説明

無線システムにおける多くの同時通信におけるコンフリクトを解決するためのシステム及び方法

【解決手段】無線デバイスによって受信した音声データパケット(406〜412)のコンフリクトを解決するシステム及び方法。データパケットはそれぞれ、ソース識別番号、シーケンス番号(414)、及び、エンドマーカビットを含む。無線デバイスは、受信したデータパケットのシーケンスに基づいてオーディオストリームを再構築する。データパケットが、最後に受信したデータパケットと同じソース識別番号を持ち、このデータパケットのシーケンス番号が、最後に受信したデータパケットのシーケンス番号と、予め定めたしきい番号よりも異なる場合には、無線デバイスは、現在のオーディオストリーム(402)を終了し、このデータパケットからのデータを用いて、新たなオーディオストリームを開始する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、無線通信に関し、更に詳しくは、無線ネットワーク上の多数の通信デバイス間の通信におけるメディアストリームコンフリクトを解決するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
技術の進歩により、モバイル電話や無線通信デバイスは安価になり、ユビキタスになった。無線通信デバイスが、より大きな処理能力及び記憶装置を備えて製造されるので、更に用途が広がり、個々のハンドセットの2又はグループ間の直接的なラジオ通信機能を含む多くの特徴を組み込んでいる。この直接的なラジオ通信機能は、プッシュトゥトーク(PTT)あるいは「ウォーキートーキー」機能として一般に知られており、これによって1つのハンドセットを持つユーザが、宛先電話番号にダイヤルすることなく、グループうちの予め定めたメンバのセットのデバイスと通信することができる。
【0003】
PTTシステムの1つのバージョンでは、例えばハンドセットのような無線通信デバイスが、遠隔サーバとの上り下り両方の通信のために1つの周波数を使用する。一方、通常の無線通信では、無線電話はサーバとの通信のために、発信用と着信用との2つの周波数を用いる。PTTシステムは、ユーザに対して、通話中はボタンを押して話すことと、通話終了時にはボタンをリリースすることを要求する。そして、グループ内の何れの聞き手も、自分のボタンを押して、返答することができる。このようにして、PTTシステムは、信号がどの方向に移動するかを判定する。典型的なコンフィグレーションでは、ユーザが、PTTシステムを用いて、受信パーティ又は受信パーティのグループに通話する場合、ユーザのハンドセットは先ず、遠隔ユーザに対し要求を行う。遠隔サーバは、他のどのパーティもこの通信チャネルを用いておらず、チャネルが利用可能であることを確認し、次に、このチャネルをユーザに割り当てる。ユーザのメッセージは、サーバによって受信され、サーバは、受信パーティの各々あるいは全てに対してこのメッセージを送る。このメッセージが全ての受信パーティに送信された後、チャネルがリリースされ、他のパーティによって使用される準備ができる。
【0004】
メッセージは、デジタル化(パケット化)され、予め定めたプロトコルに従って、一連のシーケンシャルなデータパケットによってデータとして送られる。このデータパケットはユーザの通信デバイスにおいて受信され、ここでデータが検索される。そして、オーディオストリームへ再構築される。この再構築されたオーディオストリームが、ユーザに対して再生される。
【0005】
しかしながら、データパケットは、エアによって送信されるので、この送受信は、あまり信頼できないかもしれない。しばしば、データパケットは、信号の干渉や微弱さによって喪失される。1又は2つのデータパケットが送信中に喪失された場合、この喪失は、再構築されたオーディオストリームの品質に最低限の影響しか与えず、一般に、聞き手には気付かれない。一方、送信中に多くのデータパケットを喪失する場合、ユーザデバイスはオーディオストリームを再構築することが困難になり、再構築されたオーディオストリームの品質が悪化する。
【0006】
関連する状況では、喪失したデータパケットが、2つの個別のオーディオストリームからのものであれば、ユーザデバイスがこのオーディオストリームを再構築することはほとんど不可能になる。ユーザデバイスはしばしば、受信したデータパケットが、前のオーディオストリームに属するのか、あるいは、新たなオーディオストリームに属するのかを判定することができない。ユーザデバイスがオーディオストリームを構築し、既存のオーディオストリームへ新たなオーディオストリームのデータパケットを付与する場合、既存のオーディオストリームの一部は、2つのスパート(「会話」)間の人工的なギャップが挿入されたり、あるいは、上書きされるかもしれない。
【0007】
従って、喪失した1又は複数のパケットを持つオーディオストリームを無線デバイスが再構築できるようにする装置及び方法を有することが望ましい。そして、それが、本発明が主に目的とする装置及び方法である。
【発明の開示】
【0008】
本発明の装置及び方法は、無線デバイスによって受信したオーディオストリームのデータパケットにおけるコンフリクトを解決する。データパケットはそれぞれソース識別番号、シーケンス番号、及び、エンドマーカビットを含む。無線デバイスは、受信したデータパケットに基づいてオーディオストリームを再構築する。データパケットが、最後に受信したデータパケットと同じソース識別番号を有し、かつ、このデータパケットのシーケンス番号が、最後に受信したデータパケットのシーケンス番号と、予め定めたしきい番号よりも異なる場合には、無線デバイスは、このデータパケットからのデータを用いて、スタンバイしているオーディオストリームを開始する。猶予期間後、現在のオーディオストリームについて更なるデータパケットが受信されない場合、現在のオーディオストリームが終了し、ユーザに対して再生される。そして、スタンバイしているオーディオストリームが、現在のオーディオストリームになる。
【0009】
1つの実施形態では、本発明は、無線通信ネットワークにおいて、プッシュトゥトーク(PTT)通信における着信メディアデータパケットにおけるコンフリクトを解決する方法である、ここでは、無線通信デバイス上で再生されるメディアストリームに、各データパケットの内容が追加される。この方法は、データパケットを、無線通信ネットワークを介して、無線通信デバイスにおいて受信することを含む。ここでは、データパケットはPTT通信の一部であり、ソース識別番号、シーケンス番号、及びエンドマーカビットを有する。この発明は更に、無線通信デバイスにおいて、ソース識別番号を、この無線通信デバイスにおいて受信した現在のメディアストリームの発信元を示す最後のソース識別番号と比較することと、シーケンス番号を、最後に受信したシーケンス番号と比較することとを含む。着信したソース識別番号が、最後のソース識別番号と同じであり、かつ、シーケンス番号が、最後に受信したシーケンス番号から予め定めたしきい番号内にあるのであれば、この方法は更に、着信したデータパケットを、現在のメディアストリームに加えることを含む。着信したソース識別番号が、最後のソース識別番号と同じであり、かつ、シーケンス番号が、最後に受信したシーケンス番号から予め定めたしきい番号よりも大きい場合には、この方法は、着信したデータパケットを用いて、新たなメディアストリームを開始することを含む。最後に、エンドマーカビットが設定されている場合、この方法は、現在のメディアストリームを終了することを含む。
【0010】
別の実施形態では、本発明は、無線通信ネットワークにおけるプッシュトゥトーク(PTT)通信において、データパケットを受信しソートする装置である。この装置は、トランシーバ、ユーザインタフェースユニット、及びコントローラを含む。トランシーバは、遠隔サーバからデータパケットを受信する、ここでは、データパケットは、PTT通信の一部であり、各データパケットは、ソース識別番号、シーケンス番号、及び、エンドマーカビットを有する。ユーザインタフェースユニットは、遠隔サーバから受信したPTT通信を再生する。コントローラは、データパケットをソートし、メディアストリームをコンパイルし、ユーザインタフェース上で再生される現在のメディアストリームの最後のソース識別番号と、最後に受信したシーケンス番号とを格納する。そして、各着信パケットのシーケンス番号と、ソース識別番号とをチェックする。ソース識別番号が、最後のソース識別番号と異なる場合、コントローラは、着信したデータパケットを用いてメディアデータストリームを開始し、このソース識別番号を、最後のソース識別番号に割り当てる。また、ソース識別番号が、最後のソース識別番号と同じであり、かつ、シーケンス番号が、最後に受信したシーケンス番号から予め定めたしきい番号内にあるのであれば、コントローラは、ユーザインタフェース上で再生される現在のメディアデータストリームに、着信したデータパケットを加える。このソース識別番号が、最後のソース識別番号と同じであり、かつ、シーケンス番号が、最後に受信したシーケンス番号から予め定めたしきい番号よりも大きいのであれば、コントローラは、着信したデータパケットを用いて、ユーザインタフェースにおいて再生される新たなメディアストリームを開始する。最後に、エンドマーカビットが設定されている場合には、コントローラは、現在のメディアストリームを終了する。
【0011】
従って、本装置及び方法によって、無線通信デバイスが、多数のパーティによるPTT通信中、遠隔サーバから受信したデータパケットに基づいてオーディオストリームを適切に再構築できるようになるので有利である。また、着信した音声データストリームに関連するデータを用いる無線通信デバイスのその他の特徴とともに、会話スパート識別情報を使用することも可能である。
【0012】
本発明のその他の利点及び特徴は、以下に記載されている、発明を実施するための最良の形態、図面の簡単な説明、及び、特許請求の範囲のレビュー後に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本明細書では、用語「通信デバイス」、「無線デバイス」、「無線通信デバイス」、「PTT通信デバイス」、「ハンドヘルドデバイス」、及び「ハンドセット」は、置換可能に使用され、用語「チャネル」及び「グループ」も置換可能に使用される。本明細書で使用される用語「アプリケーション」は、実行型ソフトウェアファイルや非実行型ソフトウェアファイル、生データ、集合データ、パッチ、及びその他のコードセグメントを包含するように意図される。本明細書で使用される用語「典型的」は、例を示すことのみ意図され、好適な実施形態を示すことも、示された実施形態のための優位さを示すこともしていない。更に、同一符号は、幾つかの図を通じて同一要素を示し、冠詞"a"及び"the"は、特に明記されていない限り、複数の参照を含む。
【0014】
要約すると、本システム及び方法によって、無線デバイスは、受信したデータパケットを用いてオーディオストリームを再構築する際のコンフリクトを解決できるようになる。データパケットはそれぞれ、ソース識別情報、シーケンス番号、及びエンドマーカビットのような情報を含むヘッダを有する。無線デバイスはこの情報を用いて、受信したデータパケットが、既存のオーディオストリームの一部であるか、新たなオーディオストリームの一部であるかを判定する。図1は、そのような無線デバイスが本発明に従って使用される通信ネットワーク100を示す。通信ネットワーク100は、1又は複数の通信塔106を含む。通信塔はそれぞれ、基地局(BS)110に接続され、通信デバイス102を有するユーザにサービス提供する。通信デバイス102は、セルラ電話、ページャ、携帯情報端末(PDA)、ラップトップコンピュータ、あるいは、プッシュトゥトーク(PTT)通信をサポートするハンドヘルド、固定型、又はポータブルな通信デバイスでありうる。各ユーザによって入力されるコマンド及びデータは、デジタルデータとして通信塔106に送信される。通信デバイス102を使用するユーザと、通信塔106との間の通信は、例えば、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、グローバル移動体通信システム(GSM)、あるいは、無線通信ネットワークやデータ通信ネットワークで使用されるその他のプロトコルのような異なる技術に基づくことができる、
PTT通信は、通信ネットワーク100によって、データパケットによって送信される。無線通信デバイス102は、割り当てられた通信チャネル上でオーディオデータパケットを送受信し、データチャネルを介して制御データが送受信される。各デバイスからのデータパケットは、通信塔106から基地局(BS)110へ送られ、モバイル交換センタ(MSC)114へ転送される。モバイル交換センタ(MSC)114は、公衆交換電話網(PSTN)118及びインターネット120に接続されている。MSC114は、通信ネットワーク100においてPTT機能をサポートするサーバ116に接続される。オプションとして、このサーバ116は、MSC114の一部であっても良い。サーバ116はまた、デバイスからの要求があると、特定の無線デバイスへのPTT通信の送信を抑える。データパケットは、サーバ116によって、受信無線デバイス102へ転送される。無線デバイス102では、オーディオストリームが、データパケット内のデータに基づいて構築される。代替実施形態(図示せず)では、MSC114は、データオンリーネットワークにおいては不要である。データパケットは、処理のために、BS110によって、パケットデータサービス提供ノードやその他のサーバへ送られる。データパケットは、例えばリアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)、TCP/IP、又はその他の適切なプロトコルのような予め定めたプロトコルに従って、無線デバイス102とBS106との間で送信される。
【0015】
図2は、無線ハンドセット102のブロック図200を示す。無線ハンドセット102は、コントローラ202、記憶ユニット204、ディスプレイユニット206、ユーザインタフェースユニット212、プッシュトゥトーク起動ユニット210、トランシーバ214、及びアンテナ216を含む。コントローラ202は、ハードウェア、ソフトウェア、あるいはそれらの組合せでありうる。コントローラ202は、オーディオメッセージをデータパケットへデジタル化し、それらをサーバ116へ送ることができる。コントローラ202はまた、サーバ116からデータパケットを受信し、それらをオーディオストリームに変換することができる。ディスプレイユニット206は、着信PTT通信に関する情報やグラフィックイメージをユーザに表示する。ユーザインタフェースユニット212は、ユーザとの通信に使用されるスピーカ、マイクロホン、ディスプレイユニット206、キーパッド、及びプッシュトゥトーク起動ユニット210のようなハードウェアを制御する。トランシーバ214は、通信塔106との間でラジオ信号を送受信する。このラジオ信号は、コマンド及びデータパケットを含む。コントローラ202は、ユーザ及び通信ネットワーク100から受信したコマンド及びデータを解釈する。記憶ユニット204は、PTT通信に関する情報を格納する。
【0016】
図3は、PTT通信処理中における、サーバ(グループ通信サーバとしても知られている)304と無線デバイス302との間の相互作用を示す図300である。ユーザがPTTボタンを起動するまで、起動無線デバイス302とサーバ304との間の通信は開始されない。無線デバイス302は、PTT通信をモニタしているが、積極的に参加していないかもしれない。つまり、無線デバイス302は、他の無線デバイスによって開始されたPTT通信を聞くが、自分のPTT通信をブロードキャストしない。一般に、ユーザは、選択されたPTTグループのメンバとのPTT通信を開始する。無線デバイス302は、選択されたPTTグループ情報とPTT通信チャネル要求をサーバ304に送る。PTT通信チャネル要求と、選択されたPTTグループ情報とを受信すると、サーバ304は、選択されたPTTグループに割り当てられたPTT通信チャネルの利用可能性をチェックし、このPTT通信チャネルが利用可能であれば、ユーザデバイス302へ、このPTT通信チャネルを許可する。PTT通信チャネルが無線デバイス302へ許可された後、無線デバイス302は、サーバ304を介して、選択されたPTTグループ314へ、オーディオ通信を送信することができる。ユーザオーディオ通信を受信すると、サーバ304は、ユーザデバイス302がオーディオ通信を送ろうと思っているPTT通信グループのメンバ306〜308を識別する。そして、サーバ304は、PTT通信グループの各メンバ306〜308へオーディオ通信を転送する。例えばビデオやマルチメディアデータのようなオーディオ通信以外のデータもPTT通信で送ることができることが注目されるべきである。
【0017】
図4は、無線デバイス102におけるオーディオストリームの再構築の例400である。PTT通信中、サーバ116からの様々なデータパケット406〜412が、無線デバイス102によって受信される。簡略図では、データパケットはそれぞれ、ヘッダ部及びデータ部を含む。ヘッダ部は、シーケンス番号414と、例えばソース識別情報、タイムスタンプ、エンドマーカ等のようなその他のヘッダ情報416とを含む。各データパケットのデータ部418は、デジタルオーディオデータを含む。各データパケットからのデータは、オーディオデータストリーム402にシーケンシャルに連結される。無線デバイス102によって受信した2つの連続したデータパケットが、データパケット408,410によって示されるように、不連続なシーケンス番号を有するのであれば、コントローラ202は、それらが同じPTT通信の一部かどうかを判定する必要がある。これらデータパケットが異なるソース識別番号を持っている場合、コントローラ202は、それらを2つの異なるオーディオストリーム内に容易に配置し、最初のオーディオストリームを終了して、新たなオーディオストリームを開始する。これらのデータパケットが同じソース識別番号を持っている場合、それらは、同じオーディオからのものであり、同じオーディオデータストリームに属するかもしれないが、異なるオーディオからのものであり、異なるオーディオデータストリームに属するかもしれない。
【0018】
オーディオをオーディオデータストリームに変換する場合、オーディオデータストリームが、ネットワークを介して、複数のデータパケットによって、受信デバイスへ送られる。そして、データパケットはそれぞれ、シーケンス番号が割り当てられる。一般に、新たなオーディオデータストリームが開始される場合、シーケンス番号として番号が割り当てられる。受信デバイスにおけるオーディオデータストリームの再構成を支援する方法として、新たなシーケンス番号を開始するために、一般に、乱数が使用される。1つの会話スパートを別の会話スパートと確実に区別するために、最後に使用されたシーケンス番号から少なくともある値分離された新たなシーケンス番号が設定される。1つの好適なこの分離値は1000である。この分離値は、2つのデータパケットが、同じオーディオデータストリームに属するかを判定するために使用することができる。シーケンス番号間の差が、この分離値よりも大きいのであれば、これらデータパケットは、異なるオーディオデータストリームに属する見込みが高い。この差が、分離値よりも小さいのであれば、これらデータパケットは恐らく同じオーディオデータストリームからのものである。
【0019】
図4の例では、分離値は16進数の1000に設定され、図4の2つのデータパケット408,410のシーケンス番号の差は、分離値未満であるので、コントローラ202は、これらデータパケットを、不連続ではあるが、同じオーディオデータストリームの一部であると結論付けるだろう。データパケット410及びその次のデータパケットからのデータは、現在のオーディオデータストリーム402に連結される。コントローラ202は、着信データパケットの処理を続け、データパケット内にエンドマーカビットが設定されるまで、それらを、現在のオーディオデータストリーム402に連結する。エンドマーカビットが設定された後、オーディオデータストリーム402がクローズされ、ユーザに対して再生される。
【0020】
図5は、無線デバイス102におけるオーディオストリームの再構築の別の例500である。無線デバイス102によって受信した様々なデータパケット502〜508は、現在のオーディオデータストリーム510と同じである同一のソース識別番号(図示せず)を有する。コントローラ202は、各データパケットのシーケンス番号414をチェックし、それを、最後に受信したデータパケットのシーケンス番号と比較する。データパケットのシーケンス番号と、最後に受信したデータパケットとの差が、予め定めた分離値よりも小さいのであれば、データ418が処理され、現在のオーディオデータストリーム510に連結され、データパケットのシーケンス番号が、最後に受信したシーケンス番号として保存され、次の比較のために使用される。データパケット502〜504のシーケンス番号が、最後に受信したデータパケットのシーケンス番号から、予め定めた分離値内であれば、データパケット502〜504からのデータが、現在のオーディオデータストリーム510に連結される。
【0021】
しかしながら、データパケット506のシーケンス番号418をチェックする場合、コントローラ202は、シーケンス番号6EC0を、最後に受信したデータパケットのシーケンス番号4FA3と比較する。そして、この差が、予め定めた分離値1000よりも大きいことを確認する。データパケット504,506は同じソース識別番号(図示せず)を持つが、コントローラ202は、それらが異なるオーディオストリームに属するものと認識する。データパケットが、送信中に、再順序付けされ、後のパケットが、前のパケットよりも前に、順番を外れて到着することがありうる。データパケット506が、順番を外れた最初のデータパケットであれば、コントローラ202は、データパケット506からのデータを、スタンバイしているオーディオストリームへバッファし、猶予期間タイマを開始する。コントローラ202は、遅れて、かつ順番を外れて到着する更なるデータパケットのために、猶予期間待機するだろう。猶予期間が期限切れになっても更なるデータパケットが受信されないのであれば、コントローラは、現在のオーディオデータストリームを終了し、それをユーザに対して再生し、スタンバイしているオーディオストリームを現在のオーディオストリームにする。
【0022】
データパケット506が、順番を外れた最初に受信したデータパケットでなければ、また、シーケンス番号が、順番を外れた最後に受信したデータパケットから、予め定めた分離値よりも大きくないのであれば、コントローラ202は、既存のスタンバイしているオーディオストリームへデータを加える。データパケット506のシーケンス番号が、順番を外れた最後に受信したデータパケットから予め定めた分離値よりも大きく異なるのであれば、更なるスタンバイオーディオストリームが必要とされる。
【0023】
図6は、オーディオデータストリーム再構築処理のためのフローチャート600である。無線デバイス102は、ステップ602において、サーバ116からデータパケットを受信し、ステップ604において、エンドマーカビットによって示されるフレームエンドを受信したかをチェックする。エンドマーカビットが設定されていれば、ステップ606において、現在のオーディオデータストリームが終了し、ユーザに再生される。コントローラ202は、ステップ608において、スタンバイしているオーディオストリームが存在するかをチェックする。スタンバイオーディオストリームが存在する場合、ステップ610において、コントローラ202は、それを、現在のオーディオストリームにする。
【0024】
データが、エンドマーカビット設定を有していない場合、コントローラ202は、ステップ612において、データパケットのソースを、最後に受信したデータパケットのソース(最後のソース)と照合する。このデータパケットが、異なるソースからのものであれば、コントローラ202は、それを、順番を外れたデータパケットと解釈する。コントローラは、ステップ614において、このソースのためにスタンバイしているオーディオストリームが存在するかをチェックする。スタンバイしているオーディオストリームが設定されていないのであれば、コントローラ202は、ステップ622において、新たなスタンバイオーディオストリームを開始し、ステップ624において、猶予期間タイマを開始する。スタンバイオーディオストリームが、このソースからのデータパケットに対して既に設定されているのであれば、ステップ616において、このデータは、このスタンバイオーディオストリームに追加される。コントローラ202はまた、ステップ618において、猶予期間タイマが時間切れになったかもチェックする。猶予期間タイマが時間切れになった場合、コントローラは、ステップ620において、現在のオーディオストリームを終了し、それをユーザに再生する。そして、ステップ610において、スタンバイしているオーディオストリームを現在のオーディオストリームにする。
【0025】
データパケットが、前のデータパケットと同じソースからのものである場合、コントローラ202は、ステップ626において、データパケットのシーケンス番号をチェックする。このシーケンス番号と、最後に受信したデータパケットのシーケンス番号との差が、予め定めた分離値よりも小さいのであれば、つまり、シーケンス番号が、最後のシーケンス番号のしきい番号内にあるのであれば、コントローラ202は、ステップ630において、現在のオーディオデータストリームにデータを追加する。そして、ステップ632において、設定されている猶予期間があるかチェックする。
【0026】
幾つかのデータパケットが順番を外れて受信され、スタンバイオーディオストリームに配置され、猶予期間タイマを開始することが可能である。猶予期間タイマを開始した後、現在のオーディオストリームについて、更なるデータパケットが受信される。この状況では、コントローラ202が、データの処理を継続し、それらを、現在のオーディオストリームに追加する。従って、猶予期間タイマが設定されていると、コントローラ202は、それをキャンセルし、別のデータパケットの受信を続ける。シーケンス番号が、最後に受信したデータパケットから、予め定めた分離値のしきい番号内に無いのであれば、コントローラ202は、それを、新たなオーディオストリームの順番を外れたデータパケットからのものであると解釈し、ステップ614において、この新たなオーディオストリームのために設定されたスタンバイストリームが存在するかをチェックする。この処理は、図6に例示し、上述したように続く。
【0027】
下記は、PTT通信における多くの同時通信の解決を例示する1つのシナリオの記述である。ジョンは、ボブとピータと通信するために、自分の無線デバイスのPTT通信機能を使用している。ジョンは、このPTT機能を起動して、自分の無線デバイスに話をする。彼は、話を続ける前に、一次的に中断する。彼の通信は、複数のデータパケットによってサーバへ送信され、このサーバによって、ボブとピータに配信される。ボブの無線デバイスは、このデータパケットを受信し、オーディオデータストリームを構築する。干渉によって、少数のデータパケットが、送信中に喪失される。無線デバイスは、ソース及びシーケンス番号を連続的にチェックする。シーケンス番号にギャップがあることが明らかになると、無線デバイスは、このギャップの大きさを、予め定めた分離番号と照合する。このギャップが、分離番号よりも小さいことが明らかになると、無線デバイスは、少数のデータパケットが喪失されたことを認識する。そして、データパケットからのデータを、現在のオーディオデータストリームへ付与し、その他の着信ストリームの処理を続ける。ジョンが話を中断し、無線デバイスが、設定されたエンドマーカビットを受信すると、無線デバイスは、現在のオーディオデータストリームを終了し、それをボブに向けて再生する。無線デバイスが新たなデータパケットを受信すると、新たなオーディオデータストリームの構築を開始する。
【0028】
他のシナリオでは、ジョンが彼の話を終えるや否や、ピータが応答を開始し、ジョンの話からの最後の少しのデータパケットが、送信中に喪失される。ジョン及びピータの両方のメッセージは、データパケットとしてボブの無線デバイスへ送信される。無線デバイスは、ジョンのデータパケットを受信し、オーディオデータストリームを構築する。そして、無線デバイスは、ソース識別番号が、現在受信したデータパケットにおいて変わっていることを認識する。無線デバイスは、ピータからのデータパケットを、スタンバイしているオーディオストリームにバッファする。なぜなら、ジョンが彼の話を終えたか分からないからである。ピータ及びジョンからのデータパケットが、サーバによる送信中に、順番が変わることがありうる。無線デバイスは、猶予期間タイマを開始する。猶予期間の終了時において、ジョンからの更なるデータパケットが受信されないのであれば、無線デバイスは、ジョンからの現在のデータストリームを終了し、それをボブに再生する。ジョンの話のオーディオデータストリームを終了した後、無線デバイスは、ピータの話のスタンバイしているオーディオデータストリームを、現在のオーディオデータストリームに移動する。上述した方法によって、無線デバイスは、ピータの話のデータを、ジョンの話に続けず、ジョンからの2つの個別の会話スパートを、単一のスパートとして連結することはないだろう。
【0029】
無線サービスプロバイダのコンピュータデバイス又は無線通信デバイス上で実施可能な方法を考慮して、この方法は、コンピュータ読取可能媒体内に常駐するプログラムによって実行される。ここでプログラムは、本方法のステップを行なうように、コンピュータプラットフォームを有するサーバ又は他のコンピュータデバイスに指示する。このコンピュータ読取可能媒体は、サーバのメモリであるか、あるいは、接続データベースでありえる。更に、コンピュータ読取可能媒体は、例えば、磁気ディスクやテープ、光ディスク、ハードディスク、フラッシュメモリ、あるいは当該技術で周知のその他の記憶媒体であり、無線通信デバイスコンピュータプラットフォーム上にロード可能な補助記憶媒体内に存在することができる。
【0030】
図6の状況では、本方法は、例えば、無線通信デバイスやサーバのような無線ネットワークの一部を動作させ、計算機読取可能な命令のシーケンスを実行することによって実現することができる。各ステップは順番に示されているが、本方法は、異なるシーケンスで、又は、イベント駆動される処理として実現される。これら命令は、様々なタイプのシグナルベアリングであるか、データ記憶1次媒体、2次媒体、又は3次媒体内に存在することができる。この媒体は、例えば、無線ネットワークの構成要素内に存在するか、無線ネットワークによってアクセス可能なRAM(図示せず)を備えうる。RAM、ディスク、あるいはその他の補助記憶媒体に含まれていても、これら命令は、例えば、DASD記憶装置(例えば、従来の「ハードドライブ」又はRAIDアレイ)、磁気テープ、電子的読取専用メモリ(例えば、ROM、EPROM、又はEEPROM)、フラッシュメモリカード、光記憶装置デバイス(例えば、CD−ROM、WORM、DVD、デジタル光学テープ)、ペーパ「パンチ」カード、又は、デジタル及びアナログ伝送媒体を含むその他の適切なデータ記憶媒体のような様々な計算機読取可能記憶媒体上に格納されうる。
【0031】
本発明が具体的に示され、その好適な実施形態に関して記述されている一方、形態及び詳細における様々な変形が、本願の特許請求の範囲で述べたような本願の範囲及び精神から逸脱することなくなされうることが、当業者によって理解されるだろう。例えば、上記は、オーディオPTT通信に基づいており、この装置、システム、及び方法が、例えばビデオ、データ等のようなその他のタイプの媒体をサポートするように容易に修正されうることが理解される。更に、本発明の要素が、単数で記述されクレームされているかもしれないが、単数への限定が明示的に述べられていないのであれば、複数も考慮される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、本システムに従って使用される通信ネットワーク100の典型的な実施形態を示す。
【図2】図2は、無線ハンドセットのブロック図を例示する。
【図3】図3は、PTT通信処理中の、サーバと無線デバイスとの間の相互作用を表わすブロック図である。
【図4】図4は、オーディオデータストリームの再構築を例示する概要図である。
【図5】図5は、少数のデータパケットを喪失した場合におけるオーディオデータストリームの再構築を例示する概要図である。
【図6】図6は、オーディオデータストリーム再構成処理の典型的な実施形態のためのフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信ネットワークにおけるプッシュトゥトーク(PTT)通信における着信データパケットのコンフリクトを解決する方法であって、前記各データパケットの内容が、無線通信デバイス上で再生されるメディアストリームに追加され、前記方法は、
データパケットを、前記無線通信ネットワークを介して、前記無線通信デバイスにおいて受信することであって、前記データパケットは、PTT通信の一部であり、ソース識別番号、シーケンス番号、及びエンドマーカビットを有していることと、
前記無線通信デバイスにおいて、前記ソース識別番号を、前記無線通信デバイスにおいて受信した現在のメディアストリームの発信元を示す最後のソース識別番号と比較することと、
前記シーケンス番号を、最後に受信したシーケンス番号と比較することと、
着信した前記ソース識別番号が、前記最後のソース識別番号と同じであり、前記シーケンス番号が、前記最後に受信したシーケンス番号から予め定めたしきい番号内にあるのであれば、現在のメディアストリームへ、着信したデータパケットを加えることと、
前記着信したソース識別番号が、前記最後のソース識別番号と同じであり、前記シーケンス番号が、前記最後に受信したシーケンス番号から前記予め定めたしきい番号よりも大きいのであれば、前記着信したデータパケットを用いて、新たなメディアストリームを開始することと、
前記エンドマーカビットが設定されているのであれば、前記現在のメディアストリームを終了することと
の各ステップを備える方法。
【請求項2】
前記無線通信デバイス上で、前記現在のメディアストリームをユーザに対して再生するステップを更に備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記着信したソース識別番号が、前記最後のソース識別番号と異なるのであれば、前記着信したデータパケットを用いて新たなメディアストリームを開始し、前記ソース識別番号を、前記最後のソース識別番号に割り当てるステップを更に備える請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記メディアストリームは、オーディオストリームである請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記メディアストリームは、ビデオストリームである請求項1に記載の方法。
【請求項6】
無線通信ネットワークにおけるプッシュトゥトーク(PTT)通信においてデータパケットを受信しソートする装置であって、
遠隔サーバからデータパケットを受信するトランシーバであって、前記データパケットは、PTT通信の一部であり、ソース識別番号、シーケンス番号、及びエンドマーカビットを有しているトランシーバと、
前記遠隔サーバから受信した前記PTT通信を再生するユーザインタフェースユニットと、
前記データパケットをソートし、メディアストリームをコンパイルし、前記ユーザインタフェース上で再生されている現在のメディアストリームの最後のソース識別番号と、最後に受信したシーケンス番号とを格納するコントローラとを備え、前記コントローラは、
着信した各データパケットのシーケンス番号及びソース識別番号をチェックし、前記ソース識別番号が、前記最後のソース識別番号と異なるのであれば、前記着信したデータパケットを用いて、メディアデータストリームを開始し、前記ソース識別番号を、前記最後のソース識別番号に割り当て、
前記ソース識別番号が、前記最後のソース識別番号と同じであり、かつ、前記シーケンス番号が、前記最後に受信したシーケンス番号から予め定めたしきい番号内にあれば、前記着信したデータパケットを、前記ユーザインタフェース上で再生される現在のメディアデータストリームに加え、
前記ソース識別番号が、前記最後のソース識別番号と同じであり、かつ、前記シーケンス番号が、前記最後に受信したシーケンス番号から予め定めたしきい番号よりも大きいのであれば、前記着信したデータパケットを用いて、前記ユーザインタフェースにおいて再生される新たなメディアストリームを開始し、
前記エンドマーカビットが設定されているのであれば、前記現在のメディアストリームを終了する装置。
【請求項7】
PTT通信に関する動作アナウンスメントを表示するディスプレイユニットを更に備える請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記最後のソース識別番号と、前記最後に受信したシーケンス番号とを格納する記憶ユニットを更に備える請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記メディアストリームは、オーディオストリームである請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記メディアストリームは、ビデオストリームである請求項6に記載の装置。
【請求項11】
無線通信ネットワークにおけるプッシュトゥトーク(PTT)通信においてデータパケットを受信しソートする装置であって、
遠隔サーバからデータパケットを送受信する手段であって、前記データパケットは、PTT通信の一部であり、各データパケットは、ソース識別番号、シーケンス番号、及びエンドマーカビットを有している手段と、
前記遠隔サーバから受信した前記PTT通信を再生するユーザインタフェース手段と、
前記データパケットをソートし、メディアストリームをコンパイルし、前記ユーザインタフェース上で再生されている現在のメディアストリームの最後のソース識別番号と、最後に受信したシーケンス番号とを格納する制御手段とを備え、前記制御手段は、
着信した各パケットのシーケンス番号及びソース識別番号をチェックし、前記ソース識別番号が、前記最後のソース識別番号と異なるのであれば、前記着信したデータパケットを用いて、メディアデータストリームを開始し、前記ソース識別番号を、前記最後のソース識別番号に割り当て、
前記ソース識別番号が、前記最後のソース識別番号と同じであり、かつ、前記シーケンス番号が、前記最後に受信したシーケンス番号から予め定めたしきい番号内にあれば、前記着信したデータパケットを、前記ユーザインタフェース上で再生される現在のメディアデータストリームに加え、
前記ソース識別番号が、前記最後のソース識別番号と同じであり、かつ、前記シーケンス番号が、前記最後に受信したシーケンス番号から予め定めたしきい番号よりも大きいのであれば、前記着信したデータパケットを用いて、前記ユーザインタフェース手段において再生される新たなメディアストリームを開始し、
前記エンドマーカビットが設定されているのであれば、前記現在のメディアストリームを終了する装置。
【請求項12】
PTT通信に関する動作アナウンスメントを表示する手段を更に備える請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記最後のソース識別番号と、前記最後に受信したシーケンス番号とを格納する手段を更に備える請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記メディアストリームは、オーディオストリームである請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記メディアストリームは、ビデオストリームである請求項11に記載の装置。
【請求項16】
無線通信ネットワークにおけるプッシュトゥトーク(PTT)通信における着信データパケットのコンフリクトを解決するコンピュータプログラムが格納されているコンピュータ読取可能媒体であって、前記各データパケットの内容が、無線通信デバイス上で再生されるメディアストリームに追加され、前記コンピュータプログラムは、コンピュータによって実行された場合、
データパケットを、前記無線通信ネットワークを介して、前記無線通信デバイスにおいて受信することであって、前記データパケットは、PTT通信の一部であり、ソース識別番号、シーケンス番号、及びエンドマーカビットを有していることと、
前記無線通信デバイスにおいて、前記ソース識別番号を、前記無線通信デバイスにおいて受信した現在のメディアストリームの発信元を示す最後のソース識別番号と比較することと、
前記シーケンス番号を、最後に受信したシーケンス番号と比較することと、
着信した前記ソース識別番号が、前記最後のソース識別番号と同じであり、前記シーケンス番号が、前記最後に受信したシーケンス番号から予め定めたしきい番号内にあるのであれば、現在のメディアストリームへ、着信したデータパケットを加えることと、
前記着信したソース識別番号が、前記最後のソース識別番号と同じであり、前記シーケンス番号が、前記最後に受信したシーケンス番号から前記予め定めたしきい番号よりも大きいのであれば、前記着信したデータパケットを用いて、新たなメディアストリームを開始することと、
前記エンドマーカビットが設定されているのであれば、前記現在のディアストリームを終了することと
の各ステップを実行するコンピュータ命令を備えたコンピュータ読取可能媒体。
【請求項17】
前記無線通信デバイス上で、前記現在のメディアストリームをユーザに対して再生するステップを更に備える請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記着信したソース識別番号が、前記最後のソース識別番号と異なるのであれば、前記着信したデータパケットを用いて新たなメディアストリームを開始し、前記ソース識別番号を、前記最後のソース識別番号に割り当てるステップを更に備える請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記メディアストリームは、オーディオストリームである請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記メディアストリームは、ビデオストリームである請求項16に記載の方法。
【請求項21】
無線通信ネットワークにおいて、ユーザデバイスが、サーバとの多数のプッシュトゥトーク(PTT)通信を維持するためのシステムであって、
前記無線通信ネットワークと通信するサーバであって、前記サーバは、第2のユーザデバイスから受信した複数のデータパケットを、第1のユーザデバイスへ送信し、各データパケットは、ソース識別番号、シーケンス番号、エンドマーカビット、及びオーディオデータを有するサーバと、
前記無線通信ネットワークを介して前記サーバと通信可能であり、オーディオストリームのために、データパケットのセットを生成することが可能な第2のユーザデバイスであって、前記データパケットのセットは、最後のデータパケットのセットのシーケンス番号と、少なくとも予め定めたしきい番号異なるランダムなシーケンス番号で始まる第2のユーザデバイスと、
前記無線通信ネットワークを介して前記サーバと通信可能な第1のユーザデバイスであって、前記第1のユーザデバイスは、
前記複数のデータパケットを受信し、
各データパケットを分析し、
受信したデータパケットからのソース識別番号が、最後に受信したデータパケットのソース識別番号と異なる場合には、前記受信したデータパケットからのオーディオデータを用いて新たなオーディオストリームを開始し、
前記受信したデータパケットからのソース識別番号が、前記最後に受信したデータパケットのソース識別番号と同じであり、かつ、前記受信したデータパケットと、前記最後に受信したデータパケットとのシーケンス番号間の差が、予め定めたしきい番号よりも大きいのであれば、前記受信したデータパケットからのオーディオデータを用いて新たなオーディオストリームを開始し、
前記受信したデータパケットからのソース識別番号が、前記最後に受信したデータパケットのソース識別番号と同じであり、かつ、前記受信したデータパケットと、前記最後に受信したデータパケットとのシーケンス番号間の差が、予め定めたしきい番号よりも小さいのであれば、前記受信したデータパケットからのオーディオデータを、現在のオーディオストリームに追加する
ことが可能な第1のユーザデバイスと
を備えるシステム。
【請求項22】
無線通信ネットワークにおけるプッシュトゥトーク(PTT)通信における着信データパケットのコンフリクトを解決する方法であって、前記各データパケットの内容が、無線通信デバイス上で再生されるメディアストリームに追加され、前記方法は、
データパケットを、前記無線通信ネットワークを介して、前記無線通信デバイスにおいて受信するステップであって、前記データパケットは、PTT通信の一部であり、ソース識別番号、シーケンス番号、及びエンドマーカビットを有しているステップと、
前記無線通信デバイスにおいて、前記ソース識別番号を、前記無線通信デバイスにおいて受信した現在のメディアストリームの発信元を示す最後のソース識別番号と比較するステップと、
前記シーケンス番号を、最後に受信したシーケンス番号と比較するステップと、
着信した前記ソース識別番号が、前記最後のソース識別番号と同じであり、前記シーケンス番号が、前記最後に受信したシーケンス番号から予め定めたしきい番号内にあるのであれば、現在のメディアストリームへ、前記着信したデータパケットを加えるステップと、
前記着信したソース識別番号が、前記最後のソース識別番号と同じであり、前記シーケンス番号が、前記最後に受信したシーケンス番号から前記予め定めたしきい番号よりも大きいのであれば、前記着信したデータパケットを用いて、新たなメディアストリームを開始するステップと、
前記エンドマーカビットが設定されているのであれば、前記現在のディアストリームを終了するステップと
を備える方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−500925(P2009−500925A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519726(P2008−519726)
【出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2006/026208
【国際公開番号】WO2007/005971
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】