説明

漏液検出装置

【課題】漏液が発生した場所が暗所のような場所などの場合でも実際の漏液箇所を迅速に特定することが可能な漏液検出装置を提供する。
【解決手段】検知ケーブル200に沿って複数の発光部D1〜Dnを所定の間隔で配線する。漏液が発生した場合には、漏液検出装置100は、電圧センサの電圧値に基づいて漏液位置を算出し、算出された漏液位置に対応する発光部Dを発光させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、漏液の発生や漏液の位置を通知する漏液検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
漏液による損害を未然に防ぐ必要があるコンピュータルームや物品貯蔵庫などの場所には、漏液を検出する漏液検出システムが設置されることがある。
【0003】
特許文献1には、漏液検出箇所に配置される漏液センサと、漏液センサの出力から漏液を検出する漏液検出器とを備えた漏液検出システムが開示されている。
【0004】
特許文献1に開示された漏液検出システムにおいて、漏液センサは、絶縁被膜内に2本の導体を一定の間隔を保って収納する。絶縁被膜は、両導体それぞれの側縁で部分的に欠如しており、欠如部分から両導体が部分的に外部に露出され、それぞれの導体の露出部分が漏液検出電極となる。漏液検出器は、この電極間に交流信号を印加すると、漏液が発生した場合に電極間が漏液を介して短絡し、閉回路状態となるため、印加された交流信号に応じた検出信号を検出することができ、漏液の発生を検知することができる。
【0005】
また、特許文献2には、一対の導体から成る電極線を有する検知線と、定電流電源と、電圧測定手段と、判定手段とを備え、漏液検知時に検知線の一端において電極線間に定電流電源を接続し、電圧測定手段を検知線の低圧側電極線の近端−遠端間に接続して、電圧測定手段により測定される電圧値から判定手段が漏液位置を算定する漏液検出装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−131176号公報
【特許文献2】特開平7−113719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、漏液の発生や漏液の位置を通知する漏液検出装置が知られている。
【0008】
しかしながら、漏液検出装置によって漏液が検知される箇所は、床下や天井裏など比較的に暗い場所が多い。また、漏液した液体が無色透明の場合も多い。そのため、たとえ漏液検出装置により漏液の位置を通知されたとしても、現場において実際の漏液箇所を迅速に特定することが困難な場合がある。
【0009】
本発明は、漏液が発生した場所が暗所のような場所などの場合でも実際の漏液箇所を迅速に特定することが可能な漏液検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る漏液検出装置は、抵抗線と、前記抵抗線と絶縁して配置され、漏液により前記抵抗線と短絡する検知線と、前記検知線との漏液による短絡時における前記抵抗線の漏液位置を算出する漏液位置算出部と、前記抵抗線に沿って配置される複数の発光部と、それぞれの前記発光部に対応する漏液位置の範囲を定めた発光位置情報を記憶する記憶部と、前記発光位置情報を参照して前記漏液位置算出部により算出された漏液位置に対応する前記発光部を特定し、特定された発光部を発光させる発光制御部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る漏液検出装置によれば、抵抗線に沿って配置される複数の発光部を設けて、漏液が発生した際に漏液位置に対応する発光部が発光されるので、たとえ漏液が発生した場所が暗所のような場所などで実際の漏液箇所を肉眼で特定することが容易ではない場合でも、実際の漏液箇所を迅速に特定することができる。
【0012】
本発明に係る漏液検出装置は、それぞれ所定の漏液検知領域内の漏液を検知する複数の漏液検知センサと、前記各漏液検知センサの各漏液検知領域内或いは各漏液検知領域に沿って設けられる複数の発光部と、それぞれの漏液検知センサに対応する発光部の識別情報が示される発光位置情報を記憶する発光位置情報記憶部と、いずれかの前記漏液検知センサにより漏液が検知されたことに対応して、漏液を検知した漏液検知センサに対応する発光部を前記発光位置情報を参照することで特定し、特定された発光部を発光させる発光制御部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る漏液検出装置によれば、いずれかの漏液検知センサにより漏液が検知されたことに対応して、漏液を検知した漏液検知センサに対応する発光部が発光されるので、たとえ漏液が発生した場所が暗所のような場所などで実際の漏液箇所を肉眼で特定することが容易ではない場合でも、実際の漏液箇所を迅速に特定することができる。
【0014】
本発明に係る漏液検出装置の一つの態様では、前記漏液検知センサは、互いに絶縁状態で配線された一対の電極を有し、当該一対の電極間が漏液に短絡したことにより漏液を検知するセンサであって、前記発光部は、前記一対の電極により形成される漏液検知可能な漏液検知領域内に設置されることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る漏液検出装置の一つの態様によれば、漏液箇所に対応する漏液検知領域内で発光部が発光するので、たとえ漏液が発生した場所が暗所のような場所などで実際の漏液箇所を肉眼で特定することが容易ではない場合でも、実際の漏液箇所に対応する漏液領域を迅速に特定することができる。
【0016】
本発明に係る漏液検出装置の一つの態様では、前記漏液検知センサは、互いに絶縁状態で配線された一対の電極を有し、当該一対の電極間が漏液に短絡したことにより漏液を検知するセンサであって、前記発光部は、前記一対の電極により形成される漏液検知可能な漏液検知領域を囲むように複数個ずつ設置されることを特徴とする。
【0017】
本発明に係る漏液検出装置の一つの態様によれば、漏液箇所に対応する漏液検知領域に沿って設けられた複数の発光部が発光するので、たとえ漏液が発生した場所が暗所のような場所などで実際の漏液箇所を肉眼で特定することが容易ではない場合でも、実際の漏液箇所に対応する漏液領域の範囲を迅速に特定することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、漏液が発生したことに対応して漏液位置に対応する発光部を発光させることにより、たとえ漏液が発生した場所が暗所のような場所などで実際の漏液箇所を肉眼で特定することが容易ではない場合でも、実際の漏液箇所を迅速に特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態に係る漏液検出装置の全体構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係る漏液検出装置の回路構成を示す図である。
【図3】本実施形態に係る漏液検出装置が備える制御部の機能ブロックを示す図である。
【図4】本実施形態に係る発光位置情報記憶部に記憶される発光位置情報の一例を示す図である。
【図5】抵抗線と検知線とが、短絡点において漏液により短絡した場合の回路状態を示す図である。
【図6】本実施形態に係る漏液検出装置が漏液を算出した際の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本変形例に係る漏液検出装置の全体構成を示す図である。
【図8】漏液センサの回路構成を示す図である。
【図9】本変形例に係る漏液検出装置が備える制御部の機能ブロックを示す図である。
【図10】本変形例に係る発光位置情報記憶部に記憶される発光位置情報の一例を示す図である。
【図11】本変形例に係る漏液検出装置が漏液を算出した際の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】漏液センサの別態様の回路構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と称す)について、以下、図面を用いて説明する。
【0021】
図1は、本実施形態に係る漏液検出装置の全体構成を示す図である。
【0022】
図1に示すように、漏液検出装置100には、漏液を検知する検知ケーブル200が接続されている。検知ケーブル200の近傍で漏液が発生した場合、漏液検出装置100は、漏液位置を算出し、検知ケーブル200上のどの位置で漏液が発生しているかを例えば内蔵のディスプレイ等に表示して、ユーザに通知する。さらに、本実施形態では、検知ケーブル200に沿って、発光ダイオード等の発光部D1〜Dn(以下、総称する場合には「発光部D」と称す)が所定間隔で配線されている。このように構成された漏液検出装置100は、漏液が発生した際に、ユーザに漏液位置をディスプレイ等に表示するとともに、実際に漏液が発生した箇所に対応する発光部Dを発光させることで、漏液の発生及び漏液発生箇所をユーザに知らせる。
【0023】
図2は、本実施形態に係る漏液検出装置100の回路構成を示す図である。
【0024】
図2において、電源部20には、信号線Lの一端が接続され、電圧値Voで電流値Ioの漏液検知用電流を信号線Lを介して出力する。信号線Lには、抵抗値Rzの抵抗線30、スイッチ12、抵抗値R1の抵抗32が直列に接続されている。より具体的には、信号線Lの他端に、抵抗線30の一端が接続され、抵抗線30の他端に、スイッチ12の一端が接続され、スイッチ12の他端に抵抗32の一端が接続され、抵抗32の他端が接地されている。
【0025】
さらに、抵抗線30とスイッチ12との間の接点Paには、検知線Laの一端が接続され、検知線Laの他端は、電圧センサ14を介して接地される。言い換えれば、電圧センサ14は、直列に接続されたスイッチ12及び抵抗32と、検知線Laを介して並列に接続され、接点Paの電圧値Vaを検出する。
【0026】
また、検知線Lbは、漏液が発生していない場合には抵抗線30と絶縁状態にあり、検知線Lbの一端は、開放され、他端は電圧センサ16を介して接地される。電圧センサ16は、抵抗線30と検知線Lbとが漏液により短絡した場合、抵抗線30上の短絡点における電圧値Vbを検出する。
【0027】
加えて、抵抗線30の近傍には、抵抗線30に沿って発光ダイオード、液晶ディスプレイ等の所定箇所を発光させることが可能な発光部Dが所定の間隔を経て、配線されている。
【0028】
なお、上記の信号線L、抵抗線30、検知線La、検知線Lbは、図1に示す検知ケーブル200に組み込まれている。また、発光部Dを発光させるための信号(電流)を伝達するための導線d1〜dnも検知ケーブル200に組み込んでもよい。
【0029】
制御部10は、マイクロコンピュータなどにより構成され、スイッチ12のオンオフを制御すると共に、電圧センサ14,16を介して取得した電圧値Va,Vbに基づいて漏液位置の算出を行う。また、制御部10は、算出した漏液位置に対応する発光部を特定し、特定された発光部の発光を行う。
【0030】
本実施形態では、抵抗線30に沿って複数の発光部Dを所定の間隔で配線し、漏液が発生した場合には、その漏液位置に対応する発光部Dを発光させることで、たとえ漏液箇所が暗室等である場合や、漏液液体が無色透明等の場合で、肉眼での特定が容易でない場合でも、実際の漏液箇所を迅速に特定できるようにする。
【0031】
図3は、制御部10の機能ブロックを示す図である。
【0032】
図3において、制御部10は、CPU110、ROM112、RAM114、記憶装置120、及び入出力インタフェース150を備え、CPU110、ROM112、RAM114、記憶装置120、及び入出力インタフェース150は、通信バス160を介して接続される。
【0033】
CPU110は、ROM112に記憶されたBIOSプログラムなどの基本的な制御プログラムをRAM114に展開して、さらに記憶装置120に記憶された漏液の位置を検出すると共に、漏液位置に応じた発光部Dを発光させるためのプログラム130をRAM114に展開して、プログラム130を実行し、漏液の位置の算出及び発光部の発光を行う。
【0034】
本実施形態において、記憶装置120は、プログラム130として漏液位置算出部132と、発光制御部134とを記憶する。漏液位置算出部132は、入出力インタフェース150を介して取得した電圧値Va、Vbに基づいて漏液の位置を算出する。漏液位置の算出処理についての詳細は後述する。また、記憶装置120は、漏液位置と漏液位置に対応する発光対象の発光部との関係を示す発光位置情報記憶部140を記憶する。図4は、発光位置情報の一例を示す。図4に示すように、発光位置情報には、漏液位置を所定の間隔に区切り、各漏液位置に対応付けてそれぞれ一つずつ発光対象の発光部を一意に特定する識別情報が登録されている。
【0035】
図5は、抵抗線30と検知線Lbとが、短絡点Lb1において漏液により短絡した場合の回路状態を示す。
【0036】
ここで、図5を参照して、漏液が発生した場合に、漏液位置算出部132が漏液の位置(抵抗線30の他端(接点Pa)からの距離β)を算出する原理について説明する。なお、下記で説明する漏液位置の検出方法は一例に過ぎず、周知の他の漏液位置の検出方法を適用しても構わない。
【0037】
抵抗線30の抵抗値は、1メートル単位XΩ、接点Paから短絡点Lb1までの抵抗線30の抵抗値はRx、抵抗32の抵抗値はR1、抵抗Rxに流れる電流はIo、漏液抵抗の抵抗値はRsとする。
【0038】
漏液抵抗Rsに流れる電流は、抵抗R1に流れる電流に比べて非常に小さいため、電流Ioは、(1)式で求めることができる。
【0039】
Io=Va/R1 ・・・(1)
また、抵抗Rxは、(2)式で求めることができる。
【0040】
Rx=(Vb−Va)/Ia ・・・(2)
よって、一点目の漏液の位置に対応する距離βは、(1),(2)式に基づいて(3)式により求めることができる。
【0041】
β=Rx/X=R1(Vb−Va)/(X×Va) ・・・(3)
図6は、本実施形態に係る漏液検出装置が漏液を算出した際の処理手順を示すフローチャートを示す。
【0042】
図6において、漏液位置算出部132が、例えば電圧センサ16の電圧値が所定値以上変化した場合に、漏液が発生したと判断して、スイッチ12をオンして、漏液位置の算出を開始する(S100)。つまり、漏液位置算出部132は、電圧センサ14,16を介して電圧値Va,Vbを取得し、上記式(3)に取得したVa及びVbを代入することで、距離β、つまり漏液位置を算出する。続いて、発光制御部134は、発光位置情報記憶部140を参照して、算出された漏液位置に対応する発光対象の発光部を特定する(S102)。例えば、算出された漏液位置が、L2±αの範囲に含まれる場合には、発光制御部134は、発光対象の発光部は発光部D2であると特定する。さらに、発光制御部134は、例えば、特定された発光部に対応する出力インタフェースから電流を出力することで、特定された発光部を発光させる(S104)。
【0043】
以上、本実施形態によれば、抵抗線30に沿って複数の発光部Dを所定の間隔で配線し、漏液が発生した場合には、その漏液位置に対応する発光部Dを発光させることで、たとえ漏液箇所が暗室等の場合や漏液した液体が無色透明のような場合で肉眼による特定が容易でない場合でも、実際の漏液箇所を迅速に特定することができる。
【0044】
続いて、本実施形態の変形例について、以下図面を用いて説明する。
【0045】
本変形例は、一対の電極を所定間隔で配線し当該電極間が漏液により短絡した際に漏液が検出されるように構成した複数のセンサを漏液検出エリアに配設する点で、1本の検知ケーブル200を用いて漏液を検出する上記の実施形態とは異なる。
【0046】
図7は、本変形例に係る漏液検出装置101の全体構成を示す図である。また、図8は、漏液検出装置101が備える漏液センサ210の回路構成を示す図である。
【0047】
図7に示すように、本変形例に係る漏液検出装置101は、複数の漏液センサ210と、漏液センサ210ごとに設けられる発光ダイオード等の発光部Dとを備える。
【0048】
図8に示すように、漏液センサ210は、基板216の表面に、櫛形状の導電パターンより形成される一方の電極212と、同じく櫛形状の導電パターンより形成される一方の電極214とを、間隔を空けることで絶縁状態を保ちながら互い違いに噛み合わせて構成されている。このように配線された電極212,214間が漏液により短絡した際に漏液が検知される。つまり、漏液を検知可能な領域(漏液検知領域218)は、図8に示すように、一対の電極212,214が互いに漏液により短絡可能な領域の範囲である。さらに、本変形例では、漏液センサ210の漏液検知領域218の例えば中央部付近に発光部Dを配線する。
【0049】
漏液検出装置101は、一方の電極212に漏液検出信号を送出する。漏液が発生していない場合には、一方の電極212と他方の電極214とは絶縁状態であり、一方及び他方の電極212,214間は開ループになっている。したがって、漏液検出装置101は、漏液が発生していない場合には、他方の電極214からは漏液検出信号に基づく信号(以下、「漏液発生信号」と称す)を検知しない。
【0050】
一方、漏液が発生した場合には、一方の電極212と他方の電極214とが漏液で短絡状態となるため、一方の電極212に送出された漏液検出信号が漏液を介して他方の電極214に伝達される。つまり、一方及び他方の電極212,214間は閉ループになっている。したがって、漏液検出装置101は、漏液が発生した場合には、他方の電極214から漏液検出信号に基づく信号(以下、「漏液発生信号」と称す)を検知する。
【0051】
漏液検出装置101は、漏液が発生した場合には、漏液発生信号を検知した漏液センサ210を特定し、特定した漏液センサ210に対応する発光部Dを発光させる。
【0052】
図9は、漏液検出装置101が備える制御部10の機能ブロックを示す図である。本変形例では、漏液位置算出部132の代わりに漏液発生センサ特定部136を記憶部120に記憶する点、及び発光位置情報記憶部140が、漏液位置の代わりに漏液センサに対応づけて発光対象の発光部Dの識別情報を記憶する点で、上記実施形態に係る制御部10と異なる。
【0053】
漏液発生センサ特定部136は、入出力インタフェース150を介して漏液検出装置101に設けられた各漏液センサの各一方の電極212からそれぞれ漏液発生信号を送出する。さらに、漏液発生センサ特定部136は、各他方の電極214から入出力インタフェース150を介して漏液発生信号が入力されていないか否かを常時監視し、漏液検出信号の入力を検知した場合には、漏液検出信号を検知した入力ポート(不図示)の番号に基づいて漏液が発生したエリアに配置された漏液センサ210を特定する。さらに、漏液発生センサ特定部136は、特定した漏液センサ210の識別情報を発光制御部134に提供する。
【0054】
図10は、発光位置情報記憶部140に記憶される各漏液センサの各識別情報に対応づけて発光対象の各発光部Dの識別情報が登録された発光位置情報の一例を示す。発光制御部134は、漏液発生センサ特定部136から漏液が発生したエリアに配置された漏液センサ210の識別情報の提供を受けて、当該漏液センサ210の識別情報に対応する発光部Dの識別情報を、発光位置情報を参照することで特定し、特定した識別情報に対応する発光部Dに対応する出力インタフェースから電流を出力することで、特定された発光部Dを発光させる。
【0055】
図11は、本変形例に係る漏液検出装置が漏液を算出した際の処理手順を示すフローチャートを示す。
【0056】
図11において、漏液発生センサ特定部136が、各漏液センサ21の各他方の電極214から入出力インタフェース150を介して漏液発生信号が入力されていないか否かを常時監視し、漏液検出信号の入力を検知した場合には、漏液検出信号を検知した入力ポートの番号に基づいて漏液が発生したエリアに配置された漏液センサ210を特定する(S20)。次いで、発光制御部134が、漏液発生センサ特定部136から漏液が発生したエリアに配置された漏液センサ210の識別情報の提供を受けて、当該漏液センサ210の識別情報に対応する発光部Dの識別情報を、図10に示す発光位置情報を参照することで特定する(S202)。さらに、発光制御部134は、特定した識別情報に対応する発光部Dに対応する出力インタフェースから電流を出力することで、特定された発光部Dを発光させる(S204)。
【0057】
以上の通り、本変形例では、漏液検出装置101が、漏液が発生した場合には、漏液発生信号を検出した漏液センサ210を特定し、特定した漏液センサ210に対応する発光部Dを発光させることで、たとえ漏液箇所が暗室等である場合や、漏液液体が無色透明等の場合で、肉眼での特定が容易でない場合でも、実際の漏液箇所を迅速に特定できる。
【0058】
なお、上記の変形例では、各漏液センサ210の各漏液検知領域の略中心に発光部Dとしてそれぞれ一つずつ発光ダイオードを設ける例について説明した。しかし、各漏液センサ210にそれぞれ複数の発光ダイオード等の発光部Dを設けても構わない。
【0059】
図12は、漏液センサ210に複数の発光部Dを設ける場合の回路構成の一例を示す図である。図12では、一対の電極212,214で形成される漏液検知領域218を囲むように発光ダイオードDが直列接続され、配線されている。このように配線することで、漏液発生領域全体が発光するため、より迅速に実際の漏液箇所を特定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、漏液が発生したことに対応して漏液位置に対応する発光部を発光させることにより、たとえ漏液が暗所のような場所などで発生し、その漏液箇所を肉眼で特定することが容易でない場合でも、実際の漏液箇所を迅速に特定することができるので、漏液の発生や漏液の位置を通知する漏液検出装置等に適用することができる。
【符号の説明】
【0061】
10 制御部
12 スイッチ
14,16 電圧センサ
20 電源部
30 抵抗線
D 発光部
L 信号線
La,Lb 検知線
100,101 漏液検出装置
110 CPU
112 ROM
114 RAM
120 記憶装置
130 プログラム
132 漏液位置算出部
134 発光制御部
136 漏液発生センサ特定部
140 発光位置情報記憶部
150 入出力インタフェース
160 通信バス
200 検知ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抵抗線と、
前記抵抗線と絶縁して配置され、漏液により前記抵抗線と短絡する検知線と、
前記検知線との漏液による短絡時における前記抵抗線の漏液位置を算出する漏液位置算出部と、
前記抵抗線に沿って配置される複数の発光部と、
それぞれの前記発光部に対応する漏液位置の範囲を定めた発光位置情報を記憶する記憶部と、
前記発光位置情報を参照して前記漏液位置算出部により算出された漏液位置に対応する前記発光部を特定し、特定された発光部を発光させる発光制御部と、
を備えることを特徴とする漏液検出装置。
【請求項2】
それぞれ所定の漏液検知領域内の漏液を検知する複数の漏液検知センサと、
前記各漏液検知センサの各漏液検知領域内或いは各漏液検知領域に沿って設けられる複数の発光部と、
それぞれの漏液検知センサに対応する発光部の識別情報が示される発光位置情報を記憶する発光位置情報記憶部と、
いずれかの前記漏液検知センサにより漏液が検知されたことに対応して、漏液を検知した漏液検知センサに対応する発光部を前記発光位置情報を参照することで特定し、特定された発光部を発光させる発光制御部と、
を備えることを特徴とする漏液検出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の漏液検出装置において、
前記漏液検知センサは、互いに絶縁状態で配線された一対の電極を有し、当該一対の電極間が漏液に短絡したことにより漏液を検知するセンサであって、
前記発光部は、前記一対の電極により形成される漏液検知可能な漏液検知領域内に設置されることを特徴とする漏液検出装置。
【請求項4】
請求項2に記載の漏液検出装置において、
前記漏液検知センサは、互いに絶縁状態で配線された一対の電極を有し、当該一対の電極間が漏液に短絡したことにより漏液を検知するセンサであって、
前記発光部は、前記一対の電極により形成される漏液検知可能な漏液検知領域を囲むように複数個ずつ設置されることを特徴とする漏液検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−190574(P2010−190574A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−31984(P2009−31984)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】