説明

無線通信システム、基地局装置、サーバ、基地局装置の設置位置確認方法

【課題】基地局装置がユーザによって設置された場合であっても、基地局装置の設置位置をサービス事業者側で容易に確認できる無線通信システム、基地局装置、サーバ、基地局装置の設置位置確認方法を提供する。
【解決手段】無線通信端末100でGDP信号に基づいて位置情報を生成する。無線通信端末100は、生成した位置情報をフェムトセル基地局装置200へ送る。フェムトセル基地局装置200は、無線通信端末100から得た位置情報とフェムトセル基地局装置200の識別番号とをAAAサーバ300へ送る。AAAサーバ300は、フェムトセル基地局装置200から送られた位置情報とフェムトセル基地局装置200の識別番号とから、フェムトセル基地局装置200が登録された位置に設置されているか否かを確認する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話システム等の無線通信システム、基地局装置、サーバ、基地局装置の設置位置確認方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話システムでは、複数種類の基地局装置が使い分けられている。従来から用いられている比較的大規模な基地局装置は、半径数百m〜十数kmの通話エリアを持ち、マクロセルと呼ばれている(以下、マクロセル基地局装置)。また、半径十m程度の通話エリアしか持たないフェムトセルと呼ばれる超小型基地局が開発されている(以下、フェムトセル基地局装置)。マクロセル基地局装置に対して、ナノセル、ピコセルと呼ばれる小型基地局が従来から使われている。フェムトセル基地局装置は、これら小型基地局よりもさらに通話エリアが狭く、マクロセル基地局装置等からの電波が届きにくい個人の家屋内等での利用に適した基地局装置である。
【0003】
マクロセル基地局装置は、携帯電話サービス事業者が自ら設置するので、その設置場所を携帯電話サービス事業者が把握することができる。マクロセル基地局装置の設置場所に関する情報は、携帯電話サービス事業者のサーバに登録されている。
【0004】
フェムトセル基地局装置は、一般ユーザ又は携帯電話サービス事業者によって設置される。フェムトセル基地局装置が一般ユーザによって設置される場合、携帯電話サービス事業者は、フェムトセル基地局装置をユーザに貸与又は譲渡するときに、その設置場所の住所等をユーザからの申し出により知ることができる。
【0005】
携帯機器や車両等の位置を特定する技術として、GPS(Global Positioning System)を用いた測位技術が知られている(例えば、特許文献1)。また、複数の基地局装置を用いて携帯電話端末の位置を特定する技術が知られている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−249723号公報
【特許文献2】特開2008−300923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、当該フェムトセル基地局装置が申し出された通りの位置に設置されているか否かの確認をするためには、携帯電話サービス事業者自らが実際にその住所に赴き確認する必要があった。したがって、フェムトセル基地局装置の設置場所を確認することが困難であった。
【0008】
また、上記特許文献1の技術や特許文献2の技術をフェムトセル基地局装置に適用するためには、フェムトセル基地局装置に対して新たに測位装置や測位回路等を追加する必要があった。その場合、フェムトセル基地局装置の大型化や高価格化を招くおそれがあった。
【0009】
さらに、フェムトセル基地局装置は、マクロセル基地局装置からの電波が届きにくい場所の電波状況を改善するために設置されることが多い。その場合には、複数の基地局装置を用いてフェムトセル基地局装置の設置位置を特定することができなかった。
【0010】
本発明の課題は、基地局装置がユーザによって設置された場合であっても、基地局装置の設置位置をサービス事業者側で容易に確認できる無線通信システム、基地局装置、サーバ、基地局装置の設置位置確認方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0012】
(1)本発明は、無線通信端末(100)と、前記無線通信端末と無線通信する基地局装置(200)と、前記基地局装置と有線又は無線により接続されており前記無線通信端末及び前記基地局装置に関する情報を管理するサーバ(300)とを備えた無線通信システムであって、無線通信端末は、複数の人工衛星(400)及び複数の基地局装置の少なくとも一方から取得する情報に基づいて当該無線通信端末の位置情報を生成する位置情報生成手段(102)と、前記位置情報生成手段が生成した前記位置情報を当該無線通信端末が通信を行っている基地局装置(200)に対して送信する端末内位置情報送信手段(106)とを備え、前記基地局装置は、前記端末内位置情報送信手段から前記位置情報を受信する基地局内位置情報受信手段(202)と、前記基地局内位置情報受信手段が受信した前記位置情報を当該基地局装置の識別番号と関連付けて前記サーバへ送信する基地局内位置情報送信手段(206)とを備え、前記サーバは、前記基地局装置の登録住所を前記基地局装置の前記識別番号と関連付けて予め記憶する登録住所記憶手段(304)と、前記基地局内位置情報送信手段から前記位置情報及び前記識別番号を受信するサーバ内位置情報受信手段(302)と、前記サーバ内位置情報受信手段が受信した前記位置情報及び前記識別番号と、前記登録住所記憶手段が記憶している前記登録住所及び前記識別番号とを比較し、前記基地局装置が前記登録住所に設置されているか否かを確認する設置位置確認手段(306)とを備えることを特徴とする無線通信システムを提案している。
【0013】
この発明によれば、位置情報生成手段は、複数の人工衛星及び複数の基地局装置の少なくとも一方から取得する情報に基づいて当該無線通信端末の位置情報を生成する。端末内位置情報送信手段は、位置情報生成手段が生成した位置情報を当該無線通信端末が通信を行っている基地局装置に対して送信する。基地局内位置情報受信手段は、端末内位置情報送信手段から位置情報を受信する。基地局内位置情報送信手段は、基地局内位置情報受信手段が受信した位置情報を当該基地局装置の識別番号と関連付けてサーバへ送信する。登録住所記憶手段は、基地局装置の登録住所を基地局装置の識別番号と関連付けて予め記憶する。サーバ内位置情報受信手段は、基地局内位置情報送信手段から位置情報及び識別番号を受信する。設置位置確認手段は、サーバ内位置情報受信手段が受信した位置情報及び識別番号と、登録住所記憶手段が記憶している登録住所及び識別番号とを比較し、基地局装置が登録住所に設置されているか否かを確認する。したがって、基地局装置がユーザによって設置された場合であっても、基地局装置の設置位置をサービス事業者側で容易に確認できる。
【0014】
(2)本発明は、(1)に記載の無線通信システムにおいて、前記設置位置確認手段(306)は、前記登録住所により特定される位置と前記位置情報により特定される位置との距離を算出し、前記距離に基づいて前記基地局装置(200)が前記登録住所に設置されているか否かを確認することを特徴とする無線通信システムを提案している。
【0015】
この発明によれば、設置位置確認手段は、登録住所により特定される位置と位置情報により特定される位置との距離を算出し、距離に基づいて基地局装置が登録住所に設置されているか否かを確認する。したがって、基地局装置が登録住所に設置されているか否かを簡単に判定できる。
【0016】
(3)本発明は、(1)又は(2)に記載の無線通信システムにおいて、前記位置情報生成手段(102)は、前記位置情報を生成するとともにその生成時刻を取得し、前記端末内位置情報送信手段(106)は、前記生成時刻を前記位置情報と関連付けて前記基地局装置へ送信し、前記基地局内位置情報受信手段(202)は、前記位置情報とともに前記生成時刻を受信し、前記基地局内位置情報送信手段(206)は、前記基地局内位置情報受信手段が受信した前記位置情報を当該基地局装置(200)の識別番号及び前記生成時刻と関連付けて前記サーバ(300)へ送信し、前記設置位置確認手段(306)は、前記生成時刻から前記位置情報を前記サーバ内位置情報受信手段(302)が受信した時刻までの時間を求め、求めた前記時間を前記基地局装置が前記登録住所に設置されているか否かの確認に用いることを特徴とする無線通信システムを提案している。
【0017】
この発明によれば、位置情報生成手段は、位置情報を生成するとともにその生成時刻を取得する。端末内位置情報送信手段は、生成時刻を位置情報と関連付けて基地局装置へ送信する。基地局内位置情報受信手段は、位置情報とともに生成時刻を受信する。基地局内位置情報送信手段は、基地局内位置情報受信手段が受信した位置情報を当該基地局装置の識別番号及び生成時刻と関連付けてサーバへ送信する。設置位置確認手段は、生成時刻から位置情報をサーバ内位置情報受信手段が受信した時刻までの時間を求め、求めた時間を基地局装置が登録住所に設置されているか否かの確認に用いる。したがって、位置情報を登録住所で取得した後に全く別の場所に設置された基地局装置の近くまで前記無線通信端末を移動して位置確認を行うといった不正を防止できる。これにより、基地局装置の設置位置の確認を、さらに高い信頼性をもって行える。
【0018】
(4)本発明は、(1)から(3)までのいずれかに記載の無線通信システムにおいて、前記基地局装置(200)は、フェムトセル基地局装置であることを特徴とする無線通信システムを提案している。
【0019】
この発明によれば、基地局装置は、フェムトセル基地局装置である。したがって、無線通信端末の生成する位置情報を基地局装置の位置情報とみなしても誤差が小さくなり、より高い精度で基地局装置が登録住所に設置されているか否かを判定できる。
【0020】
(5)本発明は、無線通信端末(100)と無線通信するとともに、サーバ(300)と有線又は無線により接続されて通信を行う基地局装置(200)であって、前記無線通信端末から位置情報を受信する基地局内位置情報受信手段(202)と、前記基地局内位置情報受信手段が受信した前記位置情報を当該基地局装置の識別番号と関連付けて前記サーバへ送信する基地局内位置情報送信手段(206)とを備えることを特徴とする基地局装置を提案している。
【0021】
この発明によれば、基地局内位置情報受信手段は、無線通信端末から位置情報を受信する。基地局内位置情報送信手段は、基地局内位置情報受信手段が受信した位置情報を当該基地局装置の識別番号と関連付けてサーバへ送信する。したがって、当該基地局装置がユーザによって設置された場合であっても、基地局装置の設置位置をサービス事業者側で容易に確認できる。
【0022】
(6)本発明は、無線通信端末(100)と無線通信する基地局装置(200)と有線又は無線により接続されており前記無線通信端末及び前記基地局装置に関する情報を管理するサーバ(300)であって、前記基地局装置の登録住所を前記基地局装置の識別番号と関連付けて予め記憶する登録住所記憶手段(304)と、前記基地局装置から位置情報及び識別番号を受信するサーバ内位置情報受信手段(302)と、前記サーバ内位置情報受信手段が受信した前記位置情報及び前記識別番号と、前記登録住所記憶手段が記憶している前記登録住所及び前記識別番号とを比較し、前記基地局装置が前記登録住所に設置されているか否かを確認する設置位置確認手段(306)とを備えることを特徴とするサーバを提案している。
【0023】
この発明によれば、登録住所記憶手段は、基地局装置の登録住所を基地局装置の識別番号と関連付けて予め記憶する。サーバ内位置情報受信手段は、基地局装置から位置情報及び識別番号を受信する。設置位置確認手段は、サーバ内位置情報受信手段が受信した位置情報及び識別番号と、登録住所記憶手段が記憶している登録住所及び識別番号とを比較し、基地局装置が登録住所に設置されているか否かを確認する。したがって、基地局装置がユーザによって設置された場合であっても、基地局装置の設置位置をサービス事業者側で容易に確認できる。
【0024】
(7)本発明は、(6)に記載の無線通信システムにおいて、前記設置位置確認手段(306)は、前記登録住所により特定される位置と前記位置情報により特定される位置との距離を算出し、前記距離に基づいて前記基地局装置(200)が前記登録住所に設置されているか否かを確認することを特徴とするサーバを提案している。
【0025】
この発明によれば、設置位置確認手段は、登録住所により特定される位置と位置情報により特定される位置との距離を算出し、この距離に基づいて基地局装置が登録住所に設置されているか否かを確認する。したがって、基地局装置が登録住所に設置されているか否かを簡単に判定できる。
【0026】
(8)本発明は、無線通信端末(100)と、前記無線通信端末と無線通信する基地局装置(200)と、前記基地局装置と有線又は無線により接続されており前記無線通信端末及び前記基地局装置に関する情報を管理するサーバ(300)とを備えた無線通信システムにおける基地局装置の設置位置確認方法であって、無線通信端末は、複数の人工衛星(400)及び複数の基地局装置の少なくとも一方から取得する情報に基づいて当該無線通信端末の位置情報を生成する位置情報生成ステップ(S20)と、前記位置情報生成ステップで生成した前記位置情報を当該無線通信端末が通信を行っている基地局装置に対して送信する端末内位置情報送信ステップ(S30)とを行い、前記基地局装置は、前記端末内位置情報送信ステップで送信された前記位置情報を受信する基地局内位置情報受信ステップ(S30,S40)と、前記基地局内位置情報受信ステップで受信した前記位置情報を当該基地局装置の識別番号と関連付けて前記サーバへ送信する基地局内位置情報送信ステップ(S50)とを行い、前記サーバは、前記基地局装置の登録住所を前記基地局装置の前記識別番号と関連付けて予め記憶する登録住所記憶ステップと、前記基地局内位置情報送信ステップで送信された前記位置情報及び前記識別番号を受信するサーバ内位置情報受信ステップ(S50,S60)と、前記サーバ内位置情報受信ステップで受信した前記位置情報及び前記識別番号と、前記登録住所記憶ステップで記憶した前記登録住所及び前記識別番号とを比較し、前記基地局装置が前記登録住所に設置されているか否かを確認する設置位置確認ステップ(S60)とを備えることを特徴とする基地局装置の設置位置確認方法を提案している。
【0027】
この発明によれば、位置情報生成ステップは、複数の人工衛星及び複数の基地局装置の少なくとも一方から取得する情報に基づいて当該無線通信端末の位置情報を生成する。端末内位置情報送信ステップは、位置情報生成ステップで生成した位置情報を当該無線通信端末が通信を行っている基地局装置に対して送信する。基地局内位置情報受信ステップは、端末内位置情報送信ステップで送信された位置情報を受信する。基地局内位置情報送信ステップは、基地局内位置情報受信ステップで受信した位置情報を当該基地局装置の識別番号と関連付けてサーバへ送信する。登録住所記憶ステップは、基地局装置の登録住所を基地局装置の識別番号と関連付けて予め記憶する。サーバ内位置情報受信ステップは、基地局内位置情報送信ステップで送信された位置情報及び識別番号を受信する。設置位置確認ステップは、サーバ内位置情報受信ステップで受信した位置情報及び識別番号と、登録住所記憶ステップで記憶した登録住所及び識別番号とを比較し、基地局装置が登録住所に設置されているか否かを確認する。したがって、基地局装置がユーザによって設置された場合であっても、基地局装置の設置位置をサービス事業者側で容易に確認できる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、基地局装置がユーザによって設置された場合であっても、基地局装置の設置位置をサービス事業者側で容易に確認できる。また、GPS等の位置情報取得手段を持たない基地局装置であっても、その設置場所の正当性を確認できる。したがって、サービス提供地域以外での起動等、不正な位置での利用を容易に発見できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明による無線通信システムの実施形態を示す図である。
【図2】無線通信端末100の装置構成を示す図である。
【図3】フェムトセル基地局装置200の装置構成を示す図である。
【図4】AAAサーバ300の装置構成を示す図である。
【図5】フェムトセル基地局装置200の設置位置を確認する動作を示すフローチャートである。
【図6】第2実施形態においてフェムトセル基地局装置200の設置位置を確認する動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組み合わせを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0031】
(第1実施形態)
図1は、本発明による無線通信システムの実施形態を示す図である。
本実施形態の無線通信システムは、無線通信端末100、フェムトセル基地局装置200、AAAサーバ300を備えている。また、本実施形態の無線通信システムは、GPS(Global Positioning System)衛星400からの電波を利用する。さらに、無線通信システムには、上述した他に不図示のマクロセル基地局装置等、従来の携帯電話サービスに用いられている各種装置も含まれる。そして、無線通信端末100は、マクロセル基地局装置との間での無線通信も可能である。なお、以下の説明では、理解を容易にするために、フェムトセル基地局装置200との間で無線通信を行っている場合についてのみ説明を行う。
【0032】
図2は、無線通信端末100の装置構成を示す図である。
無線通信端末100は、アンテナ部101、位置情報生成部102、メモリ部103、制御部104、無線通信部105等を備えた携帯電話機である。
【0033】
アンテナ部101は、複数のGPS衛星400からの電波を受信し、位置情報生成部102へ送る。
位置情報生成部102は、複数のGPS衛星400からの電波に含まれる時刻情報とそれぞれの軌道情報とを用いて、無線通信端末100の位置情報を生成する。ここで、生成する位置情報とは、無線通信端末100の存在する位置を緯度及び経度として表すものである。
【0034】
メモリ部103は、無線通信端末100に関する各種情報を格納する記憶部である。メモリ部103には、無線通信端末100に固有の端末識別番号、及び、電話番号等が記憶されている。なお、図2では、メモリ部103が無線通信端末100内に固定されている形態で示しているが、固有情報を記憶する部分をSIMカード(Subscriber Identity Module Card)に形成してもよい。
【0035】
制御部104は、無線通信端末100の動作を統括して制御するマイコンである。制御部104は、位置情報生成部102、メモリ部103、無線通信部105に接続されている。
【0036】
無線通信部105は、制御部104からの指示に応じて、不図示のマクロセル基地局装置と無線通信を行う。また、制御部104からの指示に応じて、後述のフェムトセル基地局装置200と無線通信を行う。さらに、無線通信部105は、端末内位置情報送信部106を備えている。
端末内位置情報送信部106は、位置情報生成部102が生成した位置情報を無線通信端末100が通信を行っている基地局装置であるフェムトセル基地局装置200に対して送信する。
【0037】
図3は、フェムトセル基地局装置200の装置構成を示す図である。
フェムトセル基地局装置200は、小型で出力が小さく、ナノセル、ピコセルと呼ばれる従来から使われている小型基地局よりもさらに通話エリア(無線電波エリア)が狭く、マクロセル等からの電波が届きにくい個人家屋内等での利用に適した超小型無線基地局装置である。本実施形態のフェムトセル基地局装置200は、半径十m程度の通話エリアを持ち、例えばユーザの家屋内での利用を想定して携帯電話サービス事業者によりユーザに提供される基地局装置である。
フェムトセル基地局装置200は、無線通信部201、メモリ部203、制御部204、有線通信部205を備えている。
【0038】
無線通信部201は、制御部204からの指示に応じて、無線通信端末100と無線通信を行う。また、無線通信部201は、基地局内位置情報受信部202を備えている。
基地局内位置情報受信部202は、無線通信端末100の端末内位置情報送信部106から無線通信端末100の位置情報を受信する。
【0039】
メモリ部203は、フェムトセル基地局装置200に関する各種情報を格納する記憶部である。本実施形態のメモリ部203には、フェムトセル基地局装置200に固有の識別番号が記憶されている。
【0040】
制御部204は、フェムトセル基地局装置200の動作を統括して制御するマイコンである。制御部204は、無線通信部201、メモリ部203、有線通信部205に接続されている。
【0041】
有線通信部205は、フェムトセル基地局装置200とAAAサーバ300との間を接続するアクセス回線が接続されており、AAAサーバ300との間で有線通信を行う。このアクセス回線は、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)、FTTH(Fiber To The Home)、CATV(Community Antenna TeleVision)等、インターネットに接続するアクセス回線である場合や、専用線等、当該装置のために帯域を占有可能なアクセス回線等である。また、有線通信部205は、基地局内位置情報送信部206を備えている。
基地局内位置情報送信部206は、基地局内位置情報受信部202が受信した無線通信端末100の位置情報をフェムトセル基地局装置200の識別番号と関連付けてAAAサーバ300へ送信する。
【0042】
図4は、AAAサーバ300の装置構成を示す図である。
AAAサーバ300は、有線通信部301、メモリ部303、制御部305、設置位置確認部306を備えている。AAAサーバ300は、携帯電話サービスに関する認証処理と、認可処理と、課金処理とを行うサーバであり、無線通信端末100及びフェムトセル基地局装置200に関する情報を管理する。
【0043】
有線通信部301は、フェムトセル基地局装置200とAAAサーバ300との間を接続するアクセス回線が接続されており、フェムトセル基地局装置200との間で有線通信を行う。また、有線通信部301には、不図示の専用回線が接続されており、この専用回線を介して不図示のマクロセル基地局装置等、他の基地局との有線通信も可能である。さらに、有線通信部301は、サーバ内位置情報受信部302を備えている。
サーバ内位置情報受信部302は、フェムトセル基地局装置200の基地局内位置情報送信部206から無線通信端末100の位置情報及びフェムトセル基地局装置200の識別番号を受信する。
【0044】
メモリ部303は、携帯電話サービスに関する認証処理と、認可処理と、課金処理とに関する各種情報を格納する記憶部である。また、メモリ部303は、登録住所記憶部304を備えている。
登録住所記憶部304は、フェムトセル基地局装置200の登録住所をフェムトセル基地局装置200の識別番号と関連付けて予め記憶する。登録住所記憶部304へフェムトセル基地局装置200の登録住所と識別番号とを記憶させる処理(登録住所記憶ステップ)は、フェムトセル基地局装置200をユーザに貸与又は譲渡するときに、携帯電話サービス事業者のオペレータ等が行う。なお、登録住所記憶部304に登録される登録住所は、番地をそのままの形態で記憶してもよいし、緯度経度の情報に変換して記憶してもよい。
【0045】
制御部305は、AAAサーバ300の動作を統括して制御する。制御部305は、有線通信部301、メモリ部303、設置位置確認部306に接続されている。
設置位置確認部306は、フェムトセル基地局装置200が登録住所に設置されているか否かを確認する。すなわち、設置位置確認部306は、フェムトセル基地局装置200の登録住所に、フェムトセル基地局装置200が正しく設置されているか否かの正当性を確認する。具体的には、設置位置確認部306は、サーバ内位置情報受信部302が受信した無線通信端末100の位置情報及びフェムトセル基地局装置200の識別番号と、登録住所記憶部304が記憶している登録住所及びフェムトセル基地局装置200の識別番号とを比較する。
【0046】
より詳しく説明すると、設置位置確認部306は、登録住所から決まる登録住所の緯度及び経度と、無線通信端末100の位置情報に含まれる緯度及び経度とを用いて、登録住所の位置と無線通信端末100の位置情報が示す位置との距離を算出する。そして、設置位置確認部306は、この距離が予め設定した閾値よりも小さいか否かを判断する。設置位置確認部306は、算出した距離が閾値よりも小さいときには、フェムトセル基地局装置200が登録住所に正しく設置されているものと判断する。一方、算出した距離が閾値よりも大きいときには、設置位置確認部306は、フェムトセル基地局装置200が登録住所に正しく設置されていないものと判断する。本実施形態では、位置情報としてGPS衛星を利用するため、算出した距離と比較する閾値は50m程度が望ましい。
【0047】
ここで、設置位置確認部306は、フェムトセル基地局装置200ではなく無線通信端末100の位置情報を用いてフェムトセル基地局装置200が登録住所に設置されているか否かを確認する。このような確認が有効に行える理由を以下に説明する。無線通信端末100は、フェムトセル基地局装置200と通信可能な位置において、GPS衛星を用いて位置情報を生成している。先に説明したように、本実施形態のフェムトセル基地局装置200は、半径十m程度の通話エリアしか持たない。したがって、無線通信端末100とフェムトセル基地局装置200との距離は、十m以内である。よって、GPS衛星を用いて無線通信端末100が生成した位置情報は、十m程度の誤差を含むものの、この誤差を許容すれば、フェムトセル基地局装置200の位置情報とみなすことができる。フェムトセル基地局装置200の位置情報とみなした無線通信端末100の位置情報は、十m程度の誤差を含むとしても、フェムトセル基地局装置200が登録住所に設置されているか否かを確認するためには十分な精度を持っている。よって、設置位置確認部306は、無線通信端末100の位置情報を用いてフェムトセル基地局装置200が登録住所に設置されているか否かを確認することができる。
【0048】
次に、本実施形態の無線通信システムにおいて、無線通信端末100を利用してフェムトセル基地局装置200の設置位置を確認する動作について説明する。
図5は、フェムトセル基地局装置200の設置位置を確認する動作を示すフローチャートである。
【0049】
ステップ10(以下、Sとする)では、アンテナ部101は、複数のGPS衛星400からGPS信号を受信する。
S20では、位置情報生成部102は、S10で受信したGPS信号に基づいて無線通信端末100の位置情報を生成する(位置情報生成ステップ)。また、メモリ部103は、生成された無線通信端末100の位置情報を記憶する。
【0050】
S30では、端末内位置情報送信部106は、S20で生成した無線通信端末100の位置情報をフェムトセル基地局装置200へ送信する(端末内位置情報送信ステップ)。
S40では、基地局内位置情報受信部202は、無線通信端末100から無線通信端末100の位置情報を受信する(基地局内位置情報受信ステップ)。また、メモリ部203は、無線通信端末100の位置情報を記憶する。
【0051】
S50では、基地局内位置情報送信部206は、S30で無線通信端末100から送信された無線通信端末100の位置情報に、メモリ部203に記憶されているフェムトセル基地局装置200の識別番号を関連付けて、AAAサーバ300へ送信する(基地局内位置情報送信ステップ)。
【0052】
S60では、サーバ内位置情報受信部302は、フェムトセル基地局装置200から無線通信端末100の位置情報とフェムトセル基地局装置200の識別番号とを受信する(サーバ内位置情報受信ステップ)。また、メモリ部303は、サーバ内位置情報受信部302が受信した無線通信端末100の位置情報とフェムトセル基地局装置200の識別番号とを紐付けて保存する。さらに、設置位置確認部306は、フェムトセル基地局装置200の登録住所に、フェムトセル基地局装置200が正しく設置されているか否かの正当性を確認する(設置位置確認ステップ)。具体的には、まず、設置位置確認部306は、サーバ内位置情報受信部302が受信した識別番号から、登録住所記憶部304に予め保存されているフェムトセル基地局装置200の登録住所を見つけ出す。次に、設置位置確認部306は、登録住所から決まる登録住所の緯度及び経度と、無線通信端末100の位置情報に含まれる緯度及び経度とを用いて、登録住所の位置と無線通信端末100の位置情報が示す位置との距離を算出する。そして、設置位置確認部306は、この距離が予め設定した閾値よりも小さいか否かを判断することにより、フェムトセル基地局装置200の設置位置の正当性を確認する。
【0053】
S70では、AAAサーバ300の制御部305は、有線通信部301を介して、設置場所の確認結果をフェムトセル基地局装置200へ送る。
S80では、フェムトセル基地局装置200は、AAAサーバ300から設置場所の確認結果を受信して、設置場所の確認を終了する。
【0054】
上述した図5に示したフェムトセル基地局装置200の設置位置を確認する動作を行うきっかけは、例えば、フェムトセル基地局装置200の電源が投入され、最初に無線通信端末端末100がフェムトセル基地局装置200に接続するときに行うとよい。その他、フェムトセル基地局装置200の設置位置を確認する動作は、無線通信端末端末100との一定接続時間毎ないし一定接続回数毎に行ってもよい。
【0055】
以上説明したように、本実施形態によれば、フェムトセル基地局装置200がユーザによって設置された場合であっても、無線通信端末100を利用してフェムトセル基地局装置200の設置位置をサービス事業者側で容易に確認できる。よって、ユーザが登録住所とは異なる位置にフェムトセル基地局装置200を設置したとしても、それを簡単かつ確実に知ることができる。
【0056】
(第2実施形態)
第2実施形態は、第1実施形態と同様な構成を有しているが、位置情報とともにその生成時刻を送受信し、生成時刻を設置位置の確認にも用いる点のみが、第1実施形態と異なっている。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図6は、第2実施形態においてフェムトセル基地局装置200の設置位置を確認する動作を示すフローチャートである。
【0057】
S110では、アンテナ部101は、複数のGPS衛星400からGPS信号を受信する。
S120では、位置情報生成部102は、S110で受信したGPS信号に基づいて無線通信端末100の位置情報を生成する(位置情報生成ステップ)とともに、その生成時刻を取得する。また、メモリ部103は、生成された無線通信端末100の位置情報と生成時刻とを記憶する。
【0058】
S130では、端末内位置情報送信部106は、S120で生成した無線通信端末100の位置情報と取得した生成時刻とをフェムトセル基地局装置200へ送信する(端末内位置情報送信ステップ)。
S140では、基地局内位置情報受信部202は、無線通信端末100から無線通信端末100の位置情報と生成時刻とを受信する(基地局内位置情報受信ステップ)。また、メモリ部203は、無線通信端末100の位置情報と生成時刻とを記憶する。
【0059】
S150では、基地局内位置情報送信部206は、S130で無線通信端末100から送信された無線通信端末100の位置情報に、生成時刻とメモリ部203に記憶されているフェムトセル基地局装置200の識別番号を関連付けて、AAAサーバ300へ送信する(基地局内位置情報送信ステップ)。
【0060】
S160では、サーバ内位置情報受信部302は、フェムトセル基地局装置200から無線通信端末100の位置情報と生成時刻とフェムトセル基地局装置200の識別番号とを受信する(サーバ内位置情報受信ステップ)。また、メモリ部303は、サーバ内位置情報受信部302が受信した無線通信端末100の位置情報と生成時刻とフェムトセル基地局装置200の識別番号とを紐付けて保存する。さらに、設置位置確認部306は、フェムトセル基地局装置200の登録住所に、フェムトセル基地局装置200が正しく設置されているか否かの正当性を確認する(設置位置確認ステップ)。
【0061】
具体的には、まず、設置位置確認部306は、生成時刻から位置情報をサーバ内位置情報受信手段が受信した時刻までの時間を求める。そして、この求めた時間が予め設定した閾値時間よりも長い場合には、正当性の確認を中止する。すなわち、この場合、受信した位置情報がフェムトセル基地局装置200が正しく設置されているか否かの正当性を確認するためには不適切であると判断する。そして、その旨をフェムトセル基地局装置200へ伝える。
位置情報の生成時刻から位置情報をサーバ内位置情報受信手段が受信した時刻までの時間が長い場合、その時間が経過する間に無線通信端末100が長距離の移動を行うことが可能である。したがって、無線通信端末100がフェムトセル基地局装置200の近隣に存在するとの確証が得られない。よって、本実施形態では、位置情報の生成時刻をフェムトセル基地局装置200が登録住所に設置されているか否かの確認に利用している。
【0062】
一方、求めた時間が予め設定した閾値時間内である場合には、設置位置確認部306は、正当性の確認を継続する。すなわち、設置位置確認部306は、サーバ内位置情報受信部302が受信した識別番号から、登録住所記憶部304に予め保存されているフェムトセル基地局装置200の登録住所を見つけ出す。次に、設置位置確認部306は、登録住所から決まる登録住所の緯度及び経度と、無線通信端末100の位置情報に含まれる緯度及び経度とを用いて、登録住所の位置と無線通信端末100の位置情報が示す位置との距離を算出する。そして、設置位置確認部306は、この距離が予め設定した閾値よりも小さいか否かを判断することにより、フェムトセル基地局装置200の設置位置の正当性を確認する。
【0063】
S170では、AAAサーバ300の制御部305は、有線通信部301を介して、設置場所の確認結果をフェムトセル基地局装置200へ送る。
S180では、フェムトセル基地局装置200は、AAAサーバ300から設置場所の確認結果を受信して、設置場所の確認を終了する。
【0064】
以上説明したように、第2実施形態によれば、フェムトセル基地局装置200が登録住所に設置されているか否かの確認の信頼性をさらに高めることができる。
【0065】
なお、フェムトセル基地局装置200、AAAサーバ300の処理をコンピュータ読み取り可能な記録媒体にそれぞれ記録し、この記録媒体に記録されたプログラムをそれぞれフェムトセル基地局装置200、AAAサーバ300に読み込ませ、実行することによって本発明の無線通信システム、基地局装置、サーバ、基地局装置の設置位置確認方法を実現することができる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0066】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0067】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0068】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0069】
(変形形態)
(1)実施形態において、位置情報生成部102は、複数のGPS衛星400からの電波を用いて、無線通信端末100の位置情報を生成する例を示した。しかし、これに限らず、例えば、位置情報生成部102は、複数のマクロセル基地局装置からの電波を用いて位置情報を生成してもよい。また、位置情報生成部102は、GPS衛星からの電波とマクロセル基地局装置からの電波の両方を用いて位置情報を生成してもよい。
【0070】
(2)実施形態において、位置情報生成部102は、複数のGPS衛星400からの電波を用いて、無線通信端末100の位置情報を生成する例を示した。しかし、これに限らず、例えば、位置情報生成部102は、GPS衛星以外の衛星からの電波を用いて無線通信端末100の位置情報を生成してもよい。
【0071】
(3)フェムトセル基地局装置200は、ユーザの家屋内等に設置される場合が想定される。その場合、家屋内では、家屋の壁や屋根に遮られて無線通信端末100がGPS衛星400からの電波をうまく受信できないことがある。そのような場合には、無線通信端末100がユーザに対して、空を見渡せる位置まで無線通信端末100を移動させるように促す案内表示等を行ってもよい。
【0072】
なお、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【符号の説明】
【0073】
100 無線通信端末
101 アンテナ部
102 位置情報生成部
103 メモリ部
104 制御部
105 無線通信部
106 端末内位置情報送信部
200 フェムトセル基地局装置
201 無線通信部
202 基地局内位置情報受信部
203 メモリ部
204 制御部
205 有線通信部
206 基地局内位置情報送信部
300 AAAサーバ
301 有線通信部
302 サーバ内位置情報受信部
303 メモリ部
304 登録住所記憶部
305 制御部
306 設置位置確認部
400 GPS衛星

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信端末と、
前記無線通信端末と無線通信する基地局装置と、
前記基地局装置と有線又は無線により接続されており前記無線通信端末及び前記基地局装置に関する情報を管理するサーバと、
を備えた無線通信システムであって、
無線通信端末は、
複数の人工衛星及び複数の基地局装置の少なくとも一方から取得する情報に基づいて当該無線通信端末の位置情報を生成する位置情報生成手段と、
前記位置情報生成手段が生成した前記位置情報を当該無線通信端末が通信を行っている基地局装置に対して送信する端末内位置情報送信手段と、
を備え、
前記基地局装置は、
前記端末内位置情報送信手段から前記位置情報を受信する基地局内位置情報受信手段と、
前記基地局内位置情報受信手段が受信した前記位置情報を当該基地局装置の識別番号と関連付けて前記サーバへ送信する基地局内位置情報送信手段と、
を備え、
前記サーバは、
前記基地局装置の登録住所を前記基地局装置の前記識別番号と関連付けて予め記憶する登録住所記憶手段と、
前記基地局内位置情報送信手段から前記位置情報及び前記識別番号を受信するサーバ内位置情報受信手段と、
前記サーバ内位置情報受信手段が受信した前記位置情報及び前記識別番号と、前記登録住所記憶手段が記憶している前記登録住所及び前記識別番号とを比較し、前記基地局装置が前記登録住所に設置されているか否かを確認する設置位置確認手段と、
を備えることを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
前記設置位置確認手段は、前記登録住所により特定される位置と前記位置情報により特定される位置との距離を算出し、前記距離に基づいて前記基地局装置が前記登録住所に設置されているか否かを確認すること、
を特徴とする無線通信システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の無線通信システムにおいて、
前記位置情報生成手段は、前記位置情報を生成するとともにその生成時刻を取得し、
前記端末内位置情報送信手段は、前記生成時刻を前記位置情報と関連付けて前記基地局装置へ送信し、
前記基地局内位置情報受信手段は、前記位置情報とともに前記生成時刻を受信し、
前記基地局内位置情報送信手段は、前記基地局内位置情報受信手段が受信した前記位置情報を当該基地局装置の識別番号及び前記生成時刻と関連付けて前記サーバへ送信し、
前記設置位置確認手段は、前記生成時刻から前記位置情報を前記サーバ内位置情報受信手段が受信した時刻までの時間を求め、求めた前記時間を前記基地局装置が前記登録住所に設置されているか否かの確認に用いること、
を特徴とする無線通信システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の無線通信システムにおいて、
前記基地局装置は、フェムトセル基地局装置であること、
を特徴とする無線通信システム。
【請求項5】
無線通信端末と無線通信するとともに、サーバと有線又は無線により接続されて通信を行う基地局装置であって、
前記無線通信端末から位置情報を受信する基地局内位置情報受信手段と、
前記基地局内位置情報受信手段が受信した前記位置情報を当該基地局装置の識別番号と関連付けて前記サーバへ送信する基地局内位置情報送信手段と、
を備えること、
を特徴とする基地局装置。
【請求項6】
無線通信端末と無線通信する基地局装置と有線又は無線により接続されており前記無線通信端末及び前記基地局装置に関する情報を管理するサーバであって、
前記基地局装置の登録住所を前記基地局装置の識別番号と関連付けて予め記憶する登録住所記憶手段と、
前記基地局装置から位置情報及び識別番号を受信するサーバ内位置情報受信手段と、
前記サーバ内位置情報受信手段が受信した前記位置情報及び前記識別番号と、前記登録住所記憶手段が記憶している前記登録住所及び前記識別番号とを比較し、前記基地局装置が前記登録住所に設置されているか否かを確認する設置位置確認手段と、
を備えること、
を特徴とするサーバ。
【請求項7】
請求項6に記載の無線通信システムにおいて、
前記設置位置確認手段は、前記登録住所により特定される位置と前記位置情報により特定される位置との距離を算出し、前記距離に基づいて前記基地局装置が前記登録住所に設置されているか否かを確認すること、
を特徴とするサーバ。
【請求項8】
無線通信端末と、
前記無線通信端末と無線通信する基地局装置と、
前記基地局装置と有線又は無線により接続されており前記無線通信端末及び前記基地局装置に関する情報を管理するサーバと、
を備えた無線通信システムにおける基地局装置の設置位置確認方法であって、
無線通信端末は、
複数の人工衛星及び複数の基地局装置の少なくとも一方から取得する情報に基づいて当該無線通信端末の位置情報を生成する位置情報生成ステップと、
前記位置情報生成ステップで生成した前記位置情報を当該無線通信端末が通信を行っている基地局装置に対して送信する端末内位置情報送信ステップと、
を行い、
前記基地局装置は、
前記端末内位置情報送信ステップで送信された前記位置情報を受信する基地局内位置情報受信ステップと、
前記基地局内位置情報受信ステップで受信した前記位置情報を当該基地局装置の識別番号と関連付けて前記サーバへ送信する基地局内位置情報送信ステップと、
を行い、
前記サーバは、
前記基地局装置の登録住所を前記基地局装置の前記識別番号と関連付けて予め記憶する登録住所記憶ステップと、
前記基地局内位置情報送信ステップで送信された前記位置情報及び前記識別番号を受信するサーバ内位置情報受信ステップと、
前記サーバ内位置情報受信ステップで受信した前記位置情報及び前記識別番号と、前記登録住所記憶ステップで記憶した前記登録住所及び前記識別番号とを比較し、前記基地局装置が前記登録住所に設置されているか否かを確認する設置位置確認ステップと、
を備えることを特徴とする基地局装置の設置位置確認方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−219753(P2010−219753A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−62891(P2009−62891)
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】