説明

炊飯器

【課題】お手入れ作業を低減した操作性の高い炊飯器を提供すること。
【解決手段】本体1と、前記本体1に着脱自在に収納する鍋2と、前記本体1の上面開口部を開閉自在に覆う蓋3とを備え、前記鍋2に付着した水分を除去する機能171(図示せず)を備えることにより、洗浄後の鍋2に付着している水分の拭き取りや食器乾燥機などによる乾燥作業をすることなく鍋2を炊飯器本体1に収納し水分を除去乾燥させることにより衛生的に保つことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は炊飯器の付加機能に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的な炊飯器の構成を図10に示す(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図10に示す炊飯器において、ご飯を入れる内鍋41は、鍋加熱手段42の上に載置され加熱される。内鍋41の底中央部には、当接するように鍋温度検知手段43が設けられ、制御手段44に信号を送り、その信号により制御手段44が鍋加熱手段42を制御することができる。内鍋41の上方には開閉自在に鍋蓋45と、この鍋蓋45の下部に配置され前記内鍋41の上面開口部に当接する鍋パッキン46が設けられ、鍋蓋45には鍋蓋45の温度を検知する蓋温度検知手段47と鍋蓋45を加熱する蓋加熱手段48が設置されている。近年の炊飯器では鍋蓋45と鍋パッキン46が着脱できる構成も増えている。
【0004】
上記の構成において、炊飯や保温動作以外の使用性やお手入れ性を向上させる機能について説明する。この炊飯器には内鍋31に入れた水を一定時間沸騰させる機能を有しており、内鍋1に水を規定量入れ、内鍋41に入れた水を一定時間沸騰させる機能を動作させることにより内鍋31が鍋加熱手段42により加熱され、内鍋41内の水は沸騰する。鍋41内の水を沸騰させることにより、内鍋41と鍋蓋45と鍋パッキン46に付着した炊飯で火力が強すぎた場合の焦げた臭気や炊き込みご飯を炊飯した時の調味料や具の臭い、またご飯を長時間保温した場合の臭気などを減少させるものである。
【特許文献1】特開平10−211093号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら前記従来の構成では、炊飯器の操作性やお手入れ性を向上させる機能は内鍋41や鍋蓋45、鍋パッキン46に付着した臭いを低減させる機能であった。炊飯器では、炊飯や保温の終了後はご飯や蒸気に触れている内鍋41や鍋蓋45、鍋パッキン46を清潔に保つため水洗いをするのであるが、水洗い後の内鍋41や鍋蓋45、鍋パッキン46は多量に水が付着しており、水分が付着したままだとカビの発生等不衛生であるため乾いた布で拭き取るか食器乾燥機などで乾燥し水分を除去していた。ここで、まず乾いた布で拭き取る場合では、鍋パッキン46はふくろ状の凹凸があり拭き取りにくく、また食器乾燥機で乾燥させる場合では、鍋41や鍋蓋45は形状が大きく食器乾燥機内に収まりにくく、さらに鍋パッキン46はふくろ状の凹凸部分に付着した水が溜まり乾燥が不十分になる場合があった。また、誤使用時の安全性を確保するため内鍋41や鍋蓋45と鍋パッキン46など着脱できる部品を所定の位置にセットしていないと炊飯や保温ができないようになっている構成の炊飯器もある。炊飯や保温ができないようにする手段の一つとして内鍋41や鍋蓋45と鍋パッキン46が所定の位置にセットしていないと鍋蓋45を閉じることができない構成としているものもあり、この構成をしているものは炊飯器使用後のお手入れで内鍋41や鍋蓋45と鍋パッキン46などの外すと鍋蓋45を閉めることができず、炊飯器保管の時の収納スペースが大きく、また鍋蓋45が開いている間にほこりが入るなどという課題を有していた。
【0006】
本発明は前記従来の課題を解決するもので、鍋洗浄時のお手入れ性を向上させた炊飯器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために本発明の炊飯器は、本体と、前記本体に着脱自在に収納する鍋と、前記本体の上面開口部を開閉自在に覆う蓋とを備え、前記鍋に付着した水分を除去する機能を備えた炊飯器としたものである。
【0008】
これによって、水洗いなど洗浄後の水分が付着した鍋を、水分が付着したまま炊飯器本体にセットし付着している水分を除去することができることにより、鍋に付着した水分の拭き取りや食器乾燥機などで乾燥させるなどのお手入れ作業を低減することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の炊飯器は、お手入れ作業を低減した操作性の高い炊飯器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
第1の発明は、本体と、前記本体に着脱自在に収納する鍋と、前記本体の上面開口部を開閉自在に覆う蓋とを備え、前記鍋に付着した水分を除去する機能を備えることにより、洗浄後の鍋に付着している水分の拭き取りや食器乾燥機などによる乾燥作業をすることなく鍋を炊飯器本体に収納し水分を除去乾燥させることにより衛生的に保つことができる。
【0011】
第2の発明は、本体内に鍋が収納していることを検知する鍋有無検知手段と水分を除去する機能を起動させる起動手段を備えることにより、炊飯器使用者が水分を除去する機能の動作選択をすることが可能となり、さらに、起動手段により水分を除去する機能の起動操作時、本体内への鍋の収納の有無により水分を除去する機能の起動を判別することが可能となり、本体内に鍋が収納している時には水分を除去する機能を起動し、本体内に鍋が収納していない時には水分を除去する機能の起動を停止することができる。これにより本体内に鍋が収納していない場合に水分を除去する機能の起動手段を操作した場合、水分を除去する機能が起動しないため誤操作を防止することができる。
【0012】
第3の発明は、蓋の下面に位置し前記蓋より着脱自在に構成した加熱板を備え、前記加熱板に付着した水分を除去する機能を備えることにより、洗浄後の加熱板に付着している水分の拭き取りや食器乾燥機などによる乾燥作業をすることなく加熱板を炊飯器本体に収納し加熱板を衛生的に保つことができる。
【0013】
第4の発明は、加熱板が蓋に装着していることを検知する加熱板有無検知手段を備えることにより、水分を除去する機能の起動操作時、蓋への加熱板の装着の有無により水分を除去する機能の起動を判別することが可能となり、蓋に加熱板が装着している時には水分を除去する機能を起動し、蓋に加熱板が装着していない時には水分を除去する機能の起動を停止することができる。これにより蓋に加熱板が装着していない場合に誤って水分を除去する機能の起動手段を操作した場合、水分を除去する機能が起動しないため誤操作を防止することができる。
【0014】
第5の発明は、鍋を加熱する鍋加熱手段または加熱板を加熱する加熱板加熱手段を備え、水分を除去する機能鍋加熱手段または加熱板加熱手段か、あるいは鍋加熱手段と加熱板加熱手段とにより前記鍋または前記加熱板に付着した水分を加熱し蒸発させることにより、水分が付着している鍋や加熱板を直接加熱し水分を蒸発させ除去することができる。さらに、鍋や加熱板を加熱することにより除菌・殺菌の効果も得ることができる。
【0015】
第6の発明は、鍋の温度を検知する鍋温度検知手段を設けることにより、鍋に付着した水分を鍋加熱手段により鍋を加熱し除去する動作において、鍋の温度検知により鍋に付着した水分の有無を判別し、水分を除去した時に鍋の加熱を停止することができる。鍋に付着した水分の除去により動作を停止することにより、過剰な鍋の加熱を防止することができ節電となり、また水分のなくなった鍋を加熱することがないので鍋が過剰に高温になることがなく安全である。
【0016】
第7の発明は、加熱板の温度を検知する加熱板温度検知手段を設けることにより、加熱板に付着した水分を加熱板加熱手段により加熱板を加熱し除去する動作において、加熱板の温度検知により加熱板に付着した水分の有無を判別し、水分を除去した時に加熱板の加熱を停止することができる。加熱板に付着した水分の除去により動作を停止することにより、過剰な加熱板の加熱を防止することができ節電となり、また水分のなくなった加熱板を加熱することがないので加熱板が過剰に高温になることがなく安全である。
【0017】
第8の発明は、水分を除去する機能の動作時間を計る計時手段を設けたことにより、水分を除去する機能を動作時間により停止させることができる。動作時間により動作を停止することにより、鍋または加熱板の温度検知が温度の検知部分に異物の介入などにより不十分でなった場合においても時間により動作が停止することにより水分を除去する機能の長時間動作による鍋または加熱板の過加熱を防止し安全に動作することができる。
【0018】
第9の発明は、鍋内に外気を送り込む送風手段を備え、水分を除去する機能は前記送風手段により水分を除去することにより、鍋や加熱板に付着した水分が蒸発し高湿度化した鍋内の空気を鍋外へ放出し鍋内の空気の高湿度化を防止し、衛生的に保つことができる。
【0019】
第10の発明は、本体の鍋収納部に外気を送り込む送風手段を備えたことにより、鍋収納部と炊飯器の外の空気を循環し入れ替えることができる。鍋収納部に溜まった鍋の周囲に付着した水分が蒸発し高湿度化した鍋収納部の空気を鍋収納部外へ放出し鍋収納部の空気の高湿度化を防止することにより鍋の外周に付着した水分の蒸発を促進させ除去することができる。
【0020】
第11の発明は、鍋内に外気を送り込む送風手段に、送風する空気を加熱する送風加熱手段を設けたことにより、鍋内に高温の空気を送り込み循環させることにより鍋内に溜まった鍋や加熱板に付着した水分の蒸発を加速させ短時間で水分を除去することができる。
【0021】
第12の発明は、鍋内に空気を送り込む送風口を独立して設けたことにより、鍋内の空気と炊飯器の外の空気との循環効率を高めることにより短時間で水分を除去することができる。
【0022】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における炊飯器を示すものである。
【0023】
図1において、炊飯器の本体1に着脱自在の鍋2を内装する。鍋2は3ヶ所均等に配置した鍋を支持する部材251により鍋2のフランジ部を支持されている。本体1の鍋2収納部には鍋2の温度を検知するバネにより鍋2方向へ押圧力を有する鍋温度検知手段151と、鍋2を加熱する電磁誘導加熱方式の鍋加熱手段13を備えている。ここで鍋2を加熱する電磁誘導加熱方式の鍋加熱手段13であるが、鍋加熱手段13へ通電時鍋2の有無による通電負荷の差を判別し鍋2が本体1に収納しているかを判別する鍋有無検知手段231(図示せず)を備えている。さらに本体1上方には鍋2の上面を覆い操作表示部6を備える蓋3が本体1の後方に構成したヒンジ部7に軸契合され開閉自在に設置されている。蓋3の操作表示部6の上面は表示内容が視認できるよう透明に成形しており、操作表示部6は機能や動作状態を表示しかつブザー22により報知し、炊飯器の動作や停止を操作するボタンにより構成した起動手段4を配置し、さらに時間を計測することのできる計時手段11(図示せず)や鍋加熱手段13や加熱板加熱手段14の動作を制御する制御部5を有している。蓋3内には蓋3の開閉状態により動作するマグネットとマグネットを検知するリードスイッチとにより構成した蓋開閉検知手段18を備えており、蓋3の開閉状態を検知することができる。ヒンジ部7には蓋3を開放方向に付勢するヒンジバネ20を設けており、蓋3はヒンジバネ20により自動で開放する。本体1のヒンジ部7の反対方向にはバネにより押圧力を有するフックボタン19を備え、蓋3側のフック211をフックボタン19で上方より保持することにより蓋3を閉状態で保持する。さらに蓋3の鍋2対向面には鍋2内を加熱し蓋3に着脱自在の加熱板8を配置し、蓋3内部には加熱板8を加熱する電磁誘導加熱方式の加熱板加熱手段14と加熱板8の温度を検知するバネにより加熱板8へ押圧力を有する加熱板温度検知手段161を備えている。加熱板8には外周を鍋2のフランジ部に圧接しシールする鍋パッキン32と鍋パッキンを保持する加熱板支え31を備えている。加熱板8も鍋2と同様加熱板加熱手段14への通電時の通電負荷の差により加熱板8が蓋3に装着しているかの有無を判別する加熱板有無検知手段241(図示せず)を備えている。制御部5は温度と時間を制御することが可能であり、鍋温度検知手段151と加熱板温度検知手段161からの情報により鍋加熱手段13と加熱板加熱手段14の鍋2と加熱板8への加熱時間と加熱温度を制御する。加熱板8には鍋2内と蓋3とを連通する蒸気孔9を備え、蓋3には外気と蒸気孔9とを連通する蒸気筒10を備えている。本体1側面には炊飯器を持ち運ぶ時に使用するハンドル12を備えている。
【0024】
以上のように構成された炊飯器について、以下炊飯と保温における動作、作用を説明する。炊飯を行う米とその米量に対応する水を鍋2入れ、本体1の所定の状態にセットする。操作表示部6に設けた起動手段4により動作開始操作をすると、あらかじめ制御部5に設定している炊飯工程が実施される。炊飯工程は浸水、炊き上げ、蒸らしの各工程に大分され、計時手段11と鍋温度検知手段15と加熱板温度検知手段16とにより所定の炊飯工程でご飯を炊き上げる。またご飯の保温時には、鍋2内のご飯の温度を食べごろの温度であるおよそ75℃からご飯の乾燥や劣化を低減するやや低い温度のおよそ55℃の範囲で温度維持している。
【0025】
また、ご飯を炊き上げる、ご飯を保温する制御動作以外に、お手入れ後の鍋2や加熱板8に付着した水分を除去する水分を除去する機能171(図示せず)を備えている。以下水分を除去する機能171の動作、作用を説明する。本体1と蓋3に水洗いなどのお手入れ後の鍋2と加熱板8を所定の状態にセットする。ここで鍋2および加熱板8は付着した水を拭き取ることなくそのままセットする。操作表示部6に設けた起動手段4により水分を除去する機能17を動作開始する。このとき、蓋開閉検知手段18により蓋3の開閉状態を確認し蓋3が閉状態であれば動作を開始する。水分を除去する機能171は判定、加熱の工程に別れており、動作開始操作により判定工程に入り鍋加熱手段13と加熱板加熱手段14に通電を開始し鍋2および加熱板8を加熱する。このとき制御部5は、鍋加熱手段13と加熱板加熱手段14の通電負荷を検知し、鍋有無検知手段231と加熱板有無検知手段241により鍋2または加熱板8が所定の状態にセットされているかを検知し、鍋2または加熱板8が所定の状態にセットされていないと判断した場合は動作を停止する。このとき、鍋2または加熱板8が所定の位置にセットしていなかったため水分を除去する機能171を受け付けなかったことを即座に操作表示部6に表示し、ブザー22により音でも報知する。鍋2と加熱板8所定の位置にセットし蓋3が閉じていることを認識すると、つぎに加熱工程に移り鍋2および加熱板8を鍋加熱手段13と加熱板加熱手段14により加熱する。このとき鍋温度検知手段151および加熱板温度検知手段161によって鍋2と加熱板8の温度を検知している。ここでは鍋2または加熱板8に水分が付着していると水が沸騰する温度である100℃以上には上昇しないため、鍋2または加熱板8に付着している水分が蒸発し乾燥状態となる110℃になるまで加熱している。110℃の温度を鍋温度検知手段151と加熱板温度検知手段161とにより検知するとそれぞれ鍋加熱手段13と加熱板加熱手段14による加熱の工程を終了し水分を除去する機能171を終了する。また、水分を除去する機能171は、鍋温度検知手段151と加熱板温度検知手段161による鍋2と加熱板8の温度検知のみならず時間によっても動作を終了する。制御部5に計時手段11を備えていることにより、鍋2と加熱板8に多量に付着した水分を鍋加熱手段13と加熱板加熱手段14により蒸発させるのに必要とする時間をあらかじめ設定し、水分を除去する機能171の動作時間がこの設定した時間に達すると水分を除去する機能171の動作を終了するよう構成している。
【0026】
以上のように本実施の形態においては水洗いなどのお手入れ後の鍋2や加熱板8に水分が付着したままの状態で炊飯器本体1の所定位置に鍋2や加熱板8をセットしても、付着している水分を鍋2と加熱板8を加熱することにより乾燥させる水分を除去する機能171を備えていることにより、お手入れ後の鍋2や加熱板8に付着した水の拭き取りや、食器乾燥機などにセットして乾燥させる必要がなく付着した水分を確実に除去することによりお手入れが簡素化し操作性が向上するものである。
【0027】
また本実施の形態においては鍋2と加熱板8とを鍋加熱手段13と加熱板加熱手段14により加熱し鍋2と加熱板8に付着している水分を蒸発させ乾燥させるとしたが、加熱する部分は鍋2と加熱板8に限るものではなく、鍋2または加熱板8のどちらかにより鍋2内の空間を加熱し水分を蒸発し乾燥させることもできるものである。
【0028】
また蓋開閉検知手段18はリードスイッチとマグネットで構成するとしたがリードスイッチとマグネットに限るものではなく、例えば赤外線センサーによる蓋3の位置を確認し蓋3の開閉状態を検知するものでも良く、また、蓋3内に備えることに限るものではなく本体1内に蓋開閉検知手段18を備えても蓋3の開閉状態を検知するものならば同様の効果が得られるものである。
【0029】
(実施の形態2)
図2〜図3は、本発明の第2の実施の形態における炊飯器を示すものである。
【0030】
図2〜図3において、炊飯器の基本構成は上記実施の形態1と同様であり、相違箇所である鍋2の有無検知手段について説明する。鍋温度検知手段152は本体1への鍋2の収納により上下動する構成となっており、この上下の動作を機械的にON−OFFするスイッチにより検知し鍋2の有無を検知する鍋有無検知手段232aを備えたものである。鍋温度検知手段152の動作を鍋有無検知手段232aにより検知し鍋2の有無を検知することにより、鍋加熱手段13が電磁誘導加熱方式ではない加熱方式であっても鍋2の有無を検知することができる。また、電磁誘導加熱方式の鍋加熱手段13であっても小型の炊飯器など消費電力の小さい場合などは鍋2の有無時の通電負荷差が小さく判別しにくい場合があり、鍋2の有無を確実に判断することができる。
【0031】
以上のように本実施の形態においては鍋温度検知手段152に鍋有無検知手段232aを備えることにより、鍋加熱手段13が電磁誘導加熱方式によらずあらゆる加熱方式に対応できるものである。
【0032】
また本実施の形態においては鍋有無検知手段232aを機械的にON−OFFするスイッチとしたが、鍋有無検知手段232aは機械的にON−OFFするスイッチに限るものではなく、赤外線センサーなどによって鍋温度検知手段152の位置を検知し鍋2の有無を検知しても同様の効果が得られるものである。
【0033】
また鍋有無検知手段232aを鍋温度検知手段152の下方に設けたが、鍋有無検知手段232aの配置は鍋温度検知手段152の下方に限るものではなく、鍋温度検知手段152の側近傍や、または継ぎ手などにより鍋温度検知手段152の動作を伝え鍋温度検知手段152から離れた位置に設けても鍋2の有無を検知することができる。
【0034】
また鍋有無検知手段232aを鍋温度検知手段152の動作により機械的にON−OFFするスイッチで検知するとしたが、鍋有無検知手段232aは鍋温度検知手段152の動作を検知することに限るものではなく、鍋2のフランジを支持している鍋を支持する部材252に上下の可動域を設けバネにより鍋2のフランジへ押圧する鍋有無検知手段232bとするか、または直接鍋2により有無を検知しても同様の効果が得られるものである。
【0035】
(実施の形態3)
図4〜図5は、本発明の第3の実施の形態における炊飯器を示すものである。
【0036】
図4〜図5において、炊飯器の基本構成は上記実施の形態1と同様であり、相違箇所である加熱板8の有無検知手段について説明する。加熱板温度検知手段163は蓋3への加熱板8の取付けにより上下動する構成となっており、この上下の動作を機械的にON−OFFするスイッチにより検知し加熱板8の検知する加熱板有無検知手段243を備えたものである。加熱板温度検知手段163の動作を加熱板有無検知手段243により検知し加熱板8の有無を検知することにより加熱板加熱手段14が電磁誘導加熱方式ではない加熱方式であっても加熱板8の有無を検知することができる。また、電磁誘導加熱方式の加熱板加熱手段14であっても蓋3からの加熱は鍋加熱手段13ほど高火力を必要とすることは少なく、消費電力の小さい場合などは加熱板8の有無時の通電負荷差が小さく判別しにくい場合があり、加熱板8の有無を確実に判断することができる。
【0037】
以上のように本実施の形態においては加熱板温度検知手段163に加熱板有無検知手段243を備えることにより、加熱板加熱手段14が電磁誘導加熱方式によらずあらゆる加熱方式に対応できるものである。
【0038】
また本実施の形態においては加熱板有無検知手段243を機械的にON−OFFするスイッチとしたが、加熱板有無検知手段243は機械的にON−OFFするスイッチに限るものではなく、赤外線センサーなどによって加熱板温度検知手段163の位置を検知し加熱板8の有無を検知しても同様の効果が得られるものである。
【0039】
また加熱板有無検知手段243を加熱板温度検知手段163の動作により機械的にON−OFFするスイッチで検知するとしたが、加熱板有無検知手段243は加熱板温度検知手段163の動作を検知することに限るものではなく、直接加熱板8により有無を検知しても同様の効果が得られるものである。
【0040】
また加熱板8の有無を加熱板有無検知手段243により検知するとしたが、加熱板8の有無を検知するのではなく、加熱板8にフックボタン19に支持されるフック213を設け、加熱板8が蓋3に取り付けられていない場合にはフック213が蓋3にはなく蓋3が閉まらないよう構成し、蓋開閉検知手段18により水分を除去する機能171の動作の有無を判定することもできる。水分を除去する機能171により加熱板8をお手入れ後の水分が付着したまま蓋3に取り付けても加熱板8の水分を乾燥させ除去できることにより蓋3を加熱板8が取り付けられていない開放状態で放置することはなく衛生的に炊飯器を保つことができるものである。
【0041】
(実施の形態4)
図6は、本発明の第4の実施の形態における炊飯器を示すものである。
【0042】
図6において、炊飯器の基本構成は上記実施の形態1と同様であり、相違箇所である水分を除去する機能174(図示せず)について説明する。水分を除去する機能174を鍋2または加熱板8の加熱ではなく送風手段264により構成したものである。送風手段264はファンモータを備え、蓋3の蒸気筒10で外気を鍋2内へ送り込むよう構成している(矢印a方向)。上記同様鍋2または加熱板8に水分が付着した状態で送風手段264により鍋2内へ外気を送り込むことにより、鍋2内の空気と外気とを循環することにより置換し水分の蒸発や乾燥を促進させ鍋2または加熱板8に付着した水分を除去することができる。
【0043】
以上のように本実施の形態においては水分を除去する手段174を送風手段264により鍋2内へ外気を送り込む構成とすることにより、鍋2または加熱板に付着した水分を除去することができるものである。
【0044】
また本実施の形態においては送風手段264により外気を鍋2内へ送り込むとしたが、送風手段264は外気を鍋2内へ送り込むことに限るものではなく送風手段264により鍋2内の空気を鍋2外へ排出しても鍋2内の空気を外気と循環させ置換している点で同じであり同様の効果が得られるものである。
【0045】
また上記第1の実施の形態での鍋2および加熱板8の加熱による水分を除去する手段171と組み合わせることにより付着している水分の除去効率を高め、短時間で水分を除去することができるものである。
【0046】
(実施の形態5)
図7は、本発明の第5の実施の形態における炊飯器を示すものである。
【0047】
図7において、炊飯器の基本構成は上記実施の形態1と同様であり、相違箇所である水分を除去する機能175(図示せず)について説明する。水分を除去する機能175をファンモータを備える送風手段265により構成し、送風手段265を本体1内の鍋2の収納部分下方に備え本体1の鍋2収納部に本体1下方より吸入した外気を送り込む構成としたものである(矢印b方向)。送風手段265により本体1の鍋2収納部に外気を送り込む構成とすることにより鍋2の外側周囲の空気を循環させ置換することにより鍋2の外周周囲に付着している水分の蒸発や乾燥を促進させ鍋2に付着した水分を除去することができる。
【0048】
以上のように本実施の形態においては水分を除去する手段175を送風手段265により構成し、鍋2の外周周囲に外気を送り込む構成とすることにより、鍋2の外周周囲に付着した水分を除去することができる。
【0049】
また上記第1の実施の形態での鍋2および加熱板8の加熱による水分を除去する手段171と組み合わせることにより付着している水分の除去効率を高め、短時間で水分を除去することができるものである。
【0050】
(実施の形態6)
図8は、本発明の第6の実施の形態における炊飯器を示すものである。
【0051】
図8において、炊飯器の基本構成は上記実施の形態4と同様であり、相違箇所である水分を除去する機能176(図示せず)について説明する。水分を除去する機能176を、ファンモータを備える送風手段266とヒータ放熱フィンを備える送風加熱手段276とにより構成し、蓋3の蒸気筒10で外気を鍋2内へ送り込むよう構成としたものである(矢印c方向)。上記同様鍋2または加熱板8に水分が付着した状態で本体1にセットし水分を除去する機能176を起動すると、送風手段266により外気を鍋2内へ送り込み、かつ送風加熱手段276により鍋2内へ送り込む外気を加熱することにより、鍋2内には高温に加熱された外気が入り鍋2や加熱板8に付着した水分を短時間で除去することができる。さらに、第4の実施の形態では鍋2または加熱板8を加熱により水分除去の効率を高めることができたのであるが、炊飯や保温に活用している加熱は鍋2や加熱板8全体を加熱するので高出力であり多量の消費電力を必要とするのであるが、送風加熱手段276により送風外気を加熱することにより水分を除去するのに必要な出力で加熱することができるので消費電力の低減になる。
【0052】
以上のように本実施の形態においては水分を除去する手段176を送風手段265と送風加熱手段276とにより構成することにより短時間かつ省電力で鍋2や加熱板8に付着している水分を除去することができる。
【0053】
また本実施の形態においては鍋2内へ外気を送り込む送風手段265に送風加熱手段276を備えた構成としたが、上記第5の実施の形態のように鍋2の外周周囲に外気を送り込む構成においても加熱した外気を送り込むことにより短時間で水分を除去できる点においては同じであり同様の効果が得られるものである。
【0054】
(実施の形態7)
図9は、本発明の第7の実施の形態における炊飯器を示すものである。
【0055】
図9において、炊飯器の基本構成は上記実施の形態4と同様であり、相違箇所である水分を除去する機能177(図示せず)の送風手段267について説明する。外気を鍋2内に送り込むファンモータを備えた送風手段267に外気を吸入し鍋2内へ送り込む専用の送風口30を設けたものである(矢印d方向)。送風口30は吸気口28を蓋3の炊飯器外形を構成する面に設け、蓋3の鍋2対向面に吸入した外気を鍋2内へ送り込む専用の吹出し口29を備えたものである。外気吸入専用の吸気口28と鍋2内へ外気を送り込む専用の吹出し口29を設けることにより、外気と鍋2内の空気の流れは吸気口28から吹出し口29を経て鍋2内に外気が投入され、鍋2内の空気は炊飯と同様蒸気孔9から蒸気筒10を経て炊飯器外へ放出される(矢印e方向)。鍋2への吸気と排気を分離することにより鍋2内外の空気の循環が混乱することなく円滑になるので鍋2内の外気との空気の置換が早くなり鍋2または加熱板8に付着した水分を早く乾燥し除去することができる。
【0056】
以上のように本実施の形態においては水分を除去する手段177を外気を吸入する専用の送風口30を備えた送風手段267とすることにより、鍋2または加熱板に付着した水分を除去することができるものである。
【0057】
また本実施の形態においては送風手段267により外気を鍋2内へ送り込むとしたが、送風手段267は外気を鍋2内へ送り込むことに限るものではなく送風手段267により鍋2内の空気を鍋2外へ排出しても鍋2内の空気を外気と循環させ置換している点で同じであり同様の効果が得られるものである。
【0058】
また上記第1の実施の形態と同様鍋2または加熱板8を加熱することにより付着している水分の蒸発を促進させ短時間で水分を除去できるものである。
【0059】
また上記第6の実施の形態と同様送風手段267に送風加熱手段を設け加熱した高温の外気を鍋2内へ送り込む構成とすることにより付着した水分の短時間化と省電力化ができるものである。
【0060】
また送風手段267により鍋2内の空気を鍋2外へ排出する構成としたとき、外気を吸気する蒸気筒10に送風加熱手段を設け加熱した高温の外気を鍋2内へ送り込む構成とすることにより同様の効果が得られるものである。
【産業上の利用可能性】
【0061】
以上のように本発明にかかる炊飯器は、お手入れ後の鍋や加熱板などの着脱部品の操作性を向上させることが可能となるので、家庭用および業務用の炊飯器として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施の形態1における炊飯器の図
【図2】本発明の実施の形態2における炊飯器の図
【図3】本発明の実施の形態2における炊飯器の図
【図4】本発明の実施の形態3における炊飯器の図
【図5】本発明の実施の形態3における炊飯器の図
【図6】本発明の実施の形態4における炊飯器の図
【図7】本発明の実施の形態5における炊飯器の図
【図8】本発明の実施の形態6における炊飯器の図
【図9】本発明の実施の形態7における炊飯器の図
【図10】従来の炊飯器の図
【符号の説明】
【0063】
1 本体
2 鍋
3 蓋
4 起動手段
8 加熱板
11 計時手段
13 鍋加熱手段
14 加熱板加熱手段
151 鍋温度検知手段
152 鍋温度検知手段
161 加熱板温度検知手段
163 加熱板温度検知手段
231 鍋有無検知手段
232a 鍋有無検知手段
232b 鍋有無検知手段
241 加熱板有無検知手段
243 加熱板有無検知手段
264 送風手段
265 送風手段
266 送風手段
267 送風手段
276 送風加熱手段
277 送風加熱手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、前記本体に着脱自在に収納する鍋と、前記本体の上面開口部を開閉自在に覆う蓋とを備え、前記鍋に付着した水分を除去する機能を備えた炊飯器。
【請求項2】
本体内に鍋が収納していることを検知する鍋有無検知手段と水分を除去する機能を起動させる起動手段を備えた請求項1記載の炊飯器。
【請求項3】
蓋の下面に位置し前記蓋より着脱自在に構成した加熱板を備え、前記加熱板に付着した水分を除去する機能を備えた請求項1〜2のいずれか1項に記載の炊飯器。
【請求項4】
加熱板が蓋に装着していることを検知する加熱板有無検知手段を備えた請求項1〜3のいずれか1項に記載の炊飯器。
【請求項5】
鍋を加熱する鍋加熱手段または加熱板を加熱する加熱板加熱手段を備え、水分を除去する機能は前記鍋加熱手段または加熱板加熱手段か、あるいは鍋加熱手段と加熱板加熱手段とにより前記鍋または前記加熱板に付着した水分を加熱し蒸発させる請求項1〜4のいずれか1項に記載の炊飯器。
【請求項6】
鍋の温度を検知する鍋温度検知手段を設けた請求項5に記載の炊飯器。
【請求項7】
加熱板の温度を検知する加熱板温度検知手段を設けた請求項5〜6のいずれか1項に記載の炊飯器。
【請求項8】
水分を除去する機能の動作時間を計る計時手段を設けた請求項1〜7のいずれか1項に記載の炊飯器。
【請求項9】
鍋内に外気を送り込む送風手段を備え、水分を除去する機能は前記送風手段により水分を除去するた請求項1〜8のいずれか1項に記載の炊飯器。
【請求項10】
本体の鍋収納部に外気を送り込む送風手段を備えた請求項1〜9のいずれか1項に記載の炊飯器。
【請求項11】
鍋内に外気を送り込む送風手段に、送風する空気を加熱する送風加熱手段を設けた請求項1〜10のいずれか1項に記載の炊飯器。
【請求項12】
鍋内に空気を送り込む送風口を独立して設けた請求項1〜11のいずれか1項に記載の炊飯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−81643(P2006−81643A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−267930(P2004−267930)
【出願日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】