説明

減速装置、および該減速装置を備える動力伝達部構造

【課題】減速装置の出力を減速装置両側のいずれの側から取り出しても外部部材とモータとが干渉するのを防止し、外部部材の可動範囲を大きくとることができるようにする。
【解決手段】両歯リングギヤ120と、両歯リングギヤ120の内歯120Bを介して駆動される減速機構101と、減速機構101の軸方向の両側にそれぞれ配置され、第1、第2キャリヤ144、146と、を備えた減速装置G1において、モータ100と両歯リングギヤ120との間に、モータ軸100Aの回転を両歯リングギヤ120の軸線L1と平行な軸線L2回りの回転に変換する直交歯車112、114を備え、モータ軸100Aの軸心L0を第1、第2キャリヤ144、146の軸心L3の放射方向Pに合わせて配置可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、減速装置、および該減速装置を備える動力伝達部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
図8は、従来の偏心揺動型の減速装置の一例を示す。
【0003】
偏心揺動型の減速装置1は、内歯2及び外歯3を有し、モータ4からの回転が外歯3に入力される両歯リングギヤ5と、両歯リングギヤ5の内歯2を介して駆動されるクランク軸6と、クランク軸6の軸方向の両側にそれぞれ配置され、該クランク軸6を回転可能に支持すると共に、外部部材(図示略)を取り付け可能とした第1、第2キャリヤ7、8と、を備えている。モータ4は、モータ4の軸心X0を第1、第2キャリヤ7、8の軸線X1に対して平行、且つ、半径方向外側にオフセットさせ、第1、第2キャリヤ7、8の軸方向外側の面7A、8Aを覆わない態様で配置されている。第1、第2キャリヤ7、8の軸方向外側の面7A、8Aに外部部材を固定し、該外部部材に減速装置1の回転を出力することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2009/057526(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の減速装置において、モータが配置されている側の第1キャリヤの軸方向外側に、例えば、被駆動部材としてロボットアームを連結する場合、ロボットアームを回転させると、該ロボットアームはモータと干渉してしまう恐れがある。このため、ロボットアームの可動範囲は制限されていた。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するために、減速装置の出力を減速装置両側のいずれの側から取り出しても外部部材(被駆動部材)とモータとが干渉するのを防止し、外部部材の可動範囲を大きくとることができるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、内歯及び外歯を有し、モータからの回転が前記外歯に入力される両歯リングギヤと、該両歯リングギヤの前記内歯を介して駆動される減速機構と、該減速機構の軸方向の両側にそれぞれ配置され、外部部材を連結可能とした第1、第2キャリヤと、を備えた減速装置において、前記モータと両歯リングギヤとの間に、前記モータのモータ軸の回転を前記両歯リングギヤの軸線と平行な軸線回りの回転に変換する直交歯車を備え、前記モータ軸の軸心を前記第1、第2キャリヤの軸心の放射方向に合わせて配置可能とした構成により上記課題を解決した。
【0008】
モータからの回転が入力される両歯リングギヤと、該両歯リングギヤから入力される回転により駆動される減速機構を備えた減速装置の場合、両歯リングギヤと、第1の外部部材と連結される第1、第2キャリヤと、第2の外部部材と連結されるケーシングとの3者が「同軸」で相対回転する。このため、モータ軸と両歯リングギヤの軸心は、従来、当然のように平行に配置されていた。これは、この配置が、モータ軸の回転を両歯リングギヤの外歯に最も簡易に入力することができるからである。
【0009】
しかし、本発明では、モータと両歯リングギヤとの間に、モータ軸の回転を両歯リングギヤの軸線と平行な軸線周りの回転に変換する直交歯車を、敢えて備えるようにしている。この構成により、モータ軸の軸心を第1、第2キャリヤの軸心の放射方向に合わせて配置することが可能となる。
【0010】
この結果、第1、第2キャリヤのいずれの側に第1の外部部材を取り付ける場合であっても、更には、後述するように、第1、第2キャリヤの双方に第1の外部部材を取り付ける場合であっても、該第1の外部部材と、第1、第2キャリヤの放射方向に合わせて配置されることになるモータとの干渉を有効に防止することが可能となる。したがって、結局、減速装置を介して連結される第1の外部部材と第2の外部部材の相対回転可能な範囲をより大きく確保することができるようになる。
【0011】
また、本発明は、前記減速装置と、モータと、を備え、該減速装置により、第1部材と第2部材を相対回転させる動力伝達部構造において、前記第1部材は、前記第1、第2キャリヤの双方に連結されており、前記モータは、該第1、第2キャリヤの両側における該第1部材間の軸方向内側の範囲内に収まるように配置されていることを特徴とする動力伝達部構造と捉えることもできる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、減速装置の出力を減速装置両側のいずれの側から取り出しても外部部材とモータとが干渉するのを防止し、外部部材の可動範囲を大きくとることができるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態の一例にかかる減速装置が適用された動力伝達部構造の概略斜視図
【図2】図1に示す動力伝達部構造に適用された減速装置の正断面図
【図3】図2に示す減速装置の矢示III−IIIに沿う横断面図
【図4】図1に示す動力伝達部構造を時計回りに回転した場合の斜視図
【図5】図1に示す動力伝達部構造を反時計回りに回転した場合の斜視図
【図6】本発明の他の実施形態の一例にかかる動力伝達部構造に適用された減速装置の正断面図
【図7】図6に示す減速装置の矢示VII−VIIに沿う横断面図
【図8】従来の減速装置の横断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を用いて本発明の実施形態の一例に係る減速装置、及び、該減速装置を備えたロボットアームの関節構造(動力伝達部構造)について詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態の一例にかかる減速装置G1を備えたロボットアームの関節構造K1の概略斜視図である。
【0016】
図2は図1に示す減速装置G1の断面図、図3は図2の矢示III−III線に沿う断面図である。
【0017】
概略から説明すると、このロボットアームの関節構造(動力伝達部構造)K1は、偏心揺動型の減速装置G1とモータ100とを備え、該減速装置G1によって、ロボット(全体は図示略)の一部を構成する次段ロボットアーム(第1部材:外部部材)102と、前段ロボットアーム(第2部材)104とを相対回転させるものである。
【0018】
前記偏心揺動型の減速装置G1は、主に、減速機構101と、両歯リングギヤ120を備えている。減速機構101は、クランク軸122(122A、122B、122C)と、第1、第2キャリヤ144、146と、を備える。前記両歯リングギヤ120は、内歯120B及び外歯120Aを有し、モータ100からの回転が該外歯120Aから入力される。前記クランク軸122は、この両歯リングギヤ120の内歯120Bを介して駆動される。前記第1、第2キャリヤ144、146は、該クランク軸122の軸方向の両側にそれぞれ配置され、該クランク軸122を回転可能に支持すると共に前記次段ロボットアーム102が連結可能とされている。
【0019】
ここで、この減速装置G1は、モータ100と両歯リングギヤ120との間に、更に、直交歯車、即ち、ベベルピニオン112及びベベルギヤ114を備える。ベベルピニオン112及びベベルギヤ114は、モータ100のモータ軸100Aの回転(軸心L0回りの回転)を、両歯リングギヤ120の軸線L1と平行な軸線L2回りの回転に変換する。これにより、モータ軸100Aの軸心L0を前記第1、第2キャリヤ144、146の軸心L3(L1と一致)の放射方向P(換言すれば、減速装置G1の径方向)に合わせて配置することを可能としている。
【0020】
この実施形態では、モータ100は、該第1、第2キャリヤ144、146の両側における次段ロボットアーム102の第1、第2基端部102B1、102B2間の軸方向内側の範囲内(符号Cの範囲内)に収まるように配置されている。
【0021】
以下、より具体的な構成について詳述する。
【0022】
モータ100は、図示せぬボルトによりケーシング106に固定されている。モータ100のモータ軸100Aは、減速装置G1の入力軸110に連結されており、該入力軸110の先端には、ベベルピニオン112が一体的に形成されている。ベベルピニオン112は、中間軸116に連結されているベベルギヤ114と噛合している。ベベルピニオン112及びベベルギヤ114は、直交歯車であり、モータ100のモータ軸100Aの回転を両歯リングギヤ120の軸線L1と平行な軸線L2回りの回転に変換する。中間軸116には、スパーギヤ118が連結されている。スパーギヤ118は、両歯リングギヤ120の外歯120Aと噛合している。両歯リングギヤ120の内歯120Bは、3つのクランク軸122に固定された3個の第4歯車127(127A、127B、127C)と噛合している。つまり、両歯リングギヤ120は、内歯120B及び外歯120Aを有し、モータ100からの回転が外歯120Aに入力され、両歯リングギヤ120の内歯120Bを介してクランク軸122を駆動している。
【0023】
クランク軸122Aには、2つの偏心体124、126が一体的に構成されている。該偏心体124、126の外周には、ころ128、130を介して外歯歯車132、134が組み込まれている。
【0024】
なお、偏心体124、126の偏心位相は、180度ずれており、外歯歯車132、134の偏心位相差は、180度である。
【0025】
外歯歯車132、134は、内歯歯車139よりも「1」だけ少ない歯数を有している。この外歯歯車132、134は、外歯歯車132、134を貫通するキャリヤピン孔136、138が形成されており、キャリヤピン140(140A、140B、140C)が該キャリヤピン孔136、138を遊嵌している。キャリヤピン140は、ボルト142により第1、第2キャリヤ144、146を連結・固定している。
【0026】
内歯歯車139は、ケーシング106の内周に一体的に形成されている。内歯歯車139の内歯は、ころ141によって構成されている。
【0027】
第1、第2キャリヤ144、146は、クランク軸122Aの軸方向の両側にそれぞれ配置され、該クランク軸122Aを回転可能に支持している。また、第1、第2キャリヤ144、146には、該第1、第2キャリヤ144、146の軸方向外側の両側面144A、146Aに次段ロボットアーム(第1部材:外部部材)102が取り付けられている。なお、第1、第2キャリヤ144、146の軸心L3(共に同一)は、両歯リングギヤ120の軸線L1と同一である。
【0028】
次段ロボットアーム102は、中央部102Aと基端部102Bから主に構成されている。中央部102Aには、例えば、溶接用のガン等が装着される。該中央部102Aは、第1、第2キャリヤ144、146の軸心L3の放射方向Pに配置されている。また、基端部102Bは、中央部102Aに連結されているとともに、第1、第2キャリヤ144、146に連結される側(基端部102B側)は2股に分岐されており、第1、第2基端部102B1、102B2を構成している。第1基端部102B1は、第2キャリヤ146の軸方向外側の側面146Aにボルト147により連結されており、第2基端部102B2は、第1キャリヤ144の軸方向外側の側面144Aにボルト145により連結されている。
【0029】
なお、前段ロボットアーム(第2部材)104は、ボルト148により前記ケーシング(直交歯車(ベベルピニオン112及びベベルギヤ114)を支持するケーシング)106に固定されている。前段ロボットアーム104は、略円筒状の部材であり、中空部104Aを有している。
【0030】
モータ100は、モータ軸100Aの軸心L0を第1、第2キャリヤ144、146の双方の軸心L3の放射方向Pに合わせて配置されている。また、モータ100は、前段ロボットアーム104の中空部104A内であって、且つ次段ロボットアーム102の第1、第2基端部102B1、102B2間の軸方向内側(軸方向長さC)の範囲内に収まるように配置されている。モータ100の反出力側(モータ軸100Aが取り付けられていない側)から取り出されているモータ100の配線は、前段ロボットアーム104の中空部104Aを通して、図示せぬ制御部、電源等に連結されている。
【0031】
次に、減速装置G1及び当該減速装置G1が組み込まれたロボットアームの関節構造K1の作用について説明する。
【0032】
モータ100は、モータ軸100Aの軸心L0を第1、第2キャリヤ144、146の軸心L3の放射方向Pに合わせて配置され、該モータ軸100Aの回転は、ベベルピニオン112及びベベルギヤ114により、両歯リングギヤ120の軸線L1と平行な軸線L2回りの回転に変換され、該両歯リングギヤ120の外歯120Aに入力されている。
【0033】
両歯リングギヤ120の外歯120Aに入力されたモータ100からの回転は、内歯120Bを介して、クランク軸122に入力される。この結果、3本のクランク軸122に同位相で組み込まれた偏心体124、126が同時に同一の回転速度で回転し、外歯歯車132、134が揺動回転する。減速装置G1の内歯歯車139はケーシング106を介して前段ロボットアーム104に固定されているため、この揺動回転により、外歯歯車132、134は、内歯歯車139に対して歯数差に依存した相対回転を行う。この内歯歯車139に対する外歯歯車132、134の相対回転(自転)が軸心L3周りのクランク軸122の公転を介して第1、第2キャリヤ144、146から出力される。
【0034】
次段ロボットアーム102は、(次段ロボットアーム102の)第1、第2基端部102B1、102B2が第1、第2キャリヤ144、146の軸方向外側の側面144A、146Aに連結されている。このため、次段ロボットアーム102は第1、第2キャリヤ144、146の軸心L3回りに回転し、結局、次段ロボットアーム102と(ケーシング106に固定されている)前段ロボットアーム104が相対回転する。
【0035】
モータ100は、モータ軸100Aの軸心L0を、この第1、第2キャリヤ144、146の軸心L3の放射方向Pに合わせて配置されている。より具体的には、モータ100は、該第1、第2キャリヤ144、146の軸方向外側の側面144A、146Aに連結される次段ロボットアーム102の(第1、第2基端部102B1、102B2の)軸方向内側(軸方向長さC)の範囲内に収まるように配置されている。これにより、前段ロボットアーム104自体が動いたときのモータ100と周辺部材(例えば、ロボットにより搬送されるワーク等)との干渉を防止することができる。また、図4、図5に模式的に示されるように、次段ロボットアーム102の可動範囲のモータ100による制限が緩和されるため、次段ロボットアーム102とモータ100の干渉を防止することができる。この結果、次段ロボットアーム102の可動範囲は広げられ、ロボットアームの関節構造K1は、多彩な移動軌跡を実現することができる。また、モータ100は、前段ロボットアーム104側に収められているため、モータ100から外部に出力される配線等は、前段ロボットアーム104内部を通すことができるため、外部に露出することがなく、次段ロボットアーム102がモータ100の配線等を巻き込んだり、外部機器との接触により、切断等することを防止することもできる。
【0036】
なお、この実施形態では、第1、第2キャリヤ144、146の双方に、第1部材(次段ロボットアーム102)を連結するようにしていたが、いずれか一方のみに第1部材を連結してもよく、その場合でも、モータと第1部材の干渉を防止し、第1部材の可動範囲を広げることができる。
【0037】
次に、図6、図7を用いて、他の実施形態にかかるロボットアームの関節構造K2について説明する。
【0038】
ロボットアームの関節構造K2の減速装置G2は、両歯リングギヤ220と、該両歯リングギヤ220の内歯220Bを介して駆動される減速機構201と、を備えている。
【0039】
減速装置G2は、3個の第4歯車227(227A、227B、227C)と噛合する1個の第5歯車225が1本のクランク軸222に固定されている。第4歯車227は、ころ237(237A、237B、237C)を介して内ピン240(240A、240B、240C)に回転自在に支持されている。このため、両歯リングギヤ220の内歯220Bから入力される回転は、第4歯車227、第5歯車225を介して、クランク軸222に入力される。減速機構201は、クランク軸222と一体的に形成された2個の偏心体224、226と、該偏心体224、226の外周にそれぞれ組み込まれた2枚の外歯歯車232、234と、該外歯歯車232、234がそれぞれ同時に内接噛合する(1個の)内歯歯車239とを備える、偏心揺動型の減速機構である。当該減速機構201は、クランク軸222が回転し、外歯歯車232、234が揺動すると、外歯歯車232、234はケーシング206に固定されている内歯歯車239に対して相対回転する。当該回転は、内ピン240を介して第1、第2キャリヤ244、246から出力され、該第1、第2キャリヤ244、246と連結されている次段ロボットアーム(図示略)が回転する。
【0040】
本実施形態にかかる減速装置G2においても、直交歯車(ベベルピニオン212、ベベルギヤ214)を備えている。モータ200は、該直交歯車(ベベルピニオン212、ベベルギヤ214)の存在によって、モータ軸200Aの軸心L4を第1、第2キャリヤ244、246の軸心L5の放射方向P2に合わせて配置することができ、前段ロボットアーム204の中空部204Aに収められていると共に、次段ロボットアームの軸方向内側(軸方向長さC2)の範囲内に収まるように配置されている。これにより、モータ200が次段ロボットアームよりも軸方向外側へ突出することを防止し、次段ロボットアームとモータ200の干渉、モータ200と周辺部材の干渉を防止し、次段ロボットアームの可動範囲を広げるとともに、次段ロボットアームによるモータ200の配線等の切断も防止している。
【0041】
なお、本実施形態において、第4歯車は、6本の内ピンの内、3本の内ピン(240A、240B、240C)に設けられているが、これに限らず、3本の内ピン(240A、240B、240C)以外の一部の内ピンに設けてもよいし、全部の内ピンに設けてもよい。但し、第4歯車は、周方向に等間隔で設置することが好ましい。
【0042】
その他の構成については、図1に示すロボットアームの関節構造K1、当該ロボットアームの関節構造K1に組み込まれている減速装置G1の構造と基本的に同一であるため、動力伝達部構造、減速装置G1と対応する部分(機能的に同様の部分)に、下2桁が同一の符号を付すに止め、重複説明を省略する。
【0043】
なお、減速装置については、上記実施形態にかかる偏心揺動型の減速装置に限らず、他の減速装置を用いてもよい。
【0044】
前述したように、外部部材は、減速装置の第1、第2キャリヤの両側に連結されているが、第1、第2キャリヤのいずれか一方のみに連結するようにしてもよい。この場合、モータが第1、第2キャリヤの放射方向に連結されているため、第1、第2キャリヤのどちらに連結されたとしても、外部部材がモータと干渉することを防止し、外部部材の可動範囲を広げることができる。
【0045】
直交歯車は、上記実施形態では、ベベルピニオンとベベルギヤにより構成されていたが、これに限定されない。例えば、ハイポイドピニオンとハイポイドギヤによる構成や、ウォームとウォームギヤによる構成でもよい。
【0046】
上記実施形態において、減速装置は、ロボットアーム(手首軸)の関節構造に適用されているが、これに限らず、1軸回転の動作をするロボットや、第1、第2キャリヤの両側で別々の部材、例えば、一対の太陽光パネル等を駆動させるために適用してもよい。
【符号の説明】
【0047】
100…モータ
100A…モータ軸
101…減速機構
102…次段ロボットアーム(外部部材)
112、114…直交歯車(ベベルピニオン、ベベルギヤ)
120…両歯リングギヤ
120A…外歯
120B…内歯
144、146…第1、第2キャリヤ
L0…モータ軸の軸心
L1…両歯リングギヤの軸線
L2…リングギヤの軸線と平行な軸線
L3…第1、第2キャリヤの軸心
P…第1、第2キャリヤの軸心の放射方向
G1…偏心揺動型の減速装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内歯及び外歯を有し、モータからの回転が前記外歯に入力される両歯リングギヤと、
該両歯リングギヤの前記内歯を介して駆動される減速機構と、
該減速機構の軸方向の両側にそれぞれ配置され、外部部材を連結可能とした第1、第2キャリヤと、を備えた減速装置において、
前記モータと両歯リングギヤとの間に、前記モータのモータ軸の回転を前記両歯リングギヤの軸線と平行な軸線回りの回転に変換する直交歯車を備え、
前記モータ軸の軸心を前記第1、第2キャリヤの軸心の放射方向に合わせて配置可能とした
ことを特徴とする減速装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記減速装置は、前記減速機構に備えられる部材を揺動回転させるためのクランク軸を有する偏心揺動型の減速装置である
ことを特徴とする減速装置。
【請求項3】
請求項1に記載の減速装置と、モータと、を備え、該減速装置により、第1部材と第2部材を相対回転させる動力伝達部構造において、
前記第1部材は、前記第1、第2キャリヤの双方に連結されており、
前記モータは、該第1、第2キャリヤの両側における該第1部材間の軸方向内側の範囲内に収まるように配置されている
ことを特徴とする動力伝達部構造。
【請求項4】
請求項3において、
前記第2部材は、前記直交歯車を支持するケーシングに固定されており、
前記モータは、該第2部材側に収められている
ことを特徴とする動力伝達部構造。
【請求項5】
請求項3または4において、
前記第1部材は、該第1部材の前記減速装置に連結可能な基端部側を2股に分岐しており、該基端部は、前記第1、第2キャリヤの双方に連結されている
ことを特徴とする動力伝達部構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−196486(P2011−196486A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−65094(P2010−65094)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000002107)住友重機械工業株式会社 (2,241)
【Fターム(参考)】