説明

温度異常診断システム

【課題】 診断対象物が設置等されている現場において、迅速かつ適正に温度異常の有無を判断することができる温度異常診断システムを提供する。
【解決手段】 診断対象物Fmに配設可能でその診断対象物Fmの許容温度を記憶した無線ICタグ2と、携帯可能な診断装置3とを備える。診断装置3に、診断対象物Fmの任意の位置の温度を遠隔から測定する温度測定部31と、無線ICタグ2から許容温度を読み取るリーダ/ライタ32と、温度測定部31による測定温度と、リーダ/ライタ32によって読み取った許容温度とに基づいて、温度異常の有無を診断する診断部37とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電力ケーブルや遮断器などの温度を測定し、温度異常の有無を診断する温度異常診断システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、電力ケーブルや遮断器などの設備が過熱(異常温度上昇)すると、当該設備が損傷するばかりでなく、他の設備などに熱影響を与えるおそれがある。このため、各種設備の温度を定期的あるいは必要に応じて測定し、設備の過熱異常を監視、診断する必要がある。そして、簡単な構成で、手軽に温度変化を把握できるという利点から、サーモテープが使用される場合がある。このサーモテープは、温度の変化に応じて変色し、診断(測定)対象である診断対象物(被測定体)に貼り付けることで、診断対象物の温度変化をテープの色の変化として把握、確認できるものである。しかしながら、このようなサーモテープでは、サーモテープを貼り付けた箇所の温度のみをポイント的に測定するため、診断対象物全体の温度を適正に把握することができない。また、暗い場所では色の変化を正確に判断することが困難であり、しかも、診断対象物が電力設備などの場合には、接近可能な安全距離よりも遠くから目視しなければならないため、判断が困難な場合がある。
【0003】
このようなことから、診断対象物に直接触れることなく、任意の位置(部位)の温度を遠隔から測定できる赤外線温度計(放射温度計)が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この赤外線温度計は、診断対象物から放射される赤外線のエネルギー量を検知し、そのエネルギー量から温度を測定するものである。
【特許文献1】特開平10−281879号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、診断対象物の温度を測定した場合、その測定温度が異常であるか否かを判断しなければならないが、従来、その判断に時間と労力とを要していた。すなわち、上記のような赤外線温度計で診断対象物の温度を測定した後に、診断対象物の許容温度などを調べ、測定温度が許容温度内であるか否かを判断しなければならなかった。しかも、診断対象物の許容温度などを記憶した資料などが保管されている場所と、診断対象物の設置場所とが離れている場合が多く、判断に時間と労力とを要していた。この結果、診断対象物の設置場所において温度を測定し、その場で温度異常の有無を迅速かつ適正に判断することができなかった。
【0005】
そこでこの発明は、診断対象物が設置等されている現場において、迅速かつ適正に温度異常の有無を判断することができる温度異常診断システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、診断対象物の温度を測定し、温度異常の有無を診断する温度異常診断システムであって、前記診断対象物に配設可能で、当該診断対象物の許容温度を含む情報を記憶し、前記情報を外部から読取可能な情報記憶媒体と、携帯可能な診断装置と、を備え、前記診断装置に、前記診断対象物の任意の位置の温度を遠隔から測定する温度測定手段と、前記情報記憶媒体から前記情報を読み取る情報読取手段と、前記温度測定手段による測定温度と、前記情報読取手段によって読み取った前記情報の許容温度とに基づいて、温度異常の有無を診断する診断手段と、を備えたことを特徴とする。
(作用)
診断対象物の許容温度などの情報を記憶した情報記憶媒体を当該診断対象物に配設し、診断の際には、次のようにする。すなわち、診断装置の情報読取手段によって診断対象物の情報記憶媒体から許容温度を読み取り、温度測定手段によって診断対象物の温度を測定すると、許容温度と測定温度とに基づいて診断手段によって温度異常の有無が診断される。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の温度異常診断システムにおいて、前記診断装置に、前記診断手段によって温度異常があると診断した場合に、警報を発する警報手段を備えたことを特徴とする。
(作用)
温度測定手段によって診断対象物の温度を測定し、診断手段によって温度異常があると診断されると、警報手段によって警報が発せられる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2のいずれか1項に記載の温度異常診断システムにおいて、前記情報記憶媒体が外部から情報を書き込み可能であり、前記診断装置は、前記情報記憶媒体に情報を書き込む情報書き込み手段を備え、前記情報書き込み手段によって前記測定温度を前記情報記憶媒体に書き込み可能であることを特徴とする。
(作用)
温度測定手段によって測定された診断対象物の測定温度が、情報書き込み手段によって情報記憶媒体に書き込まれる。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の温度異常診断システムにおいて、前記診断装置は、日時を計る時計を備え、前記測定温度の測定日時を前記測定温度とともに前記情報記憶媒体に書き込み可能であることを特徴とする。
(作用)
温度測定手段によって測定された診断対象物の測定温度とその測定日時とが、情報書き込み手段によって情報記憶媒体に書き込まれる。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、診断装置の情報読取手段によって、診断対象物に配設された情報記憶媒体から許容温度を読み取り、診断装置の温度測定手段によって診断対象物の温度を測定することで、温度異常の有無が診断される。つまり、診断対象物が設置等されている現場に診断装置を携帯し、情報の読み取りと温度測定とを行うことで、その場で迅速に温度異常の有無を判断できる。しかも、診断対象物の許容温度と測定温度とに基づいて温度異常の有無が診断されるため、診断対象物の温度特性に合った適正な判断を行うことができる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、温度異常があると診断されると、警報手段によって警報が発せられるため、測定者などは温度異常をその場で確実に認識することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、診断装置で測定した測定温度を当該診断対象物の情報記憶媒体に書き込むことができる。このため、当該診断対象物が設置等されている現場にて、任意に情報記憶媒体から測定温度を読み出し、過去の温度状況を容易かつ迅速に確認することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、診断対象物の測定温度とその測定日時とを、当該診断対象物の情報記憶媒体に書き込むことができる。このため、任意に情報記憶媒体から測定温度とその測定日時とを読み出して、過去の温度履歴を容易かつ迅速に確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0015】
図1は、この発明の実施の形態に係る温度異常診断システム1の概略構成図である。この温度異常診断システム1は、診断対象物Fmの温度を測定し、温度異常の有無を診断するシステムであって、無線IC(Radio Frequency Identification)タグ(情報記憶媒体)2と、診断装置3とから構成されている。
【0016】
無線ICタグ2は、IC(Integrated Circuit)チップとアンテナとを備え、外部から情報を読み書きできるようになっている。つまり、外部からの情報としての電波をアンテナで受信して、情報をICチップに書き込み、アンテナから電波を外部に送信して、ICチップ内の情報を読み取りできるようになっている。ここで、ICチップには、図2に示すような情報が記憶されるようになっている。すなわち、当該無線ICタグ2のID(IDentification)21と、許容温度22と、各測定データ23とが記憶されるようになっている。
【0017】
ID21には、当該無線ICタグ2の識別情報が記憶され、許容温度22には、当該無線ICタグ2が配設される診断対象物Fmの許容温度が記憶される。ここで、許容温度とは、診断対象物Fmの性能、機能が維持されるために必要な温度条件であり、上限温度および下限温度の双方を含む。例えば、診断対象物Fmが電力ケーブルの場合には、許容温度が「上限温度60℃」などとなる。そして、ID21と許容温度22とは、予め、つまり診断の前に、ICチップに記憶されている。各測定データ23には、後述するように診断装置3から受信した測定日時、測定温度および測定者情報等の測定情報が、順次記憶される。また、無線ICタグ2は、シート状で、診断対象物Fを含む任意の固体に貼り付け(配設)可能となっている。
【0018】
診断装置3は、図3に示すように、携帯可能なハンディータイプで、図4に示すように、主として、温度測定部(温度測定手段)31と、リーダ/ライタ(情報読取手段、情報書き込み手段)32と、ブザー(警報手段)33と、時計34と、表示部35と、記憶部36と、診断部(診断手段)37と、入出力部38と、監視部39と、これらを制御などする制御部40とを備えている。
【0019】
温度測定部31は、診断対象物Fmの任意の位置(部位)の温度を遠隔から測定できるものであり、赤外線温度計(放射温度計)と同等の構成となっている。すなわち、診断対象物Fmから放射される赤外線をレンズで集光し、サーモパイルと呼ばれる検出素子に焦点を結ぶ。そして、サーモパイルによって赤外線のエネルギー量に応じた電気信号を得、これをリニアライズ補正および放射率補正して、温度を算出するものである。また、図3中の測定スイッチ3Aを押下することで、温度測定部31が起動して温度が測定できるようになっている。
【0020】
リーダ/ライタ32は、アンテナを備え、無線ICタグ2に対して情報を読み書きするICタグリーダおよびICタグライタとして機能する。すなわち、無線ICタグ2からの電波をアンテナで受信して情報を読み取り、アンテナから無線ICタグ2に電波を送信して情報を書き込むものである。具体的には、後述するように、図3中の受信スイッチ3Bを押下すると、無線ICタグ2から許容温度22や各測定データ23などの情報を受信し(読み取り)、図3中の送信スイッチ3Cを押下すると、制御部40から指示された測定情報を無線ICタグ2に送信する(書き込む)。
【0021】
ブザー33は、制御部40からの指令に従って警報音を発するものであり、具体的には、後述する診断部37によって温度異常があると診断された場合に、制御部40から指令が出され、ブザー33が警報音を発するようになっている。時計35は、CPU(Central Processing Unit)のクロックに基づいて日時を計るものである。表示部35は、液晶ディスプレイから構成され、現在時刻や測定温度などを表示するものである。記憶部36は、無線ICタグ2から受信した情報(許容温度22、各測定データ23)や、温度測定部31によって測定された測定温度などを記憶するメモリであり、また、予め測定者Mの測定者情報が記憶されている。
【0022】
診断部37は、診断対象物Fmの測定温度と許容温度とに基づいて、温度異常の有無を診断する、つまり診断対象物Fmに温度異常が生じているか否かを診断するものである。具体的には、温度測定部31による測定温度と、リーダ/ライタ32によって読み取られて記憶部36に記憶された許容温度とを比較し、測定温度が許容温度内であるか否かを判定する。また、診断部37は、温度測定部31の起動と同時に起動され、温度測定部31の起動中は常に起動される。つまり、温度を測定しながら、常に温度異常の有無を診断するようになっている。
【0023】
入出力部38は、測定情報や温度異常の有無などの測定結果等を外部に出力するもので、報告書の作成などに利用できるインターフェイスとなっている。
【0024】
監視部39は、温度測定部31が診断対象物Fmの温度を正しく測定しているか否か、つまり診断対象物Fmからの赤外線を正しく捕らえているか否かを判断し、正しく測定していない場合には、警報を発する(測定の対象外にする)ものである。すなわち、後述のように診断対象物Fmの温度を連続的に測定している場合に、測定温度の連続性が損なわれた場合、つまり測定温度が非連続的に急上昇、または急降下した場合に、正しく測定していないと判断し、警報を発する。一方、測定者Mが診断対象物Fmの温度を正しく測定していると判断した場合には、スイッチ(図示せず)を押下することで、測定温度を取り込むようになっている。
【0025】
次に、このような構成の温度異常診断システム1によって温度異常の有無を診断する手順などについて、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。ここで、この実施の形態では、図1に示すように、変圧器、遮断器、分電盤や電力ケーブルなどの診断対象物Fmが診断対象施設F内に配設されているとする。
【0026】
まず、診断前の準備として、各診断対象物Fmに貼り付ける無線ICタグ2に、当該無線ICタグ2のID21と、この無線ICタグ2が貼り付けられる診断対象物Fmの許容温度22とを書き込む(ステップS1)。そして、各無線ICタグ2を該当するそれぞれの診断対象物Fmに貼り付ける(ステップS2)。
【0027】
次に、診断に際しては、測定者Mが診断装置3を携帯して診断対象施設Fに入り、まず、診断装置3(リーダ/ライタ32)を診断対象物Fmの無線ICタグ2に向けて受信スイッチ3Bを押下する。すると、リーダ/ライタ32によって無線ICタグ2から許容温度22などの情報が読み取られる(ステップS3)。そして、読み取られた情報が、記憶部36に記憶されるとともに、表示部35に表示される(ステップS4)。すなわち、当該診断対象施設Fの許容温度22が表示されるとともに、読み取った情報に測定データ23が含まれる場合には、測定日時や測定温度等の測定情報が表示される。
【0028】
続いて、測定スイッチ3Aを押下して温度測定部31を起動させ、診断対象物Fmの温度を測定する(ステップS5)。このとき、測定スイッチ3Aを押下しながら、図6に示すように、例えば、診断対象物Fmである電力ケーブルに温度測定部31のレンズを向けながら走査させると、電力ケーブルの各位置(各部位)の温度が連続的に測定され、表示部35に測定温度が逐次表示される(ステップS6)。と同時に、診断部37が起動され、上記のようにして温度異常の有無が逐次診断される(ステップS7)。そして、温度異常があると診断された場合には、ブザー33から警報音が発せられる(ステップS8)。また、測定スイッチ3Aの1押下中に測定された測定温度と測定日時とは、逐次、記憶部36に記憶される。一方、監視部39によって、上記のようにして診断対象物Fmの温度が正しく測定されているか否かが判断され、正しく測定されていない場合には、警報が発せられる。
【0029】
次に、当該診断対象物Fmに対する診断が終了した際には、診断装置3(リーダ/ライタ32)を当該診断対象物Fmの無線ICタグ2に向けて送信スイッチ3Cを押下すると、リーダ/ライタ32によって測定情報が無線ICタグ2に書き込まれる(ステップS9)。すなわち、この実施の形態では、直前の測定スイッチ3Aの押下中で、最も高温であった最高温度とその測定日時と、最も低温であった最低温度とその測定日時とが記憶部36から割り出され、測定者情報等とともに無線ICタグ2に送信される。そして、無線ICタグ2のICチップの測定データ23に、当該測定日時、測定温度および測定者情報等が測定情報として記憶される(書き込まれる)。次に、診断の対象であるすべての診断対象物Fmに対する診断が終了した場合(ステップS10で「Y」の場合)には、診断を終了し、終了していない場合(ステップS10で「N」の場合)には、ステップS3に戻り、同様の操作を繰り返すものである。
【0030】
一方、上記のような診断とは別に、過去の診断履歴などを確認したい場合には、次のようにすればよい。すなわち、診断装置3を携帯して診断対象施設Fに入り、確認したい診断対象物Fmの無線ICタグ2から、上記のようにして情報を読み取る。すると、読み取られた情報、つまり、当該診断対象施設Fの許容温度22および、測定データ23を含む場合には各測定日時、測定温度および測定者情報等が、表示部35に表示される。
【0031】
以上のように、この温度異常診断システム1によれば、診断装置3のリーダ/ライタ32によって、診断対象物Fmに配設された無線ICタグ2から許容温度などを読み取り、診断装置3の温度測定部31によって診断対象物Fmの温度を測定することで、温度異常の有無が診断される。つまり、診断対象物Fmが設置等されている現場である診断対象施設Fに診断装置3を携帯し、情報の読み取りと温度測定とを行うことで、その場で迅速に温度異常の有無を判断できる。しかも、診断対象物Fmの許容温度と測定温度とに基づいて温度異常の有無が診断されるため、診断対象物Fmの温度特性に合った適正な判断を行うことができる。
【0032】
また、温度異常があると診断されると、ブザー33から警報音が発せられるため、測定者Mなどは温度異常をその場で確実に認識することができる。さらに、診断装置3で測定した測定温度とその測定日時とを、当該診断対象物Fmの無線ICタグ2に書き込むことができる。このため、当該診断対象物Fmが設置等されている現場にて、任意に無線ICタグ2から測定温度とその測定日時とを読み出し、過去の温度状況や温度履歴を容易かつ迅速に確認することができる。そして、現場にて温度状況や温度履歴を容易かつ迅速に確認できることで、温度異常に対する原因の究明や対応処置の検討、実施などを現場にて適正かつ迅速に行うことが可能となる。
【0033】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、この実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、この実施の形態では、無線ICタグ2の許容温度22として、上記のような許容温度が記憶されているが、湿度などの条件に応じた許容温度を記憶し、診断装置3に湿度計を設けて、湿度と測定温度とに基づいて温度異常の有無を診断するようにしてもよい。また、周囲(大気)温度を測定する温度計を診断装置3に設け、周囲温度と診断対象物Fmの測定温度とを比較して、温度異常の有無を診断するようにしてもよい。
【0034】
さらに、この実施の形態では、監視部39が測定温度の連続性を監視することで、診断対象物Fmの温度が正しく測定されているか否かを判断しているが、その他の手法によって判断してもよい。例えば、診断対象物Fmと非対象物との境目を着色し、その色を検知することで診断対象外であると判断したり、診断対象物Fmと非対象物の反射率や照度の相違などによって判断したりしてもよい。
【0035】
また、この実施の形態では、温度測定部31が赤外線温度計によって構成されているが、全放射温度計や光温度計など、その他の非接触式の温度計で構成してもよい。さらに、情報記憶媒体として無線ICタグ2以外のもの、例えばバーコードなどを用いてもよく、また、鉄塔の碍子など、屋外に配設等されている診断対象物Fmにも適用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】この発明の実施の形態に係る温度異常診断システムの概略構成図である。
【図2】図1の温度異常診断システムにおける無線ICタグに記憶される情報のデータ構成図である。
【図3】図1の温度異常診断システムにおける診断装置の外観を示す平面図である。
【図4】図3の診断装置の概略構成ブロック図である。
【図5】図1の温度異常診断システムによって温度異常の有無を診断する手順などを示すフローチャートである。
【図6】図3の診断装置によって温度を測定しながら、温度異常の有無を診断している状態を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
1 温度異常診断システム
2 無線ICタグ(情報記憶媒体)
3 診断装置
3A 測定スイッチ
3B 受信スイッチ
3C 送信スイッチ
31 温度測定部(温度測定手段)
32 リーダ/ライタ(情報読取手段、情報書き込み手段)
33 ブザー(警報手段)
34 時計
35 表示部
36 記憶部
37 診断部(診断手段)
38 入出力部
39 監視部
40 制御部
M 測定者
F 診断対象施設
Fm 診断対象物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
診断対象物の温度を測定し、温度異常の有無を診断する温度異常診断システムであって、
前記診断対象物に配設可能で、当該診断対象物の許容温度を含む情報を記憶し、前記情報を外部から読取可能な情報記憶媒体と、
携帯可能な診断装置と、を備え、前記診断装置に、
前記診断対象物の任意の位置の温度を遠隔から測定する温度測定手段と、
前記情報記憶媒体から前記情報を読み取る情報読取手段と、
前記温度測定手段による測定温度と、前記情報読取手段によって読み取った前記情報の許容温度とに基づいて、温度異常の有無を診断する診断手段と、を備えたことを特徴とする温度異常診断システム。
【請求項2】
前記診断装置に、前記診断手段によって温度異常があると診断した場合に、警報を発する警報手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の温度異常診断システム。
【請求項3】
前記情報記憶媒体が外部から情報を書き込み可能であり、
前記診断装置は、前記情報記憶媒体に情報を書き込む情報書き込み手段を備え、前記情報書き込み手段によって前記測定温度を前記情報記憶媒体に書き込み可能であることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の温度異常診断システム。
【請求項4】
前記診断装置は、日時を計る時計を備え、前記測定温度の測定日時を前記測定温度とともに前記情報記憶媒体に書き込み可能であることを特徴とする請求項3項に記載の温度異常診断システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−217512(P2008−217512A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−55121(P2007−55121)
【出願日】平成19年3月6日(2007.3.6)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(599151776)中国計器工業株式会社 (49)
【Fターム(参考)】