説明

炊飯器

【課題】高温加熱による食味を確保しつつ、簡素な構成でコンパクトな炊飯器を提供することを目的とする。
【解決手段】本体1に着脱自在に収納する鍋2と、鍋2を加熱する鍋加熱手段13と、鍋2の上方を覆う蓋3と、鍋2内を上方より加熱する鍋内蒸気加熱手段22と、鍋加熱手段13と鍋内蒸気加熱手段22との加熱動作を制御する制御手段5とを備え、制御手段5は、ご飯炊き上げ後のむらし工程において、鍋加熱手段13により鍋2内のご飯を加熱後に鍋内蒸気加熱手段22により鍋2内の蒸気を加熱する。これにより、むらし工程において鍋加熱手段13によりご飯の間に介在する余剰水分を蒸発させ、生成した蒸気を鍋内蒸気加熱手段22により加熱することで、鍋2内に蒸気を供給する水タンクや蒸気生成装置を必要とせず、高温化した蒸気によりご飯を焦がさずに加熱することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般家庭などにおいて使用する炊飯器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、高温の蒸気加熱により食味のよいご飯を得る炊飯器は知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
これは、図3に示すように、炊飯器の本体41に、着脱自在の鍋42を内装する。さらに鍋42の上面を覆う蓋43が開閉自在に設置されている。また、鍋42を加熱する鍋加熱手段44と鍋42の温度を検知する鍋温度検知手段45を本体41内部に配置する。本体41内部には水タンク46を内装しており、水タンク46には水タンク加熱手段47を有し、水タンク46と水タンク加熱手段47により蒸気発生手段48を構成する。さらに、蒸気管52により蒸気発生手段48と鍋42の上面の一部が接続され、鍋42上面の開口部を蒸気孔49としている。また、鍋42より本体41外へ蒸気が放出される蒸気筒53には開閉弁50が設置されているものである。さらに、本体41内部には、鍋温度検知手段45の出力をもとに鍋加熱手段44、水タンク加熱手段47、さらに開閉弁50を制御する開閉弁制御手段51を有するものである。
【0004】
上記の構成において動作を説明する。炊飯を行う米とその米量に対応する水を鍋42入れ、本体41の所定の状態に内装する。さらに、本体41に設けられた水タンク46内に所定量の水を入れ、炊飯開始スイッチ(図示せず)を使用者が操作すると、炊飯工程が実施される。炊飯工程は浸水、炊き上げ、むらしの各工程に大分されている。それぞれの工程において、鍋42内部の水と米の状態が適正値として設定された温度や所定時間維持される。そのため、鍋温度検知手段45の出力を検出しながら鍋加熱手段44、水タンク加熱手段47を駆動させる。むらし工程において、水タンク加熱手段47が駆動することにより、水タンク46内の水が加熱され、蒸気を生成する。この蒸気は蒸気管52内を移動して、鍋42の上面の一部である蒸気孔49から鍋42内部に放出される。この時、開閉弁50により蒸気筒53は閉状態とし鍋42内へ放出した蒸気を鍋42外へ漏らさないように動作する。鍋42内部の水と米は、鍋加熱手段44により鍋42底から加熱され、さらに、上面を蒸気発生手段48から鍋42に放出される蒸気により加熱される。蒸気を上面からの加熱源として用いることで、むらし工程においてはご飯を焦がすことなく高温加熱することが可能となり、より食味の良いご飯を得ることができる。
【特許文献1】特開2003−144308号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の構成では、蒸気を生成し鍋42内へ供給するために水タンク46と水タンク加熱手段47により構成する蒸気発生手段48を設けなければならず、炊飯器の構成部品が増え、操作やお手入れが複雑となり、また、本体41の外形が大きくなるという課題を有していた。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、むらし工程で高温加熱による食味を確保しつつ、簡素な構成で操作性が良く、本体の外形がコンパクトな炊飯器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明の炊飯器は、鍋内を上方より加熱する鍋内蒸気加熱手段を有し、鍋内蒸気加熱手段の加熱動作を制御して、ご飯炊き上げ後のむらし工程において、鍋加熱手段により鍋内のご飯を加熱後に鍋内蒸気加熱手段により鍋内の蒸気を加熱する炊飯器としたものである。
【0008】
これによって、むらし工程において、鍋加熱手段によりご飯の間に介在する余剰水分を蒸発させ生成した蒸気を鍋内蒸気加熱手段により鍋上方から加熱することにより、鍋内に蒸気を供給する水タンクや蒸気生成装置を必要とせず、高温化した蒸気によりご飯を焦がさずに加熱することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の炊飯器は、高温の蒸気加熱によるご飯の食味を維持しつつ、コンパクトで操作性の良いものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
第1の発明は、本体と、前記本体に着脱自在に収納する鍋と、前記鍋を加熱する鍋加熱手段と、前記鍋の上方を覆う蓋と、鍋内を上方より加熱する鍋内蒸気加熱手段と、前記鍋加熱手段と鍋内蒸気加熱手段との加熱動作を制御する制御手段と備え、前記制御手段は、ご飯炊き上げ後のむらし工程において、前記鍋加熱手段により鍋内のご飯を加熱後に前記鍋内蒸気加熱手段により鍋内の蒸気を加熱する炊飯器とすることにより、むらし工程において、鍋加熱手段によりご飯の間に介在する余剰水分を蒸発させ生成した蒸気を鍋内蒸気加熱手段により鍋上方から加熱することで、鍋内に蒸気を供給する水タンクや蒸気生成装置を必要とせず、高温化した蒸気によりご飯を焦がさずに加熱することができる。
【0011】
第2の発明は、特に、第1の発明において、鍋の温度を検知する鍋温度検知手段と、鍋内蒸気加熱手段の温度を検知する蒸気温度検知手段を備えたことにより、鍋内蒸気加熱手段による高温蒸気の温度制御が可能となり、食味のバラツキを低減することができる。
【0012】
第3の発明は、特に、第2の発明において、鍋温度検知手段または蒸気温度検知手段による鍋内の沸騰検知後に鍋内蒸気加熱手段が加熱動作を開始するようにしたことにより、鍋内蒸気加熱手段が鍋内に蒸気のない状態で加熱することを防止し、鍋内蒸気加熱手段の温度過昇を防ぎ安全に保つことができる。
【0013】
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明において、むらし工程において蒸気温度検知手段が所定の温度を検知後、炊飯を完了し保温工程に移行するようにしたことにより、鍋内の蒸気を温度制御し加熱を完了することで、ご飯の糊化の促進をバラツキなく行い、良好なご飯を得ることができる。
【0014】
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明において、保温工程において、鍋内蒸気加熱手段による鍋内の加熱を、所定温度に低下するまで停止することにより、鍋内蒸気加熱手段および鍋や鍋内の温度過昇を防止し、安全性を高めることができる。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0016】
(実施の形態)
図1、図2は、本発明の実施の形態における炊飯器を示すものである。
【0017】
図1に示すように、炊飯器の本体1に、外面をステンレスで内面をアルミニウムにフッ素をコーティングした鍋2を着脱自在に収納する。鍋2は3ヶ所均等に配置し本体1より突出した鍋を支持する上枠キャップ25により鍋2のフランジ部11が支持されている。本体1の外郭は、本体1内部構成部品を冷却するため吸気口28と、排気口29を有するボディ24で構成している。鍋2の収納部は耐熱性のある樹脂で成形した保護枠23で構成し、底部中央に、鍋2の温度を検知するようにバネにより鍋2方向へ押圧力を有する鍋温度検知手段15を備え、保護枠23の下面に、鍋2を加熱する電磁誘導加熱方式の鍋加熱手段13を備えている。鍋加熱手段13は内側と外側に分割して配置した内加熱コイル14aと外加熱コイル14bとにより構成している。内加熱コイル14aと外加熱コイル14bの外方には複数のフェライト17をおよそ均等に配置しており、磁束が本体1外へ漏れるのを防止し、かつ鍋2への誘導加熱を促進する働きをしている。この電磁誘導加熱方式により鍋2の外面を構成するステンレスが発熱する。
【0018】
ここで、内加熱コイル14aと外加熱コイル14bは分割して配置したが同時に駆動し鍋2を加熱する。本体1上方には、鍋2の上面を覆い操作表示部6を備える蓋3が、本体1の後方に構成したヒンジ部7に軸契合され開閉自在に設置されている。蓋3の操作表示部6の上面は表示内容が視認できるよう透明に成形しており、操作表示部6は機能や動作状態を表示し、かつ炊飯器の動作や停止を操作するボタンにより構成した起動手段4を配置し炊飯動作を記憶し制御する制御手段5を有している。
【0019】
蓋3内には蓋3の開閉状態により動作するマグネットとマグネットを検知するリードスイッチとにより構成した蓋開閉検知手段18を備えており、蓋3の開閉状態を検知することができる。ヒンジ部7には蓋3を開放方向に付勢するヒンジバネ20を設けており、蓋3はヒンジバネ20により自動で開放する。本体1のヒンジ部7の反対方向には、バネにより押圧力を有するフックボタン19を備え、蓋3側のフック21をフックボタン19で上方より保持することにより蓋3を閉状態で保持する。さらに、蓋3には加熱板8と加熱板加熱コイル26により構成し制御手段5により動作を制御する鍋内蒸気加熱手段22を備えている。
【0020】
ここで、加熱板8は鍋2内を上方より加熱し蓋3に着脱自在に配置し、加熱板加熱コイル26は蓋3内部に配置し加熱板8を電磁誘導加熱方式により加熱する。また、蓋3の加熱板8対向面には、加熱板8の温度を検知するようにバネにより加熱板8へ押圧力を有する蒸気温度検知手段16を備えている。加熱板8には外周を鍋2のフランジ部11に圧接しシールする鍋パッキン30と鍋パッキン30を保持する加熱板支え27を備えている。加熱板8には鍋2内と蓋3とを連通する蒸気孔9(開口部)を備え、蓋3には外気と蒸気孔9とを連通する蒸気筒10を備えている。本体1側面には炊飯器を持ち運ぶ時に使用するハンドル12を備えている。
【0021】
図2は、炊飯と保温における各温度検知手段15、16の温度、時間、各加熱手段13、22の加熱に要している電力と通電時間の状態を示すものである。
【0022】
以上のように構成された炊飯器について、以下炊飯と保温における動作、作用について説明する。
【0023】
炊飯を行う米とその米量に対応する水を鍋2入れ、本体1の所定の状態にセットする。操作表示部6に設けた起動手段4により動作開始操作をすると、あらかじめ制御手段5に設定している炊飯工程が実施される。炊飯工程は浸水、炊き上げ、蒸らしの各工程に大別され、鍋温度検知手段15と蓋温度検知手段16とによる温度検知と内加熱コイル14aと外加熱コイル14bと加熱板加熱コイル26とによる鍋2と加熱板8の加熱により所定の炊飯工程でご飯を炊き上げる。そして、炊飯が終了すると保温へ移る。ご飯の保温時には、保温のご飯量と保温経過時間により、あらかじめ設定したいくつかの保温コースで保温されるのであるが、鍋2内のご飯の温度は食べごろであるおよそ75℃からご飯の乾燥や劣化を低減するやや低い温度のおよそ55℃の範囲で温度維持している。
【0024】
まず、炊飯における浸水工程は、鍋2内の温度を適温に上昇し米に水を吸収させる工程であり、鍋温度検知手段15の検知による鍋2内の温度が所定温度θ1:55℃に達するまで鍋加熱手段13により加熱を行い、その後はあらかじめ設定した時間T1:20分間(図示せず)鍋2の温度θ1:55℃を維持する。維持時間T1:20分間経過後、炊き上げ工程に入る。
【0025】
炊き上げ工程は、鍋2内を沸騰させ、さらに米を吸水糊化させる工程であり、主に鍋加熱手段13により鍋2を加熱する。鍋加熱手段13による加熱は鍋温度検知手段15が温度θ2:130℃を検知するまで行う。ここで、鍋加熱手段13による鍋2の加熱であるが、鍋2を加熱し所定温度間の鍋2の温度上昇を計測することにより炊飯量を自動判定し、炊飯量に適した加熱を行っている。
【0026】
むらし工程は、米の糊化を促進させる工程であり、炊き上げ工程で鍋加熱手段13の加熱により炊きあがったご飯の温度をおよそθ3:90℃〜θ4:100℃の範囲内で鍋加熱手段13および鍋内蒸気加熱手段22より維持する。むらし工程の後半から終了にかけては、鍋加熱手段13によりご飯を焦がさない程度の温度θ5:110℃まで加熱を行い、ご飯の間に介在する余剰水分を蒸発させご飯のべたつきを低減する。さらに、鍋加熱手段13による加熱後、鍋内蒸気加熱手段22により鍋2内に発生した蒸気の加熱を蒸気温度検知手段16が所定の温度φ1:130℃を検知するまで行い、φ1:130℃検知によりむらし工程は終了する。鍋内の蒸気を、100℃を超える高温の蒸気に加熱することにより、加熱された蒸気は鍋2内のご飯の表層から底へと浸透し加熱することにより、焦がすことなく糊化をさらに促進し良好なご飯を得ることができる。
【0027】
ここで、蒸気温度検知手段16が温度φ1:130℃を検知するまでむらし工程が完了しないことにより、必ずむらし工程で鍋内蒸気を高温の蒸気へ加熱することとなり、バラツキなく米の糊化を促進することができる。また、鍋加熱手段13の加熱により鍋2内に蒸気を発生させた後に鍋内蒸気加熱手段22による蒸気の加熱を行っていることにより、鍋2内に蒸気のない状態で鍋内蒸気加熱手段22による加熱が行われることがないので、鍋2や加熱板8、加熱板支え27などの構成部品の温度過昇を防止し、危険の恐れなく安全に動作することができる。
【0028】
むらし工程の終了により炊飯が完了し、保温動作を開始する。保温開始時は炊飯完了直後であり鍋2内のご飯が高温であるため、鍋加熱手段13および鍋内蒸気加熱手段22による加熱は行わない。加熱を行わないことにより鍋2内のご飯は本体1周囲の外気により自然冷却され徐々に温度低下する。ご飯温度の低下により鍋2内にはご飯より発生した蒸気が結露し保温しているご飯に滴下し、水分を多く含んだ、ふやけたご飯にしてしまうのであるが、本実施の形態における炊飯器においては、炊飯完了時の鍋内蒸気加熱手段22の温度を、蒸気を加熱する高温に設定しているため、蒸気が結露しにくく、結露を防止する加熱を必要としない。さらに、ご飯の温度低下が進み保温維持開始温度に達すると、ご飯温度を維持するため鍋加熱手段13と鍋内蒸気加熱手段22により加熱を開始し鍋2内のご飯を所定の保温維持温度に維持する。ここでの保温維持開始温度の検知は、鍋温度検知手段15がθ6:60℃を検知しかつ蒸気温度検知手段16がご飯維持温度よりやや高い温度であるφ2:65℃を検知することである。また、ご飯の保温維持温度は鍋温度検知手段15によりθ6:60℃で維持している。
【0029】
以上のように、本実施の形態においては、炊飯においてむらし工程後半に、鍋2内のご飯を加熱しご飯の間に介在する余剰水分を蒸発させ生成した蒸気をさらに鍋内蒸気加熱手段22により高温に加熱することにより、鍋2内に蒸気を供給する水タンクや蒸気生成装置を必要とせず、簡素な構成で高温の蒸気を生成し、高温の蒸気によりご飯を焦がすことなく加熱することが可能となり、良好な食味のご飯を得ることができる。
【0030】
また、蒸気温度検知手段16により鍋内蒸気加熱手段22を制御することにより蒸気の温度バラツキを低減し、性能を安定させることができる。
【0031】
また、鍋2内が沸騰した後に鍋内蒸気加熱手段22が加熱動作を開始することにより、鍋内蒸気加熱手段22が鍋2内に蒸気のない状態で加熱し温度過昇になることを防止し、炊飯器を安全に使用することができる。
【0032】
また、蒸気温度検知手段16が所定の温度φ1:130℃を検知しむらし工程を終了することにより、むらし工程で加熱した高温の蒸気によりご飯を焦がすことなく加熱しご飯の糊化を促進し炊飯を終了することとなり、ご飯の糊化をバラツキなく行い、良好な食味を安定して得ることができる。
【0033】
また、保温において、保温維持温度にご飯温度が低下するまで鍋加熱手段13および鍋内蒸気加熱手段22による加熱は行わないことにより、保温ご飯を高温状態で維持する時間を短縮することが可能となり、ご飯の状態を良好に保つことができる。また、保温時に加熱を行わないことにより保温動作時の消費電力を低減することができる。
【0034】
また、本実施の形態では、鍋温度検知手段15のθ1:55℃、θ2:130℃、θ3:90℃、θ4:100℃、θ5:110℃、θ6:60℃、蒸気温度検知手段16のφ1:130℃、φ2:65℃、時間T1:20分間としたが、各設定温度や時間は本実施の形態の温度や時間に限るものではなく、ご飯の硬さ炊き分けや米の新米度、その他炊き分けメニューにより設定温度や時間は変わるものであり、むらし工程後半に鍋2内の蒸気を、100℃を超える高温の蒸気に加熱する動作を行うものであれば同様の効果が得られるものである。
【0035】
また、鍋内蒸気加熱手段22を蓋3の鍋2対向面に設けたが、鍋内蒸気加熱手段22は蓋3に設けることに限るものではなく、鍋2上層でご飯上部空間を加熱する加熱手段を本体1のフランジ部11近傍対向面に設けた構成としても同様の効果が得られるものである。また、鍋内蒸気加熱手段22を加熱板加熱コイル26により加熱板8を電磁誘導加熱する方式としたが、鍋内蒸気加熱手段22は電磁誘導加熱方式に限るのもではなく、シリコンゴクヒータなどの加熱手段により蓋3の鍋2対向面や鍋2のフランジ部11を加熱し、鍋2内の蒸気を高温に加熱する構成であるならば同様の効果が得られるものである。
【0036】
また、蓋開閉検知手段18を備えていることにより、むらし工程では鍋2内に高温に加熱した高温蒸気を生成し、さらに、蓋3の鍋2対向面に鍋内蒸気加熱手段22を設け加熱板8を高温に加熱していることにより、誤って炊飯動作中に蓋3を開放し加熱板8に人体が触れた場合には火傷等の恐れがあり危険なのであるが、蓋開閉検知手段18により蓋2の開放を検知し鍋内蒸気加熱手段22の加熱動作を止めることが可能であるため、火傷等の危険を回避し安全に使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
以上のように、本発明にかかる炊飯器は、高温の蒸気によるご飯の食味と本体外形のコンパクト化を両立することが可能となるので、家庭用および業務用の炊飯器として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態における炊飯器の断面図
【図2】同炊飯器の炊飯工程の温度と時間と電力と通電時間の関係を示す図
【図3】従来の炊飯器を示す断面図
【符号の説明】
【0039】
1 本体
2 鍋
3 蓋
5 制御手段
13 鍋加熱手段
15 鍋温度検知手段
16 蒸気温度検知手段
22 鍋内蒸気加熱手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、前記本体に着脱自在に収納する鍋と、前記鍋を加熱する鍋加熱手段と、前記鍋の上方を覆う蓋と、鍋内を上方より加熱する鍋内蒸気加熱手段と、前記鍋加熱手段と鍋内蒸気加熱手段との加熱動作を制御する制御手段と備え、前記制御手段は、ご飯炊き上げ後のむらし工程において、前記鍋加熱手段により鍋内のご飯を加熱後に前記鍋内蒸気加熱手段により鍋内の蒸気を加熱する炊飯器。
【請求項2】
鍋の温度を検知する鍋温度検知手段と、鍋内蒸気加熱手段の温度を検知する蒸気温度検知手段とを備えた請求項1に記載の炊飯器。
【請求項3】
鍋温度検知手段または蒸気温度検知手段による鍋内の沸騰検知後に鍋内蒸気加熱手段が加熱動作を開始する請求項2に記載の炊飯器。
【請求項4】
むらし工程において、蒸気温度検知手段が所定の温度を検知後、炊飯を完了し保温工程に移行するようにした請求項1〜3のいずれか1項に記載の炊飯器。
【請求項5】
保温工程において、鍋内蒸気加熱手段による鍋内の加熱を、所定温度に低下するまで停止する請求項1〜4のいずれか1項に記載の炊飯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−141599(P2006−141599A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−334131(P2004−334131)
【出願日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】