説明

溶存水素飲料水の製造装置及びその製造方法

【課題】 家庭用での飲用に適し、溶存水素濃度が高く、溶存水素の寿命の長い溶存水素飲料水を製造する装置を提供する。
【解決手段】 50μS/cm以下の電導度の高純度水を供給して、pHが2.5から8.5の範囲で特に5.8から8.5の範囲で溶存水素濃度が0.1ppm以上の飲料水を生成するための通水型の電解槽を組み込んだ溶存水素飲料水製造装置であって、該電解槽は透水性の板状アノード極を有する縦型のアノード室と板状カソード極を有する縦型のカソード室からなり、該アノード室と該カソード室はフッ素系カチオン交換膜からなる隔膜で隔離され、フッ素系カチオン交換膜からなる隔膜に透水性の板状アノード極を密着させ、該隔膜とカソード極の間の空間にイオン交換樹脂を充填した構造を有することを特徴とする溶存水素飲料水製造装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水素分子が溶存した飲料水(以下、溶存水素飲料水と称する)の製造装置及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人体は酸素分子(O2)を取り込み、ミトコンドリアで食物由来の還元性物質により水にまで還元し、その際発生するエネルギーを利用している。この過程において、一部の酸素分子は活性酸素(O2-)に変換される。活性酸素は不安定物質で、この物質を出発物質としてヒドロキシルラジカル(OH・)が生成され人体のDNAから電子を奪い安定化する傾向がある。ヒドロキシラジカルはDNAを損傷し、動脈硬化を引きおこしたり、癌の発生に関与し、生活習慣病の一大要因ともなっている。
【0003】
最近、水素分子が人体の活性酸素を低減することが日本医科大学老人研究所の太田成男教授から非特許文献1に報告されている。同大学の研究チームは、試験管で培養したラットの神経細胞で実験を行い、水素濃度1.2ppmの溶液が活性酸素を還元し無毒化することを確認した。水素は細胞の核の内部にも簡単に入り込むため、遺伝子を活性酸素の攻撃から守ることも期待できるという。
【0004】
従って、水素分子溶存水を効率的に低コストで生成する技術が着目されている。水素分子溶存水の生成方法は以下の二つに大別される。
【0005】
(1)高圧下で水素ガスを水に溶解させる方法
(2)電解槽を用いてカソード電解により直接水の中に水素分子を生成する方法
(1)の水素ガス溶解方法は方法としては容易であるが、危険物用の圧力容器が必要となり、簡便でなく、高コストとなる。更に、水素ガスは危険物であるため、水素ガスボンベを家庭で使用することは困難である。
【0006】
家庭用に安価に水素分子溶存水を生成する装置として(2)の電解法を用いることが有望である。家庭向け電解装置としては、従来よりアルカリイオン水生成器が一般的である。アルカリイオン水生成器は本来胃酸過多症に対処するために水道水等を電解してpHが7〜8.5の弱アルカリ水を生成することを目的としている。この種の装置には、図18に示すように、隔膜5でアノード極4を有するアノード室1とカソード極9を有するカソード室6の二室に分けた2室型電解装置が組み込まれている。処理しようとする水は、アノード室入口1とカソード室入り口7から供給され、アノード極4およびカソード極9で電解され、電解水はアノード室出口3とカソード室出口8から排出される。この場合、隔膜5と電極(アノード極4、カソード極9)が離れているので、通電するためには電解槽に供給する水に電解質が含まれることが必須である。しかし、水道水にはナトリウム等のアルカリ金属イオン、塩素等の陰イオンが100〜200ppm溶解しており、ナトリウムと塩素が溶解した水道水の場合以下の反応が考えられる。
【0007】
アノード電極における反応
2Cl- - 2e- → Cl2 (1)
2H2O - 4e- → O2 + 4H+ (2)
【0008】
カソード 電極における反応
2Na+ + 2e- → 2Na (3)
2Na + 2H2O → 2Na+ + H2 + 2OH- (4)
2H2O + 2e- → H2 + 2OH- (5)
【0009】
上記の反応式からわかるように、カソード室6から排出されるカソード電解水には水素分子が溶解したアルカリ水が得られる。生成した電解水を飲用とするには水道法上pHに制限があり、pH8.5以下にすることが要求される。図18に示した2室型電解槽を用いた場合、強電解するとpHが8.5以上になる可能性が高くなり、飲用に適さないカソード電解水が生成されることになる。また、pHを下げようとして、電解電流を低下させると、当然水素分子濃度が低下するので水素分子の効果が期待できなくなる。このように図18に示した従来の2室型電解槽は溶存水素飲料水の製造装置としては適さない。
【0010】
強電解するためには、電導度の低い純水を用いる方法が考えられるが、電導度が低い純水を電解する電解槽としては、図19(図18と同じ構成要素には同一の符号を付し説明を省略した)に示す2室型電解槽を用いる方法が考えられる。この場合には、カソード電極とアノード電極を隔膜に密着させる。水を効率的に電解するために、カソード電極およびアノード電極は、水が透過するように、網状、パンチングメタル状又は多数の貫通孔を設けた(以下、「透水性」と称する。図19では透水性のアノード極を4−1、透水性のカソード極を9−1と図示する)である必要がある。更に、隔膜としてフッ素系のカチオン交換膜を用いると、低電圧で純水を電解可能となる(図19ではフッ素系カチオン交換膜からなる隔膜を5−1と図示する)。純水を電解するので基本的にカソード電解水のpHの変化は見られず、電解電流を上げることが可能となる。アルカリ金属イオン濃度がppt以下の超純水を電解する場合は基本的にカソード電解水のpHに大きなが変化は見られないので、電解電流を上げることが可能となる。しかし、家庭用の低コストの電解装置を対象にした場合、水道水の純度は超純水以下であり、アルカリ金属イオン濃度が数ppmになる場合が想定される。
【0011】
発生する水素分子量は電解電流に比例する。カソード電解水を飲料に供するとき水中における水素分子の存在形態が重要である。人体に適切に吸収されるためには水素分子が水に溶解していることが必要である。生成された水素分子はバブル状の水素ガスと溶解した水素分子に大別される。バブル状の水素ガスは速やかに空気中に揮散し、人体に吸収される割合が低くなる。溶解した水素分子は、単分子状、複数の分子状等で水の中で存在する。このような状態で溶存水素分子の寿命は長くなり、人体への吸収確率が向上する。
【0012】
同じ外形寸法の電極を用いた場合、カソード電解水中の発生水素濃度を上げるためには電流密度を上げて水素発生量を上げることが必要と考えられる。しかし、発生した水素分子がカソード電解水に溶解する効率は電流密度と電極表面の流速に依存することが報告されている。電流密度が大きくなるにつれて溶解効率は低下することが知られている。したがって、最適電流密度が存在することになる。更に溶解効率は電極表面の流速にも依存し、流速が早いほど溶解効率は大きいことが知られている。しかし、溶解効率が大きくなっても流速を上げるとカソード電解水の量が上がることにより溶存水素分子濃度は必ずしも上がることにはならない。すなわち流速においても最適流速が存在することになる。
【0013】
以上の見地からすると、純水等の高純度水を用いる場合、図19に示すようなフッ素系イオン交換膜5−1にアノード電極とカソード電極が密着した2室型電解槽が適している。しかし、この場合電解生成物が電解水に溶解するためにはアノード電極およびカソード電極ともに透水性とし、さらに隔膜であるフッ素系イオン交換膜に密着させることが必要である。透水性の電極を用いることは、有効面積が小さくなることを意味し、有効電流密度は大きくなる。このことは、孔のない同じ外形寸法のカソード電極の最適電流に比較して透水性の電極の最適電流は小さくなることを意味する。さらに、透水性の電極を隔膜に密着させることが必須であることから、電解は透水性の電極の孔の縁の部分で起こることになる。従って、電解のための有効面積はさらに狭まる。同じ外形寸法の電解槽に比較して透水性の電極を組み込んだ電解槽の溶存水素分子生成量が低下する。コストを低減するためには孔の面積が小さい電極を用いることおよび隔膜との接触面積が小さい構造が望ましい。
【非特許文献1】Nature Medicine 電子版2007/5/8(Published online: 7 May 2007; doi:10.1038/nm1577)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上述したように、家庭用の溶存水素飲料水を製造する装置としては、適したものがないのが実情である。
【0015】
本発明が解決しようとする課題は、家庭用で、飲用に適し、溶存水素濃度が高く、溶存水素の寿命の長い溶存水素飲料水を製造する装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0017】
すなわち、本発明は、50μS/cm以下の電導度の高純度水を供給して、pHが2.5から8.5の範囲で特に5.8から8.5の範囲で溶存水素濃度が0.1ppm以上の飲料水を生成するための通水型の電解槽を組み込んだ溶存水素飲料水製造装置であって、該電解槽は透水性の板状アノード極を有する縦型のアノード室と板状カソード極を有する縦型のカソード室からなり、該アノード室と該カソード室はフッ素系カチオン交換膜からなる隔膜で隔離され、フッ素系カチオン交換膜からなる隔膜に透水性の板状アノード極を密着させ、該隔膜とカソード極の間の空間にイオン交換樹脂を充填した構造を有することを特徴とする溶存水素飲料水製造装置、
を要旨とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、飲用に適し、溶存水素濃度が高く、溶存水素の寿命の長い溶存水素飲料水を製造する装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図面により本発明の本発明の溶存水素飲料水製造装置を説明する。
【0020】
請求項1に記載した50μS/cm以下の電導度の高純度水を処理してpHが2.5から8.5の範囲で特に5.8から8.5の範囲で溶存水素濃度が0.1ppm以上の飲料水を生成する装置に用いられる電解槽の一例を模式断面図として図1に示す。
【0021】
図1に示した本発明の電解槽は、透水性の板状アノード極(4−1)を有する縦型のアノード室(1)と板状カソード極(9)を有する縦型のカソード室(6)からなり、アノード室とカソード室は、原水が流入するための入口(2,7)と電解水(以下、水素水または生成水と称することがある)が流出する出口(3,8)を備える通水型の2室電解槽である。該アノード室(1)と該カソード室(6)はフッ素系カチオン交換膜からなる隔膜(5−1)で隔離され、フッ素系カチオン交換膜からなる隔膜に透水性の板状アノード極(4−1)を密着させ、該隔膜(5−1)とカソード極(9)の間の空間にイオン交換樹脂(10)を充填した構造を有する。
【0022】
フッ素系カチオン交換膜からなる隔膜5−1によりアノード室1とカソード室6の2室に仕切られている。アノード極は透水性であり、隔膜5−1に密着している。(図1では透水性のアノード極を4−1と表示している)。電極を透水性とするには、網状、パンチングメタル状の電極とするか、板状の電極に図9のように複数の貫通孔を設ければよい。カソード極6は隔膜5−1と対向するカソード室壁面に密着しており、カソード極6と隔膜5−1の間の空間には、通水可能にイオン交換樹脂が充填されている。
【0023】
フッ素系カチオン交換膜とは、ポリテトラフルオロエチレン構造を主体とした膜に、スルホン酸基が結合したフッ素系高分子イオン交換膜である。
【0024】
隔膜としてフッ素系のカチオン交換膜を用いると数10ボルト以下の低電圧で純水を電解することが可能であることが知られている。この理由としてフッ素系カチオン交換膜中でフッ素樹脂の環境でイオン交換基である硫酸基に結合している水素イオン(H+)が乖離しやすくなり、水素イオンがキャリアとなり電導度向上に寄与する。この結果として低電圧で純水が電解可能となる。更に、強カチオン交換樹脂および強陰イオン交換樹脂に結合しているイオン交換基の近傍の強電場下で水分子(H2O)が以下の通り加水分解が促進されることが知られている。
【0025】

H2O → H+ + OH- (5)

【0026】
この結果として、超純水を電解しても、キャリアが発生するので、電解が安定的に持続可能である。ここでアノ−ド極と隔膜の間に隙間が存在すると、この間隙で電圧降下が大きくなり、電解が十数ボルトの低電圧で進行しないので、電極と隔膜を密着させることが必要である。従って、アノ−ド電極は隔膜に密着させる必要がある。
【0027】
しかし、カソード電極と隔膜の間には間隙がないと、カソード極表面に通水することは不可能である。しかし、距離をおくと、この部分で電圧降下が大きくなり、低電圧での電解が不可能となる。そこで、アノ−ド電極およびフッ素系カチオン交換膜で生成したキャリアーである水素イオンが容易に移行できるようにイオン交換樹脂を充填する。
【0028】
フッ素系カチオン交換膜から供給された水素イオンによりアノード電極とカソード電極の間の外部電場がイオン交換樹脂層に侵入する。図2に模式的に電位勾配を示す。フッ素系でない通常のポリプロピレン製または塩化ビニール製樹脂製の膜にイオン交換基を結合したイオン交換膜を利用した場合は、図2の(a)に示すように電位勾配は電極表面に限定され、イオン交換樹脂相では電位勾配が小さくなる。しかし、隔膜としてフッ素系カチオン交換膜を利用すると、キャリアが供給されるので(b)に示すように電位勾配がイオン交換樹脂相にまで侵入する。この結果、イオン交換樹脂に結合したイオン交換基に電場が印加されることになり、水の加水分解が促進されてキャリアが生成されることになり、低電圧で電解が可能となる。
【0029】
図1に示したような本発明の構造の電解槽を用いることよりカソード電極前面が利用可能となり、溶存水素分子生成量を上げることが可能となりコストダウンができる。
【0030】
図1の電解槽の変形例として図3に示す電解槽があげられる。図3に示した電解槽は、原水をカソード極を介して供給し、電解水をカソード極を介して排出されるように、カソード室入口7とカソード室出口8をカソード極に直交するように設置したことである。2室型電解槽において、電解電圧を低下させるためにはカソード室の厚さを狭くすることが必要となる。しかし、厚さが狭くなると、カソード室の出入り口をもうけることが困難となる欠点がある。この場合図3に示す構造の電解槽を用いることにより、カソード室の厚さを狭めて、かつ出入り口を容易にもうけることが可能となる。
【0031】
なお、図3に示した電解槽の場合は、原水の供給および電解水の排出のために、カソード電極は透水性であることが必要である(図3には透水性カソード極を9−1と表示した)。
【0032】
図1および図3に示した電解槽の欠点の一つは流量を増加すると、キャリアの一部が供給原水により除去されて、電解電流が低減することである。この場合には、さらに大量にカソード室に原水を供給するために、図4に示すような構造の電解槽を用いて、カソード室供給水を一部バイパスして電解を行うほうが最終的にメリットが大きい。
【0033】
図4の電解槽は請求項1記載の電解槽において、イオン交換樹脂と接しない面とカソード室壁面との間に空間ができるようにカソード極を配置し、カソード極を透水性とすることを特徴とするものである。
【0034】
図4に示す構造の電解槽とすることにより、カソード室6に供給された原水がカソード極のアノード局側の表面と背面の両面に流通する。このような構造を採用することにより、カソード室入口7から供給された原水は、一部がイオン交換樹脂10の充填層を流通し、一部はイオン交換樹脂10の充填層を経ずに流通する。なお原水をバイパスさせる場合は、カソード極を透水性とすることにより、カソード極の表面側に原水を供給させる(なお、図4では透水性のカソード極を9−1と表示している)。
【0035】
図1、図3および図4に示した電解槽に供給する原水は、強電解するために、50μS/cm以下の電導度の高純度水を用いる必要があるが、原水として水道水を用いる場合は、水道水に溶存する不純物イオンをフィルターシステムにより取り除く必要がある。フィルターシステムを組み込んだ溶存水素飲料水製造装置の一例を図5に示す。不純物イオンを除去することによりカソード電解水のpHを過剰にアルカリ性になることが防止できる。不純物イオンを除去するフィルターシステムとしては、糸巻きフィルターからなるプレフィルター、精密フィルターまたは活性炭フィルターあるいはこれらを組み合わせたものを挙げることができる。
【0036】
図5に示したように、水道水は水道水ライン15から供給され、プレフィルター11、プレカーボンフィルー12、精密カーボンフィルター14によって、水道水に溶存する不純物イオンが除去されて、50μS/cm以下の電導度の高純度水となる。高純度水はフローセンサー16で流量を測定し、本発明の2室型電解槽のカソード室6に供給される。カソード室6で電解された水は溶存水素飲料水として排出され水素水リザーバタンク21に貯留される。水素水リザーバタンク21には、貯留された溶存水素飲料水に雑菌が繁殖することを防ぐために、紫外線ランプ24等の殺菌手段を設けることが好ましい。水素水リザーバタンク21に貯留された溶存水素飲料水は、そのまま飲用してもよいが、冷温の水素水を所望する場合は、溶存水素飲料水を冷温水素水タンク17(冷却手段は不図示)に貯留して冷却した後、水素水バルブ18を介して、冷却された水素水を供給する。温かい水素水を所望する場合は、溶存水素飲料水を温水水素水タンク22(加温手段は不図示)に貯留して加温した後、温水バルブ23を介して、加温された水素水を供給すればよい。
【0037】
さらにイオン交換樹脂塔を組み込むことにより、カルシウムイオンやマグネシウムイオンによるカソード電極の汚染を防止することができる。イオン交換樹脂塔の代わりに逆浸透膜フィルター13を用いても良い。
【0038】
逆浸透膜フィルターを使用すると、アルカリ金属およびアルカリ土類金属イオン濃度が大幅に低減されるので、カソード電解水のpHがアルカリ性になる可能性が小さくなる。
しかし、中国、欧州、米国の中南部のように硬水地域では、逆浸透膜フィルターの性能が落ちる。このように逆浸透膜フィルターの性能が落ちる地域では、図6に示すようにアノード室1、中間室25およびカソード室6からなる三室型電解槽を組み込んだ溶存水素飲料水製造装置を用い、中間室に有機酸水溶液を供給する方法が有効である。図6に示す三室型電解槽は、アノード室1とカソード室6の間に中間室25を設けたものであり、アノード室1と中間室25および中間室25とカソード室6はフッ素系カチオン交換膜からなる隔膜5−1で仕切られている。中間室25にはイオン交換樹脂28が充填されている。
【0039】
中間室に充填する有機酸水溶液の解離度が小さいか、その濃度が低い場合、電導度が低いと電解電圧を大きくすることが必要である。その場合にはイオン交換樹脂を充填して、基本的に純水でも電解が可能な構造が有効である。ただし、有機酸水溶液が高い場合にはイオン交換樹脂を充填しない。
【0040】
中間室25に有機酸水溶液を供給することにより、中間室液で乖離した水素イオンがカソード室6に移行してカソード電解水のpHがアルカリ性になることを防止することができる。有機酸としては、食品添加物の中から選択することが望ましい。例えば、乳酸、アスコルビン酸、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸および酢酸等が挙げられる。
【0041】
本発明の溶存水素飲料水製造装置において、カソード水の溶存水素分子濃度を高めるために、カソード電解で生成した水素水を循環して電解するために、生成水用タンク及び循環ポンプを組み込んだ循環ラインを設けることが好ましい。
【0042】
本発明の溶存水素飲料水製造装置において、生成水の溶存水素濃度を向上させることを目的として、高純度水の溶存空気の濃度を低減させるために電解槽の前段に脱気手段を設けることが好ましい。脱気手段としては、例えば中空糸上の膜法を用いた脱気装置を用いる。この方法では、中空糸膜の中を水を通水し、外側の空気を抜くことにより脱気を行う。
【実施例1】
【0043】
カソード電解水のpHと図17に示した従来の電解槽と図1に示した本発明の電解槽の構造の関係を確認した。電解槽の電極の寸法は8cmX6cmとした。隔膜として、フッ素系カチオン交換膜を用いた。電極には白金メッキチタン板を用いた。ただし、図1の電解槽のアノード電極には図9に示したような複数の貫通孔(3mmφ)を設けた透水性の電極を用いた。さらに、図1の電解槽の場合デュポン社製フッ素系カチオン交換膜からなる隔膜5−1とカソード電極の間には5mmの厚さでカチオン交換樹脂10を充填した。原水として、水道水を逆浸透膜フィルター処理した水を使用した(電導度:4μS/cm)。
【0044】
しかし、図17に示した従来の二室型電解槽の場合、電解質がないと電解が不可能なので、原水に0.2%の食塩を添加した。流量を0.5l/min.に、電解電流を5Aに設定した。生成したカソード電解水のpHを測定したところ、図17の従来の二室型電解槽を用いた場合、pHが10.6となったが、本発明の図1の電解槽を用いたところ、カソード電解水のpHは6.8と中性であり、飲料水の基準を満足した。
【実施例2】
【0045】
図1に示す構造の電解槽において8cm×6cmで電極面積48cm2で、図9に示したような複数の貫通孔(3mmφ)を設けた透水性のアノード極およびカソード極を用いた。カソード電極は貫通孔のない白金メッキのチタン製平板を用いた。隔膜としてデュポン社製フッ素系カチオン交換膜を用いた。隔膜とカソード電極との間にはカチオン交換樹脂を充填した。イオン交換樹脂層の厚さは5mmとした。カソード電解水を0.1ミクロンのフィルターを通過させて巨視的気泡状の水素分子(GH)と微粒子状で溶解した水素分子(SH)を分離した。SH+GHは電流から換算した電解で生成した全水素量である。電流は0.2から9.5Aの間で変化させた。カソード電解室に供給する水は約1μS/cmの純水で、流速は0.5ml/min.とした。カソード電解水のpHは6.0〜6.8であった。また、溶存水素に関する試験結果を図7に示す。
【0046】
図7から明らかなように電流密度を上げると発生する水素分子のうち溶解成分SHの割合が小さくなる。
【実施例3】
【0047】
実施例2と同様な電解槽を用いて、カソード電解室内の流速と溶存水素分子濃度の変化を測定した。電流を5Aに設定した。カソード電解室に供給する水は約1μS/cmの純水とした。電流値から換算した水素分子濃度(SH+GH)と0.1ミクロンのフィルターを通過したカソード電解水中の溶存水素分子濃度(SH)の比(SH/(SH+GH))に対する流速の効果をプロットした。このときのカソード電解水のpHは6.1から6.7であった。溶存水素に関する測定データーを図8に示す。図8から明らかなように流速を上げることにより溶存水素濃度の比率が向上する。しかし、電解電圧は流速0.1l/min.のとき約58Vであったが、1l/min.のとき9Vとなり、流速と共に電解電圧が上昇することがわかった。
【実施例4】
【0048】
次に、溶存水素分子濃度に対する図19の構造の電解槽と図1および図4に示したような構造の電解槽を比較した。図19に示す電解槽の場合、アノード電極およびカソード電極は透水性のものを用いた。図4に示す電解槽の場合、カソード電極は透水性のものを用いた。図1に示す電解槽の場合、無孔の板状のカソード電極を用いた。図1および図4に示す電解槽の場合、カソード室に充填するイオン交換樹脂はフッ素系カチオン交換樹脂(商品名:NR50、株式会社デュポン社製)を用いた。透水性のアノード電極またはカソード電極の一実施形態を図9に示す。すなわち、板状の電極に貫通孔30を設け、取り付け用の孔29を開けたものである。
【0049】
供給する水は電導度4μS/cmのものを用い、電解電流が10Aとし、流速は0.5ml/min.とした。図19の電解槽を用いたときのカソード電解水のpHは〜8.8であった。図1および4の電解槽を用いた場合、pHは6.5〜7.2であった。
【0050】
図10に結果を示す。図10から明らかなように透水性カソード電極に比較して板状のカソード電極のほうが溶存水素分子濃度の比率が高くなる。また、透水性カソード電極を用いても、図19に比較して本発明の電解槽の構造が望ましいことがわかる。
【実施例5】
【0051】
図9に示した透水性の電極を組み込んだ図1、3及び図19の構造の電解槽を用いて生成した溶存水素水濃度の寿命を検討した。原水として、水道水を逆浸透膜フィルターで処理した水を用いた(電導度4μS/cm)。流量は0.5l/min.で電解電流を10Aとした。溶存水素濃度の寿命をカソード電解水のORP(白金を試料極とした酸化還元電位)の変化で測定した。ORPの経時変化が少ないほど溶存水素濃度の寿命が長い。図11にORPの経時変化を示す。図11から明らかなように図1の構造の本発明の電解槽で生成した溶存水素水の寿命が一番長く、図19の従来の二室型電解槽に比較して本発明の有効性がわかる。図19の電解槽を用いたカソード電解水のpHは〜8.8であった。また、図1または4を用いたカソード電解水のpHは6.5〜7.2であった。
【実施例6】
【0052】
次に、実施例1で用いた図1の構造の電解槽を用いて原水を脱気した時の溶存水素濃度への効果を確認した。水道水を原水として逆浸透膜フィルター処理をした後(電導度4μS/cm)、膜方式を用いた脱気装置を通過させた。この処理により溶存酸素濃度が8ppmから5ppmに低下した。流量1l/min.で、電解電流を10Aとした。カソード電解水のORPで脱気効果を評価した。無脱気の原水を使用した場合、ORPは525mVであったが、脱気処理をした場合、ORPは570mVとなった。このように溶存水素濃度を上げるためには脱気処理は有効であった。このときのカソード電解水のpHは〜6.4であった。
【実施例7】
【0053】
以上の実施例では、純水を用いたが、この実施例では原水として水道水を用いた。装置は、図5に示した溶存水素飲料水製造装置を用いた。原水処理として、電解槽の上流にプレフィルター11、プレカーボンフィルター12、および精密カーボンフィルター14を用いた。さらに、カソード電解によりpHのアルカリ性への移行を抑制するために逆浸透膜フィルター13を用いた。このように処理した原水を図1に示す二室型電解槽に供給した。
【実施例8】
【0054】
本実施例は水道水を原水として、飲料用の水素水を供給するための家庭用または事務所向けの小型の溶存水素飲料水製造装置であり、そのシステムフロー図を図12に示す。水道水は水道水ライン15から供給され、プレフィルター11、プレカーボンフィルー12、逆浸透膜フィルター13、精密カーボンフィルター14によって、水道水に溶存する不純物イオンを除去し電導度5μS/cmの高純度水とした。高純度水はフローセンサー16で流量を測定し、本発明の2室型電解槽のカソード室6に供給した。カソード室6で電解された水は溶存水素飲料水として排出され水素水リザーバタンク21に貯留した。
【0055】
本装置では、濾過処理した水を水素水リザーバータンク21に溜めた後、カソード室6に水素水を循環ポンプ33で循環させて溶在水素濃度を上げる。溶在水素水は冷温水素水タンク17または温水素水タンクに移して、冷温の水素水または温かい水素水を供給できる構造である。
【実施例9】
【0056】
実施例9は、温かい水素水と冷温の水素水を供給するための小型の溶存水素飲料水製造装置であり、そのシステムフローを図13示す。図13に示した溶存水素飲料水製造装置が図12に示した溶存水素飲料水製造装置とこのなる点は、逆浸透膜フィルター13の代わりに精密フィルター34とイオン交換樹脂塔35を併用した点である。
【0057】
また、フィルター処理された温水を温水リザーバタンク36に貯留し、温水タンク36−1と温水バルブ36−2を介して温水が供給できるようにしてある。
【実施例10】
【0058】
実施例10では、脱気装置を組み込んだ小型の溶存水素水製造装置であり、そのシステムフローを図14に示す。図14に示した溶存水素飲料水製造装置が図12に示した溶存水素製造装置と異なる点は、脱気装置37を水素水リザーバタンク21の前段に設けたことである。プレフィルター11、プレカーボンフィルター12、逆浸透膜フィルター13および精密カーボンフィルター14で処理された原水は脱気装置37で脱気され溶存空気が低減し、水素水リザーバタンク21に貯留され、循環ポンプ33でカソード室6に循環して供給され、カソード電解水の溶存水素濃度が上昇する。
【実施例11】
【0059】
本実施例は、図6に示した本発明の三室型電解槽を用いた例溶存水素飲料水製造装置に関するものである。図15にそのシステムフローを示す。図15に示した溶存水素飲料水製造装置が図12に示した溶存水素製造装置と異なる点は、2室型電解槽を3室型電解槽に代えたことである。カソード室6とアノード室1の間に中間室25を設け、中間室にイオン交換樹脂を充填することにより、アノ−ド室1で生成した酸素またはオゾン等の酸化性物質がカソード室6に移行することを防止することができるので、オゾン等の酸化性物質は水素分子との反応し、水素濃度を低下する可能性があり、酸化性物質がカソード室に移行することを極力防止することが望まれる。
【実施例12】
【0060】
図16には中間室25に乳酸またはアスコルビン酸等の食品添加物である有機酸を添加することによりカソード電解水のpHをより安定的に中性から酸性に維持することが容易な溶存水素水を製造する装置に関するシステムフロー図である。図16に示した溶存水素飲料水製造装置が図15に示した溶存水素飲料水製造装置と異なる点は、有機酸水溶液を中間室25に循環供給するために、中間室液タンク39を設け中間室タンク内の有機酸水溶液を中間室に循環させるための中間室液循環ポンプ38を設けたことである。
【実施例13】
【0061】
図16と同様な中間室に有機酸水溶液供給手段を設けた溶存水素飲料水製造装置であるが、図17に示す溶存水素飲料水製造装置ではカソード電解水を循環せず、一度の通水でカソード電解水を生成する製造装置である。一度の通水でカソード電解水を生成させることにより、溶在水素水の生成速度を上げることが可能となる。勿論、この場合には、循環型に比較して大きな面積を有する電解槽を組み込むことになる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
飲用に適し、溶存水素濃度が高く、溶存水素の寿命の長い溶存水素飲料水を製造する装置を提供できるので、溶存水素飲料水を簡単に摂取することができ、活性酸素の弊害の防止が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の水素含有飲料水製造装置に用いる2室型電解槽の模式断面図。
【図2】隔膜として用いるイオン交換樹脂膜の違いによる電位勾配を示す模式図。(a)はフッ素系カチオン交換膜以外のイオン交換膜を隔膜として用いた場合の電位勾配を示す模式図、(b)はフッ素系カチオン交換膜を隔膜として用いた場合の電位勾配。
【図3】本発明の水素含有飲料水製造装置に用いる2室型電解槽の模式断面図。
【図4】本発明の水素含有飲料水製造装置に用いる2室型電解槽の模式断面図。
【図5】水道水の浄化システムを組み込んだ本発明の溶存水素飲料水製造装置のシステムフロー図。
【図6】本発明の水素含有飲料水製造装置に用いる3室型電解槽の模式断面図。
【図7】実施例2の溶解水素量の割合と電流の関係を示したグラフ。
【図8】実施例3の溶存水素量の割合と流速の関係を示したグラフ。
【図9】多孔質電極の平面図。
【図10】実施例4の電解槽の構造と溶存水素量の割合の関係を示したグラフ。
【図11】実施例5の電解槽の構造の違いにおける酸化還元電位と時間の関係を示したグラフ。
【図12】循環ラインを組み込んだ溶存水素飲料水製造装置のシステムフロー図。
【図13】イオン交換樹脂塔を組み込んだ溶存水素飲料水製造装置のシステムフロー図。
【図14】脱気装置を組み込んだ溶存水素飲料水製造装置のシステムフロー図。
【図15】3室型電解槽を組み込んだ溶存水素飲料水製造装置のシステムフロー図。
【図16】有機酸水溶液供給手段を設けた溶存水素飲料水製造装置のシステムフロー図。
【図17】3室型電解槽を組み込んだ溶存水素飲料水のシステムフロー図。
【図18】従来の2室型電解槽の模式断面図。
【図19】従来の2室型電解槽の模式断面図。
【符号の説明】
【0064】
1 アノード室
2 アノード室入口
3 アノード室出口
4 アノード極
4−1 透水性アノード極
5 隔膜
5−1 フッ素系カチオン交換膜からなる隔膜
6 カソード室
7 カソード室入口
8 カソード室出口
9 カソード極
9−1 透水性カソード極
10 イオン交換樹脂
11 プレフィルター
12 プレカーボンフィルター
13 逆浸透膜フィルター
14 精密カーボンフィルター
15 水道水ライン
16 フローセンサー
17 冷温水素水タンク
18 水素水バルブ
19 ドレンライン
20 エアフィルター
21 水素水リザーバタンク
22 温水素水タンク
23 温水バルブ
24 紫外線ランプ
25 中間室
26 中間室入口
27 中間室出口
28 イオン交換樹脂
29 取付用貫通孔
30 貫通孔
31 フローセンサー
32 三方切り換えバルブ
33 循環ポンプ
34 精密フィルター
35 イオン交換樹脂塔
36 温水リザーバタンク
36−1 温水タンク
36−2 温水バルブ
37 脱気装置
38 中間室液循環ポンプ
39 中間室液タンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
50μS/cm以下の電導度の高純度水を供給して、pHが2.5から8.5の範囲で特に5.8から8.5の範囲で溶存水素濃度が0.1ppm以上の飲料水を生成するための通水型の電解槽を組み込んだ溶存水素飲料水製造装置であって、該電解槽は透水性の板状アノード極を有する縦型のアノード室と板状カソード極を有する縦型のカソード室からなり、該アノード室と該カソード室はフッ素系カチオン交換膜からなる隔膜で隔離され、フッ素系カチオン交換膜からなる隔膜に透水性の板状アノード極を密着させ、該隔膜とカソード極の間の空間にイオン交換樹脂を充填した構造を有することを特徴とする溶存水素飲料水製造装置。
【請求項2】
前記電解槽が、カソード室とアノ−ド室の間に中間室を設け、アノ−ド室と中間室およびカソード室と中間室を隔離する隔膜としてフッ素系カチオン交換膜を用い、中間室にイオン交換樹脂を充填した電解槽であることを特徴とする請求項1に記載の溶存水素飲料水製造装置。
【請求項3】
前記中間室に、有機酸水溶液供給手段を設けたことを特徴とする請求項2に記載の溶存水素飲料水製造装置。
【請求項4】
前記電解槽のカソード室において、隔膜とカソード極の間に充填するイオン交換樹脂がカチオン交換樹脂またはカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂の混合物であることを特徴とする請求項1もしくは3のいずれか1項に記載の溶存水素飲料水製造装置。
【請求項5】
前記電解槽のカソード室において、隔膜とカソード極の間に充填するイオン交換樹脂がフッ素系カチオン交換樹脂であることを特徴とする請求項1もしくは3のいずれか1項に記載の溶存水素飲料水製造装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載された溶存水素飲料水製造装置のカソード室に50μS/cm以下の電導度の高純度水を供給して、0.1A/cm以上の電流密度で電解し、カソード室から溶存水素飲料水を取り出すことを特徴とする溶存水素飲料水の製造方法。
【請求項7】
請求項2に記載の溶存水素飲料水製造装置の中間室に有機酸水溶液を流通して電解することによりカソード電解水のpHを中性から酸性に維持することを可能にした溶存水素飲料水の製造方法。
【請求項8】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載された電解槽に高純度水を供給するために、電解槽の上流側に糸巻きフィルターからなるプレフィルター、精密フィルターまたは活性炭フィルターあるいはこれらを組み合わせたフィルターシステムを設けたことを特徴とする溶存水素飲料水製造装置。
【請求項9】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載された電解槽に高純度水を供給するために、電解槽の上流側にイオン交換樹脂塔及び/又は逆浸透膜フィルターを設けたことを特徴とする溶存水素飲料水製造装置。
【請求項10】
イオン交換樹脂塔又は逆浸透膜フィルターへの負荷を低減させるために、イオン交換樹脂塔又は逆浸透膜フィルターの前段に糸巻きフィルターからなるプレフィルター、精密フィルターまたは活性炭フィルターあるいはこれらを組み合わせたフィルターシステムを組み込んだことを特徴とする請求項9に記載の溶存水素飲料水製造装置。
【請求項11】
請求項1ないし5、請求項9又は請求項10のいずれか1項に記載された溶存水素飲料水製造装置に生成水用タンク及び循環ポンプを組み込んだ循環ラインを設け、カソード室で生成した水を循環して電解し、溶存水素分子濃度をpH2.5から8.5の範囲で0.1ppm以上に高めた溶存水素飲料水製造装置。
【請求項12】
請求項9ないし請求項11のいずれか1項に記載された溶存水素飲料水製造装置において高純度水の溶存空気の濃度を低減させるために電解槽の前段に脱気手段を設けた溶存水素飲料水製造装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2010−94622(P2010−94622A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−268671(P2008−268671)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【出願人】(504000052)有限会社スプリング (8)
【Fターム(参考)】