説明

無線制御システム

【課題】制御コントローラと無線センサとの間の親子関係の規定を簡単かつ確実に行えるようにする。配線作業が煩雑とならず、制御対象機器の増設を容易に行えるようにする。
【解決手段】系統管理コントローラ10を設ける。系統管理コントローラ10より、VAVコントローラ2−1に無線で制御指令を送り、VAVユニット1−1を全閉から全開に変化させ、無線センサ3−1,3−2から送信されてくる温度データの変化をモニタする。この温度データの変化とVAVコントローラ2−1に送った制御指令との相関関係を比較し、相関関係が最も大きい無線センサ3−1に設定されている系統情報#1をVAVコントローラ2−1に設定する。系統2側も同様にして無線センサ3−2に設定されている系統情報#2をVAVコントローラ2−2に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、制御対象機器の動作によって変化する温度などの事象を計測対象とし、その計測対象のデータを事象データとして無線によって送信する無線センサを備えた無線制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の無線制御システムとして、制御対象機器をVAVユニット(可変風量調節ユニット)としたVAV制御システムが用いられている(例えば、特許文献1参照)。図16にこのVAV制御システムの概略を示す。同図において、1はVAVユニット(制御対象機器)、2はVAVユニット1の動作を制御するVAVコントローラ(制御コントローラ)、3はVAVユニット1の動作によって変化する事象(室内温度)を計測対象とし、その計測対象のデータ(温度データ)を事象データとして無線によってVAVコントローラ2に送信する無線センサ(無線温度センサ)である。
【0003】
図16の例では、室内4を系統1と系統2の2系統に分け、系統1にVAVユニット1−1,VAVコントローラ2−1および無線センサ3−1を設け、系統2にVAVユニット1−2,VAVコントローラ2−2および無線センサ3−2を設けている。また、VAVコントローラ2−1と無線センサ3−1との間に親子関係(無線通信の接続関係)を規定し、VAVコントローラ2−2と無線センサ3−2との間に親子関係を規定している。
【0004】
このVAV制御システムでは、系統1における室内温度の計測値t1pvが無線センサ3−1からVAVコントローラ2−1に無線で送られ、この室内温度の計測値t1pvと設定値t1spとが一致するように、VAVユニット1−1の動作(ダンパ開度)がVAVコントローラ2−1によって制御される。また、系統2における室内温度の計測値t2pvが無線センサ3−2からVAVコントローラ2−2に無線で送られ、この室内温度の計測値t2pvと設定値t2spとが一致するように、VAVユニット1−2の動作(ダンパ開度)がVAVコントローラ2−2によって制御される。
【0005】
〔VAVコントローラと無線センサとの間の親子関係の規定〕
VAVコントローラ2と無線センサ3との間の親子関係の規定は、機器設置前に行う方式(ケース1)と、機器設置後に行う方式(ケース2)とがある。なお、ここで言う機器とは、制御コントローラ2や無線センサ3のことを指す。
【0006】
〔ケース1:機器設置前〕
ケース1では、図17に示すように、現場に機器を設置する前に、その機器が設置される系統の系統情報をVAVコントローラ2および無線センサ3に手動で設定する。この例では、VAVコントローラ2−1および無線センサ3−1に系統情報#1を手動で設定し、VAVコントローラ2−2および無線センサ3−2に系統情報#2を手動で設定する。
【0007】
〔ケース2:機器設置後〕
ケース2では、図18に示すように、現場に機器を設置した後に、その機器が設置された系統の系統情報をVAVコントローラ2および無線センサ3に手動で設定する。この例では、VAVコントローラ2−1および無線センサ3−1に系統情報#1を手動で設定し、VAVコントローラ2−2および無線センサ3−2に系統情報#2を手動で設定する。
【0008】
これにより、ケース1,ケース2共に、VAVコントローラ2−1と無線センサ3−1とが同一の系統情報#1によって対応づけられ、VAVコントローラ2−1と無線センサ3−1との間に親子関係が規定される。また、VAVコントローラ2−2と無線センサ3−2とが同一の系統情報#2によって対応づけられ、VAVコントローラ2−2と無線センサ3−2との間に親子関係が規定される。なお、図17および図18において、#C1,#C2はVAVコントローラ2−1,2−2の固有情報であり、#S1,#S2は無線センサ3−1,3−2の固有情報であり、これらの固有情報は製品出荷段階で既に設定されている。
【0009】
【特許文献1】特開2005−249238号公報
【特許文献2】特開2000−111064号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述したVAVコントローラと無線センサとの間の親子関係の規定方式によると、ケース1では、現場に機器を設置する前にVAVコントローラ2や無線センサ3に系統情報を設定するので、例えば無線センサ3−1の設置場所を間違えて系統2側に設置してしまったような場合、系統2の室内温度t2pvがVAVコントローラ2−1に送られるものとなり、系統1側の室内温度の制御がうまく行かない。
【0011】
一方、ケース2では、現場に機器を設置した後にVAVコントローラ2や無線センサ3に系統情報を設定するので、VAVコントローラ2が天井裏などに設置されるような場合には、梯子などを利用してVAVコントローラ2に近づいて設定作業を行う必要がある。このため、設定作業が煩わしく、時間もかかる。また、設置前に系統情報を正しく設定していたとしても、設置後に系統情報に変更が生じたような場合、VAVコントローラ2に近づいて系統情報の設定変更を行う必要があり、同様の問題が生じる。
【0012】
なお、特許文献2には、制御コントローラと無線センサとの間の親子関係の規定を簡単かつ確実に行えるようにした無線通信床暖房制御システムが示されている。この無線通信床暖房制御システムでは、図19にその概略構成を示すように、室内4を系統1と系統2の2系統に分け、系統1に温水弁5−1を設置し、系統2に温水弁5−2を設置し、熱源機6からの温水を温水弁5−1および5−2に供給し、系統1および系統2における床暖房を行う。
【0013】
この場合、系統1には温度センサ内蔵の床暖房リモコン7−1が設置され、系統2には温度センサ内蔵の床暖房リモコン7−2が設置され、系統1における床暖房温度の計測値t1pvが床暖房リモコン7−1より熱源機6に送信され、系統2における床暖房温度の計測値t2pvが床暖房リモコン7−2より熱源機6に送信される。
【0014】
熱源機6には、温水弁5−1の開度を制御する制御部6−1と、温水弁5−2の開度を制御する制御部6−2とが設けられ、系統1における床暖房温度の計測値t1pvと設定値t1spとが一致するように温水弁5−1の開度が制御部6−1により制御され、系統2における床暖房温度の計測値t2pvと設定値t2spとが一致するように温水弁5−2の開度が制御部6−2により制御される。制御部6−1と温水弁5−1との間および制御部6−2と温水弁5−2との間は有線で接続されている。
【0015】
この無線通信床暖房制御システムにおいて、熱源機6と床暖房リモコン7との間の親子関係の規定(制御部6−1と床暖房リモコン7−1との間の親子関係の規定、制御部6−2と床暖房リモコン7−2との間の親子関係の規定)は、次のようにして行われる。先ず、図20に示すように、熱源機6より有線で温水弁5−1に制御指令を送り、温水弁5−1を開く。そして、熱源機6より無線で、温度上昇があったかどうかを一定時間毎に床暖房リモコン7−1および7−2に問い合わせる。
【0016】
この場合、床暖房リモコン7−1は、内蔵されている温度センサにより一定時間内に温度上昇を検出し、温度上昇があった旨の返事を自己の固有情報#S1を付して熱源機6に無線で返す(図21参照)。熱源機6は、床暖房リモコン7−1からの温度上昇があった旨の返事を受信し、この返事に含まれる固有情報#S1を制御指令を送った温水弁5−1の系統番号#1と関連づけて記憶する。これにより、制御部6−1と床暖房リモコン7−1との間の親子関係が規定される。同様にして、熱源機6より有線で温水弁5−2へ制御指令を送り、温水弁5−2を開くことにより、制御部6−2と床暖房リモコン7−2との間の親子関係が規定される。
【0017】
ここで、この無線通信床暖房システムを図16に示したVAV制御システムと比較してみる。この場合、温水弁5−1がVAVユニット1−1に対応し、制御部6−1がVAVコントローラ2−1に対応し、床暖房リモコン7−1が無線センサ3−1に対応する。また、温水弁5−2がVAVユニット1−2に対応し、制御部6−2がVAVコントローラ2−2に対応し、床暖房リモコン7−2が無線センサ3−2に対応する。
【0018】
したがって、この無線通信床暖房システムの技術をVAV制御システムに適用した場合、図22に示すように、VAVユニット1−1,1−2(温水弁5−1,5−2に対応)に対して無線通信機能を備えた系統管理コントローラ8(熱源機6に対応)を設け、系統管理コントローラ8内にVAVコントロール部8−1,8−2(制御部6−1,6−2に対応)を設け、VAVコントロール部8−1および8−2とVAVユニット1−1および1−2との間を有線で接続する構成とすることが考えられる。
【0019】
しかしながら、このようなVAV制御システムでは、系統管理コントローラ8とVAVユニット1−1および1−2との間を有線で接続する構成とするため、系統管理コントローラ8と天井裏などに設置されるVAVユニット1−1および1−2との間の配線作業が煩雑となる。また、接続可能なVAVユニット1の台数(上限台数)が系統管理コントローラ8の有線のポート数によって定まり、その上限台数を超えるVAVユニット1の増設要求に対しては、系統管理コントローラ8に大幅な改造を要する。
【0020】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、制御コントローラと無線センサとの間の親子関係の規定を簡単かつ確実に行えることができ、配線作業が煩雑とならず、制御対象機器の増設を容易に行うことが可能な無線制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
このような目的を達成するために、第1発明(請求項1に係る発明)、制御対象機器と、この制御対象機器の動作を制御する制御コントローラと、制御対象機器の動作によって変化する所定の事象を計測対象とし、その計測対象のデータを事象データとして無線によって送信する1台以上の無線センサとを備えた無線制御システムにおいて、制御コントローラに無線によって制御指令を送り、この制御指令に従う所定の動作を制御対象機器に行わせた後、無線センサから送信されてきた事象データに基づいて、無線センサと制御コントローラとの間の親子関係を規定し、その規定した親子関係に関する情報を無線によって制御コントローラに設定する親子関係規定手段を設けたものである。
【0022】
この発明によれば、例えば、制御対象機器をVAVユニット、制御コントローラをVAVコントローラ、親子関係規定手段を系統管理コントローラとした場合、系統管理コントローラからVAVコントローラに無線によって制御指令が送られ、この制御指令に従ってVAVユニットが所定の動作を行う(例えば、VAVユニットのダンパ開度を全閉から全開に変化する)。このVAVユニットの動作後、系統管理コントローラは、無線センサから送信されてきた事象データ(例えば、温度データ)に基づいて、無線センサとVAVコントローラとの間の親子関係を規定し、その規定した親子関係に関する情報を無線によってVAVコントローラに設定する。例えば、複数の無線センサから事象データが送信されてきた場合、その事象データの変化とVAVコントローラに送った制御指令との相関関係を比較し、相関関係が最も大きい無線センサについてVAVコントローラとの親子関係を規定し、その無線センサに設定されている系統情報を親子関係に関する情報としてVAVコントローラに設定する。
【0023】
本発明において、制御コントローラに設定する親子関係に関する情報は、系統情報に限られるものではなく、無線センサ毎に割り付けられたアドレスや工場出荷段階で定められた固有情報などであってもよい。また、無線センサの各々から送信されてきた事象データの変化と制御コントローラに送った制御指令との相関関係を比較し、相関関係が大きいものから順に所定の台数の無線センサについて制御コントローラとの親子関係を規定するようにしてもよい(第2発明(請求項2に係る発明))。また、無線センサから送信されてきた事象データの変化と制御コントローラに送った制御指令との相関関係を比較するのではなく、その事象データが最も大きく変化(最も大きく反応)した無線センサについて制御コントローラとの親子関係を規定するようにしたり、その事象データが大きく変化した順に所定の台数の無線センサについて制御コントローラとの親子関係を規定するようにしたりしてもよい。
【0024】
また、無線センサの各々に系統情報を記憶させておき、無線センサの各々から送信されてきた事象データの変化と制御コントローラに送った制御指令との相関関係を比較し、相関関係が最も大きい無線センサおよび当該無線センサと同じ系統情報を記憶している無線センサについて制御コントローラとの親子関係を規定するようにしてもよい(第3発明(請求項3に係る発明))。
また、無線センサの各々に系統情報を記憶させておき、無線センサの各々から送信されてきた事象データより、同じ系統情報を記憶する無線センサの事象データの変化量の平均を同一系統のセンサ群の事象データの平均変化量として求め、各同一系統のセンサ群の事象データの平均変化量と制御コントローラに送った制御指令との相関関係を比較し、相関関係が最も大きい同一系統のセンサ群の各無線センサについて制御コントローラとの親子関係を規定するようにしてもよい(第4発明(請求項4に係る発明))。
【発明の効果】
【0025】
第1発明によれば、制御コントローラに無線によって制御指令を送り、この制御指令に従う所定の動作を制御対象機器に行わせた後、無線センサから送信されてきた事象データに基づいて、無線センサと制御コントローラとの間の親子関係を規定し、その規定した親子関係に関する情報を無線によって制御コントローラに設定する親子関係規定手段を設けたので、制御コントローラが天井裏などに設置されているような場合でも、制御コントローラと無線センサとの間の親子関係の規定を簡単かつ確実に行えることができる。また、例えば、親子関係規定手段を系統管理コントローラとした場合、系統管理コントローラと制御コントローラとの間が無線によって接続されるので、系統管理コントローラと制御コントローラとの間の配線作業が煩雑とならず、制御対象機器の増設を容易に行うことも可能となる。
【0026】
また、第2発明によれば、無線センサの各々から送信されてきた事象データの変化と制御コントローラに送った制御指令との相関関係を比較し、相関関係が大きいものから順に所定の台数の無線センサについて制御コントローラとの親子関係を規定することにより、第1発明の効果に加えて、制御コントローラ1台に対して複数台の無線センサを用いて制御を行うような場合、制御コントローラとそれらの無線センサとの親子関係を規定する作業の短縮を図ることが可能となる。
【0027】
また、第3発明によれば、無線センサの各々から送信されてきた事象データの変化と制御コントローラに送った制御指令との相関関係を比較し、相関関係が最も大きい無線センサおよび当該無線センサと同じ系統情報を記憶している無線センサについて制御コントローラとの親子関係を規定することにより、第2発明の効果に加えて、異なる系統情報を持つ無線センサ(違うエリアに設置されている無線センサ)を誤って同一系統の無線センサとして規定するミスを防ぐことが可能となる。
【0028】
また、第4発明によれば、無線センサの各々から送信されてきた事象データより、同じ系統情報を記憶する無線センサの事象データの変化量の平均を同一系統のセンサ群の事象データの平均変化量として求め、各同一系統のセンサ群の事象データの平均変化量と制御コントローラに送った制御指令との相関関係を比較し、相関関係が最も大きい同一系統のセンサ群の各無線センサについて制御コントローラとの親子関係を規定することにより、第3発明の効果に加えて、異なる系統情報を持つある無線センサが外乱によって最も大きい相関関係を持つものと判断された場合でも、同一系統のセンサ群の事象データの平均変化量を指標とすることで、その影響を軽減して、より正確な親子関係の規定が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
〔実施の形態1〕
図1はこの発明の一実施の形態(実施の形態1)を示すVAV制御システムの概略図である。同図において、図16と同一符号は図16を参照して説明した構成要素と同一或いは同等構成要素を示し、その説明は省略する。
【0030】
この実施の形態1のVAV制御システムでは、無線通信機能を有する系統管理コントローラ10を設け、この系統管理コントローラ10とVAVコントローラ2(2−1,2−2)との間、系統管理コントローラ10と無線センサ3(3−1,3−2)との間を無線で接続するようにしている。なお、図1において、系統1に設置された無線センサ3−1には系統情報#1が手動で既に設定されており、系統2に設置された無線センサ3−2には系統情報#2が手動で既に設定されているものとする。また、系統管理コントローラ10は、LANなどの通信回線を介して中央監視盤9に接続されているものとする。
【0031】
系統管理コントローラ10は、プロセッサや記憶装置からなるハードウェアと、これらのハードウェアと協働して各種機能を実現させるプログラムとによって実現され、本実施の形態特有の機能として無線センサとVAVコントローラとの間の親子関係を規定する親子関係規定機能を有している。以下、この系統管理コントローラ10が有する親子関係規定機能について、図1〜図12を参照しながら説明する。
【0032】
〔初期情報の収集:ステップ1〕
図1において、系統管理コントローラ10は、中央監視盤9から親子関係の規定を開始する旨の指令を受けると、VAVコントローラ2−1,2−2および無線センサ3−1,3−2より初期情報を収集する。
【0033】
この場合、VAVコントローラ2−1より固有情報#C1と開度情報θ1pv(VAVユニット1−1の現在のダンパ開度を示す情報)を初期情報として収集し、VAVコントローラ2−2より固有情報#C2と開度情報θ2pv(VAVユニット1−2の現在のダンパ開度を示す情報)を初期情報として収集する。また、無線センサ3−1より固有情報#S1と系統情報#1と室内温度の計測値t1pvを初期情報として収集し、無線センサ3−2より固有情報#S2と系統情報#2と室内温度の計測値t2pvを初期情報として収集する。
【0034】
これにより、系統管理コントローラ10において、実ユニットとの無線通信による仮ワイヤリングが行われ(図7参照)、VAVコントローラ2−1を実VAVコントローラ1として、VAVコントローラ2−2を実VAVコントローラ2として、仮想ワイヤリング用ファイルF1にVAVコントローラ2−1および2−2の初期情報が格納される。また、無線センサ3−1を実温度センサ1として、無線センサ3−2を実温度センサ2として、仮想ワイヤリング用ファイルにF1に無線センサ3−1および3−2の初期情報が格納される。
【0035】
〔温度変化のモニタ(系統1):ステップ2〕
次に、系統管理コントローラ10は、VAVコントローラ2−1に無線によって制御指令を送り(図2参照)、VAVユニット1−1のダンパ開度を全閉から全開に変化させる。また、この後、無線センサ3−1および3−2から送信されてくる室内温度の計測値t1pvおよびt2pvの変化、すなわち無線センサ3−1および3−2から送信されてくる温度データの変化(温度変化)のモニタを開始する(図8参照)。
【0036】
〔系統の特定(系統1):ステップ3〕
そして、系統管理コントローラ10は、無線センサ3−1および3−2からの温度データの変化のモニタ結果より、VAVコントローラ2−1が設置されている系統を特定する。この場合、系統管理コントローラ10は、無線センサ3−1からの温度データの変化および無線センサ3−2からの温度データの変化とVAVコントローラ2−1に送った制御指令との相関関係を比較し(図3参照)、相関関係が最も大きい無線センサ3−1からの温度データをVAVコントローラ2−1の制御入力であると判断し、無線センサ3−1についてVAVコントローラ2−1との親子関係を規定する。すなわち、系統管理コントローラ10は、無線センサ3−1とVAVコントローラ2−1との間に関連があると判断し、仮想ワイヤリング用ファイルF1のVAVコントローラ2−1の初期情報に無線センサ3−1に設定されている系統情報#1を書き込む(図9参照)。
【0037】
〔温度変化のモニタ(系統2):ステップ4〕
次に、系統管理コントローラ10は、VAVコントローラ2−2に無線によって制御指令を送り(図4参照)、VAVユニット1−2のダンパ開度を全閉から全開に変化させる。また、この後、無線センサ3−1および3−2から送信されてくる温度データの変化(温度変化)のモニタを開始する(図10参照)。
【0038】
〔系統の特定(系統2):ステップ5〕
そして、系統管理コントローラ10は、無線センサ3−1および3−2からの温度データの変化のモニタ結果より、先と同様にして、VAVコントローラ2−2が設置されている系統を特定する(図5参照)。この場合、無線センサ3−2からの温度データの変化とVAVコントローラ2−2に送った制御指令との相関関係が最も大きくなるので、系統管理コントローラ10は、無線センサ3−2とVAVコントローラ2−2との間に関連があると判断し、仮想ワイヤリング用ファイルF1のVAVコントローラ2−2の初期情報に無線センサ3−2に設定されている系統情報#2を書き込む(図11参照)。
【0039】
〔特定した系統情報の実際のVAVコントローラへのセット:ステップ6〕
次に、系統管理コントローラ10は、仮想ワイヤリング用ファイルF1のVAVコントローラ2−1の初期情報に書き込んだ系統情報#1を取り出し(図12参照)、この系統情報#1をVAVコントローラ2−1へ無線によって送信する(図6参照)。また、仮想ワイヤリング用ファイルF1のVAVコントローラ2−2の初期情報に書き込んだ系統情報#2を取り出し(図12参照)、この系統情報#2をVAVコントローラ2−2へ無線によって送信する(図6参照)。
【0040】
これにより、VAVコントローラ2−1に系統情報#1が設定され、VAVコントローラ2−1と無線センサ3−1とが同一の系統情報#1によって対応づけられ、VAVコントローラ2−1と無線センサ3−1との間に実際の親子関係が結ばれるものとなる。また、VAVコントローラ2−2に系統情報#2が設定され、VAVコントローラ2−2と無線センサ3−2とが同一の系統情報#2によって対応づけられ、VAVコントローラ2−2と無線センサ3−2との間に実際の親子関係が結ばれるものとなる。
【0041】
〔系統ポイント構成ファイルの作成:ステップ7〕
そして、系統管理コントローラ10は、仮想ワイヤリング用ファイルF1に書き込まれたVAVコントローラ2−1および2−2の初期情報、無線センサ3−1および3−2の初期情報より、系統1,2に属する機器の構成を示す系統ポイント構成ファイルF2(図6参照)を作成する。
【0042】
このVAV制御システムでは、中央監視盤9から系統管理コントローラ10へ指令を送るのみで、VAVコントローラ3と無線センサ3との間の親子関係が自動的に規定される。したがって、VAVコントローラ2が天井裏などに設置されているような場合でも、VAVコントローラ2と無線センサ3との間の親子関係の規定を簡単かつ確実に行うことができる。
【0043】
また、このVAV制御システムでは、系統管理コントローラ10とVAVコントローラ2との間の情報の送受信が無線によって行われるので、系統管理コントローラ10とVAVコントローラ2との間の配線作業を行う必要がない。また、系統管理コントローラ10を改造することなく、VAVユニット1の増段要求に応えることができる。
【0044】
また、このVAV制御システムにおいて、系統管理コントローラ10は、無線接続されているVAVコントローラ2を把握しているので、VAVユニット1を動かす順序をコントロールすることにより、各系統のVAVコントローラ2と無線センサ3との親子関係の規定作業を完全に自動化することができる。
【0045】
また、このVAV制御システムにおいて、中央監視盤9は接続されている系統管理コントローラ10を把握しているので、系統管理コントローラ10毎に上記シーケンスをあらかじめ設定することにより、建物全体の系統特定作業を完全に自動化することができる。
【0046】
なお、この実施の形態1においては、無線センサ3からの温度データについて、その温度データの変化とVAVコントローラ2に送った制御指令との相関関係を比較するようにしたが、単純に、温度データが最も大きく変化(最も大きく反応)した無線センサ3についてVAVコントローラ2との親子関係を規定するようにしてもよい。
【0047】
また、この実施の形態1においては、無線センサ3に系統情報を設定し、この系統情報を親子関係を規定したVAVコントローラ2に設定するようにしたが、無線センサ3毎にアドレスを割り付けるようにし、このアドレスを親子関係を規定したVAVコントローラ2に設定するようにしてもよく、工場出荷段階で無線センサ3に定められた固有情報を親子関係を規定したVAVコントローラ2に設定するようにしてもよい。
【0048】
〔実施の形態2〕
実施の形態1には、系統1,2に無線センサ3がそれぞれ1台しか設置されていない単純な例を示したが、系統1,2に無線センサ3が複数台設置されていてもよい。例えば、図13に示すように、系統1に無線センサ3−1〜3−4が設置され、系統2に無線センサ3−5〜3−7が設置されているものとする。また、無線センサ3−1〜3−4に系統情報#1が既に設定され、無線センサ3−5〜3−7に系統情報#2が既に設定されているものとする。
【0049】
この実施の形態2において、例えば、系統管理コントローラ10からVAVコントローラ2−1へ全閉から全開への制御指令を送り、この制御指令と無線センサ3−1からの温度データの変化との間に大きな相関関係が認められると、VAVコントローラ2−1に無線センサ3−1に設定されている系統情報#1が設定される。
【0050】
この場合、無線センサ3−1だけではなく、無線センサ3−2〜3−4にも同じ系統情報#1が設定されているので、VAVコントローラ2−1と無線センサ3−2〜3−4との間にも親子関係が規定されるものとなる。
【0051】
このように、実施の形態2では、VAVコントローラ2に対して複数台の無線センサ3を用いて室内温度の制御を行うような場合、VAVコントローラ2と無線センサ3との間に連鎖的に親子関係が規定され、親子関係の規定作業の短縮が図られるものとなる。
【0052】
〔実施の形態3〕
実施の形態2では、例えば、VAVコントローラ2−1へ制御指令を送ってVAVユニット1−1を動作させたときに、何らかの外乱で無線センサ3−5が大きく反応した場合、系統1側の無線センサ3−1〜3−4ではなく、系統2側の無線センサ3−5〜3−7についてVAVコントローラ2−1との親子関係が規定されてしまう虞れがある。
【0053】
そこで、実施の形態3では、無線センサ3の各々から送信されてきた温度データについて、系統情報#1を持つ無線センサ3−1〜3−4の温度データの変化量の平均を系統1のセンサ群の温度データの平均変化量とし、系統情報#2を持つ無線センサ3−5〜3−7の温度データの変化量の平均を系統2のセンサ群の温度データの平均変化量とし、この系統1のセンサ群の温度データの平均変化量および系統2のセンサ群の温度データの平均変化量とVAVコントローラ2−1へ送った制御指令との相関関係を比較し、相関関係が最も大きい同一系統のセンサ群の各無線センサについてVAVコントローラ2−1との親子関係を規定するようにする。
【0054】
図13の例では、VAVコントローラ2−1へ制御指令を送ってVAVユニット1−1を動作させたとき、系統1のセンサ群の温度データの平均変化量が大きくなる。したがって、制御指令との相関関係が最も大きい同一系統のセンサ群として、系統1のセンサ群が特定され、この系統1のセンサ群の無線センサ3−1〜3−4についてVAVコントローラ2−1との親子関係が規定される。
【0055】
これにより、系統1のセンサ群が持つ系統情報#1がVAVコントローラ2−1に設定され、VAVコントローラ2−1と無線センサ3−1〜3−4との間に実際の親子関係が結ばれ、系統情報#2を持つ無線センサ3(3−5,3−6,3−7)が外乱によって最も大きい相関関係を持つものと判断された場合でも、その影響を軽減して、より正確な親子関係の規定が可能となる。
【0056】
〔実施の形態4〕
実施の形態1では、室内4を系統1と系統2とに分け、系統1に対してVAVユニット1−1とVAVコントローラ2−1を、系統2に対してVAVユニット1−2とVAVコントローラ2−2を設けるものとしたが、例えば図14に示すように、室内4を系統1〜系統6に分け、系統1〜3に対してVAVユニット1−1とVAVコントローラ2−1を、系統4〜6に対してVAVユニット1−2とVAVコントローラ2−2を設けるようにしてもよい。
【0057】
この実施の形態4では、系統管理コントローラ10において、無線センサ3の各々から送信されてきた温度データの変化とVAVコントローラ2に送った制御指令との相関関係を比較し、相関関係が大きいものから順に所定の台数の無線センサ3についてVAVコントローラ2との親子関係を規定するようにする。
【0058】
例えば、系統管理コントローラ10に、VAVコントローラ2−1に対して親子関係を規定する無線センサ3の台数を4台、VAVコントローラ2−2に対して親子関係を規定する無線センサ3の台数を3台として登録しておく。また、無線センサ3−1に系統情報#1が、無線センサ3−2に系統情報#2が、無線センサ3−3に系統情報#3が、無線センサ3−4に系統情報#1が、無線センサ3−5に系統情報#4が、無線センサ3−6に系統情報#5が、無線センサ3−7に系統情報#6が既に設定されているものとする。
【0059】
この場合、系統管理コントローラ10は、VAVコントローラ2−1へ制御指令を送り、VAVユニット1のダンパ開度を全閉から全開へ変化させた後、各無線センサ3から送信されてきた温度データの変化をモニタする。ここで、VAVコントローラ2−1に送った制御指令と無線センサ3からの温度データの変化との相関関係が無線センサ3−1,3−2,3−3,3−4の順に大きいものとすれば、系統管理コントローラ10は、この4台の無線センサ3−1,3−2,3−3,3−4についてVAVコントローラ2−1との親子関係を規定する。これにより、無線センサ3−1,3−4が持つ系統情報#1、無線センサ3−2が持つ系統情報#2、無線センサ3−3が持つ系統情報#3がVAVコントローラ2−1に設定され、VAVコントローラ2−1と無線センサ3−1〜3−4との間に実際の親子関係が結ばれる。
【0060】
また、系統管理コントローラ10は、VAVコントローラ2−2へ制御指令を送り、VAVユニット1のダンパ開度を全閉から全開へ変化させた後、各無線センサ3から送信されてきた温度データの変化をモニタする。ここで、VAVコントローラ2−2に送った制御指令と無線センサ3からの温度データの変化との相関関係が無線センサ3−5,3−6,3−6の順に大きいものとすれば、系統管理コントローラ10は、この3台の無線センサ3−5,3−6,3−7についてVAVコントローラ2−2との親子関係を規定する。これにより、無線センサ3−1,3−4が持つ系統情報#1、無線センサ3−2が持つ系統情報#2、無線センサ3−3が持つ系統情報#3がVAVコントローラ2−1に設定され、VAVコントローラ2−1と無線センサ3−1〜3−4との間に実際の親子関係が結ばれる。
【0061】
〔実施の形態5〕
上述した実施の形態4では、無線センサ3−1〜3−7に対して系統情報を設定するようにしたが、無線センサ3−1〜3−7に任意のアドレスを割り当てるようにしてもよい。この場合、系統管理コントローラ10は、例えば、VAVコントローラ2−1に送った制御指令と無線センサ3からの温度データの変化との相関関係が無線センサ3−1,3−2,3−3,3−4の順に大きいものと判断すれば、無線センサ3−1,3−2,3−3,3−4に割り当てられているアドレスをVAVコントローラ2−1に設定する。
【0062】
なお、この実施の形態4において、無線センサ3−1〜3−7にアドレスを割り当てるのではなく、無線センサ3−1〜3−7に工場出荷段階で設定されている固有情報を使用し、親子関係が規定されたVAVコントローラ2にその固有情報を設定するようにしてもよい。
【0063】
実施の形態4や実施の形態5では、系統1〜3と系統4〜6とを仕切る壁による断熱が不十分であるような場合、無線センサ3とVAVコントローラ2との間の親子関係が間違って規定されてしまうことがある。例えば、VAVコントローラ2−1への制御指令に対して無線センサ3−5が大きく反応した場合、無線センサ3−5についてVAVコントローラ2−1との親子関係が規定されてしまうことがある。
【0064】
このような虞れをなくすには、実施の形態2に示されるように、系統1〜3に設置されている全ての無線センサ3に同一の系統情報を設定するようにし、系統3〜4に設置されている全ての無線センサ3に同一の系統情報を設定するようにした方がよい。このようにすると、例えば、VAVコントローラ2−1への制御指令に対して無線センサ3−5が大きく反応したとしても、無線センサ3−1が最大反応(相関関係最大)を示せば、無線センサ3−1に設定されている系統情報がVAVコントローラ2−1に設定されるものとなり、無線センサ3−5とVAVコントローラ2−1との間に親子関係が規定されてしまうという不具合は生じない。
【0065】
〔実施の形態6〕
上述した実施の形態1では、中央監視盤9より系統管理コントローラ10へ親子関係の規定を開始する旨の指令を与えるようにしたが、図15に示すように、温度センサと温度調節器を合わせ持つリモコン11を無線センサとして室内4に設置するようにし、このリモコン11から室内温度の計測値と設定値を与えて親子関係の規定を行わせるようにしてもよい。
【0066】
この実施の形態6において、系統管理コントローラ10は、例えば、リモコン11−2から親子関係の規定を行う旨の情報と合わせて、室内温度の計測値t2pvと設定値t2spが送られてくると、VAVコントローラ2−1へt2pv=t2spとなるように制御指令を送り、VAVユニット1−1のダンパ開度を制御する。そして、所定時間T内にt2pv=t2spとなるか否かをチェックし、所定時間内にt2pv=t2spとならなければ、VAVコントローラ2−2へt2pv=t2spとなるように制御指令を送り、VAVユニット1−2のダンパ開度を制御する。
【0067】
この例において、VAVユニット1−1のダンパ開度の制御では、所定時間T内にt2pv=t2spとなることはない。したがって、この場合、系統管理コントローラ10は、VAVコントローラ2−2へt2pv=t2spとなるように制御指令を送り、VAVユニット1−2のダンパ開度を制御する。そして、所定時間T内にt2pv=t2spとなったことを確認すると、リモコン11−2に設定されている系統情報#2をVAVコントローラ2−2に設定する。
【0068】
なお、上述した実施の形態1〜6は、VAV制御システムを例にとって説明したが、本発明はVAV制御システムへの適用に限られるものではなく、制御対象機器と、この制御対象機器の動作を制御する制御コントローラと、制御対象機器の動作によって変化する所定の事象を計測対象とする無線センサとを備えた無線制御システムであれば、どのようなシステムでも同様にして適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施の形態(実施の形態1)を示すVAV制御システムの概略図である。
【図2】このVAV制御システムにおいてVAVコントローラと無線センサとの親子関係を規定する際の温度変化のモニタ(系統1)を説明する図である。
【図3】このVAV制御システムにおいてVAVコントローラと無線センサとの親子関係を規定する際の系統の特定(系統1)を説明する図である。
【図4】このVAV制御システムにおいてVAVコントローラと無線センサとの親子関係を規定する際の温度変化のモニタ(系統2)を説明する図である。
【図5】このVAV制御システムにおいてVAVコントローラと無線センサとの親子関係を規定する際の系統の特定(系統2)を説明する図である。
【図6】このVAV制御システムにおいて特定した系統情報の実際のVAVコントローラへのセットを説明する図である。
【図7】このVAV制御システムにおいてVAVコントローラと無線センサとの親子関係を規定する際の初期情報の収集(系統管理コントローラの実ユニットとの無線通信による仮ワイヤリング)を説明する図である。
【図8】このVAV制御システムにおいてVAVコントローラと無線センサとの親子関係を規定する際の温度変化のモニタ(系統1)を説明する図である。
【図9】このVAV制御システムにおいてVAVコントローラと無線センサとの親子関係を規定する際の系統の特定(系統1)を説明する図である。
【図10】このVAV制御システムにおいてVAVコントローラと無線センサとの親子関係を規定する際の温度変化のモニタ(系統2)を説明する図である。
【図11】このVAV制御システムにおいてVAVコントローラと無線センサとの親子関係を規定する際の系統の特定(系統2)を説明する図である。
【図12】このVAV制御システムにおいて特定した系統情報の実際のVAVコントローラへのセットを説明する図である。
【図13】実施の形態2のVAV制御システムを説明する図である。
【図14】実施の形態4のVAV制御システムを説明する図である。
【図15】実施の形態6のVAV制御システムを説明する図である。
【図16】従来のVAV制御システムの概略を示す図である。
【図17】従来のVAV制御システムにおいて機器設置前にVAVコントローラと無線センサとの間の親子関係の規定を行う方式(ケース1)を説明する図である。
【図18】従来のVAV制御システムにおいて機器設置後にVAVコントローラと無線センサとの間の親子関係の規定を行う方式(ケース2)を説明する図である。
【図19】特許文献2に示された無線通信床暖房制御システムの概略構成を示す図である。
【図20】特許文献2に示された無線通信床暖房制御システムおける熱源機と床暖房リモコンとの間の親子関係の規定を説明する図である。
【図21】特許文献2に示された無線通信床暖房制御システムおける熱源機と床暖房リモコンとの間の親子関係の規定を説明する図である。
【図22】特許文献2に示された無線通信床暖房システムの技術をVAV制御システムに適用した場合に考えられるシステム構成を示す図である。
【符号の説明】
【0070】
1(1−1,1−2)…VAVユニット、2(2−1,2−2)…VAVコントローラ、3(3−1〜3−7)…無線センサ、4…室内、9…中央監視盤、10…系統管理コントローラ、F1…仮想ワイヤリングファイル、F2…系統ポイント構成ファイル、11(11−1,11−2)…リモコン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御対象機器と、この制御対象機器の動作を制御する制御コントローラと、前記制御対象機器の動作によって変化する所定の事象を計測対象とし、その計測対象のデータを事象データとして無線によって送信する1台以上の無線センサとを備えた無線制御システムにおいて、
前記制御コントローラに無線によって制御指令を送り、この制御指令に従う所定の動作を前記制御対象機器に行わせた後、前記無線センサから送信されてきた事象データに基づいて、前記無線センサと前記制御コントローラとの間の親子関係を規定し、その規定した親子関係に関する情報を無線によって前記制御コントローラに設定する親子関係規定手段
を備えることを特徴とする無線制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載された無線制御システムにおいて、
前記無線センサを複数台備え、
前記親子関係規定手段は、
前記無線センサの各々から送信されてきた事象データの変化と前記制御コントローラに送った制御指令との相関関係を比較し、相関関係が大きいものから順に所定の台数の無線センサについて前記制御コントローラとの親子関係を規定する
ことを特徴とする無線制御システム。
【請求項3】
請求項1に記載された無線制御システムにおいて、
前記無線センサを複数台備え、
前記無線センサの各々は、その無線センサに対して設定された系統情報を記憶しており、
前記親子関係規定手段は、
前記無線センサの各々から送信されてきた事象データの変化と前記制御コントローラに送った制御指令との相関関係を比較し、相関関係が最も大きい無線センサおよび当該無線センサと同じ系統情報を記憶している無線センサについて前記制御コントローラとの親子関係を規定する
ことを特徴とする無線制御システム。
【請求項4】
請求項1に記載された無線制御システムにおいて、
前記無線センサを複数台備え、
前記無線センサの各々は、
その無線センサに対して設定された系統情報を記憶しており、
前記親子関係規定手段は、
前記無線センサの各々から送信されてきた事象データより、同じ系統情報を記憶する無線センサの事象データの変化量の平均を同一系統のセンサ群の事象データの平均変化量として求め、各同一系統のセンサ群の事象データの平均変化量と前記制御コントローラに送った制御指令との相関関係を比較し、相関関係が最も大きい同一系統のセンサ群の各無線センサについて前記制御コントローラとの親子関係を規定する
ことを特徴とする無線制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2008−42440(P2008−42440A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−213067(P2006−213067)
【出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【出願人】(000006666)株式会社山武 (1,808)
【Fターム(参考)】