説明

炉のライニング材

【課題】本発明は誘導炉のライニング処理、より具体的にはコアレス誘導炉のライニング処理に関する。
【解決手段】誘導炉(1)をライニング処理する可撓性ライニング材(10)は、金属箔(12)および少なくとも一つの耐熱性支持層(14)からなる積層構造をもつ。ライニング材(10)に非常に薄い金属箔層〈12〉を組み込み、これによって亜鉛蒸気などの蒸気が炉の誘導コイル(4)に到達することを未然に防止する蒸気バリアを形成する。このライニング材(10)の場合、内部の金属箔(12)が、炉の運転時、誘導場の影響を実質的に受けることはない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コアレス誘導炉のライニング材、およびライニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電力を利用する誘導炉、特にコアレス誘導炉は、鋳物製品を製造するための溶湯を生成するために鋳物工場で広く利用されている。
【0003】
代表的なコアレス誘導炉は、耐火性るつぼを水冷式誘導コイル内に設けて構成されている。通常、誘導コイルの内面は、コイルグラウトと呼ばれる耐火性プラスターの薄い層によって被覆される。るつぼを構成するために、巻型(Former)をコイル内に一時的に配設する。この場合、耐火性砂をコイルグラウトと円筒形巻型(Former)との間の空隙に叩き込み、厚密化してるつぼを形成する。
【0004】
コイルグラウトとるつぼとの間に層を配設し、これらの表面間に滑り面を形成し、炉の加熱/冷却時にこれら表面の相互運動を可能にするとともに、その使用期間の最後にるつぼを取り外すことを容易にすることが知られている。一般的に、この滑り面層は、雲母か雲母の積層体や、その他の高温材料から形成されている。
【0005】
コアレス誘導炉は、融点温度が比較的低い亜鉛や鉛などの金属を始めとする各種の金属を溶融するために利用できる。これらの金属をその融点温度以上に加熱すると、蒸発することが多い。これら蒸気はるつぼを透過できるため、水冷式誘導コイルに凝結し、絶縁破壊の原因となる恐れがある。この状態では、溶湯と誘導コイルとの間に、例えば亜鉛蒸気などの金属蒸気がコイルに達することを未然に防止する有効な蒸気バリアとして作用する層を配設する必要がある。
【0006】
この層の場合、炉の上記領域で発生する可能性のある、550℃〜950℃という高温の最大温度に耐える必要があるだけでなく、誘導場の影響をほとんど受けないことも必要である。
【0007】
従来、炉内においてるつぼと誘導コイルとの間に金属層を配設することが知られている。これら金属層は、例えば、GB2161591やEP0439900に記載されているように、硬質鋳物によって形成されている。ところが、これら鋳物は、個別の炉を想定して製造され、また誘導場における加熱の問題を回避するために、一般的に設計が複雑である。JP08303965には、一つのコイルか、あるいは2つの積層プレートに巻成形し、炉の誘導コイルとるつぼとの間に配設される厚さが1mmのステンレス鋼プレートが記載されている。ところが、このステンレス鋼プレートの場合、誘導場によって過熱気味になる厚さのため、パワーのより高い炉で使用された場合には、融解する恐れがある。さらに、厚さが1mmのステンレス鋼プレートをこのように加熱すると、炉の効率がかなり低下する。加えて、コイルとコイルグラウトとの間に配設されるプレートは、炉に取り外し不可能な状態で設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】GB2161591
【特許文献2】EP0439900
【特許文献3】JP08303965
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、解決すべき課題は、誘導場の影響を実質的に受けず、かつ既存の誘導炉に容易に組み込むことができる有効な蒸気バリアを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
課題を解決するための手段は、独立請求項に記載した通りであり、また好ましい特徴は、従属請求項に記載した通りである。
【0011】
可撓性ライニング材内の金属箔は、金属蒸気に対して不透過であるため、有害な金属蒸気が誘導コイルに凝結することはない。
【0012】
ライニング材内に非磁性ステンレス鋼箔を非常に薄い層として使用するため、この蒸気バリアが、炉が発生する誘導電流の影響を受けることは実質的にない。この結果、本発明の可撓性ライニング材は、炉が発生する誘導場によって加熱されることは実質的になく、運転効率が実質的に低下することもない。
【0013】
また、本発明のライニング材は、炉内に新しいるつぼを組み込むたびに交換できる耐久消耗材である。
【0014】
以下例示のみを目的として、添付図面を参照して本発明を具体的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】コアレス誘導炉を示す一部断面図である。
【図2】図1に示した炉の炉壁を断面化した、非縮尺図である。
【図3a】運転周波数が400Hzの誘導炉に、厚みが0.05mmの箔層をもつライニング材を使用した場合に示唆されている限界を示す図である。現状でライニング材の使用が推奨されている部位は、シェード化していない領域内の炉部位である。
【図3b】運転周波数が400Hzの誘導炉に、厚みが0.025mmの箔層をもつライニング材を使用した場合に示唆されている限界を示す図である。現状でライニング材の使用が推奨されている部位は、シェード化していない領域内の炉部位である。
【図4】本発明のライニング材のストリップを炉壁に使用した場合を示す図である。
【図5】図4のライニング材ストリップの重なり状態を示す詳細な図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、外側ジャケット2内に水冷式誘導コイル4を組み込んで構成した代表的なコアレス誘導炉1を示す図である。コイル4の構成材料は、一般的に銅である。コイル4の内側に、通常厚みが8〜10mmの耐火性プラスターの薄層を設ける。なお、この薄層については、炉1の内側に平滑な表面を形成するだけでなく、コイル4を保護するコイルグラウト6と呼ぶ。
【0017】
るつぼ8を構成するために、直径がコイル4よりも例えば200〜250mm小さい円筒形巻型(図示省略)を炉の内側に一時的に設け、耐火性砂をコイルグラウト6と巻型との間の間隙にたたきこむ。次に、耐火性砂を通常の方法で厚密化する。
【0018】
次に、コイルグラウト6とるつぼ8との間にライニング材10を設ける。この構成および作用については後述する。
【0019】
ライニング材10は、図2に示すように、2つの支持層14の間に薄い金属箔層12を設けた積層構造である。
【0020】
支持層14は、薄い金属箔12の物理的な支持体として機能するだけではなく、耐熱性・電気絶縁性である。支持層14は、雲母、高温絶縁紙、グラスファイバーマットやそのたの類似構成材料で構成することができる。
【0021】
金属箔12は、誘導電流の影響を実質的に受けない金属材料で構成する。これは、金属内の誘導電流の存在を排除するものではないが、金属内に電流が存在すると、金属温度がかなり高くなることがある。金属温度がかなり高くなると、融解の恐れがある。例え融解が生じない場合でも、金属温度がかなり高くなると、炉の運転効率が低下し、その上別な悪影響も現れる。
【0022】
従って、金属箔の構成金属および箔層の厚みを慎重に選択する必要がある。
【0023】
また、金属箔12は、電導性が低く、透過性のある金属で構成する必要がある。こうすると、誘導場状態における金属加熱量が減少する。さらに、この金属は、融点が高く、蒸気に対して実質的に不透過であり、支持基材に接着できるものでなければならない。金属箔は、理想的には、非磁性体である。即ち、ステンレス鋼を利用すれば、有効な箔層を構成できることが判明している。各種の異なる形態のステンレス鋼を利用できるが、最適なのは、融点が1,400℃程度のものである。さらに、ステンレス鋼は、そのニッケル分が磁気特性に影響する。具体的には、ニッケル分が比較的高いオーステナイト系のステンレス鋼が非磁性であり、好ましい。即ち、オーステナイト系のステンレス鋼で箔層12を構成することが好ましい。
【0024】
金属内に誘導電流がある場合その作用を抑えるためには、ライニング材10の金属箔12をできるだけ薄くする必要がある。具体的な炉1に使用できる箔12の最大厚みを設定するさいに重要な多くのファクターがある。これらファクターの中には、誘導コイル4の電流の周波数、コイル4が発生する電力、および炉の直径があり、すべてが、誘導場の強度および誘導場が金属箔と結合する範囲を決定するものである。他の重要なファクターの中には、るつぼ内の金属の融点温度、およびるつぼを構成するために使用する耐火物の伝熱性がある。
【0025】
一般的にいって、誘導場の強度が強くなる程、また電流の周波数が高くなる程、金属箔12を薄くして、考えられる加熱の作用に耐えるようにする必要がある。ここで重要なパラメータは、強い電磁場に配設される結果として箔12に吸収される電力である。実験によれば、直径が1.6mで深さが1.6mの誘導コイル4を使用し、運転電力が2,400kWで運転周波数が50Hzの炉の場合、厚みが0.05mmの箔12の発熱はごくわずかでしなかった。
【0026】
従来、誘導炉の電源周波数は一般的に約50Hzであった。ところが、近年、150〜400Hzの中周波数誘導炉が普通になってきている。これらのより高い周波数が発生する誘導場は、従来の電源周波数炉が発生する誘導場以上に金属箔12を加熱するものである。従って、これによる有害な作用を相殺するためには、ライニング材10に使用する金属箔12の厚みを慎重に選択する必要がある。実験によれば、ステンレス鋼箔12の望ましい厚みは、より強力な電源周波数炉および大半の中周波数炉の場合、0.05mm以下である。もっと強力な中周波数炉および中程度の強力な高周波数炉の場合、厚みをさらに約0.025mmまで小さくすることが好ましい。使用する箔層12があまりにも厚すぎると、金属の温度が高くなり過ぎ、炉内の水冷システムへの負荷が強くなり過ぎることがある。また、箔の温度が、ステンレス鋼が融解し、もはや蒸気バリアとして作用しなくなるまで高くなることもある。
【0027】
図3aおよび図3bは、厚みの異なるステンレス鋼箔12をもつライニング材10を、電力、周波数およびサイズが異なるコアレス誘導炉に好適に使用できるかどうかを示す図である。図3aは、運転周波数が400Hzの誘導炉に、厚みが0.05mmの箔層12をもつライニング材10を使用した場合に示唆されている限界を示す図である。これら結果は、電力が3.5MW以下であることを条件にして、このライニング材が、グラウト直径が2mの炉に好適であることを示している。図3bは、厚みがわずか0.025mmの金属箔層12をもつライニング材10の同様な結果を示す図である。これら結果は、このより薄い材料は、グラウト直径が2mで運転電力が7.5MW以下である炉の前述の実例に使用できることを示唆している。
【0028】
図2および図5に示すように、薄い金属箔層12は、支持層14に接着する。例えば接着剤などの任意の適当な手段によって金属箔12は、支持層14に接着することができる。好適な実施態様の場合、支持層14は箔12の両側に配設するが、箔12の片側のみに支持層14を設けることも可能である。両側に配設する場合、支持層14の構成材料は、同じでもよく、あるいは異なっていてもよい。
【0029】
箔層12を非常に薄くするためには、例えば蒸着技術などを使用して、支持層14の面に金属を被覆すればよい。こうすれば、実質的に0.02mm未満の箔厚みを実現することができる。
【0030】
鋳鉄工場では、ある種の亜鉛板スクラップを融解できることが、コストの理由からますます望ましくなっている。ところが、亜鉛の沸点は、鉄の融点温度よりも低いため、亜鉛蒸気が炉の運転時に発生する可能性がある。亜鉛蒸気は、るつぼ壁を構成する耐火性砂を透過し、コイルグラウトを透過することがある。これが水冷コイルに接触すると、凝結し、コイルの短絡の原因になる。これは、炉の運転停止時に問題になる。というのは、るつぼの壁は冷却時に収縮し、クラックが発生するからである。るつぼの密封が完全でない場合、亜鉛蒸気が簡単に壁を透過し、最後には、誘導コイルに到達する。
【0031】
ライニング材10、特に金属箔12は、亜鉛蒸気のバリアとして作用するだけでなくるつぼ8内の溶湯から誘導コイル4へ移動するカドミウム蒸気や鉛蒸気など他の蒸気のバリ
アとしても作用する。
【0032】
ライニング材10は、るつぼ壁のクラックから逃げ出す高温金属蒸気のバリアにもなる。亜鉛蒸気と同様に、溶湯がコイルグラウト6や、コイル4に接触することは、きわめて望ましくない。というのは、これは、コイル4や炉1に対して壊滅的な損傷を与えるからである。
【0033】
ライニング材10は、金属箔12を有しているため、コイルへの溶湯の潜在的な暴走の早期の指標としても利用できる。なお、この暴走が万一発生すると、壊滅的な損傷が生じる。一般的には、るつぼ8内の溶湯は、るつぼ8の底部から突出する金属電極プローブを介して接地する。同様に、ライニング材10の金属箔12を接地回路に接続することによって、溶湯が箔12に接触した場合に、炉1の運転をただちに停止する回路が作り出されることになる。
【0034】
上記の作用効果に加えて、ライニング材10は、“凍結面”、即ち物理的バリアとしても作用でき、るつぼ壁8を通過する液体や蒸気がある場合、これを箔によって有効にブロックできる。即ち、誘導コイル4に到達する前に、これを凝結または固化できる。
【0035】
また、ライニング材10は、るつぼ8とコイルグラウト6との間の滑り面としても作用できる。この場合、るつぼ8の交換が必要な時期にるつぼ8の取り外しが容易になる。代表例を挙げると、鋳鉄工場では毎月耐火性るつぼ8を交換する必要がある。その大きな理由は、誘導場によって連続撹拌される溶湯によってるつぼ壁8が摩耗するからである。
【0036】
もう一つの重要な作用効果は、金属箔層12が薄いため、ライニング材10が可撓性を有することである。ライニング材は手で扱うことができるため、誘導炉1をライニング処理するために使用する場合、炉壁の形状にマッチさせることができる。また、ライニング材10は、連続長尺シートの形にしてもよく、これをロール化すると、輸送、保存、使用が簡単になる。
【0037】
また、金属箔12の両側に支持層14が存在しているため、ライニング材の取り扱いが簡単になり、るつぼ8を形成する前に、迅速かつ容易に炉1をライニング処理できる。新しいるつぼ8を形成するたびに炉1を再ライニング処理する場合、ライニング材10は、耐久消耗材として利用できる。これは、通常、交換前のるつぼを取り外す場合、滑り面ライニング材が損傷することが多いからである。
本発明ライニング材10は、任意のサイズ、任意の形状の炉に使用することができる。具体的な炉にマッチさせるために、特別にライニング材を機械加工または成形する必要はない。さらに、ライニング材は炉内に取り外し可能に設けることができるため、保守コストが低くなる。
【0038】
ライニング材10を用いてコアレス誘導炉1をライニング処理することは、比較的容易な処理である。図4に、本発明のライニング材10を使用して炉をライニング処理する方法を示す。ライニング材10は、長尺の材料ロール(図示省略)から切断することができるストリップ16として用意する。このライニング材10をコイルグラウト6の内面に設置し、例えば接着剤などの適当な手段を利用して、これを所定位置に固定する。ライニング材10の各ストリップ16a、16b、16cなどを、コイルグラウト6に接触している炉の内面に上下に重ねる。各ストリップ16を重ねるさい、隣接するストリップの上に重なるように位置決めを行う。図5に明示するこの重なり部18は、2つの働きをもつ。即ち、第1の働きは、各ストリップ16内の箔12が、重なり部18で隣接ストリップの箔12に重なっている間、連続蒸気バリアが炉1の周囲に形成することである。第2の働きは、隣接ストリップ16a、16b内の箔12の層間に少なくとも一つの支持層14が形成することである。支持層14が電気絶縁性であるため、炉1周囲の円周方向に、電流が一つのストリップ16から次のストリップ16に流れることはない。炉1周囲に連続導電路が形成しない構成が必要である。さもなければ、金属箔12それ自体が二次的回路を作り出すことになる。図4のライニング材10は、炉壁の高さ全体にわたって延長していないが、これは図を明示するためである。なお、実際には、ライニング材10については、炉壁上部を超えてから、所定位置で一旦所定の長さに切断されるように設定する。ライニング材10、特に金属箔層12が薄いため、ライニング材10は、ナイフまたはハサミで切断することができる。
【0039】
従って、本発明のライニング材は、設置が容易なコアレス誘導炉のライニングを提供するものである。このライニング材に非常に薄い金属箔層を組み込むと、蒸気バリアが形成され、亜鉛蒸気などの蒸気が炉の誘導コイルに到達することはない。誘導炉は本質的に金属を融解するために使用するものであるが、箔を構成するために使用する金属および箔の薄さを慎重に選択すると、誘導場の加熱作用を箔が炉の運転の影響を実質的に受けない程度まで抑制することができる。さらに、ライニング材が誘導電流の影響を実質的に受けないため、ライニング材が誘導場によって実質的に加熱されることはなく、従って炉の運転効率が下がることは実質的にない。
【0040】
本発明のライニング材は、従来のライニング系と比較した場合、上記以外にも多数の重要な作用効果をもつものである。本発明ライニング材は非常に薄く、従って可撓性があり、ロール状態で用意できる。また設置も簡単であり、任意の炉に使用できる。また、比較的コストが低く、耐久消耗材として使用できる上に、新しいるつぼを形成するたびに繰り返し利用できる。
【符号の説明】
【0041】
1:コアレス誘導炉
2:外側ジャケット
4:水冷式誘導コイル
6:コイルグラウト
8:るつぼ
10:ライニング材
12:薄い金属箔層
14:支持層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属箔および少なくとも一つの耐熱性かつ電気絶縁性の支持層からなる積層構造を有する、コアレス誘導炉をライニング処理することを特徴とする可撓性ライニング材。
【請求項2】
上記金属箔の両面を耐熱性かつ電気絶縁性の支持層によって被覆した請求項1に記載の可撓性ライニング材。
【請求項3】
上記金属箔の片面を耐熱性かつ電気絶縁性の支持層によって被覆した請求項1に記載の可撓性ライニング材。
【請求項4】
上記支持層が雲母である請求項1〜3のいずれか1項に記載の可撓性ライニング材。
【請求項5】
上記支持層が高温絶縁紙シートである請求項1〜3のいずれか1項に記載の可撓性ライニング材。
【請求項6】
上記支持層がグラスファイバーウェブまたはシートである請求項1〜3のいずれか1項に記載の可撓性ライニング材。
【請求項7】
上記金属箔がステンレス鋼である請求項1〜6のいずれか1項に記載の可撓性ライニング材。
【請求項8】
上記金属箔がオーステナイト系ステンレス鋼である請求項7に記載の可撓性ライニング材。
【請求項9】
上記金属箔の厚みが0.5mm未満である請求項1〜8のいずれか1項に記載の可撓性ライニング材。
【請求項10】
上記金属箔の厚みが0.2mm未満である請求項1〜9のいずれか1項に記載の可撓性ライニング材。
【請求項11】
上記金属箔の厚みが0.06mm〜0.02mmである請求項1〜10のいずれか1項に記載の可撓性ライニング材。
【請求項12】
上記金属箔の厚みが実質的に0.05mmである請求項1〜11のいずれか1項に記載の可撓性ライニング材。
【請求項13】
上記金属箔の厚みが実質的に0.025mmである請求項1〜12のいずれか1項に記載の可撓性ライニング材。
【請求項14】
炉の周囲に誘導コイルを巻き回し、このコイルをコイルグラウトの層によって内面に被覆したコアレス誘導炉をライニング処理する方法において、
コイルグラウトの表面の一部にライニング材の第1部分を設ける工程、
ライニング材の第2部分をコイルグラウトの表面の第2部分に設けて、上記第2部分の一部を上記第1部分の一部に重ねる工程、および
ライニング材の残りの部分を同じように設けて、コイルグラウトの表面の全体を被覆する工程を有し、
上記ライニング材が金属箔および少なくとも一つの耐熱性かつ電気絶縁性の支持層からなる積層構造を有し、上記支持層が、ある部分の金属箔を隣接部分における金属箔から電気的に絶縁するように上記部分を設けたことを特徴とするライニング処理方法。
【請求項15】
上記ライニング材をロールとして用意し、さらにこのロールから所定の長さのライニング材を巻き出す工程、この所定長さのライニング材をコイルグラウトの表面の一部に設ける工程、およびライニング材を所定の長さに切断する工程を有する請求項14に記載のコアレス誘導炉のライニング処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−519317(P2011−519317A)
【公表日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−502428(P2011−502428)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【国際出願番号】PCT/GB2009/000853
【国際公開番号】WO2009/122163
【国際公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(510259747)エルメリン リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】ELMELIN LIMITED
【住所又は居所原語表記】East London Mica Works,1 Betts Mews,Ringwood Road,London E17 8PQ Great Britain
【Fターム(参考)】