説明

液状の配合物を調合するための容器

液状の配合物を調合するための容器(70)は、長手軸に沿って第1セクション(72)と第2セクション(73)とに分離される長形外筐体(71)を含む。容器(70)は、シール(80)により第1コンパートメント(78)と第2コンパートメント(79)とに分割される内部チャンバー77を有する。シール(80)は、使用時に、第1コンパートメント78と第2コンパートメントとが密封される閉位置と、第1コンパートメント(78)と第2コンパートメント(79)とが開封されて内部チャンバー(77)内で中身が自由に混合されて配合物を生成する開位置との間で移動可能である。第2セクション(73)に対する第1セクション(72)の回転により、シール(80)は閉位置から開位置へ移動可能であり、内部チャンバー(77)の容量は開封後にも無変化のままである。シール(80)は、開位置へ移動すると、この位置に保持される。回転動作の逆転により、外側カバー(74)が開封帯(75)から離れて、外側カバー(74)を取り外すことができ、配合物を容器(70)から投与することが可能になる。容器(70)から服用される配合物は、例えば、配合物が薬剤製品である場合には正確な用量の有効成分が患者に投与されることを保証する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、成分が調合された状態で保管された場合には必要な活性または安定性を得られないため、使用の際に調合される成分で構成される液体配合物に関する。
【0002】
一つの特徴として、本発明は、経口投与のための配合物、詳しくは販売される容器から直接服用できる配合物に関連する。
【背景技術】
【0003】
経口投与のための薬剤は一般的に、水または飲み物がないと容易に飲み込むことのできないカプセル、顆粒、粉末、錠剤、若しくはその他の固体の服用ユニットの形状である。
【0004】
液体、シロップなどで投与される薬剤の場合には、必要量の薬剤を口へ運ぶためのスプーンその他の手段を使用しなければならず、また実際に携行されなければならない。
【0005】
年配の患者や障害者、子供は、薬剤の摂取に問題を抱えていることが多い。例えば、これらの人々は、従来の経口投薬形状のものを飲み込むのを嫌がるか、嚥下が困難である。
【0006】
年配者を介護する人、特に医療従事者は、薬剤に手を加えることを法律で禁じられ、製造者の指示にしたがってこれを管理する義務がある。しかし、上記の理由から、医療従事者は効果的な治療を保証する量で規定の薬剤を患者が確実に摂取できるように、例えば、関連の合法的手順により錠剤を砕くか潰すことで薬剤を変形させなければならないことがある。
【0007】
従来の薬剤に関する別の問題は、一般的には味がまずいということである。有効成分または賦形剤の味を隠すために糖衣などのコーティングを施すことができるが、年配者や他の患者は薬剤を噛んで、まずい有効成分や賦形剤を露出させ、その結果、薬剤を口から吐き出すため、必要量が患者に投与されないことがある。
【0008】
世界中の多くの国では、清潔な水道設備を見つけることが困難である。したがって、薬剤を液体とともに服用しなければならない場合には、薬剤を服用する人は、薬剤を飲み込むため、または実際には薬剤を溶解させるために水を必要とする。
【0009】
また地震や洪水などの自然災害の場合には、水の供給が一時的に遮断され、この場合にも、清潔な水の供給を入手する必要のない薬剤の必要がある。
【0010】
粉末状の有効成分が保管目的の容器の蓋機構に収容され、液状の有効成分を服用したい時には容器の液状媒体へ放出されるというシステムが提案されている。しかし、このようなシステムに生じる問題は、有効成分が蓋の中で固まるため、有効成分の全体量が必要時に液体へ放出されずに、服用量が不十分となる結果が生じることである。
【0011】
上のタイプの薬剤配合物は、使用時に先立って調合を必要とする配合物の一例に過ぎない。その他、液状の配合物を使用する必要があるが、上記のように使用に必要となるまでその成分は未混合のままでなければならない飲料、食料品、家庭用品、及びその他の分野において、他にも多くのタイプの配合物が存在する。
【0012】
乳児に投与する配合物は、このような他のタイプの配合物の一例である。後で必要な時に混合するためにこのような配合物の成分を保管することのできるいくつかの容器が周知である。
【0013】
例えば、米国特許明細書第5,419,445号には、粉末状の乳児用調合乳と水とを保管するための二つのコンパートメントを備えるベビーボトルが記載されている。水はボトル部分に保管され、粉末状調合乳はカートリッジアセンブリに保管されている。カートリッジアセンブリの一端部にはニップルアセンブリが設けられ、カートリッジアセンブリの他端部はボトル部分に設けられる。カートリッジアセンブリとボトル部分との間にはシールが設けられ、ニップルアセンブリの回転によりこのシールを開封できる。ニップルアセンブリの回転による混合手順をこうして起動させることにより、シールがカートリッジアセンブリから外れて、粉末状調合乳とシールとが水へ放出される結果となる。放出されたシールは、ボトルがシェイクされると、粉末と水を混合するための手段として作用する。
【0014】
作動中には、ニップルアセンブリの回転により、別々の内部コンパートメントが合体して小型の容器となる。したがって、この特徴によれば、作動する前のボトルで利用可能な保管スペースの量が制限される。
【0015】
このようなボトルは、乳児の食事以外の配合物の調合に使用できる。しかし、作動時にシールがボトルへ放出されることは、二つのコンパートメントの間のスペースをシールが閉塞して、配合物の不完全な混合という結果を生むので、より粘性の高い配合物に関する問題を引き起こす。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上に説明したタイプの容器の問題を克服することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
したがって、本発明は液状の配合物を調合するための容器を提供し、この容器は、長手軸に沿って複数のセクションに分離される長形の外筐体と、二つ以上のコンパートメントに分割される内部チャンバーと、使用時に、すべてのコンパートメントが密封される閉位置からすべてのコンパートメントが開封されて内部チャンバーで中身が自由に混合して配合物を生成する開位置まで移動可能なシールであって、コンパートメントの開封後に内部チャンバーの容量が無変化のままとなるように、一つのセクションを他のセクションに対して回転させることにより閉位置から開位置へ移動可能なシールと、シールを開位置に保管するための手段とを含む。
【0018】
開位置において保持可能であるシールを備える容器を設ける長所は、開封後に内部チャンバーの中身の混合がシールに妨害されないことである。もし、開封後にシールが内部チャンバーの中で自由に移動するならば、コンパートメント間における内部チャンバーの中身の移動を部分的または完全に阻害する。
【0019】
放出されたシールの妨害作用の可能性を回避することは、内部チャンバーの中身の完全な混合が行われることと、混合された中身が必要に応じて容器から供給されることとを意味する。
【0020】
本発明による容器の内部チャンバーの容量はコンパートメントの開封後に無変化のままであり、これは、容器の中身の混合にこの容量が利用可能であるという長所を持つ。
【0021】
本発明による容器は、使用に必要とされるまで液体配合物の成分を活性または安定性のある状態に維持することにより賞味期限を延長するために使用され、同時に、使用時に配合物を供給する便利で実用的な手段を提供する。
【0022】
本発明は原則として、以下では便宜上まとめて薬剤配合物と呼ばれる、飲みやすい形の薬剤または他の液体配合物に関してここに例示される。
【0023】
このように、本発明に係る容器から投与されて直ぐに飲める薬剤配合物は、上述したタイプの蓋機構から有効成分が不適切にまたは誤って漏出されるという問題だけでなく、上述した従来の経口投与形状の持つ問題を克服する。
【0024】
この容器により、薬剤配合物の必要量を「一口で」患者に投与できる。また、配合物は口及び消化器官上部に直接接触するため、配合物中の有効成分の形状に起因して、配合物が即座に摂取されるか、または、有効成分の作用の開始が遅れる。よって、吸収は、胃で始まるのでなく、口腔の壁を介して舌下で始まり、のどと食道とで生じる。本発明による容器から投与された配合物は、正確な量の有効成分が患者に投与されることを保証する。
【0025】
本発明の第一実施形態によれば、外筐体は略円筒形状で、二つの略円筒形セクションに分離され、セクションは付き合わされて相互の相対移動を許容する。
【0026】
ここで、突合せとは、円筒形の対向する端部で二つのセクションが接続されて、二つの突合せ円筒セクションの間で回転運動が行われるように二つのセクションが結合されることを意味する。
【0027】
好ましくは、二つのセクションはスナップフィットによって結合される。
【0028】
さらに好ましくは、シールは円形仕切りであり、閉位置において、セクションの一方の内側ねじ面へ外周部のねじセクションによって装着されるため、一方のセクションを他方のセクションに対して回転させると、ねじ面を閉位置から開位置へ開封する。
【0029】
但し、本発明による容器は、供される用途に応じて多様な形状を取ることができる。さらに、容器は、美的特徴や、子供など特定集団のユーザにアピールするような特徴を持つことが可能である。
【0030】
本発明の第二実施形態によれば、シールは長形接続部材の一端部に取り付けられ、この長形接続部材は内部チャンバーの第1コンパートメントに配置可能であり、シールから離間した長形部材の端部は、コンパートメントを覆う外筐体セクションの内面における対応構造と嵌合可能である構造を有する。
【0031】
好ましくは、外筐体は略円筒形状であり、二つの略円筒形セクションに分離され、第1セクションは一端部に開口部を有し、この開口部は、ねじ蓋の形状である第2セクションにより保管時にシールされ、使用時には蓋の開封動作によりシールが開位置へ移動する。
【0032】
この構成は、蓋を回すだけでよいので、開封動作はユーザの側で大きな力を必要としないという点で好都合である。
【0033】
さらに好ましくは、開口部は第1セクションの首状部であり、首状部は、蓋と嵌合するための外面のねじと、その内面のねじとを有し、内ねじは長形接続部材の他端部のねじセクションと協働するため、蓋の開封動作の結果、首状部から長形部材が外され、続いてシールが開位置へ移動する。
【0034】
本発明の第三実施形態によれば、内側長形接続部材が配置可能である内部チャンバーの第1コンパートメントは各端部に開口部を備える略円筒形状であり、一開口部はシールを閉位置に嵌着させるのに適するとともに、他端部は、第1コンパートメントを覆う外筐体セクションの内面の対応構造とともに、シールから離間した長形部材の端部を収容する。
【0035】
この構成の長所の一つは、外筐体を好都合な位置に把持することにより外筐体を回転させ、その結果シールを開位置へ移動させることである。この外筐体の回転動作は、長形部材の構造と外筐体の対応構造とによって伝達されて、シールの開封動作となる。
【0036】
この構成の別の長所は、内側コンパートメントを開封して有効成分と一定量の流体とを混合させるように内側コンパートメントに対して外側カバーを回転させ、同時に流体が容器から漏出する危険性を回避するように、外側カバーをユーザにより把持できるようにしていることである。
【0037】
シールが配置可能な端部において第1コンパートメントが別の外筐体セクションに接続され、別の外筐体セクションが一つ以上の別の内部コンパートメントを中に有することが適当である。
【0038】
さらに使用時には、第1コンパートメントを覆う外筐体セクションの回転により、別の外筐体セクションに対して第1コンパートメントが対応して回転して、シールから離間した長形部材の端部の傾斜エッジが第1コンパートメントの内面の対応傾斜延出部に沿って移動し、容器の長手軸に沿って長形部材を変位させてシールを開位置へ移動させる。
【0039】
長形部材の構造が、開位置において第1コンパートメントを覆う外筐体の対応構造から不可逆的に解離されると好都合である。
【0040】
本発明の第四実施形態によれば、別の外筐体セクションに一つ以上のコンパートメントが配置されると、シールがこれらのコンパートメントから開位置へ移動可能である。
【0041】
この容器の長所は、混合された場合に活性の損失を被る有効成分を、配合物を調合する時が来るまで相互に離間させられるということである。
【0042】
好ましくは、一コンパートメントは一定量の液体を保管するのに適しており、他の各セクションは一定量の有効成分を保管するのに適している。
【0043】
後述するように、有効成分は必要に応じて混合前は乾燥状態であるか、すでに液状である。
【0044】
予定される用途が例えばある範囲の溶剤または有機化学物質を必要とする際には、液体はいかなる液体でもよい。使用時に消費される、つまり服用される配合物については、液体は一般的に水性または水性媒体である。
【0045】
ゆえに、一実施例において液体は水性媒体である。
【0046】
水性媒体は水であるか、実質的に水で構成される。
【0047】
有効成分は、必要に応じて有効成分の混合物を含む。
【0048】
いったん生成された液体配合物は、溶液に有効成分を含むか、これを分散したものである。
【0049】
一つの実施例によれば、有効成分は水溶性である。
【0050】
代替の実施例によれば、有効成分は水に対して不溶性である。
【0051】
不溶性の有効成分の場合にはとりわけ、特に消費の前には有効成分を水性媒体に分散させるため、一般に容器をシェイクするかあるいは攪拌しなければならない。
【0052】
上記のように、容器は、ボトル、カン、カートン、ジャー、小袋、携帯用ビデ、タブを含む多様な状態または形状を持つ。
【0053】
例えば、適当なタイプの小袋は、商標GUALAで販売されているタイプのホイル・ポーチである。
【0054】
配合物を飲み易くするため、容器は40〜100mlの範囲の容量を持つのが適当であるが、一般的には、予定量の有効成分を摂取できるように薬剤配合物の最終容量は100mlを超えない。
【0055】
しかし、他の用途については、容器の容量は上述したものよりかなり多くなるだろう。
【0056】
本発明による容器の製造にはある範囲の材料を使用できる。しかし、一般的に、容器は、水性または水性液体については、特に、プラスチック材料、より詳しくは、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリエチレン(PE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの熱可塑性材料で製作される。
【0057】
しかし、容器は有機溶剤および石油製品を含む材料の構成にも使用されるので、含まれる材料に対する耐性を持つかこれに対して不活性である他のプラスチック材料が使用されてもよい。
【0058】
さらに、容器がカンである場合には、カンを形成するのに使用される材料は、上述したようにアルミニウム、スズ、鋼、プラスチック材料でよい。
【0059】
好ましくは、工場または製造場所を出てから、または投与または服用の前に、容器が開けられないまたは改造されないとの保証をユーザに与えるため、従来の不正開封防止蓋が容器に装着される。
【0060】
有効成分の性質のため本発明による容器にチャイルドプルーフ(子供のいたずら防止)蓋を設けることが通常は必要であるが、本発明による容器から投与される配合物を使用する際には、通常の親の管理と実際には消費者の注意が当然ながら必要である。
【0061】
配合物の使用準備が整うまで、有効成分は、容器の水性媒体と離間関係で未調合状態に維持される。
【0062】
このように、未調合というのは、水性液体と有効成分とがいかなる状態でも、シールが開状態へ移動して配合物の構成を開始するまで、容器に充填された状態に維持されるということを意味する。
【0063】
一つの実施例によれば、有効成分は粉末状である。
【0064】
好適な一つの実施例において、粉末粒子はマイクロ化される。
【0065】
別の好適な実施例において、粒子はナノ化される。
【0066】
別の実施例において、一つのコンパートメントは混合前に有効成分を保管できる。
【0067】
仕切りの開封時に本発明による容器を作動させることにより調合される配合物は、人または人以外の動物へ投与される。
【0068】
このように、一つの実施例において配合物は経口投与に適している。
【0069】
このように本発明のこの面によれば、有効成分は、水性食品、機能性食品、薬剤、アルコール飲料、ノンアルコール飲料、食料品、ホメオパシー薬剤、プリバイオティクス、プロバイオティクス、その混合物から選択される。
【0070】
例えば、有効成分は、乾燥状態で3年まで保管した後に、プロバイオティック薬剤を100%まで提供できるプロバイオティクスである。
【0071】
この実施例によれば、プロバイオティクスは、ラクトバチルス、ビフィドバクテリウム、ストレプトコッカス・フェシウムおよびテルモフィルス、エンテロコッカスおよびバシラス・コアギュランスから選択されるプロバイオティックバクテリアの菌株である。
【0072】
適当なプロバイオティクスの例は、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・カゼイ・イミュニタス、ラクトバチルス・ブルガリクス、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ラクトバチルス・ラムノサスA、ラクトバチルス・サルバリウス、ラクトバチルス・ロイテリ、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ブレビス、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・ラムノサスB、ラクトバチルス・ラクティス、ビフィドバクテリウム・ビフィズス、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・ラクティス、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ブレヴェ、ストレプトコッカス・フェシウム、ストレプトコッカス・テルモフィルス、エンテロコッカス・バシラス・コアギュランスである。
【0073】
このように、配合物は、一般的に約21日間の冷凍状態での保管にのみ適した、上述のタイプの従来のプロバイオティック製品を含むヨーグルトタイプ飲料が可能である。このような製品は、消費の時点で最初の活性の約1%のみを含む。
【0074】
特に好適なプロバイオティクスは、コレステロール血症防止作用を持つものである。
【0075】
容器は、プロバイオティクスに加えてプリバイオティクスも含むことができる。
【0076】
本発明により使用されるプリバイオティクスは、概して、小腸では消化されず大腸へ進んでここでプロバイオティックバクテリアの栄養源として作用する栄養物質である。
【0077】
適当なプリバイオティクスの例は、単糖、二糖、オリゴ糖、および/または多糖を含む糖物質から選択され、モノマー単位はフルクトース、ガラクトース、グルコースおよびマルトース、イヌリン基剤プリバイオティック物質、ニンニクとのその抽出物、蜂蜜とその抽出物、食物繊維から選択される。
【0078】
ゆえに、この適当な物質は、ラクトース、スクロース、デキストリン、セルロース、グリコーゲン、デンプンである。
【0079】
果物または野菜原料、または植物原料の多くのプリバイオティック物質は、プリバイオティクスとしての使用に適している。
【0080】
このように、他の適当なプリバイオティクスは、チコリから抽出されたイヌリン基剤プリバイオティクス、キクイモまたはタンポポ、ニンニクまたはニンニク抽出物を含む。別の適当なプリバイオティクスは、蜂蜜とその抽出物と食物繊維全般である。
【0081】
本発明の好適な実施例によれば、配合物は脂質を含まない。
【0082】
このように、本発明により投与されるプロバイオティック製品は、脂質を含まず酪製品を基剤としない。
【0083】
本発明による容器から配合物が投与される時は経口投与であり、各有効成分は粉末粒子の形であり、有効成分が薬剤または治療や予防の効果を持つ他の薬剤である時には特に、粉末粒子は、消化器官内における有効成分の制御放出を可能にする粒子の形である。
【0084】
有効成分は一般的に、カプセル、顆粒、液体、粉末、錠剤の形である。
【0085】
有効成分が粉末状である時には、好ましくは、粉末粒子は、消化器官における有効成分の制御放出を可能にする粒子の形である。
【0086】
さらに、粒子は異なる放出プロフィールを持つことが好ましい。
【0087】
消化器官において制御および予決定された状態で有効成分が放出される多様な粒子が、本発明による配合物には使用され、これらは当業者には周知である。
【0088】
有効成分の制御放出を保証するため、好ましくは、制御放出を達成するように一つ以上のポリマー材料で粒子がコーティングされる。
【0089】
上記のように、粒子はマイクロ化されるか、さらにサイズが小さい、つまりナノサイズであり、「ナノ化」と呼ばれる。
【0090】
本発明の一つの特徴として、有効成分は、複数の粒子つまり多粒子の形であり、各粒子は、有効成分のコア、または所望の放出プロフィールを達成するのに有効なポリマーコーティングに包含された、薬剤として許容可能な塩を含む。
【0091】
ポリマーコーティングの形成前に、シーラントまたはバリヤ層がコアに形成されることが可能である。
【0092】
適当なシーラントまたはバリヤは、ヒドロキシプロピル・メチルセルロース、ヒドロキシプロピル・セルロース、ヒドロキシプロピル・エチルセルロース、キサンタンガムなどの透過性または可溶性の薬剤である。
【0093】
シーラントまたはバリヤ層の処理可能性を向上させるため、他の薬剤を追加できる。このような薬剤は、タルク、コロイドシリカ、ポリビニル・アルコール、二酸化チタン、マイクロ化シリカ、いぶしシリカ、モノステアリン酸グリセロール、三ケイ酸マグネシウムまたはステアリン酸マグネシウム、これらの混合物を含む。
【0094】
シーラントまたはバリヤ層は、当業者に周知の方法を用いて溶液から塗布されることが可能である。
【0095】
有効成分は、0.4〜1.1mm、特に0.85〜1.00mmの範囲の平均直径を持つノンパレル(non-pareil)シードなどの不活性コアに適用される。
【0096】
有効成分は、付加的な賦形剤とともに、または賦形剤を伴わずに不活性コアに適用されることが可能である。有効成分は、例えば、流動床コーティング装置またはパンコーティングシステムを用いて、溶液または懸濁液からスプレーされることが可能である。あるいは、有効成分をコアに結合する結合剤を用いて、有効成分を粉末として不活性コアに形成することも可能である。必要に応じて、後述する適当な可塑剤と、他の処理助剤によるコアの押出成形によっても、コアは形成される。
【0097】
ポリマーコーティングでは広範囲のポリマーを使用できる。このようなポリマーの例は以下を含む。セルロース・アセテート・フタレート、セルロース・アセテート・トリマレテート、ヒドロキシ・プロピル・メチルセルロース・フタレート、ポリビニル・アセテート・フタレート、Eudragit(登録商標)ポリアクリル酸、Eudragit(登録商標)SまたはEudragit(登録商標)Lなどのポリアクリル酸とメタクリル酸コーティング、ポリビニル・アセタールジエチルアミノ・アセテート、ヒドロキシプロピル・メチルセルロース・アセテート・コハク酸塩、セルロース・アセテート・トリメリト酸、セラックなどのポリマーコーティング物質と、カルボキシビニル・ポリマーなどのハイドロゲルおよびゲル形成物質と、アルギン酸ナトリウム、ナトリウム・カルメロース、カルシウム・カルメロース、ナトリウム・カルボキシメチル・デンプン、ポリビニル・アルコール、ヒドロキシエチル・セルロース、メチル・セルロース、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロースなどのデンプンおよびセルロース基剤の架橋ポリマー、ヒドロキシプロピル・メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、架橋デンプン、マイクロクリスタリン・セルロース、キチン、セルロース・アセテート・セルロース・プロピオン酸、セルロース・アセテート・プロピオン酸、セルロース・アセテート・ブチレート、セルロース・トリアセテート、アミノアクリル・メタクリル酸・コポリマー(Eudragit(登録商標)RS−PM,Rohm&Haas)、プルラン、コラーゲン、カゼイン、寒天、アラビアゴム、ナトリウム・カルボキシメチル・セルロース、カルボキシメチル・エチル・セルロース、(膨潤・親水性ポリマー)ポリ(ヒドロキシアルキル・メタクリル酸)(m.wt.〜5k−5,000k)、ポリビニルピロリドン(m.wt.〜10k−360k)、陰イオン・陽イオンヒドロゲル、アセテート残留量の少ないポリビニルアルコール、寒天とカルボキシメチル・セルロースとの膨潤性混合物、無水マレイン酸とスチレン、エチレン、プロピレン、イソブチレンとのコポリマー、ペクチン(m.wt.〜30k−300k)、寒天、アカシア、カラヤゴム、トラガカントゴム、アルギン、グアールなどの多糖類、ポリアクリルアミド、Polyox(登録商標)酸化ポリエチレン(m.wt.〜100k−5,000k)、AquaKeep(登録商標)アクリル酸ポリマー、ポリグルカン、架橋ポリビニル・アルコール・ポリN−ビニル−2−ピロリドンのジエステル、ナトリウム・デンプン・グルコレート(例えばExplotab(登録商標);Edward Mandell C.Ltd)、などのハイドロゲルおよびゲル形成物質と、多糖類、メチル・セルロース、カルシウム・カルボキシメチル・セルロース、ヒドロキシプロピル・メチル・セルロース、ヒドロキシプロピル・セルロース、ヒドロキシエチル・セルロース、ニトロセルロース、カルボキシメチル・セルロース、セルロース・エーテル、ポリ(エチレン・テレフタレート)、ポリ(ビニル・イソブチル・エーテル)、ポリウレタン、酸化ポリエチレン(例えばPolyox(登録商標),Union Carbide)、メチル・エチル・セルロース、エチルヒドロキシ・エチルセルロース、セルロースアセテート、エチルセルロース、セルロース・ブチレート、セルロース・プロピオン酸、ゼラチン、コラーゲン、デンプン、マルトデキストリン、プルラン、ポリビニル・ピロリドン、ポリビニル・アルコール、ポリビニル・アセテート、グリセロール・脂肪酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、Eudragit(登録商標)RLまたはEudragit(登録商標)RS(Eudragit(登録商標),Rohm and Haas)などのアンモニオ・メタクリル酸・コポリマー、他のアクリル酸誘導体、ソルビタン・エステル、ポリジメチル・シロキサン、天然ゴム、レシチン、ペクチン、アルギン酸塩、アンモニア・アルギン酸塩、ナトリウム、カルシウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸プロピレン・グリコール、寒天、アラビア・カラヤ・ロカストビーン・トラガカント・カラギナン・グアール・キサンタン・スクレログルカンガムなどの親水性ポリマーと、これらの混合物および調合物。
【0098】
一つの実施例において、ポリマーコーティングは、透過性の低い不溶性膜を形成する、薬剤として許容可能な成膜ポリマーを高い比率で含む。
【0099】
別の実施例において、ポリマーコーティングは、透過性の高い不溶性膜を形成する、薬剤として許容可能な成膜ポリマーを低い比率で含む。
【0100】
さらに、好ましくは、各ポリマーはメタクリル酸コポリマーである。
【0101】
あるいは、各ポリマーは、アンモニオ・メタクリレートコポリマーである。
【0102】
しかし、メタクリル酸コポリマーとアンモニオ・メタクリレートコポリマーとの混合物を使用できる。
【0103】
Rohm & Haasから商標Eudragit SとEudragit Lで販売されているポリマーを含むメタクリル酸コポリマーは、本発明による配合物の使用に適している。
【0104】
Rohm & Haasから商標Eudragit RSとEudragit RLで販売されているポリマーを含むアンモニオ・メタクリレートコポリマーは、本発明による配合物の使用に適している。
【0105】
二種類のポリマーは、コアへの別々のコーティングにおいていかなる比率でも組み合わされる。
【0106】
上述したEudragitポリマーに加えて、放出時に遅延を設けるため他のいくつかのポリマーを使用できる。これらは、メタクリレート・エステルコポリマー(Eudragit NE 30Dなど)を含む。
【0107】
Eudragitポリマーに関するさらなる情報は、James McGinity編集の“Aqueous Polymeric Coatings for Pharmaceutical Dosage Forms”(Marcel Dekker Inc.,New York)109〜114ページの、ポリメタクリレートコーティングシステムの化学・アプリケーションプロパティに見られる。
【0108】
ポリマーコーティングは、コーティングの透過性を高めるように一つ以上の水溶性賦形剤を含む。
【0109】
各水溶性賦形剤が使用される際には、水溶性ポリマー、界面活性剤、アルカリ金属塩、有機酸、糖、糖アルコールから選択されるのが適当である。
【0110】
水溶性賦形剤の例は、ポリビニル・ピロリドン、ポリエチレン・グリコール、塩化ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムとポリソルベートなどの界面活性剤、酢酸とアジピン酸とクエン酸とフマル酸とグルタル酸とリンゴ酸とコハク酸と酒石酸などの有機酸、デキストロースとフルクトースとグルコースとラクトースとスクロースなどの糖、ラクチトールとマルチトールとマンニトールとソルビトールとキシリトールなどの糖アルコール、キサンタンガム、デキストリン、ポロクサマー、マルトデキストリンを含む。
【0111】
ポリマーコーティングは、充填剤、可塑剤、発泡防止剤から選択される一つ以上の助剤も含む。
【0112】
代表的な充填剤は、タルク、いぶしシリカ、モノステアリン酸グリセロール、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、カオリン、コロイドシリカ、セッコウ、マイクロ化シリカ、三ケイ酸マグネシウムを含む。
【0113】
使用される充填剤の量は、ポリマーの総乾燥重量に基づいて約300重量%まで可能である。
【0114】
コーティングは、ポリマーの処理を改善する物質も含むことが可能である。このような物質は概して「可塑剤」と呼ばれ、例えばアジピン酸塩、アゼライン酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、イソエブケイト(isoebucates)、フタル酸塩、セバシン酸塩、ステアリン酸塩、グリコールを含む。
【0115】
代表的な可塑剤は、アセチル化モノグリセリド、グリコール酸ブチル・フタリル・ブチル、酒石酸ジブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメチル、グリコール酸エチル・フタリル・エチル、グリセリン、エチレン・グリコール、プロピレン・グリコール、クエン酸トリアセチン、トリアセチン、トリプロピノイン、ジアセチン、フタル酸ジブチル、アセチル・モノグリセリド、ポリエチレン・グリコール、ヒマシ油、クエン酸トリエチル、多価アルコール、酢酸エステル、三酢酸グリセロール、クエン酸アセチル・トリエチル、フタル酸ジベンジル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ブチル・オクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ブチル・オクチル、アゼライン酸ジオクチル、エポキシド化トール酸塩、トリメリト酸トリイソクチル、フタル酸ジエチルヘキシル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−i−オクチル、フタル酸ジ−i−デシル、フタル酸ジ−n−ウンデシル、フタル酸ジ−n−トリデシル、トリメリト酸トリ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、モノカプリル酸グリセリル、モノカプリン酸グリセリルを含む。
【0116】
コーティングに使用される可塑剤の量は、乾燥ポリマーの重量に基づいて約10%から50%でよい。
【0117】
多粒子の形成に使用されるコーティングの量は、投与される薬剤の量を含む、所望する投与の性質と放出プロフィール、所望する時間遅延、多粒子のサイズによって決定される。
【0118】
ポリマーコーティングには、シーラントまたはバリヤ層が形成されてもよい。
【0119】
シーラントまたはバリヤ層が存在する際には、コアに形成されるシーラントまたはバリヤ層について明記された上述の物質のいずれからでも形成することが可能である。
【0120】
有効成分が粒子の形の際に、粒子は、配合物の服用時に有効成分を急速に放出させる比率の粒子を含む。
【0121】
経口投与のための配合物は概して、吸収促進剤、酸度調節剤、酸化防止剤、発泡剤、香味料、溶解防止剤、pH調整剤、防腐剤、溶解度促進剤、甘味料、矯味剤から選択される一つ以上の賦形剤を含有する。
【0122】
このような賦形剤の例を以下に明記する。しかし、当該技術で周知の他の賦形剤も、適切であれば使用できることは明らかである。
【0123】
このような賦形剤は製品の消費期限を延長させるように選択され、36ヶ月の消費期限が可能である。
【0124】
吸収促進剤の適切な例は、アセトン、アルコール、アスコルピン酸、胆汁酸、キトサン、クエン酸、シクロデキストリン、ジメチル・スルホキシド、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸、ポリドカノール(ラウレス9)、ポリエチレン・グリコール、プロピレン・グリコール、ラウリル硫酸ナトリウムを含む。
【0125】
適当な酸度調節剤の例は、フマル酸、乳酸、リン酸ナトリウム(第二および第一)、酒石酸を含む。
【0126】
適当な酸化防止剤の例は、αトコフェロール、アスコルビン酸、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、フマル酸、リンゴ酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ステアリン酸を含む。
【0127】
適当な発泡剤の例は、クエン酸、重炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸水素カリウムを含む。しかし、上記のように、当該技術で周知の他の発泡剤も使用できる。
【0128】
適当な香味料の例は、フルーツ香味料を含む。
【0129】
リンゴ、バナナ、ブラックベリー、クランベリー、オレンジ、ピーチ、ラズベリー、ストロベリーなどのフルーツ味である香味料は、有効成分または賦形剤に関連した、感覚的に受け入れることのできない味を隠すのに役立つ。
【0130】
例えばメンソール、ミント、ペパーミント、バニラといったハーブや他の香味料も使用できる。例えばオレンジとピーチ、オレンジとミントなど、このような香味料とフルーツ香味料の組合せも使用可能である。
【0131】
適当なpH調整剤の例は、リンゴ酸、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム(第二および第一)を含む。
【0132】
適当な防腐剤の例は、二炭酸ジメチル、グリセロール、メチルパラベン、ソルビン酸カリウム、プロピルパラベン、安息酸ナトリウム、二亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、塩化ベンザルコニウム、プロピオン酸ナトリウム、ソルビン酸を含む。
【0133】
適当な溶解度促進剤の例は、アルコール、無機溶剤、有機溶剤、緩衝剤とポロクサマーと界面活性剤の形のpH調整剤を含む。
【0134】
適当なポロクサマーは、ポロクサマー・ポリオールである。
【0135】
ポロクサマー・ポリオールは、エチレンオキシドとプロピレンオキシドによる密接直列ブロックコポリマーである。
【0136】
より詳しく述べると、ポロクサマー・ポリオールは、α−ハイドロ−ω−ヒドロキシポリ(オキシエチレン)ポリ(オキシプロピレン)ポリ(オキシエチレン)ブロックコポリマーであり、より一般的には、ポリエチレン−プロピレングリコールコポリマー、またはポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマーとして知られている。
【0137】
好適なポロクサマーは、ポリオキシエチレン部分を60から90重量%、より詳しくは70から80重量%含有するものである。
【0138】
ポロクサマーの例は、商標Lutrol、Monolan、Pluronicで知られている。
【0139】
ポロクサマーが使用される際には、溶解され、有効成分と助剤が溶解ポロクサマーに分散される。
【0140】
ここでポロクサマーとは、二つ以上のポロクサマーの組合せも意味する。
【0141】
界面活性剤は、陰イオン、陽イオン、天然、非イオン性の界面活性剤を含む。
【0142】
適当な甘味料の例は、人工または天然の甘味料を含む。本発明で使用される人工甘味料は、アスパルテームおよびアセスルファム・カリウムまたはその混合物から選択されることが好ましいが、サッカリンなど他の人工甘味料も使用することができる。天然甘味料はフルクトースとスクロースを含む。
【0143】
適当な矯味剤の例は、アセスルファム・カリウム、アルギン酸、アルファ・グルカン、アスパルテーム、デキストロース、エチル・マルトール、エチル・バニリン、フマル酸、フルクトース、グリセロール、ラクチトール、リンゴ酸、マルチトール、マルトール、マルトース、メントール、ペクチン、サッカリン、ソルビトール、スクロース、デンプンおよびデンプン誘導体、酒石酸、バニリンを含む。
【0144】
異なる目的で使用される賦形剤の間に重複が見られることが分かるだろう。
【0145】
液体は防腐剤を含有することが好ましいが、所望であれば液体が低温殺菌されてもよい。液体はまた、必要に応じて甘味料など他の成分を含むことが可能である。
【0146】
容器がプラスチック材料で製造される際には、殺菌が使用されるならば、いわゆる瞬間または熱間殺菌技術が使用される。
【0147】
瞬間殺菌法は、液体をきわめて短時間で65℃以上まで上昇させてから、充填の前に温度をおよそ30〜40℃まで即座に低下させるものである。この方法はプラスチックボトルで使用できる。しかしこの方法では、瞬間殺菌と充填時との間に液体が汚染される危険性が見られる。したがって一般的には、この低温殺菌法は上記のタイプの防腐剤とともに使用される。
【0148】
熱間充填殺菌法は、名前から推測できるように、液体を65℃以上まで上昇させてから、充填中にこの温度を維持するものである。ゆえにこの方法は、ガラスと、特殊な耐熱プラスチックボトル、例えばPETの両方に使用することができ、好都合である。
【0149】
本発明によれば、広範囲の有効成分または有効成分の組合せが生成される。特定の有効成分を挙げると、薬剤として許容可能な塩、塩基、水和物、他の形が含まれる。
【0150】
ここで「薬剤として」とは、ホメオパシー薬剤と、代替医療薬と呼ばれるものを意味する。
【0151】
適当な薬剤は、アドレナリン作用薬、アドレナリン遮断薬、アドレノコルチコイド、禁煙薬、アナボリックステロイド、鎮痛薬、アンドロゲン、整酸剤、抗アレルギー薬、抗喘息薬、抗生物質、抗がん剤、抗うつ剤、抗糖尿病薬、下痢止め薬、抗ウイルス薬、静吐薬、抗てんかん薬、抗通風薬、抗ヒスタミン剤、抗高血症薬、抗高コレステロール薬、抗感染症薬、抗偏頭痛薬、抗肥満薬、抗骨粗しょう症薬、不安弛解薬、ブラッド・モディファイア(blood modifier)、気管支拡張薬、心臓血管薬、避妊薬、サイトカイン、ダイエットサプリメント、受精促進薬、胃腸薬、ホルモン、睡眠導入剤、下剤、局所麻酔薬、リンフォカイン、ミネラル、粘液溶解剤、麻酔薬、非ステロイド系抗炎症薬、精神治療薬、ステロイド、ワクチン、ビタミンから選択される。
【0152】
適当なアドレナリン作用薬または選択的β2作用薬は、サルブタモールとテルブタリンを含む。
【0153】
適当なアドレナリン遮断薬またはα/β遮断薬は、カルベジロール、メトプロロール、プロプラノロールを含む。
【0154】
適当なアドレノコルチコイドは、ベタメサゾン、コルチコステロン、コルチゾン、フルオシノロン、フルプレドニゾロン、プロピオン酸フルチカゾン、ヒドロコルチゾン、メケルプレドニゾロン、モメタソン、パラメタソン、プレドニゾロン、プレドニゾン、トライアムシノロンを含む。
【0155】
適当な禁煙薬は、特にニコチンを含む。
【0156】
適当なアナボリックステロイドは、アルダクタザイド(aldactazide)とアルダクトンを含む。
【0157】
適当な鎮痛薬は、アセトアミノフェン、アセチルサリチル酸(アスピリン)、アルフェンタニル、ベノリレイト(benorylate)、ブプレノルフィン、ブトルファノール、コリントリサリチル酸マグネシウム、コデイン、塩酸ジアモルヒネ、ジフニサル、リン酸ジヒドロコデイン、フェンタニル、ヒドロコドン、レボルファノール、塩酸メプタジノール、塩酸メタドン、モルヒネ、塩酸ナルブフィン、塩酸ネフォパム、塩酸オキシコドン、ペンタゾシン、塩酸ペチジン、フェナセチン、臭化水素酸フェナゾシン、塩酸フェナゾピリジン、塩酸フェノペリジン、サリチル酸ナトリウム、クエン酸スフェンタニル、塩酸トラマドルを含む。
【0158】
適当なアンドロゲンは、テストステロンとダナゾールを含む。
【0159】
制酸薬、下痢止め薬、制吐薬を含む適当な胃腸薬は、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、シメチジン、ファモチジン、ランソプラゾール、水酸化マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、オメプラゾール、ラベプラゾール、ラニチジン、重炭酸ナトリウム、塩酸ロペラミド、ジフェノキシレート塩酸塩、ザルダリド、塩酸ジフェニドール、ドンペリドン、メトクロプラミド塩酸塩、オンダンセトロン塩酸塩を含む。
【0160】
適当な抗アレルギー薬は、アステミゾール、マレイン酸アザダジン、塩酸ブロモジフェニル、マレイン酸ブロムフェニラミン、マレイン酸カルビノキサミン、塩酸セチリジン、マレイン酸クロルフェニラミン、フマル酸クレマスチン、シクリジン、塩酸シプロヘプタジン、マレイン酸ジメチンデン、ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェニルピラリン、コハク酸ドキシラミン、塩酸フェキソフェナジン、ロラタジン、メブヒドロリン、フェニラミン、クエン酸フェニルトロキサミン、テルフェナジン、トリペレナミン、塩酸トリプロリジンを含む。
【0161】
適当な抗喘息薬と気管支拡張薬は、アミノフィリン、塩酸クレンブテロール、ケトリフェン、オルシプレナリン、サルブタモール、硫酸テルブタリン、テオフィリン、ベクロメタゾンを含む。
【0162】
適当な抗生物質は、アモキシシリン、アンピシリン、アジスロマイシン、塩酸バカンピシリン、カルベニシリン・ナトリウム、セファクロル、セファドロキシル、セフロキシム、セファレキシン、クロラムフェニコール、シプロフロキサシン、クラリスロマイシン、塩酸クリンダマイシン、クロキサシリン、エリスロマイシン、塩酸リンコマイシン、メタムピリシン、ムピロシン、ネオマイシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、リファンピシン、チカルシリンナトリウムを含む。
【0163】
適当な抗がん剤は、硫酸ブレオマイシン、ブスルファン、カルボプラチン、クロラムブチル、シスプラチン、サイクロフォスファミド、メルカプトプリン、メルファラン、メトトレキサート、ミトタン、塩酸プロカルバジン、クエン酸タモキシフェンを含む。
【0164】
適当な抗コレステロール薬は、ファイトステロール、ベータ・シトステロール、カンプステロール、スチグマスチロール、ブラシカステロール、シトスタノールを含む。
【0165】
適当な抗うつ薬は、アミトリプチリン、アモキサピン、塩酸ブプロピオン、デシプラミン、塩酸フルオキセチン、マレイン酸フルボキサミン、イミプラミン、炭酸リチウム、マプロチリン、塩酸ミアンセリン、モクロベミド、マレイン酸ノミフェンシン、塩酸パロキセチン、塩酸サートラリン、塩酸トラゾドン、トリミプラミン、塩酸ベンラファキシンを含む。
【0166】
適当な抗糖尿病薬は、アカルボス、クロルプロパミド、グルメピリド、グリピザイド、インシュリン、塩酸メトホルミン、トラザミド、トルブタミド、トログリタゾンを含む。
【0167】
適当な抗てんかん薬は、カルバマゼピン、ラモトリギン、フェニトイン・ナトリウムを含む。
【0168】
適当な抗痛風薬は、アロプリノール、コルヒチン、サルフィンピラゾンを含む。
【0169】
適当な抗高血圧薬は、塩酸アセブトロール、アルプレノロール、アミロライド、ベジル酸アムロジピン、アテノロール、ベンズチアジド、塩酸ベタキソロール、フマル酸ビソプロロール、塩酸ブプラノロール、カプトプリル、カルベジロール、クロロチアジド、クロルタリドン、塩酸クロニジン、塩酸ジルチアゼム、メシル酸ドキサゾシン、エナラプリル、フォシノプリル・ナトリウム、酢酸グアナベンズ、硫酸グアナドレル、モノスルホン酸グアネチジン、塩酸グアンファジン、ヒドロクロロチアジド、インダパミド、イスラジピン、リシノプリル、ロタルサン・カリウム、メフルシド、メチルドパ、メトラゾン、酒石酸メトプロロール、塩酸モエキシプリル、ナドロール、塩酸ニカルジピン、ニフェジピン、オクスプレノロール、ピンドロール、ポリチアジド、塩酸プラゾシン、塩酸プロプラノロール、塩酸キナプリル、キネタゾン、ラミプリル、塩酸テラゾシン、マレイン酸チモロール、トリアムテレン、トリクロルメチアジド、バルサルタン、塩酸ヒドララジン、ミノキシジル、メシル酸フェントラミン、塩酸テラゾシンを含む。
【0170】
適当な抗感染薬は、臭化ドミフェン、アミノサルチル酸、シノキサシン、ダプソン、ジクロキサシリン、ヘタシリン、イソニアジド、塩酸ロメフロキサシン、ロラカルベフ、ナフシリン・ナトリウム、ナリジクス酸、ニトロフラントイン、オキサシリン・ナトリウム、ピラジナミド、サルファシスチン、スルファメトキサゾール、トブラシン、トリメトプリム、硝酸ブトコナゾール、クロトリマゾール、フルコナゾール、グルセオフルビン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、ニスタチン、塩酸テルビナフィン、ターコナゾール(terconzaole)、チオコナゾール、トルナフテート、クロロキン(抗マラリヤ薬)、塩酸メフロキン、キニーネ、イベルメクチン(駆虫薬)、ピペラジン、パモ酸ピルビニウム、チアベンダゾール、アシクロビル、ガンシクロビル・ナトリウム、インターフェロン、塩酸バラシクロビル、ジドブジンを含む。
【0171】
適当な抗偏頭痛薬は、ジヒドロエルゴタミン、酒石酸エルゴタミン、マレイン酸メチセルギド、ピゾチフェン、コハク酸スマトリプタンを含む。
【0172】
適当な抗肥満薬は、シブトラミン、フェンタミンを含む。
【0173】
適当な不安緩解剤は、アルプラゾラム、塩酸ブスピロン、クロルジアゼポキシド、クロラゼブ酸、ロラゼパム、メプロバメート、オキサゼパム、プロクロルペラジンを含む。
【0174】
適当なブラッド・モディファイア(blood modifier)は、抗血栓症薬、抗血小板薬、葉酸誘導体とその組合せ、鉄と鉄製剤、肝エキスとこれを含有する製剤、ヘモヒオロジック(hemorrheologic)薬、止血薬を含む。
【0175】
適当な避妊薬は、エチニル・エストラジオール、ノルゲスチメート、デソゲストレル、リノエストレノール、ノルゲストレル、酢酸メドロキシプロゲステロン、プロゲステロンを含む。
【0176】
適当なサイトカンとリンフォカインは、インターロイキン−8、エリスロポエチン、インターロイキン−2を含む。
【0177】
適当なホルモンは、スチルボエストロール、フィナスリド、リオチロニン・ナトリウム、チロキシン・ナトリウム、カルシトニンを含む。
【0178】
適当な局所麻酔薬は、塩酸ブピバカイン、リグノカイン(リドカイン)、塩酸プリロカインを含む。
【0179】
適当な下剤は、ダントロンを含む。
【0180】
適当な非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、アセメタシン、アザプロパゾノン、ジクロフェナク、エトドラク、フェンブフェン、フェノプロフェン・カルシウム、フルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、メクロフェナメイト・ナトリウム、メフェナム酸、ナプロキセン、オキサプロジン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スリンダク、テノキシカム、チアプロフェン酸、メクロフェナム酸、トルメチン・ナトリウムを含む。
【0181】
適当なビタミンとダイエットサプリメントは、アスコルビン酸、カロテン(ビタミンA前駆物質)、ニコチン酸/ナイアシン、パントテン酸、ピロドキシン、レチノール、リボフラビン、塩化ナトリウム(ナトリウムイオン源)、フッ化ナトリウム(口内衛生/骨密度)、リン酸ナトリウム(低リン血症)、チアミン、ビタミンA、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKを含む。
【0182】
本発明による容器は、多くの用途と使用法を持つ。
【0183】
このように、人または動物への経口投与のための薬剤配合物を調合するという使用法の他に、容器は、他のルートを通る投与のための薬剤の調合にも使用できる。例えば、吸入器として使用されるように、鼻炎緩和薬および気管支拡張薬を投与するのに容器を使用できる。他の適当な用途は、眼病用ドリンク剤の調合および皮膚・粘膜薬の投与である。
【0184】
本発明による容器はまた、投与の前に滅菌済み製品を容器内で混合できるという点で、注射可能物質の調合にも使用できる。これに関する特定用法の一つは、ワクチンの分野である。
【0185】
本発明による容器は、老人または小児用の薬品に特定の用途を持つ。
【0186】
本発明による容器は、救急医療および応急処置キットの構成要素としても使用できる。このように、上述した実施例の他に、容器は、事故現場で患者に投与する前に調合される消毒薬および鎮痛薬を収容できる。別の例は、火傷の治療に使用するための成分を収容する容器であろう。
【0187】
本発明による容器が食料品の調合に使用される際には、このような食料品は一般的に、肉汁、スープ、ソース、ドレッシング、朝食用シリアルとベビーフードと乳児用配合物とを含むシリアル、ダイエット飲料、フルーツ、野菜を含むが、より広くは、家庭配達用の食料品、配膳業および「ダッシュボード」または簡易食堂の市場の範囲が含まれる。
【0188】
本発明は、固形物がコンパートメントに保管されて使用前に水と混合される、乳児用ミルクまたは配合乳に特別な用途を持つことが理解できるだろう。本発明のこの特徴は、ユーザが清潔な水の供給を得られない場合に特に好都合である。
【0189】
ノンアルコール飲料の例は、緑茶とハーブティーを含む茶、コーヒー、ドリンクチョコレート、スランバー(slumber)ミルク、エネルギー飲料、混合飲料、ある種のダイエット飲料を含む。
【0190】
混合飲料の例は、一種類以上の成分、例えばミネラルとビタミンを含有するものである。
【0191】
様々なアルコール飲料の他に、本発明による容器は、アルコール中毒治療用の製剤の調合にも使用できる。
【0192】
上記実施例すべての場合に、経口投与では、必要に応じて成分が滅菌/低温殺菌されることは明らかであろう。
【0193】
本発明の別の実施例によれば、配合物は局所投与に適している。
【0194】
したがって容器は、染毛料の投与にも使用できる。
【0195】
ここで使用される場合、染毛料の語は、パーマと、パーマを伴わないヘアカラー、ハイライト、ひげ染めを包含する。
【0196】
ここで使用される染毛料有効成分の例は、過酸化水素、アンモニア、フェニレンジアミン、レソルシノール、塩化ステアラルコニウムである。
【0197】
本発明による容器の成分として他に考えられるのは、一つの容器にハンドクリームとハンドクレンザーと液体化粧品と可食化粧品と香水とデオドラント、一つの容器に二種類の香水、そして、日焼け前および日焼け後または日焼け防止タイプの日焼け剤といった様々な種類の化粧品である。後者については、日焼け剤の例は、キョウニン、プルーナス・アミグダラス・ダルシス(prunus armygdalus dulcis)である。
【0198】
本発明による容器は、配合物を膣へ投与するのに使用できる。
【0199】
本実施例によれば、配合物は携帯用ビデの形である。
【0200】
有効成分はプロバイオティクスであることが好ましい。
【0201】
これに関して適当なプロバイオティクスは、上に挙げたものに対応する。
【0202】
さらに容器は、プリバイオティクスを含むことが好ましい。
【0203】
これに関して適当なプリバイオティクスの例は、上に挙げたものに対応する。
【0204】
上記のように、液体配合物の容量は通常、100ml未満、詳しくは40〜80mlの範囲である。容器は、投与される液体配合物とこの配合物を形成する成分とを収容し、発泡による変化など、配合物が生成される間の状態および容量の変化に対応するサイズである。
【0205】
容器、そして液体配合物の容量は、必要に応じて5,000mlまでである。多量のエネルギー飲料などを供給する必要があるならば、例えば、スポーツセンターでは5,000ml程度の容量が望ましいだろう。大容量の容器については、開封手段を作動させるように容器を回転するのに両手を使う必要があるだろう。
【0206】
容器は、以下ではまとめて空気清浄剤と呼ばれる臭い改善剤、アロマセラピー、空気清浄および加湿剤を調合するのに使用できる。
【0207】
このように、本発明の別の実施例によれば、容器は空気清浄剤を調合するのに使用される。
【0208】
本発明による容器の他の用途および用法は、家庭および産業の両分野で使用するためのクリーニング剤および洗剤の調合用である。
【0209】
別の実施例によれば、容器は燃料を調合するのに使用される。
【0210】
各成分はガソリンとオイルであることが好ましい。
【0211】
さらに、ガソリンとオイルは、2ストロークエンジンにおける使用では40:1の比率であることが好ましい。
【0212】
本発明のさらに別の実施例によれば、液体および各有効成分は、建築または塗装および装飾に使用される配合物を生成するのに使用される成分である。
【0213】
これに関する用途は、塗料、グラスファイバーミックス、従来「ハードウォール」と呼ばれるシリコンモールディングに使用される材料、つまり、漆喰塗りのため粉末が水と混合される建築産業で使用される材料、より詳しくは従来の漆喰および混ぜ物を含む。
【0214】
本発明による容器の別の使用例は、肥料の調合のための容器の使用など、農業および園芸分野である。
【0215】
本発明による容器の別の用途は、水戻し製品全般の分野であろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0216】
本発明を以下の実施例によりさらに説明する。
【0217】
以下の実施例1〜14で用意される配合物は、スケールアップのため実験室規模で実行された。使用される成分と相対量は、より詳しく後述するように本発明により密封容器内で製造された時に使用されるものを表す。
【0218】
実施例1〜10の配合物は、水性媒体で不安定または不溶性である有効成分の例である。実施例11と12の配合物は、水性媒体中で有効成分が水溶性および安定性である配合物の例である。
【0219】
実施例13と14は、本発明による容器からの服用のために配合物を最適化するのに使用される方法と試料の例である。
【0220】
(実施例1)
パラセタモール配合物(用量 1000mg)
配合物は、以下の成分から指定量で用意された。
【表1】

【0221】
成分は、SECURITAINERの商標で販売されている適当な容器へ計量投入され、5分間のシェイクにより混合された。容器は2分ごとに検査され、粉末は容器の両側からへらで除去された。調合の均一性を確認するため混合物が検査され、外観が検査された。分析のため製品のサンプルが採取され、HPLCを用いて有効成分の量が判断された。
【0222】
水中の配合物の外観も評価され、白色から乳白色の発泡懸濁液であると判断された。
【0223】
多数回の用量を処理するため、有効成分と賦形剤の量が適宜増加された。
【0224】
(実施例2)
アスピリン配合物(用量 500mg)
配合物は、以下の成分から指定量で用意された。
【表2】

【0225】
配合物は、実施例1の配合物と同じ方法で用意され検査を受けた。
【0226】
(実施例3)
イブプロフェン配合物(用量 200mg)
配合物は、以下の成分から指定量で用意された。
【表3】

【0227】
配合物は、実施例1の配合物と同じ方法で用意され検査を受けた。
【0228】
(実施例4)
ジクロフェナク配合物(用量 100mg)
配合物は、以下の成分から指定量で用意された。
【表4】

【0229】
配合物は、実施例1の配合物と同じ方法で用意され検査を受けた。
【0230】
(実施例5)
アミトリプチリン配合物(用量 150mg)
配合物は、以下の成分から指定量で用意された。
【表5】

【0231】
配合物は、実施例1の配合物と同じ方法で用意され検査を受けた。
【0232】
(実施例6)
アモキサピン配合物(用量 150mg)
配合物は、以下の成分から指定量で用意された。
【表6】

【0233】
配合物は、実施例1の配合物と同じ方法で用意され検査を受けた。
【0234】
(実施例7)
マレイン酸クロルフェニラミン(用量 4mg)
配合物は、以下の成分から指定量で用意された。
【表7】

【0235】
配合物は、実施例1の配合物と同じ方法で用意され検査を受けた。
【0236】
(実施例8)
セチリジンジルテック(用量 10mg)
配合物は、以下の成分から指定量で用意された。
【表8】

【0237】
配合物は、実施例1の配合物と同じ方法で用意され検査を受けた。
【0238】
(実施例9)
ビサコジル配合物(用量 10mg)
配合物は、以下の成分から指定量で用意された。
【表9】

【0239】
配合物は、実施例1の配合物と同じ方法で用意され検査を受けた。
【0240】
(実施例10)
ダントロン配合物(用量 15mg)
配合物は、以下の成分から指定量で用意された。
【表10】

【0241】
配合物は、実施例1の配合物と同じ方法で用意され検査を受けた。
【0242】
(実施例11)
一硝酸イソソルビド配合物(用量 20mg)
配合物は、以下の成分から指定量で用意された。
【表11】

【0243】
成分は、SECURITAINERの商標で販売されている適当な容器へ計量投入され、5分間のシェイクにより混合された。容器は2分ごとに検査され、粉末は容器の両側からへらで除去された。調合の均一性を確認するため混合物が検査され、外観が検査された。滅菌水が追加されたボトルに、1回分の用量が追加された。分析のため製品のサンプルが採取され、HPLCを用いて有効成分の量が判断された。水中の配合物の外観も評価された。
【0244】
多数回の用量を処理するため、有効成分と賦形剤の量が適宜増加された。
【0245】
(実施例12)
アドレナリン配合物(用量 50mg)
配合物は、以下の成分から指定量で用意された。
【表12】

【0246】
配合物は、実施例11の配合物と同じ方法で用意され検査を受けた。
【0247】
(実施例13)
アセトアミノフェン配合物
第1配合物:
配合物は、以下の成分から指定量で用意された。
【表13】

【0248】
上記成分の調合物は、異なる容器で三種類の水量、つまり20ml、40ml、80mlで検査を受けた。
【0249】
結果:
ボトル内の水が80mlの場合には、アセトアミノフェンの良好な反応および懸濁が得られたが、少ない水量でも好適であると考えられた。
【0250】
40mlの場合には、三種類の異なる容器、つまりメスシリンダーとビーカーとボトルが検査された。メスシリンダーの場合には、ある量の気泡(〜60ml)が観察された。さらに、かなりの量のアセトアミノフェンが各容器の側面と水面に浮遊していた。15分後、アセトアミノフェンはボトルの底に沈降した。
【0251】
量が20mlの場合にもやはり三種類の容器、つまりビーカーと、キャップを備えるサンプル容器と、小さいボトルで調査が行われた。それぞれの場合に、かなりの量の気泡とガスが観察された。やはりアセトアミノフェンは懸濁液中に残らず、容器の側面と水面と各容器の底でアセトアミノフェンが観察された。
【0252】
第2配合物:
配合物は、以下の成分から指定量で用意された。
【表14】

【0253】
第2配合物の場合には、一種類の量(20ml)が二種類の異なる容器、つまり小型ボトルと、キャップを備えるサンプル容器とで調査を受けた。
【0254】
第2配合物で得られた結果は、泡の発生と、水面に残るアセトアミノフェンの量が少ないということであった。しかし、配合物の全体的外観は第1配合物と比べて改善された。
【0255】
結論:
アセトアミノフェンは水中で安定せず懸濁液に残らないことが分かった。しかし、本発明による容器から服用される飲みやすい配合物を得るには、発泡成分、つまりクエン酸、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム水素の量を減らすことにより、ガスと気泡の発生を最少にすることができる。
【0256】
(実施例14)
イブプロフェン配合物試験
第1配合物:
配合物は、以下の成分から指定量で用意された。
【表15】

【0257】
二種類の水量、つまり、20mlと40mlが、二種類の異なる容器、つまり小型ボトルとビーカーで試験を受けた。
【0258】
結果:
−わずかな気泡のみが観察された。粒子の一部が懸濁液中と水面で観察された。
−水は白色になった。
【0259】
第2配合物:
配合物は、以下の成分から指定量で用意された。
【表16】

【0260】
一種類の水量、つまり20mlが、一種類の異なる容器、つまり小型ボトル試験を受けた。
【0261】
結果:
−最初に気泡が観察された。
−シェイクの後、気泡がいくらか観察された。
−水中にはイブプロフェンの粒子は観察されなかった。
−水は白色になった。
【0262】
結論:
上の二種類の配合物の場合には、水中でのイブプロフェンの作用について試験が行われ、クエン酸、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム水素の量を増やすことにより、気泡の発生が最適化された。
【0263】
二種類の配合物のうち、第2配合物の方が良好な性質を持っていた。
【0264】
結論は、イブプロフェンは水中で安定せず懸濁液中に残らないということであった。しかし、本発明による容器から配合物として服用するのには適している。
【0265】
(実施例15)
プロバイオティクス配合物(用量 0.1グラム)
プロバイオティクス配合物は、以下の成分から用意された。
【表17】

【0266】
プロセス:
ステップ1:Cell Biotech Ltd.(韓国,ソウル)からMark Duolacの商標で販売されている二重コーティング乳酸バクテリアであるラクトバチルス・アシドフィルス、Sensus Ingredientsのイヌリン/フラクトオリゴ糖(Frutafit CLR(商標))、Cognisのステロール・エステル(Vegapure 67 WDP(商標))が、用量10回分に充分な量だけ計量された。
【0267】
ステップ2:三種類の成分が1リットル円筒形容器に加えられ、容器を2分間激しくシェイクすることで完全に混合された。最適混合時間の2分は、数回の混合試験の後で決定された。この2分の混合時間の結果、均質な調合物が生成された。
【0268】
ステップ3:ステップ2で得られた1回分の調合物が本発明による二分割容器の第2コンパートメントへ追加された。アイルランド、シャノン川のReageconから採取された純水(40ml)が第1コンパートメントへ加えられた。外側カバーが時計方向にねじられてシールを開封し、水を粉末ブレンドと混合させた。この混合物が5秒間、激しくシェイクされた。最後に、反時計方向へねじることによりカバーが取り外されて、結果的に得られた水性媒体が以下のように評価された。
−調合物は水性媒体中で水溶性である。
−底部の壁に粉末状残留物の跡が見られた。
【0269】
結果:
−完全な水性媒体が得られた。
−容器の壁に残る粉末状残留物は見られなかった。
−香味料(Synergy Flavours製のクランベリー0.2%、トロピカル0.2%、オレンジ0.2%またはリンゴ0.2%)を純水に追加しても、調合物の水溶性に悪影響は見られなかった。
【0270】
結果を比較するため以下のプロバイオティクスを用いて、実施例15が繰り返された。
【表18】

【0271】
(実施例16)
プリバイオティクス配合物(用量 5.5グラム)
プリバイオティクス配合物は、以下の成分から用意された。
【表19】

【0272】
プロセス:
ステップ3で容器が10秒間激しくシェイクされたことを除いて、例15の場合のようにステップ1〜3が実施された。ストレプトコッカス・テルモフィルスは、韓国、ソウルのCell Biotech Ltd.から入手され、天然イヌリン/フラクトオリゴ糖(Frutafit IQ(商標))はSensus Ingredientsから入手され、ステロール・エステル(Vegapure 67 WDP(商標))はCognisから入手された。
【0273】
結果:
−完全な水溶液が得られた。
−香味料(Synergy Flavours製のクランベリー0.2%、トロピカル0.2%、オレンジ0.2%またはリンゴ0.2%)を純水に加えても、調合物の水溶性に悪影響を与えることはなかった。
【0274】
結果を比較するため、以下のプロバイオティクスを用いて実施例16が繰り返された。
【表20】

【0275】
(実施例17)
コレステロール降下配合物(用量 1.3グラム)
コレステロール降下配合物は、以下の成分から用意された。
【表21】

【0276】
プロセス:
ステップ1〜3が、実施例16の場合のように実施された。ビフィドバクテリウム・ビフィズスはBrewster Foodsから入手され、天然イヌリン/フラクトオリゴ糖(Frutafit IQ(商標))はSensus Ingredientsから入手され、フィトステロールのCardioAid−M(商標)はADM−Archer Daniels Midland Companyから入手された。
【0277】
結果:
−完全な水溶液が得られた。
−香味料(Synergy Flavours製のクランベリー0.2%、トロピカル0.2%、オレンジ0.2%またはリンゴ0.2%)を純水に加えても、調合物の水溶性に悪影響を与えることはなかった。
【0278】
結果を比較するため、以下のコレステロール降下薬を用いて実施例17が繰り返された。
【表22】

【0279】
O‘Brien Ingredientsから供給されたアスコルビン酸(0.5g)とEastmanから供給されたビタミンE(0.05g)を、実施例15〜17のそれぞれに記載された調合物に混合することに成功した。それぞれ、使用されたプリバイオティクスの量は適宜減少させた。
【0280】
(実施例18〜20)
二相ポリマー配合物
【表23】

【0281】
それぞれ発明による二分割容器を用いて、シールが開封されると、触媒(第1コンパートメントに収容)が基剤(第2コンパートメントに収容)と混合された。これらの実施例では、すべての材料がW.P.Notcutt Ltd.から供給されたものであった。
【0282】
これらの二分割システムは、二種類の成分が混合されると硬化する。本発明による容器を使用すると、そのたびに正確な量の触媒が確実に使用されて、人的ミスの可能性を無くす。
【0283】
(実施例21〜22)
二分割染毛料配合物
【表24】

【0284】
それぞれ本発明による二分割容器を用いると、2相ヘアカラーの混合を「簡単で手を汚さずに」解決できる。シールが開封されると、発色剤または顕色剤(第1コンパートメントに収容)が着色料(第2コンパートメントに収容)と混合された。活性化したヘアカラーは従来の方法で塗布される。こうして、本発明による容器の使用は、ヘアカラーの用意における人的ミスの可能性を無くす。
【0285】
図1を参照すると、液状の薬剤配合物の経口投与のための容器が全体として10で示されており、容器10はある量の携行液体を保管するための第1セクション11と、ある量の有効成分を保管するための第2セクション12とを有する。
【0286】
容器10は、首部14を備える一方の端部13を終端とするボトル形状を持ち、ここに保管のため不正開封防止蓋が固定されている。
【0287】
第2セクション12は第1セクション11に装着され、二つのセクションが容器10の長手軸を中心に相互に移動できるようになっている。
【0288】
図2を参照すると、容器10がより詳細に描かれている。蓋15は、第1セクション11の首部14に固定される。蓋15の内面17のねじ16は、第1セクション11の首部14の対応ねじ18と係合する。
【0289】
第1セクション11の他方の端部19において、周肩部20は周溝部21を有する。
【0290】
第2セクション12は円筒形状であり、一方の端部23の基部22と、他方の端部25の周構造24とを有し、これは第1セクション11の溝部21とスナップフィットを形成する。
【0291】
円形密封仕切り26は、第1セクション11を第2セクション12から分離させる。仕切り26はその外周部28に複数の直立タブ27を有する。これらのタブ27は外面30にねじ29を有し、このねじ29が第1セクション11の内面32の対応ねじ31と係合する。保管状態において仕切り26は、第1セクション11の端部19とともにシールを形成する。
【0292】
第2セクション12の内面34には複数の構造33が配置されている。これらの構造33は、構造33の端部35において、仕切り26の下面36の複数のスロット(図示せず)に配置される。
【0293】
使用時、第1セクション11には携行液体が部分的に充填され、有効成分は第2セクション12に設けられる。保管中、液体と有効成分は密封仕切り26によって隔離されている。配合物を調合して服用したい時には、相互に対するねじり動作で二つのセクション11と12が移動する。このねじり動作により、構造33が仕切り26のスロットのエッジと嵌合して仕切りを第1セクション11から外し、こうしてセクション11と仕切り26の間のシールを破り、結果的に携行液体を第2セクション12へ流入させる。次に、有効成分を携行液体と混合させて配合物を生成するために容器10がシェイクされ、蓋15を取り外した後に服用される。
【0294】
図3を参照すると、図1の容器が分解図で描かれている。第1セクション11の端部19へ仕切り26をねじ込んで間にシールが形成されることによって容器の充填が行われる。次にセクション11にある量の携行液体が充填され、不正開封防止蓋15が首部14へねじ込まれる。ある量の有効成分が第2セクション12に入れられて、構造33が仕切り26のスロットに確実に配置されるように構造24を溝部21へスナップ接続することにより二つのセクション11,12が結合される。
【0295】
図4を参照すると、本発明による容器の第二実施形態が全体として40で示されている。容器40はボトル状であり、ある量の液体を保管するための第1セクション41と、ある量の有効成分を保管するための第2セクション42とを有する。二つのセクション41,42は、腰部43によって接続されている。第1セクション41は、不正開封防止蓋46が固定される首部45を備える一方の端部44を終端とする。
【0296】
図5を参照すると、容器40が断面で描かれている。密封仕切り47はシール48に嵌着し、このシール48は容器40の腰部43に配置される。
【0297】
密封仕切り47には、円筒形の長形接続部材49が一方の端部50で装着されている。長形接続部材49の他方の端部52には、周カラー部(周襟部)51が固定されている。カラー部51は、容器40の首部45に配置された内側肩部53に嵌着する。カラー部51のねじ54は、蓋46の内面56の対応ねじ55と係合する。
【0298】
使用時には、ある量の有効成分がセクション42へ投入されている。密封仕切り47がシール48に嵌着し、所定量の携行液体がセクション41へ投入されている。次に蓋46が、容器40の首部45のねじ57上でねじ回される。配合物を生成して服用したい時には、蓋46が首部45のねじ57から外れて自由に回転するようになるまで、蓋46が容器40の首部45においてさらにねじ回される。さらに回転させると、カラー部51のねじ54が蓋46の内面56の対応ねじ55と嵌合する。蓋46をさらに移動させると、仕切り47がシール48から持ち上げられて、携行液体を第2セクション42へ流入させ、中の有効成分と混合させる。有効成分が液体と混合されてしまうと、蓋46が外されて、結果的に生成された配合物をユーザが服用できる。
【0299】
長形接続部材49は円筒形状で、外面59に複数の長手スロット58を有する。これらのスロット58は、第1セクション41内における液体の自由な通過を可能にする。
【0300】
図6を参照すると、容器40が分解図で描かれている。二つのセクション41,42とその間にある腰部分43は、単一のプラスチックユニットとしてブロー成形される。シール48は、これらの部品を容器40へ配置する前に、仕切り47に配置できる。
【0301】
図7を参照すると、本発明による容器の第三実施形態が全体として70で示されている。容器70は、長手軸に沿って第1セクション72と第2セクション73とに分離される長形外筐体71を有する。第1セクション72は外側カバー74と開封帯75とで構成され、開封帯75は、エッジ76に沿って外側カバー74に着脱自在に装着される。
【0302】
図8を参照すると、容器70は内部チャンバー77を有し、この内部チャンバー77はシール80によって第1コンパートメント78と第2コンパートメント79とに分割される。図8においてシール80は、第1コンパートメント78と第2コンパートメント79とが密封された閉位置で描かれている。
【0303】
シール80は長形部材82の一方の端部81に取り付けられ、この長形部材82は内部チャンバー77の第1コンパートメント78内に配置される。第1コンパートメント78は、一方の端部84に開口部83を備える略円筒形状であり、この開口部83は、シール80を閉位置に嵌着させるのに適している。第1コンパートメント78の端部84はカラー部(襟部)の形状であり、端部とカラー部とはまとめて参照番号84で示されて開口部83から延出し、このカラー部84は開口部83よりも大きな直径を持つ。
【0304】
外側カバー74は、スナップフィット85によりカラー部84に接続され、第2セクション73は、スナップフィット86によりカラー部84に接続されている。
【0305】
第1コンパートメント78の他方の端部87は、中に開口部88を有する。端部87は、外側カバー74の内面90の直立環状壁89に嵌着し、この内面90は端部87を密封する。長形部材82の他方の端部91は開口部88の中に配置される。端部91は開口しており、外側カバー74の内面90の内側直立環状壁92を収容するのに適している。内側直立環状壁92は、4個の開口端スロット93を有し、各スロット93は、長形部材82の他端部91に配置された対応構造94と協働して、閉位置(図8)から開位置(図9)へとシール80を移動させる。
【0306】
図9を参照すると、長形部材82の端部81の4個の切欠き95により、シール80が開位置にある状態で内部チャンバー77の中身が自由に通過できる。
【0307】
図10を参照すると、容器70が分解図で図示され、明瞭化のため分離された外側カバー74と第1コンパートメント78と長形部材82と第2セクション73とが描かれている。
【0308】
長形部材82の他方の端部91の構造94が詳細に見られる。各構造94は、端部98に矩形突出部97が取り付けられた柔軟性フランジ96の形状である。各矩形突出部97の外側エッジ99は、外側カバー74の対応スロット93に配置可能である(図8と9)。各フランジ96のエッジ100は、端部91から傾斜して細くなり、長形部材82の表面102の切込み101となっている。フランジ96に柔軟性を付与するのは、この切込み101である。
【0309】
4個の傾斜トラック103が第1コンパートメント78の端部87において内面104に配置される。シール80が閉位置にある状態で容器70が組み立てられると、長形部材82の端部91が端部87と同一平面となり、各矩形フランジ96は内面104の第1溝部105に配置され、各矩形突出部97の外側エッジ99は対応のスロット93に配置される。同じ位置で、各フランジの傾斜エッジ100は対応の傾斜トラック103に当接し、この傾斜トラック103は対応の切込み101の中に完全に配置される。外側カバー74を矢印の方向に回転させると、長形内筐体82も第1コンパートメント78に対して回転して、各傾斜エッジ100が対応のトラック103に乗り上げ、各矩形突出部97が対応のスロット93に対して上るように移動する。各矩形突出部97が内面104の第2溝部107に到達してここに落下すると、長形内筐体82のこれ以上の移動は阻止され、シール80が開位置となる。
【0310】
矩形突出部97が対応のスロット93から解離されるので、外側カバー74を同じ方向にさらに回転させても、長形部材82の位置に影響しない。
【0311】
容器70が組み立てられると、第2セクション73のエッジ108は第1コンパートメント78のカラー部84の周突出壁109と当接する。エッジ108の4個の突出部110は、周突出壁109の対応のスロット111に配置可能であり、第2セクション73が第1コンパートメント78に対して移動するのを阻止する。
【0312】
環状開封帯75も、組み立てられると周突出壁109と当接する。環状帯75のエッジ113には、4個の弾性ピン112が配置される。各ピン112は、外側カバー74が矢印の方向に回転された時に、周突出壁109の複数の対応スロット114に出入するような形状である。しかし、外側カバー74が反対方向に動くと、各ピン112は対応スロット114へ落下して、開封帯75は内側のコンパートメント78に対する位置にロックされる。外側カバー74をこの方向にさらに移動させようとすると、外側カバー74が接合部115に沿って開封帯75から分離される。接合部115は鋸歯状の輪郭を持ち、これにより、スナップフィット85を解離させて、容器70からの外側カバー74の取り外しを容易にする。
【0313】
使用のために容器70を組み立てるには、シール80が閉位置にある状態で長形内側要素82が第1コンパートメント78内に配置される。有効成分が第2コンパートメント79へ投入され、第2セクション73が第1コンパートメント78に装着される。所定量の液体が第1コンパートメント78へ投入され、外側カバー74がこれに装着される。組み立てられた容器70は次に、配合物を調合することが必要になるまで、適当な保管容器(図示せず)に入れられる。
【0314】
配合物を調整する必要が生じると、容器70が保管容器から外され、第2セクション73を保持しながら、外側カバー74が矢印で示された方向に回転される。この回転動作によりシール80が閉位置から開位置へ移動して有効成分と所定量の液体との混合が可能となる。混合が完了すると、回転方向を逆にすることで外側カバー74が外され、配合物が容器70から取り出される。
【0315】
容器70のカバー74の代替の実施形態(図示せず)では、内側直立環状壁92の各端部開口スロット93が、矩形突出部97が閉位置で嵌着するカップで置き換えられる。外側カバー74が矢印Aの方向に回転すると、各カップの壁が対応の矩形突出部97を同じ方向に押すので、長形内筐体82も回転する。
【0316】
各矩形突出部97が第2溝部107に到達して落ち込むと、対応のカップ壁を解除し、こうして同じ方向に外側カバー74がさらに回転しても、長形部材82の位置に影響を与えない。
【0317】
図11を参照すると、本発明による容器の第四実施形態が全体として120で示されている。容器120は、長手軸に沿って第1セクション122と第2セクション123とに分離された長形外筐体121を有する。第1セクション122は外側カバー124と開封帯125とで構成され、この開封帯125はエッジ126に沿って外側カバー124に着脱自在に装着される。
【0318】
図12を参照すると、容器120は内部チャンバー127を有し、この内部チャンバー127は、シール131により第1コンパートメント128と第2コンパートメント129と第3コンパートメント130とに分割されている。図12では、シール131は閉位置に示され、それによって第1コンパートメント128と第2コンパートメント129と第3コンパートメント130とが密封されている。
【0319】
シール131は、長形部材133の一方の端部132に取り付けられ、この長形部材133は内部チャンバー127の第1コンパートメント128に配置されている。第1コンパートメント128は、一方の端部135に開口部134を備える略円筒形状であり、この開口部134は、閉位置でシール131を嵌着させるのに適している。
【0320】
外側カバー124と第2セクション123とは、第1コンパートメント128の端部135に取り付けられ、端部135から突出する環状壁136によって分離されている。外側カバー124と第2セクション123とは、それぞれスナップフィット接続137,138により所定箇所に保持されている。
【0321】
第1コンパートメント128の他方の端部139は、中に開口部140を有する。端部139は外側カバー124の内面142の直立環状壁141に嵌着し、この内面142は端部139を密封する。長形部材133の他方の端部143は開口部139内に配置される。端部143は開口しており、外側カバー124の内面142の内側直立環状壁144を収容するのに適している。内側直立環状壁144は4個の開口端スロット145を有し、各スロット145は、長形部材133の他方の端部143に設けられた対応構造146と協働して、閉位置(図12)から開位置(図13)へのシール131の移動を引き起こす。
【0322】
図13を参照すると、長形部材133の端部132の4個の切欠き147は、シール131が開位置にある状態で、内部チャンバー127の中身を自由に通過させる。第1コンパートメント128の拡張部148も、内部チャンバー127の中身の自由通過に役立つ。
【0323】
使用時に、第2セクション123に対して外側カバー124が矢印(図11)の方向に回転すると、シール131が閉位置(図12)から開位置(図13)へ移動する。長形部材133を移動させるための機構(図示せず)は、図7〜10に図示された実施例のものと類似している。しかし、この実施例では、シール131が開位置へ移動すると、長形部材133は、内面142から離間するのでなく外側カバー124の内面142へ引き寄せられる。
【0324】
図11を参照すると、矢印と反対方向における外側カバー124の移動は、開封帯125上の一組のピン149を壁136の対応スロット150へ落下させてピン149をロックさせる。この方向にさらに移動すると、エッジ126に沿って接合部151がせん断され、外側カバー124が容器120から取り外される。この取り外しは、エッジ126の鋸歯状輪郭によって容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0325】
【図1】本発明による液状の配合物を調合するための容器の概略図である。
【図2】図1の線II−IIにおける断面図である。
【図3】図1の容器の分解図である。
【図4】本発明による容器の第二実施形態の概略図である。
【図5】図4の線V−Vにおける断面図である。
【図6】図4の容器の分解図である。
【図7】本発明による容器の第三実施形態の概略図である。
【図8】シールが閉位置にある図7の線VIII−VIIIにおける断面図である。
【図9】シールが開位置にある図7の容器の断面図である。
【図10】図7の容器の分解図である。
【図11】本発明による容器の第四実施形態の概略図である。
【図12】シールが閉位置にある図11の線XII−XIIにおける断面図である。
【図13】シールが開位置にある図11の容器の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状の配合物を調合するための容器であって、
長手軸に沿って複数のセクションに分割される長形の外筐体と、
二つ以上のコンパートメントに分割される内部チャンバーと、
使用時に前記コンパートメントのすべてが密封される閉位置から前記コンパートメントのすべてが開封されて前記内部チャンバーで中身が自由に混合されて配合物を生成する開位置へ移動可能であって、前記コンパートメントの開封後に前記内部チャンバーの容量が無変化のままであるように、一つのセクションを他のセクションに対して回転させることにより前記閉位置から前記開位置へ移動可能であるシールと、
前記シールを前記開位置に保持するための手段と
を備える容器。
【請求項2】
前記外筐体が、略円筒形状であって、二つの略円筒形セクションに分離され、前記セクションが、相互の相対移動を許容するように突き合わされる、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記二つのセクションがスナップフィットにより結合される、請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記シールが、円形の仕切りであり、閉位置において、周囲のねじ部により前記セクションの一方の内側ねじ面に装着され、前記一つのセクションの他のセクションに対する回転が前記内側ねじ面を閉位置から開位置へ開封する、請求項2または請求項3に記載の容器。
【請求項5】
前記シールが長形接続部材の一つの端部に取り付けられ、前記長形接続部材が前記内部チャンバーの前記第1コンパートメントの中に配置可能であり、前記シールから離間した前記長形部材の端部が、前記コンパートメントを覆う前記外筐体のセクションの内面における対応構造と嵌合可能である構造を有する、請求項1に記載の容器。
【請求項6】
前記外筐体が略円筒形状であって二つの略円筒形セクションに分離され、第1セクションが一つの端部に開口部を有し、前記開口部が、ねじ蓋の形状である第2セクションにより保管時に密封され、前記シールが、使用時に、前記蓋の開封動作により開位置へ移動する、請求項5に記載の容器。
【請求項7】
前記開口部が前記第1セクションの首状部であり、前記首状部が、前記蓋と嵌合するための外面ねじと、内面ねじとを有し、前記内面ねじが前記長形接続部材の他の端部のねじ部と協働し、前記蓋の開封動作の結果、前記首状部から前記長形部材が緩められ、続いて前記シールが前記開位置へ移動する、請求項6に記載の容器。
【請求項8】
内側の前記長形接続部材が配置可能である前記内部チャンバーの前記第1コンパートメントが、各端部に開口部を備える略円筒形状であって、一つの開口端部が閉位置において前記シールに嵌着するのに適しており、他の端部が、前記第1コンパートメントを覆う前記外筐体のセクションの内面の前記対応構造とともに、前記シールから離間した前記長形部材の端部を収容する、請求項5に記載の容器。
【請求項9】
前記外筐体のセクションが、環状開封帯によって前記内部コンパートメントを覆う位置に保持される、請求項8に記載の容器。
【請求項10】
前記外筐体のセクションと前記開封帯は、一方向に回転可能であって、前記回転が前記シールを変位させ、前記外筐体のセクションを反対方向に回転させようとすると、使用時に前記外筐体のセクションが前記開封帯から離脱して前記外筐体のセクションを前記容器から取り外すことができる、請求項9に記載の容器。
【請求項11】
前記第1コンパートメントが、前記シールが配置可能である端部において、別の外筐体セクションへ接続され、前記別の外筐体セクションには、一つ以上の内部コンパートメントが配置される、請求項8乃至請求項10のいずれかに記載の容器。
【請求項12】
前記別の外筐体セクションに、コンパートメントが一つのみ配置され、前記シールが前記コンパートメントにおいて開位置へ移動可能である、請求項11に記載の容器。
【請求項13】
使用時における、前記外筐体セクションの回転の結果、前記別の外筐体セクションに対する前記第1コンパートメントの回転が生じ、前記シールから離間した前記長形部材の端部の傾斜エッジが、前記第1コンパートメントの内面の対応傾斜延出部に沿って移動して、前記容器の前記長手軸に沿って前記長形部材を変位させ、前記シールを開位置へ移動させる、請求項12に記載の容器。
【請求項14】
前記長形部材の構造が、前記外筐体セクションの前記対応構造から不可逆的に解離される、請求項10または請求項12または請求項13に記載の容器。
【請求項15】
前記別の外筐体セクションに一つ以上のコンパートメントが設けられ、前記シールが前記コンパートメントから前記開位置へ移動可能である、請求項11に記載の容器。
【請求項16】
一つのコンパートメントが所定量の液体の保管に適しており、他のコンパートメントが所定量の有効成分を保管するのに適している、請求項1乃至請求項15のいずれかに記載の容器。
【請求項17】
前記液体が水性媒体である、請求項16に記載の容器。
【請求項18】
前記有効成分が水溶性である、請求項16または請求項17項に記載の容器。
【請求項19】
前記有効成分が不水溶性である、請求項16または請求項17に記載の容器。
【請求項20】
前記有効成分が粉末状である、請求項16乃至請求項19のいずれか一つに記載の容器。
【請求項21】
前記粉末粒子がマイクロ化されている、請求項20に記載の容器。
【請求項22】
前記粒子がナノ化されている、請求項20に記載の容器。
【請求項23】
前記一つのコンパートメントが混合前に有効成分も保管することができる、請求項16乃至請求項22のいずれかに記載の容器。
【請求項24】
前記配合物が人または人以外の動物への投与を目的とする、請求項16乃至請求項23のいずれかに記載の容器。
【請求項25】
前記配合物が経口投与に適している、請求項24に記載の容器。
【請求項26】
前記有効成分が、水性食品と、機能性食品と、薬剤と、アルコール飲料と、ノンアルコール飲料と、食料品と、ホメオパシー薬剤と、プリバイオティクスと、プロバイオティクスと、これらの混合物とから選択される、請求項16乃至請求項25のいずれかに記載の容器。
【請求項27】
前記有効成分が、3年間までの乾燥状態での保管後に、100%までの有効プロバイオティック薬剤となるプロバイオティクスである、請求項26に記載の容器。
【請求項28】
前記プロバイオティクスが、ラクトバチルスと、ビフィドバクテリウムと、ストレプトコッカス・フェシウム及びテルモフィルスと、エンテロコッカスと、バシラス・コアギュランスとから選択されるプロバイオティックバクテリアの菌株である、請求項26乃至請求項27に記載の容器。
【請求項29】
プリバイオティクスを含む、請求項26乃至請求項28のいずれか一つに記載の容器。
【請求項30】
前記プリバイオティクスが、単糖、二糖、オリゴ糖、および/または多糖とを含む糖物質から選択され、モノマー単位が、フルクトースと、ガラクトースと、グルコースと、マルトースと、イヌリン基剤のプリバイオティック物質と、ニンニクとその抽出物と、蜂蜜とその抽出物と、食物繊維とから選択される、請求項28に記載の容器。
【請求項31】
前記配合物が脂質物質を含有しない、請求項26乃至請求項30のいずれか一つに記載の容器。
【請求項32】
前記粉末粒子が、消化管において前記有効成分を放出制御することのできる粒子の形である、請求項20乃至請求項31のいずれか一つに記載の容器。
【請求項33】
前記粒子が異なる放出プロフィールを有する、請求項32に記載の容器。
【請求項34】
前記放出を達成するように前記粒子が一つ以上のポリマー物質でコーティングされる、請求項32乃至請求項33に記載の容器。
【請求項35】
前記配合物の吸収において前記有効成分の急速放出を可能にする粒子比率を前記粒子が含む、請求項32乃至請求項34のいずれか一つに記載の容器。
【請求項36】
前記配合物が、吸収促進剤と、酸度調節剤と、酸化防止剤と、発泡剤と、香味料と、溶解防止剤と、pH調整剤と、防腐剤と、溶解度促進剤と、甘味料と、矯味剤とから選択された一つ以上の賦形剤を含有する、請求項26乃至請求項35のいずれか一つに記載の容器。
【請求項37】
前記有効成分が、アドレナリン作用薬と、アドレナリン遮断薬と、アドレナリンコルチコイドと、禁煙薬剤と、アナボリックステロイドと、鎮痛薬と、アンドロゲンと、整酸薬と、抗アレルギー薬と、喘息防止薬と、抗生物質と、抗がん剤と、抗うつ薬と、抗糖尿病薬と、下痢止め薬と、制吐薬と、抗てんかん薬と、抗痛風薬と、抗高血圧薬と、感染防止薬と、抗偏頭痛薬と、肥満防止薬と、不安緩解剤と、気管支拡張薬と、避妊薬と、サイトカインと、ダイエットサプリメントと、胃腸薬と、ホルモンと、下剤と、局所麻酔薬と、リンフォカインと、粘液溶解薬と、非ステロイド性抗炎症薬と、ステロイドと、ワクチンと、ビタミンとから選択された薬剤である、請求項26乃至請求項36のいずれか一つに記載の容器。
【請求項38】
前記配合物が局所投与に適している、請求項26に記載の容器。
【請求項39】
染毛料の投与に使用される、請求項38に記載の容器。
【請求項40】
配合物を膣へ投与するために使用される、請求項38に記載の容器。
【請求項41】
前記配合物がビデ方式によるものである、請求項40に記載の容器。
【請求項42】
前記有効成分がプロバイオティクスである、請求項40または請求項41に記載の容器。
【請求項43】
プリバイオティクスを含む、請求項42に記載の容器。
【請求項44】
前記液体配合物の容量が5000mlまでである、請求項1乃至請求項43のいずれかに記載の容器。
【請求項45】
前記容器が空気清浄剤を調合するために使用される、請求項1乃至請求項15のいずれか一つに記載の容器。
【請求項46】
燃料を調合するために使用される、請求項1乃至請求項15のいずれか一つに記載の容器。
【請求項47】
各構成要素がガソリンとオイルである、請求項46に記載の容器。
【請求項48】
前記ガソリンとオイルが、2ストロークエンジンに使用するため、40:1の比率である、請求項47に記載の容器。
【請求項49】
前記液体と有効成分とが、接着剤または糊を生成するために使用される構成要素である、請求項16に記載の容器。
【請求項50】
添付図面の図1〜3、図4〜6、図7〜10、及び図11〜13を特に参照して明細書に実質的に記載され、またこれらに図示された、液状の配合物を調合するための請求項1に記載の容器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公表番号】特表2007−532416(P2007−532416A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506904(P2007−506904)
【出願日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【国際出願番号】PCT/IE2005/000039
【国際公開番号】WO2005/097040
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(506336946)アイディーディー−イール マニュファクチャリング カンパニー リミテッド (1)
【出願人】(506336980)アイディーディー−イール パテント ホールディング カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】