説明

液状体吐出ヘッド、液状体吐出装置、液状体吐出方法、電気光学装置の製造方法、及び電子機器

【課題】着弾位置精度の測定や位置補正の実施のための工程時間の増大や、これらの工程を制御する制御装置の負荷の増加を必要とせずに、吐出された液滴の飛行方向が所定方向からずれることによって、形成される膜の平面形状及び膜厚の精度が損なわれることを抑制することができる液状体吐出ヘッド、液状体吐出装置、液状体吐出方法、電気光学装置の製造方法、及び電子機器を提供する。
【解決手段】液状体吐出ヘッドは、液状体を吐出する吐出ノズル孔と、案内針と、を備え、案内針は、吐出ノズル孔の一端が開口しているノズル孔形成面における吐出ノズル孔の開口を貫通する位置に配設されている。液状体吐出方法は、ノズル孔形成面に開口する吐出ノズル孔から液状体を吐出する液状体吐出方法であって、ノズル孔形成面における吐出ノズル孔の開口を貫通する位置に配設されている案内針によって、吐出ノズル孔から吐出される液状体の方向を案内する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状体を吐出する液状体吐出ヘッド、液状体を吐出する液状体吐出装置、液状体を吐出する液状体吐出方法、液状体を吐出することによって少なくとも一部を形成する電気光学装置の製造方法、及び当該電気光学装置を備える電子機器に関する。電気光学装置としては、液晶装置や有機EL(有機エレクトロルミネッセンス(Organic Electro Luminescence))装置などが挙げられる。
【背景技術】
【0002】
従来から、カラー液晶装置などのカラーフィルター膜のような機能膜を形成する技術として、液状体を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドを有する描画装置を用いて、機能膜の材料を含む液状体の液滴を吐出して基板上の任意の位置に着弾させることで、当該位置に液状体を配置(描画)し、配置した液状体を乾燥させて機能膜を形成する技術が知られている。このような膜形成に用いられる描画装置は、液滴吐出ヘッドを基板に対して相対移動させながら、液滴吐出ヘッドが有する吐出ノズル孔から微小な液滴を選択的に吐出して、基板上に位置精度良く着弾させることができるため、精密な平面形状を有する膜を形成することができる。微小な液状体の大きさを規定し、その大きさを精度良く実現することができるため、精密な膜厚を有する膜を形成することができる。
特許文献1には、複数のノズルから成るノズル列を有する複数のヘッド部を用いて材料を吐出することによって、製造時間を短縮することができる、材料の吐出装置、及び吐出方法、カラーフィルタの製造装置及び製造方法、液晶装置の製造装置及び製造方法、EL装置の製造装置及び製造方法、並びにそれら方法により製造される電子機器が開示されている。
【0003】
しかし、吐出された液滴の飛行方向が所定の飛行方向からずれることによって、形成される膜の、精密であることが求められる平面形状及び膜厚が必ずしも実現できない場合があった。
特許文献2には、ノズルを液滴の着弾位置精度によってグループ分けし、グループごとにノズルの位置を補正することによって、液滴の高い着弾位置精度を実現することができる、液状体の吐出方法、有機EL素子の製造方法、カラーフィルタの製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−273868号公報
【特許文献2】特開2009−618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に開示された装置においては、ノズルごとの着弾位置精度を求める必要があり、液滴吐出を実施する際に、ノズルごとの補正値に基づいてノズルの位置補正を実施する必要がある。これらの着弾位置精度の測定や、位置補正の実施のために液状体を配置する工程の工程時間が増大する可能性があるという課題があった。また、これらの工程の実施を制御する制御装置の負荷が増加する可能性が高いという課題もあった。特に、特許文献1に開示されたような多数のノズルを備えた装置においては、多数のノズルについて補正方向や補正量を求めることが必要であるために、製造工程における工程時間が著しく増大するとともに、吐出装置を制御する制御装置の負荷が著しく増加する可能性が高いという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]本適用例にかかる液状体吐出ヘッドは、液状体を吐出する吐出ノズル孔と、案内針と、を備え、前記案内針は、前記吐出ノズル孔の一端が開口しているノズル孔形成面における前記吐出ノズル孔の開口を貫通する位置に配設されていることを特徴とする。
【0008】
本適用例にかかる液状体吐出ヘッドによれば、液状体を吐出する吐出ノズル孔の開口に案内針が配設されている。一般的に、液状体が流動する流路に物体が存在すると、液状体が物体に当たることによって抵抗を受けることで運動エネルギーが減じられる。減じられるのは、液状体が当たる物体面に垂直な方向の成分である。
吐出ノズル孔の開口から吐出される液状体は、吐出ノズル孔の開口に存在する案内針に当たることによって抵抗を受けることで運動エネルギーが減じられる。このとき減じられるのは、案内針の表面に垂直な方向、すなわち、案内針の軸方向に直角な方向の成分である。このため、吐出される液状体の方向が案内針の軸方向と交差する方向である場合には、液状体の方向は、交差する角度が小さくなる方向に補正される。これにより、吐出ノズル孔の開口に案内針を配設することによって、吐出される液状体の方向を案内針の軸方向に沿う方向に近い方向に補正することができる。
【0009】
[適用例2]上記適用例にかかる液状体吐出ヘッドにおいて、前記案内針の表面は、前記液状体に対して親液性を有することが好ましい。
【0010】
この液状体吐出ヘッドによれば、液状体を吐出する吐出ノズル孔の開口に配設されている案内針の表面が液状体に対して親液性を有している。案内針の表面が液状体に対して親液性を有していることによって、案内針が液状体に濡れることで、液状体には、案内針の液状体に濡れている部分から濡れていない部分に濡れ広がる方向の力が作用する。したがって、液状体には、案内針の表面に沿って案内針の軸方向の力が作用する。これにより、吐出される液状体の方向を案内針の方向に誘導することができる。
【0011】
[適用例3]上記適用例にかかる液状体吐出ヘッドにおいて、一個の前記吐出ノズル孔に対して、複数の前記案内針を設けたことが好ましい。
【0012】
この液状体吐出ヘッドによれば、一個の吐出ノズル孔に対して、複数の案内針が配設されている。案内針を複数にすることによって、液状体の流路の断面としての吐出ノズル孔の断面積に占める案内針の断面積を同じままにして、案内針の表面積を大きくすることができる。
【0013】
[適用例4]上記適用例にかかる液状体吐出ヘッドにおいて、前記案内針は、先端が前記ノズル孔形成面から突出していることが好ましい。
【0014】
この液状体吐出ヘッドによれば、案内針は、先端がノズル孔形成面から突出しており、吐出ノズル孔から吐出された直後の液状体の液滴の中に、案内針の突出した部分が存在する状態となる。これにより吐出されて飛行を始める液滴の飛行方向を案内針によって補正することができる。
【0015】
[適用例5]上記適用例にかかる液状体吐出ヘッドにおいて、前記吐出ノズル孔は、その軸方向が前記ノズル孔形成面に略垂直に形成されており、前記案内針の軸方向は、前記吐出ノズル孔の軸方向と略一致していることが好ましい。
【0016】
この液状体吐出ヘッドによれば、案内針の軸方向は、吐出ノズル孔の軸方向と略一致している。吐出ノズル孔から吐出された液状体の飛行方向は、設計上は吐出ノズル孔の軸方向と一致する。案内針の軸方向が吐出ノズル孔の軸方向と略一致していることで、案内針によって液状体の飛行方向を吐出ノズル孔の軸方向に誘導して、液状体の飛行方向が設定された方向からずれることを抑制することができる。
【0017】
[適用例6]上記適用例にかかる液状体吐出ヘッドにおいて、前記吐出ノズル孔は、その軸方向が前記ノズル孔形成面に略垂直に形成されており、前記案内針の軸方向が、前記吐出ノズル孔の軸方向に対して傾いていることが好ましい。
【0018】
この液状体吐出ヘッドによれば、案内針の軸方向は、吐出ノズル孔の軸方向に対して傾いている。吐出ノズル孔から吐出された液状体の飛行方向は、設計上は吐出ノズル孔の軸方向と一致する。案内針の軸方向が吐出ノズル孔の軸方向に対して傾いていることで、案内針によって液状体の飛行方向を吐出ノズル孔の軸方向に対して傾いた方向に誘導して、液状体の飛行方向をノズル孔形成面に略垂直な方向とは異なる方向に誘導することができる。
【0019】
[適用例7]上記適用例にかかる液状体吐出ヘッドにおいて、前記案内針の軸方向は、前記液状体を着弾させる対象物の特性に応じて定められていることが好ましい。
【0020】
この液状体吐出ヘッドによれば、液状体を着弾させる対象物の特性に応じて案内針の軸方向を定めるため、吐出ノズル孔からの液状体の吐出方向を、着弾対象物の特性に応じた適切な方向にすることが可能となり、吐出ノズル孔を効率よく使うことができる。例えば、液状体を着弾させて配置する領域の境界部に対向する吐出ノズル孔からは、一般的には吐出を実施しない。着弾対象物の形状に応じて、着弾させない部分に対向する吐出ノズル孔において、案内針の方向を吐出ノズル孔の軸方向に対して傾けることで、着弾位置を液状体を配置する領域にすることができる。これにより、傾いた案内針が配設されていない場合には休止する吐出ノズル孔も、着弾対象物の形状に応じて、有効に稼動させることができる。
【0021】
[適用例8]上記適用例にかかる液状体吐出ヘッドにおいて、前記案内針の軸方向を変更可能に、前記案内針を支持する針支持手段をさらに備えることが好ましい。
【0022】
この液状体吐出ヘッドによれば、案内針の軸方向を変更可能に案内針を支持する針支持手段を用いて、案内針の軸方向を変更することができる。例えば、着弾対象物の形状に応じて、吐出ノズル孔から液状体を吐出する時点における最も好ましい方向に向けて液状体が吐出される方向に案内針の軸方向を変更することができる。
【0023】
[適用例9]上記適用例にかかる液状体吐出ヘッドにおいて、前記針支持手段を制御して前記案内針の方向を制御する針方向制御手段と、前記吐出ノズル孔から吐出された前記液状体が着弾した着弾位置の情報を取得する着弾位置情報取得手段と、をさらに備え、前記針方向制御手段は、前記着弾位置情報取得手段によって取得された前記着弾位置の情報に応じて前記案内針の方向を制御することが好ましい。
【0024】
この液状体吐出ヘッドによれば、着弾位置情報取得手段が液状体の着弾位置の情報を取得し、針方向制御手段は、取得された着弾位置の情報に応じて案内針の方向を制御する。
例えば、吐出ノズル孔において、吐出されて着弾した液状体の着弾位置が所定の位置からずれていた場合、着弾位置情報取得手段によって液状体の着弾位置がずれている情報が取得される。針方向制御手段は、案内針の方向を、液状体の着弾位置のずれを補正する方向に傾けることで、吐出方向のずれを補正する方向に液状体を誘導して、着弾位置のずれを軽減することができる。
【0025】
[適用例10]本適用例にかかる液状体吐出装置は、上記した液状体吐出ヘッドと、前記液状体吐出ヘッドと液状体を着弾させる基材とを相対移動させる移動装置と、を備えることを特徴とする。
【0026】
本適用例にかかる液状体吐出装置によれば、案内針を有することによって、液状体の吐出方向を適切な方向に誘導することができる液状体吐出ヘッドを備えることで、基材の適切な位置に液状体を着弾させて配置することができる。
【0027】
[適用例11]本適用例にかかる液状体吐出方法は、ノズル孔形成面に開口して形成された吐出ノズル孔から液状体を吐出する液状体吐出方法であって、前記ノズル孔形成面における前記吐出ノズル孔の開口を貫通する位置に配設されている案内針によって、前記吐出ノズル孔から吐出される前記液状体の方向を案内することを特徴とする。
【0028】
本適用例にかかる液状体吐出方法によれば、液状体を吐出する吐出ノズル孔の開口に配設されている案内針によって吐出ノズル孔から吐出される液状体の方向を案内する。
一般的に、液状体が流動する流路に物体が存在すると、液状体が物体に当たることによって抵抗を受けることで運動エネルギーが減じられる。減じられるのは、液状体が当たる物体面に垂直な方向の成分である。吐出ノズル孔の開口から吐出される液状体は、吐出ノズル孔の開口に存在する案内針に当たることによって抵抗を受けることで運動エネルギーが減じられる。このとき減じられるのは、案内針の表面に垂直な方向、すなわち、案内針の軸方向に直角な方向の成分である。このため、吐出される液状体の方向が案内針の軸方向と交差する方向である場合には、液状体の方向は、交差する角度が小さくなる方向に補正される。これにより、吐出ノズル孔の開口に案内針を配設することによって、吐出される液状体の方向を案内針の軸方向に沿う方向に近い方向に補正することができる。
案内針によって吐出ノズル孔から吐出される液状体の方向を案内することで、吐出ノズル孔から吐出される液状体の方向を、吐出ノズル孔の形状によって吐出される液状体の方向を規定する場合にくらべて、より正確に、吐出ノズル孔から吐出される液状体の方向を規定することができる。
【0029】
[適用例12]上記適用例にかかる液状体吐出方法において、前記案内針の表面は、前記液状体に対して親液性を有することが好ましい。
【0030】
この液状体吐出方法によれば、液状体を吐出する吐出ノズル孔の開口に配設されている案内針の表面が液状体に対して親液性を有している。案内針の表面が液状体に対して親液性を有していることによって、案内針が液状体に濡れることで、液状体には、案内針の液状体に濡れている部分から濡れていない部分に濡れ広がる方向の力が作用する。したがって、液状体には、案内針の表面に沿って案内針の軸方向の力が作用する。これにより、吐出される液状体の方向を案内針の方向に誘導することができる。
【0031】
[適用例13]上記適用例にかかる液状体吐出方法において、一個の前記吐出ノズル孔に対して、複数の前記案内針を設けたことが好ましい。
【0032】
この液状体吐出方法によれば、一個の吐出ノズル孔に対して、複数の案内針が配設されている。案内針を複数にすることによって、液状体の流路の断面としての吐出ノズル孔の断面積に占める案内針の断面積を同じままにして、案内針の表面積を大きくすることができる。
【0033】
[適用例14]上記適用例にかかる液状体吐出方法において、前記案内針は、先端が前記ノズル孔形成面から突出していることが好ましい。
【0034】
この液状体吐出方法によれば、案内針は、先端がノズル孔形成面から突出しており、吐出ノズル孔から吐出された直後の液状体の液滴の中に、案内針の突出した部分が存在する状態となる。これにより吐出されて飛行を始める液滴の飛行方向を案内針によって補正することができる。
【0035】
[適用例15]上記適用例にかかる液状体吐出方法において、前記吐出ノズル孔は、その軸方向が前記ノズル孔形成面に略垂直に形成されており、前記案内針の軸方向は、前記吐出ノズル孔の軸方向と略一致していることが好ましい。
【0036】
この液状体吐出方法によれば、案内針の軸方向は、吐出ノズル孔の軸方向と略一致している。吐出ノズル孔から吐出された液状体の飛行方向は、設計上は吐出ノズル孔の軸方向と一致する。案内針の軸方向が吐出ノズル孔の軸方向と略一致していることで、案内針によって液状体の飛行方向を吐出ノズル孔の軸方向に誘導して、液状体の飛行方向が設定された方向からずれることを抑制することができる。
【0037】
[適用例16]上記適用例にかかる液状体吐出方法において、前記吐出ノズル孔は、その軸方向が前記ノズル孔形成面に略垂直に形成されており、前記案内針の軸方向が、前記吐出ノズル孔の軸方向に対して傾いていることが好ましい。
【0038】
この液状体吐出方法によれば、案内針の軸方向は、吐出ノズル孔の軸方向に対して傾いている。吐出ノズル孔から吐出された液状体の飛行方向は、設計上は吐出ノズル孔の軸方向と一致する。案内針の軸方向が吐出ノズル孔の軸方向に対して傾いていることで、案内針によって液状体の飛行方向を吐出ノズル孔の軸方向に対して傾いた方向に誘導して、液状体の飛行方向をノズル孔形成面に略垂直な方向とは異なる方向に誘導することができる。
【0039】
[適用例17]上記適用例にかかる液状体吐出方法において、前記液状体を着弾させる対象物の特性を取得する対象物特性取得工程を有し、前記案内針の軸方向は、前記対象物特性取得工程において取得された前記特性に応じて定められていることが好ましい。
【0040】
この液状体吐出方法によれば、対象物特性取得工程において液状体を着弾させる対象物の特性を取得し、取得した特性に応じて案内針の軸方向を定める。このため、吐出ノズル孔からの液状体の吐出方向を、着弾対象物の特性に応じた適切な方向にすることが可能となり、吐出ノズル孔を効率よく使うことができる。
例えば、液状体を着弾させて配置する領域の境界部に対向する吐出ノズル孔からは、一般的には吐出を実施しない。着弾対象物の形状に応じて、着弾させない部分に対向する吐出ノズル孔において、案内針の方向を吐出ノズル孔の軸方向に対して傾けることで、着弾位置を液状体を配置する領域にすることができる。これにより、傾いた案内針が配設されていない場合には休止する吐出ノズル孔も、着弾対象物の形状に応じて、有効に稼動させることができる。
【0041】
[適用例18]上記適用例にかかる液状体吐出方法において、前記案内針の軸方向を変更して、前記吐出ノズル孔から吐出される前記液状体の吐出方向を調整する方向調整工程をさらに有することが好ましい。
【0042】
この液状体吐出方法によれば、方向調整工程において、案内針の軸方向を変更して吐出ノズル孔から吐出される液状体の吐出方向を調整する。これにより、例えば、着弾対象物の形状に応じて、吐出ノズル孔から液状体を吐出する時点における最も好ましい方向に向けて液状体が吐出される方向に案内針の軸方向を変更することができる。
【0043】
[適用例19]上記適用例にかかる液状体吐出方法において、前記吐出ノズル孔から吐出される前記液状体の着弾位置情報を取得する着弾位置情報取得工程をさらに有し、前記方向調整工程では、前記着弾位置情報に基づいて前記案内針の軸方向の調整を実施することが好ましい。
【0044】
この液状体吐出方法によれば、着弾位置情報取得工程において吐出ノズル孔から吐出されて着弾した液状体の着弾位置情報を取得し、方向調整工程では取得された着弾位置情報に基づいて案内針の軸方向の調整を実施する。例えば、吐出ノズル孔において、吐出されて着弾した液状体の着弾位置が所定の着弾位置からずれていた場合、着弾位置情報取得工程において液状体の着弾位置がずれている情報が取得される。方向調整工程では、案内針の方向を、液状体の着弾位置のずれを補正する方向に傾けることで、着弾位置のずれを補正する方向に液状体を誘導して、着弾位置のずれを軽減することができる。
【0045】
[適用例20]上記適用例にかかる液状体吐出方法において、前記液状体を着弾させる対象物の特性を取得する対象物特性取得工程をさらに有し、前記方向調整工程では、前記対象物特性取得工程において取得された前記特性に応じて前記案内針の軸方向の調整を実施することが好ましい。
【0046】
この液状体吐出方法によれば、対象物特性取得工程において液状体を着弾させる対象物の特性を取得し、方向調整工程では取得された特性に応じて案内針の軸方向の調整を実施する。このため、吐出ノズル孔からの液状体の吐出方向を、着弾対象物の特性に応じた適切な方向にすることが可能となり、吐出ノズル孔を効率よく使うことができる。
例えば、液状体を着弾させて配置する領域の境界部に対向する吐出ノズル孔からは、一般的には吐出を実施しない。着弾対象物の形状に応じて、着弾させない部分に対向する吐出ノズル孔において、案内針の方向を吐出ノズル孔の軸方向に対して傾けることで、着弾位置を液状体を配置する領域にすることができる。これにより、傾いた案内針が配設されていない場合には休止する吐出ノズル孔も、着弾対象物の形状に応じて、有効に稼動させることができる。
【0047】
[適用例21]本適用例にかかる電気光学装置の製造方法は、上記した液状体吐出ヘッド、上記した液状体吐出装置、又は上記した液状体吐出方法を用いて、電気光学装置を構成する機能膜を形成することを特徴とする。
【0048】
本適用例にかかる電気光学装置の製造方法によれば、案内針を有することによって、液状体の吐出方向を適切な方向に誘導することができる液状体吐出ヘッド、案内針を有することによって、液状体の吐出方向を適切な方向に誘導することができる液状体吐出ヘッドを備える液状体吐出装置、又は案内針によって、液状体の吐出方向を適切な方向に誘導することができる液状体吐出方法を用いて機能膜を形成する。このため、機能膜を形成する適切な位置に機能膜を形成するための液状体を着弾させて配置することができる。これにより、正確な形状と厚さを有することで好適な機能を有する機能膜を形成して、好適な機能を有する電気光学装置を製造することができる。
【0049】
[適用例22]本適用例にかかる電子機器は、上記した電気光学装置の製造方法を用いて製造した電気光学装置を備えることを特徴とする。
【0050】
本適用例にかかる電子機器によれば、機能膜を形成する適切な位置に機能膜を形成するための液状体を着弾させて配置することができる液状体吐出ヘッド、液状体吐出装置、又は液状体吐出方法を用いて機能膜を形成した電気光学装置を備えている。当該機能膜は正確な形状と厚さを有することで好適な機能を有するため、当該機能膜を有する電気光学装置は、好適な機能を有する。これにより、電気光学装置を備える電子機器は、好適な機能を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】液滴吐出装置の概略構成を示す外観斜視図。
【図2】(a)は、液滴吐出ヘッドをノズルプレート側から見た外観斜視図。(b)は、液滴吐出ヘッドの圧力室周りの構造を示す斜視断面図。
【図3】(a)は、液滴吐出ヘッドの吐出ノズルの部分の構造を示す、ノズル列の延在方向に略平行な方向における断面図。(b)は、吐出ノズルの部分の構造を示す、ノズル列の延在方向に略垂直な方向における断面図。(c)は、吐出ノズルの部分の平面図。
【図4】(a)は、非吐出時の吐出ノズルにおける機能液の状態を示す説明図。(b)は、吐出ノズルから機能液が真直ぐに吐出される状態を示す説明図。(c)は、吐出ノズルから吐出される機能液に吐出方向が曲げられるような力が作用した場合の状態を示す説明図。(d)は、吐出ノズルから吐出される機能液に作用する力の方向の概要を示す説明図。
【図5】ヘッドユニットの概略構成を示す平面図。
【図6】液滴吐出ヘッドの電気的構成と信号の流れを示す説明図。
【図7】(a)は、吐出ノズルの配置位置を示す説明図。(b)は、液滴をノズル列の延在方向に直線状に着弾させた状態を示す説明図。(c)は、液滴を主走査方向に直線状に着弾させた状態を示す説明図。(d)は、液滴を面状に着弾させた状態を示す説明図。
【図8】液晶表示パネルの概略構成を示す分解斜視図。
【図9】(a)は、対向基板の平面構造を模式的に示す平面図。(b)は、マザー対向基板の平面構造を模式的に示す平面図。
【図10】(a)は、ストライプ配列を示す模式平面図。(b)は、モザイク配列を示す模式平面図。(c)は、デルタ配列を示す模式平面図。
【図11】液滴吐出ヘッドにおける吐出ノズルの部分の構造を示す、ノズル列の延在方向に略垂直な方向における断面図。
【図12】液滴吐出ヘッドにおける吐出ノズルの部分の構造を示す、ノズル列の延在方向に略平行な方向における断面図。
【図13】(a)は、吐出ノズルの配置位置を示す説明図。(b)は、液滴をノズル列の延在方向に直線状に着弾させた状態を示す説明図。(c)は、液滴を面状に着弾させた状態を示す説明図。
【図14】液滴吐出ヘッドにおける吐出ノズルの部分の構造を示す、ノズル列の延在方向に略平行な方向における断面図。
【図15】ノズル形成面に略平行な方向における案内針の形状を吐出ノズルと共に示す説明図。
【図16】(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図。(b)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図。(c)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図。(d)は、情報機器の一例である液晶テレビを示す外観斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、液状体吐出ヘッド、液状体吐出装置、液状体吐出方法、電気光学装置の製造方法、及び電子機器の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。実施形態は、電気光学装置の一例である液晶表示装置を構成する液晶表示パネルのカラーフィルター基板を製造する工程において、カラーフィルター膜などの機能膜を製造する工程において用いられる、ノズル孔を備える液状体吐出ヘッドの一例としてのインクジェット方式の液滴吐出ヘッドを有する液滴吐出装置を例に説明する。なお、以下の説明において参照する図面では、図示の便宜上、部材又は部分の縦横の縮尺を実際のものとは異なるように表す場合がある。
【0053】
<液滴吐出法>
最初に、フィルター膜などの機能膜の形成に用いられる液滴吐出法について説明する。液滴吐出法は、材料の使用に無駄が少なく、しかも所望の位置に所望の量の材料を精度よく配置できるという利点を有する。液滴吐出法の吐出技術としては、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換方式、電気熱変換方式、静電吸引方式などが挙げられる。
このうち、電気機械変換方式は、ピエゾ素子(圧電素子)がパルス的な電気信号を受けて変形する性質を利用したもので、ピエゾ素子が変形することによって材料を含む液状体を貯留した空間に可撓性を有する材料で形成された部材を介して圧力を与え、この空間から液状体を押し出して吐出ノズル(吐出ノズル孔)から吐出させるものである。ピエゾ方式は、液状体に熱を加えることがほとんどないため、熱による材料の組成などへの影響がほとんどないという利点を有する。また、駆動電圧などの駆動条件を調整することによって液滴の大きさを容易に調整することができるため、正確な吐出量を実現できるという利点も有する。本実施形態では、材料の組成などに影響を与えないため液状材料選択の自由度が高いこと、及び液滴の大きさを容易に調整することができるため液滴の制御性がよいことから、上記ピエゾ方式を用いる液滴吐出ヘッドを例にして説明する。
【0054】
<液滴吐出装置>
次に、液滴吐出ヘッド17を備える液滴吐出装置1の全体構成について、図1を参照して説明する。図1は液滴吐出装置の概略構成を示す外観斜視図である。
【0055】
図1に示すように、液滴吐出装置1は、ヘッド機構部2と、ワーク機構部3と、機能液供給部4と、メンテナンス装置部5とを備えている。ヘッド機構部2は、液状体としての機能液を液滴として吐出する液滴吐出ヘッド17を有している。ワーク機構部3は、液滴吐出ヘッド17から吐出された液滴の吐出対象であるワーク20を載置するワーク載置台23を有している。機能液供給部4は、中継タンクと、給液チューブとを有し、当該給液チューブが、液滴吐出ヘッド17に接続されており、給液チューブを介して機能液が液滴吐出ヘッド17に供給される。メンテナンス装置部5は、液滴吐出ヘッド17の検査又は保守を実施する各装置を備えている。液滴吐出装置1は、また、これら各機構部などを総括的に制御する吐出装置制御部6を備えている。
【0056】
さらに、液滴吐出装置1は、床上に設置された複数の支持脚8と、支持脚8によって支持されており、扁平な略直方体形状を有する定盤9とを備えている。定盤9の上側には、ワーク機構部3が定盤9の長手方向(この方向を、「X軸方向」と表記する。)に延在する状態で配設されている。ワーク機構部3の上方には、定盤9に固定された2本の支持柱で支持されているヘッド機構部2が、定盤9の上面に並行であってワーク機構部3と直交する方向((この方向を、「Y軸方向」と表記する。)に延在する状態で配設されている。また、定盤9の傍らには、ヘッド機構部2の液滴吐出ヘッド17に連通する供給管を有する機能液供給部4の機能液タンクなどが配置されている。ヘッド機構部2の一方の支持柱の近傍には、メンテナンス装置部5がワーク機構部3と並んでX軸方向に配設されている。さらに、定盤9の下側に、吐出装置制御部6が収容されている。
【0057】
ヘッド機構部2は、液滴吐出ヘッド17を有するヘッドユニット21と、ヘッドユニット21を有するヘッドキャリッジ25と、ヘッドキャリッジ25が吊設された移動枠22とを備えている。移動枠22を、Y軸テーブル12によってY軸方向に移動させることで、液滴吐出ヘッド17をY軸方向に自在に移動させる。また、移動した位置に保持する。ワーク機構部3は、ワーク載置台23を、X軸テーブル11によって、X軸方向に移動させることで、ワーク載置台23に載置されたワーク20をX軸方向に自在に移動させる。また、移動した位置に保持する。
【0058】
このように、液滴吐出ヘッド17は、Y軸方向の吐出位置まで移動して停止し、下方にあるワーク20のX軸方向の移動に同調して、機能液を液滴として吐出する。X軸方向に移動するワーク20と、Y軸方向に移動する液滴吐出ヘッド17とを相対的に制御することにより、ワーク20上の任意の位置に液滴を着弾させることで、所望する平面形状の描画を実施することが可能である。
【0059】
<液滴吐出ヘッド>
次に、図2及び図3を参照して、液滴吐出ヘッド17について説明する。図2は、液滴吐出ヘッドの構成を示す図である。図2(a)は、液滴吐出ヘッドをノズルプレート側から見た外観斜視図であり、図2(b)は、液滴吐出ヘッドの圧力室周りの構造を示す斜視断面図である。図3は、液滴吐出ヘッドの吐出ノズル部の構造を示す図である。図3(a)は、液滴吐出ヘッドの吐出ノズルの部分の構造を示す、ノズル列の延在方向に略平行な方向における断面図であり、図3(b)は、吐出ノズルの部分の構造を示す、ノズル列の延在方向に略垂直な方向における断面図であり、図3(c)は、吐出ノズルの部分の平面図である。
【0060】
図2(a)に示したように、液滴吐出ヘッド17は、いわゆる2連のものであり、2連の接続針72,72を有する液体導入部71と、液体導入部71の側方に連なるヘッド基板73と、液体導入部71に連なるポンプ部75と、ポンプ部75に連なるノズルプレート76と、を備えている。液体導入部71のそれぞれの接続針72には、それぞれ配管接続部材が接続されて、当該配管接続部材を介して給液チューブが接続され、給液チューブに接続された機能液供給部4から機能液が供給される。ヘッド基板73には、一対のヘッドコネクター77,77が実装されており、当該ヘッドコネクター77を介してフレキシブルフラットケーブル(FFCケーブル)が接続される。液滴吐出ヘッド17は、FFCケーブルを介して吐出装置制御部6と接続されており、FFCケーブルを介して信号の授受が行われる。ポンプ部75とノズルプレート76とにより、略方形状のヘッド本体74が構成されている。
【0061】
ポンプ部75の基部側、すなわちヘッド本体74の基部側は、液体導入部71及びヘッド基板73を受けるべく方形フランジ状にフランジ部79が形成されている。このフランジ部79には、液滴吐出ヘッド17を固定する小ねじ用のねじ孔(雌ねじ)79aが一対形成されている。液滴吐出ヘッド17は、液滴吐出ヘッド17を保持するためのヘッド保持部材を貫通してねじ孔79aに螺合したヘッド止めねじにより、ヘッド保持部材に固定される。
【0062】
ノズルプレート76のノズル形成面76aには、ノズルプレート76に形成されており液滴を吐出する吐出ノズル78から成るノズル列78Aが、2本形成されている。2本のノズル列78Aは相互に平行に列設されており、各ノズル列78Aは、等ピッチで並べた例えば180個(図示では模式的に表している)の吐出ノズル78で構成されている。すなわち、ヘッド本体74のノズル形成面76aには、その中心線を挟んで2本のノズル列78Aが配設されている。吐出ノズル78が吐出ノズル孔に相当し、ノズル形成面76aが、ノズル孔形成面に相当する。
【0063】
液滴吐出ヘッド17が液滴吐出装置1に取り付けられた状態では、ノズル列78Aは、図1に示したY軸方向に延在する。2列のノズル列78Aをそれぞれ構成する吐出ノズル78同士は、Y軸方向において、相互に半ノズルピッチずつ位置がずれている。1ノズルピッチは、例えば140μmである。X軸方向の同じ位置において、それぞれのノズル列78Aを構成する吐出ノズル78から吐出された液滴は、設計上では、Y軸方向に等間隔に並んで一直線上に着弾する。ノズル列78Aにおける吐出ノズル78のノズルピッチが140μmの場合、当該一直線状に連なる着弾位置の中心間距離は、設計上では、70μmである。
【0064】
図2(b)に示すように、液滴吐出ヘッド17は、ノズルプレート76にポンプ部75を構成する圧力室プレート51が積層されており、圧力室プレート51に振動板52が積層されている。
圧力室プレート51には、液体導入部71から振動板52の液供給孔53を経由して供給される機能液が常に充填される液溜室55が形成されている。液溜室55は、振動板52と、ノズルプレート76と、圧力室プレート51の壁とに囲まれた空間である。また、圧力室プレート51には、複数のヘッド隔壁57によって区切られた圧力室58が形成されている。振動板52と、ノズルプレート76と、2個のヘッド隔壁57とによって囲まれた空間が圧力室58である。
【0065】
圧力室58は吐出ノズル78のそれぞれに対応して設けられており、圧力室58の数と吐出ノズル78の数とは同じである。圧力室58には、2個のヘッド隔壁57の間に位置する供給口56を介して、液溜室55から機能液が供給される。ヘッド隔壁57と圧力室58と吐出ノズル78と供給口56との組は、液溜室55に沿って1列に並んでおり、1列に並んだ吐出ノズル78がノズル列78Aを形成している。図2(b)では図示省略したが、図示した吐出ノズル78を含むノズル列78Aに対して液溜室55に関して略対称位置に、1列に並んで配設された吐出ノズル78がもう一列のノズル列78Aを形成しており、対応するヘッド隔壁57と圧力室58と供給口56との組が、1列に並んでいる。
【0066】
振動板52の圧力室58を構成する部分には、それぞれ圧電素子59の一端が固定されている。圧電素子59の他端は、固定板(図示省略)を介して液滴吐出ヘッド17全体を支持する基台(図示省略)に固定されている。
圧電素子59は電極層と圧電材料とを積層した活性部を有し、電極層に駆動電圧を印加することで、活性部が長手方向(図2(b)においては振動板52の厚さ方向)に縮む。活性部が縮むことで、圧電素子59の一端が固定された振動板52が圧力室58と反対側に引張られる力を受ける。振動板52が圧力室58と反対側に引張られることで、振動板52が圧力室58の反対側に撓む。これにより、圧力室58の容積が増加することから、機能液が液溜室55から供給口56を経て圧力室58に供給される。次に、電極層に印加されていた駆動電圧が解除されると、活性部が元の長さに戻ることで、圧電素子59が振動板52を押圧する。振動板52が押圧されることで、圧力室58側に戻る。これにより、圧力室58の容積が急激に元に戻る、すなわち増加していた容積が減少することから、圧力室58内に充填されていた機能液に圧力が加わり、当該圧力室58に連通して形成された吐出ノズル78から機能液が液滴となって吐出される。
【0067】
吐出装置制御部6は、圧電素子59への印加電圧の制御、すなわち駆動信号を制御することにより、複数の吐出ノズル78のそれぞれに対して、機能液の吐出制御を行う。より詳細には、吐出ノズル78から吐出される液滴の体積や、単位時間あたりに吐出する液滴の数などを変化させることができる。これにより、基板上に着弾した液滴同士の距離や、基板上の一定の面積に着弾させる機能液の量などを変化させることができる。例えば、ノズル列78Aに並ぶ複数の吐出ノズル78の中から、液滴を吐出させる吐出ノズル78を選択的に使用することにより、ノズル列78Aの延在方向では、ノズル列78Aの長さの範囲であって吐出ノズル78のピッチ間隔で、複数の液滴を同時に吐出することができる。ノズル列78Aの延在方向と略直交する方向では、基板と吐出ノズル78とを相対移動させて、当該相対移動方向において、当該吐出ノズル78が対向可能な、基板の任意の位置に吐出ノズル78から吐出される液滴を配置することができる。なお、吐出ノズル78のそれぞれから吐出される液滴の体積は、例えば、1plから300pl(ピコリットル)の間で可変である。
【0068】
図3に示したように、吐出ノズル78は、ノズルプレート76に形成された略円柱形状の空間を有する孔であって、孔の圧力室58に開口する開口の縁が面取りされている。吐出ノズル78の壁面は、機能液の液面がノズル形成面76aの縁まで容易に達するようにするために、機能液に対して親液性を有するように処理されている。ノズル形成面76aは、機能液が付着することを抑制するために、機能液に対して撥液性を有するように処理されている。
圧力室58において、振動板52における吐出ノズル78と対向する位置には、針支持部32が振動板52に固定されて、配設されている。針支持部32には案内針31が立設されている。案内針31は、略円柱形状の吐出ノズル78の軸の位置を貫通して、ノズルプレート76のノズル形成面76aから突出している。案内針31の表面は、機能液に対して親液性を有するように処理されている。
【0069】
図2(b)、図3(a)、及び図3(b)に示すように、振動板52における針支持部32が固定された面の反対面には、振動板押え部材33が固定されている。振動板押え部材33は、略直方体形状を有し、ノズル列78Aに略並行に延在する状態で配設されている。振動板52における振動板押え部材33が固定されている部分は、剛性が高い振動板押え部材33に固定されているため、圧電素子59が駆動されて振動板52を押圧することで振動板52が変形する際にも、ほとんど変形することはない。したがって、振動板52における振動板押え部材33が固定されている部分の圧力室58側に固定された針支持部32は、圧電素子59が駆動されてもほとんど動くことなく案内針31を支持している。これにより、案内針31と吐出ノズル78との相対位置は、圧電素子59が駆動されて液滴が吐出される際も、図3に示した案内針31が吐出ノズル78の軸の位置を貫通する位置関係が維持される。
【0070】
<吐出ノズルからの吐出>
次に、吐出ノズル78から吐出される機能液80の液滴の挙動について、図4を参照して説明する。図4は、吐出ノズルから吐出される機能液の液滴の挙動を示す説明図である。図4(a)は、非吐出時の吐出ノズルにおける機能液の状態を示す説明図であり、図4(b)は、吐出ノズルから機能液が真直ぐに吐出される状態を示す説明図である。図4(c)は、吐出ノズルから吐出される機能液に吐出方向が曲げられるような力が作用した場合の状態を示す説明図であり、図4(d)は、吐出ノズルから吐出される機能液に作用する力の方向の概要を示す説明図である。
【0071】
液滴吐出装置1において、液滴吐出ヘッド17の吐出ノズル78における機能液80の液面の位置は、機能液供給部4からの機能液80の供給圧力を適切に調整することによって、適切な位置に調整されている。例えば、図4(a)に示したように、機能液80の液面の位置は、概ね吐出ノズル78の開口位置に調整されている。液面がこの位置にあることで、液滴吐出ヘッド17が稼働していないときに機能液80が吐出ノズル78から流出することを実質的になくすることができる。それと共に、液滴吐出ヘッド17が稼働したときに加えて圧力が機能液80を液滴吐出ヘッド17内で移動させることに使われるのを抑制することができる。
【0072】
吐出ノズル78における機能液80の液面の形状は、吐出ノズル78の壁面が機能液80に対して親液性を有するため、中央側に対して壁面に濡れている部分が大気側にあるメニスカス形状となる。液滴吐出ヘッド17は液滴吐出装置1に、ノズル形成面76aを鉛直方向の下向きにして取り付けられているため、吐出ノズル78における機能液80の液面のメニスカスは、周囲が下側となる。さらに、吐出ノズル78の中央に配設された案内針31の表面が機能液80に対して親液性を有するため、案内針31の表面に接している部分が案内針31の表面に濡れ広がる力によって、案内針31の表面に沿って下側に向かう力を受けている。このため、機能液80の案内針31の表面に接している部分は、機能液供給部4からの機能液80の供給圧力によって定まる周囲の液面高さに対して低い位置に位置している。機能液80が案内針31の表面に濡れ広がる力を親液力と表記する。案内針31による親液力の方向は、矢印aで示したような、吐出ノズル78の軸方向に平行な方向である。
【0073】
次に、機能液80が所定の適正な方向に向けて吐出される場合における機能液80の液滴の状態について説明する。上述したように圧電素子59が駆動されて圧力室58内の圧力が高くなると、図4(b)に示したように、機能液80が押し出される。押し出される液滴80aに加えられる押し出し力の方向は、図4(b)に矢印Aで示した円柱形状の孔である吐出ノズル78の軸方向であって、液滴80aは、吐出ノズル78の軸方向に吐出される。
【0074】
このとき、案内針31が存在することによって生ずる親液力の方向は、押し出し力の方向と略同一であって、液滴80aの吐出方向は、親液力による影響を受けることは実質的にほとんどない。このため、親液力の存在に関らず、吐出圧力による吐出方向が維持される。
案内針31が液滴80aの移動経路に存在することによって、液滴80aが案内針31に当たる場合には、液滴80aは抗力を受ける。しかし、吐出される液滴80aの移動方向は吐出ノズル78の軸方向であって、案内針31の面に沿っており、案内針31の軸に平行な方向であるため、液滴80aが案内針31に当たる状態ではない。このため、液滴80aが適正な方向に吐出される場合には、液滴80aの吐出方向は、案内針31が存在しても実質的に影響を受けることなく、吐出圧力による吐出方向が維持される。
【0075】
次に、機能液80が吐出される方向が所定の適正な方向からずれた方向であった場合における機能液80の液滴の状態について説明する。図4(c)に示したように、吐出ノズル78の壁面に付着物82のような異物が付着した場合には、付着物82が存在することによる抗力などの影響によって、液滴が吐出される方向がずれる場合がある。例えば、図4(c)に二点鎖線で示した液滴80dは、吐出される方向が、矢印aで示した方向と同一である設定された適正な方向とは異なる、矢印dの方向である。
【0076】
液滴80dが、吐出ノズル78の軸方向とは異なる矢印dの方向に向けて吐出されようとした場合、案内針31が存在することによって生ずる親液力の方向は、上述したように吐出ノズル78の軸方向(矢印aの方向)であって、液滴80dが吐出されようとする方向とは異なっている。液滴80dには、力の方向が矢印dの方向である吐出圧力による押し出し力と、力の方向が矢印aの方向である親液力による力との合力が作用する。当該合力の方向は、押し出し力の方向(矢印dの方向)より、親液力による力の方向(矢印aの方向)側に寄った方向となる。このため、親液力によって、液滴80dが吐出される方向は所定の方向(矢印Aの方向)に近づく側に補正される。
【0077】
液滴80dが、吐出ノズル78の軸方向とは異なる矢印dの方向に向けて吐出されようとした場合、案内針31が存在することによって、液滴80dは案内針31に当たる。液滴80dは、案内針31に当たることで抗力を受ける。当該抗力における案内針31の軸方向に平行な方向の分力は、液滴80dと案内針31の面とが互いに擦れることによる力である。この分力により液滴80dの吐出速度が減じられる。当該抗力における案内針31の軸方向に垂直な方向(図4(c)の矢印cの方向)の分力は、液滴80dが案内針31の面に衝突することによる反力である。この分力により液滴80dが吐出される方向が補正される。液滴80dが吐出される方向が補正された液滴80d1が吐出される方向は、所定の方向(矢印Aの方向)により近づく側に補正されている。
【0078】
図4(d)に示したように、液滴80d1に加えられている力Fd1は、上記した力の合力として求められ、液滴80d1は、力Fd1の力の方向に吐出される。
圧力室58内の圧力による押し出し力が付着物82の影響を受けた力Fdは、矢印dの方向に液滴80dを吐出させるように作用する。案内針31が液滴80dを形成している機能液80に濡れることによる親液力Faは、案内針31の軸方向に平行な矢印aの方向の力である。液滴80dが案内針31に当たることによる抗力の、案内針31の軸方向に垂直な方向(矢印cの方向)の分力Fcは、案内針31の軸方向に垂直な方向であって、力Fdの方向を案内針31の軸方向(矢印Aの方向)に近づける方向の力である。液滴80dが案内針31に当たることによる抗力の、案内針31の軸方向に平行な方向(矢印Aの方向)の分力が分力FAである。
なお、力Fd、親液力Fa、分力Fc、及び分力FAの大きさは、最初の押し出し力の方向や、案内針31の形状などによって異なり、それぞれの力の大きさによって力Fd1の方向や大きさも異なる方向や大きさとなる。
【0079】
<ヘッドユニット>
次に、ヘッド機構部2が備えるヘッドユニット21の概略構成について、図5を参照して説明する。図5は、ヘッドユニットの概略構成を示す平面図である。図5に示したX軸及びY軸は、ヘッドユニット21が液滴吐出装置1に取り付けられた状態において、図1に示したX軸及びY軸と一致している。
【0080】
図5に示したように、ヘッドユニット21は、キャリッジプレート61と、キャリッジプレート61に搭載された9個の液滴吐出ヘッド17と、を有している。液滴吐出ヘッド17は、図示省略したヘッド保持部材を介してキャリッジプレート61に固定されている。固定された液滴吐出ヘッド17は、ヘッド本体74がキャリッジプレート61に形成された孔(図示省略)に遊嵌して、ノズルプレート76(ヘッド本体74)が、キャリッジプレート61の面より突出している。図5は、ノズルプレート76(ノズル形成面76a)側から見た図である。9個の液滴吐出ヘッド17は、Y軸方向に分かれて、それぞれ3個ずつの液滴吐出ヘッド17を有するヘッド組62を3群、形成している。それぞれの液滴吐出ヘッド17のノズル列78Aは、ヘッドユニット21が液滴吐出装置1に取り付けられた状態において、Y軸方向に延在している。
【0081】
一つのヘッド組62が有する3個の液滴吐出ヘッド17は、Y軸方向において、互いに隣り合う液滴吐出ヘッド17の、一方の液滴吐出ヘッド17の端の吐出ノズル78に対して、もう一方の液滴吐出ヘッド17の端の吐出ノズル78が半ノズルピッチずれて位置する位置に、配設されている。ヘッド組62が有する3個の液滴吐出ヘッド17において、全ての吐出ノズル78のX軸方向の位置を同じにすると、吐出ノズル78は、Y軸方向に半ノズルピッチの等間隔で並ぶ。すなわち、X軸方向の同じ位置において、それぞれの液滴吐出ヘッド17が有するそれぞれのノズル列78Aを構成する吐出ノズル78から吐出された液滴は、設計上では、Y軸方向に等間隔に並んで一直線上に着弾する。
液滴吐出ヘッド17は、Y軸方向において互いに重なるため、X軸方向に階段状に並んでヘッド組62を構成している。
【0082】
ヘッドユニット21が有する3つのヘッド組62は、それぞれが有する1本のヘッド組ノズル列が、Y軸方向において、ノズル列78Aの半ノズルピッチずれて位置する位置に、配設されている。言い換えると、それぞれのヘッドユニット21は、互いに隣り合うヘッド組62を構成する液滴吐出ヘッド17の、一方のヘッド組62における液滴吐出ヘッド17の端の吐出ノズル78に対して、もう一方のヘッド組62における液滴吐出ヘッド17の端の吐出ノズル78が、Y軸方向において、半ノズルピッチずれた位置に、配設されている。
【0083】
<機能液の吐出>
次に、液滴吐出装置1における吐出制御方法について、図6を参照して説明する。図6は、液滴吐出ヘッドの電気的構成と信号の流れを示す説明図である。
【0084】
上述したように、液滴吐出装置1は、液滴吐出装置1の各部の動作を制御する吐出装置制御部6を備えている。吐出装置制御部6は、液滴吐出装置1の各部の動作を制御する制御信号を出力するCPU44と、液滴吐出ヘッド17の電気的な駆動制御を行うヘッドドライバー17dとを備えている。
図6に示すように、ヘッドドライバー17dは、FFCケーブルを介して各液滴吐出ヘッド17と電気的に接続されている。また、液滴吐出ヘッド17は、吐出ノズル78(図2参照)ごとに設けられた圧電素子59に対応して、シフトレジスター(SL)85と、ラッチ回路(LAT)86と、レベルシフター(LS)87と、スイッチ(SW)88とを備えている。
【0085】
液滴吐出装置1における吐出制御は次のように行われる。最初に、CPU44がワーク20などの描画対象物における機能液の配置パターンをデータ化したドットパターンデータをヘッドドライバー17dに伝送する。そして、ヘッドドライバー17dは、ドットパターンデータをデコードして吐出ノズル78ごとのON/OFF(吐出/非吐出)情報であるノズルデータを生成する。ノズルデータは、シリアル信号(SI)化されて、クロック信号(CK)に同期して各シフトレジスター85に伝送される。
【0086】
シフトレジスター85に伝送されたノズルデータは、ラッチ信号(LAT)がラッチ回路86に入力されるタイミングでラッチされ、さらにレベルシフター87でスイッチ88用のゲート信号に変換される。即ち、ノズルデータが「ON」の場合にはスイッチ88が開いて圧電素子59に駆動信号(COM)が供給され、ノズルデータが「OFF」の場合にはスイッチ88が閉じられて圧電素子59に駆動信号(COM)は供給されない。そして、「ON」に対応する吐出ノズル78からは機能液が液滴となって吐出され、吐出された機能液の液滴がワーク20などの描画対象物の上に着弾して、描画対象物の上に機能液が配置される。
ラッチ信号(LAT)がラッチ回路86に入力されるタイミングは、例えば液滴吐出ヘッド17におけるノズル列78Aごとに共通であり、それぞれのノズル列78Aを構成する吐出ノズル78からは、略同時に機能液の液滴が吐出される。
【0087】
<着弾位置>
次に、吐出ノズル78と、それぞれの吐出ノズル78から吐出された液滴の着弾位置と、の関係について、図7を参照して説明する。図7は、吐出ノズルと、それぞれの吐出ノズルから吐出された液滴の着弾位置と、の関係を示す説明図である。図7(a)は、吐出ノズルの配置位置を示す説明図であり、図7(b)は、液滴をノズル列の延在方向に直線状に着弾させた状態を示す説明図であり、図7(c)は、液滴を主走査方向に直線状に着弾させた状態を示す説明図であり、図7(d)は、液滴を面状に着弾させた状態を示す説明図である。図7に示したX軸及びY軸は、ヘッドユニット21が液滴吐出装置1に取り付けられた状態において、図1に示したX軸及びY軸と一致している。X軸方向が主走査方向であって、図7に示した矢印vの方向に、ワーク20に対して吐出ノズル78を相対移動させながら、任意の位置において液状体の液滴を吐出することによって、X軸方向の任意の位置に液滴を着弾させることができる。
【0088】
図7(a)に示すように、ノズル列78Aを構成する吐出ノズル78は、Y軸方向にノズルピッチPの中心間距離で配設されている。上述したように、液滴吐出ヘッド17における2列のノズル列78Aをそれぞれ構成する吐出ノズル78同士は、Y軸方向において、相互に、ノズルピッチPの1/2ずつ位置がずれている。
図7(b)に示すように、着弾位置を示す着弾点81と、着弾した液滴の濡れ広がり状態を示す着弾円81Aとで、着弾した1滴の液滴の状態を示している。2列のノズル列78Aの全部の吐出ノズル78から、図7(b)に一点鎖線で示した仮想線L上に着弾させるタイミングで、それぞれ液滴を吐出させることによって、ノズルピッチPの1/2の中心間間隔で着弾円81Aが連なる直線が形成される。
【0089】
図7(c)に示すように、一つの吐出ノズル78から連続して液滴を吐出させることによって、X軸方向に着弾円81Aが連なる直線が形成される。X軸方向における着弾点81間の中心間距離の最小値を、最小着弾距離dと表記する。最小着弾距離dは、主走査方向の相対移動速度(移動距離/移動時間)と、吐出ノズル78の最小吐出間隔(時間)との積である。
吐出ノズル78の最小吐出間隔は、上述したラッチ信号(LAT)がラッチ回路86に入力される間隔である。
図7(d)に示すように、一点鎖線で示した仮想線L1,L2,L3上に着弾させるタイミングで、それぞれ液滴を吐出させることによって、ノズルピッチPの1/2の中心間間隔で着弾円81Aが連なる直線がX軸方向に並列した着弾面が形成される。図7(d)に示した仮想線L1,L2,L3間の距離が最小着弾距離dの場合のそれぞれの着弾点81が、液滴吐出装置1によって機能液の液滴を配置可能な位置である。
【0090】
液滴を配置することによって画像を描画したり、所定の区画に液状体を充填したりするためには、当該画像の描画や区画への充填に適する着弾点81を液滴を配置する着弾点81として選択する。図7(d)に示したそれぞれの着弾点81の位置について、液滴を配置するか否かを定めることによって、機能液を配置する位置を規定する配置表が形成される。当該配置表に従って、対応する吐出ノズル78が対応する時点で吐出を実施することで、所望の画像の描画や所望の区画への充填が行われる。
【0091】
<液晶表示パネルの構成>
次に、液滴吐出装置1を用いて機能膜を形成する対象物の一例としての液晶表示パネルについて説明する。液晶表示パネル200(図8参照)は、液晶装置の一例であり、カラーフィルターの一例である液晶表示パネル用のカラーフィルターを備える液晶表示パネルである。
最初に、液晶表示パネル200の構成について、図8を参照して説明する。図8は、液晶表示パネルの概略構成を示す分解斜視図である。図8に示した液晶表示パネル200は、駆動素子として薄膜トランジスター(TFT(Thin Film Transistor)素子)を用いるアクティブマトリックス方式の液晶装置であり、図示省略したバックライトを用いる透過型の液晶装置である。
【0092】
図8に示すように、液晶表示パネル200は、TFT素子215を有する素子基板210と、対向電極207を有する対向基板220と、シール材(図示省略)によって接着された素子基板210と対向基板220との隙間に充填された液晶(図示省略)と、を備えている。貼り合わされた素子基板210と、対向基板220とには、互いに貼り合わされた面の反対側の面に、それぞれ偏光板231又は偏光板232が、配設されている。
【0093】
素子基板210は、ガラス基板211の対向基板220と対向する面に、TFT素子215や、導電性を有する画素電極217や走査線212や信号線214が、形成されている。これらの素子や導電性を有する膜の間を埋めるように、絶縁層216が形成されており、走査線212及び信号線214は、絶縁層216の部分を挟んで互いに交差する状態で形成されている。走査線212と信号線214とは、絶縁層216の部分を間に挟むことで互いに絶縁されている。これらの走査線212と信号線214とに囲まれた領域内には画素電極217が形成されている。画素電極217は方形状の一部の角部分が方形状に欠けた形状をしている。画素電極217の切欠部と走査線212と信号線214とに囲まれた部分には、ソース電極、ドレイン電極、半導体部、及びゲート電極を具備するTFT素子215が組み込まれて構成されている。走査線212と信号線214とに信号を印加することによってTFT素子215をオン・オフして画素電極217への通電制御を実施する。
【0094】
素子基板210の液晶と接する面には、上記した走査線212や信号線214や画素電極217が形成された領域全体を覆う配向膜218が設けられている。
【0095】
対向基板220は、ガラス基板201の素子基板210と対向する面に、カラーフィルター(以降、「CF」と表記する。)層208が形成されている。CF層208は、隔壁204と、赤色フィルター膜205Rと、緑色フィルター膜205Gと、青色フィルター膜205Bとを有している。ガラス基板201の上に、格子状に隔壁204を構成するブラックマトリックス202が形成されており、ブラックマトリックス202の上にバンク203が形成されている。ブラックマトリックス202とバンク203とで構成された隔壁204によって、方形のフィルター膜領域225が形成されている。フィルター膜領域225には、赤色フィルター膜205R、緑色フィルター膜205G、又は青色フィルター膜205Bが形成されている。赤色フィルター膜205R、緑色フィルター膜205G、及び青色フィルター膜205Bは、それぞれ上述した画素電極217のそれぞれと対向する位置及び形状に形成されている。
【0096】
CF層208の上(素子基板210側)には、平坦化膜206が設けられている。平坦化膜206の上には、ITOなどの透明な導電性材料で形成された対向電極207が設けられている。平坦化膜206を設けることによって、対向電極207を形成する面を略平坦な面にしている。対向電極207は、上述した画素電極217が形成された領域全体を覆う大きさの連続した膜である。対向電極207は、図示省略した導通部を介して、素子基板210に形成された配線に接続されている。
【0097】
対向基板220の液晶と接する面には、少なくとも画素電極217の全面を覆う配向膜228が設けられている。液晶は、素子基板210と対向基板220とが貼り合わされた状態において、対向基板220の配向膜228と、素子基板210の配向膜218と、対向基板220と素子基板210とを貼り合わせるシール材とに囲まれた空間に充填されている。
【0098】
なお、液晶表示パネル200は、透過型の構成としたが、反射層あるいは半透過反射層を設けて、反射型の液晶装置あるいは半透過反射型の液晶装置とすることもできる。
【0099】
<マザー対向基板>
次に、マザー対向基板201Aについて、図9を参照して説明する。対向基板220は、分割されることによってガラス基板201となるマザー対向基板201Aの上に上述したCF層208などを形成した後、マザー対向基板201Aを個別の対向基板220(ガラス基板201)に分割して形成される。図9(a)は、対向基板の平面構造を模式的に示す平面であり、図9(b)は、マザー対向基板の平面構造を模式的に示す平面図である。なお、本実施形態においては、マザー対向基板201Aの上にCF層208などを形成したものや、CF層208などを形成する途中の状態のものも、マザー対向基板201Aと表記する。
【0100】
対向基板220は、厚みおよそ1.0mmの透明な石英ガラスからなるガラス基板201を用いて形成されている。図9(a)に示すように、対向基板220は、ガラス基板201の周囲の僅かな額縁領域を除く部分に、CF層208が形成されている。CF層208は、方形状のガラス基板201の表面に複数のフィルター膜領域225をドットパターン状、本実施形態ではドット・マトリクス状に形成し、当該フィルター膜領域225にフィルター膜205を形成することによって形成されている。ガラス基板201のCF層208が形成される領域にかからない位置には、図示省略したアライメントマークが形成されている。アライメントマークは、CF層208などを形成する諸工程を実行するためにガラス基板201を、液滴吐出装置1などの製造装置に取り付ける際などに位置決め用の基準マークとして用いられる。
【0101】
図9(b)に示すように、マザー対向基板201Aには、対向基板220のCF層208が、分割されてガラス基板201となる部分のそれぞれに形成されている。
【0102】
<カラーフィルター膜の配列>
次に、対向基板220などに形成されているCF層208などにおけるフィルター膜205(赤色フィルター膜205R、緑色フィルター膜205G、及び青色フィルター膜205B)などの配列について、図10を参照して説明する。図10は、3色カラーフィルターのフィルター膜の配列例を示す模式平面図である。
【0103】
図10に示すように、フィルター膜205は、透光性のない樹脂材料によって格子状のパターンに形成された隔壁204によって区画されてドット・マトリクス状に並んだ複数の例えば方形状のフィルター膜領域225を色材で埋めることによって形成される。例えば、フィルター膜205を構成する色材を含む機能液をフィルター膜領域225に充填し、当該機能液の溶媒を蒸発させて機能液を乾燥させることで、フィルター膜領域225を埋める膜状のフィルター膜205を形成する。フィルター膜205が、機能膜に相当する。フィルター膜205を構成する色材を含む機能液が、液状体に相当する。
【0104】
3色カラーフィルターにおける赤色フィルター膜205R、緑色フィルター膜205G、及び青色フィルター膜205Bなどの配列としては、例えば、ストライプ配列、モザイク配列、デルタ配列などが知られている。図10(a)は、ストライプ配列を示す模式平面図であり、図10(b)は、モザイク配列を示す模式平面図であり、図10(c)は、デルタ配列を示す模式平面図である。
【0105】
ストライプ配列は、図10(a)に示したように、マトリクスの縦列が全て同色の赤色フィルター膜205R、緑色フィルター膜205G、又は青色フィルター膜205Bになる配列である。
モザイク配列は、図10(b)に示したように、横方向の各行ごとにフィルター膜205を一つ分だけ色をずらした配列で、3色フィルターの場合、縦横の直線上に並んだ任意の3つのフィルター膜205が3色となる配列である。
デルタ配列は、図10(c)に示したように、フィルター膜205の配置を段違いにし、3色フィルターの場合、任意の隣接する3つのフィルター膜205が異なる色となる配列である。
【0106】
図10(a)、(b)、又は(c)に示した3色フィルターにおいて、フィルター膜205は、それぞれが、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)のうちのいずれか1色の色材によって形成されている。隣り合って形成された赤色フィルター膜205R、緑色フィルター膜205G、及び青色フィルター膜205Bを各1個ずつ含むフィルター膜205の組で、画像を構成する最小単位である絵素のフィルター(以降、「絵素フィルター254」と表記する。)を形成している。一つの絵素フィルター254内の赤色フィルター膜205R、緑色フィルター膜205G、及び青色フィルター膜205Bのいずれか一つ又はそれらの組合せに光を選択的に通過させることにより、さらに、通過させる光の光量を調整することによりフルカラー表示を行う。
【0107】
<液晶表示パネルの形成>
液晶表示パネル200を製造する工程においては、フィルター膜205などを、液滴吐出装置1を用いて形成することができる。
フィルター膜205の形成は、最初に、ガラス基板201の上に、フィルター膜領域225を区画形成するための隔壁部を形成する。隔壁部は、ブラックマトリックス202を格子状に形成し、その上にバンク203を形成して、ブラックマトリックス202とバンク203とで構成された隔壁204を格子状に配置することによって形成する。
【0108】
次に、隔壁204によって区画されたフィルター膜領域225が形成されたガラス基板201の表面に液滴吐出ヘッド17を対向させる。当該液滴吐出ヘッド17が有する吐出ノズル78から、フィルター膜205を形成するべきフィルター膜領域225に向けて、機能液を吐出することによって、フィルター膜領域225に機能液を配置する。この工程は、赤色フィルター膜205R、緑色フィルター膜205G、又は青色フィルター膜205Bのそれぞれのフィルター膜205ごとに実施する。
【0109】
次に、配置した機能液を乾燥させることによって、フィルター膜領域225に、赤色フィルター膜205R、緑色フィルター膜205G、又は青色フィルター膜205Bを形成する。
液晶表示パネル200を形成する工程においては、フィルター膜205の他にも、画素電極217、走査線212、信号線214、配向膜228などを、液滴吐出装置1を用いて形成することができる。
【0110】
<液滴吐出ヘッド−2>
次に、液滴吐出ヘッド17とは、案内針31まわりの構成が異なる液滴吐出ヘッド170について、図11を参照して説明する。液滴吐出ヘッド170は、液滴吐出ヘッド17と基本的に同じ構成であり、液滴吐出ヘッド17とは、吐出ノズル78及び案内針31の配設位置が異なっている。図11は、液滴吐出ヘッドにおける吐出ノズルの部分の構造を示す、ノズル列の延在方向に略垂直な方向における断面図である。
【0111】
図11に示すように、液滴吐出ヘッド170は、液滴吐出ヘッド17のノズルプレート76とは、吐出ノズル78が形成されている位置が異なるノズルプレート176を備えている。
ノズルプレート176における吐出ノズル78は、略直方体形状の空間である圧力室58の長手方向における中央の位置に形成されている。
液滴吐出ヘッド17と同様に、圧力室58において、振動板52における吐出ノズル78と対向する位置には、針支持部32が振動板52に固定されて、配設されている。針支持部32には案内針31が立設されている。案内針31は、略円柱形状の吐出ノズル78の軸の位置を貫通して、ノズルプレート176のノズル形成面176aから突出している。
圧電素子59は、振動板52の面に平行な断面における中心位置が、案内針31が立設されている位置と略一致する位置で、液滴吐出ヘッド17における圧電素子59と同様に、振動板52に一端が固定されている。言い換えると、圧電素子59は、振動板52における圧力室58に臨む部分の略中央に固定されている。
液滴吐出ヘッド170は、液滴吐出ヘッド17が備える振動板押え部材33に相当する部材は備えていない。
【0112】
圧電素子59が駆動されて伸縮すると、振動板52は圧力室58に臨む部分の略中央が変位させられるため、圧力室58に臨む部分の略中央に関して対称な形状で変形させられて、液滴吐出ヘッド170が吐出動作を実施する。振動板52は略中央に関して対称な形状で変形させられるため、略中央の部分は傾くことなく変位する。この位置に立設されている案内針31は、液滴吐出ヘッド170が吐出動作を実施する際にも傾くことなく、その軸方向がノズル形成面176aに略垂直な姿勢が維持される。
【0113】
<液滴吐出ヘッド−3>
次に、液滴吐出ヘッド17とは、案内針31まわりの構成が異なる液滴吐出ヘッド180について、図12を参照して説明する。液滴吐出ヘッド180は、液滴吐出ヘッド17と基本的に同じ構成であり、液滴吐出ヘッド17とは、案内針181の軸方向が異なっている。図12は、液滴吐出ヘッドにおける吐出ノズルの部分の構造を示す、ノズル列の延在方向に略平行な方向における断面図である。
図12に示すように、液滴吐出ヘッド180は、液滴吐出ヘッド17における案内針31及び針支持部32とは異なる案内針181及び針支持部182を備えている。
案内針181及び針支持部182は、針支持部182に支持されて立設されている案内針181の軸方向がノズル形成面76aに垂直な方向に対して傾いている。
【0114】
上述した液滴吐出ヘッド17から機能液80などが吐出される場合と同様に、吐出ノズル78から吐出される機能液80などの液滴は、吐出される方向が、案内針181に沿う方向に近い方向に修正される。
【0115】
<着弾位置>
次に、液滴吐出ヘッド180の吐出ノズル78と、それぞれの吐出ノズル78から吐出された液滴の着弾位置と、の関係の一例について、図13を参照して説明する。図13は、吐出ノズルと、それぞれの吐出ノズルから吐出された液滴の着弾位置と、の関係を示す説明図である。図13(a)は、吐出ノズルの配置位置を示す説明図であり、図13(b)は、液滴をノズル列の延在方向に直線状に着弾させた状態を示す説明図であり、図13(c)は、液滴を面状に着弾させた状態を示す説明図である。図13に示したX軸及びY軸は、ヘッドユニット21が液滴吐出装置1に取り付けられた状態において、図1に示したX軸及びY軸と一致している。X軸方向が主走査方向であって、図13に示した矢印vの方向に、ワーク20に対して吐出ノズル78を相対移動させながら、任意の位置において液状体の液滴を吐出することによって、X軸方向の任意の位置に液滴を着弾させることができる。
【0116】
図13(a)に示すように、ノズル列78Aを構成する吐出ノズル78は、Y軸方向にノズルピッチPの中心間距離で配設されている。液滴吐出ヘッド17と同様に、液滴吐出ヘッド180における2列のノズル列78Aをそれぞれ構成する吐出ノズル78同士は、Y軸方向において、相互に、ノズルピッチPの1/2ずつ位置がずれている。
吐出ノズル781,782,783,784,785,786,787,788は、Y軸方向においてこの順番で配設されている。吐出ノズル781,782,785,786に対応して配置された案内針181は、吐出された機能液80などの方向がY軸方向の負の方向に傾く方向に傾いている。吐出ノズル783,784,787,788に対応して配置された案内針181は、吐出ノズル781,782,785,786とは反対に、吐出された機能液80などの方向がY軸方向の正の方向に傾く方向に傾いている。
【0117】
図13(b)に示すように、着弾位置を示す着弾点81と、着弾した液滴の濡れ広がり状態を示す着弾円81Aとで、着弾した1滴の液滴の状態を示している。2列のノズル列78Aの全部の吐出ノズル78から、図13(b)に一点鎖線で示した仮想線L上に着弾させるタイミングで、それぞれ液滴を吐出させることによって、吐出ノズル781,782,783,784から吐出されて着弾した4滴の液滴で形成された着弾塊810Aが形成される。同様の着弾塊810Aが間隔を隔てて連なる直線状の破線が形成される。
図13(c)に示すように、一点鎖線で示した仮想線L1,L2,L3からLn上に着弾させるタイミングで、それぞれ液滴を吐出させることによって、Y軸方向の幅が着弾塊810Aの幅でX軸方向に延在する複数の直線状の着弾塊線811Aが形成される。
【0118】
着弾塊線811Aは、図7(d)に示した着弾面より液滴の密度が高くなっている。また、着弾塊線811A間の機能液80などが配置されない領域は、液滴吐出ヘッド180が有する吐出ノズル78に稼働を停止する吐出ノズル78を設定することなく形成されている。間隔を隔てた線分を効率良く形成できるため、例えば回路配線のような機能膜の形成に有効である。
【0119】
また、フィルター膜領域225の端に向けて機能液80などの液滴を吐出する位置にある吐出ノズル78においては、案内針181をフィルター膜領域225の中央側の方に傾けておくことによって、液滴が隔壁204に乗り上げる可能性を小さくすることができる。隔壁204に対向する位置にある吐出ノズル78においては、吐出された機能液80などが通常は隔壁204の上に着弾するため稼動させないが、案内針181をフィルター膜領域225の中央側の方に傾けておくことによって、フィルター膜領域225に機能液80などを配置することができる吐出ノズル78として稼動させることができる。このように、案内針181の方向は、機能液80などを配置する対象物における機能液80などの配置規格などに対応して決定することが好ましい。
【0120】
<液滴吐出ヘッド−4>
次に、液滴吐出ヘッド17とは、案内針31を支持する針支持部の構成が異なる液滴吐出ヘッド190について、図14を参照して説明する。図14は、液滴吐出ヘッド吐出ノズルの部分の構造を示す、ノズル列の延在方向に略平行な方向における断面図である。液滴吐出ヘッド190は、液滴吐出ヘッド17と基本的に同じ構成であり、液滴吐出ヘッド17の針支持部32とは異なる針支持部192を備えている。
図14(a)に示すように、液滴吐出ヘッド190は、液滴吐出ヘッド17と実質的に同様の圧力室58や吐出ノズル78や振動板52を備えている。液滴吐出ヘッド190は、液滴吐出ヘッド17の針支持部32とは異なる針支持部192を備えており、針支持部192は振動板52に固定されており、針支持部192には案内針31が立設されている。案内針31は、吐出ノズル78の部分でノズルプレート76を貫通しており、先端側が、ノズル形成面76aから突出している。
【0121】
針支持部192は、ピエゾ素子と、ピエゾ素子を挟む1対の電極とを有している。電極には信号線(図示省略)が接続されており、電極は、信号線を介して吐出装置制御部6に接続されている。針支持部192は、信号線を介して電圧を印加されることによって、ノズル形成面76aに垂直な方向においてその形状が微小な大きさで湾曲する。これにより、図14(b)に示したように、案内針31が立設された針支持部192の頂面が傾き、案内針31の軸方向が傾く。針支持部192に電圧を印加しない状態では、図14(a)に示したように、案内針31の軸方向は、ノズル形成面76aに対して略垂直な方向である。針支持部192に電圧を印加することによって、案内針31の軸方向を、例えば図14(b)に示した案内針31aのように傾かせることができる。また、針支持部192に、案内針31aのように傾かせる電圧とは異なる電圧を印加することによって、例えば図14(b)に二点鎖線で示した案内針31bのように傾かせることもできる。
【0122】
上述したように、吐出ノズル78から吐出される機能液80などの方向は、案内針31aの軸方向に近づく方向に誘導されるため、案内針31aの軸方向を調整することで、吐出ノズル78から吐出される機能液80などの方向を調整することができる。
例えば、吐出装置制御部6に、機能液80などの配置位置の情報が入力され、吐出装置制御部6は、ヘッド機構部2とワーク機構部3とを協働させて、入力された機能液80などの配置位置の情報に指定された位置に向けて吐出ノズル78から機能液80などを吐出させる。このとき、吐出ノズル78がフィルター膜領域225の端に向けて機能液80などの液滴を吐出する位置に位置する場合には、案内針31をフィルター膜領域225の中央側の方に傾けておくことによって、液滴が隔壁204に乗り上げる可能性を小さくする。同じ吐出ノズル78がフィルター膜領域225の端に向けて機能液80などの液滴を吐出する位置に位置する場合には、案内針31をノズル形成面76aに略垂直にすることによって、図7を参照して説明したように、フィルター膜領域225に略均一に機能液80などを配置し易くする。フィルター膜領域225に略均一に機能液80などを配置することで、機能液80などが不均一に配置される場合にくらべて、形成されるフィルター膜205を均一な厚さの膜にすることができる。
機能液80などの配置位置の情報を入力する工程が、対象物特性取得工程に相当する。案内針31の方向を調整する工程が、方向調整工程に相当する。針支持部192が、針支持手段に相当し、吐出装置制御部6が、針方向制御手段及び着弾位置情報取得手段に相当する。
【0123】
さらに、吐出ノズル78の形状は、誤差なく形成されれば同じ形状の吐出ノズル78が形成され、当該吐出ノズル78吐出される液状体は、ノズル形成面76aに略垂直な方向に飛行する。しかし、多数の吐出ノズル78の中には、形状が必ずしも一定ではなく、形状の違いによって、吐出される機能液80などの方向がノズル形成面76aに略垂直な方向からずれる吐出ノズル78も存在する。また、使用されているうちに、吐出ノズル78に機能液80などの溶質などが付着して、付着した溶質などによって恰も形状が変わったように、吐出される機能液80などの方向がノズル形成面76aに略垂直な方向からずれる吐出ノズル78も存在する。
液滴吐出ヘッド190においては、予め吐出ノズル78ごとに吐出されて着弾した機能液80などの液滴の着弾位置を測定し、着弾位置が所定の位置からずれている場合には、針支持部192に印加する電圧を調整して、案内針31をずれている方向と反対側に傾けることによって、着弾位置のずれを補正することができる。吐出されて着弾した機能液80などの液滴の着弾位置を測定する工程が、着弾位置情報取得工程に相当する。
【0124】
<案内針形状例>
次に、案内針31や案内針181とは異なる案内針の形状について、図15を参照して説明する。図15は、ノズル形成面に略平行な方向における案内針の形状を吐出ノズルと共に示す説明図である。
【0125】
図15(a)に示した案内針196は、六角形の各辺から頂角が概ね60°の三角形が6方向に放射状に突出している形状の断面を有している。断面が6個所の山と谷とで構成されることによって、周の長さが、円形断面にくらべて長くなっている。
断面の周の長さが長くなることで、案内針196は、案内針31にくらべて機能液80などが濡れ広がる表面積が大きくなっている。これにより、案内針31にくらべて上述した親液力が大きくなるため、液滴の方向を案内針196の方向に補正し易くなっている。
【0126】
図15(b)に示した案内針197は、略長方形の断面を有している。ノズル形成面76aに平行な方向に移動する機能液80などが案内針197に当たると、移動方向によって、案内針197に当たったことによる抗力が異なっている。例えば、移動方向が断面の長方形の短辺に略平行な方向の場合には、機能液80などは、案内針197における断面の長方形の長辺と対応する面に当たるため、機能液80などの移動方向が他の方向である場合にくらべて、機能液80などが案内針197に当たることによる抗力が大きくなる。
吐出方向のずれを抑制することが特に必要な方向に対して、案内針197の断面の短辺の延在方向を略一致させることによって、ずれを抑制することが特に必要な方向における吐出方向のずれを、効率良く抑制することができる。
【0127】
図15(c)に示した案内針198は、略方形の断面を有する4本の副案内針198aで構成されている。複数の副案内針198aで案内針198を構成することで、単独の案内針197などにくらべて、周の長さが長くなっている。
断面の周の長さが長くなることで、案内針198は、案内針197などにくらべて機能液80が濡れ広がる表面積が大きくなっている。これにより、案内針197にくらべて上述した親液力が大きくなるため、液滴の方向を案内針198の方向に補正し易くなっている。
【0128】
<情報機器>
次に、電気光学装置を備える電子機器としての情報機器の具体例について、図16を参照して説明する。本実施形態の情報機器は、上述した液晶表示パネル200と同様の構成を有する液晶表示装置を備えた情報機器である。
【0129】
図16(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図16(a)に示すように、携帯電話600は、上述した液晶表示パネル200を有する表示部601と、携帯電話本体602と、を備えている。
【0130】
図16(b)は、ワードプロセッサー、パーソナルコンピューターなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図16(b)に示すように、情報処理装置700は、液晶表示パネル200と同様の構成を有する液晶表示装置を有する表示部702と、キーボード701などの入力部と、情報処理本体703と、を備えている。
【0131】
図16(c)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図16(c)に示すように、腕時計800は、液晶表示パネル200と同様の構成を有する液晶表示装置を有する表示部801と、時計本体802と、を備えている。
【0132】
図16(d)は、情報機器の一例である液晶テレビを示す外観斜視図である。図16(d)に示すように、液晶テレビ900は、表示部901と、テレビ本体902と、を備えている。表示部901は、上述した液晶表示パネル200と同様の構成を有する液晶表示装置を表示手段として搭載している。
【0133】
以下、実施形態の効果を記載する。本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)液滴吐出ヘッド17は、吐出ノズル78の軸の位置を貫通して、ノズルプレート76のノズル形成面76aから突出した案内針31を備える。案内針31によって、吐出ノズル78から吐出される機能液80などの方向を案内針31の軸方向に誘導することができるため、吐出ノズル78から吐出される機能液80などの方向が所定の方向からずれることを抑制することができる。
【0134】
(2)案内針31の表面が機能液80などに対して親液性を有するため、案内針31の周囲にある機能液80などは、機能液80などが案内針31の表面に接している部分が案内針31の表面に濡れ広がる力によって、案内針31の表面に沿って、機能液80などに濡れていない方に向かう力を受けている。この力によって、吐出ノズル78から吐出される機能液80などの方向を案内針31の軸方向に誘導することができる。
【0135】
(3)案内針31は、略円柱形状の吐出ノズル78の軸の位置を貫通して、ノズルプレート76のノズル形成面76aから突出している。吐出ノズル78から吐出された機能液80などは、吐出されて液滴となるときに加えられている力の方向に概ね飛行する。このとき、機能液80などは案内針31のノズル形成面76aから突出した部分を囲む状態であるため、案内針31によって機能液80などの飛行する方向を誘導することができる。
【0136】
(4)液滴吐出ヘッド17において、振動板52における針支持部32が固定された面の反対面には、剛性が高い振動板押え部材33が固定されている。これにより、振動板52における針支持部32が固定された部分が変形することを抑制して、案内針31の姿勢が変動することを抑制することができる。
【0137】
(5)液滴吐出ヘッド170において、案内針31は、振動板52の略中央の部分に立設されている。振動板52は略中央に関して対称な形状で変形させられるため、略中央の部分は傾くことなく変位することから、液滴吐出ヘッド170が駆動されている状態において案内針31が傾くことを抑制することができる。
【0138】
以上、添付図面を参照しながら好適な実施形態について説明したが、好適な実施形態は、前記実施形態に限らない。実施形態は、要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であり、以下のように実施することもできる。
【0139】
(変形例1)前記実施形態においては、液滴吐出ヘッド17は、駆動素子として圧電素子59を備えた電気機械変換方式の液滴吐出ヘッドであったが、液滴吐出ヘッドの駆動方式は、電気機械変換方式に限らない。液滴吐出ヘッドの駆動方式は、帯電制御方式、加圧振動方式、電気熱変換方式、静電吸引方式など、他の方式であってもよい。
【0140】
(変形例2)前記実施形態においては、液滴吐出ヘッド17は、ノズル列78Aを2列備えており、それぞれのノズル列78Aは180個の吐出ノズル78を有する構成であったが、液滴吐出ヘッドにおける吐出ノズルの構成は液滴吐出ヘッド17におけるような構成に限らない。液滴吐出ヘッドが有する吐出ノズルの数は何個であってもよいし、液滴吐出ヘッドにおける吐出ノズルの配列も、例えば1列に配列するなど、どのような配列であってもよい。
【0141】
(変形例3)前記実施形態においては、液滴吐出装置1のヘッドユニット21は9個の液滴吐出ヘッド17を備えていたが、ヘッドユニットが備える液滴吐出ヘッドの数は、9個に限らない。ヘッドユニットは、何個の液滴吐出ヘッドを備える構成であってもよい。
【0142】
(変形例4)前記実施形態においては、液滴吐出装置1は1個のヘッドユニット21を備えていたが、液滴吐出装置が備えるヘッドユニットは1個に限らない。液滴吐出装置は、何個のヘッドユニットを備える構成であってもよい。
【0143】
(変形例5)前記実施形態においては、液滴吐出ヘッド17は、一種類の機能液を吐出する構成であったが、液滴吐出ヘッドは、複数の液状体供給経路及びそれぞれの液状体供給経路が連通して液状体を供給することができるノズル列を備える構成であってもよい。
【0144】
(変形例6)前記実施形態においては、液滴吐出装置1は、マザー対向基板201Aなどを載置したワーク載置台23をX軸方向に移動させると共に、液滴吐出ヘッド17から機能液を吐出させることによって機能液を配置していた。また、ヘッドユニット21をY方向に移動することによって、マザー対向基板201Aなどに対する液滴吐出ヘッド17(吐出ノズル78)の位置を合わせこんでいた。しかし、ノズル列を備える液滴吐出ヘッドと基材との、吐出走査における相対移動を基材を移動させることで実施することも、副走査における相対移動を液滴吐出ヘッドを移動させることで実施することも、必須ではない。
液滴吐出ヘッドと基材との吐出走査における相対移動を、液滴吐出ヘッドを吐出走査の方向に移動させることで実施してもよい。液滴吐出ヘッドと基材との副走査方向の相対移動を、基材を副走査方向に移動させることで実施してもよい。あるいは、液滴吐出ヘッドと基材との、吐出走査方向及び副走査方向の相対移動を、液滴吐出ヘッド、又は基材のどちらか一方を、吐出走査方向及び副走査方向に移動させることで実施してもよいし、液滴吐出ヘッド、及び基材の両方を、吐出走査方向及び副走査方向に移動させることで実施してもよい。
【0145】
(変形例7)前記実施形態においては、液滴吐出ヘッド17は、インクジェット方式の液滴吐出ヘッドであったが、液滴吐出ヘッドがインクジェット方式の液滴吐出ヘッドであることは必須ではない。上述した電気光学装置の製造方法において用いる液滴吐出ヘッド、又は電気光学装置の製造装置が備える液滴吐出ヘッドは、インクジェット方式とは異なる方式の液滴吐出ヘッドであってもよい。
【0146】
(変形例8)前記実施形態においては、液状体を配置する機能膜区画としてのフィルター膜領域225は、平面視略方形状の領域であったが、液状体を配置する領域の形状が略方形状であることは必須ではない。液状体を配置する領域の形状は、方形状とは異なる多角形や、長円形や、円形や、多角形の角を曲線にした形状や、曲率が異なる複数の曲線で構成された形状や、これらの形状の一部が欠かれた形状などであってもよい。
【0147】
(変形例9)前記実施形態においては、液滴吐出装置を使用して機能液を配置する対象物の一例として、電気光学装置の一例であるカラーフィルターを備える液晶表示パネル200において、フィルター膜205を形成する際の描画吐出について説明した。しかし、機能液を配置する対象物の電気光学装置は、液晶装置に限らない。機能液を配置する対象物の電気光学装置は、上述したような膜を有する装置、又は形成過程において上記したような膜を形成する必要がある電気光学装置であれば、どのような電気光学装置であってもよく、有機EL装置やプラズマ型表示装置など、他の電気光学装置であってもよい。
【0148】
(変形例10)前記実施形態においては、液晶表示パネル200が備えるCF層208は、赤色フィルター膜205R、緑色フィルター膜205G、及び青色フィルター膜205Bの3色のフィルター膜を有する3色フィルターであったが、カラーフィルターは、さらに多くの種類のフィルター膜を有する多色のカラーフィルターであってもよい。多色のカラーフィルターとしては、例えば、赤色、緑色、青色に加えて赤色、緑色、青色の補色のシアン(青緑)、マゼンタ(紫赤)、イエロー(黄色)の有機EL素子を有する6色カラーフィルターや、シアン(青緑)、マゼンタ(紫赤)、イエロー(黄色)の3色に緑色を加えた4色カラーフィルターなどがあげられる。
【0149】
(変形例11)前記実施形態においては、液晶表示パネル200が備えるカラーフィルターであるCF層208について説明したが、上述した膜形成方法を用いて好適に製造できるカラーフィルターは、液晶表示装置のカラーフィルターに限らない。前記実施形態に記載した電気光学装置の製造方法及び電気光学装置の製造装置を用いることで、無色又は有色の光を発光する発光層と組合せてカラー有機EL装置を形成する有機EL装置用のカラーフィルターも好適に製造することができる。
【0150】
(変形例12)前記実施形態においては、液滴吐出ヘッド17などにおいて、案内針31などの案内針は針支持部32などを介して振動板52に固定されていたが、案内針を振動板に固定することは必須ではない。圧力室プレート51などのような構造部材を、吐出ノズル孔に対向する位置など、吐出ノズル孔を貫通する位置に案内針を立設可能な位置まで配設し、当該部分に案内針を固定する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0151】
1…液滴吐出装置、6…吐出装置制御部、11…X軸テーブル、12…Y軸テーブル、17…液滴吐出ヘッド、21…ヘッドユニット、31,31a,31b…案内針、32…針支持部、51…圧力室プレート、52…振動板、57…ヘッド隔壁、58…圧力室、59…圧電素子、76…ノズルプレート、76a…ノズル形成面、78…吐出ノズル、78A…ノズル列、80…機能液、80a,80d…液滴、81…着弾点、82…付着物、170…液滴吐出ヘッド、176…ノズルプレート、176a…ノズル形成面、180…液滴吐出ヘッド、181…案内針、182…針支持部、190…液滴吐出ヘッド、192…針支持部、196,197,198…案内針、198a…副案内針、200…液晶表示パネル、205…フィルター膜、217…画素電極、220…対向基板、225…フィルター膜領域、600…携帯電話、601…表示部、700…情報処理装置、702…表示部、810A…着弾塊、811A…着弾塊線、900…液晶テレビ、901…表示部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状体を吐出する吐出ノズル孔と、
案内針と、を備え、
前記案内針は、前記吐出ノズル孔の一端が開口しているノズル孔形成面における前記吐出ノズル孔の開口を貫通する位置に配設されていることを特徴とする液状体吐出ヘッド。
【請求項2】
前記案内針の表面は、前記液状体に対して親液性を有することを特徴とする、請求項1に記載の液状体吐出ヘッド。
【請求項3】
一個の前記吐出ノズル孔に対して、複数の前記案内針を設けたことを特徴とする、請求項1又は2に記載の液状体吐出ヘッド。
【請求項4】
前記案内針は、先端が前記ノズル孔形成面から突出していることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液状体吐出ヘッド。
【請求項5】
前記吐出ノズル孔は、その軸方向が前記ノズル孔形成面に略垂直に形成されており、前記案内針の軸方向は、前記吐出ノズル孔の軸方向と略一致していることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液状体吐出ヘッド。
【請求項6】
前記吐出ノズル孔は、その軸方向が前記ノズル孔形成面に略垂直に形成されており、前記案内針の軸方向が、前記吐出ノズル孔の軸方向に対して傾いていることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液状体吐出ヘッド。
【請求項7】
前記案内針の軸方向は、前記液状体を着弾させる対象物の特性に応じて定められていることを特徴とする、請求項6に記載の液状体吐出ヘッド。
【請求項8】
前記案内針の軸方向を変更可能に、前記案内針を支持する針支持手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液状体吐出ヘッド。
【請求項9】
前記針支持手段を制御して前記案内針の方向を制御する針方向制御手段と、
前記吐出ノズル孔から吐出された前記液状体が着弾した着弾位置の情報を取得する着弾位置情報取得手段と、をさらに備え、
前記針方向制御手段は、前記着弾位置情報取得手段によって取得された前記着弾位置の情報に応じて前記案内針の方向を制御することを特徴とする、請求項8に記載の液状体吐出ヘッド。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の液状体吐出ヘッドと、
前記液状体吐出ヘッドと液状体を着弾させる基材とを相対移動させる移動装置と、を備えることを特徴とする液状体吐出装置。
【請求項11】
ノズル孔形成面に開口して形成された吐出ノズル孔から液状体を吐出する液状体吐出方法であって、
前記ノズル孔形成面における前記吐出ノズル孔の開口を貫通する位置に配設されている案内針によって、前記吐出ノズル孔から吐出される前記液状体の方向を案内することを特徴とする液状体吐出方法。
【請求項12】
前記案内針の表面は、前記液状体に対して親液性を有することを特徴とする、請求項11に記載の液状体吐出方法。
【請求項13】
一個の前記吐出ノズル孔に対して、複数の前記案内針を設けたことを特徴とする、請求項11又は12に記載の液状体吐出方法。
【請求項14】
前記案内針は、先端が前記ノズル孔形成面から突出していることを特徴とする、請求項11乃至13のいずれか一項に記載の液状体吐出方法。
【請求項15】
前記吐出ノズル孔は、その軸方向が前記ノズル孔形成面に略垂直に形成されており、前記案内針の軸方向は、前記吐出ノズル孔の軸方向と略一致していることを特徴とする、請求項11乃至14のいずれか一項に記載の液状体吐出方法。
【請求項16】
前記吐出ノズル孔は、その軸方向が前記ノズル孔形成面に略垂直に形成されており、前記案内針の軸方向が、前記吐出ノズル孔の軸方向に対して傾いていることを特徴とする、請求項11乃至14のいずれか一項に記載の液状体吐出方法。
【請求項17】
前記液状体を着弾させる対象物の特性を取得する対象物特性取得工程を有し、
前記案内針の軸方向は、前記対象物特性取得工程において取得された前記特性に応じて定められていることを特徴とする、請求項16に記載の液状体吐出方法。
【請求項18】
前記案内針の軸方向を変更して、前記吐出ノズル孔から吐出される前記液状体の吐出方向を調整する方向調整工程をさらに有することを特徴とする、請求項11乃至14のいずれか一項に記載の液状体吐出方法。
【請求項19】
前記吐出ノズル孔から吐出される前記液状体の着弾位置情報を取得する着弾位置情報取得工程をさらに有し、
前記方向調整工程では、前記着弾位置情報に基づいて前記案内針の軸方向の調整を実施することを特徴とする、請求項18に記載の液状体吐出方法。
【請求項20】
前記液状体を着弾させる対象物の特性を取得する対象物特性取得工程をさらに有し、
前記方向調整工程では、前記対象物特性取得工程において取得された前記特性に応じて前記案内針の軸方向の調整を実施することを特徴とする、請求項18に記載の液状体吐出方法。
【請求項21】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の液状体吐出ヘッド、請求項10に記載の液状体吐出装置、又は請求項11乃至20のいずれか一項に記載の液状体吐出方法を用いて、電気光学装置を構成する機能膜を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項22】
請求項21に記載の電気光学装置の製造方法を用いて製造した電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−279874(P2010−279874A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−133783(P2009−133783)
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】