説明

測位通信システム、及び撮像装置、及び測位装置

【課題】通信に要する消費電力を抑え、撮像した時刻の測位情報とともに撮像した画像を記録する。
【解決手段】撮像装置と測位装置で基準となる時刻の情報を同期させ、測位装置が測位して得られた測位情報を、測位した時刻の情報とともに測位装置内に順次記録する。そして、撮像装置で撮像を行った際、消費電力の少ない通信待機状態から復帰し、撮像した時刻の情報を測位装置に送信する。測位装置は、測位装置内に記録されている測位情報の中から、撮像した時刻の情報に対応した測位情報を取得し、測位情報に含まれる位置の情報を撮像装置に送信し、撮像装置は得られた位置の情報を撮像した画像に関連付けて記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測位装置と、接続されたその測位装置で取得した測位情報とともに、撮像した画像を記録する撮像装置とを有する測位通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラ等の撮像装置に、撮像装置とは別にGPS等の測位方式で測位を行う測位装置を利用する場合、シリアルケーブル(RS−232C)やUSBケーブル等で両者を接続していた。この場合、測位装置は定期的に自身の位置の測位を行い、撮像装置は、測位装置で得られた測位情報を逐次受信することによって、測位情報を取得していた。
近年の撮像装置には、外付け機器との接続がワイヤレス化されているものもあり、測位装置との接続をBluetooth(登録商標)等の無線規格で行う撮像装置(特許文献1参照)もあり、無線通信にて測位装置で得られた測位情報を撮像装置で受信している。
【0003】
一方、ユーザが撮像装置を用いて撮像を行うタイミングに合わせて、外付けの測位装置と通信を開始し、測位を開始させる技術もある(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−279110号公報
【特許文献2】特開2006−86927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のように、撮像装置に測位装置を有線あるいは無線で接続して撮像を行う従来の方法では、撮像装置が測位情報を受信する際に撮像装置と測位装置は常に通信しており、通信に要する消費電力が大きいという問題があった。
【0006】
また、特許文献2のように、撮像装置の撮像のタイミングに合わせて測位装置と通信を開始し、測位情報を取得する場合、撮像から測位までに時間を要する。このため、撮像を行った時刻と測位により位置情報を取得できた時刻にタイムラグが生じ、実際に撮影を行った位置の測位情報を取得できないことがあった。
【0007】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、通信に要する消費電力を抑えつつも、撮像した時刻の測位情報とともに撮像した画像を記録できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の目的を達成するために、本発明の測位通信システムは、以下の構成を備える。
撮像装置と測位装置との間で通信を行う測位通信システムであって、撮像装置と測位装置との間の通信の状態に、通信状態と、通信状態よりも通信にかかる消費電力が少ない通信待機状態とを備え、測位装置は、測位装置の位置を順次取得する測位手段と、測位手段で測位した位置の情報を、測位した時刻の情報とともに記録する位置記録手段とを有し、撮像装置は、被写体を撮像する撮像手段と、撮像手段で撮像した際に通信の状態が通信待機状態である場合、通信の状態を通信状態に移行し、撮像手段で撮像した時刻に対応する、位置記録手段に記録された位置の情報を測位装置から取得する取得手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
このような構成により本発明によれば、通信に要する消費電力を抑えつつも、撮像した時刻の測位情報とともに撮像した画像を記録することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態に係るデジタルカメラの機能構成を示すブロック図
【図2】実施形態に係るGPSユニットの機能構成を示すブロック図
【図3】GPSユニットで記録する、測位情報ログの一例を示す図
【図4】測位通信システムにおける起動時通信接続処理のフローチャート
【図5】測位通信システムにおける測位情報付撮像処理のフローチャート
【図6】デジタルカメラとGPSユニット間の通信タイミングチャート
【図7】デジタルカメラで行うペアリング処理のGUIの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態)
以下、本発明の好適な一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する一実施形態は、測位通信システムにおける撮像装置の一例としての、測位装置と無線通信可能なデジタルカメラと、測位装置の一例としての撮像装置の位置を検出可能なGPSユニットに、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、測位装置と接続し、有線無線を問わず通信可能な任意のシステムに適用可能である。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係る測位通信システムに用いられるデジタルカメラの機能構成を示すブロック図である。
カメラ制御部101は、例えばCPUであり、デジタルカメラ100が有する各ブロックの動作を制御する。カメラ制御部101は、例えばカメラFROM102に記憶されているデジタルカメラ100の各ブロックの動作プログラムを読み出し、カメラDRAM103に展開し実行することにより、各ブロックに動作を行わせる。カメラFROM102は、例えば書き換え可能な不揮発性メモリであり、デジタルカメラ100の各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作に必要なパラメータや、後述する画像表示部110に表示するGUI表示等の情報を記憶する。各ブロックの動作に必要なパラメータには、例えば撮像画像の解像度(画素数)の情報や、後述するGPSユニット200との接続設定に関する情報等がある。カメラDRAM103は、例えば書き換え可能な揮発性メモリであり、各ブロックでの処理の過程における一時的なデータの格納場所として利用される。操作入力部104は、デジタルカメラ100が備える、例えばレリーズスイッチや電源スイッチ等の、ユーザ入力インタフェースへの入力を管理する。例えばユーザによりレリーズスイッチが操作されると、操作入力部104はレリーズスイッチへの入力を検出し、カメラ制御部101へと撮像開始要求があったことを示す情報を伝送する。
【0013】
光学系105は、例えば撮像レンズや合焦レンズや絞り等で構成されるレンズ群であり、後述する撮像部106が有する撮像素子に被写体像を結像する。また、カメラ制御部101は、不図示の測光部や焦点検出部の検出結果により、光学系105を駆動させ、AE/AF動作を行う。撮像部106は、例えばCCDやCMOSセンサといった撮像素子であり、光学系105により撮像素子上に結像された被写体像を光電変換し、アナログ画像信号をA/D変換部107に出力する。A/D変換部107は、入力されたアナログ画像信号に対し、A/D変換を適用し、デジタル画像データを得る。画像処理部108は、A/D変換部107で変換されたデジタル画像データに対し、カメラFROM102に記憶されている画像処理設定の情報に従い、様々な信号補正処理、画像処理、及び、圧縮処理を適用し、記録用の画像データを得る。また、画像処理部108は、記録用の画像データを、後述するカメラ時刻管理部112から出力された撮像した時刻の情報とともに、カメラDRAM103に出力する。記録媒体109は、例えばデジタルカメラ100が有する内蔵メモリや、メモリカードやHDD等の着脱可能に接続される記録メディア等であり、記録用の画像データを記録する。画像表示部110は、例えば小型LCD等の表示装置であり、A/D変換部107が出力したデジタル画像データを逐次表示する(ライブビュー表示)ことにより、電子ビューファインダとして機能する。また、画像表示部110は、例えば記録媒体109に記録された画像データを表示することも可能である。
【0014】
カメラ通信接続部111は、有線無線問わず、外部機器との接続を行う入出力インタフェースであり、本実施形態においてGPSユニット200と接続する。カメラ通信接続部111は、通信時に接続されたGPSユニット200から位置の情報を受信し、受信した位置の情報を例えばカメラDRAM103に記憶する。なお、本実施形態において、デジタルカメラ100とGPSユニット200とは、Bluetooth規格による無線接続を行うものとして説明するが、本発明はこれに限らず、有線・無線により通信接続が可能であればよい。
【0015】
カメラ時刻管理部112は、例えばデジタルカメラ100が有する内蔵タイマであり、撮影時刻等の情報の基準となる時刻を管理する。なお、本実施形態においてカメラ時刻管理部112は、デジタルカメラ100とGPSユニット200の通信開始時に、GPSユニット200が位置の情報と同時に受信する時刻の情報を、カメラ通信接続部111を介して受信し、内蔵タイマの時刻を同期する。しかしながら、本発明の測位装置は測位とともに時刻の情報を受信可能なものでなくてもよく、その場合、例えばデジタルカメラ100とGPSユニット200の通信開始時に、互いの時刻管理部のタイマの差異を検出して管理すればよい。
【0016】
また図2は、本発明の実施形態に係る測位通信システムに用いられるGPSユニットの機能構成を示すブロック図である。
GPS制御部201は、例えばCPUであり、GPSユニット200が有する各ブロックの動作を制御する。GPS制御部201は、例えばGPS・FROM202に記憶されているGPSユニット200の各ブロックの動作プログラムを読み出し、GPS・DRAM203に展開して実行することにより、各ブロックに動作を行わせる。GPS・FROM202は、例えば書き込み可能な不揮発性メモリであり、GPSユニット200の各ブロックの動作プログラムに加え、デジタルカメラ100との無線接続に関する情報等の各ブロックの動作に必要な各種パラメータを記憶する。GPS・DRAM203は、例えば書き換え可能な揮発性のメモリであり、各ブロックでの処理の過程における一時的なデータの格納場所として利用される。
【0017】
GPSアンテナ204は、GPS衛星から発信された放送電波を受信するアンテナであり、複数のGPS衛星から発信される放送電波を受信して測位部205に伝送する。測位部205は、GPSアンテナ204から受信した複数のGPS衛星から発信された放送電波を処理し、GPSユニット200の自身の位置を測位する。具体的には測位部205は、GPSアンテナ204から受信した放送電波の情報を用いて、NMEA形式等の測位情報フォーマットに変換する計算を行う。測位部205は、GPSユニット200が不図示の電源スイッチにより電源投入された後、例えば1秒間隔といった一定周期で測位動作を行う。測位部205は、測位情報フォーマットに変換して得られた測位情報を、記録部207に伝送する。なお、GPSアンテナ204の状態やGPSユニット200の位置、GPS衛星の状態等によっては、GPSアンテナ204は常に一定数のGPS衛星からの放送電波を捕捉できない場合や、良好な状態での受信が行えない場合を有する。このような場合、測位部205は高精度な測位が行えない、もしくは測位自体が行えない。しかしながら、本実施形態では、GPSアンテナ204は常に一定数以上のGPS衛星を捕捉し、測位部205は精度良く位置を算出できるものとして説明する。
【0018】
GPS時刻管理部206は、例えばGPSユニット200が有する内蔵タイマである。GPS時刻管理部206は、例えばGPSユニット200が電源投入され、測位開始時の最初に測位部205が受信して変換した測位情報から時刻の情報を取得して、内蔵タイマを更新する。これにより、GPS時刻管理部206が有する内蔵タイマは、GPS衛星から発信される放送電波に含まれる時刻の情報に同期される。なお、本実施形態ではGPS衛星から発信された放送電波のように、位置の情報と時刻の情報を含む情報を受信しているが、位置の情報のみ受信するような測位の方式である場合は、GPS時刻管理部206は時刻の情報の同期及び更新を行わない。この場合、デジタルカメラ100とGPSユニット200は、例えば互いの時刻管理部が有する固有の内蔵タイマとクロック数等の情報から、同期する時刻情報の変換テーブルを作成し、互いの時刻の情報を同期するよう変換すればよい。
【0019】
記録部207は、例えば揮発性の記憶装置であり、測位部205が算出した測位情報を記録する(位置記録)。製品実施上、記録部207の有する記憶装置の容量は限られており、長時間の測位情報を記録することは不可能であるが、記録部207は、測位周期によって数時間から数日間分の測位情報(GPSログ)を記録することが可能である。図3は、記録部207に記録されたGPSログ情報の一例である。測位情報には、測位日、測位時刻、経度、緯度、及び高度の情報が含まれており、新たに測位された測位情報は、直前に記録された測位情報に上書きされずに、記録部207に追記される。また、記録部207の有する記憶装置の容量分の測位情報が記録された場合には、最も古い測位情報に上書きされる形で、新しい測位情報が記録されるものとする。
【0020】
表示部208は、例えばGPSユニット200が有する小型LCD等の表示装置であり、GPSユニット200のGPS衛星からの放送電波の受信状況等を表示する。GPS通信接続部209は、有線無線問わず、外部機器との接続を行う入出力インタフェースであり、本実施形態においてデジタルカメラ100と接続する。GPS通信接続部209は、接続したデジタルカメラ100に、測位部205で変換した測位情報に含まれる位置の情報を送信する。
【0021】
このような構成をもつ本実施形態の測位通信システムにおける、デジタルカメラ100とGPSユニット200の起動時通信接続処理について説明する前に、本実施形態で想定しているBluetooth規格における通信接続時のペアリング処理について説明する。図7は、本実施形態のデジタルカメラ100の画像表示部110に表示される、デジタルカメラ100とGPSユニット200のペアリング設定に関するGUIの一例である。
【0022】
デジタルカメラ100とGPSユニット200を初めて接続する際には、それぞれの機器はお互いの機器を通信接続先と認識しておらず、デジタルカメラ100は位置情報を関連付けて撮像画像を記録することはできない。このため、例えばユーザはデジタルカメラ100の画像表示部110に表示されるGPSユニットの設定GUIを見て操作を実行し、ペアリング処理を行う必要がある。ユーザは、例えばデジタルカメラ100の設定メニューからBluetooth機器のペアリングメニューを選択する(図7(a))。ペアリングメニューを選択すると、カメラ制御部101はデジタルカメラ100の周辺にあるBluetooth規格に準拠した通信デバイスをサーチし、発見したデバイスの一覧を画像表示部110に表示する。そしてユーザは、デジタルカメラ100の周辺にあるBluetooth規格に対応したデバイスの一覧からGPSユニット200(GPS1)を選択することでペアリング処理を開始する(図7(b))。ペアリング処理に関して、詳細な説明は省略するが、デジタルカメラ100は、GPSユニット200とペアリング処理を行うことによりBluetooth機器を登録する。これにより、次回以降の通信の際には、登録済みのBluetooth機器として、自動的に通信接続を行うことも可能となる。なお、登録済みのGPS機器が複数ある場合は、図7(a)のBluetooth機器の設定メニューにおいて、GPS機器設定メニューを選択すると、通信接続を行うGPSユニットを登録済みのGPS機器の一覧から選択することができる(図7(c))。このようにして、デジタルカメラ100に対しGPSユニット200をGPS機器として登録することができ、次回以降のデジタルカメラ100の電源投入時に、自動的にGPSユニット200との通信リンクを確立する起動時通信接続処理を行う。
【0023】
次に、本実施形態の起動時通信接続処理について、図4のフローチャートをさらに用いて説明する。なお、本起動時通信接続処理は、上述のようなペアリングが完了したデジタルカメラ100とGPSユニット200間で行われるものであり、両機器の処理とも電源が投入された状態で、開始されるものとして説明する。
【0024】
GPSユニット200の電源が投入されると、GPS制御部201は測位部205に、GPS衛星の捕捉及び追尾等の初期動作を行わせ、定期的な測位情報(位置の情報及び時刻の情報)の取得を開始させる。測位部205は、GPS制御部201の指示により、算出した測位情報を記録部207に出力する。GPS制御部201は、記録部207に測位部205が順次取得した測位情報をログ情報として記録させる(S401)。また、測位部205が最初に受信した測位情報の時刻の情報から、GPS制御部201はGPS時刻管理部206の有する内蔵タイマの情報を更新する。なお、本ステップで開始した測位情報のログ記録動作は、以降のステップの処理によらず、GPSユニット200が起動している間、継続して行われる。
【0025】
デジタルカメラ100の電源が投入されると、カメラ制御部101は、S402でGPS機能が有効になっているか判断する。GPS機能とは、前述のペアリング処理がすみ、GPSユニット200がデジタルカメラ100のGPS機器として登録されているかを表す情報であり、以下の説明では有効であるものとする。また、GPS機能が有効になっていない、即ちGPS機器のペアリング処理が行われていない場合は、カメラ制御部101は起動時通信接続処理を終了して、通常のデジタルカメラ100の起動時の処理を行えばよい。
【0026】
S402でGPS機能が有効になっていた場合、カメラ制御部101は処理をS403に移す。S403で、カメラ制御部101はカメラ通信接続部111からGPSユニット200に対し、Bluetooth規格に準拠した通信接続を要求する信号を送信する。
【0027】
S404で、GPS制御部201はGPS通信接続部209が接続要求信号を受信したかを判断する。デジタルカメラ100より接続要求信号を受信した場合は、GPS制御部201は処理をS405に移し、接続要求信号を受信できなかった場合は、受信できるまでS404の処理を繰り返す。なお、例えばGPS・FROM202に記憶されている受信タイムアウトの時間を経過した場合は、GPS制御部201は接続要求信号を一定期間中に受信できなかったと判断し、起動時通信接続処理を終了すればよい。そして、S405で、GPS制御部201はS404で接続要求信号を受信したデジタルカメラ100と通信リンクを確立する。S406で、カメラ制御部101は、通信リンクが確立したかを判断する。通信リンクが確立した場合、カメラ制御部101は処理をS408に移し、通信リンクが確立されていなかった場合、処理をS403に戻し、再度接続要求信号の送信を行う。
【0028】
S407で、GPS制御部201はGPS通信接続部209から、GPS時刻管理部206の有する内蔵タイマの時刻の情報を、デジタルカメラ100に対して送信する。カメラ制御部101はカメラ通信接続部111にGPSユニット200から時刻の情報を受信するまでS408の処理を繰り返す。時刻の情報を受信した場合は、カメラ制御部101は処理をS409に移す。
【0029】
S409で、カメラ制御部101はカメラ通信接続部111で受信した時刻の情報で、カメラ時刻管理部112の有する内蔵タイマの時刻の情報を更新する。カメラ時刻管理部112の時刻の情報を設定後、カメラ制御部101は処理をS410に移し、GPSユニット200との通信リンクを一時的に切断し、起動時通信接続処理を終了する。また、GPS制御部201はS411で、通信リンクが切断されたかを判断する。通信リンクが切断されるまでは、GPS制御部201は処理をS407に戻し、時刻の情報の送信を繰り返す。また、S411で通信リンクが切断されたと判断した場合、GPS制御部201は起動時通信接続処理を完了する。なお、S410で説明した通信リンクを一時的に切断した状態とは、カメラ制御部101はデジタルカメラ100の消費電力を抑えるために通信を待機し、カメラ通信接続部111を一切動作させない状態に切り替える。また、GPS制御部201は、GPS通信接続部209を、デジタルカメラ100からの通信接続要求の信号を再び受信した場合に対応できるように、デジタルカメラ100からの接続要求信号待機状態に必要な最低限の受信動作で動作するように制御する。
【0030】
起動時通信接続処理を完了すると、カメラ制御部101は撮像素子に結像している被写体像を撮像部106に光電変換させ、得られたアナログ画像信号をA/D変換部107にA/D変換させる。そしてカメラ制御部101は、得られたデジタル画像データを画像表示部110に出力し、スルー表示を開始する。これにより、デジタルカメラ100は撮像待機状態となり、カメラ制御部101は操作入力部104の有するレリーズスイッチがユーザにより操作されると、記録用画像データの記録を行う。
【0031】
次に、本実施形態の測位通信システムにおける、デジタルカメラ100とGPSユニット200の測位情報付撮像処理について、図5のフローチャートを用いて詳細に説明する。
S501でカメラ制御部101は操作入力部104が備えるレリーズスイッチがユーザにより操作されたかを判断する。具体的には、レリーズスイッチがユーザにより操作されると、操作入力部104は撮像要求が入力されたと判断し、カメラ制御部101に撮像要求の信号を送信する。カメラ制御部101は、操作入力部104より撮像要求の信号を受信すると、A/D変換部107にA/D変換させたデジタル画像データを画像処理部108に出力させ、画像処理部108で各種画像処理を適用させ、記録用の画像データを得る。カメラ制御部101は、画像処理部108に出力させた記録用の画像データをカメラDRAM103に出力させ、一時的に記憶させておく。また、このときカメラ制御部101は撮像を行った時刻の情報をカメラ時刻管理部112より取得し、記録用の画像データに関連付けてカメラDRAM103に記憶させる。なお、カメラ制御部101は、操作入力部104が備えるレリーズスイッチがユーザにより操作されない場合は、S501の処理を繰り返す。
【0032】
S502で、カメラ制御部101は、カメラ通信接続部111からGPSユニット200に対し、通信接続を要求する信号を送信する。S503で、GPS制御部201はGPS通信接続部209が接続要求信号を受信したかを判断する。接続要求信号を受信した場合、GPS制御部201はGPS通信接続部209の動作を通信待機の状態から復帰させ、処理をS504に移す。S504でGPS制御部201は、S503で接続要求信号を受信したデジタルカメラ100との通信リンクを確立する。また、S505でカメラ制御部101は通信リンクが確立したかを判断し、通信リンクが確立した場合は処理をS506に移す。通信リンクが確立しなかった場合は、カメラ制御部101は処理をS502に戻し、再度カメラ通信接続部111から接続要求信号をGPSユニット200に対して送信する。
【0033】
通信リンクが確立すると、S506でカメラ制御部101はGPSユニット200に対し、カメラDRAM103に記憶されている、記録用の画像データを撮像した時刻の情報をカメラ通信接続部111から送信する。S507で、GPS制御部201はGPS通信接続部209がデジタルカメラ100で記録用の画像データが撮像された時刻の情報を受信するまで処理を繰り返し、撮像された時刻の情報を受信すると、GPS制御部201は処理を508に移す。
【0034】
S508で、GPS制御部201は、受信した撮像された時刻の情報に対応する測位情報を、記録部207に記録されている測位情報の中から取得してデジタルカメラ100に送信する。具体的には、GPS制御部201は記録部207に記録されている測位情報のうち、S507で受信した撮像された時刻の情報に、最も近い時刻の情報を有する測位情報を取得し、GPS通信接続部209よりデジタルカメラ100に送信する。なお、記録部207に記録されている測位情報のうち、撮像された時刻の情報に最も近い時刻の情報と、撮像された時刻の情報との差が、例えばGPS・FROM202に予め定められた値より大きい場合は、次のように処理すればよい。GPS制御部201は、撮像された時刻の情報に対応する測位情報はない、即ち撮像された時刻には測位部205で測位が行えなかったと判断し、GPS通信接続部209よりデジタルカメラ100に測位不可能であることを表す信号を送信する。
【0035】
S509で、カメラ制御部101はカメラ通信接続部111が、記録用の画像データを撮像した時刻の情報に対応した測位情報を受信したかを判断する。撮像した時刻に対応した測位情報を受信した場合は、カメラ制御部101は受信した位置の情報をカメラDRAM103に、撮像した時刻の位置の情報として記録して、処理をS510に移す。また、S509で記録用の画像データを撮像した時刻の情報に対応した測位情報を受信していない場合は処理をS506に戻し、再度カメラ通信接続部111からGPSユニット200に対して撮像した時刻の情報を送信する。
【0036】
撮像した時刻の位置の情報をカメラDRAM103に記録すると、S510で、カメラ制御部101はGPSユニット200との通信リンクを切断する。また、S511でGPS制御部201は通信リンクが切断されたかを判断し、通信リンクが切断されている場合はGPS制御部201は測位情報付撮像処理を完了し、再びGPS通信接続部209を通信待機状態とする。また、通信リンクがまだ接続されていると判断された場合は、処理をS508に戻し、再度GPS通信接続部209からデジタルカメラ100に対し、撮像された時刻に対応する測位情報を送信する。S513で、カメラ制御部101はカメラDRAM103に記憶した記録用の画像データと、記録用の画像データを撮像した時刻の位置の情報を関連付けて、記録媒体109に出力し記録させる(画像記録)。なお、S507でGPS制御部201が撮像された時刻には測位部205で測位が行えなかったと判断した場合は、カメラ制御部101はカメラDRAM103に記憶した記録用の画像データを、位置の情報を関連付けず、そのまま記録媒体109に出力し記録する。
【0037】
また、図6(a)は、本実施形態の測位情報付撮像処理における静止画像を撮像時のデジタルカメラ100とGPSユニット200間の通信タイミングチャートである。図6(a)において、最初、デジタルカメラ100とGPSユニット200間の通信リンクは切断された状態であるが、GPS制御部201はGPS測位タイミングに従って、一定期間毎に測位動作を行い、測位情報のログを記録部207に記録している。ユーザによってデジタルカメラ100のレリーズスイッチが操作されると、カメラ制御部101はカメラ時刻管理部112から撮像した時刻の情報を取得する。撮像後、カメラ制御部101は、デジタルカメラ100とGPSユニット200との間で通信を行うが、デジタルカメラ100やGPSユニット200の状態、及び環境の通信状態によっては、即座に通信リンクが確立せずに時間を要することもある。通信リンクが復帰したら、カメラ制御部101はカメラ通信接続部111からGPSユニット200に撮像した時刻の情報を送信し、GPS制御部201は記録部207に記録されている測位情報のログから、撮像した時刻に対応する測位情報を検索する。図6(a)において、8回目のGPS測位情報が撮像した時刻に最も近い時刻の情報であり、GPS制御部201はGPS通信接続部209からデジタルカメラ100に8回目のGPS測位情報を送信する。このようにして、デジタルカメラ100とGPSユニット200間の通信リンクが確立するまでにタイムラグが生じても、デジタルカメラ100で撮像した時刻の位置の情報を取得することが可能である。即ち、デジタルカメラ100とGPSユニット200間で同期がとれた時刻の情報を用いることにより、撮像時刻に正確に対応した測位情報とともに記録用の画像データを記録することが可能となる。
【0038】
以上説明したように、本実施形態の測位通信システムにおける撮像装置と測位装置は、撮像した時刻に対応した測位情報を取得し、撮像した画像とともに記録することが可能である。具体的には、撮像装置と測位装置で基準となる時刻の情報を同期させ、測位装置が測位して得られた測位情報を、測位した時刻の情報とともに測位装置内に順次記録する。そして、撮像装置で撮像を行った際、消費電力の少ない通信待機状態から復帰し、撮像した時刻の情報を測位装置に送信する。測位装置は、測位装置内に記録されている測位情報の中から、撮像した時刻の情報に対応した測位情報を取得し、測位情報に含まれる位置の情報を撮像装置に送信し、撮像装置は得られた位置の情報を撮像した画像に関連付けて記録することが可能となる。これにより、撮像が行われてから通信接続を行い、それから測位を行う場合のような、撮像した時刻に対応しない位置の情報を撮像した画像に関連付けて記録することを回避できる。また、撮像装置と測位装置の起動時に、一度通信接続を確立して時刻の情報を同期させた後は、撮像装置で撮像が行われるとき以外は、撮像装置と測位装置の通信接続は切断した状態で待機させることにより、通信に要する消費電力を抑えることが可能となる。
【0039】
(変形例1)
また、前述の実施形態と同様の構成をもつ本実施形態の測位通信システムにおける、デジタルカメラ100とGPSユニット200の別の測位情報付撮像処理について、本変形例1で説明する。
図6(b)は、本変形例1におけるデジタルカメラ100とGPSユニット200間の通信タイミングチャートである。前述の実施形態では、通信に要する電力消費を抑えるために、静止画撮像が行われるまで通信リンクを切断した状態で待機させた。本変形例1では静止画撮像とは関係なく、定期的にデジタルカメラ100とGPSユニット200間で通信リンクの確立を行うことで、通信に要する消費電力を抑止する。また前述の実施形態で、GPS制御部201はデジタルカメラから通信接続を要求する信号を受信した場合に備えて、GPS通信接続部209を常時待機させていた。しかしながら、本変形例1では定期的に通信リンクを確立するため、常時接続要求信号のためにGPS通信接続部209を待機させる必要はなく、通信リンクを確立するタイミングで、デジタルカメラ100とGPSユニット200間の情報のやり取りを行う。
【0040】
デジタルカメラ100及びGPSユニット200は、電源投入後、前述の実施形態と同様に両機器間の初期通信を行い、それぞれ定期的にデジタルカメラ100とGPSユニット200間で通信リンクの確立を行う通信モードに移行する。一般に、Bluetooth規格や無線LANの通信規格では、ホスト側の機器から送信されるビーコンのタイミングにあわせて、定期的に通信リンクを確立する方法が知られているが、本変形例1の通信リンクの確立方法はこれに限定しない。例えば、5秒間隔や10秒間隔といったビーコンの送信間隔より長い間隔で通信リンクを確立するようにすることで、さらなる消費電力の低減を見込める。図6(b)において、測位部205の測位間隔は1秒間隔、デジタルカメラ100とGPSユニット200間の通信リンクの確立は7秒間隔で行っている。静止画撮像が行われていない場合は、通信リンクを確立した際に、GPS制御部201は主にGPSユニット200の機器状態の情報をGPS通信接続部209からデジタルカメラ100に送信する。GPSユニット200の機器状態の情報は、例えばGPSユニット200の測位が正常に行われているかの情報や、捕捉している衛星の数、電波レベル、また、GPSユニット200のバッテリー残量の情報等が含まれる。カメラ制御部101はカメラ通信接続部111でGPSユニット200の機器状態の情報を受信し、例えばGPSユニット200の機器状態の情報を、画像表示部110に表示することで、ユーザにGPSユニット200の状態を通知可能である。さらに、デジタルカメラ100とGPSユニット200は、7秒後に再度通信リンクを確立する情報を互いに送受信し、それぞれの時刻管理部で7秒を計測することで、7秒間隔の通信リンクを確立するタイミングがずれることを防止することも可能である。
【0041】
また、デジタルカメラ100で静止画撮像を行った場合、カメラ制御部101は撮像のタイミングでGPSユニット200に撮像した時刻の情報を送信しない。このとき、記録用の画像データは前述の実施形態と異なり、カメラ制御部101により、位置の情報を関連付けられないまま、記録媒体109に記録される。そして、静止画撮像を行った後の最初にデジタルカメラ100とGPSユニット200間で通信リンクの確立が行われると、カメラ制御部101はカメラ通信接続部111から撮像した時刻の情報をGPSユニット200に送信する。GPS制御部201は、GPS通信接続部209が撮像された時刻の情報を受信すると、撮像された時刻の情報に対応した測位情報が有する位置の情報を記録部207より取得し、デジタルカメラ100に送信する。そして、カメラ制御部101は、記録媒体109に記録した記録用の画像データをカメラDRAM103に読み込み、得られた撮像した時刻に対応した位置の情報を関連付けて、再度記録媒体109に記録する。
【0042】
また、GPS制御部201は測位部205に常に測位させ、測位情報をログとして記録部207に記録させているので、デジタルカメラ100から撮像された時刻の情報を受信した際に、撮像された時刻に対応する1つの位置の情報を送信するだけでなくてもよい。つまり、GPS制御部201は、撮像された時刻に対応する測位情報の前後に記録部207に記録された複数の測位情報を、GPS通信接続部209からデジタルカメラ100に送信してもよい。または、カメラ制御部101がGPSユニット200に撮像した時刻の情報を送信する際に、撮像した時刻の情報に、撮像した時刻を含む時刻範囲の情報を送信し、GPSユニット200から、送信した時刻範囲の複数の位置の情報を受信するようにしてもよい。これにより、記録用の画像データに、撮像の前後に撮影者がどのように移動したかの情報を含めることも可能である。また、デジタルカメラ100とGPSユニット200間で次の通信リンクを確立するまでに複数回の撮像が行われた場合は、カメラ制御部101は通信リンクが確立した際に、複数回の撮像それぞれの撮像した時刻の情報をカメラ通信接続部111から送信してもよい。その場合、GPS制御部201は、複数回の撮像それぞれの撮像された時刻の情報に対応する位置の情報を記録部207から取得して、得られた複数の位置の情報を、GPS通信接続部209からデジタルカメラ100に送信すればよい。
【0043】
なお、本変形例1にてデジタルカメラ100で静止画撮像を行った際、カメラ制御部101は撮像した画像を記録媒体109に記録し、その後位置の情報を受信した際に、撮像した画像に関連付けて再度記録するとして説明した。しかしながら、デジタルカメラ100が、画像データの改ざん防止機能を有する場合、カメラ制御部101は本変形例1と異なる処理を行う必要がある。画像データの改ざん防止機能とは、撮像した画像データを記録媒体に記録した後に、記録媒体の画像データを書き直すと、改ざんがあったとみなす機能であり、一般的にデジタルカメラの設定により、機能の有効無効を切り替えることが可能である。つまり、画像データの改ざん防止機能が有効になっている場合、カメラ制御部101は記録媒体109の記録した撮像画像を、位置の情報を関連付けて記録、即ち更新しようとしたとき、改ざん防止機能により撮像画像の更新を行えない。このため、画像データの改ざん防止機能が有効になっている場合は、前述の実施形態のようにカメラDRAM103に記録用の画像データを記憶し、カメラ制御部101は位置の情報を受信してから記録媒体109に記録してもよい。また、改ざん防止機能が有効になっている間だけ、カメラ制御部101はデジタルカメラ100とGPSユニット200間の通信を接続した状態で継続するようにし、従来通り撮像した時刻の位置の情報を、撮像とともにGPSユニット200から受信してもよい。
【0044】
以上説明したように、本変形例1の測位通信システムにおける撮像装置と測位装置は、撮像した時刻に対応した測位情報を取得し、撮像した画像とともに記録することが可能である。具体的には、撮像装置と測位装置で基準となる時刻の情報を同期させ、測位装置が測位して得られた測位情報を、測位した時刻の情報とともに測位装置内に順次記録する。また撮像装置と測位装置は、時刻の情報を同期させた後は、定期的に通信と通信の待機を繰り返す。そして、撮像装置で撮像を行い得られた撮像画像を記録した後、撮像装置と測位装置が通信した際に撮像した時刻の情報を測位装置に送信する。測位装置は、測位装置内に記録されている測位情報の中から、撮像した時刻の情報に対応した測位情報を取得し、測位情報に含まれる位置の情報を撮像装置に送信する。そして、撮像装置は得られた位置の情報を、記録した撮像画像に関連付けて記録する。これにより、撮像が行われてから通信接続を行い、それから測位を行う場合のような、撮像した時刻に対応しない位置の情報を撮像した画像に関連付けて記録することを回避できる。また、撮像装置と測位装置の起動時に、一度通信接続を確立して時刻の情報を同期させた後は、撮像装置で測位装置の通信接続について、通信する状態と通信を切断した状態とを繰り返す。これにより、常時通信する状態に比べ、通信に要する消費電力を抑えることができる。
【0045】
(変形例2)
上述の実施形態、及び変形例1では、デジタルカメラ100で静止画を撮像する場合について説明した。本変形例2では、上述の実施形態と同様の構成を有する測位通信システムにおける、デジタルカメラ100で動画像を撮像する際の、デジタルカメラ100とGPSユニット200における測位情報付撮像処理について説明する。
【0046】
図6(c)は、デジタルカメラ100で動画撮影を行う場合の、デジタルカメラ100とGPSユニット200間の通信タイミングチャートである。動画撮影時は静止画撮像時と異なり、撮像した時刻に対応する1つの位置の情報だけが必要なのではなく、連続した時刻に対応する、連続した位置の情報が必要となる。つまり、デジタルカメラ100は動画撮影中は、リアルタイムに位置の情報を取得して記録する必要がある。このため、本変形例2では、GPS制御部201は、測位部205に測位させて得られた位置の情報を、記録部207に記録するとともに、GPS通信接続部209からデジタルカメラ100に送信する。
【0047】
ユーザの操作により、デジタルカメラ100の撮像設定が動画像撮像モードに設定されると、カメラ制御部101は、撮像部106が撮像した被写体像をリアルタイムに画像表示部110に出力し、デジタルカメラ100をライブビューモードとする。図6(c)では、ライブビューモードとなったタイミングで、カメラ制御部101は、デジタルカメラ100とGPSユニット200間の通信リンクを復帰し、接続状態に固定している。さらに、カメラ制御部101は、動画撮影中はカメラ通信接続部111を、リアルタイムにGPSユニット200から位置の情報を取得可能な状態とする。動画撮影中、GPS制御部201は、デジタルカメラ100とGPSユニット200の通信リンクを切断することなく、測位部205に測位させた位置の情報を、測位する毎に常にGPS通信接続部209からデジタルカメラ100に送信する。またカメラ制御部101は、動画撮影が終了した時点で、デジタルカメラ100とGPSユニット200間の通信リンクを切断する。そして、動画撮影中にカメラ制御部101はカメラ通信接続部111で受信した、時系列の位置の情報を、1つの動画像データに関連付けて記録媒体109に記録する。
【0048】
以上説明したように、本変形例2の測位通信システムにおける撮像装置と測位装置は、動画像を撮像した際、動画像撮像中の測位情報を取得し、撮像した動画像とともに記録することが可能である。具体的には、撮像装置で動画像の撮像を行う間だけ、撮像装置と測位装置は通信が接続されている状態を継続し、動画像の撮像中、測位装置は測位した位置の情報を撮像装置に送信する。撮像装置は、動画像の撮像が完了すると、動画撮像中に得られた時系列の位置の情報を、撮像した動画像に関連付けて記録する。これにより、撮像装置で撮像が行われるまで撮像装置と測位装置の通信接続は切断した状態で待機し、動画像撮像中のみ通信接続させることにより、通信に要する消費電力を抑えることが可能となる。
【0049】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置と測位装置との間で通信を行う測位通信システムであって、
前記撮像装置と測位装置との間の通信の状態に、通信状態と、前記通信状態よりも通信にかかる消費電力が少ない通信待機状態とを備え、
前記測位装置は、
前記測位装置の位置を順次取得する測位手段と、
前記測位手段で測位した位置の情報を、測位した時刻の情報とともに記録する位置記録手段とを有し、
前記撮像装置は、
被写体を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段で撮像した際に前記通信の状態が前記通信待機状態である場合、前記通信の状態を前記通信状態に移行し、前記撮像手段で撮像した時刻に対応する、前記位置記録手段に記録された位置の情報を前記測位装置から取得する取得手段とを有することを特徴とする測位通信システム。
【請求項2】
自身の位置を順次取得する測位手段と、前記測位手段で測位した位置の情報を、測位した時刻の情報とともに記録する位置記録手段と、を備える測位装置と通信を行う測位通信システムに用いられる撮像装置であって、
前記測位装置との間の通信の状態に、通信状態と、前記通信状態よりも通信にかかる消費電力が少ない通信待機状態とを備え、
被写体を撮像して撮像画像を取得する撮像手段と、
前記撮像手段で撮像した際に前記通信の状態が前記通信待機状態である場合、前記通信の状態を前記通信状態に移行し、前記撮像手段で撮像した時刻に対応する、前記位置記録手段に記録された位置の情報を前記測位装置から取得する取得手段とを有することを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
前記取得手段で取得する位置の情報は、前記撮像手段で撮像した時刻に、最も近い時刻に記録された前記位置の情報であることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記通信状態に移行する際に、前記測位装置との間で時刻の情報を同期する同期手段をさらに有することを特徴とする請求項2又は3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記取得手段で前記位置の情報を取得するとき以外は、前記通信待機状態となることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記測位装置と定期的に前記通信状態と前記通信待機状態とを繰り返す場合、前記取得手段は前記撮像手段で撮像した後の前記通信状態のときに、前記位置の情報を取得することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記撮像手段で動画像を撮像する場合は、前記動画像の撮像中、前記測位装置との通信を前記通信状態で継続し、定期的に前記取得手段で前記位置の情報を取得することを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記撮像手段で取得した撮像画像と、前記取得手段で取得した前記位置の情報とを記録する画像記録手段をさらに有することを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
コンピュータを、請求項2乃至8のいずれか1項に記載の撮像装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
被写体を撮像する撮像手段を有する撮像装置と通信を行う測位通信システムに用いられる測位装置であって、
前記撮像装置との間の通信の状態に、通信状態と、前記通信状態よりも通信にかかる消費電力が少ない通信待機状態とを備え、
自身の位置を順次取得する測位手段と、
前記測位手段で測位した位置の情報を、測位した時刻の情報とともに記録する位置記録手段と、
前記撮像装置が前記撮像手段で撮像した際に前記通信の状態が前記通信待機状態である場合、前記通信の状態を前記通信状態に移行し、前記撮像手段で撮像がなされた時刻に対応する、前記位置記録手段に記録された位置の情報を、前記撮像装置に送信する送信手段とを有することを特徴とする測位装置。
【請求項11】
前記送信手段で送信する位置の情報は、前記撮像手段で撮像がなされた時刻に、最も近い時刻に前記位置記録手段で記録した前記位置の情報であることを特徴とする請求項10に記載の測位装置。
【請求項12】
前記送信手段で前記位置の情報を送信するとき以外は、前記通信待機状態となることを特徴とする請求項10又は11に記載の測位装置。
【請求項13】
前記撮像装置と定期的に前記通信状態と前記通信待機状態とを繰り返す場合、前記送信手段は前記撮像手段で撮像した後の前記通信状態のときに前記位置の情報を送信することを特徴とする請求項10又は11に記載の測位装置。
【請求項14】
前記撮像装置が前記撮像手段で動画像を撮像する場合は、前記動画像の撮像中、前記撮像装置との通信を前記通信状態で継続し、定期的に前記送信手段で前記位置の情報を送信することを特徴とする請求項10乃至13のいずれか1項に記載の測位装置。
【請求項15】
コンピュータを、請求項10乃至14のいずれか1項に記載の測位装置の各手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−77727(P2011−77727A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−225567(P2009−225567)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】