説明

測位システム、端末装置、端末装置の制御方法、端末装置の制御プログラム、端末装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】情報提供装置からの衛星軌道情報の量を低減することができる測位システム等を提供すること。
【解決手段】端末装置20は、衛星軌道情報が含まれる航法メッセージを構成する単位情報をデコードする単位情報デコード手段と、単位情報デコード手段のデコード結果に基づいて、単位情報が属する航法メッセージに含まれる衛星軌道情報が端末装置自身がデコードすることができる単独デコード可能衛星軌道情報であるか否かを判断する単独デコード可能衛星軌道情報判断手段と、情報提供装置50に対して、単独デコード可能衛星軌道情報以外の衛星軌道情報を要求する衛星軌道情報選択要求手段と、を有し、情報提供装置50は、端末装置20からの要求に基づいて、単独デコード可能衛星軌道情報以外の衛星軌道情報を提供する衛星軌道情報選択提供手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報衛星からの位置関連信号を使用する測位システム、端末装置、端末装置の制御方法、端末装置の制御プログラム、端末装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、衛星航法システムである例えば、GPS(Global Positioning System)を利用してGPS受信機の現在位置を測位する測位システムが実用化されている。このGPS受信機には、外部の情報提供装置からGPS衛星からの信号に基づく測位計算をするためのエフェメリス(Ephemeris)と呼ばれる衛星軌道情報を取得するものがある(例えば、特許文献1)。
情報提供装置から衛星軌道情報を取得するシステムにおいては、GPS受信機自身がGPS衛星からの衛星信号から衛星軌道情報を取得するよりも迅速に衛星軌道情報を取得することができ、その結果として測位計算も迅速に実施することができるという利点がある。
【特許文献1】特開平10−31061号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、GPS受信機自身が衛星信号から取得できる衛星軌道情報も含めて、すべてのGPS衛星についての衛星軌道情報を情報提供装置から取得すると、取得するデータ量が多く、通信費用の負担も大きい場合があるという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、端末装置が情報提供装置から取得する衛星軌道情報の量を低減することができる測位システム、端末装置、端末装置の制御方法、端末装置の制御プログラム、端末装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的は、第1の発明によれば、複数の位置情報衛星からの位置関連信号に乗せられている衛星軌道情報を使用して現在位置の測位をする端末装置と、前記端末装置に対して前記衛星軌道情報を提供する情報提供装置と、を有する測位システムであって、前記端末装置は、前記衛星軌道情報が含まれる航法メッセージを構成する複数の単位情報をデコードする単位情報デコード手段と、前記単位情報デコード手段のデコード結果に基づいて、前記単位情報が属する前記航法メッセージに含まれる前記衛星軌道情報が、前記端末装置自身がデコードすることができる単独デコード可能衛星軌道情報であるか否かを判断する単独デコード可能衛星軌道情報判断手段と、前記情報提供装置に対して、前記単独デコード可能衛星軌道情報以外の前記衛星軌道情報を要求する衛星軌道情報選択要求手段と、を有し、前記情報提供装置は、前記端末装置からの要求に基づいて、前記単独デコード可能衛星軌道情報以外の前記衛星軌道情報を提供する衛星軌道情報選択提供手段と、を有することを特徴とする測位システムにより達成される。
【0006】
第1の発明の構成によれば、前記端末装置は、前記単位情報デコード手段によって、前記単位情報をデコードすることができる。そして、前記単独デコード可能衛星軌道情報判断手段によって、前記単位情報が属する前記航法メッセージが前記端末装置自身がデコードすることができる単独デコード可能衛星軌道情報であるか否かを判断することができ、さらに、前記衛星軌道情報選択要求手段によって、前記情報提供装置に対して、前記単独デコード可能衛星軌道情報以外の前記衛星軌道情報を要求することができる。
【0007】
一方、前記情報提供装置は、前記衛星軌道情報選択提供手段によって、前記端末装置からの要求に基づいて、前記単独デコード可能衛星軌道情報以外の前記衛星軌道情報を提供することができる。
【0008】
すなわち、前記端末装置は、前記情報提供装置に対して、すべての前記位置情報衛星の前記衛星軌道情報を要求するのではなくて、前記単独デコード可能衛星軌道情報以外の前記衛星軌道情報を要求する。
一方、前記情報提供装置は、前記端末装置に対して、すべての前記位置情報衛星の前記衛星軌道情報を提供するのではなくて、前記端末装置から要求を受けた前記衛星軌道情報のみを提供する。
これにより、前記端末装置が前記情報提供装置から取得する前記衛星軌道情報の量を低減することができる。
【0009】
前記目的は、第2の発明によれば、複数の位置情報衛星からの位置関連信号に乗せられている衛星軌道情報を使用して現在位置の測位をする端末装置であって、前記衛星軌道情報が含まれる航法メッセージを構成する複数の単位情報をデコードする単位情報デコード手段と、前記単位情報デコード手段のデコード結果に基づいて、前記単位情報が属する前記航法メッセージに含まれる前記衛星軌道情報が、前記端末装置自身がデコードすることができる単独デコード可能衛星軌道情報であるか否かを判断する単独デコード可能衛星軌道情報判断手段と、前記端末装置に対して前記衛星軌道情報を提供する情報提供装置に対して、前記単独デコード可能衛星軌道情報以外の前記衛星軌道情報を要求する衛星軌道情報選択要求情報と、を有することを特徴とする端末装置によって達成される。
【0010】
第2の発明の構成によれば、前記端末装置は、第1の発明の構成と同様に、前記端末装置が前記情報提供装置から取得する前記衛星軌道情報の量を低減することができる。
【0011】
第3の発明は、第2の発明の構成において、前記単独デコード可能衛星軌道情報判断手段は、最初にデコードした前記単位情報のデコード結果に基づいて、前記単位情報が属する前記航法メッセージに含まれる前記衛星軌道情報が前記単独デコード可能衛星軌道情報であるか否かを判断する構成となっていることを特徴とする。
【0012】
第3の発明の構成によれば、前記単独デコード可能衛星軌道情報判断手段は、最初にデコードした前記単位情報のデコード結果に基づいて、前記単位情報が属する前記航法メッセージに含まれる前記衛星軌道情報が前記単独デコード可能衛星軌道情報であるか否かを判断する構成となっているから、迅速に前記単独デコード可能衛星軌道情報であるか否かを判断することができる。
【0013】
第4の発明は、第2の発明の構成において、前記単独デコード可能衛星軌道情報判断手段は、最初にデコードした前記単位情報のデコード結果及び、続いてデコードした少なくとも1の前記単位情報のデコード結果に基づいて、前記単位情報が属する前記航法メッセージに含まれる前記衛星軌道情報が前記単独デコード可能衛星軌道情報であるか否かを判断する構成となっていることを特徴とする。
【0014】
第4の発明の構成によれば、前記単独デコード可能衛星軌道情報判断手段は、最初にデコードした前記単位情報のデコード結果及び、続いてデコードした少なくとも1の前記単位情報のデコード結果に基づいて、前記単位情報が属する前記航法メッセージに含まれる前記衛星軌道情報が前記単独デコード可能衛星軌道情報であるか否かを判断する構成となっているから、最初にデコードした前記単位情報のデコード結果によっては前記単独デコード可能衛星軌道情報ではないと判断される場合であっても例えば、第2番目にデコードした前記単位情報のデコード結果によって前記単独デコード可能衛星軌道情報であると判断することができる。
このため、前記衛星軌道情報が前記単独デコード可能衛星軌道情報であるか否かを確実に判断することができる。
【0015】
第5の発明は、第2乃至第4の発明のいずれかの構成において、前記単独デコード可能衛星軌道情報判断手段は、前記単位情報を乗せている前記位置関連信号の信号強度、及び/又は、前記単位情報のデータ誤送判断符号に基づいて、前記単位情報が属する前記航法メッセージに含まれる前記衛星軌道情報が前記単独デコード可能衛星軌道情報であるか否かを判断する構成となっていることを特徴とする。
【0016】
第5の発明の構成によれば、前記単独デコード可能衛星軌道情報判断手段は、前記単位情報を乗せている前記位置関連信号の信号強度、及び/又は、前記単位情報のデータ誤送判断符号に基づいて、前記単位情報が属する前記航法メッセージが含まれる前記衛星軌道情報が前記単独デコード可能衛星軌道情報であるか否かを判断するから、前記単位情報が属する前記衛星軌道情報が前記単独デコード可能衛星軌道情報であるか否かを正確に判断することができる。
【0017】
前記目的は、第6の発明によれば、複数の位置情報衛星からの位置関連信号に乗せられている衛星軌道情報を使用して現在位置の測位をする端末装置が、前記衛星軌道情報を含む航法メッセージを構成する単位情報をデコードする単位情報デコードステップと、前記端末装置が、前記単位情報デコードステップにおけるデコード結果に基づいて、前記単位情報が属する前記航法メッセージに含まれる前記衛星軌道情報が、前記端末装置自身がデコードすることができる単独デコード可能衛星軌道情報であるか否かを判断する単独デコード可能衛星軌道情報判断ステップと、前記端末装置が、前記端末装置に対して前記衛星軌道情報を提供する情報提供装置に対して、前記単独デコード可能衛星軌道情報以外の前記衛星軌道情報を要求する衛星軌道情報選択要求ステップと、を有することを特徴とする端末装置の制御方法によって達成される。
【0018】
第6の発明の構成によれば、第2の発明の構成と同様に、前記端末装置は、前記情報提供装置から取得する前記衛星軌道情報の量を低減することができる
【0019】
前記目的は、第7の発明によれば、コンピュータに、複数の位置情報衛星からの位置関連信号に乗せられている衛星軌道情報を使用して現在位置の測位をする端末装置が、前記衛星軌道情報を含む航法メッセージを構成する単位情報をデコードする単位情報デコードステップと、前記端末装置が、前記単位情報デコードステップにおけるデコード結果に基づいて、前記単位情報が属する前記航法メッセージに含まれる前記衛星軌道情報が、前記端末装置自身がデコードすることができる単独デコード可能衛星軌道情報であるか否かを判断する単独デコード可能衛星軌道情報判断ステップと、前記端末装置が、前記端末装置に対して前記衛星軌道情報を提供する情報提供装置に対して、前記単独デコード可能衛星軌道情報以外の前記衛星軌道情報を要求する衛星軌道情報選択要求ステップと、を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラムによって達成される。
【0020】
前記目的は、第8の発明によれば、コンピュータに、複数の位置情報衛星からの位置関連信号に乗せられている衛星軌道情報を使用して現在位置の測位をする端末装置が、前記衛星軌道情報を含む航法メッセージを構成する単位情報をデコードする単位情報デコードステップと、前記端末装置が、前記単位情報デコードステップにおけるデコード結果に基づいて、前記単位情報が属する前記航法メッセージに含まれる前記衛星軌道情報が、前記端末装置自身がデコードすることができる単独デコード可能衛星軌道情報であるか否かを判断する単独デコード可能衛星軌道情報判断ステップと、前記端末装置が、前記端末装置に対して前記衛星軌道情報を提供する情報提供装置に対して、前記単独デコード可能衛星軌道情報以外の前記衛星軌道情報を要求する衛星軌道情報選択要求ステップと、を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0022】
図1は、本発明の実施の形態に係る測位システム10を示す概略図である。
図1に示すように、測位システム10は、複数の位置情報衛星である例えば、GPS衛星12a,12b,12c,12d,12e及び12fから位置関連信号である例えば、信号S1,S2,S3,S4,S5及びS6に乗せられている各GPS衛星12a等の衛星軌道情報である例えば、後述のエフェメリスを使用して現在位置の測位をする端末装置である例えば、端末20を有する。なお、測位システム10は、GPS衛星12a乃至GPS衛星12f以外にも複数のGPS衛星を有し、すべてのGPS衛星の数は例えば、32個である。ただし、本実施の形態では仮に、端末20の位置から観測可能な上空衛星は図1に示すように、GPS衛星12a乃至12fの6個であるとする。
測位システム10は、また、端末20に対してエフェメリスを提供する情報提供装置であるサーバ50を有する。エフェメリスは、各GPS衛星12a等の各信号S1等に乗せられている航法メッセージに含まれる情報であって、各GPS衛星12a等自身の衛星軌道を示す情報である。航法メッセージは、測位計算等に必要なデータであって、エフェメリスのほかに、後述のアルマナック(Almanac)という各GPS衛星12a等の概略衛星軌道を示す情報も含む。
端末20は、通信基地局である基地局45及び、通信網であるインターネット網40を介して、サーバ50と通信可能になっている。
【0023】
なお、端末20は、携帯電話機、PHS(Personal Handy−phone System)、PDA(Personal Digital Assistance等であるが、これらに限らない。
【0024】
(端末20の主なハードウエア構成について)
図2は端末20の主なハードウエア構成を示す概略図である。
図2に示すように、端末20は、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス22を有する。
このバス22には、CPU(Central Processing Unit)24、記憶装置26等が接続されている。記憶装置26は例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等である。
【0025】
また、このバス22には、各種情報等を入力するための入力装置28が接続されている。
また、このバス22には、サーバ50等と通信するための端末通信装置30、GPS衛星12a等から信号S1等を受信するための端末GPS装置32が接続されている。
さらに、このバス22には、各種情報等を表示するための端末表示装置34が接続されている。
【0026】
(サーバ50の主なハードウエア構成について)
図3はサーバ50の主なハードウエア構成を示す概略図である。
図3に示すように、サーバ50は、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス52を有する。
このバス52には、CPU54、記憶装置56、外部記憶装置58等が接続されている。外部記憶装置58は例えば、HD(Hard Disk)等である。
【0027】
また、このバス52には、各種情報等を入力するための入力装置60が接続されている。
また、このバス52には、端末20等と通信するためのサーバ通信装置62、GPS衛星12a等から信号S1等を受信するためのサーバGPS装置64が接続されている。
さらに、このバス52には、各種情報等を表示するためのサーバ表示装置66が接続されている。
【0028】
(端末20の主なソフトウエア構成について)
図4は、端末20の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図4に示すように端末20は、各部を制御する端末制御部100、図2の端末通信装置30に対応する端末通信部102、図2の端末GPS装置32に対応する端末GPS部104等を有する。
【0029】
図4に示すように、端末20は、各種プログラムを格納する端末第1記憶部110、各種情報を格納する端末第2記憶部150を有する。
【0030】
図4に示すように、端末20は、端末第2記憶部150に動作モード情報152を格納している。図4に示すように、動作モード情報152は、単独測位モード152a及びアシストモード152bを含む。
単独測位モード152aは、端末20が、サーバ50(図1参照)からエフェメリスを取得することなく、単独でGPS衛星12a等から信号S1等を受信して、測位に必要なエフェメリスをデコードして取得する動作モードである。
これに対して、アシストモード152bは、サーバ50から測位に必要なGPS衛星12a等の少なくとも一部についてのエフェメリスを取得して、そのエフェメリスを使用して端末20の現在位置の測位を行う動作モードである。
【0031】
図4に示すように、端末20は、端末第1記憶部110に上空衛星情報生成プログラム112を格納している。上空衛星情報生成プログラム112は、端末制御部100が、衛星情報154及び端末概位置情報156に基づいて、端末20の概略位置から観測可能なGPS衛星12a等である上空衛星を示す上空衛星情報158を生成するための情報である。
衛星情報154は例えば、上述のアルマナックである。
端末概位置情報156に示される概略位置は例えば、前回測位時の測位位置情報である。
端末制御部100は上空衛星情報生成プログラム112によって、衛星情報154及び端末概位置情報156に基づいて、端末20の概略位置から観測可能であると推測される例えば、GPS衛星12a乃至12f(図1参照)を示す上空衛星情報158を生成することができる。
【0032】
図4に示すように、端末20は、端末第1記憶部110にサブフレームデコード実行プログラム114を格納している。ここで、図5を使用して、サブフレーム等について説明しておく。
【0033】
図5は、GPS衛星12aからの信号S1に乗せられている航法メッセージを示す概略図である。
図5に示すように、航法メッセージは、サブフレームSub1,Sub2,Sub3,Sub4及びSub5から構成されている。
この航法メッセージは50ビットパーセコンド(bps)の速度で、GPS衛星12aから送信されている。各サブフレームSub1等は、300ビット(bit)で構成される。すなわち、各サブフレームSub1等を受信するためには、それぞれ6秒(s)必要となる。
サブフレームSub1乃至Sub5が集まったものをメインフレームと呼ぶ。このメインフレームは1,500ビット(bit)で構成されるから、メインフレームを受信するためには、30秒(s)必要となる。
サブフレームSub1,Sub2及びSub3にGPS衛星12aのエフェメリスが格納されている。そして、サブフレームSub4及びSub5には、GPS衛星12a以外のアルマナックが格納されている。
上述のように、航法メッセージは、エフェメリスを含む情報であり、サブフレームSub1等から構成されている。
上述のサブフレームSub1等は、単位情報の一例である。
【0034】
サブフレームデコード実行プログラム114は、端末制御部100が、サブフレームSub1等をデコードするための情報である。すなわち、サブフレームデコード実行プログラム114と端末制御部100は、単位情報デコード手段の一例である。
【0035】
図4に示すように、端末20は、端末第1記憶部110に衛星番号情報生成プログラム116を格納している。衛星番号情報生成プログラム116は、端末制御部100が、サブフレームデコード実行プログラム114によってデコードした例えば、サブフレームSub1等が乗せられた信号S1を発信したGPS衛星12a等の識別番号を示す衛星番号情報160を生成するための情報である。
端末制御部100は、生成した衛星番号情報160を端末第2記憶部150に格納する。
【0036】
図4に示すように、端末20は、端末第1記憶部110に信号強度情報生成プログラム118を格納している。信号強度情報生成プログラム118は、端末制御部100が、サブフレームデコード実行プログラム114によってデコードした例えば、サブフレームSub1等が乗せられた信号S1等の信号強度を示す信号強度情報162を生成するための情報である。
信号強度情報162は例えば、信号S1等と雑音電力の比であるSNR(singal to noise ratio)を示す情報である。端末制御部100は、生成した信号強度情報162を端末第2記憶部150に格納する。
【0037】
図4に示すように、端末20は、端末第1記憶部110にパリティチェック情報生成プログラム120を格納している。パリティチェック情報生成プログラム120は、端末制御部100が、サブフレームデコード実行プログラム114によってデコードした例えば、サブフレームSub1等のパリティビットに示される1(又は0)の偶奇と、サブフレームSub1等に含まれる1(又は0)の個数の偶奇を比較して、双方の偶奇が合致するかどうかによって、データの誤送があるか否かを示すパリティチェック情報164を生成するための情報である。すなわち、パリティチェック情報生成プログラム120は、端末制御部100がパリティチェック(parity check)を行うための情報である。なお、パリティチェックは奇偶検査とも呼ぶ。
端末制御部100は、生成したパリティチェック情報164を端末第2記憶部150に格納する。
【0038】
図4に示すように、端末20は、端末第1記憶部110にデコード回数評価プログラム122を格納している。デコード回数評価プログラム122は、端末制御部100が、サブフレームデコード実行プログラム114によってデコードした回数が、デコード設定回数情報166に示される例えば、1回目か否かを判断するための情報である。
端末制御部100が、デコード回数評価プログラム122によってサブフレームSub1等をデコードした回数が、デコード設定回数情報166に示される例えば、1回目であると判断した場合には、以下に説明する単独デコード可能エフェメリス判断プログラム124に基づく処理を実行する。
【0039】
図4に示すように、端末20は、端末第1記憶部110に単独デコード可能エフェメリス判断プログラム124を格納している。単独デコード可能エフェメリス判断プログラム124は、端末制御部100が、サブフレームデコード実行プログラム114によってデコードした例えば、サブフレームSub1等のデコード結果に基づいて、サブフレームSub1が属する航法メッセージに含まれるエフェメリス(図5参照)が端末20自身がデコードすることができる単独デコード可能エフェメリスか否かを判断するための情報である。単独デコード可能エフェメリスは単独デコード可能衛星軌道情報の一例である。そして、単独デコード可能エフェメリス判断プログラム124と端末制御部100は、単独デコード可能衛星軌道情報判断手段の一例である。
以下、単独デコード可能エフェメリス判断プログラム124について、図6を使用して説明する。
【0040】
図6は、最初にデコードされたサブフレーム等を示す概略図である。
図6(a)に示すように、端末制御部100がサブフレームデコード実効プログラム114(図4参照)に基づいて、GPS衛星12a,12b,12c及び12dからの信号S1乃至S4に乗せられている航法メッセージのうち、それぞれサブフレームSub3(図5参照)がデコードされたとする。
図6(a)の例では、上空衛星情報158に示されるGPS衛星12a乃至12fのうち、GPS衛星12e及び12fの信号S5及びS6に乗せられている航法メッセージのサブフレームはデコードされていない。
【0041】
端末制御部100は、サブフレームデコード実行プログラム114によって例えば、最初にデコードした各GPS衛星12a乃至12dに対応するサブフレームSub3のデコード結果に基づいて、GPS衛星12a乃至12dの航法メッセージに含まれるエフェメリスが、単独デコード可能エフェメリスか否かを判断する。最初にデコードしたサブフレームに基づいて上述の判断を行うか、それ以降にデコードしたサブフレームに基づいて上述の判断を行うか、についてはデコード決定回数情報166に示されているが、変更可能である。例えば、第2番目にデコードしたサブフレームに基づいて上述の判断を行うことにすることもできるし、第3番目にデコードしたサブフレームに基づいて上述の判断を行うこともできる。
具体的には、端末制御部100は、まず、サブフレームSub1等のデータ量(ビット数)で規定される各サブフレームSub1等の受信に必要な時間である例えば、6秒(s)以内にSubフレーム1等がデコードされないGPS衛星12d及び12eのエフェメリスについては、単独デコード可能エフェメリスではないと判断する。
【0042】
最初にデコードした例えば、サブフレームSub3のデコード結果に基づいて、サブフレームSub3が属する航法メッセージに含まれるエフェメリスが単独デコード可能エフェメリスであるか否かを判断する構成となっている場合には、迅速に単独デコード可能エフェメリスであるか否かを判断することができる。
【0043】
次に、端末制御部100は、デコードしたサブフレームSub3に対応するGPS衛星12a乃至12dのエフェメリスについて、信号強度情報162及びパリティチェック情報164によって単独可能エフェメリスか否かを判断する。
具体的には、図6(a)に示すように、信号強度情報162に示される信号強度が強い場合か、又は、パリティチェック情報164に示される情報がデータ誤送なしという場合には、各サブフレームSub3に対応するエフェメリスは、単独可能エフェメリスであると判断する。これは、信号強度が強い場合には、パリティチェックにおいてデータ誤送があると判定した場合であっても、時間経過に伴って、データ誤送がないデータを受信することができるからである。また、信号強度が弱い場合であっても、パリティチェックにおいてデータ誤送がないと判定した場合には、その後に受信するサブフレームもデータ誤送がないと推測できるからである。
端末制御部100は、単独デコード可能エフェメリス判断プログラム124に含まれるパリティチェック評価プログラム124aによって、パリティチェック情報124に示される情報が、データ誤送ありかデータ誤送なしかを判断することができる。そして、端末制御部100は信号強度評価プログラム124bによって、信号強度情報162に示される信号強度がデコード可能信号強度閾値以上であるか否かを判断することができる。
なお、端末制御部100は、SNRが例えば、信号S1が10で、雑音が1の比であれば、信号強度が強いと判断する。すなわち、信号S1が10、雑音が1の比をデコード可能信号強度閾値としている。
このように、信号強度及びパリティチェックの双方に基いて、単独デコード可能エフェメリスであるか否かを判断することから、単独デコード可能エフェメリスであるか否かを正確に判断することができる。
【0044】
端末制御部は、単独デコード可能エフェメリスに対応するGPS衛星12a等の識別番号を示す単独デコード可能エフェメリス衛星情報168を生成し、端末第2記憶部150に格納する。
図6(a)の例では、GPS衛星12a乃至12dが各識別番号によって単独デコード可能エフェメリス衛星情報168に示される。
【0045】
図4に示すように、端末20は、端末第1記憶部110にエフェメリス選択要求プログラム126を格納している。エフェメリス選択要求プログラム126は、端末制御部100が、サーバ50に対して、単独デコード可能エフェメリス以外のエフェメリスを要求するための情報である。すなわち、エフェメリス選択要求プログラム126と端末制御部100は、衛星軌道情報選択要求手段の一例である。
【0046】
具体的には、端末制御部100はエフェメリス選択要求プログラム126によって、上空衛星情報158に示されるGPS衛星12a乃至12fから、単独デコード可能エフェメリス衛星情報168に示されるGPS衛星12a乃至12d以外のGPS衛星12e及び12fを示すエフェメリス要求決定衛星情報170を生成する。そして、端末制御部100は、エフェメリス要求決定衛星情報170に示されるGPS衛星12e及び12fのエフェメリスをサーバ50に対して要求する。
【0047】
上述のように、デコード設定回数情報166に示されるデコード設定回数は変更可能であり例えば、2回に変更することも可能である。
デコード設定回数を2回に設定すると、図6(a)に示すように、1回目のデコードではGPS衛星12a乃至12dに対応するサブフレームSub3だけがデコードされており、図6(b)に示すように、2回目のデコードではGPS衛星12a乃至12dに対応するサブフレームSub4以外にGPS衛星12eに対応するサブフレームSub4もデコードされ、かつ、パリティチェックによってもデータ誤送がないという場合がある。
この場合、端末制御部100は単独デコード可能エフェメリス判断プログラム124によって、1回目にデコードしたサブフレームSub3のデコード結果及び、2回目にデコードしたサブフレームSub4のデコード結果に基づいて、サブフレームSub3又はSub4に対応するGPS衛星12a乃至12eのエフェメリスが単独デコード可能エフェメリスか否かを判断する。
【0048】
デコード設定回数情報166に示されるデコード設定回数は、1回又は2回以外にも変更可能であり、端末制御部100は、最初にデコードした例えば、サブフレームSub3のデコード結果及び、続いてデコードした少なくとも1のサブフレームSub4等のデコード結果に基づいて、サブフレームSub3等に対応するGPS衛星12a等のエフェメリスが単独デコード可能エフェメリスか否かを判断する。
このため、サブフレームSub3が属する航法メッセージに含まれるエフェメリスが単独デコード可能エフェメリスであるか否かを確実に判断することができる。
【0049】
(サーバ50のソフトウエア構成について)
図7は、サーバ50の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図7に示すようにサーバ50は、各部を制御するサーバ制御部200、図3のサーバ通信装置62に対応するサーバ通信部202、図3のサーバGPS装置64に対応するサーバGPS部204等を有する。
【0050】
図7に示すように、サーバ50は、各種プログラムを格納するサーバ第1記憶部210、各種情報を格納するサーバ第2記憶部250を有する。
【0051】
図7に示すように、サーバ50は、サーバ第1記憶部210に衛星情報選択送信プログラム212を格納している。衛星情報選択送信プログラム212は、サーバ制御部200が、端末20からの要求に基づいて、単独デコード可能エフェメリス以外のエフェメリスを提供するための情報である。すなわち、衛星情報選択送信プログラム212とサーバ制御部200は、衛星軌道情報選択提供手段の一例である。
【0052】
具体的には、サーバ50は、GPS衛星12a乃至12f(図1参照)を含む測位システム10のすべてのGPS衛星のエフェメリスを示すエフェメリス情報252をサーバ第2記憶部250に格納している。サーバ制御部200は、このうち、端末20から要求を受けた例えば、GPS衛星12a乃至12dのエフェメリスだけを端末20に送信する。
【0053】
上述のように、端末20は、サーバ50に対して、端末20の位置から観測可能なすべてのGPS衛星12a等のエフェメリスを要求するのではなくて、単独デコード可能エフェメリス以外のエフェメリスを要求する。
一方、サーバ50は、端末20に対して、端末20の位置から観測可能なすべてのGPS衛星12a等のエフェメリスを提供するのではなくて、端末20から要求を受けたエフェメリスのみを提供する。
これにより、サーバ50から端末20が受信するエフェメリスの量を低減することができる。
【0054】
以上が本実施の形態に係る測位システム10の構成であるが、以下、その動作例を主に図8及び図9を使用して説明する。
【0055】
図8及び図9は本実施の形態に係る測位システム10の動作例を示す概略フローチャートである。
【0056】
まず、端末20は、端末20の位置から観測可能な上空衛星を示す上空衛星情報158(図4参照)を生成する(図8のステップST1)。
続いて、端末20は、サーバ50に対してエフェメリスを要求するか否かを判断し(ステップST2)、サーバ50に対してエフェメリスを要求する場合には、アシストモード152b(図4参照)で駆動を開始する(ステップST3)。
【0057】
続いて、端末20は、信号S1等に乗せられている航法メッセージのサブフレームSub1等(図5参照)のデコードを実行する(ステップST4)。このステップST4は、単位情報デコードステップの一例である。
【0058】
続いて、端末20は、サブフレームがデコードできたか否かを確認し(ステップST5)、サブフレームがデコードできた場合には、衛星番号情報160(図4参照)、信号強度情報162及びパリティチェック情報164を生成する(ステップST6)。
【0059】
続いて、端末20は、デコード回数がデコード設定回数情報166(図4参照)に示されるデコード設定回数である例えば、1回以上か否かを判断し(ステップST7)、デコード回数がデコード設定回数以上であると判断すると、デコード判定シーケンスを実行する(ステップST8)。このステップST8は、単独デコード可能衛星軌道情報判断ステップの一例である。
【0060】
図9に示すように、デコード判定シーケンス(ステップST8)においては、端末20は、まず、パリティチェック情報164を参照してデータ誤送がないか否かを判断する(図9のステップST101)。ステップST101において、データ誤送がないと判断した場合には例えば、デコードしたサブフレームSub3(図6(a)参照)に対応するGPS衛星12a乃至12cのエフェメリスは単独デコード可能エフェメリスであると判断する(ステップST103)。
【0061】
これに対して、ステップST101において、データ誤送があると判断した場合には例えば、データ誤送があるサブフレームSub3(図6(a)参照)に対応するGPS衛星12dからの信号S4(図1参照)の信号強度がデコード可能信号強度閾値以上か否かを判断する(ステップST102)。
ステップST102において、端末20が、GPS衛星12dの航法メッセージのサブフレームSub3の信号強度がデコード可能信号強度閾値以上であると判断した場合には、データ誤送があるサブフレームSub3(図6(a)参照)に対応するGPS衛星12dのエフェメリスであっても、単独デコード可能エフェメリスであると判断する(ステップST103)。
これに対して、ステップST102において、端末20が、GPS衛星12dの航法メッセージのサブフレームSub3の信号強度がデコード可能信号強度閾値以上ではないと判断した場合には、データ誤送があるサブフレームSub3(図6(a)参照)に対応するGPS衛星12dのエフェメリスを、単独デコード可能エフェメリスではないと判断する(ステップST104)。
【0062】
上述のデコード判定シーケンスステップST101乃至ST104を終了すると、端末20は、すべての上空衛星についてデコード判定シーケンスが終了したか否かを確認し(図8のステップST9)、すべての上空衛星についてデコード判定シーケンスが終了した場合には、サーバ50に対して、単独デコード可能エフェメリス以外のエフェメリスを要求する(ステップST10)。このステップST10は、衛星軌道情報選択要求ステップの一例である。
【0063】
上述のように、端末20は、サーバ50に対して、端末20の位置から観測可能なすべてのGPS衛星12a等のエフェメリスを要求するのではなくて、単独デコード可能エフェメリス以外のエフェメリスを要求する。
これにより、端末20が、サーバ50から受信するエフェメリスの量を低減することができる。
【0064】
(プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等について)
コンピュータに上述の動作例の単位情報デコードステップと、単独デコード可能衛星軌道情報判断ステップと、衛星軌道情報選択要求ステップ等を実行させるための端末装置の制御プログラムとすることができる。
また、このような端末装置の制御プログラム等を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等とすることもできる。
【0065】
これら端末装置の制御プログラム等をコンピュータにインストールし、コンピュータによって実行可能な状態とするために用いられるプログラム格納媒体は、例えばフロッピー(登録商標)のようなフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Compact Disc−Recordable)、CD−RW(Compact Disc−Rewriterble)、DVD(Digital Versatile Disc)などのパッケージメディアのみならず、プログラムが一時的若しくは永続的に格納される半導体メモリ、磁気ディスクあるいは光磁気ディスクなどで実現することができる。
【0066】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。さらに、上述の各実施の形態は、相互に組み合わせて構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施の形態に係る測位システムを示す概略図である。
【図2】端末の主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図3】サーバの主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図4】端末の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図5】航法メッセージを示す概略図である。
【図6】最初にデコードされたサブフレーム等を示す概略図である。
【図7】サーバの主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図8】測位システムの動作例を示す概略フローチャートである。
【図9】測位システムの動作例を示す概略フローチャートである。
【符号の説明】
【0068】
10・・・測位システム、12a,12b,12c,12d,12e,12f・・・GPS衛星、20・・・端末、40・・・インターネット網、45・・・基地局、112・・・上空衛星情報生成プログラム、114・・・サブフレームデコード実行プログラム、116・・・衛星番号情報生成プログラム、118・・・信号強度情報生成プログラム、120・・・パリティチェック情報生成プログラム、122・・・デコード回数評価プログラム、124・・・単独デコード可能エフェメリス判断プログラム、124a・・・パリティチェック評価プログラム、124b・・・信号強度評価プログラム、126・・・エフェメリス選択要求プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の位置情報衛星からの位置関連信号に乗せられている衛星軌道情報を使用して現在位置の測位をする端末装置と、
前記端末装置に対して前記衛星軌道情報を提供する情報提供装置と、
を有する測位システムであって、
前記端末装置は、
前記衛星軌道情報が含まれる航法メッセージを構成する複数の単位情報をデコードする単位情報デコード手段と、
前記単位情報デコード手段のデコード結果に基づいて、前記単位情報が属する前記航法メッセージに含まれる前記衛星軌道情報が、前記端末装置自身がデコードすることができる単独デコード可能衛星軌道情報であるか否かを判断する単独デコード可能衛星軌道情報判断手段と、
前記情報提供装置に対して、前記単独デコード可能衛星軌道情報以外の前記衛星軌道情報を要求する衛星軌道情報選択要求手段と、を有し、
前記情報提供装置は、
前記端末装置からの要求に基づいて、前記単独デコード可能衛星軌道情報以外の前記衛星軌道情報を提供する衛星軌道情報選択提供手段と、
を有することを特徴とする測位システム。
【請求項2】
複数の位置情報衛星からの位置関連信号に乗せられている衛星軌道情報を使用して現在位置の測位をする端末装置であって、
前記衛星軌道情報が含まれる航法メッセージを構成する複数の単位情報をデコードする単位情報デコード手段と、
前記単位情報デコード手段のデコード結果に基づいて、前記単位情報が属する前記航法メッセージに含まれる前記衛星軌道情報が、前記端末装置自身がデコードすることができる単独デコード可能衛星軌道情報であるか否かを判断する単独デコード可能衛星軌道情報判断手段と、
前記端末装置に対して前記衛星軌道情報を提供する情報提供装置に対して、前記単独デコード可能衛星軌道情報以外の前記衛星軌道情報を要求する衛星軌道情報選択要求手段と、
を有することを特徴とする端末装置。
【請求項3】
前記単独デコード可能衛星軌道情報判断手段は、最初にデコードした前記単位情報のデコード結果に基づいて、前記単位情報が属する前記航法メッセージに含まれる前記衛星軌道情報が前記単独デコード可能衛星軌道情報であるか否かを判断する構成となっていることを特徴とする請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記単独デコード可能衛星軌道情報判断手段は、最初にデコードした前記単位情報のデコード結果及び、続いてデコードした少なくとも1の前記単位情報のデコード結果に基づいて、前記単位情報が属する前記航法メッセージに含まれる前記衛星軌道情報が前記単独デコード可能衛星軌道情報であるか否かを判断する構成となっていることを特徴とする請求項2に記載の端末装置。
【請求項5】
前記単独デコード可能衛星軌道情報判断手段は、前記単位情報を乗せている前記位置関連信号の信号強度、及び/又は、前記単位情報のデータ誤送判断符号に基づいて、前記単位情報が属する前記航法メッセージに含まれる前記衛星軌道情報が前記単独デコード可能衛星軌道情報であるか否かを判断する構成となっていることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の端末装置。
【請求項6】
複数の位置情報衛星からの位置関連信号に乗せられている衛星軌道情報を使用して現在位置の測位をする端末装置が、前記衛星軌道情報を含む航法メッセージを構成する単位情報をデコードする単位情報デコードステップと、
前記端末装置が、前記単位情報デコードステップにおけるデコード結果に基づいて、前記単位情報が属する前記航法メッセージに含まれる前記衛星軌道情報が、前記端末装置自身がデコードすることができる単独デコード可能衛星軌道情報であるか否かを判断する単独デコード可能衛星軌道情報判断ステップと、
前記端末装置が、前記端末装置に対して前記衛星軌道情報を提供する情報提供装置に対して、前記単独デコード可能衛星軌道情報以外の前記衛星軌道情報を要求する衛星軌道情報選択要求ステップと、
を有することを特徴とする端末装置の制御方法。
【請求項7】
コンピュータに、
複数の位置情報衛星からの位置関連信号に乗せられている衛星軌道情報を使用して現在位置の測位をする端末装置が、前記衛星軌道情報を含む航法メッセージを構成する単位情報をデコードする単位情報デコードステップと、
前記端末装置が、前記単位情報デコードステップにおけるデコード結果に基づいて、前記単位情報が属する前記航法メッセージに含まれる前記衛星軌道情報が、前記端末装置自身がデコードすることができる単独デコード可能衛星軌道情報であるか否かを判断する単独デコード可能衛星軌道情報判断ステップと、
前記端末装置が、前記端末装置に対して前記衛星軌道情報を提供する情報提供装置に対して、前記単独デコード可能衛星軌道情報以外の前記衛星軌道情報を要求する衛星軌道情報選択要求ステップと、
を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラム。
【請求項8】
コンピュータに、
複数の位置情報衛星からの位置関連信号に乗せられている衛星軌道情報を使用して現在位置の測位をする端末装置が、前記衛星軌道情報を含む航法メッセージを構成する単位情報をデコードする単位情報デコードステップと、
前記端末装置が、前記単位情報デコードステップにおけるデコード結果に基づいて、前記単位情報が属する前記航法メッセージに含まれる前記衛星軌道情報が、前記端末装置自身がデコードすることができる単独デコード可能衛星軌道情報であるか否かを判断する単独デコード可能衛星軌道情報判断ステップと、
前記端末装置が、前記端末装置に対して前記衛星軌道情報を提供する情報提供装置に対して、前記単独デコード可能衛星軌道情報以外の前記衛星軌道情報を要求する衛星軌道情報選択要求ステップと、
を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−90970(P2006−90970A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−279854(P2004−279854)
【出願日】平成16年9月27日(2004.9.27)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】