説明

液晶装置、電子機器、および投射型表示装置

【課題】デジタル駆動方式を採用するにあたって、画素スイッチング回路としてトランスファーゲートを用いた場合でも、画素電極に対するHレベルの電圧書き込み時間とLレベルの電圧書き込み時間との差を短縮することのできる液晶装置、並びに当該液晶装置を備えた電子機器および投射型表示装置を提供すること。
【解決手段】デジタル駆動方式の液晶装置100において、画素スイッチング回路30は、Nチャネル型トランジスター30NとPチャネル型トランジスター30Pとのトランスファーゲートからなる。Nチャネル型トランジスター30Nのチャネル長L1、チャネル幅W1、Pチャネル型トランジスター30Pのチャネル長L2、Pチャネル型トランジスター30Pのチャネル幅W2は、下式
1/L1 < W2/L2
を満たしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル駆動方式を採用した液晶装置、並びに当該液晶装置を備えた電子機器および投射型表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
投射型表示装置のライトバルブ等として用いられている液晶装置では、データ線を介して画素に供給する画像信号としてアナログ信号を用いるのが一般的であるが、この場合、データ線駆動回路には、A/D変換回路やオペアンプ等が必要である。そこで、画像信号としてデジタル信号を用いるデジタル駆動方式が提案されており、かかるデジタル駆動方式では、1フィールド(1/60秒)の画像信号を複数のサブフィールドに分割し、各サブフィールドにおいて液晶層に0Vまたは5Vを印加することで中間調を表現する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、特許文献1には、画素スイッチング回路をNチャネル型トランジスターとPチャネル型トランジスターとを並列に電気的接続したトランスファーゲートとして構成し、Nチャネル型トランジスターおよびPチャネル型トランジスターに対して逆位相の走査信号を供給する構成が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−114661号公報の図2(a)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、画素スイッチング回路としてトランスファーゲートを用いた場合、画素電極にH(ハイ)レベルの電圧を書き込む際と、L(ロー)レベルの電圧を書き込む際とでは、書き込みに要する速度が相違するという問題点がある。かかる相違は、中間調を適正に表現できないという問題等の原因となるため、好ましくない。
【0006】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、デジタル駆動方式を採用するにあたって、画素スイッチング回路としてトランスファーゲートを用いた場合でも、画素電極に対するHレベルの電圧書き込み時間とLレベルの電圧書き込み時間との差を短縮することのできる液晶装置、並びに当該液晶装置を備えた電子機器および投射型表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、以下の新たな知見を得、かかる知見に基づいて本発明に到達した。まず、本発明者は、画素スイッチング回路としてトランスファーゲートを用いてデジタル駆動方式を採用した場合、画素電極にHレベルの電圧を書き込む際にはPチャネル型トランジスターでの書き込み速度が支配的となる一方、画素電極にLレベルの電圧を書き込む際にはNチャネル型トランジスターでの書き込み速度が支配的となる。このため、Pチャネル型トランジスターとNチャネル型トランジスターとのオン電流特性の違いが、Hレベルの電圧書き込み時間とLレベルの電圧書き込み時間との差を発生させるという新たな知見を得た。そこで、本発明では、画素スイッチング回路に用いた第1導電型トランジスターおよび第2導電型トランジスターのうち、第2導電型トランジスターでの書き込み速度が遅い場合、第2導電型トランジスターでの書き込み速度を高めることにより、画素電極に対するHレベルの電圧書き込み時間とLレベルの電圧書き込み時間との差を短縮する。
【0008】
具体的には、本発明では、液晶駆動用の画素電極、および該画素電極に対応して設けられた画素スイッチング回路を備えた画素と、前記画素スイッチング回路を制御する走査信号を前記画素に供給する走査線と、フィールド期間を時間軸上で複数に分割した各サブフィールドにおいて前記画素の輝度が飽和するオン電圧および前記画素が消灯状態となるオフ電圧からなるデジタル駆動信号を前記画素スイッチング回路を介して前記画素電極に供給するデータ線と、を有する液晶装置において、
前記画素スイッチング回路は、前記走査信号としての第1走査信号により制御される第1導電型トランジスターと、該第1導電型トランジスターに並列に電気的接続され、前記走査信号としての第2走査信号により制御される第2導電型トランジスターと、を備え、
前記第1走査信号の振幅をV1とし、前記第2走査信号の振幅をV2としたとき、
振幅V1、V2は、下式
1 < V2
を満たし、かつ、
前記第1導電型トランジスターのチャネル長をL1とし、チャネル幅をW1とし、
前記第2導電型トランジスターのチャネル長をL2とし、チャネル幅をW2としたとき、
チャネル長L1、L2およびチャネル幅W、W2は、下式
1/L1 < W2/L2
を満たすことを特徴とする。
【0009】
本発明では、第1走査信号の振幅V1と第2走査信号の振幅V2とを相違させて、第2導電型トランジスターのオン電流を高めてある。また、本発明では、第1導電型トランジスターと第2導電型トランジスターとにおいてチャネル幅/チャネル長を相違させて、第2導電型トランジスターのオン電流を高めてある。このため、デジタル駆動方式を採用するにあたって、画素スイッチング回路としてトランスファーゲートを用いた場合において、画素電極へのHレベルの電圧書き込み期間、および画素電極へのLレベルの電圧書き込み期間のうち、第2導電型トランジスターでの書き込み速度が支配的となる期間が長すぎる場合でも、第2導電型トランジスターでの書き込み速度を高めることができるので、画素電極に対するHレベルの電圧書き込み時間とLレベルの電圧書き込み時間との差を短縮することができる。
【0010】
また、本発明の別の形態は、走査信号の振幅に係る構成、および導電型トランジスターのチャネル幅/チャネル長に係る構成のうちの一方の構成を採用したことを特徴とする。
【0011】
すなわち、本発明では、液晶駆動用の画素電極、および該画素電極に対応して設けられた画素スイッチング回路を備えた画素と、前記画素スイッチング回路を制御する走査信号を前記画素に供給する走査線と、フィールド期間を時間軸上で複数に分割した各サブフィールドにおいて前記画素の輝度が飽和するオン電圧および前記画素が消灯状態となるオフ電圧からなるデジタル駆動信号を前記画素スイッチング回路を介して前記画素電極に供給するデータ線と、を有する液晶装置において、
前記画素スイッチング回路は、第1走査信号により制御される第1導電型トランジスターと、該第1導電型トランジスターに並列に電気的接続され、第2走査信号により制御される第2導電型トランジスターと、を備え、
前記第1導電型トランジスターのチャネル長をL1とし、チャネル幅をW1とし、
前記第2導電型トランジスターのチャネル長をL2とし、チャネル幅をW2としたとき、
チャネル長L1、L2およびチャネル幅W、W2は、下式
1/L1 < W2/L2
を満たす。
【0012】
かかる構成によれば、第1導電型トランジスターと第2導電型トランジスターとにおいてチャネル幅/チャネル長を相違させて、第2導電型トランジスターのオン電流を高めてある。このため、デジタル駆動方式を採用するにあたって、画素スイッチング回路としてトランスファーゲートを用いた場合において、画素電極へのHレベルの電圧書き込み期間、および画素電極へのLレベルの電圧書き込み期間のうち、第2導電型トランジスターでの書き込み速度が支配的となる期間が長すぎる場合でも、第2導電型トランジスターでの書き込み速度を高めることができるので、画素電極に対するHレベルの電圧書き込み時間とLレベルの電圧書き込み時間との差を短縮することができる。
【0013】
また、本発明のさらに別の形態は、液晶駆動用の画素電極、および該画素電極に対応して設けられた画素スイッチング回路を備えた画素と、前記画素スイッチング回路を制御する走査信号を前記画素に供給する走査線と、フィールド期間を時間軸上で複数に分割した各サブフィールドにおいて前記画素の輝度が飽和するオン電圧および前記画素が消灯状態となるオフ電圧からなるデジタル駆動信号を前記画素スイッチング回路を介して前記画素電極に供給するデータ線と、を有する液晶装置において、
前記画素スイッチング回路は、第1走査信号により制御される第1導電型トランジスターと、該第1導電型トランジスターに並列に電気的接続され、第2走査信号により制御される第2導電型トランジスターと、を備え、前記第1走査信号の振幅をV1とし、前記第2走査信号の振幅をV2としたとき、
振幅V1、V2は、下式
1 < V2
を満たすことを特徴とする。
【0014】
かかる構成によれば、第1走査信号の振幅V1と第2走査信号の振幅V2とを相違させて、第2導電型トランジスターのオン電流を高めてある。このため、デジタル駆動方式を採用するにあたって、画素スイッチング回路としてトランスファーゲートを用いた場合において、画素電極へのHレベルの電圧書き込み期間、および画素電極へのLレベルの電圧書き込み期間のうち、第2導電型トランジスターでの書き込み速度が支配的となる期間が長すぎる場合でも、第2導電型トランジスターでの書き込み速度を高めることができるので、画素電極に対するHレベルの電圧書き込み時間とLレベルの電圧書き込み時間との差を短縮することができる。
【0015】
本発明において、前記第1走査信号および前記第2走査信号は、逆位相の信号であることが好ましい。
【0016】
本発明において、前記第1走査信号において前記第1導電型トランジスターをオンさせる信号あるいは前記第1導電型トランジスターをオフさせる信号は、前記第2走査信号において前記第2導電型トランジスターをオンさせる信号あるいは前記第2導電型トランジスターをオフさせる信号と同一の電位であることが好ましい。かかる構成によれば、電位の数を減らすことができるので、回路構成の簡素化を図ることができる。
【0017】
本発明において、前記第1導電型トランジスターは、例えば、Nチャネル型トランジスターであり、前記第2導電型トランジスターは、Pチャネル型トランジスターである。
【0018】
本発明を適用した液晶装置は各種電子機器に用いることができ、この場合、液晶装置は電子機器の表示部として用いられる。
【0019】
本発明を適用した液晶装置は投射型表示装置(電子機器)に用いることができ、この場合、投射型表示装置は、前記液晶装置に照明光を供給する光源部と、前記液晶装置によって光変調された後の前記照明光を投射する投射レンズ系と、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明を適用した液晶装置の電気的構成を示す説明図である。
【図2】本発明を適用した液晶装置の具体的構成を示す説明図である。
【図3】本発明を適用した液晶装置の画素の断面構成を示す説明図である。
【図4】本発明を適用した液晶装置で用いたデジタル駆動方式の説明図である。
【図5】本発明を適用した液晶装置において、画素にHレベルの電圧およびLレベルの電圧を書き込む様子を示す説明図である。
【図6】本発明を適用した液晶装置において、低レベル電源電位を変化させた場合の書き込み時間の変化を示すグラフである。
【図7】本発明を適用した液晶装置において、高レベル電源電位を変化させた場合の書き込み時間の変化を示すグラフである。
【図8】本発明の第2実施形態における液晶装置の駆動条件を示す説明図である。
【図9】本発明に係る液晶装置を用いた電子機器の説明図である。
【図10】本発明に係る液晶装置を用いた別の電子機器の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明で参照する図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。また、MOS型トランジスターを流れる電流の方向が反転する場合、ソースとドレインとが入れ替わるが、以下の説明では、便宜上、画素電極が接続されている側をドレインとし、データ線が接続されている側をソースとして説明する。また、以下の説明では、第1導電型トランジスターをNチャネル型トランジスターとし、第2導電型トランジスターをPチャネル型トランジスターとして説明する。
【0022】
(全体構成)
図1は、本発明を適用した液晶装置の電気的構成を示す説明図であり、図1(a)、(b)は、液晶装置全体の電気的構成を示すブロック図、および画素1つ分の電気的構成を示すブロック図である。図2は、本発明を適用した液晶装置の具体的構成を示す説明図であり、図2(a)、(b)は各々、液晶装置の液晶装置を各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図、およびそのH−H′断面図である。
【0023】
図1に示すように、液晶装置100は、透過型あるいは反射型の液晶パネル100pを有しており、液晶パネル100pは、その中央領域に複数の画素100aがマトリクス状に配列された画素領域10bを備えている。液晶パネル100pにおいて、後述する素子基板10には、画素領域10bの内側で複数本のデータ線6aおよび複数本の走査線(第1走査線3aおよび第2走査線3b)が縦横に延びており、それらの交点に対応する位置に画素100aが構成されている。複数の画素100aの各々には、画素スイッチング回路30、および後述する画素電極9aが形成されている。画素スイッチング回路30にはデータ線6aが電気的接続され、画素トランジスター30の出力側には、画素電極9aが電気的接続されている。
【0024】
ここで、液晶装置100にはデジタル駆動方式が採用されており、データ線6aは、フィールド期間を時間軸上で複数に分割した各サブフィールドにおいて画素100aの輝度が飽和するオン電圧、および画素100aが消灯状態となるオフ電圧からなるデジタル駆動信号DATを画素スイッチング回路30を介して画素電極9aに供給する。
【0025】
また、画素スイッチング回路30は、第1走査線3aによりオンオフ制御されるMOS型トランジスターからなるNチャネル型トランジスター30N(第1導電型トランジスター)と、第2走査線3bによりオンオフ制御されるMOS型トランジスターからなるNチャネル型トランジスター30P(第2導電型トランジスター)とが並列に電気的接続されたトランスファーゲートからなる。このため、液晶装置100では、走査線として、1画素当たり、第1走査線3aおよび第2走査線3bからなる2本の走査線が設けられている。
【0026】
画素スイッチング回路30において、Nチャネル型トランジスター30NとPチャネル型トランジスター30Pとはソース(入力側)同士が電気的接続され、ドレイン(出力側)同士が電気的接続されている。また、Nチャネル型トランジスター30Nは、ゲートに第1走査線3aが電気的接続され、ソースにデータ線6aが電気的接続され、ドレインに画素電極9aが電気的接続された構造になっている。また、Pチャネル型トランジスター30Pは、ゲートに第2走査線3bが電気的接続され、ソースにデータ線6aが電気的接続され、ドレインに画素電極9aが電気的接続された構造になっている。
【0027】
素子基板10において、画素領域10bの外側領域には走査線駆動回路104およびデータ線駆動回路101が構成されている。データ線駆動回路101は各データ線6aの一端に電気的接続しており、画像処理回路から供給される画像信号(デジタル駆動信号DAT)を各データ線6aに順次供給する。走査線駆動回路104は、第1走査線3aおよび第2走査線3bに電気的接続しており、第1走査信号SELNを第1走査線3aに順次供給し、第2走査信号SELPを第2走査線3bに順次供給する。
【0028】
各画素100aにおいて、画素電極9aは、後述する対向基板に形成された共通電極と液晶層を介して対向し、液晶容量50aを構成している。また、各画素100aには、液晶容量50aで保持される画像信号の変動を防ぐために、液晶容量50aと並列に保持容量60が付加されている。本形態では、保持容量60を構成するために、複数の画素100aに跨って第1走査線3aおよび第2走査線3bと並行して延びた容量線3cが形成されており、容量線3cは共通電位(COM)に保持されている。
【0029】
図2(a)、(b)に示すように、液晶装置100の液晶パネル100pでは、素子基板10と対向基板20とが所定の隙間を介してシール材107によって貼り合わされており、シール材107は対向基板20の縁に沿うように配置されている。シール材107は、光硬化樹脂や熱硬化性樹脂等からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー、あるいはガラスビーズ等のギャップ材が配合されている。本形態において、素子基板10の基板本体10dは透光性基板であり、対向基板20の基板本体20dも透光性基板である。なお、液晶装置100が反射型である場合、素子基板10の基板本体10dとしては、単結晶シリコン基板等、不透明な基板を用いてもよい。
【0030】
素子基板10において、シール材107の外側領域では、素子基板10の一辺に沿ってデータ線駆動回路101および複数の端子102が形成されており、この一辺に隣接する他の辺に沿って走査線駆動回路104が形成されている。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、素子基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための上下導通材109が形成されている。
【0031】
素子基板10には、画素電極9aがマトリクス状に形成されている。ここで、液晶装置100が反射型である場合、画素電極9aには、アルミニウムやアルミニウム合金等といったアルミニウム系材料や、銀や銀合金等といった銀系材料からなる。これに対して、液晶装置100が透過射型である場合、画素電極9aには、ITO(Indium Tin Oxide)等といった透光性導電材料からなる。
【0032】
これに対して、対向基板20には、シール材107の内側領域に遮光性材料からなる額縁108が形成され、その内側が画像表示領域10aとされている。対向基板20には、ITO膜からなる共通電極21(透光性電極)が形成されている。なお、対向基板20には隣り合う画素電極9aの間と対向する位置にブラックマトリクスあるいはブラックストライプと称せられる遮光膜(図示せず)が形成されることがある。
【0033】
かかる液晶装置100が反射型である場合、対向基板20の側から入射した光が画素電極9aで反射して再び、対向基板20の側から出射される間に液晶層50によって画素毎に光変調される結果、画像が表示される。また、液晶装置100が透過型である場合、対向基板20の側から入射した光が素子基板10の側から透過する間に液晶層50によって画素毎に光変調される結果、画像が表示される。対向基板20の光入射側の面には、使用する液晶層50の種類、すなわち、TN(ツイステッドネマティック)モード、STN(スーパーTN)モード等々の動作モードや、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板等が所定の向きに配置される。ここで、液晶装置100は、後述する投射型表示装置(液晶プロジェクター)のライトバルブとして用いられる場合、各色の光が入射することになるので、カラーフィルターは形成されない。これに対して、液晶装置100を、後述するモバイルコンピューターや携帯電話機等といった電子機器において直視型のカラー表示装置として用いる場合、対向基板20には、カラーフィルター(図示せず)や保護膜が形成される。
【0034】
(各画素の構成)
図3は、本発明を適用した液晶装置100の画素100aの断面構成を示す説明図である。図3に示すように、素子基板10には、石英基板やガラス基板等からなる基板本体10dの第1面10xおよび第2面10yのうち、対向基板20と対向する第1面10xにシリコン酸化膜等からなる透光性の下地絶縁層150が形成されている。また、素子基板10には、下地絶縁層150の上層側にNチャネル型トランジスター30NとPチャネル型トランジスター30Pとが形成されている。Nチャネル型トランジスター30Nは、島状のポリシリコン膜、あるいは島状の単結晶半導体層からなる半導体層1aに対して、チャネル領域1g、低濃度ソース領域1b、高濃度ソース領域1d、低濃度ドレイン領域1c、および高濃度ドレイン領域1eが形成されたLDD構造を備えている。半導体層1aの表面側には、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜からなるゲート絶縁層2が形成されており、ゲート絶縁層2の表面には、金属膜やドープトシリコン膜からなるゲート電極(第1走査線3a)が形成されている。また、半導体層1aにおける高濃度ドレイン領域1eからの延設部分等を利用して保持容量(図示せず)が形成されている。
【0035】
本形態において、Nチャネル型トランジスター30NはLDD(Lightly Doped Drain)構造を備えているが、高濃度ソース領域および高濃度ドレイン領域が第1走査線3aに自己整合的に形成されている構造を採用してもよい。また、本形態では、ゲート絶縁層2は、熱酸化により形成されたシリコン酸化膜からなるが、CVD法等により形成されたシリコン酸化膜やシリコン窒化膜を用いることもできる。さらに、ゲート絶縁層2には、熱酸化により形成されたシリコン酸化膜と、CVD法等により形成されたシリコン酸化膜やシリコン窒化膜との多層膜を用いることもできる。
【0036】
Nチャネル型トランジスター30Nの上層側には、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜等の透光性絶縁膜からなる層間絶縁膜71、72が形成されている。層間絶縁膜71の表面には金属膜やドープトシリコン膜からなるデータ線6aおよびドレイン電極6bが形成され、データ線6aは、層間絶縁膜71に形成されたコンタクトホール71aを介して高濃度ソース領域1dに電気的接続し、ドレイン電極6bは、層間絶縁膜71に形成されたコンタクトホール71bを介して高濃度ドレイン領域1eに電気的接続している。
【0037】
本形態において、層間絶縁膜72は、CVD法等により形成されたシリコン酸化膜である。層間絶縁膜72の表面は平坦化されており、かかる層間絶縁膜72の表面には、複数の画素100aの各々に画素電極9aが島状に形成されている。画素電極9aは、層間絶縁膜72に形成されたコンタクトホール72bの底部でドレイン電極6b(下層側の導電膜)に電気的接続されている。
【0038】
Pチャネル型トランジスター30Pは、導電型は相違するが、基本的には、Nチャネル型トランジスター30Nと同一構造を有している。より具体的には、Pチャネル型トランジスター30Pは、島状のポリシリコン膜、あるいは島状の単結晶半導体層からなる半導体層1aに対して、チャネル領域1g、低濃度ソース領域1b、高濃度ソース領域1d、低濃度ドレイン領域1c、および高濃度ドレイン領域1eが形成されたLDD構造を備えている。半導体層1aの表面側には、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜からなるゲート絶縁層2が形成されており、ゲート絶縁層2の表面には、金属膜やドープトシリコン膜からなるゲート電極(第2走査線3b)が形成されている。なお、Pチャネル型トランジスター30Pでも、データ線6aが層間絶縁膜71に形成されたコンタクトホール71cを介して高濃度ソース領域1dに電気的接続し、ドレイン電極6bは、層間絶縁膜71に形成されたコンタクトホール71d介して高濃度ドレイン領域1eに電気的接続している。ここで、データ線6aおよびドレイン電極6bは、Nチャネル型トランジスター30NおよびPチャネル型トランジスター30Pで共通である。
【0039】
なお、Nチャネル型トランジスター30NおよびPチャネル型トランジスター30Pにおいて、チャネル領域1gに低濃度の不純物がドープされており、かかるチャネルドープによって、Nチャネル型トランジスター30NおよびPチャネル型トランジスター30Pの閾値電圧が調整されている。
【0040】
画素電極9aの表面側には、絶縁膜160および配向膜16がこの順に積層されている。ここで、配向膜16は、斜方蒸着膜からなる無機配向膜であり、絶縁膜160は、配向膜16に対する下地膜として機能している。
【0041】
対向基板20では、基板本体20dにおいて素子基板10と対向する面全体にITO膜からなる共通電極21がベタ状に形成され、共通電極21の表面側には、シリコン酸化膜からなる下地膜260、および斜方蒸着膜からなる配向膜26がこの順に形成されている。なお、配向膜16、26としては、ラビング処理されたポリイミド膜等の有機配向膜が用いられることもある。
【0042】
このように構成した素子基板10と対向基板20は、画素電極9aと共通電極21とが対面するように対向配置され、かつ、これらの基板間には、シール材107により囲まれた空間内に電気光学物質としての液晶層50が封入されている。液晶層50は、画素電極9aからの電界が印加されていない状態で、素子基板10および対向基板20に形成された素子基板側配向膜16および対向基板側配向膜26により所定の配向状態をとる。液晶層50は、例えば一種または数種のネマティック液晶を混合したもの等からなる。
【0043】
(液晶の応答性)
図4は、本発明を適用した液晶装置100で用いたデジタル駆動方式の説明図である。図3において、電気光学物質として用いた液晶層50は、過渡現象を示すため、画素100aの輝度は、液晶層50にオン電圧を印加した後、所定の遅れ時間をもって最高輝度に到達し、オフ電圧を印加した後、所定の遅れ時間をもって最低輝度(消灯状態)となる。本形態では、かかる過渡期間を利用して、サブフィールドを利用したデジタル駆動方式を採用する。
【0044】
より具体的には、図4に示すように、フィールド期間を時間軸上で複数のサブフィールドに分割したときに、各サブフィールドにおいて、画素に画素の輝度が飽和するオン電圧を印加するか、あるいは画素が消灯状態となるオフ電圧を印加することにより、1フィールド期間における出射光量を制御し、階調表示を行なう。このため、デジタル駆動信号は、オン電圧およびオフ電圧を時系列に配列したデータからなり、オン電圧がオン電圧が印加されている期間とオフ電圧が印加されている期間とのバランスや、オン電圧が印加されるタイミング等を規定する。例えば、図4に示すデジタル駆動信号において、階調「108」の場合、1〜10番目のサブフィールドと13番目のサブフィールドとにおいてオン電圧を印加し、階調「106」の場合、1〜10番目のサブフィールドと12番目のサブフィールドとにおいてオン電圧を印加する。また、階調「100」の場合、1〜9番目のサブフィールドと14番目のサブフィールドとにおいてオン電圧を印加し、階調「099」の場合、1〜9番目のサブフィールドと13番目のサブフィールドとにおいてオン電圧を印加し、階調「098」の場合、1〜9番目のサブフィールドと12番目のサブフィールドとにおいてオン電圧を印加する。
【0045】
(書き込み時間の説明)
図5は、本発明を適用した液晶装置100において、画素にHレベルの電圧およびLレベルの電圧を書き込む様子を示す説明図であり、図5(a)、(b)、(c)、(d)は、各信号の電位と液晶の配向状態(輝度)との関係を示す説明図、図5(a)に示す信号のうち、第1走査信号SELNの説明図、図5(a)に示す信号のうち、第2走査信号SELPの説明図、および図5(a)に信号のうち、デジタル駆動信号DAT(画像信号)を示す説明図である。なお、図5(a)、(c)には、液晶容量5aに蓄積された電圧(輝度)については実線Brで示してある。また、以下に説明する書き込みは、液晶装置100がノーマリブラックあるいはノーマリホワイトのいずれにも適用できるが、以下の説明では、便宜上、ノーマリブラックとして説明する。
【0046】
図1および図5において、本形態の液晶装置100では、Nチャネル型トランジスター30Nのゲートに供給される第1走査信号SELNと、Pチャネル型トランジスター30Pのゲートに供給される第2走査信号SELPは、逆位相のパルス信号であり、低レベル電源電位VSSYと高レベル電源電位VDDYとの間で変化する。従って、第1走査信号SELNと第2走査信号SELPとは、振幅V1、V2が等しく、パルス幅も等しい。また、Nチャネル型トランジスター30NのソースおよびPチャネル型トランジスター30Pのソースに供給されるデジタル駆動信号DATは、Hレベルの電位が5Vで、Lレベルの電位が0Vのパルス信号である。
【0047】
かかる構成の液晶装置100では、まず、非選択期間中の画素100aでは、第1走査信号SELNが低レベル電源電位VSSYとなり、第2走査信号SELPが高レベル電源電位VDDYとなる。その結果、Nチャネル型トランジスター30NおよびPチャネル型トランジスター30Pがオフ状態にある。
【0048】
これに対して、選択期間t1、t2中の画素100aでは、第1走査信号SELNが高レベル電源電位VDDYとなり、第2走査信号SELPが低レベル電源電位VSSYとなる。その結果、Nチャネル型トランジスター30NおよびPチャネル型トランジスター30Pがオン状態になり、デジタル駆動信号DATが画素スイッチング回路30を介して画素100a(画素電極9a)に印加され、液晶容量5aに書き込まれることになる。
【0049】
かかる書き込み動作の際、選択期間t1のように、デジタル駆動信号DATがHレベルの電圧(5V)であれば、かかるHレベルの電圧(5V)が液晶容量5aに書き込まれることになる。その際、Nチャネル型トランジスター30NおよびPチャネル型トランジスター30Pがオン状態になった後、画素100aが最高輝度に到達するまでの時間が、Hレベルの電圧(5V)書き込み時間tHである。これに対して、選択期間t2のように、デジタル駆動信号DATがLレベルの電圧(0V)であれば、かかるLレベルの電圧(0V)が液晶容量5aに書き込まれることになる。その際、Nチャネル型トランジスター30NおよびPチャネル型トランジスター30Pがオン状態になった後、画素100aが最低輝度に到達するまでの時間が、Lレベルの電圧(0V)書き込み時間tLである。
【0050】
ここで、Hレベルの電圧(5V)の液晶容量5aへの書き込み時間tHは、Pチャネル型トランジスター30Pが支配的であり、Lレベルの電圧(0V)の液晶容量5aへの書き込み時間tLは、Nチャネル型トランジスター30Nが支配的である。但し、Nチャネル型トランジスター30Nのオン電流特性とPチャネル型トランジスター30Pのオン電流特性とを比較すると、Nチャネル型トランジスター30Nの電流供給能力は、Pチャネル型トランジスター30Pの電流供給能力よりも大である。このため、Hレベルの電圧(5V)の液晶容量5aへの書き込み時間tHは、Lレベルの電圧(0V)の液晶容量5aへの書き込み時間tHよりも長くなる。
【0051】
(Pチャネル型トランジスター30Pと書き込み時間との関係)
そこで、本形態では、Pチャネル型トランジスター30Pの構造や走査信号の電位を変えた場合と、書き込み時間tH、tLとの関係を検討し、かかる検討結果に基づいて、Lレベルの電圧(0V)の液晶容量5aへの書き込み時間tLと、Hレベルの電圧(5V)の液晶容量5aへの書き込み時間tHとの差を圧縮することを特徴とする。
【0052】
かかる対応を行なうにあたって、Pチャネル型トランジスター30Pの構造や走査信号の電位を変えた場合と、書き込み時間tH、tLとの関係を検討した結果を図6および図7を参照して説明する。
【0053】
図6は、本発明を適用した液晶装置100において、低レベル電源電位VSSYを変化させた場合の書き込み時間(Lレベルの電圧(0V)の液晶容量5aへの書き込み時間tL、およびHレベルの電圧(5V)の液晶容量5aへの書き込み時間tH)の変化を示すグラフである。図7は、本発明を適用した液晶装置100において、高レベル電源電位VDDYを変化させた場合の書き込み時間(Lレベルの電圧(0V)の液晶容量5aへの書き込み時間tL、およびHレベルの電圧(5V)の液晶容量5aへの書き込み時間tH)の変化を示すグラフである。図6および図7には、Pチャネル型トランジスター30Pのチャネル長L2を1.0μmにした場合、およびPチャネル型トランジスター30Pのチャネル長L2を0.8μmにした場合の各々についても、書き込み時間を示してある。
【0054】
図6には、Nチャネル型トランジスター30Nのチャネル長L1や高レベル電源電位VDDY(5V)を固定したまま、書き込み時間を検討した結果を示してあり、各実線の条件は、以下の条件
実線L11:チャネル長L2=1.0μmとしたときの
Hレベルの電圧(5V)の液晶容量5aへの書き込み時間tH
実線L12:チャネル長L2=0.8μmとしたときの
Hレベルの電圧(5V)の液晶容量5aへの書き込み時間tH
実線L13:チャネル長L2=1.0μmとしたときの
Lレベルの電圧(0V)の液晶容量5aへの書き込み時間tL
実線L14:チャネル長L2=0.8μmとしたときの
Lレベルの電圧(0V)の液晶容量5aへの書き込み時間tL
での計測結果を示している。
【0055】
また、図7には、Nチャネル型トランジスター30Nのチャネル長L1や低レベル電源電位VSSY(0V)を固定したまま、書き込み時間を検討した結果を示してあり、各実線は、以下の条件
実線L21:チャネル長L2=1.0μmとしたときの
Hレベルの電圧(5V)の液晶容量5aへの書き込み時間tH
実線L22:チャネル長L2=0.8μmとしたときの
Hレベルの電圧(5V)の液晶容量5aへの書き込み時間tH
実線L23:チャネル長L2=1.0μmとしたときの
Lレベルの電圧(0V)の液晶容量5aへの書き込み時間tL
実線L24:チャネル長L2=0.8μmとしたときの
Lレベルの電圧(0V)の液晶容量5aへの書き込み時間tL
での計測結果を示している。
【0056】
図6の実線L11、12からわかるように、Hレベルの電圧(5V)の液晶容量5aへの書き込み時間tHは、Pチャネル型トランジスター30Pのチャネル長L2を1.0μmから0.8μmに変更すると、短くなる。また、Hレベルの電圧(5V)の液晶容量5aへの書き込み時間tHは、低レベル電源電位VSSYを低くする方が短くなる。
【0057】
これに対して、図6の実線L13、14からわかるように、Lレベルの電圧(0V)の液晶容量5aへの書き込み時間tLは、Pチャネル型トランジスター30Pのチャネル長L2や低レベル電源電位VSSYを変化させても明らかな変化は見られない。
【0058】
また、図7の実線L21、22からわかるように、Hレベルの電圧(5V)の液晶容量5aへの書き込み時間tHは、Pチャネル型トランジスター30Pのチャネル長L2を1.0μmから0.8μmに変更すると、短くなる。但し、Hレベルの電圧(5V)の液晶容量5aへの書き込み時間tHは、高レベル電源電位VDDYを高くしても明らかな変化は見られない。
【0059】
これに対して、図7の実線L23、24からわかるように、Lレベルの電圧(0V)の液晶容量5aへの書き込み時間tLは、高レベル電源電位VDDYを高くする方が短くなる。但し、Lレベルの電圧(0V)の液晶容量5aへの書き込み時間tLは、Pチャネル型トランジスター30Pのチャネル長L2を1.0μmから0.8μmに変更しても明らかな変化は見られない。
【0060】
(本発明の第1実施形態)
そこで、本発明の第1実施形態では、Nチャネル型トランジスター30Nのチャネル長をL1とし、Nチャネル型トランジスター30Nのチャネル幅をW1とし、Pチャネル型トランジスター30Pのチャネル長をL2とし、Pチャネル型トランジスター30Pのチャネル幅をW2としたとき、チャネル長L1、L2およびチャネル幅W、W2は、下式の条件
1/L1 < W2/L2
を満たすように設定する。
【0061】
例えば、以下の条件
Nチャネル型トランジスター30N
チャネル長L1=0.75μm
チャネル幅W1=1.0μm
Pチャネル型トランジスター30P
チャネル長L2=0.75μm
チャネル幅W2=0.8〜1.0μm
とする。なお、Nチャネル型トランジスター30NとPチャネル型トランジスター30Pとにおいて、ゲート絶縁層2の厚さ等、他の部分の寸法は同一である。また、Nチャネル型トランジスター30Nのゲートに供給される第1走査信号SELNと、Pチャネル型トランジスター30Pのゲートに供給される第2走査信号SELPは、低レベル電源電位VSSYと高レベル電源電位VDDYとの間で変化するパルス信号のままである。
【0062】
このため、本形態の液晶装置100では、Lレベルの電圧(0V)の液晶容量5aへの書き込み時間tLを短縮することができる。これに対して、Hレベルの電圧(5V)の液晶容量5aへの書き込み時間tHは、Nチャネル型トランジスター30Nの電流供給能力が支配的であるため、Pチャネル型トランジスター30Pの電流供給能力を高めても大きく変化しない。それ故、Lレベルの電圧(0V)の液晶容量5aへの書き込み時間tLと、Hレベルの電圧(5V)の液晶容量5aへの書き込み時間tHとの差を圧縮することができる。それ故、デジタル駆動信号DATにおいて、オン電圧がオン電圧が印加されている期間とオフ電圧が印加されている期間とのバランスや、オン電圧が印加されるタイミング等を規定することにより、適正な階調表示(中間調表示)を行なうことができる。
【0063】
(本発明の第2実施形態)
図8は、本発明の第2実施形態における液晶装置100の駆動条件を示す説明図であり、図5を参照して説明した条件を変更した後の条件に相当する。
【0064】
本形態では、図8に示すように、低レベル電源電位VSSYについては−1Vとし、高レベル電源電位VDDYについては、デジタル駆動信号DATのHレベルの電圧と同様、5Vとする。また、Nチャネル型トランジスター30Nのゲートに供給される第1走査信号SELNの振幅V1と、Pチャネル型トランジスター30Pのゲートに供給される第2走査信号SELPの振幅V2とを相違させる。より具体的には、振幅V1、V2を以下の条件
1 < V2
に設定する。
【0065】
例えば、以下の条件
第1走査信号SELN
低レベルの電圧=0V
高レベルの電圧=5V
振幅V1=5V
第2走査信号SELP
低レベルの電圧=−1V
高レベルの電圧=5V
振幅V2=6V
とする。なお、Nチャネル型トランジスター30NとPチャネル型トランジスター30Pとにおいて、チャネル幅/チャネル長の値や、ゲート絶縁層2の厚さ等、他の部分の寸法は同一である。
【0066】
このため、本形態の液晶装置100では、Lレベルの電圧(0V)の液晶容量5aへの書き込み時間tLを短縮することができる。これに対して、Hレベルの電圧(5V)の液晶容量5aへの書き込み時間tHは、Nチャネル型トランジスター30Nの電流供給能力が支配的であるため、Pチャネル型トランジスター30Pの電流供給能力を高めても大きく変化しない。それ故、Lレベルの電圧(0V)の液晶容量5aへの書き込み時間tLと、Hレベルの電圧(5V)の液晶容量5aへの書き込み時間tHとの差を圧縮することができる。それ故、デジタル駆動信号DATにおいて、オン電圧がオン電圧が印加されている期間とオフ電圧が印加されている期間とのバランスや、オン電圧が印加されるタイミング等を規定することにより、適正な階調表示(中間調表示)を行なうことができる。
【0067】
また、本形態において、第1走査信号SELNにおいてNチャネル型トランジスター30Nをオンさせる信号は、デジタル駆動信号DATのHレベルの電圧(5V)および第2走査信号SELPにおいてPチャネル型トランジスター30Pをオフさせる信号と等しい。また、第1走査信号SELNにおいてNチャネル型トランジスター30Nをオフさせる信号は、デジタル駆動信号DATのLレベルの電圧(0)と等しい。このため、電位の数を減らすことができるので、回路構成の簡素化を図ることができる。
【0068】
(本発明の第3実施形態)
本形態では、図8に示すように、低レベル電源電位VSSYについては−1Vとし、高レベル電源電位VDDYについては、デジタル駆動信号DATのHレベルの電圧と同様、5Vとする。
【0069】
また、本形態では、第2実施形態と同様、Nチャネル型トランジスター30Nのゲートに供給される第1走査信号SELNの振幅V1と、Pチャネル型トランジスター30Pのゲートに供給される第2走査信号SELPの振幅V2とを相違させる。より具体的には、振幅V1、V2を以下の条件
1 < V2
に設定する。
【0070】
例えば、以下の条件
第1走査信号SELN
低レベルの電圧=0V
高レベルの電圧=5V
振幅V1=5V
第2走査信号SELP
低レベルの電圧=−1V
高レベルの電圧=5V
振幅V2=6V
とする。
【0071】
さらに、本形態では、第1実施形態と同様、Nチャネル型トランジスター30Nのチャネル長をL1とし、Nチャネル型トランジスター30Nのチャネル幅をW1とし、Pチャネル型トランジスター30Pのチャネル長をL2とし、Pチャネル型トランジスター30Pのチャネル幅をW2としたとき、チャネル長L1、L2およびチャネル幅W、W2は、下式
1/L1 < W2/L2
を満たすように設定する。
【0072】
例えば、以下の条件
Nチャネル型トランジスター30N
チャネル長L1=0.75μm
チャネル幅W1=1.0μm
Pチャネル型トランジスター30P
チャネル長L2=0.75μm
チャネル幅W2=0.8〜1.0μm
とする。
【0073】
このため、本形態の液晶装置100では、Lレベルの電圧(0V)の液晶容量5aへの書き込み時間tLを短縮することができる。これに対して、Hレベルの電圧(5V)の液晶容量5aへの書き込み時間tHは、Nチャネル型トランジスター30Nの電流供給能力が支配的であるため、Pチャネル型トランジスター30Pの電流供給能力を高めても大きく変化しない。それ故、Lレベルの電圧(0V)の液晶容量5aへの書き込み時間tLと、Hレベルの電圧(5V)の液晶容量5aへの書き込み時間tHとの差を圧縮することができる。それ故、デジタル駆動信号DATにおいて、オン電圧が印加されている期間とオフ電圧が印加されている期間とのバランスや、オン電圧が印加されるタイミング等を規定することにより、適正な階調表示(中間調表示)を行なうことができる。
【0074】
また、本形態においては、第2実施形態と同様、第1走査信号SELNにおいてNチャネル型トランジスター30Nをオンさせる信号は、デジタル駆動信号DATのHレベルの電圧(5V)および第2走査信号SELPにおいてPチャネル型トランジスター30Pをオフさせる信号と等しい。また、第1走査信号SELNにおいてNチャネル型トランジスター30Nをオフさせる信号は、デジタル駆動信号DATのLレベルの電圧(0)と等しい。このため、電位の数を減らすことができるので、回路構成の簡素化を図ることができる。
【0075】
[電子機器への搭載例]
図9および図10は、本発明を適用した液晶装置100を用いた電子機器の説明図である。まず、本発明に係る液晶装置100を透過型の液晶装置として構成した場合、図9(a)に示す投射型表示装置のライトバルブとして用いることができる。また、図9(a)に示す投射型表示装置は、図9(b)に示すリア型プロジェクター等に用いることができる。
【0076】
図9(a)に示す投射型表示装置1110は、光源1112、ダイクロイックミラー1113、1114、およびリレー系1120等を備えた光源部1140と、液晶ライトバルブ1115〜1117(透過型の液晶装置100)と、クロスダイクロイックプリズム1119(合成光学系)と、投射光学系1118とを備えている。
【0077】
光源1112は、赤色光、緑色光および青色光を含む光を供給する超高圧水銀ランプで構成されている。ダイクロイックミラー1113は、光源1112からの赤色光を透過させると共に緑色光および青色光を反射する構成となっている。また、ダイクロイックミラー1114は、ダイクロイックミラー1113で反射された緑色光および青色光のうち青色光を透過させると共に緑色光を反射する構成となっている。このように、ダイクロイックミラー1113、1114は、光源1112から出射した光を赤色光と緑色光と青色光とに分離する色分離光学系を構成する。
【0078】
ここで、ダイクロイックミラー1113と光源1112との間には、インテグレーター1121および偏光変換素子1122が光源1112から順に配置されている。インテグレーター1121は、光源1112から照射された光の照度分布を均一化する構成となっている。また、偏光変換素子1122は、光源1112からの光を例えばs偏光のような特定の振動方向を有する偏光にする構成となっている。
【0079】
液晶ライトバルブ1115は、ダイクロイックミラー1113を透過して反射ミラー1123で反射した赤色光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置である。液晶ライトバルブ1115は、λ/2位相差板1115a、第1偏光板1115b、液晶装置1115cおよび第2偏光板1115dを備えている。ここで、液晶ライトバルブ1115に入射する赤色光は、ダイクロイックミラー1113を透過しても光の偏光は変化しないことから、s偏光のままである。
【0080】
λ/2位相差板1115aは、液晶ライトバルブ1115に入射したs偏光をp偏光に変換する光学素子である。また、第1偏光板1115bは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。そして、液晶装置1115cは、p偏光を画像信号に応じた変調によってs偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。さらに、第2偏光板1115dは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ1115は、画像信号に応じて赤色光を変調し、変調した赤色光をクロスダイクロイックプリズム1119に向けて射出する構成となっている。
【0081】
なお、λ/2位相差板1115aおよび第1偏光板1115bは、偏光を変換させない透光性のガラス板1115eに接した状態で配置されており、λ/2位相差板1115aおよび第1偏光板1115bが発熱によって歪むのを回避することができる。
【0082】
液晶ライトバルブ1116は、ダイクロイックミラー1113で反射した後にダイクロイックミラー1114で反射した緑色光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置である。そして、液晶ライトバルブ1116は、液晶ライトバルブ1115と同様に、第1偏光板1116b、液晶装置1116cおよび第2偏光板1116dを備えている。液晶ライトバルブ1116に入射する緑色光は、ダイクロイックミラー1113、1114で反射されて入射するs偏光である。第1偏光板1116bは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。また、液晶装置1116cは、s偏光を画像信号に応じた変調によってp偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。そして、第2偏光板1116dは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ1116は、画像信号に応じて緑色光を変調し、変調した緑色光をクロスダイクロイックプリズム1119に向けて射出する構成となっている。
【0083】
液晶ライトバルブ1117は、ダイクロイックミラー1113で反射し、ダイクロイックミラー1114を透過した後でリレー系1120を経た青色光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置である。そして、液晶ライトバルブ1117は、液晶ライトバルブ1115、1116と同様に、λ/2位相差板1117a、第1偏光板1117b、液晶装置1117cおよび第2偏光板1117dを備えている。ここで、液晶ライトバルブ1117に入射する青色光は、ダイクロイックミラー1113で反射してダイクロイックミラー1114を透過した後にリレー系1120の後述する2つの反射ミラー1125a、1125bで反射することから、s偏光となっている。
【0084】
λ/2位相差板1117aは、液晶ライトバルブ1117に入射したs偏光をp偏光に変換する光学素子である。また、第1偏光板1117bは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。そして、液晶装置1117cは、p偏光を画像信号に応じた変調によってs偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。さらに、第2偏光板1117dは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ1117は、画像信号に応じて青色光を変調し、変調した青色光をクロスダイクロイックプリズム1119に向けて射出する構成となっている。なお、λ/2位相差板1117aおよび第1偏光板1117bは、ガラス板1117eに接した状態で配置されている。
【0085】
リレー系1120は、リレーレンズ1124a、1124bと反射ミラー1125a、1125bとを備えている。リレーレンズ1124a、1124bは、青色光の光路が長いことによる光損失を防止するために設けられている。ここで、リレーレンズ1124aは、ダイクロイックミラー1114と反射ミラー1125aとの間に配置されている。また、リレーレンズ1124bは、反射ミラー1125a、1125bの間に配置されている。反射ミラー1125aは、ダイクロイックミラー1114を透過してリレーレンズ1124aから出射した青色光をリレーレンズ1124bに向けて反射するように配置されている。また、反射ミラー1125bは、リレーレンズ1124bから出射した青色光を液晶ライトバルブ1117に向けて反射するように配置されている。
【0086】
クロスダイクロイックプリズム1119は、2つのダイクロイック膜1119a、1119bをX字型に直交配置した色合成光学系である。ダイクロイック膜1119aは青色光を反射して緑色光を透過する膜であり、ダイクロイック膜1119bは赤色光を反射して緑色光を透過する膜である。したがって、クロスダイクロイックプリズム1119は、液晶ライトバルブ1115〜1117のそれぞれで変調された赤色光と緑色光と青色光とを合成し、投射光学系1118に向けて射出するように構成されている。
【0087】
なお、液晶ライトバルブ1115、1117からクロスダイクロイックプリズム1119に入射する光はs偏光であり、液晶ライトバルブ1116からクロスダイクロイックプリズム1119に入射する光はp偏光である。このようにクロスダイクロイックプリズム1119に入射する光を異なる種類の偏光としていることで、クロスダイクロイックプリズム1119において各液晶ライトバルブ1115〜1117から入射する光を有効に合成できる。ここで、一般に、ダイクロイック膜1119a、1119bはs偏光の反射特性に優れている。このため、ダイクロイック膜1119a、1119bで反射される赤色光および青色光をs偏光とし、ダイクロイック膜1119a、1119bを透過する緑色光をp偏光としている。投射光学系1118は、投影レンズ(図示略)を有しており、クロスダイクロイックプリズム1119で合成された光をスクリーン1111に投射するように構成されている。
【0088】
図9(b)に示すように、投射型表示装置1110をリア型プロジェクター200に搭載した場合には、反射鏡201、202によりスクリーン203に画像が表示される。リア型プロジェクター200では、液晶ライトバルブ1115、1116、1117に供給される光の強度が極めて高いので、液晶ライトバルブ1115、1116、1117の温度変化が大である。
【0089】
このように構成した投射型表示装置1110およびリア型プロジェクター200では、環境光の照度に応じて光源部1140から出射される照明光の強度を変化させることがある。この場合、液晶装置100(液晶ライトバルブ1115、1116、1117)の温度が変化することになるが、本発明によれば、液晶装置100(液晶ライトバルブ1115、1116、1117)の温度が変化しても階調の乱れを防止することができる。
【0090】
次に、本発明に係る液晶装置100を反射型の液晶装置として構成した場合、図10(a)に示す投射型表示装置のライトバルブとして用いることができる。また、本発明に係る液晶装置100は、図10(b)、(c)に示す直視型表示装置として利用することもきる。
【0091】
図10(a)に示す投射型表示装置1000は、システム光軸Lに沿って配置した光源部810、インテグレーターレンズ820および偏光変換素子830を備えた偏光照明装置800と、この偏光照明装置800から出射されたS偏光光束をS偏光光束反射面841により反射させる偏光ビームスプリッター840と、偏光ビームスプリッター840のS偏光光束反射面841から反射された光のうち、青色光(B)の成分を分離するダイクロイックミラー842と、青色光が分離された後の光束のうち、赤色光(R)の成分を反射させて分離するダイクロイックミラー843とを有している。また、投射型表示装置1000は、各色光が入射する3枚の液晶装置100(反射型の液晶装置100R、100G、100B)を備えている。さらに、投射型表示装置1000は、3つの液晶装置100R、100G、100Bにて変調された光をダイクロイックミラー842、843、および偏光ビームスプリッター840にて合成した後、この合成光を投射光学系850によりスクリーン860に投写する。
【0092】
このように構成した投射型表示装置1000でも、環境光の照度に応じて光源部810から出射される照明光の強度を変化させることがある。この場合、液晶装置100(液晶装置100R、100G、100B)の温度が変化することになるが、本発明によれば、液晶装置100(液晶装置100R、100G、100B)の温度が変化しても階調の乱れを防止することができる。
【0093】
また、図10(b)に示す携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001、スクロールボタン3002、並びに表示ユニットとしての液晶装置100を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、液晶装置100に表示される画面がスクロールされる。
【0094】
図10(c)に示す情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)4000は、複数の操作ボタン4001、電源スイッチ4002、並びに表示ユニットとしての液晶装置100を備えており、電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が液晶装置100に表示される。
【符号の説明】
【0095】
10・・素子基板、30・・画素スイッチング回路、30N・・Nチャネル型トランジスター、30P・・Pチャネル型トランジスター、100・・液晶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶駆動用の画素電極、および該画素電極に対応して設けられた画素スイッチング回路を備えた画素と、前記画素スイッチング回路を制御する走査信号を前記画素に供給する走査線と、フィールド期間を時間軸上で複数に分割した各サブフィールドにおいて前記画素の輝度が飽和するオン電圧および前記画素が消灯状態となるオフ電圧からなるデジタル駆動信号を前記画素スイッチング回路を介して前記画素電極に供給するデータ線と、を有する液晶装置において、
前記画素スイッチング回路は、前記走査信号としての第1走査信号により制御される第1導電型トランジスターと、該第1導電型トランジスターに並列に電気的接続され、前記走査信号としての第2走査信号により制御される第2導電型トランジスターと、を備え、
前記第1走査信号の振幅をV1とし、前記第2走査信号の振幅をV2としたとき、
振幅V1、V2は、下式
1 < V2
を満たし、かつ、
前記第1導電型トランジスターのチャネル長をL1とし、チャネル幅をW1とし、
前記第2導電型トランジスターのチャネル長をL2とし、チャネル幅をW2としたとき、
チャネル長L1、L2およびチャネル幅W、W2は、下式
1/L1 < W2/L2
を満たすことを特徴とする液晶装置。
【請求項2】
液晶駆動用の画素電極、および該画素電極に対応して設けられた画素スイッチング回路を備えた画素と、前記画素スイッチング回路を制御する走査信号を前記画素に供給する走査線と、フィールド期間を時間軸上で複数に分割した各サブフィールドにおいて前記画素の輝度が飽和するオン電圧および前記画素が消灯状態となるオフ電圧からなるデジタル駆動信号を前記画素スイッチング回路を介して前記画素電極に供給するデータ線と、を有する液晶装置において、
前記画素スイッチング回路は、第1走査信号により制御される第1導電型トランジスターと、該第1導電型トランジスターに並列に電気的接続され、第2走査信号により制御される第2導電型トランジスターと、を備え、
前記第1導電型トランジスターのチャネル長をL1とし、チャネル幅をW1とし、
前記第2導電型トランジスターのチャネル長をL2とし、チャネル幅をW2としたとき、
チャネル長L1、L2およびチャネル幅W、W2は、下式
1/L1 < W2/L2
を満たすことを特徴とする液晶装置。
【請求項3】
液晶駆動用の画素電極、および該画素電極に対応して設けられた画素スイッチング回路を備えた画素と、前記画素スイッチング回路を制御する走査信号を前記画素に供給する走査線と、フィールド期間を時間軸上で複数に分割した各サブフィールドにおいて前記画素の輝度が飽和するオン電圧および前記画素が消灯状態となるオフ電圧からなるデジタル駆動信号を前記画素スイッチング回路を介して前記画素電極に供給するデータ線と、を有する液晶装置において、
前記画素スイッチング回路は、第1走査信号により制御される第1導電型トランジスターと、該第1導電型トランジスターに並列に電気的接続され、第2走査信号により制御される第2導電型トランジスターと、を備え、
前記第1走査信号の振幅をV1とし、前記第2走査信号の振幅をV2としたとき、
振幅V1、V2は、下式
1 < V2
を満たすことを特徴とする液晶装置。
【請求項4】
前記第1走査信号および前記第2走査信号は、逆位相の信号であることを特徴とする液晶装置。
【請求項5】
前記第1走査信号において前記第1導電型トランジスターをオンさせる信号あるいは前記第1導電型トランジスターをオフさせる信号は、前記第2走査信号において前記第2導電型トランジスターをオンさせる信号あるいは前記第2導電型トランジスターをオフさせる信号と同一の電位であることを特徴とする請求項1または3に記載の液晶装置。
【請求項6】
前記第1導電型トランジスターは、Nチャネル型トランジスターであり、
前記第2導電型トランジスターは、Pチャネル型トランジスターであることを特徴とする液晶装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の液晶装置を備えていることを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の液晶装置を備えた投射型表示装置であって、
前記液晶装置に照明光を供給する光源部と、
前記液晶装置によって光変調された後の前記照明光を投射する投射レンズ系と、
を有していることを特徴とする投射型表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−180404(P2011−180404A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−44994(P2010−44994)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】