説明

滑り層材料および多層材料

【課題】 PTFEの上述の長所を有する材料を、鉛または鉛化合物に使用することなく、より高い負荷を掛けることができる程に改良する滑り層材料の提供。
【解決手段】 マトリックスとしてPTFEまたはPTFEと他の弗素系熱可塑性樹脂との組合せを含有する滑り層材料は、PTFEまたはPTFEと他の弗素系熱可塑性樹脂との混合物を基準として10〜50容量%である少なくとも1種類の粉末状ポリアラミドを含有する。かゝる滑り層材料よりなる滑り層を有する多層材料にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マトリックスとしてPTFEまたはPTFEと260℃以上の融点の他の弗素系熱可塑性樹脂との組合せを含有する滑り層材料、特に軸筒に関する。本発明は更に請求項2の上位概念に従う滑り層材料、その用途、およびこの滑り層材料が使用される多層材料にも関する。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂をベースとする滑り層を持つ軸受材料は1−、2−または3−層多層材料として公知である。即ち、完全合成樹脂軸受、外側の金属製支持体およびその上に直接的に適用されたまたは接合された合成樹脂を持つ軸受、内部に金属製編製物を持つもの並びに金属製支持体、焼結した多孔質金属層およびその上およびその孔中に形成された被覆層より成る軸受が公知である。これらのすべての軸受は殆ど、潤滑物質の使用が不可能であるかまたは望ましくない分野で使用されている。それ故にそれらは運転状態でさえこれらの潤滑物質を自由に使用できる必要がある。
【0003】
多層材料は完全合成樹脂物質と、例えば負荷のもとで冷間流動する傾向が無視できる程度であること、非常に良好な熱伝導性であることおよびこれに関連して、あり得る明らかに高いpv−値を伴う点で相違している。しかしながら完全合成樹脂物質も特定の場合に、例えば費用の点で有利であり得る。
【0004】
三層材料の中には弗素系熱可塑性樹脂、例えばPTFE、FEP等または他の合成樹脂、例えばPEEKをベースとする滑り層と区別できる。最後に挙げたこれらの両方の群はその機能において相違していなければならない。PTFE−ベース材料の場合にブロンズ−中間層が滑り層の“活性”成分でありそしてフィラーと同様に作用するが、他の合成樹脂物質はこれをアンカーとしてしか利用していない。これらの合成樹脂材料は金属製裏当て材(Metallruecken) に対して十分に高い親和性を持って真の二層材料の製造をも可能とし、その際にこのものを接着層によって設けてもよい。ここでは活性の滑り面自体の上で熱硬化性−または熱可塑性樹脂がブロンズの役割を果たす。
【0005】
更に金属に接合され充填された弗素系熱可塑性樹脂シートより成る軸受材料または合成樹脂中に組み入れられており同様に金属裏当て材に接合されていてもよいしまたは側部の金属裏当て材がなくとも使用できる金属製編製物を有するものは公知である。
【0006】
良好な能力および高い耐熱性を示す弗素系熱可塑性樹脂、例えばPTFEをベースとする三層材料は一般的に使用できかつ容易に製造できると見なされている。製造工程で合成樹脂分散物によって均一なPTFE/フィラー−ペーストを製造しそして支持体材料の上にロール掛けした後にPTFEを十分に焼結することによって最終的多層材料が製造される。
【0007】
かゝる材料のために最も慣用されるフィラーの一部は鉛、および潤滑剤の存在下でも使用できる同様な能力の材料を生じる二硫化モリブデンである。
【0008】
PTFE滑り層を持つ手入れ不要のスペース節約型滑り軸受を使用して構造的な問題を解決する努力をした場合には、それの負荷上限を確実に注意しなければならない。何故ならば鉛またはMoSを単独で含む上記の材料の場合にはその軸受けは平均的な負荷範囲および速度範囲(0.5〜100MPaおよび0.02〜2m/秒)において2MPa m/秒より小さいpv−値にある。
【0009】
特許文献1および特許文献2から、フィラーとしてPbOを使用することによって高性能物質も製造できるが、鉛の様な衛生上問題のある物質を使用することはますます認められなくなってきている。食品加工工業においてはいずれにしてもそれらは排除されている。
【0010】
PTFEをベースとする自己潤滑性軸受材料においてフィラーとしてポリ−(p−フェニレンテレフタルアミド)を使用できることは確かにしばしば開示されているが、しかしながら例外なしに例えば特許文献3における様に繊維の状態である。
【0011】
特許文献4には、PTFEマトリックス中に組み入れられる特に小繊維状の種類の繊維が記載されている。この繊維の状態はPTFEマトリックス中に均一に混入する場合に問題があり、加工時に適当な特別な装置を必要とする。かゝる繊維は更に、肺に入る様な成分を含有しており発癌作用がある恐れがあるという欠点を有する。
【0012】
この繊維はマトリックス中に不均一な編成物として埋め込まれ、そしてそうしなければ柔らかいPTFEマトリックスの破壊および腐蝕を和らげる。
【0013】
繊維状態の中性の要素としておよび他の繊維と交換可能でそしてそれ故に、特定の性質を得るため明らかに必ずしも必要とされない要素としてアラミド繊維が、例えば特許文献5または特許文献6における様に再三再四姿を表している。
【0014】
かゝる繊維の性能および該繊維を使用する本質的根拠は、繊維の長手方向への特に高い分子配向並びにそれぞれ個々の硬直な紐状分子の物理的に強い並行結合(Parallelverknuepfung)関係に基づく並外れた機械的特性、即ち非常に高い抗張力およびE−モジュールにある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】ドイツ特許出願公開(A1)第4106001号明細書
【特許文献2】ドイツ特許出願公開(A1)第19506684号明細書
【特許文献3】英国特許(A)第2291879号明細書
【特許文献4】国際公開第95/02772号
【特許文献5】国際公開第97/03299号
【特許文献6】英国特許(A)第2177099号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の課題は、製造工程を変更することなく、かつ油の存在下に摩擦値に悪影響を及ぼすことなく高い耐摩耗性および耐剥離性を有する多層材料を提供することである。
【0017】
本発明の課題は、PTFEの上述の長所を有する材料を、鉛または鉛化合物に手をつけることなしに、より高い負荷を掛けることができる程に改良する滑り層材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この課題は、本発明の第一の態様によれば、滑り層が少なくとも1種類の粉末状ポリアラミドを含有していることおよびその割合がPTFEまたはPTFEと他の弗素系熱可塑性樹脂との混合物およびポリアラミドの合計量を基準として10〜50容量%である、滑り層材料によって解決される。
【0019】
本発明の第二の態様によれば、この滑り層材料が上述と別の合成樹脂よりなるマトリックス材料中に混入され、その際にマトリックス材料の割合が全滑り層材料の合計量を基準として60〜95容量%である。マトリックス材料はPPS、PA、PVDF、PSU、PES、PEI、PEEKおよび/またはPIでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は対照物質と比較する例2および7の限界荷重グラフでありそして
【図2】図2は例13および14の摩耗深さグラフである。
【0021】
驚くべきことに、材料の耐摩耗性および負荷安定性をPTFEをベースとする固体滑剤組成物を含む滑り層にて著しく向上するのに、ポリアラミド粉末、好ましくはポリ−(p−フェニレンテレフタルアミド)(PPTA)および/またはポリ−(p−ベンズアミド)(PBA)の粉末を添加するのが適していることが判った。
【0022】
性能は、滑剤不含の条件のもとで4MPa m/秒以上のpv−値を平均的な負荷−および−速度範囲において達成できる程に改善できた。
【0023】
性質、例えば中間成分系PTFE/PPTAの性質の研究で、有利な性質を達成するために混合物が10〜50容量%のPPTAおよび50〜90容量%のPPTFEを含有していなければならないことが判った。混合物が10〜30容量%のPPTAを含有している場合に特に有利な性質が達成される。他のポリアラミドについてもこれらの性質を確認できた。
【0024】
使用する粉末の粒度は<100μmであるべきであり、<50μmであるの有利である。
【0025】
本発明の割合以外では従来技術に対する本質的な改善は達成されない。しかしながらポリアラミド成分の範囲内では別の適当な成分を使用してもよい。その際にPTFEまたはPTFEと他の弗素系熱可塑性樹脂との混合物、ポリアラミドおよび他の成分の合計量を基準としてポリアラミドの割合は10容量%を下回らないことが有利である。これらの他の成分には例えば熱硬化性樹脂または高温熱可塑性樹脂、例えばポリイミドまたは−アミドイミド、他の固体滑剤、例えばチッ化硼素または二硫化モリブデン、顔料、例えばコークスまたは酸化鉄、繊維、例えばグラファイト−またはアラミド繊維、または硬質物質、例えば炭化硼素またはチッ化珪素がある。
【0026】
PTFEと組合わせて使用できる弗素系熱可塑性樹脂としてはPFA、FEPおよび/またはEPEが適している。その割合は最高でもPTFEと同じであるべきである。
【0027】
PTFEを有していない合成樹脂よりなるマトリックス材料と一緒に、PTFEまたはPTFEと他の弗素系熱可塑性樹脂が混入されている滑り層材料を有利に使用するのが中実合成樹脂滑り要素としてのそのものである。
【0028】
多層材料は少なくとも1つの支持体層および本発明の滑り層を有している。 支持体層は、多孔質の焼結層を上に適用されている金属製裏当て材であってもよい。滑り層材料は焼結層を覆いそして多孔質の孔の少なくとも一部を充填している。
【0029】
PTFE−マトリックス材料を有する本発明の滑り層のある三層材料は、例えば支持体金属、例えば鋼鉄または銅−またはアルミニウム合金の上に0.05〜0.5mmの厚さの層のブロンズが、20〜45%の空隙容積を有する様に焼結されておりそしてブロンズ自体の組成が5〜15%の錫および場合によっては15%までの鉛を含有する様に構成されている。次いで合成樹脂混合物を、多孔質の孔が完全に充填されそして用途次第で0〜50μmの厚さの上塗り層が生じる様に多孔質の下地にロール掛けによって適用する。次いでこの物質を熱処理に付し、その際に含まれるPTFEが焼結され、最終的なロール掛け段階で目的の多層体を必要な最終寸法で製造される。
【0030】
他の実施態様によれば支持体層は金属製編製物または−格子状物よりなり、これらは滑り層材料で覆われている。編製物または格子状物の間隙の少なくとも一部分には滑り層材料が充填されている。
【0031】
別の実施形態によればPTFEを含まない合成樹脂よりなるマトリックス材料を有しかつPTFEまたはPTFEと他の弗素化熱可塑性樹脂との組合せが添加されている滑り層材料は支持体層に直接的に載せることができる。
【0032】
本発明の例示的実施形態を次の通り図面および表によって詳細に説明する。
【0033】
図1は対照物質と比較する例2および7の限界荷重グラフでありそして
図2は例13および14の摩耗深さグラフである。
【0034】
合成樹脂混合物の製造は、後で生じる凝集の際にフィラーが均一な分布状態 となる様にフィラーを混入したPTFE−分散物によって行なう。この場合に、後の塗布工程に必要な性質を有するペースト状物質が生じる。
【実施例】
【0035】
PTFEマトリックス材料を含有する合成樹脂混合物の製造:
10Lの水、25gのラウリル硫酸ナトリウム、組成に相応する量のPPTA粉末、他の成分および34kgの35%濃度PTFE分散物を20分、強力に攪拌する。その後に1kgの20%濃度硝酸アルミニウム溶液を添加する。凝集を行なった後に1Lのトルエンをこの混合物中に攪拌混入しそして溢れでる液体を除く。
【0036】
PTFEマトリックス滑り層を持つ三層系の群の上記のすべての例はこの様にして製造できる。それ故に以下において合成樹脂混合物の組成だけを記載する。
【0037】
滑り層材料は本発明の組成物においては、PTFE/MoSまたはPTFE/Pbをベースとする標準的材料よりも摩擦値並びに耐摩耗性に関して明らかに優れている。
【0038】
PTFEおよびPPTAより成る組成を変更しそして1.25mmの鋼鉄、0.23mmのブロンズおよび0.02mmの合成樹脂上塗り層よりなる三層材料の試料を製造する。これらの試料についてピン/ロール(Stift/Warze) −摩擦測定器によって0.78cmの試料にて0.52m/秒の初期速度および17.5MPaの負荷下に摩耗率を測定し、標準的材料と比較する。80容量%のPTFEおよび20容量%のPbよりなる合成樹脂滑り層を有する多層材料を標準物として使用する。
【0039】
本発明に従って達成できる改善を実証するために、表1にピン/ロール−摩擦測定器からの摩擦値および摩耗率と一緒に記載した材料組成を試験する。図2に結果をPPTAを使用しまたは使用せずにグラフで比較し、PPTAを含有する材料がいずれの場合にもより良好に切断されることを実証している。
【0040】
例示組成7〜11の表2で比較した結果から、本発明の滑り層材料がプラスの性質を失うことなく他の成分と組み合わせることができることが判る。この添加物によって別の改善が可能である。
【0041】
更にポリ−(p−ベンズアミド)の効力を試験した。ピン/ロール試験台による相応する結果を表3に掲載する。本発明の効果を生じさせるためにPPTAに構造的に類似する他の物質も適していることが明らかになる。
【0042】
例示組成No.2、7および14から直径22mmの円筒状物を製造し、回転する試験装置中で可能な限界荷重を測定する。限界荷重としては、0.075m/秒の速度のもとで13.5kmの走行距離(Laufstrecke)が達成される出来るだけ高い荷重を意味する。破壊の判断基準は温度の著しい上昇である。
【0043】
例2および7の結果は他の評価では4あるいは4.5MPaのpv−値に相当しそして図1に対照物質と比較して示してある。
【0044】
図2は例No.14と同じ試験条件の場合に熱可塑性樹脂マトリックスを有する試験体をポリアラミド粉末を含まない匹敵する組成物(例No.13)と比較して示している。50時間後の摩耗を60MPaの荷重のもとで評価する。この場合にも本発明の添加物のプラスの影響を認めることができる。
【0045】
本発明の組成物を、金属製裏当て材の上に設けられる多孔質焼結骨格中の代わりに、金属製編製物または−格子状物中に入れ込むことができ、これによって薄い肉厚のフィルム状材料が得られる。
【0046】
潤滑剤なしで使用する他に、液圧系、例えばダンパー中の棒状の案内円筒状物として用いることも可能である。ここではPTFE/Pb−滑り層を持つ標準物質と比較して改善された摩耗値が確認できる。これを摩擦値との関係で表4に示す。この表は80mm(ストローク)および0.5Hzのランプ作用に基づく30時間の試験プログラムに基づいている。摩擦値はダンパー用ピストンロッドに対して1000Nで20mm/秒にて液滴潤滑下に測定する。
【0047】
本発明を有利に実施する他の可能な方法は,PTFEを含有する本発明の混合物を熱可塑性樹脂マトリックス中に混入し、次いでことを任意の方法で、例えばブロンズ中間層を持つまたは持たない金属製裏当て材に載せるかまたは完全合成樹脂部材を製造して滑り要素に加工することよりなる。この場合、熱可塑性樹脂の割合は60〜95容量%、好ましくは70〜90容量%内で変更できる。
【0048】
この場合、例を挙げれば本発明のPTFE/PPTA−混合物がフィラーとして混入された組成物を粉末として混合し、鋼鉄/ブロンズ−下地の上に散布し、溶融しそしてロール掛けする。しかし、混合物を溶融コンパウンド化によって製造してもよい。ここでは例えばPPS−コンパウンドの摩擦特性への影響を利用するが、有利な他の熱可塑性樹脂、例えばPES、PA、PVDF、PSU、PEEK,PEI等または熱硬化性樹脂をマトリックスとして使用することもできる。表5は本発明による効果を実証するためにPTFEおよびPTFE/PPTAを含有するPPS−コンパウンドの摩擦−および摩耗値を示している。これらの値は軸受円筒状物のために上述した他の試験条件で測定されている。正確な組成および測定値は同様に表5に示す。
【0049】
表1
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例 組成(容量%) 摩耗[μm/時] 摩擦値
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0(対照) PTFE 80 Pb 20 105 0.21
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2 PTFE 70 PPTA 30 13 0.17
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3 PTFE 75 PPTA 25 25 0.16
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4 PTFE 80 PPTA 20 25 0.18
────────────────────────────────────
5 PTFE 85 PPTA 15 38 0.20
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表2
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例 組成(容量%) 摩耗[μm/時] 摩擦値
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2(比較) PTFE 70 PPTA 30 13 0.17
────────────────────────────────────
6 PTFE 70 PPTA 20 MoS2 10 12 0.16
────────────────────────────────────
7 PTFE 70 PPTA 20 MoS2 5 BN 5 10 0.18
────────────────────────────────────
8 PTFE 70 PPTA 25 Fe2O3 5 19 0.18
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9 PTFE 70 PPTA 25 Si3N4 5 25 0.16
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10 PTFE 70 PPTA 25 炭素繊維 5 50 0.21
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11 PTFE 70 PPTA 25 PI 5 8 0.19
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表3
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例 組成(容量%) 摩耗[μm/時] 摩擦値
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2(比較) PTFE 70 PPTA 30 13 0.17
────────────────────────────────────
12 PTFE 70 PBA 30 16 0.19
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表4
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例 組成(容量%) 摩耗[μm/時] 摩擦値
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0(対照) PTFE 80 Pb 20 45 0.023
────────────────────────────────────
2 PTFE 70 PPTA 30 15 0.028
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7 PTFE 70 PPTA 20 MoS201 BN5 12 0.021
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表5
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例 組成(容量%) 摩耗[μm/時] 摩擦値
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13 PPS 80 PTFE 20 17 0.20
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14 PPS 80 PTFE 15 PPTA 5 10 0.17
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15 PPS 80 PTFE 15 PBA 5 12 0.17
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16 PA 11 80 PTFE 20 17 0.16
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17 PA 11 80 PTFE 15 PPTA 5 7 0.16
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
マトリックス材料としてPTFEまたはPTFEと260℃以上の融点の他の弗素系熱可塑性樹脂との組合せを含有する滑り層材料、特に軸筒において、その割合がPTFEまたはPTFEと他の弗素系熱可塑性樹脂との混合物およびポリアラミドの合計量を基準として10〜50容量%である少なくとも1種類の粉末状ポリアラミドを含有していることを特徴とする、上記滑り層材料。
【請求項2】
PTFEが混入されたPVDF、PSU、PES、PEIおよび/またはPEEKよりなるマトリックス材料を有する滑り層材料、特に軸筒において、その割合がPTFEおよびポリアラミドの合計量を基準として10〜50容量%である少なくとも1種類の粉末状ポリアラミドを含有していることおよびマトリックス材料の割合が滑り層材料全体を基準として60〜95容量%であることを特徴とする、上記滑り層材料。
【請求項3】
ポリアラミドの割合がPTFEまたはPTFEと他の弗素系熱可塑性樹脂との混合物およびポリアラミドの合計量を基準として20〜50容量%である請求項1または2のいずれか一つに記載の滑り層材料。
【請求項4】
ポリアラミドの割合がPTFEまたはPTFEと他の弗素系熱可塑性樹脂との混合物およびポリアラミドの合計量を基準として10〜30容量%である請求項1または2のいずれか一つに記載の滑り層材料。
【請求項5】
ポリアラミドがポリ−(p−フェニレンテレフタルアミド)および/またはポリ−(p−ベンズアミド)である請求項1〜4のいずれか一つに記載の滑り層材料。
【請求項6】
ポリアラミド粉末の粒度が<100μmである請求項1〜5の何れか一つに記載の滑り層材料。
【請求項7】
ポリアラミド粉末の粒度が<50μmである請求項1〜6の何れか一つに記載の滑り層材料。
【請求項8】
弗素系熱可塑性樹脂がPFA、FEPおよび/またはEPEでありそしてその割合が最高でPTFEのそれと同じである請求項1〜5のいずれか一つに記載の滑り層材料。
【請求項9】
ポリアラミドの一部が他の成分に交換されており、PTFEまたはPTFEと他の弗素系熱可塑性樹脂との混合物、ポリアラミドおよび他の成分の合計量を基準としてポリアラミドの割合が10容量%を下回らない請求項1〜8のいずれか一つに記載の滑り層材料。
【請求項10】
他の成分が硬質物質、顔料、繊維材料、固体潤滑剤、熱硬化性−または高温熱可塑性樹脂より成る群の1種類以上である請求項9に記載の滑り層材料。
【請求項11】
少なくとも1種類の支持体層および請求項1〜10のいずれか一つに記載の滑り層材料よりなる多層材料。
【請求項12】
支持体が金属製裏当て材であり、金属製裏当て材の上に多孔質焼結層が設けられており、滑り層材料が焼結層を覆いそして焼結層の少なくとも1部の孔を充填している請求項11に記載の多層材料。
【請求項13】
支持体層が金属製編製物または−格子状物よりなりそして滑り層材料が金属製編製物または−格子状物を覆いそして金属製編製物または−格子状物の少なくとも一部の間隙を充填している請求項11に記載の多層材料。
【請求項14】
支持体層および請求項2〜10のいずれか一つに記載の滑り層材料よりなる滑り層を有する多層材料において、滑り層材料が支持体層の上に直接的に載せられている、上記多層材料。
【請求項15】
請求項2〜10のいずれか一つに記載の滑り層材料の中実合成樹脂滑り要素としての使用。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−47771(P2010−47771A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−267277(P2009−267277)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【分割の表示】特願平11−51177の分割
【原出願日】平成11年2月26日(1999.2.26)
【出願人】(501014452)フエデラル―モーグル・ウイースバーデン・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング (21)
【Fターム(参考)】