説明

無段変速機用アクチュエータ

【課題】ボールねじ機構の移動ねじ体が電動モータ側から伝達された回転動力を受けて軸方向に送られ、この移動ねじ体の軸方向推進力を受けて可動シーブが軸方向に移動する無段変速機用アクチュエータにおいて、電動モータの小型化と低消費電力化を可能にする。
【解決手段】電動モータ4側から回転動力を受ける入力軸12と、入力軸12と同軸に設けられた出力軸13と、出力軸13に回転不可能かつ軸方向移動可能に設けられた中間部材14と、中間部材14を入力軸側に付勢する弾性部材15と、カム嵌合により入力軸12からの回転動力を中間部材14に伝達すると共に中間部材14を出力軸側に軸方向変位させる推進カム機構16と、常時は中間部材14をハウジング5に対して回転方向に拘束し、中間部材14が出力軸側に軸方向変位した時に前記拘束状態を解除にするクラッチとを備えることにより、可動シーブ3側からの逆入力を遮断した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、無段変速機の固定シーブと対でプーリを構成する可動シーブを軸方向に移動させるアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の変速機としては、自動車の駆動系に採用されているベルト式無段変速機がある。従来からあるベルト式無段変速機としては、例えば、主動側V溝プーリと、車輪に動力を伝達する出力軸に連結された従動側V溝プーリとの間に伝達ベルトが巻き付けられたものがある。
【0003】
主動側V溝プーリは、固定シーブと可動シーブとから構成されている。固定シーブは、軸方向に拘束されており、エンジンの回転数に応じて回転される入力軸から回転トルクが伝達される。可動シーブは、軸方向に移動可能となっている。可動シーブが軸方向に移動すると、主動側V溝プーリの溝幅が無段階で変化し、これに伴い伝達ベルトの巻付け径が変化することにより、無段階で変速比が変化する。
【0004】
従来から、可動シーブを軸方向に移動させるアクチュエータとしては、電動モータと、ボールねじ機構とを備え、前記ボールねじ機構の移動ねじ体が前記電動モータ側から伝達された回転動力を受けて軸方向に送られ、この移動ねじ体の軸方向推進力を受けて前記可動シーブが軸方向に移動するように構成されたものがある。
【0005】
例えば、ボールねじ機構のねじ軸は、主動側V溝プーリと同軸上に配設され、ハウジングに対して軸方向及び回転の運動が拘束されるように設けられる。ボールねじ機構のナットは、電動モータ側から伝達された回転動力を受けるように設けられる。ナット内周の螺旋溝とねじ軸外周の螺旋溝との間に介装されたボールは回転動力を軸方向推進力に変換し、これにより、ナットがハウジングに対して軸方向に移動させられる。前記可動シーブは、前記ナットと軸受を介して軸方向に一体移動が可能となっている。ナットが前記電動モータから伝達された回転動力を受けて軸方向に移動すると、このナットの軸方向移動を受けて前記可動シーブが軸方向に移動させられる(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特許第2744038号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、可動シーブは、ベルトからの軸方向反力により常に固定シーブから離反する側に押されている。このため、ボールねじ機構のナットも押されることになり、そのボールの良好な可逆変換性により回転動力が電動モータ側に伝達されてモータ軸に対する逆入力となる。したがって、可動シーブと固定シーブとの間隔を保持するには、常時、電動モータに保持トルクを生じさせることにより可動シーブの軸方向反力とのバランスを図っており、電動モータの大型化、消費電力の増大を招いていた。
【0008】
そこで、この発明の課題は、ボールねじ機構の移動ねじ体が電動モータ側から伝達された回転動力を受けて軸方向に送られ、この移動ねじ体の軸方向推進力を受けて可動シーブが軸方向に移動する無段変速機用アクチュエータにおいて、電動モータの小型化と低消費電力化を可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を達成するため、この発明は、固定シーブと対でプーリを構成する可動シーブと、電動モータと、ボールねじ機構とを備え、前記ボールねじ機構の移動ねじ体が前記電動モータ側から伝達された回転動力を受けて軸方向に移動し、この移動ねじ体の軸方向推進力を受けて前記可動シーブが軸方向に移動する無段変速機用アクチュエータにおいて、前記電動モータと前記移動ねじ体との間の回転伝達経路を構成し、電動モータ側から回転動力を受ける入力軸と、前記入力軸よりも前記回転伝達経路の移動ねじ体側に位置し、前記入力軸と同軸に設けられた出力軸と、前記出力軸に回転不可能かつ軸方向移動可能に設けられた中間部材と、前記中間部材を入力軸側に付勢する弾性部材と、前記入力軸と前記中間部材との間に設けられ、カム嵌合により前記入力軸からの回転動力を前記中間部材に伝達すると共に前記中間部材を前記弾性部材に抗して前記出力軸側に軸方向変位させる推進カム機構と、前記中間部材と静止部材との間に設けられ、常時は前記中間部材を前記静止部材に対して回転方向に拘束し、前記中間部材が前記弾性部材に抗して前記出力軸側に軸方向変位した時に前記拘束状態を解除にするクラッチとを備える構成を採用したものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明の無段変速機用アクチュエータでは、前記電動モータと前記移動ねじ体との間の回転伝達経路を構成し、電動モータ側から回転動力を受ける入力軸と、前記入力軸よりも前記回転伝達経路の移動ねじ体側に位置し、前記入力軸と同軸に設けられた出力軸と、前記出力軸に回転不可能かつ軸方向移動可能に設けられた中間部材と、前記中間部材を入力軸側に付勢する弾性部材と、前記入力軸と前記中間部材との間に設けられ、カム嵌合により前記入力軸からの回転動力を前記中間部材に伝達すると共に前記中間部材を前記弾性部材に抗して前記出力軸側に軸方向変位させる推進カム機構とを備える構成の採用により、前記入力軸からの入力回転動力は、前記推進カム機構および前記中間部材を介して前記出力軸に伝達される。
一方、この発明の無段変速機用アクチュエータでは、前記中間部材と静止部材との間に設けられ、常時は前記中間部材を前記静止部材に対して回転方向に拘束し、前記中間部材が前記弾性部材に抗して前記出力軸側に軸方向変位した時に前記拘束状態を解除にするクラッチを備える構成の採用により、前記出力軸からの逆入力回転動力は、前記クラッチを介して前記中間部材と前記静止部材との間で拘束される。
したがって、この発明の無段変速機用アクチュエータは、電動モータに保持トルクを生じさせることにより可動シーブの軸方向反力とのバランスを図る必要がなくなり、従来例に比して電動モータの小型化と低消費電力化が可能となる。
【0011】
上記構成におけるクラッチとしては、相互に圧力接触可能な摩擦面を有する摩擦クラッチを採用することができる。
【0012】
その場合、前記摩擦面が、前記入力軸側に向かって縮小する方向に傾斜した傾斜面である構成を採用することができる。
【0013】
また、前記摩擦面の少なくとも一方に、増摩処理が施されている構成を採用することにより、前記中間部材に対する拘束力を高めることができる。ここで、前記増摩処理としては、増摩剤の塗布、化学的な表面処理、及び機械加工による粗面化のうちの何れか単独で、あるいは、2以上を組み合せて施すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明の最良の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に全体構成を概略図示するように、この実施形態に係る無段変速機用アクチュエータは、ベルト式無段変速機に適用されており、伝達ベルト1が巻き付けられる主動側V溝プーリを固定シーブ2と対で構成する可動シーブ3と、電動モータ4と、電動モータ4が固定されるハウジング5と、ハウジング5内に組み付けられたボールねじ機構6とを備えたものである。
【0015】
固定シーブ2は、ハウジング5に対して軸方向に拘束されており、その軸部2aにはエンジン(図示省略)の回転数に応じて回転される入力軸(図示省略)から回転トルクが伝達される。
【0016】
可動シーブ3は、固定シーブ2と同軸上に配置されている。可動シーブ3の軸部3aは、ボールスプラインにより固定シーブ2の軸部2aに対して軸方向に摺動自在に嵌合されている。これにより、可動シーブ3は、固定シーブ2に対して軸方向移動可能かつ一体回転可能になっている。
【0017】
電動モータ4は、モータ軸が固定シーブ2の軸線と平行に配置され、ハウジング5に固定されている。
【0018】
ボールねじ機構6のねじ軸7は、固定シーブ2と同軸上に配設される環状体から構成されており、その外周に螺旋溝が形成されている。ねじ軸7は、固定シーブ2の軸部2aの一端側を支持する軸受8の固定輪に取り付けられており、ハウジング5に対して軸方向及び回転の運動が拘束されている。なお、図示省略するが、固定シーブ2の軸部2aの他端側は、軸受8と対をなす固定側の軸受で支持されている。
【0019】
ボールねじ機構6のナット9は、その内周にねじ軸7の螺旋溝に対応する螺旋溝を有する。
【0020】
前記電動モータ4と前記ナット9との間には、電動モータ4のモータ軸に設けられた駆動ギヤ10の回転動力をナット9の外周に設けられた従動ギヤ11に伝達する回転伝達経路が設けられている。
【0021】
この実施形態では、回転伝達経路が、電動モータ4側から回転動力を受ける入力軸12と、入力軸12よりもナット9側に位置し、入力軸12と同軸に設けられた出力軸13と、出力軸13に回転不可能かつ軸方向移動可能に設けられた中間部材14と、中間部材14を入力軸12側に付勢する弾性部材15と、入力軸12と中間部材14との間に設けられ、カム嵌合により入力軸12からの回転動力を中間部材14に伝達すると共に中間部材14を弾性部材15に抗して出力軸13側に軸方向変位させる推進カム機構16とで構成されている。
【0022】
入力軸12は、ハウジング5に対し一対の軸受17a、17bにより回動自在に支持されており、その外周に駆動ギヤ10と噛合う第1中間ギヤ12aを有する。
【0023】
出力軸13は、ハウジング5に対し一対の軸受18a、18bにより回動自在に支持されており、その外周に前記従動ギヤ11と噛合う第2中間ギヤ13aを有する。
【0024】
入力軸12と出力軸13とは、固定シーブ2の軸線と平行に設けられている。
【0025】
中間部材14は、その内周部分が出力軸13の入力軸12側の端部外周に対してスライドスプライン嵌合されることにより、出力軸13に対して回転不能かつ軸方向移動可能に装着されている。
【0026】
弾性部材15は、コイルばねからなり、中間部材14に設けられた環状の凹部分と出力軸13に設けられた鍔部分との間に圧縮介装されている。
【0027】
推進カム機構16は、図2に示すように、中間部材14の入力軸12側の端面に円周等間隔に設けられた3つの略V字形の凸状カム16aと、図3に示すように、入力軸12の出力軸13側の端面に円周等間隔に設けられた3つの略V字形の凹状カム16bとから構成されており、各凸状カム16aは、凹状カム16bとそれぞれ嵌合するようになっている。
【0028】
なお、この実施形態においては、凸状カム16a、凹状カム16bは、中間部材14、入力軸12と一体に設けられているが、別体のカム部材を中間部材14、入力軸12の端面に相対回転不能に固定しても良く、カム形状も他の形状にすることができる。
【0029】
また、中間部材14の外周には、図4に示すように、出力軸13の軸線に対して僅かな傾斜角をもった円錐状の摩擦面14aが形成されている。摩擦面14aの傾斜の向きは、入力軸12側に向かって縮径する方向となっている。
【0030】
ハウジング5の内周には、中間部材14の摩擦面14aと圧力接触可能な円錐状の摩擦面5aが形成されている。ハウジング5と中間部材14との間には、摩擦面5aと摩擦面14aと弾性部材15とで摩擦クラッチが構成される。すなわち、中間部材14は、弾性部材15の弾性力によって、常時、入力軸12側に軸方向に付勢されている。このため、中間部材14の摩擦面14aがハウジング5の摩擦面5aに押し付けられる。これにより、中間部材14がハウジング5に対して回転方向にバックラッシ無しで拘束される。
【0031】
上記の拘束力(制動力)は、主に弾性部材15の弾性力、摩擦面5a、14aの軸線に対する傾斜角および摩擦係数によって決まる。前記傾斜角は、例えば3〜5°程度に設定することができる。
【0032】
また、上記の拘束力(制動力)を増大させるため、摩擦面5a及び摩擦面14aの少なくとも一方に、摩擦係数を大きくする増摩処理を施こすことができる。この増摩処理として、例えば増摩剤の塗布、化学的な表面処理、機械加工(ローレット加工等)による粗面化を採用することができる。これらの増摩処理は、何れか単独で、あるいは、2以上を組み合せて施すことができる。
【0033】
今、電動モータ4が正逆いずれか一方に回転した場合を考える。電動モータ4が回転すると、駆動ギヤ10から第1中間ギヤ12aを介して減速伝達された回転動力を受けた入力軸12が回転する(図1参照)。図4(a)に示すように、入力軸12が図中の矢示方向に回転すると、略V字形の凹状カム16bと凸状カム16aとの嵌合状態で凹状カム16bの傾斜状カム面と凸状カム16aの傾斜状カム面とが相互に押し合い、回転方向力の分力として軸方向力が生じる。このため、入力軸12に対する入力回転動力の一部は軸方向力に変換される。この軸方向力によって、凹状カム16bと凸状カム16aとの間で滑りを伴いながら、中間部材14が弾性部材15に抗して出力軸13側に軸方向変位する。そして、この軸方向変位によって中間部材14の摩擦面14aがハウジング5の摩擦面5aから離れるため、摩擦クラッチが解放された状態となる。これにより、中間部材14がハウジング5に対して回転可能となる。従って、電動モータ4からの入力回転動力が、入力軸12、推進カム機構16、中間部材14という経路を経て出力軸13に伝達され、出力軸13が図中の矢示方向に回転する。
【0034】
前記ナット9の従動ギヤ11は、出力軸13の第2中間ギヤ13aから減速伝達された回転動力を受けて回転する。ねじ軸7とナット9の螺旋溝の間に介装されたボール19は、上記回転動力を軸方向推進力に変換し、これにより、ナット9がハウジング5に対して軸方向に移動させられる。
【0035】
ナット9の内周には、軸受20の外輪が軸方向に移動不可能に嵌合されている。この軸受20の内輪は、前記可動シーブ3の軸部3aの外周に軸方向に移動不可能に嵌合されている。ナット9が軸方向に移動すると、可動シーブ3は軸受20を介してその移動方向に推進力を受け、軸方向に一体移動することができる。なお、電動モータ4が上記と逆回転された場合、上記の一連の動作が逆向きになるだけなので、説明を省略する。なお、図1では、可動シーブ3、ナット9が最も軸方向右側に位置する状態を実線で示し、最も軸方向左側に位置する状態を一点鎖線で示した。
【0036】
一方、電動モータ4が停止して入力回転動力がなくなると、図4(b)に示すように、推進カム機構16による軸方向力は消失するため、中間部材14が弾性部材15の付勢力によって入力軸12側に軸方向変位して、元の位置に復帰する。そして、上述した態様で、中間部材14の摩擦面14aとハウジング5の摩擦面5aとが圧力接触し、摩擦クラッチが作動した状態となる。その結果、中間部材14がハウジング5に対して回転方向にバックラッシ無しで拘束される。この状態で、出力軸13から図中の矢示方向に回転動力が逆入力されても、その逆入力回転動力は摩擦クラッチを介して中間部材14とハウジング5との間で拘束されるので、出力軸13および入力軸12は双方とも回転しない。
【0037】
したがって、上記実施形態によれば、電動モータ4に保持トルクを発生させてナット9の回転を防止する必要がなく、電動モータ4の小型化、低消費電力化が可能である。
【0038】
なお、この実施形態では、前記ナット9を固定側とし、前記ねじ軸7を電動モータ4の回転動力を受ける移動側とすることもできる。
【0039】
また、この実施形態では、前述した摩擦クラッチに代えて、噛合いクラッチを採用することができる。例えば、噛合いクラッチは、中間部材の端面に設けられた凹状歯と、これに対向する静止部材の端面に設けられた凸状歯とで構成され、凹状歯と凸状歯とは回転方向に噛合するように設けられる。
【0040】
また、この実施形態では、電動モータ4のモータ軸とナット9との間の回転伝達経路中、入力軸12と出力軸13との間に推進カム機構16と摩擦クラッチとを設けたが、これらは、電動モータ4に対する逆入力を遮断することが可能な位置にあればよい。例えば、摩擦クラッチを小型にするとその制動能力が落ちるが、回転トルクがより小さい位置、例えば、モータ軸(図1中では駆動ギヤ10内に隠れている)と入力軸12との間に推進カム機構、摩擦クラッチを設けることにより逆入力トルクを遮断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】実施形態に係る無段変速機用アクチュエータの概略縦断面図
【図2】(a)図1の凸状カム部分の拡大上面図、(b)図1の凸状カム部分の拡大正面図
【図3】(a)図1の凹状カム部分の拡大上面図、(b)図1の凹状カム部分の拡大正面図
【図4】(a)図1の摩擦クラッチの非係合状態を拡大縦断面視で示す作用図、(b)図1の摩擦クラッチの係合状態を拡大縦断面視で示す作用図
【符号の説明】
【0042】
1 伝達ベルト
2 固定シーブ
3 可動シーブ
3a 軸部
4 電動モータ
5 ハウジング(静止部材)
5a 摩擦面
6 ボールねじ機構
7 ねじ軸
8、17a、17b、18a、18b、20 軸受
9 ナット(移動ねじ体)
10 駆動ギヤ
11 従動ギヤ
12 入力軸
13 出力軸
14 中間部材
15 弾性部材
16 推進カム機構
19 ボール
20 軸受

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定シーブと対でプーリを構成する可動シーブと、電動モータと、ボールねじ機構とを備え、前記ボールねじ機構の移動ねじ体が前記電動モータ側から伝達された回転動力を受けて軸方向に移動し、この移動ねじ体の軸方向推進力を受けて前記可動シーブが軸方向に移動する無段変速機用アクチュエータにおいて、
前記電動モータと前記移動ねじ体との間の回転伝達経路を構成し、電動モータ側から回転動力を受ける入力軸と、
前記入力軸よりも前記回転伝達経路の移動ねじ体側に位置し、前記入力軸と同軸に設けられた出力軸と、
前記出力軸に回転不可能かつ軸方向移動可能に設けられた中間部材と、
前記中間部材を入力軸側に付勢する弾性部材と、
前記入力軸と前記中間部材との間に設けられ、カム嵌合により前記入力軸からの回転動力を前記中間部材に伝達すると共に前記中間部材を前記弾性部材に抗して前記出力軸側に軸方向変位させる推進カム機構と、
前記中間部材と静止部材との間に設けられ、常時は前記中間部材を前記静止部材に対して回転方向に拘束し、前記中間部材が前記弾性部材に抗して前記出力軸側に軸方向変位した時に前記拘束状態を解除にするクラッチとを備えることを特徴とする無段変速機用アクチュエータ。
【請求項2】
前記クラッチが、相互に圧力接触可能な摩擦面を有する摩擦クラッチである請求項1に記載の無段変速機用アクチュエータ。
【請求項3】
前記摩擦面が、前記入力軸側に向かって縮小する方向に傾斜した傾斜面である請求項2に記載の無段変速機用アクチュエータ。
【請求項4】
前記摩擦面の少なくとも一方に、増摩処理が施されている請求項2又は3に記載の無段変速機用アクチュエータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−263284(P2007−263284A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−90904(P2006−90904)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】