説明

測定履歴管理装置、システム、方法及びプログラム

【課題】作業効率良く測定データを記録管理することができる上、記録管理するデータの信頼性を高める。
【解決手段】物品の物理量を測定する測定部と、測定部での測定結果を表示する測定表示部10と、少なくとも、物品11の識別情報と、測定表示部10に表示される測定結果とを同時に撮像可能な単一の撮像部と、撮像部で得られた一の画像データから、少なくとも、物品11の識別情報と、測定表示部10に表示される測定結果とが撮像された領域の画像をそれぞれ抽出する画像抽出部17と、画像抽出部17によって抽出された画像を並べた状態で合成する画像合成部18と、画像合成部18で合成された画像を記憶する記憶部21とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定履歴管理装置、システム、方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
化学プラント等で、物品(薬液を収容した容器等)を秤量する場合、秤量値を読み誤ったり、あるいは、誤って他の物品を秤量したりする等の人為的なミスが発生することがある。このため、従来から、この種の物品の秤量作業では、人為的なミス等の防止及び発見のために、種々の情報を次のようにして記録管理するようにしている。
【0003】
例えば、特許文献1では、製造品種毎にテーブルが用意され、物品名、物品コード、秤量実績等のほか、不良原料が検出される等の不具合が発生した場合に、不良原料のロット番号を記録するようにしている。
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されているのは、単に、種々の情報を文字データとして記録するだけである。このような文字データは簡単に改ざんすることも可能であり、データの信頼性に乏しいという問題がある。
【0005】
また、秤量する物品の情報(例えば、秤量器が測定する重量値、物品容器の外観形状、表示品名、容器に表示されているバーコード、ロットナンバー、時計に表示される日時情報等)を複数の情報取得手段を用いて取得し、作業員が情報取得手段毎にスチルカメラ等で撮影することも考えられる。
【0006】
しかしながら、このような物品情報の記録管理は、個々の情報取得手段に対してカメラによる撮影が必要となるため、作業効率が悪いという問題がある。特に、化学プラント等に用いられる薬品には揮発性や爆発性を有するものも多く、安全かつ迅速に物品の情報を記録管理する必要がある。
【0007】
また、ある物品について、複数の情報取得手段で取得した情報を管理する際、別の物品の情報と取り違えるなどの情報管理ミスが発生する恐れがある。さらに、記録されるデータは数値等の文字データであり、例えば、物品の秤量情報を表計算ソフトなどによって数値で記録する場合、数値を変更するだけで容易にデータの改変ができてしまう等、記録管理した情報の信頼性が低いという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−11658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題とするところは、作業効率良く測定データを記録管理することができる上、記録管理するデータの信頼性を高めることのできる測定履歴管理装置、システム、方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、
測定履歴管理装置を、
物品の物理量を測定する測定部と、
前記測定部での測定結果を表示する測定表示部と、
少なくとも、前記物品の識別情報と、前記測定表示部に表示される測定結果とを同時に撮像可能な単一の撮像部と、
前記撮像部で得られた一の画像データから、少なくとも、前記物品の識別情報と、前記測定表示部に表示される測定結果とが撮像された領域の画像をそれぞれ抽出する画像抽出部と、
前記画像抽出部によって抽出された画像を並べた状態で合成する画像合成部と、
前記画像合成部で合成された画像を記憶する記憶部と、
を備えた構成としたものである。
【0011】
この構成により、測定された物品の物理量を表示部に表示し、その物品の識別情報と共に撮像部で撮像し、得られた一の画像から、前記物品の物理量と識別情報とをそれぞれ抽出した後、合成して記憶させることができる。画像データであるため、文字データに比べて改ざんしにくく、情報の信頼性が高い。また、撮像部で1回撮像するだけで、物品の物理量と識別情報とを同時に得ることができるので、迅速かつ正確に記録することが可能となり、作業性も優れている。
【0012】
前記測定部は、前記物品を秤量可能な秤量部で構成することができる。
【0013】
前記記憶部は、前記物品の識別情報を記憶可能であり、
前記記憶部に記憶した物品の識別情報と、前記撮像部で撮像した物品の識別情報が合致するか否かを判定する判定部を、さらに備えるのが好ましい。
【0014】
この構成により、測定対象となる物品の自動判定が可能となり、より作業性に優れている。
【0015】
前記画像合成部は、合成した画像データに電子署名を追加可能であり、
前記記憶部は、前記画像合成部で合成された電子署名を含む画像データを記憶可能であり、
前記判定部は、前記画像合成部で画像データに追加した電子署名と、前記記憶部に記憶した電子署名とが合致するか否かを判定可能であるのが好ましい。
【0016】
この構成により、合成画像に電子署名を含めることで、より一層、記録管理するデータの信頼性を高めることが可能となる。
【0017】
また、本発明は、前記課題を解決するための手段として、
測定履歴管理システムを、
物品の物理量を測定する測定部と、
前記測定部での測定結果を表示する測定表示部と、
少なくとも、前記物品の識別情報と、前記測定表示部に表示される測定結果とを同時に撮像可能な単一の撮像部と、
を有する測定ユニットと、
前記撮像部で得られた一の画像データから、少なくとも、前記物品の識別情報と、前記測定表示部に表示される測定結果とが撮像された領域の画像をそれぞれ抽出する画像抽出部と、
前記画像抽出部によって抽出された画像を並べた状態で合成する画像合成部と、
前記画像合成部で合成された画像を記憶する記憶部と、
を有する管理ユニットと、
を備え、
前記測定ユニットと、前記管理ユニットとを通信可能な構成としたものである。
【0018】
また、測定履歴管理システムを、
物品の物理量を測定する測定部と、
前記測定部での測定結果を表示する測定表示部と、
少なくとも、前記物品の識別情報と、前記測定表示部に表示される測定結果とを同時に撮像可能な単一の撮像部と、
前記撮像部で得られた一の画像データから、少なくとも、前記物品の識別情報と、前記測定表示部に表示される測定結果とが撮像された領域の画像をそれぞれ抽出する画像抽出部と、
前記画像抽出部によって抽出された画像を並べた状態で合成する画像合成部と、
を有する測定ユニットと、
前記画像合成部で合成された画像を記憶する記憶部を有する管理ユニットと、
を備え、
前記測定ユニットと、前記管理ユニットとを通信可能な構成としてもよい。
【0019】
また、本発明は、前記課題を解決するための手段として、
測定履歴管理方法を、
測定部により物品の物理量を測定し、
得られた測定結果を測定表示部に表示し、
少なくとも、前記物品の識別情報と、前記測定表示部に表示される測定結果とを同時に撮像し、
撮像された一の画像データから、少なくとも、前記物品の識別情報と、前記測定表示部に表示される測定結果とが撮像された領域の画像をそれぞれ抽出し、
抽出された画像を並べた状態で合成し、
合成された画像を記憶するものである。
【0020】
また、本発明は、前記課題を解決するための手段として、
測定履歴管理プログラムは、
画像抽出部、画像合成部、及び、記憶部を備えたコンピュータに、
撮像部によって撮像された一の画像データから、少なくとも、物品の識別情報と、測定表示部に表示する、測定部により物品の物理量を測定した測定結果とが撮像された領域の画像をそれぞれ抽出する第1ステップと、
前記第1ステップで抽出された画像を並べた状態で合成する第2ステップと、
前記第2ステップで合成された画像を記憶するステップと、
を実行させるようにしたものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、物品の物理量の測定結果と、識別情報とを同時に撮像し、得られた一の画像から測定結果と識別情報をそれぞれ抽出して合成画像を形成し、これを記録管理するようにしているので、改ざんしにくく、データの信頼性に優れている。また、一の画像から測定結果と識別情報をそれぞれ抽出して合成画像を形成しているので、迅速かつ正確に記録することができ、しかも作業性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施形態に係る測定履歴管理システムの概略図である。
【図2】図1の管理ユニットの基本構成要素を示すブロック図である。
【図3】図1の管理ユニットの機能を示すブロック図である。
【図4A】図1のカメラにより撮影する秤量装置の正面図である。
【図4B】図1の制御装置で生成した合成画像を示す図である。
【図5】本実施形態に係る情報記録処理を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態に係る仕分け処理を示すフローチャートである。
【図7】他の実施形態に係る管理ユニットを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「側」、「端」を含む用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が限定されるものではない。また、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。
【0024】
(1.構成)
図1は、本実施形態に係る測定履歴管理システムの概略を示すブロック図である。この測定履歴管理システムは、秤量装置1、カメラ2、スイッチ3、等を備えた秤量ユニット4と、コンピュータ5、管理表示部6等を備えた管理ユニット7とを通信回線を介して互いに接続したものである。
【0025】
(1−1.秤量ユニット4)
秤量装置1は、秤量台8と、そこから上方に向かって延びる支軸9の上部に設けた秤量表示部10とを備える。秤量台8には、パッケージ内に食品や薬剤等を収容してなる物品11が載置されて秤量される。秤量結果は、秤量表示部10にデジタル表示される。物品11には、ラベル11aが貼着されている。ラベル11aには、収容物の名称、重量等の収容物情報のほか、これらのデータに関連付けられたバーコード11bが印刷されている。秤量表示部10の側方には、表示プレート12が位置決め可能となっている。表示プレート12には、物品11のロット番号12aが表示されている。
【0026】
カメラ2には、防爆カメラ(カメラ本体は、メガピクセルIPカメラ)が使用され、化学プラント等の環境下でもその影響を受けることなく、静止画のみならず動画も撮影可能となっている。カメラ2は、秤量装置1の全体を撮影可能に設置され、図4Aに示す、撮影した秤量装置1の全体画像は、送受信部13から通信回線を介して後述するコンピュータ5に送信可能となっている。
【0027】
スイッチ3は、操作されることにより、管理ユニット7側のコンピュータ5に信号を送信し、カメラ2により撮影中の映像から、操作時の静止画を読み込ませるためのものである。秤量装置1からは離れた位置に設置することで、秤量対象となる物品11が危険物等であっても安全に画像を保存することができる。
【0028】
(1−2.管理ユニット7)
コンピュータ5は、前記カメラ2で撮像された画像と前記スイッチ3からのオン信号を受信し、制御信号を送信する送受信部13と、受信した画像に基づいて所定の処理を実行する制御部14と、秤量対象となる物品11の情報(物品名、物品コード)等を記憶可能な記憶部21とを有し、制御部14で得られた合成画像を表示する管理表示部6(ここでは、液晶モニタを使用している。以下、液晶モニタと記載する。)が接続されている。
【0029】
送受信部13では、前記カメラ2で撮像された画像と、前記スイッチ3から接点インターフェイス15を介して入力されるオン信号とが、スイッチングハブ16を介して入力される。
【0030】
制御部14は、CPU23(Central Processing Unit:中央処理装置)で構成されている。CPU23は、図2に示すように、記憶部21からプログラム24を読み込み、図5及び図6に示すフローチャートの各ステップを実行する。また、CPU23は、機能的には、図3に示すように、送受信部13で受信した画像から特定部位を抽出する画像抽出部17、抽出した画像を合成して合成画像を得る画像合成部18、得られた合成画像を液晶モニタ6に表示させる表示制御部19、合成画像に電子署名を追加する電子署名追加部20、得られた画像データや、抽出した画像から得られる情報が、記憶部21に記憶させてある情報にあるか否かを判別する判別部22、等を備える。
【0031】
画像抽出部17は、受信部で受信した、図4Aに示す一の画像から特定部位、すなわち、前記秤量表示部10、前記パッケージに貼着されたラベル11a、及び、前記表示プレート12が撮像された領域を抽出する。画像の抽出方法としては、カメラ2によって撮影される対象物の各位置が決まっていれば、その決められた領域を自動的に抽出するようにすればよい。また、文字認識処理を実行し、自動的に抽出する領域を特定することもできし、エネルギー最小化原理を利用した従来公知のやり方によって自動抽出することも可能である。
【0032】
画像合成部18は、画像抽出部17で抽出した画像を合成する。ここでは、図4Bに示すように、縦及び横に4分割した各領域に、抽出した秤量表示部10、ラベル11a、及び、表示プレート12の画像と、全体画像とを割り当てて合成している。
【0033】
表示制御部19は、液晶モニタ6に、画像合成部18で得られた合成画像を表示させるほか、送受信部13で受信した、前記カメラ2で撮像された一の画像や、記憶部21に記憶させてある物品情報を表示させる。また、表示制御部19は、合成画像に電子署名が追加されていれば、この合成画像を表示させた状態で、電子署名を追加表示させることもできる。
【0034】
電子署名追加部20は、所定の電子署名を合成画像データに追加させる。電子署名を追加することにより、合成画像の改ざんが防止される。なお、電子署名の形式は、従来公知のものでもよい。
【0035】
判別部22は、後述するように、秤量する物品11が適切なものであるか否かの判別を行うためのものである。判別部22では、画像合成部18で得られた合成画像データから必要な情報を読み取り、その情報が適切か否かを判定する。
【0036】
記憶部21は、受信部で受信した一の画像、画像合成部18で合成した合成画像データのほか、対象となる物品11の物品名、物品コード等の物品情報、秤量結果を示す秤量値等のデータがデータベース25として記憶することができる。また、記憶部21は、後述する情報記録処理及び仕分け処理を実行するためのプログラム24を記憶する。
【0037】
なお、液晶モニタ6及び表示制御部19は必ずしも必要なものではなく、必要に応じて設けるようにすればよい。
【0038】
(2.動作)
次に、前記測定履歴管理システムの動作について説明する。
【0039】
秤量ユニット4では、作業者が秤量装置1によって対象となる物品11を秤量台8に載置し、その秤量を行う。このとき、秤量の対象となる物品11を、そこに貼着したラベルがカメラ2から撮影可能となるように位置決めする。秤量結果は秤量表示部10にデジタル表示されると共に、通信回線を通じて管理ユニット7側のコンピュータ5へと送信される。また、表示プレート12には、秤量対象となる物品11の情報(ここでは、物品11のロット番号)を表示しておく。そして、スイッチ3を操作して秤量中である旨を管理ユニット7側に送信する。
【0040】
管理ユニット7では、制御部14で、秤量する際の情報記録処理と、秤量した物品11を出荷する際の仕分け処理とを行う。
【0041】
情報記録処理では、図5のフローチャートに示すように、スイッチ3での入力信号を受信すると(ステップS1)、秤量ユニット4のカメラ2にオン信号を出力し、撮影を開始させる(ステップS2)。この場合、コンピュータ5側で、作業者がマウス5aを操作し、画面上でマウスポインタを移動させ、所定位置でクリックすることにより、カメラ2による撮影を開始させるようにすることも可能である。
【0042】
カメラ2で撮影される画像は、秤量ユニット4の全体である。そして、この画像データを受信し(ステップS3)、受信した一の画像データから、前記秤量表示部10、前記パッケージに貼着されたラベル、及び、前記表示プレート12の画像データを抽出する(ステップS4)。続いて、抽出した画像データを合成し、合成画像データを生成する(ステップS5)。さらに、生成された合成画像データに、電子署名を追加する(ステップS6)。電子署名の追加が完了すれば、この合成画像データを記憶部21に記憶させる(ステップS7)。
【0043】
なお、前記情報記録処理では、秤量対象となる物品11にタグを取り付けた状態で、秤量を行い、タグと共にカメラ2による撮影を行うようにしてもよい。この場合、前記ステップS4でタグの画像を抽出し、前記ステップS5で、このタグの画像を合成画像データに含め、前記ステップS7で記憶部21に記憶させるようにすればよい。タグには、物品11に関する情報(物品情報)に関連付けたバーコードを印刷したものや、物品情報を書き込んだRFID(Radio Frequency IDentification)を使用すればよい。勿論、タグに物品情報を直接印刷したものを使用することも可能である。
【0044】
また、前記ステップS7では、日時や、秤量ユニット4での秤量値等も一緒に記憶させるようにしてもよい。また、抽出した画像データのうち、秤量表示部10に表示される秤量値や、表示プレート12に表示されるロット番号は、文字認識処理により文字データ化して記憶しておいてもよい。
【0045】
また、前記ステップS7では、抽出した画像データのうち、物品11に貼着されたラベルに印刷されたバーコードをバーコード認識処理により読み取って対応する物品情報(物品名、物品コード等)を呼び出し、一緒に記憶しておいてもよい(この場合、バーコードに対応する物品情報を、予め記憶部21や図示しないサーバ等に記憶させて呼び出し可能としておく必要がある。)。
【0046】
このように、カメラ2による撮影は、秤量ユニット4の全体1回のみであり、秤量及び撮影の対象となる物品11が、危険性の高い材料等であったとしても、迅速かつ確実に行うことができる。そして、撮影された画像データは、管理ユニット7側のコンピュータ5に送信され、そこで必要箇所の画像が抽出され、合成画像を生成され、電子署名を追加された後、記憶部21に記憶されるため、改ざんの防止性に優れている。
【0047】
仕分け処理では、図6のフローチャートに示すように、まず、コンピュータ5につながれた図示しないバーコードリーダにより、出荷待ちの物品11に貼着したラベルからバーコードを読み取る(ステップS11)。そして、このバーコードに対応する物品情報が、予め記憶部21に記憶させたデータベース中に存在するか否かを判断する(ステップS12)。
【0048】
ここで、物品11にタグが取り付けられている場合、バーコードの読み取りに代えて、前記ステップS11で、このタグ(バーコード、RFID、文字情報等)を読み取り、前記ステップS12でデータベースの検索を行うようにしてもよい。また、バーコードとタグの両方、あるいは、他の読取可能な情報を含めてそれぞれデータベースを検索するようにしてもよい。これによれば、より一層、仕分け処理の信頼性を高めることが可能となる。
【0049】
そして、データベース中に該当する物品情報が存在しなければ、物品11が不適切なものであると判断し、その旨を警告する(ステップS13)。作業者は、この警告に基づいて該当する物品11を仕分けすればよい。
【0050】
続いて、データベース中に該当する物品情報が存在すれば、その物品11について記憶部21に記憶されている合成画像データに含まれる電子署名と、予め記憶してある電子署名とが合致するか否かを判断する(ステップS14)。これにより、合成画像データが改ざんされていないか否かを判断することが可能となる。もし、電子署名が合致しなければ、前記ステップS13に移行して警告を行う。
【0051】
さらに、合成画像データが適正なものであれば、データベースから検索された物品情報から秤量値を読み込み、この秤量値が予め設定した基準範囲に含まれるか否かを判断する(ステップS15)。基準範囲に含まれていなければ、前記ステップS13に移行して警告を行い、基準範囲に含まれていれば、適正な物品11であるとして出荷用として仕分けする。
【0052】
以上のようにして、データベースに物品情報が存在するか否か、存在する物品情報が適切なものか否かを判断することにより、全て問題ないものについて出荷するように仕分けすることができる。つまり、秤量時のみならず、出荷時にも複数の項目についてチェックすることができるので、より物品11の信頼性を高めることができる。
【0053】
なお、本発明は、前記実施形態に記載された構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0054】
例えば、前記実施形態では、画像の合成は、管理ユニット7側のコンピュータ5で行うようにしたが、図7に示すように、秤量ユニット4側にも制御部14を設け、そこで画像合成を行った後、管理ユニット7側に送信するようにしてもよい。
【0055】
また、前記実施形態では、物品11を秤量する秤量装置1を備えた秤量ユニット4でカメラ2による撮影を行い、合成画像を記憶させるようにしたが、物品11の体積を測定するもの等、他の測定装置でも同様に合成画像を記録させることができる。
【0056】
また、前記実施形態では、秤量ユニット4側のスイッチ3でカメラ2による撮影を開始させるようにしたが、管理ユニット7側での操作により行えるようにしてもよい。例えば、マウスを操作することにより、液晶モニタ6上でマウスポインタを移動させ、所定位置でクリックすることにより、カメラ2による撮影を開始させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1…秤量装置
2…カメラ
3…スイッチ
4…秤量ユニット
5…コンピュータ
5a…マウス
6…管理表示部(液晶モニタ)
7…管理ユニット
8…秤量台
9…支軸
10…秤量表示部
11…物品
11a…ラベル
11b…バーコード
12…表示プレート
12a…ロット番号
13…送受信部
14…制御部
15…接点インターフェイス
16…スイッチングハブ
17…画像抽出部
18…画像合成部
19…表示制御部
20…電子署名追加部
21…記憶部
22…判別部
23…CPU
24…プログラム
25…データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の物理量を測定する測定部と、
前記測定部での測定結果を表示する測定表示部と、
少なくとも、前記物品の識別情報と、前記測定表示部に表示される測定結果とを同時に撮像可能な単一の撮像部と、
前記撮像部で得られた一の画像データから、少なくとも、前記物品の識別情報と、前記測定表示部に表示される測定結果とが撮像された領域の画像をそれぞれ抽出する画像抽出部と、
前記画像抽出部によって抽出された画像を並べた状態で合成する画像合成部と、
前記画像合成部で合成された画像を記憶する記憶部と、
を備えたことを特徴とする測定履歴管理装置。
【請求項2】
前記測定部は、前記物品を秤量可能な秤量部で構成したことを特徴とする請求項1に記載の測定履歴管理装置。
【請求項3】
前記記憶部は、前記物品の識別情報を記憶可能であり、
前記記憶部に記憶した物品の識別情報と、前記撮像部で撮像した物品の識別情報が合致するか否かを判定する判定部を、さらに備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の測定履歴管理装置。
【請求項4】
前記画像合成部は、合成した画像データに電子署名を追加可能であり、
前記記憶部は、前記画像合成部で合成された電子署名を含む画像データを記憶可能であり、
前記判定部は、前記画像合成部で画像データに追加した電子署名と、前記記憶部に記憶した電子署名とが合致するか否かを判定可能であることを特徴とする請求項3に記載の測定履歴管理装置。
【請求項5】
物品の物理量を測定する測定部と、
前記測定部での測定結果を表示する測定表示部と、
少なくとも、前記物品の識別情報と、前記測定表示部に表示される測定結果とを同時に撮像可能な単一の撮像部と、
を有する測定ユニットと、
前記撮像部で得られた一の画像データから、少なくとも、前記物品の識別情報と、前記測定表示部に表示される測定結果とが撮像された領域の画像をそれぞれ抽出する画像抽出部と、
前記画像抽出部によって抽出された画像を並べた状態で合成する画像合成部と、
前記画像合成部で合成された画像を記憶する記憶部と、
を有する管理ユニットと、
を備え、
前記測定ユニットと、前記管理ユニットとを通信可能としたことを特徴とする測定履歴管理システム。
【請求項6】
物品の物理量を測定する測定部と、
前記測定部での測定結果を表示する測定表示部と、
少なくとも、前記物品の識別情報と、前記測定表示部に表示される測定結果とを同時に撮像可能な単一の撮像部と、
前記撮像部で得られた一の画像データから、少なくとも、前記物品の識別情報と、前記測定表示部に表示される測定結果とが撮像された領域の画像をそれぞれ抽出する画像抽出部と、
前記画像抽出部によって抽出された画像を並べた状態で合成する画像合成部と、
を有する測定ユニットと、
前記画像合成部で合成された画像を記憶する記憶部を有する管理ユニットと、
を備え、
前記測定ユニットと、前記管理ユニットとを通信可能としたことを特徴とする測定履歴管理システム。
【請求項7】
測定部により物品の物理量を測定し、
得られた測定結果を測定表示部に表示し、
少なくとも、前記物品の識別情報と、前記測定表示部に表示される測定結果とを同時に撮像し、
撮像された一の画像データから、少なくとも、前記物品の識別情報と、前記測定表示部に表示される測定結果とが撮像された領域の画像をそれぞれ抽出し、
抽出された画像を並べた状態で合成し、
合成された画像を記憶することを特徴とする測定履歴管理方法。
【請求項8】
画像抽出部、画像合成部、及び、記憶部を備えたコンピュータに、
撮像部によって撮像された一の画像データから、少なくとも、物品の識別情報と、測定表示部に表示する、測定部により物品の物理量を測定した測定結果とが撮像された領域の画像をそれぞれ抽出する第1ステップと、
前記第1ステップで抽出された画像を並べた状態で合成する第2ステップと、
前記第2ステップで合成された画像を記憶するステップと、
を実行させることを特徴とする測定履歴管理プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−69068(P2013−69068A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206381(P2011−206381)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(393022207)オリエントブレイン株式会社 (6)
【Fターム(参考)】