振り分け数を増大させる事は、各書き込み時間を短縮する事になるため、TFTの能力等に応じて適宜設計する必要がある。
【0053】
<対向基板の構成>
図2および図3に示すように、対向基板130は、ガラス基板GLS2上に不所望な漏れ光を阻止するマトリクス状の遮光膜BM、カラー表示のためにフィルタCFとして各表示画素電極dpixR、dpixG、dpixBに対応して設けられた赤R、緑G、青B各色のフィルタ層CF(R),CF(G),CF(B)およびITOからなる透明な対向電極Ecomが設けられて構成されている。ここにCF(B)が最も厚く、CF(G)、CF(R)の順に薄く形成され、このフィルタ上に形成される対向電極Ecomはステップ状に凹凸となり、これにより各画素電極と対向電極間の間隙距離はdB<dG<dRとなる。なおCF(R)、CF(G)、CF(B)は順次隣接して配列される。
【0054】
また、図示しないが、対向電極Ecom上には樹脂性の柱スペーサが配置され、これによりアレイ基板110との間隙を維持するよう、複数画素に対して1つの割合で規則的に配置されている。アレイ基板上のスペーさ対応位置は図5に示す信号線上の幅広エリアXaである。
【0055】
図20は実験により電極間間隙距離に対応する各色輝度比を、表示画面の正面方向から右60°の視野角において示したものである。なお液晶層のリタデーション値を80nmとしている。
【0056】
この図から、青輝度比LRBはdB1=4.8μm、緑輝度比LRGはdG1=4.85μm、赤輝度比LRRはdR1=4.9μmで最小になり、それぞれの色でこの間隙距離に設定すると黒浮きも最小になる。しかし右60°視野角のおいて輝度比間のかい離があるため図17に近い特性が残り、色バランスは均一間隙距離の構造に比べて改善されるが、表示画像は青味づく。そこで、
dB1=4.8μm
dG2=5.0μm
dR2=5.1μm
のように青画素に対して赤、緑画素の電極間間隙距離を増加して、赤、緑の輝度比を増やすと、図18のような特性となり、最大の輝度比である右60°でも正面方向と同等またはそれに近い色バランスが得られた。左60°も同時に改善された。
【0057】
図20から液晶層厚4.0μm〜5.5μmにおいて、基準となるdB1に対してdR2,dG2を大きく変化させると、斜め視野から見た場合に黒表示の輝度が不所望に上昇しコントラストが低下するので、赤、緑用画素における電極間間隙距離の増分を青用画素の間隙距離の1/10以下にする。
【0058】
一方、定量的には0.4μm以上の段差段差がパネル内に存在すると、立ち上げ時のスプレイ−ベンド転移の伝播が極端に阻害され、パネル内にスプレイ配向が残留し転移不良が発生する。
【0059】
以上のことから具体的には
│dB−dR│≦0.4μm
│dB−dG│≦0.4μm
に抑えることが望ましい。
【0060】
なお、 │dB−dR│≦0.3μm
または、│dB−dG│≦0.3μm
であれば段差によるラビングの不均一性を要因とする光抜けの発生を大幅に低減することができ、正面コントラスト低下を防止することが出来るので、さらに望ましい。
【0061】
<液晶表示パネルの構成>
次に、この液晶表示パネル100の構成について更に詳細に説明する。
【0062】
図2に示すように、各アレイ及び対向基板120,130のそれぞれの主面に配置される配向膜151,153はラビング方向Ra、Rb(図9、図10参照)が基板120,130で画面上下方向に、互いに略並行方向にかつ同方向になるようにラビング処理が施されている。そして、プレチルト角(θ)はほぼ10°に設定されている。そして、これらの両基板120,130間に液晶層140が挟持されている。液晶層140には、表示画素電極Dpixと対向電極Ecomに所定の電圧が印加された状態で、その液晶分子がベンド配列になる誘電率異方性が正のp形ネマティック液晶が用いられる。
【0063】
ところで、図10(a)に示すように、表示画素電極Dpixと対向電極Ecom間に電圧が無印加の状態では液晶層140の液晶分子140aはスプレイ配列状態をとる。このため、電源投入時に、表示画素電極Dpixと対向電極Ecomとの間に数十V程度の高電圧を印加することでベンド配列状態に移行させる。この相転移を確実に行うため、高電圧印加に際し、隣接する水平画素ライン毎に逆極性の電圧を順次書き込むことにより、隣接する表示画素電極Dpixと相転移用画素電極Tpixとの間に横方向のねじれ電位差を与えることで核形成を行い、この核を中心に相転移を行う。このような動作を略1秒間程度行う事によりスプレイ配列状態からベンド配列状態に移行させ、更に表示画素電極Dpixと対向電極Ecomとの間の電位差を同電位とすることで不所望な履歴を一度消去する。
【0064】
このようにしてベンド配列状態とした後、動作中は図10(b)のように液晶分子140aにベンド配列状態が維持される低いオフ電圧Voff以上の電圧が印加される。このオフ電圧とこれよりも高い電圧のオン電圧Vonと間で電圧を変化させることにより、同図(b)から(c)の間で配列状態を変化させ、液晶層140のリタデーション値をλ/2変化させ透過率を制御する。
【0065】
このような動作を達成するために、図9に示すように、オン電圧Von印加時に黒表示となるように一対の偏光板220a,220bの吸収軸Aa,Abを互いに直交させ、ラビング方向Ra,Rbとπ/4ずらした配列とする。
【0066】
また、アレイ基板120及び対向基板130の外表面と偏光板220a,220bとの間に貼り付けられる前面ハイブリッド位相差板200aと後面ハイブリッド位相差板200bは、オン電圧時(黒表示時)の液晶層140のリタデーション値RLCon例えば80nmを補償するもので、更に黒表示時の正面及び斜め方向からの不所望な光漏れを防止するものである。即ち、このハイブリッド位相差板200a,200bを構成するディスコティック液晶は、屈折率nxとnyとが等しく、光軸方向の屈折率nzがnx,nyよりも小さい光学負の材料であって、図9、図10に示すように分子光軸Doptが液晶層140の液晶分子140aの光軸の傾斜方向とはそれぞれ逆方向に傾斜し、その傾斜角が膜厚方向に徐々に変化して構成されるものであって、リタデーション値RDはそれぞれ−40nmで構成されている。従って、黒表示時の液晶層140のリタデーションRLConが80nmであることから、黒表示時の位相差は相殺され、これにより不所望な光漏れが防止される。
【0067】
更にハイブリッド位相差板200a,200bと偏光板220a,220bとの間には、2軸位相差板210a,210bがそれぞれ配置されている。この2軸位相差板210a,210bは、斜め方向における液晶層140の旋光性に起因した光漏れを防止するものであって、それぞれ偏光板220a,220bの吸収軸Aa,Abに遅相軸Adを一致させている。従って、偏光板220a,220bとの組合せによって正面方向からの位相差はほぼ零にすることができ、実質的に斜め方向の波長分散のみを選択的に改善することができる。
【0068】
<バックライトの構成>
背面の偏光板220bに面して配置されるバックライト300について図11を参照して説明する。
【0069】
このバックライト300は、同図に示すように並置配列された複数本の管状光源310と、この管状光源310からの光を効率よく前面に出射すると共に管状光源310を収納する樹脂製のリフレクタ320と、偏光板220b(図3参照)と管状光源310との間に配置される光学シートとを備えて構成されている。
【0070】
光学シートは、例えば輝度均一性を確保するための旭化成社製TDX等の拡散板340、管状光源310から出射される光源光を集光する複数のプリズム列が配列された例えば3M社製BEFIII等のプリズムシート350,360から構成される。
【0071】
管状光源310としては、3波長冷陰極蛍光管を代表とする高演色性ランプで構成され、一例として図12の曲線Aに示すような発光スペクトルを有しており、610nmにピークのある赤色光領域、540nmにピークをもつ緑色光領域、435nmにピークをもつ青色光領域を有している。ランプの放電ガスにキセノンガスを用いた場合の147nm紫外線に励起される発光蛍光体として、赤色用にY2O3:Eu蛍光体、緑色用にLaPO4:Ce,Tb蛍光体、青用にBAM螢光体が使用されるが、他の蛍光体が用いられることも多く、高演色性を得るための発光スペクトルとしては大差がない。
【0072】
液晶表示セルの各色フィルタ層CF(R),CF(G),CF(B)はこれらの光波長を分担する通過特性Cを有し、赤フィルタ層CF(R)はCRのように580nm以上、緑フィルタ層CF(G)はCGのように580〜510nm、青フィルタ層CF(B)はCBのように550〜400nmを通過特性としている。
【0073】
<表示動作>
上記の構成により、図9に示すように管状光源310から出射される光は光通路Lを経て偏光板220bを透過する。ここで、偏光板220bの吸収軸Aa,Abと直交する透過軸を通過した偏光光のみが出射され、後面2軸位相差板210b及び後面ハイブリッド位相差板200bを経て液晶表示セル110に入射される。
【0074】
法線方向におけるオン電圧時の液晶層140と全位相差板の合計のリタデーションは略零なので、偏光光はそのまま通過し、前面側の偏光板220aに至る。偏光板220a,220bはクロスニコル配置であるから、偏光光は前面偏光板220aにより吸収され遮断され黒表示が得られる。
【0075】
オン電圧とオフ電圧間の電圧印加状態に応じ液晶層140のリタデーションが変化し全位相差板のリタデーションとの差が変化するため、前面2軸位相差板210aから出射される入射光は楕円偏光となって前面偏光板220aに達し、偏光状態に対応して光が透過する。このように印加電圧可変することにより、諧調表示が可能になる。
【0076】
図示の光通路Lは表示画面の正面方向を示しているが、光通路Lに対して斜めの視野角では図18に示すように輝度比が正面方向よりも増大する。各画素電極の間隙距離をdB=4.8μm、dG=5.0μm、dR=5.1μmにすると
dB/(dR+dG+dB)=0.32
であるが、0.3<dB/(dR+dG+dB)<0.45の範囲で斜方向視野角での黒表示時の青味付きを顕著に抑えることができる。
【0077】
(実施形態2)
図13は本発明の他の実施形態を示すもので、図2と同一の部分は同符号を付して説明を省略する。図2に示す実施形態との差異は、の青色フィルタ層CF(B)の電極間間隙距離dBに対して、赤色フィルタ層CF(R)、緑色フィルタ層CF(G)の間隙距離dR、dGを同一の大きさで異ならしめたもので、dB<dR=dGになる。本実施形態によれば、赤、緑色フィルタ層の膜厚が同じでよいので、製造が容易であり、なおかつ表示画像の左右斜め方向の青味付きを抑えることができる。
【0078】
(実施形態3)
図14に示す実施形態は、アレイ基板120の画素電極Dpix下の層間絶縁膜INSの膜厚を各色画素電極dpixB、dpixG、dpixRごとに変えた構成である。対向基板130上のフィルタCFおよび対向電極Ecomは平坦であり、電極間隙距離dB、dG、dRはこの順序で大きくなるように設定される。この構成によって実施形態1と同様に斜方向視野の青味付きが改善される。なお、図2と同符号の部分は同様部分を示し、説明を省略する。
【0079】
(実施形態4)
図15に示す実施形態は、アレイ基板120側にフィルタCFを配置し、青フィルタ層CF(B)、緑フィルタ層CF(G)、赤フィルタ層CF(R)の厚さを変えている。青フィルタ層を厚く、以下順に薄くすることにより、dB<dG<dRを得ている。この構成によって実施形態1と同様に斜方向視野の青味付きが改善される。なお、図2と同符号の部分は同様部分を示し、説明を省略する。
【0080】
以上実施形態により、各色画素電極ごとに電極間隙距離が異なる構成を説明したが、画素電極や対向電極の膜厚、配向膜の膜厚を変えて電極間隙距離を変化させることも可能であり、これらを単独の要素ばかりでなく、複数の要素を組合わせて電極間隙距離が異なる構成とすることができることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施形態1の液晶表示装置の概略構成図。
【図2】実施形態1の液晶表示セルの一部略断面図。
【図3】実施形態1の液晶表示パネルの一部拡大略断面図。
【図4】実施形態1の液晶表示セルの概略等価回路図。
【図5】実施形態1のアレイ基板の一部概略正面図。
【図6】実施形態1のアレイ基板の一部概略正面図。
【図7】(a)は図6中B−B線に沿って切断したアレイ基板の一部概略断面図であり、(b)はC−C線に沿って切断したアレイ基板の一部概略断面図。
【図8】(a)、(b)は実施形態1の表示状態を説明するための図。
【図9】実施形態1の液晶表示パネルの概略構成図。
【図10】(a)、(b)、(c)は実施形態1の動作を説明する略図。
【図11】実施形態1のバックライトの略断面図。
【図12】バックライトのランプの分光放射輝度特性、および赤、緑、青フィルタ層の分光透過率を示す曲線図。
【図13】本発明の実施形態2の液晶表示セルの構造を示す略断面図。
【図14】本発明の実施形態3の液晶表示セルの構造を示す略断面図。
【図15】本発明の実施形態4の液晶表示セルの構造を示す略断面図。
【図16】光波長に対する液晶層と位相差板のリタデーション値の変化を説明する曲線図。
【図17】表示画面、黒表示時の左右視野角の分光輝度比を説明する特性曲線図。
【図18】実施形態1における表示画面、黒表示時の左右の斜め視野角の各色輝度比の特性曲線図。
【図19】実施形態1における表示画面の色バランスを説明するu’v’色度図。
【図20】実施形態1における電極間隙距離に対する右60°における黒表示時の黒浮き(輝度)の特性曲線図。
【図21】一般的なOCBモード液晶表示セルの概略構成図。
【符号の説明】
【0082】
110:液晶表示セル
120:アレイ基板
Dpix:画素電極
130:対向基板
Ecom:対向電極
dB、dG、dR:電極間隙距離
CF(R),CF(G),CF(B):フィルタ層
140:液晶層
200a,200b:ハイブリッド位相差板
220a,220b:偏光板
300:バックライト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤、緑、青用の各画素電極をマトリクス状に配列したアレイ基板と、
前記アレイ基板の前記画素電極に対向して対向電極を配置した対向基板と、
前記アレイ基板および前記対向基板間に挟持されベンド配列される液晶層と、
前記基板の一方に設けられて赤、緑、青各フィルタ層からなり、前記赤色フィルタ層は前記赤用画素電極に対応して配置され、前記緑色フィルタ層は前記緑用画素電極に対応して配置され、前記青色フィルタ層は前記青用画素電極に対応して配置されたフィルタとを具備し、
前記青用画素電極と前記対向電極間の間隙距離をdB、前記赤用画素電極と前記対向電極間の間隙距離をdR、前記緑用画素電極と前記対向電極間の間隙距離をdGとすると、
dB<dR,dB<dGであり、かつ
│dB−dR│≦0.4μm
│dB−dG│≦0.4μm
であることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記青用画素電極と前記対向電極間の間隙距離をdB、前記赤用画素電極と前記対向電極間の間隙距離をdR、前記緑用画素電極と前記対向電極間の間隙距離をdGとすると、
dB<dG≦dRであることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項3】
少なくとも前記青色フィルタ層の膜厚が前記赤、緑色フィルタ層の膜厚よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記フィルタが前記アレイ基板に配置されている請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記フィルタが前記対向基板に配置されている請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記液晶表示装置がさらに位相差板と、前記液晶表示装置および前記位相差板を挟んで配置され前記表示画面上下方向にほぼ45°で交差し、互いにクロスニコルに配置された一対の偏光板とを具備することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項7】
赤、緑、青用の各画素電極を表示画面にマトリクス状に配列したアレイ基板と;
前記アレイ基板の前記が素電極に対向して対向電極を配置した対向基板と;
前記画素電極および前記対向電極上にそれぞれ形成され、前記表示画面の上下方向に液晶配向面を有する配向膜と;
前記アレイ基板および前記対向基板間に挟持され前記表示画面の上下方向に配向されてベンド配列される液晶層と;
前記基板の一方に設けられ赤、緑、青各フィルタ層からなり、前記赤色フィルタ層は前記赤用画素電極に対応して配置され、前記緑色フィルタ層は前記緑用画素電極に対応して配置され、前記青色フィルタ層は前記青用画素電極に対応して配置されたフィルタ;とを有する液晶表示装置であって、
前記液晶表示装置は前記青用画素電極と前記対向電極間の間隙距離が前記赤用画素電極と前記対向電極間の間隙距離および前記緑用画素電極と前記対向電極間の間隙距離よりも小さくされ、
前記液晶表示装置は、その少なくとも一方に配置された位相差板と、
前記液晶表示セルおよび前記位相差板を挟んで配置され前記表示画面上下方向にほぼ45°で交差し、互いにクロスニコルに配置された一対の偏光板と、
前記表示画面正面方向と左右60°方向の各色光の輝度比を赤色光でLRR、緑色光でLRG、青色光でLRBで表すと、
LRB/(LRR+LRG+LRB)<0.45
とする手段とを具備することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項8】
前記青用画素電極と前記対向電極間の間隙距離をdB、前記赤用画素電極と前記対向電極間の間隙距離をdR、前記緑用画素電極と前記対向電極間の間隙距離をdGとすると、
│dB−dR│≦0.4μm
│dB−dG│≦0.4μm
であることを特徴とする請求項7記載の液晶表示装置。
【請求項9】
バックライト光源を備えている請求項1乃至8のいずれかに記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【国際公開番号】WO2005/038515
【国際公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【発行日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−514853(P2005−514853)
【国際出願番号】PCT/JP2004/015584
【国際出願日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(302020207)東芝松下ディスプレイテクノロジー株式会社 (2,170)
【Fターム(参考)】