説明

無線基地局の位置登録システム、無線基地局及びGPS搭載セルラー端末並びに位置登録方法及び位置情報送信方法

【課題】IPネットワークを通信インフラとする無線基地局の位置登録を簡単に行うことができる無線基地局の位置登録システム等を提供する。
【解決手段】無線基地局の位置登録システムは、無線基地局1との間でセルラー無線信号の送受信を行うセルラー送受信部201と、GPS衛星からの信号に基づいて自己の位置情報を取得するGPS部202と、を有するGPS搭載セルラー端末2と、GPS搭載セルラー端末2との間でセルラー無線信号の送受信を行うセルラー送受信部101と、IPネットワークの接続状態を検出するIPネットワーク接続状態検出部102と、IPネットワークの接続状態に基づいて前記GPS搭載セルラー端末から前記位置情報を取得して自己の登録位置とする位置登録部103と、を有する、前記無線基地局1と、を備える。これにより、無線基地局の位置登録を簡単に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線基地局の位置登録を簡単にすることができる無線基地局の位置登録システム、無線基地局及びGPS搭載セルラー端末並びに位置登録方法及び位置情報送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のセルラー用無線基地局(以下、従来の無線基地局という)は、専用線などを通じてセルラー事業者ネットワークと接続されている。一方、屋内や地下街などにおける不感地エリア対策として、上記専用線の代わりにIPネットワークを通信インフラとして利用する超小型無線基地局(例えば、フェムトセル)が提案されている。このような従来の無線基地局やフェムトセルでは、一般的には、GPS受信機や測量による測位結果やおおよその緯度経度による位置情報が、セルラー事業者ネットワーク上のサーバによって無線基地局位置として登録されている。このようにして位置登録が行われた従来の無線基地局等を通じてセルラー網と接続されているセルラー端末は、110番や119番などとの緊急通話において位置情報を送信するときには、セルラー端末にGPS等が搭載されていない場合には、上記のようにして登録された従来の無線基地局等の無線基地局位置をセルラー端末のおおよその位置として伝達している。
【0003】
また、従来の無線基地局等の一般的な位置登録の方法としては、GPS受信機や測量等によって無線基地局が配置されている位置を予め測定し、その位置を無線基地局の位置情報として手動でサーバに登録する方法が広く知られている。さらに、IP電話機の位置登録を行う方法としては、IP電話機自体のGPS情報またはIPネットワーク以外の携帯電話機(例えば、PHSなど)の基地局情報によってIP電話機の位置情報を取得し、そのIP電話機の位置登録を行う方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、GPS受信機能付きの移動端末を配下に持つ構内交換機の位置登録を行う方法として、移動端末の緊急呼発信時に構内交換機の位置情報も併せて送信することによって、その構内交換機の位置登録を行う方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−364017号公報
【特許文献2】特開2006−191480号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザがローカルな無線基地局としてIPネットワークを通信インフラとする超小型無線基地局など(例えば、フェムトセル)を自由に設置できるようになると、ユーザがフェムトセルなどを設置するたびに無線基地局位置を登録しなければならなくなる。なぜならば、携帯電話機から110番や119番へ緊急通報を行う場合には、原則として、発信者の位置を通知する緊急通報位置の通知をする必要があるからである。したがって、このような位置登録を簡単に行えるようにすることが望ましい。
【0005】
また、IPネットワークを通信インフラとする超小型無線基地局など(例えば、フェムトセル)を屋内や地下街などの不感地エリアなどに設置する場合には、GPS受信機を用いても、GPS信号の受信が困難な場合もある。したがって、屋内や地下街などのGPS信号の受信が困難な場合でも位置登録を簡単に行えるようにすることが望ましい。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、IPネットワークを通信インフラとする無線基地局の位置登録を簡易に行うことができる無線基地局の位置登録システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による無線基地局の位置登録システムは、IPネットワークを通信インフラとする無線基地局の位置登録を行うための無線基地局の位置登録システムであって、前記無線基地局との間でセルラー無線信号の送受信を行うセルラー送受信部と、GPS衛星からの信号に基づいて自己の位置情報を取得するGPS部と、を有するGPS搭載セルラー端末と、前記GPS搭載セルラー端末との間でセルラー無線信号の送受信を行うセルラー送受信部と、IPネットワークの接続状態を検出するIPネットワーク接続状態検出部と、IPネットワークの接続状態に基づいて前記GPS搭載セルラー端末から前記位置情報を取得して自己の登録位置とする位置登録部と、を有する、前記無線基地局と、を備える構成を採っている。
【0008】
この構成により、無線基地局の位置登録を簡単にすることができる。
【0009】
また、本発明による無線基地局の位置登録システムは、前記無線基地局の前記位置登録部が、前記GPS搭載セルラー端末がGPS衛星からの信号に基づいて自己の位置情報を取得できない場合には、前記GPS搭載セルラー端末の過去の位置情報を取得して自己の登録位置とする構成を採っている。
【0010】
この構成により、屋内や地下街などのGPS信号の受信が困難な場所に設置されている無線基地局でも、簡単に位置登録することができる。
【0011】
また、本発明による無線基地局の位置登録システムは、前記GPS搭載セルラー端末の前記セルラー送受信部が、自己の位置情報と関連づけられたGPS信号を受信した時刻を送信し、前記無線基地局の前記位置登録部が、前記GPS搭載セルラー端末との無線リンクが確立した時刻が前記GPS搭載セルラー端末がGPS信号を受信した時刻から所定時間以内のときは、前記GPS搭載セルラー端末の過去の位置情報を取得して自己の登録位置とする構成を採っている。
【0012】
この構成により、登録位置の誤差を妥当な範囲内に抑えることができる。
【0013】
また、本発明による無線基地局の位置登録システムは、前記無線基地局の前記IPネットワーク接続状態検出部が、前記無線基地局に接続している機器のMACアドレスに基づいてIPネットワークの接続状態を検出する構成を採っている。
【0014】
この構成により、接続状態の変化を含むIPネットワークの接続状態を簡単に検出することができる。
【0015】
また、本発明による無線基地局の位置登録システムは、前記無線基地局の前記IPネットワーク接続状態検出部が、前記無線基地局の電源のON/OFFに基づいてIPネットワークの接続状態を検出する構成を採っている。
【0016】
この構成により、接続状態の変化を含むIPネットワークの接続状態を簡単に検出することができる。また、無駄なIPネットワークの接続状態の検出動作を減らすことができる。
【0017】
また、本発明による無線基地局は、IPネットワークを通信インフラとする無線基地局であって、GPS搭載セルラー端末との間でセルラー無線信号の送受信を行うセルラー送受信部と、IPネットワークの接続状態を検出するIPネットワーク接続状態検出部と、IPネットワークの接続状態に基づいて前記GPS搭載セルラー端末から前記位置情報を取得して自己の登録位置とする位置登録部と、を有する構成を採っている。
【0018】
この構成により、無線基地局の位置登録を簡単にすることができる。
【0019】
また、本発明による無線基地局は、前記位置登録部が、前記GPS搭載セルラー端末がGPS衛星からの信号に基づいて自己の位置情報を取得できない場合には、前記GPS搭載セルラー端末の過去の位置情報を取得して自己の登録位置とする構成を採っている。
【0020】
この構成により、屋内や地下街などのGPS信号の受信が困難な場所に設置されている無線基地局でも、簡単に位置登録することができる。
【0021】
また、本発明による無線基地局は、前記位置登録部が、前記GPS搭載セルラー端末との無線リンクが確立した時刻が前記GPS搭載セルラー端末がGPS信号を受信した時刻から所定時間以内のときは、前記GPS搭載セルラー端末の過去の位置情報を取得して自己の登録位置とする構成を採っている。
【0022】
この構成により、登録位置の誤差を妥当な範囲内に抑えることができる。
【0023】
また、本発明による無線基地局は、前記IPネットワーク接続状態検出部が、前記無線基地局に接続している機器のMACアドレスに基づいてIPネットワークの接続状態を検出する構成を採っている。
【0024】
この構成により、接続状態の変化を含むIPネットワークの接続状態を簡単に検出することができる。
【0025】
また、本発明による無線基地局は、前記IPネットワーク接続状態検出部が、前記無線基地局の電源のON/OFFに基づいてIPネットワークの接続状態を検出する構成を採っている。
【0026】
この構成により、接続状態の変化を含むIPネットワークの接続状態を簡単に検出することができる。また、無駄なIPネットワークの接続状態の検出動作を減らすことができる。
【0027】
また、本発明によるGPS搭載セルラー端末は、IPネットワークを通信インフラとする無線基地局の位置登録を行うための無線基地局の位置登録システムにおけるGPS搭載セルラー端末であって、前記無線基地局との間でセルラー無線信号の送受信を行うセルラー送受信部と、GPS衛星からの信号に基づいて自己の位置情報を取得するGPS部と、を有し、前記セルラー送受信部は、自己の位置情報と関連づけられたGPS信号を受信した時刻を送信する構成を採っている。
【0028】
この構成により、登録位置の誤差を妥当な範囲内に抑えることができる。
【0029】
また、本発明による無線基地局の位置登録システムにおける位置登録方法は、IPネットワークを通信インフラとする無線基地局の位置登録を行うための無線基地局の位置登録システムにおける位置登録方法であって、前記無線基地局が、IPネットワークの接続状態を検出するステップと、GPS搭載セルラー端末が、GPS衛星からの信号に基づいて自己の位置情報を取得するステップと、前記無線基地局が、IPネットワークの接続状態に基づいて前記GPS搭載セルラー端末から前記GPS搭載セルラー端末の位置情報を取得するするステップと、前記無線基地局が、取得した前記位置情報を自己の登録位置とするステップと、を有する、構成を採っている。
【0030】
この構成により、無線基地局の位置登録を簡単にすることができる。
【0031】
また、本発明による無線基地局の位置登録方法は、IPネットワークを通信インフラとする無線基地局の位置登録方法であって、IPネットワークの接続状態を検出するステップと、IPネットワークの接続状態に基づいてGPS搭載セルラー端末から前記GPS搭載セルラー端末の位置情報を取得するするステップと、取得した前記位置情報を自己の登録位置とするステップと、を有する構成を採っている。
【0032】
この構成により、無線基地局の位置登録を簡単にすることができる。
【0033】
また、本発明によるGPS搭載セルラー端末の位置情報送信方法は、IPネットワークを通信インフラとする無線基地局の位置登録を行うためのGPS搭載セルラー端末の位置情報送信方法であって、GPS衛星からの信号に基づいて自己の位置情報を取得するステップと、自己の位置情報と関連づけられたGPS信号を受信した時刻を送信するステップと、を有する構成を採っている。
【0034】
この構成により、登録位置の誤差を妥当な範囲内に抑えることができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明による無線基地局の位置登録システムによれば、無線基地局の位置登録を簡単にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、図面を参照しながら、本発明における無線基地局の位置登録システムの具体的な実施の形態について詳細に説明する。
【0037】
(実施の形態1)
はじめに、本発明の実施の形態1の無線基地局の位置登録システムを含むシステムの全体構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態1の無線基地局の位置登録システムを含むシステムの全体構成図である。本実施の形態1の無線基地局の位置登録システムは、少なくとも無線基地局1とGPS搭載セルラー端末2を備える。
【0038】
無線基地局1は、IPネットワークを通信インフラとする。IPネットワークは、外部のIPネットワーク3、ローカルなIPネットワーク8などから構成される。外部のIPネットワーク3は、さらに、セルラーネットワーク4に接続されている。
【0039】
セルラーネットワーク4は、従来からの携帯電話における通信インフラと同様である。セルラーネットワーク4内には、測位サーバ6、基地局情報管理サーバ7、従来の無線基地局13などの装置が配置されている。外部のIPネットワーク3とセルラーネットワーク4の間には、ゲートウェイ装置5が配置されている。
【0040】
無線基地局1と外部のIPネットワーク3の間には、ルータ9が配置される。ルータ9は、ネットワーク層によってパケットを転送する装置である。具体的には、ネットワーク層を用いて、無線基地局1からのパケットデータをゲートウェイ装置5を介してセルラーネットワーク4内の装置まで届ける。また、ルータ9は、ネットワーク層を用いて、セルラーネットワーク4内の装置からゲートウェイ装置5を介して届けられるパケットデータを受け取って無線基地局1まで届ける。
【0041】
無線基地局1とルータ9の間には、ブリッジ11(ブリッジ11a、ブリッジ11bなど)を配置する場合もある。ブリッジ11は、ネットワークをデータリンク層で延長する装置である。また、無線基地局1の接続されるローカルなIPネットワーク8内にDHCPサーバ10を配置する場合もある。DHCPサーバ10は、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サービスを行うサーバである。DHCPサーバ10を設置すれば、外部のIPネットワーク3を通信インフラとする無線基地局1をローカルなIPネットワーク8に接続しただけでTCP/IPによる通信ができるようになる。すなわち、DHCPによって、物理的に無線基地局1をローカルなIPネットワーク8に接続しただけで、特別な設定をしなくても無線基地局1が利用可能になる(プラグ&プレイが実現される)。ここで、DHCPのしくみは、従来からのDHCPと同様であるので、詳細は割愛する。なお、例えば、無線基地局1を個人が自宅で使用する場合には、DHCPサーバ10やブリッジ11は設置せずに、無線基地局1をルータ9に直接接続することもできる。
【0042】
無線基地局1は、IPネットワークの接続状態に基づいて、GPS搭載セルラー端末2から位置情報を取得して無線基地局1の登録位置とする。GPS搭載セルラー端末2は、GPS衛星12(GPS衛星12a、GPS衛星12b、GPS衛星12cなど)からのGPS信号を受信して、これに基づいて、GPS搭載セルラー端末2の位置情報を取得する。そして、GPS搭載セルラー端末2は、GPS搭載セルラー端末2の位置情報をセルラー無線信号を用いて無線基地局1に送信する。
【0043】
無線基地局1は、例えば、物理的に無線基地局1をローカルなIPネットワーク8に接続した場合には、DHCPサーバ10からDHCP提供パケットやDHCP確認応答パケットのようなパケットを受け取ることによって、DHCPによるネットワーク設定が完了し、TCP/IPによる通信ができるようになる。このときのDHCP提供パケットやDHCP確認応答パケットのようなパケットには、ヘッダに無線基地局1と接続している装置(機器)のMAC(Media Access Control)アドレスの情報が含まれている。具体的には、無線基地局1がブリッジ11を介してDHCPサーバ10と接続している場合には、ヘッダにブリッジ11のMACアドレスの情報が含まれている。無線基地局1がブリッジ11を介さずにDHCPサーバ10と直接接続している場合には、ヘッダにDHCPサーバ10のMACアドレスの情報が含まれている。なお、DHCPサーバ10やブリッジ11は設置せずに、無線基地局1をルータ9に直接接続した場合には、無線基地局1が受け取るパケットのヘッダには、ルータ9のMACアドレスの情報が含まれている。いずれにしても、無線基地局1は、無線基地局1に接続している装置(機器)のMACアドレスを受け取ることになる。そして、無線基地局1は受け取ったパケットのヘッダに含まれるMACアドレスに基づいてIPネットワークの接続状態を検出することができる。
【0044】
そして、無線基地局1は、検出したIPネットワークの接続状態に基づいて、GPS搭載セルラー端末2から位置情報を取得して無線基地局1の登録位置とする。例えば、無線基地局1をブリッジA11aに接続した状態からブリッジB11bに接続した状態に変更した場合には、無線基地局1の受け取るパケットのヘッダに含まれるMACアドレスが変化するので、このMACアドレスの変化を検出することによって、IPネットワークの接続状態の変化を検出することができる。そして、無線基地局1がIPネットワークの接続状態の変化を検出した場合に、GPS搭載セルラー端末2から位置情報を取得して無線基地局1の登録位置とすることができる。このような無線基地局の位置登録システムによれば、無線基地局1の位置登録を簡単にすることができる。
【0045】
なお、無線基地局1は受け取ったパケットのヘッダに含まれるMACアドレスに基づいてIPネットワークの接続状態を検出することに代えて、受け取ったパケットのヘッダに含まれるIPアドレスに基づいてIPネットワークの接続状態を検出することも可能である。例えば、無線基地局1の接続先が、あるローカルなIPネットワーク8aから他のローカルなIPネットワーク8bに変更された場合には、受け取ったパケットのヘッダに含まれるIPアドレスは変化する。したがって、無線基地局1は、このIPアドレスの変化を検出することによって、IPネットワークの接続状態の変化を検出することができる。また、無線基地局1は、受け取ったパケットのヘッダに含まれるMACアドレスとIPアドレス(例えば、これらの変化)に基づいてIPネットワークの接続状態を検出することも可能である。
【0046】
ここで、ブリッジ11のような装置は、MACアドレスを持っているが、IPアドレスは付与されていないことから、IPアドレスに基づいてIPネットワークの接続状態を検出する方法と比較して、MACアドレスに基づいてIPネットワークの接続状態を検出する方法の方がより細かい変化を検出できると考えられる。また、MACアドレスは装置(機器)に固有なもので、基本的に変化しないのに対して、IPアドレスは、例えば定期的に変化しうることを考えると、IPアドレスに基づいてIPネットワークの接続状態を検出する方法と比較して、MACアドレスに基づいてIPネットワークの接続状態を検出する方法の方がより正確にIPネットワークの接続状態(変化など)を検出できると考えられる。
【0047】
また、無線基地局1は、無線基地局1の電源のON/OFFに基づいてIPネットワークの接続状態を検出するようにすることもできる。このようにすれば、簡単に接続状態を検出することができる。また、無線基地局1の物理的な位置を変更させる場合には、一旦、無線基地局1の電源をOFFにし、接続先変更後に電源をONにする場合が多いと考えられるから、無駄なIPネットワークの接続状態の検出動作を減らすことができる。
【0048】
そして、このようにして位置登録が行われた無線基地局1を通じて、図示しないセルラー端末が110番や119番などの緊急通話する場合において、位置情報を送信するときには、セルラー端末にGPS等が搭載されていないときでも、登録された無線基地局1の登録位置をセルラー端末のおおよその位置として伝達することができる。
【0049】
なお、具体的な位置登録の方法としては、基地局情報管理サーバ7に無線基地局1の登録位置を記憶させておくこともできるし、無線基地局1に無線基地局1の登録位置を記憶させておくこともできる。
【0050】
また、GPS搭載セルラー端末2の位置情報を取得する際に、測位演算は、測位サーバ6で行うこともできるし、GPS搭載セルラー端末2で行うこともできる。また、GPS搭載セルラー端末2は、GPS搭載セルラー端末2で測位演算する場合などに、測位サーバ6からアシストデータを取得することもできる。そして、GPS搭載セルラー端末2は、測位サーバ6から取得したアシストデータとGPS衛星12からの信号に基づいて測位演算を行ってGPS搭載セルラー端末2の位置情報を取得することができる。ここで、アシストデータは、GPS衛星の軌道情報等の情報(アシスト情報)を含むデータである。
【0051】
次に、本発明の実施の形態1の無線基地局の位置登録システムの無線基地局1とGPS搭載セルラー端末2の構成について説明する。図2は、本発明の実施の形態1の無線基地局の位置登録システムの無線基地局1とGPS搭載セルラー端末2の構成を説明するブロック図である。
【0052】
無線基地局1は、GPS搭載セルラー端末2との間でセルラー無線信号の送受信を行うセルラー送受信部101と、IPネットワークの接続状態を検出するIPネットワーク接続状態検出部102と、IPネットワークの接続状態に基づいて前記GPS搭載セルラー端末から前記位置情報を取得して無線基地局1の登録位置とする位置登録部103を有する。また、無線基地局1は、IPネットワークの他の装置(機器)へパケットを送信したり、IPネットワークの他の装置(機器)からのパケットを受信したりするIPネットワークインターフェース104と、セルラー無線通信とIPネットワークにおけるTCP/IPによる通信の通信方式の違いに対応し、両者間を跨ぐ通信を行うための通信プロトコル変換をするプロトコル変換部105を有する。このため、プロトコル変換部105は、セルラー送受信部101とIPネットワークインターフェース104の間に配置される。さらに、無線基地局1のセルID情報を保持するセルID情報保持部106と、特定のGPS搭載セルラー端末2との間で認証を行ってから位置情報を取得するための端末認証情報を保持する端末認証情報保持部107を有する。さらに、無線基地局1は、無線基地局1の登録位置を記憶する位置情報保持部108を有するようにすることもできる。
【0053】
セルラー送受信部101は、前述のように、GPS搭載セルラー端末2との間でセルラー無線信号の送受信を行う。例えば、セルラー送受信部101は、GPS搭載セルラー端末2が取得したGPS搭載セルラー端末2の位置情報を受信する。このとき、セルラー送受信部101は、GPS搭載セルラー端末2の位置情報と関連づけられた「GPS搭載セルラー端末2がGPS信号を受信した時刻」を受信するようにすることもできる。
【0054】
IPネットワーク接続状態検出部102は、前述のように、IPネットワークの接続状態を検出する。このとき、IPネットワーク接続状態検出部102は、無線基地局1に接続している機器のMACアドレスに基づいてIPネットワークの接続状態を検出するようにすることもできる。また、IPネットワーク接続状態検出部102は、無線基地局1に接続している機器のMACアドレスに代えて、無線基地局1に接続している機器のIPアドレスに基づいてIPネットワークの接続状態を検出するようにすることもできる。また、IPネットワーク接続状態検出部102は、無線基地局1に接続している機器のMACアドレスとIPアドレスに基づいてIPネットワークの接続状態を検出するようにすることもできる。また、IPネットワーク接続状態検出部102は、無線基地局1の電源のON/OFFに基づいてIPネットワークの接続状態を検出するようにすることもできる。IPネットワークの接続状態をMACアドレス又はIPアドレスに基づいて検出することで簡単に接続状態(変化など)を検出することができる。また、MACアドレスに基づいて検出することで、IPアドレスに基づいて検出する場合と比較して、より細かい変化を検出でき、また、より正確にIPネットワークの接続状態(変化など)を検出できる。
【0055】
位置登録部103は、前述のように、IPネットワークの接続状態に基づいて前記GPS搭載セルラー端末2から位置情報を取得して無線基地局1の登録位置とする。このとき、位置登録部103は、GPS搭載セルラー端末2がGPS衛星からの信号に基づいて自己の位置情報を取得できない場合には、GPS搭載セルラー端末2の過去の位置情報を取得して無線基地局1の登録位置とすることもできる。このようにすることで、屋内や地下街などのGPS信号を受信できない場所でも簡単に位置登録できる。このとき、位置登録部103は、GPS搭載セルラー端末2との無線リンクが確立した時刻がGPS搭載セルラー端末2がGPS信号を受信した時刻から所定時間以内のときは、GPS搭載セルラー端末2の過去の位置情報を取得して無線基地局1の登録位置とすることもできる。このようにすることで、登録位置の誤差を妥当な範囲内に抑えることができる。なお、位置登録部103が無線基地局1の位置登録を行う方法としては、位置情報保持部108に無線基地局1の登録位置を記憶するようにすることもできるし、基地局情報管理サーバ7に無線基地局1の登録位置を記憶させるようにすることもできる。
【0056】
GPS搭載セルラー端末2は、無線基地局1との間でセルラー無線信号の送受信を行うセルラー送受信部201と、GPS衛星12からの信号に基づいてGPS搭載セルラー端末2の位置情報を取得するGPS部202を有する。また、GPS搭載セルラー端末2は、受話口や送話口などの通話部203と、液晶ディスプレイ表示部や有機ELディスプレイなどの表示部204と、ダイヤルボタンやコマンドナビゲーションボタンなどの操作入力部205を有する。また、GPS搭載セルラー端末2は、セルラー送受信部201で受信したセルラー無線信号に基づいて通話部203や表示部204を制御したり、操作入力部205からの入力や通話部203からの音声入力に基づいて種々の情報処理をしたりする端末制御部206を有する。さらに、GPS搭載セルラー端末2は、位置登録を行う無線基地局1との間で認証を行ってから無線基地局1に位置情報を送信するための端末認証情報を保持する端末認証情報保持部207を有する。
【0057】
セルラー送受信部201は、前述のように、無線基地局1との間でセルラー無線信号の送受信を行う。例えば、GPS部202が取得したGPS搭載セルラー端末2の位置情報を無線基地局1に送信する。このとき、セルラー送受信部201は、セルラー送受信部201の位置情報と関連づけられた「GPS信号を受信した時刻」を送信するようにすることもできる。
【0058】
GPS部202は、前述のように、GPS衛星12からの信号に基づいてGPS搭載セルラー端末2の位置情報を取得する。GPS部202は、GPS衛星12からのGPS信号を受信するGPS受信部2021と、GPS衛星12からのGPS信号に基づいて測位演算を行ってGPS搭載セルラー端末2の位置情報を取得する測位演算部2022とを有するような構成にすることができる。このとき、GPS部202は、測位サーバからアシストデータを取得するアシストデータ取得部2023を有するようにし、測位演算部2022は測位サーバ6から取得したアシストデータとGPS衛星12からのGPS信号に基づいて測位演算を行ってGPS搭載セルラー端末2の位置情報を取得するようにすることができる。
【0059】
なお、GPS部202は、上記構成に代えて、GPS衛星12からのGPS信号を受信するGPS受信部2021と、測位サーバ6がGPS衛星12からのGPS信号に基づいて測位演算を行ったGPS搭載セルラー端末2の位置情報を取得する測位演算部2022とを有するようにしてもよい。
【0060】
さらに、GPS部202は、上記いづれかの方法により取得したGPS搭載セルラー端末2の位置情報を、GPS信号を受信した時刻とともに保持する位置情報保持部2024を有するようにすることもできる。なお、このとき、位置情報保持部2024は、GPS部202の内部の構成である例を説明したが、位置情報保持部2024は、必ずしもGPS部202の内部である必要はなく、GPS搭載セルラー端末2の内部にあればよい。
【0061】
次に、本発明の実施の形態1の無線基地局の位置登録システムの位置登録の動作について説明する。まず、GPS搭載セルラー端末2がGPS衛星12からの信号(GPS信号)に基づいてGPS搭載セルラー端末2の位置情報を取得できる場合の位置登録の動作について説明する。図3は、本発明の実施の形態1の無線基地局の位置登録システムのGPS搭載セルラー端末2がGPS衛星12からの信号(GPS信号)に基づいてGPS搭載セルラー端末2の位置情報を取得できる場合の位置登録動作を説明するシーケンス図である。
【0062】
まず、無線基地局1は、IPネットワークの接続状態に基づいて、位置登録を開始する。例えば、無線基地局1は、IPネットワークの接続状態が変化したことを検出すると位置登録を開始する(ステップS300)。
【0063】
次に、無線基地局1は、位置登録を開始すると、GPS搭載セルラー端末2に、位置情報取得要求を送信する。そして、GPS搭載セルラー端末2は、無線基地局1からの、位置情報取得要求を受信する(ステップS301)。
【0064】
次に、GPS搭載セルラー端末2は、位置情報取得要求に基づいて、測位サーバ6に、アシストデータを要求する信号を送信する。そして、測位サーバ6は、GPS搭載セルラー端末2からのアシストデータを要求する信号を受信する(ステップS302)。
【0065】
次に、測位サーバ6は、アシストデータを要求する信号に基づいて、GPS搭載セルラー端末2に、アシストデータを送信する。そして、GPS搭載セルラー端末2は、測位サーバ6からのアシストデータを受信する(ステップS303)。ここで、アシストデータは、GPS衛星の軌道情報等の情報(アシスト情報)を含むデータである。
【0066】
次に、GPS搭載セルラー端末2は、アシストデータを利用して、GPS衛星12からのGPS信号を受信する(ステップS304)。
【0067】
次に、GPS搭載セルラー端末2は、受信したGPS信号とアシストデータに基づいて測位演算を行って、GPS搭載セルラー端末2の位置情報を取得する(ステップS305)。
【0068】
次に、GPS搭載セルラー端末2は、GPS搭載セルラー端末2の位置情報を、無線基地局1に送信する。そして、無線基地局1は、GPS搭載セルラー端末2の位置情報を受信する(ステップS306)。
【0069】
次に、無線基地局1は、受信したGPS搭載セルラー端末2の位置情報を無線基地局1の登録位置として位置登録する。具体的には、無線基地局1は、無線基地局1の登録位置を、無線基地局1の位置情報保持部108に記憶する(ステップS307)。そして、位置登録を完了する(ステップS308)。
【0070】
なお、位置登録の方法としては、無線基地局1が、無線基地局1の登録位置とセルID情報を、基地局情報管理サーバ7に送信し、これを基地局情報管理サーバ7が受信し(ステップS309)、次に、基地局情報管理サーバ7が無線基地局1の登録位置とセルID情報を記憶し(ステップS310)、位置登録を完了する方法も考えられる(ステップS311)。
【0071】
なお、図3で説明した動作の変形例として、GPS搭載セルラー端末2では測位演算を行わず、測位サーバ6で測位演算する方法も考えられる。具体的には、図4に示すように、GPS搭載セルラー端末2が、衛星補足情報(GPS信号など)を測位サーバ6に送信し、これを、測位サーバ6が受信し(ステップS401)、測位サーバ6で測位演算を行って位置情報を取得し(ステップS402)、測位サーバ6が、取得した位置情報を、GPS搭載セルラー端末2に、送信し、これを、GPS搭載セルラー端末2が受信する(ステップS403)動作も考えられる。この場合でも、図4のステップのうち、図3と同じ符号を付したステップは図3と同様なので、説明を省略する。
【0072】
次に、GPS搭載セルラー端末2がGPS衛星12からの信号(GPS信号)に基づいてGPS搭載セルラー端末2の位置情報を取得できない場合の位置登録の動作について説明する。図5は、本発明の実施の形態1の無線基地局の位置登録システムのGPS搭載セルラー端末2がGPS衛星12からの信号(GPS信号)に基づいてGPS搭載セルラー端末2の位置情報を取得できない場合の位置登録動作を説明するシーケンス図である。
【0073】
まず、無線基地局1は、IPネットワークの接続状態に基づいて、位置登録を開始する。例えば、無線基地局1は、IPネットワークの接続状態が変化したことを検出すると位置登録を開始する(ステップS500)。この後、無線基地局1は、所定のGPS搭載セルラー端末2との無線リンクが確立するまでは、GPS搭載セルラー端末2に、位置情報取得要求を送信しない(ステップS507、S508参照)。
【0074】
一方、GPS搭載セルラー端末2は、従来の無線基地局13との無線リンクが確立すると(ステップS501)、測位サーバ6に、アシストデータを要求する信号を送信する。そして、測位サーバ6は、GPS搭載セルラー端末2からのアシストデータを要求する信号を受信する(ステップS502)。
【0075】
次に、測位サーバ6は、アシストデータを要求する信号に基づいて、GPS搭載セルラー端末2に、アシストデータを送信する。そして、GPS搭載セルラー端末2は、測位サーバ6からのアシストデータを受信する(ステップS503)。ここで、アシストデータは、GPS衛星の軌道情報等の情報(アシスト情報)を含むデータである。
【0076】
次に、GPS搭載セルラー端末2は、アシストデータを利用して、GPS衛星12からのGPS信号を受信する(ステップS504)。このとき、GPS搭載セルラー端末2は、GPS信号を受信した時刻を記憶しておく。
【0077】
次に、GPS搭載セルラー端末2は、受信したGPS信号とアシストデータに基づいて測位演算を行って、GPS搭載セルラー端末2の位置情報を取得する(ステップS505)。そして、位置情報と、GPS信号を受信した時刻とを関連付けて保存する(ステップS506)。
【0078】
その後、所定のGPS搭載セルラー端末2と無線基地局1との無線リンクが確立すると(ステップS507)、GPS搭載セルラー端末2は、GPS搭載セルラー端末2と無線基地局1との無線リンクが確立した時刻を記憶する。
【0079】
また、所定のGPS搭載セルラー端末2と無線基地局1との無線リンクが確立すると(ステップS507)、GPS搭載セルラー端末2は、無線基地局1は、位置情報取得要求を送信する。そして、無線基地局1は、位置情報取得要求を受信する。(ステップS508)。
【0080】
次に、GPS搭載セルラー端末2は、受信した位置情報取得要求に基づいて、GPS搭載セルラー端末2の位置情報とGPS信号を受信した時刻を、無線基地局1に送信する。そして、無線基地局1は、GPS搭載セルラー端末2の位置情報とGPS信号を受信した時刻を受信する(ステップS509)。
【0081】
次に、無線基地局1は、GPS信号を受信した時刻とGPS搭載セルラー端末2と無線基地局1との無線リンクが確立した時刻とを比較して、GPS信号を受信した時刻から所定時間以内に、GPS搭載セルラー端末2と無線基地局1との無線リンクが確立したか否かを判定する(ステップS510)。そして、所定時間以内でない場合には(ステップS510、NO)、再度所定のGPS搭載セルラー端末2との無線リンクが確立するまでは、GPS搭載セルラー端末2に、位置情報取得要求を送信しない(ステップS507、S508参照)。一方、所定時間以内の場合には(ステップS510、YES)、無線基地局1は、受信したGPS搭載セルラー端末2の位置情報を無線基地局1の登録位置として位置登録する。具体的には、無線基地局1は、無線基地局1の登録位置を、無線基地局1の位置情報保持部108に記憶する(ステップS511)。そして、位置登録を完了する(ステップS512)。
【0082】
なお、位置登録の方法としては、無線基地局1が、無線基地局1の登録位置とセルID情報を、基地局情報管理サーバ7に送信し、これを基地局情報管理サーバ7が受信し(ステップS513)、次に、基地局情報管理サーバ7が無線基地局1の登録位置とセルID情報を記憶し(ステップS514)、位置登録を完了する方法も考えられる(ステップS515)。
【0083】
なお、図5で説明した動作の変形例として、GPS搭載セルラー端末2では測位演算を行わず、測位サーバ6で測位演算する方法も考えられる。具体的には、図6に示すように、GPS搭載セルラー端末2が、衛星補足情報(GPS信号など)を測位サーバ6に送信し、これを、測位サーバ6が受信し(ステップS601)、測位サーバ6で測位演算を行って位置情報を取得し(ステップS602)、測位サーバ6が、取得した位置情報を、GPS搭載セルラー端末2に送信し、これを、GPS搭載セルラー端末2が受信する(ステップS603)動作も考えられる。この場合でも、図6のステップのうち、図5と同じ符号を付したステップは図5と同様なので、説明を省略する。
【0084】
以上説明したように、本実施の形態1による無線基地局の位置登録システムは、IPネットワークを通信インフラとする無線基地局の位置登録を行うための無線基地局の位置登録システムであって、前記無線基地局との間でセルラー無線信号の送受信を行うセルラー送受信部と、GPS衛星からの信号に基づいて自己の位置情報を取得するGPS部と、を有するGPS搭載セルラー端末と、前記GPS搭載セルラー端末との間でセルラー無線信号の送受信を行うセルラー送受信部と、IPネットワークの接続状態を検出するIPネットワーク接続状態検出部と、IPネットワークの接続状態に基づいて前記GPS搭載セルラー端末から前記位置情報を取得して自己の登録位置とする位置登録部と、を有する、前記無線基地局と、を備える構成を採っている。
【0085】
この構成により、無線基地局の位置登録を簡単にすることができる。
【0086】
また、本実施の形態1による無線基地局の位置登録システムは、前記無線基地局の前記位置登録部が、前記GPS搭載セルラー端末がGPS衛星からの信号に基づいて自己の位置情報を取得できない場合には、前記GPS搭載セルラー端末の過去の位置情報を取得して自己の登録位置とする構成を採っている。
【0087】
この構成により、屋内や地下街などのGPS信号の受信が困難な場所に設置されている無線基地局でも、簡単に位置登録することができる。
【0088】
また、本実施の形態1による無線基地局の位置登録システムは、前記GPS搭載セルラー端末の前記セルラー送受信部が、自己の位置情報と関連づけられたGPS信号を受信した時刻を送信し、前記無線基地局の前記位置登録部が、前記GPS搭載セルラー端末との無線リンクが確立した時刻が前記GPS搭載セルラー端末がGPS信号を受信した時刻から所定時間以内のときは、前記GPS搭載セルラー端末の過去の位置情報を取得して自己の登録位置とする構成を採っている。
【0089】
この構成により、登録位置の誤差を妥当な範囲内に抑えることができる。
【0090】
また、本実施の形態1による無線基地局の位置登録システムは、前記無線基地局の前記IPネットワーク接続状態検出部が、前記無線基地局に接続している機器のMACアドレスに基づいてIPネットワークの接続状態を検出する構成を採っている。
【0091】
この構成により、接続状態の変化を含むIPネットワークの接続状態を簡単に検出することができる。
【0092】
また、本実施の形態1による無線基地局の位置登録システムは、前記無線基地局の前記IPネットワーク接続状態検出部が、前記無線基地局の電源のON/OFFに基づいてIPネットワークの接続状態を検出する構成を採っている。
【0093】
この構成により、接続状態の変化を含むIPネットワークの接続状態を簡単に検出することができる。また、無駄なIPネットワークの接続状態の検出動作を減らすことができる。
【0094】
また、本実施の形態1による無線基地局は、IPネットワークを通信インフラとする無線基地局であって、GPS搭載セルラー端末との間でセルラー無線信号の送受信を行うセルラー送受信部と、IPネットワークの接続状態を検出するIPネットワーク接続状態検出部と、IPネットワークの接続状態に基づいて前記GPS搭載セルラー端末から前記位置情報を取得して自己の登録位置とする位置登録部と、を有する構成を採っている。
【0095】
この構成により、無線基地局の位置登録を簡単にすることができる。
【0096】
また、本実施の形態1による無線基地局は、前記位置登録部が、前記GPS搭載セルラー端末がGPS衛星からの信号に基づいて自己の位置情報を取得できない場合には、前記GPS搭載セルラー端末の過去の位置情報を取得して自己の登録位置とする構成を採っている。
【0097】
この構成により、屋内や地下街などのGPS信号の受信が困難な場所に設置されている無線基地局でも、簡単に位置登録することができる。
【0098】
また、本実施の形態1による無線基地局は、前記位置登録部が、前記GPS搭載セルラー端末との無線リンクが確立した時刻が前記GPS搭載セルラー端末がGPS信号を受信した時刻から所定時間以内のときは、前記GPS搭載セルラー端末の過去の位置情報を取得して自己の登録位置とする構成を採っている。
【0099】
この構成により、登録位置の誤差を妥当な範囲内に抑えることができる。
【0100】
また、本実施の形態1による無線基地局は、前記IPネットワーク接続状態検出部が、前記無線基地局に接続している機器のMACアドレスに基づいてIPネットワークの接続状態を検出する構成を採っている。
【0101】
この構成により、接続状態の変化を含むIPネットワークの接続状態を簡単に検出することができる。
【0102】
また、本実施の形態1による無線基地局は、前記IPネットワーク接続状態検出部が、前記無線基地局の電源のON/OFFに基づいてIPネットワークの接続状態を検出する構成を採っている。
【0103】
この構成により、接続状態の変化を含むIPネットワークの接続状態を簡単に検出することができる。また、無駄なIPネットワークの接続状態の検出動作を減らすことができる。
【0104】
また、本実施の形態1によるGPS搭載セルラー端末は、IPネットワークを通信インフラとする無線基地局の位置登録を行うための無線基地局の位置登録システムにおけるGPS搭載セルラー端末であって、前記無線基地局との間でセルラー無線信号の送受信を行うセルラー送受信部と、GPS衛星からの信号に基づいて自己の位置情報を取得するGPS部と、を有し、前記セルラー送受信部は、自己の位置情報と関連づけられたGPS信号を受信した時刻を送信する構成を採っている。
【0105】
この構成により、登録位置の誤差を妥当な範囲内に抑えることができる。
【0106】
また、本実施の形態1による無線基地局の位置登録システムにおける位置登録方法は、IPネットワークを通信インフラとする無線基地局の位置登録を行うための無線基地局の位置登録システムにおける位置登録方法であって、前記無線基地局が、IPネットワークの接続状態を検出するステップと、GPS搭載セルラー端末が、GPS衛星からの信号に基づいて自己の位置情報を取得するステップと、前記無線基地局が、IPネットワークの接続状態に基づいて前記GPS搭載セルラー端末から前記GPS搭載セルラー端末の位置情報を取得するするステップと、前記無線基地局が、取得した前記位置情報を自己の登録位置とするステップと、を有する、構成を採っている。
【0107】
この構成により、無線基地局の位置登録を簡単にすることができる。
【0108】
また、本実施の形態1による無線基地局の位置登録方法は、IPネットワークを通信インフラとする無線基地局の位置登録方法であって、IPネットワークの接続状態を検出するステップと、IPネットワークの接続状態に基づいてGPS搭載セルラー端末から前記GPS搭載セルラー端末の位置情報を取得するするステップと、取得した前記位置情報を自己の登録位置とするステップと、を有する構成を採っている。
【0109】
この構成により、無線基地局の位置登録を簡単にすることができる。
【0110】
また、本実施の形態1によるGPS搭載セルラー端末の位置情報送信方法は、IPネットワークを通信インフラとする無線基地局の位置登録を行うためのGPS搭載セルラー端末の位置情報送信方法であって、GPS衛星からの信号に基づいて自己の位置情報を取得するステップと、自己の位置情報と関連づけられたGPS信号を受信した時刻を送信するステップと、を有する構成を採っている。
【0111】
この構成により、登録位置の誤差を妥当な範囲内に抑えることができる。
【0112】
なお、上記の実施の形態において、GPS衛星からのGPS信号を用いた場合の例を説明したが、GPSに限らず、衛星を用いた測位システム(SPS(Satellite Positioning System))であれば他のSPSを用いることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明によれば、無線基地局の位置登録を簡単にすることができるので、無線基地局の位置登録システム、無線基地局及びGPS搭載セルラー端末並びに位置登録方法及び位置情報送信方法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の実施の形態1の無線基地局の位置登録システムを含むシステムの全体構成図
【図2】本発明の実施の形態1の無線基地局の位置登録システムの無線基地局とGPS搭載セルラー端末の構成を説明するブロック図
【図3】本発明の実施の形態1の無線基地局の位置登録システムの位置登録動作の一例を説明するシーケンス図
【図4】本発明の実施の形態1の無線基地局の位置登録システムの位置登録動作の変形例を説明するシーケンス図
【図5】本発明の実施の形態1の無線基地局の位置登録システムの位置登録動作の他の例を説明するシーケンス図
【図6】本発明の実施の形態1の無線基地局の位置登録システムの位置登録動作の他の変形例を説明するシーケンス図
【符号の説明】
【0115】
1 無線基地局
2 GPS搭載セルラー端末
3 外部のIPネットワーク
4 セルラーネットワーク
5 ゲートウェイ装置
6 測位サーバ
7 基地局情報管理サーバ
8 ローカルなIPネットワーク
9 ルータ
10 DHCPサーバ
11 ブリッジ
12 GPS衛星
13 従来の無線基地局
101 セルラー送受信部
102 IPネットワーク接続状態検出部
103 位置登録部
104 IPネットワークインターフェース
105 プロトコル変換部
106 セルID情報保持部
107 端末認証情報保持部
108 位置情報保持部
201 セルラー送受信部
202 GPS部
203 通話部
204 表示部
205 操作入力部
206 端末制御部
207 端末認証情報保持部
2021 GPS受信部
2022 測位演算部
2023 アシストデータ取得部
2024 位置情報保持部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
IPネットワークを通信インフラとする無線基地局の位置登録を行うための無線基地局の位置登録システムであって、
前記無線基地局との間でセルラー無線信号の送受信を行うセルラー送受信部と、GPS衛星からの信号に基づいて自己の位置情報を取得するGPS部と、を有するGPS搭載セルラー端末と、
前記GPS搭載セルラー端末との間でセルラー無線信号の送受信を行うセルラー送受信部と、IPネットワークの接続状態を検出するIPネットワーク接続状態検出部と、IPネットワークの接続状態に基づいて前記GPS搭載セルラー端末から前記位置情報を取得して自己の登録位置とする位置登録部と、を有する、前記無線基地局と、を備える、
無線基地局の位置登録システム。
【請求項2】
前記無線基地局の前記位置登録部は、前記GPS搭載セルラー端末がGPS衛星からの信号に基づいて自己の位置情報を取得できない場合には、前記GPS搭載セルラー端末の過去の位置情報を取得して自己の登録位置とする、
請求項1記載の無線基地局の位置登録システム。
【請求項3】
前記GPS搭載セルラー端末の前記セルラー送受信部は、自己の位置情報と関連づけられたGPS信号を受信した時刻を送信し、
前記無線基地局の前記位置登録部は、前記GPS搭載セルラー端末との無線リンクが確立した時刻が前記GPS搭載セルラー端末がGPS信号を受信した時刻から所定時間以内のときは、前記GPS搭載セルラー端末の過去の位置情報を取得して自己の登録位置とする、
請求項2記載の無線基地局の位置登録システム。
【請求項4】
前記無線基地局の前記IPネットワーク接続状態検出部は、前記無線基地局に接続している機器のMACアドレスに基づいてIPネットワークの接続状態を検出する、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の無線基地局の位置登録システム。
【請求項5】
前記無線基地局の前記IPネットワーク接続状態検出部は、前記無線基地局の電源のON/OFFに基づいてIPネットワークの接続状態を検出する、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の無線基地局の位置登録システム。
【請求項6】
IPネットワークを通信インフラとする無線基地局であって、
GPS搭載セルラー端末との間でセルラー無線信号の送受信を行うセルラー送受信部と、IPネットワークの接続状態を検出するIPネットワーク接続状態検出部と、IPネットワークの接続状態に基づいて前記GPS搭載セルラー端末から前記位置情報を取得して自己の登録位置とする位置登録部と、を有する、
無線基地局。
【請求項7】
前記位置登録部は、前記GPS搭載セルラー端末がGPS衛星からの信号に基づいて自己の位置情報を取得できない場合には、前記GPS搭載セルラー端末の過去の位置情報を取得して自己の登録位置とする、
請求項6記載の無線基地局。
【請求項8】
前記位置登録部は、前記GPS搭載セルラー端末との無線リンクが確立した時刻が前記GPS搭載セルラー端末がGPS信号を受信した時刻から所定時間以内のときは、前記GPS搭載セルラー端末の過去の位置情報を取得して自己の登録位置とする、
請求項7記載の無線基地局。
【請求項9】
前記IPネットワーク接続状態検出部は、前記無線基地局に接続している機器のMACアドレスに基づいてIPネットワークの接続状態を検出する、
請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の無線基地局。
【請求項10】
前記IPネットワーク接続状態検出部は、前記無線基地局の電源のON/OFFに基づいてIPネットワークの接続状態を検出する、
請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の無線基地局。
【請求項11】
位置情報保持部を有し、
前記位置登録部は、前記位置情報保持部に自己の登録位置を記憶する、
請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の無線基地局。
【請求項12】
前記位置登録部は、基地局情報管理サーバに自己の登録位置を記憶させる、
請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の無線基地局。
【請求項13】
IPネットワークを通信インフラとする無線基地局の位置登録を行うための無線基地局の位置登録システムにおけるGPS搭載セルラー端末であって、
前記無線基地局との間でセルラー無線信号の送受信を行うセルラー送受信部と、GPS衛星からの信号に基づいて自己の位置情報を取得するGPS部と、を有し、
前記セルラー送受信部は、自己の位置情報と関連づけられたGPS信号を受信した時刻を送信する、
GPS搭載セルラー端末。
【請求項14】
前記GPS搭載セルラー端末の前記GPS部は、GPS衛星からの信号を受信するGPS受信部と、GPS衛星からの信号に基づいて測位演算を行って自己の位置情報を取得する測位演算部とを有する、
請求項13記載のGPS搭載セルラー端末。
【請求項15】
前記GPS部は、測位サーバからアシストデータを取得するアシストデータ取得部を有し、前記測位演算部は、測位サーバから取得したアシストデータとGPS衛星からの信号に基づいて測位演算を行って自己の位置情報を取得する、
請求項14記載のGPS搭載セルラー端末。
【請求項16】
前記GPS部は、GPS衛星からの信号を受信するGPS受信部と、測位サーバがGPS衛星からの信号に基づいて測位演算を行った自己の位置情報を取得する測位演算部とを有する、
請求項13記載のGPS搭載セルラー端末。
【請求項17】
IPネットワークを通信インフラとする無線基地局の位置登録を行うための無線基地局の位置登録システムにおける位置登録方法であって、
前記無線基地局が、IPネットワークの接続状態を検出するステップと、
GPS搭載セルラー端末が、GPS衛星からの信号に基づいて自己の位置情報を取得するステップと、
前記無線基地局が、IPネットワークの接続状態に基づいて前記GPS搭載セルラー端末から前記GPS搭載セルラー端末の位置情報を取得するするステップと、
前記無線基地局が、取得した前記位置情報を自己の登録位置とするステップと、を有する、
無線基地局の位置登録方法。
【請求項18】
IPネットワークを通信インフラとする無線基地局の位置登録方法であって、
IPネットワークの接続状態を検出するステップと、
IPネットワークの接続状態に基づいてGPS搭載セルラー端末から前記GPS搭載セルラー端末の位置情報を取得するするステップと、
取得した前記位置情報を自己の登録位置とするステップと、を有する、
無線基地局の位置登録方法。
【請求項19】
IPネットワークを通信インフラとする無線基地局の位置登録を行うためのGPS搭載セルラー端末の位置情報送信方法であって、
GPS衛星からの信号に基づいて自己の位置情報を取得するステップと、
自己の位置情報と関連づけられたGPS信号を受信した時刻を送信するステップと、を有する、
GPS搭載セルラー端末の位置情報送信方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−200644(P2009−200644A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−37974(P2008−37974)
【出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】