説明

無線通信装置

【課題】搭載されるアンテナの巨大化を抑制すること。
【解決手段】第1のアンテナと、第2のアンテナと、前記第1のアンテナと接続する第1のケーブルと、前記第2のアンテナと接続する第2のケーブルと、前記第1のケーブル及び前記第2のケーブルの他端に接続する第1の混合分配器と、前記第1の混合分配器と接続する第3のケーブルと、前記第3のケーブルと接続する第1の無線通信モジュールとを有し、前記第1の混合分配器は、前記第1のアンテナで受信した第1の受信信号と、前記第2のアンテナで受信した第2の受信信号とを混合して前記第3のケーブルに出力し、前記第1の無線通信モジュールは、前記第3のケーブルを介して前記混合された受信信号を受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、複数の周波数帯域を用いて無線通信を行う無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ノートブック型等の携帯型パーソナルコンピュータにおいて外部デバイスとの無線通信を実行するための無線通信機能を有するものが開発されている。
【0003】
現在WWAN(Wireless Wide Area Network)としてLTE(Long Term Evolution)のサービスが開始されており、LTE内蔵のパーソナルコンピュータの開発も進められている。このLTEのサービスに対応するために、アンテナ側では700MHz帯や800MHz帯、900MHz帯等の新周波数帯域をサポートする必要が生じる。
【0004】
700MHz帯はこれまでにサポートしていた帯域に比べて低い周波数帯域である。即ち、700MHz帯の電波の波長は長くなる。また、従来周波数と同時に新しく追加されるLTE周波数をサポートする必要がある。従って、LTEのアンテナは、これまでのアンテナよりも大きくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−154117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
アンテナの広帯域化が要求されることに伴って、アンテナの実装スペースが拡大することとなるので、アンテナの巨大化を抑制したいという要望がある。
【0007】
本発明の目的は、搭載されるアンテナの巨大化を抑制することが可能な無線通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態によれば、無線通信装置は、第1のアンテナと、第2のアンテナと、一端が前記第1のアンテナと接続する第1のケーブルと、一端が前記第2のアンテナと接続する第2のケーブルと、前記第1のケーブルの他端及び前記第2のケーブルの他端に接続する第1の混合分配器と、一端が前記第1の混合分配器と接続する第3のケーブルと、前記第3のケーブルの他端と接続する無線通信モジュールと、を有し、前記第1の混合分配器は、前記第1のアンテナで受信した第1の受信信号と、前記第2のアンテナで受信した第2の受信信号とを混合して前記第3のケーブルに出力し、前記無線通信モジュールは、前記第3のケーブルを介して前記混合された受信信号を受信する。
【0009】
を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態に係る無線通信装置の外観を示す斜視図。
【図2】第1の実施形態に係る無線通信装置のシステム構成を示すブロック図。
【図3】日本(JP)、アメリカ(US)、ヨーロッパ(EU)において、WWANに割り当てられる周波数帯域の一例を示す図。
【図4】第1の実施形態の無線通信装置内の無線通信モジュールによって無線信号を送信する送信処理の手順を示すフローチャート。
【図5】第1の実施形態の無線通信装置内のアンテナによって無線信号を受信する受信処理の手順を示すフローチャート。
【図6】第1の実施形態に係る無線通信装置の変形例を示す斜視図。
【図7】第2の実施形態に係る無線通信装置の外観を示す斜視図。
【図8】第2の実施形態の無線通信装置によってサポートされる通信サービスの周波数帯域の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1には、実施形態に係る無線通信装置の外観が示されている。この電子機器はバッテリ駆動可能な携帯型パーソナルコンピュータ10として実現されている。
【0013】
図1は、コンピュータ10のディスプレイユニットを開いた状態における斜視図である。本コンピュータ10は、コンピュータ本体11と、ディスプレイユニット12とから構成される。ディスプレイユニット12には、LCD(Liquid Crystal Display)17から構成される表示装置が組み込まれており、そのLCD17の表示画面はディスプレイユニット12のほぼ中央に位置されている。
【0014】
また、ディスプレイユニット12内部には、アンテナ1A、アンテナ1B、アンテナ2A、アンテナ2B、及び混合分配器123A(123B)が設けられている。アンテナ1A(アンテナ1B)、アンテナ2A(アンテナ2B)は、それぞれ異なる周波数帯域に対応するアンテナである。アンテナ1A及びアンテナ2Aは、それぞれケーブル3A、ケーブル4Aを介して混合分配器123Aの対応するポート(アンテナ端子)へ接続されている。アンテナ1B及びアンテナ2Bは、それぞれケーブル3B、ケーブル4Bを介して混合分配器123Bの対応するポート(アンテナ端子)へ接続されている。アンテナ1A及びアンテナ1Bはダイバーシティによって電波の送受信を行うための一対のアンテナである。また、アンテナ2A及びアンテナ2Bはダイバーシティによって電波の送受信を行うための一対のアンテナである。
【0015】
ディスプレイユニット12は、コンピュータ本体11にヒンジ部18を介して回動自在に取り付けられている。ヒンジ部18はコンピュータ本体11にディスプレイユニット12を連結する連結部である。すなわち、ディスプレイユニット12は、コンピュータ本体11の後端部に配置されたヒンジ部18によって支持されている。ディスプレイユニット12は、コンピュータ本体11に対してコンピュータ本体11の上面が露出される開放位置とコンピュータ本体11の上面がディスプレイユニット12によって覆われる閉塞位置との間をヒンジ部18によって回動自在に取り付けられている。
【0016】
コンピュータ本体11は薄い箱形の筐体を有するベースユニットであり、その上面にはキーボード13、本コンピュータ10をパワーオン/パワーオフするためのパワーボタン14、およびタッチパッド16などが配置されている。また、コンピュータ本体11内部には、各種電子部品が設けられたシステム基板(マザーボードとも云う)、無線通信モジュール126が設けられている。
【0017】
無線通信モジュール126は、例えば、LTE(Long Term Evolution)に従って外部デバイスとの無線通信を実行する無線通信デバイスである。無線通信モジュール126は、日本、アメリカ、およびヨーロッパのLTEサービスに対応する。無線通信モジュール126は、例えば、システム基板上に設けられたバススロットに接続される。
【0018】
図3に、日本(JP)、アメリカ(US)、ヨーロッパ(EU)において、LTEサービスに割り当てられる周波数帯域の一例をグラフにして示す。図3に示すように、例えば、LTEに対して、日本では700MHz帯、800MHz帯、900MHz帯、1.5GHz帯、および2GHz帯が用いられるとする。また、アメリカでは、700MHz帯が用いられるとする。また、ヨーロッパでは、800MHz帯および2.6GHz帯が用いられるとする。
【0019】
無線通信モジュール126は、アンテナ1A(アンテナ1B)またはアンテナ2A(アンテナ2B)を用いてダイバーシティによって無線信号の受信を行う。無線通信モジュール126は、アンテナ1A(アンテナ1B)およびアンテナ2A(アンテナ2B)の一方を用いて無線信号の送信を行う。アンテナ1A(アンテナ1B)は、700MHz帯、800MHz帯、および900MHz帯の周波数帯域をカバーする。また、アンテナ2A(アンテナ2B)は1.5GHz帯、1.9GHz帯、2GHz帯、および2.6GHz帯の周波数帯域をカバーする。
【0020】
アンテナ1A(1B),2A(2B)の搭載位置は、例えば、ディスプレイユニット12内の上端部に近い位置である。アンテナ1A(1B),2A(2B)をディスプレイユニット12内の上端部に近い位置に設けることにより、無線通信モジュール126は、アンテナ1A(1B),2A(2B)が比較的高い位置に配置されている状態で外部デバイスとの無線通信を実行することができる。
【0021】
LTEに割り当てられる複数の周波数帯域を一つのアンテナでカバーしようとすると、全ての帯域で必要な利得を得られることができない恐れがある上、非常にアンテナサイズが大きくなる恐れもある。そこで、700MHz帯、800MHz帯、および900MHz帯をアンテナ1A(1B)でカバーし、1.5GHz帯より高い周波数帯域をアンテナ2A(2B)でカバーする。
【0022】
900MHz帯の上限は960MHzであり、1.5GHz帯の下限は1427.9MHzである。混合分配器123A(123B)は、ダイプレクサを実装しており、960MHzと1427.9MHzとの間に設定される境界周波数を境にして、無線通信モジュール126から供給された信号をアンテナ1A(1B)、アンテナ2A(2B)に分配する。また、混合分配器123A(123B)は、アンテナ1A(1B)、アンテナ2A(2B)で受信した信号を混合する。なお、混合分配器123A(123B)は、1つのダイプレクサと3つのアンテナコネクタで構成可能である。
【0023】
ディスプレイユニット12内部の混合分配器123A(123B)は、一本のケーブル301A(301B)を介してコンピュータ本体11内部の無線通信モジュール126に接続される。ディスプレイユニット12内部の混合分配器123A(123B)とコンピュータ本体11内部の無線通信モジュール126との間の信号の送受信は、一本のケーブル301A(301B)を介して実行される。ケーブル301A(301B)はヒンジ部18内部の空間を通される。ケーブル301A(301B)は例えば、同軸ケーブルである。ケーブル301A(301B)は、ヒンジ部18を介してコンピュータ本体11からディスプレイユニット12に導出される。
【0024】
以下では、無線通信モジュール126から出力され、アンテナ1A(1B),2A(2B)を用いてパーソナルコンピュータ10の外部へ送信される無線信号を送信信号、アンテナ1A(1B),2A(2B)によりパーソナルコンピュータ10の外部から受信され、無線通信モジュール126へ入力される無線信号を受信信号という。
【0025】
ディスプレイユニット12内部の混合分配器123A(123B)は、アンテナ1A(1B)およびアンテナ2A(2B)のそれぞれから入力された受信信号を混合し、混合された受信信号をケーブル301A(301B)を介してコンピュータ本体11内部の無線通信モジュール126へ出力する。
【0026】
ディスプレイユニット12内部の混合分配器123A(123B)は、コンピュータ本体11内部の無線通信モジュール126からケーブル301A(301B)を介して入力される送信信号を、境界周波数を境にしてアンテナ1A(1B)およびアンテナ2A(2B)へ分配する。
【0027】
次に、図2を参照して、本コンピュータ10のシステム構成について説明する。
本コンピュータ10は、CPU111、ノースブリッジ112、主メモリ113、グラフィックスコントローラ114、サウスブリッジ119、BIOS−ROM120、ハードディスクドライブ(HDD)121、光ディスクドライブ(ODD)122、混合分配器123A(123B)、無線通信モジュール126、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)125、およびアンテナ1A,1B,2A,2B等を備えている。
【0028】
CPU111は本コンピュータ10の動作を制御するプロセッサであり、ハードディスクドライブ(HDD)121から主メモリ113にロードされる、オペレーティングシステム(OS)および各種アプリケーションプログラムを実行する。またCPU111は、BIOS−ROM120に格納されたシステムBIOS(Basic Input Output System)も実行する。システムBIOSはハードウェア制御のためのプログラムである。
【0029】
ノースブリッジ112は、CPU111のローカルバスとサウスブリッジ119との間を接続するブリッジデバイスである。またノースブリッジ112は、AGP(Accelerated Graphics Port)バスなどを介してグラフィックスコントローラ114との通信を実行する機能も有している。
【0030】
グラフィクスコントローラ114は、本コンピュータ10のディスプレイモニタとして使用されるLCD17を制御する表示コントローラである。
【0031】
サウスブリッジ119は各種I/Oデバイスを制御するブリッジデバイスである。サウスブリッジ119には、USB(Universal Serial Bus)のようなバス201を介して無線通信モジュール126が接続されている。
【0032】
無線通信モジュール126は、混合分配器123A(123B)へケーブル301A(301B)を介して接続される。混合分配器123Aには、アンテナ1A(1B)及びアンテナ2A(2B)が、それぞれケーブル3A(3B)及びケーブル4A(4B)を介して接続されている。
【0033】
エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)125は、電力管理のためのエンベデッドコントローラと、キーボード(KB)13およびタッチパッド16を制御するためのキーボードコントローラとが集積された1チップマイクロコンピュータである。
【0034】
次に、無線通信における各部の動作について説明する。まず、無線通信モジュール126から信号を送信する場合について説明する。
【0035】
無線通信モジュール(WWANモジュール)126は、LTEの規格に基づく送信信号を出力する。無線通信モジュール126により出力された送信信号は、ケーブル301A(301B)を介して混合分配器123A(123B)に入力される。混合分配器123A(123B)は、入力された送信信号から例えば960MHzと1427.9MHzとの間に設定される境界周波数以下の周波数を有する送信信号をアンテナ1A(1B)に分配する。混合分配器123A(123B)は、入力された送信信号から例えば960MHzと1427.9MHzとの間に設定される境界周波数より高い周波数を有する送信信号をアンテナ2A(2B)に分配する。
【0036】
次に、アンテナ1A(1B),2A(2B)により信号を受信する場合について説明する。
アンテナ1A(1B)及びアンテナ2A(2B)は、LTEの規格に基づく受信信号を受信する。アンテナ1(1B)から出力された受信信号は、ケーブル3A(3B)を介して混合分配器123A(123B)へ入力される。アンテナ2A(2B)から出力された受信信号は、ケーブル4A(4B)を介して混合分配器123A(123B)へ入力される。
【0037】
混合分配器123A(123B)は、入力された各受信信号の無線周波数(無線伝送帯域)を、混合する。そして、混合分配器123A(123B)は、混合した受信信号をケーブル301A(301B)を介して無線通信モジュール126へ出力する。
【0038】
図4は、無線通信モジュールから無線信号を送信する場合の送信処理の手順を示すフローチャートである。
まず、無線通信モジュール126はそれぞれ、送信信号を混合分配器123A(123B)に出力する(ステップS101)。
次に、混合分配器123A(123B)は、送信信号を分離する(ステップS102)。すなわち、混合分配器123A(123B)は、送信信号から、境界周波数以下の周波数を有する送信信号#1及び境界周波数より高い周波数を有する送信信号#2をそれぞれを抽出する。そして、混合分配器123A(123B)は、送信信号#1をアンテナ1A(1B)に出力し、送信信号#2をアンテナ2A(2B)へ出力する(ステップS103)。
【0039】
以上の処理により、無線通信モジュールから出力された送信信号を、対応するアンテナへ伝送することができる。
【0040】
図5は、アンテナから無線信号を受信した場合の受信処理の手順を示すフローチャートである。
まず、アンテナ1A(1B)およびアンテナ2A(2B)は、それぞれ受信した無線周波数の受信信号#1および受信信号#2を混合分配器123A(123B)へ出力する(ステップS201)。
【0041】
次に、混合分配器123A(123B)は、無線周波数の受信信号#1及び受信信号#2を混合する(ステップS202)。混合された受信信号は、ケーブル301A(301B)に出力され、無線通信モジュール126へ出力される(ステップS206)。
【0042】
以上の処理により、複数のアンテナそれぞれにより受信された受信信号を、無線通信モジュールへ伝送することができる。
【0043】
本実施形態によれば、サポートするべき周波数を分割して、分割された周波数帯を複数のアンテナでそれぞれカバーすることで、アンテナの巨大化を抑制することが可能になる。また、一つのアンテナで複数の周波数帯域をカバーしようとすると、必要な利得を得ることができ無い場合が有るが、サポートするべき周波数を分割して、分割された周波数帯を複数のアンテナでそれぞれカバーすることで、必要な利得を得ることが可能になる。
【0044】
なお、図6に示すように、混合分配器123A(123B)をアンテナ2A(2B)に実装しても良い。通常、混合分配器123A(123B)は、1つのダイプレクサと3つのアンテナコネクタで構成可能である。ケーブルを混合分配器123A(123B)に半田付けすれば3つのアンテナコネクタも削除可能である。つまり、非常に小さいスペースで混合分配器123A(123B)を盛り込むことが可能である。そこで、アンテナサイズをそれほど大きくせずに混合分配器123A(123B)を実装し、総ケーブル長を短縮、単体としての混合分配器123A(123B)を削除できることで、大きなコスト削減を実現できる。
【0045】
(第2の実施形態)
図7には、実施形態に係る無線通信装置の外観が示されている。この電子機器はバッテリ駆動可能な携帯型パーソナルコンピュータ10として実現されている。
【0046】
図7において、図1と同一な部位には同一符号を付し、説明を省略する。
【0047】
また、ディスプレイユニット12内部には、アンテナ401A、アンテナ401B、アンテナ402A、アンテナ402B、及び混合分配器423A(423B)が設けられている。アンテナ401A(アンテナ401B)、アンテナ402A(アンテナ402B)は、それぞれ異なる周波数帯域に対応するアンテナである。アンテナ401A及びアンテナ402Aは、それぞれケーブル403A、ケーブル404Aを介して混合分配器423Aの対応するポート(アンテナ端子)へ接続されている。アンテナ401B及びアンテナ402Bは、それぞれケーブル403B、ケーブル404Bを介して混合分配器423Bの対応するポート(アンテナ端子)へ接続されている。アンテナ401Aとアンテナ401Bはダイバーシティによって電波の送受信を行うための一対のアンテナである。また、アンテナ402Aとアンテナ402Bはダイバーシティによって電波の送受信を行うための一対のアンテナである。
【0048】
無線通信モジュール426は、複数の通信規格に基づいた通信を実行する無線通信モジュールである。無線通信モジュール426は、例えば、LTE(Long Term Evolution)に従って外部デバイスとの無線通信を実行する。無線通信モジュール426は、例えば、Bluetooth(登録商標)のような通信規格に従って外部デバイスとの無線通信を実行する。また、無線通信モジュール426は、例えば、IEEE 802.11のような通信規格に従って外部デバイスとの無線通信を実行する。また、無線通信モジュール426は、例えば、WiMAXのような通信規格に従って外部デバイスとの無線通信を実行する。
【0049】
Bluetooth(BT)においては、2402〜2480MHzの周波数帯域が用いられる。無線通信モジュール126がBluetooth規格に従った無線通信を実行する無線通信モジュール(BTモジュール)として実現されている場合には、無線通信モジュール126は、2402〜2480MHzの周波数帯域内に属する無線信号を用いて無線通信を実行する。
【0050】
無線LAN(WLAN)においては、例えば、2400MHz〜2484MHz、5150MHz〜5250MHz、5250MHz〜5350MHz、および5470MHz〜5725MHzの周波数帯域が用いられる。無線通信モジュール426がIEEE 802.11規格に従った無線通信を実行する無線通信モジュール(WLANモジュール)として実現されている場合には、無線通信モジュール426は、2400MHz〜2484MHz、5250MHz〜5350MHz、および5470MHz〜5725MHzの周波数帯域内に属する無線信号を用いて無線通信を実行する。
【0051】
WiMAXにおいては、例えば、2.3GHz〜2.4GHz、2.5GHz〜2.7GHz、および3.3GHz〜3.8GHzの周波数帯域が用いられる。無線通信モジュール426がWiMAX規格に従った無線通信を実行する無線通信モジュール(WiMAXモジュール)として実現されている場合には、無線通信モジュール426は、2.3GHz〜2.4GHz、2.5GHz〜2.7GHz、および3.3GHz〜3.8GHzの周波数帯域内に属する無線信号を用いて無線通信を実行する。
【0052】
LTEによって使用される周波数帯域は第1の実施形態で説明しているので省略する。 また、無線通信モジュール426は、GPS(Global Positioning System)衛星から送信される信号を受信し、受信信号に基づいて現在位置を演算する機能を有する。
【0053】
図10に、Bluetooth、IEEE 802.11、WiMAX、LTE、GPSに割り当てられる周波数帯域の一例をグラフにして示す。
【0054】
以下では、WiMAXの2.3GHz〜2.4GHzの周波数帯域を2.3GHz帯と記載する。また、以下では、Bluetoothの周波数帯域、およびIEEE 802.11の2400MHz〜2484MHzの周波数帯域を2.4GHz帯と記載する。また、以下では、WiMAXの2.5GHz〜2.7GHzの周波数帯域を2.6GHz帯と記載する。また、以下では、WiMAXの3.3GHz〜3.8GHzの周波数帯域を3.5GHz帯と記載する。また、以下では、IEEE 802.11の5150MHz〜5250MHzの周波数帯域を5.2GHz帯と記載する。また、以下では、IEEE 802.11の5250MHz〜5350MHzの周波数帯域を5.3GHz帯と記載する。また、以下では、IEEE 802.11の5470MHz〜5725MHzの周波数帯域を5.6GHz帯と記載する。
【0055】
無線通信モジュール426は、アンテナ401A(アンテナ401B)またはアンテナ402A(アンテナ402B)を用いてダイバーシティによって無線信号の受信を行う。無線通信モジュール426は、アンテナ401A(アンテナ401B)およびアンテナ402A(アンテナ402B)の一方を用いて無線信号の送信を行う。アンテナ401A(アンテナ401B)は、700MHz帯、800MHz帯、および900MHz帯の周波数帯域をカバーする。また、アンテナ402A(アンテナ402B)は1.5GHz帯、1.9GHz帯、2GHz帯、2.3GHz帯、2.4GHz帯、2.6GHz帯、3.5GHz帯、5.2GHz帯、5.3GHz帯、5.6GHz帯の周波数帯域をカバーする。
【0056】
アンテナ401A(401B),402A(402B)の搭載位置は、例えば、ディスプレイユニット12内の上端部に近い位置である。アンテナ401A(401B),402A(402B)をディスプレイユニット12内の上端部に近い位置に設けることにより、無線通信モジュール426は、アンテナ401A(401B),402A(402B)が比較的高い位置に配置されている状態で外部デバイスとの無線通信を実行することができる。
【0057】
700MHz帯〜5.6GHz帯までの複数の周波数帯域を一つのアンテナでカバーしようとすると、全ての帯域で必要な利得を得られることができない恐れがある。そこで、700MHz帯、800MHz帯、および900MHz帯をアンテナ401A(401B)でカバーし、1.5GHz帯より高い周波数帯域をアンテナ402A(402B)でカバーする。
【0058】
900MHz帯の上限は960MHzであり、1.5GHz帯の下限は1427.9MHzであるの。混合分配器423A(423B)は、960MHzと1427.9MHzとの間に設定される境界周波数を境にして、無線通信モジュール426から供給された信号をアンテナ401A(1B)、アンテナ402A(402B)に分配する。
【0059】
なお、LTEはヨーロッパを除いた場合、2170MHz以下の周波数が割り当てられている。そこで、2170MHzと2.3GHzの間に境界周波数を設定しても良い。
【0060】
また、LTEの700MHz〜900MHz帯のすべてまたは一部をサポートする場合、その3倍高調波である2700MHzまで一つのアンテナでカバーすることが可能となる。従って、2700MHz〜3300MHzの間に境界周波数を設定しても良い。
【0061】
以下では、無線通信モジュール426から出力され、アンテナ401A(401B),402A(402B)を用いてパーソナルコンピュータ10の外部へ送信される無線信号を送信信号、アンテナ401A(401B),402A(402B)によりパーソナルコンピュータ10の外部から受信され、無線通信モジュール426へ入力される無線信号を受信信号という。
【0062】
ディスプレイユニット12内部の混合分配器423A(423B)は、アンテナ401A(401B)およびアンテナ402A(402B)のそれぞれから入力された受信信号を混合し、混合された受信信号をケーブル301A(301B)を介してコンピュータ本体11内部の無線通信モジュール426へ出力する。
【0063】
ディスプレイユニット12内部の混合分配器423A(423B)は、コンピュータ本体11内部の無線通信モジュール426からケーブル301A(301B)を介して入力される送信信号を、境界周波数を境にしてアンテナ401A(401B)およびアンテナ402A(402B)へ分配する。
【0064】
次に、無線通信における各部の動作について説明する。
【0065】
まず、無線通信モジュール426から信号を送信する場合について説明する。
【0066】
無線通信モジュール(WWANモジュール)426は、LTE、Bluetooth、IEEE 802.11、WiMAXの規格に基づく送信信号を出力する。無線通信モジュール426により出力された送信信号は、ケーブル301A(301B)を介して混合分配器423A(423B)に入力される。混合分配器423A(423B)は、入力された送信信号から例えば960MHzと1427.9MHzとの間に設定される境界周波数以下の周波数を有する送信信号をアンテナ401A(401B)に分配する。混合分配器423A(423B)は、入力された送信信号から例えば960MHzと1427.9MHzとの間に設定される境界周波数より高い周波数を有する送信信号をアンテナ402A(402B)に分配する。
【0067】
次に、アンテナ401A(401B),402A(402B)により信号を受信する場合について説明する。
アンテナ401A(401B)及びアンテナ402A(402B)は、LTE、Bluetooth、IEEE 802.11、WiMAX、GPSの規格に基づく受信信号を受信する。アンテナ401A(401B)から出力された受信信号は、ケーブル403A(403B)を介して混合分配器423A(423B)へ入力される。アンテナ402A(402B)から出力された受信信号は、ケーブル404A(404B)を介して混合分配器423A(423B)へ入力される。
【0068】
混合分配器423A(423B)は、入力された各受信信号の無線周波数(無線伝送帯域)を、混合する。そして、混合分配器423A(423B)は、混合した受信信号をケーブル301A(301B)を介して無線通信モジュール426へ出力する。
【0069】
本実施形態によれば、サポートするべき周波数を分割して、分割された周波数帯を複数のアンテナでそれぞれカバーすることで、アンテナの巨大化を抑制することが可能になる。また、一つのアンテナで複数の周波数帯域をカバーしようとすると、必要な利得を得ることができ無い場合が有るが、サポートするべき周波数を分割して、分割された周波数帯を複数のアンテナでそれぞれカバーすることで、必要な利得を得ることが可能になる。
【0070】
なお、無線通信モジュール426は、LTE(Long Term Evolution)、Bluetooth、IEEE 802.11、およびWiMAXのような通信規格に従って外部デバイスとの無線通信を実行するとした。しかし、無線通信モジュール426は、少なくともLTEおよびWiMAXの通信規格に従って外部デバイスとの無線通信を行えればよい。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0072】
1A,1B…アンテナ,2A,2B…アンテナ,10…パーソナルコンピュータ,114…グラフィックスコントローラ,123A,123B…混合分配器,126…無線通信モジュール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の周波数以下の周波数帯域に対応する第1のアンテナと、
前記所定の周波数より高い周波数帯域に対応する第2のアンテナと、
一端が前記第1のアンテナと接続する第1のケーブルと、
一端が前記第2のアンテナと接続する第2のケーブルと、
前記第1のケーブルの他端及び前記第2のケーブルの他端に接続する第1の混合分配器と、
一端が前記第1の混合分配器と接続する第3のケーブルと、
前記第3のケーブルの他端と接続する無線通信モジュールと、
を有し、
前記第1の混合分配器は、前記第1のアンテナで受信した第1の受信信号と、前記第2のアンテナで受信した第2の受信信号とを混合して前記第3のケーブルに出力し、
前記無線通信モジュールは、前記第3のケーブルを介して前記混合された受信信号を受信する無線通信装置。
【請求項2】
前記無線通信モジュールは、送信信号を前記第3のケーブルに出力し、
前記第1の混合分配器は、前記第3のケーブルを介して入力された送信信号を、前記所定の周波数以下の周波数を有する第1の送信信号と、前記所定の周波数よりも高い周波数を有する第2の送信信号とに分配し、前記第1の送信信号を前記第1のケーブルに出力し、前記第2の送信信号を前記第2のケーブルにそれぞれ出力する請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記所定の周波数以下の周波数帯域に対応する第3のアンテナと、
前記所定の周波数より高い周波数帯域に対応する第4のアンテナと、
一端が前記第3のアンテナと接続する第4のケーブルと、
一端が前記第4のアンテナと接続する第5のケーブルと、
前記第4のケーブルの他端及び前記第5のケーブルの他端に接続する第2の混合分配器と、
一端が前記第2の混合分配器と接続し、他端が無線通信モジュールと接続する第6のケーブルとを更に有し、
前記第2の混合分配器は、前記第3のアンテナによって受信された第3の受信信号と、前記第4のアンテナによって受信された第4の受信信号とを混合した受信信号を前記第6のケーブルに出力し、
前記無線通信モジュールは、前記第6のケーブルを介して前記混合された受信信号を受信する請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記無線通信モジュールは、前記第1のアンテナおよび前記第3のアンテナを用いてダイバーシティによって無線信号の受信を行う、請求項3に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記無線通信モジュールは、前記第2のアンテナおよび前記第4のアンテナを用いてダイバーシティによって無線信号の受信を行う請求項3または請求項4の何れか1項に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記無線通信モジュールは、前記送信信号を前記第6のケーブルに出力し、
前記第2の混合分配器は、前記第6のケーブルを介して入力された送信信号を、前記所定の周波数以下の周波数を有する第3の送信信号と、前記所定の周波数よりも高い周波数を有する第4の送信信号とに分配し、前記第3の送信信号を前記第4のケーブルに出力し、前記第4の送信信号を前記第5のケーブルにそれぞれ出力する請求項3に記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記無線通信モジュールは、前記第3のケーブルおよび前記第6のケーブルの一方に前記送信信号を出力する、請求項6項に記載の無線通信装置。
【請求項8】
本体と、
前記本体に連結部を介して回動自在に取り付けられたディスプレイユニットとを更に具備し、
前記無線通信モジュールは、前記本体内に設けられ、
前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナは、前記ディスプレイユニット内に設けられている請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項9】
前記所定の周波数は、960MHzから1427.9MHzの間の周波数である請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項10】
前記第1の混合分配器は、前記第2のアンテナまたは前記第2のアンテナに実装されている請求項1に記載の無線通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−124822(P2012−124822A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−275717(P2010−275717)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】