説明

灰分量の少ない二峰ポリプロピレンの製造方法

改良された特性を有する、灰分量の少ないプロピレンのホモポリマーまたはコポリマーを製造する方法。「灰分」とはプロピレンのポリマーの製造で使用したアルミニウム、触媒、共触媒または任意の添加剤の残渣、例えばチタン(Ti)よび珪素(Si)の誘導体を意味する。本発明のプロピレンのポリマーはフィルム、例えばコンデンサフィルム、繊維および不織布、例えばステープルファイバ、スパンポンド不織布またはメルトブロー不織布の製造に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良された特性を有する、灰分量の少ないプロピレンのホモポリマーまたはコポリマーを製造する方法に関するものである。
「灰分」とはプロピレンのポリマーの製造で使用したアルミニウム、触媒、共触媒または任意の添加剤の残渣、例えばチタン(Ti)よび珪素(Si)の誘導体を意味する。
本発明のプロピレンのポリマーはフィルム、例えばコンデンサフィルム、繊維および不織布、例えばステープルファイバ、スパンポンド不織布またはメルトブロー不織布の製造に有用である。
【背景技術】
【0002】
プロピレンホモポリマーおよびコポリマーは下記(a)〜(c)の存在下で製造される:
(a) 活性な形でハロゲン化マグネシウム上に担持されたチタン-ハロゲン結合を有するチタン化合物と少なくとも一つの内部電子供与体とから成るチーグラー‐ナッタ触媒、
(b) 有機アルミニウム化合物、例えばアルキルアルミニウム化合物、
(c)外部電子供与体(ED)(任意成分)
【0003】
内部電子供与体としてはエーテル、ケトン、ラクトン、N、Pおよび/またはS原子を含む化合物、モノ−およびジカルボン酸のエステルから成る群の中から選択される化合物にすることができる。特に適した内部電子供与体はスクシナート、ジエーテル、例えば1,3-ジエーテル、フタル酸エステル、例えばジエチル、ジイソブチル、ジ-n-ブチル、ジオクチル、ジフェニルおよびベンジルブチル・フタレートである。
【0004】
重合後、上記のチーグラー‐ナッタ触媒、有機アルミニウム化合物および外部電子供与体(ED)(任意成分)は除去されず、ポリマー中に残る。従って、プロピレンのポリマーには触媒系の残渣、例えばアルミニウム(Al)、チタン(Ti)、マグネシウム(Mg)および塩素(Cl)を含む。これらの残渣の全体を「灰分(ash)」という。
【0005】
プロピレンポリマー中の灰分量が高レベルであると、それがプレートアウト(染み出)し、下流の加工装置、例えばフィルムやシートの押出成形ラインや、繊維や不織布の生産ラインを頻繁にクリーニングする必要がある。灰分を減らすにはプロピレンポリマーを洗浄する必要があるが、この洗浄には大きなエネルギーを必要とし、洗浄後にはポリマーを乾燥させる必要があるため、大きなコスト増になる。
【0006】
特許文献1(欧州特許第EP-A-O 449 302号公報)には灰分量が15ppm以下のポリプロピレンを製造する方法が開示されている。このポリプロピレンは例えばコンデンサフィルムに適している。この特許の方法では触媒はチーグラー‐ナッタ触媒であり、内部電子供与体は2-イソプロピル-2-イソアミル-1,3-ジメトキシプロパンまたは2-シクロヘキシル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパンであり、有機アルミニウム化合物はAl-トリイソブチルである。外部電子供与体はない。操作条件は以下の通りである:
(1)Al/Tiのモル比を30にし、
(2)平均滞在時間を6時間にし、
(3)重合を950リットルのループ反応装置中で液体プロピレン中で70℃で実施し、
(4)プロピレンを88.5kg/時で供給し、
(5)ポリプロピレンを46kg/時で生産し、
(6)1gの触媒当りのポリプロピレンの収率は150kgであり、これは25kg/g触媒/時に対応する。
【0007】
ポリプロピレン中のAl残渣は4.5〜4.8ppmである。この方法は収率および生産力が低いため商業的には使えない。
【0008】
極めてきれいなプロピレンのポリマーを必要とする用途、例えばコンデンサや誘電材料では、灰分量の少ないポリプロピレンが重要である。電気プレートコンデンサのキャパシタCは下記の式(1)で定義される:
C =ε・A・d-1、 (1)
(ここで、εは材料で決まる誘電率であり、Aは伝導性プレートの面積であり、dは伝導性プレート間の距離である)
【0009】
伝導性プレート間の距離dは原則として誘電材料の厚さに対応し、例えば印加電圧、要求されるコンデンサの寿命によって選ばれる。誘電材料、例えばポリプロピレンフィルムの欠陥を補償するために、式(1)で要求される厚さより厚いフィルムを用いるか、薄いフィルムを複数枚互いに重ねて使用する必要がある。
【0010】
コンデンサ製造メーカーはコンデンサの寸法およびコストを減らすために、伝導性プレート間の距離dを減らすことを強く求めている。換言すれば、コンデンサ製造メーカーは非常に薄いポリプロピレンのフィルムを求めている。コンデンサで使用する時の条件を満たし、しかも、加工性を有するようにするためには、ポリプロピレンフィルムは機械的特性が改善され且つ全灰分量を低くする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】欧州特許第EP-A-0449 302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、上記の要求を満たすプロピレン・ポリマーを提供することにある。
特に、本発明の目的は、機械的特性が改良され且つ灰分量が低いプロピレン・ポリマーを提供することにある。
本発明の他の目的は、加工性が改善されたプロピレン・ポリマーを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、機械的特性が改良され、灰分量が低く、しかも加工性が改良されたプロピレン・ポリマーを提供することにある。
本発明フィルムはコンデンサ・フィルムとして使用することができ、また、パッケージング用途で使用できる。本発明フィルムは繊維および不織布、衛生用品の用途でも使用できる。
本発明者は上記目的の少なくとも一つが達成できるプロピレンポリマーの重合プロセスを発見した。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、少なくとも2つの連続した重合反応装置で、プロピレンと任意成分の少なくとも一種のコモノマーとを下記(a)〜(d):
(a) 活性形のハロゲン化マグネシウムに担持された少なくとも1つのチタン−ハロゲン結合を有するチタン化合物および内部電子供与体を含むチーグラー‐ナッタ触媒、
(b)トリエチルアルミニウム、
(c) 任意成分の外部電子供与体(ED)、および
(d) 水素、
の存在下で重合させて、特性が改良され且つ灰分量の少ないプロピレンのポリマーを製造する方法であって、
内部電子供与体が少なくとも80重量%のジエーテルを含み、Al/Tiのモル比が最大で40であり、重合反応装置からプロピレンのポリマーを洗浄せずに粉末の形で回収し、必要に応じてペレットにし、
最も低いメルトフローインデックスを有するものに対する最も高いメルトフローインデックスを有するプロピレンのポリマー画分のメルトフローインデックス比が少なくとも10となるように、少なくとも2つの連続した重合反応装置で生じる各プロピレンのポリマー画分の平均分子量を異ならせる、
ことを特徴とする方法を提供する。
【0014】
本発明はさらに、上記方法で得られるプロピレンのポリマーを提供する。このプロピレンのポリマーの特徴は灰分量が少なく、分子量分布が幅広い点にある。このプロピレンポリマーはキシレン可溶分の含有量が低いのが好ましい。
【0015】
本発明はさらに、上記方法で得られるプロピレンポリマーのフィルム、繊維および不織布と、そのフィルム、繊維、不織布での使用とにある。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明で「灰分」という用語はアルミニウムと、プロピレンポリマーの製造で使用した触媒、共触媒または任意添加剤、例えばTiおよびSiの誘導体の残渣を意味する。
【0017】
理解を容易にするために、内部電子供与体としてジエーテル化合物を用いたチーグラー‐ナッタ触媒、内部電子供与体としてスクシナートを用いたチーグラー‐ナッタ触媒、内部ドナーとしてのフタレート化合物を用いたチーグラー‐ナッタ触媒をそれぞれ「ジエーテル触媒」、「スクシナート触媒」および「フタレート触媒」という用語で表すことにする。
【0018】
「プロピレンのポリマー」「プロピレンポリマー」および「ポリプロピレン」という用語は互いに同じ意味を表す。
【0019】
本発明のプロピレンポリマーはプロピレンホモポリマーまたはそれと一種または複数のコモノマーとのランダム共重合体を意味する。コモノマーはエチレンまたはC4-C2Oのα−オレフィン、例えば1−ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンにすることができる。
【0020】
本発明のランダム共重合体は少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも0.2重量%、より好ましくは少なくとも0.5重量%のコモノマーを含む。コモノマーは最大で2重量%である。ランダム共重合体はプロピレンとエチレンとのコポリマーであるのが好ましい。
【0021】
本発明のプロピレンポリマーはISO 1 133(条件L)に従って2.16kgの荷重下で230℃で測定したのメルトフローインデックスが1〜2000dg/分である。フィルム用途で使用する場合の本発明のプロピレンポリマーのメルトフローインデックスは1〜10dg/分、好ましくは1〜4dg/分、より好ましくは1.5〜4dg/分であるのが好ましい。繊維および不織布用途の場合の本発明プロピレンポリマーのメルトフローインデックスは5dg/分〜2000dg/分(ISO 1 133(条件L)に従って2.16kg荷重下、230℃で測定)である。繊維の紡糸で使用する場合にのプロピレンポリマーのメルトフローインデックスは5dg/分〜40dg/分の範囲である。スパンボンディングで使用する場合のプロピレンポリマーのメルトフローインデックスは少なくとも10dg/分、好ましくは少なくとも15dg/分、より好ましくは少なくとも20dg/分にする。スパンボンディングで使用する場合のプロピレンポリマーのメルトフローインデックスは300dg/分以下、好ましくは200dg/分以下、より好ましくは150dg/分以下、さらに好ましくは100dg/分以下、最も好ましくは60dg/分以下にする。溶融ブロー成形で使用する場合のプロピレンポリマーのメルトフローインデックスは少なくとも100dg/分、好ましくは少なくとも150dg/、より好ましくは少なくとも200dg/分、さらに好ましくは少なくとも250dg/分、最も好ましくは少なくとも300dg/分にする。溶融ブロー成形で使用する場合のプロピレンポリマーのメルトフローインデックスは2000dg/分以下、好ましくは1800dg/分以下、より好ましくは1600dg/分以下、さらに好ましくは1400dg/分以下にする。
【0022】
チーグラー‐ナッタ触媒は少なくとも一つのチタン-ハロゲン結合を有するチタン化合物と、内部ドナーとを含む。これら両者は活性形のハロゲン化マグネシウムに担持される。
【0023】
本発明で使用する内部ドナーはジエーテルおよびジエーテルとジエーテルではない一種または複数の内部ドナーとの混合物である。ただし、この混合物は内部ドナーとしてジエーテルのみを有するチーグラー‐ナッタ触媒と同じ重合挙動を示すものでなければならない。内部ドナーの例はジエーテルとフタレートの混合物またはジエーテルとスクシナートの混合物である。
【0024】
あるいは、上記のような内部ドナー混合物を含むチーグラー‐ナッタ触媒の代わりに、ジエーテル触媒とジエーテル以外の内部ドナーを有する一種または複数のチーグラー‐ナッタ触媒との混合物を使用することもできる。ただし、この混合物は純粋なジエーテル触媒と同等な重合軌道を示す必要がある。例はしてはジエーテル触媒とフタレート触媒との混合物またはジエーテル触媒とスクシナート触媒との混合物を使用することができる。
【0025】
内部ドナー混合物を有する一つのチーグラー‐ナッタ触媒をもライル場合あるいは各々が異なる電子供与体を有する混合物を有するチーグラー‐ナッタ触媒混合物を使用する場合でも、ジエーテルは電子供与体の全重量の少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも95重量%、さらに好ましくは少なくとも99重量%を占める。内部ドナーは基本的にジエーテルから成るのが最も好ましい。
【0026】
内部ドナーとしてジエーテルを含むチーグラー‐ナッタ触媒は公知であり、例えば無水ハロゲン化マグネシウムとアルコールとを反応させ、ハロゲン化チタンでチタネーションし、内部ドナーとしてのジエーテル化合物と反応させて得ることができる。この触媒は約2〜6重量%のチタンと、約10〜20重量%のマグネシウムと、約5〜30重量%の内部ドナーとを含み、残りは塩素と溶剤である。
【0027】
内部ドナーに適したものは下記式の1,3-ジエーテルである:
12C(CH2OR3)(CH2OR4
(ここで、
1およびR2はC1〜C18アルキル、C3〜C18シクロアルキルまたはC7〜C18アリールで、互いに同じでも異なっていてもよく、
3およびR4は互いに同じか異なるC1〜C4アルキルであるか、または、2位の炭素原子が5、6または7つの炭素原子を有し、2または3つの不飽和基を有する環状または多環状構造に属する1,3−ジエーテルである。)
【0028】
このタイプのエーテルは下記文献に基されている。
【特許文献2】欧州特許第EP-A-O 361 493号公報
【特許文献2】欧州特許第EP-A-O 728 769号公報
【0029】
上記ジエーテルの代表例は2-メチル-2-イソプロピル-1,3- ジメトキシプロパン、2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-イソプロピル-2-シクロ−ペンチル-1,3- ジメトキシプロパン、2-イソプロピル-2-イソアミル-1の,3-ジメトキシプロパン、9,9-ビス(メトキシメチル)フルオレンである。
【0030】
本発明に適したスクシナート化合物は下記の式を有する:

【0031】
(ここで、
1〜R4は互いに同じか異なり、水素またはC1〜C20の直鎖または分岐したアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキルまたはアルキルアリールで、必要に応じて異種原子を含むことができ、また、R1〜R4が互いに同じ炭素原子と結合して環を形成していてもよく、
5とR6は互いに同じか異なり、直鎖または分岐したアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキルまたはアルキルアリールで、必要に応じて異種原子を含むことができ)
【0032】
本発明に適したフタレートはアルキル、シクロアルキルおよびアリールフタレート、例えばジエチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジ-n-ブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジフェニルフタレートおよびベンジルブチルフタレートの中から選択することができる。
【0033】
ジエーテルと、内部ドナーとしてのスクシナートまたはフタレートとを含むチーグラー‐ナッタ触媒は例えばBasell社からAvant ZN(登録商標)の商品名で市販されている。
【0034】
本発明の重合プロセスでは、外部電子供与体(ED)は任意成分であるが、重合を外部電子供与体(ED)の存在下で実行するのが好ましい。本発明に適した外部電子供与体(ED)には所定のシラン誘導体、エーテル、エステル、アミン、ケトン、複素環化合物およびこれらの混合物が含まさる。上記のように1,3-ジエーテルまたはシランを使用するのが好ましい。下記一般式のシラン誘導体を使用するのが最も好ましい:
abSi(ORc(4-p-q)
【0035】
(ここで、Ra、RbおよびRcは炭化水素、特にアルキルまたはシクロアルキル基を表し、pとqは0〜3の数であり、p+qの和は3以下であり、Ra、RbおよびRcは互いに独立して選択でき、互いに同じでも異なっていてもよい)
【0036】
この種のシラン誘導体の具体例は(tert-ブチル)2Si(OCH32、(シクロヘキシル)(メチル)Si(OCH32(「Cドナー」という)、(フェニル)2Si(OCH32、(シクロペンチル)2Si(OCH32(「Dドナー」という)。
【0037】
本発明方法で使用される有機アルミニウム化合物はトリエチルアルミニウム(TEAL)である。このトリエチルアルミニウムはAlH3で表される水素化物の含有量がトリエチルアルミニウムに対して1.0重量%以下であるのが有利である。この水素化物の含有量は0.1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下であるのが最も好ましい。
【0038】
有機アルミニウム化合物がトリアルキルアルミニウム以外の他の化合物、例えばトリイソブチルアルミニウム、トリ-n-ブチルアルミニウム、少なくとも2つのAl原子を含む直鎖または環式のアルキルアルミニウム化合物をマイナー量で含む場合でも、これらがTEALと同等な重合挙動を示すかぎり、本発明の範囲を逸脱するものではない。
【0039】
本発明方法で、Al/Tiのモル比は最大で40、好ましくは10〜40、さらに好ましくは15〜35の範囲である。外部電子供与体(ED)が存在する場合の、Al/EDのモル比は最大で120、好ましくは5〜120、より好ましくは5〜80の範囲であるのが好ましい。
【0040】
最初の重合反応装置に供給される前の触媒系は予備混合および/または予備重合階段を経たものであるのが好ましい。予備混合物階段ではトリエチルアルミニウム(TEAL)と外部電子供与体(ED)を予備接触させたものをチーグラー‐ナッタ触媒と0℃〜30℃の範囲、好ましくは5℃〜20℃の温度で最大で15分間混合する。TEAL、外部電子供与体およびチーグラー‐ナッタ触媒の混合物をプロピレンと10℃〜100℃、好ましくは10℃〜30℃で1〜30分間、好ましくは2〜20分間予備重合する。
【0041】
プロピレンと一種または複数のコモノマー(任意成分)の重合は公知の方法で実行できる。この重合は反応媒体として例えば液体プロピレンを用いて実行できる。また、希釈剤、例えば重合(スラリー重合)条件下で不活性な炭化水素を用いて実行することもできる。また、気相で実行することもできる。
【0042】
発明方法では、液体プロピレンを20℃〜100℃温で重合してプロピレンのホモポリマーおよびランダム共重合体を作るのが好ましい。温度は60℃〜80℃が好ましく、圧力は大気以上にすることができる。圧力は25〜50バールにするのが好ましい。
【0043】
水素はプロピレンポリマーの鎖長を制御するのに用いる。MFIの高い、すなわち平均分子量が低く、ポリマー鎖が短いプロピレンポリマーを製造する場合には重合媒体中の水素濃度を増加させる必要がある。逆に、MFIが低い、すなわち平均分子量が高く、ポリマー鎖の長いプロピレンポリマーを製造するには重合媒体中の水素濃度を減少させなければならない。
【0044】
本発明では少なくとも2つの連続した重合反応装置すなわち直列に接続した少なくとも2つの重合反応装置でプロピレンポリマーを製造することが重要であり、この場合、少なくとも2つの連続した重合反応装置で平均分子量およびメルトフローインデックスが異なるプロピレンポリマー画分を製造する。別の言い方をすれば、本発明のプロピレンポリマーは別々の重合反応装置で製造された各プロピレンポリマー画分を含む少なくとも2つのプロピレンポリマー画分から成る。メルトフローインデックスが最高のプロピレン・ポリマー画分と最低のプロピレン・ポリマー画分とのメルトフローインデックス指数の比は少なくとも10である。従って、得られたプロピレンポリマーは分子量分布(MWD)が広く、また、多分散性指数(PI)が高いことで特徴付けられる。プロピレンポリマーを3、4または5つの連続した重合反応装置で製造できるということは当業者に明らかであるが、2つまたは3つの連続した重合反応装置でプロピレンポリマーを生産し、最初の重合反応装置の貢献度をプロピレンポリマーの全重量の35重量%〜65重量%にするのが好ましい。3つの連続した重合反応装置を用いる場合には、気相重合反応装置の後に2つの連続したループ重合反応装置を用いるのが好ましい。
【0045】
本発明で製造されるプロピレンポリマーの特徴は多分散性指数(PI)が5〜7である点にある。この多分散性指数(PI)を最初に記載したものはZeichnerおよびPatelの下記文献である:
【非特許文献1】Proceedings of the 2nd World Congress of Chemical Engineering, Montreal, Canada, 6, 373 (1981)
【0046】
多分散性指数(Pl)は下記で定義される
PI=105Pa・Gc-1 (式2)
【0047】
(ここで、Gcは貯蔵モジュラスG'と減失モジュラスG''とが交差する時のモジュラス、すなわちG'=G''のモジュラスで、Paで表される。
【0048】
上記文献では上記交差点を「クロス−オーバー・ポイント」と呼んでいる。貯蔵モジュラスG'と減失モジュラスG''は溶融ポリマーサンプルの動的レオロジの測定で得ることができる。
【0049】
プロピレン、一種または複数のコモノマー(任意成分)および水素は各重合反応装置に供給される。必要な多分散性指数を有するプロピレンポリマーを得るために反応装置へのプロピレンのフィードに対する水素の割合を調整する。重合触媒、トリエチルアルミニウム(TEAL)および任意成分の外部電子供与体(ED)は必要に応じて使用前に予備混合および/または予備重合してから連続した重合反応装置の最初の重合反応装置のみに供給する。
【0050】
重合媒体を含むプロピレンポリマーは適切な手段を使用して重合反応装置から抜き出して次の重合反応装置へ供給する。連続した重合反応装置の最後の重合反応装置からプロピレンポリマーを粉末の形で洗浄せずに回収し、必要に応じて造粒階段でペレットに成形する。
【0051】
各重合反応装置の滞流時間は最大で2時間、好ましくは最大で1.5時間、より好ましくは最大で1.25時間である。重合反応装置での滞流時間は少なくとも0.25時間、好ましくは少なくとも0.5時間、より好ましくは少なくとも0.75時間である。
【0052】
重合触媒の生産性は1gの触媒当り30kg以上のプロピレンポリマーである。この生産性は1gの触媒当り35kg以上、好ましくは40kg以上、より好ましくは45kg以上のプロピレンポリマーであるのが好ましい。
【0053】
本発明のプロピレンポリマーの特徴はチタン含有量が低く、アルミニウム量が低い点にある。
【0054】
本発明のプロピレンポリマーのチタン含有量は最大で2ppm、好ましくは最大で1.5ppm、より好ましくは最大で1.25ppm、さらに好ましくは最大で1ppmである
【0055】
本発明のプロピレンポリマーのアルミニウム含有量は最大で30ppm、好ましくは最大で25ppm、より好ましくは最大で20ppm、さらに好ましくは最大で15ppm、最も好ましくは最大で10ppmである。
【0056】
本発明のプロピレンポリマーの塩素含有量は最大で15ppm、好ましくは最大で12ppm、最も好ましくは最大で10ppmである。
本発明のプロピレンポリマーのマグネシウム含有量は最大で5ppm、好ましくは最大で4ppm、より好ましくは最大で3ppmである。
【0057】
本発明のプロピレンポリマーの全灰分量は最大で50ppm、好ましくは最大で45ppm、より好ましくは最大で40ppm、さらに好ましくは最大で35ppmである。
【0058】
本発明のプロピレンポリマーの特徴はキシレン可溶分の含有量が低い点にある。このキシレン可溶分の含有量は全プロピレンポリマーに対して最大で2.5重量%、好ましくは最大で2.4、2.3、2.2または2.1重量%であり、より好ましくはプロピレンポリマーの全重量に対して最大で2.0重量%である。
【0059】
驚くことに、このようなキシレン可溶分が低レベルであることで特徴付けられるプロピレンポリマーを高い生産性で製造できるということが分かった。また、本発明のプロピレンポリマーから得られる最終物品、例えばフィルム、繊維、不織布が優れた加工性と機械特性とで特徴付けられるということも驚きである。
【0060】
本発明のプロピレンポリマーの特徴は、mmmmペンタッドの含有量を測定した時のアイソタクシティー(isotacticity)が非常に高い点にある。このmmmmペンタッドの含有量は少なくとも97.0%、好ましくは少なくとも97.5%、最も好ましくは少なくとも98.0%である。このアイソタクシティーは下記文献に記載の方法でNMR解析で決定される:
【非特許文献2】isotacticityは、GJ. Ray et al. in Macromolecules, vol. 10, n .degree. 4, 1977, p. 773-778
【0061】
本発明のプロピレンポリマーは他の添加剤、例えば抗酸化剤、光安定剤、酸スカベンジャ、滑剤、帯電防止剤、核剤/清澄化剤、着色剤を含むことができる。この種の添加剤の概要は下記文献に記載されている。
【非特許文献3】Plastics Additives Handbook, ED. H. Zweifel, 5th EDition, 2001, Hanser Publishers
【0062】
本発明のプロピレンポリマーは特にフィルム、例えばキャストフィルム、ブロー成形フィルム、2軸配向フィルムの用途に適している。この種のフィルムは包装用途に適していきる。本発明のプロピレンポリマーはコンデンサフィルムに特に適している。
【0063】
本発明のプロピレンポリマーをフィルムにした場合、そのフィルムは本発明のプロピレン・ポリマーをフィルム全重量に対して少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも70〜80重量%または90重量%、より好ましくは少なくとも95.0重量%または97.0重量%、さらに好ましくは少なくとも99.0重量%含むのが好ましい。
【0064】
フィルムで使用する本発明のプロピレンポリマーはホモポリマーであるのが好ましく、そのメルトフローインデックスは1〜10dg/分、好ましくは1〜4dg/分、より好ましくは1.5〜4dg/分の範囲にするのが好ましい。フィルム用途に好適なポリマーの特徴はキシレン可溶分がプロピレンポリマーの全重量に対して最大で2.5重量%、好ましくは最大で2.2重量%、より好ましくは最大で2.1重量%、さらに好ましくは最大で2.0重量%である点にある。さらに、上記のように、塩素、マグネシウム、アルミニウム、チタンおよび全灰分の含有量が低いことも特徴である。
【0065】
本発明のプロピレンポリマーは繊維および不織布の用途、例えばステープルファイバ、スパンポンド不織布、メルトブロー不織布に特に適している。ステープルファイバは熱結合された不織布を作るのに使用できる。熱結合された不織布およびスパンポンド不織布は衛生用途、例えばおしめ、女性用衛生用品、建設用途または土木用途で使用できる。一般に、一種または複数のメルトブロー不織布と一緒に使用される。メルトブロー不織布は濾過の用途に特に適している。
【0066】
本発明のプロピレンポリマーで作った繊維および不織布は、本発明のプロピレンポリマーを繊維または不織布の全重量に対して少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも70重量%、80重量%または90重量%、より好ましくは少なくとも95.0重量%または97.0重量%、さらに好ましくは少なくとも99.0重量%含むのが好ましい。
【0067】
繊維または不織布は本発明のプロピレンポリマーのみから成るのが最も好ましい。繊維および不織布用途に適したプロピレンポリマーはホモポリマーである。
【実施例】
【0068】
以下、本発明の実施例と効果を示す。
本発明のプロピレンポリマーおよび比較例のプロピレンポリマーは下記のパイロットプラントの重合手順に従って製造した:
溶液としてのヘキサン中のトリエチル・アルミニウム(TEAL)と、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン(ドナーC)またはジ−シクロペンチル−ジ−メトオキシシラン(Dドナー)のヘキサン溶液とを室温で約1分間予備接触させた後、1リットルのスラリー当り17gの触媒を含む油性のスラリー形の重合触媒を添加し、得られた混合物を15℃の温度に保たれたプレ重合ループ反応装置に注入し、室温で約5分混合して予備重合した。次いで、予備重合した触媒系を所定温度に設定された2つの直列連結された150リットルのループ反応装置の最初のループ反応装置に供給した。このループ反応装置には目標とするMFIを得るのに十分な量のプロピレンと水素とを連続的に供給した。Al/Tiモル比は25〜35の範囲に維持した。プロピレンの流速は、反応装置中のポリマー濃度が0.40kg以上となるように、反応装置中のポリマー・スラリー密度を制御して行なう。反応装置中の平均滞流時間は70〜90分にした(工業的プロピレン重合プラントの滞流時間はこれより短い)。
【0069】
使用した重合触媒はBasell社から市販のもので、Avant ZN126は3.5重量%チタンと、14.4重量%のマグネシウムと、内部ドナーとしてのジエーテル化合物とを含むチーグラー‐ナッタ触媒であり、AvantなZN 127は3.2の重量%チタンと、13.0重量%マグネシウムと、内部ドナーとしてのジエーテル化合物とを含むチーグラー‐ナッタ触媒である。
【0070】
この重合パイロットプラントで製造したプロピレンポリマーに充分な量の抗酸化剤と酸スカベンジャとを加えて、後の加工工程での劣化を減らした。添加後のプロピレンポリマーは溶融押出機を使用してペレットにした。
【0071】
メルトフローインデックス(MFI)はISO 1 133(条件L)に従って2.16kgの荷重下で230℃で測定した。
【0072】
第2の反応装置で製造されたメルトフローインデックス(MFI)は下記式を用いて計算した:
Log(MFIfinal)=W1・Log (MFI1)+W2・Log(MFI2)、
【0073】
(ここで、MFI1およびMFI2はそれぞれ第1および第2の重合ループ反応装置で製造されたプロピレン・ポリマー画分のメルトフローインデックス指数であり、W1とW2はそれぞれ第1および第2の重合ループ反応装置で製造されたプロピレンポリマー画分の重量分率で、重量%で表される。この重量分率は一般に各ループの「貢献度」といわれる)
【0074】
キシレン可溶分(XS)は下記の方法で求める:4.5〜5.5gのプロピレンポリマーを秤量し、フラスコに入れ、300mlのキシレンを加える。撹拌下にキシレンを45分間、還流加熱する。正確に15分間、加熱せずに撹拌した後、フラスコを25℃+/-1℃に温度制御された浴中に1時間セットする。溶液をワットマンNo.4濾紙で濾過し、正確に100mlの溶剤を回収する。溶剤を蒸発させ、乾燥し、残渣を秤量する。キシレン可溶分("XS")すなわちキシレン可溶性分の百分比を下記の式で計算する:
XS(重量%)=(残渣重量/PPの初期全重量)×300
(全ての重量は同じ単位、例えばグラムにする)
【0075】
プロピレン・ポリマーのアルミニウム、マグネシウムおよびチタン含有量は、10 gのポリマー・サンプルを使用して原子発光分析と組合せた誘導結合プラズマ法で求めた。アルミニウム、マグネシウムまたはチタン含有量(「Al」、「Mg」または「Ti」)はプロピレンポリマーの全重量に対するppmで与えられる。
【0076】
全灰分含有量は下記の方法で測定する:10gのPPサンプルを白金坩堝で全炭素が消滅するまで燃焼する。冷却後、坩堝を秤量して10gに対する差を灰分量として報告する。灰分量はppmで表される。
【0077】
PP中の塩素含有量は、10gサンプルで求め、WD-XRF法で較正し、ppmで表した。
【0078】
分子量分布はサイズ除外クロマトグラフ(SEC)で高温(145℃)で求めた。10mgのPPサンプルを10mlのTCB(テクニカルグレード)中に160℃で1時間かけて溶かした。WATERSからのAlliance GPCV 2000の分析条件は以下の通り:
容積: +/‐400μl
注入温度: 140℃
カラムと検出器: 145℃
カラムセット: 2つのShodex AT-806MSと1つのStyragel HT6E
流速: 1ml/分
検出器: 屈折計
較正: ポリスチレンの狭い標準
計算:Mark-Houwink式 (log(MPP)=log(MPS)-0.25323)基準
【0079】
ポリマー指数(PI)はPI = 105Pa・Gc-1で与えられる。GcはWATERSのTainstrumentのARESで20%応力で周波数走査動的レオメータを使用して230℃で求めたクロス−オーバー・モジュラス、パスカルである。
【0080】
アイソタクシティー(mmmm%)は上記非特許文献2(GJ. Ray et al. in Macromolecules, vol. 10, n .degree. 4, 1977, p. 773-778)に記載の方法に従ってNMR分析で求めた。これはキシレン不溶PP画分のヘプタン沸騰で得られる乾燥した製品で抽出して行う。この場合、上記で得られたキシレン不溶画分を小さなビットに粉砕し、その2gを秤量し、ソックスレーカートリッジに入れる。抽出は溶剤としてヘプタンを用いてソックスレー装置で15時間実行する。ヘプタン不溶画分をソックスレー・カートリッジから回収し、最低4日、空気乾燥する。その後、ヘプタン不溶画分をNMRを用いてアイソタクシティーを決定することができる。
【0081】
プロピレンポリマーのペレットから10''(25.4cm)ダイを有するキャストフィルムラインのWelex 1.25''(3.2cm)押出機で、約0.4mmの厚さを有する単一層のキャストフィルムを作った。1週間、エージングした後、キャストフィルムから85mm×85mmの正方形を切断した。Bruckner Maschinenbau GmbHの実験室用伸長機KARO IVで延伸した。25秒の予熱時間後、上記正方形を145℃の温度で延伸した。30メートル/分で縦方向に6倍、横方向に6倍、同時に延伸した。延伸後のフィルム・サンプルの1%モジュラスをASTM D882-02に従って室温で求めた。
【0082】
比較例1〜5
比較例1〜5はAvant ZN 126とZN 127の各々で製造した。比較例1〜5で製造した全てのプロピレンポリマーは基本的に同じ2つのループ反応装置で作ったもので、得られたメルトフローインデックス指数は[表1]に示してある。比較例1、2では本発明で要求するAl/Ti比より高いものを作った。重合条件および1g当りの触媒に対するプロピレンポリマーのg数で与えられる触媒の生産性は[表1A]に示してある。これらのサンプルは、2つのループ反応装置で製造されるプロピレンポリマーのメルトフローインデックスが同じもの、測定値誤差内にあるような方法、すなわち、第2の重合反応装置の後に回収されるプロピレンポリマーの分子量分布がモノモダル(単峰)となるように、重合パイロットプラントを運転して製造した。プロピレン・ポリマーの特性は[表2A]に示してある。
【0083】
実施例1、2および比較例6〜8
[表2B]に示すように、実施例1〜3および本発明で要求されるAl/Ti比より高い比較例6〜7をAvant ZN126およびZN127を用いて製造した。重合条件および1gの触媒当りのg数で表されるプロピレン・ポリマーの触媒生産性は[表2B]に示してある。これらのサンプルを製造するために、
2つのループ反応装置でできるプロピレンポリマーのメルトフローインデックスが異なるような方法で、すなわち、第2の重合反応装置の後に回収されるプロピレンポリマーの分子量分布がバイモダル(二峰)となるよに、重合パイロットプラントを運転した。プロピレンポリマーの特性は[表2B]に示してある。
【0084】
[表2A]および[表2B]の結果は本発明方法で得られるプロピレンポリマーの効果を示している。比較例1〜8は従来の重合条件で作られたプロピレンポリマーであり、実施例1および2は本発明方法で作られたプロピレンポリマーであり、これらの比較から本発明では全灰分含有量が非常に低く、残留アルミニウムレベルが低く、それと同時に、優れた機械特性を示している。機械特性では特にセカント(割線)モジュラスの増加が驚くべきものである。
【0085】
更に、非常に驚くべきことは、本発明でTEAL/プロピレン比の低いものを使用して重合を実行した時でも、2つの連続した重合反応装置での重合触媒の生産性が維持できることである。
【0086】
さらに驚かせることは、本発明で製造したプロピレンポリマーは従来法で製造したプロピレンポリマーと比べて、押出し特性が優れているという特徴を有することである。[表2A]および[表2B]果は、250℃での押出圧力の比較からこの効果を明らかに示している。
【0087】
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの連続した重合反応装置で、プロピレンと任意成分の少なくとも一種のコモノマーとを、下記(a)〜(d):
(a) 活性形のハロゲン化マグネシウムに担持された少なくとも1つのチタン−ハロゲン結合を有するチタン化合物および内部電子供与体を含むチーグラー‐ナッタ触媒、
(b)トリエチルアルミニウム、
(c) 任意成分の外部電子供与体(ED)、および
(d) 水素、
の存在下で重合させて、特性が改良され且つ灰分量の少ないプロピレンのポリマーを製造する方法であって、
内部電子供与体が少なくとも80重量%のジエーテルを含み、Al/Tiのモル比が最大で40であり、重合反応装置からプロピレンのポリマーを洗浄せずに粉末の形で回収し、必要に応じてペレットにし、
最も低いメルトフローインデックスを有するものに対する最も高いメルトフローインデックスを有するプロピレンのポリマー画分のメルトフローインデックス比が少なくとも10となるように、少なくとも2つの連続した重合反応装置で生じる各プロピレンのポリマー画分の平均分子量を異ならせる、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
外部電子供与体(ED)が存在する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Al/ED比を最大で120にする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
外部電子供与体(ED)が珪素を含む請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
プロピレンと任意成分の一種または複数のコモノマーの重合を2つの連続した重合反応装置で行なう請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
最初の重合反応装置の貢献度がプロピレンのポリマーの全重量の35重量%〜65重量である請求項5に記載の方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法で作ったプロピレンのポリマー。
【請求項8】
チタンを最大で2ppm含む請求項7に記載のプロピレンのポリマー。
【請求項9】
全灰分良か最大で50ppmである請求項7または8に記載のプロピレンのポリマー。
【請求項10】
キシレン可溶分がプロピレンのポリマーの全重量に対して最大で2.5重量%である請求項7〜9のいずれか一項に記載のプロピレンのポリマー。
【請求項11】
多分散性指数(Pl)が5〜7である請求項7〜10のいずれか一項に記載のプロピレンのポリマー。
【請求項12】
少なくとも97.0% mmmmのアイソタクティシティー(isotacticity)を有する請求項7〜11のいずれか一項に記載のプロピレンのポリマー。
【請求項13】
請求項7〜12のいずれか一項に記載のプロピレンのポリマーから成るフィルム。
【請求項14】
請求項7〜12のいずれか一項に記載のプロピレンのポリマーから成る繊維または不織布。
【請求項15】
請求項13に記載のフィルムの、コンデンサフィルムとしての使用。

【公表番号】特表2011−506666(P2011−506666A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537466(P2010−537466)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【国際出願番号】PCT/EP2008/067458
【国際公開番号】WO2009/077464
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(504469606)トータル・ペトロケミカルズ・リサーチ・フエリユイ (180)
【Fターム(参考)】