湯水混合装置
【課題】流入した湯と水を可及的に均一に混合できるようにした湯水混合装置を提供する。
【解決手段】湯側弁座が形成された湯流入口と、水側弁座が形成された水流入口と、前記混合湯水が吐出される混合水流出口とが形成された本体ケーシングと、この本体ケーシング内に移動自在に配設され、前記湯側弁座及び水側弁座に接離して前記湯流入口及び水流入口の開度を調整可能とした弁体と、前記混合湯水の温度を目標値に設定するための温度設定操作部と、この温度設定操作部の操作量に応じて、前記弁体を一側方向に移動させる付勢力を発生する付勢部と、この付勢部とは逆方向に前記弁体を移動させる付勢力を発生するとともに、この付勢力が前記本体ケーシング内の混合湯水の温度に応じて変化する感温付勢部と、を備え、前記湯流入口又は水流入口の少なくとも一方の上流側に、当該湯流入口又は水流入口に流入する前記湯又は水に抵抗を付与する抵抗部材を設けた。
【解決手段】湯側弁座が形成された湯流入口と、水側弁座が形成された水流入口と、前記混合湯水が吐出される混合水流出口とが形成された本体ケーシングと、この本体ケーシング内に移動自在に配設され、前記湯側弁座及び水側弁座に接離して前記湯流入口及び水流入口の開度を調整可能とした弁体と、前記混合湯水の温度を目標値に設定するための温度設定操作部と、この温度設定操作部の操作量に応じて、前記弁体を一側方向に移動させる付勢力を発生する付勢部と、この付勢部とは逆方向に前記弁体を移動させる付勢力を発生するとともに、この付勢力が前記本体ケーシング内の混合湯水の温度に応じて変化する感温付勢部と、を備え、前記湯流入口又は水流入口の少なくとも一方の上流側に、当該湯流入口又は水流入口に流入する前記湯又は水に抵抗を付与する抵抗部材を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給された湯及び水を混合し、適温に調温された混合湯水を水栓に供給可能とした湯水混合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗面台等に備えられた水栓から、要求に応じて調温された湯水を供給可能とした湯水混合装置があり、かかる湯水混合装置は、湯、水の混合量を調節する混合弁体を内部に備えている。そして、この混合弁体によって湯と水との流量割合を調節することにより所望の吐水温度が得られるようにしている。
【0003】
かかる湯水混合装置の一例として、円筒状の装置本体内部に、円筒状の主弁体を摺動可能に配置し、この主弁体の両側に感温ばねとバイアスばねを配置して、これらのばねによる付勢力が釣り合う位置に主弁体を移動させて混合湯水の温度調節するように構成したものが知られている。
【0004】
すなわち、混合された湯水の温度が上昇すると、感温ばねの付勢力が増大し、装置本体に形成された湯側弁座と主弁体との間の隙間が狭くなる一方、水側弁座と主弁体との間の隙間が広くなるように主弁体が移動して、水栓本体から吐出される湯の温度が所定の設定温度に調整されるようになっている。
【0005】
かかる湯水混合装置は、市場から常に、温度調節性能の向上が求められている。そこで、主弁体と一体的に形成された軸体を、感温ばねの中央に挿通することにより、装置本体内部に流入した湯水を整流しつつ、感温ばねの内部を経て吐出側へ誘導できるようにした整流効果を生起させたものが提案された(特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−46527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
軸体を配設する上述した技術は、確かに整流効果が生起されるため、ある程度の温度調節機能の向上は期待できるものの、一般的に、混合弁装置への湯や水の流入方向は製品の種類によってまちまちである。
【0008】
そのため、湯水混合装置の装置本体内部で混合湯水を均一化させようとしても、特に、装置本体内部への水の流入速度は不均一になりやすいため、装置本体内部では十分な攪拌混合を行なうことが難しかった。
【0009】
その結果、装置本体内部に配置された感温ばねは、安定した温度に至るまで十分に混合されていない混合湯水の温度を感知することになり、効果的な温度調節性能の向上を図ることは簡単なことではなかった。特に、混合弁装置の円周方向に対して、湯又は水はその流入方向が不均一になりやすいことが知られているが、この問題は、上述した軸体のように、内部で整流効果を生じさせる部材を配置するだけでは解決できるものではない。
【0010】
本発明は、上記課題を解決して、供給された湯及び水を、安定した温度となるまで均一に混合させて、より正確に温度調節された混合湯水を吐出することができる湯水混合装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明では、供給された湯及び水を混合し、適温に調整された混合湯水を吐出可能とした湯水混合装置において、湯側弁座が形成された湯流入口と、水側弁座が形成された水流入口と、前記混合湯水が吐出される混合水流出口とが形成された本体ケーシングと、この本体ケーシング内に移動自在に配設され、前記湯側弁座及び水側弁座に接離して前記湯流入口及び水流入口の開度を調整可能とした弁体と、前記混合湯水の温度を目標値に設定するための温度設定操作部と、この温度設定操作部の操作量に応じて、前記弁体を一側方向に移動させる付勢力を発生する付勢部と、この付勢部とは逆方向に前記弁体を移動させる付勢力を発生するとともに、この付勢力が前記本体ケーシング内の混合湯水の温度に応じて変化する感温付勢部と、を備え、前記湯流入口又は水流入口の少なくとも一方の上流側に、当該湯流入口又は水流入口に流入する前記湯又は水に抵抗を付与する抵抗部材を設けた湯水混合装置とした。
【0012】
かかる構成により、流入してきた湯又は水が抵抗部材により一度整流され、湯又は水が円周方向において不均一な流れでなく、均一な流れの状態で、本体ケーシングの流入口から内部に流れるため、流入した湯と水とを均一に混合することが可能となり、感温付勢部は、十分に混合された湯水の安定した温度を感知して作動するため、温度調節性能を向上させることが可能となる。
【0013】
(2)また、本発明は、上記(1)の湯水混合装置において、前記抵抗部材は、前記本体ケーシングにおける前記湯側弁座又は水側弁座の上流側面から伸延し、前記湯又は水が前記湯流入口又は水流入口に直接流入することを防止する凸部であることを特徴とする。
【0014】
抵抗部材を本体ケーシングに一体的に形成することで、部品点数の増加を防止しつつ、温度調節性能の向上を図ることができる。
【0015】
(3)また、本発明は、上記(1)の湯水混合装置において、前記抵抗部材は、前記湯流入口又は水流入口に着脱自在に取付可能とした取付部材からなることを特徴とする。
【0016】
かかる構成により、湯水混合装置の使用環境に合わせ、必要に応じて抵抗部材を適用することができる。
【0017】
(4)また、本発明は、上記(1)の湯水混合装置において、前記湯流入口又は水流入口を覆うように前記本体ケーシングに取り付けられた網状のストレーナを備え、前記抵抗部材は、前記ストレーナが有する多数の目の一部が塞がれた構成であることを特徴とする。
【0018】
かかる構成により、湯水混合装置への抵抗部材の適用を、当該湯水混合装置に備えられた既存のストレーナを利用して実現できるため、設計的にも容易となり、コスト増を可及的に抑えることができる。
【0019】
(5)また、本発明は、上記(1)〜(4)のいずれかの湯水混合装置において、前記湯側弁座又は水側弁座の少なくとも一方の下流側面から伸延し、前記湯又は水の前記本体ケーシング内への流入方向を屈曲させる凸壁を設けたことを特徴とする。
【0020】
かかる構成により、当該凸壁と前記抵抗部材により屈曲流路が形成され、湯流入口又は水流入口から流入する湯や水が、抵抗部材で一度整流され、その後、水流入口又は湯流入口側を通過した湯や水は凸壁によってさらに屈曲して本体ケーシング内に流入するため、湯と水との混合が促進され、温度調節性能のさらなる向上を図ることができる。
【0021】
(6)また、本発明は、上記(5)の湯水混合装置において、前記凸壁における前記湯側弁座又は水側弁座側に対向する面を、テーパ状に形成したことを特徴とする。
【0022】
かかる構成により、凸壁に衝突する湯や水を、より円滑に本体ケーシング内に流入させることができ、その結果、湯と水との混合をより促進し、温度調節性能をさらに向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、供給された湯及び水を、安定した温度になるまで均一に混合させることができるため、より正確に温度調節した混合湯水を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施形態に係る湯水混合装置を備えた水栓の説明図である。
【図2】同湯水混合装置の斜視図である。
【図3】同湯水混合装置の分解斜視図である。
【図4】同湯水混合装置の縦断面図である。
【図5】図4の要部拡大図である。
【図6】抵抗部材の説明図である。
【図7】抵抗部材の変形例を示す説明図である。
【図8】他の実施形態に係る抵抗部材の説明図である。
【図9】同抵抗部材の断面図である。
【図10】他の実施形態に係る抵抗部材の説明図である。
【図11】同抵抗部材の断面図である。
【図12】図11の要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本実施形態に係る湯水混合装置について、図面を参照しながら具体的に説明する。図1に示すように、本実施形態に係る湯水混合装置1は、洗面台9などに設けられる湯水混合水栓90の機能部91内に流量調整装置93と共に設けられている。
【0026】
湯水混合水栓90は、洗面ボウル9Aに付設された水栓本体92と、給水配管94及び給湯配管95が接続された前記機能部91とを配管接続するとともに、機能部91の湯水混合装置1及び流量調整装置93に電気的に接続した操作部96とを備えている。
【0027】
給水配管94及び給湯配管95には、湯水混合装置1に至るまでの間に、上流側から順に、止水栓97、フィルタ98、逆止弁99が配設されている。
【0028】
上記構成により、操作部96の操作に応じて、水栓本体92から所定の温度及び流量の湯や水や混合湯水が吐出されることになる。
【0029】
湯水混合装置1の具体的な構成について、図2〜図6を用いて説明する。なお、図4においては、後述するストレーナ62,62については省略してある。
【0030】
湯水混合装置1は、図2〜図4に示すように、第1本体部材11と、この第1本体部材11に螺合される第2本体部材12と、操作部96の操作に連動する温度設定操作部としてのスピンドル13と、このスピンドル13に螺合され、スピンドル13が回転されると第1本体部材11内で摺動する摺動部材14とを具備している。
【0031】
また、湯水混合装置1は、第1本体部材11の内部に移動可能に配置され、中心を貫通する軸体16を一体的に設けた主弁体15と、この主弁体15を、図4における右方向に付勢する付勢部としてのバイアスばね17と、このバイアスばね17とは反対方向の図4における左方向に主弁体15を付勢する感温付勢部である感温ばね18とを具備している。なお、感温ばね18としては、形状記憶合金製のコイルばねを使用している。
【0032】
図3及び図4に示すように、第1本体部材11は、略円筒形状であって、第2本体部材12と螺合されることにより湯水混合装置1の本体ケーシング19を構成している。また、第1本体部材11には、湯を流入させるための湯流入口21及び水を流入させるための水流入口22が夫々円周方向に設けられている。また、湯流入口21の図4における左側の端面は、主弁体15と当接する湯側弁座23として形成されている。
【0033】
第2本体部材12は、これも略円筒形状に形成されており、その外周端部に形成された雄ねじ部12aを、第1本体部材11の端部に形成された雌ねじ部11aと螺合させることによって、第1本体部材11に取り付けられている。また、後端部内面には、主弁体15の軸体16の端部を摺動自在にガイドするガイド筒12bが形成されている。
【0034】
また、第2本体部材12の先端部12cは、主弁体15と当接する水側弁座24として形成されている。このため、第2本体部材12を第1本体部材11に螺合させるねじ込み量を変化させることにより、湯側弁座23と水側弁座24の間隔を調整することができる。また、第2本体部材12の水側弁座24とは反対方向の端面には、本体ケーシング19内で混合された混合水を流出させる円形の混合水流出口25が環状に複数個形成されている。
【0035】
また、この第2本体部材12の先端部12cに、本実施形態における要部となる抵抗部材となる凸部3が形成されている。この抵抗部材となる凸部3は、本体ケーシング19内に流入した湯と水とを均一に混合するためのもので、その構成及び作用などについては後に詳述する。
【0036】
スピンドル13は、第1本体部材11の内部に、パッキン13dを介して回転可能に配置されている。スピンドル13の一側半部に形成された軸部13cには、図示しない回動装置と連動連結するためのスプライン部13aが形成される一方、他側半部は有底筒状に形成され、その外周面に摺動部材14の送り雌ねじ部14bと螺合する送り雄ねじ部13bが形成されるとともに、内部には自然回転防止ばね44が収納配設されている。この自然回転防止ばね44は、バイアスばね17が収縮した状態で感温ばね18と釣り合っているときに、そのバイアスばね17の付勢力によって、スピンドル13が自然に回転して図4における左側へ移動してしまうことを防止している。また、軸部13cにはワッシャ11bが嵌合されている。スピンドル13が、例えばユーザが手動で回すハンドルに連結されるタイプの場合、ワッシャ11bに代えて機能金具を設け、スピンドル13の回転にクリック感を付与できるよう構成するとよい。
【0037】
また、自然回転防止ばね44の内側には、強制水側全開ばね45を配設している。これは、湯流入口21を閉じて水流入口22を全開にしたいときに、感温ばね18の付勢力のみでは弱い場合があるため、これを補助するために設けられたばねである。摺動部材14が図4の左側へ移動していくと、軸体16を介して湯側弁座23を閉塞する方向へ主弁体15を付勢する。
【0038】
摺動部材14は、略円筒形に形成されており、第1本体部材11の内部に摺動可能に配設されている。この摺動部材14の外側には、軸線方向の溝14aが形成されており、この溝14aが、第1本体部材11の内部に形成された軸線方向に延びる突条(図示せず)を遊嵌することによって、摺動部材14の第1本体部材11に対する回転は拘束される。また、摺動部材14の内側には、スピンドル13の送り雄ねじ部13bと螺合する前記送り雌ねじ部14bが形成されている。これにより、スピンドル13を回転させると、摺動部材14は第1本体部材11の軸線方向に摺動されることになる。
【0039】
主弁体15は、これも略円筒状に形成され円筒状弁本体部15aと、この円筒状弁本体部15aの中心部を貫通するように設けられた軸体16とを備えており、摺動部材14の中途から第2本体部材12の後端部にかけて延在するこの軸体16によって、湯流入口21や水流入口22から本体ケーシング19内に流入した湯や水を整流しつつ、感温ばね18の外部を経て混合水流出口25側へ誘導するようにしている。また、円筒状弁本体部15aの両端には、湯側弁座23と当接する湯側弁部15b、水側弁座24と当接する水側弁部15cが形成されている。
【0040】
また、円筒状弁本体部15aの外周に当接するように、弾性シール部材であるOリング26が配置されている。このOリング26は、本体ケーシング19内に流入した湯及び水が主弁体15の外側で混合されるのを防止している。
【0041】
また、Oリング26が位置ずれすることのないように、水側弁座24側に位置規制部材であるスペーサーリング27が配置されている。図5に示すように、スペーサーリング27は断面視略L字状に形成されたリング部材である。そして、このスペーサーリング27自体も、図5に示すように、後述する凸部3の一部を構成する凸状爪部31に当接して位置ずれしないように位置規制されている。
【0042】
図3及び図4に示すように、主弁体15の左側には、軸体16にクリップ30によって連結された第1、第2ばね押え板28,29との間にバイアスばね17が配置されている。第1、第2ばね押え板28,29は、中央部が隆起したドーナツ板状に形成されており、バイアスばね17は、これら第1、第2ばね押え板28,29の間に挟まれ、予め圧縮された状態で、かつ一部が円筒状弁本体部15aの内部に臨んだ状態で第1本体部材11の内部に配置されている。かかる構成により、バイアスばね17は、摺動部材14が第1ばね押え板28に当接すると、主弁体15を、水流入口22を閉じる方向(図4における右方向)に付勢する。
【0043】
また、バイアスばね17の内側には、強制湯側全開ばね46を配設している。これは、水流入口22を閉じて湯流入口21を全開としたいときに、バイアスばね17の付勢力のみでは弱いため、これを補助するために設けられている。摺動部材14が図4の右側へ移動していくと、途中からバイアスばね17の付勢力にこの強制湯側全開ばね46の付勢力がさらに加えられ、軸体16を介して水側弁座24を閉塞する方向へ主弁体15を付勢する。
【0044】
一方、主弁体15の右側には、感温ばね18と、この感温ばね18の図4における略左部を収納する筒状の感温ばねガイド部材40とが配置されている。感温ばねガイド部材40は、第2本体部材12の内部で摺動可能に配置されており、図4における左側の端部は、第2ばね押え板29に当接している。
【0045】
また、感温ばね18の図4における左側の端部は、感温ばねガイド部材40の内壁に当接し、右側の端部は第2本体部材12の内壁面の端部に当接している。かかる構成により、感温ばね18は、感温ばねガイド部材40を介して、主弁体15を湯流入口21を閉じる方向(図4における左方向)に付勢する。
【0046】
また、本体ケーシング19の外側には、パッキン61,61,61を介して、湯流入口21及び水流入口22を覆うように円筒状に形成され、多数の網目を有するストレーナ62,62を配置しており、湯又は水に混入したゴミなどが本体ケーシング19内に流入するのを防止している。
【0047】
湯水混合装置1は、上述してきた構成を有し、湯流入口21及び水流入口22から本体ケーシング19の内部に流入してきた湯、水は、本体ケーシング19の内部において混合されて混合湯水となって混合水流出口25から流れ出ることになる。このとき、主弁体15が湯流入口21及び水流入口22の開放面積を変化させることにより、湯流入口21及び水流入口22から本体ケーシング19の内部に流入する湯及び水の流量を制限している。こうして、本体ケーシング19の内部において混合される湯と水との割合を変化させることで、混合湯水の温度が調整される。
【0048】
また、主弁体15は、本体ケーシング19内において弁移動方向の両側から付勢された状態で支持されており、湯流入口21を閉塞する方向へは感温ばね18により付勢され、水流入口22を閉塞する方向へは、バイアスばね17により付勢されている。したがって、感温ばね18及びバイアスばね17によって主弁体15に作用する付勢力(押圧力)は、互いに対向しており、混合湯水の温度に対応した感温ばね18の付勢力とバイアスばね17の付勢力とが釣り合う位置に主弁体15が移動することになり、結果的に所定の温度の湯水が混合水流出口25から流出する。
【0049】
なお、感温ばね18は、前述したように形状記憶合金(SMA;Shape Memory Alloy)により形成されたコイルバネであり、温度の変化によって主弁体15に作用させる付勢力を変化させ、主弁体15を駆動させる。このように、感温ばね18は、湯水混合装置1において、湯水の温度によって変化する付勢力を作用させることで湯水混合装置1が有する主弁体15を駆動させるのである。本実施形態では、感温ばね18による主弁体15に対する付勢力は、温度が高くなることによって増加し、温度が低くなることによって減少する。
【0050】
一方、バイアスばね17は、前述したように、摺動部材14に当接した第1ばね押え板28と第2ばね押え板29との間に配置されており、温度設定操作部であるスピンドル13によってその移動方向の位置決めがなされる。したがって、スピンドル13を正逆方向に回転させることにより、バイアスばね17から主弁体15に作用する付勢力について変更することができる。すなわち、スピンドル13の回転にともない、摺動部材14を介して第1ばね押え板28が図4における右側(混合水流出口25側)に移動することによって付勢力は増加し、第1ばね押え板28が反対側に移動すると付勢力は減少するのである。
【0051】
かかる構成において、混合湯水の温度調整をより正確に行うためには、湯と水とが均一に混合されることが肝要となる。すなわち、水の流入速度は不均一になりやすいために、流入速度のばらつきによって、本体ケーシング19の中において、湯と水との混合密度にばらつきが生じると、感温ばね18の作動が不正確となり、温度調整にもばらつきが生じてしまうおそれがある。
【0052】
そこで、本実施形態では、水流入口22の上流側に、当該水流入口22に流入する水に抵抗を付与する抵抗部材を設けている。なお、ここでは、抵抗部材である凸部3を水流入口22の上流側にのみ設けているが、さらに湯流入口21の上流側に設けてもよい。また、湯水混合装置1の設置環境によって、湯の流入速度が不均一になりやすいような場合は、湯流入口21の上流側にのみ設けても構わない。
【0053】
図5及び図6に抵抗部材としての凸部3を示している。図5は、図4に符号Aで示す要部の拡大図であり、図6は要部である抵抗部材の説明図である。なお、図6では主弁体15に挿通されている軸体16を省略している。図示するように、第2本体部材12の先端部12cの水流入口22に面する端面12dに形成された水側弁座24の上流側面、換言すれば、端面12dにおける環状の水側弁座24の半径方向外周寄りに凸部3は形成されている。
【0054】
抵抗部材となる凸部3は、端面12dから所定の下り傾斜面からなるテーパ状端面33を介してOリング26側に向けて突出形成された壁部32を主体として備えており、この壁部32の先端から、周方向に所定間隔をあけて複数個形成された凸状爪部31が設けられている。このように、第2本体部材12の先端部12cの水流入口22に面する端面12dから突出した凸部3によって、水流入口22に流入する水に抵抗を付与することが可能となっている。
【0055】
すなわち、図5において矢印Fで示すように、本体ケーシング19内に流れ込む水は、ストレートに本体ケーシング19内に流れ込むのではなく、壁部32で屈曲し、凸状爪部31,31の間の空間へ流れ込むとともに、主弁体15の周壁に沿って流れ、さらに屈曲して水側弁部15cと水側弁座24との間に形成される水流入口22に流れていく。このときに、水は十分に整流されることになり、このように整流された水と、主弁体15の内部を流入してきた湯とは、均一に混合されることになる。したがって、混合湯水の温度は安定しており、かかる温度に対して感温付勢部となる感温ばね18は反応することになるため、温度調節性能が向上する。
【0056】
次に、抵抗部材の変形例について、図7を参照しながら説明する。図7は、図4の符号Aで示した部分、すなわち上述してきた実施形態における図5に相当するものである。
【0057】
図示するように、ここでは、上述した凸部3に加え、さらに、水側弁座24の下流側面から伸延し、水の本体ケーシング19内への流入方向を屈曲させる凸壁4を設けた構成としている。すなわち、第2本体部材12の先端部12cの水流入口22に面する端面12dにおける環状の水側弁座24の半径方向内周寄りに凸壁4は形成されている。
【0058】
したがって、この凸壁4と凸部3により、屈曲流路が形成され、本体ケーシング19内に流れ込む水は、水流入口22から流入する水は、図において矢印F1で示すように、一度、凸部3で整流され、その後、水流入口22を通過した水は、さらに凸壁4によって屈曲して本体ケーシング内に流入するため、湯と水との混合が促進され、温度調節性能のさらなる向上を図ることができる。
【0059】
ところで、この凸壁4は、凸部3の壁部32と同様に環状に形成されているが、その外周面、すなわち、水側弁座24の側に対向する周面41をテーパ状に形成している。したがって、凸壁4に衝突する水を、より円滑に本体ケーシング19内に流入させることができる。その結果、湯と水との混合をより促進し、温度調節性能をさらに向上させることが可能となる。
【0060】
次に、他の実施形態に係る抵抗部材について、図8及び図9を参照しながら説明する。なお、図8では主弁体15に挿通されている軸体16を省略している。本実施形態に係る抵抗部材は、湯流入口21又は水流入口22に着脱自在に取付可能とした取付部材である抵抗付与リング5から構成されている。つまり、抵抗付与リング5は先の実施形態における凸部3に相当する構成と機能を有している。
【0061】
すなわち、抵抗付与リング5は、前述の壁部32に相当するリング本体51と、このリング本体51の先端から、周方向に所定間隔をあけて複数個形成された前述の凸状爪部31に相当する凸状爪52とから構成されている。本実施形態では、かかる抵抗付与リング5を水流入口22に着脱自在に取付けることにより、水流入口22に流入する水に抵抗を付与することが可能となっている。
【0062】
なお、抵抗付与リング5は、湯流入口21に設けてもよく、湯水混合装置1の使用環境に合わせ、必要に応じて抵抗部材の適用が可能となっている。したがって、一度配設した抵抗付与リング5でも、不要となればこれを除去することができる。
【0063】
なお、抵抗付与リング5は、水流入口22の上流側にのみではなく、湯流入口21に設けてもよい。また、湯水混合装置1の設置環境によって、湯の流入速度が不均一になりやすいような場合は、湯流入口21にのみ設けても構わない。
【0064】
さらなる他の実施形態に係る抵抗部材について、図10〜図12を参照しながら説明する。図12は図11の符号Bで示す要部の拡大図である。
【0065】
本実施形態に係る抵抗部材は、本体ケーシング19の外周に、湯流入口21又は水流入口22を覆うよう取り付けたストレーナ62に設けている。すなわち、その具体的な構成は、ストレーナ62が有する多数の網目63の一部を塞いだ構成としている。
【0066】
すなわち、通常のストレーナであれば、ストレーナ周面に略全域に渡って網目63が形成されているが、この場合、図示するように、水流入口22に直接対峙する領域に網目63が塞がれた、あるいは網目63を形成していない壁面部7を形成するのである。
【0067】
かかる構成により、図12における矢印F3で示すように、ストレーナ62の壁面部7に当接した水は流れ方向を変えて、水流入口22とは対峙していないずれた位置から矢印F4で示すように屈曲した流れとなる。かかる屈曲した流れが整流作用を生起するため、上述してきた抵抗部材と同様な効果が期待できる。すなわち、湯と水との混合を促進し、温度調節性能の向上が期待できる。
【0068】
また、本実施形態では、抵抗部材としての機能をストレーナ62が果たすため、図12に示すように、水流入口22の上流側には、壁部32やスペーサーリング27を支持する凸状爪部31などが不要であり、第2本体部材12の形状が複雑にならず、比較的シンプルになるため、その製造も容易となる。
【0069】
なお、凸状爪部31が存在しないので、ここでは、スペーサーリング27に凸片27aを適宜間隔をあけて突設し、この凸片27aを水側弁座24の上流側に当接させることにより、スペーサーリング27の位置ずれを防止している。
【0070】
上述してきた実施形態から、以下の湯水混合装置1が実現される。
【0071】
供給された湯及び水を混合し、適温に調整された混合湯水を吐出可能とした湯水混合装置1において、湯側弁座23が形成された湯流入口21と、水側弁座24が形成された水流入口22と、混合湯水が吐出される混合水流出口25とが形成された本体ケーシング19と、この本体ケーシング19内に移動自在に配設され、湯側弁座23及び水側弁座24に接離して湯流入口21及び水流入口22の開度を調整可能とした主弁体15(弁体)と、混合湯水の温度を目標値に設定するためのスピンドル13(温度設定操作部)と、このスピンドル13の操作量に応じて、主弁体15を一側方向に移動させる付勢力を発生するバイアスばね17(付勢部)と、このバイアスばね17とは逆方向に主弁体15を移動させる付勢力を発生するとともに、この付勢力が本体ケーシング19内の混合湯水の温度に応じて変化する感温ばね18(感温付勢部)と、を備え、湯流入口21又は水流入口22の少なくとも一方の上流側に、当該湯流入口21又は水流入口22に流入する湯又は水に抵抗を付与する抵抗部材(少なくとも壁部32を備えている)が設けられた湯水混合装置1。
【0072】
また、前記抵抗部材は、本体ケーシング19における湯側弁座23又は水側弁座24の上流側面から伸延し、湯又は水が湯流入口21又は水流入口22に直接流入することを防止する凸部3である湯水混合装置1。
【0073】
また、前記抵抗部材は、湯流入口21又は水流入口22に着脱自在に取付可能とした抵抗付与リング5(取付部材)からなる湯水混合装置1。
【0074】
また、前記湯流入口21又は水流入口22を覆うように本体ケーシング19に取り付けられた網状のストレーナ62を備え、前記抵抗部材は、ストレーナ62が有する多数の網目63の一部が塞がれた構成である湯水混合装置1。
【0075】
また、前記湯側弁座23又は水側弁座24の少なくとも一方の下流側面から伸延し、湯又は水の本体ケーシング19内への流入方向を屈曲させる凸壁4を設けた湯水混合装置1。
【0076】
また、前記凸壁4における湯側弁座23又は水側弁座24側に対向する周面41を、テーパ状に形成した湯水混合装置1。
【0077】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述してきた各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0078】
例えば、抵抗部材の変形例として説明した凸壁4(図7参照)は、他の実施形態で説明した抵抗部材(図8〜図12参照)にも採用することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 湯水混合装置
3 凸部
4 凸壁
5 抵抗付与リング(取付部材)
13 スピンドル(温度設定操作部)
15 主弁体(弁体)
17 バイアスばね(付勢部)
18 感温ばね(感温付勢部)
19 本体ケーシング
21 湯流入口
22 水流入口
23 湯側弁座
24 水側弁座
25 混合水流出口
32 壁部
41 周面
62 ストレーナ
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給された湯及び水を混合し、適温に調温された混合湯水を水栓に供給可能とした湯水混合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗面台等に備えられた水栓から、要求に応じて調温された湯水を供給可能とした湯水混合装置があり、かかる湯水混合装置は、湯、水の混合量を調節する混合弁体を内部に備えている。そして、この混合弁体によって湯と水との流量割合を調節することにより所望の吐水温度が得られるようにしている。
【0003】
かかる湯水混合装置の一例として、円筒状の装置本体内部に、円筒状の主弁体を摺動可能に配置し、この主弁体の両側に感温ばねとバイアスばねを配置して、これらのばねによる付勢力が釣り合う位置に主弁体を移動させて混合湯水の温度調節するように構成したものが知られている。
【0004】
すなわち、混合された湯水の温度が上昇すると、感温ばねの付勢力が増大し、装置本体に形成された湯側弁座と主弁体との間の隙間が狭くなる一方、水側弁座と主弁体との間の隙間が広くなるように主弁体が移動して、水栓本体から吐出される湯の温度が所定の設定温度に調整されるようになっている。
【0005】
かかる湯水混合装置は、市場から常に、温度調節性能の向上が求められている。そこで、主弁体と一体的に形成された軸体を、感温ばねの中央に挿通することにより、装置本体内部に流入した湯水を整流しつつ、感温ばねの内部を経て吐出側へ誘導できるようにした整流効果を生起させたものが提案された(特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−46527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
軸体を配設する上述した技術は、確かに整流効果が生起されるため、ある程度の温度調節機能の向上は期待できるものの、一般的に、混合弁装置への湯や水の流入方向は製品の種類によってまちまちである。
【0008】
そのため、湯水混合装置の装置本体内部で混合湯水を均一化させようとしても、特に、装置本体内部への水の流入速度は不均一になりやすいため、装置本体内部では十分な攪拌混合を行なうことが難しかった。
【0009】
その結果、装置本体内部に配置された感温ばねは、安定した温度に至るまで十分に混合されていない混合湯水の温度を感知することになり、効果的な温度調節性能の向上を図ることは簡単なことではなかった。特に、混合弁装置の円周方向に対して、湯又は水はその流入方向が不均一になりやすいことが知られているが、この問題は、上述した軸体のように、内部で整流効果を生じさせる部材を配置するだけでは解決できるものではない。
【0010】
本発明は、上記課題を解決して、供給された湯及び水を、安定した温度となるまで均一に混合させて、より正確に温度調節された混合湯水を吐出することができる湯水混合装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明では、供給された湯及び水を混合し、適温に調整された混合湯水を吐出可能とした湯水混合装置において、湯側弁座が形成された湯流入口と、水側弁座が形成された水流入口と、前記混合湯水が吐出される混合水流出口とが形成された本体ケーシングと、この本体ケーシング内に移動自在に配設され、前記湯側弁座及び水側弁座に接離して前記湯流入口及び水流入口の開度を調整可能とした弁体と、前記混合湯水の温度を目標値に設定するための温度設定操作部と、この温度設定操作部の操作量に応じて、前記弁体を一側方向に移動させる付勢力を発生する付勢部と、この付勢部とは逆方向に前記弁体を移動させる付勢力を発生するとともに、この付勢力が前記本体ケーシング内の混合湯水の温度に応じて変化する感温付勢部と、を備え、前記湯流入口又は水流入口の少なくとも一方の上流側に、当該湯流入口又は水流入口に流入する前記湯又は水に抵抗を付与する抵抗部材を設けた湯水混合装置とした。
【0012】
かかる構成により、流入してきた湯又は水が抵抗部材により一度整流され、湯又は水が円周方向において不均一な流れでなく、均一な流れの状態で、本体ケーシングの流入口から内部に流れるため、流入した湯と水とを均一に混合することが可能となり、感温付勢部は、十分に混合された湯水の安定した温度を感知して作動するため、温度調節性能を向上させることが可能となる。
【0013】
(2)また、本発明は、上記(1)の湯水混合装置において、前記抵抗部材は、前記本体ケーシングにおける前記湯側弁座又は水側弁座の上流側面から伸延し、前記湯又は水が前記湯流入口又は水流入口に直接流入することを防止する凸部であることを特徴とする。
【0014】
抵抗部材を本体ケーシングに一体的に形成することで、部品点数の増加を防止しつつ、温度調節性能の向上を図ることができる。
【0015】
(3)また、本発明は、上記(1)の湯水混合装置において、前記抵抗部材は、前記湯流入口又は水流入口に着脱自在に取付可能とした取付部材からなることを特徴とする。
【0016】
かかる構成により、湯水混合装置の使用環境に合わせ、必要に応じて抵抗部材を適用することができる。
【0017】
(4)また、本発明は、上記(1)の湯水混合装置において、前記湯流入口又は水流入口を覆うように前記本体ケーシングに取り付けられた網状のストレーナを備え、前記抵抗部材は、前記ストレーナが有する多数の目の一部が塞がれた構成であることを特徴とする。
【0018】
かかる構成により、湯水混合装置への抵抗部材の適用を、当該湯水混合装置に備えられた既存のストレーナを利用して実現できるため、設計的にも容易となり、コスト増を可及的に抑えることができる。
【0019】
(5)また、本発明は、上記(1)〜(4)のいずれかの湯水混合装置において、前記湯側弁座又は水側弁座の少なくとも一方の下流側面から伸延し、前記湯又は水の前記本体ケーシング内への流入方向を屈曲させる凸壁を設けたことを特徴とする。
【0020】
かかる構成により、当該凸壁と前記抵抗部材により屈曲流路が形成され、湯流入口又は水流入口から流入する湯や水が、抵抗部材で一度整流され、その後、水流入口又は湯流入口側を通過した湯や水は凸壁によってさらに屈曲して本体ケーシング内に流入するため、湯と水との混合が促進され、温度調節性能のさらなる向上を図ることができる。
【0021】
(6)また、本発明は、上記(5)の湯水混合装置において、前記凸壁における前記湯側弁座又は水側弁座側に対向する面を、テーパ状に形成したことを特徴とする。
【0022】
かかる構成により、凸壁に衝突する湯や水を、より円滑に本体ケーシング内に流入させることができ、その結果、湯と水との混合をより促進し、温度調節性能をさらに向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、供給された湯及び水を、安定した温度になるまで均一に混合させることができるため、より正確に温度調節した混合湯水を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施形態に係る湯水混合装置を備えた水栓の説明図である。
【図2】同湯水混合装置の斜視図である。
【図3】同湯水混合装置の分解斜視図である。
【図4】同湯水混合装置の縦断面図である。
【図5】図4の要部拡大図である。
【図6】抵抗部材の説明図である。
【図7】抵抗部材の変形例を示す説明図である。
【図8】他の実施形態に係る抵抗部材の説明図である。
【図9】同抵抗部材の断面図である。
【図10】他の実施形態に係る抵抗部材の説明図である。
【図11】同抵抗部材の断面図である。
【図12】図11の要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本実施形態に係る湯水混合装置について、図面を参照しながら具体的に説明する。図1に示すように、本実施形態に係る湯水混合装置1は、洗面台9などに設けられる湯水混合水栓90の機能部91内に流量調整装置93と共に設けられている。
【0026】
湯水混合水栓90は、洗面ボウル9Aに付設された水栓本体92と、給水配管94及び給湯配管95が接続された前記機能部91とを配管接続するとともに、機能部91の湯水混合装置1及び流量調整装置93に電気的に接続した操作部96とを備えている。
【0027】
給水配管94及び給湯配管95には、湯水混合装置1に至るまでの間に、上流側から順に、止水栓97、フィルタ98、逆止弁99が配設されている。
【0028】
上記構成により、操作部96の操作に応じて、水栓本体92から所定の温度及び流量の湯や水や混合湯水が吐出されることになる。
【0029】
湯水混合装置1の具体的な構成について、図2〜図6を用いて説明する。なお、図4においては、後述するストレーナ62,62については省略してある。
【0030】
湯水混合装置1は、図2〜図4に示すように、第1本体部材11と、この第1本体部材11に螺合される第2本体部材12と、操作部96の操作に連動する温度設定操作部としてのスピンドル13と、このスピンドル13に螺合され、スピンドル13が回転されると第1本体部材11内で摺動する摺動部材14とを具備している。
【0031】
また、湯水混合装置1は、第1本体部材11の内部に移動可能に配置され、中心を貫通する軸体16を一体的に設けた主弁体15と、この主弁体15を、図4における右方向に付勢する付勢部としてのバイアスばね17と、このバイアスばね17とは反対方向の図4における左方向に主弁体15を付勢する感温付勢部である感温ばね18とを具備している。なお、感温ばね18としては、形状記憶合金製のコイルばねを使用している。
【0032】
図3及び図4に示すように、第1本体部材11は、略円筒形状であって、第2本体部材12と螺合されることにより湯水混合装置1の本体ケーシング19を構成している。また、第1本体部材11には、湯を流入させるための湯流入口21及び水を流入させるための水流入口22が夫々円周方向に設けられている。また、湯流入口21の図4における左側の端面は、主弁体15と当接する湯側弁座23として形成されている。
【0033】
第2本体部材12は、これも略円筒形状に形成されており、その外周端部に形成された雄ねじ部12aを、第1本体部材11の端部に形成された雌ねじ部11aと螺合させることによって、第1本体部材11に取り付けられている。また、後端部内面には、主弁体15の軸体16の端部を摺動自在にガイドするガイド筒12bが形成されている。
【0034】
また、第2本体部材12の先端部12cは、主弁体15と当接する水側弁座24として形成されている。このため、第2本体部材12を第1本体部材11に螺合させるねじ込み量を変化させることにより、湯側弁座23と水側弁座24の間隔を調整することができる。また、第2本体部材12の水側弁座24とは反対方向の端面には、本体ケーシング19内で混合された混合水を流出させる円形の混合水流出口25が環状に複数個形成されている。
【0035】
また、この第2本体部材12の先端部12cに、本実施形態における要部となる抵抗部材となる凸部3が形成されている。この抵抗部材となる凸部3は、本体ケーシング19内に流入した湯と水とを均一に混合するためのもので、その構成及び作用などについては後に詳述する。
【0036】
スピンドル13は、第1本体部材11の内部に、パッキン13dを介して回転可能に配置されている。スピンドル13の一側半部に形成された軸部13cには、図示しない回動装置と連動連結するためのスプライン部13aが形成される一方、他側半部は有底筒状に形成され、その外周面に摺動部材14の送り雌ねじ部14bと螺合する送り雄ねじ部13bが形成されるとともに、内部には自然回転防止ばね44が収納配設されている。この自然回転防止ばね44は、バイアスばね17が収縮した状態で感温ばね18と釣り合っているときに、そのバイアスばね17の付勢力によって、スピンドル13が自然に回転して図4における左側へ移動してしまうことを防止している。また、軸部13cにはワッシャ11bが嵌合されている。スピンドル13が、例えばユーザが手動で回すハンドルに連結されるタイプの場合、ワッシャ11bに代えて機能金具を設け、スピンドル13の回転にクリック感を付与できるよう構成するとよい。
【0037】
また、自然回転防止ばね44の内側には、強制水側全開ばね45を配設している。これは、湯流入口21を閉じて水流入口22を全開にしたいときに、感温ばね18の付勢力のみでは弱い場合があるため、これを補助するために設けられたばねである。摺動部材14が図4の左側へ移動していくと、軸体16を介して湯側弁座23を閉塞する方向へ主弁体15を付勢する。
【0038】
摺動部材14は、略円筒形に形成されており、第1本体部材11の内部に摺動可能に配設されている。この摺動部材14の外側には、軸線方向の溝14aが形成されており、この溝14aが、第1本体部材11の内部に形成された軸線方向に延びる突条(図示せず)を遊嵌することによって、摺動部材14の第1本体部材11に対する回転は拘束される。また、摺動部材14の内側には、スピンドル13の送り雄ねじ部13bと螺合する前記送り雌ねじ部14bが形成されている。これにより、スピンドル13を回転させると、摺動部材14は第1本体部材11の軸線方向に摺動されることになる。
【0039】
主弁体15は、これも略円筒状に形成され円筒状弁本体部15aと、この円筒状弁本体部15aの中心部を貫通するように設けられた軸体16とを備えており、摺動部材14の中途から第2本体部材12の後端部にかけて延在するこの軸体16によって、湯流入口21や水流入口22から本体ケーシング19内に流入した湯や水を整流しつつ、感温ばね18の外部を経て混合水流出口25側へ誘導するようにしている。また、円筒状弁本体部15aの両端には、湯側弁座23と当接する湯側弁部15b、水側弁座24と当接する水側弁部15cが形成されている。
【0040】
また、円筒状弁本体部15aの外周に当接するように、弾性シール部材であるOリング26が配置されている。このOリング26は、本体ケーシング19内に流入した湯及び水が主弁体15の外側で混合されるのを防止している。
【0041】
また、Oリング26が位置ずれすることのないように、水側弁座24側に位置規制部材であるスペーサーリング27が配置されている。図5に示すように、スペーサーリング27は断面視略L字状に形成されたリング部材である。そして、このスペーサーリング27自体も、図5に示すように、後述する凸部3の一部を構成する凸状爪部31に当接して位置ずれしないように位置規制されている。
【0042】
図3及び図4に示すように、主弁体15の左側には、軸体16にクリップ30によって連結された第1、第2ばね押え板28,29との間にバイアスばね17が配置されている。第1、第2ばね押え板28,29は、中央部が隆起したドーナツ板状に形成されており、バイアスばね17は、これら第1、第2ばね押え板28,29の間に挟まれ、予め圧縮された状態で、かつ一部が円筒状弁本体部15aの内部に臨んだ状態で第1本体部材11の内部に配置されている。かかる構成により、バイアスばね17は、摺動部材14が第1ばね押え板28に当接すると、主弁体15を、水流入口22を閉じる方向(図4における右方向)に付勢する。
【0043】
また、バイアスばね17の内側には、強制湯側全開ばね46を配設している。これは、水流入口22を閉じて湯流入口21を全開としたいときに、バイアスばね17の付勢力のみでは弱いため、これを補助するために設けられている。摺動部材14が図4の右側へ移動していくと、途中からバイアスばね17の付勢力にこの強制湯側全開ばね46の付勢力がさらに加えられ、軸体16を介して水側弁座24を閉塞する方向へ主弁体15を付勢する。
【0044】
一方、主弁体15の右側には、感温ばね18と、この感温ばね18の図4における略左部を収納する筒状の感温ばねガイド部材40とが配置されている。感温ばねガイド部材40は、第2本体部材12の内部で摺動可能に配置されており、図4における左側の端部は、第2ばね押え板29に当接している。
【0045】
また、感温ばね18の図4における左側の端部は、感温ばねガイド部材40の内壁に当接し、右側の端部は第2本体部材12の内壁面の端部に当接している。かかる構成により、感温ばね18は、感温ばねガイド部材40を介して、主弁体15を湯流入口21を閉じる方向(図4における左方向)に付勢する。
【0046】
また、本体ケーシング19の外側には、パッキン61,61,61を介して、湯流入口21及び水流入口22を覆うように円筒状に形成され、多数の網目を有するストレーナ62,62を配置しており、湯又は水に混入したゴミなどが本体ケーシング19内に流入するのを防止している。
【0047】
湯水混合装置1は、上述してきた構成を有し、湯流入口21及び水流入口22から本体ケーシング19の内部に流入してきた湯、水は、本体ケーシング19の内部において混合されて混合湯水となって混合水流出口25から流れ出ることになる。このとき、主弁体15が湯流入口21及び水流入口22の開放面積を変化させることにより、湯流入口21及び水流入口22から本体ケーシング19の内部に流入する湯及び水の流量を制限している。こうして、本体ケーシング19の内部において混合される湯と水との割合を変化させることで、混合湯水の温度が調整される。
【0048】
また、主弁体15は、本体ケーシング19内において弁移動方向の両側から付勢された状態で支持されており、湯流入口21を閉塞する方向へは感温ばね18により付勢され、水流入口22を閉塞する方向へは、バイアスばね17により付勢されている。したがって、感温ばね18及びバイアスばね17によって主弁体15に作用する付勢力(押圧力)は、互いに対向しており、混合湯水の温度に対応した感温ばね18の付勢力とバイアスばね17の付勢力とが釣り合う位置に主弁体15が移動することになり、結果的に所定の温度の湯水が混合水流出口25から流出する。
【0049】
なお、感温ばね18は、前述したように形状記憶合金(SMA;Shape Memory Alloy)により形成されたコイルバネであり、温度の変化によって主弁体15に作用させる付勢力を変化させ、主弁体15を駆動させる。このように、感温ばね18は、湯水混合装置1において、湯水の温度によって変化する付勢力を作用させることで湯水混合装置1が有する主弁体15を駆動させるのである。本実施形態では、感温ばね18による主弁体15に対する付勢力は、温度が高くなることによって増加し、温度が低くなることによって減少する。
【0050】
一方、バイアスばね17は、前述したように、摺動部材14に当接した第1ばね押え板28と第2ばね押え板29との間に配置されており、温度設定操作部であるスピンドル13によってその移動方向の位置決めがなされる。したがって、スピンドル13を正逆方向に回転させることにより、バイアスばね17から主弁体15に作用する付勢力について変更することができる。すなわち、スピンドル13の回転にともない、摺動部材14を介して第1ばね押え板28が図4における右側(混合水流出口25側)に移動することによって付勢力は増加し、第1ばね押え板28が反対側に移動すると付勢力は減少するのである。
【0051】
かかる構成において、混合湯水の温度調整をより正確に行うためには、湯と水とが均一に混合されることが肝要となる。すなわち、水の流入速度は不均一になりやすいために、流入速度のばらつきによって、本体ケーシング19の中において、湯と水との混合密度にばらつきが生じると、感温ばね18の作動が不正確となり、温度調整にもばらつきが生じてしまうおそれがある。
【0052】
そこで、本実施形態では、水流入口22の上流側に、当該水流入口22に流入する水に抵抗を付与する抵抗部材を設けている。なお、ここでは、抵抗部材である凸部3を水流入口22の上流側にのみ設けているが、さらに湯流入口21の上流側に設けてもよい。また、湯水混合装置1の設置環境によって、湯の流入速度が不均一になりやすいような場合は、湯流入口21の上流側にのみ設けても構わない。
【0053】
図5及び図6に抵抗部材としての凸部3を示している。図5は、図4に符号Aで示す要部の拡大図であり、図6は要部である抵抗部材の説明図である。なお、図6では主弁体15に挿通されている軸体16を省略している。図示するように、第2本体部材12の先端部12cの水流入口22に面する端面12dに形成された水側弁座24の上流側面、換言すれば、端面12dにおける環状の水側弁座24の半径方向外周寄りに凸部3は形成されている。
【0054】
抵抗部材となる凸部3は、端面12dから所定の下り傾斜面からなるテーパ状端面33を介してOリング26側に向けて突出形成された壁部32を主体として備えており、この壁部32の先端から、周方向に所定間隔をあけて複数個形成された凸状爪部31が設けられている。このように、第2本体部材12の先端部12cの水流入口22に面する端面12dから突出した凸部3によって、水流入口22に流入する水に抵抗を付与することが可能となっている。
【0055】
すなわち、図5において矢印Fで示すように、本体ケーシング19内に流れ込む水は、ストレートに本体ケーシング19内に流れ込むのではなく、壁部32で屈曲し、凸状爪部31,31の間の空間へ流れ込むとともに、主弁体15の周壁に沿って流れ、さらに屈曲して水側弁部15cと水側弁座24との間に形成される水流入口22に流れていく。このときに、水は十分に整流されることになり、このように整流された水と、主弁体15の内部を流入してきた湯とは、均一に混合されることになる。したがって、混合湯水の温度は安定しており、かかる温度に対して感温付勢部となる感温ばね18は反応することになるため、温度調節性能が向上する。
【0056】
次に、抵抗部材の変形例について、図7を参照しながら説明する。図7は、図4の符号Aで示した部分、すなわち上述してきた実施形態における図5に相当するものである。
【0057】
図示するように、ここでは、上述した凸部3に加え、さらに、水側弁座24の下流側面から伸延し、水の本体ケーシング19内への流入方向を屈曲させる凸壁4を設けた構成としている。すなわち、第2本体部材12の先端部12cの水流入口22に面する端面12dにおける環状の水側弁座24の半径方向内周寄りに凸壁4は形成されている。
【0058】
したがって、この凸壁4と凸部3により、屈曲流路が形成され、本体ケーシング19内に流れ込む水は、水流入口22から流入する水は、図において矢印F1で示すように、一度、凸部3で整流され、その後、水流入口22を通過した水は、さらに凸壁4によって屈曲して本体ケーシング内に流入するため、湯と水との混合が促進され、温度調節性能のさらなる向上を図ることができる。
【0059】
ところで、この凸壁4は、凸部3の壁部32と同様に環状に形成されているが、その外周面、すなわち、水側弁座24の側に対向する周面41をテーパ状に形成している。したがって、凸壁4に衝突する水を、より円滑に本体ケーシング19内に流入させることができる。その結果、湯と水との混合をより促進し、温度調節性能をさらに向上させることが可能となる。
【0060】
次に、他の実施形態に係る抵抗部材について、図8及び図9を参照しながら説明する。なお、図8では主弁体15に挿通されている軸体16を省略している。本実施形態に係る抵抗部材は、湯流入口21又は水流入口22に着脱自在に取付可能とした取付部材である抵抗付与リング5から構成されている。つまり、抵抗付与リング5は先の実施形態における凸部3に相当する構成と機能を有している。
【0061】
すなわち、抵抗付与リング5は、前述の壁部32に相当するリング本体51と、このリング本体51の先端から、周方向に所定間隔をあけて複数個形成された前述の凸状爪部31に相当する凸状爪52とから構成されている。本実施形態では、かかる抵抗付与リング5を水流入口22に着脱自在に取付けることにより、水流入口22に流入する水に抵抗を付与することが可能となっている。
【0062】
なお、抵抗付与リング5は、湯流入口21に設けてもよく、湯水混合装置1の使用環境に合わせ、必要に応じて抵抗部材の適用が可能となっている。したがって、一度配設した抵抗付与リング5でも、不要となればこれを除去することができる。
【0063】
なお、抵抗付与リング5は、水流入口22の上流側にのみではなく、湯流入口21に設けてもよい。また、湯水混合装置1の設置環境によって、湯の流入速度が不均一になりやすいような場合は、湯流入口21にのみ設けても構わない。
【0064】
さらなる他の実施形態に係る抵抗部材について、図10〜図12を参照しながら説明する。図12は図11の符号Bで示す要部の拡大図である。
【0065】
本実施形態に係る抵抗部材は、本体ケーシング19の外周に、湯流入口21又は水流入口22を覆うよう取り付けたストレーナ62に設けている。すなわち、その具体的な構成は、ストレーナ62が有する多数の網目63の一部を塞いだ構成としている。
【0066】
すなわち、通常のストレーナであれば、ストレーナ周面に略全域に渡って網目63が形成されているが、この場合、図示するように、水流入口22に直接対峙する領域に網目63が塞がれた、あるいは網目63を形成していない壁面部7を形成するのである。
【0067】
かかる構成により、図12における矢印F3で示すように、ストレーナ62の壁面部7に当接した水は流れ方向を変えて、水流入口22とは対峙していないずれた位置から矢印F4で示すように屈曲した流れとなる。かかる屈曲した流れが整流作用を生起するため、上述してきた抵抗部材と同様な効果が期待できる。すなわち、湯と水との混合を促進し、温度調節性能の向上が期待できる。
【0068】
また、本実施形態では、抵抗部材としての機能をストレーナ62が果たすため、図12に示すように、水流入口22の上流側には、壁部32やスペーサーリング27を支持する凸状爪部31などが不要であり、第2本体部材12の形状が複雑にならず、比較的シンプルになるため、その製造も容易となる。
【0069】
なお、凸状爪部31が存在しないので、ここでは、スペーサーリング27に凸片27aを適宜間隔をあけて突設し、この凸片27aを水側弁座24の上流側に当接させることにより、スペーサーリング27の位置ずれを防止している。
【0070】
上述してきた実施形態から、以下の湯水混合装置1が実現される。
【0071】
供給された湯及び水を混合し、適温に調整された混合湯水を吐出可能とした湯水混合装置1において、湯側弁座23が形成された湯流入口21と、水側弁座24が形成された水流入口22と、混合湯水が吐出される混合水流出口25とが形成された本体ケーシング19と、この本体ケーシング19内に移動自在に配設され、湯側弁座23及び水側弁座24に接離して湯流入口21及び水流入口22の開度を調整可能とした主弁体15(弁体)と、混合湯水の温度を目標値に設定するためのスピンドル13(温度設定操作部)と、このスピンドル13の操作量に応じて、主弁体15を一側方向に移動させる付勢力を発生するバイアスばね17(付勢部)と、このバイアスばね17とは逆方向に主弁体15を移動させる付勢力を発生するとともに、この付勢力が本体ケーシング19内の混合湯水の温度に応じて変化する感温ばね18(感温付勢部)と、を備え、湯流入口21又は水流入口22の少なくとも一方の上流側に、当該湯流入口21又は水流入口22に流入する湯又は水に抵抗を付与する抵抗部材(少なくとも壁部32を備えている)が設けられた湯水混合装置1。
【0072】
また、前記抵抗部材は、本体ケーシング19における湯側弁座23又は水側弁座24の上流側面から伸延し、湯又は水が湯流入口21又は水流入口22に直接流入することを防止する凸部3である湯水混合装置1。
【0073】
また、前記抵抗部材は、湯流入口21又は水流入口22に着脱自在に取付可能とした抵抗付与リング5(取付部材)からなる湯水混合装置1。
【0074】
また、前記湯流入口21又は水流入口22を覆うように本体ケーシング19に取り付けられた網状のストレーナ62を備え、前記抵抗部材は、ストレーナ62が有する多数の網目63の一部が塞がれた構成である湯水混合装置1。
【0075】
また、前記湯側弁座23又は水側弁座24の少なくとも一方の下流側面から伸延し、湯又は水の本体ケーシング19内への流入方向を屈曲させる凸壁4を設けた湯水混合装置1。
【0076】
また、前記凸壁4における湯側弁座23又は水側弁座24側に対向する周面41を、テーパ状に形成した湯水混合装置1。
【0077】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述してきた各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0078】
例えば、抵抗部材の変形例として説明した凸壁4(図7参照)は、他の実施形態で説明した抵抗部材(図8〜図12参照)にも採用することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 湯水混合装置
3 凸部
4 凸壁
5 抵抗付与リング(取付部材)
13 スピンドル(温度設定操作部)
15 主弁体(弁体)
17 バイアスばね(付勢部)
18 感温ばね(感温付勢部)
19 本体ケーシング
21 湯流入口
22 水流入口
23 湯側弁座
24 水側弁座
25 混合水流出口
32 壁部
41 周面
62 ストレーナ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給された湯及び水を混合し、適温に調整された混合湯水を吐出可能とした湯水混合装置において、
湯側弁座が形成された湯流入口と、水側弁座が形成された水流入口と、前記混合湯水が吐出される混合水流出口とが形成された本体ケーシングと、
この本体ケーシング内に移動自在に配設され、前記湯側弁座及び水側弁座に接離して前記湯流入口及び水流入口の開度を調整可能とした弁体と、
前記混合湯水の温度を目標値に設定するための温度設定操作部と、
この温度設定操作部の操作量に応じて、前記弁体を一側方向に移動させる付勢力を発生する付勢部と、
この付勢部とは逆方向に前記弁体を移動させる付勢力を発生するとともに、この付勢力が前記本体ケーシング内の混合湯水の温度に応じて変化する感温付勢部と、
を備え、
前記湯流入口又は水流入口の少なくとも一方の上流側に、当該湯流入口又は水流入口に流入する前記湯又は水に抵抗を付与する抵抗部材を設けたことを特徴とする湯水混合装置。
【請求項2】
前記抵抗部材は、前記本体ケーシングにおける前記湯側弁座又は水側弁座の上流側面から伸延し、前記湯又は水が前記湯流入口又は水流入口に直接流入することを防止する凸部であることを特徴とする請求項1に記載の湯水混合装置。
【請求項3】
前記抵抗部材は、前記湯流入口又は水流入口に着脱自在に取付可能とした取付部材からなることを特徴とする請求項1に記載の湯水混合装置。
【請求項4】
前記湯流入口又は水流入口を覆うように前記本体ケーシングに取り付けられた網状のストレーナを備え、
前記抵抗部材は、前記ストレーナが有する多数の目の一部が塞がれた構成であることを特徴とする請求項1に記載の湯水混合装置。
【請求項5】
前記湯側弁座又は水側弁座の少なくとも一方の下流側面から伸延し、前記湯又は水の前記本体ケーシング内への流入方向を屈曲させる凸壁を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の湯水混合装置。
【請求項6】
前記凸壁における前記湯側弁座又は水側弁座側に対向する面を、テーパ状に形成したことを特徴とする請求項5に記載の湯水混合装置。
【請求項1】
供給された湯及び水を混合し、適温に調整された混合湯水を吐出可能とした湯水混合装置において、
湯側弁座が形成された湯流入口と、水側弁座が形成された水流入口と、前記混合湯水が吐出される混合水流出口とが形成された本体ケーシングと、
この本体ケーシング内に移動自在に配設され、前記湯側弁座及び水側弁座に接離して前記湯流入口及び水流入口の開度を調整可能とした弁体と、
前記混合湯水の温度を目標値に設定するための温度設定操作部と、
この温度設定操作部の操作量に応じて、前記弁体を一側方向に移動させる付勢力を発生する付勢部と、
この付勢部とは逆方向に前記弁体を移動させる付勢力を発生するとともに、この付勢力が前記本体ケーシング内の混合湯水の温度に応じて変化する感温付勢部と、
を備え、
前記湯流入口又は水流入口の少なくとも一方の上流側に、当該湯流入口又は水流入口に流入する前記湯又は水に抵抗を付与する抵抗部材を設けたことを特徴とする湯水混合装置。
【請求項2】
前記抵抗部材は、前記本体ケーシングにおける前記湯側弁座又は水側弁座の上流側面から伸延し、前記湯又は水が前記湯流入口又は水流入口に直接流入することを防止する凸部であることを特徴とする請求項1に記載の湯水混合装置。
【請求項3】
前記抵抗部材は、前記湯流入口又は水流入口に着脱自在に取付可能とした取付部材からなることを特徴とする請求項1に記載の湯水混合装置。
【請求項4】
前記湯流入口又は水流入口を覆うように前記本体ケーシングに取り付けられた網状のストレーナを備え、
前記抵抗部材は、前記ストレーナが有する多数の目の一部が塞がれた構成であることを特徴とする請求項1に記載の湯水混合装置。
【請求項5】
前記湯側弁座又は水側弁座の少なくとも一方の下流側面から伸延し、前記湯又は水の前記本体ケーシング内への流入方向を屈曲させる凸壁を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の湯水混合装置。
【請求項6】
前記凸壁における前記湯側弁座又は水側弁座側に対向する面を、テーパ状に形成したことを特徴とする請求項5に記載の湯水混合装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−64301(P2011−64301A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−217026(P2009−217026)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]