説明

焼成炉及び炭化珪素粉体の製造方法

【課題】不純物の含有量が低減されたより高純度の炭化珪素粉体を製造できる焼成炉、及び炭化珪素粉体の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る焼成炉100は、マッフル4によって区画された処理室3と、処理室3内に配設され、被焼成物8が収められる坩堝5と、外部から不活性ガスを供給する不活性ガス供給管6とを備え、マッフル4と坩堝5との間には空隙45が形成され、不活性ガス供給管6の開口端部62は、空隙45に配設される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化珪素粉体の製造に用いられる焼成炉、及び炭化珪素粉体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、珪素原料、炭素原料及び結合材を用いて造粒された被焼成物を焼成炉に入れて焼成することによって、炭化珪素粉体を製造する方法が広く用いられている。
【0003】
このような炭化珪素粉体の製造に用いられる焼成炉の内部には、一般的に、マッフルによって区画された処理室が設けられる(例えば、特許文献1)。また、焼成炉には、アルゴンなどの不活性ガスを炉内に供給する不活性ガス供給管が接続される。
【特許文献1】特開2005−221135号公報(第4頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の焼成炉には、次のような問題があった。すなわち、マッフルによって区画された処理室内に坩堝を配設した場合、被焼成物の周囲に不活性ガスが供給されず、製造された炭化珪素粉体に含有される不純物、例えば窒素あるいはホウ素などの量が増える問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、マッフルによって区画された処理室内に坩堝を配設した場合において、不純物の含有量が低減されたより高純度の炭化珪素粉体を製造できる焼成炉、及び炭化珪素粉体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、マッフルによって区画された処理室と、前記処理室内に配設され、被焼成物が収められる坩堝と、外部から不活性ガスを供給する不活性ガス供給管とを備える焼成炉であって、前記マッフルと前記坩堝との間には、空隙が形成され、前記不活性ガス供給管の開口端部は、前記空隙に配設されることを要旨とする。
【0007】
本発明の第1の特徴によれば、このような焼成炉100によれば、不活性ガスが、処理室3内に導入されるため、処理室3内に配設された坩堝5の周囲に不活性ガスが供給される。したがって、被焼成物8を焼成することにより得られる粉体に対して不純物となる物質を、坩堝5の周囲から除去することができる。
【0008】
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記不活性ガス供給管から前記焼成炉の内部に供給された前記不活性ガスを排出する排気管を備え、前記排気管は、前記処理室に連通することを要旨とする。
【0009】
本発明の第3の特徴は、本発明の第2の特徴に係り、前記排気管のガス取入口部は、前記不活性ガス供給管の上方に形成されることを要旨とする。
【0010】
本発明の第4の特徴は、本発明の第1乃至第3の何れか一つの特徴に係り、前記不活性ガス供給管は、前記不活性ガスが供給される管部と、前記管部から分岐し、前記空隙に配設される複数の前記開口端部とを有することを要旨とする。
【0011】
本発明の第5の特徴は、マッフルによって区画された処理室と、被焼成物が収められる坩堝と、外部から不活性ガスを供給する不活性ガス供給管とを含む焼成炉を用いた炭化珪素粉体の製造方法であって、前記処理室内に、前記坩堝を配設する工程と、前記不活性ガスを供給する工程とを備え、前記坩堝を配設する工程では、前記マッフルと前記坩堝との間に空隙を形成し、前記不活性ガスを供給する工程では、前記空隙に前記不活性ガスを供給することを要旨とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の特徴によれば、不純物の含有量が低減されたより高純度の炭化珪素粉体を製造できる焼成炉、及び炭化珪素粉体の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明に係る焼成炉及び炭化珪素粉体の製造方法の実施形態について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)焼成炉の構成、(2)製造方法、(3)実施例、(4)比較例、(5)不純物含有量評価、(6)作用・効果、及び(7)その他の実施形態について説明する。
【0014】
なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0015】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0016】
(1)焼成炉の構成
(1.1)焼成炉の構成
まず、本実施形態に係る焼成炉の構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る焼成炉100の断面図である。また、図2は、本実施形態に係る焼成炉100の斜視図である。
【0017】
焼成炉100は、図1に示すように、チャンバー1と、チャンバー1内に設けられる加熱室2及び処理室3と、マッフル4と、坩堝5と、不活性ガス供給管6と、排気管7とを備える。
【0018】
加熱室2と処理室3とは、図1に示すように、マッフル4によって区画される。加熱室2には、加熱部21が配設される。加熱部21は、例えばカーボンなどにより構成されており、通電によって加熱室2内の気体を所定温度に加熱する。処理室3内の温度は、加熱室2から伝達する熱により上昇する。マッフル4は、処理室3内の温度変化を緩やかにする。
【0019】
処理室3内には、坩堝5が配設される。坩堝5には、被焼成物8が収められる。坩堝5としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなどのセラミック製坩堝などがあるが、炭化珪素粉体の純度を高める観点から、黒鉛製坩堝を用いることが好ましい。
【0020】
マッフル4と坩堝5との間には、図1に示すように、空隙45が形成される。坩堝5は、例えば処理室3内に配設される載置台(不図示)などにより載置されてもよく、マッフル4に設けられる突起(不図示)などにより支持されてもよい。
【0021】
不活性ガス供給管6は、焼成炉100の外部から不活性ガスを供給する。不活性ガス供給管6は、管部61と、管部61の先端に設けられる開口端部62とを有する。開口端部62は、図1に示すように、マッフル4と坩堝5との間に形成される空隙45に配設される。不活性ガスとしては、例えばアルゴンなどを用いることができる。
【0022】
排気管7は、焼成炉100の内部から不活性ガスを排出する。排気管7は、管部71と、管部71の先端に設けられるガス取入口部72とを有する。排気管7は、図1に示すように、処理室3に連通する。なお、図1においては、ガス取入口部72はマッフル4から離間しているが、ガス取入口部72はマッフル4に接続されていてもよい。
【0023】
図2は、本実施形態に係る焼成炉100の斜視図である。ただし、図2においては、チャンバー1を省略し、マッフル4、坩堝5、不活性ガス供給管6及び排気管7のみ記載している。図2に示すように、排気管7のガス取入口部72は、不活性ガス供給管6の上方に形成されることが好ましい。
【0024】
(1.2)焼成炉の構成の変形例
以下において、実施形態の変形例に係る焼成炉の構成について説明する。上述した実施形態では、不活性ガス供給管6の管部61の先端には、1つの開口端部62が設けられている場合について説明したが、不活性ガス供給管に設けられる開口端部の数は1つには限定されない。
【0025】
図3は、変形例に係る焼成炉200の断面図である。焼成炉200は、図3に示すように、チャンバー1と、チャンバー1内に設けられる加熱室2及び処理室3と、マッフル4と、坩堝5と、不活性ガス供給管9と、排気管7とを備える。チャンバー1、加熱室2、処理室3、マッフル4、坩堝5及び排気管7の構成については上述した実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0026】
不活性ガス供給管9は、焼成炉200の外部から不活性ガスを供給する。不活性ガス供給管9は、図3に示すように、管部91と、管部91から分岐する複数の開口端部92とを有する。複数の開口端部92は、図3に示すように、マッフル4と坩堝5との間に形成される空隙45に配設される。不活性ガスとしては、例えばアルゴンなどを用いることができる。
【0027】
(2)製造方法
(2.1)原料
炭化珪素粉体は、珪素と炭素とを含む炭化珪素前駆体を乾燥して得られる被焼成物8を焼成することにより製造される。炭化珪素前駆体は、珪素含有原料と炭素含有原料とが混合された原料混合物を架橋又は重合することにより生成される。
【0028】
珪素含有原料は、液状の珪素化合物と、加水分解性珪素化合物より合成される珪素質固体とを含む群より選ばれる少なくとも1種の珪素含有原料である。液状の珪素化合物の好適な具体例としては、加水分解性珪酸化合物をトリメチル化して得られる1群のポリマー、加水分解性珪酸化合物と1価もしくは多価アルコール(例えば、ジオール、トリオール)とのエステル(例えば、四塩化珪素とエタノールとの反応で合成されるエチルシリケート)、加水分解性珪素化合物と有機化合物との反応で得られたエステル以外の反応生成物(例えば、テトラメチルシラン、ジメチルジフェニルシラン、ポリジメチルシラン)などが挙げられる。これらの珪素化合物は、有害元素(後述)を含まない原料と、有害元素を含まない触媒とを用いて合成される。また、珪素質固体の好適な具体例としては、四塩化珪素の加水分解により得られる無定型シリカ微粉末が挙げられる。
【0029】
珪素含有原料における有害元素の含有量は、それぞれ1ppm以下であることが好ましい。ここで、有害元素とは、半導体製造に用いられるウェハーの熱処理工程において、塩化物となって気化してウェハーに不純物として取り込まれることにより、ウェハーの絶縁抵抗の低下やSiOの耐電圧低下を引き起こす元素を示す。有害元素の一例としては、Fe、Ni、Cu、Cr、V、W等の重金属元素、Li、Na、K等のアルカリ金属元素、並びにBe、Mg、Ca、B、Al、Ga等のアルカリ土類もしくは両性金属元素などが挙げられる。
【0030】
炭素含有原料は、有害元素を含まない触媒を用いて合成される。炭素含有原料は、加熱及び/又は触媒、もしくは架橋剤により重合又は架橋して硬化しうる任意の1種もしくは2種以上の有機化合物から構成されるモノマー、オリゴマー及びポリマーである。炭素含有原料の好適な具体例としては、有害元素を含まない触媒を用いて合成されたフェノール樹脂、フラン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂などの硬化性樹脂が挙げられる。特に、残炭率が高く、作業性に優れているレゾール型またはノボラック型フェノール樹脂が好ましい。
【0031】
上述した珪素含有原料及び炭素含有原料が混合された原料混合物を架橋又は重合することにより、炭化珪素前駆体が生成される。このとき、必要に応じて重合用の触媒あるいは架橋用の架橋剤を原料混合物に加える。このようにして生成される炭化珪素前駆体は、珪素、炭素及び酸素を含有する均一な固形物である。なお、固形物にはゼリー状物質が含まれる。上述した炭化珪素前駆体を真空乾燥法によって乾燥することにより、炭化珪素粉体の製造に用いられる被焼成物8が得られる。
【0032】
(2.2)炭化珪素粉体の製造方法
次に、本実施形態に係る炭化珪素粉体の製造方法の全体概略について説明する。図4は、炭化珪素粉体の製造方法を説明する流れ図である。
【0033】
本実施形態に係る炭化珪素粉体の製造方法では、図1に示す焼成炉100を用いる。本実施形態に係る炭化珪素粉体の製造方法は、図4に示すように、処理室3内に坩堝5を配設する工程S1と、不活性ガスを供給する工程S2と、被焼成物8を加熱する工程S3とを有する。
【0034】
工程S1では、坩堝5が、図1に示すように処理室3内に配設される。ここで、工程S1では、マッフル4と坩堝5との間に空隙45が形成されるように、坩堝5を配設する。なお、工程S1では、上述した被焼成物8が坩堝5内に収められているものとする。
【0035】
工程S2では、不活性ガス供給管6により焼成炉100内に不活性ガスが供給される。ここで、図1に示すように、不活性ガス供給管6の開口端部62は、工程S1で形成された空隙45に配設される。そのため、工程S2では、工程S1で形成された空隙45に不活性ガスが供給される。なお、不活性ガスは、連続的に供給される。
【0036】
工程S3では、加熱部21により加熱室2内の気体を加熱することによって、処理室3内の温度を上昇させる。これにより、坩堝5内に収められた被焼成物8が加熱される。加熱条件の一例として、処理室3内の温度を約1600〜2000℃とし、加熱時間を約30〜180分とする。
【0037】
以上の工程により、被焼成物8が焼成される。これにより、炭化珪素粉体が得られる。
【0038】
(2.3)炭化珪素粉体の製造方法の変形例
上述した実施形態では、図1に示す焼成炉100を用いて炭化珪素粉体を製造する場合について説明したが、図3に示す焼成炉200を用いてもよい。図3に示す焼成炉200を用いる場合であっても、図1に示す焼成炉100を用いる場合と同様にして、図4に示す工程S1乃至S3により炭化珪素粉体を製造する。
【0039】
(3)実施例
本実施例では、図1に示す焼成炉100を用い、上述した実施形態に係る炭化珪素粉体の製造方法に基づいて炭化珪素粉体を製造した。本実施例では、珪素含有原料としてエチルシリケート40を用いた。また、炭素含有原料として、フェノール樹脂を用いた。
【0040】
(4)比較例
本比較例では、従来の焼成炉を用いて炭化珪素粉体を製造した。具体的には、不活性ガス供給管の開口端部が、マッフルと坩堝との空隙に配設されていない焼成炉を用いた。
【0041】
本比較例では、上述した実施例と同様にして、珪素含有原料としてエチルシリケート40を用いた。また、炭素含有原料として、フェノール樹脂を用いた。
【0042】
(5)不純物含有量評価
上述した実施例及び比較例に係る炭化珪素粉体について、不純物含有量を測定した。具体的には、SIMS(二次イオン質量分析法)を用いて、炭化珪素粉体中の窒素含有量及びホウ素含有量を測定した。
【0043】
比較例に係る炭化珪素粉体においては、窒素含有量が14ppm、ホウ素含有量が21ppmであった。これに対し、実施例に係る炭化珪素粉体においては、窒素含有量が5ppm、ホウ素含有量が1ppmであった。したがって、上述した実施例によれば、比較例に対して窒素含有量を64%、ホウ素含有量を95%低減できることが確認された。
【0044】
(6)作用・効果
本実施形態に係る焼成炉100は、チャンバー1と、チャンバー1内に設けられる加熱室2及び処理室3と、マッフル4と、坩堝5と、不活性ガス供給管6と、排気管7とを備える。マッフル4によって区画された処理室3内には坩堝5が配設されており、マッフル4と坩堝5との間には、空隙45が形成される。焼成炉100の外部から不活性ガスを供給する不活性ガス供給管6の開口端部62は、マッフル4と坩堝5との間に形成された空隙45に配設される。
【0045】
このような焼成炉100によれば、不活性ガスが、処理室3内に導入される。これにより、処理室3内に不活性ガスが充填されるとともに処理室3の下方から上方に向かって不活性ガスが流れるため、処理室3内に配設された坩堝5の周囲に不活性ガスが供給される。したがって、被焼成物8を焼成することにより得られる粉体に対して不純物となる物質を、坩堝5の周囲から除去することができる。
【0046】
また、本実施形態に係る炭化珪素粉体の製造方法では、珪素と炭素とを含む炭化珪素前駆体を乾燥して得られる被焼成物8を、上述した焼成炉100により焼成する。そのため、窒素やホウ素などの不純物を、被焼成物8が収められた坩堝5の周囲から除去することができ、不純物の含有量が低減された高純度の炭化珪素粉体を製造することができる。
【0047】
また、本実施形態に係る焼成炉100において、排気管7は、処理室3に連通する。また、排気管7のガス取入口部72は、不活性ガス供給管6の上方に形成される。これにより、処理室3内に充填される不活性ガスが処理室3外に排出され易くなるため、坩堝5の周囲から不純物を効率的に除去することができる。
【0048】
また、本実施形態の変形例に係る焼成炉200において、不活性ガス供給管9は、管部91と、管部91から分岐する複数の開口端部92とを有する。複数の開口端部92は、マッフル4と坩堝5との間に形成される空隙45に配設される。これにより、処理室3内に不活性ガスが充填され易くなるとともに、処理室3の下方から上方に向かう不活性ガスの流路が形成され易くなるため、坩堝5の周囲から不純物を効率的に除去することができる。
【0049】
(7)その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0050】
例えば、上述した実施形態では、被焼成物8として、珪素と炭素とを含む炭化珪素前駆体を乾燥して得られる物質を用いることにより、炭化珪素粉体を製造したが、本発明はこれに限るものではない。本発明は、炭化珪素粉体の製造以外にも、焼成中に不純物を継続的に除去する必要がある物質を製造する場合に適用することができる。
【0051】
また、上述した実施形態の変形例では、不活性ガス供給管9が、3つの開口端部92を有する場合について説明したが、開口端部92の数は2つ、あるいは4つ以上であってもよい。
【0052】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態に係る焼成炉100の断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る焼成炉100の斜視図である。
【図3】本発明の実施形態の変形例に係る焼成炉200の断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る炭化珪素粉体の製造方法を説明する流れ図である。
【符号の説明】
【0054】
100,200…焼成炉、1…チャンバー、2…加熱室、21…加熱部、3…処理室、4…マッフル、5…坩堝、45…空隙、6…不活性ガス供給管、61…管部、62…開口端部、7…排気管、71…管部、72…ガス取入口部、8…被焼成物、9…不活性ガス供給管、91…管部、92…開口端部.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マッフルによって区画された処理室と、
前記処理室内に配設され、被焼成物が収められる坩堝と、
外部から不活性ガスを供給する不活性ガス供給管と
を備える焼成炉であって、
前記マッフルと前記坩堝との間には、空隙が形成され、
前記不活性ガス供給管の開口端部は、前記空隙に配設される焼成炉。
【請求項2】
前記不活性ガス供給管から前記焼成炉の内部に供給された前記不活性ガスを排出する排気管を備え、
前記排気管は、前記処理室に連通する請求項1に記載の焼成炉。
【請求項3】
前記排気管のガス取入口部は、前記不活性ガス供給管の上方に形成される請求項2に記載の焼成炉。
【請求項4】
前記不活性ガス供給管は、
前記不活性ガスが供給される管部と、
前記管部から分岐し、前記空隙に配設される複数の前記開口端部と
を有する請求項1乃至3の何れか一項に記載の焼成炉。
【請求項5】
マッフルによって区画された処理室と、被焼成物が収められる坩堝と、外部から不活性ガスを供給する不活性ガス供給管とを含む焼成炉を用いた炭化珪素粉体の製造方法であって、
前記処理室内に、前記坩堝を配設する工程と、
前記不活性ガスを供給する工程とを備え、
前記坩堝を配設する工程では、前記マッフルと前記坩堝との間に空隙を形成し、
前記不活性ガスを供給する工程では、前記空隙に前記不活性ガスを供給する炭化珪素粉体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−263175(P2009−263175A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−115816(P2008−115816)
【出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】