説明

無線通信制御装置、通信ライセンス管理方法、通信ライセンス管理プログラムおよびプログラム記録媒体

【課題】呼処理能力、呼量の観点に立ったリソース管理を行うことが可能な通信ライセンス管理方法を提供する。
【解決手段】無線通信ネットワークに接続された各ユーザ端末が通信呼に使用可能な当該無線通信ネットワークのリソース量の上限を契約リソース量10としてライセンス契約し、当該ユーザ端末が現在使用中のリソース量が、契約リソース量10の範囲内に収まっているか否かに基づいて、発生した新たな通信呼の受付の可否を判別する。契約リソース量10を、モニタリング周期ごとにカウントした新たな発生呼数を完了、不完了の如何を問わずに所定の累積周期に亘って累積した総合計発生呼数として許容される上限、または、該モニタリング周期ごとにカウントした完了呼数に該モニタリング周期が示す時間を該モニタリング周期における総保留時間とみなして乗算した時間を前記累積周期に亘って累積した総合計保留時間として許容される上限とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信制御装置、通信ライセンス管理方法、通信ライセンス管理プログラムおよびプログラム記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末を利用した無線通信の分野でも、従来のような音声電話やメールサービスだけでなく、映像や音楽など多種多様なマルチメディアサービスを提供するアプリケーションへと利用が拡大してきている。かかるアプリケーションにおいては、比較的短時間に大量のデータが転送されたりするバースト性があったり、あるいは、広帯域を要求したりする通信サービスが必要であり、UMTS(Universal Mobile Telecommunication System:ユニバーサル移動電話システム)のようないわゆる第3世代の移動無線システムの開発が盛んになってきている。
【0003】
ここで、多様なアプリケーションごとにそれぞれに所望のサービス品質(QoS)例えば伝送速度、遅延時間、信頼性などを提供するためには、無線通信ネットワーク内のリソース管理が重要であり、特許文献1の特開2002−319970号公報「通信ネットワーク」には、リソースの効率的な利用を維持しながら、各ユーザ端末からのサービスレベル契約(SLA)の要求を満たす良好なサービス品質(QoS)を提供することができるように、ネットワークのリソースをフレキシブルに管理する技術が提案されている。また、従来技術の別の例として、ユーザ端末との間であらかじめ通信用のライセンス契約を取り交わし、契約ライセンス量に応じて、ユーザ端末の通信呼において使用可能とされるリソースの割り当てを行うという提案もなされている。
【特許文献1】特開2002−319970号公報(第4−6頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、無線通信ネットワークの有限のリソースを、不特定多数のユーザ端末に対して、効率良く割り当てるための要件としては、まだ不十分であり、それぞれの通信呼に対して動的なリソース管理を確実に行うことができないという問題がある。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、それぞれのユーザ端末との間の通信ライセンス契約として、それぞれのユーザ端末の通信呼のトラフィック状態(例えば、単位時間当たりの総生起呼数、単位時間当たりの合計保留時間)を定期的に測定し、測定結果に基づいて、呼処理能力、呼量の観点に立ったリソースの管理を行うことを可能とする無線通信制御装置、通信ライセンス管理方法、通信ライセンス管理プログラムおよびプログラム記録媒体を提供することに、その目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の課題を解決するため、本発明による無線通信制御装置、通信ライセンス管理方法、通信ライセンス管理プログラムおよびプログラム記録媒体は、次のような特徴的な構成を採用している。
【0007】
(1)無線通信ネットワークに接続された各ユーザ端末の通信において使用される当該無線通信ネットワークのリソースを管理する無線通信制御装置において、前記ユーザ端末が通信呼に使用可能なリソース量の上限をあらかじめ契約リソース量として、当該ユーザ端末が同時に許容される接続数を用いてライセンス契約し、かつ、当該ユーザ端末の新たな通信呼が発生した際に、当該ユーザ端末の通信中の呼として現在使用されているリソース量が、同時に許容される接続数を用いて当該ユーザ端末が契約した前記契約リソース量の範囲内に収まっているか否かに基づいて、新たな通信呼を受け付けるか拒否するかを判別する無線通信制御装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明の無線通信制御装置、通信ライセンス管理方法、通信ライセンス管理プログラムおよびプログラム記録媒体によれば、それぞれのユーザ端末との間の通信ライセンス契約に対して、それぞれのユーザ端末の通信呼のトラフィック状態を定期的に測定し、測定結果に基づいて、呼処理能力(単位時間当たりの総生起呼数つまりBHCA:Busy Hour Call Attempts:最繁時呼数)、呼量(単位時間当たりの合計保留時間)の観点に立ったリソースの管理を行うことにより、ユーザ端末それぞれに対して、通信リソースを効率良く割り当て、それぞれの通信呼に対して動的なリソース管理を確実に行うことできるという効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明による無線通信制御装置、通信ライセンス管理方法、通信ライセンス管理プログラムおよびプログラム記録媒体の好適な実施形態について添付図を参照して説明する。なお、以下の説明においては、本発明による無線通信制御装置、通信ライセンス管理方法について説明するが、かかる通信ライセンス管理方法をコンピュータにより実行可能な通信ライセンス管理プログラムとして実施するようにしても良いし、あるいは、通信ライセンス管理プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしても良いことは言うまでもない。
【0010】
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴について、その概要をまず説明する。第3世代の無線通信サービスにおいて、UTRAN(UMTS Terrestrial Radio Access Network:UMTSターミナル・地上無線接続網)製品としての付加価値を付与するために、通信用のリソースを契約ライセンスとして販売する方法がある。契約ライセンスの実現方法としては、無線通信用のリソースを管理する無線通信制御装置RNC(Radio Network Controller)が、各ユーザ端末UE(User Equipment)からの通信呼(RAB: Resource Access Bearer)について、基地局を構成する通信ノードNode Bを介してモバイル交換センタMSC(Mobile Switching Center)と送受信することが可能なスループットつまりリソース量をあらかじめ契約することによって実現する。
【0011】
契約ライセンス量の付与方法としては、例えば、或る単位レート(例えば10Mbps)単位に切り売りするスループットライセンスや、無線通信制御装置RNCに接続可能なセル数、あるいは、MBMSサービス(Multimedia Broadcast and Multicast Service:マルチメディア放送および同報サービス)が可能なセル数を1セル数ごとに切り売りするセルライセンスや、さらには、従来技術にはない方法として、或る呼数単位例えば5万BHCA(Busy Hour Call Attempts:最繁時呼数)を単位に切り売りするBHCAライセンスなどが想定される。いずれも、無線通信制御装置RNCが管理するリソース能力の範囲内で、一定の単位で能力分けを行うことによって実現することになる。
【0012】
これらのライセンス販売方法のうち、本発明は、BHCAライセンスに関するものであり、本発明によるBHCAライセンスにおいては、通信の発呼回数による呼量あるいは総発呼個数による呼処理能力をベースにして、契約ライセンスにより許容されたリソース量まで、新規の通信呼(RAB)を受け入れ(Accept)、契約したリソース量をオーバした場合には、新規の通信呼(RAB)を拒否(Reject)する。
【0013】
各ユーザ端末UEとの契約ライセンスは、UTRANネットワークの運用および保守を行う運用保守センタOMC(Operation and Maintenance Centre)が司り、運用保守センタOMCは、各ユーザ端末UEとライセンス契約したリソース量を無線通信制御装置RNCにあらかじめ通報する。
【0014】
無線通信制御装置RNCは、UTRAN無線通信ネットワークに流入する通信呼(RAB)について、ユーザ端末UEあるいは他のRNCからの無線ネットワーク信号の無線通信アプリケーション部RANAP(Radio Access Network Application Part)を、新規の通信呼(RAB)として、周辺のモバイル交換センタMSCを介して、受け取ることによって、当該通信呼(RAB)として利用可能な契約ライセンスのリソース量(呼量または呼処理能力)の範囲内にあるか否かを判別する。
【0015】
つまり、或るユーザ端末UEが、無線通信制御装置RNC、例えば、或る無線通信制御装置SRNC(Serving RNC)に対して、5万BHCA分のリソース量をライセンス契約した場合、運用保守センタOMCから当該無線通信制御装置SRNCに対して、5万BHCAの契約リソース量が、当該ユーザ端末UEが送受信可能なスループットとしてあらかじめ通報される。当該ユーザ端末UEがUTRANネットワークの通信において、ライセンス契約した当該契約リソース量をオーバした場合には、無線通信制御装置SRNCでは、当該ユーザ端末UEに関する新規の通信呼(RAB)のトリガーである、リソース割当要求(RANAP:RAB ASSIGNMNET REQUEST)やリソース再配置要求(RANAP:RELOCATION REQUEST)を拒否(Reject)する。
【0016】
ここで、本発明によるBHCAライセンスとして、次の2通りの契約方法を採用する。
【0017】
まず、第1の契約ライセンスは、呼設定(リソース割当要求処理RAB ASSIGMNET Procedureまたはリソース再配置要求処理RAB RELOCATION Procedure)が成功し、かつ、あらかじめ決められた時間内の通話中の通信呼(RAB)の通話時間つまり呼保留時間(呼量)を加味して新規の通信呼(RAB)の受付の可否を判別する契約方法であり、第2の契約ライセンスは、BHCA(Busy Hour Call Attempts:最繁時呼数)の名称の通り、あらかじめ決められた時間内の呼設定処理の試行(Attempt)回数をカウントして新規の通信呼(RAB)の受付の可否を判別する契約方法である。つまり、前者は、UTRAN無線通信ネットワークのリソース保有の観点に立って、呼設定に成功した場合のみをカウントし、後者は、UTRAN無線通信ネットワークの呼処理能力の観点に立って、呼設定に成功した場合のみならず呼設定に失敗した場合も含めてカウントする。
【0018】
無線通信制御装置SRNCは、前述した2つのカウント結果の少なくともいずれか一方を基にして、ライセンス契約した契約リソース量の上限を超えた時点で、新規の通信呼(RAB)つまりリソース割当要求(RANAP:RAB ASSIGNMNET REQUEST)またはリソース再配置要求(RANAP:RAB RELOCATION REQUEST)の受付を許可(Accept)するか拒否(Reject)する。ただし、契約リソース量の上限を超える前に、ユーザ端末UEに対して契約リソース量の上限に近づいている旨の警告を通知する警告閾値を用意して、該警告閾値を超えた際に、運用保守センタOMCから、ユーザ端末UEに対して警告(Alarm)を通知することによって、ユーザ端末UEが、契約リソース量の追加を行う新規のライセンス契約を行うように促すことも可能である。
【0019】
契約リソース量の追加を行う新規のライセンス契約が、当該ユーザ端末UEから運用保守センタOMCに通知されてくると、運用保守センタOMCでは、当該ユーザ端末UEのリソースの管理を行う無線通信制御装置SRNCについて、当該ユーザ端末UEの契約ライセンスとして、例えば、5万BHCAであった契約リソース量に対してさらに5万BHCA分を追加した合計10万BHCAのリソース量を更新登録し、更新登録した合計10万BHCAのリソース量を当該無線通信制御装置SRNCに対して通知してくる。
【0020】
合計10万BHCAのリソース量への更新通知を受け取った当該無線通信制御装置SRNCにおいては、新しい契約ライセンスとして合計10万BHCAのリソース量に追加されたことを認識すると、当該ユーザ端末の契約リソース量を更新登録することにより、この時点で、旧契約リソース量を超えるような新規の通信呼(RAB)についても、拒絶(Reject)することなく、受け入れることを許可(Accept)する。
【0021】
(本発明の実施形態)
本発明の無線通信制御装置(SRNC)におけるリソース制御の概要を、図1を用いて説明する。図1は、本発明による無線通信制御装置SRNCのリソース制御の概要の一例を説明するシーケンスチャートであり、通信に割り当てるリソースを管理する無線通信制御装置SRNC(Serving RNC:サービングRNC)が備えられている無線通信ネットワークの構成を、周辺のモバイル交換センタMSC(Mobile Switching Center)、論理ノードつまり基地局Node B、ユーザ端末UE(User Equipment)とともに、示している。さらに、図1には示していないが、無線通信制御装置SRNCには、ユーザ端末UEとの間で無線通信ネットワークのリソース量をあらかじめライセンス契約を取り交わし、かつ、無線通信ネットワークを運用保守するための運用保守センタOMC(Operation and Maintenance Centre)が接続されており、運用保守センタOMCから各ユーザ端末UEが契約した契約ライセンス量としての契約リソース量に関する情報が無線通信制御装置SRNCに送付されるように構成されている。
【0022】
図1に示すように、ユーザ端末UEからの呼制御処理を司るモバイル交換センタMSCは、ユーザ端末UEから新たなリソースの割当要求を受け取ると、当該ユーザ端末UEに関するネットワークのリソース管理を行っている無線通信制御装置SRNCに対して、リソース割当要求(RANAP RAB Assignment Request)を送信する(シーケンスSEQ1)。
【0023】
無線通信制御装置SRNCは、無線通信のスイッチング動作を行うモバイル交換センタMSCから、新規のリソース割当要求を受け付けた際に、当該無線通信のユーザ端末UEがライセンス契約している契約リソース量と、当該ユーザに現在割り当てているリソース量との照合動作を行い(シーケンスSEQ2)、まだ、ライセンス契約している契約リソース量の範囲内に収まっている場合は、新たなリソースの割り当てを許可する旨の割当許可応答(RANAP RAB Assignment Response)を、モバイル交換センタMSCに返送し(シーケンスSEQ3)、一方、ライセンス契約している契約リソース量の範囲を超えている場合には、リソースの割り当てを拒否する旨の割当失敗通知(RANAP RAB Assignment Failure)を、モバイル交換センタMSCに返送する(シーケンスSEQ4)。
【0024】
この結果、モバイル交換センタMSCは、無線通信制御装置SRNCからの応答結果に応じて、割当許可応答(RANAP RAB Assignment Response)を受け取った場合は、要求元のユーザ端末UEに対してリソースアクセスベアラRAB(Resource Access Bearer)を割り当てて、通信呼の設定を完了させ、割当失敗通知(RANAP RAB Assignment Failure)を受け取った場合は、要求元のユーザ端末UEの要求を拒否(Reject)して、通信呼の設定を行わずに、不完了呼とする。
【0025】
次に、本発明による通信ライセンス管理方法として、BHCAライセンスに基づく契約ライセンスを用いる場合についてさらに説明する。ここで、BHCAライセンスに基づく契約ライセンスとして2つの通信ライセンス管理方法が存在している。ただし、無線通信制御装置RNC間のHO(Hand-Over)として、課金対象の無線接続を制御する無線通信制御装置SRNC(Serving RNC)からの要求をSRNC以外のドリフト用無線通信制御装置DRNC(Drift RNC)が拒否するケースについては、本BHCAライセンスの対象とはしない。
【0026】
第1の通信ライセンス管理方法は、無線通信ネットワークのリソース保有量の観点に立ったものであり、新規の通信呼(RAB)を受け付けるか否かを判別する際に、あらかじめ定めた時間間隔ごとの呼設定(リソース割当要求処理(RAB ASSIGMNET Procedure)またはリソース再配置要求処理(RAB RELOCATION Procedure))に成功した場合のみをカウントし、成功した通信呼(RAB)の通話時間つまり呼保留時間を加味して、契約ライセンス量としての契約リソース量の範囲内に収まっているか否かを判別するものである。つまり、第1の通信ライセンス管理方法の場合は、通信の発呼回数のうち呼設定完了呼数による呼量をベースにして、契約したBHCAライセンス量として許容された値(契約リソース量)以下に収まる間は、新規の通信呼(RAB)を受け入れ(Accept)、契約したBHCAライセンス量として許容された値(契約リソース量)をオーバした場合には、新規の通信呼(RAB)を拒否(Reject)する。
【0027】
第2の通信ライセンス管理方法は、呼処理能力の観点に立ったものであり、新規の通信呼(RAB)を受け付けるか否かを判別する際に、BHCA(Busy Hour Call Attempts)の名称の通り、あらかじめ定めた時間間隔ごとの呼設定処理を試みた試行回数(Attempt回数)をカウントし、契約ライセンス量として許容された値(契約リソース量)の範囲内に収まっているか否かを判別するものである。つまり、第2の通信ライセンス管理方法の場合は、呼設定が完了したか不完了であったかを問わず、通信の発呼回数すべてをベースにして、契約したBHCAライセンス量として許容された値(契約リソース量)以下に収まる間は、新規の通信呼(RAB)を受け入れ(Accept)、契約したBHCAライセンス量として許容された値(契約リソース量)をオーバした場合には、新規の通信呼(RAB)を拒否(Reject)する。
【0028】
ここで、新規の通信呼(RAB)が生起する場合としては、モバイル交換センタMSCからのリソース割当要求処理(RAB ASSIGNMENT Procedure)により生起される場合、あるいは、他の無線通信制御装置SRNCからのリソース再配置要求処理(RAB RELOCATION Procedure)により、当該無線通信制御装置SRNCに転送されてくる場合の二つがある。
【0029】
また、通信呼(RAB)が解放される場合としては、モバイル交換センタMSCからのリソース開放処理(RAB RELEASE Procedure)によって解放される場合、あるいは、リソース再配置要求処理(RAB RELOCATION Procedure)により、当該無線通信制御装置SRNCから他の無線通信制御装置SRNCに転送される場合がある。
【0030】
まず、第1の通信ライセンス管理方法について、図2を用いて説明する。図2は、本発明の通信ライセンス管理方法のうち、第1の通信ライセンス管理方法における通信呼の保留時間の測定方法の一例を説明するための概念図である。図2(A)には、通信呼(RAB)の一例として、或るユーザ端末UEから生起されている複数(図2(A)の場合、通信呼(a)〜(e)の最大5個)の通信呼(RAB)についてそれぞれが生起した時点から、通信呼(RAB)が解放される時点までを太線で示しており、各通信呼(RAB)の継続状態を30秒周期でモニタリングしている例を示している。また、図2(B)には、図2(A)の30秒ごとのモニタリング結果に基づく総保留時間の算出例を示している。
【0031】
図2(A)に示すように、或るユーザ端末UEは、時刻5:34:00から時刻5:37:00までの間に、通信呼(a)〜(e)と最大で5個の通信呼を発呼しており、周辺のモバイル交換センタMSCは、30秒周期で、定期的に、その時点で呼設定確立済みの通信呼に関する同時接続数を取得して、無線通信制御装置SRNCに対して送信している。ここで、モバイル交換センタMSCは、図2(A)に○印で示している時刻で、通信中か否かを通信呼(a)〜(e)についてモニタリングしているものとする。
【0032】
例えば、時刻5:34:00の時刻で、無線通信制御装置SRNCに通知する通信中の同時接続数は、通信呼(b)の1個であり、30秒後の時刻5:34:30の時刻で、無線通信制御装置SRNCに通知する通信中の同時接続数は、通信呼(a)、(b)、(d)の3個であり、さらに30秒後の時刻5:35:00の時刻で、無線通信制御装置SRNCに通知する通信中の同時接続数は、通信呼(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の5個である。
【0033】
図2(A)の或るユーザ端末UEの通信呼(RAB)の30秒ごとのモニタリング結果をモバイル交換センタMSCから受け取った無線通信制御装置SRNCは、図2(B)に示すように、同時接続数の各通信呼は30秒の間継続していたものとみなして(図2(A)に示すように、30秒を超えている通信呼または30秒に達していない通信呼も存在しているが)、一律、同時接続数に対してモニタリング周期の30秒を乗算した値を、当該ユーザ端末UEに関する当該モニタリング期間の全通信呼の総保留時間であるものとして算出する。
【0034】
例えば、時刻5:34:00の時刻では、同時接続数は1個であるので、その時点の総保留時間は、1×30=30秒であり、30秒後の時刻5:34:30の時刻では、同時接続数は3個であるので、その時点の総保留時間は、3×30=90秒であり、さらに30秒後の時刻5:35:00の時刻では、同時接続数は5個であるので、その時点の総保留時間は、5×30=150秒である。
【0035】
新規の通信呼(RAB)が生起した際に、算出した総保留時間に基づいて、当該ユーザ端末UEと契約したBHCAライセンス量としての契約リソース量と比較することによって、30秒周期のそれぞれのモニタリング周期において、生起した新規の通信呼(RAB)を受け入れるか否かを判別することになる。
【0036】
図3は、本発明の通信ライセンス管理方法のうち、第1の通信ライセンス管理方法の一例を説明するための概念図であり、図2に示した保留時間の測定方法と同様、あらかじめ定めたモニタリング周期例えば30秒周期でモニタリングを継続し、モニタリングした総保留時間を累積するための期間としてあらかじめ定めた累積周期例えば過去60分(=1時間)の間の通信呼の総保留時間を用いて、契約したBHCAライセンス量としての契約リソース量と比較して、新規の通信呼(RAB)を受け入れるか拒否するか(AcceptするかRejectするか)を決定する例を示している。
【0037】
図3に示す例においては、時刻12:00:00から30秒ごとに、無線通信制御装置SRNCは、モバイル交換センタMSCから、ユーザ端末UEごとの同時接続数を受け取っており、図2にて説明したように、受け取った同時接続数に一律30秒を乗算することにより、ユーザ端末UEごとにそれぞれのモニタリング周期における総保留時間を算出している。
【0038】
例えば、図3に示すように、或るユーザ端末UEにおいて、時刻12:00:00において受け取った同時接続数は10個であるので、その時点の総保留時間は、10×30=300秒であり、30秒後の時刻12:00:30において受け取った同時接続数は8個であるので、その時点の総保留時間は、8×30=240秒であり、…、時刻12:00:00から59分30秒後の時刻12:59:30において受け取った同時接続数は3個であるので、その時点の総保留時間は、3×30=90秒であり、時刻12:00:00から60分後の時刻13:00:00において受け取った同時接続数は20個であるので、その時点の総保留時間は、20×30=600秒である。
【0039】
したがって、例えば、現在時刻が12:59:30であった場合、過去1時間の合計保留時間は、時刻12:00:00の時点から時刻12:59:30の時点までの120個それぞれの総保留時間の合計であり、図3の式(a)に示すように、例えば、
300+240+…+90=49,950秒
として求められる。
【0040】
さらに30秒後の13:00:00になった時点では、過去1時間の合計保留時間は、時刻12:00:30の時点から時刻13:00:00の時点までの120個それぞれの総保留時間の合計であり、図3の式(b)に示すように、例えば、
240+…+90+600=50,250秒
として求められる。
【0041】
ここで、当該ユーザ端末UEと契約したBHCAライセンス量としての契約リソース量つまり1時間当たりの契約合計保留時間が50,000秒であり、かつ、ユーザ端末UEに対してあらかじめ警告通知を行うための警告閾値として、契約したBHCAライセンス量としての契約リソース量の85%を超えた場合つまり1時間当たりの契約合計保留時間が50,000秒×85%=42,500秒を超えた場合に、当該ユーザ端末UEに対して使用中のリソース量が契約リソース量に近づいた旨の警告情報(アラーム)を通知することにしていた場合、図3のような通信状態にあった場合には、図4に示すような動作が行われる。
【0042】
図4は、本発明による通信ライセンス管理方法のユーザ端末UEに対する制御動作を説明するための模式図であり、前述のようなBHCAライセンス量としての契約リソース量つまり1時間当たりの契約合計保留時間が50,000秒の場合において図3に示す合計保留時間が計測された場合の制御動作の一例を示している。
【0043】
図4に示すように、契約リソース量10は、50,000秒であり、過去1時間の合計保留時間が該契約リソース量10を超えた場合には、新規の通信呼(RAB)の受け付けを、前述のように、拒否(Reject)する。また、アラーム発動量11は、42,500秒であり、過去1時間の合計保留時間が該アラーム発動量11を超えた場合、新規の通信呼(RAB)は受け付けるものの、当該ユーザ端末UEに対して、契約リソース量10に近づいているので、さらなるライセンスの追加を促す警報(アラーム)を通報する。また、アラーム解除量12は、35,000秒であり、一旦アラーム発動状態が発生した以降において、過去1時間の合計保留時間が該アラーム解除量12を下回った場合に、当該ユーザ端末UEに対して通報されていた警報(アラーム)の送信動作を停止する。ここに、アラーム解除量12は、警告解除閾値として、契約リソース量10の70%の値に設定されている例を示している。
【0044】
図4に示すように、図3の場合の時刻12:59:30において、或るユーザ端末UEの過去1時間の合計保留時間が、アラーム発動量11の42,500秒を上回る49,950秒となったので、新規呼は受け付けるものの、無線通信制御装置SRNCは運用保守センタOMCに対してアラーム発動状態の発生を報告し、該報告を受け取った運用保守センタOMCは、当該ユーザ端末UEに対して、契約リソース量10に近づいているので、さらなるライセンスの追加つまり契約リソース量の追加を促す警報(アラーム)を通報する。
【0045】
さらに30秒後の時刻13:00:00においては、過去1時間の合計保留時間が、図3の例では、契約リソース量10の50,000秒を上回る50,250秒となるので、当該30秒の周期の間は、新規呼の受付は、拒否(Reject)される。しかる後、30秒周期で、当該ユーザ端末UEの過去1時間分の合計保留時間の算出処理は継続され、契約リソース量10の50,000秒を下回った時点で、新規呼の受け入れを再開するが、アラーム発動状態は継続している。
【0046】
さらに時刻が経過して、例えば、時刻13:20:00において、アラーム解除量12の35,000秒を下回る32,000秒にまで低下した場合、無線通信制御装置SRNCは、運用保守センタOMCに対して、今まで発生していたアラーム発動状態の消滅を報告し、該報告を受け取った運用保守センタOMCは、当該ユーザ端末UEに対して、新規呼の発生の都度、通報していた警報(アラーム)の送信動作を停止する。
【0047】
なお、運用保守センタOMCからライセンスの追加を促す警報(アラーム)を通報されたユーザ端末UEが、新たなライセンスの追加を要求して、今までのBHCAライセンス量としての契約リソース量つまり1時間当たりの契約合計保留時間の50,000秒を100,000秒に変更する旨が、運用保守センタOMCに対して通知されてきた場合、運用保守センタOMCは、無線通信制御装置SRNCに対して、当該ユーザ端末UEのBHCAライセンス量としての契約リソース量つまり1時間当たりの契約合計保留時間を100,000秒に更新する旨通知してくる。
【0048】
運用保守センタOMCからのBHCAライセンス量としての契約リソース量の更新通知を受け取った無線通信制御装置SRNCは、当該ユーザ端末UEに関する契約リソース量10を今までの50,000秒から100,000秒に更新する。したがって、更新後においては、過去1時間の合計保留時間が、契約リソース量10の100,000秒を上回らない限り、新規呼は受け付けられる(Acceptされる)。また、契約リソース量10の更新に伴い、アラーム発動量11、アラーム解除量12も、それぞれ、更新後の契約リソース量10の85%である85,000秒、更新後の契約リソース量10の70%である70,000秒に更新される。
【0049】
次に、第2の通信ライセンス管理方法について、図5を用いて説明する。図5は、本発明の通信ライセンス管理方法のうち、第2の通信ライセンス管理方法における通信呼の呼設定処理を試みたAttempt回数(発生呼数)の測定方法の一例を説明するための概念図である。図5(A)には、図2(A)の場合と同様の記述方法を用いて、通信呼(RAB)の一例として、或るユーザ端末UEから生起されている複数(図5(A)の場合、通信呼(a)〜(g)の最大7個であり、そのうち、通信呼(f)、(g)は呼設定に失敗した不完了呼であることを示している)の通信呼(RAB)についてそれぞれが生起した時点から、通信呼(RAB)が解放される時点までを太線で示しており、各通信呼(RAB)の呼設定の成功通信呼(RAB)数、失敗呼(RAB)数を30秒周期でモニタリングしている例を示している。また、図5(B)には、図5(A)の30秒ごとのモニタリング結果に基づく呼設定の成功通信呼(RAB)数、失敗通信呼(RAB)数および合計通信呼(RAB)数の算出例を示している。
【0050】
例えば、時刻5:33:30から時刻5:34:00までに生起した通信呼(RAB)として、無線通信制御装置SRNCに通知する呼設定の成功通信呼(RAB)数は、通信呼(a)、通信呼(d)の2個で、失敗通信呼(RAB)数は0個であり、30秒後の時刻5:34:00から時刻5:34:30までに生起した通信呼(RAB)として、無線通信制御装置SRNCに通知する呼設定の成功通信呼(RAB)数は、通信呼(c)、通信呼(e)の2個で、失敗通信呼(RAB)数は、通信呼(f)の1個であり、さらに30秒後の時刻5:34:30から時刻5:35:00までに生起した通信呼(RAB)として、無線通信制御装置SRNCに通知する呼設定の成功通信呼(RAB)数、失敗通信呼(RAB)数は、いずれも0個である。
【0051】
図5(A)の或るユーザ端末UEの通信呼(RAB)の30秒ごとのモニタリング結果をモバイル交換センタMSCから受け取った無線通信制御装置SRNCは、図5(B)に示すように、あらかじめモニタリング周期として定めた時間間隔例えば30秒ごとの呼設定の成功通信呼(RAB)数、失敗通信呼(RAB)数を合計した合計発生通信呼(RAB)数を、当該ユーザ端末UEが呼設定処理を試みた試行回数(Attempt回数)として算出する。
【0052】
例えば、時刻5:34:00の時刻では、成功通信呼(RAB)数、失敗通信呼(RAB)数がそれぞれ2個、0個であるので、その周期の合計発生通信呼(RAB)数は、2+0=2個であり、30秒後の時刻5:34:30の時刻では、成功通信呼(RAB)数、失敗通信呼(RAB)数がそれぞれ2個、1個であるので、その周期の合計発生通信呼(RAB)数は、2+1=3個であり、さらに30秒後の時刻5:35:00の時刻では、成功通信呼(RAB)数、失敗通信呼(RAB)数がいずれも0個であるので、その周期の合計発生通信呼(RAB)数は、0+0=0個である。
【0053】
新規呼が生起した際に、算出した合計発生通信呼(RAB)数つまり呼設定処理を試みた試行回数(Attempt回数)を、当該ユーザ端末UEと契約したBHCAライセンス量としての契約リソース量と比較することによって、30秒周期のそれぞれのモニタリング周期において、生起した新規呼を受け入れるか否かを判別することになる。本第2の通信ライセンス管理方法における合計発生通信呼(RAB)つまり呼設定処理を試みた試行回数(Attempt回数)についても、前述した第1の通信ライセンス管理方法の図3の場合と同様に、あらかじめ定めたモニタリング周期例えば30秒周期でモニタリングを継続し、モニタリングした総発生呼数を累積するための期間としてあらかじめ定めた累積周期例えば過去60分(=1時間)の総合計発生通信呼(RAB)数を用いて、契約したBHCAライセンス量としての契約リソース量例えば50,000通信呼(RAB)数と比較して、新規呼を受け入れるか拒否するか(AcceptするかRejectするか)を決定するようにすれば良い。
【0054】
さらに、前述した第1の通信ライセンス管理方法の図4の場合と同様に、過去1時間の総合計発生通信呼(RAB)数が、契約したBHCAライセンス量例えば50,000通信呼(RAB)数を示す契約リソース量10を超えた場合には、新規の通信呼(RAB)の受け付けを拒否(Reject)する。また、アラーム発動量11として、契約リソース量10の例えば50,000通信呼(RAB)数の85%の42,500通信呼(RAB)数を設定して、過去1時間の総合計発生通信呼(RAB)数が、該アラーム発動量11を超えた場合、新規の通信呼(RAB)は受け付けるものの、当該ユーザ端末UEに対して、契約リソース量10に近づいているので、さらなるライセンスの追加を促す警報(アラーム)を通報する。また、アラーム解除量12として、契約リソース量10の例えば50,000通信呼(RAB)数の70%の35,000通信呼(RAB)数を設定して、一旦アラーム発動状態が発生した以降において、過去1時間の合計保留時間が該アラーム解除量12を下回った場合に、当該ユーザ端末UEに対して通報されていた警報(アラーム)の送信動作を停止する。
【0055】
以上、本発明の好適実施例の構成を説明した。しかし、斯かる実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。例えば、本発明の実施態様は、課題を解決するための手段における構成(1)に加えて、次のような構成として表現できる。
【0056】
(2)前記契約リソース量が、モニタリング周期としてあらかじめ定めた時間間隔ごとに、前記ユーザ端末が新たに発生した通信呼の発生呼数をカウントし、前記モニタリング周期ごとにカウントした通信呼の発生呼数をあらかじめ定めた累積周期に亘って総合計発生呼数として累積した際に、累積した該総合計発生呼数として許容される上限である上記(1)の無線通信制御装置。
(3)前記モニタリング周期ごとに発生呼数をカウントする通信呼が、呼設定を完了した完了呼のみならず、呼設定ができなかった不完了呼も含む上記(2)の無線通信制御装置。
(4)前記契約リソース量が、モニタリング周期としてあらかじめ定めた時間間隔ごとに、前記ユーザ端末が通信中の通信呼数をカウントし、カウントした通信呼数に前記モニタリング周期が示す時間を乗算して各モニタリング周期ごとの総保留時間を算出し、前記モニタリング周期ごとに算出した前記総保留時間をあらかじめ定めた累積周期に亘って総合計保留時間として累積した際に、累積した該総合計保留時間として許容される上限である上記(1)の無線通信制御装置。
(5)前記モニタリング周期ごとに通信呼数をカウントする通信呼が、呼設定を完了した完了呼のみとする上記(4)の無線通信制御装置。
(6)前記契約リソース量に対してあらかじめ定めた割合を警告閾値として設定し、前記ユーザ端末に関する通信呼として現在使用されているリソース量が前記警告閾値を超えた場合に、当該ユーザ端末に対して、現在の利用リソース量が前記契約リソース量に近づいている旨の警告通知を行う上記(1)ないし(5)のいずれかの無線通信制御装置。
(7)前記警告閾値を下回る値を警告解除閾値として設定し、前記ユーザ端末に関する通信呼として現在使用されているリソース量が、前記警告閾値を超えた以降において、前記警告解除閾値よりも下回った場合に、当該ユーザ端末に対して通知していた警告通知の解除を行う上記(6)の無線通信制御装置。
(8)無線通信ネットワークに接続された各ユーザ端末の通信において使用される当該無線通信ネットワークのリソースを管理するために、前記ユーザ端末が通信呼に使用可能なリソース量の上限をあらかじめ契約リソース量として、当該ユーザ端末が同時に許容される接続数を用いてライセンス契約する通信ライセンス管理方法であって、当該ユーザ端末の新たな通信呼が発生した際に、当該ユーザ端末の通信中の呼として現在使用されているリソース量が、同時に許容される接続数を用いて当該ユーザ端末が契約した前記契約リソース量の範囲内に収まっているか否かに基づいて、新たな通信呼を受け付けるか拒否するかを判別する通信ライセンス管理方法。
(9)前記契約リソース量が、モニタリング周期としてあらかじめ定めた時間間隔ごとに、前記ユーザ端末が新たに発生した通信呼の発生呼数をカウントし、前記モニタリング周期ごとにカウントした通信呼の発生呼数をあらかじめ定めた累積周期に亘って総合計発生呼数として累積した際に、累積した該総合計発生呼数として許容される上限である上記(8)の通信ライセンス管理方法。
(10)前記モニタリング周期ごとに発生呼数をカウントする通信呼が、呼設定を完了した完了呼のみならず、呼設定ができなかった不完了呼も含む上記(9)の通信ライセンス管理方法。
(11)前記契約リソース量が、モニタリング周期としてあらかじめ定めた時間間隔ごとに、前記ユーザ端末が通信中の通信呼数をカウントし、カウントした通信呼数に前記モニタリング周期が示す時間を乗算して各モニタリング周期ごとの総保留時間を算出し、前記モニタリング周期ごとに算出した前記総保留時間をあらかじめ定めた累積周期に亘って総合計保留時間として累積した際に、累積した該総合計保留時間として許容される上限である上記(8)の通信ライセンス管理方法。
(12)前記モニタリング周期ごとに通信呼数をカウントする通信呼が、呼設定を完了した完了呼のみとする上記(11)の通信ライセンス管理方法。
(13)前記契約リソース量に対してあらかじめ定めた割合を警告閾値として設定し、前記ユーザ端末に関する通信呼として現在使用されているリソース量が前記警告閾値を超えた場合に、当該ユーザ端末に対して、現在の利用リソース量が前記契約リソース量に近づいている旨の警告通知を行う上記(8)ないし(12)のいずれかの通信ライセンス管理方法。
(14)前記警告閾値を下回る値を警告解除閾値として設定し、前記ユーザ端末に関する通信呼として現在使用されているリソース量が、前記警告閾値を超えた以降において、前記警告解除閾値よりも下回った場合に、当該ユーザ端末に対して通知していた警告通知の解除を行う上記(13)の通信ライセンス管理方法。
(15)上記(8)ないし(14)のいずれかの通信ライセンス管理方法を、コンピュータにより実行可能なプログラムとして実施する通信ライセンス管理プログラム。
(16)上記(15)の通信ライセンス管理プログラムを、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録しているプログラム記録媒体。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明による無線通信制御装置のリソース制御の概要の一例を説明するシーケンスチャートである。
【図2】本発明の通信ライセンス管理方法のうち、第1の通信ライセンス管理方法における通信呼の保留時間の測定方法の一例を説明するための概念図である。
【図3】本発明の通信ライセンス管理方法のうち、第1の通信ライセンス管理方法の一例を説明するための概念図である。
【図4】本発明による通信ライセンス管理方法のユーザ端末UEに対する制御動作を説明するための模式図である。
【図5】本発明の通信ライセンス管理方法のうち、第2の通信ライセンス管理方法における通信呼の呼設定処理を試みた回数の測定方法の一例を説明するための概念図である。
【符号の説明】
【0058】
11 アラーム発動量
12 アラーム解除量
10 契約リソース量
MSC モバイル交換センタ(Mobile Switching Center)
Node B 基地局(論理ノード)
OMC 運用保守センタ(Operation and Maintenance Centre)
SRNC 無線通信制御装置(Serving RNC)
UE ユーザ端末(User Equipment)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信ネットワークに接続された各ユーザ端末の通信において使用される当該無線通信ネットワークのリソースを管理する無線通信制御装置において、前記ユーザ端末が通信呼に使用可能なリソース量の上限をあらかじめ契約リソース量として、当該ユーザ端末が同時に許容される接続数を用いてライセンス契約し、かつ、当該ユーザ端末の新たな通信呼が発生した際に、当該ユーザ端末の通信中の呼として現在使用されているリソース量が、同時に許容される接続数を用いて当該ユーザ端末が契約した前記契約リソース量の範囲内に収まっているか否かに基づいて、新たな通信呼を受け付けるか拒否するかを判別することを特徴とする無線通信制御装置。
【請求項2】
前記契約リソース量が、モニタリング周期としてあらかじめ定めた時間間隔ごとに、前記ユーザ端末が新たに発生した通信呼の発生呼数をカウントし、前記モニタリング周期ごとにカウントした通信呼の発生呼数をあらかじめ定めた累積周期に亘って総合計発生呼数として累積した際に、累積した該総合計発生呼数として許容される上限であることを特徴とする請求項1に記載の無線通信制御装置。
【請求項3】
前記モニタリング周期ごとに発生呼数をカウントする通信呼が、呼設定を完了した完了呼のみならず、呼設定ができなかった不完了呼も含むことを特徴とする請求項2に記載の無線通信制御装置。
【請求項4】
前記契約リソース量が、モニタリング周期としてあらかじめ定めた時間間隔ごとに、前記ユーザ端末が通信中の通信呼数をカウントし、カウントした通信呼数に前記モニタリング周期が示す時間を乗算して各モニタリング周期ごとの総保留時間を算出し、前記モニタリング周期ごとに算出した前記総保留時間をあらかじめ定めた累積周期に亘って総合計保留時間として累積した際に、累積した該総合計保留時間として許容される上限であることを特徴とする請求項1に記載の無線通信制御装置。
【請求項5】
前記モニタリング周期ごとに通信呼数をカウントする通信呼が、呼設定を完了した完了呼のみとすることを特徴とする請求項4に記載の無線通信制御装置。
【請求項6】
前記契約リソース量に対してあらかじめ定めた割合を警告閾値として設定し、前記ユーザ端末に関する通信呼として現在使用されているリソース量が前記警告閾値を超えた場合に、当該ユーザ端末に対して、現在の利用リソース量が前記契約リソース量に近づいている旨の警告通知を行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の無線通信制御装置。
【請求項7】
前記警告閾値を下回る値を警告解除閾値として設定し、前記ユーザ端末に関する通信呼として現在使用されているリソース量が、前記警告閾値を超えた以降において、前記警告解除閾値よりも下回った場合に、当該ユーザ端末に対して通知していた警告通知の解除を行うことを特徴とする請求項6に記載の無線通信制御装置。
【請求項8】
無線通信ネットワークに接続された各ユーザ端末の通信において使用される当該無線通信ネットワークのリソースを管理するために、前記ユーザ端末が通信呼に使用可能なリソース量の上限をあらかじめ契約リソース量として、当該ユーザ端末が同時に許容される接続数を用いてライセンス契約する通信ライセンス管理方法であって、当該ユーザ端末の新たな通信呼が発生した際に、当該ユーザ端末の通信中の呼として現在使用されているリソース量が、同時に許容される接続数を用いて当該ユーザ端末が契約した前記契約リソース量の範囲内に収まっているか否かに基づいて、新たな通信呼を受け付けるか拒否するかを判別することを特徴とする通信ライセンス管理方法。
【請求項9】
前記契約リソース量が、モニタリング周期としてあらかじめ定めた時間間隔ごとに、前記ユーザ端末が新たに発生した通信呼の発生呼数をカウントし、前記モニタリング周期ごとにカウントした通信呼の発生呼数をあらかじめ定めた累積周期に亘って総合計発生呼数として累積した際に、累積した該総合計発生呼数として許容される上限であることを特徴とする請求項8に記載の通信ライセンス管理方法。
【請求項10】
前記モニタリング周期ごとに発生呼数をカウントする通信呼が、呼設定を完了した完了呼のみならず、呼設定ができなかった不完了呼も含むことを特徴とする請求項9に記載の通信ライセンス管理方法。
【請求項11】
前記契約リソース量が、モニタリング周期としてあらかじめ定めた時間間隔ごとに、前記ユーザ端末が通信中の通信呼数をカウントし、カウントした通信呼数に前記モニタリング周期が示す時間を乗算して各モニタリング周期ごとの総保留時間を算出し、前記モニタリング周期ごとに算出した前記総保留時間をあらかじめ定めた累積周期に亘って総合計保留時間として累積した際に、累積した該総合計保留時間として許容される上限であることを特徴とする請求項8に記載の通信ライセンス管理方法。
【請求項12】
前記モニタリング周期ごとに通信呼数をカウントする通信呼が、呼設定を完了した完了呼のみとすることを特徴とする請求項11に記載の通信ライセンス管理方法。
【請求項13】
前記契約リソース量に対してあらかじめ定めた割合を警告閾値として設定し、前記ユーザ端末に関する通信呼として現在使用されているリソース量が前記警告閾値を超えた場合に、当該ユーザ端末に対して、現在の利用リソース量が前記契約リソース量に近づいている旨の警告通知を行うことを特徴とする請求項8ないし12のいずれかに記載の通信ライセンス管理方法。
【請求項14】
前記警告閾値を下回る値を警告解除閾値として設定し、前記ユーザ端末に関する通信呼として現在使用されているリソース量が、前記警告閾値を超えた以降において、前記警告解除閾値よりも下回った場合に、当該ユーザ端末に対して通知していた警告通知の解除を行うことを特徴とする請求項13に記載の通信ライセンス管理方法。
【請求項15】
請求項8ないし14のいずれかに記載の通信ライセンス管理方法を、コンピュータにより実行可能なプログラムとして実施することを特徴とする通信ライセンス管理プログラム。
【請求項16】
請求項15に記載の通信ライセンス管理プログラムを、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録していることを特徴とするプログラム記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2009−232136(P2009−232136A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−74864(P2008−74864)
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】