説明

点灯装置及び照明器具及び照明制御装置

【課題】ランプを消灯することなく、電源配線を利用して、ランプの点灯状態を変更する指令を、点灯装置に入力する。
【解決手段】電源検出回路160は、直流電源回路110が交流電圧を入力しているか否かを検出する。オフ期間計測部171は、電源オフ期間の長さを計測する。オフ操作判定部172は、電源オフ操作があったか否かを判定する。点灯制御部173は、所定の回数の電源オフ操作があった場合に、放電灯LA(ランプ)の点灯状態を変更する制御信号を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、放電灯などのランプの点灯状態を変更することができる点灯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
照明器具が消費する電力を抑えるためには、ランプの明るさ(照度)を適切に調整することが有効である。
そのため、調光機能を有する点灯装置がある。
【特許文献1】特開平3−269996号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
調光機能を実現するためには、利用者の調光指令を点灯装置に入力する機能を、点灯装置に付加する必要がある。
調光指令を入力するために専用の配線を設けると、照明器具の設置に手間がかかり、設置コストが高くなる。
電源スイッチの操作により、利用者の調光指令を点灯装置に入力する方式は、操作に時間がかかると、調光指令入力中にランプが消灯してしまう可能性がある。
この発明は、例えば、上記のような課題を解決するためになされたものであり、ランプを消灯することなく、調光指令を点灯装置に入力することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明にかかる点灯装置は、
交流電圧を入力し、入力した交流電圧から直流電圧を生成する直流電源回路と、
上記直流電源回路が生成した直流電圧により充電される平滑コンデンサと、
上記直流電源回路が交流電圧を入力しているか否かを検出する電源検出回路と、
上記電源検出回路が検出した検出結果に基づいて、上記直流電源回路が交流電圧を入力せず、その後、上記直流電源回路が交流電圧を入力した場合に、上記直流電源回路が交流電圧を入力しなかった期間の長さを計測するオフ期間計測部と、
上記オフ期間計測部が計測した期間の長さが所定の範囲内である場合に、一回の電源オフ操作があったと判定するオフ操作判定部と、
上記オフ操作判定部が判定した判定結果に基づいて、所定の期間内に、所定の回数の電源オフ操作があったと判定した場合に、ランプの点灯状態を変更する制御信号を生成する点灯制御部と、
上記点灯制御部が生成した制御信号に基づいて、上記平滑コンデンサに充電された直流電圧から上記ランプに供給する電力を生成する点灯回路とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
この発明にかかる点灯装置によれば、電源スイッチを短時間オフする電源オフ操作を所定の回数繰り返す操作パターンにより、ランプを消灯することなく、ランプの点灯状態を変更する指令を点灯装置に入力することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
実施の形態1.
実施の形態1について、図1〜図7を用いて説明する。
照明制御システム850は、照明器具800、照明制御装置200を有する。
【0007】
図1は、この実施の形態における照明器具800の外観を示す斜視図である。
照明器具800は、放電灯(ランプ)を接続するランプソケット810とを有し、内蔵する放電灯点灯装置が生成した電圧を、ランプソケット810に接続された放電灯LAに印加することにより、放電灯LAを点灯する。
【0008】
図2は、この実施の形態における照明制御システム850の全体構成を示すブロック構成図である。
照明制御装置200は、商用電源などの交流電源ACから電力の供給を受けて動作する。照明制御装置200は、利用者の指令を入力し、入力した指令にしたがって、照明器具800を制御する信号を生成する。
照明制御装置200は、操作入力装置210、制御電源回路250、マイコン270、スイッチ装置230を有する。
【0009】
操作入力装置210は、利用者が照明器具800に入力したい指令を、簡単な操作で入力する装置である。操作入力装置210は、例えば、「100%点灯」「75%点灯」「50%点灯」などの操作に対応する操作ボタンを有し、利用者が操作ボタンを押すことにより、所望の操作を入力する。あるいは、操作入力装置210は、赤外線受光部を有し、利用者が赤外線リモコンの操作ボタンを押して、赤外線リモコンが送信した赤外線信号を、赤外線受光部が受信することにより、利用者が所望する操作を入力してもよい。
操作入力装置210は、入力した操作を表わす操作信号を生成し、出力する。
【0010】
制御電源回路250は、交流電源ACから交流電圧を入力し、入力した交流電圧から、マイコン270を動作させる電源となる制御電源電圧を生成する。
マイコン270は、制御電源回路250が生成した制御電源電圧を電源として動作し、ROM(図示せず)などの記憶装置が記憶したプログラムを実行することにより、操作パターン生成部271の機能を実現する。なお、操作パターン生成部271は、マイコン270がプログラムを実行することにより実現するのではなく、アナログ回路、デジタル回路、アナログデジタル混合回路などにより実現してもよい。
【0011】
操作パターン生成部271は、操作入力装置210が生成した操作信号を入力し、入力した操作信号が表わす利用者の操作に基づいて、利用者の操作に対応する所定のパターンのスイッチ開閉信号を生成する。操作パターン生成部271が生成するスイッチ開閉信号の開閉パターンは、例えば、短時間(例えば100ミリ秒〜500ミリ秒)のオフ期間と、その後のオン期間(例えば、200ミリ秒)とを何回か繰り返すパターンである。また、操作入力装置210が利用者の操作を入力せず操作信号を生成しない場合は、操作パターン生成部271は、オン状態を継続するスイッチ開閉信号を生成する。
【0012】
スイッチ装置230は、ソリッドステートリレーなどの半導体式接点や、電磁式リレーなどの機械式接点によるスイッチを有する。スイッチ装置230のスイッチは、照明器具800から見て、交流電源ACと直列に電気接続していて、照明器具800には、スイッチ装置230を介して、交流電源ACから交流電圧が供給される。このため、スイッチ装置230がオフになると、照明器具800に交流電源ACから交流電圧が供給されず、スイッチ装置230がオンになると、(電源スイッチSWもオンであれば、)照明器具800に交流電源ACから交流電圧が供給される。
スイッチ装置230は、操作パターン生成部271が生成したスイッチ開閉信号を入力し、入力したスイッチ開閉信号に基づいて、スイッチを開閉する。
【0013】
照明器具800は、照明制御装置200を介して交流電源ACと接続し、交流電源ACから電力の供給を受けて、ランプソケット810に接続された放電灯LAを点灯する。
照明器具800は、放電灯点灯装置100を有する。放電灯点灯装置100は、交流電源ACから交流電圧を入力し、入力した交流電圧から放電灯LAに印加する電圧を生成する。
照明制御装置200がスイッチ装置230をオフにした場合、スイッチ装置230がオフである時間が短時間なので、放電灯点灯装置100は、放電灯LAの点灯を継続する。また、利用者が電源スイッチSWをオフにした場合は、電源スイッチSWがオフである時間が長時間になるので、放電灯点灯装置100は、放電灯LAを消灯する。
放電灯点灯装置100は、放電灯LAを消灯しない短時間の電源オフを利用して、照明制御装置200からの制御信号を入力する。照明制御装置200は、所定のパターンにしたがって、照明器具800の電源をオフすることにより、例えば、放電灯LAの明るさなど放電灯LAの点灯状態を変更する指令を入力し、放電灯点灯装置100は、電源オフのパターンにしたがって、放電灯LAの点灯状態を変更する。
【0014】
放電灯点灯装置100は、直流電源回路110、平滑コンデンサC24、インバータ回路130、コイルL41、コンデンサC42、コンデンサC43、制御電源回路150、電源検出回路160、マイコン170、不揮発性メモリ180を有する。
直流電源回路110は、商用電源などの交流電源ACから低周波交流電圧(例えば50Hz〜60Hz、100V〜254V)を入力し、入力した低周波交流電圧から直流電圧(例えば400V)を生成する。直流電源回路110は、ダイオードブリッジDB、チョークコイルL21、スイッチング素子Q22、ダイオードD23、昇圧制御回路PFCを有し、ダイオードブリッジDBが低周波交流電圧を全波整流して脈流電圧を生成し、チョークコイルL21、スイッチング素子Q22、ダイオードD23、昇圧制御回路PFCからなるアクティブフィルタ回路(昇圧チョッパ回路)が、脈流電圧を昇圧して、直流電圧を生成する。
平滑コンデンサC24は、直流電源回路110が生成した直流電圧により充電される。
インバータ回路130(点灯回路)は、平滑コンデンサC24に充電された直流電圧を入力し、入力した直流電圧から高周波交流電圧(例えば50kHz〜80kHz)を生成する。インバータ回路130は、例えば、スイッチング素子Q31、スイッチング素子Q32、ドライブ回路135からなるハーフブリッジ回路である。ドライブ回路135は、制御信号を入力し、入力した制御信号に基づいて、スイッチング素子Q31及びスイッチング素子Q32を交互にオンオフすることにより、高周波交流矩形波電圧を生成する。
コイルL41は、放電灯LAを流れる電流を制限するチョークコイルである。
コンデンサC42は、インバータ回路130が生成した高周波交流電圧の直流成分をカットする結合コンデンサである。
コンデンサC43は、放電灯LA始動時に、コイルL41、コンデンサC42と共振することにより、放電灯LAのフィラメント間に高電圧を発生させ、放電灯LAの放電を開始させる始動コンデンサである。
【0015】
制御電源回路150は、マイコン170を動作させる電源となる直流電圧(例えば、5V)を生成する。制御電源回路150は、例えば、ダイオードブリッジDBが全波整流した脈流電圧を入力し、入力した脈流電圧を降圧して、直流電圧(以下「制御電源電圧」と呼ぶ。)を生成する。なお、制御電源回路150は、放電灯点灯装置100が交流電源ACから交流電圧を入力しなくなった後も、マイコン170が数分間(例えば5分間)程度は動作を続けられるよう、制御電源電圧の生成を続けるものとする。例えば、制御電源回路150は、生成した制御電源電圧により充電されるコンデンサを有し、コンデンサに充電された電圧を、マイコン170を動作させる電源とする。
【0016】
電源検出回路160は、直流電源回路110が交流電圧を入力しているか否かを検出し、検出結果を表わす電源検出信号を生成する。電源検出回路160は、例えば、ダイオードブリッジDBが全波整流した脈流電圧を入力し、入力した電圧が所定の電圧(以下「電源検出閾値電圧」と呼ぶ。)より高い場合に、直流電源回路110が交流電圧を入力していることを表わす電源検出信号(以下「“H”」と呼ぶ。)を生成し、入力した電圧が電源検出閾値電圧より低い場合に、直流電源回路110が交流電圧を入力していないことを表わす電源検出信号(以下「“L”」と呼ぶ。)を生成する。
【0017】
マイコン170は、制御電源回路150が生成した制御電源電圧を電源として動作し、ROM(図示せず)などの記憶装置が記憶したプログラムを実行することにより、オフ期間計測部171、オフ操作判定部172、点灯制御部173の機能を実現する。なお、オフ期間計測部171、オフ操作判定部172、点灯制御部173は、マイコン170がプログラムを実行することにより実現するのではなく、アナログ回路、デジタル回路、アナログデジタル混合回路などにより実現してもよい。
【0018】
不揮発性メモリ180は、マイコン170が書き込んだデータを記憶する。不揮発性メモリ180は、放電灯点灯装置100が交流電源ACから交流電圧を入力しなくなった場合も、記憶したデータを保持する。
状態記憶部181は、不揮発性メモリ180を用いて、放電灯LAの点灯状態を表わすデータを記憶する。
【0019】
オフ期間計測部171は、電源検出回路160が生成した電源検出信号を入力し、入力した電源検出信号が表わす電源検出回路160の検出結果に基づいて、電源オフ期間の長さを計測する。電源オフ期間とは、スイッチ装置230のオフなどにより、放電灯点灯装置100が一時的に交流電源ACから交流電圧を入力しなくなった期間のことである。上述したように、放電灯点灯装置100が交流電源ACから交流電圧を入力しなくなった後も、マイコン170は数分間程度動作を続けるので、マイコン170の動作が停止するまでの期間よりも電源オフ期間が短ければ、オフ期間計測部171は、電源オフ期間の長さを計測できる。
例えば、オフ期間計測部171は、電源検出信号が“H”であるか“L”であるかを常に監視し、電源検出信号が“H”から“L”に変わった場合、経過時間の測定を開始する。オフ期間計測部171は、その後も電源検出信号の監視を続け、最大オフ期間(例えば1秒)が経過する前に、電源検出信号が“L”から“H”に変わった場合、経過時間の測定を終了して、測定した経過時間を、電源オフ期間の長さとする。「最大オフ期間」とは、電源の遮断が、照明制御装置200が、指令を入力するために、スイッチ装置230をオフしたことによるものであるか、利用者が、放電灯LAを消灯するために、電源スイッチSWを操作したことによるものであるかを判定するための閾値となる電源オフ期間の長さである。放電灯点灯装置100は、電源電圧が入力されなくなってから最大オフ期間が経過するまでは、照明制御装置200が指令を入力しようとしているのか、利用者が放電灯LAを消灯しようとしているのか判別できないので、放電灯LAの点灯を続ける。したがって、利用者が放電灯LAを消灯しようと思って、電源スイッチSWをオフにした場合、最大オフ期間の分、反応が遅れることになる。そのため、最大オフ期間は、最長でも1秒程度に設定することが好ましい。
【0020】
オフ操作判定部172は、オフ期間計測部171が計測した電源オフ期間の長さに基づいて、電源オフ操作があったか否かを判定する。電源オフ操作とは、照明制御装置200がスイッチ装置230を所定の開閉パターンにしたがってオンオフする操作のうち、一回のオフのことをいう。スイッチ装置230がオフになっている期間は、例えば100ミリ秒程度である。
電源検出回路160が入力する脈流電圧は、放電灯点灯装置100が入力する低周波交流電圧の周期の半分の周期ごとに0になるので、電源検出回路160が出力する電源検出信号は、放電灯点灯装置100が低周波交流電圧を入力している場合でも、低周波交流電圧の周波数の倍の周波数で、“L”になる。この場合、電源検出信号が“L”である期間は短い(例えば1ミリ秒以内)ので、オフ操作判定部172は、電源オフ期間の長さに基づいて、電源オフ操作と区別することができる。すなわち、オフ操作判定部172は、電源オフ期間の長さが、周期的な“L”と区別できる程度に長く、最大オフ期間よりも短い所定の範囲(以下「電源オフ操作判定範囲」と呼ぶ。)内(例えば5ミリ秒〜1秒)である場合に、電源オフ操作があったと判定し、電源オフ期間の長さが電源オフ操作判定範囲よりも長い場合には、消灯操作があったと判定し、逆に、電源オフ期間の長さが電源オフ操作判定範囲よりも短い場合には、操作がなかったと判定する。
【0021】
点灯制御部173は、ドライブ回路135が入力する制御信号を生成する。ドライブ回路135は制御信号に基づいて動作するので、点灯制御部173は、制御信号を変化させることにより、ドライブ回路135を制御し、放電灯LAの点灯状態を変更する。点灯制御部173は、オフ操作判定部172が判定した判定結果に基づいて、所定の期間内に、所定の回数(以下「変更操作判定回数」と呼ぶ。)の電源オフ操作があったと判定した場合に、変更操作があったと判定する。
オフ操作判定部172が電源オフ操作があったと判定した場合であっても、瞬停(瞬時停電)やサグ(瞬時電圧低下)などにより、電源検出信号が“L”となった可能性がある。瞬停やサグが発生する期間は例えば数十ミリ秒以内なので、これが電源オフ操作判定範囲内であれば、オフ操作判定部172は、電源オフ操作があったと判定する。そこで、電源オフ操作一回ではなく、所定の期間内に複数回の電源オフ操作をして初めて、照明制御装置200による指令を表わすものとする。変更操作とは、このように電源オフ操作を所定の回数繰り返す操作のことである。点灯制御部173は、変更操作があったと判定した場合、放電灯LAの点灯状態(例えば点灯する明るさなど)を変更する制御信号を生成する。
なお、変更操作判定回数は、少なくとも2回以上とする。変更操作判定回数が多ければ、瞬停やサグなどの影響による誤判定の可能性が低くなるが、その分、指令の伝達に時間がかかるので、2〜3回程度が好ましい。
【0022】
また、点灯制御部173は、放電灯LAの点灯状態を変更した場合、変更した点灯状態を表わすデータを、状態記憶部181に記憶させる。
点灯制御部173は、放電灯LAが消灯している状態で、放電灯点灯装置100が交流電源ACから交流電圧の入力を開始した場合、状態記憶部181が記憶したデータを入力して、入力したデータが表わす消灯前の放電灯LAの点灯状態を取得し、放電灯LAの点灯状態を、消灯前と同じ点灯状態にする制御信号を生成する。これにより、例えば、利用者が、放電灯LAの明るさを調整したのちに消灯した場合、次に放電灯LAを点灯すると、放電灯LAが消灯前と同じ明るさに点灯する。
【0023】
次に、動作について説明する。
【0024】
図3は、この実施の形態における放電灯点灯装置100が操作内容を判定する操作判定処理の流れを示すフローチャート図である。
操作判定処理は、電源投入によりマイコン170が動作を開始したときから、電源切断によりマイコン170が動作を停止するまでの間、実行される。
【0025】
電源投入によりマイコン170が動作を開始すると、開始判定工程S611から処理を実行する。
開始判定工程S611において、オフ期間計測部171は、電源検出回路160が生成した電源検出信号を入力する。オフ期間計測部171は、入力した電源検出信号に基づいて、電源検出信号が“H”であるか“L”であるかを判定する。
電源検出信号が“H”であると判定した場合、開始判定工程S611を繰り返す。
電源検出信号が“L”であると判定した場合、測定開始工程S612へ進む。
【0026】
測定開始工程S612において、オフ期間計測部171は、タイマーなどを用いて、電源オフ期間の測定を開始する。
【0027】
上限判定工程S613において、オフ期間計測部171は、測定開始工程S612で測定を開始した電源オフ期間を、最大オフ期間と比較する。
電源オフ期間が最大オフ期間より長い場合、消灯判定工程S621へ進む。
電源オフ期間が最大オフ期間以下である場合、終了判定工程S614へ進む。
【0028】
終了判定工程S614において、オフ期間計測部171は、電源検出回路160が生成した電源検出信号を入力する。オフ期間計測部171は、入力した電源検出信号に基づいて、電源検出信号が“H”であるか“L”であるかを判定する。
電源検出信号が“L”であると判定した場合、上限判定工程S613に戻る。
電源検出信号が“H”であると判定した場合、測定終了工程S615へ進む。
【0029】
測定終了工程S615において、オフ期間計測部171は、タイマーなどを用いて、電源オフ期間の測定を終了する。
【0030】
下限判定工程S616において、オフ操作判定部172は、測定終了工程S615で測定を終了した電源オフ期間を、電源オフ操作判定範囲の下限(以下「最小オフ期間」と呼ぶ。)と比較する。
電源オフ期間が最小オフ期間よりも短い場合、開始判定工程S611に戻る。
電源オフ期間が最小オフ期間以上である場合、オフ操作判定工程S617へ進む。
【0031】
オフ操作判定工程S617において、オフ操作判定部172は、一回の電源オフ操作があったと判定し、判定結果を表わすデータを出力する。その後、開始判定工程S611に戻る。
【0032】
消灯判定工程S621において、オフ操作判定部172は、消灯操作があったと判定し、判定結果を表わすデータを出力する。
【0033】
オン判定工程S622において、オフ期間計測部171は、電源検出回路160が生成した電源検出信号を入力する。オフ期間計測部171は、入力した電源検出信号に基づいて、電源検出信号が“H”であるか“L”であるかを判定する。
電源検出信号が“L”であると判定した場合、オン判定工程S622を繰り返す。なお、オン判定工程S622を繰り返している間に、マイコン170の動作を継続できる時間が経過すると、マイコン170が動作を停止し、操作判定処理が終了する。
電源検出信号が“H”であると判定した場合、オフ操作判定部172は、点灯操作があったと判定し、判定結果を表わすデータを出力する。その後、開始判定工程S611に戻る。
【0034】
図4は、この実施の形態における放電灯点灯装置100が、変更操作があったかを判定する変更操作判定処理の流れを示すフローチャート図である。
【0035】
操作取得工程S631において、点灯制御部173は、操作判定処理でオフ操作判定部172が判定結果を出力するのを待ち、オフ操作判定部172が出力した判定結果を表わすデータを取得する。
取得したデータが表わす判定結果が、オフ操作があったという内容である場合、測定開始工程S632へ進む。
取得したデータが表わす判定結果が、オフ操作以外の操作があったという内容である場合、その他判定工程S637へ進む。
【0036】
測定開始工程S632において、点灯制御部173は、タイマーなどを用いて、経過時間の測定を開始する。
【0037】
間隔判定工程S633において、点灯制御部173は、測定開始工程S632で測定を開始した経過時間を、所定の時間(以下「操作間隔時間」と呼ぶ。)と比較して、操作間隔時間が経過したか否かを判定する。なお、操作間隔時間が長いと、その間に複数回の瞬停やサグが発生して誤判定する可能性が増えるので、操作間隔時間は、最大オフ時間の三倍以下(すなわち、電源オフ操作と電源オフ操作との間の電源スイッチSWをオンにしている期間が、最大オフ時間の二倍以下)であることが好ましい。
操作間隔時間が経過したと判定した場合、操作取得工程S631に戻る。
操作間隔時間が経過していないと判定した場合、操作取得工程S634へ進む。
【0038】
操作取得工程S634において、点灯制御部173は、前回、オフ操作判定部172が出力した判定結果を表わすデータを取得した後、オフ操作判定部172が新たな判定結果を出力していれば、オフ操作判定部172が出力した新たな判定結果を表わすデータを取得する。
オフ操作判定部172が新たな判定結果を出力していない場合、間隔判定工程S633に戻る。
オフ操作判定部172が新たな判定結果を出力し、取得したデータが表わす判定結果が、オフ操作があったという内容である場合、回数判定工程S635へ進む。
オフ操作判定部172が新たな判定結果を出力し、取得したデータが表わす判定結果が、オフ操作以外の操作があったという内容である場合、その他判定工程S637へ進む。
【0039】
回数判定工程S635において、点灯制御部173は、電源オフ操作の繰り返し回数を、変更操作判定回数と比較する。
電源オフ操作の繰り返し回数が変更操作判定回数未満である場合、測定開始工程S632に戻る。
電源オフ操作の繰り返し回数が変更操作判定回数と等しい場合、変更判定工程S636へ進む。
【0040】
変更判定工程S636において、点灯制御部173は、変更操作があったと判定する。その後、変更操作判定処理を終了する。
【0041】
その他判定工程S637において、点灯制御部173は、操作取得工程S631または操作取得工程S634で取得したデータが表わす判定結果と同じ操作があったと判定する。その後、変更操作判定処理を終了する。
【0042】
図5は、この実施の形態における放電灯点灯装置100が放電灯LAの点灯消灯を制御する点灯制御処理の流れを示すフローチャート図である。
点灯制御処理は、電源投入によりマイコン170が動作を開始してから、電源切断によりマイコン170が動作を停止するまでの間、実行される。
【0043】
電源投入により、マイコン170が動作を開始すると、予熱工程S641から処理を実行する。
予熱工程S641において、点灯制御部173は、放電灯LAのフィラメントを予熱するよう指示する制御信号(以下「“予熱”」と呼ぶ。)を生成し、出力する。これにより、ドライブ回路135は、予熱周波数の高周波交流電圧を生成し、放電灯LAのフィラメントが予熱される。
予熱終了判定工程S642において、点灯制御部173は、予熱工程S641で制御信号“予熱”を出力してから、放電灯LAのフィラメントが十分に暖まるのに必要な所定の時間が経過したか否かを判定する。
所定の時間が経過していないと判定した場合、予熱終了判定工程S642を繰り返す。
所定の時間が経過したと判定した場合、始動工程S643へ進む。
【0044】
始動工程S643において、点灯制御部173は、放電灯LAを始動するよう指示する制御信号(以下「“始動”」と呼ぶ。)を生成し、出力する。これにより、ドライブ回路135は、始動周波数の高周波交流電圧を生成し、放電灯LAが放電を開始し、点灯する。
【0045】
点灯状態取得工程S644において、点灯制御部173は、状態記憶部181が記憶した、消灯前の放電灯LAの点灯状態を表わすデータを取得する。
取得したデータが表わす点灯状態が高出力点灯である場合、高出力点灯工程S645へ進む。
取得したデータが表わす点灯状態が中出力点灯である場合、中出力点灯工程S647へ進む。
取得したデータが表わす点灯状態が低出力点灯である場合、低出力点灯工程S649へ進む。
【0046】
高出力点灯工程S645において、点灯制御部173は、放電灯LAを高出力で点灯するよう指示する制御信号(以下「“高出力点灯”」と呼ぶ。)を生成し、出力する。これにより、ドライブ回路135は、高出力点灯周波数の高周波交流電圧を生成し、放電灯LAが一番明るく点灯する。状態記憶部181は、放電灯LAの点灯状態が高出力点灯であることを表わすデータを記憶する。
【0047】
変更操作判定工程S646において、点灯制御部173は、上述した変更操作判定処理をして、操作内容を判定する。
消灯操作があったと判定した場合、消灯工程S651へ進む。
変更操作があったと判定した場合、中出力点灯工程S647へ進む。
【0048】
中出力点灯工程S647において、点灯制御部173は、放電灯LAを中出力で点灯するよう指示する制御信号(以下「“中出力点灯”」と呼ぶ。)を生成し、出力する。これにより、ドライブ回路135は、中出力点灯周波数の高周波交流電圧を生成し、放電灯LAが少し暗く点灯する。状態記憶部181は、放電灯LAの点灯状態が中出力点灯であることを表わすデータを記憶する。
【0049】
変更操作判定工程S648において、点灯制御部173は、上述した変更操作判定処理をして、操作内容を判定する。
消灯操作があったと判定した場合、消灯工程S651へ進む。
変更操作があったと判定した場合、低出力点灯工程S649へ進む。
【0050】
低出力点灯工程S649において、点灯制御部173は、放電灯LAを低出力で点灯するよう指示する制御信号(以下「“低出力点灯”」と呼ぶ。)を生成し、出力する。これにより、ドライブ回路135は、低出力点灯周波数の高周波交流電圧を生成し、放電灯LAが一番暗く点灯する。状態記憶部181は、放電灯LAの点灯状態が低出力点灯であることを表わすデータを記憶する。
【0051】
変更操作判定工程S650において、点灯制御部173は、上述した変更操作判定処理をして、操作内容を判定する。
消灯操作があったと判定した場合、消灯工程S651へ進む。
変更操作があったと判定した場合、高出力点灯工程S645へ進む。
【0052】
消灯工程S651において、点灯制御部173は、放電灯LAを消灯するよう指示する制御信号(以下「“消灯”」と呼ぶ。)を生成し、出力する。これにより、ドライブ回路135は、高周波交流電圧の生成を停止し、放電灯LAが消灯する。
【0053】
変更操作判定工程S652において、点灯制御部173は、上述した変更操作判定処理をして、操作内容を判定する。
点灯操作があったと判定した場合、予熱工程S641に戻る。
点灯操作以外の操作があったと判定した場合、変更操作判定工程S652を繰り返す。
【0054】
図6は、この実施の形態における放電灯点灯装置100が操作内容を判定する動作の一例を示すタイミング図である。
【0055】
時刻tにおいて、利用者が電源スイッチSWをオンにし、放電灯点灯装置100に交流電源ACから交流電圧が供給される。制御電源回路150が制御電源電圧を生成して、マイコン170が動作を開始する。
【0056】
放電灯点灯装置100が入力する交流電圧がゼロクロスするたびに、ダイオードブリッジDBが生成する脈流電圧の電圧値が、電源検出回路160の電源検出閾値電圧を下回るので、電源検出回路160は、電源検出信号“L”を出力する。オフ期間計測部171が電源オフ期間を計測し、オフ操作判定部172が最小オフ期間(「Tmin」)と比較して、電源オフ期間のほうが最小オフ期間よりも短いので、操作なしと判定する。
【0057】
時刻tにおいて、利用者が電源スイッチSWをオフにしあるいは瞬停により、放電灯点灯装置100に交流電源ACから交流電圧が供給されなくなる。インバータ回路130は、平滑コンデンサC24に充電された電圧を電源としてが高周波交流電圧の生成を続け、放電灯LAは点灯を続ける。また、制御電源回路150は、内部のコンデンサに充電された電圧を制御電源電圧として出力し、マイコン170も動作を続ける。電源検出回路160は、電源検出信号“L”を出力し、オフ期間計測部171が電源オフ期間の計測を始める。
【0058】
時刻tにおいて、利用者が電源スイッチSWをオンにしあるいは瞬停から回復し、放電灯点灯装置100に再び交流電源ACから交流電圧が供給される。電源検出回路160は、電源検出信号“H”を出力し、オフ期間計測部171が計測した電源オフ期間を、オフ操作判定部172が最小オフ期間と比較して、電源オフ期間のほうが最小オフ期間よりも長いので、電源オフ操作があったと判定する。点灯制御部173は、1回目の電源オフ操作があったので、経過時間の計測を始める。
【0059】
時刻tにおいて、利用者が電源スイッチSWをオフにしあるいは瞬停が発生し、すぐに、時刻tにおいて、利用者が電源スイッチSWをオンにしあるいは瞬停から回復する。オフ期間計測部171が電源オフ期間を計測し、オフ操作判定部172が最小オフ期間と比較して、電源オフ期間のほうが最小オフ期間よりも短いので、操作なしと判定する。実際には、そのような短時間のうちに意図的に電源スイッチSWを操作することは困難なので、例えば、間違って電源スイッチSWに軽く触れてしまい、一瞬だけ電源スイッチSWが切れたような場合である。
【0060】
その後、操作間隔時間(「Tint」)が経過しても、次の電源オフ操作がないので、点灯制御部173は、変更操作がなかったと判定する。
【0061】
時刻tにおいて、操作入力装置210が、利用者の操作を入力し、操作パターン生成部271が、変更操作に対応する開閉パターンを生成する。操作パターン生成部271が生成した開閉パターンにしたがって、スイッチ装置230がオフになり、時刻tにおいて、スイッチ装置230がオンになる。電源オフ期間が最小オフ期間より長いので、オフ操作判定部172は、電源オフ操作があったと判定し、点灯制御部173は、経過時間の計測を始める。
【0062】
スイッチ装置230は、開閉パターンにしたがって、時刻tにおいて、オフになり、時刻tにおいて、オンになる。電源オフ期間が最小オフ期間より長いので、オフ操作判定部172は、電源オフ操作があったと判定し、点灯制御部173は、操作間隔時間の経過前に電源オフ操作があったので、2回目の電源オフ操作であると判定する。例えば変更操作判定回数が「2」であれば、点灯制御部173は、変更操作があったと判定する。
【0063】
時刻t10において、利用者が電源スイッチSWをオフにする。電源検出回路160が電源検出信号“L”を出力し、オフ期間計測部171が電源オフ期間の計測を始める。
時刻t11において、最大オフ期間(「Tmax」)が経過しても、電源検出信号が“H”にならないので、オフ操作判定部172は、消灯操作があったと判定する。
【0064】
図7は、この実施の形態における放電灯点灯装置100が利用者の操作にしたがって放電灯LAの点灯状態を制御する動作の一例を示すタイミング図である。
【0065】
時刻tにおいて、利用者が電源スイッチSWをオンにし、マイコン170が動作を開始する。点灯制御部173は、制御信号“予熱”を生成し、インバータ回路130が予熱周波数の高周波交流電圧を生成して、放電灯LAのフィラメントを予熱する。
その後、点灯制御部173は、制御信号“始動”を生成し、インバータ回路130が始動周波数の高周波交流電圧を生成して、放電灯LAの放電を開始する。
状態記憶部181が、放電灯LAの前回の点灯状態として、「高出力点灯」を表わすデータを記憶していたとすると、点灯制御部173は、制御信号“高出力点灯”を生成し、インバータ回路130が高出力点灯周波数の高周波交流電圧を生成して、放電灯LAが一番明るく点灯する。
【0066】
時刻tにおいて、利用者が操作入力装置210を操作し、放電灯LAの明るさを変更する指令を入力する。操作入力装置210は変更指令を入力し、操作パターン生成部271は変更操作に対応する開閉パターンを生成し、それにしたがって、スイッチ装置230がオンオフする。オフ操作判定部172は二回の電源オフ操作を検出し、点灯制御部173は、変更操作があったと判定して、制御信号“中出力点灯”を生成する。インバータ回路130は、中出力点灯周波数の高周波交流電圧を生成して、放電灯LAが少し暗く点灯する。
【0067】
時刻tにおいて、操作入力装置210が変更指令を入力し、スイッチ装置230が二回オフしたので、点灯制御部173は、変更操作があったと判定し、制御信号“低出力点灯”を生成する。インバータ回路130は、低出力点灯周波数の高周波交流電圧を生成して、放電灯LAが一番暗く点灯する。
【0068】
その後、利用者が電源スイッチSWを切り、最大オフ期間が過ぎても電源スイッチSWが入らないので、時刻tにおいて、オフ操作判定部172は、消灯操作があったと判定し、点灯制御部173が制御信号“消灯”を生成する。インバータ回路130は、高周波交流電圧の生成を停止し、放電灯LAが消灯する。
【0069】
時刻tにおいて、利用者が電源スイッチSWを入れ、オフ操作判定部172が点灯操作があったと判定する。点灯制御部173は、制御信号“予熱”を生成し、インバータ回路130が予熱周波数の高周波交流電圧を生成して、放電灯LAのフィラメントを予熱する。
なお、マイコン170が動作を停止する前に、点灯操作を検出して放電灯LAのフィラメントを予熱する場合、放電灯LAを消灯してから、あまり時間が経っていないので、点灯制御部173は、マイコン170が動作を開始したときの予熱時間よりも、予熱時間を短くすることとしてもよい。
その後、点灯制御部173は、制御信号“始動”を生成し、インバータ回路130が始動周波数の高周波交流電圧を生成して、放電灯LAの放電を開始する。
状態記憶部181が、放電灯LAの前回の点灯状態として、「低出力点灯」を表わすデータを記憶しているので、点灯制御部173は、制御信号“低出力点灯”を生成し、インバータ回路130が低出力点灯周波数の高周波交流電圧を生成して、放電灯LAが一番暗く点灯する。
【0070】
時刻tにおいて、操作入力装置210が変更指令を入力し、スイッチ装置230が二回オフしたので、点灯制御部173は、変更操作があったと判定し、制御信号“高出力点灯”を生成する。インバータ回路130は、高出力点灯周波数の高周波交流電圧を生成して、放電灯LAが一番明るく点灯する。
【0071】
以上のように、利用者が操作入力装置210を操作することにより、放電灯点灯装置100に対する指令を入力し、放電灯点灯装置100は、入力した指令にしたがって、放電灯LAの点灯状態を制御する。
なお、この例では、放電灯LAの点灯状態として、放電灯LAの明るさを三段階に制御する場合を説明したが、放電灯LAの明るさを二段階に制御してもよいし、逆に、もっと多くの段階で制御してもよい。また、放電灯LAの明るさではなく、他の点灯状態を制御することとしてもよい。
また、利用者が変更指令を入力するたびに、放電灯LAの明るさを高出力→中出力→低出力→高出力の順で切り替える制御をする場合について説明したが、切り替えの順序はこれに限らず、低出力→中出力→高出力→低出力であってもよいし、高出力→中出力→低出力→中出力→高出力であってもよいし、他の順序であってもよい。
【0072】
次に、最大オフ期間について、詳しく述べる。
この実施の形態における放電灯点灯装置100は、利用者が変更指令を入力した場合、放電灯LAの点灯を継続しながら、放電灯LAの点灯状態を変化させるので、利用者が変更結果をすぐに確認できる。
このため、最大オフ期間は、放電灯点灯装置100が放電灯LAの点灯を継続できる時間より短くなければならない。
【0073】
直流電源回路110に交流電源ACから交流電圧が入力されなくなると、直流電源回路110は、直流電圧の生成を停止する。インバータ回路130は、平滑コンデンサC24に充電された電圧を電源として、高周波交流電圧を生成し、放電灯LAを点灯する。
ここで、平滑コンデンサC24の静電容量値をC、平滑コンデンサC24から見た負荷である、インバータ回路130、コイルL41、コンデンサC43、放電灯LA、コンデンサC42からなる回路の等価抵抗値をRとする。直流電源回路110が直流電圧の生成を停止したときに平滑コンデンサC24に充電されていた電圧は、直流電源回路110が生成していた直流電圧の電圧値VDCに等しいので、直流電源回路110が直流電圧の生成を停止してからの経過時間をtとすると、平滑コンデンサC24の両端電圧v(t)は、以下のように表わすことができる。
【数2】

【0074】
放電灯LAを一番明るく点灯したときの消費電力値をWOUTとすると、等価抵抗値Rは、以下のように表わすことができる。
【数3】

したがって、
【数4】

【0075】
放電灯LAの点灯を継続できる平滑コンデンサC24の両端電圧の最小値(以下「点灯可能最低電圧値」と呼ぶ。)をVMINとすると、放電灯LAの点灯を継続できる時間(以下「点灯継続可能時間」と呼ぶ。)tは、
【数5】

【0076】
例えば、平滑コンデンサC24の静電容量値Cが47μF、直流電源回路110が生成する直流電圧の電圧値VDCが400V、放電灯LAの消費電力値WOUTが40W、点灯可能最低電圧値VMINがVDCの85%である340Vだとすると、点灯継続可能時間tは、約40ミリ秒である。
したがって、この場合、最大オフ期間を40ミリ秒より短く設定する。
【0077】
点灯継続可能時間tは、点灯可能最低電圧値VMINが低ければ長くなる。例えば、上の例において、点灯可能最低電圧値VMINがVDCの50%である200Vだとすると、点灯継続可能時間tは、約160ミリ秒に延びる。
【0078】
従来の放電灯点灯装置は、回路定数のバラツキなどを考慮して、点灯可能最低電圧値VMINは、VDCの85%程度になるよう、設計されている。
この実施の形態における放電灯点灯装置100は、最大オフ期間を例えば0.2秒程度に設定できるようにするため、点灯可能最低電圧値VMINが、通常よりも低く(VDCの75%以下、好ましくは50%程度に)なるよう、設計する。
【0079】
なお、平滑コンデンサC24の静電容量値Cを大きくすることにより、点灯継続可能時間tを長くしてもよいが、平滑コンデンサC24の静電容量値Cを大きくすると、放電灯点灯装置100の製造コストが高くなる。
このため、平滑コンデンサC24の静電容量値Cを大きくして点灯継続可能時間tを長くするのではなく、点灯継続可能時間tは変えずに、最大オフ期間を短くするほうが好ましい。
したがって、操作パターン生成部271は、所定の操作パターンとして、数5から算出される点灯継続可能時間tよりも短いオフ期間を含む開閉パターンを生成することが好ましい。
【0080】
操作パターン生成部271が生成する開閉パターンに含まれるオフ期間の長さに対応して、電源オフ操作を判定する最小オフ期間及び最大オフ期間を決定し、オフ操作判定部172に設定する。
ここで、一回のオフ期間が短いと、瞬停やサグと区別するのが難しい場合があるが、この実施の形態における放電灯点灯装置100は、電源オフ操作が変更操作判定回数繰り返された場合に、変更操作があったと判定するので、変更操作と瞬停やサグとを区別することができる。
【0081】
また、変更操作と瞬停やサグとを、更に精密に区別するため、例えば、以下のような構成としてもよい。
変更操作判定回数を二回以上とし、オフ操作判定部172は、一連のオフ期間のうち、オフ期間の長さが最大のものと最小のもの(どちらも最小オフ期間以上最大オフ期間以下)との差(すなわち、オフ期間の長さのバラツキ)を算出する。オフ期間が照明制御装置200によるスイッチ装置230のオフにより発生したものであれば、オフ期間の長さのバラツキはほとんどなく、瞬停やサグにより発生したものであれば、オフ期間の長さにバラツキがある。オフ操作判定部172は、算出したオフ期間の長さのバラツキを所定の閾値と比較して、バラツキが小さければ変更操作であると判定し、バラツキが大きければ変更操作ではないと判定する。
また、変更操作判定回数を三回以上とし、オフ操作判定部172は、一連のオフ期間の間にある複数のオン期間の長さが最大のものと最小のものとの差(すなわち、オン期間の長さのバラツキ)を算出し、算出したオン期間の長さのバラツキを所定の閾値と比較して、バラツキが小さければ変更操作であると判定し、バラツキが大きければ変更操作ではないと判定する構成としてもよい。
【0082】
この実施の形態における点灯装置(放電灯点灯装置100)は、交流電圧(低周波交流電圧)を入力し、入力した交流電圧から直流電圧を生成する直流電源回路110と、上記直流電源回路110が生成した直流電圧により充電される平滑コンデンサC24と、上記直流電源回路110が交流電圧を入力しているか否かを検出する電源検出回路160と、上記電源検出回路160が検出した検出結果に基づいて、上記直流電源回路110が交流電圧を入力せず、その後、上記直流電源回路110が交流電圧を入力した場合に、上記直流電源回路110が交流電圧を入力しなかった期間(電源オフ期間)の長さを計測するオフ期間計測部171と、上記オフ期間計測部が計測した期間(電源オフ期間)の長さが所定の範囲(電源オフ操作判定範囲)内である場合に、一回の電源オフ操作があったと判定するオフ操作判定部172と、上記オフ操作判定部172が判定した判定結果に基づいて、所定の期間内に、所定の回数(変更操作判定回数)の電源オフ操作があったと判定した場合に、ランプ(放電灯LA)の点灯状態を変更する制御信号を生成する点灯制御部173と、上記点灯制御部173が生成した制御信号に基づいて、上記平滑コンデンサC24に充電された直流電圧から上記ランプ(放電灯LA)に供給する電力(高周波交流電圧)を生成する点灯回路(インバータ回路130)とを有するので、照明制御装置200がスイッチ装置230を短時間オフする電源オフ操作を所定の回数繰り返す操作パターンにより、ランプ(放電灯LA)の点灯状態を変更する指令を点灯装置(放電灯点灯装置100)に入力することができるという効果を奏する。
【0083】
この実施の形態におけるオフ操作判定部172は、上記電源オフ操作を判定する所定の範囲(電源オフ操作判定範囲)の上限(最大オフ期間)が、上記点灯回路(インバータ回路130)の動作により上記平滑コンデンサC24に充電された電圧が放電して、所定の電圧(点灯可能最低電圧値VMIN)になるまでの時間tよりも短い時間なので、電源オフ操作の間、ランプ(放電灯LA)の点灯を継続することができ、ランプ(放電灯LA)の点灯状態を変更した結果を、利用者がすぐに目視確認できるという効果を奏する。
【0084】
この実施の形態におけるオフ操作判定部172は、上記電源オフ操作を判定する所定の範囲(電源オフ操作判定範囲)の上限(最大オフ期間)が、数6により算出される時間tよりも短い時間なので、電源オフ操作の間、ランプ(放電灯LA)の点灯を継続することができ、ランプ(放電灯LA)の点灯状態を変更した結果を、利用者がすぐに目視確認できるという効果を奏する。
【数6】

ただし、Cは、上記平滑コンデンサの静電容量値。VDCは、上記直流電源回路が生成する直流電圧の電圧値。WOUTは、上記ランプの最大消費電力値。eは、自然対数の底。VMINは、上記点灯回路が入力する電圧の、上記ランプの点灯を維持できる最低電圧値である。
【0085】
この実施の形態における点灯装置(放電灯点灯装置100)は、上記ランプ(放電灯LA)の点灯を継続できる上記平滑コンデンサC24の両端電圧の最小値(点灯可能最低電圧値)VMINが、上記直流電源回路110が生成する直流電圧の電圧値VDCの75%以下となるよう設計されているので、上記電源オフ操作を判定する所定の範囲(電源オフ操作判定範囲)の上限(最大オフ期間)を、長く設定することができるという効果を奏する。
【0086】
この実施の形態における点灯装置(放電灯点灯装置100)は、上記点灯制御部173が変更したランプ(放電灯LA)の点灯状態を記憶する状態記憶部181を有し、上記点灯制御部173は、上記電源検出回路160が検出した検出結果に基づいて、上記ランプ(放電灯LA)が消灯した後に上記直流電源回路110が交流電圧の入力を開始した場合に、上記ランプ(放電灯LA)の点灯状態を、上記状態記憶部181が記憶した点灯状態にする制御信号を生成するので、ランプ(放電灯LA)の点灯状態を一度設定すれば、次回点灯時からは、自動的に同じ点灯状態となり、点灯のたびに利用者が点灯状態を調整する必要がないという効果を奏する。
【0087】
この実施の形態における照明器具800は、上記説明した点灯装置(放電灯点灯装置100)と、上記ランプ(放電灯LA)を接続するランプ接続部(ランプソケット810)とを有するので、照明制御装置200がスイッチ装置239を短時間オフする電源オフ操作を所定の回数繰り返す操作パターンにより、ランプ接続部に接続したランプ(放電灯LA)の点灯状態を変更する指令を照明器具800に入力することができるという効果を奏する。
【0088】
なお、ランプの点灯状態を変更した場合、ランプの明るさの変更であれば、利用者が目視確認できるが、他の点灯状態を変更した場合や、ランプの明るさの変更であっても、その変更幅が小さく、ランプの点灯状態を変更したことを認識できない可能性がある場合には、点灯制御部173が、ランプを明滅させる制御信号を生成する。すなわち、点灯制御部173は、制御信号“高出力点灯”を生成して、ランプを一番明るく点灯し、すぐに、制御信号“低出力点灯”を生成して、ランプを一番暗く点灯することを、何回か繰り返したのち、変更後の点灯状態に戻す。これにより、照明器具800がランプの点灯状態を変更したことを、利用者に確実に了知させることができる。
また、点灯制御部173は、ランプを明滅させるのではなく、ランプを点滅させてもよい。すなわち、点灯制御部173は、制御信号“高出力点灯”を生成して、ランプを点灯し、すぐに、制御信号“消灯”を生成して、ランプを消灯することを、何回か繰り返したのち、変更後の点灯状態に戻す。
ただし、ランプが放電灯である場合は、放電灯を点滅させると放電灯の寿命を短くしてしまうので、点滅ではなく明滅させるほうが好ましい。
【0089】
この実施の形態における照明制御装置200は、利用者の操作を入力する操作入力装置210と、上記操作入力装置210が入力した利用者の操作に基づいて、所定の時間オフしその後オンする開閉パターンを所定の回数繰り返すスイッチ装置230とを有するので、利用者が操作入力装置210に所望の動作を入力することにより、照明制御装置200を介して交流電源ACと接続した照明器具800などの装置を制御することができる。
【0090】
この実施の形態における照明制御システム850は、上記照明制御装置200と、上記照明制御装置200のスイッチ装置230を介して交流電源ACと接続し、上記交流電源ACから交流電圧を入力する照明器具800とを有するので、利用者は、操作入力装置210に所望の操作を入力するだけで、放電灯LAの点灯状態を変更することができる。
【0091】
実施の形態2.
実施の形態2について、図8〜図9を用いて説明する。
この実施の形態における照明器具800の外観、放電灯点灯装置100の回路構成は、実施の形態1で説明したものと同様なので、ここでは説明を省略する。
【0092】
実施の形態1では、照明制御装置200がスイッチ装置230を所定のパターンで開閉することにより、放電灯LAの点灯状態を変更する指令を入力し、放電灯LAの点灯状態を順番に変更する場合について説明した。
この実施の形態では、照明制御装置200によるスイッチ装置230の操作パターンを複数用意し、複数種類の指令のなかから利用者が選択した指令を入力する放電灯点灯装置100について説明する。
【0093】
図8は、この実施の形態における放電灯点灯装置100が、変更操作があったかを判定する変更操作判定処理の流れを示すフローチャート図である。
なお、実施の形態1で説明した変更操作判定処理と共通する部分については、同一の符号を付し、ここでは説明を省略する。
【0094】
間隔判定工程S633において、点灯制御部173は、測定開始工程S632で測定を開始した経過時間を、操作間隔時間と比較して、操作間隔時間が経過したか否かを判定する。
操作間隔時間が経過したと判定した場合、回数判定工程S638へ進む。
【0095】
回数判定工程S638において、点灯制御部173は、電源オフ操作の繰り返し回数を、最小オフ回数と比較する。最小オフ回数とは、複数の操作パターンのうち最も電源オフ操作の回数が少ない操作パターンにおける電源オフ操作の回数のことである。
電源オフ操作の繰り返し回数が最小オフ回数未満である場合、操作取得工程S631に戻る。
電源オフ操作の繰り返し回数が最小オフ回数以上である場合、変更判定工程S639へ進む。
【0096】
回数判定工程S635において、点灯制御部173は、電源オフ操作の繰り返し回数を、最大オフ回数と比較する。最大オフ回数とは、複数の操作パターンのうち最も電源オフ操作の回数が多い操作パターンにおける電源オフ操作の回数のことである。
電源オフ操作の繰り返し回数が最大オフ回数未満である場合、測定開始工程S632に戻る。
電源オフ操作の繰り返し回数が最大オフ回数である場合、変更判定工程S639へ進む。
【0097】
変更判定工程S639において、点灯制御部173は、電源オフ操作の繰り返し回数に対応する変更操作があったと判定する。
【0098】
この例において、複数の操作パターンは、電源オフ操作の繰り返し回数によって区別される。
例えば、電源オフ操作を二回繰り返した場合は、実施の形態1で説明したのと同様、放電灯LAの点灯状態を、次の点灯状態へ順送りに変更する指令(以下「順送り変更操作」と呼ぶ。)を表わす操作パターンとし、電源オフ操作を四回繰り返した場合は、放電灯LAの点灯状態を、所定の点灯状態(例えば高出力点灯あるいは低出力点灯)へ直接変更する指令(以下「直接変更操作」と呼ぶ。)を表わす操作パターンとする。電源オフ操作を三回繰り返す操作パターンは、二つの操作パターンを確実に区別するためのマージンとするため、未定義の操作パターンとし、実際に電源オフ操作を三回繰り返す操作パターンを入力した場合は、電源オフ操作を二回繰り返した場合と同じものとして扱う。
このように、複数種類の操作パターンを、電源オフ操作の繰り返し回数によって区別する場合、瞬停やサグによる誤判定を防ぐため、複数種類の操作パターンにおける繰り返し回数が離れているほうが好ましい。例えば、第一の操作パターンが電源オフ操作を2〜3回繰り返すのであれば、第二の操作パターンは電源オフ操作を5回以上繰り返すものであることが望ましい。しかし、電源オフ操作の繰り返し回数があまり多いと、放電灯点灯装置100に指令を入力するのに時間がかかるので、多くとも6回以下であることが望ましい。
【0099】
なお、複数の操作パターンを区別する方式としては、電源オフ操作の繰り返し回数のほか、電源オフ期間の長短により操作パターンを区別することもできる。例えば、一回目の電源オフ操作よりも二回目の電源オフ操作の電源オフ期間のほうが長い場合と、一回目の電源オフ操作よりも二回目の電源オフ操作の電源オフ期間のほうが短い場合とを区別し、異なる指令を表わすものとする。
【0100】
図9は、この実施の形態における放電灯点灯装置100が、放電灯LAの点灯消灯を制御する点灯制御処理の流れを示すフローチャート図である。
なお、実施の形態1で説明した点灯制御処理と共通する部分については、同一の符号を付し、ここでは説明を省略する。
【0101】
変更操作判定工程S646において、点灯制御部173は、変更操作判定処理をする。
順送り変更操作があったと判定した場合、中出力点灯工程S647へ進む。
直接変更操作があったと判定した場合、変更操作判定工程S646を繰り返す。
【0102】
変更操作判定工程S648において、点灯制御部173は、変更操作判定処理をする。
順送り変更操作があったと判定した場合、低出力点灯工程S649へ進む。
直接変更操作があったと判定した場合、高出力点灯工程S645へ進む。
【0103】
変更操作判定工程S650において、点灯制御部173は、変更操作判定処理をする。
順送り変更操作または直接変更操作があったと判定した場合、高出力点灯工程S645へ進む。
【0104】
以上のように、複数種類の操作パターンを区別することにより、放電灯点灯装置100が、複数の異なる指令に基づいて、放電灯LAの点灯状態を変更することができる。
ここでは説明を簡単にするため、放電灯LAの点灯状態を三段階で制御する場合について説明しているが、放電灯LAの点灯状態をもっと細かく変えられるようにした場合、順送りに放電灯LAの点灯状態を変更できるだけでは、所望の点灯状態にするのに時間がかかる場合がある。そこで、一回の変更操作で、直接所定の点灯状態に変更する直接変更操作を取り入れることにより、所望の点灯状態を得るために必要な操作の回数を減らすことができる。
なお、複数の指令は、順送り変更操作と直接変更操作との二種類に限らず、例えば、順送り変更操作と逆送り変更操作との二種類であってもよいし、順送り変更操作と逆送り変更操作と直接変更操作との三種類であってもよい。
【0105】
この実施の形態における点灯装置(放電灯点灯装置100)は、スイッチ装置230の開閉を、操作パターン生成部271が生成したスイッチ開閉信号によって行うので、電源オフ期間の長さなど、細かな操作パターンを容易に区別することができる。このため、照明器具800は、多数の種類の操作パターンを区別して、放電灯LAの点灯状態を変更できるので、順送り変更操作、逆送り変更操作、各点灯状態に対応する直接変更操作など、多数の操作パターンを用意すれば、全体として、照明器具800に操作パターンを入力するのにかかる時間を短縮できる。
【0106】
また、照明器具800に対する指令を、電源ラインを通して照明器具800に伝えるので、指令伝達用の配線が必要ない。
【0107】
実施の形態3.
実施の形態3について、図10を用いて説明する。
【0108】
図10は、この実施の形態における照明制御システム850の全体構成を示すブロック構成図である。
なお、実施の形態1で説明した照明器具800と共通する部分については、同一の符号を付し、ここでは説明を省略する。
【0109】
照明制御システム850は、複数の照明器具800を有する。複数の照明器具800は、一つの交流電源ACに並列に電気接続していて、電源スイッチSWの操作により、それぞれの照明器具800に取り付けられた放電灯LAが一斉に点灯あるいは消灯する。
放電灯点灯装置100は、放電灯検出回路190を有する。放電灯検出回路190は、ランプソケット810に放電灯LAが接続されているか否かを検出し、検出した結果を表わす放電灯検出信号を生成して、出力する。
【0110】
点灯制御部173は、放電灯検出回路190が生成した放電灯検出信号を入力し、入力した放電灯検出信号が表わす検出結果に基づいて、ランプソケット810に放電灯LAが接続されていると判定し、かつ、変更操作があったと判定した場合、放電灯LAの点灯状態を変更する。点灯制御部173は、変更操作があったと判定した場合であっても、ランプソケット810に放電灯LAが接続されていないと判定した場合には、放電灯LAの点灯状態を変更しない。
【0111】
このように、複数の照明器具800が一つの電源スイッチSWに接続している照明制御システム850において、放電灯点灯装置100は、放電灯LAが接続している場合には、電源スイッチSWの操作に基づいて、放電灯LAの点灯状態を変更し、放電灯LAが接続していない場合には、放電灯LAの点灯状態を変更しない。
したがって、利用者が点灯状態を変更したくない放電灯LAを外してから、照明制御装置200を操作して照明器具800に指令を入力することにより、点灯状態を変更したい放電灯LAの点灯状態だけを変更することができる。
【0112】
なお、ランプソケット810に放電灯LAが接続されていない場合であっても、点灯制御部173が、放電灯LAの点灯状態を変更する構成としてもよい。放電灯LAが接続されていない場合は、回路を保護するため、点灯制御部173は、制御信号“消灯”を生成している。したがって、点灯制御部173は、状態記憶部181が記憶した放電灯LAの点灯状態を変更するに留める。
【0113】
あるいは、放電灯検出回路190が生成した放電灯検出信号に基づいて、点灯制御部173が、所定の時間以上放電灯LAが接続されていないことを検出した場合、放電灯LAの点灯状態を所定の初期状態(例えば高出力点灯)に戻す構成としてもよい。
【0114】
実施の形態4.
実施の形態4について、図11を用いて説明する。
【0115】
図11は、この実施の形態における照明制御システム850の全体構成を示すブロック構成図である。
なお、実施の形態1で説明した照明制御システム850と共通する部分については、ここでは説明を省略する。
【0116】
照明制御システム850は、更に、照明制御装置200を有さない。
この実施の形態における照明制御システム850では、利用者が電源スイッチSWをオンオフすることにより、実施の形態1における照明制御装置200が生成するスイッチ装置230の開閉パターンと同様の操作パターンを生成し、放電灯点灯装置100は、利用者による電源スイッチSWの操作に基づいて、放電灯LAの明るさなどの点灯状態を変更する。
【0117】
利用者の手操作により操作パターンを生成する場合、あまり速く電源スイッチSWをオンオフすることはできないので、オフ期間の長さを0.5秒〜数秒程度にする。このため、最大オフ期間を数秒程度にする必要があり、点灯継続可能時間tが、それ以上の値になるように設定する。
例えば、平滑コンデンサC24の静電容量値Cを大きくすれば、点灯継続可能時間tを長くすることができる。また、二次電池を内蔵する場合には、平滑コンデンサC24の静電容量値Cが小さくても、二次電池に充電された電圧により放電灯LAを点灯できるので、点灯継続可能時間tを長くすることができる。
【0118】
なお、この場合において、点灯継続可能時間tが、例えば、数十秒〜数分であるとしても、最大オフ期間は数秒程度であることが好ましい。上述したように、利用者が放電灯LAを消灯しようとして電源スイッチSWをオフにした場合であっても、最大オフ期間が経過するまでは、点灯状態を変更するための変更操作と区別できないため、放電灯LAの消灯が遅れるからである。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】実施の形態1における照明器具800の外観を示す斜視図。
【図2】実施の形態1における照明制御システム850の全体構成を示すブロック構成図。
【図3】実施の形態1における放電灯点灯装置100が操作内容を判定する操作判定処理の流れを示すフローチャート図。
【図4】実施の形態1における放電灯点灯装置100が、変更操作があったかを判定する変更操作判定処理の流れを示すフローチャート図。
【図5】実施の形態1における放電灯点灯装置100が放電灯LAの点灯消灯を制御する点灯制御処理の流れを示すフローチャート図。
【図6】実施の形態1における放電灯点灯装置100が操作内容を判定する動作の一例を示すタイミング図。
【図7】実施の形態1における放電灯点灯装置100が利用者の操作にしたがって放電灯LAの点灯状態を制御する動作の一例を示すタイミング図。
【図8】実施の形態2における放電灯点灯装置100が、変更操作があったかを判定する変更操作判定処理の流れを示すフローチャート図。
【図9】実施の形態2における放電灯点灯装置100が、放電灯LAの点灯消灯を制御する点灯制御処理の流れを示すフローチャート図。
【図10】実施の形態3における照明制御システム850の全体構成を示すブロック構成図。
【図11】実施の形態4における照明制御システム850の全体構成を示すブロック構成図。
【符号の説明】
【0120】
100 放電灯点灯装置、110 直流電源回路、130 インバータ回路、135 ドライブ回路、150,250 制御電源回路、160 電源検出回路、170,270 マイコン、171 オフ期間計測部、172 オフ操作判定部、173 点灯制御部、180 不揮発性メモリ、181 状態記憶部、190 放電灯検出回路、200 照明制御装置、210 操作入力装置、230 スイッチ装置、271 操作パターン生成部、800 照明器具、810 ランプソケット、850 照明制御システム、AC 交流電源、C24 平滑コンデンサ、C42,C43 コンデンサ、D23 ダイオード、DB ダイオードブリッジ、L21,L41 コイル、LA 放電灯、PFC 昇圧制御回路、Q22,Q31,Q32 スイッチング素子、SW 電源スイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電圧を入力し、入力した交流電圧から直流電圧を生成する直流電源回路と、
上記直流電源回路が生成した直流電圧により充電される平滑コンデンサと、
上記直流電源回路が交流電圧を入力しているか否かを検出する電源検出回路と、
上記電源検出回路が検出した検出結果に基づいて、上記直流電源回路が交流電圧を入力せず、その後、上記直流電源回路が交流電圧を入力した場合に、上記直流電源回路が交流電圧を入力しなかった期間の長さを計測するオフ期間計測部と、
上記オフ期間計測部が計測した期間の長さが所定の範囲内である場合に、一回の電源オフ操作があったと判定するオフ操作判定部と、
上記オフ操作判定部が判定した判定結果に基づいて、所定の期間内に、所定の回数の電源オフ操作があったと判定した場合に、ランプの点灯状態を変更する制御信号を生成する点灯制御部と、
上記点灯制御部が生成した制御信号に基づいて、上記平滑コンデンサに充電された直流電圧から上記ランプに供給する電力を生成する点灯回路とを有することを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
上記オフ操作判定部は、上記電源オフ操作を判定する所定の範囲の上限が、上記点灯回路の動作により上記平滑コンデンサに充電された電圧が放電して、所定の電圧になるまでの時間よりも短い時間であることを特徴とする請求項1に記載の点灯装置。
【請求項3】
上記オフ操作判定部は、上記電源オフ操作を判定する所定の範囲の上限が、数1により算出される時間tよりも短い時間であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の点灯装置。
【数1】

ただし、Cは、上記平滑コンデンサの静電容量値。VDCは、上記直流電源回路が生成する直流電圧の電圧値。WOUTは、上記ランプの最大消費電力値。eは、自然対数の底。VMINは、上記点灯回路が入力する電圧の、上記ランプの点灯を維持できる最低電圧値。
【請求項4】
上記点灯装置は、上記点灯制御部が変更したランプの点灯状態を記憶する状態記憶部を有し、
上記点灯制御部は、上記電源検出回路が検出した検出結果に基づいて、上記ランプが消灯した後に上記直流電源回路が交流電圧の入力を開始した場合に、上記ランプの点灯状態を、上記状態記憶部が記憶した点灯状態にする制御信号を生成することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の点灯装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の点灯装置と、上記ランプを接続するランプ接続部とを有することを特徴とする照明器具。
【請求項6】
利用者の操作を入力する操作入力装置と、
上記操作入力装置が入力した利用者の操作に基づいて、所定の時間オフしその後オンする開閉パターンを所定の回数繰り返すスイッチ装置とを有することを特徴とする照明制御装置。
【請求項7】
請求項6に記載の照明制御装置と、
上記照明制御装置のスイッチ装置を介して交流電源と接続し、上記交流電源から交流電圧を入力する請求項5に記載の照明器具とを有することを特徴とする照明制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−259542(P2009−259542A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−106081(P2008−106081)
【出願日】平成20年4月15日(2008.4.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【Fターム(参考)】