説明

無線LANアクセスポイント装置、無線LANアクセスポイント装置制御方法およびその制御用プログラム

【課題】電波干渉の影響が少ない場所への設置を設置者に促す。
【解決手段】妨害電波検出手段30が妨害電波受信アンテナ31で受信した電波の周波数帯を特定し、特定した周波数帯が無線LANで使用するものであるか否か妨害電波判定機能51が判定し、妨害電波判定機能51による判定の結果、無線LANの周波数帯である場合には電波干渉レベル通知機能61が設置者に対して電波干渉状態である旨を通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線LANアクセスポイント装置に関し、特に利用者に対して電波干渉状態を通知する無線LANアクセスポイント装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットなどのネットワークに接続する際に有線ケーブルではなく無線を使用することが多くなった。情報端末に内蔵または外付けされた無線LAN(Local Area Network)子機と無線LAN親機(アクセスポイントなど)とが所定の周波数帯の電波を使用して通信を行うことで、無線LANアクセスポイント装置の電波が到達する範囲であれば、ケーブルを気にすることなく情報端末からネットワークに接続することができるという利点がある。
【0003】
前述の無線LANアクセスポイント装置を設置する際に、WAN(Wide Area Network)側と接続する回線の位置などの都合により、無線LANの通信に影響を及ぼす電波を発する電子機器等が近くにある場合でも、その電子機器に気付くことなく設置していた。このため、実際に無線LAN通信を使用する段階で周囲から受けている電波によって電波干渉を起こし、無線LANの通信品質が悪い場所に設置していることが初めてわかるという問題があった。
【0004】
一般に電子レンジ、コードレス電話などは電波干渉を起こし、無線LANの通信品質に影響を及ぼす可能性があることは知られている。しかし、そのほかの電子機器や違法電波などの妨害電波によっても、同様に電波干渉が起きるが、その事はあまり知られておらず、無線LANアクセスポイント装置を設置する際、周囲の電子機器等との位置関係や環境を意識することは無いという場合が多い。また、電波は目に見えないものであるため、設置場所においてどの程度電波干渉の影響があるか分からないことが多い。
【0005】
また、無線LANアクセスポイント装置を設置する場所として、無線LANへの影響などから、無線LANアクセスポイント装置のマニュアルにはパソコンやコードレス電話機などから離してして設置するように記載されているが、利用する回線の多い場所や、部屋の広さなどの都合によって、必ずしも適切な場所に設置してもらえないということがある。
【0006】
また、無線LANアクセスポイント装置と同時に使用するモデムや、ルータ、HUB等と、ひとまとめにして設置するといったことも多く、適切な場所への設置は難しいという課題もある。さらに周囲の電子機器により電波妨害を受けている場合においても、上述したように電波は目に見えないため実際に無線通信を実施しないと影響がわからないとことが多い。
【0007】
さらに、最近の無線LANアクセスポイント装置は、より高速且つより遠距離まで無線LAN通信を可能にする設計であるため、電波に対する感度がよく、妨害電波などの影響を受け易くなっている場合が多い。しかし、装置の設置者は電波状態の良い場所に装置を設置することを意識しないことが多い。
【0008】
これに対して、従来より具体的に知られている上記技術分野の内容としては、特許文献1乃至5がある。
【0009】
特許文献1乃至3に開示された技術は、無線LANアクセスポイント装置と情報端末とが通信を行い、通信データの劣化の度合いに基づいてどの程度妨害電波の影響を受けているかを情報端末上の表示部に表示する技術である。
【0010】
また、特許文献4に開示された技術は、妨害電波の発生源の一つである電子レンジに特定の信号を電波によって出力する機能を備え、この信号を受信した無線LANアクセスポイント装置が近くに電子レンジが設置されていることを利用者に通知し無線LANアクセスポイント装置の設置場所を変更するように促す技術である。
【0011】
さらに、特許文献5に開示された技術は、送受信アンテナを有した無線基地局にこの送受信アンテナとは別に受信専用アンテナを備え、送受信アンテナから電波を送信し受信専用アンテナでこの電波を受信することで、試験専用端末などを用意せずに基地局の故障を検知し、故障を検知した場合には運用周波数を変更する技術である。この技術は、故障の発見を目的とするものであり、本案と目的であるの目的が異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2002−51051
【特許文献2】特開2007−27932
【特許文献3】特開2004−96595
【特許文献4】特開2000−224176
【特許文献5】特開平10−276127
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、特許文献1および3に開示された技術は、他の無線端末との間で実際に通信を実施し、受信したデータから妨害電波のレベルや干渉状態を判定、通知するものであり、無線LANアクセスポイント装置と端末とを通信可能なように設定し、実際に通信を行なわなければ電波干渉の状態が確認できないという不都合があった。
【0014】
また、特許文献4に開示された技術は、無線LANで使用する周波数帯の妨害電波を発生させる電子機器は電子レンジに限らずコードレス電話など数多く存在するため、全ての機器に同様の機能を持たせることは困難であるという不都合があった。
【0015】
〔発明の目的〕
本発明は、上記関連技術の有する不都合を改善し、無線LANアクセスポイント装置の設置に際して、実際に情報端末と通信を行うことなく設置場所の電波干渉状態を設置者に通知することが可能な無線LANアクセスポイント装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するため、本発明の無線LANアクセスポイント装置は、無線LAN方式の電波を送受信する無線LANアンテナを有すると共に当該無線LAN方式の電波を使用して特定の情報端末と通信を行う無線LAN通信手段を備えた無線LANアクセスポイント装置において、前記無線LANアンテナとは別に妨害電波を受信する妨害電波受信アンテナを有すると共に、当該妨害電波受信アンテナで受信した妨害電波の周波数帯を特定する周波数帯特定手段と、前記周波数帯特定手段で特定した周波数帯は前記無線LAN方式の通信で使用する周波数帯と同一であるか否かを判定する妨害電波判定手段と、前記妨害電波判定手段によって前記無線LAN方式の通信で使用する周波数帯と同一であると判定された場合に、当該無線LANアクセスポイント装置の設置者に対して電波干渉状態であることを通知する電波干渉通知手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る無線LANアクセスポイント装置制御方法は、無線LAN方式の電波を送受信する無線LANアンテナを有すると共に当該無線LAN方式の電波を使用して特定の情報端末と通信を行う無線LAN通信手段を備えた無線LANアクセスポイント装置にあって、前記無線LANアンテナとは別に妨害電波を受信する妨害電波受信アンテナを有すると共に、当該妨害電波受信アンテナで受信した妨害電波の周波数帯を周波数帯特定手段が特定し、前記周波数帯特定手段で特定した周波数帯は前記無線LAN方式の通信で使用する周波数帯と同一であるか否かを妨害電波判定手段が判定し、前記妨害電波判定手段によって前記無線LAN方式の通信で使用する周波数帯と同一であると判定された場合に、当該無線LANアクセスポイント装置の設置者に対して電波干渉状態であることを電波干渉通知手段が通知するようにしたことを特徴とする。
【0018】
更に、本発明に係る無線LANアクセスポイント装置制御用プログラムは、無線LAN方式の電波を送受信する無線LANアンテナを有すると共に当該無線LAN方式の電波を使用して特定の情報端末と通信を行う無線LAN通信手段を備えた無線LANアクセスポイント装置にあって、前記無線LANアンテナとは別に妨害電波を受信する妨害電波受信アンテナを有すると共に、当該妨害電波受信アンテナで受信した妨害電波の周波数帯を特定する周波数帯特定機能、前記周波数帯特定手段で特定した周波数帯は前記無線LAN方式の通信で使用する周波数帯と同一であるか否かを判定する妨害電波判定機能、前記妨害電波判定手段によって前記無線LAN方式の通信で使用する周波数帯と同一であると判定された場合に、当該無線LANアクセスポイント装置の設置者に対して電波干渉状態であることを通知する電波干渉通知機能、を実行可能にプログラム化し、これをコンピュータに実現させるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明は上述したように構成したので、これによると、妨害電波検出手段が無線LAN通信で使用する周波数帯を含んだ電波を受信すると共にこの受信した電波の周波数帯を特定し、この特定した周波数帯は無線LANで使用する周波数帯であるか否か妨害電波判定手段が判定し、妨害電波判定手段による判定の結果、無線LANで使用するものであった場合には無線LANアクセスポイント装置を設置する設置者に対して電波干渉状態であることを電波干渉通知手段が通知することによって、情報端末と通信を行わずに設置場所の電波干渉状態を設置者に通知することができる優れた無線LANアクセスポイント装置、無線LANアクセスポイント装置制御方法および無線LANアクセスポイント装置制御用プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る無線LANアクセスポイント装置10の第1実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1に開示したブロック図における妨害電波検出手段30の内容を示したブロック図である。
【図3】図1に開示したブロック図における各ブロックの内容を詳細に示したブロック図である。
【図4】図1に開示した無線LANアクセスポイント装置10における全体の動作の概要を示したフローチャートである。
【図5】本発明に係る無線LANアクセスポイント装置10の第2実施形態を示すブロック図である。
【図6】図5に開示したブロック図における各ブロックの内容を詳細に示したブロック図である。
【図7】図5に開示した無線LANアクセスポイント装置10における全体の動作の概要を示したフローチャートである。
【図8】本発明に係る無線LANアクセスポイント装置10の表示手段60の一例を示した図であり、(A)図1に開示したブロック図における表示手段60を説明した図、(B)図5に開示した表示手段60を説明した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
〔第1実施形態〕
以下、本発明に係る無線LANアクセスポイント装置10の第1実施形態を、図1乃至図3、および図8(A)に基づいて説明する。
【0022】
まず最初に、本実施形態の無線LANアクセスポイント装置10の基本的内容を図1および図2に基づいて説明する。
【0023】
無線LAN(Local Area Network)アクセスポイント装置10は、無線LANアンテナ21、無線LAN通信手段20、通信内容処理手段40、妨害電波受信アンテナ31、妨害電波検出手段30、主制御手段50および表示手段60から構成されている。
【0024】
前述の妨害電波検出手段30では、無線LANアクセスポイント装置10が周囲から受けている電波を妨害電波受信アンテナ31で受信し、この妨害電波検出手段30で受信した電波を解析し、周囲電波情報を出力する機能を有している。
【0025】
また、主制御手段50は、妨害電波検出手段30と接続され、この妨害電波検出手段30から出力された周囲電波情報を受信する機能を有している。さらに、主制御手段50において、受信した周囲電波情報から無線LANで使用する周波数帯の電波であるか判断する。
【0026】
前述の電波が無線LANで使用する周波数帯の場合は、電波干渉アラーム信号を出力すし、表示手段60は電波干渉アラーム信号を受けて、無線LANアクセスポイント装置10が他の電子機器の発する電波と電波干渉を起こす状態であることを外部に表示する機能を有している。
【0027】
さらに、主制御手段50において、無線LAN通信信号と判定できる場合は、無線LAN使用中信号を発生する機能を有している。また、表示手段60は前述の無線LAN使用中信号を受けて、近くで無線LAN通信を使用している状態であることを外部に表示する。この表示手段60の具体的な構成の一例は、図6(A)に示すように主制御手段50からのアラーム信号などを受信して発光する発光ダイオードである。
【0028】
次に妨害電波検出手段30の構成について説明する。図2は、妨害電波検出手段30の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、妨害電波検出手段30は、少なくても、受信用の妨害電波受信アンテナ31、フィルタ32A、ミキサ32B、ローカルオシレータ32C、バンドパスフィルタ32D、検波器32E、A/D変換器32Fと電波検出側通信制御部33などから構成されている。
【0029】
これにより、妨害電波受信アンテナ31により周囲から無線LANアクセスポイント装置10が受けている電波を受信し、フィルタ32Aによりおおまかに選別する。次にミキサ32Bで中間周波数に変換された後、バンドパスフィルタ32Dで必要な信号を通過させた後、検波器32Eによって信号を検出し、A/D変換器32Fを通して電波検出側通信制御部33に出力される。また、この電波検出側通信制御部33では、予め設定された値によって電波の周波数や信号の種類を判定する機能を有している。
【0030】
この上記内容において、妨害電波検出手段30は、無線LANアクセスポイント装置10が周囲から受ける電波を妨害電波受信アンテナ31によって受信し、この受信した電波の周波数を解析し、解析結果を主制御手段50に出力するようになっている。
【0031】
また、前述した解析結果を主制御手段50にて無線LAN通信で使用する帯域か否か判断し、無線LAN通信で使用する帯域である場合は、電波干渉アラーム信号を発生し、表示手段60は主制御手段50からの電波干渉アラーム信号を受けて、無線LANで電波干渉を発生しうる電波状況であることを外部に対して知らせることが可能となる。
【0032】
さらに、無線LAN信号であるか否かを判断して、無線LAN信号である場合は、無線LAN使用中信号を発生し、表示手段60では前述した無線LAN使用中信号を受けて、近くでユーザが無線LANを使用していることを外部に対して知らせることが可能となる。
【0033】
次に、上記実施形態について、さらに詳細に説明する。
【0034】
まず、図3に示すように実施形態の無線LANアクセスポイント装置10は、構内通信網(Local Area Network:LAN)に接続する情報端末(図示しない)と無線LAN方式である所定の周波数帯の電波を使用して通信を行う無線LAN通信手段20と、この無線LAN通信手段20で使用する周波数帯を含んだ電波を受信すると共に受信した電波を解析する妨害電波検出手段30とを備えている。
【0035】
さらに無線LANアクセスポイント装置10は、無線LAN通信手段20で送受信する通信内容を処理する通信内容処理手段40と、無線LANアクセスポイント装置10の動作に係る制御情報を記憶する記憶手段70と、この記憶手段70の記憶内容に基づいて無線LANアクセスポイント装置10の動作を制御する主制御手段50と、無線LANアクセスポイント装置10の通信設定を外部から受け付ける通信設定入力手段80と、無線LAN通信手段20の通信に影響を及ぼす妨害電波の電波干渉状態を外部に表示する表示手段60とを備えている。
【0036】
前述の無線LAN通信手段20は、電波の送受信を行う無線LANアンテナ21と、通信信号を所定の周波数帯の送信電波に変換し無線LANアンテナ21を介して出力する送信部24と、無線LANアンテナ21を介して受信した受信電波を通信信号に変換する受信部23と、無線LANアンテナ21を介して行われる送信動作と受信動作とを切り替える送受信切替スイッチ(S/W)部22と、受信部23、送信部24および送受信切替S/W部24の動作を制御する無線LAN側通信制御部25とを備えている。
【0037】
前述した妨害電波検出手段30は、無線LAN方式で使用される周波数帯を含んだ電波を妨害電波受信アンテナ31を介して受信する受信部32と、この受信部32で受信した受信電波を解析すると共に解析した情報を主制御手段50に伝送する電波検出側通信制御部33とを備えている。
【0038】
また、前述の受信部32は、上述したように妨害電波検出用アンテナ31で受信した受信電波からノイズを除去するフィルタ32Aと、このフィルタ32Aを通過した受信電波をローカルオシレータ32Cの発振周波数に基づいて中間周波数に変換するミキサ32Aと、無線LAN方式の通信で使用する周波数帯に影響を及ぼす周波数帯の電波を抽出するバンドパスフィルタ32Dと、バンドパスフィルタ32Dで抽出した電波から通信信号を検出する検波器32Eと、検波器32Eで検出した通信信号を信号処理用の信号に変換するA/D変換器32Fとを備えている。
【0039】
さらに、前述の電波検出側通信制御部33は、A/D変換器32Fによって変換された信号処理用の信号を解析して妨害電波の周波数帯を特定する周波数帯特定機能33Aと、上述の信号処理用の信号から通信方式を特定する通信方式特定機能33Bとを有すると共に、周囲電波情報として主制御手段50に出力する構成となっている。
【0040】
前述した主制御手段50は、電波検出側通信制御部33から出力される周囲電波情報に基づいて、無線LANで使用する周波数帯の電波であるか否か判定する妨害電波判定機能51と、無線LAN方式の通信であるか否か判定する無線LAN通信判定機能52とを有している。
【0041】
前述した表示手段60は、妨害電波判定機能51による判定の結果、無線LAN方式の通信で使用する周波数帯であった場合に、この無線LANアクセスポイント装置10の設置者に対して無線LAN通信に影響を及ぼす可能性のある電波を検出し、電波干渉状態であることを発光ダイオードの点灯によって通知する電波干渉通知機能61を有している。
【0042】
これにより、設置者に対して無線LANアクセスポイント装置10の設置場所が無線LAN通信に影響を及ぼす電波干渉を受けているか否か通知することができ、電波干渉通知機能61が点灯状態の場合に設置場所の移動を促すことができる。
【0043】
さらに表示手段60は、無線LAN通信判定機能52による判定の結果、無線LAN方式の通信信号であった場合には、設置者に対して近くで無線LAN機器による無線LAN通信が行われているため電波干渉状態であることを発光ダイオードの点灯によって通知する無線LAN信号干渉状態検出機能62を有している。
【0044】
これにより、設置者に対して無線LANアクセスポイント装置10の設置場所が他の無線LAN機器による無線LAN通信によって電波干渉を受けているか否か通知することができ、無線LAN機器検出通知機能62が点灯状態の場合に設置場所の移動を促すことができる。
【0045】
〔第1位実施形態の動作〕
次に、無線LANアクセスポイント装置10の全体的な動作の基本的内容を図4に基づいて説明する。
【0046】
まず、妨害電波検出手段30は、無線LANアクセスポイント装置10が周囲から受ける電波を妨害電波受信アンテナ31によって受信し、受信した電波の周波数を解析し(図4:ステップS101〜S103/電波解析工程)、解析結果を主制御手段50に出力する(図4:ステップS104/周囲電波情報出力工程)。
【0047】
続いて、主制御手段50にて無線LAN通信で使用する周波数帯域か判定し(図4:ステップS105/周波数帯判定工程)、無線LAN通信にて使用する周波数帯域である場合は、電波干渉アラーム信号を発生する(図4:ステップS106/電波干渉アラーム信号出力工程)。
【0048】
また、表示手段60は主制御手段50からの電波干渉アラーム信号を受けて、無線LANで電波干渉を発生しうる電波状況であることを外部に知らせる(図4:ステップS107/電波干渉通知工程)。
【0049】
さらに、無線LAN信号であるかを判定し(図4:ステップS108/無線LAN通信信号判定工程)、無線LAN信号である場合は、無線LANを使用していることを外部に知らせる(図4:ステップS109/他の無線LAN使用中表示工程)。
【0050】
次に、上記第1実施形態の動作について、さらに詳細に説明する。
【0051】
まず最初に、無線LANアクセスポイント装置10の電源が投入され、主制御手段50によって妨害電波検出手段30が稼動制御されると、妨害電波検出手段30は妨害電波受信アンテナ31を介して妨害電波の受信を開始する(図3:ステップS101/妨害電波受信工程)。
【0052】
前述の妨害電波受信アンテナ31で受信した電波をフィルタ32Aによってノイズを除去し、このフィルタ32Aを通過した妨害電波をミキサ32Aがローカルオシレータ32Cに基づいて中間周波数に変換し、バンドパスフィルタ32Dが無線LAN方式の通信で使用する周波数帯に影響を及ぼす周波数帯の電波を抽出し、バンドパスフィルタ32Dで抽出した電波から通信信号を検波器32Eが検出し、検波器32Eで検出した通信信号を信号処理用の信号にA/D変換器32Fが変換する。
【0053】
これにより、無線LAN通信に電波干渉を引き起こす周波数帯の電波を検出することができる。
【0054】
前述のデジタル信号を受信した電波検出側通信制御部33は、この受信した信号処理用の信号に基づいて電波を解析し電波の周波数帯を特定する(図3:ステップS102/周波数帯特定工程)と共にと電波の信号の種類を特定し(図3:ステップS103/信号種類特定工程)、特定した周波数帯と信号種類とを周囲電波情報として主制御手段50に出力する(図3:ステップS104/周囲電波情報出力工程)。
【0055】
これにより、主制御手段50は周囲電波情報に基づいて受信した電波の周波数帯が、無線LAN通信に電波干渉を引き起こす周波数帯の電波であるか否か判定することができる。
【0056】
主制御部50の妨害電波判定高機能51は、周囲電波情報に基づいて無線LANで使用する周波数帯か否か判定し(図3:ステップS105/周波数帯判定工程)、無線LAN通信で使用する周波数帯である場合には表示部60に妨害電波を検出した旨の電波干渉アラーム信号を出力する(図3:ステップS106/電波干渉アラーム信号出力工程)。
【0057】
電波干渉アラーム信号を受信した電波干渉通知機能61は、発光ダイオード(LED)を発光させ無線LANアクセスポイント装置10を設置する設置者に電波干渉状態であり無線LAN通信に影響が発生する可能性があることを知らせる(図3:ステップS107/電波干渉通知工程)。
【0058】
これにより、この無線LANアクセスポイント装置10を設置しようとする設置者は無線LANアクセスポイント装置10の設置場所が、通信に適しているか否か判断することができ、電波干渉通知機能61が点灯している場合は設置場所の変更を促すことができる。
【0059】
主制御手段50の無線LAN通信判定機能52は、周囲電波情報に基づいて無線LAN通信で使用される通信信号であるか否か判定し(図3:ステップS108/無線LAN通信信号判定工程)、無線LAN通信で使用する通信信号である場合には表示部60に他の無線LAN機器が使用中で旨の信号を出力する(図3:ステップS109/他の無線LAN通信信号出力工程)。
【0060】
この他の無線LAN機器使用中信号を受信した他の無線LAN使用中表示機能62は、発光ダイオードを点灯させて近くで他のユーザが無線LANを使用していることを表示する(図3:ステップS109/他の無線LAN使用中表示工程)。
【0061】
ここで、上述した第1実施形態における動作にあって、上記工程で実行される各実行内容をプログラム化し、これをコンピュータに機能させるように構成してもよい。なお、この場合、本プログラムは、非一時的な記録媒体、例えば、DVD、CD、フラッシュメモリなどに記録されてもよい。その場合、本プログラムは、記録媒体からコンピュータによって読み出され、実行される。
【0062】
(第1実施形態の効果)
以上のように、本第1実施形態では、無線LANアンテナ21とは別に、周囲からの妨害電波を受信する妨害電波受信アンテナ31と、この妨害電波受信アンテナ31で受信した妨害電波を解析する妨害電波検出手段30とを備えることで、無線LAN子機と通信を行うことなく、無線LANアクセスポイント装置10自身がどのような妨害電波を受けているかを確認することができ、この無線LANアクセスポイント装置10を設置しようとする設置者に通知することができる。また、無線LANアクセスポイント装置10が妨害電波を受けている場合や電波干渉を引き起こす可能性がある場合には、その旨を設置者に通知し、より電波状況のよい場所への設置を促すことができる。さらに、無線LAN通信時に、電波干渉などによって通信品質に問題が発生した場合に、電波干渉が発生していることを通知することにより、通信品質の低下などの原因をユーザに理解してもらうことができる。
【0063】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態の基本的内容を図5に基づいて説明する。ここで、前述した第1実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を用いるものとする。
【0064】
上記図1乃至図3、および図6(A)に開示した第1実施形態にあっては、妨害電波を検出した場合に表示手段60の妨害電波を検出した旨を通知する発光ダイオードを点灯させ、妨害電波が無線LAN通信のものであった場合表示手段60の無線LANが近くで使用されていることを通知する発光ダイオードを点灯させることで設置者に電波干渉状態であるか否かを通知する場合を例示した。
【0065】
しかしながら、発光ダイオードが点灯または消灯による通知では、無線LAN通信にどの程度影響を及ぼす妨害電波を受けているか設置者が判断しづらい場合が多い。
【0066】
これに対し、本第2実施形態では、図6(B)に示すように、受信した妨害電波の電波強度を段階的に表示する機能と、他の無線LAN機器による無線LAN通信で使用されている周波数帯チャンネルを表示する機能とを備えた特徴とする。
【0067】
図5に示す無線LAN通信手段20と妨害電波検出手段30とは、どちらも基本的に同等の機能を有する部品から構成されている。妨害電波検出手段30については、電波を受信するのみで送信は実施しないため、送信用の回路部分である送信部24、および送受信切替S/W部22は省略されている。
【0068】
上述したような構成を用いて、無線LAN通信手段20と同等の機能を有する部品を妨害電波検出手段30でも使用することにより、無線LANアクセスポイント装置10が周囲から受けている電波について、無線LAN通信手段20と同等の感度と解析制度を持たせることができる。
【0069】
また、既に近くで無線LAN通信を使用しているユーザが存在する場合、無線LAN通信手段20を動作させることなく、妨害電波検出手段30のみで使用されている無線LANチャンネルを判定し、このチャンネルを通知することができる。
【0070】
さらに、電波干渉が発生する可能性がある場合には、周囲からの電波の強度を解析し、数段階に分けて電波干渉レベル信号を発生させる。表示手段60では、数段階に分けられた電波干渉レベル信号に応じて、電波干渉レベルに段階を設けて表示する。
【0071】
この電波干渉レベルを参考することにより、ユーザへ電波状態が少しでも良い場所へ無線LANアクセスポイント装置10を設置するように促すことができる。図6(B)は、表示手段60の一例であり、電波干渉レベルと無線LANの使用中チャンネルなどの電波状態を表示した図である。
【0072】
この上記内容において、妨害電波検出手段30は、無線LANアクセスポイント装置10が周囲から受ける電波を受信し、受信した電波の周波数解析を実施し、解析結果を出力するようになっている。
【0073】
また、前述の解析結果から主制御手段50は、無線LAN信号にて使用する帯域か否か判断し、次に電波の強度解析を実施する。そして電波の強度に応じて数段階の電波干渉レベル信号を出力する。
【0074】
さらに、無線LAN信号であるか否かを判断し、無線LAN信号である場合は、使用されている無線LANのチャンネルを確認する。この確認したチャンネルを出力することによって使用中チャンネルを通知することが可能となる。
【0075】
次に、上記第2実施形態について、さらに詳細に説明する。
【0076】
電波検出側通信制御部33は、電界強度を特定する電界強度特定機能33Cを有すると共に、この電界強度情報を前述した周囲電波情報に付与して主制御手段50に出力する機能を有している。
【0077】
主制御手段部50は、前述の周囲電波情報に含まれる周波数帯情報に基づいてこの周波数帯の周波数帯チャンネルを特定するチャンネル特定機能54と、電界強度情報に基づいて予め複数に分類された電波干渉レベルのうちのいづれに属するかを特定する電波干渉レベル特定機能53とを有している。
【0078】
さらに、表示手段60は、前述のするチャンネル特定機能54によって特定されたチャンネルを図6(B)に示す2桁の7セグメント表示器で設置者に通知する使用中チャンネル通知機能64と、電波干渉レベル特定機能53によって特定された電波干渉レベルを図6(B)に示すExcellent、Very Good、Good、Average、Poorの5段階に分類された発光ダイオードのうち対応する発光ダイオードを点灯させる電波干渉レベル通知機能63とを有している。
【0079】
これにより、設置者は使用中チャンネル通知機能64の表示されている他の無線LAN通信で使用されている周波数帯チャンネルを確認することができ、この周波数帯チャンネル以外の周波数帯チャンネルを使用して無線LAN通信を行うように通信設定入力手段80を介して主制御手段50に指令することができる。これによって他の無線LAN通信による影響を低減させることができる。
【0080】
また、設置者が電波干渉レベル通知機能63を参照することにより、少しでも電波干渉を受けづらい場所へ無線LANアクセスポイント装置10の設置を促すことができる。
その他の構成については、前述した第1実施形態と同じである。
【0081】
〔第2実施形態の動作〕
【0082】
次に、無線LANアクセスポイント装置10の第2実施形態における動作の基本的内容を図5および図7に基づいて説明する。
【0083】
まず、妨害電波検出手段30は、周囲から受ける電波を受信し、電波の周波数解析を実施し(図7:ステップS201〜S204/受信電波解析工程)、解析結果を出力する(図7:ステップS205/周囲電波情報出力工程)。
【0084】
続いて、前述の解析結果から主制御手段50は、無線LAN通信にて使用する周波数帯域か判定し(図7:ステップS206/周波数帯判定工程)、次に電波の強度解析を実施する(図7:ステップS207/電界強度解析工程)。
【0085】
そして、電波の強度に応じて数段階の電波干渉状態レベル信号を出力する。電波干渉状態レベル信号を受けて表示手段60で電波干渉レベルを通知する(図7:ステップS208/電波干渉レベル通知工程)。
【0086】
次に、無線LAN信号であるかを判定し(図7:ステップS209/無線LAN通信信号判定工程)、無線LAN信号の場合、使用されている無線LANチャンネルを確認し、表示手段60に使用チャンネルを出力して(図7:ステップS210/周波数帯チャンネル信号出力工程)、使用中チャンネルを通知する(図7:ステップS211/使用中チャンネル通知工程)。
【0087】
次に、上記第2実施形態の動作についてさらに詳細に説明する。
【0088】
まず最初に、無線LANアクセスポイント装置10の電源が投入され主制御手段50によって妨害電波検出手段30が稼動制御されると、妨害電波検出手段30は妨害電波受信アンテナ31で電波の受信を開始する(図5:ステップS201/妨害電波受信工程)。
【0089】
前述の妨害電波受信アンテナ31で受信した電波をフィルタ32Aによってノイズを除去し、このフィルタ32Aを通過した妨害電波をミキサ32Aがローカルオシレータ32Cに基づいて中間周波数に変換し、バンドパスフィルタ32Dが無線LAN方式の通信で使用する周波数帯に影響を及ぼす周波数帯の電波を抽出し、バンドパスフィルタ32Dで抽出した電波から通信信号を検波器32Eが検出し、検波器32Eで検出した通信信号をデジタル信号にA/D変換器32Fが変換する。
【0090】
続いて、周波数特定機能33Aが電波の周波数帯を特定し(図5:ステップS202/周波数帯特定工程)、通信信号特定機能33Bが信号の種類を特定する(図5:ステップS203/信号種類特定工程)。
【0091】
さらに、電界強度特定機能33Cが電界強度を特定し(図5:ステップS204/電界強度特定工程)、前述の周波数帯、信号の種類および電界強度を周囲電波情報として主制御手段50に出力する(図5:ステップS205/周囲電波情報出力工程)。
【0092】
主制御手段50は取得した周囲電波情報を解析し、妨害電波判定機能51が周囲電波情報の周波数帯は無線LANで使用するものであるか否か判定する(図5:ステップS206/周波数帯判定工程)。
【0093】
続いて、妨害電波判定機能51によって無線LANで使用する周波数帯であると判定された場合に、電波干渉レベル特定機能54が周囲電波情報の電界強度は、予め複数に分類された電波干渉レベルのうちのいずれに属するかを特定し(図5:ステップS207/電界強度解析)、特定した電波干渉レベルに対応する発光ダイオードを点灯させるように表示手段60を制御する。
【0094】
電波干渉レベル通知機能63は、電波干渉レベル特定機能54によって特定された電波干渉レベルの発光ダイオードを点灯させ設置者に電波干渉レベルを通知する(図5:ステップS208/電波干渉レベル通知工程)。
【0095】
これによって、設置者は無線LANアクセスポイント装置10の設置した場所において、他の電子機器による妨害電波によって無線LAN通信にどの程度影響を受けるかを知ることができる。
【0096】
また、無線LANアクセスポイント装置10の設置場所の変更に際し設置者に対して、電波干渉レベル通知機能63を参照することにより、さらに電波干渉レベルの良好(図6(B)のExcellent)な場所への設置を促すことができる。
【0097】
続いて、無線LAN通信判定機能52が、周囲電波情報の通信信号の種類は無線LAN通信で使用されるものであるか否か判定する(図5:ステップS209/無線LAN通信信号判定工程)。
【0098】
無線LAN通信判定機能52によって無線LAN通信で使用する通信信号であると判定された場合に、チャンネル特定機能53が周囲電波情報の周波数帯の周波数帯チャンネルを特定し、特定した周波数帯チャンネルを表示するように表示手段60を制御する(図5:ステップS210/周波数帯チャンネル信号出力工程)。
【0099】
使用中チャンネル通知機能64は、チャンネル特定機能53によって特定されたチャンネル数を図6(B)に示すように2桁の7セグメント表示によって通知する(図5:ステップS211/使用中チャンネル通知工程)。
【0100】
これにより、他の無線LAN機器によって既に使用されている周波数帯チャンネル以外の周波数帯チャンネルを選択するように設置者に促すことができる、
【0101】
ここで、妨害電波検出手段30の受信部32を無線LAN通信手段20の受信部23とを同等のものを使用すると共に、妨害電波受信アンテナ31を無線LANアンテナ21と同等のものを使用することによって、妨害電波の受信感度を無線LAN通信のものと同等にすることができる。
【0102】
また、上述した第2実施形態における動作にあって、上記工程で実行される各実行内容をプログラム化し、これをコンピュータに機能させるように構成してもよい。なお、この場合、本プログラムは、非一時的な記録媒体、例えば、DVD、CD、フラッシュメモリなどに記録されてもよい。その場合、本プログラムは、記録媒体からコンピュータによって読み出され、実行される。
【0103】
(第2実施形態の効果)
このように、電界強度特定機能33Cが電界強度を特定し、特定した電界強度に対応する電波干渉レベルを電波干渉レベル特定機能53が特定し、特定した電波干渉レベルを電波干渉レベル通知機能63が設置者に通知する。これによって、電波干渉レベルの度合いを設置者が確認することができると共に、より電波干渉レベルの低い場所へ無線LANアクセスポイント装置10を設置するように促すことができる。また、周波数帯特定機能33Aで特定した周波数帯に基づいて周波数帯チャンネル判定機能54が周波数帯チャンネルを特定し、特定した周波数帯チャンネルを使用中チャンネル通知機能64で設置者に通知する。これによって、他の無線LAN機器による無線LAN通信で使用されている周波数帯チャンネルを設置者が確認することができ、無線LAN通信を行う際に、使用中チャンネル通知機能64に通知されている周波数帯チャンネル以外の周波数帯チャンネルを使用して通信を行うように設置者に促すことができる。その他の構成およびその作用効果については、前述した第1実施形態と同じである。
【0104】
〔その他の実施形態〕
上述したように、第1実施形態および第2実施形態では、妨害電波を妨害電波受信アンテナ31で受信するように構成した。これに対し、無線LAN通信手段20の送受信切替S/W部22と受信部23との間に受信電波を分配する分配器を備え、無線LANアンテナ21で受信した電波を分配器を介して妨害電波検出手段30の受信部32に伝送するように構成することで、無線LANアンテナ21で妨害電波を受信し電波干渉状態を検出することができる。このように構成することで妨害電波受信アンテナ31は不要となり無線LANアクセスポイント装置の製造コストを削減することができる。このようにしても、前述した第1実施形態および第2実施形態と同等の作用効果を備えた無線LANアクセスポイント装置を得ることができる。
【0105】
上述した実施形態については、その新規な技術的内容の要点をまとめると、以下の付記のようになる。
尚、上記実施形態の一部又は全部は、新規な技術として以下のようにまとめられるが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。
【0106】
(付記1)無線LAN方式の電波を送受信する無線LANアンテナを有すると共に当該無線LAN方式の電波を使用して特定の情報端末と通信を行う無線LAN通信手段を備えた無線LANアクセスポイント装置において、
前記無線LANアンテナとは別に妨害電波を受信する妨害電波受信アンテナを有すると共に、当該妨害電波受信アンテナで受信した妨害電波の周波数帯を特定する周波数帯特定手段と、
前記周波数帯特定手段で特定した周波数帯は前記無線LAN方式の通信で使用する周波数帯と同一であるか否かを判定する妨害電波判定手段と、
前記妨害電波判定手段によって前記無線LAN方式の通信で使用する周波数帯と同一であると判定された場合に、当該無線LANアクセスポイント装置の設置者に対して電波干渉状態であることを通知する電波干渉通知手段とを備えたことを特徴とする無線LANアクセスポイント装置。
【0107】
(付記2)付記1に記載の無線LANアクセスポイント装置において、
前記周波数特定手段に、前記妨害電波受信アンテナで受信した妨害電波を信号処理用の通信信号に変換し当該通信信号に基づいて通信方式の種類を特定する通信方式特定手段を併設すると共に、
前記妨害電波判定手段が、前記通信方式特定手段によって特定された通信方式の種類が無線LAN方式であるか否かを判定する無線LAN通信判定機能を有し、
前記電波干渉通知手段は、前記通信信号が前記無線LAN通信判定機能によって無線LAN方式であると判定された場合に前記設置者に対して他の無線LAN機器の通信によって電波干渉状態であることを通知する無線LAN信号干渉状態検出機能を有することを特徴とする無線LANアクセスポイント装置。
【0108】
(付記3)付記2に記載の無線LANアクセスポイント装置において、
前記妨害電波判定手段は、前記無線LAN通信判定機能が前記妨害電波の種類を無線LAN方式と判定した場合に、前記周波数特定手段で特定した周波数帯に基づいて周波数チャンネルを特定する周波数チャンネル特定機能を有すると共に、
前記電波干渉通知手段は、前記特定した周波数チャンネルが他の無線LAN機器によって既に使用されていることを前記設置者に通知する使用中チャンネル通知機能を有することを特徴とする無線LANアクセスポイント装置。
【0109】
(付記4)付記1に記載の無線LANアクセスポイント装置において、
前記周波数特定手段に、前記受信した妨害電波の電界強度を特定する電界強度特定手段を併設すると共に、
前記妨害電波判定手段は、前記特定された電界強度が予め電界強度ごとに複数に分類された電波干渉レベルのうちのいずれに属するかを特定する電波干渉レベル特定機能を有し、
前記電波干渉通知手段は前記特定された電波干渉レベルを前記設置者に通知する電波干渉レベル通知機能を有することを特徴とする無線LANアクセスポイント装置。
【0110】
(付記5)無線LAN方式の電波を送受信する無線LANアンテナを有すると共に当該無線LAN方式の電波を使用して特定の情報端末と通信を行う無線LAN通信手段を備えた無線LANアクセスポイント装置にあって、
前記無線LANアンテナとは別に妨害電波を受信する妨害電波受信アンテナを有すると共に、当該妨害電波受信アンテナで受信した妨害電波の周波数帯を周波数帯特定手段が特定し、
前記周波数帯特定手段で特定した周波数帯は前記無線LAN方式の通信で使用する周波数帯と同一であるか否かを妨害電波判定手段が判定し、
前記妨害電波判定手段によって前記無線LAN方式の通信で使用する周波数帯と同一であると判定された場合に、当該無線LANアクセスポイント装置の設置者に対して電波干渉状態であることを電波干渉通知手段が通知するようにしたことを特徴とする無線LANアクセスポイント装置制御方法。
【0111】
(付記6)無線LAN方式の電波を送受信する無線LANアンテナを有すると共に当該無線LAN方式の電波を使用して特定の情報端末と通信を行う無線LAN通信手段を備えた無線LANアクセスポイント装置にあって、
前記無線LANアンテナとは別に妨害電波を受信する妨害電波受信アンテナを有すると共に、当該妨害電波受信アンテナで受信した妨害電波の周波数帯を特定する周波数帯特定機能、
前記周波数帯特定手段で特定した周波数帯は前記無線LAN方式の通信で使用する周波数帯と同一であるか否かを判定する妨害電波判定機能、
前記妨害電波判定手段によって前記無線LAN方式の通信で使用する周波数帯と同一であると判定された場合に、当該無線LANアクセスポイント装置の設置者に対して電波干渉状態であることを通知する電波干渉通知機能、
を実行可能にプログラム化し、これをコンピュータに実現させるようにしたことを特徴とする無線LANアクセスポイント装置制御用プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明は、無線LANを使用して通信を行う無線LAN機器に応用することが可能である。
【符号の説明】
【0113】
10 無線LANアクセスポイント装置
20 無線LAN通信手段
21 無線LANアンテナ
30 妨害電波検出手段
31 妨害電波受信アンテナ
33A 周波数帯特定機能
33B 通信信号変換機能
33C 電界強度特定機能
50 主制御手段
51 妨害電波判定機能
52 無線LAN通信判定機能
53 チャンネル特定機能
54 電波干渉レベル特定機能
60 表示部
61 電波干渉通知機能
62 無線LAN信号干渉状態検出機能
63 電波干渉レベル通知機能
64 使用中チャンネル通知機能

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線LAN方式の電波を送受信する無線LANアンテナを有すると共に当該無線LAN方式の電波を使用して特定の情報端末と通信を行う無線LAN通信手段を備えた無線LANアクセスポイント装置において、
前記無線LANアンテナとは別に妨害電波を受信する妨害電波受信アンテナを有すると共に、当該妨害電波受信アンテナで受信した妨害電波の周波数帯を特定する周波数帯特定手段と、
前記周波数帯特定手段で特定した周波数帯は前記無線LAN方式の通信で使用する周波数帯と同一であるか否かを判定する妨害電波判定手段と、
前記妨害電波判定手段によって前記無線LAN方式の通信で使用する周波数帯と同一であると判定された場合に、当該無線LANアクセスポイント装置の設置者に対して電波干渉状態であることを通知する電波干渉通知手段とを備えたことを特徴とする無線LANアクセスポイント装置。
【請求項2】
請求項1に記載の無線LANアクセスポイント装置において、
前記周波数特定手段に、前記妨害電波受信アンテナで受信した妨害電波を信号処理用の通信信号に変換し当該通信信号に基づいて通信方式の種類を特定する通信方式特定手段を併設すると共に、
前記妨害電波判定手段が、前記通信方式特定手段によって特定された通信方式の種類が無線LAN方式であるか否かを判定する無線LAN通信判定機能を有し、
前記電波干渉通知手段は、前記通信信号が前記無線LAN通信判定機能によって無線LAN方式であると判定された場合に前記設置者に対して他の無線LAN機器の通信によって電波干渉状態であることを通知する無線LAN信号干渉状態検出機能を有することを特徴とする無線LANアクセスポイント装置。
【請求項3】
請求項2に記載の無線LANアクセスポイント装置において、
前記妨害電波判定手段は、前記無線LAN通信判定機能が前記妨害電波の種類を無線LAN方式と判定した場合に、前記周波数特定手段で特定した周波数帯に基づいて周波数チャンネルを特定する周波数チャンネル特定機能を有すると共に、
前記電波干渉通知手段は、前記特定した周波数チャンネルが他の無線LAN機器によって既に使用されていることを前記設置者に通知する使用中チャンネル通知機能を有することを特徴とする無線LANアクセスポイント装置。
【請求項4】
請求項1に記載の無線LANアクセスポイント装置において、
前記周波数特定手段に、前記受信した妨害電波の電界強度を特定する電界強度特定手段を併設すると共に、
前記妨害電波判定手段は、前記特定された電界強度が予め電界強度ごとに複数に分類された電波干渉レベルのうちのいずれに属するかを特定する電波干渉レベル特定機能を有し、
前記電波干渉通知手段は前記特定された電波干渉レベルを前記設置者に通知する電波干渉レベル通知機能を有することを特徴とする無線LANアクセスポイント装置。
【請求項5】
無線LAN方式の電波を送受信する無線LANアンテナを有すると共に当該無線LAN方式の電波を使用して特定の情報端末と通信を行う無線LAN通信手段を備えた無線LANアクセスポイント装置にあって、
前記無線LANアンテナとは別に妨害電波を受信する妨害電波受信アンテナを有すると共に、当該妨害電波受信アンテナで受信した妨害電波の周波数帯を周波数帯特定手段が特定し、
前記周波数帯特定手段で特定した周波数帯は前記無線LAN方式の通信で使用する周波数帯と同一であるか否かを妨害電波判定手段が判定し、
前記妨害電波判定手段によって前記無線LAN方式の通信で使用する周波数帯と同一であると判定された場合に、当該無線LANアクセスポイント装置の設置者に対して電波干渉状態であることを電波干渉通知手段が通知するようにしたことを特徴とする無線LANアクセスポイント装置制御方法。
【請求項6】
無線LAN方式の電波を送受信する無線LANアンテナを有すると共に当該無線LAN方式の電波を使用して特定の情報端末と通信を行う無線LAN通信手段を備えた無線LANアクセスポイント装置にあって、
前記無線LANアンテナとは別に妨害電波を受信する妨害電波受信アンテナを有すると共に、当該妨害電波受信アンテナで受信した妨害電波の周波数帯を特定する周波数帯特定機能、
前記周波数帯特定手段で特定した周波数帯は前記無線LAN方式の通信で使用する周波数帯と同一であるか否かを判定する妨害電波判定機能、
前記妨害電波判定手段によって前記無線LAN方式の通信で使用する周波数帯と同一であると判定された場合に、当該無線LANアクセスポイント装置の設置者に対して電波干渉状態であることを通知する電波干渉通知機能、
を実行可能にプログラム化し、これをコンピュータに実現させるようにしたことを特徴とする無線LANアクセスポイント装置制御用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−109833(P2012−109833A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257641(P2010−257641)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】