湯水混合栓
【課題】水弁座と水弁との間隔または湯弁座と湯弁との間隔を急激に閉め切ったときに、生じてくるハンチング現象を効果的に回避させ得るようにする。
【解決手段】制御弁体3に環状に形設する湯弁または水弁の弁と、ケーシング2に環状に形設する湯弁座aまたは水弁座bの弁座とを、湯弁または水弁の弁の中心線が湯弁座aまたは水弁座bの弁座の軸芯線に対し一側に僅かに偏芯して対向するように装設しておく。
【解決手段】制御弁体3に環状に形設する湯弁または水弁の弁と、ケーシング2に環状に形設する湯弁座aまたは水弁座bの弁座とを、湯弁または水弁の弁の中心線が湯弁座aまたは水弁座bの弁座の軸芯線に対し一側に僅かに偏芯して対向するように装設しておく。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湯と水とを混合して吐出する湯水混合栓に関する。
一層、具体的にいえば、湯水混合栓のうちで、それの外筺となる筒状に形成したケース内に、筒状に形成してカートリッジ状に組込む筒状のケーシングの周壁に、湯流入口と水流入口とを軸方向に並列させて設け、それらの内面側に、湯弁座と水弁座とを、軸方向において互いに向き合うように設け、ケーシング内には、前記湯弁座と水弁座とにそれぞれ対向する湯弁と水弁とを軸方向の両端に具備する筒状の制御弁体を、軸方向に移動可能に配置しておき、その制御弁体に、基端側をケーシングに支承せしめた感温バネの先端側と、基端側を調整ネジに支承せしめたバイアスバネの先端側とを、対向させて連繋して、その一対のバネの釣り合いにより制御弁体を軸方向に移動可能に支持せしめておき、湯流入口と水流入口とから流入する湯と水とを混合して吐出させるときの、その混合水の温度を、感温バネに感知せしめて、その感温バネの温度変化に応じたバネ定数の変化により制御弁体に制御作動を行わすことにより吐出する混合水の温度を設定温度に保持するようにした形態の湯水混合栓についての改良に関する。
【背景技術】
【0002】
上述の軸方向に可動に設けた制御弁を、感温バネとバイアスバネとで釣り合う状態に保持しておき、感温バネの温度感知作動で制御弁の作動を自動制御して、吐出する混合水を設定温度に保持するようにする形態の湯水混合栓は、通常、図1、図2にあるよう構成している。
【0003】
図1において、鎖線に示している1は、浴室等に給湯・給水用に施工し設置する湯水混合栓Aの外箱となる外筺(ケース)で、筒状に成形してあり、筒壁には、給湯栓に接続する湯入口管10と給水栓に接続する水入口管11と、混合水を吐出する吐出管12とが形成してある。
【0004】
2は、組込む制御弁機構wを、上述の外筺1内に嵌装するカートリッジ状に組立てるケーシングで、有底の筒状の本体2aとこれに螺合する弁座金具2bとで、前記外筺1内に嵌挿される筒状に形成してあり、それの周壁には、湯流入口20と水流入口21とが、軸方向に(図1において左右方向)に間隔をおいて形成してある。そして、その湯流入口20と水流入口21の各内側位置には、湯弁座aと水弁座bとが軸方向において一対に対向するように形成してある。
【0005】
3は、前記湯弁座aと水弁座bとの対向間隔内に、その間隔内を軸方向に可動に配置した制御弁体で、筒状弁状に形成してあり、湯弁座aと対向する側の端縁には湯弁3aが形設され、水弁座bと対向する側の端縁には水弁3bが形設してある。
【0006】
4は、制御弁体3を水弁座b側に押し出すよう付勢するバイアスバネ、5は制御弁体3を湯弁座a側に押し出すよう付勢する感温バネである。
【0007】
感温バネ5は、形状記憶合金(Shape Memory Alloy 略してSMA)が用いられ、この感温バネが、冷却により弾性力が下がり、加熱により弾性力が上がることで、温度によって荷重が変化することと、バネ状に加工していることで温度により伸縮することから、伸びようとする力を荷重として制御弁体を動かし制御作動を制御するようになることにより、温度アクチュエータに用いている。
【0008】
6aは、バイアスバネ4の基端側を支承する調整ネジで、外周面をケーシング2の内面に、周方向には規制し、軸方向にだけ動くよう係合させて組込んであり、内周面には雌ネジを形成している。
【0009】
6bは、ケーシング2の一端側に設ける温調ダイヤルD1により回動するようケーシング2に設ける調整ネジ軸で、外周面には雄ネジが設けてあって、その雄ネジにより前記調整ネジ6aに螺合している。
【0010】
この形態の湯水混合栓Aは、温調ダイヤルD1の回動操作により調整ネジ6aを軸方向に変位させて、バイアスバネ4の他端側の支承位置を所望の位置に設定し、その設定した状態において、バイアスバネ4と感温バネ5とで制御弁体3を釣り合った状態位置に保持させておき、その状態位置からの感温バネ5が、混合水の温度変化により感知作動を行って、発生荷重を変化させたときに、バイアスバネの付勢力を利用して制御弁体3を変位させ、吐出する混合水の温度を設定した温度に保持するよう作用するものである。
【0011】
一層具体的にいえば、図2において、制御弁体3は、それの両端側に、基端側が調整ネジ6aに支承されたバイアスバネ4の先端側と、基端側がケーシング2に支持された感温バネ5の先端側とを、対向させて連繋することにより、軸方向に可動に支持され、かつ、バイアスバネ4と感温バネ5とで釣り合った状態位置に保持されている。湯流入口20から湯弁3aと湯弁座aとの間隔を経てケーシング2内に流入してくる湯と、水流入口21から水弁3bと水弁座bとの間隔を経てケーシング2内に流入してくる水とが、ケーシング2の他端側に形成した混合室22内において合流混合して混合水となり、混合水出口23から吐出していくとき、この混合室22内に配設してある感温バネ5が、混合水の温度を感知して、それにより発生荷重を変化させることにより、バイアスバネ4の付勢力を利用して制御弁体3を変位させるよう制御し、混合水の温度を設定した所望の温度に保持させるようコントロールする。
【0012】
即ち、水圧の低下などで、流入してくる水の流量が減少し、それにより混合室22内における混合水の温度が上昇してきたときには、それを感知する感温バネ5が発生荷重を大きくするよう作動し、その増加した荷重分だけバイアスバネ4を押し縮めて、制御弁体3を左方に動かし、湯弁3aと湯弁座aとの間隔を狭め、湯の流入量を少なくし、それにより、上昇した混合水の温度を低下させる。そして、混合水の湯と水との混合比率と混合水温度とがバランスした位置で制御弁体3は安定する。
【0013】
また、水圧の上昇などで、流入してくる水の流量が増大し、それにより、混合室22内の混合水の温度が低下してきた場合には、感温バネ5がそれの感知作動により発生荷重を小さくしてきて、その減少した荷重分だけバイアスバネ4が伸び出し、制御弁体3を右方に動かし、水弁3bと水弁座bとの間隔を狭め、流入してくる水の流量を絞って水量を少なくし、それにより、低下してきた混合水の温度を上昇させる。そして、制御弁体3は、流入してくる湯と水との混合比率と混合水温度がバランスした位置で安定するようになる。
【0014】
このように作動するSMAバネよりなる感温バネ5を用いた形態の湯水混合栓Aは、冷水を吐出させようとするときは、温度調整用のダイヤルD1の操作回動により、バイアスバネ4の他端側を支承する支持部材gの調整ネジ6aを左方に動かして、制御弁体3を湯弁座a側に変位させ、湯弁3aと湯弁座aとの間隔を閉め切り、水弁座bと水弁3bとの間隔を大きく開放した状態とすることで行うが、このとき、SMAバネよりなる感温バネ5は、温度の低下により発生荷重が低下した状態にあることで、制御弁体3を湯弁座a側に押し出す力が不足して、湯弁座aと湯弁3aとの間隔を閉め切れない事態を生ぜしめる場合がある。
【0015】
この事態に対応させるため、感温バネ5は、バネ荷重の大きいものとしておくことが必要であり、発生荷重の大きな大型のものを用いるようになることで、組立てられる湯水混合栓Aを大型化する問題がある。
【0016】
また、湯を吐出させるよう、温調ダイヤルD1を回動操作して制御弁体3を動かし、水弁座bと水弁3bとの間隔を閉め切り、湯弁座aと湯弁3aとの間隔を開放させるとき、または、水を吐出させるよう、湯弁座aと湯弁3aとの間隔を閉め切り、水弁座bと水弁3bとの間隔を開放させるときに、水または湯の流入を急激に遮断することによって、ハンチング現象を起こし、器具に損傷を生ぜしめる問題がある。
【0017】
また、制御弁体3に、感温バネ5とバイアスバネ4とを対向するように連繋して、この2つのバネの釣り合いにより制御弁体3を軸方向に可動に支持せしめるこの湯水混合栓Aは、対向する2つのバネのバランスにより制御弁体3に制御作動を行わすことから、2つのバネのそれぞれの制御弁体3との連繋位置における接触部位の変動により、制御弁体3の作動がギクシャクするので、この作動がスムーズに行われるようにするため、2つのバネの制御弁体3との連繋点となる端面を、平面に仕上げて、バネに曲げが生じても、バネ圧が正しく制御弁体3に作用するようにする必要があり、バネの製作コストを増大させる問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明において解決しようとする課題は、水弁座bと水弁3bとの間隔または湯弁座aと湯弁3aとの間隔を急激に閉め切ったときに、生じてくるハンチング現象を効果的に回避させ得る手段を開発することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
そして本発明においては、上述の課題を解決するための手段として、
筒状のケーシング2の周壁に湯流入口20と水流入口21とを軸方向に並列させて設け、それらの内側位置に環状の湯弁座aと水弁座bとを互いに対向するよう設け、その筒状のケーシング2内には、両端縁に湯弁3aと水弁3bとを環状に形成する筒状の制御弁体3を、軸方向に可動に装入して、それの両端側に、基端側が調整ネジ6aに支承されたバイアスバネ4の先端側と、基端側がケーシング2に支承された感温バネ5の先端側とを対向させて連繋して、制御弁体3を前記バイアスバネ4と感温バネ5との2つのバネのバランス位置に保持せしめ、前記バイアスバネ4を支承する調整ネジ6aを、ケーシング2の一端側に組付ける温調ダイヤルD1の回動操作により回動する調整ネジ軸6bに螺合し、その調整ネジ軸6bの回動により調整ネジ6aを軸方向に動かしてバイアスバネ4の支承位置を変更設定する湯水混合栓において、制御弁体3に環状に形設する湯弁3aまたは水弁3bの弁と、ケーシング2に環状に形設する湯弁座aまたは水弁座bの弁座とを、湯弁3aまたは水弁3bの弁の中心線Xが湯弁座aまたは水弁座bの弁座の軸芯線Zに対し一側に僅かに偏芯して対向するように装設しておくことを特徴とする湯水混合栓。
を提起するものである。
【0020】
この手段は、温調ダイヤルD1の操作で制御弁体3の設定位置を動かし、湯弁座a側、または水弁座b側を、閉め切ったときに、それにより生ずることのあるハンチング現象が、湯または水の流路が急激に閉められることによって生ずるものであることから、例えば、弁座金具2bの上端部に、軸芯線中心の環状に形成される水弁座bのシート面に対し、制御弁体3が下降して、それの下縁に環状に形成した水弁3bが当接して流路を遮断するときに、環状に形成する水弁3bの仮想中心線を、軸芯線に対し一側に偏芯させて形成しておいて、制御弁体3の水弁3bの環状のシール面が、偏芯させた側から、部分的に水弁座bのシート面に順次接触していくようにしておけば、水弁座bのシート面の全てが一時に閉め切られることが無くなり、ハンチング現象は解消させ得るということに想到し、このように構成してテストしたところ、期待する結果が得られたことにより完成したものである。そして、これにより、ハンチング現象が効果的に解消できる結果を得ている。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、制御弁体3に環状に形成する湯弁3a・水弁3bの弁とケーシング2に形成する環状の湯弁座a・水弁座bの弁座とを、湯弁3a・水弁3bの弁の中心線Xが湯弁座a・水弁座bの軸芯線Zに対し一側に偏芯して対向する位置関係に設定して装設しているのだから、弁と弁座との間を閉め切るときに、弁座のシート面が一時にシールされずに部分的に順次シールされていくようになってハンチング現象が効果的に解消し得るようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に本発明の実施の態様を、実施例につき図面に従い説明する。
【実施例1】
【0023】
図3は、本発明による湯水混合栓の例を示す。この例は、湯水混合栓Aのボディを、鎖線に示している外箱となる外筺1と、その外筺1内に装脱自在に嵌挿される筒状のケーシング2とで構成し、制御弁機構wをそのケーシング2に収蔵せしめるよう組付けて、カートリッジ状に組立て、これを前記外筺1内にカートリッジ状に嵌装することで湯水混合栓Aを構成する形態のものとした例で、外筺1内にカートリッジ状に装入するケーシング2と制御弁機構wを示している。
【0024】
ケーシング2は、図4に示しているように、他端側(図において右端側)に雌ネジ24を形成し一端側には軸芯部に透孔25を開設した底壁を具備する有底の筒状に形成した本体2aと、一端側に前記本体2aの雌ネジ24に螺合する雄ネジ26を設けた筒状の弁座金具2bとを螺合して連結することで、中空の筒状に形成してあって、それの本体2aの筒壁には、湯流入口20と水流入口21とが形設してあり、その湯流入口20の内端側には湯弁座aが形設してある。水流入口21の内側位置に形成する水弁座bにあっては、本体2aに螺合する弁座金具2bの内端縁に形成してある。弁座金具2bは、一端側に混合水出口23が形成され、内側は混合室22に用いられる。
【0025】
制御弁機構wは、筒状弁状に形成してそれの筒壁の一端縁に湯弁3aを形成し他端縁に水弁3bを形成した制御弁体3と、その制御弁体3の一端縁側に連繋して水弁座b側に付勢するバイアスバネ4と、制御弁体3の一端側に連繋して湯弁座a側に付勢する感温バネ5と、からなるが、制御弁体3を水弁座b側に付勢するバイアスバネ4の基端側は、調整ネジ6aと別体に形成した支持部材gに支承せしめるようにしている。
【0026】
支持部材gは、この例においては、軸杆状に形成してあって、それの一端側(図3において左端側)を調整ネジ6aの軸芯部位に設けた透孔63に摺動自在に嵌挿し、透孔63から右方に突出する他端側に、フランジまたは止め輪よりなる衝合部t1を設けて、これにより、調整ネジ6aが支持部材gに対しそれの他端側(図3において右方)に動いて衝合部t1に衝合したとき、支持部材gに一体的に連繋してそれ以後支持部材gを他端側に動かしていくようにし、かつ、この衝合部t1より他端側に、コイル状に成形したバイアスバネ4を嵌装し、それを収蔵するバネ受け40の基端側を、前記衝合部t1の他端側の端面に当接させることで、バイアスバネ4の基端側を、調整ネジ6aが支持部材gを介して支承するようにしている。
【0027】
そして、これにより、制御弁体3を、支持部材gを介し調整ネジ6aに基端側を支承させたバイアスバネ4と弁座金具2bに基端側を支承させた感温バネ5との2つのバネの釣り合いにより軸方向に可動に支持させ、混合室22内に位置する感温バネ5の感温作動により制御作動を行わすようにしている。
【0028】
yは、この制御弁体3の制御作動が所望の設定温度に行われるよう調整する温度調整手段で、ケーシング2の本体部2aの一端側の透孔25に回転自在に嵌挿して、外端側を温調ダイヤルD1に連繋する調整ネジ軸6bと、外周面が本体部2aの内面に軸方向に沿うスプライン状の係合部60を介して嵌合し、内周面が前記調整ネジ軸6bの内端側の外面に形成してある雄ネジ61に螺合する雌ネジ62に形成されている前述の調整ネジ6aとからなり、温調ダイヤルD1の回動操作で調整ネジ6aを介し支持部材gを軸方向に動かすことで、バイアスバネ4と感温バネ5とのバランス位置を変更させて、設定温度を設定するようにしてある。
【0029】
また、制御弁機構wの制御弁体3は、それの軸芯部位に、軸方向に貫通する透孔30が開設してあり、そこに軸杆状に形成した支持部材gの他端側を摺動自在にを嵌挿して、これに制御作動の際の動きをガイドさせ、かつ、支持部材gの他端側を弁座金具2bに設けた軸筒状のガイド筒27に嵌挿して支持させることにより、ケーシング2に対し固定状態に組付けてあって、これにより制御弁体3が制御作動を行うときの、その動きを、支持部材gの他端側により軸方向にだけ動くように規制するようにし、制御作動に際し、制御弁体3が軸方向に対し傾いた不整な方向へ動くのを抑えるようにしている。
【0030】
7は制御弁機構wに、設定温度の調節を、水吐出の状態に設定したときだけ、制御弁体3を湯弁座a側に付勢するように組込む引上げバネである。
【0031】
引上げバネ7は、この例においては、前述の軸杆状に形成した支持部材gを利用して組込むようにしてあり、また、その支持部材gは制御弁機構wをケーシング2に組付けるときの組付枠としても利用している。
【0032】
制御弁体3は、ケーシング2に組付けるとき、まず、軸杆状に形成した支持部材gの一端側に寄る部位に、図5にあるように、衝合部t1とする止め輪を嵌装し、これに、鞘状の形成したバネ受け40を、支持部材gの他端側から嵌挿し、次いで、コイル状に成形したバイアスバネ4を嵌挿し、その後に制御弁体3を嵌挿し、その状態において、支持部材gの一端側に止め輪t2を嵌装して脱出を阻止することで、バイアスバネ4及び支持部材gと一体的に組合せたユニットに組立て、この状態でケーシング2内に装入して組付けるようにし、このとき、支持部材gの他端側で、バネ受け40の支持部材gの他端側への動きを規制する衝合部t1から突出する突出端部には、調整ネジ軸6bに螺合させる前述の調整ネジ6aを、それの底壁の軸芯部に設けた透孔63を介して摺動自在に嵌挿し、さらにコイル状に成形した引上げバネ7を嵌挿し、その引上げバネ7の他端側を、支持部材gの他端側の突出端部に装着する止め輪t3により規制して、支持部材gからの脱出を阻止して、前述のユニットに併せて一体的に組付けておいて、ケーシング2内に装入し、図3の状態に組立てる。
【0033】
この状態においては、引上げバネ7は、調整ネジ6aを、支持部材gの他端側に向け押し出すように作用するが、調整ネジ6aが衝合部t1に衝合してストップし、それ以上支持部材gの他端側に向けて動くことはないので、この引上げバネ7はバイアスバネ4及び制御弁体3に対してはバネ荷重が作用しない状態である。
【0034】
即ち、制御弁機構wに組付けた引上げバネ7は、通常の温度範囲の湯と水との混合水を吐出するよう設定したときは、支持部材gが図7に示す状態に保持されて圧縮されることがないので、作用しない状態に保持される。また、水弁座bを閉め切って湯を吐出させる設定のときも、図8に示している状態となって、引上げバネ7は圧縮されず、荷重を発生させない状態に保持される。しかし、図9にあるように、湯弁座aを閉め切って、水吐出の状態に設定したときは、調整ネジ6aが、支持部材gに対し、引き戻し方向に動くことで、引上げバネ7を圧縮して荷重を発生させ、支持部材gをその荷重が制御弁体3を湯弁座a側に押し出す感温バネ5の荷重に付加されるようになる。
【0035】
図10は別の例を示している。この例は、ケーシング2を本体部2aとこれに螺合する弁座金具2bとで、湯水混合栓Aのケースを形成する外筺1内にカートリッジ状に嵌装する筒状に形成し、これに組込む制御弁機構wを、前記本体部2aの筒壁に形設しておく湯流入口20と水流入口21と、湯流入口20の内側位置に形設する湯弁座aと、水流入口21の内側位置に配して弁座金具2bの内端縁に形設する水弁座bと、ケーシング2とは別体に形成してケーシング2内に装入し軸方向に可動に組込む筒状弁状の制御弁体3と、これの一端縁側(図において上縁側)に連繋して水弁座b側に付勢するバイアスバネ4と、制御弁体3の他端縁側に連繋して湯弁座a側に付勢する感温バネ5とを用い、制御弁体3をバイアスバネ4と感温バネ5との2つのバネのバランスにより軸方向に可動に支持し、ケーシング2の一端側の弁座金具2bの内腔に形成される混合室22内に位置する感温バネ5の感温作動により制御作動が行われるように構成していることについては、前述の例のものと変わりがない。
【0036】
しかし、この例では、図11にあるように、弁座金具2bの内端縁(図において上端縁)に環状に形成する水弁座bのシート面を、筒状弁状に形成した制御弁体3の筒壁の下縁側に形成される水弁3bの巾より広い巾の帯状に形成し、かつ、その広巾のシート面が、下方に向かうに従い次第に縮径する漏斗状をなすようテーパー面に形成し、さらに、この環状の水弁座bの仮想中心線Xが、弁座金具2bの軸芯線Zに対し、僅かに一側(図において左側)に偏るよう、偏芯させて形成してある。
【0037】
また、制御弁体3は、それの筒壁の下端縁に水弁座bと対向する環状に形設する水弁3bを、それの仮想軸芯線が制御弁体3の軸芯線と揃うように形成し、かつ、水弁座bのシート面よりも巾が狭く、そのシート面に略平行するテーパー面に形成し、さらに、制御弁体3を、それの下端側に下部ガイドg2を設けて、これを、弁座金具2bの内腔に設けたガイド筒27に嵌挿することで、この環状の水弁3bがそれの軸芯線を弁座金具2bの軸芯線と一致して水弁座bに対し進退するようにし、これにより、水弁3bが水弁座bに対し衝合していくときに、図12にあるよう一側(図において右側)に偏芯した状態で突き当たっていくようにしている。
【0038】
このため、制御弁体3が下降して、水弁3bが水弁座bに衝合して、水弁3bと水弁座bとの間の水の流路を閉めるときに、図12にあるように、水弁3bの偏芯側(図12において右側)は部分的にシールされるが偏芯の反対側においては、シールされずに開放した状態に保持され、引き続いての制御弁体3の下降により、水弁3bが水弁座bのシート面を摺動して下方に動くことで、シールされていくようにしてある。そして、これにより、水弁3bと水弁座bとの間の水の流路を閉め切るときに、その水弁3bと水弁座bとの間が一時に閉め切られずに部分的に順次シールされていくようにしているため、温度変化が急激に起こらず、ゆるやかになるので、ハンチング現象を解消するようになる。
【0039】
この、制御弁体3の筒壁の端縁に環状に形成する弁(水弁3b)を制御弁体3の軸芯線に対し偏芯させる手段は、軸芯線に対する偏芯を湯弁3aの側に設けて、湯の流路を閉め切るときに、急激な遮断を避けるようにする場合、また、水弁3bと湯弁3aとの両方に設けて、湯の流路の遮断と水の遮断の両方が行えるように実施する場合がある。
【0040】
この制御弁体3の筒壁の端縁に環状に形成する弁(湯弁3a・水弁3b)を、環状に形成して本体2a・弁座金具2bに設ける弁座(湯弁座a・水弁座b)に対し偏芯させて対向させる手段によるハンチング現象の解消は、作用・機能についての説明を、制御弁体3の閉弁時の作動に基づいてだけ行っているが、開弁時においても、シールされた環状の弁と弁座とが、部分的に順次離れていくようになることで、開弁時におけるハンチング現象も解消するようになる。
【0041】
また、この例においては、制御弁体3の作動を、軸方向に沿う方向にガイドするよう設ける支持部材gは、上部ガイドg1と下部ガイドg2との2つに分けられ、それの上部ガイドg1にあっては、一端側(図10において上端側)を、調整ネジ6aに開設した透孔63に、衝合部t1が当接するまで嵌挿して、そこに引上げバネ7を組付け、前記衝合部t1から下方に延出する他端側を、制御弁体3の軸芯部に形成した有底の鞘筒状のバネケース32内に嵌挿し、そのバネケース32内に収蔵せしめたバイアスバネ4の上端側を、バネ受座31に支持させて、バイアスバネに連繋させてあり、また、下部ガイドg2にあっては、制御弁体3の下端側に、そこから延出するように一体に連結させて、これを、弁座金具2b内腔を設けたガイド筒27に嵌挿させている。
【0042】
そして、下部ガイドg2を嵌挿するガイド筒27は、それの内径を一端側(外端側)に向かうに従い僅かに拡径するように形成してあり、これにより、図12にあるよう制御弁体3が弁座金具2b側に動いて、水弁3bが水弁座bに衝合してきたときに、下部ガイドg2が、ガイド筒27の上端側を支点として、ガイド筒27の内径の拡径した分だけ傾斜回動が可能となり、この傾斜回動によって制御弁体3が偏芯側と反対側にずれ込むように動くのを円滑にガイドするようにしている。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】従前の制御弁体を2つのバネのバランスにより支持する形態の湯水混合栓の横断平面図である。
【図2】同上の要部の断面図である。
【図3】本発明手段を実施せる湯水混合栓の例の縦断面図である。
【図4】同上の例の組立て工程の説明図である。
【図5】同上の例のユニットにさらに調整ネジと引上げバネを組付けた状態の断面図である。
【図6】同上のユニットをケーシングの本体部に組付ける工程の説明図である。
【図7】同上の例の、混合水を吐出する設定とした状態の断面図である。
【図8】同上の例の、湯吐出に設定した状態の断面図である。
【図9】同上の例の水吐出に設定した状態の断面図である。
【図10】別の例の縦断面図である。
【図11】同上の例の弁座金具の縦断面図である。
【図12】同上の例の弁座金具とこれに衝合する制御弁体との縦断面図である。
【符号の説明】
【0044】
A 湯水混合栓
D1 温調ダイヤル
X 仮想中心線
Z 軸芯線
a 湯弁座
b 水弁座
g 支持部材
g1 上部ガイド
g2 下部ガイド
t1 衝合部
t2 フランジ
t3 フランジ
w 制御弁機構
y 温度調整手段
1 外筺
10 湯入口管
11 水入口管
12 吐出管
2 ケーシング
2a 本体
2b 弁座金具
20 湯流入口
21 水流入口
22 混合室
23 混合水出口
24 雌ネジ
25 透孔
26 雄ネジ
27 ガイド筒
3 制御弁体
3a 湯弁
3b 水弁
30 透孔
31 バネ受座
32 バネケース
4 バイアスバネ
40 バネ受け
5 感温バネ
6a 調整ネジ
6b 調整ネジ軸
60 係合部
61 雄ネジ
62 雌ネジ
63 透孔
7 引上げバネ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、湯と水とを混合して吐出する湯水混合栓に関する。
一層、具体的にいえば、湯水混合栓のうちで、それの外筺となる筒状に形成したケース内に、筒状に形成してカートリッジ状に組込む筒状のケーシングの周壁に、湯流入口と水流入口とを軸方向に並列させて設け、それらの内面側に、湯弁座と水弁座とを、軸方向において互いに向き合うように設け、ケーシング内には、前記湯弁座と水弁座とにそれぞれ対向する湯弁と水弁とを軸方向の両端に具備する筒状の制御弁体を、軸方向に移動可能に配置しておき、その制御弁体に、基端側をケーシングに支承せしめた感温バネの先端側と、基端側を調整ネジに支承せしめたバイアスバネの先端側とを、対向させて連繋して、その一対のバネの釣り合いにより制御弁体を軸方向に移動可能に支持せしめておき、湯流入口と水流入口とから流入する湯と水とを混合して吐出させるときの、その混合水の温度を、感温バネに感知せしめて、その感温バネの温度変化に応じたバネ定数の変化により制御弁体に制御作動を行わすことにより吐出する混合水の温度を設定温度に保持するようにした形態の湯水混合栓についての改良に関する。
【背景技術】
【0002】
上述の軸方向に可動に設けた制御弁を、感温バネとバイアスバネとで釣り合う状態に保持しておき、感温バネの温度感知作動で制御弁の作動を自動制御して、吐出する混合水を設定温度に保持するようにする形態の湯水混合栓は、通常、図1、図2にあるよう構成している。
【0003】
図1において、鎖線に示している1は、浴室等に給湯・給水用に施工し設置する湯水混合栓Aの外箱となる外筺(ケース)で、筒状に成形してあり、筒壁には、給湯栓に接続する湯入口管10と給水栓に接続する水入口管11と、混合水を吐出する吐出管12とが形成してある。
【0004】
2は、組込む制御弁機構wを、上述の外筺1内に嵌装するカートリッジ状に組立てるケーシングで、有底の筒状の本体2aとこれに螺合する弁座金具2bとで、前記外筺1内に嵌挿される筒状に形成してあり、それの周壁には、湯流入口20と水流入口21とが、軸方向に(図1において左右方向)に間隔をおいて形成してある。そして、その湯流入口20と水流入口21の各内側位置には、湯弁座aと水弁座bとが軸方向において一対に対向するように形成してある。
【0005】
3は、前記湯弁座aと水弁座bとの対向間隔内に、その間隔内を軸方向に可動に配置した制御弁体で、筒状弁状に形成してあり、湯弁座aと対向する側の端縁には湯弁3aが形設され、水弁座bと対向する側の端縁には水弁3bが形設してある。
【0006】
4は、制御弁体3を水弁座b側に押し出すよう付勢するバイアスバネ、5は制御弁体3を湯弁座a側に押し出すよう付勢する感温バネである。
【0007】
感温バネ5は、形状記憶合金(Shape Memory Alloy 略してSMA)が用いられ、この感温バネが、冷却により弾性力が下がり、加熱により弾性力が上がることで、温度によって荷重が変化することと、バネ状に加工していることで温度により伸縮することから、伸びようとする力を荷重として制御弁体を動かし制御作動を制御するようになることにより、温度アクチュエータに用いている。
【0008】
6aは、バイアスバネ4の基端側を支承する調整ネジで、外周面をケーシング2の内面に、周方向には規制し、軸方向にだけ動くよう係合させて組込んであり、内周面には雌ネジを形成している。
【0009】
6bは、ケーシング2の一端側に設ける温調ダイヤルD1により回動するようケーシング2に設ける調整ネジ軸で、外周面には雄ネジが設けてあって、その雄ネジにより前記調整ネジ6aに螺合している。
【0010】
この形態の湯水混合栓Aは、温調ダイヤルD1の回動操作により調整ネジ6aを軸方向に変位させて、バイアスバネ4の他端側の支承位置を所望の位置に設定し、その設定した状態において、バイアスバネ4と感温バネ5とで制御弁体3を釣り合った状態位置に保持させておき、その状態位置からの感温バネ5が、混合水の温度変化により感知作動を行って、発生荷重を変化させたときに、バイアスバネの付勢力を利用して制御弁体3を変位させ、吐出する混合水の温度を設定した温度に保持するよう作用するものである。
【0011】
一層具体的にいえば、図2において、制御弁体3は、それの両端側に、基端側が調整ネジ6aに支承されたバイアスバネ4の先端側と、基端側がケーシング2に支持された感温バネ5の先端側とを、対向させて連繋することにより、軸方向に可動に支持され、かつ、バイアスバネ4と感温バネ5とで釣り合った状態位置に保持されている。湯流入口20から湯弁3aと湯弁座aとの間隔を経てケーシング2内に流入してくる湯と、水流入口21から水弁3bと水弁座bとの間隔を経てケーシング2内に流入してくる水とが、ケーシング2の他端側に形成した混合室22内において合流混合して混合水となり、混合水出口23から吐出していくとき、この混合室22内に配設してある感温バネ5が、混合水の温度を感知して、それにより発生荷重を変化させることにより、バイアスバネ4の付勢力を利用して制御弁体3を変位させるよう制御し、混合水の温度を設定した所望の温度に保持させるようコントロールする。
【0012】
即ち、水圧の低下などで、流入してくる水の流量が減少し、それにより混合室22内における混合水の温度が上昇してきたときには、それを感知する感温バネ5が発生荷重を大きくするよう作動し、その増加した荷重分だけバイアスバネ4を押し縮めて、制御弁体3を左方に動かし、湯弁3aと湯弁座aとの間隔を狭め、湯の流入量を少なくし、それにより、上昇した混合水の温度を低下させる。そして、混合水の湯と水との混合比率と混合水温度とがバランスした位置で制御弁体3は安定する。
【0013】
また、水圧の上昇などで、流入してくる水の流量が増大し、それにより、混合室22内の混合水の温度が低下してきた場合には、感温バネ5がそれの感知作動により発生荷重を小さくしてきて、その減少した荷重分だけバイアスバネ4が伸び出し、制御弁体3を右方に動かし、水弁3bと水弁座bとの間隔を狭め、流入してくる水の流量を絞って水量を少なくし、それにより、低下してきた混合水の温度を上昇させる。そして、制御弁体3は、流入してくる湯と水との混合比率と混合水温度がバランスした位置で安定するようになる。
【0014】
このように作動するSMAバネよりなる感温バネ5を用いた形態の湯水混合栓Aは、冷水を吐出させようとするときは、温度調整用のダイヤルD1の操作回動により、バイアスバネ4の他端側を支承する支持部材gの調整ネジ6aを左方に動かして、制御弁体3を湯弁座a側に変位させ、湯弁3aと湯弁座aとの間隔を閉め切り、水弁座bと水弁3bとの間隔を大きく開放した状態とすることで行うが、このとき、SMAバネよりなる感温バネ5は、温度の低下により発生荷重が低下した状態にあることで、制御弁体3を湯弁座a側に押し出す力が不足して、湯弁座aと湯弁3aとの間隔を閉め切れない事態を生ぜしめる場合がある。
【0015】
この事態に対応させるため、感温バネ5は、バネ荷重の大きいものとしておくことが必要であり、発生荷重の大きな大型のものを用いるようになることで、組立てられる湯水混合栓Aを大型化する問題がある。
【0016】
また、湯を吐出させるよう、温調ダイヤルD1を回動操作して制御弁体3を動かし、水弁座bと水弁3bとの間隔を閉め切り、湯弁座aと湯弁3aとの間隔を開放させるとき、または、水を吐出させるよう、湯弁座aと湯弁3aとの間隔を閉め切り、水弁座bと水弁3bとの間隔を開放させるときに、水または湯の流入を急激に遮断することによって、ハンチング現象を起こし、器具に損傷を生ぜしめる問題がある。
【0017】
また、制御弁体3に、感温バネ5とバイアスバネ4とを対向するように連繋して、この2つのバネの釣り合いにより制御弁体3を軸方向に可動に支持せしめるこの湯水混合栓Aは、対向する2つのバネのバランスにより制御弁体3に制御作動を行わすことから、2つのバネのそれぞれの制御弁体3との連繋位置における接触部位の変動により、制御弁体3の作動がギクシャクするので、この作動がスムーズに行われるようにするため、2つのバネの制御弁体3との連繋点となる端面を、平面に仕上げて、バネに曲げが生じても、バネ圧が正しく制御弁体3に作用するようにする必要があり、バネの製作コストを増大させる問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明において解決しようとする課題は、水弁座bと水弁3bとの間隔または湯弁座aと湯弁3aとの間隔を急激に閉め切ったときに、生じてくるハンチング現象を効果的に回避させ得る手段を開発することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
そして本発明においては、上述の課題を解決するための手段として、
筒状のケーシング2の周壁に湯流入口20と水流入口21とを軸方向に並列させて設け、それらの内側位置に環状の湯弁座aと水弁座bとを互いに対向するよう設け、その筒状のケーシング2内には、両端縁に湯弁3aと水弁3bとを環状に形成する筒状の制御弁体3を、軸方向に可動に装入して、それの両端側に、基端側が調整ネジ6aに支承されたバイアスバネ4の先端側と、基端側がケーシング2に支承された感温バネ5の先端側とを対向させて連繋して、制御弁体3を前記バイアスバネ4と感温バネ5との2つのバネのバランス位置に保持せしめ、前記バイアスバネ4を支承する調整ネジ6aを、ケーシング2の一端側に組付ける温調ダイヤルD1の回動操作により回動する調整ネジ軸6bに螺合し、その調整ネジ軸6bの回動により調整ネジ6aを軸方向に動かしてバイアスバネ4の支承位置を変更設定する湯水混合栓において、制御弁体3に環状に形設する湯弁3aまたは水弁3bの弁と、ケーシング2に環状に形設する湯弁座aまたは水弁座bの弁座とを、湯弁3aまたは水弁3bの弁の中心線Xが湯弁座aまたは水弁座bの弁座の軸芯線Zに対し一側に僅かに偏芯して対向するように装設しておくことを特徴とする湯水混合栓。
を提起するものである。
【0020】
この手段は、温調ダイヤルD1の操作で制御弁体3の設定位置を動かし、湯弁座a側、または水弁座b側を、閉め切ったときに、それにより生ずることのあるハンチング現象が、湯または水の流路が急激に閉められることによって生ずるものであることから、例えば、弁座金具2bの上端部に、軸芯線中心の環状に形成される水弁座bのシート面に対し、制御弁体3が下降して、それの下縁に環状に形成した水弁3bが当接して流路を遮断するときに、環状に形成する水弁3bの仮想中心線を、軸芯線に対し一側に偏芯させて形成しておいて、制御弁体3の水弁3bの環状のシール面が、偏芯させた側から、部分的に水弁座bのシート面に順次接触していくようにしておけば、水弁座bのシート面の全てが一時に閉め切られることが無くなり、ハンチング現象は解消させ得るということに想到し、このように構成してテストしたところ、期待する結果が得られたことにより完成したものである。そして、これにより、ハンチング現象が効果的に解消できる結果を得ている。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、制御弁体3に環状に形成する湯弁3a・水弁3bの弁とケーシング2に形成する環状の湯弁座a・水弁座bの弁座とを、湯弁3a・水弁3bの弁の中心線Xが湯弁座a・水弁座bの軸芯線Zに対し一側に偏芯して対向する位置関係に設定して装設しているのだから、弁と弁座との間を閉め切るときに、弁座のシート面が一時にシールされずに部分的に順次シールされていくようになってハンチング現象が効果的に解消し得るようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に本発明の実施の態様を、実施例につき図面に従い説明する。
【実施例1】
【0023】
図3は、本発明による湯水混合栓の例を示す。この例は、湯水混合栓Aのボディを、鎖線に示している外箱となる外筺1と、その外筺1内に装脱自在に嵌挿される筒状のケーシング2とで構成し、制御弁機構wをそのケーシング2に収蔵せしめるよう組付けて、カートリッジ状に組立て、これを前記外筺1内にカートリッジ状に嵌装することで湯水混合栓Aを構成する形態のものとした例で、外筺1内にカートリッジ状に装入するケーシング2と制御弁機構wを示している。
【0024】
ケーシング2は、図4に示しているように、他端側(図において右端側)に雌ネジ24を形成し一端側には軸芯部に透孔25を開設した底壁を具備する有底の筒状に形成した本体2aと、一端側に前記本体2aの雌ネジ24に螺合する雄ネジ26を設けた筒状の弁座金具2bとを螺合して連結することで、中空の筒状に形成してあって、それの本体2aの筒壁には、湯流入口20と水流入口21とが形設してあり、その湯流入口20の内端側には湯弁座aが形設してある。水流入口21の内側位置に形成する水弁座bにあっては、本体2aに螺合する弁座金具2bの内端縁に形成してある。弁座金具2bは、一端側に混合水出口23が形成され、内側は混合室22に用いられる。
【0025】
制御弁機構wは、筒状弁状に形成してそれの筒壁の一端縁に湯弁3aを形成し他端縁に水弁3bを形成した制御弁体3と、その制御弁体3の一端縁側に連繋して水弁座b側に付勢するバイアスバネ4と、制御弁体3の一端側に連繋して湯弁座a側に付勢する感温バネ5と、からなるが、制御弁体3を水弁座b側に付勢するバイアスバネ4の基端側は、調整ネジ6aと別体に形成した支持部材gに支承せしめるようにしている。
【0026】
支持部材gは、この例においては、軸杆状に形成してあって、それの一端側(図3において左端側)を調整ネジ6aの軸芯部位に設けた透孔63に摺動自在に嵌挿し、透孔63から右方に突出する他端側に、フランジまたは止め輪よりなる衝合部t1を設けて、これにより、調整ネジ6aが支持部材gに対しそれの他端側(図3において右方)に動いて衝合部t1に衝合したとき、支持部材gに一体的に連繋してそれ以後支持部材gを他端側に動かしていくようにし、かつ、この衝合部t1より他端側に、コイル状に成形したバイアスバネ4を嵌装し、それを収蔵するバネ受け40の基端側を、前記衝合部t1の他端側の端面に当接させることで、バイアスバネ4の基端側を、調整ネジ6aが支持部材gを介して支承するようにしている。
【0027】
そして、これにより、制御弁体3を、支持部材gを介し調整ネジ6aに基端側を支承させたバイアスバネ4と弁座金具2bに基端側を支承させた感温バネ5との2つのバネの釣り合いにより軸方向に可動に支持させ、混合室22内に位置する感温バネ5の感温作動により制御作動を行わすようにしている。
【0028】
yは、この制御弁体3の制御作動が所望の設定温度に行われるよう調整する温度調整手段で、ケーシング2の本体部2aの一端側の透孔25に回転自在に嵌挿して、外端側を温調ダイヤルD1に連繋する調整ネジ軸6bと、外周面が本体部2aの内面に軸方向に沿うスプライン状の係合部60を介して嵌合し、内周面が前記調整ネジ軸6bの内端側の外面に形成してある雄ネジ61に螺合する雌ネジ62に形成されている前述の調整ネジ6aとからなり、温調ダイヤルD1の回動操作で調整ネジ6aを介し支持部材gを軸方向に動かすことで、バイアスバネ4と感温バネ5とのバランス位置を変更させて、設定温度を設定するようにしてある。
【0029】
また、制御弁機構wの制御弁体3は、それの軸芯部位に、軸方向に貫通する透孔30が開設してあり、そこに軸杆状に形成した支持部材gの他端側を摺動自在にを嵌挿して、これに制御作動の際の動きをガイドさせ、かつ、支持部材gの他端側を弁座金具2bに設けた軸筒状のガイド筒27に嵌挿して支持させることにより、ケーシング2に対し固定状態に組付けてあって、これにより制御弁体3が制御作動を行うときの、その動きを、支持部材gの他端側により軸方向にだけ動くように規制するようにし、制御作動に際し、制御弁体3が軸方向に対し傾いた不整な方向へ動くのを抑えるようにしている。
【0030】
7は制御弁機構wに、設定温度の調節を、水吐出の状態に設定したときだけ、制御弁体3を湯弁座a側に付勢するように組込む引上げバネである。
【0031】
引上げバネ7は、この例においては、前述の軸杆状に形成した支持部材gを利用して組込むようにしてあり、また、その支持部材gは制御弁機構wをケーシング2に組付けるときの組付枠としても利用している。
【0032】
制御弁体3は、ケーシング2に組付けるとき、まず、軸杆状に形成した支持部材gの一端側に寄る部位に、図5にあるように、衝合部t1とする止め輪を嵌装し、これに、鞘状の形成したバネ受け40を、支持部材gの他端側から嵌挿し、次いで、コイル状に成形したバイアスバネ4を嵌挿し、その後に制御弁体3を嵌挿し、その状態において、支持部材gの一端側に止め輪t2を嵌装して脱出を阻止することで、バイアスバネ4及び支持部材gと一体的に組合せたユニットに組立て、この状態でケーシング2内に装入して組付けるようにし、このとき、支持部材gの他端側で、バネ受け40の支持部材gの他端側への動きを規制する衝合部t1から突出する突出端部には、調整ネジ軸6bに螺合させる前述の調整ネジ6aを、それの底壁の軸芯部に設けた透孔63を介して摺動自在に嵌挿し、さらにコイル状に成形した引上げバネ7を嵌挿し、その引上げバネ7の他端側を、支持部材gの他端側の突出端部に装着する止め輪t3により規制して、支持部材gからの脱出を阻止して、前述のユニットに併せて一体的に組付けておいて、ケーシング2内に装入し、図3の状態に組立てる。
【0033】
この状態においては、引上げバネ7は、調整ネジ6aを、支持部材gの他端側に向け押し出すように作用するが、調整ネジ6aが衝合部t1に衝合してストップし、それ以上支持部材gの他端側に向けて動くことはないので、この引上げバネ7はバイアスバネ4及び制御弁体3に対してはバネ荷重が作用しない状態である。
【0034】
即ち、制御弁機構wに組付けた引上げバネ7は、通常の温度範囲の湯と水との混合水を吐出するよう設定したときは、支持部材gが図7に示す状態に保持されて圧縮されることがないので、作用しない状態に保持される。また、水弁座bを閉め切って湯を吐出させる設定のときも、図8に示している状態となって、引上げバネ7は圧縮されず、荷重を発生させない状態に保持される。しかし、図9にあるように、湯弁座aを閉め切って、水吐出の状態に設定したときは、調整ネジ6aが、支持部材gに対し、引き戻し方向に動くことで、引上げバネ7を圧縮して荷重を発生させ、支持部材gをその荷重が制御弁体3を湯弁座a側に押し出す感温バネ5の荷重に付加されるようになる。
【0035】
図10は別の例を示している。この例は、ケーシング2を本体部2aとこれに螺合する弁座金具2bとで、湯水混合栓Aのケースを形成する外筺1内にカートリッジ状に嵌装する筒状に形成し、これに組込む制御弁機構wを、前記本体部2aの筒壁に形設しておく湯流入口20と水流入口21と、湯流入口20の内側位置に形設する湯弁座aと、水流入口21の内側位置に配して弁座金具2bの内端縁に形設する水弁座bと、ケーシング2とは別体に形成してケーシング2内に装入し軸方向に可動に組込む筒状弁状の制御弁体3と、これの一端縁側(図において上縁側)に連繋して水弁座b側に付勢するバイアスバネ4と、制御弁体3の他端縁側に連繋して湯弁座a側に付勢する感温バネ5とを用い、制御弁体3をバイアスバネ4と感温バネ5との2つのバネのバランスにより軸方向に可動に支持し、ケーシング2の一端側の弁座金具2bの内腔に形成される混合室22内に位置する感温バネ5の感温作動により制御作動が行われるように構成していることについては、前述の例のものと変わりがない。
【0036】
しかし、この例では、図11にあるように、弁座金具2bの内端縁(図において上端縁)に環状に形成する水弁座bのシート面を、筒状弁状に形成した制御弁体3の筒壁の下縁側に形成される水弁3bの巾より広い巾の帯状に形成し、かつ、その広巾のシート面が、下方に向かうに従い次第に縮径する漏斗状をなすようテーパー面に形成し、さらに、この環状の水弁座bの仮想中心線Xが、弁座金具2bの軸芯線Zに対し、僅かに一側(図において左側)に偏るよう、偏芯させて形成してある。
【0037】
また、制御弁体3は、それの筒壁の下端縁に水弁座bと対向する環状に形設する水弁3bを、それの仮想軸芯線が制御弁体3の軸芯線と揃うように形成し、かつ、水弁座bのシート面よりも巾が狭く、そのシート面に略平行するテーパー面に形成し、さらに、制御弁体3を、それの下端側に下部ガイドg2を設けて、これを、弁座金具2bの内腔に設けたガイド筒27に嵌挿することで、この環状の水弁3bがそれの軸芯線を弁座金具2bの軸芯線と一致して水弁座bに対し進退するようにし、これにより、水弁3bが水弁座bに対し衝合していくときに、図12にあるよう一側(図において右側)に偏芯した状態で突き当たっていくようにしている。
【0038】
このため、制御弁体3が下降して、水弁3bが水弁座bに衝合して、水弁3bと水弁座bとの間の水の流路を閉めるときに、図12にあるように、水弁3bの偏芯側(図12において右側)は部分的にシールされるが偏芯の反対側においては、シールされずに開放した状態に保持され、引き続いての制御弁体3の下降により、水弁3bが水弁座bのシート面を摺動して下方に動くことで、シールされていくようにしてある。そして、これにより、水弁3bと水弁座bとの間の水の流路を閉め切るときに、その水弁3bと水弁座bとの間が一時に閉め切られずに部分的に順次シールされていくようにしているため、温度変化が急激に起こらず、ゆるやかになるので、ハンチング現象を解消するようになる。
【0039】
この、制御弁体3の筒壁の端縁に環状に形成する弁(水弁3b)を制御弁体3の軸芯線に対し偏芯させる手段は、軸芯線に対する偏芯を湯弁3aの側に設けて、湯の流路を閉め切るときに、急激な遮断を避けるようにする場合、また、水弁3bと湯弁3aとの両方に設けて、湯の流路の遮断と水の遮断の両方が行えるように実施する場合がある。
【0040】
この制御弁体3の筒壁の端縁に環状に形成する弁(湯弁3a・水弁3b)を、環状に形成して本体2a・弁座金具2bに設ける弁座(湯弁座a・水弁座b)に対し偏芯させて対向させる手段によるハンチング現象の解消は、作用・機能についての説明を、制御弁体3の閉弁時の作動に基づいてだけ行っているが、開弁時においても、シールされた環状の弁と弁座とが、部分的に順次離れていくようになることで、開弁時におけるハンチング現象も解消するようになる。
【0041】
また、この例においては、制御弁体3の作動を、軸方向に沿う方向にガイドするよう設ける支持部材gは、上部ガイドg1と下部ガイドg2との2つに分けられ、それの上部ガイドg1にあっては、一端側(図10において上端側)を、調整ネジ6aに開設した透孔63に、衝合部t1が当接するまで嵌挿して、そこに引上げバネ7を組付け、前記衝合部t1から下方に延出する他端側を、制御弁体3の軸芯部に形成した有底の鞘筒状のバネケース32内に嵌挿し、そのバネケース32内に収蔵せしめたバイアスバネ4の上端側を、バネ受座31に支持させて、バイアスバネに連繋させてあり、また、下部ガイドg2にあっては、制御弁体3の下端側に、そこから延出するように一体に連結させて、これを、弁座金具2b内腔を設けたガイド筒27に嵌挿させている。
【0042】
そして、下部ガイドg2を嵌挿するガイド筒27は、それの内径を一端側(外端側)に向かうに従い僅かに拡径するように形成してあり、これにより、図12にあるよう制御弁体3が弁座金具2b側に動いて、水弁3bが水弁座bに衝合してきたときに、下部ガイドg2が、ガイド筒27の上端側を支点として、ガイド筒27の内径の拡径した分だけ傾斜回動が可能となり、この傾斜回動によって制御弁体3が偏芯側と反対側にずれ込むように動くのを円滑にガイドするようにしている。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】従前の制御弁体を2つのバネのバランスにより支持する形態の湯水混合栓の横断平面図である。
【図2】同上の要部の断面図である。
【図3】本発明手段を実施せる湯水混合栓の例の縦断面図である。
【図4】同上の例の組立て工程の説明図である。
【図5】同上の例のユニットにさらに調整ネジと引上げバネを組付けた状態の断面図である。
【図6】同上のユニットをケーシングの本体部に組付ける工程の説明図である。
【図7】同上の例の、混合水を吐出する設定とした状態の断面図である。
【図8】同上の例の、湯吐出に設定した状態の断面図である。
【図9】同上の例の水吐出に設定した状態の断面図である。
【図10】別の例の縦断面図である。
【図11】同上の例の弁座金具の縦断面図である。
【図12】同上の例の弁座金具とこれに衝合する制御弁体との縦断面図である。
【符号の説明】
【0044】
A 湯水混合栓
D1 温調ダイヤル
X 仮想中心線
Z 軸芯線
a 湯弁座
b 水弁座
g 支持部材
g1 上部ガイド
g2 下部ガイド
t1 衝合部
t2 フランジ
t3 フランジ
w 制御弁機構
y 温度調整手段
1 外筺
10 湯入口管
11 水入口管
12 吐出管
2 ケーシング
2a 本体
2b 弁座金具
20 湯流入口
21 水流入口
22 混合室
23 混合水出口
24 雌ネジ
25 透孔
26 雄ネジ
27 ガイド筒
3 制御弁体
3a 湯弁
3b 水弁
30 透孔
31 バネ受座
32 バネケース
4 バイアスバネ
40 バネ受け
5 感温バネ
6a 調整ネジ
6b 調整ネジ軸
60 係合部
61 雄ネジ
62 雌ネジ
63 透孔
7 引上げバネ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状のケーシング2の周壁に湯流入口20と水流入口21とを軸方向に並列させて設け、それらの内側位置に環状の湯弁座aと水弁座bとを互いに対向するよう設け、その筒状のケーシング2内には、両端縁に湯弁3aと水弁3bとを環状に形成する筒状の制御弁体3を、軸方向に可動に装入して、それの両端側に、基端側が調整ネジ6aに支承されたバイアスバネ4の先端側と、基端側がケーシング2に支承された感温バネ5の先端側とを対向させて連繋して、制御弁体3を前記バイアスバネ4と感温バネ5との2つのバネのバランス位置に保持せしめ、前記バイアスバネ4を支承する調整ネジ6aを、ケーシング2の一端側に組付ける温調ダイヤルD1の回動操作により回動する調整ネジ軸6bに螺合し、その調整ネジ軸6bの回動により調整ネジ6aを軸方向に動かしてバイアスバネ4の支承位置を変更設定する湯水混合栓において、制御弁体3に環状に形設する湯弁3aまたは水弁3bの弁と、ケーシング2に環状に形設する湯弁座aまたは水弁座bの弁座とを、湯弁3aまたは水弁3bの弁の中心線Xが湯弁座aまたは水弁座bの弁座の軸芯線Zに対し一側に僅かに偏芯して対向するように装設しておくことを特徴とする湯水混合栓。
【請求項1】
筒状のケーシング2の周壁に湯流入口20と水流入口21とを軸方向に並列させて設け、それらの内側位置に環状の湯弁座aと水弁座bとを互いに対向するよう設け、その筒状のケーシング2内には、両端縁に湯弁3aと水弁3bとを環状に形成する筒状の制御弁体3を、軸方向に可動に装入して、それの両端側に、基端側が調整ネジ6aに支承されたバイアスバネ4の先端側と、基端側がケーシング2に支承された感温バネ5の先端側とを対向させて連繋して、制御弁体3を前記バイアスバネ4と感温バネ5との2つのバネのバランス位置に保持せしめ、前記バイアスバネ4を支承する調整ネジ6aを、ケーシング2の一端側に組付ける温調ダイヤルD1の回動操作により回動する調整ネジ軸6bに螺合し、その調整ネジ軸6bの回動により調整ネジ6aを軸方向に動かしてバイアスバネ4の支承位置を変更設定する湯水混合栓において、制御弁体3に環状に形設する湯弁3aまたは水弁3bの弁と、ケーシング2に環状に形設する湯弁座aまたは水弁座bの弁座とを、湯弁3aまたは水弁3bの弁の中心線Xが湯弁座aまたは水弁座bの弁座の軸芯線Zに対し一側に僅かに偏芯して対向するように装設しておくことを特徴とする湯水混合栓。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−27264(P2011−27264A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−186046(P2010−186046)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【分割の表示】特願2005−131307(P2005−131307)の分割
【原出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(000228741)日本サーモスタット株式会社 (52)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【分割の表示】特願2005−131307(P2005−131307)の分割
【原出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(000228741)日本サーモスタット株式会社 (52)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]